<第1実施形態>
図1を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理システムとしての機器システムについて説明する。図1には、本実施形態に係る機器システムの一例が示されている。
本実施形態に係る機器システムは、複数の機器(例えば機器10,12)と、外部装置の一例としてのサーバ14と、情報処理装置の一例としての端末装置16と、を含む。図1に示す例では、機器10,12、サーバ14及び端末装置16は、ネットワーク等の通信経路Nを介して互いに通信する機能を備えている。もちろん、機器10,12、サーバ14及び端末装置16は、通信経路Nを利用せずに、それぞれ異なる通信経路を介して他の装置と通信を行ってもよい。図1に示す例では、2つの機器(機器10,12)が機器システムに含まれているが、3つ以上の機器が機器システムに含まれていてもよい。また、複数のサーバ14や複数の端末装置16が、機器システムに含まれていてもよい。
機器10,12は、特定の機能を有する装置であり、例えば、画像形成機能を備えた画像形成装置、パーソナルコンピュータ(PC)、プロジェクタ、液晶ディスプレイやプロジェクタ等の表示装置、電話機、時計、監視カメラ、等の装置である。また、機器10,12は、他の装置との間でデータを送受信する機能を有する。本実施形態では、機器10は、一例として画像形成装置であるとする。画像形成装置(機器10)は、例えば、スキャン機能、プリント機能、コピー機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を有する装置である。
サーバ14は、各機器が有する機能を管理する装置である。例えば、サーバ14は、各機器が有する機能、複数の機能を利用する連携機能、等を管理する。また、サーバ14は、他の装置との間でデータを送受信する機能を有する。
サーバ14は、ユーザ毎に、ユーザによって利用可能な機能を管理してもよい。ユーザによって利用可能な機能は、例えば、ユーザに無償で提供された機能、ユーザに有償で提供されてユーザによって購入された機能、等である。サーバ14は、ユーザ毎に、ユーザが利用可能な機能を示す利用可能機能情報(例えば機能購入履歴情報)を管理してもよい。もちろん、無料で利用できる機能、追加アップデート機能、管理者によって特別に管理されている機能等もあるため、サーバ14は、一概に購入の有無によって機能を管理しなくてもよい。機能の購入処理は、例えば、サーバ14によって行われる。もちろん、別の装置によって購入処理が行われてもよい。
端末装置16は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、等の装置であり、他の装置との間でデータを送受信する機能を有する。端末装置16は、例えば、機器の利用時に、ユーザインターフェース部(UI部)として機能する。
以下、本実施形態に係る機器システムに含まれる各装置について詳しく説明する。
図2を参照して、画像形成装置としての機器10の構成について詳しく説明する。以下では、機器10を画像形成装置10と称する場合がある。図2には、画像形成装置10の構成が示されている。
通信部18は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を備えている。通信部18は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。通信部18は、例えば、1又は複数の種類の通信方式に対応しており、通信相手に適した通信方式(つまり、通信相手が対応している通信方式)に従って通信相手と通信してもよい。通信方式は、例えば、赤外線通信、可視光通信、Wi−Fi(登録商標)通信、近接無線通信(例えばNFC(Near Field Communication)等)、等である。近接無線通信としては、Felica(登録商標)、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identifier)等が用いられる。もちろん、別の方式の無線通信が近接無線通信として用いられてもよい。通信部18は、例えば、通信相手に応じて通信方式や周波数帯域を切り替えたり、周囲の環境に応じて通信方式や周波数帯域を切り替えたりしてもよい。
画像形成部20は画像形成機能を有する。具体的には、画像形成部20は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能及びファクシミリ機能の中の少なくとも1つの機能を有する。スキャン機能が実行されることにより、原稿が読み取られてスキャンデータ(画像データ)が生成される。プリント機能が実行されることにより、画像が用紙等の記録媒体上に印刷される。コピー機能が実行されることにより、原稿が読み取られて記録媒体上に印刷される。ファクシミリ機能が実行されることにより、画像データがファクシミリ送信又はファクシミリ受信される。また、複数の機能を利用する連携機能が実行されてもよい。例えば、スキャン機能と送信機能(転送機能)とを組み合わせたスキャン転送機能が実行されてもよい。このスキャン転送機能が実行されることにより、原稿が読み取られてスキャンデータ(画像データ)が生成され、そのスキャンデータが送信先(例えば端末装置16等の外部装置)に送信される。もちろん、この連携機能は一例に過ぎず、別の連携機能が実行されてもよい。
記憶部22はハードディスクやメモリ(例えばSSD等)等の記憶装置である。記憶部22には、例えば、画像形成の命令を示す情報(例えばジョブ情報等)、プリントの対象となる画像データ、スキャン機能を実行することにより生成されたスキャンデータ、他の機器のアドレスを示す機器アドレス情報、サーバ14のアドレスを示すサーバアドレス情報、各種の制御データ、各種のプログラム、等が記憶される。もちろん、それらは別々の記憶装置に記憶されてもよいし、1つの記憶装置に記憶されてもよい。
UI部24はユーザインターフェース部であり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボード等の入力装置である。もちろん、表示部と操作部を兼ねたユーザインターフェース(例えば、タッチ式のディスプレイや、ディスプレイ上に電子的にキーボード等を表示する装置等を含む)であってもよい。なお、画像形成装置10はUI部24を備えていなくてもよいし、表示部を備えずに、ハードウェアとしてのハードウェアユーザインターフェース部(ハードウェアUI部)を備えていてもよい。ハードウェアUI部は、例えば、数字入力に特化したハードウェアキー(例えばテンキー)、方向の指示に特化したハードウェアキー(例えば方向指示キー)、等である。
制御部26は、画像形成装置10の各部の動作を制御する。
以下、図3を参照して、サーバ14の構成について詳しく説明する。図3には、サーバ14の構成が示されている。
通信部28は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部28は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。
記憶部30はハードディスクやメモリ(例えばSSD等)等の記憶装置である。記憶部30には、例えば、機器機能管理情報32、連携機能管理情報34、各種のデータ、各種のプログラム、各機器のアドレスを示す機器アドレス情報、サーバ14のアドレスを示すサーバアドレス情報、等が記憶されている。もちろん、それらは別々の記憶装置に記憶されてもよいし、1つの記憶装置に記憶されてもよい。記憶部30に記憶されている機器機能管理情報32や連携機能管理情報34が、定期的に又は指定されたタイミングで端末装置16に提供され、これにより、端末装置16に記憶されている情報が更新されてもよい。以下、機器機能管理情報32と連携機能管理情報34について説明する。
機器機能管理情報32は、各機器が有する機能を管理するための情報であり、例えば、機器を識別するためのデバイス識別情報(機器識別情報)と、当該機器が有する機能を示す機能情報と、の対応付けを示す情報である。デバイス識別情報は、例えば、機器ID、機器名称、機器の種類を示す情報、機器の型番号、機器を管理するための情報(例えば資産管理番号等)、機器が設置されている位置を示す情報(機器の位置情報)、機器の外観を表わす外観画像、機器のアドレス情報、等である。外観画像は、機器の筐体を表す画像であってもよいし、筐体を開けて内部が外から見える状態を表す画像であってもよいし、梱包用のシート等によって機器が覆われている状態を表す画像であってもよい。外観画像は、機器の外観を撮影することで得られた画像であってもよいし、機器の外観を模した画像(例えばアイコン等)であってもよい。機能情報は、例えば、機能IDや機能名称等である。例えば、画像形成装置10がスキャン機能、プリント機能、コピー機能及びスキャン転送機能を有する場合、当該画像形成装置10のデバイス識別情報には、スキャン機能を示す機能情報、プリント機能を示す機能情報、コピー機能を示す機能情報、及び、スキャン転送機能を示す機能情報が対応付けられている。機器機能管理情報32を参照することにより、各機器が有する機能が特定(識別)される。
機器機能管理情報32によって管理されている機器は、例えば機器システムに含まれる機器(例えば機器10,12)である。もちろん、機器システムに含まれない機器が機器機能管理情報32によって管理されてもよい。例えば、サーバ14は、機器システムに含まれていない新たな機器に関する情報(デバイス識別情報と機能情報とを含む情報)を取得し、機器機能管理情報32に新たに登録してもよい。機器に関する情報は、例えば、インターネット等を利用することで取得されてもよいし、管理者等によって入力されてもよい。また、サーバ14は、任意のタイミング、定期的、又は、管理者等によって指定されたタイミング等で、機器機能管理情報32を更新してもよい。これにより、更新前には機器が有していなかったが更新後には機器が有することになった機能を示す機能情報が、機器機能管理情報32に登録される場合がある。同様に、更新前には機器が有していたが更新後には機器が有していない機能を示す機能情報が、機器機能管理情報32から削除され、又は、使用不可な情報として登録される場合がある。更新用の情報は、例えば、インターネット等を利用することで取得されてもよいし、管理者等によって入力されてもよい。
連携機能管理情報34は、複数の機能を連携させることによって実行される連携機能を管理するための情報である。複数の機能を連携させることによって、1又は複数の連携機能が実行される。連携機能は、例えば、1つの機器(例えば機器10,12)が有する複数の機能を連携させることによって実行されてもよいし、複数の機器(例えば機器10,12)が有する複数の機能を連携させることによって実行されてもよい。また、操作指示を出している端末装置(本実施形態では端末装置16)も識別対象の機器に含め、端末装置が有する機能を連携機能の一部として利用するようにしてもよい。
連携機能は、ハードウェアとしての機器を利用せずに実行される機能であってもよい。例えば、連携機能は、複数のソフトウェアを連携させることによって実行される機能であってもよい。もちろん、連携機能は、ハードウェアとしての機器が有する機能と、ソフトウェアによって実現される機能と、を連携させることによって実行される機能であってもよい。
連携機能管理情報34は、例えば、連携機能に利用される各機能を示す機能情報の組み合わせと、当該連携機能を示す連携機能情報と、の対応付けを示す情報である。連携機能情報は、例えば、連携機能IDや連携機能名称等である。単独の機能が更新された場合、その更新に伴って連携機能管理情報34も更新される。これにより、更新前には互いに連携不可能であった複数の機能による連携機能が更新後には利用可能になったり、それとは逆に、更新前には利用可能な連携機能が更新後には利用不可能になったりする場合がある。更新後に利用可能になった連携機能を示す連携機能情報が、連携機能管理情報34に登録され、更新後に利用不可能になった連携機能を示す連携機能情報が、連携機能管理情報34から削除され、又は、使用不可な情報として登録される。
複数の機器を連携させる場合、連携機能管理情報34は、複数の機器が有する複数の機能を利用する連携機能を管理するための情報であり、連携機能に利用される各機器を識別するためのデバイス識別情報の組み合わせと、連携機能情報と、の対応付けを示す情報である。上記のように、機器機能管理情報32が更新された場合、その更新に伴って、連携機能管理情報34も更新される。これにより、更新前には互いに連携不可能であった複数の機器による連携機能が更新後には利用可能になったり、それとは逆に、更新前には利用可能な連携機能が更新後には利用不可能になったりする場合がある。
連携機能は、互いに異なる複数の機能を連携させることによって実行される機能であってもよいし、同一の機能を連携させることによって実行される機能であってもよい。連携機能は、連携前には利用できなかった機能であってもよい。連携前には利用できなかった機能は、連携対象の機器が有する機能のうち、同じ機能を利用することによって利用できる機能であってもよいし、互いに異なる機能を組み合わせることによって利用できる機能であってもよい。例えば、プリント機能を有する機器(プリンタ)とスキャン機能を有する機器(スキャナ)を連携させることにより、連携機能としてのコピー機能が実現される。すなわち、プリント機能とスキャン機能を連携させることにより、コピー機能が実現される。この場合、連携機能としてのコピー機能と、プリント機能及びスキャン機能の組み合わせと、が対応付けられている。連携機能管理情報34においては、例えば、連携機能としてのコピー機能を示す連携機能情報と、プリント機能を有する機器を識別するためのデバイス識別情報及びスキャン機能を有する機器を識別するためのデバイス識別情報の組み合わせと、が対応付けられる。
連携機能の概念の範疇には、複数の機能や複数の機器を連携させることで新たな機能の実行が可能となる合体機能が含まれてもよい。例えば、複数のディスプレイを組み合わせることで、合体機能としての拡張表示機能が実現されてもよい。別の例として、テレビとレコーダーを組み合わせることで、合体機能としての録画機能が実現されてもよい。その録画機能は、テレビに表示されている画像を録画する機能であってもよい。また、複数のカメラを組み合わせることで、合体機能としての撮影領域拡張機能が実現されてもよい。その拡張機能は、例えば各カメラの撮影領域を繋ぎ合わせて撮影する機能である。また、電話と翻訳機や翻訳ソフトを組み合わせることで、合体機能としての翻訳通話機能(電話を介した会話が翻訳される機能)が実現されてもよい。このように、連携機能の概念の範疇には、互いに同一の種類の機器や機能を連携させることで実現可能となる機能や、互いに異なる種類の機器や機能を連携させることで実現可能となる機能が含まれる。
なお、記憶部30には、利用可能機能管理情報が記憶されていてもよい。利用可能機能管理情報は、各ユーザが利用可能な機能を管理するための情報であり、例えば、ユーザを識別するためのユーザ識別情報と、当該ユーザが利用可能な機能を示す機能情報(連携機能情報を含んでいてもよい)と、の対応付けを示す情報である。ユーザが利用可能な機能は、上述したように、例えば、ユーザに無償で提供された機能や、ユーザが購入した機能、等であり、単体の機能であってもよいし、連携機能であってもよい。ユーザ識別情報は、例えば、ユーザIDや氏名等のユーザアカウント情報である。利用可能機能管理情報を参照することにより、各ユーザが利用可能な機能が特定(識別)される。利用可能機能管理情報は、例えば、ユーザに機能が提供される度に(例えば、ユーザに無償又は有償で機能が提供される度に)更新される。
制御部36は、サーバ14の各部の動作を制御する。また、制御部36は、特定部38を含む。
特定部38は、機器を識別するためのデバイス識別情報を受け、記憶部30に記憶されている機器機能管理情報32において当該デバイス識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報を特定する。これにより、機器が有する機能が特定(識別)される。例えば、端末装置16からサーバ14にデバイス識別情報が送信され、特定部38によって、当該デバイス識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報が特定される。機能に関する情報(例えば、機能情報や機能の説明情報等)は、例えばサーバ14から端末装置16に送信されて端末装置16に表示される。これにより、デバイス識別情報によって特定される機器が有する機能に関する情報が、端末装置16に表示される。
また、特定部38は、連携対象の各機器を識別するためのデバイス識別情報を受け、記憶部30に記憶されている連携機能管理情報34において各デバイス識別情報の組み合わせに対応付けられている連携機能を示す連携機能情報を特定する。これにより、連携対象の各機器が有する機能を連携させることによって実行される連携機能が特定(識別)される。例えば、端末装置16からサーバ14に複数のデバイス識別情報が送信され、特定部38によって、当該複数のデバイス識別情報に対応付けられている連携機能を示す連携機能情報が特定される。連携機能に関する情報(例えば、連携機能情報や連携機能の説明情報等)は、例えばサーバ14から端末装置16に送信されて端末装置16に表示される。これにより、複数のデバイス識別情報によって特定される複数の機器によって実行される連携機能に関する情報が、端末装置16に表示される。
例えば、1つの機器が識別された場合(例えば1つの機器が撮影された場合)、特定部38は、当該機器を識別するためのデバイス識別情報を受け、機器機能管理情報32において当該デバイス識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報を特定してもよい。これにより、1つの機器が識別された場合(例えば1つの機器が撮影された場合)、当該機器が有する機能が特定(識別)される。複数の機器が識別された場合(例えば複数の機器が撮影された場合)、特定部38は、当該複数の機器に含まれる各機器を識別するためのデバイス識別情報を受け、連携機能管理情報34において各デバイス識別情報の組み合わせに対応付けられている連携機能を示す連携機能情報を特定してもよい。これにより、複数の機器が識別された場合(例えば複数の機器が撮影された場合)、当該複数の機器が有する機能を利用する連携機能が特定(識別)される。
また、特定部38は、連携機能に利用される各機能を示す機能情報を受け、記憶部30に記憶されている連携機能管理情報34において各機能情報の組み合わせに対応付けられている連携機能を示す連携機能情報を特定してもよい。これにより、連携対象の各機能を連携させることによって実行される連携機能が特定(識別)される。例えば、端末装置16からサーバ14に複数の機能情報が送信され、特定部38によって、当該複数の機能情報に対応付けられている連携機能を示す連携機能情報が特定される。上記と同様に、複数の機能情報によって特定される複数の機器によって実行される連携機能に関する情報が、端末装置16に表示される。
なお、ユーザが利用可能な機能が管理されている場合、特定部38は、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を受け、記憶部30に記憶されている利用可能機能管理情報において当該ユーザ識別情報に対応付けられている各機能を示す機能情報を特定してもよい。これにより、当該ユーザが利用可能な機能群が特定(識別)される。例えば、端末装置16からサーバ14にユーザ識別情報が送信され、特定部38によって、当該ユーザ識別情報に対応付けられている各機能を示す機能情報が特定される。ユーザが利用可能な各機能に関する情報(例えば各機能の名称を示す情報)は、例えばサーバ14から端末装置16に送信されて端末装置16に表示される。これにより、ユーザ識別情報によって特定されるユーザが利用可能な各機能に関する情報が、端末装置16に表示される。例えば、特定部38は、デバイス識別情報とユーザ識別情報を受け、機器機能管理情報32において当該デバイス識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報を特定し、また、利用可能機能管理情報において当該ユーザ識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報を特定する。これにより、当該デバイス識別情報によって特定される機器が有する機能であって、当該ユーザ識別情報によって特定されるユーザが利用可能な機能が特定される。
制御部36は、機能の購入処理を実行し、その購入の履歴を管理してもよい。例えば、有料の機能がユーザによって購入された場合、制御部36は、当該ユーザに対して課金処理を適用してもよい。
また、制御部36は、例えば、文字認識機能、翻訳機能、画像加工機能、画像形成機能、等の画像処理に関する機能を実行してもよい。もちろん、制御部36は、画像処理以外の処理に関する機能を実行してもよい。文字認識機能が実行されることにより、画像内の文字が認識されて当該文字を示す文字データが生成される。翻訳機能が実行されることにより、画像内の文字が特定の言語で表される文字に翻訳され、翻訳された文字を示す文字データが生成される。画像加工機能が実行されることにより、画像が加工される。制御部36は、例えば、スキャン機能を実行することにより生成されたスキャンデータを画像形成装置10から受信し、当該スキャンデータを対象として、文字認識機能、翻訳機能、画像加工機能、等の画像処理に関する機能を実行してもよい。制御部36は、画像データを端末装置16から受信し、当該画像データを対象として各機能を実行してもよい。制御部36によって生成された文字データや画像データは、例えば、サーバ14から端末装置16に送信される。サーバ14は外部機器として利用され、連携機能は、サーバ14を含む複数の機器が有する機能を利用する機能であってもよい。
以下、図4を参照して、端末装置16の構成について詳しく説明する。図4には、端末装置16の構成が示されている。
通信部40は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部40は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。通信部40は、例えば、1又は複数の種類の通信方式に対応しており、通信相手に適した通信方式(つまり、通信相手が対応している通信方式)に従って通信相手と通信してもよい。通信方式は、例えば、赤外線通信、可視光通信、Wi−Fi通信、近接無線通信等である。通信部40は、例えば、通信相手に応じて通信方式や周波数帯域を切り替えたり、周囲の環境に応じて通信方式や周波数帯域を切り替えたりしてもよい。
撮影手段としてのカメラ42は、撮影対象を撮影することにより画像データ(例えば静止画像データや動画像データ)を生成する。また、端末装置16のカメラを利用するだけではなく、ネットワーク等の通信経路に繋がった外部のカメラで撮影された画像データを通信部40で受け取り、UI部46で画像データを表示し、ユーザが画像データを操作できるようにしてもよい。
記憶部44はハードディスクやメモリ(例えばSSD等)等の記憶装置であり、各種のプログラム、各種のデータ、サーバ14のアドレス情報、各機器のアドレス情報(例えば機器10,12のアドレス情報)、識別された機器に関する情報、識別された連携対象の機器に関する情報、識別された機器が有する機能に関する情報、連携機能に関する情報、等を記憶する。
UI部46はユーザインターフェース部であり、表示部と操作部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、等の入力装置である。もちろん、表示部と操作部を兼ねたユーザインターフェース(例えばタッチ式のディスプレイや、ディスプレイ上に電子的にキーボード等を表示するものを含む)であってもよい。
制御部48は、端末装置16の各部の動作を制御する。制御部48は、例えば表示制御手段(制御手段)として機能し、各種の情報をUI部46の表示部に表示させる。
UI部46の表示部には、例えば、カメラ42によって撮影された画像や、利用対象の機器(例えば、単独で利用される機器や連携対象の機器)として識別された機器に紐付く画像、機能に紐付く画像、等が表示される。機器に紐付く画像は、カメラ42によって撮影された当該機器を表わす画像(静止画像又は動画像)であってもよいし、当該機器を模式的に表す画像(例えばアイコン)であってもよい。模式的に表す画像のデータは、例えば、サーバ14に記憶されてサーバ14から端末装置16に提供されてもよいし、端末装置16に予め記憶されていてもよいし、別の装置に記憶されて当該別の装置から端末装置16に提供されてもよい。機能に紐付く画像は、例えば、その機能を表わすアイコン等の画像である。
上述した機器機能管理情報32は、端末装置16の記憶部44に記憶されていてもよい。この場合、機器機能管理情報32は、サーバ14の記憶部30に記憶されていなくてもよい。同様に、上述した連携機能管理情報34は、端末装置16の記憶部44に記憶されていてもよい。この場合、連携機能管理情報34は、サーバ14の記憶部30に記憶されていなくてもよい。端末装置16の制御部48は、上述した特定部38を有し、デバイス識別情報に基づいて機器を識別し、機器が有する機能を特定してもよいし、複数の機能を利用する連携機能を特定してもよい。この場合、サーバ14は特定部38を有していなくてもよい。
利用可能機能管理情報が作成されている場合、その利用可能機能管理情報は、端末装置16の記憶部44に記憶されていてもよい。この場合、利用可能機能管理情報は、サーバ14の記憶部30に記憶されていなくてもよい。端末装置16の制御部48は、ユーザによる機能の購入の履歴を管理してもよい。この場合、サーバ14の制御部36は、その管理機能を有していなくてもよい。端末装置16の制御部48は、ユーザ識別情報に基づいて、ユーザによって利用可能な機能を特定してもよい。
更に別の例として、機器10,12等の機器に、機器機能管理情報32や連携機能管理情報34が記憶されていてもよいし、機器10,12等の機器が特定部38を有していてもよい。つまり、サーバ14の特定部38による処理(例えば、機器の識別処理、機能の識別処理、連携機能の識別処理等)は、サーバ14において行われてもよいし、端末装置16において行われてもよいし、機器10,12等の機器において行われてもよい。
本実施形態では、一例として、AR(Augmented Reality)技術(拡張現実技術)を適用することにより、デバイス識別情報が取得されて機器が識別される。例えば、AR技術を適用することにより、単独で使用される機器のデバイス識別情報が取得されて当該機器が識別され、また、連携対象の機器のデバイス識別情報が取得されて連携対象の機器が識別される。AR技術として公知のAR技術が用いられる。例えば、2次元バーコード等のマーカを用いるマーカ型AR技術、画像認識技術を用いるマーカレス型AR技術、位置情報を用いる位置情報AR技術、等が用いられる。もちろん、AR技術を適用せずにデバイス識別情報が取得されて機器が識別されてもよい。例えば、ネットワークに繋がっている機器であれば、IPアドレスに基づいて機器を識別してもよいし、機器IDを読み出して機器を識別してもよい。更に、赤外線通信、可視光通信、Wi−Fi、ブルートゥースといった各種無線通信機能を備えた機器、端末装置であれば、それら無線通信機能を利用して連携する機器の機器IDを取得することで機器を識別し、連携機能を実行してもよい。
以下、図5を参照して、デバイス識別情報の取得処理について詳しく説明する。一例として、画像形成装置10のデバイス識別情報を取得する場合について説明する。図5には、画像形成装置10の外観が模式的に示されている。ここでは、マーカ型AR技術を適用してデバイス識別情報を取得するための処理について説明する。画像形成装置10の筐体には、2次元バーコード等のマーカ50が設けられている。マーカ50は、画像形成装置10のデバイス識別情報がコード化された情報である。ユーザは端末装置16のカメラ42を起動させ、利用対象の画像形成装置10に設けられているマーカ50をカメラ42によって撮影する。これにより、マーカ50を表す画像データが生成される。その画像データは、例えば、端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14においては、制御部36が、当該画像データに表されたマーカ画像に対してデコード処理を適用することにより、デバイス識別情報を抽出する。これにより、利用対象の画像形成装置10(撮影されたマーカ50を有する画像形成装置10)が識別される。サーバ14の特定部38は、機器機能管理情報32において、抽出されたデバイス識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報を特定する。これにより、利用対象の画像形成装置10が有する機能が特定(識別)される。
なお、端末装置16の制御部48が、マーカ50を表す画像データにデコード処理を適用することにより、デバイス識別情報を抽出してもよい。この場合、抽出されたデバイス識別情報は、端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14の特定部38は、機器機能管理情報32において、端末装置16から送信されたデバイス識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報を特定する。端末装置16の記憶部44に機器機能管理情報32が記憶されている場合、端末装置16の制御部48が、その機器機能管理情報32において、抽出されたデバイス識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報を特定してもよい。
マーカ50には、画像形成装置10が有する機能を示す機能情報がコード化されて含まれていてもよい。この場合、マーカ50を表す画像データにデコード処理を適用することにより、当該画像形成装置10のデバイス識別情報が抽出されるとともに、当該画像形成装置10が有する機能を示す機能情報も抽出される。これにより、画像形成装置10が特定(識別)されるとともに、当該画像形成装置10が有する機能が特定(識別)される。このデコード処理は、サーバ14によって行われてもよいし、端末装置16によって行われてもよい。
複数の機器が有する機能を利用する連携機能を実行する場合、連携対象の各機器のマーカを撮影することにより各機器のデバイス識別情報が取得され、これにより、連携機能が特定(識別)される。
マーカレス型AR技術を適用してデバイス識別情報を取得する場合、例えば、ユーザは端末装置16のカメラ42によって、利用対象の機器(例えば画像形成装置10)の外観の全部又は一部を撮影する。もちろん、利用対象機器の名称(例えば商品名)や型番号や資産管理番号といった機器を特定するための情報を外観から撮影して得ることは役に立つ。撮影により、利用対象の機器の外観の全部又は一部を表す外観画像データが生成される。その外観画像データは、例えば端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14においては、制御部36が、当該外観画像データに基づいて利用対象の機器を識別する。例えば、サーバ14の記憶部30には、機器毎に、機器の外観の全部又は一部を表す外観画像データと、当該機器のデバイス識別情報と、の対応付けを示す外観画像対応付け情報が記憶されている。制御部36は、例えば、端末装置16から送信された外観画像データと外観画像対応付け情報に含まれる各外観画像データとを比較し、その比較結果に基づいて、利用対象の機器のデバイス識別情報を特定する。例えば、制御部36は、端末装置16から送信された外観画像データから利用対象の機器の外観の特徴を抽出し、外観画像対応付け情報に含まれる外観画像データ群において、その外観の特徴と同一又は類似の特徴を表す外観画像データを特定し、その外観画像データに対応付けられているデバイス識別情報を特定する。これにより、利用対象の機器(カメラ42によって撮影された機器)が識別される。別の例として、機器の名称(例えば商品名)や型番号が撮影され、名称や型番号を表す外観画像データが生成されている場合、その外観画像データに表された名称や型番号に基づいて、利用対象の機器を識別してもよい。サーバ14の特定部38は、機器機能管理情報32において、特定されたデバイス識別情報に対応付けられている各機能を示す機能情報を特定する。これにより、利用対象の機器(例えば画像形成装置10)が有する機能が特定される。
なお、端末装置16の制御部48が、利用対象の機器(例えば画像形成装置10)の外観の全部又は一部を表す外観画像データと外観画像対応付け情報に含まれる各外観画像データとを比較し、その比較結果に基づいて、利用対象の機器のデバイス識別情報を特定してもよい。外観画像対応付け情報は、端末装置16の記憶部44に記憶されていてもよい。この場合、端末装置16の制御部48は、端末装置16の記憶部44に記憶されている外観画像対応付け情報を参照することにより、利用対象の機器のデバイス識別情報を特定する。別の例として、端末装置16の制御部48は、サーバ14から外観画像対応付け情報を取得し、当該外観画像対応付け情報を参照することにより、利用対象の機器のデバイス識別情報を特定してもよい。
複数の機器が有する複数の機能を利用する連携機能を実行する場合、連携対象の各機器の外観の全部又は一部を撮影することにより各機器のデバイス識別情報が取得され、これにより、連携機能が特定(識別)される。
位置情報AR技術を適用してデバイス識別情報を取得する場合、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を利用することにより、機器(例えば画像形成装置10)が設置されている位置を示す位置情報が取得される。例えば、各機器がGPS機能を備えており、機器自身の位置を示すデバイス位置情報を取得する。端末装置16は、利用対象の機器に対してデバイス位置情報の取得要求を示す情報を出力し、その取得要求に対する応答として、当該機器から当該機器のデバイス位置情報を受信する。そのデバイス位置情報は、例えば、端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14においては、制御部36が、当該デバイス位置情報に基づいて利用対象の機器を識別する。例えば、サーバ14の記憶部30には、機器毎に、機器が設置されている位置を示すデバイス位置情報と、当該機器のデバイス識別情報と、の対応付けを示す位置対応付け情報が記憶されている。制御部36は、その位置対応付け情報において、端末装置16から送信されたデバイス位置情報に対応付けられているデバイス識別情報を特定する。これにより、利用対象の機器が特定(識別)される。サーバ14の特定部38は、機器機能管理情報32において、特定されたデバイス識別情報に対応付けられている各機能を示す機能情報を特定する。これにより、利用対象の機器(例えば画像形成装置10)が有する機能が特定(識別)される。
なお、端末装置16の制御部48が、位置対応付け情報において、利用対象の機器の位置情報に対応付けられているデバイス識別情報を特定してもよい。位置対応付け情報は、端末装置16の記憶部44に記憶されていてもよい。この場合、端末装置16の制御部48は、端末装置16の記憶部44に記憶されている位置対応付け情報を参照することにより、利用対象の機器のデバイス識別情報を特定する。別の例として、端末装置16の制御部48は、サーバ14から位置対応付け情報を取得し、当該位置対応付け情報を参照することにより、利用対象の機器のデバイス識別情報を特定してもよい。
複数の機器を利用する連携機能を実行する場合、連携対象の各機器のデバイス位置情報が取得され、各デバイス位置情報に基づいて各機器のデバイス識別情報が特定される。これにより、連携機能が特定(識別)される。
なお、複数の識別技術を用いて機器を識別してもよい。例えば、マーカ型AR技術、マーカレス型AR技術、及び、位置情報AR技術の中から選択された複数の技術を用いて機器を識別してもよい。また、ある識別技術によって機器を識別できなかった場合に、他の識別技術を用いて機器を識別してもよい。例えば、マーカ型AR技術やマーカレス型AR技術によって機器を識別できなかった場合、位置情報AR技術を用いて機器を識別してもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成システムについて更に詳しく説明する。
図6を参照して、機器機能管理情報32について詳しく説明する。図6には、機器機能管理情報32としての機器機能管理テーブルの一例が示されている。機器機能管理テーブルにおいては、一例として、機器IDと、機器名(例えば機器の種類)を示す情報と、機器が有する機能を示す情報(機能情報)と、画像IDと、が互いに対応付けられている。機器IDと機器名はデバイス識別情報の一例に相当する。画像IDは、機器を表わす画像(例えば、機器の外観を表わす画像や、機器を模式的に表す画像(例えばアイコン)等)を識別するための画像識別情報の一例である。なお、機器機能管理テーブルには、画像IDは含まれていなくてもよい。例えば、機器IDが「B」の機器は、複合機(複数の画像形成機能を有する画像形成装置)であり、プリント機能やスキャン機能等の機能を有している。その機器には、その機器を表わす画像を識別するための画像IDが対応付けられている。機器を表わす画像のデータは、例えば、サーバ14の記憶部30や他の装置に記憶されている。
例えば、AR技術を適用することにより、利用対象の機器を識別するための機器IDが取得される。サーバ14の特定部38は、機器機能管理テーブルを参照することにより、その機器IDに対応付けられている機器名、機能及び画像IDを特定する。これにより、利用対象の機器が識別される。例えば、機器名を示す情報、及び、機器を表す画像のデータが、サーバ14から端末装置16に送信され、それらが端末装置16のUI部46に表示される。機器を表す画像は、当該機器に紐付く画像として表示される。もちろん、カメラ42によって撮影された画像そのものが端末装置16のUI部46に表示されてもよい。また、端末装置16のUI部46において、機器に紐付く画像(例えば、カメラ42によって撮影された画像や、機器を模式的に表す画像)がユーザによって指定されると、その機器が有する機能に関する情報(例えば、機能情報や機能の説明情報等)が、サーバ14から端末装置16に送信されて端末装置16のUI部46に表示されてもよい。
以下、図7を参照して、連携機能管理情報34について詳しく説明する。図7には、連携機能管理情報34としての連携機能管理テーブルの一例が示されている。連携機能管理テーブルにおいては、一例として、機器IDの組み合わせと、連携対象の機器名(例えば各機器の種類)を示す情報と、連携機能を示す情報(連携機能情報)と、が互いに対応付けられている。例えば、機器IDが「A」の機器はPC(パーソナルコンピュータ)であり、機器IDが「B」の機器は複合機である。PC(A)と複合機(B)を連携させることにより、連携機能として、例えば「スキャン転送機能」や「プリント機能」が実現される。「スキャン転送機能」は、複合機(B)によるスキャンによって生成された画像データをPC(A)に転送する機能である。「プリント機能」は、PC(A)に保存されているデータ(例えば画像データや文書データ)を複合機(B)に送信して複合機(B)にて印刷する機能である。
以下、図8を参照して、機器が単独で利用される場合の処理について説明する。図8には、単独で利用される機器の一例が示されている。一例として、画像形成装置10が、単独で利用される機器であるとする。画像形成装置10は例えば複合機である。画像形成装置10は、現実空間に存在する機器である。図8に示されている端末装置16は、現実空間に存在する機器であり、例えばスマートフォンや携帯電話等の携帯端末装置である。
例えば、画像形成装置10の筐体に2次元バーコード等のマーカ50が設けられている。マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術が用いられる場合、ユーザは端末装置16(例えばスマートフォン)のカメラ42によって、利用対象の画像形成装置10を撮影する。これにより、マーカ50を表わす画像データ又は画像形成装置10の外観を表わす外観画像データが生成される。端末装置16のUI部46の表示部には機器表示画面52が表示され、その機器表示画面52に、画像形成装置10に紐付く機器画像54が表示される。機器画像54は、例えば、カメラ42による撮影によって生成された画像(撮影時のサイズを有する画像であってもよいし、拡大又は縮小された画像であってもよい)である。
カメラ42による撮影によって生成された画像データは、端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14においては、制御部36が画像データにデコード処理を適用することにより、画像形成装置10のデバイス識別情報を抽出し、これにより、画像形成装置10を識別する。別の例として、画像形成装置10の外観を表わす外観画像データが生成され、端末装置16からサーバ14に外観画像データが送信されてもよい。この場合、サーバ14においては、制御部36が、外観画像対応付け情報を参照することにより、画像形成装置10のデバイス識別情報を特定する。これにより、画像形成装置10が識別される。
また、サーバ14の特定部38は、機器機能管理情報32(例えば図6に示されている機器機能管理テーブル)を参照することにより、画像形成装置10が有する機能を特定(識別)する。この点について図6を参照して詳しく説明する。画像形成装置10は、一例として「複合機(B)」であるとする。特定部38は、図6に示されている機器機能管理テーブルにおいて、複合機(B)に対応付けられている機能を特定する。これにより、複合機(B)が有する機能が特定される。特定された機能に関する情報は、サーバ14から端末装置16に送信される。もちろん、機器や機能を識別するための処理は、端末装置16によって行われてもよい。
なお、機器表示画面52には、カメラ42による撮影によって生成された画像の替わりに、識別された画像形成装置10に紐付く予め用意された画像(撮影で得られた画像そのものではなく模式的な画像(例えばアイコン))や、外部のカメラによる撮影によって生成された画像が、機器画像54として表示されてもよい。
例えば、機器を撮影することで得られた画像データを利用する場合、現在の機器そのものの外観(例えば、キズ、メモ書き、機器に貼り付けられたシール等が反映された外観)が画像に反映されるので、ユーザにとって他の同種の機器との違いが視覚的により分かる効果がある。
模式的な画像を利用する場合、模式的な画像のデータは、例えばサーバ14から端末装置16に送信される。例えば画像形成装置10が識別されると、サーバ14の特定部38は、図6に示されている機器機能管理テーブル(機器機能管理情報32)を参照することにより、画像形成装置10に紐付く模式的な画像を特定する。その模式的な画像のデータはサーバ14から端末装置16に送信され、その模式的な画像は機器画像54として機器表示画面52に表示される。模式的な画像のデータは端末装置16に予め記憶されていてもよい。この場合、画像形成装置10が識別されると、端末装置16に記憶されている機器画像54が機器表示画面52に表示される。模式的な画像のデータは、サーバ14や端末装置16以外の装置に記憶されていてもよい。
また、機器が識別されると、その機器の名称を示す情報がサーバ14から端末装置16に送信され、端末装置16において、機器表示画面52に機器の名称が表示されてもよい。図8に示す例では、画像形成装置10は複合機であり、その名称「複合機(B)」が表示されている。
画像形成装置10が有する機能が特定されると、例えば図9に示すように、端末装置16の制御部48は、機能表示画面56を端末装置16のUI部46に表示させ、その機能表示画面56に機能に関する情報を表示させる。機能に関する情報として、例えば、その機能の実行を指示するためのボタン画像が表示される。画像形成装置10としての複合機(B)は、例えば、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、及び、ファクシミリ機能を有しているため、これらの機能の実行を指示するためのボタン画像が機能表示画面56に表示される。例えば、ユーザが端末装置16を使用してプリント機能を表わすボタン画像を指定し、プリント機能の実行を指示すると、プリント機能の実行指示を示す実行指示情報が、端末装置16から画像形成装置10に送信される。その実行指示情報には、プリント機能を実行するための制御データや、プリント機能が適用される画像データ等のデータ、等が含まれる。画像形成装置10は実行指示情報を受けると、その実行指示情報に従ってプリントを実行する。
図10には、機能表示画面の別の例が示されている。この機能表示画面58は、図8に示すように、単体の機器を利用する際に、端末装置16のUI部46に表示される画面である。上述したように、利用対象の機器(例えば画像形成装置10)が特定され、利用対象の機器が有する機能が特定される。また、利用対象の機器を利用するユーザがユーザ識別情報に対応付けられている機能を示す機能情報、つまり、当該ユーザが利用可能な機能が特定されてもよい。さらに、利用対象の機器が有する機能が特定されるので、提供対象となっている機能群の中で利用対象の機器が有していない機能が特定されてもよい。これらの情報は、機能表示画面58に表示されてもよい。
図10に示されている機能表示画面58には、機能情報の一例として、機能Aを表すボタン画像60、機能Bを表すボタン画像62、及び、機能Cを表すボタン画像64が、表示されている。機能Aは、利用対象の機器(例えば識別された画像形成装置10)が有している機能であって、ユーザによって利用可能な機能である。機能Bは、利用対象の機器が有している機能であって、ユーザによる利用が不可能な機能である。ユーザが機能Bの提供を受けることにより、当該ユーザによる機能Bの利用が可能となる。機能Bが有償の機能であれば、ユーザが機能Bを購入することにより、機能Bの利用が可能となり、機能Bが無償の機能であれば、ユーザが無償で機能Bの提供を受けることにより、機能Bの利用が可能となる。機能Cは、利用対象の機器が有していない機能、つまり、利用対象の機器が対応していない機能である。端末装置16の制御部48は、ボタン画像によって表されている機能が、利用対象の機器が有している機能であるか否かに応じて、当該ボタン画像の表示態様を変えてもよい。また、制御部48は、ボタン画像によって表されている機能が、ユーザによって利用可能な機能であるか否かに応じて、当該ボタン画像の表示態様を変えてもよい。例えば、制御部48は、ボタン画像の色や形状を変えてもよい。図10に示す例では、ボタン画像60,62,64はそれぞれ異なる色で表示されている。一例として、利用対象の機器が有している機能であってユーザによって利用可能な機能を表すボタン画像(例えば機能Aを表すボタン画像60)は、青色で表示される。利用対象の機器が有している機能であってユーザによる利用が不可能な機能を表すボタン画像(機能Bを表すボタン画像62)は、黄色で表示される。利用対象の機器が有していない機能を表すボタン画像(例えば機能Cを表すボタン画像64)は、灰色で表示される。別の例として、制御部48は、ボタン画像60,62,64の形状を変えてもよいし、機能表示名のフォントを変えてもよい。もちろん、別の手法によって表示態様を変えてもよい。これにより、ユーザに視認性良く各機能の利用可否が伝えられる。
例えば、ユーザが端末装置16を利用して機能Aを表すボタン画像60を指定し、機能Aの実行の指示を与えると、機能Aの実行指示を示す実行指示情報が、端末装置16から利用対象の機器に送信される。その実行指示情報には、機能Aを実行するための制御データや、機能Aによる処理が適用される画像データ等のデータ、等が含まれる。利用対象の機器は実行指示情報を受けると、その実行指示情報に従って機能Aを実行する。例えば、利用対象の機器が画像形成装置10の場合であって機能Aがスキャン転送機能の場合、画像形成装置10の画像形成部20によってスキャン機能が実行され、これによりスキャンデータ(画像データ)が生成される。そのスキャンデータは、画像形成装置10から設定された送信先(例えば端末装置16)に送信される。
また、ユーザが端末装置16を利用して機能Bを表すボタン画像62を指定し、機能Bの提供を指示した場合、提供処理が実行される。提供処理がサーバ14によって行われる場合、端末装置16はサーバ14にアクセスする。これにより、ユーザによる機能Bの利用を可能にするための情報として、機能Bの提供を受けるための画面(例えばWebサイト)が端末装置16のUI部46に表示される。この画面上で提供手続きを行うことにより、ユーザによる機能Bの利用が可能となる。例えば、端末装置16にはWebブラウザのプログラムが記憶されており、そのWebブラウザを利用することにより、端末装置16からサーバ14へのアクセスが実現される。ユーザはWebブラウザを用いてサーバ14にアクセスすると、端末装置16のUI部46に、機能提供画面(例えばWebサイト)が表示され、そのWebサイトを介して機能が提供される。もちろん、サーバ14以外のサーバ等によって提供処理が行われてもよい。別の例として、端末装置16のUI部46には、ユーザによる機能Bの利用を可能にするための情報として、管理者等に機能Bの利用を依頼するための利用許可依頼画面(例えばWebサイト)が表示されてもよい。この利用許可依頼画面を介して機能Bの利用の許可を管理者等に依頼し、その許可が得られた場合、ユーザによる機能Bの利用が可能となる。
以下、図11を参照して、連携機能が利用される場合の処理について説明する。図11には、連携対象の機器の一例が示されている。一例として、画像形成装置10と機器12としてのプロジェクタ(以下、プロジェクタ12と称する場合がある)とが、連携対象の機器として用いられるものとする。画像形成装置10、プロジェクタ12及び端末装置16は、現実空間に存在する機器である。
例えば、画像形成装置10の筐体に2次元バーコード等のマーカ50が設けられており、プロジェクタ12の筐体に2次元バーコード等のマーカ66が設けられている。マーカ66は、プロジェクタ12の機器識別情報がコード化された情報である。マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術が用いられる場合、ユーザは端末装置16(例えばスマートフォン)のカメラ42によって、連携対象の画像形成装置10とプロジェクタ12を撮影する。図11に示す例では、カメラ42の撮影領域に画像形成装置10とプロジェクタ12の両方が含まれる状態で、画像形成装置10とプロジェクタ12が一緒に撮影されている。これにより、マーカ50,66のそれぞれを表わす画像データが生成される。端末装置16のUI部46の表示部には機器表示画面68が表示され、その機器表示画面68に、画像形成装置10に紐付く機器画像70とプロジェクタ12に紐付く機器画像72が表示される。機器画像70,72は、例えば、カメラ42による撮影によって生成された画像(撮影時のサイズを有する画像であってもよいし、拡大又は縮小された画像であってもよい)である。
カメラ42による撮影によって生成された画像データは、端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14においては、制御部36が画像データにデコード処理を適用することにより、画像形成装置10のデバイス識別情報とプロジェクタ12のデバイス識別情報を抽出し、これにより、画像形成装置10とプロジェクタ12を識別する。別の例として、画像形成装置10とプロジェクタ12のそれぞれの外観を表わす外観画像データが生成され、端末装置16からサーバ14に送信されてもよい。この場合、サーバ14においては、制御部36が、外観画像対応付け情報を参照することにより、画像形成装置10の機器識別情報とプロジェクタ12のデバイス識別情報を特定する。これにより、画像形成装置10とプロジェクタ12が識別される。
また、サーバ14の特定部38は、連携機能管理情報34(例えば図7に示されている連携機能管理テーブル)を参照することにより、画像形成装置10が有する機能とプロジェクタ12が有する機能とを利用する連携機能を特定(識別)する。この点について図7を参照して詳しく説明する。画像形成装置10は、一例として「複合機(B)」であり、プロジェクタ12は、一例として「プロジェクタ(C)」であるとする。特定部38は、図7に示されている連携機能管理テーブルにおいて、複合機(B)とプロジェクタ(C)の組み合わせに対応付けられている連携機能を特定する。これにより、複合機(B)とプロジェクタ(C)を連携させることによって実行される連携機能が特定される。特定された連携機能に関する情報は、サーバ14から端末装置16に送信される。もちろん、機器や連携機能を識別するための処理は、端末装置16によって行われてもよい。
なお、機器表示画面68には、カメラ42による撮影によって生成された画像の替わりに、識別された画像形成装置10に紐付く予め用意された画像(例えば模式的な画像(例えばアイコン))や、外部のカメラによる撮影によって生成された画像が、機器画像70として表示されてもよい。同様に、識別されたプロジェクタ12に紐付く予め用意された画像や、外部のカメラによる撮影によって生成された画像が、機器画像72として表示されてもよい。模式的な画像のデータは、上述したように、例えばサーバ14から端末装置16に送信されてもよいし、端末装置16に予め記憶されていてもよいし、それら以外の装置に記憶されていてもよい。
また、機器が識別されると、その機器の名称を示す情報がサーバ14から端末装置16に送信され、端末装置16において、機器表示画面68に機器の名称が表示されてもよい。図11に示す例では、画像形成装置10の名称「複合機(B)」と、プロジェクタ12の名称「プロジェクタ(C)」が表示されている。
なお、複数の機器が撮影された場合であっても、サーバ14の特定部38は、機器機能管理情報32を参照することにより、各機器が有する機能を特定してもよい。図11に示す例では、特定部38は、画像形成装置10が有する機能とプロジェクタ12が有する機能をそれぞれ特定してもよい。特定された機能に関する情報は、サーバ14から端末装置16に送信されてもよい。
連携機能が特定されると、例えば図12に示すように、端末装置16の制御部48は、機能表示画面74を端末装置16のUI部46に表示させ、その機能表示画面74に連携機能に関する情報を表示させる。連携機能に関する情報として、例えば、その連携機能の実行を指示するためのボタン画像が表示される。複合機(B)とプロジェクタ(C)を連携させることで、例えば、複合機(B)によるスキャンによって生成された画像をプロジェクタ(C)によって投影する連携機能や、プロジェクタ(C)によって投影されている画像を複合機(B)によってプリントする連携機能が実行可能となる。これらの連携機能の実行を指示するためのボタン画像が機能表示画面74に表示される。例えば、ユーザが端末装置16を使用してボタン画像を指定し、連携機能の実行を指示すると、その連携機能の実行指示を示す実行指示情報が、端末装置16から画像形成装置10とプロジェクタ12に送信される。画像形成装置10とプロジェクタ12は、実行指示情報を受けると、ユーザによって指定された連携機能を実行する。
ユーザの操作によって、連携対象の機器が指定されてもよい。例えば、画像形成装置10とプロジェクタ12をカメラ42によって撮影することにより、図11に示すように、端末装置16のUI部46には、画像形成装置10に紐付く機器画像70とプロジェクタ12に紐付く機器画像72が表示される。なお、機器に紐付く画像は、カメラ42による撮影で得られた画像であってもよいし、識別された機器に紐付く予め用意された画像(例えば模式的な画像(例えばアイコン))であってもよい。ユーザが機器表示画面68上で機器画像70,72を指定することにより、連携対象の機器として画像形成装置10とプロジェクタ12が指定される。例えば、ユーザが機器画像70を指定すると、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術が機器画像70に適用され、これにより、画像形成装置10が特定(識別)される。同様に、ユーザが機器画像72を指定すると、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術が機器画像72に適用され、これにより、プロジェクタ12が特定(識別)される。これにより、画像形成装置10とプロジェクタ12によって実行される連携機能が特定され、その連携機能に関する情報が端末装置16のUI部46に表示される。
別の例として、ユーザが機器表示画面68上で機器画像70をタッチして機器画像72までの間を指等で操作する(例えば指等でなぞる)ことにより、機器画像70,72が指定され、画像形成装置10とプロジェクタ12が連携対象の機器として指定されてもよい。機器画像70,72を触れる順番やなぞる方向は、上記の例と逆であってもよい。もちろん、機器表示画面68をなぞるためのペンといった指以外の画面接触手段が用いられてもよい。ユーザが機器画像70と機器画像72を繋げることにより、機器画像70,72が指定され、画像形成装置10とプロジェクタ12が連携対象の機器として指定されてもよい。ユーザが機器画像70と機器画像72を重ねることにより、機器画像70,72が指定され、画像形成装置10とプロジェクタ12が連携対象の機器として指定されてもよい。丸を付けるような描画操作によって連携対象の機器を指定してもよいし、連携したい機器に紐付く機器画像を予め設定された時間内に指定することで、連携対象の機器を指定してもよい。連携を解除する場合、ユーザが機器表示画面68上で解除対象の機器を指定してもよいし、連携解除ボタンを押してもよい。連携対象ではない機器が画像に写り込んでいる場合、ユーザが機器表示画面68上にてその機器を指定することにより、その機器を連携対象の機器群から除外してもよい。バツ印等を付けるような予め設定された操作によって、解除対象の機器を指定してもよい。
連携対象の各機器は別々に撮影されてもよい。例えば、カメラ42による撮影を複数回に分けることで、連携対象の各機器を識別する。カメラ42による撮影を複数回に分けた場合、各撮影回で識別された機器のデバイス識別情報は、サーバ14又は端末装置16の記憶部に記憶される。例えば、カメラ42の撮影領域に画像形成装置10が含まれる状態で画像形成装置10が撮影され、次に、カメラ42の撮影領域にプロジェクタ12が含まれる状態でプロジェクタ12が撮影される。これにより、画像形成装置10についての画像データとプロジェクタ12についての画像データが生成され、各画像データにマーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術が適用されることにより、画像形成装置10とプロジェクタ12が特定(識別)され、画像形成装置10とプロジェクタ12の機能を利用する連携機能が特定(識別)される。例えば、連携対象の各機器が互いに近い位置に配置されて、カメラ42の撮影領域に画像形成装置10とプロジェクタ12の両方が必ずしも一緒に含まれるとは限らない。カメラ42の撮影領域のアングルを変えたり、撮影領域の拡大又は縮小によって対応することができる場合もあるが、そのような操作で対応しきれない場合、撮影を複数回に分けることにより、連携対象の機器を識別することも解決手段としてあり得る。
別の例として、連携対象の機器が基本連携機器として予め設定されていてもよい。例えば、画像形成装置10が基本連携機器として予め設定されているものとする。基本連携機器のデバイス識別情報は、サーバ14や端末装置16の記憶部に予め記憶されていてもよい。ユーザが端末装置16を利用して基本連携機器を指定してもよい。基本連携機器が設定されている場合、ユーザは端末装置16のカメラ42によって、基本連携機器以外の連携対象の機器を撮影する。これにより、連携対象の機器が特定(識別)され、基本連携機器と撮影された機器が有する機能を利用する連携機能が特定(識別)される。
なお、図11及び図12に示す例では、連携機能は、ハードウェアとしての機器を利用する機能であるが、その連携機能は、ソフトウェア(アプリケーション)によって実現される機能を利用する機能であってもよい。例えば、機器画像の替わりに、ソフトウェアによって実現される機能に紐付く機能画像(例えばアイコン等の画像)が端末装置16のUI部46に表示され、複数の機能画像がユーザによって指定されることで、それら複数の機能画像に紐付く複数の機能を利用する連携機能が特定(識別)されてもよい。例えば、スマートフォンのホーム画面やパーソナルコンピュータのデスクトップ画面に表示されている機能に紐付く機器画像を指定することで、連携機能が特定されてもよい。もちろん、ハードウェアとしての機器に紐付く機器画像と、ソフトウェアによって実現される機能に紐付く機能画像と、が端末装置16のUI部46に表示され、機器画像と機能画像がユーザによって指定された場合、その機器画像に紐付く機器とその機能画像に紐付く機能とを利用する連携機能が識別されてもよい。
上記の例では、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術が用いられているが、位置情報AR技術が用いられてもよい。例えば、端末装置16はGPS機能を備えており、端末装置16自身の位置を示す端末位置情報を取得し、その端末位置情報をサーバ14に送信する。サーバ14の制御部36は、機器の設置位置を示すデバイス位置情報とデバイス識別情報との対応付けを示す位置対応付け情報を参照し、端末装置16の位置を基準にして、予め設定された範囲内に配置されている各機器を連携候補機器として特定する。例えば、端末装置16の位置を基準にして予め設定された範囲内に、複合機、PC、プリンタ及びスキャナが配置されているものとする。この場合、複合機、PC、プリンタ及びスキャナが連携候補機器として特定される。各連携候補機器のデバイス識別情報は、サーバ14から端末装置16に送信され、端末装置16のUI部46に表示される。デバイス識別情報として、連携候補機器の画像が表示されてもよいし、デバイスID等の文字列が表示されてもよい。ユーザは、UI部46に表示されている連携候補機器群の中から連携対象の機器を指定する。ユーザによって指定された連携対象の機器のデバイス識別情報は、端末装置16からサーバ14に送信され、サーバ14において、連携対象の機器のデバイス識別情報に基づいて連携機能が特定される。端末装置16のUI部46には、その連携機能に関する情報が表示される。なお、連携候補機器の特定処理及び連携機能の特定処理は、端末装置16によって行われてもよい。
なお、AR技術等を適用しても撮影対象の機器が識別されない場合、その撮影対象の機器を表わす機器画像は、機器表示画面に表示されなくてもよい。これにより、識別された機器の視認性が向上する。例えば、識別された機器と識別されない機器が混在し、それぞれがカメラ42によって撮影された場合、識別されない機器を表わす機器画像を非表示にする。これにより、識別された機器を表わす機器画像が、識別されない機器を表わす機器画像に埋もれずに表示されるので、識別された機器の視認性が向上する。また、識別された機器を表わす機器画像を強調して表示してもよい。例えば、識別された機器を表わす機器画像を特定の色で表示してもよいし、機器画像の縁を強調して表示してもよいし、機器画像を拡大して表示してもよいし、機器画像を3次元で表示してもよいし、機器画像を振動させて表示してもよい。これにより、識別された機器の視認性が向上する。
以下、機器が有する機能を実行するときの処理について説明する。一例として、連携機能を実行するときの処理について説明する。この場合、端末装置16から連携対象の機器に対して接続要求が送信され、端末装置16と連携対象の機器とが接続される。以下、図13を参照して、この接続処理について説明する。図13は、その処理を示すシーケンス図である。
まず、ユーザは、端末装置16を利用して、機器機能実行用のアプリケーション(プログラム)の起動を指示する。端末装置16の制御部48は、その指示に応じて当該アプリケーションを起動させる(S01)。なお、そのアプリケーションは、端末装置16の記憶部44に予め記憶されていてもよいし、サーバ14等からダウンロードされてもよい。
次に、マーカ型AR技術、マーカレス型AR技術又は位置情報AR技術を適用することにより、連携対象の機器が識別される(S02)。もちろん、AR技術以外の技術によって連携対象の機器が識別されてもよい。マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術を適用する場合、例えば、ユーザは、端末装置16のカメラ42によって連携対象の機器を撮影する。一例として、画像形成装置10(複合機(B))とプロジェクタ12(プロジェクタ(C))が連携機器として用いられる場合、ユーザは、カメラ42によって画像形成装置10とプロジェクタ12を撮影する。画像形成装置10とプロジェクタ12のそれぞれのデバイス識別情報が取得され、画像形成装置10とプロジェクタ12が連携対象の機器として識別される。位置情報AR技術を適用する場合、画像形成装置10とプロジェクタ12のそれぞれの位置情報が取得され、その位置情報に基づいて、画像形成装置10とプロジェクタ12のそれぞれのデバイス識別情報が特定され、画像形成装置10とプロジェクタ12が識別される。
例えば、連携機能表示の指示がユーザによって与えられた場合、識別された複数の機器が有する機能を利用する連携機能が識別される。端末装置16のUI部46には、識別された連携機能に関する情報が表示される(S03)。連携機能の識別処理は、サーバ14によって行われてもよいし、端末装置16によって行われてもよい。
次に、端末装置16において、ユーザによって実行対象の連携機能が指定されると、端末装置16は、その連携機能を実行する連携対象の機器(例えば画像形成装置10とプロジェクタ12)に接続要求を示す情報を送信する(S04)。例えば、連携対象の機器のアドレスを示すアドレス情報が、サーバ14に記憶されている場合、端末装置16は、連携対象の機器のアドレス情報をサーバ14から取得する。デバイス識別情報にアドレス情報が含まれている場合、端末装置16は、連携対象の機器の識別情報からそれぞれのアドレス情報を取得してもよい。別の例として、端末装置16に、連携対象の機器のアドレス情報が記憶されていてもよい。もちろん、端末装置16は、別の手法によって連携対象の機器のアドレス情報を取得してもよい。端末装置16は、連携対象の機器(例えば画像形成装置10とプロジェクタ12)のアドレス情報を用いて、連携対象の機器(例えば画像形成装置10とプロジェクタ12)に接続要求を示す情報を送信する。
接続要求を示す情報を受けた画像形成装置10とプロジェクタ12は、端末装置16との接続を許可する、又は、許可しない(S05)。例えば、画像形成装置10とプロジェクタ12が、接続が許可されていない機器に該当する場合や、接続を要求している装置の数が上限を超えている機器に該当する場合、接続は許可されない。なお、端末装置16からの接続が許可された場合、画像形成装置10とプロジェクタ12の固有の設定情報が端末装置16から変更されないように、その変更操作を禁止してもよい。例えば、画像形成装置10の色彩のパラメータや、節電に移行する際の設定時間等の変更が禁止されてもよい。これにより、連携対象の機器に対するセキュリティが向上する。別の例として、機器を連携させる場合、当該機器を連携させずに単独で利用する場合と比べて、設定情報の変更が制限されてもよい。例えば、機器を単独で利用する場合と比べて、より少ない設定項目の変更が許可されてもよい。また、稼働履歴のような他のユーザの個人情報の閲覧を禁止してもよい。これにより、ユーザの個人情報に対するセキュリティが向上する。
接続の許可又は不許可を示す結果情報が、画像形成装置10とプロジェクタ12から端末装置16に送信される(S06)。画像形成装置10とプロジェクタ12への接続が許可された場合、端末装置16と、画像形成装置10及びプロジェクタ12と、の間で通信が確立される。
次に、ユーザは端末装置16を利用して連携機能の実行を指示する(S07)。この指示に応じて、連携機能の実行指示を示す実行指示情報が、端末装置16から画像形成装置10とプロジェクタ12に送信される(S08)。画像形成装置10に送信される実行指示情報には、画像形成装置10にて実行される処理を示す情報(例えばジョブ情報)が含まれ、プロジェクタ12に送信される実行指示情報には、プロジェクタ12にて実行される処理を示す情報(例えばジョブ情報)が含まれる。
実行指示情報を受けた画像形成装置10とプロジェクタ12は、実行指示情報に従って機能を実行する(S09)。例えば、画像形成装置10(複合機(B))からプロジェクタ12(PC(A))へスキャンデータを転送してプロジェクタ12によってデータを投影する機能のように、連携機能に、画像形成装置10とプロジェクタ12との間でデータの送受信が行われる処理が含まれている場合、画像形成装置10とプロジェクタ12との間で通信が確立される。この場合、例えば、画像形成装置10に送信される実行指示情報にはプロジェクタ12のアドレス情報が含まれ、プロジェクタ12に送信される実行指示情報には画像形成装置10のアドレス情報が含まれ、それらのアドレス情報を用いて画像形成装置10とプロジェクタ12との間で通信が確立される。
連携機能の実行が終了すると、連携機能の実行完了を示す情報が、画像形成装置10とプロジェクタ12から端末装置16に送信される(S10)。端末装置16のUI部46には、連携機能の実行が完了したことを示す情報が表示される(S11)。なお、実行指示を与えた時点から予め設定された時間が経過しても実行完了を示す情報が表示されない場合、端末装置16の制御部48は、エラーを示す情報をUI部46に表示させ、再度、実行指示情報、又は、接続要求を示す情報を、画像形成装置10とプロジェクタ12に送信してもよい。
次に、ユーザは、画像形成装置10とプロジェクタ12の連携状態を解除するか否かを確認し(S12)、解除の有無に応じた処理が実行される(S13)。連携状態を解除する場合、ユーザは、端末装置16を利用して解除の指示を与える。これにより、端末装置16と、画像形成装置10及びプロジェクタ12と、の間の通信が解除される。同様に、画像形成装置10とプロジェクタ12との間の通信も解除される。連携状態を解除しない場合、継続して実行指示を与えてもよい。
また、連携対象の機器を増やしてもよい。例えば3台目の機器の機器識別情報が取得され、画像形成装置10とプロジェクタ12を含む3台の機器を連携させることによって実行される連携機能が特定されてもよい。なお、画像形成装置10とプロジェクタ12が既に連携機能として識別されていることを示す情報は、サーバ14や端末装置16に記憶される。
連携対象の機器を示すデバイス識別情報や、実行された連携機能を示す連携機能情報は、端末装置16やサーバ14等に記憶されてもよい。例えば、端末装置16を利用するユーザのユーザアカウント情報(ユーザ識別情報)が取得され、そのユーザアカウント情報と、連携対象の機器を示すデバイス識別情報と、実行された連携機能を示す連携機能情報と、の対応付けを示す履歴情報が作成され、端末装置16やサーバ14等に記憶されてもよい。履歴情報は、端末装置16によって作成されてもよいし、サーバ14によって作成されてもよい。履歴情報を参照することにより、どのような連携機能がどのような機器群を用いて実行されたのかが特定される。
なお、連携対象の機器(例えば画像形成装置10とプロジェクタ12)は、接続を要求したユーザのユーザアカウント情報や、接続要求元の端末装置16を示す端末識別情報を、履歴情報として記憶してもよい。この履歴情報を参照することにより、機器を利用したユーザが特定される。例えば、機器が壊れたときに当該機器を使用していたユーザを特定する場合や、消耗品等について課金処理を行う場合等に、履歴情報を活用してユーザを特定してもよい。履歴情報は、サーバ14や端末装置16に記憶されてもよいし、別の装置に記憶されてもよい。
ユーザアカウント情報は、例えば、端末装置16の記憶部44に予め記憶されており、端末装置16の制御部48は、ユーザ識別手段の一例として機能し、記憶部44からユーザのユーザアカウント情報を読み込んで、端末装置16を使用するユーザを識別する。複数のユーザのユーザアカウント情報が記憶部44に記憶されている場合、ユーザは端末装置16を使用して、自身のユーザアカウント情報を指定する。これにより、当該ユーザのユーザアカウント情報が読み込まれ、当該ユーザが識別される。別の例として、端末装置16の制御部48は、端末装置16にログインしているユーザのユーザアカウント情報を読み込むことにより、ユーザを識別してもよい。更に別の例として、同一の端末装置16に、1つのユーザアカウント情報のみが記憶されている場合、端末装置16の制御部48は、そのユーザアカウント情報を読み込むことによりユーザを識別してもよい。なお、ユーザアカウントが設定されておらず、ユーザアカウント情報が作成されていない場合、初期設定が行われ、これにより、ユーザアカウント情報が作成される。
ユーザ毎に連携機能の利用履歴が管理され、読み込まれたユーザアカウント情報が示すユーザによって過去に利用された連携機能を示す情報が、端末装置16のUI部46に表示されてもよい。その利用履歴を示す情報は、端末装置16に記憶されていてもよいし、サーバ14に記憶されていてもよい。また、予め設定された利用頻度以上の頻度で利用されている連携機能を示す情報が表示されてもよい。このようなショートカット機能を設けることにより、連携機能に関するユーザの操作の手間が軽減される。
なお、単独機能が実行される場合、その単独機能の実行指示を示す情報が、端末装置16から単独機能を実行する機器に送信される。当該機器は、その実行指示に従って単独機能を実行する。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態に係る機器システムについて説明する。第2実施形態に係る機器システムは、第1実施形態に係る機器システムと同じ構成を有する。第2実施形態では、機器の利用が許可された場合、つまり、機器に対してユーザ又は端末装置16の認証が成功した場合、その機器を利用して実行可能な連携機能や単独機能の利用が可能となる。その利用の許可の判断(つまりユーザや端末装置16に対する認証処理)は、機器によって行われてもよいし、サーバ14によって行われてもよいし、認証サーバ等の別の装置によって行われてもよい。以下、第2実施形態について詳しく説明する。
図14には、機器表示画面68が示されている。例えば、複合機(B)、プロジェクタ(C)、カメラ(D)及びドライヤ(E)が機器として識別されており、機器表示画面68に、識別された機器(複合機(B)、プロジェクタ(C)、カメラ(D)及びドライヤ(E))に紐付く機器画像70,72,76,78と画像80が表示されている。なお、画像80によって表されている観葉植物(F)は機器として識別されていない。機器の識別処理は、第1実施形態に係る識別処理(例えばAR技術を用いた識別処理)と同じである。また、機器画像は、撮影することで得られた機器を表す画像であってもよいし、機器を模式的に表す画像(例えばアイコン等)であってもよい。
上記のように機器が識別されると、端末装置16の制御部48は、機器選択画面をUI部46に表示させる。図15には、その機器選択画面82が示されている。機器選択画面82は、識別された1又は複数の機器の中からユーザが接続したい機器(つまり、ユーザが利用したい機器)を選択するための画面である。図14に示す例では、複合機(B)、プロジェクタ(C)、カメラ(D)及びドライヤ(E)が機器として識別されているため、それらを示す情報(例えば、機器画像や機器の名称等)が機器選択画面82に表示される。ユーザは機器選択画面82において、接続したい機器を選択することになる。機器選択画面82は、利用要求対象の機器の候補が表示される画面の一例に相当し、機器選択画面82に表示された機器は、利用要求対象の機器の候補に相当する。図15に示す例では、機器毎にチェックボックスが表示されており、ユーザがチェックボックスを指定することで接続対象の機器が選択される。図15に示す例では、複合機(B)とカメラ(D)がユーザによって選択されており、複合機(B)とカメラ(D)が利用要求対象(接続対象)の機器に相当する。
ユーザによって接続対象の機器が選択された場合、端末装置16は、選択された機器のアドレス情報を用いて、選択された機器に対して利用許可要求を示す情報を送信する。利用許可要求は、認証要求や接続要求ともいえる。利用許可要求を受けた機器は、接続要求したユーザによる利用を許可する(つまり、端末装置16との接続を許可する)、又は、接続要求したユーザによる利用を許可しない(つまり、端末装置16との接続を許可しない)。例えば、利用許可要求を示す情報には、接続要求したユーザを識別するためのユーザ識別情報(例えば、ユーザアカウント情報やユーザID等を含む)が含まれており、接続要求を受けた機器は、そのユーザ識別情報を用いて認証処理を行うことで利用許可の有無を判定する。例えば、接続要求を受けた機器に、接続要求したユーザのユーザ識別情報が登録されている場合、認証は成功し、そのユーザによる機器の利用が許可される。機器の利用が許可された場合、その機器と端末装置16との間に通信が確立され、その機器と端末装置16が接続される。接続要求を受けた機器に、接続要求したユーザのユーザ識別情報が登録されていない場合、認証は失敗し、そのユーザによる機器の利用が不許可(禁止)となる。この場合、その機器と端末装置16との間に通信は確立されず、その機器と端末装置16は接続されない。
別の例として、利用許可要求を示す情報には、接続要求を送信した端末装置16を識別するための端末識別情報が含まれており、接続要求を受けた機器は、その端末識別情報を用いて認証処理を行うことで、利用許可の有無を判定してもよい。例えば、接続要求を受けた機器に、接続要求を送信した端末装置16の端末識別情報が登録されている場合、認証は成功し、その端末装置16による機器の利用が許可される。接続要求を受けた機器に、接続要求を送信した端末装置16の端末識別情報が登録されていない場合、認証は失敗し、その端末装置16による機器の利用が不許可(禁止)となる。
利用の許可又は不許可を示す結果情報は、接続対象の機器から端末装置16に送信される。
図15に示す例では、複合機(B)とカメラ(D)に対して利用許可要求を示す情報が送信され、複合機(B)とカメラ(D)のそれぞれにおいて、利用許可の有無が判定され、複合機(B)とカメラ(D)のそれぞれから端末装置16に結果情報が送信される。
また、接続対象の機器がユーザによって指定されると、第1実施形態と同様に、サーバ14の特定部38は、接続対象の機器を利用して実行可能な機能を特定(識別)する。例えば、接続対象の機器として複数の機器がユーザによって選択された場合、サーバ14の特定部38は、連携機能管理情報34(例えば図7に示されている連携機能管理テーブル)を参照することで、それら複数の機器を利用することで実行可能な連携機能を特定(識別)する。図15に示す例では複合機(B)とカメラ(D)がユーザによって選択されているため、複合機(B)とカメラ(D)を利用することで実行可能な連携機能が特定される。また、接続対象の機器として1つの機器がユーザによって指定された場合、サーバ14の特定部38は、機器機能管理情報32(例えば図6に示されている機器機能管理テーブル)を参照することで、その機器が有する機能(単独機能)を特定(識別)する。連携機能を示す情報又は単独機能を示す情報は、サーバ14から端末装置16に送信される。
上記の認証処理によって機器の利用が許可されている場合、端末装置16の制御部48は、その機器を利用することで実行可能な機能を示す情報をUI部46に表示させる。例えば複合機(B)とカメラ(D)の利用が許可されている場合、端末装置16の制御部48は、複合機(B)とカメラ(D)を利用することで実行可能な連携機能を示す情報をUI部46に表示させる。例えば、端末装置16の制御部48は、図16に示すように、機能表示画面84をUI部46に表示させる。その機能表示画面84には、複合機(B)とカメラ(D)を利用することで実行可能な連携機能を示す情報が表示されている。ユーザが連携機能の実行指示を与えると、その連携機能が複合機(B)とカメラ(D)によって実行される。また、連携機能を実行するための機器と端末装置16との間の通信が切断され、その機器と端末装置16との接続が解除された場合、端末装置16の制御部48は、機能表示画面84をUI部46から消す。この場合、連携機能の実行指示を与えることができなくなる。
上記の認証処理によって機器の利用が許可されなかった場合、端末装置16の制御部48は、その旨を示す情報をUI部46に表示させる。このとき、制御部48は、利用が許可された機器を示す情報と利用が許可されなかった機器を示す情報とを区別してUI部46に表示させる。例えば、複合機(B)の利用が許可され、カメラ(D)の利用が許可されなかった場合、複合機(B)の利用が許可された旨を示す情報と、カメラ(D)の利用が許可されなかった旨を示す情報がUI部46に表示される。このとき、複合機(B)を利用して実行可能な単独機能を示す情報がUI部46に表示されてもよい。
また、機器選択画面82にて1つの機器がユーザによって選択され、その機器の利用が許可された場合、その機器が有する単独機能がUI部46に表示される。
上記の認証処理はサーバ14によって行われてもよい。この場合、ユーザによって選択された接続対象の機器を示すデバイス識別情報と利用許可要求を示す情報が、端末装置16からサーバ14に送信され、サーバ14の制御部36は、ユーザ識別情報や端末識別情報を用いて、そのデバイス識別情報が示す機器の利用の許可の有無を判定する。例えば、機器毎に利用可能なユーザや端末装置16が予め登録されており、サーバ14の制御部36は、その登録情報を参照することで利用の許可の有無を判定する。接続対象の機器に対して、接続要求したユーザや端末装置16が利用可能なユーザや端末装置として登録されている場合、その機器の利用が許可される。接続対象の機器に対して、接続要求したユーザや端末装置16が利用可能なユーザや端末装置として登録されていない場合、その機器の利用が不許可(禁止)となる。
連携機能や単独機能を特定する処理は、端末装置16によって行われてもよい。
図15に示す例では2つの機器が選択されているが、3つ以上の機器が選択された場合も、同じ処理が行われる。3つ以上の機器が選択された場合において、2つ以上の機器の利用が許可された場合、利用が許可された2つ以上の機器を利用することで実行可能な連携機能を示す情報が端末装置16のUI部46に表示される。このように、利用が許可された機器の数や種類に応じて連携機能が変わる。また、1つの機器の利用が許可された場合、利用が許可された1つの機器が有する単独機能を示す情報が端末装置16のUI部46に表示される。
第2実施形態に係る上記の処理は、ソフトウェアによって実現される機能に対して適用されてもよい。つまり、利用対象のソフトウェアとしてユーザによって選択されたソフトウェアに対する認証処理が行われ、その認証が成功してソフトウェアの利用が許可された場合、そのソフトウェアを利用することで実行可能な連携機能や単独機能が表示されてもよい。ソフトウェアを選択するための画面として、図15に示されている画面と同様の画面が表示され、その画面に、利用要求対象のソフトウェアの候補が表示される。例えば、端末装置にインストールされている複数のソフトウェアの中から、利用履歴やユーザの好み等に基づいて、複数の候補が選択されて画面に表示される。もちろん、インストールされているすべてのソフトウェアが表示されてもよい。その画面上にてユーザによって複数のソフトウェアが選択される。例えば複数のソフトウェアがユーザによって選択されて当該複数のソフトウェアの利用が許可された場合、当該複数のソフトウェアを利用することで実行可能な連携機能を示す情報が端末装置16のUI部46に表示される。また、1つのソフトウェアがユーザによって選択されて当該1つのソフトウェアの利用が許可された場合、当該1つのソフトウェアによって実現される機能が端末装置16のUI部46に表示される。また、第2実施形態に係る上記の処理は、ハードウェアとしての機器とソフトウェアによって実現される機能とを組み合わせて実行可能となる連携機能に適用されてもよい。つまり、利用対象の機器とソフトウェアの両方の利用が許可された場合、その機器とソフトウェアを利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置16のUI部46に表示される。
以上のように第2実施形態によれば、接続対象の機器の候補に紐付く画像が表示され、その候補から複数の機器がユーザによって選択されて、当該複数の機器の利用が許可された場合、当該複数の機器を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。こうすることで、利用可能な連携機能の情報がユーザに提供される。
また、認証処理に制限時間が設定されてもよい。例えば、予め定められた時間内に複数の機器の利用が許可された場合、端末装置16の制御部48は、それら複数の機器を利用して実行可能な連携機能を示す情報をUI部46に表示させる。また、予め定められた時間内に1つの機器の利用が許可された場合、端末装置16の制御部48は、その1つの機器が有する単独機能を示す情報をUI部46に表示させる。
なお、図15に示すように複合機(B)とカメラ(D)が接続対象の機器として選択された場合において、連携機能管理テーブルに、複合機(B)とカメラ(D)を利用することで実行可能な連携機能が登録されていない場合、サーバ14の特定部38は、複合機(B)とカメラ(D)を利用することで実行可能な連携機能が存在しないと判断する。この場合、サーバ14の制御部36は、複合機(B)とカメラ(D)によって連携機能を実行することができないことを示すメッセージを出力する。このメッセージは、端末装置16のUI部46に表示される。このような場合であっても、機器の稼働状況、機器が設置されている環境(周辺環境)、機器の機能の変化(更新)、等によって、連携機能の利用が可能となる場合がある。例えば、複合機(B)とドライヤ(E)が接続対象の機器として選択された場合において、当初は、複合機(B)とドライヤ(E)によって実行可能な連携機能が存在しない場合であっても、複合機(B)が設置されている環境において結露が発生しているとき、ドライヤ(E)によって結露を除去又は防止することが可能となる。この場合、複合機(B)とドライヤ(E)を利用することで実行可能な連携機能の利用が可能となるため、その連携機能を示す情報が、端末装置16のUI部46に表示されてもよい。例えば、サーバ14の制御部36は、各機器の稼働状況、各機器が設定されている環境(周辺環境)、各機器の機能の更新状況、等を監視しており、その監視結果に基づいて、連携機能の利用可能又は不可能を判断してもよい。複合機(B)とドライヤ(E)との組み合わせを例に挙げて説明すると、制御部36は、複合機(B)の周辺環境が特定の条件を満たした場合に(例えば、複合機(B)の周辺環境にて結露が発生した場合に)、連携機能の利用が可能であると判断して、ドライヤ(E)を用いた連携機能を特定(識別)する。機器の稼働状況についても同様であり、制御部36は、識別又は指定された機器群が特定の稼働状況に該当する場合、その機器群を利用する連携機能の利用が可能であると判断する。また、機器の機能が更新されて、更新後の機能によって連携機能の利用が可能となった場合も同様である。
以下、関連処理について説明する。
(関連処理1:連携機能に関する情報の表示の切り替え処理)
以下、関連処理1について説明する。第2実施形態において、複数の機器の選択の順番に応じて、連携機能に関する情報の表示が切り替えられてもよい。以下、図17から図19を参照して、この処理について詳しく説明する。
図17には、連携機能管理情報34の別の例としての連携機能管理テーブルが示されている。この連携機能管理テーブルにおいては、一例として、機器IDの組み合わせを示す情報と、連携対象の機器名(例えば各機器の種類)を示す情報と、連携機能を示す情報(連携機能情報)と、接続順番を示す情報と、優先順位を示す情報と、が対応付けられている。機器IDと機器名はデバイス識別情報の一例に相当する。接続順番は、機器の選択の順番に対応している。例えば図15に示されている機器選択画面82においてユーザが複数の機器を順番に選択した場合、その選択の順番が接続順番に相当する。優先順位は、連携機能に関する情報の表示の優先順位である。例えば、機器IDが「A」の機器はPC(パーソナルコンピュータ)であり、機器IDが「B」の機器は複合機である。PC(A)と複合機(B)を連携させることにより、連携機能として、例えば「スキャン転送機能」と「印刷機能」が実現される。「スキャン転送機能」は、複合機(B)によるスキャンによって生成された画像データをPC(A)に転送する機能である。「印刷機能」は、PC(A)に保存されているデータ(例えば画像データや文書データ)を複合機(B)に送信して複合機(B)にて印刷する機能である。例えば、複合機(B)からPC(A)に機器が接続された場合、つまり、複合機(B)、PC(A)の順番で各機器がユーザによって選択された場合、「スキャン転送機能」の優先順位が「1位」となり、「印刷機能」の優先順位は「2位」となる。この場合、「スキャン転送機能」に関する情報が「印刷機能」に関する情報よりも優先的に表示される。これとは逆に、PC(A)から複合機(B)に機器が接続された場合、つまり、PC(A)、複合機(B)の順番で各機器がユーザによって選択された場合、「印刷機能」の優先順位が「1位」となり、「スキャン転送機能」の優先順位が「2位」となる。この場合、「印刷機能」に関する情報が「スキャン転送機能」に関する情報よりも優先的に表示される。
図18には、端末装置16のUI部46に表示される画面の一例が示されている。例えば、複合機(B)とPC(A)が識別されて接続対象の機器としてユーザによって選択され、複合機(B)とPC(A)の利用が許可されているものとする。例えば、図15に示されている機器選択画面82において、複合機(B)、PC(A)の順番で各機器がユーザによって選択された場合、その選択の順番が接続順番として指定される。機器の接続順番を示す情報は、端末装置16からサーバ14に送信される。
上記のように連携対象の機器(例えば複合機(B)とPC(A))が指定されて利用が許可されると、サーバ14の特定部38は、図17に示されている連携機能管理テーブルにおいて、PC(A)と複合機(B)の組み合わせに対応付けられている連携機能を特定する。これにより、PC(A)と複合機(B)を連携させることによって実行される連携機能が特定される。また、ユーザによって機器の接続順番が指定されると、特定部38は、連携機能管理テーブルにおいて、その接続順番に対応付けられている優先順位を特定する。図17を参照して具体例を挙げて説明すると、PC(A)と複合機(B)が連携対象の機器として指定されているため、それらによって実行される連携機能は「スキャン転送機能」と「印刷機能」である。また、複合機(B)からPC(A)へ機器が接続されているため(B→A)、「スキャン転送機能」の優先順位は「1位」であり、「印刷機能」の優先順位は「2位」である。
上記のようにして特定された連携機能に関する情報と優先順位を示す情報は、サーバ14から端末装置16に送信される。端末装置16の制御部48は、その優先順位に従って、連携機能に関する情報を連携機能候補に関する情報としてUI部46に表示させる。
例えば図18に示すように、端末装置16の制御部48は、UI部46に機能表示画面86を表示させ、その機能表示画面86に連携機能候補に関する情報を表示させる。「スキャン転送機能」の優先順位が「1位」であり、「印刷機能」の優先順位が「2位」であるため、「スキャン転送機能」に関する情報が「印刷機能」に関する情報よりも優先的に(例えば上位に)表示されている。例えば、「スキャン転送機能」に関する情報として、「複合機(B)でスキャンしたデータをPC(A)に転送する。」という「スキャン転送機能」の説明文が表示される。また、「印刷機能」に関する情報として、「PC(A)にあるデータを印刷する。」という「印刷機能」の説明文が表示される。
連携機能がユーザによって指定されて実行指示が与えられると、指定された連携機能が実行される。例えば、「YES」ボタンがユーザによって押されると、その「YES」ボタンに紐付く連携機能が実行される。また、機能表示画面86に「戻る」ボタンが表示されており、ユーザが「戻る」ボタンを押すことにより、機器の接続処理が中止される。
なお、連携機能の特定処理及び優先順位の特定処理は、端末装置16にて行われてもよい。
図19には別の操作の例が示されている。例えば、図15に示されている機器選択画面82において、PC(A)、複合機(B)の順番で各機器がユーザによって選択された場合、その選択の順番が接続順番として指定される。機器の接続順番を示す情報は、端末装置16からサーバ14に送信される。図17に示されている連携機能管理テーブルを参照すると、「印刷機能」の優先順位が「1位」であり、「スキャン転送機能」の優先順位は「2位」である。この場合、図19に示すように、機能表示画面88において、「印刷機能」に関する情報が「スキャン転送機能」に関する情報よりも優先的に(例えば上位に)表示される。
以上のように、機器の選択の順番に応じて、連携機能に関する情報の表示順位が変更される。機器の接続順番は、各機器で利用される機能の順番や、連携する機器間を移動するデータの移動順番を兼ねており、機器を選択する操作は、機能の順番やデータの移動順番を指定する操作を兼ねることになる。それ故、接続順番に応じて連携機能に関する情報の表示順位を変えることにより、ユーザが利用するであろうと予測される連携機能に関する情報が優先的に表示される。つまり、ユーザが利用する可能性の高い連携機能に関する情報が優先的に表示される。例えば、複合機(B)、PC(A)の順番で各機器が選択された場合、「PC(A)よりも先に複合機(B)の機能を利用し、複合機(B)からPC(A)へデータを転送する」という連携機能がユーザによって利用されると予測される。また、PC(A)、複合機(B)の順番で各機器が選択された場合、「複合機(B)よりも先にPC(A)の機能を利用し、PC(A)から複合機(B)へデータを転送する」という連携機能がユーザによって利用されると予測される。それ故、機器を選択する順番に応じて連携機能に関する情報の表示順位を変えることにより、ユーザが利用する可能性の高い連携機能に関する情報が優先的に表示される。
上記の表示切替処理は、ソフトウェアによって実現される機能に適用されてもよい。例えば、機能選択画面において、第1ソフトウェアによって実現される第1機能と第2ソフトウェアによって実現される第2機能の選択の順番に応じて(つまり、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアの選択順に応じて)、連携機能に関する情報の表示が切り替えられる。また、上記の表示切替処理は、ハードウェアとしての機器とソフトウェアによって実現される機能とを組み合わせて実行可能となる連携機能に適用されてもよい。
なお、図17から図19に示す例では、2つの機器が選択されているが、3つ以上の機器が選択された場合も、その選択の順番に応じて連携機能の表示が切り替えられる。
(関連処理2:機器の部分を用いた連携処理)
以下、関連処理2について説明する。機器に紐付く機器画像内の位置毎に異なる機能が割り当てられていてもよい。機器画像内の位置がユーザによって指定されると、ユーザによって指定された位置に対応する機能を利用する連携機能に関する情報が表示される。以下、この処理について詳しく説明する。
図20には、機器機能管理テーブルの一例が示されている。この機器機能管理テーブルのデータは、機器機能管理情報32としてサーバ14に記憶されている。この機器機能管理テーブルにおいては、一例として、機器IDと、機器名(例えば機器の種類)を示す情報と、機器画像内位置を示す情報と、その機器画像内位置に対応する機能を示す情報(機能情報)と、画像IDと、が対応付けられている。機器画像内位置は、機器に紐付く機器画像内の特定の位置(特定の部位)であり、例えば、機器を模式的に表す機器画像内の特定の位置や、カメラによって撮影された機器画像内の特定の位置である。機器画像内の特定の位置毎に、異なる機能が対応付けられている。
図21には、端末装置16のUI部46に表示される機器表示画面68の一例が示されている。例えば、複合機(B)とPC(A)が識別されており、その機器表示画面68に機器画像70,90が表示されている。また、複合機(B)とPC(A)に含まれる部分も識別されている。部分の識別も、第1実施形態に係る識別技術(例えばAR技術)を用いることで実現される。例えば、機器の各部分を撮影してマーカレス型AR技術を適用することで、各部分が識別される。
機器画像90はPC(A)に紐付く画像である。例えば、機器画像70において複合機(B)の本体部分に対応する特定の位置(部分画像70a)には、「プリント機能」が割り当てられている。機器画像70において複合機(B)の原稿カバーや原稿ガラスや自動原稿給紙装置に対応する特定の位置(部分画像70b)には、「スキャン機能」が割り当てられている。機器画像70において後処理装置に対応する特定の位置(部分画像70c)には、「ステープル止め機能」が割り当てられている。「ステープル止め機能」は、出力された用紙をステープルによって止める機能である。また、機器画像90においてPC(A)の本体部分に対応する特定の位置(部分画像90a)には、「データ保存機能」が割り当てられている。機器画像90においてPC(A)の表示部に対応する特定の位置(部分画像90b)には、「画面表示機能」が割り当てられている。「データ保存機能」は、他の装置から送られてきたデータをPC(A)にて保存する機能である。「画面表示機能」は、他の装置から送られてきたデータをPC(A)にて表示する機能である。
なお、端末装置16の制御部48は、機器画像内の特定の位置に割り当てられている機能の名称(例えば印刷やスキャン等)を機器表示画面68に表示させてもよい。これにより、特定の位置にどのような機能が対応しているのかが分かり易い情報がユーザに提供される。もちろん、機能の名称は表示されなくてもよい。
上記のように機器と各部分が識別されると、端末装置16の制御部48は、機器選択画面をUI部46に表示させる。図22には、その機器選択画面82が示されている。上述した図15に示す例では、機器を示す情報(機器全体を示す情報)が機器選択画面82に表示されているが、図22に示す例では、機器全体を示す情報と、機器の各部分を示す情報が機器選択画面82に表示されている。図21に示す例では、複合機(B)とPC(A)が識別され、更に、それらの各部分が識別されているため、複合機(B)の全体、PC(A)の全体、複合機(B)の各部分、及び、PC(A)の各部分を示す情報(例えば、機器画像、機器の部分画像、名称等)が機器選択画面82に表示される。
ユーザは機器選択画面82において、接続した機器や部分を選択することになる。ここで選択された機器や部分が、接続対象の機器や部分に相当する。図22に示す例では、複合機(B)の本体とPC(A)の本体がユーザによって選択されており、複合機(B)とPC(A)が利用要求対象の機器に相当し、複合機(B)の本体とPC(A)の本体が利用要求対象の部分に相当する。この場合、複合機(B)とPC(A)に対する認証が成功した場合、複合機(B)とPC(A)の利用が許可される。
一方、サーバ14の特定部38は、例えば図7に示されている連携機能管理テーブルにおいて、PC(A)と複合機(B)を利用することで実行可能な連携機能を特定する。また、特定部38は、図20に示されている機器機能管理テーブルを参照することで、ユーザによって指定された部分(位置)に割り当てられている機能を特定する。そして、特定部38は、PC(A)と複合機(B)を利用することで実行可能な連携機能群の中で、ユーザによって選択されたPC(A)の本体と複合機(B)の本体を利用することで実行可能な連携機能の優先順位を上げて、それらを利用しない連携機能の優先順位を下げる。
上記のようにして特定された連携機能に関する情報と優先順位を示す情報は、サーバ14から端末装置16に送信される。そして、複合機(B)とPC(A)の利用が許可された場合、端末装置16の制御部48は、その優先順位に従って、連携機能に関する情報をUI部46に表示させる。上記の例では、PC(A)の本体と複合機(B)の本体を利用することで実行可能な連携機能を示す情報が優先的に(例えば上位に)表示される。
別の例として、ユーザによって選択された部分に対する認証が行われてもよい。上記の例では、複合機(B)の本体とPC(A)の本体に対する認証が行われ、その認証が成功した場合に、複合機(B)の本体とPC(A)の本体の利用が許可されてもよい。この場合、端末装置16の制御部48は、複合機(B)の本体とPC(A)の本体を利用することで実行可能となる連携機能を示す情報をUI部46に表示させる。上記の認証処理は、各機器にて行われてもよいし、サーバ14によって行われてもよい。
なお、連携機能は、互いに同じ機器又は互いに異なる機器の部分同士の組み合わせを利用する機能であってもよいし、機器の全体と機器の部分との組み合わせを利用する機能であってもよいし、機器の全体同士の組み合わせを利用する機能であってもよい。
また、関連処理1,2を組み合わせることで、機器や部分の選択の順番に応じて、連携機能に関する情報の表示が切り替えられてもよい。
また、1つの機器や1つの部分のみがユーザによって選択されたり、利用が許可された場合には、その1つの機器や1つの部分によって実行可能な単独機能を示す情報が端末装置16のUI部46に表示される。
上記のように機器の部分を用いた連携処理によれば、機器が複数の機能を有している場合に、機器を個別的に指定することができる。
(関連処理3:機器の部分を用いた連携処理の別の例)
以下、図23及び図24を参照して、関連処理3として、部分画像を用いた連携処理の別の例について説明する。
図23には、機器機能管理テーブルの一例が示されている。この機器機能管理テーブルのデータは、機器機能管理情報32としてサーバ14に記憶されている。機器機能管理テーブルにおいては、一例として、機器IDと、機器名(例えば機器の種類)を示す情報と、機器の部分の名称(例えば部分の種類)を示す情報と、その部分を識別するための部分識別情報としての部分IDと、その部分に割り当てられている機能(その部分が有する機能)を示す情報と、その部分に紐付く部分画像を識別するための部分画像IDと、が互いに対応付けられている。部分画像は、カメラによる撮影によって得られた機器の部分の外観を表わす画像である。もちろん、機器の部分を模式的に表す部分画像が、当該部分に対応付けられていてもよい。例えば、機器の部分毎に異なる機能が割り当てられている。
具体例を挙げて説明すると、PC(A)の表示部には画面表示機能が割り当てられており、その表示部に紐付く部分画像の部分画像IDには、画面表示機能を示す情報が対応付けられている。画面表示機能は、情報をPC(A)にて表示する機能である。PC(A)の本体部にはデータ保存機能が割り当てられており、その本体部に紐付く部分画像の部分画像IDには、データ保存機能を示す情報が対応付けられている。データ保存機能は、データをPC(A)に保存する機能である。
また、複合機(B)の本体部にはプリント機能が割り当てられており、その本体部に紐付く部分画像の部分画像IDには、プリント機能を示す情報が対応付けられている。複合機(B)の読取部(例えば、複合機(B)の原稿カバーや原稿ガラスや自動原稿給紙装置に対応する部分)にはスキャン機能が割り当てられており、その読取部に紐付く部分画像の部分画像IDには、スキャン機能を示す情報が対応付けられている。複合機(B)の後処理装置にはステープル止め機能が割り当てられており、その後処理装置に紐付く部分画像の部分画像IDには、ステープル止め機能を示す情報が対応付けられている。ステープル止め機能は、出力された用紙をステープルによって綴じる機能である。
機器の部分に割り当てられている機能は、例えば、マーカレス型AR技術を用いることによって特定(識別)される。例えば、機器の部分がカメラ(例えば端末装置16のカメラ42)によって撮影された場合、その部分を表わす外観画像データが端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14の特定部38は、機器機能管理テーブルにおいて、その外観画像データに対応付けられている機能を特定(識別)する。これにより、撮影された部分に割り当てられている機能が特定(識別)される。例えば、複合機(B)の本体部がカメラ42によって撮影された場合、複合機(B)の本体部を表わす外観画像データが端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14の特定部38は、機器機能管理テーブルにおいて、その外観画像データに対応付けられているプリント機能を特定する。これにより、複合機(B)の本体部に割り当てられている機能がプリント機能であることが特定される。
もちろん、機器の部分に割り当てられている機能は、マーカ型AR技術を用いることによって特定(識別)されてもよい。例えば、機器の各部分に、部分を識別するための部分識別情報(例えば部分ID)がコード化された2次元バーコード等のマーカが設けられている。部分に設けられているマーカがカメラによって撮影されてマーカ型AR技術が適用されると、その部分の部分識別情報(例えば部分ID)が取得される。マーカ型AR技術の適用は、端末装置16で行われてもよいし、サーバ14で行われてもよい。このように部分識別情報が取得されると、サーバ14の特定部38は、機器機能管理テーブルにおいて、その部分識別情報(例えば部分ID)に対応付けられている機能を特定(識別)する。
図24には、連携機能管理テーブルの一例が示されている。この連携機能管理テーブルのデータは、連携機能管理情報34としてサーバ14に記憶されている。この連携機能管理テーブルは、複数の部分が有する機能を利用する連携機能を示す情報であり、その連携機能管理テーブルにおいては、一例として、機器の部分の組み合わせを示す情報と、部分IDの組み合わせを示す情報と、その組み合わせに含まれる複数の部分が有する機能を利用する連携機能を示す情報と、が互いに対応付けられている。もちろん、連携機能管理テーブルにおいては、機器の部分と機器の全体との組み合わせを示す情報と、その機器の部分が有する機能と機器の全体が有する機能とを利用する連携機能を示す情報と、が対応付けられていてもよい。
具体例を挙げて説明すると、PC(A)の表示部と複合機(B)の本体部との組み合わせには、連携機能としてのプリント機能が割り当てられており、PC(A)の表示部の部分IDと複合機(B)の本体部の部分IDとの組み合わせを示す情報には、連携機能としてのプリント機能を示す情報が対応付けられている。連携機能としてのプリント機能は、例えば、PC(A)に保存されているデータを複合機(B)に送信して、そのデータを複合機(B)によって印刷する機能である。
また、複合機(B)の本体部とプロジェクタ(C)の本体部との組み合わせには、連携機能としてのプリント機能が割り当てられており、複合機(B)の本体部の部分IDとプロジェクタ(C)の本体部の部分IDとの組み合わせを示す情報には、連携機能としてのプリント機能を示す情報が対応付けられている。連携機能としてのプリント機能は、例えば、プロジェクタ(C)によって投影されているデータを複合機(B)に送信して、そのデータを複合機(B)によって印刷する機能である。
また、複合機(B)の読取部とプロジェクタ(C)の本体部との組み合わせには、連携機能としてのスキャン投影機能が割り当てられており、複合機(B)の読取部の部分IDとプロジェクタ(C)の本体部の部分IDとの組み合わせを示す情報には、連携機能としてのスキャン投影機能を示す情報が対応付けられている。連携機能としてのスキャン投影機能は、例えば、複合機(B)によるスキャンによって生成されたデータをプロジェクタ(C)に送信して、そのデータをプロジェクタ(C)によって投影する機能である。
なお、連携機能は、同一の機器に含まれる複数の部分が有する機能を利用する機能であってもよいし、互いに異なる複数の機器の部分が有する機能を利用する機能であってもよい。また、連携機能は、3つ以上の部分が有する機能を利用する機能であってもよい。
例えば、マーカ型AR技術又はマーカレス型AR技術を利用して、機器の複数の部分(例えば、互いに異なる複数の機器の複数の部分や、同一機器の複数の部分)が特定(識別)されると、サーバ14の特定部38は、連携機能管理テーブルにおいて、識別された複数の部分の組み合わせに対応付けられている連携機能を特定(識別)する。これにより、識別(例えば撮影)された複数の部分が有する機能を利用する連携機能が特定(識別)される。例えば、複合機(B)の本体部とプロジェクタ(C)の本体部が、端末装置16のカメラ42によって撮影されて、複合機(B)の本体部とプロジェクタ(C)の本体部が識別された場合、サーバ14の特定部38は、連携機能管理テーブルにおいて、複合機(B)の本体部とプロジェクタ(C)の本体部の組み合わせに対応付けられている連携機能としてのプリント機能等を特定する。
図23及び図24を用いた処理においても、機器や部分が識別されると、図22に示すように機器選択画面82が端末装置16のUI部46に表示される。機器選択画面82においてユーザによって機器や部分が選択され、その選択された機器や部分の利用が許可されると、その選択された機器や部分を利用することで実行可能な連携機能を示す情報が、端末装置16のUI部46に表示される。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態に係る機器システムについて説明する。第3実施形態に係る機器システムは、第1実施形態に係る機器システムと同じ構成を有する。第3実施形態では、第2実施形態と同様に、機器の利用が許可された場合、つまり、機器に対してユーザ又は端末装置16の認証が成功した場合、その機器を利用して実行可能な連携機能や単独機能の利用が可能となる。その利用の許可の判断(つまりユーザや端末装置16に対する認証処理)は、機器によって行われてもよいし、サーバ14によって行われてもよいし、認証サーバ等の別の装置によって行われてもよい。第3実施形態では、例えば近接無線通信を利用することで、端末装置16と各機器との間で通信を行い、機器の識別、ユーザや端末装置16の認証が行われる。以下、第3実施形態について詳しく説明する。
図25には、機器が示されている。一例として、PC(A)、複合機(B)、プロジェクタ(C)及び端末装置16が示されている。端末装置16は、一例としてスマートフォンや携帯電話等の携帯端末装置である。PC(A)には近接無線モジュール91aが設けられており、複合機(B)には近接無線モジュール91b,91c,91dが設けられており、プロジェクタ(C)には近接無線モジュール91eが設けられている。各近接無線モジュールは、近接無線通信を行う機能を備えた通信インターフェースである。また、端末装置16の通信部40は、近接無線通信を行う機能を備えている。
以下、機器を利用するときの手順について説明する。まず、ユーザは、端末装置16にインストールされているアプリケーション(連携機能や単独機能を利用するためのアプリケーション)を起動させ、接続対象の機器に設置された近接無線モジュールと端末装置16との間で近接無線通信が確立される距離まで、接続対象の機器に設置された近接無線モジュールに端末装置16を近づける。このとき、ユーザは、機器において近接無線モジュールが設置されている箇所に端末装置16を物理的に接触させてもよいし、その箇所に端末装置16を物理的に接触させずに、近接無線通信が確立される距離まで端末装置16をその箇所に近づけてもよい。以下においては、説明の便宜上、近接無線モジュールと端末装置16との間で近接無線通信が確立される距離まで端末装置16を近接無線モジュールに近づける操作を、「タッチ操作」と称することとする。
なお、機器に対してタッチ操作が行われた場合、当該機器や端末装置16から音や光が発せられてもよいし、当該機器や端末装置16が振動してもよい。こうすることで、タッチ操作が適切に行われたことがユーザに報知される。
接続対象の機器に設置された近接無線モジュールと端末装置16との間で近接無線通信が確立されると、利用許可要求を示す情報(例えば、ユーザ識別情報や端末識別情報を含む情報)が、近距離無線通信によって端末装置16から接続対象の機器に送信され、第2実施形態と同様に、接続対象の機器において認証処理が行われる。以下においては、説明の便宜上、タッチ操作による認証処理を「タッチ認証」と称することとする。
認証が成功して接続対象の機器の利用が許可された場合、利用の許可を示す情報と接続対象の機器を識別するためのデバイス識別情報(当該機器のアドレス情報を含む)とを含む結果情報が、近距離無線通信によって接続対象の機器から端末装置16に送信される。これにより、当該接続対象の機器のデバイス識別情報が、利用可能な機器のデバイス識別情報として端末装置16に記憶される。また、端末装置16は、当該接続対象の機器のデバイス識別情報をサーバ14に送信する。これにより、サーバ14において、当該接続対象の機器が識別され、当該機器が有する機能が特定される。
認証が失敗して接続対象の機器の利用が許可されない場合、不許可を示す情報が接続対象の機器から端末装置16に送信される。端末装置16のUI部46には、認証失敗、利用不可、等を示す情報が表示される。
なお、第2実施形態と同様に、上記の認証処理はサーバ14によって行われてもよい。この場合、端末装置16は、近接無線通信によって接続対象の機器からデバイス識別情報を取得し、そのデバイス識別情報と利用許可要求を示す情報をサーバ14に送信する。サーバ14は認証処理を行い、認証が成功した場合、当該接続対象の機器を利用した機能の利用が可能となる。
以上の操作を繰り返して複数の機器が識別された場合、サーバ14の特定部38は、連携機能管理情報34(例えば図7に示されている連携機能管理テーブル)を参照することで、それら複数の機器を利用することで実行可能な連携機能を特定する。その連携機能を示す情報はサーバ14から端末装置16に送信され、端末装置16のUI部46に表示される。
また、一度識別された機器に対して再びタッチ操作が行われて、一度識別された機器と端末装置16との間で再び近接無線通信が確立された場合、当該機器は、接続対象の機器(例えば連携機能に利用される機器や、単独機能を実行するための機器)から除外されてもよい。一度識別された機器と端末装置16との間で再び近接無線通信が確立されると、端末装置16は、当該機器からデバイス識別情報を取得し、そのデバイス識別情報をサーバ14に送信する。サーバ14は、そのデバイス識別情報を受信すると、そのデバイス識別情報が示す機器を利用対象の機器から除外する。サーバ14の特定部38は、除外された機器以外に複数の機器が識別されている場合、当該複数の機器を利用して実行可能な連携機能を特定し、除外された機器以外に1つの機器が識別されている場合、当該1つの機器によって実行可能な単独機能を特定する。このようにして特定された機能(連携機能や単独機能)を示す情報は、サーバ14から端末装置16に送信され、端末装置16のUI部46に表示される。
以下、図26及び図27を参照して、具体例を挙げて説明する。図26及び図27は、機能表示画面の一例を示す図である。
例えば、ユーザが複合機(B)とプロジェクタ(C)に対してタッチ操作を行い、複合機(B)とプロジェクタ(C)に対する認証が成功して、これらの機器の利用が許可されたものとする。この場合、図26に示すように、端末装置16のUI部46に機能表示画面92が表示され、その機能表示画面92に、複合機(B)とプロジェクタ(C)を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。機能表示画面92においてユーザが、その連携機能の実行指示を与えると、その連携機能が実行される。なお、複合機(B)には複数の近接無線モジュールが設けられているが、それらの中の1つの近接無線モジュールと端末装置16との間で近接無線通信が確立されることで、複合機(B)と端末装置16との間で近接無線通信を利用した情報の送受信が可能となる。
一度識別された複合機(B)と端末装置16との間で再び近接無線通信が確立した場合、複合機(B)は接続対象の機器から除外される。この場合において、プロジェクタ(C)のみが識別されている場合、プロジェクタ(C)が有する機能(単独機能)を示す情報が端末装置16のUI部46に表示される。プロジェクタ(C)と端末装置16との間で再び近接無線通信が確立された場合も同様である。
以上のように第3実施形態によれば、タッチ操作という簡単な操作によって機器が識別され、また、ユーザや端末装置16が認証されて、連携機能を示す情報が表示される。
また、上述した関連処理1が適用されることで、各機器へのタッチ操作の順番に応じて、つまり、各機器の識別の順番に応じて(更に換言すると、利用許可要求が行われた機器の順番に応じて)、連携機能に関する情報の表示が切り替えられてもよい。例えば、複合機(B)、プロジェクタ(C)の順番でタッチ操作が行われて各機器が識別された場合と、プロジェクタ(C)、複合機(B)の順番でタッチ操作が行われて各機器が識別された場合とで、異なる連携機能を示す情報が表示されてもよい。
また、関連処理2又は関連処理3が適用されることで機器の部分が識別され、その部分を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示されてもよい。例えば、機器の各部分に近接無線モジュールが設けられており、近接無線モジュールは、自身が設置された部分を識別するための部分識別情報(例えば部分ID)を、近接無線通信の相手(例えば端末装置16)に送信する。こうすることで、各部分を識別するための部分識別情報が取得され、各部分が識別される。
図25に示す例では、複合機(B)の各部分に近接無線モジュールが設けられている。具体的には、複合機(B)の本体部分に近接無線モジュール91bが設けられており、複合機(B)のスキャン部分に近接無線モジュール91cが設けられており、複合機(B)の後処理装置に近接無線モジュール91dが設けられている。例えば、ユーザが近接無線モジュール91bが設置されている箇所に対してタッチ操作を行い、端末装置16と近接無線モジュール91bとの間で近接無線通信が確立された場合、利用許可要求を示す情報が、近接無線通信によって端末装置16から近接無線モジュール91bに送信され、複合機(B)において認証処理が行われる。この認証処理は、近接無線モジュール91bが設けられている本体部分の利用を許可するか否かを判定するための処理である。その認証が成功した場合、つまり、本体部分の利用が許可された場合、利用の許可を示す情報、複合機(B)のデバイス識別情報、及び、本体部分の部分識別情報が、近接無線通信によって複合機(B)から端末装置16に送信される。デバイス識別情報と部分識別情報はサーバ14に送信され、サーバ14において、複合機(B)及び本体部分が識別され、当該本体部分が有する機能が特定される。
以上の操作を繰り返して複数の部分が識別された場合、サーバ14の特定部38は、連携機能管理情報34(例えば図23に示されている連携機能管理テーブル)を参照することで、それら複数の部分を利用して実行可能な連携機能を特定する。その連携機能を示す情報はサーバ14から端末装置16に送信され、端末装置16のUI部46に表示される。複数の部分は同一の機器から選択されてもよいし、互いに異なる複数の機器から選択されてもよい。もちろん、機器の部分と機器の全体が選択されて、部分と全体との組み合わせによって実行可能な連携機能を示す情報が表示されてもよい。
また、一度識別された機器に対して再びタッチ操作が行われて、一度識別された部分と端末装置16との間で再び近接無線通信が確立された場合、当該部分は、接続対象の部分(例えば連携機能に利用される部分や、単独機能を実行するための部分)から除外されてもよい。一度識別された部分に設けられた近接無線モジュールと端末装置16との間で再び近接無線通信が確立されると、端末装置16は、当該近接無線モジュールからデバイス識別情報と部分識別情報を取得し、そのデバイス識別情報と部分識別情報をサーバ14に送信する。サーバ14は、そのデバイス識別情報と部分識別情報を受信すると、そのデバイス識別情報が示す機器においてその部分識別情報が示す部分を利用対象の部分から除外する。サーバ14の特定部38は、除外された部分以外に複数の機器や部分が識別されている場合、当該複数の機器や部分を利用して実行可能な連携機能を特定し、除外された機器以外に1つの機器や部分が識別されている場合、当該1つの機器や部分によって実行可能な単独機能を特定する。このようにして特定された機能(連携機能や単独機能)を示す情報は、サーバ14から端末装置16に送信され、端末装置16のUI部46に表示される。
上述した関連処理1と関連処理2との組み合わせ、又は、関連処理1と関連処理3との組み合わせが適用されてもよい。この場合、機器の部分へのタッチ操作の順番に応じて、つまり、機器の部分の識別の順番に応じて(更に換言すると、利用許可要求が行われた機器の部分の順番に応じて)、連携機能に関する情報の表示が切り替えられる。
なお、機器の利用が許可されなかった場合、利用が許可される機器が案内されてもよい。機器の利用が許可されなかった場合、当該機器のデバイス識別情報と不許可を示す情報が当該機器から端末装置16に送信され、更に、そのデバイス識別情報と不許可を示す情報が、端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14は、例えば、利用が不許可となった機器と同種の機器であって、当該端末装置16のユーザや当該端末装置16によって利用可能な機器を示すデバイス識別情報を端末装置16に送信する。端末装置16のUI部46には、利用可能な機器を示すデバイス識別情報が表示される。利用可能な機器が設置されている場所を示す情報が表示されてもよい。
同様に、機器の部分の利用が許可されなかった場合、利用が許可される機器の部分が案内されてもよい。機器の部分の利用が許可されなかった場合、当該機器のデバイス識別情報、当該部分の部分識別情報及び不許可を示す情報が、当該機器から端末装置16に送信され、更に、サーバ14に送信される。サーバ14は、例えば、利用が不許可となった部分と同種の部分を有し利用が不許可となった機器と同種の機器であって、当該端末装置16のユーザや当該端末装置16によって利用可能な機器を示すデバイス識別情報を端末装置16に送信する。端末装置16のUI部46には、利用可能な機器を示すデバイス識別情報が表示される。利用可能な機器が設置されている場所を示す情報が表示されてもよい。
また、予め定められた制限時間内にタッチ操作が行われた機器を利用して実行可能な機能(連携機能や単独機能)を示す情報が端末装置16のUI部46に表示されてもよい。その制限時間の開始時点は、例えば、タッチ認証が最初に成功した時点であってもよいし、ユーザが指定した時点であってもよい。制限時間の終了時点は、例えば、タッチ認証が最初に成功した時点から予め定められた時間が経過した時点であってもよいし、ユーザが指定した時点であってもよい。制限時間の長さは、ユーザによって変更されてもよい。サーバ14の特定部38は、その制限時間内にタッチ認証が成功した機器を利用して実行可能な機能を特定する。制限時間内に複数の機器に対するタッチ認証が成功した場合、特定部38は、それら複数の機器を利用して実行可能な連携機能を特定し、その連携機能を示す情報は端末装置16のUI部46に表示される。制限時間内に1つの機器に対するタッチ認証が成功した場合、特定部38は、その1つの機器が有する機能(単独機能)を特定し、その単独機能を示す情報は端末装置16のUI部46に表示される。
例えば、制限時間内に複合機(B)とプロジェクタ(C)に対するタッチ認証が成功した場合、図26に示すように、複合機(B)とプロジェクタ(C)を利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置16のUI部46に表示される。その制限時間が経過した後、新たに、複合機(B)、プロジェクタ(C)及びPC(A)に対するタッチ認証が成功した場合、サーバ14において、複合機(B)、プロジェクタ(C)及びPC(A)を利用して実行可能な連携機能が特定される。この場合、図27に示すように、その連携機能を示す情報が、機能表示画面92に表示される。図27に示す例では、先に特定された連携機能(複合機(B)とプロジェクタ(C)を利用して実行可能な連携機能)が、1番目の連携機能として表示され、後から特定された連携機能(複合機(B)、プロジェクタ(C)及びPC(A)を利用して実行可能な連携機能)が、2番目の連携機能として表示されている。もちろん、表示順はこの順番に限定されるものではなく、先に特定された連携機能が、後に特定された連携機能よりも下位に表示されてもよい。
制限時間は、機器の部分に対するタッチ認証に適用されてもよい。この場合も上記と同様に、制限時間内に複数の部分に対するタッチ認証が成功した場合、当該複数の部分を利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置16のUI部46に表示される。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態に係る機器システムについて説明する。第4実施形態に係る機器システムは、第1実施形態に係る機器システムと同じ構成を有する。第4実施形態では、連携機能の実行に必要な機器を示す情報が端末装置16のUI部46に表示され、近接無線通信を利用して当該機器との間で通信が行われた場合、当該機器を利用して実行可能な連携機能の実行が制御される。
以下、第4実施形態において機器を利用するときの手順について説明する。まず、ユーザは、端末装置16にインストールされているアプリケーション(連携機能や単独機能を利用するためのアプリケーション)を起動させる。これにより、端末装置16のUI部46には、連携機能の一覧が表示される。例えば、端末装置16の制御部48は、図28に示すように、機能表示画面94をUI部46に表示させ、連携機能の一覧を機能表示画面94に表示させる。ユーザは、その一覧の中から実行対象の連携機能を選択する。もちろん、ユーザは、実行対象の連携機能を示す情報を直接的に端末装置16に入力してもよい。機能表示画面94においては、連携機能毎に、連携機能を実行するために必要な機器を示す情報が表示される。例えば、連携機能としての「スキャンした画像を投影する」機能を実行するためには、「複合機」と「プロジェクタ」が必要となる。連携機能の一覧を示す情報と、各連携機能を実行するために必要な各機器のデバイス識別情報は、例えば、サーバ14から端末装置16に送信されてUI部46に表示される。もちろん、これらの情報が端末装置16に予め記憶されていてもよい。
連携機能を実行するために必要な機器は、機器の種別(例えば、「複合機」や「プロジェクタ」といった機器の種別)によって規定されてもよいし、機器の型番によって規定されてもよいし、機器を一意に識別するための情報(例えば、各機器に固有の名称やユニークID等)によって規定されてもよい。連携機能を実行するために必要な機器が機器の種別によって規定される場合、機能表示画面94には、その必要な機器として機器の種別を示す情報(例えば「複合機」等)が表示される。連携機能を実行するために必要な機器が特定の機器によって規定される場合、機能表示画面94には、その特定の機器を識別するための固有の名称(例えば「複合機B」等)やユニークID等が表示される。
機能表示画面94において、ユーザが実行対象の連携機能を選択すると(例えば、実行対象の連携機能に紐付く決定ボタン「はい」を選択すると)、実行対象の連携機能が確定され、その連携機能を実行するために必要な機器が確定される。その後、ユーザは、第3実施形態と同様にタッチ操作を行う。タッチ操作が行われると、タッチ操作が行われた機器から端末装置16に対してデバイス識別情報(当該機器のアドレス情報を含む)が送信され、そのデバイス識別情報に基づいて、タッチ操作が行われた機器が識別される。この識別処理は、上述した実施形態と同様にサーバ14によって行われてもよいし、端末装置16によって行われてもよい。また、第3実施形態と同様にタッチ認証によって、機器に対するユーザや端末装置16の認証が行われてもよいし、そのような認証が行われなくてもよい。
連携機能を実行するために必要な機器が機器の種別によって規定されている場合において、タッチ操作が行われた機器から端末装置16に送信されたデバイス識別情報が示す機器の種別が、連携機能を実行するために必要な機器の種別と一致する場合、タッチ操作が行われた機器は、連携機能を実行するために必要な機器であると判定される。それらが一致しない場合、タッチ操作が行われた機器は、連携機能を実行するために必要な機器ではないと判定される。この判定処理は、端末装置16の制御部48によって行われてもよいし、サーバ14の制御部36によって行われてもよい。
連携機能を実行するために必要な機器が特定の機器によって規定されている場合において、タッチ操作が行われた機器から端末装置16に送信されたデバイス識別情報が示す機器の名称やユニークID等が、連携機能を実行するために必要な機器の名称やユニークID等と一致する場合、タッチ操作が行われた機器は、連携機能を実行するために必要な機器であると判定される。それらが一致しない場合、タッチ操作が行われた機器は、連携機能を実行するために必要な機器ではないと判定される。
機器の型番等が用いられる場合も同様の処理によって、タッチ操作が行われた機器が、連携機能を実行するために必要な機器に該当するか否かの判定が行われる。
ユーザによって選択された連携機能を実行するために必要なすべての機器に対してタッチ操作が行われて当該すべての機器が識別された場合、つまり、上記の判定処理によって、連携機能を実行するために必要なすべての機器に対してタッチ操作が行われたと判定された場合、端末装置16は、連携機能を実行するために必要な各機器に接続要求を示す情報を送信し、更に、連携機能の実行指示を示す情報を当該各機器に送信する。これにより、各機器は連携機能を実行する。図28に示す例では、連携機能を実行するために必要な機器は「複合機」と「プロジェクタ」であるため、「複合機」と「プロジェクタ」へのタッチ操作が行われてそれらの識別が完了した段階で、連携機能の実行指示を示す情報が「複合機」と「プロジェクタ」に送信され、「複合機」と「プロジェクタ」によって連携機能が実行される。
以上のように第4実施形態によれば、連携機能を実行するために必要な機器を示す情報が表示され、タッチ操作という簡単な操作で連携機能の実行が可能となる。
また、連携機能を実行するために必要なすべての機器に対してタッチ操作が行われて当該すべての機器が識別された場合、端末装置16の制御部48は、図29に示すように、確認画面96をUI部46に表示させてもよい。確認画面96において、ユーザが連携機能の実行指示を与えた場合(例えば、ユーザが「はい」を選択した場合)、端末装置16は、各機器に接続要求を示す情報を送信し、更に、各機器に連携機能の実行指示を示す情報を送信する。こうすることで、ユーザの意図しないところで連携機能が自動的に実行されてしまうことを防止できる。確認画面96において、ユーザが連携機能の解除指示を与えた場合(例えば、ユーザが「いいえ」を選択した場合)、連携機能の指定が解除される。
また、タッチ操作に対する制限時間が設定されてもよい。例えば、ユーザが連携機能を選択した時点から予め定められた制限時間内に、当該連携機能を実行するために必要なすべての機器に対してタッチ操作が行われた場合、連携機能が実行されたり、上記の確認画面が表示されたりしてもよい。
また、端末装置16は、連携機能を実行するために必要なすべての機器に対してタッチ操作が行われて当該すべての機器が識別される前に、識別が完了した機器に連携機能の実行指示を与えて、その機器に先行処理を実行させてもよい。例えば、ユーザによって選択された連携機能が、第1機器と第2機器がその順番で利用されることで実行可能な機能である場合において、第1機器に対してタッチ操作が行われて第1機器が識別された場合、端末装置16は、その連携機能の中で第1機器が有する第1機能(つまり、第1機器が実行すべき機能)を第1機器に先行して実行させる。その後、第2機器に対してタッチ操作が行われて第2機器が識別された場合、端末装置16は、第1機器の実行結果を用いて、連携機能の中で第2機器が有する第2機能(つまり、第2機器が実行すべき機能)を第2機器に実行させる。図28に示す例では、「複合機」が第1機器に相当し、「プロジェクタ」が第2機器に相当する。この場合において、「複合機」に対してタッチ操作が行われて「複合機」が識別された場合、端末装置16は、スキャン処理の実行指示を示す情報を「複合機」に送信する。その実行指示を受けた「複合機」は、スキャン処理を実行することで画像データを生成する。次に、「プロジェクタ」に対してタッチ操作が行われて「プロジェクタ」が識別された場合、端末装置16は、画像投影処理の実行指示を示す情報を「プロジェクタ」に送信する。その実行指示を受けた「プロジェクタ」は、「複合機」から画像データを受けて、その画像データに基づく画像を投影する。なお、「複合機」に送信される実行指示を示す情報には、画像データの送信先である「プロジェクタ」のアドレス情報が含まれており、「複合機」は、そのアドレス情報を用いて、画像データを「プロジェクタ」に送信する。もちろん、画像データは、端末装置16やサーバ14を経由して「複合機」から「プロジェクタ」に送信されてもよい。
先行処理が適さない連携機能がユーザによって選択された場合、その連携機能を実行するために必要なすべての機器に対してタッチ操作が行われてすべての機器が識別されたときに、連携機能の実行指示が端末装置16から各機器に与えられる。例えば、連携機能が、プリンタによる印刷後に、印刷物に対してステープル処理を施すという機能である場合において、後処理装置としてのステープルが存在しない場合、後処理装置へのタッチ操作に先行して印刷をプリンタに実行させても、ステープル処理が施された印刷物を作成することができないため、このような連携機能は先行処理に適さない機能である。例えば、先行処理が適さない連携機能が予め定められており、その連携機能がユーザによって選択された場合、先行処理は実行されず、その連携機能を実行するために必要なすべての機器に対してタッチ操作が行われてすべての機器が認証されたときに、その連携機能の実行指示が端末装置16から各機器に与えられる。
なお、連携機能を実行するために必要な機器以外の機器に対してタッチ操作が行われた場合、その旨を示す情報が端末装置16のUI部46に表示されてもよいし、その機器が識別されて、その識別結果を示す情報が端末装置16に記憶されてもよい。
連携機能の実行が終了した後、その連携機能を示す情報、その連携機能を実行するために必要な各機器のデバイス識別情報(機器のアドレス情報を含む)、及び、各機器の識別結果を示す情報が、履歴情報として端末装置16やサーバ14に記憶されてもよい。その履歴情報を利用して連携機能の実行指示を与えられるようにしてもよい。例えば、履歴に含まれる連携機能が選択されて実行指示が与えられた場合、端末装置16は、その連携機能を実行するために必要な各機器に、連携機能の実行指示を示す情報を送信する。このとき、各機器は識別済みであるため、再度の識別が不要となる。
また、関連処理2又は関連処理3が適用されることで機器の部分が識別され、その部分を利用して実行可能な連携機能が実行されてもよい。例えば、図28に示されている機能表示画面94において、連携機能を実行するために必要な機器の部分が表示される。また、第3実施形態と同様に、機器の各部分に近接無線モジュールが設けられており、近接無線モジュールは、自身が設置された部分を識別するための部分識別情報(例えば部分ID)を、近接無線通信の相手(例えば端末装置16)に送信する。この場合、連携機能を実行するために必要なすべての機器の部分に対してタッチ操作が行われてすべての部分が識別された場合、端末装置16は、連携機能の実行指示を示す情報を当該すべての機器に送信する。その実行指示を受けた機器の部分は、自身に割り当てられた機能を実行する。また、図29に示すように確認画面96が表示されてもよい。
すべての部分に対するタッチ操作が行われて当該すべての部分が認識された段階で、連携機能の実行指示が各機器に与えられてもよいし、すべての部分が認識される前に、既に認識された部分に機能を実行させてもよい(先行処理)。例えば、ユーザによって選択された連携機能が、機器の第1部分と機器の第2部分がその順番で利用されることで実行可能な機能である場合において、先行処理が行われる場合、第1部分に対してタッチ操作が行われて第1部分が識別されると、端末装置16は、その連携機能の中で第1部分が有する第1機能(つまり、第1部分が実行すべき機能)を第1部分に先行して実行させる。その後、第2部分に対してタッチ操作が行われて第2部分が識別された場合、端末装置16は、第1部分の実行結果を用いて、連携機能の中で第2部分が有する第2機能(つまり、第2部分が実行すべき機能)を第2部分に実行させる。なお、第1部分と第2部分は、同一の機器の部分であってもよいし、互いに異なる機器の部分であってもよい。
また、制限時間が設定されて、その制限時間内に、連携機能を実行するために必要なすべての機器の部分に対してタッチ操作が行われてすべての部分が識別された場合に、連携機能が実行されてもよい。
第4実施形態は、単独機能の実行に適用されてもよい。例えば、単独機能の一覧と、単独機能毎に単独機能を実行するために必要な機器を示す情報が、端末装置16のUI部46に表示される。その一覧の中から単独機能がユーザによって選択され、更に、その単独機能を実行するために必要な機器に対してタッチ操作が行われて機器が識別された場合、端末装置16は、単独機能の実行指示を示す情報をその機器に送信する。実行指示を受けた機器は、ユーザによって選択された単独機能を実行する。
また、上記の第2、第3及び第4実施形態において、ユーザ(端末装置16)と機器との位置関係に応じて、その機器の利用、つまり、その機器を利用して実行可能な連携機能やその機器が有する単独機能の利用が禁止されてもよい。例えば、機器毎に利用可能なエリアが定められており、機器毎に利用可能なエリアを示す情報がサーバ14に記憶されている。端末装置16の位置情報がGPS機能によって取得され、その位置情報が端末装置16からサーバ14に送られる。サーバ14の制御部36は、接続対象の機器について利用可能なエリアと端末装置16の位置とを比較し、そのエリア内に端末装置16が存在している場合、その機器の利用を許可し、そのエリア内に端末装置16が存在していない場合、その機器の利用を許可しない(禁止する)。例えば、機器の位置を基準として予め定められた距離内が、利用可能なエリアとして定められてもよいし、機器を含む任意の形状や大きさを有するエリアや、機器を含まないエリアが、利用可能なエリアとして定められてもよい。ユーザ(端末装置16)と機器の部分との位置関係についても同様である。
なお、連携機能の中からユーザによって選択された連携機能は、機器の全体と機器の部分との組み合わせによって実行される機能であってもよい。この場合、その機器と部分に対してタッチ操作が行われて認識された場合、その機器と部分によって連携機能が実行される。
<第5実施形態>
以下、第5実施形態に係る機器システムについて説明する。第5実施形態に係る機器システムは、第1実施形態に係る機器システムと同じ構成を有する。第5実施形態では、複数のユーザによって複数の機器が識別された場合に、当該複数の機器を利用することで実行可能な連携機能の表示が制御される。
以下、図30を参照して、第5実施形態において機器を利用するときの手順について説明する。一例として、ユーザαとユーザβによる操作によって複数の機器が識別されるものとする。端末装置16Aはユーザαが操作する装置であり、端末装置16Bはユーザβが操作する装置である。端末装置16A,16Bは、端末装置16と同じ構成を有する。
まず、ユーザαが端末装置16Aを操作することで機器を識別する。ここで識別される機器は複合機Bである。識別処理として、上述した第1実施形態から第4実施形態における識別処理が利用される。例えば、AR技術を用いることで機器が識別されてもよいし、タッチ操作が行われることで機器が識別されてもよい。もちろん、別の識別技術によって機器が識別されてもよい。識別処理は、サーバ14によって行われてもよいし、端末装置16Aによって行われてもよい。また、第3実施形態と同様に、ユーザαや端末装置16Aの認証が行われてもよい。複合機Bが識別されると、端末装置16AのUI部46には、機器表示画面98が表示される。その機器表示画面98には、識別された複合機Bに紐付く機器画像が表示される。その機器画像は、複合機Bを撮影することで得られた画像であってもよいし、複合機Bを模式的に表す画像(例えばアイコン)であってもよい。また、複合機Bに対する識別操作を行ったユーザαの識別情報(例えばユーザαの氏名やユーザID等)や、ユーザαが所属するグループの識別情報(例えばグループの名称やグループID等)が、複合機Bに紐付く画像に関連付けられて機器表示画面98に表示されてもよい。グループについては後で詳しく説明する。
上記のように機器としての複合機Bが識別されると、ユーザαは、連携相手のユーザβに対して識別結果を送る。具体的には、端末装置16Aは、ユーザαによる送信指示に従って、複合機Bの識別結果を示す情報を端末装置16Bに送信する。識別結果を示す情報には、複合機Bのデバイス識別情報(複合機Bのアドレス情報を含む)が含まれている。なお、端末装置16A,16Bには、それぞれ相手のアドレス情報が記憶されているものとする。
次に、ユーザβが端末装置16Bを操作することで機器を識別する。ここで識別される機器はノートPC(A)である。AR技術によって機器が識別されてもよいし、タッチ操作によって機器が識別されてもよいし、別の識別技術によって機器が識別されてもよい。識別処理は、サーバ14によって行われてもよいし、端末装置16Bによって行われてもよい。また、ユーザβや端末装置16Bの認証が行われてもよい。ノートPC(A)が識別されると、端末装置16BのUI部46には、機器表示画面100が表示される。その機器表示画面100には、ユーザαによる操作によって識別された複合機Bに紐付く機器画像と、ユーザβによる操作によって識別されたノートPC(A)に紐付く機器画像が表示される。ノートPC(A)に紐付く機器画像は、ノートPC(A)を撮影することで得られた画像であってもよいし、ノートPC(A)を模式的に表す画像(例えばアイコン)であってもよい。また、ノートPC(A)に対する識別操作を行ったユーザβの識別情報(例えばユーザβの氏名やユーザID等)や、ユーザβが所属するグループの識別情報が、ノートPC(A)に紐付く画像に関連付けられて機器表示画面100に表示されてもよい。
ノートPC(A)が識別された場合、その識別結果を示す情報が、端末装置16Bから端末装置16Aに送信されてもよい。その識別結果を示す情報には、ノートPC(A)のデバイス識別情報(ノートPC(A)のアドレス情報を含む)が含まれている。この場合、端末装置16AのUI部46に表示されている機器表示画面98に、複合機Bに紐付く機器画像と共にノートPC(A)に紐付く機器画像が表示される。
また、サーバ14の特定部38は、連携機能管理情報34(例えば図7に示されている連携機能管理テーブル)を参照することで、上記の識別結果に基づいて、複合機BとノートPC(A)を利用して実行可能な連携機能を特定する。なお、識別処理が、端末装置16A,16Bによって行われている場合、その識別結果を示す情報がサーバ14に送信され、サーバ14において、その識別結果に基づいて連携機能が特定される。なお、端末装置16A又は端末装置16Bによって連携機能が特定されてもよい。
サーバ14において連携機能が特定された場合、その連携機能を示す情報が、サーバ14から端末装置16A,16Bに送信され、端末装置16A,16BのUI部46に表示される。なお、連携機能を示す情報は、端末装置16A,16Bの両方に送信されて両方の端末装置にて表示されてもよいし、いずれか一方の端末装置に送信されてその端末装置にて表示されてもよい。例えば、連携機能を示す情報は、予め定められたユーザの端末装置に送信されて表示されてもよいし、最後に識別処理を行った端末装置に送信されて表示されてもよいし、最初に識別処理を行った端末装置に送信されて表示されてもよいし、連携機能の実行によって最終的な成果物を出力する機器の識別に用いられた端末装置に送信されて表示されてもよいし、連携機能の実行を指示する権限を有するユーザの端末装置に送信されて表示されてもよい。
例えば、連携機能に含まれる複数の処理の最後の処理が印刷の場合、プリンタや複合機が成果物としての印刷物を生成する。この場合、その成果物としての印刷物を生成するプリンタや複合機に対して識別操作を行ったユーザの端末装置に、連携機能を示す情報が表示される。
また、最後に識別操作を行ったユーザに応じて連携機能が変更されてもよい。例えば、最後に識別操作を行うユーザのユーザ識別情報と連携機能を示す情報とが対応付けられており、その対応付けを示す情報がサーバ14に記憶されている。最後に識別操作を行ったユーザの端末装置16からサーバ14に当該ユーザのユーザ識別情報が送信され、そのユーザ識別情報に対応付けられている連携機能を示す情報が、端末装置16に表示される。例えば、最後に識別操作を行ったユーザが管理権限を有するユーザに該当する場合と管理権限を有していないユーザに該当する場合とで、異なる連携機能を示す情報が表示されてもよい。こうすることで、管理権限の有無に応じて異なる連携機能が表示される。もちろん、管理権限の有無に関わらず、ユーザ毎に利用可能な連携機能が定められている場合、その定めに従って、最後に識別操作を行ったユーザに応じて連携機能が変更されてもよい。
図31には、機能表示画面102が示されている。その機能表示画面102は、端末装置16A,16Bの両方又はいずれか一方に表示される。機能表示画面102には、上記のようにして特定された連携機能を示す情報が表示される。なお、機能表示画面102は、最後に識別処理を行った端末装置16BのUI部46に表示され、その後、連携機能の利用が可能となったことを示す通知が、端末装置16Bから端末装置16Aに送信され、その後に、機能表示画面102が、端末装置16AのUI部46に表示されてもよい。
識別操作を行った複数のユーザの中の少なくとも1人のユーザが、連携機能の実行を指示する。図30に示す例では、ユーザα又はユーザβが実行を指示する。ユーザα又はユーザβは、自身が有する端末装置を用いて、機能表示画面102に表示されている連携機能の一覧の中から実行対象の連携機能を選択して実行を指示する。これにより、各機器に対して連携機能の実行指示を示す情報が送られる。その実行指示を示す情報には、各機器のアドレス情報(例えばノートPC(A)と複合機Bのアドレス情報)が含まれている。実行指示を示す情報は、実行を指示した端末装置から各機器に直接的に送られてもよいし、サーバ14を介して各機器に送られてもよいし、他の端末装置を介して各機器に送られてもよいし、機器から他の機器に送られてもよい。例えば、ユーザβが端末装置16Bを用いて実行を指示した場合、その実行指示を示す情報が、端末装置16BからノートPC(A)に送信され、また、端末装置16A又はノートPC(A)を介して複合機Bに送られる。もちろん、その実行指示を示す情報は、サーバ14を介して、ノートPC(A)と複合機Bに送られてもよい。
実行を指示したユーザの端末装置16から、実行を指示していないユーザの端末装置16に、実行指示が与えられた旨を示す情報が送信されて表示される。例えば、ユーザβが端末装置16Bを用いて実行を指示した場合、実行指示を与えられた旨を示す情報が、端末装置16Bから端末装置16Aに送信され、端末装置16AのUI部46に表示される。例えば図32に示すように、端末装置16AのUI部46に確認画面104が表示され、その確認画面104に、実行指示が与えられた旨を示す情報が表示される。
なお、連携機能の実行を指示する権限を有するユーザが実行を指示した場合に、連携機能が実行されてもよいし、その権限が付与された端末装置16を用いて指示が与えられた場合に、連携機能が実行されてもよい。
複数のユーザが実行を指示してもよい。例えば、識別操作を行ったすべてのユーザが実行を指示した場合に、連携機能が実行されてもよい。図30に示す例では、ユーザαが端末装置16Aを用いて実行を指示し、ユーザβが端末装置16Bを用いて実行を指示した場合に、連携機能が実行されてもよい。例えば、複合機BとノートPC(A)が互いに通信し合うことで、ユーザα,βの両方から実行指示が与えられたことが確認された場合、複合機BとノートPC(A)は連携機能を実行する。
以下、グループについて説明する。端末装置16やユーザがグループ分けされてもよい。例えば、端末装置16の識別情報(例えばマックアドレス、性能、互換性等)によって端末装置16がグループ分けされてもよいし、ユーザの識別情報(例えば、ユーザアカウント情報、所属部署、性別、年令、所属会社等)によってユーザがグループ分けされてもよい。例えば、複数のユーザが同じ端末装置16を利用する場合であっても、端末装置16にログインしたときに使用されたユーザアカウント情報によって、ユーザがグループ分けされてもよい。端末装置16やユーザは予めグループ分けされてもよいし、機器の識別途中や機器の識別が完了した後にグループ分けされてもよい。各ユーザや各端末装置16は、1つのグループに所属してもよいし、複数のグループに所属してもよい。図30に示す例では、ユーザα,βは共にグループXに所属している。
グループは、各端末装置16にて管理されてもよいし、サーバ14にて管理されてもよい。例えば、ユーザがグループ分けされている場合、ユーザ識別情報に、そのユーザ識別情報を有するユーザが所属するグループを識別するためのグループ識別情報が含まれる。また、端末装置16がグループ分けされている場合、端末識別情報に、その端末識別情報を有する端末装置16が所属するグループを識別するためのグループ識別情報が含まれる。
また、各ユーザが所属するグループを示すグループ識別情報や、各端末装置16が所属するグループを示すグループ識別情報が、各端末装置16やサーバ14に記憶されていてもよい。例えば、ユーザ毎に、ユーザ識別情報とユーザが所属するグループを示すグループ識別情報との対応付けを示すグループ管理情報や、端末装置毎に、端末識別情報と端末装置が所属するグループを示すグループ識別情報との対応付けを示すグループ管理情報が、各端末装置16やサーバ14に記憶されていてもよい。そのグループ管理情報を参照することで、各ユーザや各端末装置16が所属するグループが特定される。
以下、グループを利用した処理について説明する。例えば、識別操作を行う複数のユーザが、互いに連携可能なグループに所属している場合において、当該複数のユーザによる識別操作によって複数の機器が識別された場合、連携機能が特定されてその連携機能を示す情報が表示される。連携可能なグループは、例えば同一のグループである。もちろん、各ユーザがそれぞれ別々のグループに所属している場合であって、各グループ同士の連携が可能な場合、それらのグループは、連携可能なグループに該当する。
各ユーザや各端末装置16が所属するグループの特定処理は、サーバ14によって行われてもよいし、各端末装置16によって行われてもよいし、各機器によって行われてもよい。サーバ14によって特定処理が行われる場合、例えば、機器の識別結果を示す情報と共に、ユーザ又は端末装置16が所属するグループを示すグループ識別情報が、各端末装置16からサーバ14に送信される。サーバ14の制御部36は、各端末装置16から送信されたグループ識別情報に基づいて、識別操作を行った各ユーザや各端末装置16が、互いに連携可能なグループに所属するか否かを判定する。各ユーザや各端末装置16が、互いに連携可能なグループに所属する場合、連携機能を示す情報がサーバ14から各端末装置16に送信されて各端末装置16のUI部46に表示される。各ユーザや各端末装置16が、互いに連携可能なグループに所属しない場合、その旨を示す情報がサーバ14から各端末装置16に送信されて各端末装置16のUI部46に表示される。この場合、連携機能を示す情報は、各端末装置16のUI部46に表示されない。
例えば、ユーザαはグループX,Y,Zに所属し、ユーザβはグループM,L,Xに所属しているものとする。ユーザα,βは、互いに同じグループXに所属しているため、ユーザα,βによって識別操作が行われて複数の機器が識別された場合、当該複数の機器を利用して実行可能な連携機能が端末装置16A,16BのUI部46に表示される。
以上のように第5実施形態によれば、複数のユーザによって識別操作が行われた場合に連携機能を示す情報が表示される。こうすることで、例えば、連携機能を実行するために必要な複数の機器が、互いに遠い場所に設置されている場合であっても、連携機能が実行される。例えば、当該複数の機器の中の一方の機器がある事業所(例えば東京の事業所)に設置されており、他方の機器が別の事業所(例えば横浜の事業所)に設置されている場合であっても、それぞれの事業所にて識別操作が行われることで連携機能が実行される。具体例を挙げて説明すると、東京の事業所に複合機Bが設置されており、横浜の事業所にノートPC(A)が設置されている場合、横浜の事業所に設置されているノートPC(A)に保存されているデータを、東京の事業所に設置されている複合機Bにて印刷することが可能となる。
また、複数のユーザによって識別操作を行うことで、1人のユーザによって識別操作を行う場合と比べて、連携機能に関するセキュリティが向上し得る。例えば、複数のユーザによる識別操作が行われたときに連携機能の実行を許可し、1人のユーザによる識別操作が行われたときに連携機能の実行を一切禁止したり、一部の機能を制限したりすることで、セキュリティが向上し得る。連携機能の種類、使用される機器、扱われるデータの機密性の高さ等に応じて、複数のユーザによる識別操作の必要性が判定されてもよい。例えば、連携機能や機器やデータの機密性が比較的に高い場合、複数のユーザによる識別操作が必要となり、その識別操作が行われた場合に連携機能の実行が可能となる。一方、連携機能や機器やデータの機密性が比較的に低い場合、1人又は複数のユーザによる識別操作が行われた場合に連携機能の実行が可能となる。
一度識別された機器は、その識別操作を行ったユーザや端末装置16が属するグループ内においては、再び識別操作を行わなくても連携機能に使用することが可能であってもよい。つまり、同一のグループに属する複数のユーザの中の少なくとも1人のユーザが識別操作を行って機器が識別された場合、他のユーザは、改めて当該機器を識別しなくても、当該機器を利用して連携機能を実行することができる。例えば、グループ毎に、識別された機器が管理されており、その管理のための管理情報がサーバ14に記憶されている。管理情報においては、例えば、グループ毎に、グループ識別情報と識別された機器を示すデバイス識別情報とが互いに対応付けられている。その管理情報を参照することで、グループ毎に、識別された機器が特定される。また、機器が識別された時点から予め定められた時間が経過した場合、連携機能への当該機器の使用が不可能となり、改めて当該機器が識別された場合に、連携機能への使用が可能となってもよい。
また、第2実施形態と第5実施形態を組み合わせてもよい。この場合、複数のユーザがそれぞれ認証操作(つまり利用許可要求)を行い、各ユーザや各端末装置16が認証されて各機器の利用が許可された場合、利用が許可された複数の機器を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。機器の部分を利用する場合も同様であり、各ユーザや各端末装置16が認証されて各機器の部分の利用が許可された場合、利用が許可された複数の部分を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。
また、第3実施形態と第5実施形態を組み合わせてもよい。この場合、複数のユーザがそれぞれタッチ操作(つまり利用許可要求)を行い、各ユーザや各端末装置16がタッチ認証されて各機器の利用が許可された場合、複数の機器を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。機器の部分を利用する場合も同様であり、各ユーザや各端末装置16がタッチ認証されて各機器の部分の利用が許可された場合、複数の部分を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。
また、第4実施形態と第5実施形態を組み合わせてもよい。この場合、複数のユーザのそれぞれによるタッチ操作によって、連携機能を実行するために必要な複数の機器が識別された場合、その連携機能が実行される。例えば、連携機能を実行するために必要な機器を示す情報が、端末装置16A,16Bに表示される。連携機能を実行するために必要な機器が複合機BとノートPC(A)の場合であって、ユーザαによるタッチ操作によって複合機Bが識別され、ユーザβによるタッチ操作によってノートPC(A)が識別された場合、その連携機能が実行される。機器の部分を利用する場合も同様であり、複数のユーザのそれぞれによるタッチ操作によって、連携機能を実行するために必要な複数の機器の部分が識別された場合、その連携機能が実行される。
上述した関連処理1が適用されることで、各機器の識別の順番に応じて、連携機能に関する情報の表示が切り替えられてもよい。例えば、ユーザαによる識別操作によって複合機Bが先に識別され、ユーザβによる識別操作によってノートPC(A)が後から識別された場合と、ユーザβによる識別操作によってノートPC(A)が先に識別され、ユーザαによる識別操作によって複合機Bが後から識別された場合とで、異なる連携機能を示す情報が表示されてもよい。
また、関連処理2又は関連処理3が適用されることで機器の部分が識別され、その部分を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示されてもよい。例えば、ユーザαによる識別操作によって複合機Bの部分(例えば本体部分)が識別され、ユーザβによる識別操作によってノートPC(A)の部分(例えば表示部)が識別された場合、複合機Bの本体部分とノートPC(A)の表示部を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。
また、複数の機器の中のいずれか一方の機器が識別され、他方の機器の部分が識別された場合、当該一方の機器と当該他方の機器の部分を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示されてもよい。例えば、ユーザαによる識別操作によって複合機Bの部分(例えば本体部分)が識別され、ユーザβによる識別操作によってノートPC(A)が識別された場合、複合機Bの本体部分とノートPC(A)を利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。
第5実施形態に係る処理は、ソフトウェアによって実現される機能に対して適用されてもよい。つまり、連携機能は、複数のソフトウェアを連携させることによって実行される機能であってもよい。この場合、複数のユーザが認証操作を行って認証されることで、連携機能を示す情報が表示される。例えば、端末装置16AにインストールされているソフトウェアAと端末装置16BにインストールされているソフトウェアBとを連携させる場合について説明する。端末装置16AにおいてユーザαがソフトウェアAに対する認証操作を行ってユーザαが認証され、端末装置16BにおいてユーザβがソフトウェアBに対する認証操作を行ってユーザβが認証された場合、ソフトウェアAとソフトウェアBとを利用して実行可能な連携機能を示す情報が、端末装置16A及び端末装置16Bの中の少なくとも1つの端末装置に表示される。ソフトウェアに対してユーザが予め認証されていてもよいし、ソフトウェアを起動したときに認証操作を行うようにしてもよい。その認証操作においては、例えば、ユーザIDやパスワード等の認証情報を入力することでユーザが認証される。サーバ14の特定部38は、認証が成功した旨を示す情報とソフトウェアを示す情報を各端末装置から受信し、認証が成功した複数のソフトウェアを利用して実行可能な連携機能を特定する。その連携機能を示す情報は端末装置に表示される。
例えば、ソフトウェアAが文書作成用ソフトウェア(アプリケーション)であり、ソフトウェアBが表計算用ソフトウェア(アプリケーション)であるとする。この場合、文書作成用ソフトウェアと表計算用ソフトウェアを利用して実行可能な連携機能を示す情報が表示される。例えば、文書作成用ソフトウェアを用いて作成された文書を、表計算用ソフトウェアによって作成された表の中に挿入するといった連携機能や、表計算用ソフトウェアによって作成された表を、文書作成用ソフトウェアを用いて作成された文書に挿入するといった連携機能等が、複数のソフトウェアを用いて実行可能な連携機能に該当する。別の例として、プレゼンテーション用ソフトウェアと文書作成用ソフトウェアとを組み合わせた場合、文書作成用ソフトウェアによって作成された文書が、プレゼンテーション用アプリケーション用ソフトウェアによって作成されたデータに貼り付けられてもよい。
上記の例では、2つ以上の端末装置にインストールされている複数のソフトウェアが利用されているが、連携機能は、1つの端末装置にインストールされている複数のソフトウェアを利用して実行可能な機能であってもよい。例えば、ユーザαが端末装置16にインストールされたソフトウェアAに対する認証操作を行ってユーザαが認証され、ユーザβが同一の端末装置16にインストールされたソフトウェアBに対する認証操作を行ってユーザβが認証された場合、ソフトウェアAとソフトウェアBを利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置16に表示されてもよい。このように、連携機能に利用される複数のソフトウェアは、1つの端末装置16にインストールされたソフトウェアであってもよいし、複数の端末装置16にインストールされたソフトウェアであってもよい。
また、管理権限を有するユーザが認証された場合に、連携機能を示す情報が表示されてもよい。例えば、認証操作を行う複数のユーザの中で、最後に認証操作を行ったユーザが管理権限を有している場合に、連携機能を示す情報が端末装置16に表示され、最後に認証操作を行ったユーザが管理権限を有していない場合、連携機能を示す情報は表示されなくてもよい。もちろん、認証操作を行う複数のユーザの中で少なくとも1人のユーザが管理権限を有している場合に、連携機能を示す情報が端末装置16に表示されてもよいし、予め定められた割合以上のユーザが管理権限を有している場合に、連携機能を示す情報が端末装置16に表示されてもよいし、すべてのユーザが管理権限を有している場合に、連携機能を示す情報が端末装置16に表示されてもよい。
また、ソフトウェアを利用する場合においても、上述した機器を利用して連携機能を実現する場合と同様に、グループに関する技術、関連処理1等の技術が適用されてもよい。例えば、認証操作を行う複数のユーザが連携可能なグループ(例えば同一のグループ)に所属する場合において、当該複数のユーザによる認証操作によって、連携機能に利用される複数のソフトウェアの使用が認証された場合に、連携機能を示す情報が表示されてもよい。また、認証操作が行われた複数のソフトウェアが連携可能なグループ(例えば同一のグループ)に所属している場合において、当該複数のソフトウェアの使用が認証された場合、連携機能を示す情報が表示されてもよい。また、関連処理1が適用されることで、複数のソフトウェアに対する認証の順番に応じて連携機能が変更されてもよい。また、最後に認証操作を行ったユーザに応じて連携機能が変更されてもよいし、成果物を出力するソフトウェアに対して認証操作を行ったユーザの端末装置に、連携機能を示す情報が表示されてもよい。
また、第5実施形態に係る処理は、ハードウェアとしての機器とソフトウェアによって実現される機能とを組み合わせて実行可能となる連携機能に適用されてもよい。例えば、第1ユーザによる識別操作や認証操作によって機器が識別又は機器に対して第1ユーザが認証され、第2ユーザによる認証操作によってソフトウェアに対して第2ユーザが認証された場合、当該機器と当該ソフトウェアを利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置に表示されてもよい。
また、識別された第1ソフトウェア(例えばソフトウェアA)が第1ユーザ(例えばユーザα)によって指定され、識別された第2ソフトウェア(例えばソフトウェアB)が第2ユーザ(例えばユーザβ)によって指定された場合、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアを利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置に表示されてもよい。例えば、ソフトウェアのインストール先の端末装置では当該ソフトウェアを実行することができない場合、当該ソフトウェアは当該端末装置にて識別されず、当該ソフトウェアに紐付く画像(例えばアイコン)が当該端末装置に表示されなかったり、当該画像が表示されても当該端末装置にて実行することができなかったり、当該ソフトウェアで作成されたデータ(電子ファイル)に紐付く拡張子(ファイルの種類等を示す情報)が表示されなかったりすることがある。このようなソフトウェアは連携機能には利用されない。一方、ソフトウェアのインストール先の端末装置にて当該ソフトウェアを実行することができる場合、当該ソフトウェアは当該端末装置にて識別され、当該ソフトウェアに紐付く画像が当該端末装置に表示されたり、当該画像が表示されて当該端末装置にて実行することができたり、当該ソフトウェアで作成されたデータに紐付く拡張子が表示されたりすることがある。このようなソフトウェアは連携機能に利用可能なソフトウェアである。例えば、端末装置16Aにて識別されたソフトウェアAがユーザαによって指定され、端末装置16Bにて識別されたソフトウェアBがユーザβによって指定された場合、ソフトウェアAとソフトウェアBを利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置に表示される。なお、ソフトウェアA,Bは同一の端末装置(例えば端末装置16A,16Bのいずれか一方)にインストールされて当該同一の端末装置にて識別されており、1人のユーザ(例えばユーザα,βのいずれか1人)によってソフトウェアA,Bが指定された場合に、ソフトウェアAとソフトウェアBを利用して実行可能な連携機能を示す情報が当該端末装置に表示されてもよい。この場合であっても、複数のユーザ(例えばユーザα,β)がソフトウェアA,Bを指定した場合に、連携機能を示す情報が表示されてもよい。
別の例として、第1ユーザ(例えばユーザα)による識別操作によって第1ソフトウェア(例えばソフトウェアA)が識別され、第2ユーザ(例えばユーザβ)による識別操作によって第2ソフトウェア(例えばソフトウェアB)が識別された場合、第1ソフトウェアと第2ソフトウェアを利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置に表示されてもよい。識別操作は、例えば端末装置へのソフトウェアのインストール作業である。別の例として、端末装置にソフトウェアがインストールされており、ユーザが識別操作としてソフトウェアの識別の指示を与えた場合、識別処理が実行され、当該端末装置にてソフトウェアが実行可能な場合、当該ソフトウェアが当該端末装置にて識別されてもよい。複数のソフトウェアが識別された場合に、当該複数のソフトウェアを利用して実行可能な連携機能を示す情報が端末装置に表示される。
上記の画像形成装置10、サーバ14及び端末装置16のそれぞれは、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像形成装置10、サーバ14及び端末装置16のそれぞれは、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置10、サーバ14及び端末装置16の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、画像形成装置10、サーバ14及び端末装置16のそれぞれの各部は、例えばプロセッサや電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、画像形成装置10、サーバ14及び端末装置16のそれぞれの各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。