JP6494458B2 - 同軸線路形回路、同軸線路形回路の組立方法、および同軸線路形回路を用いたアレイアンテナ装置 - Google Patents
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例えば特許文献2には、上下に配置された基板にそれぞれ圧接可能に付勢された導電性の可動端子と可動端子を同軸状に保持する絶縁性の端子保持部と端子保持部の周囲を覆う導電部を備えた基板間接続部品の技術が開示されている。
例えば特許文献3には、リング上の接続部材と球状の接続部材を一方の基板にはんだ付け接続し、それを対向する基板の接続パッドに設けられたはんだ突起部に接触させて電気的に接続する技術が開示されている。
ステップ1.該当するプリント基板に接続ピンをリフロー実装するとともに、最下層に位置するプリント基板にRFコネクタをリフロー実装する。
ステップ2.最上層のプリント基板とその次層のプリント基板および前記2枚のプリント基板間に位置する金属プレートのピン穴に位置決めピンを挿入、組み付ける。
ステップ3.前記ステップ2の組み付けの前記次層のプリント基板に、接続ピンを局所フロー装置ではんだ付けする。
ステップ4.前記ステップ3完了後の組立品に、次に配置される金属プレートとプリント基板のピン穴に前記位置決めピンを挿入、組み付ける。
ステップ5.前記ステップ4で組み付けの前記次層のプリント基板に、接続ピンを局所フロー装置ではんだ付けする。
ステップ6.前記ステップ4と前記ステップ5が積層構造の金属プレート枚数、プリント基板枚数に応じてなされる。
ステップ7.前記ステップ6完了後の組立品に、最下層に位置する金属プレートのピン穴に位置決めピンを挿入、組み付け積層された全体を締め付け部材で固定するとともに、前記金属プレートと前記RFコネクタの外部導体との隙間を導電性接着剤で封止する。
この発明の実施の形態1による同軸線路形回路の構成の説明に入る前に、アレイアンテナ装置110についての概略説明をする。
図1に示すアレイアンテナ装置110は、送受信ユニット70と給電回路部80が設けられている。送受信ユニット70に所定の間隔で設けられたRFコネクタ71は、給電回路部80の背面に設けられている図示省略のRFコネクタに接続される。給電回路部80に設けられた複数の素子アンテナパターン81は励振素子と非励振素子を有し、これらの配置により所望のアンテナ特性(帯域、指向性)を得ることができる。送受信ユニット70からRFコネクタ71を介して発信するRF信号は、給電回路部80において、2次元的に任意のパターンに配置されている励振素子が受信する。このように標準化された送受信ユニット70と、設計自由度を有する給電回路部80を組み合わせることにより、所望の特性を備えたアレイアンテナ装置110となる。
このような構成を実現する上で、給電回路部80には送受信ユニット70のRFコネクタ71と、任意の励振素子を接続する伝送線路を低損失で接続することが求められており、その1つの方法として、同軸ケーブルを採用する構成があるが、3次元的に複雑な配線が必要となり、コストが高くなること、および装置の薄型化への対応が困難であるという前述した先行技術文献1〜3の問題点がある。
尚、この図3は、図2に示したR側からL側にわたる範囲の要部を示すものであり、また、図3における例えば1Aは図2に示す第1の金属プレート1の下面を、1Bは上面を示し、他のプリント基板、金属プレートも同様に「A」は下面、「B」は上面を示す。
第1のプリント基板2には、内部導体パターン20と外部導体パターン30が下面2A、上面2Bの双方に設けられている。前記下面2Aの内部導体パターン20の一端には、RFコネクタ7をはんだ付け実装するための図示省略したパッドが配置され、このパッドにRFコネクタ7の中心導体7aが接続される。第2の金属プレート3の下面3Aには、外部導体壁40が設けられている。
図4の例えば第1のプリント基板2には内部導体パターン20と外部導体パターン30が、上面2B、下面2Aに設けられており、その間をバイアホール13により接続されている。このバイアホール13のRF信号の伝送方向の配置ピッチは、RF信号波長の1/10以下とすることでシールド効果を有効にすることができる。図4から判るように第2のプリント基板4の外部導体パターン30を上下方向から挟み込むようにして第1の金属プレート1と第2の金属プレート3が配置され、外部導体壁40の円環状部分が内部導体パターン20を囲むように配置される。尚、上記説明は第1のプリント基板2と第1の金属プレート1および第2の金属プレート3との関係を述べたが、第2のプリント基板4と、第2の金属プレート3および第3の金属プレート5との関係についても同様である。
第1のプリント基板2の外部導体パターン30の内側に設けられた接続用スルーホール14には接続ピン9のリード部9aがはんだ付けで固定されている。この接続ピン9は円柱状のリード部9aと他端に設けられたつば部9bとを有している。リード部9aの長さは基板間の間隔に合わせて選定される。第2のプリント基板4の外部導体パターン30の内側には、接続部品パッド10が形成されている。前記接続ピン9は第2の金属プレート3のリード穴3aを貫通して第2のプリント基板4に設けられた接続部品パッド10にはんだ付け接続されている。このような構成でもって第1のプリント基板2から第2のプリント基板4へのRF信号経路が形成されている。尚、上記説明は第1のプリント基板2と第2のプリント基板4の基板間接続部分を示したが、同じ構造が第2のプリント基板4と第3のプリント基板6との基板間の接続部分にも設けられている。
ST1.第3のプリント基板6および第2のプリント基板4の接続部品パッド10に、接続ピン9のつば部9bをリフロー実装する。また、第1のプリント基板2にRFコネクタ7の中心導体7aをリフロー実装する。
ST2.第3のプリント基板6と第3の金属プレート5および第2のプリント基板4のピン穴に、位置決めピン8で位置決めして挿入、組み付ける。
ST3.第2のプリント基板4の接続用スルーホール14に挿入されている接続ピン9のリード部9aに溶融はんだを接触させて局所フロー装置を用いたはんだ付けする。
ST4.ST3完了後の組立部品に、第2の金属プレート3と第1のプリント基板2を、位置決めピン8によって位置決めしながら順次組み付ける。
ST5.第1のプリント基板2の接続用スルーホール14に挿入されている接続ピン9のリード部9aに溶融はんだを接触させて局所フロー装置を用いたはんだ付けする。
ST6.ST5完了後の組立部品に、第1の金属プレート1を位置決めピン8によって位置決めしながら取り付け、積層された全体をボルト12、ナット12aで締め付け固定する。また、RFコネクタ7の外部導体7bと第1の金属プレート1との隙間を導電性接着剤で封止する。
次に、実施の形態2による同軸線路形回路100について説明する。この実施の形態2は前述した実施の形態1の図5による基板間の接続部分を、図7に示す構成としたものであり、他は実施の形態1と同様である。図7(a)において、第2のプリント基板4には第1のプリント基板2に設けられた接続用スルーホール14と同様のものが設けられている。また、図7(b)に示すように接続ピン9のつば部9bより延伸したリード部9aにはつぶれ部9cが設けられている。このような構成の接続ピン9を採用しているので、第2のプリント基板4の接続用スルーホール14に接続ピン9を挿入する際、つば部9bがストッパとして作用して挿入深さを一定とし、つぶれ部9cが接続用スルーホール14の内壁面に接触して安定した状態で取り付けることができるとともに、局所フロー装置を用いたはんだ付け部の強度を高めることが可能となり、温度変化や振動等が発生する環境においても、安定した接続状態を保つことができる。尚、この実施の形態2においても、第1のプリント基板2と第2のプリント基板4との基板間の接続部分について述べたが、同じ構造が第2のプリント基板4と第3のプリント基板6との基板間の接続部分にも設けられている。尚、この発明の実施の形態1および実施の形態2は第1のプリント基板2、第2のプリント基板4、第3のプリント基板6と第1の金属プレート1、第2の金属プレート3、第3の金属プレート5による6層の積層構造を示したがこれに限らず4層や6層以上の積層構造であってもよい。
この実施の形態3は、前述した実施の形態1、または実施の形態2のいずれかによる同軸線路形回路100を用いたアレイアンテナ装置に係るものである。図1に示したように、アレイアンテナ装置110には送受信ユニット70と給電回路部80が設けられている。この給電回路部80に前述した実施の形態1または実施の形態2のいずれかの同軸線路形回路100を適用することで薄型構造の給電回路部80が得られ、低コストで、かつ送受信ユニット70との接続点における特性インピーダンスの不整合の発生を抑制し、伝送損失を少なくしたアレイアンテナ装置が得られるという効果がある。また、この実施の形態3は大型のアレイアンテナ装置に適用すると、小型化、薄型化された大型アレイアンテナ装置が得られる。
4 第2のプリント基板、5 第3の金属プレート、6 第3のプリント基板、
7,71 RFコネクタ、7a 中心導体、7b 外部導体、8 位置決めピン、
9 接続ピン、9a リード部、9b つば部、11,81 素子アンテナパターン、
12 ボルト、20 内部導体パターン、30 外部導体パターン、40 外部導体壁、70 送受信ユニット、80 給電回路部、100 同軸線路形回路、
110 アレイアンテナ装置。
Claims (8)
- 内部導体パターンと外部導体パターンが設けられた複数枚のプリント基板と、外部導体壁が設けられた複数枚の金属プレートとを備えた高周波伝送用の同軸線路形回路であって、前記金属プレートと前記プリント基板とは、1枚毎に交互に配置された積層構造をなしており、前記金属プレートの前記外部導体壁が、前記プリント基板の前記外部導体パターンを挟み込むように配置されて同軸線路を形成するとともに、前記プリント基板の内部導体パターンが、前記プリント基板の接続用スルーホールに設けられた接続ピンと前記外部導体壁によって形成される同軸線路によって前記プリント基板間接続がなされ、前記金属プレートと前記プリント基板の面内方向の位置決めが位置決めピンによって、面外方向の位置決めが締め付け部材によってなされている同軸線路形回路。
- 前記プリント基板の接続用スルーホールに設けられた前記接続ピンは、前記外部導体壁の内部を貫通するよう配置され、前記外部導体壁に囲まれることによって同軸線路が形成される請求項1に記載の同軸線路形回路。
- 前記金属プレートと積層構造を形成する最下層に位置する前記プリント基板の前記内部導体パターンには、RFコネクタの中心導体が接続されており、最上層に位置する前記プリント基板の前記内部導体パターンに接続される、素子アンテナパターンが設けられており、前記RFコネクタに入力する信号が、前記最下層のプリント基板から前記接続ピンを介して次層のプリント基板に順次伝送されて、前記素子アンテナパターンに伝送される請求項1または請求項2に記載の同軸線路形回路。
- 前記接続ピンは、片端部にリード部が、他端部につば部が設けられ形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の同軸線路形回路。
- 前記接続ピンは、片端部にリード部が、他端部につば部と、このつば部から延伸した個所につぶれ部とリード部とが設けられ形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の同軸線路形回路。
- 前記プリント基板の前記内部導体パターンと前記接続ピンとは、はんだ付けで接続されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の同軸線路形回路。
- 次のステップを備えた請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の同軸線路形回路の組立方法。
ステップ1.該当するプリント基板に接続ピンをリフロー実装するとともに、最下層に位置するプリント基板にRFコネクタをリフロー実装する。
ステップ2.最上層のプリント基板とその次層のプリント基板および前記2枚のプリント基板間に位置する金属プレートのピン穴に位置決めピンを挿入、組み付ける。
ステップ3.前記ステップ2の組み付けの前記次層のプリント基板に、接続ピンを局所フロー装置ではんだ付けする。
ステップ4.前記ステップ3完了後の組立品に、次に配置される金属プレートとプリント基板のピン穴に前記位置決めピンを挿入、組み付ける。
ステップ5.前記ステップ4で組み付けの前記次層のプリント基板に、接続ピンを局所フロー装置ではんだ付けする。
ステップ6.前記ステップ4と前記ステップ5が積層構造の金属プレート枚数、プリント基板枚数に応じてなされる。
ステップ7.前記ステップ6完了後の組立品に、最下層に位置する金属プレートのピン穴に位置決めピンを挿入、組み付け積層された全体を締め付け部材で固定するとともに、前記金属プレートと前記RFコネクタの外部導体との隙間を導電性接着剤で封止する。 - 請求項3に記載の同軸線路形回路を複数個設けて、給電回路部を形成し、送受信ユニットからの高周波信号が送信されるアレイアンテナ装置。
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