JP6491511B2 - 半割継手 - Google Patents
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Description
この半割継手は、具体的には、半割継手の内周面に水膨張不織布を配置することにより外部から接続部に水が浸入しようとしても、その浸入しようとした水によって水膨張不織布が膨張して、接続部の隙間が封止されることとなり、これにより、水密性が確保されるというものである。
この場合、移設対象部分の管を取り除き、ケーブルを所望位置まで移動させたのち、ケーブルに管路補修用の半割直管・半割曲管を被せ、半割継手で管を連結するようにすれば、上記と比べてコストが大幅に低減できる。
ところが、半割継手の合わせ面の水密性を確保するため、射出成型や切削加工等により隙間が生じないよう加工して半割継手を製造する場合には、大きなコストが必要となる。
また、射出成形により半割継手を製造するためには、高額の成形金型および成形設備が必要である。
従って、半割継手を少量生産する場合には、半割継手を射出成形で製造するのは適切ではない。
しかし、このようにプレス加工により半割継手本体を製造した場合には、半円弧状部とフランジ部との間に、不可避的にアールが形成され、半割継手を接続対象となる被接続管に装着した際に隙間が生じてしまい、水密性を十分に確保することが困難となることが判明した。
図2は、一方の半割継手本体10の正面図であるが、対となる他方の半割継手本体10も同様の構造である。
一対の半割継手本体10,10の対向するフランジ部12,12を合わせることにより、管状をなす。
フランジ部12には所定間隔で所定数(図1〜3に示す実施形態では、各半割継手本体10について、左右のフランジ部12,12に3つずつ)のボルト用の貫通孔14が形成され、図3から明らかなとおり、貫通孔14にボルト41を通してナット42を締め込むことにより、半割継手本体10,10を一体化することができるようになっている。
すなわち、従来の半割継手では、半割継手の合わせ面の水密性を確保するために、射出成型や切削加工等により隙間が生じないよう加工するなどしていたが、本発明では、後述する水膨脹性シール材及び弾性部材を利用するようにしたので、プレス加工という低コストの成形法によって製造した場合でも、水密性を十分に確保することができるのである。
プレス加工では、プレート端部を曲げ加工して、合わせ面となるフランジ部を形成する際、鋭角に加工することはできないため、半割継手本体10は、半円弧状部11とフランジ部12との間にアール部13を備えている。
一例を挙げると、管路の接続機能、埋設強度などを考慮して、6mm程度以上の厚さのプレートを用いる場合、アール13の曲率半径は、10〜14mm程度となる。
具体的には、図2において左右に位置する半割継手本体10の周縁部分を、水膨張性シール材20Aが半割継手本体10の軸方向に延びて被覆しており、図2において上下に位置する半割継手本体10の周縁部分を、水膨張性シール材20Bが半割継手本体10の周方向に延びて被覆している。
水膨張不織布は、一般に、不織布素材に吸水膨張性樹脂を担持させたものであり、この吸水膨張性樹脂は、例えば、粉末状、繊維状などの状態で担持され、あるいは、含浸、コーティングなどの処理により担持されている。
図2では、水膨張性シール材20Aに隠れて弾性部材30が図示されていないが、図2においても、半割継手本体10の内周面と水膨張性シール材20との間に弾性部材30が存在している。
図4から明らかなように、半割継手本体10,10のアール部13,13と被接続管50の間において、隙間Gが生じる。
なお、図2において上下に位置する半割継手本体10の周縁部分には、弾性部材30は介在しないので、水膨張性シール材20Bを直接被覆するようにする。
水膨張性シール材20Aの半割継手本体10の周縁部分への被覆(弾性部材30をも被覆する部分を含む)、及び、水膨張性シール材20Bの半割継手本体10の周縁部分への被覆も、同様に、水膨張性シール材20A、水膨張性シール材20Bの片側表面に接着剤層(図示せず)を設けて貼り付けるなどすればよい。
発泡エラストマーとしては、例えば、発泡ウレタン、発泡EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、発泡クロロプレンなどを用いることができる。
発泡エラストマーを用いる場合の発泡エラストマーの発泡倍率、独立気泡型・連続気泡型の別などは、特に限定されるものではない。水密性確保の観点からは、これらの事項よりも、後述する圧縮応力の値を基準に弾性部材30を選定するのが有効である。
上記よりも弾性部材30の表面寸法が大きくなりすぎたり、小さくなりすぎたりすると、水密性確保の観点から好ましくない。
具体的には、弾性部材30の貼付け位置がフランジ12側にまで至ると、一対の半割継手本体10,10の合わせ面の一部に弾性部材30が挟み込まれてしまうため、一対の半割継手本体10,10を十分に密着するように締め付けることが難しくなり、半割継手本体10,10の中央部(半円弧状部11の中央に当たる位置)において、被接続管50との間に隙間が生じ、水密性に影響が生じるおそれがある。
また、弾性部材30がアール部13を一部しか被覆していない状態では、隙間Gを埋める効果が不十分となるおそれがある。
図7は、比較のために、弾性部材30を介在させずに水膨張シール材20Aのみを用いた場合の施工状態を示す拡大断面図である。
すなわち、アール部13の曲率半径、水膨張性シール材20Aの厚さ及び水膨張性の程度、弾性部材30の厚さ及び圧縮応力などである。
すなわち、これらの要素は相互的に関係しているので、個々の要素の最適な条件を一概に記述することは困難であるが、当業者であれば、特に、後述の実施例における具体的な材料、寸法等の記載から、水密性を確保するための各部の寸法や材料を適切に選定できるであろう。
また、極端な例を除けば、弾性部材30の圧縮応力は、通常、40〜80kPaとすることが好ましく、60〜70kPaとすることがより好ましい。なお、本発明において、弾性部材の圧縮応力は、ASTM D1056に基づいて測定される圧縮応力(25%)を意味する。
以下において、各部の符号は、図1〜3に示す符号に対応する。
その際、半割継手1を、外径318mmの被接続管50(例えば、VP300)に適用することを想定して、被接続管50の外径より4mm大きい内径となるように加工した。
アール部13の曲率半径は12mmであった。
貼付けは、アクリル系接着剤により行った。
上記弾性部材30の寸法は厚さ2.5mm、幅15mm、長さ350mm(=半割継手本体10のアール部13の軸方向長さ)とした。また、上記弾性部材30の圧縮応力(25%)(ASTM D1056に準拠)は65kPaである。
水膨張性シール材20Aの寸法は、厚さ3mm、幅50mm、長さ350mmとした。
水膨張性シール材20Bの寸法は、厚さ3mm、長さ420mm、幅50mmとした。
これらの水膨張性シール材20A,20Bの貼付けは、アクリル系接着剤により行った。
10 半割継手本体
11 半円弧状部
12 フランジ部
13 アール部
14 貫通孔
20A,20B 水膨張性シール材
30 弾性部材
41 ボルト
42 ナット
50 被接続管
Claims (4)
- 断面半円弧状の半円弧状部と前記半円弧状部の両端縁から外側に設けられたフランジ部とを有する半割継手本体を一対備え、一対の半割継手本体の対向するフランジ部を合わせることにより管状をなす半割継手であって、
前記半割継手本体は、前記半円弧状部と前記フランジ部との間にアール部を備え、
前記半割継手本体の内周面のうち、少なくとも周縁部分が水膨張性シール材で被覆されており、
一対の半割継手本体を突き合わせて半割継手を接続対象となる被接続管に装着した際に、前記アール部において前記半割継手本体と前記被接続管の間に生じ得る隙間を埋めて水密性が確保されるように、前記アール部に沿って、前記半割継手本体の内周面と前記水膨張性シール材との間に、前記アール部における半割継手本体の内周面の表面寸法と同一または実質的に同一の表面寸法を有する帯状の弾性部材が介在している
ことを特徴とする、半割継手。 - 前記一対の半割継手本体は、それぞれ、プレートをプレス加工して得られるものである、請求項1に記載の半割継手。
- 前記弾性部材が発泡エラストマーである、請求項1または2に記載の半割継手。
- 前記弾性部材の圧縮応力が40〜80kPaである、請求項1から3までのいずれかに記載の半割継手。
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