JPH0882373A - 液化ガス用タンデムシール - Google Patents
液化ガス用タンデムシールInfo
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- JPH0882373A JPH0882373A JP24241194A JP24241194A JPH0882373A JP H0882373 A JPH0882373 A JP H0882373A JP 24241194 A JP24241194 A JP 24241194A JP 24241194 A JP24241194 A JP 24241194A JP H0882373 A JPH0882373 A JP H0882373A
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- Japan
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- seal
- mechanical seal
- shaft
- primary
- liquefied gas
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 一次側メカニカルシール20から漏れて二次
側メカニカルシール30との間の中間液2中へ混入した
漏洩ガスの気泡に起因するシールへの悪影響を解消す
る。 【構成】 漏洩ガスの気泡が、浮力によって中間室Bの
中間液2中を浮上して、二次側メカニカルシール20の
密封摺動面20Sよりも上側で中間室Bに開口されたガ
スベントラインGVから自然排出され、前記中間液2は
冷却水ジャケット14内を流通する冷却水3によって冷
却される。
側メカニカルシール30との間の中間液2中へ混入した
漏洩ガスの気泡に起因するシールへの悪影響を解消す
る。 【構成】 漏洩ガスの気泡が、浮力によって中間室Bの
中間液2中を浮上して、二次側メカニカルシール20の
密封摺動面20Sよりも上側で中間室Bに開口されたガ
スベントラインGVから自然排出され、前記中間液2は
冷却水ジャケット14内を流通する冷却水3によって冷
却される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガスを密封対象とする軸
封装置であって、特に、上下に延びる回転軸周にメカニ
カルシールを軸方向に二段に配置したタンデムシールに
関する。
封装置であって、特に、上下に延びる回転軸周にメカニ
カルシールを軸方向に二段に配置したタンデムシールに
関する。
【0002】
【従来の技術】メカニカルシールを軸方向に二段に配置
した構造の軸封装置は、タンデムシールと称される。タ
ンデムシールによれば、一次側すなわち密封対象ガス側
のメカニカルシールに大量の漏れが発生した場合でも、
二次側すなわち大気側のメカニカルシールがバックアッ
プとなるため、一次側メカニカルシールと二次側メカニ
カルシールとの間で漏れを検出してアラームを作動させ
ることにより、大気中への漏れを生じる前に機器を停止
させ、シール部材の交換等の適切な対応が可能であり、
また、一次側メカニカルシールと二次側メカニカルシー
ルの間に回収機構を設けることによって、二次側メカニ
カルシールから大気中への漏れを生じることなく、一次
側メカニカルシールからの漏洩ガスを確実に回収可能で
ある。したがって、特に近年は、環境問題、安全対策等
の観点から、液化ガス等を密封対象とする軸封装置とし
て、タンデムシールが多用されている傾向にある。
した構造の軸封装置は、タンデムシールと称される。タ
ンデムシールによれば、一次側すなわち密封対象ガス側
のメカニカルシールに大量の漏れが発生した場合でも、
二次側すなわち大気側のメカニカルシールがバックアッ
プとなるため、一次側メカニカルシールと二次側メカニ
カルシールとの間で漏れを検出してアラームを作動させ
ることにより、大気中への漏れを生じる前に機器を停止
させ、シール部材の交換等の適切な対応が可能であり、
また、一次側メカニカルシールと二次側メカニカルシー
ルの間に回収機構を設けることによって、二次側メカニ
カルシールから大気中への漏れを生じることなく、一次
側メカニカルシールからの漏洩ガスを確実に回収可能で
ある。したがって、特に近年は、環境問題、安全対策等
の観点から、液化ガス等を密封対象とする軸封装置とし
て、タンデムシールが多用されている傾向にある。
【0003】タンデムシールは、二次側に非接触式のガ
スシールではない接触式のメカニカルシールを採用して
いる場合、その密封摺動面を潤滑して保護するために、
一次側メカニカルシールと二次側メカニカルシールの間
に中間液を介在させる必要がある。また、前記密封摺動
面における摺動熱を効率良く除去するために、通常、前
記中間液を外部と循環させるシステムが構築される。
スシールではない接触式のメカニカルシールを採用して
いる場合、その密封摺動面を潤滑して保護するために、
一次側メカニカルシールと二次側メカニカルシールの間
に中間液を介在させる必要がある。また、前記密封摺動
面における摺動熱を効率良く除去するために、通常、前
記中間液を外部と循環させるシステムが構築される。
【0004】図2は、液化ガス用竪型ポンプの回転軸を
軸封するためのタンデムシールの典型的な従来例を示す
ものである。参照符号101は上下方向に延びる回転
軸、102,103はポンプ上部にあって前記回転軸1
01の軸周を包囲した軸封部ハウジングである。参照符
号110は一次側メカニカルシールで、回転軸101側
にリテーナ111を介して嵌装固定されて回転軸101
と共に回転する回転環112と、軸封部ハウジング10
2側にベローズ113を介して軸方向(上下)移動自在
に配置され前記回転環112の端面に押し付けられた非
回転の固定環114とを備え、この固定環114と回転
環112との互いの密封摺動面110Sにおいて軸封機
能が奏される。また、参照符号120は一次側メカニカ
ルシール110の上方に配置された二次側メカニカルシ
ールで、回転軸101側にポンピングリング121を介
して嵌装固定されて回転軸101と共に回転する回転環
122と、軸封部ハウジング103側にベローズ123
を介して軸方向(上下)移動自在に配置され前記回転環
122の端面に押し付けられた非回転の固定環124と
を備え、この固定環124と回転環122との互いの密
封摺動面120Sにおいて軸封機能が奏される。
軸封するためのタンデムシールの典型的な従来例を示す
ものである。参照符号101は上下方向に延びる回転
軸、102,103はポンプ上部にあって前記回転軸1
01の軸周を包囲した軸封部ハウジングである。参照符
号110は一次側メカニカルシールで、回転軸101側
にリテーナ111を介して嵌装固定されて回転軸101
と共に回転する回転環112と、軸封部ハウジング10
2側にベローズ113を介して軸方向(上下)移動自在
に配置され前記回転環112の端面に押し付けられた非
回転の固定環114とを備え、この固定環114と回転
環112との互いの密封摺動面110Sにおいて軸封機
能が奏される。また、参照符号120は一次側メカニカ
ルシール110の上方に配置された二次側メカニカルシ
ールで、回転軸101側にポンピングリング121を介
して嵌装固定されて回転軸101と共に回転する回転環
122と、軸封部ハウジング103側にベローズ123
を介して軸方向(上下)移動自在に配置され前記回転環
122の端面に押し付けられた非回転の固定環124と
を備え、この固定環124と回転環122との互いの密
封摺動面120Sにおいて軸封機能が奏される。
【0005】一次側メカニカルシール110は、その下
側に存在する図示されていないポンプ室の被送流体であ
る液化ガス1を密封対象とするものである。この液化ガ
ス1の一部は、一次側メカニカルシール110の外周空
間に送られ、そこから軸封部ハウジング102のフラッ
シング排出孔FOUT を通じて前記ポンプ室側へ還流され
るといったフラッシングが行われており、これによって
一次側メカニカルシール110の密封摺動面110Sが
潤滑・冷却される。
側に存在する図示されていないポンプ室の被送流体であ
る液化ガス1を密封対象とするものである。この液化ガ
ス1の一部は、一次側メカニカルシール110の外周空
間に送られ、そこから軸封部ハウジング102のフラッ
シング排出孔FOUT を通じて前記ポンプ室側へ還流され
るといったフラッシングが行われており、これによって
一次側メカニカルシール110の密封摺動面110Sが
潤滑・冷却される。
【0006】一次側メカニカルシール110と二次側メ
カニカルシール120の間の中間室にはサーキュレーシ
ョン液(中間液)2が充満しており、この中間液2は、
二次側メカニカルシール120のポンピングリング12
1の遠心ポンプ作用により、注入孔CIN及び排出孔C
OUT を通じて外部の図示されていないリザーバタンクと
の間で循環されている。ポンピングリング121は、そ
の円筒状部分に内周側から外周側へ貫通した複数の孔1
21a又は切欠が形成されており、回転時にこの複数の
孔121a又は切欠内の中間液2に遠心力を発生させる
ものである。
カニカルシール120の間の中間室にはサーキュレーシ
ョン液(中間液)2が充満しており、この中間液2は、
二次側メカニカルシール120のポンピングリング12
1の遠心ポンプ作用により、注入孔CIN及び排出孔C
OUT を通じて外部の図示されていないリザーバタンクと
の間で循環されている。ポンピングリング121は、そ
の円筒状部分に内周側から外周側へ貫通した複数の孔1
21a又は切欠が形成されており、回転時にこの複数の
孔121a又は切欠内の中間液2に遠心力を発生させる
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のタンデムシ
ールにおいては、次のような問題が指摘される。 (1) ポンピングリング121は、軸封部ハウジング10
2,103の内周の狭い中間室に装着されるものである
から、その寸法やシール部品等との取り合いによって、
ポンプ効率を向上させることが困難である。 (2) ポンプ室内の液化ガス1が所定の圧力に加圧されて
いるのに対し、中間室の中間液2の圧力が低く、二次側
メカニカルシール120近傍ではほぼ大気圧であるた
め、一次側メカニカルシール110から中間室へ漏れた
液化ガス1が気化し、これによる中間液2中の気泡が多
くなると、ポンピングリング121によるポンプ効率が
著しく低下してしまい、またポンピングリング121の
キャビテーションによる振動も二次側メカニカルシール
120の密封摺動面120Sにおいて潤滑不良を招き、
密封性に悪影響を及ぼす。 (3) ポンピングリング121は二次側メカニカルシール
120の密封摺動面120Sよりも下側に位置している
ため、一次側メカニカルシール110から漏れた液化ガ
ス1による中間液2中の気泡は、排出孔COUT から排出
されにくく、このため、中間室の上部に溜ったガスによ
って前記密封摺動面120Sがドライ(無潤滑)状態に
なり、過熱による異常摩耗や損傷を来す。
ールにおいては、次のような問題が指摘される。 (1) ポンピングリング121は、軸封部ハウジング10
2,103の内周の狭い中間室に装着されるものである
から、その寸法やシール部品等との取り合いによって、
ポンプ効率を向上させることが困難である。 (2) ポンプ室内の液化ガス1が所定の圧力に加圧されて
いるのに対し、中間室の中間液2の圧力が低く、二次側
メカニカルシール120近傍ではほぼ大気圧であるた
め、一次側メカニカルシール110から中間室へ漏れた
液化ガス1が気化し、これによる中間液2中の気泡が多
くなると、ポンピングリング121によるポンプ効率が
著しく低下してしまい、またポンピングリング121の
キャビテーションによる振動も二次側メカニカルシール
120の密封摺動面120Sにおいて潤滑不良を招き、
密封性に悪影響を及ぼす。 (3) ポンピングリング121は二次側メカニカルシール
120の密封摺動面120Sよりも下側に位置している
ため、一次側メカニカルシール110から漏れた液化ガ
ス1による中間液2中の気泡は、排出孔COUT から排出
されにくく、このため、中間室の上部に溜ったガスによ
って前記密封摺動面120Sがドライ(無潤滑)状態に
なり、過熱による異常摩耗や損傷を来す。
【0008】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、密封空間から一
次側メカニカルシールと二次側メカニカルシールの間の
中間液中への漏洩ガスに起因するシールへの悪影響を解
消することにある。
れたもので、その目的とするところは、密封空間から一
次側メカニカルシールと二次側メカニカルシールの間の
中間液中への漏洩ガスに起因するシールへの悪影響を解
消することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を有効に
解決するための手段として、本発明に係る液化ガス用タ
ンデムシールは、上下に延びる回転軸とこの回転軸の外
周を包囲する軸封部ハウジングとの間に一次側メカニカ
ルシールとその上方の二次側メカニカルシールを配置
し、両メカニカルシール間の中間室に中間液を封入し、
前記軸封部ハウジングに、前記二次側メカニカルシール
の密封摺動面よりも上側で前記中間室に開口されたガス
ベントラインを設けたものである。また、本発明におい
て一層好ましくは、前記軸封部ハウジングに、外部から
の冷却水が流通される冷却水ジャケットを設ける。
解決するための手段として、本発明に係る液化ガス用タ
ンデムシールは、上下に延びる回転軸とこの回転軸の外
周を包囲する軸封部ハウジングとの間に一次側メカニカ
ルシールとその上方の二次側メカニカルシールを配置
し、両メカニカルシール間の中間室に中間液を封入し、
前記軸封部ハウジングに、前記二次側メカニカルシール
の密封摺動面よりも上側で前記中間室に開口されたガス
ベントラインを設けたものである。また、本発明におい
て一層好ましくは、前記軸封部ハウジングに、外部から
の冷却水が流通される冷却水ジャケットを設ける。
【0010】
【作用】すなわち本発明のタンデムシールは、両メカニ
カルシール間の中間室に中間液を流通させるシステムを
排除して、一次側メカニカルシールから中間室内へ漏洩
した密封対象の液化ガスが気化したガスを、二次側メカ
ニカルシールの密封摺動面よりも上側で前記中間室に臨
んで開口したガスベントラインにより自然排出し回収す
るようにしたものである。前記中間室に封入した中間液
の冷却が必要である場合は、軸封部ハウジングに設けた
冷却水ジャケットに冷却水を流通させ、これによってメ
カニカルシールの摺動熱を除去する。
カルシール間の中間室に中間液を流通させるシステムを
排除して、一次側メカニカルシールから中間室内へ漏洩
した密封対象の液化ガスが気化したガスを、二次側メカ
ニカルシールの密封摺動面よりも上側で前記中間室に臨
んで開口したガスベントラインにより自然排出し回収す
るようにしたものである。前記中間室に封入した中間液
の冷却が必要である場合は、軸封部ハウジングに設けた
冷却水ジャケットに冷却水を流通させ、これによってメ
カニカルシールの摺動熱を除去する。
【0011】
【実施例】図1は、本発明を液化ガス用竪型ポンプの回
転軸を軸封するためのタンデムシールに適用した好適な
一実施例を示すものである。参照符号10は上下方向に
延びて下端部の図示されていないポンプインペラを駆動
させる回転軸、11はこの回転軸10の外周面に装着さ
れたスリーブ、12,13はポンプ上部にあって回転軸
10の軸周を包囲した軸封部ハウジングである。
転軸を軸封するためのタンデムシールに適用した好適な
一実施例を示すものである。参照符号10は上下方向に
延びて下端部の図示されていないポンプインペラを駆動
させる回転軸、11はこの回転軸10の外周面に装着さ
れたスリーブ、12,13はポンプ上部にあって回転軸
10の軸周を包囲した軸封部ハウジングである。
【0012】参照符号20は一次側メカニカルシール
で、回転軸10の外周の軸スリーブ11の下端外周にリ
テーナ21を介して密嵌固定され回転軸10と共に回転
する回転環22と、軸封部ハウジング12の内周にカラ
ー23a、ベローズプレート23b及びリテーナ23c
からなるベローズアセンブリ23を介して軸方向(上
下)移動自在に配置され前記回転環22の上端面に押し
付けられた非回転の固定環24とを備え、この固定環2
4と回転環22との互いの密封摺動面20Sにおいて軸
封機能が奏される。また、参照符号30は一次側メカニ
カルシール20の上方に配置された二次側メカニカルシ
ールで、前記軸スリーブ11の中間フランジ部11aに
リテーナ31を介して嵌装固定されて回転軸10と共に
回転する回転環32と、上側軸封部ハウジング13の上
部フランジ13a下面に固定されたケース33に気密的
かつ軸方向(上下)移動自在に配置されたリテーナ34
に嵌着されコイルスプリング35により前記回転環32
の上端面に押し付けられた非回転の固定環36とを備
え、この固定環36と回転環32との互いの密封摺動面
30Sにおいて軸封機能が奏される。
で、回転軸10の外周の軸スリーブ11の下端外周にリ
テーナ21を介して密嵌固定され回転軸10と共に回転
する回転環22と、軸封部ハウジング12の内周にカラ
ー23a、ベローズプレート23b及びリテーナ23c
からなるベローズアセンブリ23を介して軸方向(上
下)移動自在に配置され前記回転環22の上端面に押し
付けられた非回転の固定環24とを備え、この固定環2
4と回転環22との互いの密封摺動面20Sにおいて軸
封機能が奏される。また、参照符号30は一次側メカニ
カルシール20の上方に配置された二次側メカニカルシ
ールで、前記軸スリーブ11の中間フランジ部11aに
リテーナ31を介して嵌装固定されて回転軸10と共に
回転する回転環32と、上側軸封部ハウジング13の上
部フランジ13a下面に固定されたケース33に気密的
かつ軸方向(上下)移動自在に配置されたリテーナ34
に嵌着されコイルスプリング35により前記回転環32
の上端面に押し付けられた非回転の固定環36とを備
え、この固定環36と回転環32との互いの密封摺動面
30Sにおいて軸封機能が奏される。
【0013】一次側メカニカルシール20は、その下側
に存在する図示されていないポンプ室の被送流体である
液化ガス1を密封対象とするものである。先に述べた図
2の従来例と同様、この液化ガス1の一部は、一次側メ
カニカルシール20の外周空間Aに送られ、そこから下
側軸封部ハウジング12のフラッシング排出孔FOUTを
通じて前記ポンプ室側へ還流されるといったフラッシン
グが行われており、これによって一次側メカニカルシー
ル20の密封摺動面20Sが潤滑・冷却される。また、
一次側メカニカルシール20と二次側メカニカルシール
30の間の中間室Bにはその上端まで充満した状態で中
間液2が封入されている。また、上側の軸封部ハウジン
グ13には、二次側メカニカルシール30の密封摺動面
30Sよりも上方の、中間室Bの上端に臨んで開口しそ
こから斜め上方へ延びて図示されていない漏洩ガス回収
部へ接続されたガスベントラインGVが設けられてい
る。
に存在する図示されていないポンプ室の被送流体である
液化ガス1を密封対象とするものである。先に述べた図
2の従来例と同様、この液化ガス1の一部は、一次側メ
カニカルシール20の外周空間Aに送られ、そこから下
側軸封部ハウジング12のフラッシング排出孔FOUTを
通じて前記ポンプ室側へ還流されるといったフラッシン
グが行われており、これによって一次側メカニカルシー
ル20の密封摺動面20Sが潤滑・冷却される。また、
一次側メカニカルシール20と二次側メカニカルシール
30の間の中間室Bにはその上端まで充満した状態で中
間液2が封入されている。また、上側の軸封部ハウジン
グ13には、二次側メカニカルシール30の密封摺動面
30Sよりも上方の、中間室Bの上端に臨んで開口しそ
こから斜め上方へ延びて図示されていない漏洩ガス回収
部へ接続されたガスベントラインGVが設けられてい
る。
【0014】上側軸封部ハウジング13の上部フランジ
13aの内周には、軸スリーブ11の上端外周面に気密
摺接するグランドパッキン40が装着されている。この
グランドパッキン40と二次側メカニカルシール30と
で画成された上部室Cには、前記上部フランジ13aに
開設したクエンチング孔Qを介してN2 等のクエンチン
グガスが流通されている。
13aの内周には、軸スリーブ11の上端外周面に気密
摺接するグランドパッキン40が装着されている。この
グランドパッキン40と二次側メカニカルシール30と
で画成された上部室Cには、前記上部フランジ13aに
開設したクエンチング孔Qを介してN2 等のクエンチン
グガスが流通されている。
【0015】すなわちこの実施例によれば、所定の圧力
に加圧されているポンプ室内の液化ガス1は、一次側メ
カニカルシール20の密封摺動面20Sから中間室Bに
漏れると、この中間室B内はほぼ大気圧であるため、中
間液2中を気泡となって浮上し、ガスベントラインGV
から自然排出される。このガスベントラインGVは、二
次側メカニカルシール30の密封摺動面30Sよりも上
側に開口しているので、漏洩ガスによる中間液2中の気
泡が中間室Bの上部空間に溜って前記密封摺動面30S
が中間液2の液面より上に露出し、漏洩ガス雰囲気中で
無潤滑状態となるようなことはない。したがって、二次
側メカニカルシール30の密封摺動面30Sは中間液2
によって常に良好に潤滑されるので、従来のようにポン
ピングリングによる中間液2のサーキュレーションを行
わなくても、この密封摺動面30Sの摺動発熱が有効に
抑えられる。
に加圧されているポンプ室内の液化ガス1は、一次側メ
カニカルシール20の密封摺動面20Sから中間室Bに
漏れると、この中間室B内はほぼ大気圧であるため、中
間液2中を気泡となって浮上し、ガスベントラインGV
から自然排出される。このガスベントラインGVは、二
次側メカニカルシール30の密封摺動面30Sよりも上
側に開口しているので、漏洩ガスによる中間液2中の気
泡が中間室Bの上部空間に溜って前記密封摺動面30S
が中間液2の液面より上に露出し、漏洩ガス雰囲気中で
無潤滑状態となるようなことはない。したがって、二次
側メカニカルシール30の密封摺動面30Sは中間液2
によって常に良好に潤滑されるので、従来のようにポン
ピングリングによる中間液2のサーキュレーションを行
わなくても、この密封摺動面30Sの摺動発熱が有効に
抑えられる。
【0016】また、使用条件によって、摺動発熱量が放
熱量を上回り、中間液2の過度の温度上昇が予想される
ような場合は、図示のように、軸封部ハウジング12,
13に円周方向に連続した冷却水ジャケット14を形成
し、この冷却水ジャケット14内に、外部からの冷却水
3が流通させる。すなわち中間液2は、冷却水ジャケッ
ト14を流通する冷却水3によって冷却される軸封部ハ
ウジング12,13を介して冷却されるので、摺動発熱
が有効に除去される。また、この熱による中間液2の蒸
発も、冷却水3による冷却作用によって有効に防止され
る。
熱量を上回り、中間液2の過度の温度上昇が予想される
ような場合は、図示のように、軸封部ハウジング12,
13に円周方向に連続した冷却水ジャケット14を形成
し、この冷却水ジャケット14内に、外部からの冷却水
3が流通させる。すなわち中間液2は、冷却水ジャケッ
ト14を流通する冷却水3によって冷却される軸封部ハ
ウジング12,13を介して冷却されるので、摺動発熱
が有効に除去される。また、この熱による中間液2の蒸
発も、冷却水3による冷却作用によって有効に防止され
る。
【0017】
【発明の効果】本発明のタンデムシールによれば、一次
側メカニカルシールと二次側メカニカルシールの間の中
間液を外部と循環させるためのポンピングリングを必要
とせず、一次側メカニカルシールからの漏洩ガスが浮力
によって中間室の上部から自然排出されるため、中間液
中で気化した漏洩ガスによる二次側メカニカルシールの
密封摺動面がガス雰囲気中で無潤滑状態になることがな
く、中間液による潤滑が確実に行われるので、密封摺動
面における摺動発熱を抑えて優れたシール性を長期間維
持することができ、また、ポンピングリングが存在しな
いので、中間液中の漏洩ガスの気泡によってポンプ効率
が低下して密封摺動面に対する冷却効率の低下を来した
り、キャビテーションによって振動が発生することがな
いといった効果が実現される。
側メカニカルシールと二次側メカニカルシールの間の中
間液を外部と循環させるためのポンピングリングを必要
とせず、一次側メカニカルシールからの漏洩ガスが浮力
によって中間室の上部から自然排出されるため、中間液
中で気化した漏洩ガスによる二次側メカニカルシールの
密封摺動面がガス雰囲気中で無潤滑状態になることがな
く、中間液による潤滑が確実に行われるので、密封摺動
面における摺動発熱を抑えて優れたシール性を長期間維
持することができ、また、ポンピングリングが存在しな
いので、中間液中の漏洩ガスの気泡によってポンプ効率
が低下して密封摺動面に対する冷却効率の低下を来した
り、キャビテーションによって振動が発生することがな
いといった効果が実現される。
【図1】本発明を液化ガス用竪型ポンプの回転軸を軸封
するためのタンデムシールに適用した好適な一実施例を
示す軸心を通る平面で切断した断面図である。
するためのタンデムシールに適用した好適な一実施例を
示す軸心を通る平面で切断した断面図である。
【図2】液化ガス用竪型ポンプの回転軸を軸封するため
の従来のタンデムシールの一例を示す軸心を通る平面で
切断した断面図である。
の従来のタンデムシールの一例を示す軸心を通る平面で
切断した断面図である。
1 液化ガス 2 中間液 3 冷却水 10 回転軸 12,13 軸封部ハウジング 14 冷却水ジャケット 20 一次側メカニカルシール 20S,30S 密封摺動面 30 二次側メカニカルシール B 中間室 GV ガスベントライン
Claims (2)
- 【請求項1】 上下に延びる回転軸とこの回転軸の外周
を包囲する軸封部ハウジングとの間に配置された一次側
メカニカルシール及びその上方の二次側メカニカルシー
ルを備え、 前記両メカニカルシール間の中間室に中間液が封入さ
れ、 前記軸封部ハウジングに、前記二次側メカニカルシール
の密封摺動面よりも上側で前記中間室に開口されたガス
ベントラインが設けられたことを特徴とする液化ガス用
タンデムシール。 - 【請求項2】 請求項1の記載において、 前記軸封部ハウジングに、外部からの冷却水が流通され
る冷却水ジャケットが設けられたことを特徴とする液化
ガス用タンデムシール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24241194A JPH0882373A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | 液化ガス用タンデムシール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24241194A JPH0882373A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | 液化ガス用タンデムシール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0882373A true JPH0882373A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=17088735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24241194A Pending JPH0882373A (ja) | 1994-09-12 | 1994-09-12 | 液化ガス用タンデムシール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0882373A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002098237A (ja) * | 2000-09-21 | 2002-04-05 | Eagle Ind Co Ltd | 軸封装置 |
KR100449164B1 (ko) * | 2001-06-19 | 2004-09-18 | 김종원 | 미케니컬 씰링 장치 |
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KR20210001390U (ko) * | 2019-12-12 | 2021-06-22 | 세한산업기계 주식회사 | 수륙양용 와형 펌프 |
-
1994
- 1994-09-12 JP JP24241194A patent/JPH0882373A/ja active Pending
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KR20210001390U (ko) * | 2019-12-12 | 2021-06-22 | 세한산업기계 주식회사 | 수륙양용 와형 펌프 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020227 |