JP6493852B2 - 転がり直線運動案内装置用のクランパ - Google Patents
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Description
このような構成とすることにより、シャフトに対してテーパ面の隙間が大きい側への外筒の相対移動が阻止される構成となっていた。
軸方向に伸びる転動体転走路を備えた軌道部材と、該軌道部材の転動体転走路を転動する案内用転動体を介して移動自在に案内される移動体と、を備えた転がり直線運動案内装置の前記軌道部材に装着可能で、前記軌道部材の転動体転走路に対向するテーパ面を備えたクランパ本体と、
前記クランパ本体のテーパ面と前記軌道部材の前記転動体転走路間に挟み込まれるクランプ用転動体と、
前記クランプ用転動体を保持し、前記移動体に固定されるリテーナと、を備え、
前記移動体に固定された前記リテーナに対して、付勢部材を介して相対的に移動可能にクランパ本体が設けられ、前記付勢部材によって前記リテーナで保持されたクランプ用転動体が前記クランパ本体のテーパ面に噛み込む方向に付勢されていることを特徴とする。
クランプ用転動体が、転がり直線運動案内装置の軌道部材の転動体転走路とクランパ本体のテーパ面に噛み込む方向に付勢されているので、停止位置で保持される。そして、クランプ用転動体がテーパ面に噛み込む方向に移動することになるクランパ本体と軌道部材間の相対移動は規制される。溝形状等の転動体転走路に係合するので面接触となり、規制方向の保持力は極めて高い。
また、転がり直線運動案内装置の軌道部材自体をクランプする構成なので、特別な構造が不要で、コンパクトな構成となる。
また、前記軌道部材が複数条の転動体転走路を有し、前記クランプ用転動体とテーパ面は複数条の転動体転走路に対応して複数設けられ、前記テーパ面は隣り合う転動体転走路に対応するテーパ面が一つの拡大テーパ形状部によって構成することもできる。
このようにすれば、クランパ本体の形状を単純化できる。
前記転がり直線運動案内装置の案内用転動体はボールであり、前記転動体転走路は断面円弧状のボール転走溝であり、前記クランプ用転動体も案内用転動体と同一のボールとすれば、部品としてのボールを共用することができる。
前記転がり直線運動案内装置の案内用転動体はローラであり、前記転動体転走路はローラ形状に対応したローラ転走面であり、前記クランプ用転動体も案内用転動体と同一のローラとすることもできる。
前記軌道部材は、案内用転動体を介して前記移動体を構成する移動ブロックが移動自在に組み付けられる軌道台とすることができる。
また、前記軌道部材は、案内用転動体を介して前記移動体を構成する外筒が移動自在に組み付けられるスプラインシャフトとすることもできる。
図1乃至図3は、本発明の実施の形態1に係る転がり直線運動案内装置用のクランパ(以下、直動案内用クランパ)を示している。
この直動案内用クランパは、軸方向に延びる転動体転走路としてボール転走溝112を備えた転がり直線運動案内装置100の軌道部材としての軌道台110に着脱自在に装着されるものである。
この転がり直線運動案内装置100は、軌道台110と、この軌道台110に沿って案内用転動体としての多数の案内用ボール120を介して移動体を構成する移動ブロック130が移動自在に組み付けられている。
軌道台110は断面矩形状の長尺体であり、ボール転走溝112は、軌道台110の左右側面に突出する突部111の上下側面に一対ずつ、計4条設けられている。
直動案内用クランパ1は、軌道台110のボール転走溝に対向するテーパ面を構成するテーパ溝12を備えたクランパ本体10と、クランパ本体10のテーパ溝12と軌道台110のボール転走溝112間に挟み込まれるクランプ用転動体としてのクランプ用ボール20と、クランプ用ボール20を保持するリテーナ30と、前記クランパ本体10とリテ
ーナ30とを、クランプ用ボールがテーパ溝12に噛み込む方向に付勢する付勢部材としてのスプリング40と、を備えた構成となっている。
クランパ本体10は、その長さと、テーパ溝12以外は、基本的に移動ブロック130のブロック本体131と同一形状であり、ブロック本体131を利用して成形することができる。
クランプ用ボール20は、軌道台110のボール転走溝112に接触するために、案内用ボール120と同一径のボールであり、案内用ボール120を利用することができる。
この例では、コイルスプリング40はクランパ本体10の本体ブロック部11に設けられた装着穴35に装着され、一端は装着穴35の穴底に係合し、他端が装着穴35から突出してリテーナ30の取付プレート部33に係合している。
スプリング40の付勢方向は、クランプ用ボール20をテーパ溝12に噛み込む方向に付勢するもので、クランプ用ボール20は、スプリング40の付勢力によって、テーパ溝12に押し付けられた状態となっている。テーパ溝12は、断面円弧形状で、全体としては円錐面の一部を構成する形状となっている。
したがって、クランパ本体10をブロック本体131側に押し込めば、テーパ溝12はクランプ用ボール20から離れる方向に移動し、アンクランプ状態となる。
移動可能で、所定位置で両方向に固定して固定状態で位置決め保持することができる。
なお、ラジアル荷重及びモーメント荷重は、直線運動案内装置100で負荷されるので、転がり直線運動案内装置用のクランパ1に悪影響しない。また、軌道台110のボール転走溝112により、クランプ用ボール20を保持するリテーナ30とクランパ本体10との回転防止や位置ズレを防ぐことができる。それにより、テーパ溝12にクランプ用ボール20が正しく噛み込むため、高い保持力を安定させることが可能となる。
さらに、軌道台110とクランプ用ボール20との間、及びクランパ本体10とクランプ用ボール20との間の接触は面接触になるので、溝形状を有するテーパ部により、点接触に比べ、大きな保持力が得られる。
一方向の移動を規制する用途であれば、直動案内用クランパ1を片側のみに取り付ければよい。
また、直動案内用クランパ1は移動ブロック120に取り付けなくても、独立して軌道台110に装着可能であり、ストッパとして利用することもできる。
この場合、一方向のみで使用してもよいし、2つ反対向きにして使えば、両方向の移動を規制するストッパとして利用できる。
次に、本発明の実施の形態2に係る直動案内用クランパについて、図4を参照して説明する。基本的な構成は実施の形態2と同様であり、この実施の形態2は、クランパ本体10のテーパ溝12の構造のみが相違するだけなので、以下の説明では相違点のみを説明し、同一の構成部分は同一の符号を付し、その説明は省略する。
なお、この例では、左右に一対の拡大テーパ形状部12Aを設けたが、左右のボール転走溝112が近接している場合には、4条のボール転走溝112に対応するテーパ面部を有する一つの円錐状の拡大テーパ形状部を形成するようにしてもよい。
次に本発明の実施の形態3に係る直動案内用クランパについて説明する。
図5及び図6は、本発明の実施の形態3に係る直動案内用クランパを示している。
この直動案内用クランパ201は、軸方向に延びる転動体転走路としてボール転走溝312を備えた転がり直線運動案内装置としてのボールスプライン300の軌道部材としてのスプラインシャフト310に着脱自在に装着されるものである。
このボールスプライン300は、スプラインシャフト310と、このスプラインシャフト310に沿って案内用転動体としての多数の案内用ボール320を介して移動体を構成する外筒であるスプラインナット330が移動自在に組み付けられている。
スプラインシャフト310は円筒形状の丸軸であり、ボール転走溝312は、スプラインシャフト310の外周に4条等配されている。
取り付けられ案内用ボール320を循環させるためのエンドキャップ335と、を備えている。
また、ナット本体331には負荷ボール転走溝333と平行に設けられた戻し通路334が設けられ、エンドキャップ335には、負荷ボール転走溝133と戻し通路134を連通する方向転換路(不図示)が設けられ、スプラインナット330の移動とともに案内用ボール320が無限循環する構成となっている。
スプラインシャフト310のボール転走溝312とスプラインナット330の負荷ボール転走溝333は、案内用ボール320の半径よりも曲率半径が若干大きい断面円弧状のサーキュラーアーク溝であり、荷重を負荷する案内用ボール320は面接触している。リテーナ230は、クランパ本体210とスプラインシャフト310間に装着されるもので、スプラインシャフト310とクランパ本体210との間に介装される薄肉円筒状部材で、クランプ用ボール220が保持される保持孔232が設けられている。
スプリング240は、リテーナ230と直列に、クランパ本体210内周とスプラインシャフト310の間の空間に収縮状態で装着され、一端がリテーナ230の端部に係合し、他端がクランパ本体210の他端開口部に設けられたばね座242に係合し、リテーナ230をクランパ本体210から一方向に突出させる方向に付勢している。ばね座242は、クランパ本体210内周に係合されたスナップリング等の止め輪によって構成される。
スプリング240の付勢方向は、クランプ用ボール220をテーパ溝212に噛み込む方向に付勢するもので、クランプ用ボールは、スプリングの付勢力によって、テーパ溝に押し付けられた状態となっている。
この実施の形態では、たとえば、直動案内用クランパ201がスプラインナット330の移動方向両端に取り付けられる。
直動案内用クランパ201を、スプラインナット220の移動方向両端に取り付ければ
、自由状態では両方向に移動不可となり、両方の直動案内用クランパ201,201を押し込めば、両方向に移動可能で任意の位置に移動可能で、所定位置で両方向に固定して固定状態で位置決め保持することができる。
一方の直動案内用クランパ201のクランパ本体210のみを押し込んでアンクランプ状態とすれば、一方に移動可能となり、他方の直動案内用クランパ201をアンクランプとすれば、他方向に移動可能となる。一方向の移動を規制する用途であれば、直動案内用クランパ201を片側のみに取り付ければよい。
また、直動案内用クランパ201は移動ブロック120に取り付けなくても、独立して軌道台110に装着可能であり、ストッパとして利用することもできる。この場合、一方向のみで使用してもよいし、2つ反対向きにして使えば、両方向の移動を規制するストッパとして利用できる。
テーパ溝12、212(断面円弧形状)の曲率半径は、クランプ用ボール20、220の半径に対して、51〜60%程度であるのが適当である(実施の形態1、3)。
なお、転動体転走路の曲率半径は、転動体の直径に対して、51〜56%であるのが適当である(全実施例)。
また、転動体転走路とテーパ面との角度は、2〜10°程度であるのが適当である(全実施例)。
また、上記各実施の形態では、転動体としてボールを使用する転がり直線運動案内装置に用いるクランパについて説明したが、ローラを用いた転がり直線運動案内装置についても適用可能である。この場合には、クランパのクランプ用転動体としては、ローラ転走面に対応してローラが用いられる。ローラについてもローラ案内装置と同じローラを用いることができるが、ボールと異なり、クランプ用ローラとしてローラ径が異なるローラを用いることができる。
また、本発明の直動案内クランパが適用可能な転がり直線運動案内装置は、上記各実施の形態に示した転がり直線運動案内装置やボールスプラインに限定されるものではなく、要するに転動体転走面を備えた軌道部材を有する転がり直線運動案内装置であれば広く適用可能である。
100 転がり直線運動案内装置
110 軌道台、111 突部、112 ボール転走溝
120 案内用ボール
130 移動ブロック
131 ブロック本体、132 脚部、133 負荷ボール転走溝
134 戻し通路、135 エンドキャップ、136 方向転換路
137 ねじ部材
1 直動案内用クランパ(転がり直線運動案内装置用のクランパ)
10 クランパ本体
11 本体ブロック部、13 本体脚部
12 テーパ溝
20 クランプ用ボール
30 リテーナ
31 本体プレート部、32 サイドプレート部、33 取付プレート部
34 保持孔、35 装着穴
40 スプリング
[実施の形態2]
12a テーパ面部、12A 拡大テーパ形状部
[実施の形態3]
300 ボールスプライン(転がり直線運動案内装置)
310 スプラインシャフト
312 ボール転走溝
320 案内用ボール
330 スプラインナット(移動体、外筒)
331 ナット本体、333 負荷ボール転走溝、
334 戻し通路、335 エンドキャップ
Claims (8)
- 軸方向に伸びる転動体転走路を備えた軌道部材と、該軌道部材の転動体転走路を転動する案内用転動体を介して移動自在に案内される移動体と、を備えた転がり直線運動案内装置の前記軌道部材に装着可能で、前記軌道部材の転動体転走路に対向するテーパ面を備えたクランパ本体と、
前記クランパ本体のテーパ面と前記軌道部材の前記転動体転走路間に挟み込まれるクランプ用転動体と、
前記クランプ用転動体を保持し、前記移動体に固定されるリテーナと、を備え、
前記移動体に固定された前記リテーナに対して、付勢部材を介して相対的に移動可能に前記クランパ本体が設けられ、前記付勢部材によって前記リテーナで保持されたクランプ用転動体が前記クランパ本体のテーパ面に噛み込む方向に付勢されていることを特徴とする転がり直線運動案内装置用のクランパ。 - 前記軌道部材が複数条の転動体転走路を有し、前記クランプ用転動体とテーパ面は複数条の転動体転走路に対応して複数設けられ、前記各クランパ本体のテーパ面は、各転動体転走路に対応して角度を有して対面するように個別に設けられる請求項1に記載の転がり直線運動案内装置用のクランパ。
- 前記軌道部材が複数条の転動体転走路を有し、前記クランプ用転動体とテーパ面は複数条の転動体転走路に対応して複数設けられ、前記テーパ面は隣り合う転動体転走路に対応するテーパ面が一つの拡大テーパ形状部によって構成される請求項1に記載の転がり直線運動案内装置用のクランパ。
- 前記クランパ本体とリテーナの一方が前記転がり直線運動案内装置の前記移動体に取り付けられる請求項1乃至3のいずれかの項に記載の転がり直線運動案内装置用のクランパ。
- 前記転がり直線運動案内装置の案内用転動体はボールであり、前記転動体転走路は断面円弧状のボール転走溝であり、前記クランプ用転動体も案内用転動体と同一のボールである請求項1乃至4のいずれかの項に記載の転がり直線運動案内装置用のクランパ。
- 前記転がり直線運動案内装置の案内用転動体はローラであり、前記転動体転走路はローラ形状に対応したローラ転走面であり、前記クランプ用転動体も案内用転動体と同一のローラである請求項1乃至4のいずれかの項に記載の転がり直線運動案内装置用のクランパ。
- 前記軌道部材は、案内用転動体を介して前記移動体を構成する移動ブロックが移動自在に組み付けられる軌道台である請求項1乃至6のいずれかの項に記載の転がり直線運動案内装置用のクランパ。
- 前記軌道部材は、案内用転動体を介して前記移動体を構成する外筒が移動自在に組み付けられるスプラインシャフトである請求項1乃至6のいずれかの項に記載の転がり直線運動案内装置用のクランパ。
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