JP6495689B2 - 液封式モータ、及び、ポンプ装置 - Google Patents

液封式モータ、及び、ポンプ装置 Download PDF

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Description

本発明は、液封式モータ、及び、ポンプ装置に関する。
従来から、深い地中の水を汲み上げる場合に、ポンプ装置を地中深くに設置して揚水が行われている。この場合、ポンプ装置のモータには高い水圧が加わるため、モータ内部に液体を封入する液封式モータが使用される。この液封式モータでは、内部に封入された液体(以下、封入液とも呼ぶ)によってモータの冷却がなされるとともに、封入液によって出力軸の軸受の潤滑がなされる。
液封式モータでは、モータを駆動すると、モータの発熱に伴って封入液の温度が上昇する。温度上昇により封入液が膨張してモータの内圧が大きくなると、軸受部分から外部に封入液が流出しやすくなってしまう。液封式モータに封入される液体は、例えばモータ外部に流出することも考慮して人体に無害な不凍液または油などが用いられるが、揚水する液体には可能な限り不純物が混入されない方が好ましい。また、多量の封入液を外部に放出すると、モータの駆動を停止して封入液の温度が低下したときにはモータの内圧が大きく下がり、モータ外部の液体が封入液に多量に混入してしまうおそれがある。このため、液封式モータでは、封入液の膨張をある程度吸収するダイヤフラム等の吸収機構が採用される。
特開昭59−123439号公報
こうした液封式モータは、温泉水などの高温の液体を揚水するのに利用される場合がある。この場合、外部の高温液体によって封入液が温められるので、低温の液体を揚水する場合よりも封入液の温度が高くなる。一般にダイヤフラム等の吸収機構は、吸収できる体積(圧力)の大きさに応じてサイズが大きくなるため、液封式モータにおける封入液の膨張を吸収機構によって吸収しようとすると、吸収機構が大きくなり、液封式モータが大型化してしまう。
また、液封式モータを温泉水などの高温の液体を揚水するのに利用する場合、封入液として沸点が高い液体を用いても、外部の液体が封入液に侵入した場合に、侵入した液体が封入液によって温められて気化するおそれがある。ケーシング内に生じた気泡が軸受部分に移動すると、封入液による軸受の潤滑が十分にできなくなる。
本発明は上記課題の少なくとも一部に鑑みてなされたものであり、封入液の温度変化に起因する圧力変動に対応できる小型の液封式モータを提供することを目的とする。
本発明の液封式モータは、封入液が封入される液封式モータである。液封式モータは、ケーシングと、吸収機構と、逆止弁と、を備える。ケーシングは、封入液を封入し、外部の流体が内部に侵入するのを遮断するように形成される。吸収機構は、ケーシングの内部と外部の圧力差を吸収する。逆止弁は、ケーシングに封入された封入液を外部に放出する。
かかる液封式モータによれば、ケーシングの内部と外部の圧力差を吸収する吸収機構と、封入液の一部を外部に放出する逆止弁を備えるので、ケーシングの内部と外部とに大きな圧力差が生じるのを防止することができる。また、吸収機構として吸収量の小さいものを用いることができ、液封式モータの小型化を図ることができる。さらに、ケーシングは、外部の流体が内部に侵入するのを遮断するように形成されているので、ケーシング内に気泡が生じるのを抑制することができる。
また、ケーシング内で回転するロータと、このロータに取り付けられるとともに、ケーシングに形成された貫通孔から突出する出力軸と、貫通孔部分に設けられ、ケーシングの内部と外部とをシールする軸封機構と、を更に備えてもよい。そして、ケーシングには、軸封機構から外部に向かって連通する連通孔が形成され、逆止弁は、連通孔に設けられてもよい。
こうすれば、軸受の近傍に気泡がある場合などに、連通孔と逆止弁とを介して好適に気泡を外部に放出することができる。
また、連通孔は、外部側の端部が軸封機構側の端部よりも出力軸の突出する方向に位置するように形成されていてもよい。
こうすれば、特に出力軸が鉛直上向きに突出するように液封式モータが設置されたときに、ケーシング内の気泡を好適に外部に放出することができる。
また、軸封部に封入される封入液を更に備え、封入液は、プロピレングリコールの濃度が95質量%以上であってもよい。
こうすれば、液封式モータの駆動時に封入液から気泡が生じるのを更に抑制することができる。
また、アルミニウムを含む導電性材料により形成され、液封式モータの出力軸に取り付けられる二次導体を更に備え、二次導体は、ケーシングに封入される封入液に直接に接触するものでもよい。
また、吸収機構は、ケーシングの内部と外部の圧力差を第1の所定量の範囲内で吸収し、逆止弁は、ケーシングの内部の圧力が外部の圧力よりも第1の所定量より小さい第2の所定量を超えて大きくなったときに封入液の一部を外部に放出するものでもよい。
また、封入液が接触する領域に配置されたステータを更に備え、ステータは、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトンのうちの何れかによって被膜された巻線を有してもよい。
また、液封式モータの出力軸に取り付けられ、封入液と接触するロータと、ロータの外側に配置されたステータと、ロータとステータとの間に配置され、ロータとステータとを隔離するキャンと、を更に備えてもよい。
また、液封式モータは、高温の液体を圧送するポンプを駆動するために用いられ、高温の液体内に設置されてもよい。
本発明に係るポンプ装置は、本発明にかかる液封式モータと、この液封式モータの出力軸に取り付けられたポンプと、を備える。
かかるポンプ装置によれば、本発明にかかる液封式モータと同様の効果を奏することができる。
本実施形態のポンプ装置の外観を示す図である。 本実施形態の液封式モータの断面を示す図である。 図2の軸封機構周辺を拡大して示す図である。 本実施形態の逆止弁を示す図である。 本実施形態の液封式モータを稼働させた場合のモータ内圧の変化を示すタイムチャートである。 変形例の液封式モータの外観を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る液封式モータ及びポンプ装置を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態のポンプ装置の外観を示す図である。図1に示すように、ポンプ装置500は、液封式モータ100と、液封式モータ100に接続された水中ポンプ200とを備える。
水中ポンプ200は、液封式モータ100の出力軸110に接続された駆動軸202と、駆動軸202に取り付けられた複数枚の羽根204と、を有している。水中ポンプ200は、液封式モータ100の出力軸110の回転駆動に伴って駆動軸202及び羽根204が回転し、これによって水を汲み上げる。
次に、本実施形態の液封式モータの詳細を説明する。図2は、本実施形態の液封式モータの断面を示す図である。液封式モータ100は、温泉水などの高温の液体を揚水するために、高温の液体内に設置される。
図2に示すように、液封式モータ100は、ケーシング101を備える。ケーシング101は、筒状のフレーム102、第1のフレーム側板120、及び第2のフレーム側板130を有する。また、液封式モータ100は、フレーム102内に固定されたステータ(固定子)104、ステータ104の内側に設けられたロータ(回転子)107、及びロータ107に取り付けられた出力軸110を備える。さらに、液封式モータ100は、ステータ104とロータ107との間に介在する筒状のキャン111を備える。
ステータ104は、電磁鋼板を積層して形成されるステータコア105と、ステータコア105に巻かれるステータコイル106と、を有する。ステータコイル106には、ステータコイル106に通電するためのケーブルコネクタ112が接続されている。ロータ107は、電磁鋼板を積層して形成されるロータコア108と、ロータコア108に電気的に接続される二次導体109と、を有する。本実施形態では、ロータコア108は、出力軸110の軸方向に貫通する図示しないスロットを有し、このスロット内にアルミニウムを含む導電性材料がダイキャスト等によって挿入されて形成される。また、二次導体109は、例えばアルミニウムを含む導電性材料により形成される。液封式モータ100では、ステータコイル106への通電による電磁誘導によってロータ107がフレーム102内で回転し、ロータ107の回転に伴って出力軸110も回転する。
第1のフレーム側板120は、水中ポンプ200が接続されない側の端部(反負荷側の端部)を覆って設けられる。具体的には、第1のフレーム側板120は、ボルト184によって反負荷側ブラケット122に固定されている。一方、第2のフレーム側板130は、水中ポンプ200が接続される側の端部(負荷側の端部)を覆って設けられる。具体的には、第2のフレーム側板130は、ボルト194によって負荷側ブラケット131に固定されている。
キャン111は、ステータ104が配置される外周側のステータ室と、ロータ107が配置される内周側のロータ室と、を隔離する。ステータ室には、ステータ104等から発生する熱を冷却するために、絶縁性の冷却油115が封入されている。また、ロータ室には、ロータ107等から発生する熱を冷却するとともに出力軸110の摺動性を向上させるために、封入液114が封入されている。キャン111は、冷却液114と冷却油115とが互いに混入しないように、ステータ室とロータ室とを隔離する。このように、キャン111によってステータ室とロータ室とが隔離されることにより、ステータコイル106に被膜などを施すことなく、絶縁性の冷却油115によってステータ104を冷却することができる。また、冷却油115が液封式モータ100の外部に放出されるのを防止することができる。
本実施形態では、冷却油115として絶縁油であるパラフィン油が用いられ、冷却液114として不凍液であるプロピレングリコールが用いられている。ロータ室に封入される冷却液114は、不純物をほぼ含まないプロピレングリコールを利用することが好ましく、具体的には95質量%以上のプロピレングリコールを封入することが好ましい。不純物をほぼ含まないプロピレングリコールは沸点が160度以上のため、温泉水等の高温の地下水に液封式モータ100を設置して稼働させた場合に、ロータ室内の封入液114が気化するのを抑制することができる。
液封式モータ100の反負荷側には、ロータ室内の圧力変動を吸収するダイヤフラム(圧力変動吸収機構)182が設けられている。ダイヤフラム182は、ロータ室内の圧力変動に応じて膜を変位させることにより、ロータ室内と液封式モータ100の外圧との圧力変動を吸収する。ダイヤフラム182は、液封式モータ100の定格、液封式モータ100が設置される地中水の深さ及び温度(例えば、50℃〜90℃など)、及びマージン等を考慮して、所定の体積量(圧力差)を吸収できるものを用いればよい。
液封式モータ100の反負荷側には、出力軸110を軸支するためのラジアル軸受188及びスラスト軸受190が設けられている。一方、液封式モータ100の負荷側には、第2のフレーム側板130と負荷側ブラケット131との間をシールするOリング196、及び出力軸110を軸支するためのラジアル軸受198が設けられている。
第2のフレーム側板130の中央部には、出力軸110の先端部を液封式モータ100の外部へ突出させるために、出力軸110が貫通可能な貫通孔132が形成されている。出力軸110は、貫通孔132を通って液封式モータ100の外部へ突出し、水中ポンプ200の駆動軸202と接続される。
貫通孔132には、封入液114が外部に漏れたり、液封式モータ100の外部の水等が液封式モータ100の内部へ侵入したりするのを防止する軸封機構150が設けられている。図3は、図2の軸封機構150の周辺を拡大して示す図である。軸封機構150は、メカニカルシール152と、サンドスリンガー154と、を有する。
メカニカルシール152は、封入液114と液封式モータ100の外部の水等とを互いにシールするために、出力軸110に対して固定された回転環152aと、負荷側ブラケット131に取り付けられた固定環152bとの間に、摺動面152cが形成されている。サンドスリンガー154は、メカニカルシール152の上方を覆うように設けられ、液封式モータ100内に砂等の異物が侵入するのを防ぐ。メカニカルシール152は、ニトリルゴムなどの合成ゴムと金属リングとを有する公知のものを用いることができる。なお、軸封機構150は、例えば、封入液114が外部に漏れるのをシールするメカニカルシールと、外部の水等がロータ室内に侵入するのをシールするメカニカルシールとをそれぞれに備えてもよい。
液封式モータ100は、逆止弁160を備える(図2破線及び図3参照)
。逆止弁160は、封入液114を、軸封機構150近傍から液封式モータ100の外部上方に放出可能に設けられている。本実施形態では、逆止弁160を取り付けるための連通孔158が負荷側ブラケット131に形成されている。この連通孔158は、軸封機構150から液封式モータ100の外部に向かって連通するように形成されている。言い換えると、連通孔158は、軸封機構150に隣接する領域と液封式モータ100の外部とを連通する。具体的には、連通孔158は、負荷側ブラケット131の外周面(出力軸110から見た外周の面)とロータ室内とを連通する。また、連通孔158は、外部側の端部158b(例えば端部158bの中心)がロータ室内側の端部158a(例えば端部158aの中心)よりも出力軸110の突出する方向Xmに位置するように形成されている。つまり、連通孔158は、液封式モータ100が設置されたときに鉛直上方を向くように(水平方向に対して傾斜して)形成されている。そして、逆止弁160は、連通孔158に取り付けられている。
図4は、本実施形態の逆止弁を示す図である。逆止弁160は、逆止弁フレーム161と、弁体165と、スプリング166と、フィルタ167と、を有する。逆止弁フレーム161は、弁体165、スプリング166、及びフィルタ167を保持する。逆止弁フレーム161には、封入液114を流通させるための流通孔162が形成されている。流通孔162は、液封式モータ100の内部側の端部162aの孔径が狭く形成されている。弁体165は、流通孔162内に配置され、スプリング166によって逆止弁フレーム161の内側の端部162aに付勢される。弁体165は、例えば樹脂などで形成される。弁体165は、スプリング166の付勢力によって端部162aに当接したときに、封入液141が流通孔162を通過できないようにシールする。フィルタ167は、液封式モータ100外部の異物が逆止弁160及び液封式モータ100内部に侵入するのを防ぐために設けられ、公知の液体用のフィルタを用いることができる。
逆止弁160は、ロータ室内の封入液114の圧力が液封式モータ100の外圧よりも所定量以上大きくなったときに、スプリング166の付勢力に抗して弁体165が外側に移動し、ロータ室内の封入液114を外部に放出する。つまり、逆止弁160は、ロータ室内と外圧の圧力差に応じて、封入液114を外部に放出する。ここで、逆止弁160の弁体165が移動する圧力差は、ダイヤフラム182が吸収できる体積量(圧力差)よりも小さくする。例えば、逆止弁160は、ダイヤフラム182が吸収できる体積量(圧力差)にマージンを考慮して、スプリング166の付勢力が決められればよい。
図5は、本実施形態の液封式モータを稼働させた場合のモータ内圧(ロータ室内圧)の変化を示すタイムチャートである。なお、図5中、一点鎖線はダイヤフラム182を備えるが逆止弁160を備えない比較例を示している。図5では、はじめに、常温(例えば20℃など)において、ロータ室内に封入液114が初期設定圧P1(例えば大気圧など)で封入された場合の例を示している(時刻t0)。
液封式モータ100が高温(例えば80℃など)の地下水内に設置されると(時刻t1)、高温の地下水によってモータ内部の封入液114が温められる。例えば、封入液114として95質量%のプロピレングリコールを用いた場合、20℃から80℃に封入液114が温度上昇すると、体積が数%上昇する。これにより、モータ内圧Pmは、変動の一部をダイヤフラム182に吸収されながら上昇する(時刻t1〜t2)。
一般に、比較的温度の低い(例えば20℃程度)液体を揚水する場合には、水中モータを稼働させても封入液114の温度は80℃程度まで上昇しない。このため、高温の地下水内に置かれた液封式モータ100の封入液114は、20℃程度の液体を揚水する場合に比べて体積が大きく増加する。この体積(圧力)の変動をダイヤフラム182のみで吸収する場合、一般に吸収できる体積(圧力)変動量が大きいほどダイヤフラムのサイズが大きくなるので、ダイヤフラム182が大型化する。
これに対して、本実施形態の液封式モータ100は、逆止弁160を備えている。これにより、モータ内圧Pmが外圧に対して所定量(例えばPa)よりも大きくなると(時刻t2)、逆止弁160が開いて封入液114が外部に放出され、モータ内圧Pmは一定の圧力P2(=P1+Pa)よりも大きくならない。かかる構成により、吸収量の大きいダイヤフラム182を使用することなく、モータ内圧Pmが過度に増加するのを抑制することができる。
高温の地下水内に設置された状態で液封式モータ100が駆動されると、液封式モータ100の駆動に伴う発熱によって封入液114の温度が更に上昇する。このため、一点鎖線で示す比較例のモータでは、更にモータ内圧Pmが上昇する(時刻t3〜t4)。これに対して、実線に示す本実施形態の液封式モータ100では、逆止弁160から封入液140が外部に排出されるので、モータ内圧Pmは圧力P2よりも大きくならない。
次に、液封式モータ100の駆動を停止した場合、液封式モータ100の駆動に伴う発熱がなくなるので、封入液114の温度は外部の地下水と同じ温度(例えば80℃)まで低下する。このときには、液封式モータ100の発熱に伴って放出された封入液114の分だけ、モータ内圧Pmは低下する(時刻t4〜t5)。ただし、このモータ内圧Pmの低下は、ダイヤフラム182が吸収している圧力Paと相殺されるので、モータ内圧Pmは過度な負圧とならない(時刻t5、圧力P5)。そして、液封式モータ100が再度駆動されると、再びモータ内圧Pmは圧力P5〜P2の範囲内で変化することになる。
以上説明した本実施形態の液封式モータ100は、ダイヤフラム182と逆止弁160とを備えるので、温泉水などの高温の液体を揚水する場合にも液封式モータ100の内圧と外圧との差が大きくなるのを抑制できる。また、ダイヤフラム182だけを備える水中モータに比して小さなダイヤフラムを用いることができ、液封式モータ100の小型化を図ることができる。さらに、ケーシング101は、外部から内部に流体を案内する弁などを備えず、外部の流体が内部に侵入するのを遮断するように形成されているので、ロータ室内に気泡などが生じるのを抑制することができる。
しかも、本実施形態では、軸封機構150から外部に向かって負荷側ブラケット131に連通孔158が形成され、この連通孔158に逆止弁160が設けられている。一般に、水中モータでは、ロータ室内の液密を十分に確保しても、例えばロータ製造時に形成された隙間に気体が残ったり、キャビテーションなどで駆動時に気泡が生じたり、または、意図せずに外部から気泡が侵入する場合が考えられる。こうした気泡が軸封機構150に移動すると、軸封機構150の潤滑が十分になされなくなる。特に、本実施形態の液封式モータ100のように、出力軸110が鉛直上方を向くように据え付けられる場合には、ロータ室内に生じた気泡が上方の軸封機構150に移動しやすいと考えられる。これに対して、軸封機構150から外部に向かって形成された連通孔158に逆止弁160が設けられることにより、封入液114の放出とともに軸封機構150近傍の気泡を外部に放出することができる。
さらに、逆止弁160が設けられる連通孔158は、ロータ室側の端部158aよりも、外部側の端部158bが、出力軸110の突出する方向Xmに位置するように形成されている。つまり、連通孔158は、液封式モータ100が設置されたときに鉛直上方を向くように(水平方向に対して傾斜して)形成されている。これにより、ロータ室内に気泡が生じたときに外部側に気泡を案内することができ、軸封機構150近傍の気泡を外部に放出することができる。
また、逆止弁160は、負荷側ブラケット131の外周面に設けられているので、液封
式モータ100の上面に弁が設けられるものに比べて、砂等の異物が侵入するのを抑制することができる。さらに、逆止弁160は、フィルタ167を備えているので、異物の侵入をより確実に防止することができる。
また、本実施形態では、軸封機構150を潤滑する封入液114には、95質量%以上のプロピレングリコールが用いられている。プロピレングリコールは、人体に無害であるとともに、凝固点が非常に低く、沸点が非常に高い。このため、揚水する地下水が使用できなくなるのを防ぐことができるとともに、寒冷地においても使用することができ、封入液114が沸騰して気化するのを抑制することができる。
しかも、プロピレングリコールは、水溶性が高いので、意図せずにロータ室内に外部の水が侵入したとしても、侵入した水は封入液114と混ざり合う。このため、侵入した水が沸騰して内部に気泡が生じるのを抑制することができる。さらに、プロピレングリコールがほどんど不純物を含まない場合には、ロータ室内で水素ガスなどの気泡が生じないので、ロータに塗装などの保護処置を施さなくてもよくなる。
上記した本実施形態の液封式モータ100では、出力軸110に設けられたロータ107と、ロータ107の外周に設けられたステータ104とが、筒状のキャン111によって隔離される所謂キャンドモータについて説明したが、この例に限られない。例えば、図6の変形例の液封式モータ300に示すように、キャン111を備えずに、ロータ107とステータ104とが隔離されない構成としてもよい。なお、図6では、図1と同一の構成について同一の符号を用いて示している。この場合には、液封式モータ100の内部に封入されて軸封機構150を潤滑する封入液314は、ロータ107とステータ104とのそれぞれに接触する。この場合、封入液314として、パラフィン油などの絶縁油を用いてもよいし、プロピレングリコールなどの不凍液を用いてもよい。
変形例の液封式モータ300において、封入液314として不凍液を用いる場合には、実施形態の封入液114と同様に、95質量%以上の濃度のプロピレングリコールを用いることが好ましい。また、封入液314として不凍液を用いる場合には、ステータコイル106に絶縁性のための保護処置を施してもよい。一例として、ステータコイル106は、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のうちの何れかによって被膜されることが好ましい。特に、封入液314の温度が100℃を超えて高温になると予想される場合には、フッ素樹脂またはポリエーテルエーテルケトンを用いることが好ましい。
ステータ104の絶縁性を確保するために、予め非電導性材料によって被覆されたステータコイル106をステータコア105に巻回してもよい。また、ステータ104のうち、封入液314と接触する部分の全ての外表面を、非電導性の熱可塑性樹脂で被膜してもよい。この場合には、溶融された非電導性の熱可塑性樹脂内にステータ104を浸漬して、ステータ104の外表面に熱可塑性樹脂の被膜を形成する方法により、ステータ104を被膜してもよい。
上記の実施形態では、モータ内圧を吸収するダイヤフラム182を備えるものとしたが、例えばモータ内圧の変化に応じて変位するベローズなど、モータ内圧の変動を吸収できるものであれば如何なるものを用いてもよい。
上記の実施形態では、逆止弁160は、軸封機構150から外部に向かって連通する連通孔158に設けられ、封入液114を外部上方に向けて放出するものとしたが、この例に限定されない。逆止弁160は、液封式モータ100、300の下部に取り付けられるなど如何なる場所に設けられてもよい。また、封入液114を外部下方に向けて放出する
など、その方向も任意に定めることができる。また、逆止弁160は、負荷側ブラケット131の外周面に取り付けられるものに限定されず、負荷側ブラケット131の上面に取り付けられてもよい。また、負荷側ブラケット131に代えて、第2のフレーム側板130に設けられてもよい。更に逆止弁160は、負荷側ブラケット131または第2フレーム側板130に取り付けられるものに限らず、これらと一体に構成されてもよい。
上記の実施形態では、逆止弁160は、逆止弁フレーム161と、弁体165と、スプリング166と、フィルタ167とを備えるものとした。しかし、モータ内圧が外圧に対して所定量よりも大きくなったときに、封入液を外部に放出し、外部の液体を封入液114に侵入させないものであれば如何なるものでもよい。例えば、逆止弁160は、フィルタ167を有しなくてもよい。
上記の実施形態では、液封式モータ100、300は、出力軸110が鉛直上向きに突出するように設置されるものとしたが、この例に限定されず、横向きに設置して利用されてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、実施形態および変形例の任意の組み合わせが可能であり、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
100 液封式モータ
101 ケーシング
102 フレーム
104 ステータ
106 ステータコイル
107 ロータ
109 二次導体
110 出力軸
114 封入液
120 第1のフレーム側板
122 反負荷側ブラケット
130 第2のフレーム側板
131 負荷側ブラケット
132 貫通孔
150 軸封機構
152 メカニカルシール
152a 回転環
152b 固定環
152c 摺動面
154 サンドスリンガー
158 連通孔
160 逆止弁
200 水中ポンプ
300 液封式モータ
500 ポンプ装置

Claims (9)

  1. 封入液が封入される液封式モータであって、
    前記封入液を封入し、外部の流体が内部に侵入するのを遮断するように形成されたケーシングと、
    前記ケーシングの内部と外部の圧力差を吸収する吸収機構と、
    前記ケーシングに封入された封入液を外部に放出する逆止弁と、
    前記ケーシング内で回転するロータと、
    前記ロータに取り付けられるとともに、前記ケーシングに形成された貫通孔から突出する出力軸と、
    前記貫通孔部分に設けられ、前記ケーシングの内部と外部とをシールする軸封機構と、
    を備え、
    前記ケーシングには、前記軸封機構から外部に向かって連通する連通孔が形成され、
    前記逆止弁は、前記連通孔に設けられる、
    封式モータ。
  2. 請求項に記載の液封式モータであって、
    前記連通孔は、外部側の端部が前記軸封機構側の端部よりも前記出力軸の突出する方向に位置するように形成されている、
    液封式モータ。
  3. 請求項1又は2に記載の液封式モータであって、
    前記ケーシングに封入される封入液を更に備え、
    前記封入液は、プロピレングリコールの濃度が95質量%以上である、
    液封式モータ。
  4. 請求項1乃至の何れか1項に記載の液封式モータであって、
    アルミニウムを含む導電性材料により形成され、前記液封式モータの出力軸に取り付けられる二次導体を更に備え、
    前記二次導体は、前記ケーシングに封入される封入液に直接に接触する、
    液封式モータ。
  5. 請求項1乃至の何れか1項に記載の液封式モータであって、
    前記吸収機構は、前記ケーシングの内部と外部の圧力差を第1の所定量の範囲内で吸収し、
    前記逆止弁は、前記ケーシングの内部の圧力が外部の圧力よりも前記第1の所定量より小さい第2の所定量を超えて大きくなったときに前記封入液の一部を外部に放出する、
    液封式モータ。
  6. 請求項1乃至の何れか1項に記載の液封式モータであって、
    前記封入液が接触する領域に配置されたステータを更に備え、
    前記ステータは、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトンのうちの何れかによって被膜された巻線を有する、
    液封式モータ。
  7. 請求項1乃至の何れか1項に記載の液封式モータであって、
    前記液封式モータの出力軸に取り付けられ、前記封入液と接触するロータと、
    前記ロータの外側に配置されたステータと、
    前記ロータと前記ステータとの間に配置され、前記ロータと前記ステータとを隔離するキャンと、
    を更に備える液封式モータ。
  8. 請求項1乃至の何れか1項に記載の液封式モータであって、
    高温の液体を圧送するポンプを駆動するために用いられ、前記高温の液体内に設置される、
    液封式モータ。
  9. 請求項1乃至の何れか1項に記載の液封式モータと、
    前記液封式モータの出力軸に取り付けられたポンプと、
    を備えるポンプ装置。
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