JP6492229B1 - フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁 - Google Patents

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Abstract

フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁(10)は、第1ノズル(50)と第2ノズル(52)、これらの間に配置されたフラッパ(30)、第1ノズル(50)と第2ノズル(52)の背圧を導く第1背圧路(124)と第2背圧路(126)を含む。また、スリーブ(90)に摺動可能に支持され、軸方向両端の第1気体圧室(120)及び第2気体圧室(122)にそれぞれ第1背圧路(124)と第2背圧路(126)が接続されたスプール(100)を含む。また、フラッパ(30)の先端から延びてスプール(100)に接続されるフィードバックばね(38)を含む。そして、第1気体圧室(120)及び第2気体圧室(122)にそれぞれ第1補助絞り部(144)及び第2補助絞り部(146)を介して接続された第1補助タンク(140)及び第2補助タンク(142)を含む。

Description

本発明は、フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁に関する。
ノズルフラッパ型のサーボ弁は、左右に配置したノズルと、この両ノズルの間に設置した可動部材であるフラッパとで可変オリフィスを形成する。そして、両ノズルのそれぞれの前段にある一対の固定絞りとの協働によって、フラッパの位置により変化する両ノズルの背圧を導出し、この導出した背圧差により弁体を作動させるものである。背圧差がある間は、その背圧差で弁体は移動し続けるが、フラッパが両ノズルに対して中立位置に戻れば、背圧差がなくなり、弁体の移動が止まる。
特許文献1には、ノズルフラッパ型の油圧サーボ弁において、スプール型の弁体を用い、両ノズルの背圧をスプールの軸方向両端に供給し、フラッパの位置変化でスプールを作動させる。ここで、フラッパにフィードバックばねを設け、その先をスプールに接続すると、フラッパの位置変化によりスプールが移動するが、それによってフィードバックばねが撓み、その弾性反力でフラッパを元の位置に戻し、スプールを中立位置に戻す。スプールの両端における背圧差がなくなると、これによりスプールは停止する。
特許文献2には、トルクモータあるいは動力モータによって運動が制御され、中心位置にある状態と、中心位置から外れる状態とを取り得る可動部材を有し、油圧流体源を用いる3つの流体増幅器が述べられている。1つ目は、特許文献1で述べられているものと同じノズルフラッパ型の流体増幅器である。
2つ目は、特許文献2の図4に示されるジェットパイプ増幅器である。これは、ボデーに対して駆動するように取り付けられるパイプを有し、パイプの位置はトルクモータあるいはその類似物によって制御される。ここでは、加圧流体がパイプに供給され、パイプの下端部における固定インピーダンスのノズルを通って、ボデーに設けられた一対のレシーバ通路に対応する一対の開口に向って下方にジェット流として放出される。放出されたジェット流は、パイプの位置が中立位置にあるときに一対の開口の間で均等に分割され、パイプの位置が中立位置から離れる制御を行うと、一対の開口の間で不均等に分割される。この場合には、1つのレシーバ通路における流体モーメント流が他の通路における流体モーメント流よりも大きくなり、そのような流体モーメント流の差を負荷に作用するように利用できる。
3つ目は、特許文献1の図7に示されるジェットデフレクター増幅器である。これは、特殊な形状を有する通路と、通路の中で可動的に取り付けられ、広い開口と狭い開口を結ぶデフレクターオリフィスを有するデフレクター部材とを備える。デフレクター部材に関する運動は、トルクモータあるいは動力モータによって制御される。ここでは、デフレクター部材の広い開口側に、加圧流体が供給されて首部オリフィスを通って放出する頭部が設けられ、デフレクター部材の狭い開口側に、一対のレシーブ開口を介して接続される一対の脚部が設けられる。頭部の首部オリフィスから放出されるジェット流は、デフレクター部材がその中心位置にあるときに、デフレクターオリフィスを通って一対のレシーブ開口の間で均等に分割される。デフレクター部材がその中心位置から外れると、首部オリフィスとデフレクターオリフィスを通って放出されるジェット流は、一対のレシーブ開口の間で不均等に分割され、一対の出力通路内の流体モーメント流の差が負荷にかかる。
特許文献2に開示されるジェットパイプ増幅器及びジェットデフレクター増幅器においても、中心位置にある状態及び中心位置から外れる状態を取り得る可動部材にフィードバックばねを適用した構成が考えられている。これらは、特許文献1のフィードバックばね付きのノズルフラッパ型のサーボ弁と同様の動作を行う。
特開2000−032731号公報 特開平8−042504号公報
中心位置にある状態及び中心位置から外れる状態を取り得る可動部材にフィードバックばねを適用した流体増幅器において、流体に気体を用いると、圧縮性流体である気体と非圧縮性流体である油との相違等によって、油圧では生じない発振現象が現われる。上記構成を「フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁」と呼ぶと、本発明の目的は、発振を抑制することが可能な「フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁」を提供することである。
本発明に係るフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁は、流体として圧縮性流体である気体を用い、互いに向かい合って配置された2つのノズルと、2つのノズルの間に配置されたフラッパと、ノズルに対するフラッパの位置を移動駆動するフラッパ駆動装置と、ノズルに対するフラッパの位置に応じて変化する各ノズルの背圧をそれぞれ導く2つの背圧路と、各ノズルの前段にそれぞれ設けられた2つの固定絞りと、気体供給ポート、排気ポート、及び、2つの出力ポートを有するスリーブと、スリーブ内を摺動可能なスプールであって、スリーブのスプール摺動空間との間で形成される軸方向両端の気体圧室にそれぞれ背圧路が接続されたスプールと、フラッパの先端から延びてスプールに接続されるフィードバックばねと、を備えるフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁であって、フラッパ駆動装置によって生じるフラッパの回転中心の周りのトルクとフィードバックばねの弾性反力とが同じとなってスプールの軸方向両端の気体圧が釣合状態となりスプールの軸方向の移動が停止した状態において、気体の圧縮性に基づいて生じ得るスプールの軸方向両端の2つの気体圧室の圧力差の振動を抑制する補助絞り部付き補助タンクであって、2つの気体圧室にそれぞれ、気体供給ポートから供給される所定の供給気体圧に応じ、且つ、圧力差の振動周波数に応じた絞り度が設定された補助絞り部を介して接続された補助タンクを備え、補助タンクは、スプールの内部に設けられていることを特徴とする。
上記構成によれば、フラッパ駆動装置によって駆動されたフラッパの位置に応じて変化する2つのノズルの背圧差に応じてスプールが移動するが、フィードバックばねの作用によってフラッパが中立位置に戻されると背圧差がゼロとなり、スプールは停止する。この動作において発振が生じても、各ノズルの背圧が導かれる2つの気体圧室に補助絞り部を介して補助タンクが接続されているので、背圧差の変動を吸収でき、これによって発振を抑制できる。
本発明に係るフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁は、流体として圧縮性流体である気体を用い、互いに向かい合って配置された2つのノズルと、2つのノズルの間に配置されたフラッパと、ノズルに対するフラッパの位置を移動駆動するフラッパ駆動装置と、ノズルに対するフラッパの位置に応じて変化する各ノズルの背圧をそれぞれ導く2つの背圧路と、各ノズルの前段にそれぞれ設けられた2つの固定絞りと、気体供給ポート、排気ポート、及び、2つの出力ポートを有するスリーブと、スリーブ内を摺動可能なスプールであって、スリーブのスプール摺動空間との間で形成される軸方向両端の気体圧室にそれぞれ背圧路が接続されたスプールと、フラッパの先端から延びてスプールに接続されるフィードバックばねと、を備えるフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁であって、フラッパ駆動装置によって生じるフラッパの回転中心の周りのトルクとフィードバックばねの弾性反力とが同じとなってスプールの軸方向両端の気体圧が釣合状態となりスプールの軸方向の移動が停止した状態において、気体の圧縮性に基づいて生じ得るスプールの軸方向両端の2つの気体圧室の圧力差の振動を抑制する補助絞り部付き補助タンクであって、2つの気体圧室にそれぞれ、気体供給ポートから供給される所定の供給気体圧に応じ、且つ、圧力差の振動周波数に応じた絞り度が設定された補助絞り部を介して接続された補助タンクを備え、補助タンクは、スプールが内蔵された本体部の内部にスプール摺動空間と隔離されて設けられていることを特徴とする。
本発明に係るフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁は、流体として圧縮性流体である気体を用い、互いに向かい合って配置された2つのノズルと、2つのノズルの間に配置されたフラッパと、ノズルに対するフラッパの位置を移動駆動するフラッパ駆動装置と、ノズルに対するフラッパの位置に応じて変化する各ノズルの背圧をそれぞれ導く2つの背圧路と、各ノズルの前段にそれぞれ設けられた2つの固定絞りと、気体供給ポート、排気ポート、及び、2つの出力ポートを有するスリーブと、スリーブ内を摺動可能なスプールであって、スリーブのスプール摺動空間との間で形成される軸方向両端の気体圧室にそれぞれ背圧路が接続されたスプールと、フラッパの先端から延びてスプールに接続されるフィードバックばねと、を備えるフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁であって、フラッパ駆動装置によって生じるフラッパの回転中心の周りのトルクとフィードバックばねの弾性反力とが同じとなってスプールの軸方向両端の気体圧が釣合状態となりスプールの軸方向の移動が停止した状態において、気体の圧縮性に基づいて生じ得るスプールの軸方向両端の2つの気体圧室の圧力差の振動を抑制する補助絞り部付き補助タンクであって、2つの気体圧室にそれぞれ、気体供給ポートから供給される所定の供給気体圧に応じ、且つ、圧力差の振動周波数に応じた絞り度が設定された補助絞り部を介して接続された補助タンクを備え、補助タンクは、スプール摺動空間の軸方向両端に付加した側板部に設けられていることを特徴とする。
本発明に係るフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁において、フラッパ駆動装置は、フラッパの位置を移動駆動するためのコイルを有し、コイルの両端電圧を帰還して駆動電圧を供給する駆動回路に接続されることが好ましい。
上記構成によれば、駆動回路の出力インピーダンスを低くできるので、発振によって生じる逆起電力がコイルにおいて電力として消費され、これによりダンピング効果が生じ、発振を抑制することができる。
本発明に係るフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁によれば、発振を抑制することができる。
本発明に係る実施の形態のフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁について、部分的に破断して示す斜視図である。 図1におけるXZ平面に平行な断面図である。 本発明に係る実施の形態のフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁の作動モデル図のうち、中立位置の状態を示す図である。 フラッパが中立位置から移動駆動されたときの状態を示す作動モデル図である。 図4から、フィードバックばねの帰還作用による釣合状態を示す作動モデル図である。 本発明に係る実施の形態のフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁の作動時のゲイン特性図である。 比較例として、フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁において、補助タンクを設けないときのゲイン特性図である。 本発明に係る実施の形態のフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁に用いられる電圧帰還型の駆動回路の例を示す図である。 比較例として、フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁に用いられる電流帰還型の駆動回路の例を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下において、中心位置にある状態及び中心位置から外れる状態を取り得る可動部材にフィードバックばねを適用した流体増幅器として、ノズルフラッパ型のサーボ弁を述べるが、これは説明のための例示である。フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁であれば、ノズルフラッパ型以外のジェットパイプ型あるいはジェットデフレクター型のサーボ弁であってもよい。
以下では、フラッパ駆動装置として、アーマチュアに巻回された1つのコイルが駆動される1コイル駆動型のトルクモータを述べるが、これは説明のための例示である。ノズルに対するフラッパの位置を駆動できる電気的な駆動装置であれば、これ以外の方式であってもよい。例えば、ボイスコイル型の駆動装置であってもよく、アーマチュアに巻回された2つのコイルが駆動される2コイル駆動型のトルクモータであってもよい。
以下において、気体とは乾燥空気であるが、空気以外の気体であってもよい。例えば、窒素やアルゴン等の乾燥不活性ガスであってもよい。以下に述べる形状、材質等は、説明のための例示であって、フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁の仕様等により、適宜変更が可能である。また、以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁10について、部分的に破断して示す斜視図である。以下では、特に断らない限り、フィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁10を、サーボ弁10と呼ぶ。
図1に直交する3方向として、X−X方向、Y−Y方向、Z−Z方向を示す。以下で述べるそれぞれの方向の±方向は、図1に示すものとする。図1においては、Z軸を中心として直交するX−X方向とY−Y方向で区分される4つの部分の内で、+X方向と+Y方向とで区分される部分を破断図で示す。X−X方向は、後述するスプール100の軸方向であり、Z−Z方向は後述するフラッパ30の軸方向である。図2は、図1において、スプール100の中心軸とフラッパ30の中心軸とを含み、XZ平面に平行な断面図である。なお、図1、図2は、サーボ弁10においてすべての可動要素が中立位置の状態にあるときを示す図である。
サーボ弁10は、下部筐体部12と、下部筐体部12の+Z側に配置されるカバー部14とを含む。下部筐体部12は、本体部16と、本体部16の±X側端部に配置される側板部20,22とを含む。これらは、金属材料を所定の形状に成形したものが用いられ、必要な個所にシールリング等を介して気密に結合されて一体化されサーボ弁10の外形を形作る。
サーボ弁10は、ノズルフラッパ型のサーボ弁であり、中心位置にある状態及び中心位置から外れる状態を取り得る可動部材として、T字形アーマチュア・フラッパを用い、これを回転可能に支持するフレキシブル支持部材を有する。下部筐体部12とカバー部14の内部空間には、フレキシブル支持部材であるフレキシブル管体26、フラッパ30、フィードバックばね38、第1ノズル50及び第2ノズル52、フラッパ駆動装置60、スリーブ90、スプール100等が配置される。最初に、T字形アーマチュア・フラッパを構成するアーマチュア62とフラッパ30について述べ、ついでフレキシブル管体26、フィードバックばね38の関係を述べ、その後にスリーブ90、スプール100等について述べる。
アーマチュア62は、フラッパ駆動装置60の可動部である。フラッパ駆動装置60は、永久磁石70を有し、アーマチュア62に第1コイル66及び第2コイル68が巻回されたコイル駆動型のトルクモータである。
永久磁石70は、カバー部14の内部空間の+Y側の内壁面と−Y側の内壁面とに沿って2つ配置される。永久磁石70は、Z−Z方向に沿って着磁される。図1では、+Z方向をN極、−Z方向をS極として示す。これは例示であって、場合によって、逆方向に着磁してもよい。上部ヨーク72は、永久磁石70の+Z側に接続して配置され、N極ヨークとなる磁性体である。下部ヨーク74は、永久磁石70の+Z側に接続して配置され、S極ヨークとなる磁性体である。
上部ヨーク72と下部ヨーク74とは、XY平面に平行に互いに離間して配置されるが、±X方向端面の所で近接して、ポール76,78となる。ポール76,78の間は磁気ギャップとなる。
アーマチュア62は、±X方向に細長く延びる磁性体アームで、その±X方向の端部は、上部ヨーク72と下部ヨーク74のポール76,78によって形成される磁気ギャップの間に配置される(なお、図3参照)。アーマチュア62の延びる±X方向の中間(X=0)には、+Z方向に突出して中心穴を有する中央環状部63が設けられる。
第1コイル66及び第2コイル68は、それぞれX方向に中空穴を有するボビンに巻回され、アーマチュア62の+X方向側のアームに第1コイル66が配置され、−X方向側のアームに第2コイル68が配置される。
第1コイル66及び第2コイル68から引き出された4本のリード線は、まとめられて引出線チューブ80を介し、サーボ弁10の外部に引き出され、制御装置82に含まれる駆動回路84に接続される。フラッパ駆動装置60は制御装置82の駆動回路84によって駆動される。駆動回路84は、第1コイル66及び第2コイル68について、第1コイル66または第2コイル68のいずれか1コイルを駆動する。これに代えて、駆動回路84は、第1コイル66及び第2コイル68を直列接続した1つのコイル体を駆動する2コイル直列駆動を行うことができ、あるいは、第1コイル66及び第2コイル68を並列接続して2つのコイルを駆動する2コイル並列駆動もできる。以下では、特に断らない限り、フラッパ駆動装置60として、第1コイル66のみが駆動回路84によって駆動される1コイル駆動型のトルクモータについて述べる。
フラッパ30は、本体部16の内部空間とカバー部14の内部空間に渡って配置され、軸方向であるZ−Z方向に沿って延びる中空管である。フラッパ30の+Z方向の端部は、アーマチュア62の中央環状部63の中心穴の内径とほぼ同じ外径を有する肉厚の環状端部31である。環状端部31は、アーマチュア62の中央環状部63の中心穴に挿入され、ロー付等の固定手段によって互いに固定され、アーマチュア62とフラッパ30とが一体化して、T字形アーマチュア・フラッパが形成される。
フラッパ30の軸方向に沿った−Z方向の端部には、一対のフラッパ面34,36が設けられる。一対のフラッパ面34,36は、フラッパ30のZ軸方向に対し互いに反対側に配置される2つのYZ面で、精密に平坦化された面である。
フレキシブル管体26は、T字形アーマチュア・フラッパを回転可能に支持する柔軟な支持部材である。フレキシブル管体26は、肉厚が薄く、軸方向に撓み曲がることができる片持梁状の可撓管で、管の内径穴にフラッパ30が配置される。フレキシブル管体26は、フラッパ30の中空管の外周面に沿ってZ−Z方向に延び、−Z側の端部には、下部筐体部12の本体部16の上面に固定される固定部28が設けられる。+Z側の端部には、フラッパ30の環状端部31よりも−Z側で、フラッパ30の外形とアーマチュア62の中央環状部63の中心穴の内径との間に配置される圧入環状部27が設けられる。圧入環状部27の内径には、フラッパ30における環状端部31よりも−Z側の部分が圧入され、この圧入箇所において、フレキシブル管体26とフラッパ30及びアーマチュア62は一体化される。圧入環状部27の外径はアーマチュア62の中央環状部63の中心穴の内径より小さく、圧入箇所においてフレキシブル管体26の外周面はアーマチュア62と接触しない。圧入環状部27における圧入箇所を除いて、フレキシブル管体26はフラッパ30の外周面に接触しない。
上記のように、下部筐体部12の本体部16に固定される固定部28から立設された片持梁状のフレキシブル管体26の+Z側の先端の圧入環状部27に固定され、フラッパ30は、圧入環状部27から−Z方向に垂れ下がるように支持される。フレキシブル管体26が有する軸方向の可撓性を利用して、フラッパ30及びフラッパ30と一体のアーマチュア62は、回転中心64の周りに回転可能である。回転中心64のZ方向に沿った位置は、フレキシブル管体26の圧入環状部27と固定部28の間の薄肉可撓部のほぼ中間の位置である。
フィードバックばねは、フラッパ30の中空管の内部に配置されZ−Z方向に沿って延びる弾性軸である。フィードバックばねの+Z方向の端部であるばね上端部39は、フラッパ30の+Z方向側の環状端部31の内径に固定され、−Z方向の端部の接続ボール40は、スプール100の中央部近くに接続される。
第1ノズル50と第2ノズル52とは、フラッパ30を挟んで互いに向い合って配置され、所定の供給気体圧Psを有する気体供給源からの気体を先端のノズル口からX方向に沿ってフラッパ30に向かって噴出する2つのノズルである。フラッパ30がフレキシブル管体26によって支持された状態において、フラッパ30の2つのフラッパ面34,36は、それぞれ、第1ノズル50のノズル口と第2ノズル52のノズル口に向かい合う位置となる。すなわち、第1ノズル50は、フラッパ30の+X方向側に配置されてフラッパ面34に対向し、第2ノズル52は、フラッパ30の−X方向側に配置されてフラッパ面36に対向する。
フラッパ駆動装置60において、第1コイル66に駆動電流が供給されないときは、第1コイル66は磁束を発生せず、アーマチュア62は着磁されず中立位置の状態で、フラッパ30は回転中心64の周りに回転しない。このとき、フラッパ30のフラッパ面34と第1ノズル50のノズル口との間の距離、及び、フラッパ面36と第2ノズル52のノズル口との間の距離は等距離である。第1コイル66に駆動電流が供給されると、アーマチュア62が着磁され、その±X方向端面の着磁方向に従って、ポール76及びポール78の方向に吸引される。これによってアーマチュア62と一体化しているフラッパ30が回転中心64の周りに、X−Z平面上で回転する。このとき、フラッパ30のフラッパ面34と第1ノズル50のノズル口との間の距離と、フラッパ面36と第2ノズル52のノズル口との間の距離は、異なる距離となる。すなわち、サーボ弁10における可動部材であるT字アーマチュア・フラッパがフラッパ駆動装置60によって駆動されると、可動部材の位置は、中立位置から外れる。
気体供給源と、第1ノズル50及び第2ノズル52との間には、図1、図2では隠れて図示されないが、第1固定絞り130及び第2固定絞り132(図3から図5参照)がそれぞれ設けられる。したがって、第1ノズル50及び第2ノズル52には、所定の供給気体圧Psを有する気体供給源から第1固定絞り130及び第2固定絞り132によって絞られた後の気体が供給される。第1固定絞り130と第1ノズル50との間からは第1背圧路124が分岐し、第2固定絞り132と第2ノズル52との間からは第2背圧路126が分岐する。第1背圧路124と第2背圧路126の詳細については、スプール100に関連して後述する。
スリーブ90は、下部筐体部12の本体部16の内部空間に配置される筒形の部材である。スリーブ90の筒形の内壁面は、精密に加工されてスプール100を摺動可能に支持するスプール摺動空間を形成する。筒形の内壁面の形状は、矩形穴形状等でもよいが、以下では、円形穴形状とする。したがって、スリーブ90は、円形断面の貫通穴の内壁面を有し、その円形断面の穴の中をスプール100が摺動する。
本体部16の±X側端部に配置される側板部20,22は、スリーブ90の±X側の両端を覆って収容する窪みが設けられる。窪みの内径は、スリーブ90の外径よりも大径に設定される。側板部20,22における窪みは、スリーブ90の±X側の両端における第1気体圧室120及び第2気体圧室122を形成する。第1気体圧室120及び第2気体圧室122の詳細については、スプール100に関連して後述する。
スリーブ90は、外周面と貫通穴の内壁面との間を貫通して気体が流通する4種類のポートを有する。図2においては、+X側から−X側に向かって、Psと示す気体供給ポート92、CY1と示す第1出力ポート94、Exと示す排気ポート96、CY2と示す第2出力ポート98、Psと示す気体供給ポート93の5つのポートが配置される。
下部筐体部12の底面側には、スリーブ90における気体供給ポート92,93、第1出力ポート94、排気ポート96、第2出力ポート98に対応して、4つの外部接続口が設けられる。なお、スリーブ90において5つのポートが4つの外部接続口となったのは、気体供給ポート92,93を本体部16内で1つにまとめたためである。図2には、そのうちの第1出力ポート94と第2出力ポート98に対応する2つの外部接続口についてCY1,CY2と示した。他の気体供給ポート92,93及び排気ポート96に対応する2つの外部接続口は、紙面上の向こう側である+Y側及び手前側である−Y側に配置されているため、図示されない。
気体供給ポート92,93に対応する外部接続口は、図示しない気体供給源に接続され、所定の供給気体圧Psの気体がサーボ弁10に対して供給される。第1出力ポート94と第2出力ポート98に対応する2つの外部接続口は、図示しない外部負荷の2つの入力ポートに接続される。外部負荷は、例えば、各種機器に装備される気体圧弁である。排気ポート96に対応する外部接続口は、サーボ弁10から使用済みの気体が排気される。排気された気体は、回収タンクに戻され、あるいはそのまま大気に開放される。
スプール100は、スリーブ90の貫通穴の内壁面を摺動可能な外径を複数の有する複数のランドと、ランドよりも小さな外径を有し隣接するランドの間を接続する複数のステムとを有する軸体である。
スプール100がスリーブ90に対し中立位置のときは、図2に示すように、+X側から−X側に向かって、第1ランド102、第2ランド104、第3ランド106、第4ランド108が配置される。各ランドの間には、それぞれ気体圧室が形成される。
中立位置では、スプール100の4つのランド及びこれらの間に形成される3つの気体圧室と、スリーブ90の5つのポートとは、以下の配置関係に設定される。まず第2ランド104はスリーブ90においてCY1と示す第1出力ポート94を完全に閉じる位置にある。同様に、第3ランド106は、スリーブ90においてCY2と示す第2出力ポート98を完全に閉じる位置にある。そして、第1ランド102と第2ランド104との間の気体圧室は、スリーブ90においてPsと示す気体供給ポート92に連通する位置にある。同様に、第2ランド104と第3ランド106の間の気体圧室は、スリーブ90においてExと示す排気ポート96に連通する位置にある。また、第3ランド106と第4ランド108の間の気体圧室は、スリーブ90においてPsと示す気体供給ポート93に連通する位置にある。
第2ランド104と第3ランド106との間のステムには、フィードバックばね38の先端の接続ボール40にスプール100の±X方向に沿った動きを伝達する接続部110である。接続部110は、スプール100のX方向に沿った全長の中央位置に設けられた貫通穴で、その貫通穴に接続ボール40が挿入される。貫通穴に代えて、接続ボール40の±Xの両側に2つの案内鍔を設け、2つの案内鍔の間の案内溝に接続ボール40を案内しながら保持する方法を用いてもよい。
スプール100の軸方向であるX方向に沿った全長は、スリーブ90のX方向に沿った全長よりも短く設定される。スリーブ90の±X側端部には側板部20,22が配置され、側板部20,22には、スリーブ90の±X側の両端における突出部分を覆って収容する窪みが設けられている。これにより、スリーブ90の+X側の貫通穴内壁面及び側板部20の窪みと、スプール100の第1ランド102の+X側端部との間に第1気体圧室120が形成される。同様に、スリーブ90の−X側の貫通穴内壁面及び側板部22の窪みと、スプール100の第4ランド108の−X側端部との間に第2気体圧室122が形成される。上記におけるスプール100とスリーブ90のX方向に沿った全長の関係は、例示であって、サーボ弁10の仕様等に応じ適宜変更が可能である。
第1気体圧室120は、第1背圧路124によって第1ノズル50の気体供給口と接続される。第1背圧路124は、第1固定絞り130と第1ノズル50との間から分岐するので、第1背圧路124には、第1ノズル50の背圧を有する気体が導かれる。同様に、第2気体圧室122は、第2背圧路126によって第2ノズル52の気体供給口と接続される。第2背圧路126は、第2固定絞り132と第2ノズル52との間から分岐するので、第2背圧路126には、第2ノズル52の背圧を有する気体が導かれる。
第1補助タンク140及び第2補助タンク142は、スプール100の内部に設けられる気体収容空間である。第1補助タンク140及び第2補助タンク142は、それぞれ、第1補助絞り部144及び第2補助絞り部146を介して第1気体圧室120及び第2気体圧室122に接続される。第1補助タンク140及び第2補助タンク142は、第1気体圧室120及び第2気体圧室122の気体圧が変動したときにその変動を抑制するバッファタンクである。第1補助絞り部144及び第2補助絞り部146としては、適当なオリフィスを用いることができる。
以上が、全ての可動要素が中立位置にあるときのサーボ弁10の説明である。上記構成の作用について、図3から図5の作動モデル図を用いてさらに詳細に説明する。これらの図において、図1、図2では隠れて図示されなかった第1固定絞り130及び第2固定絞り132が示される。
第1固定絞り130は、所定の供給気体圧Psを有する気体供給源と第1ノズル50との間に配置される。第1ノズル50の背圧は、第1固定絞り130と第1ノズル50との間から分岐した第1背圧路124を通って第1気体圧室120に導かれる。同様に、第2固定絞り132は、所定の供給気体圧Psを有する気体供給源と第2ノズル52との間に配置される。第2ノズル52の背圧は、第2固定絞り132と第2ノズル52との間から分岐した第2背圧路126を通って第2気体圧室122に導かれる。
なお、これらの作動モデル図においては、第1補助タンク140及び第2補助タンク142をスプール100と分離して示したのは、作動モデルとしての説明のためである。図1、図2では、第1補助タンク140及び第2補助タンク142をスプール100の内部に設けたが、サーボ弁10の作動上はスプール100の内部以外のところに配置しても構わない。例えば、側板部20に第1補助タンク140を配置し、側板部22に第2補助タンク142を配置してもよい。あるいは、スプール100が内蔵された本体部16においてスリーブ摺動空間から隔離された領域に第1補助タンク140及び第2補助タンク142を配置してもよい。
図3は、サーボ弁10の作動モデル図のうち、中立位置の状態を示す図である。中立位置の状態においては、制御装置82の駆動回路84から第1コイル66に駆動電流が供給されず、アーマチュア62は着磁されず、したがって、フラッパ30は第1ノズル50及び第2ノズル52と等距離の中立位置にある。気体供給源からPsの気体が第1ノズル50及び第2ノズル52に供給されても、第1ノズル50の背圧及び第2ノズル52の背圧は同じで、スプール100は中立位置のままである。したがって、CY1と示す第1出力ポート94は、第2ランド104によって完全に閉じられた状態にあり、CY2と示す第2出力ポート98は、第3ランド106によって完全に閉じられた状態にある。
図4は、制御装置82において駆動回路84が作動し、第1コイル66に駆動電流Iが流れ、アーマチュア62において、+X側のアームがS極、−X側のアームがN極に着磁された場合を示す図である。着磁されたアーマチュア62とポール76,78の磁界との協働によって、アーマチュア62の+X側のアームがポール76側に吸引され、−X側のアームがポール78側に吸引される。図4において、{駆動電流Iによって生じるアーマチュア62の回転中心64の周りのトルク}を実線矢印で示す。これによって、アーマチュア62と一体化しているフラッパ30が回転中心64の周りに回転し、フラッパ面34は中立位置よりも第1ノズル50側に近接し、フラッパ面36は中立位置よりも第2ノズル52から遠ざかる。
このように、第1ノズル50及び第2ノズル52に対するフラッパ面34,36の位置が変化するので、第1ノズル50の背圧及び第2ノズル52の背圧がそれぞれ変化する。図4の例では、(第1ノズル50の背圧)>(第2ノズル52の背圧)となる。第1ノズル50の背圧は、第1背圧路124によって第1気体圧室120に導かれ、第2ノズル52の背圧は、第2背圧路126によって第2気体圧室122に導かれる。これにより、スプール100の軸方向の両端に懸る圧力に差が生じるので、その圧力差に応じてスプール100は軸方向に移動する。図4の例では、白抜矢印で示すように、中立位置から−X方向へ移動する。この移動によって、第2ランド104はCY1と示す第1出力ポート94を開いて気体供給ポート92と連通し、第3ランド106はCY2と示す第2出力ポート98を開いて排気ポート96と連通する。
スプール100の軸方向移動と共に、フィードバックばね38の先端の接続ボール40も軸方向に移動する。図4の例では、スプール100は−X方向に移動するので、接続ボール40も−X方向に移動する。これによってフィードバックばね38は−X方向に撓むので、その弾性反力は+X方向を向く。つまり、フィードバックばね38の弾性反力は、スプール100を+X方向へ戻すように生じる。{(フィードバックばね38の弾性反力)×(接続ボール40から回転中心64までの距離)}が、{駆動電流Iによって生じるアーマチュア62の回転中心64の周りのトルク}と同じになると、アーマチュア62とフラッパ30とが中立位置の状態に戻る。フラッパ30が中立位置に戻されて第1ノズル50の背圧と第2ノズル52の背圧との差がゼロとなると、スプール100の軸方向両端の圧力が釣合状態となり、スプール100の軸方向の移動を停止する。
図5は、スプール100の軸方向の移動が停止した釣合状態を示す図である。{(フィードバックばね38の弾性反力)×(接続ボール40から回転中心64までの距離)}による釣合トルクを破線で示す。釣合トルクは、{駆動電流Iによって生じるアーマチュア62の回転中心64の周りのトルク}と逆方向で同じ大きさである。アーマチュア62と一体化されているフラッパ30は中立位置で、(第1ノズル50の背圧)は(第2ノズル52の背圧)とほぼ同じとなる。釣合状態において、第1出力ポート94には、釣合状態における第2ランド104の位置で定まる第1出力ポート94の開口度に応じた流量Qの気体が気体供給源側から流れ込む。流量Qは、駆動回路84から第1コイル66に供給される駆動電流Iに応じた値となる。なお、第2出力ポート98においては、釣合状態における第3ランド106の位置で定まる第2出力ポート98の開口度に応じ、負荷側からExに向けて排気が行われる。
釣合状態において発振が生じることがある。発振が生じると、スプール100の軸方向両端における背圧差が振動状態となり、スプール100は釣合状態の位置から±X方向にその位置を振動させる。これによって、第1出力ポート94に流れる気体の流量Qが振動状態となる。第1補助タンク140及び第2補助タンク142と、第1補助絞り部144及び第2補助絞り部146とは、この振動を抑制する働きをする。
図6と図7は、第1補助タンク140及び第2補助タンク142の振動抑制効果を示す図である。これらの図は、サーボ弁10のゲイン特性図である。横軸は、第1コイル66に供給される駆動電流Iの周波数であり、縦軸は、(流量Q/駆動電流I)をサーボ弁10のゲインとして、ゲイン及び位相を示す。
図6は、図1、図2の構成のゲイン特性図である。ここでは、第1補助タンク140及び第2補助タンク142がそれぞれ第1補助絞り部144及び第2補助絞り部146を介して第1気体圧室120及び第2気体圧室122に接続されている。これによって、第1気体圧室120と第2気体圧室122の間の背圧差の振動状態を抑制でき、スプール100の±X方向の振動を抑制し、第1出力ポート94の流量Qの振動状態を抑制する。図6において、発振周波数f0において抑制された後のゲインの持ち上り150を示す。ゲインの持ち上り150は発振特有のピークを有していない。
図7は、比較例として、図1、図2の構成において、第1補助タンク140及び第2補助タンク142と第1補助絞り部144及び第2補助絞り部146とを取り去ったときのゲイン特性図である。ここでは、発振周波数f0において、発振特有のピーク152が現れている。
図6、図7の比較において、(発振特有のピーク152)と(ゲインの持ち上り150)の差が、第1補助タンク140及び第2補助タンク142と第1補助絞り部144及び第2補助絞り部146とによる振動抑制効果である。この振動抑制効果は、気体供給源の所定の供給気体圧Psと、第1補助絞り部144及び第2補助絞り部146の絞り度とによって異なる。実験によれば、所定の供給気体圧Psに対し、第1補助絞り部144及び第2補助絞り部146の絞り度を適切化することで、およそ−20dB程度の振動抑制効果が得られた。
サーボ弁10が作動時に振動状態となると、第1コイル66及び第2コイル68に逆起電力が発生する。この逆起電力を利用して振動を抑制することができる。図8は、駆動回路84として、第1コイル66の両端電圧を帰還して駆動電圧を供給する電圧帰還型のアンプの例を示す図である。図9は、比較のために、駆動回路84として、第1コイル66に流れる電流を帰還して駆動電流を供給する電流帰還型のアンプを示す図である。図9に示す電流帰還型のアンプは、ほぼ定電流源として作用し、その出力インピーダンスは無限大に近くなり、発振時に第1コイル66に生じる逆起電力を電流として接地側に流すことが難しい。これに比較すると、図8の電圧帰還型のアンプは、その出力インピーダンスが小さいので、発振時の逆起電力を第1コイル66において電力として消費させることができる。これによりダンピング効果が生じ、発振を抑制することができる。
別の方法として、発振が生じたときに、駆動に用いられていない第2コイル68を短絡し、発振時の逆起電力を第2コイル68において電力として消費させてもよい。発振が止まれば、短絡を解除して元の状態に戻す。短絡による駆動制限が強すぎるときは、第2コイル68について抵抗を介した短絡としてもよい。この方法は、駆動に用いられる第1コイル66について図8の電圧帰還型のアンプを用いるときに併用してもよい。また、この方法は、駆動に用いられる第1コイル66について図9の電流帰還型のアンプを用いるときに適用しても発振を止める効果を有する。
上記構成のフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁10によれば、流体に気体を用いることで「フィードバックばねを用いた油圧サーボ弁」では生じない発振が生じても、発振を抑制できる。
10 (フィードバックばねを用いた気体圧)サーボ弁、12 下部筐体部、14 カバー部、16 本体部、20,22 側板部、26 フレキシブル管体、27 圧入環状部、28 固定部、 30 フラッパ、31 環状端部、34,36 フラッパ面、38フィードバックばね、39 ばね上端部、40 接続ボール、50 第1ノズル、52 第2ノズル、60 フラッパ駆動装置、62 アーマチュア、63 中央環状部、64 回転中心、66 第1コイル、68 第2コイル、70 永久磁石、72 上部ヨーク、74 下部ヨーク、76,78 ポール、80 引出線チューブ、82 制御装置、84
駆動回路、90 スリーブ、92,93 気体供給ポート(Ps)、94 第1出力ポート(CY1)、96 排気ポート(Ex)、98 第2出力ポート(CY2)、100
スプール、102 第1ランド、104 第2ランド、106 第3ランド、108 第4ランド、110 接続部、120 第1気体圧室、122 第2気体圧室、124 第1背圧路、126 第2背圧路、130 第1固定絞り、132 第2固定絞り 140 第1補助タンク、142 第2補助タンク、144 第1補助絞り部、146 第2補助絞り部、150 持ち上り、152 ピーク。

Claims (4)

  1. 流体として圧縮性流体である気体を用い、
    互いに向かい合って配置された2つのノズルと、
    2つのノズルの間に配置されたフラッパと、
    ノズルに対するフラッパの位置を移動駆動するフラッパ駆動装置と、
    ノズルに対するフラッパの位置に応じて変化する各ノズルの背圧をそれぞれ導く2つの背圧路と、
    各ノズルの前段にそれぞれ設けられた2つの固定絞りと、
    気体供給ポート、排気ポート、及び、2つの出力ポートを有するスリーブと、
    スリーブ内を摺動可能なスプールであって、スリーブのスプール摺動空間との間で形成される軸方向両端の気体圧室にそれぞれ背圧路が接続されたスプールと、
    フラッパの先端から延びてスプールに接続されるフィードバックばねと、
    を備えるフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁であって、
    フラッパ駆動装置によって生じるフラッパの回転中心の周りのトルクとフィードバックばねの弾性反力とが同じとなってスプールの軸方向両端の気体圧が釣合状態となりスプールの軸方向の移動が停止した状態において、気体の圧縮性に基づいて生じ得るスプールの軸方向両端の2つの気体圧室の圧力差の振動を抑制する補助絞り部付き補助タンクであって、2つの気体圧室にそれぞれ、気体供給ポートから供給される所定の供給気体圧に応じ、且つ、圧力差の振動周波数に応じた絞り度が設定された補助絞り部を介して接続された補助タンクを備え
    補助タンクは、スプールの内部に設けられていることを特徴とするフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁。
  2. 流体として圧縮性流体である気体を用い、
    互いに向かい合って配置された2つのノズルと、
    2つのノズルの間に配置されたフラッパと、
    ノズルに対するフラッパの位置を移動駆動するフラッパ駆動装置と、
    ノズルに対するフラッパの位置に応じて変化する各ノズルの背圧をそれぞれ導く2つの背圧路と、
    各ノズルの前段にそれぞれ設けられた2つの固定絞りと、
    気体供給ポート、排気ポート、及び、2つの出力ポートを有するスリーブと、
    スリーブ内を摺動可能なスプールであって、スリーブのスプール摺動空間との間で形成される軸方向両端の気体圧室にそれぞれ背圧路が接続されたスプールと、
    フラッパの先端から延びてスプールに接続されるフィードバックばねと、
    を備えるフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁であって、
    フラッパ駆動装置によって生じるフラッパの回転中心の周りのトルクとフィードバックばねの弾性反力とが同じとなってスプールの軸方向両端の気体圧が釣合状態となりスプールの軸方向の移動が停止した状態において、気体の圧縮性に基づいて生じ得るスプールの軸方向両端の2つの気体圧室の圧力差の振動を抑制する補助絞り部付き補助タンクであって、2つの気体圧室にそれぞれ、気体供給ポートから供給される所定の供給気体圧に応じ、且つ、圧力差の振動周波数に応じた絞り度が設定された補助絞り部を介して接続された補助タンクを備え、
    補助タンクは、スプールが内蔵された本体部の内部にスプール摺動空間と隔離されて設けられていることを特徴とするフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁。
  3. 流体として圧縮性流体である気体を用い、
    互いに向かい合って配置された2つのノズルと、
    2つのノズルの間に配置されたフラッパと、
    ノズルに対するフラッパの位置を移動駆動するフラッパ駆動装置と、
    ノズルに対するフラッパの位置に応じて変化する各ノズルの背圧をそれぞれ導く2つの背圧路と、
    各ノズルの前段にそれぞれ設けられた2つの固定絞りと、
    気体供給ポート、排気ポート、及び、2つの出力ポートを有するスリーブと、
    スリーブ内を摺動可能なスプールであって、スリーブのスプール摺動空間との間で形成される軸方向両端の気体圧室にそれぞれ背圧路が接続されたスプールと、
    フラッパの先端から延びてスプールに接続されるフィードバックばねと、
    を備えるフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁であって、
    フラッパ駆動装置によって生じるフラッパの回転中心の周りのトルクとフィードバックばねの弾性反力とが同じとなってスプールの軸方向両端の気体圧が釣合状態となりスプールの軸方向の移動が停止した状態において、気体の圧縮性に基づいて生じ得るスプールの軸方向両端の2つの気体圧室の圧力差の振動を抑制する補助絞り部付き補助タンクであって、2つの気体圧室にそれぞれ、気体供給ポートから供給される所定の供給気体圧に応じ、且つ、圧力差の振動周波数に応じた絞り度が設定された補助絞り部を介して接続された補助タンクを備え、
    補助タンクは、スプール摺動空間の軸方向両端に付加した側板部に設けられていることを特徴とするフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁。
  4. フラッパ駆動装置は、
    フラッパの位置を移動駆動するためのコイルを有し、コイルの両端電圧を帰還して駆動電圧を供給する駆動回路に接続されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1に記載のフィードバックばねを用いた気体圧サーボ弁。
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