JP6496217B2 - マイクロチャンネルプレート及び電子増倍体 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロチャンネルプレート及び電子増倍体に関する。
従来、表面及び裏面を有する基体と、基体の表面から裏面にかけて貫通する複数のチャンネルと、を備えるマイクロチャンネルプレートが知られている(例えば特許文献1参照)。このマイクロチャンネルプレートでは、チャンネルに第1の放出層が形成され、第1の放出層の上に第2の放出層が形成されている。
特表第2011−513921号公報
一般的に、マイクロチャンネルプレートは、イメージインテンシファイアや光電子増倍管(Photomultiplier Tube)等の真空管内で使用されるデバイスであるが、製造中の取扱い性やマイクロチャンネルプレート単体での顧客への輸送環境を考慮すると、真空管とは異なる環境下における特性の安定性が重要となる。上記従来技術では、例えば大気中に放置した場合にAl層からなる第2の放出層の表面が汚染され或いは変質し、ゲインの経時的な劣化を生じるおそれがある。また、上記従来技術では、第1の放出層と第2の放出層との二次電子放出係数の大小がマイクロチャンネルプレートの構成に十分に考慮されていないことから、例えば第1の放出層の二次電子放出係数が大きくても、その特性を生かせずにマイクロチャンネルプレートのゲインが低くなる場合がある。
本発明は、ゲインの向上を図りつつ、ゲインの経時的な劣化を抑制できるマイクロチャンネルプレート及び電子増倍体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、チャンネルの内壁面上にAl(酸化アルミニウム)で形成した第1の膜を設け、この第1の膜上にSiO(二酸化ケイ素)で形成した第2の膜を設けることにより、ゲインの経時的な劣化を抑制できるという知見を得た。加えて、本発明者らは、Alで形成した第1の膜の厚さをSiOで形成した第2の膜の厚さよりも厚くすることで、二次電子放出係数が大きいAlの特性を生かして効率良くゲインの向上を図ることができるという知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るマイクロチャンネルプレートは、表面、裏面及び側面を有する基体と、基体の表面から裏面にかけて貫通する複数のチャンネルと、少なくともチャンネルの内壁面上に設けられた第1の膜と、第1の膜上に設けられた第2の膜と、基体の表面上及び裏面上にそれぞれ設けられた電極層と、を備え、第1の膜は、Alで形成されており、第2の膜は、SiOで形成されており、第1の膜の厚さは、第2の膜の厚さよりも厚い。
このマイクロチャンネルプレートでは、Alで形成した第1の膜上にSiOで形成した第2の膜が設けられているため、例えば大気中に放置した場合、ゲインの経時的な劣化を抑制することができる。また、Alで形成した第1の膜の厚さをSiOで形成した第2の膜の厚さよりも厚くしているため、二次電子放出係数が大きいAlの特性を生かして、Alで形成した第1の膜を主たる二次電子増倍層として機能させ、効率良くゲインの向上を図ることができる。従って、ゲインの向上を図りつつ、ゲインの経時的な劣化を抑制することが可能となる。
また、第1の膜の厚さは、蛍光X線分析法を用いて算出した場合、10Å以上の厚さであってもよい。このように、Alで形成した第1の膜が10Å以上の厚さであると、第1の膜を二次電子増倍層として好適に機能させることができる。
また、基体は、絶縁性材料で形成されており、チャンネルの内壁面と第1の膜との間には、抵抗膜が形成されていてもよい。この場合、基体の表面上に設けられた電極層と基体の裏面上に設けられた電極層との間に電圧が印加されたとき、抵抗膜によって電位傾斜を形成し、電子増倍が可能となる。
また、基体は、抵抗性材料で形成されていてもよい。この場合、チャンネルの内壁面に抵抗膜を設ける必要がなく、抵抗膜の製造工程を省けるため、製造コストを削減することが可能となる。
また、第1の膜及び第2の膜は、基体の表面上、裏面上及び側面上に形成され、電極層は、第2の膜上に形成されていてもよい。或いは、電極層は、基体の表面及び裏面に接触するように形成され、第1の膜及び第2の膜は、電極層上、基体の表面上、裏面上及び側面上に形成されていてもよい。この構成では、基体の表面上、裏面上、及び側面上を第1の膜及び第2の膜が覆っているため、例えばガス放出の多い材料で基体が形成されている場合において、基体からのガス放出を効果的に抑制できる。
また、抵抗膜、第1の膜及び第2の膜は、基体の表面上、裏面上及び側面上に形成され、電極層は、第2の膜上に形成されていてもよい。或いは、電極層は、基体の表面及び裏面に接触するように形成され、抵抗膜、第1の膜及び第2の膜は、基体の表面上、裏面上及び側面上に形成されていてもよい。この構成では、基体の表面上、裏面上、及び側面上を第1の膜及び第2の膜に加えて抵抗膜が覆っているため、例えばガス放出の多い材料で基体が形成されている場合において、基体からのガス放出を効果的に抑制できる。
また、第1の膜及び第2の膜は、原子層堆積法によって形成された層であってもよい。この場合、第1の膜及び第2の膜を原子層レベルで成膜できるため、膜質が均一となり、ピンホール等の欠陥が抑制された膜を形成することができる。
本発明に係る電子増倍体は、表面、裏面及び側面を有する本体と、本体の表面から裏面にかけて貫通するチャンネルと、少なくともチャンネルの内壁面上に設けられた第1の膜と、第1の膜上に設けられた第2の膜と、本体の表面上及び裏面上にそれぞれ設けられた電極層と、を備え、第1の膜は、Alで形成されており、第2の膜は、SiOで形成されており、第1の膜の厚さは、第2の膜の厚さよりも厚い。
この電子増倍体では、Alで形成した第1の膜上にSiOで形成した第2の膜が設けられているため、例えば大気中に放置した場合、ゲインの経時的な劣化を抑制することができる。また、Alで形成した第1の膜の厚さをSiOで形成した第2の膜の厚さよりも厚くしているため、二次電子放出係数が大きいAlの特性を生かして、Alで形成した第1の膜を主たる二次電子増倍層として機能させ、効率良くゲインの向上を図ることができる。従って、ゲインの向上を図りつつ、ゲインの経時的な劣化を抑制することが可能となる。
また、第1の膜の厚さは、蛍光X線分析法を用いて算出した場合、10Å以上の厚さであってもよい。このように、第1の膜が10Å以上の厚さであると、Alで形成した第1の膜を二次電子増倍層として好適に機能させることができる。
また、本体は、絶縁性材料で形成されており、チャンネルの内壁面と第1の膜との間には、抵抗膜が形成されていてもよい。この場合、本体の表面上に設けられた電極層と本体の裏面上に設けられた電極層との間に電圧が印加されたとき、抵抗膜によって電位傾斜を形成し、電子増倍が可能となる。
また、本体は、抵抗性材料で形成されていてもよい。この場合、チャンネルの内壁面に抵抗膜を設ける必要がなく、抵抗膜の製造工程を省けるため、製造コストを削減することが可能となる。
また、第1の膜及び第2の膜は、本体の表面上、裏面上及び側面上に形成され、電極層は、第2の膜上に形成されていてもよい。或いは、電極層は、本体の表面及び裏面に接触するように形成され、第1の膜及び第2の膜は、電極層上、本体の表面上、裏面上及び側面上に形成されていてもよい。この構成では、本体の表面上、裏面上、及び側面上を第1の膜及び第2の膜が覆っているため、例えばガス放出の多い材料で本体が形成されている場合において、本体からのガス放出を効果的に抑制できる。
また、抵抗膜、第1の膜及び第2の膜は、本体の表面上、裏面上及び側面上に形成され、電極層は、第2の膜上に形成されていてもよい。或いは、電極層は、本体の表面及び裏面に接触するように形成され、抵抗膜、第1の膜及び第2の膜は、本体の表面上、裏面上及び側面上に形成されていてもよい。この構成では、本体の表面上、裏面上、及び側面上を第1の膜及び第2の膜に加えて抵抗膜が覆っているため、例えばガス放出の多い材料で本体が形成されている場合において、本体からのガス放出を効果的に抑制できる。
また、第1の膜及び第2の膜は、原子層堆積法によって形成された層であってもよい。この場合、第1の膜及び第2の膜を原子層レベルで成膜できるため、膜質が均一となり、ピンホール等の欠陥が抑制された膜を形成することができる。
本発明によれば、ゲインの向上を図りつつ、ゲインの経時的な劣化を抑制できるマイクロチャンネルプレート及び電子増倍体を提供することが可能となる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係るマイクロチャンネルプレートの斜視図である。(b)は、(a)のマイクロチャンネルプレートの膜構成を示す斜視図である。 図1のマイクロチャンネルプレートの成膜工程を示すフローチャートである。 SiOの層の堆積回数と保護膜の厚さとの関係を示す図である。 マイクロチャンネルプレートを大気放置した場合の劣化によるゲインの相対変化率を示す図である。 マイクロチャンネルプレートを大気放置した場合の劣化によるゲインの相対変化率を示す他の図である。 図1(a)のマイクロチャンネルプレートにおけるSiOの層の堆積回数とゲインとの関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る電子増倍体の断面図である。 (a)は、本発明の変形例に係るマイクロチャンネルプレートの断面図である。(b)は、本発明の変形例に係る電子増倍体の断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るマイクロチャンネルプレートの斜視図である。図1では、一部を断面化したマイクロチャンネルプレートを示している。図1(a)に示されるように、マイクロチャンネルプレート10は、電子を増倍する機能を有する部材である。マイクロチャンネルプレート10は、入力面(表面)11a及び出力面(裏面)11bを有する円板状の基体11を有している。基体11は、例えばソーダ石灰ガラス、硼珪酸ガラス、鉛ガラス又はアルマイト処理が施された酸化アルミ等の絶縁性材料によって形成されている。基体11には、断面円形状の複数のチャンネル12が形成されている。チャンネル12は、基体11の入力面11aから出力面11bにかけて貫通する。チャンネル12は、隣り合うチャンネル12との中心間距離が例えば数μm〜数十μmとなるように、平面視でマトリクス状に配置されている。チャンネル12のマイクロチャンネルプレート10の厚さ方向の長さは、例えば430μmとされている。チャンネル12の直径は、例えば10μmとされている。
図1(b)は、(a)のマイクロチャンネルプレートの膜構成を示す斜視図である。図1(b)は、マイクロチャンネルプレート10において厚さ方向に沿う断面の膜構成を示している。図1(b)に示されるように、基体11には、機能的な膜として、抵抗膜13と、電子放出膜(第1の膜)14と、保護膜(第2の膜)15と、入力電極(電極層)16と、出力電極(電極層)17と、が形成されている。
抵抗膜13は、チャンネル12の内壁面12a上に設けられている。抵抗膜13は、基体11の外表面を覆うように設けられている。具体的には、抵抗膜13は、少なくともチャンネル12の内壁面12aに形成されている。抵抗膜13は、チャンネル12が形成されない縁部11xも含めて入力面11aに形成されている。抵抗膜13は、チャンネル12が形成されない縁部11yも含めて出力面11bに形成されている。縁部11x及び縁部11yは、例えばマイクロチャンネルプレート10の取り扱いの便宜のために設けられている。
抵抗膜13は、図1(b)に示す断面において、基体11を囲うような矩形枠状に形成されている。抵抗膜13は基体11の側面11cを覆うように形成されている。以上のように、入力面11a、出力面11b、チャンネル12の内壁面12a、及び側面11cを抵抗膜13が覆うことで、例えば、動作中にガス放出の多い鉛ガラスのような材料から基体11が形成されている場合において、基体11からのガス放出を効果的に抑制できる。抵抗膜13は、マイクロチャンネルプレート10における電子増倍に適した所定の抵抗値を有している。
抵抗膜13は、例えば原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)を用いることにより形成されている。抵抗膜13は、例えば、Alの層とTiOの層とを原子層堆積法によって堆積させるサイクルを、それぞれ複数回繰り返すことで形成される。抵抗膜13の厚さは、例えば200Å〜700Å程度とされている。
原子層堆積法は、化合物の分子の吸着工程、反応による成膜工程、及び余剰分子を除去するパージ工程を繰り返し行うことで、原子層を一層ずつ堆積させて(積層して)薄膜を得る手法である。電子放出膜14及び保護膜15の形成材料には、化学的な安定性を得る観点から金属酸化物が用いられる。このような金属酸化物としては、例えばAl、MgO、BeO,CaO、SrO,BaO、SiO、TiO、RuO、ZrO、NiO、CuO、GaO、ZnO等が挙げられる。原子層堆積法によれば、原子層レベルで成膜するため、膜質が均一となり、ピンホール等の欠陥が抑制された膜を形成することができる。また、複数の金属酸化物を含む混合膜をオングストロームオーダーで成膜することができる。また、例えば高アスペクト比のギャップ及びトレンチ構造に対して成膜することができる。
電子放出膜14は、チャンネル12の内壁面12a上に設けられた第1の膜である。電子放出膜14は、抵抗膜13を覆うように設けられている。具体的には、電子放出膜14は、少なくともチャンネル12の内壁面12a上において抵抗膜13に接するように形成されている。電子放出膜14は、チャンネル12が形成されない縁部11xも含めて入力面11a上において抵抗膜13に接するように形成されている。電子放出膜14は、チャンネル12が形成されない縁部11yも含めて出力面11b上において抵抗膜13に接するように形成されている。電子放出膜14は、図1(b)に示す断面において、抵抗膜13を囲うような矩形枠状に形成されている。電子放出膜14は、基体11の側面11cを覆うように形成されている。以上のように、入力面11a、出力面11b、チャンネル12の内壁面12a、及び側面11cを電子放出膜14が覆うことで、例えば、動作中にガス放出の多い鉛ガラスのような材料から基体11が形成されている場合において、基体11からのガス放出を効果的に抑制できる。電子放出膜14は、チャンネル12内の電界(後述)によって加速された電子が衝突されると、これに応じて二次電子を放出し、電子を増倍させる。
電子放出膜14は、Alで形成されている。電子放出膜14は、例えば原子層堆積法を用いることにより形成されている。電子放出膜14は、例えば、Alの層を原子層堆積法によって堆積させるサイクルを、複数回繰り返すことで形成される。電子放出膜14を成膜する場合、反応ガスとして例えばトリメチルアルミを用いることができる。この場合、電子放出膜14の成膜工程には、HOの吸着工程、HOのパージ工程、トリメチルアルミの吸着工程、及びトリメチルアルミのパージ工程が含まれる。そして、電子放出膜14の成膜工程では、電子放出膜14が所望の厚さになるまでこれらの一連の工程が繰り返し実施される。
電子放出膜14の厚さは、10Å以上の厚さである。ここでの「膜の厚さ」とは、蛍光X線分析法(XRF、X−ray Fluorescence Analysis)を用いて、当該膜を分析することにより得られた、当該膜に含まれる元素の存在に関する信号値に基づいて算出された膜厚相当の値(蛍光X線分析法を用いて算出された厚さ)である。すなわち、電子放出膜14の厚さは、蛍光X線分析法を用いて算出した場合、10Å以上の厚さである。より好ましくは、電子放出膜14の厚さは、例えば30Å〜50Å程度とされている。
保護膜15は、電子放出膜14(第1の膜)上に設けられた第2の膜である。保護膜15は、電子放出膜14を覆うように設けられている。具体的には、保護膜15は、少なくともチャンネル12の内壁面12a上において電子放出膜14に接するように形成されている。保護膜15は、入力面11a上において電子放出膜14に接するように形成されている。保護膜15は、出力面11b上において電子放出膜14に接するように形成されている。保護膜15は、図1(b)に示す断面において、電子放出膜14を囲うような矩形枠状に形成されている。保護膜15は、基体11の側面11cを覆うように形成されている。保護膜15は、マイクロチャンネルプレート10における二次電子放出のゲイン(利得)が経時的に劣化することを抑制する(詳しくは、後述)。
保護膜15は、SiOで形成されている。保護膜15は、例えば原子層堆積法を用いることにより形成されている。保護膜15は、例えば、SiOの層を原子層堆積法によって堆積させるサイクルを、複数回繰り返すことで形成される。保護膜15の厚さは、例えば電子放出膜14の半分以下とされている。より好ましくは、保護膜15の厚さは、例えば3Å〜15Å程度とされている。すなわち、電子放出膜14の厚さは、保護膜15の厚さよりも厚くされている。
図3に示されるように、原子層堆積法を用いる場合、SiOの膜を形成する際のSiOの層の堆積回数が多くなるほど、SiOの膜の厚さ(蛍光X線分析法を用いて算出された厚さ)が増加する。ここでは、SiOの層の堆積回数が1回増加すると、SiOの膜の厚さが約1Å増加する。すなわち、SiOの層の堆積回数1回(1サイクル)は、SiOの膜の厚さ1Åに相当する。このように、SiOの層を堆積させる回数を変化させることで、SiOの膜の厚さを所望の厚さとすることが可能である。
入力電極16及び出力電極17は、基体11の入力面11a上及び出力面11b上にそれぞれ設けられている。具体的には、入力電極16は、縁部以外の入力面11a上において保護膜15に接するように形成されている。出力電極17は、縁部以外の出力面11b上において保護膜15に接するように形成されている。入力電極16及び出力電極17は、例えばIn及びSnOからなるITO膜、ネサ(SnO)膜、ニクロム膜、又はインコネル(登録商標)膜などを蒸着することによって形成されている。蒸着を用いることにより、入力電極16は、チャンネル12の開口を除いた入力面11a上に形成され、出力電極17は、チャンネル12の開口を除いた出力面11b上に形成されている。入力電極16及び出力電極17の厚さは、例えば1000Å程度とされている。入力電極16及び出力電極17には、入力電極16から出力電極17に向かう電界をチャンネル12内に生じさせるように、入力電極16よりも出力電極17の方が高電位となるように電圧が付与される。
ここで、原子層堆積法によって形成された抵抗膜13、電子放出膜14及び保護膜15(以下、本段落において「ALD膜」という)の構造又は特性を特定するためには、ALD膜の表面状態を解析することが必要である。しかしながら、マイクロチャンネルプレート10のような高アスペクト比の構造体に製膜したALD膜について、表面状態を具体的に解析可能な機器は、現時点、知られておらず、ALD膜の積層構造自体を解析することは困難である。このように、出願時において、ALD膜の構造又は特性を解析することが技術的に不可能である又は実際的でない(非実際的である)ことから、マイクロチャンネルプレート10においては、ALD膜をその構造又は特性により直接特定することが不可能又は実際的でないという事情が存在する。
次に、マイクロチャンネルプレート10の製造方法について説明する。
図2は、図1(a)のマイクロチャンネルプレートの成膜工程を示すフローチャートである。まず、ステップS1〜ステップS3によって抵抗膜13を基体11に形成する。具体的には、図2に示されるように、原子層堆積法を用いて、Alの層を堆積させるサイクルをA回繰り返す(ステップS1)。続いて、TiOの層を堆積させるサイクルをB回繰り返す(ステップS2)。これらステップS1及びステップS2を、C回繰り返す(ステップS3)。
続いて、ステップS4によって電子放出膜14を形成し、その後、ステップS5によって保護膜15を形成する。具体的には、原子層堆積法を用いて、Alの層を堆積させるサイクルをD回繰り返す(ステップS4)。そして、原子層堆積法を用いて、SiOの層を堆積させるサイクルをX回繰り返す(ステップS5)。続いて、入力電極16及び出力電極17を蒸着等により形成する。その後、例えば熱処理等を行うことで、マイクロチャンネルプレート10が得られる。なお、基体11に入力電極16A及び出力電極17Aを蒸着等によって予め形成した後に、上記ステップS1〜ステップS5によって抵抗膜13、電子放出膜14、及び保護膜15を形成してマイクロチャンネルプレート10Aを製造してもよい(図8(a)参照)。この場合、入力電極16Aが基体11の入力面11aに接触するように形成されると共に出力電極17Aが出力面11bに接触するように形成され、抵抗膜13、電子放出膜14、及び保護膜15は、入力電極16A及び出力電極17Aを被覆するように順次形成されることになる。抵抗膜13、電子放出膜14、保護膜15が形成される範囲は、既に記載の通りであり、上述したように入力面11a、出力面11b、チャンネル12の内壁面12a、及び側面11cを覆うような範囲である。
次に、マイクロチャンネルプレート10の特性について説明する。
以下の説明では、一例として、図2に例示したマイクロチャンネルプレート10の製造方法において、SiOの層の堆積回数(X回)を、3,5,7,10,12,15,17,20及び25回として製造したマイクロチャンネルプレート10を用意した。以下、Alを50回積層させて形成した電子放出膜14の上にSiOの層を5回堆積させて保護膜15を形成したマイクロチャンネルプレート10を実施例1とする。また、Alで形成された電子放出膜の上にSiOの膜を形成していないマイクロチャンネルプレート(比較例)を用意した。
図4は、マイクロチャンネルプレートを大気放置した場合の劣化によるゲインの相対変化率を示す図である。図4の例は、製造後のマイクロチャンネルプレートをN中に保管し、その後大気放置した時のゲインの経時変化を測定した結果を示している。図4の縦軸は、大気放置直前(経過日数0日)におけるマイクロチャンネルプレートのゲインを基準とした経時的な劣化によるゲインの相対変化率を示している。図4の例では、実施例1及び比較例について、マイクロチャンネルプレートの放置日数が0,9,22,36及び52日の点をプロットしている。図4の例では、実施例1は黒塗り丸プロットで、比較例は白抜き丸プロットで、それぞれ示している。
図4に示されるように、マイクロチャンネルプレートを大気放置した場合、比較例では大気解放によりゲインの低下が生じているが、実施例1ではゲインの低下が抑制されていることが判る。よって、実施例1と比較例とを比較すると、Alで形成された電子放出膜14の上にSiOの層を5回堆積させて保護膜15を形成したマイクロチャンネルプレート10では、マイクロチャンネルプレート10の大気放置によるゲインの経時的な劣化を抑制することができた。
図5は、マイクロチャンネルプレートを大気放置した場合の劣化によるゲインの相対変化率を示す他の図である。図5の例では、製造後のマイクロチャンネルプレートをゲインが安定するまでの期間N中に保管した後、大気放置した。図5の縦軸は、大気放置直前(経過日数0日)におけるマイクロチャンネルプレート10のゲインを基準とした経時的な劣化によるゲインの相対変化率を示している。図5の例では、Al層の堆積回数を30回とし、SiOの層の堆積回数(X回)を3,7,10,12,15,17,20及び25回として製造したマイクロチャンネルプレート10について、マイクロチャンネルプレート10の放置日数が0日,16日及び35日の点をプロットしている。
図5に示されるように、マイクロチャンネルプレート10を大気放置した場合、経過日数が0日におけるゲインを基準とした劣化によるゲインの相対変化率は、SiOの層の堆積回数(保護膜15の厚さ)によらず、概ね一定範囲内となっていた。具体的には、マイクロチャンネルプレート10の放置日数が0日〜35日の範囲において、少なくとも−25%を下回らない相対変化率となっており、放置日数が35日の時点においては、−10%を下回らない相対変化率となっている。つまり、マイクロチャンネルプレート10では、SiOの層の堆積回数(保護膜15の厚さ)によらず、マイクロチャンネルプレート10の大気放置によるゲインの経時的な劣化を抑制することができることが判った。
図6は、図1(a)のマイクロチャンネルプレートにおけるSiOの層の堆積回数とゲインとの関係を示す図であり、Al層又はその他の電子放出層は形成されていない場合の結果である。図6の縦軸は、SiOの層の堆積回数(X回)を、3,5,7,10,12,15,17,20及び25回として製造したマイクロチャンネルプレート10についてのゲインを示している。図6に示されるように、マイクロチャンネルプレート10では、SiOの層の堆積回数が10回未満(保護膜15の厚さが約10Å未満)の場合において、SiOの層の堆積回数が多くなるほど(保護膜15の厚さが大きくなるほど)、ゲインが減少傾向を示している。SiOの層の堆積回数が10回以上15回未満(保護膜15の厚さが約10Å以上15Å未満)の場合においては、SiOの層の堆積回数(保護膜15の厚さ)によらず、ゲインが略一定となっている。SiOの層の堆積回数が15回以上(保護膜15の厚さが約15Å以上)の場合においては、SiOの層の堆積回数が多くなるほど(保護膜15の厚さが大きくなるほど)、ゲインが増加傾向を示している。
このゲインの増加傾向及び減少傾向について、電子放出膜14と保護膜15との二次電子放出係数の大小を考慮しつつ考察する。なお、以下の説明において、二次電子放出係数は、膜自体に着目したときの二次電子の放出度合いを表す指標である。ゲインは、膜をチャンネルに成膜した状態における二次電子の放出度合いを表す指標である。
一般的に、Alで形成した電子放出膜14の二次電子放出係数の方が、SiOで形成した保護膜15の二次電子放出係数よりも大きい傾向がある。しかし、電子放出膜14上に形成するSiOの層の堆積回数が多くなるほど(保護膜15の厚さが厚くなるほど)、電子放出膜14から放出される二次電子が保護膜15によって阻止(ブロック)され易くなる。そのため、保護膜15の厚さが約10Å未満の場合においては、保護膜15の厚さが約10Å以上の場合と比べて、Alで形成した電子放出膜14から放出される二次電子が保護膜15によって阻止(ブロック)される影響が表れやすく、ゲインの減少傾向が生じるものと考えられる。
SiOの層の堆積回数が多くなるほど(保護膜15の厚さが大きくなるほど)、保護膜15の二次電子放出係数が増加する。そのため、SiOの層の堆積回数が10回以上15回未満(保護膜15の厚さが約10Å以上15Å未満)の場合においては、保護膜15の厚さが約15Å以上の場合と比べて、Alで形成した電子放出膜14から放出される二次電子が保護膜15によって阻止(ブロック)される影響と、増加した保護膜15の二次電子放出係数の影響とが相殺し、SiOの層の堆積回数(保護膜15の厚さ)によらず、ゲインが略一定となるものと考えられる。
保護膜15の厚さが約15Å以上の場合においては、保護膜15の厚さが約15Å未満の場合と比べて、増加した保護膜15の二次電子放出係数の影響が表れやすく、ゲインの増加傾向が生じるものと考えられる。
従って、マイクロチャンネルプレート10では、保護膜15の厚さを15Å以上として保護膜15の二次電子放出係数を高めるよりも、保護膜15の厚さを15Å未満としてAlで形成した第1の膜を主たる二次電子増倍層として機能させる方が、二次電子放出係数が大きいAlの特性を生かすことができ、効率良くゲインの向上を図ることができると考えられる。そこで、マイクロチャンネルプレート10では、保護膜15の厚さを15Åよりも小さくすることが好ましい。マイクロチャンネルプレート10では、保護膜15の厚さを10Åよりも小さくすることが一層好ましい。特に、マイクロチャンネルプレート10では、保護膜15の厚さを3Å〜5Åとすることが好適である。
なお、このように、マイクロチャンネルプレート10では、SiOで形成した保護膜15の二次電子増倍への寄与は、Alで形成した電子放出膜14の二次電子増倍への寄与と比較して小さい。保護膜15は、実質的に二次電子を放出しない電子非放出膜として機能しているともいえる。
[作用及び効果]
以上、マイクロチャンネルプレート10では、Alで形成した電子放出膜14上にSiOで形成した保護膜15が設けられているため、例えば大気中に放置した場合、ゲインの経時的な劣化を抑制することができる。また、Alで形成した電子放出膜14の厚さをSiOで形成した保護膜15の厚さよりも厚くしているため、二次電子放出係数が大きいAlの特性を生かして、Alで形成した電子放出膜14を主たる二次電子増倍層として機能させ、効率良くゲインの向上を図ることができる。従って、ゲインの向上を図りつつ、ゲインの経時的な劣化を抑制することが可能となる。
また、電子放出膜14の厚さは、蛍光X線分析法を用いて算出した場合、10Å以上の厚さとされている。このように、Alで形成した電子放出膜14が10Å以上の厚さであるため、電子放出膜14を二次電子増倍層として好適に機能させることができる。
また、基体11は、絶縁性材料で形成されており、チャンネル12の内壁面12aと電子放出膜14との間には、抵抗膜13が形成されている。これにより、基体11の入力面11aに設けられた入力電極16と基体11の出力面11bに設けられた出力電極17との間に電圧が印加されたとき、抵抗膜13によって電位傾斜が形成され、電子増倍が可能となる。
また、電子放出膜14及び保護膜15は、基体11の入力面11a上、出力面11b上及び側面11c上に形成され、入力電極16及び出力電極17は、保護膜15上に形成されている。或いは、入力電極16Aが基体11の入力面11aに接触するように形成されると共に出力電極17Aが出力面11bに接触するように形成され、電子放出膜14及び保護膜15は、入力電極16A及び出力電極17A上、基体11の入力面11a上、出力面11b上及び側面11c上に形成されている。この構成では、基体11の入力面11a上、出力面11b上及び側面11c上を電子放出膜14及び保護膜15が覆っているため、例えばガス放出の多い材料で基体11が形成されている場合において、基体11からのガス放出を効果的に抑制できる。
また、抵抗膜13、電子放出膜14及び保護膜15は、基体11の入力面11a上、出力面11b上及び側面11c上に形成され、入力電極16及び出力電極17は、保護膜15上に形成されている。或いは、入力電極16Aが基体11の入力面11aに接触するように形成されると共に出力電極17Aが出力面11bに接触するように形成され、抵抗膜13、電子放出膜14及び保護膜15は、基体11の入力面11a上、出力面11b上及び側面11c上に形成されている。この構成では、基体11の入力面11a上、出力面11b上及び側面11c上を電子放出膜14及び保護膜15に加えて抵抗膜13が覆っているため、例えばガス放出の多い材料で基体11が形成されている場合において、基体11からのガス放出を効果的に抑制できる。
また、電子放出膜14及び保護膜15は、原子層堆積法によって形成された層である。これにより、電子放出膜14及び保護膜15を原子層レベルで成膜できるため、膜質が均一となり、ピンホール等の欠陥が抑制された膜を形成することができる。また、複数の金属酸化物(例えばAl及びSiO)を含む混合膜をオングストロームオーダーで成膜することができる。また、例えばマイクロチャンネルプレート10のような高アスペクト比のギャップ及びトレンチ構造に対して成膜することができる。
[マイクロチャンネルプレート10の変形例]
上記実施形態では、基体11は、絶縁性材料で形成されていたが、基体11は、Si等の半導体材料(抵抗性材料)で形成されていてもよい。この場合、チャンネル12の内壁面12aに抵抗膜13を設ける必要がなく、基体11に電子放出膜14を直接形成してもよい(少なくとも内壁面12aに形成する)。このような形態においても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。また、抵抗膜13の製造工程を省けるため、製造コストを削減することが可能となる。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係る電子増倍体の断面図である。図7に示されるように、電子増倍体20は、電子を増倍する機能するダイノード構造体である。電子増倍体20は、一端面(表面)21a及び他端面(裏面)21bを有する本体21を有している。本体21は、直方体状であり、第1の方向D1に延在している。本体21は、例えばセラミック等の絶縁性材料によって形成されている。なお、電子増倍体20は、この例に限定されるものではなく、いわゆるシングルチャンネルダイノード(例えばチャンネルトロン等)のダイノード構造体であってもよい。
本体21には、チャンネル22が形成されている。チャンネル22は、第1の方向D1における本体21の一端面21a及び他端面21bに開口している。つまり、チャンネル22は、本体21の一端面21aから他端面21bにかけて貫通する。チャンネル22の一端面21a側は、当該一端面21a側に向かうにつれて拡がるテーパ状とされている。そして、チャンネル22は、一端面21a側から他端面21bに亘って、第2の方向D2に屈曲を繰り返すように波状に延在している。チャンネル22では、一端面21a側から電子が入射され、入射された電子に応じて二次電子が放出され、他端面21b側から二次電子が放出される。
本体21には、機能的な膜として、抵抗膜23と、電子放出膜(第1の膜)24と、保護膜(第2の膜)25と、入力電極(電極層)26と、出力電極(電極層)27と、が形成されている。
抵抗膜23は、チャンネル22の内壁面22a上に設けられている。抵抗膜23は、本体21の外表面を覆うように設けられている。具体的には、抵抗膜23は、少なくともチャンネル22の内壁面22aに形成されている。抵抗膜23は、チャンネル22の開口を除いた一端面21aに形成されている。抵抗膜23は、チャンネル22の開口を除いた他端面21bに形成されている。抵抗膜23は、基体の側面21cを覆うように形成されている。以上のように、一端面21a、他端面21b、チャンネル22の内壁面22a、及び側面21cを抵抗膜23が覆うことで、例えば、動作中にガス放出の多い鉛ガラスのような材料から本体21が形成されている場合において、本体21からのガス放出を効果的に抑制できる。抵抗膜23は、電子増倍体20における電子増倍に適した所定の抵抗値を有している。抵抗膜23は、例えば、抵抗膜13と同様にして、原子層堆積法を用いることにより形成されている。抵抗膜23は、例えば、Alの層とTiOの層とを原子層堆積法によって堆積させるサイクルを、それぞれ複数回繰り返すことで形成される。抵抗膜23の厚さは、例えば200Å〜700Å程度とされている。
電子放出膜24は、チャンネル22の内壁面22a上に設けられた第1の膜である。電子放出膜24は、抵抗膜23を覆うように設けられている。具体的には、電子放出膜24は、少なくともチャンネル22の内壁面22a上において抵抗膜23に接するように形成されている。電子放出膜24は、チャンネル22の開口を除いた一端面21a上において抵抗膜23に接するように形成されている。電子放出膜24は、チャンネル22の開口を除いた他端面21b上において抵抗膜23に接するように形成されている。電子放出膜24は、基体の側面21cを覆うように形成されている。以上のように、一端面21a、他端面21b、チャンネル22の内壁面22a、及び側面21cを電子放出膜24が覆うことで、例えば、動作中にガス放出の多い鉛ガラスのような材料から本体21が形成されている場合において、本体21からのガス放出を効果的に抑制できる。電子放出膜24は、チャンネル22内の電界(後述)によって加速された電子が衝突されると、これに応じて二次電子を放出し、電子を増倍させる。電子放出膜24は、Alで形成されている。電子放出膜24は、例えば、電子放出膜14と同様にして、原子層堆積法を用いることにより形成されている。電子放出膜24は、例えば、Alの層を原子層堆積法によって堆積させるサイクルを、複数回繰り返すことで形成される。電子放出膜24の厚さは、蛍光X線分析法を用いて算出した場合、10Å以上の厚さである。より好ましくは、電子放出膜24の厚さは、例えば30Å〜50Å程度とされている。
保護膜25は、電子放出膜24(第1の膜)上に設けられた第2の膜である。保護膜25は、例えば電子増倍体20を大気中に放置した場合、電子増倍体20における二次電子放出のゲインが経時的に劣化することを抑制する。保護膜25は、電子放出膜24を覆うように設けられている。具体的には、保護膜25は、少なくともチャンネル22の内壁面22a上において電子放出膜24に接するように形成されている。保護膜25は、チャンネル22の開口を除いた一端面21a上において電子放出膜24に接するように形成されている。保護膜25は、チャンネル22の開口を除いた他端面21b上において電子放出膜24に接するように形成されている。保護膜25は、本体21の側面21cを覆うように形成されている。保護膜25は、SiOで形成されている。保護膜25は、例えば、保護膜15と同様にして、原子層堆積法を用いることにより形成されている。保護膜25は、例えば、SiOの層を原子層堆積法によって堆積させるサイクルを、複数回繰り返すことで形成される。保護膜25の厚さは、例えば電子放出膜24の半分以下とされている。より好ましくは、保護膜25の厚さは、例えば3Å〜15Å程度とされている。すなわち、電子放出膜24の厚さは、保護膜25の厚さよりも厚くされている。
入力電極26及び出力電極27は、本体21の一端面21a上及び他端面21b上にそれぞれ設けられている。具体的には、入力電極26及び出力電極27は、チャンネル22の開口を除いた一端面21a上において保護膜25に接するように形成されている。入力電極26及び出力電極27は、チャンネル22の開口を除いた他端面21b上において保護膜25に接するように形成されている。入力電極26及び出力電極27は、例えばニッケル系の金属を含む金属膜などを蒸着することによって形成されている。蒸着を用いることにより、入力電極26は、チャンネル22の開口を除いた一端面21a上に形成され、出力電極27は、チャンネル22の開口を除いた他端面21b上に形成されている。入力電極26及び出力電極27の厚さは、例えば1000Å程度とされている。
ここで、原子層堆積法によって形成された抵抗膜23、電子放出膜24及び保護膜25(以下、本段落において「ALD膜」という)の構造又は特性を特定するためには、ALD膜の表面状態を解析することが必要である。しかしながら、電子増倍体20もマイクロチャンネルプレート10と同様の高アスペクト比の構造体であり、電子増倍体20に製膜したALD膜について、表面状態を具体的に解析可能な機器は、現時点、知られておらず、ALD膜の積層構造自体を解析することは困難である。このように、出願時において、ALD膜の構造又は特性を解析することが技術的に不可能である又は実際的でない(非実際的である)ことから、電子増倍体20においては、ALD膜をその構造又は特性により直接特定することが不可能又は実際的でないという事情が存在する。
次に、電子増倍体20の製造方法について説明する。電子増倍体20の製造方法は、図2に示されるように、ステップS1〜ステップS3によって抵抗膜23を本体21に形成し、ステップS4によって電子放出膜24を抵抗膜23上に形成し、その後、ステップS5によって保護膜25を電子放出膜24上に形成する。具体的な説明は、上記マイクロチャンネルプレート10の製造方法と同様であるため、省略する。なお、予め本体21に入力電極26A及び出力電極27Aを蒸着等によって形成した後に、上記ステップS1〜ステップS5によって抵抗膜23、電子放出膜24、及び保護膜25を形成して電子増倍体20Aを製造してもよい(図8(b)参照)。この場合、入力電極26Aが本体21の一端面21aに接触するように形成されると共に出力電極27Aが他端面21bに接触するように形成され、抵抗膜23、電子放出膜24、及び保護膜25は、入力電極26A及び出力電極27Aを被覆するように順次形成されることになる。抵抗膜23、電子放出膜24、保護膜25が形成される範囲は、既に記載の通りであり、上述したように一端面21aに、他端面21b、内壁面22a、及び側面21cを覆うような範囲である。
[作用及び効果]
以上のように構成された電子増倍体20によれば、マイクロチャンネルプレート10と同様の作用及び効果を奏する。すなわち、Alで形成した電子放出膜24上にSiOで形成した保護膜25が設けられているため、例えば大気中に放置した場合、ゲインの経時的な劣化を抑制することができる。また、Alで形成した電子放出膜24の厚さをSiOで形成した保護膜25の厚さよりも厚くしているため、二次電子放出係数が大きいAlの特性を生かして、Alで形成した電子放出膜24を主たる二次電子増倍層として機能させ、効率良くゲインの向上を図ることができる。従って、ゲインの向上を図りつつ、ゲインの経時的な劣化を抑制することが可能となる。
また、電子放出膜24の厚さは、蛍光X線分析法を用いて算出した場合、10Å以上の厚さとされている。このように、Alで形成した電子放出膜24が10Å以上の厚さであるため、電子放出膜24を二次電子増倍層として好適に機能させることができる。
また、本体21は、絶縁性材料で形成されており、本体21(チャンネル22の内壁面22a)と電子放出膜24との間には、抵抗膜23が形成されている。これにより、本体21の一端面21aに設けられた入力電極26と本体21の他端面21bに設けられた出力電極27との間に電圧が印加されたとき、抵抗膜23によって電位傾斜を形成し、電子増倍が可能となる。
また、電子放出膜24及び保護膜25は、本体21の一端面21a上、他端面21b上及び側面21c上に形成され、入力電極26及び出力電極27は、保護膜25上に形成されている。或いは、入力電極26Aが本体21の一端面21aに接触するように形成されると共に出力電極27Aが他端面21bに接触するように形成され、電子放出膜24及び保護膜25は、入力電極26A及び出力電極27A上、本体21の一端面21a上、他端面21b上及び側面21c上に形成されている。この構成では、本体21の一端面21a上、他端面21b上及び側面21c上を電子放出膜24及び保護膜25が覆っているため、例えばガス放出の多い材料で本体21が形成されている場合において、本体21からのガス放出を効果的に抑制できる。
また、抵抗膜23、電子放出膜24及び保護膜25は、本体21の一端面21a上、他端面21b上及び側面21c上に形成され、入力電極26及び出力電極27は、保護膜25上に形成されている。或いは、入力電極26Aが本体21の一端面21aに接触するように形成されると共に出力電極27Aが他端面21bに接触するように形成され、抵抗膜23、電子放出膜24及び保護膜25は、本体21の一端面21a上、他端面21b上及び側面21c上に形成されている。この構成では、本体21の一端面21a上、他端面21b上及び側面21c上を電子放出膜24及び保護膜25に加えて抵抗膜23が覆っているため、例えばガス放出の多い材料で本体21が形成されている場合において、本体21からのガス放出を効果的に抑制できる。
また、電子放出膜24及び保護膜25は、原子層堆積法によって形成された層である。これにより、電子放出膜24及び保護膜25を原子層レベルで成膜できるため、膜質が均一となり、ピンホール等の欠陥が抑制された膜を形成することができる。また、複数の金属酸化物(例えばAl及びSiO)を含む混合膜をオングストロームオーダーで成膜することができる。また、例えば電子増倍体20のような高アスペクト比のギャップ及びトレンチ構造に対して成膜することができる。
[電子増倍体20の変形例]
上記実施形態では、本体21は、絶縁性材料で形成されていたが、本体21は、Si等の半導体材料(抵抗性材料)で形成されていてもよい。この場合、本体21に抵抗膜23を設ける必要がなく、本体21に電子放出膜24を直接形成してもよい(少なくとも内壁面22aに形成する)。このような形態においても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。また、抵抗膜23の製造工程を省けるため、製造コストを削減することが可能となる。
10…マイクロチャンネルプレート、11a…入力面(表面)、11b…出力面(裏面)、11…基体、12…チャンネル、12a…内壁面、13…抵抗膜、14…電子放出膜(第1の膜)、15…保護膜(第2の膜)、16…入力電極(電極層)、17…出力電極(電極層)、20…電子増倍体、21…本体、21a…一端面(表面)、21b…他端面(裏面)、22…チャンネル、22a…内壁面、23…抵抗膜、24…電子放出膜(第1の膜)、25…保護膜(第2の膜)、26…入力電極(電極層)、27…出力電極(電極層)。

Claims (18)

  1. 表面、裏面及び側面を有する基体と、
    前記基体の前記表面から前記裏面にかけて貫通する複数のチャンネルと、
    少なくとも前記チャンネルの内壁面上に設けられた第1の膜と、
    前記第1の膜上に設けられた第2の膜と、
    前記基体の前記表面上及び前記裏面上にそれぞれ設けられた電極層と、
    を備え、
    前記第1の膜は、Alで形成されており、
    前記第2の膜は、SiOで形成されており、
    前記第1の膜の厚さは、前記第2の膜の厚さよりも厚いマイクロチャンネルプレート。
  2. 前記第1の膜の厚さは、蛍光X線分析法を用いて算出した場合、10Å以上の厚さである、請求項1記載のマイクロチャンネルプレート。
  3. 前記基体は、絶縁性材料で形成されており、
    前記チャンネルの内壁面と前記第1の膜との間には、抵抗膜が形成されている、請求項1又は2記載のマイクロチャンネルプレート。
  4. 前記基体は、抵抗性材料で形成されている、請求項1又は2記載のマイクロチャンネルプレート。
  5. 前記第1の膜及び前記第2の膜は、前記基体の前記表面上、前記裏面上及び前記側面上に形成され、
    前記電極層は、前記第2の膜上に形成されている、請求項1又は2記載のマイクロチャンネルプレート。
  6. 前記電極層は、前記基体の前記表面及び前記裏面に接触するように形成され、
    前記第1の膜及び前記第2の膜は、前記電極層上、前記基体の前記表面上、前記裏面上及び前記側面上に形成されている、請求項1又は2記載のマイクロチャンネルプレート。
  7. 前記抵抗膜、前記第1の膜及び前記第2の膜は、前記基体の前記表面上、前記裏面上及び前記側面上に形成され、
    前記電極層は、前記第2の膜上に形成されている、請求項3記載のマイクロチャンネルプレート。
  8. 前記電極層は、前記基体の前記表面及び前記裏面に接触するように形成され、
    前記抵抗膜、前記第1の膜及び前記第2の膜は、前記基体の前記表面上、前記裏面上及び前記側面上に形成されている、請求項3記載のマイクロチャンネルプレート。
  9. 前記第1の膜及び前記第2の膜は、原子層堆積法によって形成された層である、請求項1〜8の何れか一項記載のマイクロチャンネルプレート。
  10. 表面、裏面及び側面を有する本体と、
    前記本体の前記表面から前記裏面にかけて貫通するチャンネルと、
    少なくとも前記チャンネルの内壁面上に設けられた第1の膜と、
    前記第1の膜上に設けられた第2の膜と、
    前記本体の前記表面上及び前記裏面上にそれぞれ設けられた電極層と、
    を備え、
    前記第1の膜は、Alで形成されており、
    前記第2の膜は、SiOで形成されており、
    前記第1の膜の厚さは、前記第2の膜の厚さよりも厚い電子増倍体。
  11. 前記第1の膜の厚さは、蛍光X線分析法を用いて算出した場合、10Å以上の厚さである、請求項10記載の電子増倍体。
  12. 前記本体は、絶縁性材料で形成されており、
    前記チャンネルの内壁面と前記第1の膜との間には、抵抗膜が形成されている、請求項10又は11記載の電子増倍体。
  13. 前記本体は、抵抗性材料で形成されている、請求項10又は11記載の電子増倍体。
  14. 前記第1の膜及び前記第2の膜は、前記本体の前記表面上、前記裏面上及び前記側面上に形成され、
    前記電極層は、前記第2の膜上に形成されている、請求項10又は11記載の電子増倍体。
  15. 前記電極層は、前記本体の前記表面及び前記裏面に接触するように形成され、
    前記第1の膜及び前記第2の膜は、前記電極層上、前記本体の前記表面上、前記裏面上及び前記側面上に形成されている、請求項10又は11記載の電子増倍体。
  16. 前記抵抗膜、前記第1の膜及び前記第2の膜は、前記本体の前記表面上、前記裏面上及び前記側面上に形成され、
    前記電極層は、前記第2の膜上に形成されている、請求項12記載の電子増倍体。
  17. 前記電極層は、前記本体の前記表面及び前記裏面に接触するように形成され、
    前記抵抗膜、前記第1の膜及び前記第2の膜は、前記本体の前記表面上、前記裏面上及び前記側面上に形成されている、請求項12記載の電子増倍体。
  18. 前記第1の膜及び前記第2の膜は、原子層堆積法によって形成された層である、請求項10〜17の何れか一項記載の電子増倍体。
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