JP6492458B2 - 太陽光発電システム及びパネル洗浄方法 - Google Patents
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Description
そこで、表面のクリーニング機能を設けた太陽光発電装置が提案されている(例えば、特許文献1の図2,特許文献2の図1,図2参照。)。
これらの先行技術では、いずれも、ブラシが表面を移動してクリーニングを行う構成である。
本発明の太陽光発電システムは、支持部と、方位角及び仰角のそれぞれについて任意の角度の姿勢をとり得るよう、前記支持部に支持された太陽光発電パネルと、前記太陽光発電パネルの姿勢を変える駆動装置と、発電時には、前記駆動装置により前記太陽光発電パネルを駆動して太陽の光を当てるとともに、洗浄モードを実行するときは、前記太陽光発電パネルが、その受光面への付着物を雨、風、結露、重力を含む自然現象の少なくとも一部の利用により除去し易い姿勢になるよう前記駆動装置を制御する制御装置と、を備えている。
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
この場合、外部の情報源から信頼性の高い気象情報を取得することにより、洗浄モードを計画的に行うことができる。また、太陽光発電パネル側には、雨や風に対するセンサ等を設ける必要が無い。
この場合、太陽光発電パネルが設置されている現場の気象状況に応じて、洗浄モードを臨機応変に行うことができる。
この場合、斜め下向きにすることで受光面に付着した塵埃等の付着物の自然落下を促進し、さらに、風が当たることで塵埃等を強制的に落下させることができる。
この場合、斜め上向きにした受光面への降雨により、受光面に付着した塵埃等の付着物を洗い流し、さらに風によって、洗い流す効果を高めることができる。
この場合、真上を向けた受光面に蓄積する結露水を、受光面を立てることで受光面に付着した塵埃等の付着物とともに洗い流すことができる。
この場合、洗浄モードでの付着物の除去を促進することができる。
この場合、加振装置で太陽光発電パネルを微振動させることにより、洗浄モードでの付着物の除去を促進することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1及び図2はそれぞれ、1基分の、集光型の太陽光発電装置の正面図及び側面図である。図1において、太陽光発電装置100は、左右2翼に分かれたパネルを備える太陽光発電パネル1と、その支持部2と、支持部2を鉛直に地面に固定する架台3とを備えている。架台3は、地面に固定されている。支持部2の上端の、太陽光発電パネル1の支持点には、二軸ドライブ2dが設けられている。この二軸ドライブ2dにより、太陽光発電パネル1は、図のX軸に平行な軸2xを中心とする仰角方向の回動と、Z軸に平行な支持部2を中心とする方位角方向の回動とが可能である。なお、広義の「支持部」は、支持部2のみならず、二軸ドライブ2dや架台3も含む。
図3は、集光型の太陽光発電モジュール(以下、単にモジュールとも言う。)1Mの一例を拡大して示す斜視図(一部破断)である。図において、モジュール1Mは、平底の底面11aを有するバット状の筐体11と、底面11aに接して複数列に並べるように配置されたフレキシブルプリント配線板12と、筐体11の鍔部11bに、蓋のように取り付けられた集光部13とを、主要な構成要素として備えている。筐体11は、金属製である。
次に、発電とは別に実行される洗浄モードについて説明する。洗浄モードを実行するときは、駆動装置4により、太陽光発電パネル1が、受光面への付着物を自然現象の利用により除去し易い姿勢になるようにする。駆動装置4を制御するのは、制御装置であり、これについては後述する。自然現象とは、主に、雨、風、結露、重力である。
洗浄モードは、基本的には、発電しない夜間に実行される。但し、日中でも、例えば、雲が深く垂れ込めて十分な発電ができず、かつ、雨が降っているか又は所定の強さ以上の風が吹いているときには実行することができる。
図5は、自然現象として重力と風とを利用する洗浄モードのパターン1を示す図である。この場合、太陽光発電パネル1の受光面1aは、斜め下を向いている。また、単に斜め下というだけではなく、風(横風)が受光面1aに当たるように、斜め下を向いている。斜め下に向けることで、受光面1aに堆積した塵埃等の付着物が自然落下するのを促進することができる。また、風を受けることにより、風が受光面1aに沿って図の矢印に示すように流れるので、受光面1aに付着した塵埃等を強制的に落下させることができる。
図6は、自然現象として雨、風、重力を利用する洗浄モードのパターン2を示す図である。この場合、太陽光発電パネル1の受光面1aは、斜め上を向いている。また、単に斜め上というだけではなく、風(横風)が受光面1aに斜めから当たるような方位を向いている。なお、風は、受光面1aが向いている方位から当たってもよいが、斜めから当たることが好ましい。
図7は、自然現象として結露、重力を利用する洗浄モードのパターン3を示す図である。この場合、まず夜間には(a)に示すように、太陽光発電パネル1の受光面1aは、真上を向いて水平である(夜間の通常姿勢)。この状態で、気温が下がると、受光面1aに多量の結露が生じる。水平であるため、結露水は表面張力で受光面1aに溜まっている。溜まった状態の結露水は、受光面1aの表面にこびりついた汚れを柔らかくして取れやすくする。次に、朝が近づくと、(b)に示すように受光面1aを斜め上向きにする。これにより、結露水が塵埃等の付着物とともに流れ落ちる。結露水が流れ落ち、日が昇ると、(c)に示すように太陽を追尾する通常の発電状態とする。
上記のような洗浄モード1〜3の実行による洗浄効果をより高めるためには、塵埃等の汚れが受光面1aから取れやすくするための低摩擦コーティングを施すことが好ましい。
コーティング剤として超親水性塗膜(例えば、SiO2)を形成すると、結露水や降雨により汚れを洗い流す効果が高められる。また、超撥水性塗膜(フッ素系塗膜や微細な凹凸のある塗膜)を形成すると、汚れの付着を減らす効果が得られる。
このような親水性又は撥水性の層により、洗浄モードでの付着物の除去を促進することができる。
次に、上に例示した洗浄モードの制御を実行することができる太陽光発電システムについて説明する。
図8は、集光型の太陽光発電装置100の姿勢制御に関するシステム部分を含む、太陽光発電システム200の一例を示す図である。図において、集光型の太陽光発電装置100は、前述のように、太陽の追尾動作のための駆動装置4を備えている。駆動装置4は、仰角(elevation)方向への駆動用のステッピングモータ4e、方位角(azimuth)方向への駆動用のステッピングモータ4aと、これらを駆動する駆動回路4dとを備えている。これらのステッピングモータ4e,4aは、二軸ドライブ2dに内蔵されている。
なお、ステッピングモータは一例に過ぎず、他の動力源でもよい。
まず、ステップS1において制御装置8は、外部データソース9から最新の気象情報を取得し、気象情報格納部82に格納する。次に制御装置8は、取得した気象情報に基づいて洗浄工程のスケジューリングを行う(ステップS2)。なお、洗浄工程を実行するのは一般には夜間であるが、まれに日中でも可能であるため、ここでは、夜間のみならず日中も含めたスケジューリングを行う例について説明する。
また、降雨が予想される場合は、その時間帯にパターン2(図6)の姿勢の洗浄モードを実行する予定を立てる。さらに所定の強さ以上の風も予想される場合は、その風が好適な角度(斜め)から当たるように方位角も考慮した、パターン2の姿勢の洗浄モードを実行する予定を立てる。
また、雨も、所定の強さの風も予想されない場合は、夜間に、パターン3(図7)の洗浄モードを実行する予定を立てる。
以上のように、本実施形態の太陽光発電システムでは、発電時には、駆動装置4により太陽光発電パネル1を駆動して太陽の光を当てるとともに、洗浄モードを実行するときは、太陽光発電パネル1が、その受光面1aへの付着物を雨、風、結露、重力を含む自然現象の少なくとも一部の利用により除去し易い姿勢になるよう駆動装置4を制御する制御装置8を備えている。
このようなシステムは、特に、水道水による洗浄ができないか又は困難な場所、あるいは、水道料金が高い国や地域に設置された太陽光発電パネルの洗浄に好適である。
かかる洗浄方法によれば、洗浄モードを実行するとき太陽光発電パネル1は、その受光面1aへの付着物を自然現象の利用により除去し易い姿勢になる。従って、例えば、雨、風、結露、重力等、自然現象を利用した受光面1aの洗浄を行うことができる。これにより、複雑なクリーニング装置を設けることなく、簡易に洗浄機能を実現するパネル洗浄方法を提供することができる。
図10は、太陽光発電システムの、システム構成の他の例を示す図である。図8と異なるのは、気象情報の情報源が外部データソースではなく、自前のセンサ出力に基づく点であり、その他の構成は同様である。すなわち、雨に関しては降雨センサ91、風向き及び風量に関しては風向風速センサ92からセンサ出力が制御装置8の気象情報格納部82に提供される。また、温湿度計93から温度及び湿度に関するセンサ出力が制御装置8の気象情報格納部82に提供される。
一方、温湿度計93からのセンサ出力に基づいて、夜間から朝方にかけて結露が発生することの予測を行うことができる。従って、このような結露が予測される場合は、洗浄モードのパターン3のスケジューリングを行い、実行することができる。なお、夜間から朝方の時間帯に限らず、気温の急変等により結露が発生し易い状況が予測される場合にも、洗浄モードのパターン3を実行することが可能である。
なお、図10の構成(降雨センサ91、風向風速センサ92及び温湿度計93を設ける。)を、図8の構成に併用することも可能である。
なお、上記の実施形態では、集光型の太陽光発電に関して説明したが、上述の洗浄モードの適用は、集光型に限定されない。例えば、集光型でない一般的な太陽光発電装置であっても、図1と同様な回動メカニズムを装備すれば、自然現象を利用した洗浄モードの実行が可能となる。
図11は、図8の構成に、加振装置20を付加した構成を示す図である。
1a 受光面
1M 太陽光発電モジュール
2 支持部
2d 二軸ドライブ
2x 軸
3 架台
4 駆動装置
4a、4e ステッピングモータ
4d 駆動回路
5 追尾センサ
6 日射計
7 電力計
8 制御装置
9 外部データソース
11 筐体
11a 底面
11b 鍔部
12 フレキシブルプリント配線板
12c セル
13 集光部
13f フレネルレンズ
14 コネクタ
20 加振装置
81 制御部
82 気象情報格納部
83 洗浄工程スケジュール部
91 降雨センサ
92 風向風速センサ
93 温湿度計
100 太陽光発電装置
200 太陽光発電システム
Claims (8)
- 支持部と、
方位角及び仰角のそれぞれについて360度の範囲内の任意の角度の姿勢をとり得るよう、前記支持部に支持された集光型太陽光発電パネルと、
前記集光型太陽光発電パネルの姿勢を変える駆動装置と、
発電時には、前記駆動装置により前記集光型太陽光発電パネルを駆動して太陽の光を当てるとともに、一定出力以上の発電が得られない場合には洗浄モードを実行しうる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記洗浄モードを実行するときは、前記集光型太陽光発電パネルが、その受光面への付着物を風、重力を同時に利用することにより除去し易い姿勢になるように、かつ、前記受光面に対して斜めに風が当たる姿勢になるよう前記駆動装置を制御し、所定時間その姿勢を保って前記付着物が除去され重力により自然落下することを促した後、前記集光型太陽光発電パネルを元の姿勢に戻し、
前記集光型太陽光発電パネルは、前記洗浄モードにおいて、斜め下向きにした前記受光面に風が当たる姿勢をとる
太陽光発電システム。 - 支持部と、
方位角及び仰角のそれぞれについて360度の範囲内の任意の角度の姿勢をとり得るよう、前記支持部に支持された集光型太陽光発電パネルと、
前記集光型太陽光発電パネルの姿勢を変える駆動装置と、
発電時には、前記駆動装置により前記集光型太陽光発電パネルを駆動して太陽の光を当てるとともに、一定出力以上の発電が得られない場合には洗浄モードを実行しうる制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記洗浄モードを実行するときは、前記集光型太陽光発電パネルが、その受光面への付着物を雨、風、重力を同時に利用することにより除去し易い姿勢になるように、かつ、前記受光面に対して斜めに風が当たる姿勢になるよう前記駆動装置を制御し、所定時間その姿勢を保って前記付着物が除去され重力により自然落下することを促した後、前記集光型太陽光発電パネルを元の姿勢に戻し、
前記集光型太陽光発電パネルは、前記洗浄モードにおいて、斜め上向きにした前記受光面に降雨及び風を当てる姿勢をとる
太陽光発電システム。 - 前記制御装置は、少なくとも雨及び風に関する気象情報を外部の情報源から取得し、前記洗浄モードのスケジューリングを行い、当該スケジューリングに基づいて前記駆動装置を制御する請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電システム。
- 降雨センサ及び風向風速センサを備え、前記制御装置は、これらのセンサ出力に基づいて前記駆動装置を制御する請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電システム。
- 前記受光面には、親水性又は撥水性の層が形成されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 前記洗浄モードにおいて、前記集光型太陽光発電パネルを微振動させる加振装置が設けられている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の太陽光発電システム。
- 支持部と、方位角及び仰角のそれぞれについて360度の範囲内の任意の角度の姿勢をとり得るよう、前記支持部に支持された集光型太陽光発電パネルと、前記集光型太陽光発電パネルの姿勢を変える駆動装置とを備えた太陽光発電装置についてのパネル洗浄方法であって、
一定出力以上の発電が得られない場合には洗浄モードを実行し
前記洗浄モードを実行するときは、前記駆動装置を制御することにより、前記集光型太陽光発電パネルが、その受光面への付着物を風、重力を同時に利用することにより除去し易い姿勢になるように、かつ、前記受光面に対して斜めに風が当たる姿勢になるよう前記駆動装置を制御し、所定時間その姿勢を保って前記付着物が除去され重力により自然落下することを促した後、前記集光型太陽光発電パネルを元の姿勢に戻し、
前記集光型太陽光発電パネルは、前記洗浄モードにおいて、斜め下向きにした前記受光面に風が当たる姿勢をとる
パネル洗浄方法。 - 支持部と、方位角及び仰角のそれぞれについて360度の範囲内の任意の角度の姿勢をとり得るよう、前記支持部に支持された集光型太陽光発電パネルと、前記集光型太陽光発電パネルの姿勢を変える駆動装置とを備えた太陽光発電装置についてのパネル洗浄方法であって、
一定出力以上の発電が得られない場合には洗浄モードを実行し
前記洗浄モードを実行するときは、前記駆動装置を制御することにより、前記集光型太陽光発電パネルが、その受光面への付着物を雨、風、重力を同時に利用することにより除去し易い姿勢になるように、かつ、前記受光面に対して斜めに風が当たる姿勢になるよう前記駆動装置を制御し、所定時間その姿勢を保って前記付着物が除去され重力により自然落下することを促した後、前記集光型太陽光発電パネルを元の姿勢に戻し、
前記集光型太陽光発電パネルは、前記洗浄モードにおいて、斜め上向きにした前記受光面に降雨及び風を当てる姿勢をとる
パネル洗浄方法。
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