以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
[第1実施形態]
≪ドラム式洗濯機1≫
まず、本実施形態に係るドラム式洗濯機1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るドラム式洗濯機の内部構造を示すために筐体の一部を切断して示した斜視図である。図2は、本実施形態に係るドラム式洗濯機の内部構造を示すために筐体の一部及び外槽を切断して示した右側面図である。
図1に示すように、ドア2は、前面カバー1cの略中央に設けた洗濯物を出し入れするための投入口を塞ぐためのものであり、ドラム式洗濯機1の前補強材(図示せず)に設けたヒンジ(図示せず)で開閉可能に支持されている。前面カバー1cの上部には、操作スイッチ(入力手段)13や表示器14が設けられている。
洗剤・ソフナケース15は、ドラム式洗濯機1の上部左側に設けており、前部開口から引き出し式の洗剤トレイや、ソフナトレイを装着する。洗剤・ソフナケース15の後方には、第1の給水弁201、第2の給水弁(給水手段)202、第3の給水弁203(以上、図4参照)や風呂水吸水ポンプ(図示せず)、水位センサ63(図5参照)等、給水に関連する部品を設けてある。上面カバー1eには、水道栓からの給水ホース接続口16が設けてある。また、上面カバー1eには、風呂の残り湯の吸水ホース接続口17も設けてある。
図2に示すように、ドラム式洗濯機1のドラム8は回転自在に外槽10内に支持されており、その外周壁に通水及び通風のための多数の貫通孔を有し、前側端面に洗濯物を出し入れするための開口部8aを設けてある。開口部8aの外側には、ドラム8と一体の流体バランサ8cを備えている。外周壁の内側には、軸方向に延びるリフタ8bが周方向に離散的に複数個設けてあり、洗濯、乾燥時にドラム8を回転すると、洗濯物はリフタ8bと遠心力で外周壁に沿って持ち上がり、重力で落下するような動きを繰り返すタンブリング動作を行う。ドラム8の回転中心軸は、水平又は開口部8a側が高くなるように、水平に対して0〜30°程度傾斜している。
円筒状の外槽10は、ドラム8を同軸上に内包し、前面は開口し、後側端面の外側中央にモータ9を備える。モータ9の回転軸9aは、外槽10を貫通し、ドラム8と結合している。なお、ドラム8は、モータ9によって回転させられるが、外槽10は回転しない。また、ドラム8と外槽10との間には隙間が設けられている。
外槽10の前面の開口部には、外槽カバー100を設け、外槽10内への貯水を可能としている。外槽カバー100の前側中央には、洗濯物を出し入れするための開口部(正面側開口部)101を設けてある。開口部101とドラム式洗濯機1の筐体に設けられた前補強材(図示せず)に設けた開口部は、ゴム製のベローズ11で接続しており、ドア2を閉じることで外槽10を水封する。
外槽10は、下側をベース1hに固定されたサスペンション12(コイルばねとダンパで構成)で防振支持されている。また、外槽10の上側は上部補強部材に取り付けた補助ばね(図示せず)で支持されており、外槽10の前後方向への倒れを防ぐことができる。
乾燥ダクト18は、ドラム式洗濯機1の背面内側に縦方向に設置され、ダクト下部は外槽10の背面下方に設けた吸気口10eにゴム製の蛇腹管18aで接続される。乾燥ダクト18内には、水冷除湿機構230(図4参照)を内蔵しており、第3の給水弁203(図4参照)から水冷除湿機構230へ冷却水が供給される。
乾燥ダクト18の上部は、ドラム式洗濯機1内の上部右側に前後方向に設置したフィルタダクト19に接続している。フィルタダクト19は前面に開口部を有しており、この開口部に引き出し式の乾燥フィルタ20を挿入してある。乾燥ダクト18からフィルタダクト19へ入った空気は、乾燥フィルタ20のメッシュフィルタ部(図示せず)に流入し、糸くずが除去される。なお、乾燥フィルタ20の掃除は、乾燥フィルタ20を引き出してメッシュフィルタ部を取り出して行う。
また、フィルタダクト19の乾燥フィルタ20の挿入部の下面には開口部が設けてあり、この開口部により、フィルタダクト19と吸気ダクト(図示せず)を介して、送風ユニット21の吸気口と接続している。
送風ユニット21は、駆動用のファンモータ22、羽根車(図示せず)、ファンケース(図示せず)で構成されている。また、ファンケースにはヒータ23が内蔵されており、羽根車から送られる空気を加熱する。
送風ユニット21の吐出口(乾燥フィルタ20の出口)は、送風ダクト24に接続する。送風ダクト24は、ゴム製の蛇腹管24aを介して外槽カバー100に設けた吹き出し口25に接続している。本実施形態では、送風ユニット21がドラム式洗濯機1の筐体内の上部右側に設けてあるので、吹き出し口25は外槽カバー100の正面から見て右斜め上の位置に設け、送風ユニット21から吹き出し口25までの距離を極力短くするようにしてある。
このように、ドラム8内の空気は、ドラム8の壁面の貫通孔から外槽10に抜け、外槽10の背面下方に設けた吸気口10eから蛇腹管18a、乾燥ダクト18、フィルタダクト19、乾燥フィルタ20、送風ユニット21の吸気口へと吸い込まれ、送風ユニット21の吐出口から蛇腹管24aを介して吹き出し口25からドラム8内に風を送り込む循環風路が形成される。
また、ドラム式洗濯機1の下部には、モータ9、ファンモータ22、ヒータ23等を制御する制御装置(運転制御手段)60が設けられている。
≪外槽カバー≫
本実施形態に係るドラム式洗濯機1が備える外槽カバー100について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係るドラム式洗濯機が備える外槽カバーの背面図である。
外槽カバー100は、ドラム式洗濯機1の使用者がドラム8内の洗濯物を出し入れする正面側開口部101と、外槽10と接続される背面側開口部102とを有する。
外槽カバー100の正面側開口部101の左右には、後述する循環ポンプ210(循環手段:図4参照)が吐出する循環水をドラム8内へ向けて噴射する循環シャワーノズル(循環手段)140a,140bを備える。後述する循環ポンプ210(図4参照)から吐出された循環水は、接続ホース(図示せず)を介して二股継手141へと流れ、二股継手141の一端から接続ホースを介して循環シャワーノズル140aへ流れる。同様に、二股継手141の他端から接続ホースを介して循環シャワーノズル140bへ流れる。そして、循環シャワーノズル140a,140bからドラム8内(つまり、外槽10内)へ向けて循環水が噴射される。
なお、ここでは、循環シャワーノズル140a,140bが2つ備えられているものとして説明しているが、これに限られるものではなく、循環シャワーノズルが1つ備えられていてもよいし、循環シャワーノズルが3つ以上備えられていてもよい。
また、外槽カバー100の正面側開口部101の上部には、清水(水道水)を噴射する清水シャワーノズル(給水手段)150を備える。後述する第2の給水弁202(図4、図5参照)から供給された清水は、接続ホース(図示せず)を介して、清水シャワーノズル150へ流れる。そして、清水シャワーノズル150からドラム8内(つまり、外槽10内)へ向けて清水が噴射される。
なお、正面視右上側(図3では、背面視左上側)には、送風ユニット21(図1、図2参照)からの温風が吹き出される吹き出し口25の取り付け部25aが設けられている。また、外槽カバー100にはオーバーフロー排水口103が形成され、外槽10及び外槽カバー100に注水し続けた場合であっても、正面側開口部101から水があふれ出ることを防止している。
≪ドラム式洗濯機の流路≫
本実施形態に係るドラム式洗濯機1の流路について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態に係るドラム式洗濯機の流路について説明する模式図である。なお、オーバーフロー排水口103(図3参照)や吸水ホース接続口17については省略している。
ドラム式洗濯機1は、給水ホース接続口16(図1参照)から機内に給水され、第1の給水弁201、第2の給水弁202、第3の給水弁203のそれぞれへと分岐する。
<第1の給水弁>
第1の給水弁201は、洗剤・ソフナケース15を経由して外槽10に設けられた給水口10aへと接続ホースを介して接続される。これにより、第1の給水弁201を開弁することにより、給水ホース接続口16から給水される清水が、洗剤・ソフナケース15に投入された洗剤と共に外槽10に設けられた給水口10aから外槽10の壁面に沿って流れる。
<第2の給水弁>
第2の給水弁202は、清水シャワーノズル150へと接続ホースを介して接続される。また、第2の給水弁202から清水シャワーノズル150への流路の間で分岐し、乾燥ダクト18(図1、図2参照)内の水冷除湿機構230へ接続される。これにより、第2の給水弁202を開弁することにより、給水ホース接続口16から給水される清水が、清水シャワーノズル150に給水されドラム8内(つまり、外槽10内)へ清水を噴射する。また、清水の一部は洗浄水として乾燥ダクト18の洗浄に用いられる。なお、水冷除湿機構230への流路を狭めることで、清水シャワーノズル150への流量を確保することができ、清水シャワーノズル150から水道圧によって噴射される。
<第3の給水弁>
第3の給水弁203は、乾燥ダクト18内の水冷除湿機構230と接続ホースを介して接続される。これにより、第3の給水弁203を開弁することにより、給水ホース接続口16から給水される清水が、冷却水として水冷除湿機構230を流れる。なお、乾燥ダクト18の水冷除湿機構230を流れる水は機外へ排出される。
<循環水路・排水路>
外槽10の底面には凹状の窪み部10bがドラム8の回転軸方向に設けられている。窪み部10bの底面は、前側から後側に下がる傾斜面となっており、窪み部10bの後側最下部に排水口10cが設けられている。また、窪み部10bの前側には流入口10dが設けられている。
循環ポンプ210は、内部に循環ポンプモータ211(循環手段:図5参照)を備え、吸込口210a、自然排水口210b、2つの吐出口210c,210dを有する。吸込口210aは、外槽10の排水口10cと接続ホースを介して接続される。自然排水口210bは、排水弁(排水手段)204の一端と接続ホースを介して接続される。吐出口210cは、二股継手141と接続ホースを介して接続される。吐出口210dは、外槽10の流入口10dと接続ホースを介して接続される。また、排水弁204の他端は、排水ホースと接続される。
排水弁204を開弁することにより、外槽10内の水は、外槽10の排水口10cから循環ポンプ210の吸込口210a及び自然排水口210b、排水弁204を経由して、排水ホースから機外に排水される。
循環ポンプ210は、排水弁204を閉弁した状態において、循環ポンプモータ211を正転させることにより、吸込口210aから水(循環水)を吸い込み、吐出口210cから吐出する。循環ポンプ210の吐出口210cは二股継手141と接続され、循環シャワーノズル140a及び循環シャワーノズル140bと接続される。これにより、循環ポンプ210は、外槽10の排水口10cから吸い込んだ水(循環水)を循環シャワーノズル140a,140bからドラム8内(つまり、外槽10内)に噴射させることができるようになっている。
また、循環ポンプ210は、排水弁204を閉弁した状態において、循環ポンプモータ211を逆転させることにより、吸込口210aから水(循環水)を吸い込み、吐出口210dから吐出する。これにより、循環ポンプ210は、外槽10の窪み部10bとの間で水(循環水)を循環させることができるようになっている。
なお、循環ポンプ210は、循環ポンプモータ211の回転の向きにより吐出口210c,210dを切替える循環ポンプとして説明するが、これに限られるものではない。例えば、切替弁を備え、切替弁を切り替えることにより、吐出口を切り替える循環ポンプであってもよい。
≪ドラム式洗濯機の制御装置≫
本実施形態に係るドラム式洗濯機1の制御装置60について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態に係るドラム式洗濯機の制御装置の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、制御装置60は、マイコン(運転制御手段)70を中心に構成され、マイコン70と、モータ駆動回路76と、ファンモータ駆動回路77と、ヒータスイッチ78と、循環ポンプ駆動回路79と、を備えている。また、マイコン70は、運転パターンデータベース71と、工程制御部(運転制御手段)72と、回転速度算出部73と、洗濯物重量算出部74と、モータ電流値判定部(発泡監視手段)75と、を備えている。
操作スイッチ13は、使用者が操作することにより運転コースを入力することができるようになっている。操作スイッチ13で入力された運転コースに対応した信号は、マイコン70に入力するようになっている。
回転検出装置61は、例えばレゾルバで構成され、モータ9の回転を検出することができるようになっている。回転検出装置61で検出された信号は、マイコン70に入力するようになっている。
モータ電流値検出装置(発泡監視手段)62は、モータ9の電流値を検出することができるようになっている。モータ電流値検出装置62で検出された信号は、マイコン70に入力するようになっている。
水位センサ63は、外槽10の内部に貯留された水の水位を検出することができるようになっている。水位センサ63で検出された信号は、マイコン70に入力するようになっている。
マイコン70は、操作スイッチ13から入力された運転コースに対応する運転パターンを運転パターンデータベース71から呼び出し、洗濯又は/及び乾燥を開始する機能を有している。工程制御部72は、運転パターンデータベース71から呼び出された運転パターンに基づき、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の各工程を運転制御する機能を有している。
各工程では、工程制御部72は、表示器14、第1の給水弁201、第2の給水弁(給水手段)202、第3の給水弁203、排水弁204を制御する機能を有している。また、工程制御部72は、モータ駆動回路76を介してモータ9を駆動制御する機能を有している。また、工程制御部72は、ファンモータ駆動回路77を介してファンモータ22を駆動制御する機能を有している。また、工程制御部72は、ヒータスイッチ78のON/OFFを制御することによりヒータ23への通電を制御する機能を有している。また、工程制御部72は、循環ポンプ駆動回路79を介して循環ポンプ210(図4参照)の循環ポンプモータ211を駆動制御する機能を有している。
回転速度算出部73は、モータ9の回転を検出する回転検出装置61からの検出値に基づいて、モータ9の回転速度を算出する機能を有している。
洗濯物重量算出部74は、回転速度算出部73で算出された回転速度と、モータ電流値検出装置62の検出値(モータ電流値)に基づいて、ドラム8(図2参照)内の洗濯物(衣類)の重量を算出する機能を有している。洗濯物の重量が増加することによりドラム8を回転させるための負荷が大きくなり、モータ9に流れるモータ電流値が多く必要になることから、モータ9のモータ電流値と回転速度により洗濯物の重量を算出することができる。
モータ電流値判定部75は、後述する「すすぎ1工程」(図6のステップS8)において、モータ電流値検出装置62の検出値(モータ電流値)に基づいて、ドラム8(図2参照)の回転によるすすぎ水の巻き上げや発泡を検知する機能を有している。なお、モータ電流値判定部75についての詳細は、図7を用いて後述する。
≪運転工程≫
第1実施形態に係るドラム式洗濯機1の運転工程について、図6を用いて説明する。図6は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機における洗濯運転(洗い〜すすぎ〜脱水)の運転工程を説明する工程図である。
ステップS1において、工程制御部72は、ドラム式洗濯機1の運転工程のコース選択の入力を受け付ける(コース選択)。ここで、使用者は、ドア2を開けて、ドラム8の内部に洗濯する洗濯物を投入し、ドア2を閉じる。そして、使用者は、操作スイッチ13を操作することにより、運転工程のコースを選択し入力する。操作スイッチ13が操作されることにより、選択された運転工程のコースが工程制御部72に入力される。工程制御部72は、入力された運転工程のコースに基づいて、運転パターンデータベース71から対応する運転パターンを読み込み、ステップS2に進む。なお、以下の説明において、洗濯コース(洗い〜すすぎ2回〜脱水)が選択されたものとして説明する。
ステップS2において、工程制御部72は、ドラム8に投入された洗濯物の重量(布量)を検出する工程を実行する(布量センシング)。具体的には、工程制御部72は、モータ9を駆動してドラム8を正逆回転させ、洗濯物重量算出部74が注水前の洗濯物の重量(布量)を算出する。
ステップS3において、工程制御部72は、ステップS2で検出した布量に基づいて、洗剤量・運転時間を算出する工程を実行する(洗剤量運転時間算出)。例えば、布量と洗剤量の関係を示すマップ及び布量と運転時間の関係を示すマップが、予めマイコン70の記憶部(図示せず)に記憶されており、工程制御部72はマップ検索により洗剤量・運転時間を算出する。なお、工程制御部72は、算出された洗剤量・運転時間を表示器14に表示する。
ステップS4において、工程制御部72は、洗剤投入待ち工程を実行する。例えば、工程制御部72は、所定時間待機して、ステップS5に進む。なお、工程制御部72は、洗剤・ソフナケース15の開閉を検知する手段(図示せず)により、洗剤・ソフナケース15が開けられた後に閉じられた場合、洗剤が投入されたものとして、ステップS5に進む構成であってもよい。
ステップS5において、工程制御部72は、洗剤溶かし工程を実行する。ここで、洗剤溶かし工程とは、後述する本洗い工程(ステップS7参照)における水量よりも少ない水量で洗剤を溶かし、洗剤濃度の高い洗い水を生成する工程である。工程制御部72は、排水弁204を閉弁し、第1の給水弁201を開弁して、水(清水)とともに洗剤・ソフナケース15に投入された洗剤を外槽10の下部に供給し、第1の給水弁201を閉弁する。そして、工程制御部72は、循環ポンプモータ211を逆転させるように制御する。これにより、循環ポンプ210は、吸込口210aから供給された水と洗剤を吸い込み、吐出口210dから吐出する。窪み部10bの前側に設けられた吐出口210dから吐出された水と洗剤は、窪み部10bの傾斜により後方へと流れ、窪み部10bの後側最下部に設けられた排水口10c及び吸込口210aへと流れ、再び循環ポンプ210に吸い込まれる。このように、循環ポンプ210と外槽10の窪み部10bとの間で水と洗剤を循環させることにより、洗剤を水に溶かし、洗剤濃度の高い洗い水を生成する。
ステップS6において、工程制御部72は、前洗い工程を実行する。ここで、前洗い工程とは、洗剤溶かし工程(ステップS5参照)で生成された洗剤濃度の高い洗い水を洗濯物に浸み込ませる工程である。洗剤濃度の高い洗い水を洗濯物に浸み込ませることにより、洗浄力が向上する。具体的には、工程制御部72は、モータ9を制御してドラム8を回転させるとともに、循環ポンプモータ211を正転させるように制御する。これにより、排水口10c(吸込口210a)から吸い込んだ洗剤濃度の高い洗い水を循環シャワーノズル140a,140bからドラム8の内部(つまり、外槽10内)に吐出させることにより、洗剤濃度の高い洗い水をドラム8の内部の洗濯物に染み込ませる。
ステップS7において、工程制御部72は、本洗い工程を実行する。具体的には、工程制御部72は、第1の給水弁201を制御して、所定の水位まで外槽10に給水する。また、工程制御部72は、モータ9を制御してドラム8を回転させるとともに、循環ポンプモータ211を正転させるように制御する。これにより、洗い水をドラム8の内部の洗濯物にかけながら、ドラム8の内部の洗濯物をたたき洗いする。
ステップS8において、工程制御部72は、すすぎ1工程を実行する。ここで、すすぎ1工程とは、いわゆるシャワーすすぎを行う工程である。なお、ステップS8のすすぎ1工程についての詳細は、図7を用いて後述する。
ステップS9において、工程制御部72は、すすぎ1工程からドラム8の回転を止めることなく、すすぎ2工程を実行する。本実施形態では、すすぎ2工程でもシャワーすすぎが行われる。なお、ステップS9のすすぎ2工程についての詳細は、図9を用いて後述する。
ステップS10において、工程制御部72は、脱水工程を実行する。具体的には、工程制御部72は、排水弁204を開弁させるとともに、モータ9を制御してドラム8を高速で回転させ、洗濯物を遠心脱水する。そして、所定の時間が経過すると、工程制御部72は、モータ9を停止させ、排水弁204を閉弁して、洗濯コース(洗い〜すすぎ〜脱水)を終了する。
≪すすぎ1工程≫
次に、ステップS8のすすぎ1工程について、図7を用いて更に説明する。図7は、本実施形態に係るドラム式洗濯機1におけるすすぎ1工程のフローチャートである。
ステップS801において、工程制御部72は、排水弁204を開弁する。これにより、外槽10内の洗い水を排水する。
ステップS802において、工程制御部72は、外槽10内の洗い水の排水が終了したか否かを判定する。例えば、工程制御部72は、排水口10cに設けられた流量センサ(図示せず)の検出信号に基づいて、外槽10内の洗い水の排水が終了したか否かを判定する。排水が終了していない場合(S802・No)、工程制御部72はステップS802の処理を繰り返す。排水が終了した場合(S802・Yes)、工程制御部72の処理はステップS803に進む。
ステップS803において、工程制御部72は、モータ駆動回路76を介して、ドラム8の回転速度が第1回転速度となるようにモータ9の回転速度を制御する。ここで、第1回転速度とは、洗濯物をすすぐ前に洗濯物に含まれる洗い水を脱水する中間脱水における回転速度である。ドラム8の回転速度が第1回転速度となると、工程制御部72の処理は、ステップS804に進む。
ステップS804において、工程制御部72は、中間脱水が終了したか否かを判定する。例えば、工程制御部72は、中間脱水開始(ステップS803)から所定時間が経過したら、中間脱水が終了したと判定する。また、排水口10cに設けられた流量センサ(図示せず)の検出信号に基づいて、中間脱水が終了したか否かを判定してもよい。中間脱水が終了していない場合(S804・No)、工程制御部72はステップS804の処理を繰り返す。中間脱水が終了した場合(S804・Yes)、工程制御部72の処理はステップS805に進む。
ステップS805において、工程制御部72は、モータ駆動回路76を介して、ドラム8の回転速度を第1回転速度(ステップS803参照)から第2回転速度(後述する図8(a)のDV2)となるようにモータ9の回転速度を制御(減速)する。ここで、第2回転速度とは、シャワーすすぎを行う際の回転速度であり、洗濯物はドラム8の壁面にはりついた状態となっている。ドラム8の回転速度が第2回転速度となると、工程制御部72の処理は、ステップS806に進む。なお、第2回転速度は、第1回転速度より低速である。ちなみに、第2回転速度は、ためすすぎにおけるドラム8の回転速度より高速である。
ステップS806において、工程制御部72は、第2の給水弁202を開弁し、排水弁204を閉弁し、循環ポンプ駆動回路79を制御して循環ポンプモータ211を正転(ON)させる。これにより、シャワーすすぎが開始される。すなわち、清水シャワーノズル150から清水をドラム8内の洗濯物に噴射して、遠心力により洗濯物内の洗剤成分を押し出してすすぐ。また、排水弁204を閉弁して、循環ポンプ210を動作させることにより、循環シャワーノズル140a,140bからすすぎ水をドラム8内の洗濯物に噴射して、遠心力により洗濯物内の洗剤成分を押し出してすすぐ。
ステップS807において、工程制御部72は、シャワーすすぎが終了したか否かを判定する。例えば、工程制御部72は、シャワーすすぎ開始から所定時間が経過したら、シャワーすすぎが終了したと判定する。シャワーすすぎが終了していない場合(S807・No)、工程制御部72の処理はステップS808に進む。シャワーすすぎが終了した場合(S807・Yes)、工程制御部72の処理はステップS811に進む。
ステップS808において、モータ電流値判定部75は、モータ電流値検出装置62で検出したモータ9の電流値(モータ電流値)が、所定の閾値(後述する図8の閾値TL)未満であるか否かを判定する。モータ電流値が閾値未満の場合(S808・Yes)、工程制御部72の処理はステップS809に進む。モータ電流値が閾値未満でない場合(S808・No)、工程制御部72の処理はステップS810に進む。
ステップS809において、工程制御部72は、第2の給水弁202を開弁し、排水弁204を閉弁し、循環ポンプ駆動回路79を制御して循環ポンプモータ211を正転(ON)させる。そして、工程制御部72の処理はステップS807に戻る。なお、第2の給水弁202が、すでに開弁し、排水弁204が閉弁し、循環ポンプモータ211が正転している場合には、ステップS809の処理をスキップしてもよい。
ステップS810において、工程制御部72は、第2の給水弁202を閉弁し、排水弁204を開弁し、循環ポンプ駆動回路79を制御して循環ポンプモータ211を停止(OFF)させる。そして、工程制御部72の処理はステップS807に戻る。なお、第2の給水弁202が、すでに閉弁し、排水弁204が開弁し、循環ポンプモータ211が停止している場合には、ステップS810の処理をスキップしてもよい。
ステップS811において、工程制御部72は、第2の給水弁202を閉弁し、排水弁204を開弁し、循環ポンプ駆動回路79を制御して循環ポンプモータ211を停止(OFF)させる。なお、第2の給水弁202が、すでに閉弁し、排水弁204が開弁し、循環ポンプモータ211が停止している場合には、ステップS811の処理をスキップしてもよい。
ステップS812において、工程制御部72は、中間脱水を行うため、モータ駆動回路76を介して、ドラム8の回転速度を第2回転速度(ステップS805参照)から第1回転速度となるようにモータ9の回転速度を制御(加速)する。ドラム8の回転速度が第1回転速度となると、工程制御部72の処理は、ステップS813に進む。
ステップS813において、工程制御部72は、中間脱水が終了したか否かを判定する。例えば、工程制御部72は、中間脱水開始(ステップS812)から所定時間が経過したら、中間脱水が終了したと判定する。また、排水口10cに設けられた流量センサ(図示せず)の検出信号に基づいて、中間脱水が終了したか否かを判定してもよい。中間脱水が終了していない場合(S813・No)、工程制御部72はステップS813の処理を繰り返す。中間脱水が終了した場合(S813・Yes)、工程制御部72の処理は、すすぎ1工程(図6のステップS8)を終了し、すすぎ2工程(図6のステップS9)に進む。
≪モータ電流値判定部の動作≫
シャワーすすぎにおけるモータ電流値判定部75の動作例について図7を参照しつつ図8を用いてさらに説明する。図8(a)はドラムの回転速度DVの時間変化を示すグラフであり、図8(b)はモータ電流値MIの時間変化を示すグラフであり、図8(c)は外槽の水位WLの時間変化を示すグラフである。
まず、中間脱水終了後、図8(a)に示すように、ドラム8の回転速度を第1回転速度から第2回転速度DV2に変更(減速)する(図7のステップS805参照)。なお、図8(a)では、回転速度を減少させる際にアンダーシュートが発生しているため、図8(b)に示すモータ電流値が一時的に上昇する。
時間T1において、ドラム8の回転速度が第2回転速度DV2に変更されたので、第2の給水弁202を開弁し、排水弁204を閉弁し、循環ポンプ210を動作させる(図7のステップS806参照)。
時間T1から時間T2において、図8(a)に示すように、ドラム8の回転速度DVが定速(第2回転速度DV2)で回転するように制御(減速)される。また、排水弁204が閉弁するとともに、第2の給水弁202から外槽10に給水されているため、図8(c)に示すように、外槽10の水位WLが緩やかに上昇する。
ここで、水位WLがある程度上昇するまで、図8(b)に示すように、モータ電流値MIは略一定である。そして、水位WLが有る程度上昇すると、モータ電流値MIも上昇する。これは、外槽10に給水し続けると、外槽10に溜まったすすぎ水の水位が上昇して、回転するドラム8の外周下側にまで達し、すすぎ水の水面が回転するドラム8の外周下側に触れると、つまり、すすぎ水の水位がドラム8に達すると、モータ9への負荷が大きくなるため、モータ9の回転速度DVを定速(第2回転速度DV2)で回転するように制御した場合、モータ電流値も大きくなるためである。
そして、時間T2において、モータ電流値MIが閾値TL以上となるので、モータ電流値判定部75は、ステップS808でNoと判定し、工程制御部72は、第2の給水弁202を閉弁して外槽10への給水を停止させるとともに、排水弁204を開弁して外槽10内のすすぎ水を排水する。また、工程制御部72は循環ポンプ210を停止させる(S810参照)。
つまり、モータ電流値判定部75は、モータ電流値を監視し、モータ電流値が閾値以上となったら(S808・No)制御を変更する(S810参照)。これにより、モータ電流値判定部75は、すすぎ水の巻き上げや発泡を好適に検知することができる。
外槽10は回転しないため、外槽10内のすすぎ水の水位がドラム8に達していなければ、外槽10内のすすぎ水は略静止している。しかし、外槽10内の水位がドラム8に達してしまうと、回転しているドラム8とともにすすぎ水が巻きあがってしまう。このようなすすぎ水の巻き上げが生じると、すすぎ水の攪拌が生じる。すすぎ水に含まれる洗剤濃度が高いと、すすぎ水の巻き上げによる攪拌で発泡が生じるおそれがある。
発泡による泡がヒータ23(図23参照)等の乾燥系ユニットに接触・付着すると乾燥系ユニットが故障したり、発泡しているすすぎ水が家庭に設けられている排水口に流れ込むと、排水口から泡が溢れ出たりするため、好ましくない。
本実施形態に係るドラム式洗濯機1は、すすぎ1工程におけるシャワーすすぎ時におけるドラム8(図2参照)の回転によるすすぎ水の巻き上げや発泡を好適に検知することができるので、従来のドラム式洗濯機と比較して、シャワーすすぎ時のドラム8の回転速度(モータ9の第2回転速度)を高く設定することが可能となる。
また、本実施形態に係るドラム式洗濯機1は、モータ電流値を監視することで、外槽10内のすすぎ水がドラム8に達したか否かを監視している。そして、モータ電流値が閾値以上となったら(S808・No)、工程制御部72は、第2の給水弁202を閉弁し、排水弁204を開弁し、循環ポンプ駆動回路79を制御して循環ポンプモータ211を停止(OFF)させることで、外槽10内のすすぎ水の水位を下げる。工程制御部72は、モータ電流値が、閾値未満となるまで水位を下げ続ける(S808・Yes)ことで、外槽10内のすすぎ水の水位がドラム8に達しない位置まで水位を下げる。
これにより、外槽10内のすすぎ水の水位を、ドラム8に接触しない位置に保つことができ、すすぎ水の巻き上げを抑止することができる。
前記したように、本実施形態では、モータ電流値が閾値以上となったか否かを判定することで、外槽10内のすすぎ水の水位がドラム8に達しているか否かを判定している。前記したように、外槽10内のすすぎ水の水位がドラム8に達すると、すすぎ水の巻き上げが生じて、発泡が生じるおそれが生じるので、本実施形態に係るドラム式洗濯機1は、モータ電流値を監視することで、発泡する可能性の度合いを監視しているといえる。
なお、本実施形態では、モータ電流値を監視することで、発泡する可能性の度合いを監視しているが、水位センサ63が検出する水位を監視することで、発泡する可能性の度合いを監視してもよい。
≪すすぎ2工程≫
次に、ステップS9のすすぎ2工程について、図9を用いて更に説明する。図9は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機におけるすすぎ2工程のフローチャートである。
ステップS901において、工程制御部72は、排水弁204を閉弁する。
そして、ステップS902において、工程制御部72は、モータ駆動回路76を介して、ドラム8の回転速度を、図7のステップS812及びステップS813における第1回転速度から第2回転速度となるようにモータ9の回転速度を制御(減速)する。前記したように、第2回転速度とは、シャワーすすぎを行う際の回転速度であり、洗濯物はドラム8の壁面にはりついた状態となっている。また、前記したように、第2回転速度は、第1回転速度より低速である。
ステップS903において、工程制御部72は、ソフナ投入工程を行う。すなわち、工程制御部72は、ドラム8の回転速度を第1回転速度から第2回転速度に減速しつつ、ソフナの投入を行う。ソフナ投入工程は、これまでのためすすぎと同様の工程が行われる。具体的には、工程制御部72は、第1の給水弁201を開弁して、清水とともに洗剤・ソフナケース15に投入されたソフナを外槽10の下部に供給した後、第1の給水弁201を閉弁する。
ドラム8の回転速度が減速して第2回転速度となると、工程制御部72の処理は、ステップS904に進む。
ステップS904において、工程制御部72は、排水弁204を閉弁した状態で、第2の給水弁202を開弁し、循環ポンプ駆動回路79を制御して循環ポンプモータ211を正転(ON)させる。これにより、シャワーすすぎが開始される。すなわち、清水シャワーノズル150から清水をドラム8内の洗濯物に噴射して、遠心力により洗濯物内の洗剤成分を押し出してすすぐ。また、排水弁204を閉弁して、循環ポンプ210を動作させることにより、循環シャワーノズル140a,140bからすすぎ水をドラム8内の洗濯物に噴射して、遠心力により洗濯物内の洗剤成分を押し出してすすぐ。
ステップS905において、工程制御部72は、シャワーすすぎが終了したか否かを判定する。例えば、工程制御部72は、シャワーすすぎ開始から所定時間が経過したら、シャワーすすぎが終了したと判定する。シャワーすすぎが終了していない場合(S905・No)、工程制御部72はステップS905の処理を繰り返す。シャワーすすぎが終了した場合(S905・Yes)、工程制御部72の処理はステップS906に進む。
ステップS906において、工程制御部72は、第2の給水弁202を閉弁し、排水弁204を開弁し、循環ポンプ駆動回路79を制御して循環ポンプモータ211を停止(OFF)させる。
その後、工程制御部72は、図6のステップS10の脱水工程を行う。
このように、すすぎ2工程において、工程制御部72はモータ電流値の監視を行わない。
≪工程表≫
次に、第1実施形態に係るすすぎ工程について、図10を用いて詳細に説明する。図10は、第1実施形態に係るすすぎ工程における一連の工程を示す工程表である。なお、図10に示す工程表の数値は一例である。
なお、図10に示すように、すすぎ工程2のソフナの投入時(図10(b)のSB1)以外、第1の給水弁201は閉弁したままであるので、工程SB1以外での第1の給水弁201の状態の説明を適宜省略する。
まず、図10(a)を参照して、すすぎ1工程を説明する。
工程SA1において、工程制御部72は、ドラム8の回転速度が第1回転速度(図10では1200rpm)となるようにモータ9の回転速度を制御することで、中間脱水を行う。ここで、工程制御部72は、第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止(「OFF」)する。そして、工程制御部72は排水弁204を開弁状態とする。工程SA1は、図7のステップS803及びステップS804に相当する処理である。なお、図10の例において、工程SA1(中間脱水)の時間は120秒である。
その後、工程SA2において、工程制御部72は、第2の給水弁202を閉弁状態、循環ポンプ210を停止(「OFF」)状態、排水弁204を開弁状態としたまま、ドラム8の回転速度が第2回転速度(図10では105rpm)となるようにモータ9の回転速度を制御する。すなわち、工程制御部72は、ドラム8の回転速度を第1回転速度から第2回転速度まで減速する。図10の工程例において、工程SA2の時間は、ドラム8の回転速度の減速時間であり、その時間は30秒である。また、工程SA2の時間は、排水のための時間と、泡抜け待ち時間を兼ねている。ちなみに、工程SA2は、図7のステップS805に相当する。
その後、ドラム8の回転速度が第2回転速度(図10では105rpm)になると、工程SA3において、工程制御部72は、ドラム8の回転速度を第2回転速度(図10では105rpm)とした状態で、第2の給水弁202を開弁状態とする。また、工程制御部72は、循環ポンプ210を正転(「ON」)させ、排水弁204を閉弁状態とする。これにより、工程制御部72は、シャワーすすぎを行う。ちなみに、工程SA3は図7のステップS806に相当する。
そして、モータ電流値判定部75が、モータ9の電流値(モータ電流値)を監視しており、このモータ電流値が所定の閾値以上になると、工程制御部72は、工程SA4において、第2回転速度(図10では105rpm)にドラム8の回転速度を維持したまま、第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止(「OFF」)させ、排水弁204を開弁する。これにより、外槽10内のすすぎ水が排水され、外槽10内の水位が下がる。ちなみに、工程SA4は、図7のステップS808「No」からステップS810に相当する。
続いて、外槽10内の水位が下がり、モータ電流値が所定の閾値未満に戻ると、工程制御部72は、工程SA5において、第2回転速度(図10では105rpm)にドラム8の回転速度を維持したまま、第2の給水弁202を開弁し、循環ポンプ210を正転(「ON」)させ、排水弁204を閉弁する。工程SA5は、図7のステップS808「Yes」からステップS809に相当する。
そして、シャワーすすぎが終了すると、工程制御部72は、工程SA6において、第2回転速度(図10では105rpm)にドラム8の回転速度を維持したまま、第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止(「OFF」)させ、排水弁204を開弁する。この工程SA6は、次の中間すすぎの準備のための時間であり、図7のステップS811に相当する。
なお、図10(a)の工程例では、すすぎ1工程におけるシャワーすすぎ(工程SA3〜SA5)の合計時間を100秒としている。すなわち、シャワーすすぎが始まってから、モータ電流値が所定の閾値以上になるまでの時間(工程SA3の時間)が48秒であり、モータ電流値が所定の閾値以上になってから、所定の閾値未満に戻るまでの時間(工程SA4の時間)が4秒であり、さらに、モータ電流値が所定の閾値未満に戻ってからシャワーすすぎが終了するまでの時間(工程SA5の時間)が48秒であるものとする。そして、シャワーすすぎの終了後、次の中間脱水までの移行時間(工程SA6)が4秒であるものとしている。この工程SA6の時間の4秒は、排水弁204が開弁する時間である。
そして、工程SA7において、工程制御部72は、第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止(「OFF」)させ、排水弁204を開弁した状態で、ドラム8の回転速度が第1回転速度(図10では1200rpm)となるようにモータ9の回転速度を制御(加速)することで、排水を行いつつ、中間脱水を行う。図10の工程例では、中間脱水が行われる時間は60秒としている。ちなみに、工程SA7は、図7のステップS812及びステップS813に相当する。
以上で、すすぎ1工程が終了する。続いて、工程制御部72はドラム8の回転を止めることなく、図10(b)に示すすすぎ2工程へすすむ。
すすぎ2工程に入ると、工程SB1において、工程制御部72は、工程SA7の状態から、第1の給水弁201を開弁し、排水弁204を閉弁する。また、工程制御部72は、ドラム8の回転速度が工程SA7の第1回転速度(図10では1200rpm)から第2回転速度(図10では105rpm)となるようにモータ9の回転速度を制御する。すなわち、工程制御部72は、ドラム8の回転速度を第1回転速度から第2回転速度まで減速する。このとき、工程制御部72は、ソフナの投入工程(図9のS903)を行う。つまり、第1の給水弁201を開弁するのはソフナ投入のためである。図10の工程例において、工程SB1の時間は90秒である。ここで、工程SB1の時間が90秒と、すすぎ1工程の工程SA2の時間(30秒)より長いのは、ソフナの投入が行われるためである。ちなみに、工程SB2は、図9のステップS901〜S903に相当する。
その後、工程SB2において、工程制御部72は、ドラム8の回転速度を第2回転速度(図10では105rpm)に維持した状態で、第1の給水弁201を閉弁状態とし、第2の給水弁202を開弁状態とする。また、工程制御部72は、循環ポンプ210を正転(「ON」)させ、排水弁204を閉弁状態とする。これにより、工程制御部72は、シャワーすすぎを行う。ちなみに、工程SB2は、図9のステップS904及びステップS905「No」に相当する。
そして、シャワーすすぎが終了すると、工程SB3において、工程制御部72は、第2回転速度(図10では105rpm)にドラム8の回転速度を維持したまま、第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止(「OFF」)させ、排水弁204を開弁する。工程SB3は、図6の脱水工程(S10)の準備のための時間であり、図7のステップS906に相当する。
なお、図10(b)の工程例では、すすぎ2工程におけるシャワーすすぎ(SB2)の時間を100秒としている。図10(b)の例では、図10(a)に示すすすぎ1工程との差異を強調するため、すすぎ2工程におけるシャワーすすぎの時間(工程SB2の時間)を48秒、4秒、48秒に区切っているが、実際には連続してシャワーすすぎが行われている。そして、シャワーすすぎの終了後、次の脱水工程(図6のS10)までの移行時間(工程SB3の時間)が4秒であるものとしている。この工程SB3の時間の4秒は、排水弁204が開弁する時間である。
すすぎ2工程が終了すると、工程制御部72は、脱水工程を実行する(図6のS10)。この脱水工程において、工程制御部72は、ドラム8の回転速度が第1回転速度(図10の工程例では1200rpm)となるようモータ9の回転速度を制御(加速)する。この際、工程制御部72は、第1の給水弁201及び第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止させ、排水弁204を開弁する。ちなみに、脱水工程の時間は、およそ330秒である。
≪効果≫
(すすぎ性能の向上)
すすぎ1工程におけるシャワーすすぎでは、すすぎ水の巻き上げにともなう発泡のおそれがあるため、モータ電流値を監視することで、ドラム式洗濯機1は、外槽10内のすすぎ水の水位を、ドラム8に達しない水位で維持している。そして、外槽10内の水位が、ドラム8に達する(すなわち、モータ電流値が所定の閾値以上になる)と、工程制御部72が、第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止し、排水弁204を開弁することで、外槽10内の水位を下げ、外槽10内のすすぎ水の巻き上げ及びすすぎ水の巻き上げによる発泡を抑止している
これに対し、すすぎ2工程では、すすぎ1工程ですすぎ水中の洗剤濃度が大幅に低くなっているので、すすぎ水の巻き上げが発生しても発泡する可能性は低い。従って、第1実施形態に係るドラム式洗濯機1の工程制御部72は、すすぎ2工程におけるシャワーすすぎにおいて、第2の給水弁202を開弁し続けることで、外槽10内へ清水を供給し続けるとともに、常に排水弁204を閉じたままで(つまり、モータ電流値を監視することなく)シャワーすすぎを行っている。
第1実施形態に係るドラム式洗濯機1によれば、すすぎ2工程におけるシャワーすすぎにおいて、第2の給水弁202を常に開弁して外槽10内に給水をしつつ、排水弁204を常に閉じた状態でシャワーすすぎを行うことで、ためすすぎのようにすすぎ水を外槽10内にためた状態でシャワーすすぎを行うことができる。そのため、第1実施形態に係るドラム式洗濯機1は、シャワーすすぎのすすぎ性能と、ためすすぎのすすぎ性能とを有することができ、シャワーすすぎのみ、及び、ためすすぎのみよりもすすぎ性能を向上させることができる。特に、シャワーすすぎによって、すすぎ水が洗濯物に直接吹き付けられた状態ですすぎが行われることで、ためすすぎのみよりもすすぎ性能を向上させることができる。
なお、ためすすぎでも排水弁204を閉じたまま、すすぎが行われるが、第1実施形態でのすすぎ2工程におけるシャワーすすぎは、ためすすぎとはドラム8の回転速度が異なっている。すなわち、第1実施形態に係るドラム式洗濯機1では、洗濯物がドラム8の壁面に張り付いた状態となる第2回転速度ですすぎが行われるため、洗剤の押し出し効果を有し、ためすすぎよりもすすぎ性能を向上させることができる。
図11は、第1実施形態に係るドラム式洗濯機のすすぎ効果を示す表である。
なお、図11において、比較例は、特許文献1に記載の技術である。
そして、図11におけるアルカリ度(単位ppm)とは、すすぎ1工程、すすぎ2工程を行った後の洗濯物を手で絞り、その絞り水に含まれるアルカリ度を計測したものである。このアルカリ度が低いほど、すすぎの効果が大きいことを示している。なお、比較例、本実施形態ともに、循環ポンプ流量は40L/minである。
図11に示すように、すすぎ1工程をシャワーすすぎで行い、すすぎ2工程をためすすぎで行った比較例のアルカリ度(90ppm)よりも、すすぎ1工程及びすすぎ2工程をシャワーすすぎとした本実施形態のドラム式洗濯機のアルカリ度(61ppm)が、アルカリ度が大幅に低くなっている。
(時短効果)
また、第1実施形態に係るドラム式洗濯機1は、図6のステップS10の脱水工程における脱水起動の時間を省略することができるので、すすぎ2工程がためすすぎの場合よりも、洗濯運転(洗い〜すすぎ〜脱水)の時短を実現することができる。すなわち、第1実施形態に係るドラム式洗濯機1は、すすぎ2工程でシャワーすすぎを行うことで、ドラム8の回転速度が、ためすすぎの回転速度より高速となっている。これは、すすぎ2工程が終了した時点で、脱水起動も完了していることを意味している。これにより、図6のステップS10の脱水工程における脱水起動の時間を省略することができ、洗濯運転(洗い〜すすぎ〜脱水)の時短を実現することができる。なお、特許文献1(すすぎ1工程:シャワーすすぎ、すすぎ2工程:ためすすぎ)に記載のドラム式洗濯機よりも、第1実施形態に係るドラム式洗濯機1の方が、1分ほどの洗濯運転時短を可能とすることができる。
また、すすぎ2工程を、ためすすぎとすると、すすぎ1工程と、すすぎ2工程との間で、一旦ドラム8の回転を止め、外槽10内に水をためる工程が必要となる。これに対し、第1実施形態に係るドラム式洗濯機1は、すすぎ1工程と、すすぎ2工程との間で、一旦ドラム8の回転を止めて、外槽10内に水をためる工程も不要であるため、すすぎ2工程でためすすぎを行う場合よりも、時短を実現することができる。
(ソフナについて)
また、すすぎ2工程を、単にためすすぎから、シャワーすすぎに変更しただけでは、ソフナが均等にかかりにくいという課題があった。これに対して、第1実施形態に係るドラム式洗濯機1は、すすぎ2工程におけるシャワーすすぎ中、第2の給水弁202を常に開弁して外槽10内に給水をしつつ、排水弁204を常に閉じた状態でシャワーすすぎを行うことにより、ためすすぎのようにすすぎ水をためた状態でシャワーすすぎを行うことができる。これにより、洗濯物がすすぎ水にひたっている状態になり、洗濯物にソフナを均等に浸透させることができる。
[第2実施形態]
≪運転工程≫
次に、第2実施形態に係るドラム式洗濯機1の運転工程について、図12及び図13を用いて説明する。図12及び図13は、第2実施形態に係るドラム式洗濯機における洗濯運転(洗い〜すすぎ〜脱水)の運転工程を説明する工程図である。
図12及び図13において、図6と同じ工程については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。ちなみに、ドラム式洗濯機1や、制御装置60の構成は、図1〜図5に示したものと同様であるので、ここでの説明を省略する。
すなわち、図12に示す工程では、すすぎ2工程の後、すすぎ3工程(S9a)が行われており、図13に示す工程ではステップS9aのすすぎ3工程の後、さらにすすぎ4工程(S9b)が行われている。
ここで、複数あるすすぎ工程のうち、最初のすすぎ工程でも、最後のすすぎ工程でもないすすぎ工程を中間すすぎ工程と称する。例えば、図12に示される工程ではすすぎ2工程(S9)が中間すすぎ工程となる。また、図13に示される工程ではすすぎ2工程(S9)と、すすぎ3工程(S9a)が中間すすぎ工程となる。中間すすぎ工程については後記して説明する。
なお、最後のすすぎ工程(図6のすすぎ2工程(S9)、図12のすすぎ3工程(S9a)、図13のすすぎ4工程(S9b))における工程は、図9で示される工程と同じであるので、ここでは説明を省略する。
≪中間すすぎ工程≫
次に、中間すすぎ工程について、図14を用いて説明する。図14は、第2実施形態に係るドラム式洗濯機における中間すすぎ工程のフローチャートである。
図14において、図9で示される工程と同じ工程については、おなじステップ番号を付して、説明を省略する。
まず、図14において、図9で示される工程と異なる点は、排水弁204の閉弁工程(図9のS901)と、ソフナ投入(図9のS903)が省略されていることである。
そして、ステップS906の後、ステップS911において、工程制御部72は、モータ駆動回路76を介して、ドラム8の回転速度を第2回転速度から第1回転速度となるようにモータ9の回転速度を制御する。すなわち、工程制御部72は、ドラム8の回転速度をシャワーすすぎ用の回転速度から、中間脱水用の回転速度に加速する。ドラム8の回転速度が第1回転速度となると、工程制御部72の処理は、ステップS912に進む。
ステップS912において、工程制御部72は、中間脱水が終了したか否かを判定する。例えば、工程制御部72は、中間脱水開始(ステップS911)から所定時間が経過したら、中間脱水が終了したと判定する。また、排水口10cに設けられた流量センサ(図示せず)の検出信号に基づいて、中間脱水が終了したか否かを判定してもよい。中間脱水が終了していない場合(S912・No)、工程制御部72はステップS912の処理を繰り返す。中間脱水が終了した場合(S912・Yes)、工程制御部72は、中間すすぎ工程を終了し、次のすすぎ工程に進む。
このように、中間すすぎ工程において、工程制御部72はモータ電流値を監視しない。
≪工程表≫
次に、第2実施形態に係る中間すすぎ工程について、図15を用いて詳細に説明する。図15は、第2実施形態に係る中間すすぎ工程における一連の工程を示す工程表である。なお、図15に示す工程表は一例である。なお、最後のすすぎ工程(図6のすすぎ2工程(S9)、図12のすすぎ3工程(S9a)、図13のすすぎ4工程(S9b))における工程表は、図10(b)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
また、図15では、図10(b)の工程表と異なる工程について説明する。図15において、図10(b)の工程表と異なる工程を二重枠で示している。
まず、最初の工程SB1aにおいて、工程制御部72は、第1の給水弁201及び第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止(「OFF」)し、排水弁204が開弁した状態で、ドラム8の回転速度が第2回転速度(図10では105rpm)となるようにモータ9の回転速度を制御する。すなわち、工程制御部72は、ドラム8の回転速度を、前のすすぎ工程の中間脱水の回転速度である第1回転速度(図15では1200rpm)から第2回転速度(図10では105rpm)まで減速する。この工程SB1aが、図10(b)の工程SB1と異なる点は、該工程が行われる時間が30秒であり、排水弁204が閉弁していることである。これは、図10(b)の工程SB1と異なり、ソフナの投入が行われないためである。ちなみに、工程SB1aは、図14のステップS902に相当する。また、工程SB1aでは、排水も行われる。
なお、前記したように、第2回転速度は、第1回転速度より低速である。
また、最後に、工程SB4において、工程制御部72は、ドラム8の回転速度が第1回転速度(図15では1200rpm)となるようモータ9の回転速度を制御(加速)する。この際、工程制御部72は、第1の給水弁201及び第2の給水弁202を閉弁し、循環ポンプ210を停止(「OFF」)させ、排水弁204を開弁する。つまり、工程制御部72は、中間脱水を行う。この中間脱水の工程時間(工程SB4の時間)は60秒である。ちなみに、工程SB4は、図14のステップS911及びステップS912に相当する。
なお、第2実施形態では、すすぎ回数を3回(図12)、4回(図13)等としているが、これに限らず、5回以上としてもよい。すすぎ回数が5回以上となっても、最初のすすぎ工程は図7に示される工程となり、最後のすすぎ工程は図9に示される工程となり、最初のすすぎ工程でも最後のすすぎ工程でもないすすぎ工程(中間すすぎ工程)は、図14に示される工程となる。
このようにすすぎ回数を3回以上行うことにより、すすぎ性能をより向上させることができる。
≪すすぎ回数設定画面≫
次に、すすぎ回数の設定について、図16を用いて説明する。図16は、本実施形態に係る表示器及び操作スイッチの一例を示す図である。
操作スイッチ13の1つである、すすぎ回数設定スイッチ13aが使用者によって操作されることにより、表示器14には図16に示すようなすすぎ回数設定表示がなされる。使用者は、操作スイッチ13の1つであるプラススイッチ13b及びマイナススイッチ13cを操作することにより、表示器14に表示されているすすぎ回数14aを変化させることで、すすぎ回数を設定する。
なお、表示器14がタッチパネル式表示器である場合、すすぎ回数設定スイッチ13aや、プラススイッチ13bや、マイナススイッチ13c等がタッチパネル内のスイッチであってもよい。
工程制御部72は、設定されたすすぎ回数14aに従ってすすぎ工程を実行する。すなわち、すすぎ回数14aが「2」に設定されれば、工程制御部72は、図6に示す洗濯運転を行う。また、すすぎ回数14aが「3」に設定されれば、工程制御部72は、図12に示す選択運転を行い、すすぎ回数14aが「4」に設定されれば、工程制御部72は、図13に示す選択運転を行う。すすぎ回数14aは「5」以上に設定されてもよい。図16に示すすすぎ回数の設定は、コース選択(図6のS1)で行われる。
このように、使用者がすすぎ回数を設定することができるようにすることで、使用者の都合(洗濯に費やせる時間)や、使用者の好みのすすぎ状態に応じたすすぎ回数を設定することができる。
≪変形例≫
なお、本実施形態に係るドラム式洗濯機1は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本実施形態において、すすぎ1工程をシャワーすすぎとして説明したが、ためすすぎとしてもよい。また、すすぎ1工程を、シャワーすすぎとするか、ためすすぎとするかを、操作スイッチ13を介して設定可能としてもよい。
そして、図10及び図15において第2回転速度(シャワーすすぎ時のドラムの回転速度)を105rpmとして説明したが、これに限らず、第2回転速度が、430〜100rpmの間に設定されてもよい。また、図10及び図15において、第1回転速度(脱水時のドラムの回転速度)を1200rpmとして説明したが、これに限らず、脱水効果が得られるのであれば、第1回転速度を1200rpm以下としてもよい。
また、ドラム式洗濯機1は、排水路に図示しないすすぎ具合計測センサを備えており、工程制御部72は、すすぎ2工程が終了した後、すすぎ具合計測センサが排水されたすすぎ水のすすぎ具合を計測し、工程制御部72は、該すすぎ具合が所定値以上であれば、すすぎ3工程を実行するようにしてもよい。そして、すすぎ3工程が終了した後、工程制御部72は、すすぎ具合計測センサが計測したすすぎ具合が所定値以上であれば、すすぎ4工程を実行するというように、すすぎ水のすすぎ具合が所定値未満となるまで、すすぎ工程を実行し続けるようにしてもよい。
そして、排水されたすすぎ水のすすぎ具合が所定値未満となったら、工程制御部72は、ソフナを投入し、図9に示す工程を行うことで、最後のすすぎ工程(シャワーすすぎ)を行うようにしてもよい。
なお、このようなすすぎ具合が所定値未満となるまで、すすぎ工程を実行し続けるか否かは、操作スイッチ13を介して使用者が設定可能としてもよい。
また、すすぎ具合計測センサは、例えば、電極である。この場合、すすぎ具合計測センサ(電極)は、排水されたすすぎ水の電導度を計測し、工程制御部72は、この伝導度が所定値以上であれば、すすぎ具合が所定値以上であると判定する。
本実施形態に係るドラム式洗濯機1は、ドラム8内(外槽10内)に清水を噴射する清水シャワーノズル150を備える構成であるものとして説明したが、これに限られるものではなく、清水シャワーノズル150を備えない構成であってもよい。例えば、シャワーすすぎは、第1の給水弁201から外槽10に給水し、循環ポンプ210により循環シャワーノズル140a,140bからドラム8(外槽10)の内部にすすぎ水を噴射する構成であってもよい。
また、本実施形態に係るドラム式洗濯機1は、モータ電流値MIが閾値TL以上となると(S808・No)、第2の給水弁202を閉弁し、排水弁204を開弁し、循環ポンプ210を停止させる制御を行うものとして説明したが、これにかぎられるものではない。例えば、モータ電流値MIが閾値TL以上となると(S808・No)、排水弁204を開弁する制御のみを行うものであってもよい。排水弁204からの排水流量が第2の給水弁202からの給水流量に比べて十分に余裕がある場合には、このような制御であっても、外槽10の水位を低減させることができる。また、排水弁204の開弁中にも洗濯物のシャワーすすぎを行うことができるので、シャワーすすぎ時間をより短縮することができる。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、前記した各構成、機能、各部72〜75、運転パターンデータベース71等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、図5に示すように、前記した各構成、機能等は、CPU等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、マイコン70に格納すること以外に、HD(Hard Disk)や、メモリや、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。