JP6493591B1 - 三相多重インバータの制御方法および制御装置 - Google Patents

三相多重インバータの制御方法および制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】線間電圧の多重PWMパターンにおける2レベル幅のステップ変化発生を起因とする、サージ電圧の上昇による影響を抑制する。
【解決手段】各相毎に単相セルを複数個直列に接続した三相多重インバータにおいて、変調率指令を、単相セルの直列数の2倍の三角波キャリアの段数で分割して変調率指令のレベル領域を設定し、各相の変調率指令の値から、最大相と最小相と中間相を選別し、前記最大相と最小相に対しては、三角波キャリアの下降状態で且つ変調率指令が負方向に変化する場合では、変調率指令と負方向のレベル領域の三角波キャリアが交差しないように変調率指令の変化率制限を行い、三角波キャリアの上昇状態で且つ変調率指令が正方向に変化する場合では、変調率指令と正方向のレベル領域の三角波キャリアが交差しないように変調率指令の変化率制限を行う変化率制御部34max、34minを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、単相インバータの出力を縦続接続した、多重インバータのPWM生成方法に関する。特に周波数が高い用途を想定しており、正弦波状の電圧波形の変化量(時間微分)が大きくなる。通常の周波数では三角波キャリアの半周期において多重PWM波形には1段のレベル変化(1回のスイッチング)しか発生しないが、電圧指令の変化量(時間微分)が大きくなると、2段以上のレベル変化が生じるようになる。このような、キャリア半周期間に多数回のスイッチングが生じる際の問題を解決する方法を提案する。
多重インバータには多種の構成方法があるが、本方式は下記の構成の例を先行技術とする。図18に多重インバータの構成例を示す。図18(a)は絶縁した直流電源を有する単相PWMインバータであり、これを単相セル(Cell)とする。
図18(a)において、単相セル(Cell)は、直流電源100の正、負極端間に例えばIGBTなどのスイッチング素子101〜104をブリッジ接続し、スイッチング素子101およびスイッチング素子102の共通接続点を端子T1に接続し、スイッチング素子103およびスイッチング素子104の共通接続点を端子T2に接続して構成されている。
図18(b)は図18(a)の単相セルを多段に接続した多重インバータであり、端子X−U間には例えば6個の単相セルCell−1〜Cell−6が順次直列に接続されている。
端子U−X間には多重PWM変調された単相交流電圧Vpwmが出力されるものであり、この例では零および正負の電圧として13レベルの多重PWM波形が得られる。
図18(c)は図18(b)の単相回路を3回路に増やした3相の多重インバータであり、U相側では端子Xと端子Uの間に単相セルCell−1u〜Cell−6uを順次直列に接続し、V相側では端子Yと端子Vの間に単相セルCell−1v〜Cell−6vを順次直列に接続し、W相側では端子Zと端子Wの間に単相セルCell−1w〜Cell−6wを順次直列に接続し、端子X、Y、Zを共通に接続してY結線の中性点Nとしている。
尚、前記直流電源100は、実際には絶縁された多相巻線変圧器とダイオード整流回路などにより構成される。
図19は、図18の多重インバータを制御するために、各セル内のスイッチング素子の駆動信号(ゲート信号)を生成する方式についての構成例である。図19において、キャリア発生部13では、各相のセル段数に対して2倍の段数だけ三角波キャリア(Carry_p6〜Carry_n6)を多重にして出力している。これと三相電圧指令(三相変調率指令)m_refとを多重比較器50にて大小比較して三相の多重PWMパターンLpwmを生成するのであるが、通常は電圧の利用率を改善するために三相電圧指令に共通なオフセット成分を重畳するという零相変調が適用されるので、図19では零相変調器20の出力であるm0(t)を多重比較器50の入力としている。そして、多重PWMレベル分配器60において各セルの多重PWMパターンLpwmから実際の各セルインバータに対するゲート信号に変換し、およびデッドタイム期間を付加して単相セルで構成された主回路(図18)に分配する。そして図18の各単相セル内のスイッチング素子をオンオフする。
ここで、図19中で“(t)”を付加した記号は時間経過に対して連続的に変化する信号であることを意味しており、後述する離散系と混同しないように付加してある。
図19の各部の出力信号波形を図20に示す。図20の上段は12段の多重キャリア信号(Carry_p6〜Carry_n6)と、三相の変調率指令m0(t)を描いてある。図20の中段には多重比較器50により生成され、出力された多重PWMパターンLpwmのうち、2相分のみを示した。さらに、図20の下段では図20中段の2相PWM波形の差成分をとり、線間電圧に相当するPWM波形を示している。この波形の条件は、キャリア周波数は4kHz、変調率指令は最大振幅が約0.95[p.u.]、周波数は約50Hzに設定したものである。
ここで、変調率は次のように定義する。
正弦波指令m_refの最大振幅ではなく、図20上段のような「零相変調を適用後の振幅成分(多重レベル幅)m0(t)」を、「最大レベル幅である6レベル(6セルの場合)」で割った値を変調率として定義する。
正弦波指令m_refも変調率指令と呼ばれるが、実施例の計算で使用するのは上記の零相変調を適用後の振幅を用いた変調率(m0(t))であるので、m_ref側の変調率については「正弦波側の変調率」として表現する。
図20中段のPWM波形(相電圧相当)は0および±6段の合計13レベルを遷移し、図20下段の線間PWM波形(線間電圧相当)は0および±(6×2)段のレベルとなり合計25レベルを遷移するので、2レベルインバータなどと比較して、高調波が少なくほぼ正弦波状の波形を得ることができている。
図20では変調率(V)指令の周波数が問題となる条件に比べて十分に低いので、三角波キャリアがDownモード(下降するモード)のときには多重PWMパターンはH方向(P方向)に、三角波キャリアがUpモード(上昇するモード)のときにはL方向(N方向)に各1回のレベル変化(スイッチング)しか発生しない。
また2相のスイッチング時刻が重なっても、図20下段の線間電圧の多重PWMパターンには2レベル幅のステップ変化は生じない。このようなDownとUp時のレベル変化方向のスイッチングを以降では「順方向スイッチング」と呼ぶ。
これに対して図21(a)は、図20と同じ変調率の振幅にしたままで、変調率指令の周波数のみ約200Hzに上昇させた場合を示している。変調率の基本波成分と多重PWMパターンが認識しやすいように時間スケールを拡大して約2周期分だけ描いてある。
図21(a)では、図20に比べて変調率指令が零レベルをクロスする付近にて時間微分成分が大きく(傾きが急に)なる。そのため、三角波キャリアのDownやUpの傾きよりも、変調率指令の傾きの方が急な波形になる部分が生じるようになる。そのため、図21(a)の○印で示した部分のように、Down方向のキャリアの傾きよりも変調率指令の負方向への変化が大きくなってキャリアを追い越すような交点が発生する。このときには、キャリアがDownモードであってもL方向(N方向)にレベルが変化するスイッチングモードが発生するようになる。これを、「逆方向スイッチング」と呼ぶことにする。
さらにこの逆方向スイッチングが発生すると同時に異なる相にて「順方向スイッチング」が生じる場合には、これらの2相間の線間電圧波形は図21(a)の下段に丸印で示したように、2レベルのステップ変化(2段変化)が発生することになる。この2段変化は、PWM波形の高調波成分を増加させるだけでなく、線間電圧のスイッチングサージ電圧も約2倍に増加するため、負荷機の巻線に対して絶縁性能の劣化要因となる。
この対策としては、特許文献1〜3などのように変調率指令に禁止帯域や変化率の制限を加えることにより防止する方法が提案されている。
しかし、これらは図21(a)程度のインバータ出力周波数(変調率指令の周波数)を上限として想定しており、さらに高い周波数までは考慮していない。厳密な表現をすると、PWM変調の最小の時間単位である三角波キャリアの上下の頂点間の半周期という短い期間には、レベル変化は1回のみであることを前提としている。
特開2006−109688号公報 特開2017−135764号公報 特開2015−23777号公報
図20や図21(a)よりもさらに変調率指令の周波数を高くして、約400Hzとした例が図21(b)である。さらに変調率指令の変化が急になるが、これも基本波周期が分かり易いように時間軸をさらに拡大して表示しているので、キャリアの三角波が時間方向に延びたようにみえるが、零クロス付近では、三角波キャリアのDownやUpの傾きよりも変調率の傾き(時間微分)の方が数倍も大きくなる。
この図21(b)の場合では、図21(a)よりも、「逆方向スイッチング」が発生する頻度が多くなり、〇印で示したような線間電圧の2段変化の発生頻度も多くなる。駆動される(負荷側の)電気機器の巻線の絶縁能力にはある程度の耐量が有るので、単発的に短時間かつ少量だけ振幅が増加するようなサージ電圧が生じても直ぐに絶縁破壊に至ることはないが、しかしこの2段変化が繰り返されると絶縁性能の劣化が速くなり電気機器の寿命を短くしてしまう。
かといって、例えば特許文献1の実施形態11の「基本波電圧指令信号の変化率をキャリア信号の傾き以下に制限する」変化率制限などを加えてしまうと、変調率指令の急な傾きを実現することができず、希望するインバータ出力周波数を得ることができない。そこで、変調率指令の周波数が高い場合でも、2段変化によるサージ電圧の上昇による影響を抑制することを、第1の課題とする。
もう一つの課題は、図21のように三角波キャリアの半周期間に複数回のレベル変化が生じる場合には、“変調率の電圧×時間(負荷機の鎖交磁束成分に相当)”と“PWM出力の時間積”とに誤差が生じてくる問題である。
これを説明するために、図22の構成例を適用して図23のように、変調率指令を、三角波キャリアの頂点を折れ点とする直線関数で近似する場合を考える。図22は、三角波キャリアと零相変調後の変調率指令の比較により、多重PWMゲート信号を生成する図19の回路に、変調率指令の直線補間を行う手段を加えた回路であり、図19と同一部分は同一符号をもって示している。
図22において図19と異なる部分は、前記キャリア発生部13に代えて、三角波キャリアCarry_p6〜Carry_n6および前記三角波キャリアの上下の頂点に相当する各時刻に同期した割込信号n1,n2…を発生する信号発生部14を設け、零相変調器20から出力される零相変調後の変調率指令を、前記割込信号n1,n2…に同期してサンプルする同期サンプル部15と、変調率指令の前記サンプル点(ma(n),mb(n))の間を直線状に補間近似することで、直線近似された変調率指令(ms(n,t))を求める直線補間部40とを追加したことにあり、その他の部分は図19と同一に構成されている。
図23は、図22の信号発生部14の多重三角波キャリア信号、直線補間部40における変調率指令(電圧指令)および多重比較器50から出力される多重PWM波形(Lpwm)の例を示している。
図23の(a)は多重三角波キャリア信号と、2種類の電圧指令の例(パターンA,B)を表し、(b)は(a)のパターンAの電圧指令による多重PWM波形を表し、(c)は(a)のパターンBの電圧指令による多重PWM波形を表し、横軸は時刻、縦軸はPWMパターンのレベル(L)を示している。
この図23では、変調率指令をステップ状に変化させると多レベル幅の変化が生じるので、○印で示す変調率指令のサンプル点m(1)とm(2)の間を(1)に示すような直線で補間して折線近似させることにより、1段のレベル変化が分散して発生するようにさせた。
図23において(1)や(2)および(3)〜(5)の直線変化は図20の「順方向スイッチング」の条件であるが、図23の、下記のような5種類の波形については図21(b)のような多数回のスイッチングが発生する条件として描いた(図23(a)では2種類のパターンAとパターンBの両方を描いている)。
(a)多段の順方向スイッチングの例(3種類の波形)
[ H4 ]キャリアのDown期間中に、レベルアップ方向に順方向スイッチングが4回発生
[ L3 ]キャリアのUp期間中に、レベルダウンの順方向スイッチングが3回発生
[ H2 ]キャリアのDown期間中に、レベルアップの順方向スイッチングが2回発生
(b)逆方向スイッチングの例(2種類の波形)
[ L1R ]キャリアのDown期間中に、レベルダウンの逆方向スイッチングが1回発生
[ H1R ]キャリアのUp期間中に、レベルアップの逆方向スイッチングが1回発生。
図23(a)に示す変調率指令とキャリア波形を比較して多重PWMに変換すると、図23(b)、(c)のような多重PWMパターンが得られる。ここで、図23(a)の変調率指令と図23(b)および(c)の多重PWMパターンとをそれぞれ三角波頂点間の半周期において積分して“電圧・時間積”を求め、この要素単位で比較してみると、第2の課題である“電圧・時間積”の誤差が確認できる。
図23(a)のパターンAにおける波形[H4]のパターンを例にとると、斜線で塗りつぶした2個の三角形の面積が時間積分成分に相当し、図23(b)の多重PWMパターンの方でも斜線で囲んだ四角形や階段状の面積が時間積分項に相当し、これらの面積を等しくしたい。
同様に、図23(a)のパターンBにおける波形[H1R]のパターンでは、斜線で示した台形の面積と、図23(c)の斜線で囲んだ階段状の面積を等しくしたい。
本当は図23(a)の斜線部分の面積と図23(b)(または図23(c))の斜線の箇所の面積とを等価にしたいのだが、この図23からそれぞれの斜線部分の面積の計算式を導出しても、等価な式にはならず、これらの面積には誤差が発生する。このことは、インバータの出力電圧精度の低下につながる。また、この出力電圧の時間積は駆動される負荷機器の鎖交磁束に相当するので、“変調率の電圧×時間”と“PWM出力の時間積”との誤差は、負荷機器の鎖交磁束を用いる制御動作に悪影響を与える。
この変調率指令と多重PWMパターンとの時間積に誤差成分が生じることが第2の課題である。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、変調率指令の周波数が高い場合でも、線間電圧の多重PWMパターンにおける2レベル幅のステップ変化発生を起因とする、サージ電圧の上昇による影響を抑制することができる三相多重インバータの制御方法および制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の三相多重インバータの制御方法は、
直流電源の正、負極端間に第1〜第4のスイッチング素子をブリッジ接続した単相セルを、各相毎にn(n≧2)個直列に接続して構成した三相多重インバータにおいて、各相の変調率指令と前記単相セルの直列数の2倍の段数を備えた三角波キャリアに基づいて、各相の単相セル内のスイッチング素子のゲート信号を生成する三相多重インバータの制御方法であって、
前記変調率指令を三角波キャリアの段数で分割して変調率指令のレベル領域を設定し、
各相の変調率指令の値から、正方向に最大な値である最大相と、負方向に最大な値である最小相と、最大相および最小相以外の中間相を選別し、
前記最大相と最小相に対しては、三角波キャリアの下降状態で且つ変調率指令が負方向に変化する場合では、変調率指令と負方向のレベル領域の三角波キャリアが交差しないように変調率指令の変化率制限を行い、
三角波キャリアの上昇状態で且つ変調率指令が正方向に変化する場合では、変調率指令と正方向のレベル領域の三角波キャリアが交差しないように変調率指令の変化率制限を行い、
前記変化率制限後の変調率指令と三角波キャリアとの比較に基づいて各相の単位セル内のスイッチング素子のゲート信号を生成し、
前記中間相に対しては、前記変調率指令の変化率制限を行わないことを特徴としている。
請求項2に記載の三相多重インバータの制御方法は、請求項1において、
前記中間相に対して、
三角波キャリアの上下の頂点に相当する時刻で三相各相の変調率指令をサンプルし、それらの間を直線状に補間近似することで、直線近似された変調率指令を求め、
その直線近似された変調率指令を、生成しようとする多重PWM(Pulse Width Modulation)パターンのレベル幅で分割し、
前記各レベル幅における、前記直線近似された変調率指令の時間積と多重PWMパターンの時間積とが等しくなるように多重PWMパターンのレベル変化時刻を演算し、そのレベル変化時刻に基づいて多重PWMパターンを生成し、
前記生成された多重PWMパターンに基づいて中間相の単相セル内のスイッチング素子のゲート信号を生成することを特徴としている。
請求項3に記載の三相多重インバータの制御方法は、請求項2において、
前記レベル幅で分割した多重PWMパターンの各レベルをLa±n(nは0を含む整数)、前記直線近似された変調率指令の始点のレベルをma、前記直線近似された変調率指令の終点のレベルをmb、多重PWMパターンがステップ状にレベル変化するレベル変化時刻をT(n)(nは正数)と各々定義し、
三角波キャリアが下降するモードでは、
La=floor(ma)とし、
La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La+3〜La+4のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2とし、La+1からLa+2にレベル変化する時刻T(3)を(La+1.5-ma)/(mb-ma)とし、La+2からLa+3にレベル変化する時刻T(4)を(La+2.5-ma)/(mb-ma)とし、La+3からLa+4にレベル変化する時刻T(5)を1-(mb-(La+3))2/(mb-ma)/2とし、
La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La+2〜La+3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2とし、La+1からLa+2にレベル変化する時刻T(3)を(La+1.5-ma)/(mb-ma)とし、La+2からLa+3にレベル変化する時刻T(4)を1-(mb-(La+2))2/(mb-ma)/2とし、
La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La+1〜La+2のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2とし、La+1からLa+2にレベル変化する時刻T(3)を1-(mb-(La+1))2/(mb-ma)/2とし、
La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La〜La+1のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を(La+1)-(ma+mb)/2とし、
La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La〜La−1のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、前記時刻T(2)〜T(5)を無効とし、
La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La−1〜La−2のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma+mb)/2-(La-1)とし、
La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La−2〜La−3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2とし、La−1からLa−2にレベル変化する時刻T(3)を1-((La-1)-mb)2/(ma-mb)/2とし、
三角波キャリアが上昇するモードでは、
La=ceil(ma)とし、
La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La+2〜La+3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2とし、La+1からLa+2にレベル変化する時刻T(3)を1-(mb-(La+1))2/(mb-ma)/2とし、
La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La+1〜La+2のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を(La+1)-(ma+mb)/2とし、
La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La〜La+1のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、前記時刻T(2)〜T(5)を無効とし、
La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La〜La−1のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma+mb)/2-(La-1)とし、
La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La−1〜La−2のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2とし、La−1からLa−2にレベル変化する時刻T(3)を1-((La-1)-mb)2/(ma-mb)/2とし、
La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La−2〜La−3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2とし、La−1からLa−2にレベル変化する時刻T(3)を(ma-(La-1.5))/(ma-mb)/2とし、La−2からLa−3にレベル変化する時刻T(4)を1-((La-2)-mb)2/(ma-mb)/2とし、
La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La−3〜La−4のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2とし、La−1からLa−2にレベル変化する時刻T(3)を(ma-(La-1.5))/(ma-mb)とし、La−2からLa−3にレベル変化する時刻T(4)を(ma-(La-2.5))/(ma-mb)とし、La−3からLa−4にレベル変化する時刻T(5)を1-((La-3)-mb)2/(ma-mb)/2とする
ことを特徴としている。
請求項4に記載の三相多重インバータの制御装置は、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制御方法を実行する手段を備えたことを特徴としている。
(1)請求項1〜4に記載の発明によれば、変調率指令の周波数が高い場合でも、線間電圧の多重PWMパターンにおける2レベル幅のステップ変化発生を起因とする、サージ電圧の上昇による影響を抑制することができる。
さらに、駆動される電気機器の巻線などの絶縁劣化の抑制と高い周波数を出力するという相反する課題に対して、両方の要求を満たす多重PWMパターンを出力することができる。
(2)請求項2、3に記載の発明によれば、前記(1)の効果に加えて、多重PWMパターンの出力周波数を高くした場合など、キャリア半周期の期間に複数レベル変化(異なるセルのスイッチングが複数回発生)する場合でも、変調率指令に対して時間積が厳密に等しい多重PWMパターンを出力することができる。
このため、変調率指令の時間積は出力電圧の時間積と比例し、この出力電圧の時間積は駆動される負荷機器の鎖交磁束に相当するので、負荷機器の鎖交磁束を正確に制御することができる。
本発明の実施例1による制御装置の構成図。 本発明の実施例1における変調率指令の変化率制限の方法を表す説明図。 図1の装置の各部の動作を示すタイムチャート。 本発明の実施例1の別形態による制御装置の構成図。 レベル変化する電圧指令のパターン例を示す説明図。 本発明の実施例2による制御装置の構成図。 図6中の階段状変調率指令演算部の構成図。 図6中のPWMパターン発生回路の構成図。 本発明の実施例2による階段状変調率指令の生成波形と発生するPWM波形の例を示す説明図。 本発明の実施例2による、キャリアDownのときの多重PWMパターンのレベル変化時刻TとレベルMの演算の様子を表し、(a)は図5における始点と終点のレベル領域の変化量dLが+3の場合の説明図、(b)は変化量dLが+2の場合の説明図。 本発明の実施例2による、キャリアDownのときの多重PWMパターンのレベル変化時刻TとレベルMの演算の様子を表し、(a)は図5における始点と終点のレベル領域の変化量dLが+1の場合の説明図、(b)は変化量dLが0の場合の説明図、(c)は変化量dLが−1の場合の説明図。 本発明の実施例2による、キャリアDownのときの多重PWMパターンのレベル変化時刻TとレベルMの演算の様子を表し、(a)は図5における始点と終点のレベル領域の変化量dLが−2の場合の説明図、(b)は変化量dLが−3の場合の説明図。 本発明の実施例2による、キャリアUpのときの多重PWMパターンのレベル変化時刻TとレベルMの演算の様子を表し、(a)は図5における始点と終点のレベル領域の変化量dLが+3の場合の説明図、(b)は変化量dLが+2の場合の説明図、(c)は変化量dLが+1の場合の説明図。 本発明の実施例2による、キャリアUpのときの多重PWMパターンのレベル変化時刻TとレベルMの演算の様子を表し、(a)は図5における始点と終点のレベル領域の変化量dLが0の場合の説明図、(b)は変化量dLが−1の場合の説明図、(c)は変化量dLが−2の場合の説明図。 本発明の実施例2による、キャリアUpのときの多重PWMパターンのレベル変化時刻TとレベルMの演算の様子を表し、図5における始点と終点のレベル領域の変化量dLが−3場合の説明図。 図6の装置の各部の動作を示すタイムチャート。 本発明の実施例3による制御装置の構成図。 本発明が適用されるセル多重型インバータの一例を示す構成図。 変調率指令とキャリアの比較方式によるインバータの制御装置の一例を示す構成図。 変調率指令の周波数が50Hzの場合の、図19の装置の各部の出力信号波形図。 (a)は、変調率指令の周波数が200Hzの場合の、図19の装置の各部の出力信号波形図、(b)は、変調率指令の周波数が400Hzの場合の、図19の装置の各部の出力信号波形図。 変調率指令とキャリアの比較方式によるインバータの制御装置の他の例を示す構成図。 図22の装置における多重インバータのキャリア波形と変調率指令の例を表し、(a)は多重三角波キャリア信号と2種類の電圧指令のパターンの説明図、(b)は(a)のパターンAの電圧指令による多重PWM波形の波形図、(c)は(a)のパターンBの電圧指令による多重PWM波形の波形図。 実施例3の適用なしで変調率指令を直線近似した条件における多重PWMパターンの例を表し、(a)は相成分のPWM波形図、(b)は線間電圧のPWM波形図、(c),(d)は(a),(b)の0.98s〜1.0sの拡大図。 実施例3を適用した場合の多重PWMパターンの例を表し、(a)は相成分のPWM波形図、(b)は線間電圧のPWM波形図、(c),(d)は(a),(b)の0.98〜1.0sの拡大図。 多重PWMパターンを三相二相変換して積分した成分のXY軌跡を表し、(a)は図24の0〜1.0sの全期間のXY軌跡図、(b)は図25の0〜1.0sの全期間のXY軌跡図、(c)は図24の0〜0.5sの期間のXY軌跡図、(d)は図25の0〜0.5sの期間のXY軌跡図。 多重PWMパターンを三相二相変換して積分した成分のXY軌跡を表し、(a)は図24の0.9〜1.0sの期間のXY軌跡図、(b)は図25の0.9〜1.0sの期間のXY軌跡図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
まず、図21(a),(b)において、線間電圧波形に2段変化が生じる例を示してきたが、この2段変化には次のような特徴がある。
(a)三相正弦波状の変調指令に対して、最大相と最小相の振幅を等しくする零相変調を適用する場合には、最大相と最小相の時間変化は少なく、問題になる逆方向スイッチングは傾きが急な中間相に発生しやすい。
(b)また、最大相と最小相は変化率が小さいので、スイッチングを禁止するなどの制限を加えても、時間積分の振幅誤差が小さいので大きな誤差にならない。これに対して、中間相は変化が大きいので、少しの時間遅れ成分でも大きな時間積の誤差が発生する。
(c)正弦波状の線間の多重PWMパターンでは、最大振幅付近の波形は最大相と最小相との差分によって発生する。もし、中間相に逆相スイッチングが発生しても、2段変化が生じるのは中間相と最小相または最大相との差分に相当する線間電圧であるので、これは線間電圧の正弦波の最大振幅付近には発生しない。 そのため、正弦波にサージ電圧が重畳しても、線間電圧の最大振幅を超過する量は少なくなる。(つまり、中間相の相電圧に2段変化が発生しても絶縁劣化への影響は少ない。)
この3つの特徴を考慮して、最大相と最小相のみ、特許文献1で提案されているような逆方向スイッチングを抑制するための変化率制限を適用し、中間相だけはこの制限を適用しない方式を提案する。
実施例1の構成例を図1に示す。図1のブロックの特徴は、図22のような、変調率をサンプル点間で折れ線補間する構成に対して、複合PWM変調率生成部30という機能ブロックを追加するとともに、零相変調部20に代えて、零相変調機能と、零相変調前の三相変調率指令m_refのどの相が最大相、中間相、最小相に相当するかを選別する機能とを備えた零相変調部21を設けたものである。
これらのブロックはCPUなどの演算機能を想定しており、キャリアと同期した割り込み信号(n1,n2..)により動作するので、変調率指令入力m(t)から離散系を示すm(n)に変換して表示してある。
図1において、10は、三角波キャリアCarry_p6〜Carry_n6と、三角波キャリアの上下の頂点に相当する各時刻に同期した割込信号n1,n2..と、三角波キャリアがDownモード(下降するモード)かUpモード(上昇するモード)かを識別する識別信号DwUpとを発生する信号発生部である。
零相変調部21は、入力される変調率指令m_refに対して零相変調を行って零相変調後の変調率指令m(t)を出力するとともに、入力される零相変調前の三相変調率指令(例えばU・V・W相のm_ref:mref_u・mref_v・mref_w)の値からどの相が最大・中間・最小に相当するかを選択する選択信号(最大相:ph-max,中間相:ph-mid,最小相:ph-min)を出力する。
複合PWM変調率生成部30には、割込信号n1,n2..、識別信号DwUpおよび零相変調後の変調率指令m(n)が入力される。入力された変調率指令m(n)は、最大相を選択するmax選択部33max、中間相を選択するmid選択部33mid、最小相を選択するmin選択部33minにおいて、零相変調部21からの選択信号ph-max,ph-mid,ph-minによって、最大相、中間相、最小相が選択される。
max選択部33max、min選択部33minにより選択された三相変調率指令の最大値、最小値は、変化率制限部34max、変化率制限部34minにおいて、後述する「逆方向スイッチングの防止対策」が施され、変調率指令ms_max、ms_minとして出力される。
前記逆方向スイッチングの防止対策を施さないmid選択部33midの出力である変調率指令ms_midと、変調率制限部34max、34minの出力である変調率指令ms_max、ms_minは、変調率指令出力部35において前記選択信号ph-max,ph-mid,ph-minによって元のU,V,W相の変調率指令ms_UVWに復元されて直線補間部40に出力される。
直線補間部40では、図23で述べたように変調率指令をサンプルし前回値と最新値を直線補間することにより、折れ線状の連続信号として多重比較器50の入力信号に変換する。
上記のように図1では、選択信号ph-max,ph-mid,ph-minおよびmax選択部33max、mid選択部33mid、min選択部33minによって、三相変調率指令から最大値・中間値・最小値を分別させている。そして、最大と最小の値に対しては、変化率制限部34max、34minにて制限を加えた変調率指令ms_max・ms_minを生成し、三相変調率指令の中間値は、制限を適用せずにそのまま変調率指令ms_midとみなす。
変化率制限部34max、34minが行う逆方向スイッチングの防止対策は、特許文献1で提案されているような逆方向スイッチングを抑制するための変化率制限と等価な制限であり、その制限の動作例を図2のタイムチャートとともに説明する。
図2において、(a)は三角波キャリアと零相変調部21から入力される変調率指令の様子を示し、(b)は信号発生部10から入力される三角波キャリアのDownモード、Upモードを表す識別信号DwUpを示している。
最初に変化率制限の概略を説明する。図2の左側はキャリア信号のDownモードの動作例を、右側にはUpモードの動作例を示している。また変調率指令は特定の1相を取り出して表している。
左のDownモードについて説明すると、丸印のmaは前回サンプルした変化率指令であり、丸印のmbが今回サンプルした変化率指令である。これらは三角波キャリアの頂点時刻と同期している。そして、maからmb間を直線状に近似補間して、三角波比較に入力する変調率指令ms_uvwとする。ここで注意することは、maとmbは同じ相の値であり、最大値だからといって異なる相の前回の最大値を組み合わせてはならない。前述のmaとmbは、最大値の相を選定し、その相における変調率指令の前回値maと最新値mbのことである。そうしないと、三相波形の連続性が保てない。
前回の変調率指令maおよび今回の変調率指令mbの間を直線補間した直線と多重キャリア信号との交点(小さい〇印)でスイッチング(多重PWMのレベル変化)が発生する。
逆方向スイッチングは、キャリアのDown期間とUp期間では発生条件が異なるが、図2の×印で示した逆方向スイッチングが発生するパターンに対しては、逆相スイッチングが発生しない限界まで目標値(時間経過後の最新側の変調率サンプル値)を修正する制限を加える。こうすることにより、特許文献1の「変化率を三角波キャリアの傾きに制限する方式」と等価な機能が得られる。
次に、図2の変化率制限方法とその手順を具体的に説明する。図2では、左側のキャリアがDownモードの場合も、右側のキャリアがUpモードの場合も両方とも、同じレベル(Lwa)の始点maから5種類のレベル(Lwb)に存在するmbに変化する例を描いてある。
周波数が高くキャリア半周期間に複数回のスイッチングが生じる場合も含めて、ここでは複数のmb値のパターン例を記載している。この複数のmb値のパターン例を分類するために,「レベル領域の番号(Lwa,Lwb)」と「開始時のレベル(La)」および「終了時のレベル(Lb)」を定義する。多重キャリア信号は複数の三角波キャリアが多段に重なっているので、これらを識別するために、特定のキャリアが存在する幅のレベル領域を(Lwa,Lwb)の番号で示し、出力電圧が低くなる方(N側)を負値とし,逆に高くなる方(P側)を正値となるように番号付けをする。例えばセル数が6個の場合には、−6〜−1,+1〜+6の番号を設定する(幅のある領域なので番号=0は存在しない)。
そして、maが存在するレベル領域をLwa、mbが存在する領域はLwbとする。ここで、スイッチング回数や順方向・逆方向スイッチングの判断などは、LwaとLwbの差分の数で決まるので、始点と終点のレベル領域の変化量(レベル番号の差分)をdL=Lwb-Lwaとして定義し、これを各mbの「()」内に付加することによりmbを区別できるようにしておく。
maはサンプルタイミング(n)、mbはサンプルタイミング(n+1)の値であるが、このnと(n+1)が同じLwaやLwbの領域に存在していても、キャリアのDownとUpモードによりスイッチング回数やスイッチングの方向、およびnと(n+1)の時刻におけるPWM出力レベル(La、Lb)は異なる。
図2の左側のようなDownモードでは、スイッチング回数は、dL=+2なら順方向(正方向)に3回、dL=+1なら順方向に2回、dL=0なら順方向に1回のスイッチングが発生する。dL=-1の場合には、三角波キャリアとの交点は存在しないのでスイッチング(レベル変化)は発生しない。逆に、dL=-2の場合には逆方向(負方向)のスイッチングが1回発生し、dLの値が負方向に増えるほど逆方向のスイッチング回数が増加する。
図2の右側のようなUpモードでは、スイッチング回数は、dL=−2なら順方向(負方向)3回、dL=−1なら順方向に2回、dL=0なら順方向に1回のスイッチングが発生する。dL=+1の場合には、三角波キャリアとの交点は存在しないのでスイッチング(レベル変化)は発生しない。逆に、dL=+2の場合には逆方向(正方向)のスイッチングが1回発生し、dLの値が正方向に増えるほど逆方向のスイッチング回数が増加する。
逆方向スイッチングの判別も、Down/Upを識別する識別信号(DwUp)とこのdLの値との組み合わせで判別できる。そして、Downモードの時には、dL≦-2の条件で逆方向スイッチングが発生するので、このモードを禁止して、mbを図中の(Lwa-1)の領域幅が取り得る下限の値mb’、すなわち逆方向のスイッチングが発生しない限界値に制限する。
また、Upモードの時には、dL≧+2の条件で逆方向スイッチングが発生するので、このモードを禁止して、mbを図中の(Lwa+1)の領域幅が取り得る下限の値mb’に制限する。
こうすれば、この制限を適用した相では逆方向のスイッチングは発生しない。そして、ma(サンプルタイミング:n)、mb(サンプルタイミング:n+1)のPWM出力レベル(La、Lb)も、キャリアのDown/Upのモードで異なるので、ここで説明しておく。
Downモードでは、三角波キャリアの上頂点時刻のmaにおける出力PWMレベルは「La(n,上頂点)=floor(ma)」となり、三角波キャリアの下頂点時刻のmbにおける出力PWMレベルは「Lb(n+1,下頂点)=ceil(mb)」となる。
逆にUpモードでは、三角波キャリアの下頂点時刻のmaにおける出力PWMレベルは「La(n,下頂点)=ceil(ma)」となり、三角波キャリアの上頂点時刻のmbにおける出力PWMレベルは「Lb(n+1,上頂点)=floor(mb)」となる。
前記ceil()とfloor()は下記のような関数である。
ceil()はCEILING関数であり、正の最大値方向の整数(正方向への切り上げ)を意味する。
floor()は、FLOOR関数であり、負の最大値方向の整数(負方向への切り捨てげ)を意味する。このように、DownモードとUpモードでは挙動が異なるが、正負やスイッチング方向が逆になるだけであり、対称な特性になっている。
尚、特許文献1の実施形態12では、デッドタイムによる遅れ時間の対策としてサンプル点の禁止帯域を設定する技術が記載されているが、この技術も図1の変化率制限部34max、34minに組み込むことができることは自明であり、その他、特許文献1以外の逆方向スイッチング防止対策も組むことができる。
図1の装置では、直線補間部40のようにFPGAなどのディジタル回路で構成された高速クロックで動作する回路部分と、複合PWM変調率生成部30のように、CPU処理により割込信号で起動されるソフトウェア処理とが混在している。
そこで、全体の信号の時間的な流れを描いたものが図3のタイムチャートである。図3の(a)は図2の多重キャリア信号であり、(b)は多重キャリア信号の頂点時刻に発生されるパルス状の割込信号n1,n2..であり、これらは図1の信号発生部10で生成されるが、図3では図1の信号発生部10を「キャリア生成回路」と表記している。
図3の(c)は零相変調部21に入力される変調率指令を示し、(d)はCPUによりソフトウェア処理される複合PWM変調率生成部30の各信号を示している。
図3の(e)は、レジスタなどのディジタル回路で構成される直線補間部40に書き込まれる図2の各情報を示し、(f)は直線補間部40で直線補間処理される情報を示している。尚、直線補間部40を、図3では「直線補間回路」と表記している。
図3(c)、(d)は変調率指令など複数の入力設定値の動作を示しており、割込信号とは重ならないようにその間の期間に値が更新されている(図3(c)から図3(d)方向の実線の矢印)。
ここでソフトウェア実行には演算処理時間が必要であるので、期間:n−2〜n−1の期間に更新された入力信号(変調率指令)に基づいて演算した結果が、遅延した期間(n〜n1)において複合PWM変調率生成部30から出力することになる(図3(d)に記載の「(3相分のmb,Lb情報,DwUp)」の左側の実線の矢印)。
そのソフトウェア処理の期間を「複合PWM変調率生成部の演算」の段(図3(d))に示してある。ここでは、幅が広い区間において各種の処理を実行することを意味している。このソフトウェア処理は割込信号により起動され、変調率指令の設定の読出値がm(n−1)となる。
それから、「零相変調」や「複合PWM変調率生成部」などの処理を順次演算する。この演算中に、零相変調部21から出力される選択信号ph-max,ph-mid,ph-minや直線補間部40で最終的に直線補間する期間におけるDwUp情報などが取り扱われるが、実態はメモリに格納される変数である。
ソフトウェア処理の結果である最終出力は、直線補間部40に与えるms_uvw(実際には三相成分)信号であるが、次回の割込信号が発生する前に演算処理が終了しているので、ディジタル回路で構成される直線補間部40内のレジスタ(ms_uvw設定)などに値を書き込むことにより、データを次段に伝える。
ここで、書き込む情報は図2で示したmbやLbの情報(直線補間終了時刻の情報)である。maやLaなどの開始時刻の情報は、前回のmbやLb設定と同じ値であるので、前回値を流用できるのでCPUから書き込む必要はない。
また、直線補間の波形を生成するためには傾き情報(1クロック当たりの変調率の増分など)も必要であるが、これらはCPUで演算して書き込むこともできるし、またはmbやLbの値が書き込まれてから、次の割込時刻までの間にディジタル回路内で演算してもよい。
図3の直線補間回路の動作を期間:n〜n1の例で説明すると、割込時刻nに同期して「ms_uvw設定(他の傾き情報なども含む)」のレジスタ(図3(d))から直線補間波形生成回路のレジスタ(図3(e))に転送し、この情報(レジスタ値)に基づいて連続的に変化する変調率指令を生成して(図3(f))、多重比較器50に対して出力する。
期間:n〜n1の直線補間波形の初期値は、期間:n−1〜nの最終値と等しいので、割込信号に同期して図3(e)のように、前回の期間のレジスタ値(mb_u,mb_v,mb_w)をそのまま(ma_u,ma_v,ma_w)のレジスタに転送して、直線波形の初期値とする。
図3の直線補間回路自体は、1クロックごとに増加分を加算(積算)処理すれば容易に実現できるので、具体的な説明は省略する。
上記の説明は、ディジタル回路とCPU処理の領域が混乱しないように補足として説明したものであり、実際にはCPU演算の部分をディジタル回路で組み込むこともできるし、直線補間回路や多重比較器50をアナログ回路で構成することもできる。同じ原理でも、種々の形態にて実施できることは自明である。
多重PWMインバータの課題の一つとして、逆方向スイッチングの防止がある。これにより、線間電圧の多重PWMパターンが、2レベル幅でステップ変化するという2段変化を防止することができる。ところが、出力周波数を高くして変調率指令(電圧指令)の変化が大きくなってくる場合には、逆方向スイッチングの防止のために変調率を修正してしまうと変調率の変化量を制限してしまうので高いインバータ出力周波数(変調率指令の周波数)が正確に発生できない。
そこで、実施例1では、線間電圧の2段変化を抑制する条件を緩和し、最大振幅付近だけを制限するが、その中間レベルは2段変化を許容することにした。これにより、駆動される電気機器の巻線などの絶縁劣化の抑制と、高い周波数の出力という相反する課題に対して、両方の要求に対応する多重PWMパターンを出力することができる。
本実施例1での新規性は、従来の変調率指令の変化率制限を3相すべてに適用するのではなく、最大相と最小相という線間電圧の最大振幅を発生させる要素だけに限定し、最大電圧に影響の少ない要素(中間相)には適用しないことにより、高いインバータ出力周波数(変調率指令の周波数)まで対応できるように拡張した点にある。
上記では「最大値と最小値の2相に対して逆方向スイッチングを防止する」という原理に基づいた説明を行ったが、細かい部分では、中間相から最大相に切り替わった直後などの場合には、複数回のレベル変化(スイッチング)を行う相が2相になる場合もある。したがって、その場合は、電圧精度を維持するために、2相とも制限を適用したくない。
そこで、実施例1の別形態として、図4に示すように、最大相と最小相を選定するのではなく、制限要否判定部36にて、各相の変化幅を確認して、変化幅が小さければ(Su,Sv,Sw)のような変調率の許可信号を出力し、各相に設けた変化率制限部34u,34v,34wでは、この許可信号により制限の有無を切り替えることにする。そうすれば、最大や最小および中間のモード切替などを考慮して、必要な相にだけ制限を加えることができる。
図4において、信号発生部11は三角波キャリアCarry_p6〜Carry_n6と、三角波キャリアがDownモードであるかUpモードであるかを識別する識別信号DwUPとを発生する。
複合PWM変調率生成部31の制限要否判定部36は、零相変調部21からの変調率指令m_uvw(t)および選択信号ph-max,ph-mid,ph-miを入力とし、各相の変調率指令の変化幅を確認して変化率制限の要否を判定し、変化幅が小さいとき、変調率指令に対する変化率制限の許可信号Su,Sv,Swを出力する。
零相変調部21から入力される三相の変調率指令m_uvw(t)は、変調率指令入力部37によって各相の変調率指令mu(n),mv(n),mw(n)に分配され、各相に設けた変化率制限部34u,34v,34wに入力される。
変化率制限部34u,34v,34wでは、制限要否判定部36からの許可信号Su,Sv,Swによって制限の有無が切り替えられ、変調率指令の変化幅が小さいときのみ変調率指令の制限を行う。
各相の変化率制限部34u,34v,34wから出力される変調率指令ms_u,ms_v,ms_wは、各相の直線補間部40u,40v,40wにて図1の直線補間部40と同様の直線補間処理が行われた後、変調率出力部35を介して変調率指令ms_uvwとして多重比較部50に入力される。その他の部分は図1と同一に構成されている。
上記構成によれば、制限の必要な相にだけ変調率指令に対する変化率制限を加えることができる。
図1や図22の構成例では、同期信号タイミングにて電圧指令をサンプルし、前回値を始点、最新値を終点とみなして時間に応じた直線補間を適用することにより、折れ点状の変調率指令を生成していた。そして多重三角波キャリアと大小比較することにより多重PWMパターンを生成していた。
これに対して実施例2では、図23で述べた補間により直線近似された変調率指令の時間積と多重PWMパターンの時間積の誤差をなくすために、多重キャリア信号との比較を行わず直接に多重PWMパターンを発生させるように構成した。
図5は実施例2による多重PWMパターン生成方法を説明するために示した三角波キャリアとレベル変化する電圧指令のパターン例であり、図6は実施例2による制御装置の構成である。
図5において、(a)は三角波キャリアがDwonモードの場合を示し、(b)は三角波キャリアがUpモードの場合を示している。
La−4〜La+4は、直線近似した変調率指令を、生成しようとする多重PWMパターンのレベル幅で分割した各レベル(PWMレベル情報)であり、変調率指令の始点maから終点mbまで、図5(a),(b)ともに各々7つのレベル領域に変化する例を示している。dLは始点maと終点mbのレベル領域の変化量である。
図6において図1と大きく異なる点は、図1における変調率の「同期サンプル」や「直線補間」および「多重キャリア比較」などの機能を、磁束制御形レベル切換(PWM発生)部70のブロックに置き換えたことである。この構成例では多重キャリア信号を使用せず、キャリア半周期間の経過時刻Tryを用いて、直接に多重PWMのパタ−ン(多レベルの階段状パターン)ms(n,t)を発生して、これを多重PWMパターン(Lpwm)として使用する。
この磁束制御形レベル切換部70は、図7で示すような階段状変調率指令演算部80と、図8で示すような構成のPWMパターン発生回路90とを備えている。
図6の信号発生部12から発生される割込信号n1,n2..、多重キャリア信号の半周期間の経過時刻(キャリアと同期したタイマの経過時刻)TryおよびキャリアのUp,Downモードを識別する識別信号DwUp(モード識別フラグ)と、零相変調部20から出力される零相変調後の変調率指令m(t)は、磁束制御形レベル切換部70に入力される。
磁束制御形レベル切換部70内の階段状変調率指令演算部80を示す図7において、識別信号DwUpは、階段状変調率指令演算部80における例えば図5の三角波キャリアのDownモード(図5(a))又はUpモード(図5(b))を選択するモード識別フラグとして用いられる。
零相変調後の変調率指令mは、割込信号n1,n2..に同期して、同期サンプル部71により終点(例えば図5のmb(n))がラッチされ、同期サンプル部72により始点(例えば図5のma(n)がラッチされる。73は同期サンプル部71でラッチされた変調率指令の終点mb(n)の到達レベルLb(n)(例えば図5の到達レベルLb)を判定する到達レベル判定部73である。
割込信号n1,n2..のn側は図5の始点ma側に同期し、n+1側は図5の終点mb側に同期している。
前記同期サンプル部71の出力mb(n)、到達レベル判定部73の出力Lb(n)、同期サンプル部72の出力ma(n)および割込信号n1,n2..は、階段状変調率指令演算部80に入力される。
尚、前回期間の最終レベルLb(n−1)(例えば図5のLb)が、今回の開始レベルLa(n)(例えば図5のLa)であるので、このLa(n)が今回の始点のレベルとして用いられる。
階段状変調率指令演算部80は、前記入力された各情報(mb(n),Lb(n),ma(n),La(n))に基づいて、階段状変調率指令を演算するものであり、例えば図5の各レベル幅における、直線近似された変調率指令の時間積と多重PWMパターンの時間積とが等しくなる、多重PWMパターンのレベル変化時刻(T(2)〜T(5)時刻指令)と、そのレベル変化時刻におけるレベル変化後の多重PWMパターンのレベル(M(1)〜M(5)レベル指令)とを演算する。
PWMパターン発生回路90は、階段状変調率指令演算部80により演算された多重PWMパターンのレベル変化時刻(T(2)〜T(5))と、レベル変化後の多重PWMパターンのレベル(M(1)〜M(5))に基づいて、図8の回路構成によって図9に示すようなPWMパターンLpwmを生成する。
PWMパターン発生回路90では、図9に示すように、多重PWMパターン生成のために、割込信号n1,n2..(同期信号)、PWMキャリアの半周期における経過時間を示す周期タイマ(カウンタ)の経過情報Try(信号幅を1.0とする)と、キャリアのDownとUpモードの識別フラグDwUpを使用する。これらの代わりに三角波キャリアを使用する方法もあるが、図1や図22のPWM生成用のキャリアと同じものであると誤解されないように、またDwonモードとUpモードにて計算式を似た形態にしたいため、今回は鋸波状のTry信号とDwUpの1bit信号を組み合わせる方式とした。
図8および図9では、初期値のレベル設定とその後の4段のレベル変化まで発生できるように、5組の時刻とレベルの組データを設定する例として示している。図9のCarry-x〜Carry-x+5は6段のキャリアを示している。ms(n,t)は階段状に生成される変調率指令であり、LpwmはPWMパターンである。
T(1)〜T(5)がステップ変化の発生時刻データであり、M(1)〜M(5)が出力レベル指令(ステップ変化後のレベル)のデータである。発生時刻の計算は少し複雑なのでCPUなどのプログラムで実現することが適しており、一方で、Try信号や比較器(comp2〜comp5)などは時間分解能を必要とするのでFPGAなどの高速クロックで構成する必要がある。非同期の演算結果をFPGA内部のキャリア相当の同期信号に変換する必要があるので、CPUが演算後に書き込むレジスタをT(1)〜T(5)とM(1)〜M(5)とし、これをFPGA側の同期ラッチ群TsやMsにより、PWMキャリアと同期したタイミングで更新させている。また、時刻データにはT(1)≦T(2)≦T(3)≦T(4)≦T(5)の制約をプログラムに組み込んでおく。また、T(1)とM(1)だけは初期値設定用に使用したいのでT(1)=0に固定しておき、図8中ではT(1)に関する回路も省略してある。
図8において、M(1)〜M(5)はレベルレジスタ、T(2)〜T(5)は時刻レジスタを示している。Ms(1)〜Ms(5)は、図8では割込信号n1,n2..に同期して更新されるレベルの同期更新レジスタを示し、図9では出力レベル指令(ステップ変化後のレベル)として示している。
同様にTs(2)〜Ts(5)は、図8では割込信号n1,n2..に同期して更新される時刻の同期更新レジスタを示し、図9ではレベル変化時刻として示している。
comp2〜comp5は、鋸歯状のTry信号(キャリア信号の半周期の経過時刻)と同期更新レジスタTs(2)〜Ts(5)の時刻データ各々を比較する対称比較器である。
同期更新レジスタMs(2)〜Ms(5)に対応して設けたスイッチSW2〜SW5は順次直列に接続され、その直列回路の一端は同期更新レジスタMs(1)に接続され、他端からPWMパターンLpwmが出力されるように構成されている。
スイッチSW2はcomp2の比較出力sel2により制御され、Try≦T2のときはMs(1)側に、T2<TryのときはMs(2)側に切り替えられる。
スイッチSW3はcomp3の比較出力sel3により制御され、Try≦T3のときはMs(1)側に、T3<TryのときはMs(3)側に切り替えられる。
スイッチSW4はcomp4の比較出力sel4により制御され、Try≦T4のときはMs(1)側に、T4<TryのときはMs(4)側に切り替えられる。
スイッチSW5はcomp5の比較出力sel5により制御され、Try≦T5のときはMs(1)側に、T5<TryのときはMs(5)側に切り替えられる。
上記のように構成された回路において、経過情報Try=0の時刻にM(1)のレベルが多重PWMパターンLpwmの初期値として出力され、次に“Try>Ts(2)”になるとスイッチSW2が同期更新レジスタMs(2)側に切り替えられ、Ms(2)のレベルが出力される。同様に、時間経過に応じてMs(3)〜Ms(5)に出力レベルが切り替わる。
もし周波数が低ければレベル変化回数が4段も必要ない場合もある。そのときは使用しない段のT(Ts)の値を1.0以上に設定すれば、「Try>Ts」の条件は成立しないのでM(Ms)の値は出力されなくなり、つまり不要な段数の機能を無効にすることができる。
次に、図8の回路に設定する、階段状変調率指令演算部80にて演算される時刻とレベルのデータについて説明する。この設定値の計算方法がこの実施例の新規性を有する部分に相当する。
適用する周波数を高くするほどキャリアの半周期に発生するスイッチング回数は増加するが、ここでは最低限の要素を含む例に限定し、図5のような(dL=-3〜dL=+3)の7つのレベル領域の変化とPWMキャリアのDown/Upとを組み合わせて、合計14種類の変調率指令のパターンを定義し、これらの各パターンにおいて時刻T(Ts)やレベルM(Ms)の値をどのように計算するかを説明する。
直線状の変調率指令から階段状の多重PWMパターンに変換する解説図を、図10〜図15に示す。図10〜図12はPWMキャリアがDownモードに相当する条件であり、図13〜図15はPWMキャリアがUpモードに相当する条件である。
まずDownモードに相当する条件については、レベル変化の領域を変調率指令の始点と終点が存在する領域レベルの差分(dLの値)に応じて、図10(a),(b)、図11(a),(b),(c)、図12(a),(b)の7種類に分けてある。
図10(a)は、変調率指令の初期値maが(La〜La1)のレベル間に存在する場合であり、このときの初期出力レベルLaは、前回の終了時のレベルであるので「 La=floor(ma) 」となっている。これに対して終点のmb(dL=+3)は、(dL=+3)で示したようにmaからみて正方向に3段だけ変化したレベル領域に存在している。このmbつまり最終時刻の出力レベルLbは、このmbとPWMキャリアを比較したものに相当させたいので、「Lb=ceil(mb)=La+4」に変化させる。そして、始点と終点間の直線補間した変調率は4段のレベル領域を通過し、全ての段においてキャリア波形と交差して4回のスイッチングが発生することになる。
ここで本実施例では、この4回のスイッチング発生時刻について、直線補間した変調率指令とPWM出力との時間積を等価にする方法を提案する。変調率指令の時間積は出力電圧の時間積と比例し、この出力電圧の時間積は、負荷機の巻線に鎖交する磁束成分に相当する。つまり、駆動される機器の鎖交磁束を正確に発生させるものである。そのために、4個のスイッチング時間を4種類のレベル幅に分類し、個々のレベル領域において変調率・時間積が等価になるスイッチング時刻を設定することにした。
初回のスイッチングは、時刻T(2)において、Laから(La+1)へのレベル変化が生じる。この場合は、“変調率指令側の三角形の面積(左上から右下への斜線部)”と“多重PWMパターン側のレベル幅(単位法にて1.0レベル)とT(2)時間による長方形の面積(右上から左下への斜線部)”が等しくなるように時刻T(2)を計算することにより、変調率指令の時間積(磁束)を等価にすることができる。この三角形の面積は次のように計算できる。
三角形の高さは“(La+1)−ma”である。
三角形の底辺TL(1)=T(2)は、Tryの同期信号間の幅を“1.0”とすると、周期の“高さ(La+1)−ma”を“変化幅(mb-ma)”で除した時間比率により計算できる。
そこで、2種類の面積を求める式を等号で結び、さらにT(2)を求める式に変形すると(1)式が得られる。
Figure 0006493591
またDownモードなので、変化レベルの方向は(2)式のようにmaを含むレベル領域の上限方向に設定する。
M(2)=ceil(ma)=La+1…(2)
以上が、初回のスイッチング情報の計算方法である。
次のスイッチングの時刻T(3)とレベルM(3)では、La+1とLa+2間のレベルにおいて、同様に変調率指令と多重PWMパターンとの時間積を等価にするように決定する。変調率指令側の面積(時間積)は、“Try=0から(La+1)レベルにおける変調率指令直線との交点までを上底、Try=0から(La+2)レベルにおける変調率指令直線との交点までを下底とみなした台形”とし、多重PWMパターン側の面積(時間積)は“高さ1.0とT(3)の長方形”とする。そして、これらが等しくなる条件として時刻T(3)を計算する。台形の面積を計算するために必要な、上底と下底は、変調率指令の直線とLa+1との交点の時刻TL(1)とLa+2との交点の時刻TL(2)に相当するので、次式で設定する。
上底の幅は、TL(1)=1.0×((La+1)-ma)/(mb-ma)
下底の幅は、TL(2)=1.0×((La+2)-ma)/(mb-ma)
こうすると、高さが1.0の台形の面積が求まるので、等式を立てて変形すれば(3)式の時刻T(3)が決まる。
1.0×T(3)=1.0×{((La+1)-ma)+(La+2)-ma)}/(mb-ma)/2
T(3)=((La+1.5)-ma)/(mb-ma)…(3)
レベルM(3)は、このレベル幅の上限方向に変化するので、(4)式とする。
M(3)=max(La+1、La+2)=La+2…(4)
時刻T(4)とレベルM(4)については、時刻T(3)と同様に変調率指令側の面積(時間積)は、Try=0から(La+2)レベルにおける変調率指令直線との交点までを上底、Try=0から(La+3)レベルにおける変調率指令直線との交点までを下底とする台形の面積と、多重PWMパターン側の面積(時間積)は、高さ1.0とT(4)の長方形の面積とを考えればよく、(5)式と(6)式で計算できる。
T(4)=((La+2.5)-ma)/(mb-ma)…(5)
M(4)=max(La+2、La+3)=La+3…(6)
時刻T(5)に関しては、T(2)と同様にLa+3レベルを底辺、mbを頂点とする三角形を考えればよく、今度はスイッチング面積が終点時刻(n+1)を基準としているので、Tryの時間幅(T=1.0)から引き算して同期時刻nからの経過時間に変換すると(7)式で計算できる。
Figure 0006493591
また、レベルM(5)はmbが存在するレベル領域の上限になるので、(8)式で設定する。
M(5)=ceil(mb)=La+4…(8)
各段のレベル領域にてスイッチングは1回しか発生しないので、上記のように、各レベル幅に分けて変調率指令と多重PWMパターンのそれぞれの時間積が等しくなるスイッチング時間を計算することができ、これらの総和も等しいことから、キャリア半周期間の時間積も等しくできることになる。
以上のDownモードにおける時刻TとレベルMの計算式を、表1の「dL= +3(Down)」の欄にまとめてある。残りの、図10(b)、図11(a)〜(c)、図12(a),(b)の6個のパターンについても同様の考え方で求めることができ、以降では、上記の三角形や台形と等価な演算に関する説明は簡潔にして、これとは異なる計算方法のみを詳細に説明する。
Figure 0006493591
図10(b)はdL=+2のレベル幅の例である。図10(a)よりもスイッチング回数が1回少ないので、中間の台形面積を利用して計算する時刻は1回のみに減る。それ以外は、図10(a)と同じように三角形の面積から求められる。
すなわちLa〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La+2〜La+3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、La〜La+1のレベル領域では、図10(a)の場合と同様の三角形と長方形の面積が等しくなる時刻T(2)=((La+1)−ma)2/(mb−ma)/2を計算し、レベルM(2)をM(2)=La+1とする。
またLa+1〜La+2のレベル領域では、図10(a)の場合と同様の台形と長方形の面積が等しくなる時刻T(3)=(La+1.5−ma)/(mb−ma)を計算し、レベルM(3)をM(3)=La+2とする。
またLa+2〜La+3(=Lb)のレベル領域では、図10(a)のLa+3〜La+4のレベル領域の場合と同様の三角形と長方形の面積が等しくなる時刻T(4)=1−{(mb−(La+2))2}(mb−ma)/2を計算し、レベルM(4)をM(4)=La+3とする。
これをまとめたものが、表1の「dL= +2(Down)」の欄であり、ここでは使用しない時刻T(5)には「1.0」の値を設定して「無効」にしておく。
図11(a)はdL=+1の場合であり、図10(a)の最初と最後の三角形の面積を利用した計算法を適用すればよい。すなわち、La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La+2〜La+3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、La〜La+1のレベル領域では、図10(a)の場合と同様の三角形と長方形の面積が等しくなる時刻T(2)=((La+1)−ma)2/(mb−ma)/2を計算し、レベルM(2)をM(2)=La+1とする。
またLa+1〜La+2(=Lb)のレベル領域では、図10(a)のLa+3〜La+4のレベル領域の場合と同様の三角形と長方形の面積が等しくなる時刻T(3)=1−{(mb−(La+1))2}(mb−ma)/2を計算し、レベルM(3)をM(3)=La+2とする。
これをまとめたものが表1の「dL= +1(Down)」の欄であり、ここでは使用しない時刻T(4),T(5)には各々「1.0」の値を設定して無効にしておく。
図11(b)はdL=0の場合であるが、これは上記のような三角形や台形とは形態が異なる。そこで次のように考える。
Laレベルから始点maまでの変調率成分(縦成分)を一方の辺とし、Laレベルから終点mbの変調率成分(縦成分)をもう一方の辺とする。そして、これらの2つの縦線を底辺とする台形(左上から右下への斜線)を考える。またスイッチング回数は1回であるので、多重PWMパターン側の面積はT(2)からT=1.0までの長方形(右上から左下への斜線)となるので、これら2つの面積を等しくできる時刻T(2)を求めると(9)式となり、レベルM(2)は(10)式に設定する。
Figure 0006493591
図11(c)はdL=-1の場合であるが、始点レベル( La=floor(ma) )と終点レベル( Lb=ceil(mb) )とが等しく、レベルLaに維持されてしまうため、このパターンではスイッチングは発生しない。したがって、T(1)以外のすべてのTの値を1.0に設定して無効にする。
しかし、変調率指令の平均値( (ma+mb)/2 )と多重PWMパターン(La固定)とには、誤差成分(Vcomp= (ma+mb)/2−La )が生じるので、これは次回の変調率指令に加算して補正するなどの対策を行って精度を維持する必要がある。このPWM変換時の誤差を補正する方法については、既に多数存在するので説明は省略する。
図12(a)はdL=−2の場合であり、スイッチング回数は1回であり、これは逆方向のスイッチングが生じるパターンである。図11(c)までは、dLの値よりスイッチング回数は1回だけ多かったが、(dL=-2)を含むためには正負を含む一般形に変更すれば同様に考えることができ、スイッチング回数はABS(dL+1)とし、スイッチングの方向はsign(dL+1)とみなせば統一した関係として取り扱える。
しかし、レベル領域の変化数に対してスイッチング回数が少ないため、従来のレベル領域ごとに区切ってから三角形や台形の面積を考えるというパターンが当てはまらない。そこで、逆方向のスイッチングが発生する場合には新たな計算方法を適用する。
maとmbの平均値であるmt(=(ma+mb)/2)は領域(La〜La-1)間のどこかに存在するので、変調率指令の直線とキャリアとの交点も(La-1〜La)間のキャリア波形上のどこかに存在する。そこで、変調率側の面積は平均値mtとLa-1のレベルとの間で挟まれた長方形とし、多重PWMパタ−ン側の面積はLa〜La-1の幅とT(2)による長方形とする。そして、これらの面積が等しくなるように等式を立てからスイッチング時刻T(2)を求めると(11)式が得られる。また、レベルM(2)は(12)式に設定する。
Figure 0006493591
図12(b)はdL=-3の場合であり、これも逆方向スイッチングが2回発生するパターンであり、abs(dL)よりもスイッチング回数が少ない。この場合は(La-1)が4層レベルの中間(La+1〜La-3の中間)であり、かつ“La→(La-1)に変化”と“(La-1)→(La-2)に変化”という、(La-1)レベルの上下において各1回のスイッチングが発生することに着目する。そこで、変調率指令側は(La-1)を底辺としてmaを頂点とする三角形と、(La-1)を底辺としてmbを頂点とする三角形との2個の面積を考える。これに対して多重PWMパターン側は時刻T(2)による長方形と、(1−T(3))による長方形の面積を対応させる。そうすると、T(2)とT(3)の時刻は(13)式と(14)式、および(15)式と(16)式となる。
Figure 0006493591
以上で、図5のDownモードにおける7種類の変調率パターンにおいて、これと等価な多重PWMパターンを発生するスイッチング時刻と変化レベルが設定でき、これらを一覧表にしたものが表1である。既に述べたように、上記で説明(設定)していないTの値には、T=1.0を設定して動作しないように無効にしてある。
また、図5のUpモードにおいても、直線状の変調率指令から階段状の多重PWMパターンに変換する解説図が、図13(a)〜(c)、図14(a)〜(c)、図15であり、各計算式をまとめたものが表2である。なおこのときの初期出力レベルLaは、「La=ceil(ma)」となっている。
Figure 0006493591
図13(a)はdL=+3の場合を示し、Downモード時のdL=-3(図12(b))の場合と同様の計算を行うことにより、時刻T(2)=((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2と、時刻T(3)=1-(mb-(La+1))2/(mb-ma)/2が得られる。
図13(b)はdL=+2の場合を示し、Downモード時のdL=-2(図12(a))の場合と同様の計算を行うことにより、時刻T(2)=(La+1)-(ma+mb)/2が得られる。
図13(c)はdL=+1の場合を示し、Downモード時のdL=-1(図11(c))の場合と同様に時刻T(2)〜T(5)を無効とし、誤差電圧として平均値(ma+mb)/2-Laを保管し、次回の電圧指令に補正する。
図14(a)はdL=0の場合を示し、Downモード時のdL=0(図11(b))の場合と同様の計算を行うことにより、時刻T(2)=(ma+mb)/2-(La-1)が得られる。
図14(b)はdL=-1の場合を示し、Downモード時のdL=+1(図11(a))の場合と同様の計算を行うことにより、時刻T(2)=(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2と、時刻T(3)=1-((La-1)-mb)2/(ma-mb)/2が得られる。
図14(c)はdL=-2の場合を示し、Downモード時のdL=+2(図10(b))の場合と同様の計算を行うことにより、時刻T(2)=(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2と、時刻T(3)=(ma-(La-1.5))/(ma-mb)と、時刻T(4)=1-((La-2)-mb)2/(ma-mb)/2が得られる。
図15はdL=-3の場合を示し、Downモード時のdL=+3(図10(a))の場合と同様の計算を行うことにより、時刻T(2)=(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2と、時刻T(3)=(ma-(La-1.5))/(ma-mb)と、時刻T(4)=(ma-(La-2.5))/(ma-mb)と、時刻T(5)=1-((La-3)-mb)2/(ma-mb)/2とが得られる。
図6〜図8の構成を使用して階段状の変調率指令を生成する本実施例2について、実施例1の図3にて説明したタイムチャートと同様に、全体的な信号の時間の流れを示したものが図16のタイムチャートである。
図16の(a),(b),(c)は実施例1の図3(a),(b),(c)と同様の動作となり、図16(a)は多重キャリア信号、図16(b)は割込信号n、図16(c)は図6の零相変調部20に入力される変調率指令を各々示している。
図16(d)は零相変調部20や階段状変調率指令演算部80においてソフトウェアとして実行される演算処理を示し、図16(e)の「M(1〜5)T(1〜5)」は、図8のレベルレジスタ、時刻レジスタを示し、「Ms(1〜5)Ts(1〜5)」は図8の同期更新レジスタのデータを示し、図16(f)はPWM発生回路90で生成される階段状の変調率指令を示している。
実施例1の直線補間回路では期間の初期値を回路内で転送していたが、実施例2ではソフトウェア内で利用されるので、メモリデータの転送(mb(n−1)→ma(n))(図16(f))の形でソフトウェアに組み込まれる。また、開始および終了時のPWMレベル情報(La,Lb)も同様にソフト処理で取り扱い、最終的には階段状パターンを発生するPWMパターン発生回路90の設定値である発生時刻(T(1〜5、n))と変化後のレベル情報(M(1〜5、n))を出力する(図16(e))。
この出力情報も、図3の変調率指令ms_uvwと同様に、CPUの演算が終了するとディジタル回路のレジスタ(図8のレジスタM(1)〜M(5)やT(2)〜T(5))に書き込んでおき、次回の割込タイミング(n)に同期して図8の同期更新レジスタTs(1〜5,n)やMs(2〜5,n)に転送して(図16(e)に記載の「最新値転送」)階段状PWM波形生成に使用される。
以上のように本実施例2によれば、多重PWMのパターンの出力周波数を高くした場合など、キャリア半周期の期間に複数レベル変化(異なるセルのスイッチングが複数回発生)が生じる場合でも、変調率指令に対して時間積が厳密に等しい多重PWMパターンを出力することができる。多重PWMパターンの評価法として、電圧の時間積である磁束成分を二軸座標上の円軌跡の形状として描き、その形状や変動として評価する方法がある。実施例2を適用すれば、この磁束軌跡が描く円において、中心が移動して偏心したり振幅が脈動したりすることを防止できる。ひいては多重インバータが出力する交流電流波形の包絡線が脈動するといったビート現象などを抑制できることになる。
また、キャリア半周期の期間に複数レベルの変化が生じる場合でも、多重インバータの各セルに与えるスイッチング時刻の分布も、直線状の変化率指令と階段状の多重PWMパターンとの誤差成分の時間積分が小さくなるように設定できるので、磁束の軌跡の形状だけでなく、軌跡の時間変化量についても指令値に近づける効果が得られる。
実施例3では、実施例1と実施例2を組み合わせる方法を提案する。
実施例1では、従来例のように時間に応じて変化する変調率指令を生成し、これと多重キャリア信号とを比較して多重PWMパターンを生成していた。しかし、実施例2では、多重キャリア信号を使用せずに、直接に多重PWMパターンを生成しているので、このままではこれらの機能を組み合わせることができない。そこで、実施例2の方式を、多重キャリア比較部分を使用する構成に変更することにより、複合機能を実現するものである。
具体的には、実施例2で生成および出力していた多重PWMパターン波形「Lpwm」を、そのまま階段状の変調率指令とみなしてしまい、これと多重三角波キャリアとを大小比較して多重PWMパターンを生成するだけで、実施例2と同じ多重PWMパターンLpwmを得ることができる。これは変調率指令がレベル間を階段状にステップ変化するので、それと同時刻にキャリアとの交点が発生し、キャリア比較器から出力される多重PWMパターンも階段状の変調率指令と等しくなる。
したがって実施例1の中間相にだけ実施例2の機能を追加するためには、実施例2の多重PWMパターンの生成方法を、実施例1で定義した図1の中間相にだけに適用し,図9の変調率指令「ms(n,t)」に相当する信号を、図17に示すように中間相の多重比較器への入力信号ms_midとして取り扱えば、中間相には実施例2のLpwmと同じ波形が出力できる。つまり、三相とも同じ多重比較器50を経由した構成のまま、実施例1と実施例2の異なる構成を組み合わせた複合方式が可能になる。
図17において図1、図6と同一部分は同一符号をもって示している。図17では、最大相と最小相については、実施例1の図1と同様に変化率制限部34max,34minを適用し、中間相についてのみ、実施例2の図6の磁束制御形レベル切換部70を適用している。
それぞれ、CPU演算に適した部分と、FPGAなどのディジタルロジックに適した部分が存在するので、変化率制限部34max,34minの出力側に直線補間部40max,40minを設け、直線補間部40max,40minの出力と磁束制御形レベル切換部70の出力とを変調率指令出力部35に入力することにより、異なる方式で3相分の信号(ms_max,ms_mid,ms_min)を生成する形態にして、2種類の方式の整合をとっている。
上記のように本実施例3は、実施例1に対して、実施例2の対策を中間相に追加するように構成したものであり、実施例1の線間電圧の最大値付近での2段変化の抑制する機能と、実施例2の変調率の傾きが急な部分にて時間積の精度が改善できる機能とを組み合わせることができる。
これにより、駆動される電気機器の巻線などの絶縁劣化の抑制と高い周波数の出力という両立がむずかしい課題に対策できるだけでなく、出力電圧の時間積である負荷機の鎖交磁束を正確に制御することもできる。
実施例3の効果の具体例として、図21(b)の条件にて図23の直線近似のみを適用した場合を未対策の結果として図24のタイムチャートを示し、これと同じ条件で実施例3を適用した場合を図25に示す。
図24(a),(b)および図25(a),(b)は相成分のPWM波形であり、6多重の構成なので±6レベルの階段状になる。図24(c),(d)および図25(c),(d)は線間電圧のPWM波形でありこちらは最大で25レベルの階段状になる。
図24の方は、図5のように変調率を直線補間しただけであり、最大相と最小相の逆方向スイッチングの防止や、中間相の表1と表2のPWM生成法は適用していない。これに対して、図25の方は、実施例3の構成としている。運転条件は変調率が100%および周波数が400Hzを定格とみなし、V/F一定条件にして、1秒間で電圧指令値を1%から95%まで掃引している(つまり周波数指令値も1%から95%まで掃引していることになる)。
図24(a),(b)と図25(a),(b)が1秒間の全体波形であり、多重PWMの段数が正常に変化していることを示したいために掲載した。図24(c)、(d)と図25(c)、(d)は時間軸の0.96〜1.0秒間を拡大したものである。多重PWMパターンとしては微小な差異しかなく、波形の比較では差異はわかりにくい。そこで、以下の図26、図27による比較を行う。
本方式の特徴である、電圧の時間積の精度について比較するために、図24、図25の三相PWMパターンを3相2相変換し、さらにそれを時間積分することによって磁束成分の軌跡を描いたものが、図26、図27である。図26(a),(b)は1秒間の全軌跡を示し、図26(c)、(d)は最初の0〜約0.5秒までの期間を、図27(a),(b)では最後の0.9〜1.0秒の期間だけを抽出して描いてある。図26(a),(c)と図27(a)が図24の磁束軌跡であり、図26(b),(d)と図27(b)が図25の磁束軌跡である。
V/F一定にしたので、電圧の時間積の誤差がない場合には磁束軌跡は一定の円上になるはすであるが、図26(a)側の方が円の中心が移動する偏心が発生しており、また環状の軌跡群の幅も広いことから振幅の変動も大きなことが分かる。
図26(c),(d)では、出力周波数が低いので変調率の変化率が小さいが、それでも時間積を考慮しない図26(c)の方は、ときどき円の中心が移動しており、PWM変調結果に誤差が含まれていることが分かる。
図27では、周波数が高いために1周期間のパルス数が少なくなるので、磁束軌跡に相対的に大きな三角形状のPWMリプル軌跡が発生する。このリプル成分の幅を有する環状の磁束軌跡の外周と内周の包絡線について比較すると、(a)に比べて(b)の方が外周と内周の幅の差が小さくなっている、これは、図24(c)、(d)と図25(c)、(d)の比較の際に、図25(c)、(d)の方がより変調率指令に近いことにより現れたものである。これは実施例2の効果で述べた「磁束の軌跡の形状だけでなく、軌跡の時間変化量についても指令値に近づける効果が得られる。」という表現に相当しており、単にPWM波形の時間積成分だけでなくスイッチングの発生時刻まで適切に分散させることにより、この磁束リプルの幅が狭く、かつ安定なリプル軌跡になっている。
図26(a)のように磁束軌跡の中心や振幅が変動すれば、正弦波となるべき電流波形に歪が発生する。また、図27(a)のように、磁束軌跡のリプル成分が大きければ、電流のPWMリプルも大きくなり、ひいては負荷機の高調波損失を増大する要因となる。
実施例3はこれらの問題点を解決している。さらに最大相と最小相では逆方向スイッチング防止技術を適用しているため、インバータ出力線間電圧の最大値付近での2段変化は抑制され、負荷機の劣化も抑制できる。
10,11,12,14…信号発生部
13…キャリア発生部
20,21…零相変調部
30〜32…複合PWM変調率生成部
33max…max選択部
33mid…mid選択部
33min…min選択部
34max,34min,34u,34v,34w…変化率制限部
35…変調率指令出力部
36…制限要否判定部
37…変調率指令入力部
40,40max,40min…直線補間部
50…多重比較器
60…多重PWMゲート分配器
70…磁束制御形レベル切換部
71,72…同期サンプル部
73…到達レベル判定部
80…階段状変調率指令演算部
90…PWMパターン発生回路
100…直流電源
101〜104…スイッチング素子
SW2〜SW5…スイッチ
comp2〜comp5…対称比較器

Claims (4)

  1. 直流電源の正、負極端間に第1〜第4のスイッチング素子をブリッジ接続した単相セルを、各相毎にn(n≧2)個直列に接続して構成した三相多重インバータにおいて、各相の変調率指令と前記単相セルの直列数の2倍の段数を備えた三角波キャリアに基づいて、各相の単相セル内のスイッチング素子のゲート信号を生成する三相多重インバータの制御方法であって、
    前記変調率指令を三角波キャリアの段数で分割して変調率指令のレベル領域を設定し、
    各相の変調率指令の値から、正方向に最大な値である最大相と、負方向に最大な値である最小相と、最大相および最小相以外の中間相を選別し、
    前記最大相と最小相に対しては、三角波キャリアの下降状態で且つ変調率指令が負方向に変化する場合では、変調率指令と負方向のレベル領域の三角波キャリアが交差しないように変調率指令の変化率制限を行い、
    三角波キャリアの上昇状態で且つ変調率指令が正方向に変化する場合では、変調率指令と正方向のレベル領域の三角波キャリアが交差しないように変調率指令の変化率制限を行い、
    前記変化率制限後の変調率指令と三角波キャリアとの比較に基づいて各相の単位セル内のスイッチング素子のゲート信号を生成し、
    前記中間相に対しては、前記変調率指令の変化率制限を行わないことを特徴とする三相多重インバータの制御方法。
  2. 前記中間相に対して、
    三角波キャリアの上下の頂点に相当する時刻で三相各相の変調率指令をサンプルし、それらの間を直線状に補間近似することで、直線近似された変調率指令を求め、
    その直線近似された変調率指令を、生成しようとする多重PWM(Pulse Width Modulation)パターンのレベル幅で分割し、
    前記各レベル幅における、前記直線近似された変調率指令の時間積と多重PWMパターンの時間積とが等しくなるように多重PWMパターンのレベル変化時刻を演算し、そのレベル変化時刻に基づいて多重PWMパターンを生成し、
    前記生成された多重PWMパターンに基づいて中間相の単相セル内のスイッチング素子のゲート信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の三相多重インバータの制御方法。
  3. 前記レベル幅で分割した多重PWMパターンの各レベルをLa±n(nは0を含む整数)、前記直線近似された変調率指令の始点のレベルをma、前記直線近似された変調率指令の終点のレベルをmb、多重PWMパターンがステップ状にレベル変化するレベル変化時刻をT(n)(nは正数)と各々定義し、
    三角波キャリアが下降するモードでは、
    La=floor(ma)とし、
    La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La+3〜La+4のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
    多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2とし、La+1からLa+2にレベル変化する時刻T(3)を(La+1.5-ma)/(mb-ma)とし、La+2からLa+3にレベル変化する時刻T(4)を(La+2.5-ma)/(mb-ma)とし、La+3からLa+4にレベル変化する時刻T(5)を1-(mb-(La+3))2/(mb-ma)/2とし、
    La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La+2〜La+3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
    多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2とし、La+1からLa+2にレベル変化する時刻T(3)を(La+1.5-ma)/(mb-ma)とし、La+2からLa+3にレベル変化する時刻T(4)を1-(mb-(La+2))2/(mb-ma)/2とし、
    La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La+1〜La+2のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
    多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2とし、La+1からLa+2にレベル変化する時刻T(3)を1-(mb-(La+1))2/(mb-ma)/2とし、
    La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La〜La+1のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を(La+1)-(ma+mb)/2とし、
    La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La〜La−1のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、前記時刻T(2)〜T(5)を無効とし、
    La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La−1〜La−2のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma+mb)/2-(La-1)とし、
    La〜La+1のレベル領域に存在する始点maから、La−2〜La−3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
    多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2とし、La−1からLa−2にレベル変化する時刻T(3)を1-((La-1)-mb)2/(ma-mb)/2とし、
    三角波キャリアが上昇するモードでは、
    La=ceil(ma)とし、
    La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La+2〜La+3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
    多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を((La+1)-ma)2/(mb-ma)/2とし、La+1からLa+2にレベル変化する時刻T(3)を1-(mb-(La+1))2/(mb-ma)/2とし、
    La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La+1〜La+2のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、多重PWMパターンがLaからLa+1にレベル変化する時刻T(2)を(La+1)-(ma+mb)/2とし、
    La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La〜La+1のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、前記時刻T(2)〜T(5)を無効とし、
    La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La〜La−1のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma+mb)/2-(La-1)とし、
    La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La−1〜La−2のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
    多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2とし、La−1からLa−2にレベル変化する時刻T(3)を1-((La-1)-mb)2/(ma-mb)/2とし、
    La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La−2〜La−3のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
    多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2とし、La−1からLa−2にレベル変化する時刻T(3)を(ma-(La-1.5))/(ma-mb)とし、La−2からLa−3にレベル変化する時刻T(4)を1-((La-2)-mb)2/(ma-mb)/2とし、
    La〜La−1のレベル領域に存在する始点maから、La−3〜La−4のレベル領域に存在する終点mbまでの間を直線状に補間近似した変調率指令の直線近似波形において、
    多重PWMパターンがLaからLa−1にレベル変化する時刻T(2)を(ma-(La-1))2/(ma-mb)/2とし、La−1からLa−2にレベル変化する時刻T(3)を(ma-(La-1.5))/(ma-mb)とし、La−2からLa−3にレベル変化する時刻T(4)を(ma-(La-2.5))/(ma-mb)とし、La−3からLa−4にレベル変化する時刻T(5)を1-((La-3)-mb)2/(ma-mb)/2とする
    ことを特徴とした請求項2に記載の三相多重インバータの制御方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制御方法を実行する手段を備えたことを特徴とする三相多重インバータの制御装置。
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