JP6489998B2 - プラズマ発生部およびプラズマスパッタ装置 - Google Patents

プラズマ発生部およびプラズマスパッタ装置 Download PDF

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Description

この発明は、プラズマを発生させるプラズマ発生部に関するものであり、好適には、半導体及びディスプレイ(以下、半導体に総称する)デバイスの製造において材料層をスパッタ、CVD、エッチャーなどに利用するためのプラズマ生成の技術分野に関する。
プラズマは、表面処理、堆積、エッチング処理といった様々な半導体デバイス製造プロセスに用いることができるエネルギーイオンや励起原子の簡易な発生源となっている。例えば、スパッタ堆積プロセスを用いて半導体基板上に材料を堆積させるため、スパッタターゲット材の近傍にプラズマが生成される。このスパッタターゲット材には負のバイアスが与えられ、また、このターゲットの近傍に配置されるマグネットにより発生するマグネトロン磁界の影響下に置くことができる。
プラズマの内部で生成した電子は、ターゲット近傍のマグネトロン磁界の周りをおよそらせん状の経路で移動して、プラズマ内でイオンを生成し、これがターゲット表面を叩き、ターゲットから材料を追い出す(即ち「スパッタする」)。スパッタされた材料は、半導体基板の表面に移動してそこに堆積する。マグネトロンマグネットは、通常は永久磁石を用いており、ターゲットの裏側の端から端までを機械的に移動することにより、ターゲット表面からのターゲットの消費が更に均一となるように促進することができる。また、マグネトロンには電磁石も用いることができる。磁界を発生させるのに永久磁石を用いるか、電磁石を用いるかにかかわらず、マグネトロン磁界を与えることは、従来技術のプラズマスパッタリング装置に対して大幅にコストと複雑さを与える。
スパッタ材料は、ターゲットから堆積しようとする基板へ、基板表面に対して射角となる直線経路を進む傾向がある。その結果、深さ対幅のアスペクト比が大きなトレンチやホールを有する半導体デバイスで、エッチングで形成したトレンチやホールの中に堆積した材料は、ブリッジングを起こして、堆積層の中に望まない空洞(ボイド)が生じることがある。このような空洞を防止するため、スパッタ材料がプラズマにより十分イオン化されている場合は、基板に負の電荷を与えることにより、スパッタ材料をターゲットと基板の間で実質的に垂直な経路に再配向させることができる。しかし、低密度プラズマによってスパッタされた材料のイオン化の程度がしばしば1%未満であることがあり、これは通常、形成されるキャビティの数が増大することを防止するには不充分である。従って、堆積層に望まないキャビティが形成されることを低減するためには、プラズマの密度を高めてスパッタ材料のイオン化の速度を高めることが望ましい。ここで用いられたように、「密度の高いプラズマ」は電子とイオンの密度が高いプラズマを意味するものである。
RF(高周波)場を用いてプラズマを励起する技術には、容量結合、誘導結合及びウェーブヒーティングを始めとして様々なものがある。
標準的な誘導結合プラズマ(ICP:inductively coupled plasma)ジェネレータでは、プラズマを取り囲むコイルを介して流れるRF電流が、プラズマ中に電磁流を誘起する。この電磁流が抵抗加熱により導電性のプラズマを加熱するため、定常状態に維持されるようになる。例えば、特許文献1に示すように、コイルを流れる電流は、インピーダンス整合回路網を介してコイルに結合するRFジェネレータに供給されるため、コイルはトランスの1次巻き線として作用する。プラズマは、トランスの単巻き(シングルターン)の2次巻き線として作用する。
米国特許4362632号公報
ところで、高密度プラズマでは通常、デバイスへのダメージとして以下の3つが考えられる。
先ずプラズマの発する1)光ダメージ、2)プラズマ電子による電気的ダメージ、3)プラズマの熱電子による熱ダメージがあるが、半導体の場合、1)光ダメージはある程度無視できるが2)、3)のダメージはデバイスに対して大きな不良要因となる。
2)のダメージは、プラズマのフレアの広がりにより電子がデバイスに到達することによりデバイスに電流が流れて破壊することになる。
また3)のダメージについて考察すると、標準的な誘導結合プラズマ(IPC)はプラズマを取り囲むコイルを介して流れるRF電流がプラズマ中に電磁流を誘起する。この電磁流が抵抗加熱により導電性のプラズマを加熱するため半導体基板を加熱してしまう。フィルムなどの基板材料や有機物などの熱に弱い材質で成膜などを行う際に大きな問題となる。例えば、PEN−Filmでは150℃以下、PET−Filmでは80℃以下、有機ELでは80℃以下が加熱温度の上限である。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、プラズマの拡散を制御し、スパッタ堆積などでワークピースへのプラズマダメージや熱ダメージの発生を最小限にすることができるプラズマ発生部およびプラズマスパッタ装置を提供することを目的の一つとする。
すなわち、本発明のプラズマ発生部のうち、第1の形態は、少なくとも一対の金属プレートが、互いの第1の端縁間に間隔を有し、かつ前記第1の端縁の端縁面を向かい合わせにし、互いの表面を同一方向に沿わせて並設され、プラズマが発生する空間において、表面側が、プラズマガスが供給される空間に露出し、裏面側が、プラズマガスの供給がない空間または他部材が密着して空間に露出しない状態で配置され、前記第1の端縁間の空隙から前記金属プレートのプレート表面側に向けてプラズマガスを供給するプラズマガス供給部を有し、、
前記各金属プレートに、一対の前記金属プレートが互いに対極となって両者間に電界を発生させるように、高周波電圧を給電する高周波電源が接続されていることを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記金属プレートに、前記第1の端縁の長手方向に沿った通電部を有し、該通電部の両端が前記高周波電源の給電部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生部。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記通電部が、前記第1の端縁と反対側にある第2の端縁に設けられていることを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記金属プレートにおける前記第1の端縁と前記第1の端縁と反対側にある第2の端縁の距離が10〜50mmであることを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記一対の金属プレートが、同一の面上に位置していることを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記面が平面であることを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記第1の端縁間の間隔が10〜50mmであることを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記金属プレートは、前記間隔が長手方向において一定であることを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記金属プレートの板厚が0.5〜5mmであることを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記プラズマガス供給部は、前記第1の端縁間の空隙から前記金属プレートの裏面側に位置するプラズマガス供給口を有し、該プラズマガス供給口は、前記空隙を通して前記金属プレートの表面側にのみプラズマガスを供給することを特徴とする。
他の形態のプラズマ発生部は、前記形態の本発明において、前記金属プレートの表面側を覆う誘電体からなる保護板を有することを特徴とする。
本発明のプラズマスパッタ装置は、ターゲット材を保持するターゲット材保持部と、前記形態のプラズマ発生部と、被堆積材を保持する被堆積材保持部と、を有することを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、プラズマの拡散を抑えて高密度プラズマを得ることができ、高密度プラズマ拡散による不具合を解消することができる。
本発明の一実施形態のプラズマ発生部を備えるプラズマスパッタ装置を示す断面図である。 同じく、一実施形態のプラズマ発生部の分解拡大斜視図である。 同じく、一実施形態のプラズマ発生部の一部を断面した拡大斜視図である。 同じく、一実施形態の板状プレートを示す斜視図である。 同じく、一実施形態の板状プレートによる電界強度分布の例を示す図である。 同じく、プラズマスパッタ装置による動作例を示す模式図である。
以下に、本発明の一実施形態について添付図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態のプラズマ発生部を有するプラズマスパッタ装置1を示す図である。
プラズマスパッタ装置1は、密閉構造の処理室2を備え、図示しない真空装置によって処理室2内を真空引きすることができる。
処理室2は、天板部2bと底板部2cとを有し、天板部2bよりも底板部2cの幅を小さくして底板部2cに対して傾斜させた両側の傾斜壁2a、2aを有しており、天板部2bおよび底板部2cは同じ幅(図示左右方向)で長さ方向(図示奥行き方向)に伸長している。すなわちこの実施形態では、断面略V型のチャンバーを備えている。
処理室2の底板部2c上には、ターゲット材保持部3を有しており、その上面にターゲット材100が設置される。ターゲット材保持部3には、バックバイアス電圧を付与するバイアス電源10が電気的に接続されている。
処理室2の天板部2b下面側には基板保持部4を有しており、図6に示すように、基板保持部4に下面を露出した状態で基板110を保持することができる。基板110は被堆積材に相当する。
傾斜壁2a、2aの両方には、プラズマ発生部5が設置されており、その内面側が処理室2内の空間に向いた平面形状のプラズマ生成面になっている。この例では、両側のプラズマ生成面同士が互いに対面する位置にある。
この実施形態では、傾斜壁2a、2aは、ターゲット材保持部3に設置されるターゲット材100の表面と鈍角となる角度を有しており、傾斜壁2aに設けられるプラズマ発生部5では、プラズマ生成面が傾斜壁2aと同じ傾斜角度を有している。
本願発明では、上記傾斜角度が特定の角度に限定されるものではないが、上記傾斜角度は、鉛直方向でもよく、さらに鉛直方向+20度〜鉛直方向+45度の範囲が望ましく、さらには、鉛直方向+32度±10度の範囲が一層望ましい。
プラズマ生成面の傾斜によって、スパッタ粒子の飛行経路と高密度プラズマ領域とを分離する効果が向上する。特にプラズマ生成面の傾斜角度を上記範囲とすることで、プラズマ密度の最も高い領域をスパッタ粒子の飛行経路から遠ざけることができる。プラズマ生成面の傾斜角度が鉛直方向+20度よりも小さい傾斜角度なる場合は、スパッタ粒子の飛行経路と高密度プラズマ領域との分離が不十分であり、鉛直方向+45度よりも大きい傾斜角度となる場合は、スパッタ粒子の飛行経路と高密度プラズマ領域との分離には問題ないが、プラズマ領域で発生するプラズマイオンを電界によってターゲット表面に誘導する効率が落ちるので好ましくない。
次に、プラズマ発生部5の詳細を図2〜図4に基づいて説明する。
プラズマ発生部5では、板厚0.5〜5mmの二つの導電性の板状プレート50、51が、図4に示すように、第1の端縁E1、E1を向かい合わせにして互いに一定の間隔Gを有して長手方向に沿って並設されており、板状プレート50、51は、同一の平面上に沿った配置状態を有している。間隔Gは、特に限定されるものではないが、例えば10mm〜50mmを示すことができる。板状プレートは導電性を有するものであり、動作時の温度において耐久性を備える金属製の材料が通常使用される。ただし、板状プレートの材質が特定のものに限定されるものではない。
板状プレートの反対側の端縁である第2の端縁E2、E2では、棒状の通電材50a、51aが配置されて端縁側が巻き回されて固定されている。これにより、第1の端縁E1と第2の端縁E2とは、10mm〜50mmの幅Wを有している。第1の端縁E1と第2の端縁E2とは、長手方向(端縁に沿った方向)に沿って一定の幅を有しているのが望ましい。したがって、板状プレート50、51は、外形形状が矩形形状からなるのが望ましい。
なお、板状プレートの板厚、幅、間隔は例示であって、本願発明を特定するものではない。供給する高周波電流や周波数などによっても異なるが、板厚は、出来るだけ薄く保ち電磁場がプレート表面に集中させたいとの理由で上記範囲が望ましい。また、幅は、厚み端点と表面との比を、電場を失わない程度に大きくしたいとの理由で上記範囲が望ましい。
さらに、間隔は、2枚のプレート間からガスを導入する事や、できるだけプレート表面近傍でプラズマを発生させたいとの理由で上記範囲が望ましい。また、高周波電圧としては、周波数1KHz〜24MHz(電力はプレートの大きさ、プレートの形状のほか、チャンバー内の気圧や、ガス種にも依存する)が好適に使用される。
板状プレート50、51は、上記間隔Gを保って誘電体からなる基台53に設置され、板状プレート50、51の裏面側は基台53に密着して空間との露出がなされない。なお、板状プレートの裏面側を密閉された空間に露出させ、プラズマガスとは接触しないようにしてもよい。基台53は、傾斜壁2aに取り付けられる。
基台53は、二つの金属プレート50、51の間に、間隔Gよりは幅を小さくした長尺形状の第1窪み部60が形成されており、該第1窪み部60の中央にはさらに窪みを設けた第2窪み部61が形成されている。第1窪み部60および第2窪み部61は、板状プレート50、51の長さと同じ長さを有している。
第2窪み部61には、上方を開口したプラズマガス配管65が嵌め込まれ、開口した部分に、上下方向に多数の通気口が貫通した、誘電体からなる散気板64が嵌め込まれている。第1窪み部60には、窪み形状に嵌まる形状の誘電体で、上部が開口されて周囲に筒壁を有する長尺筒体62が嵌め込まれており、長尺筒体62の筒壁からは、さらに板状プレート50、51側に伸びる長尺な縁片62aを有している。長尺筒体62の底面には、長手方向に沿った通気スリット63が長手方向に沿って複数が形成されている。
プラズマガス配管65は、処理室2の外部に伸びて図示しないプラズマガス供給部に接続されている。この実施形態では、プラズマガスとしてArが使用される。ただし、本願発明としては、プラズマガスの種別が特定のものに限定されるものではない。
上記第1窪み部60、第2窪み部61、長尺筒体62、通気スリット63、散気板64、プラズマガス配管65、図示しないプラズマ供給源によって、プラズマガス導入部6が構成されている。
さらに、板状プレート50、51の上面には、第1窪み部60の周囲形状に合わせた長尺穴52aを有するセラミック製の保護板52で覆われており、プラズマに対し金属プレート50、51が損傷を受けないように保護されている。
なお、この実施形態では、プラズマ発生部の数を二つとしたが、その数は一つとすることも可能であり、また、チャンバーの構成や使用するアプリケーションにより任意数、位置で配置することが可能である。
また、傾斜壁2aでは、図6に示すようにプラズマ発生部5の上方側に反応ガス導入部7が形成されており、処理室2の外部から反応ガスが供給される。なお、図1では、反応ガス導入部7の図示は省略している。この実施形態では反応ガスとして酸素が供給される。本発明としては反応ガスの種別が特定のものに限定されるものではなく、複数種の反応ガスを用いるものであってもよい。また、本発明としては反応ガスを用いないものであってもよい。
この実施形態は、マグネトロンフリーな(マグネトロンのない)構造を有している。
本発明の特徴の1つに従ったプラズマ発生部によれば、スパッタリング中におけるマグネトロンの必要性を排除する。高密度プラズマであれば、ワークピースへのターゲット材料の堆積速度を高くするために十分なイオン化を実現することができ、これにより、マグネトロン磁界及びこれに付随するマグネトロン磁石に対する必要性を排除することができる。マグネトロンを排除することにより、ワークピースへの加熱を制御し50℃以下(常温)の成膜が可能となる。またワークピースへのターゲット材料の堆積の均一性も、向上が可能である。加えて、トレンチ状の構造体やコンタクトホール等の側壁カバレージも、向上が可能である。ただし、本発明としては、マグネトロンを利用するものを排除するものではなく、本発明の範囲内である。
次に、上記実施形態のプラズマスパッタ装置の動作について図5、6の模式図を用いて説明する。
ターゲット材保持部3に所望の材料のターゲット材100を保持し、基板保持部4に、所望の基板110を設置する。本発明においては、ターゲット材の材料の種別や基板の種別が特に限定されるものではない。
その後、処理室2内を図示しない真空装置で真空引きし、プラズマガス導入部6からArガスを処理室2内に導入し、反応ガス導入部7からO2ガスを処理室2内に導入する。さらに、高周波電源11によって通電線50a、51aに通電して板状プレート50、51間の空隙に高周波電界を発生させ、バイアス電源10によってターゲット材保持部3にバックバイアスを印加する。
この際の高周波電界は、板状プレートの幅や間隔に対し適切な高周波電流を付与することで、図5の(b)図に示すように、板状プレートの表面側にフラットな電界分布が得られる。一方、高周波電力が適正値より低いと、(a)図に示すように、中央の電界強度が低くなった分布となり、高周波電力が適正値より高いと、(c)図に示すように中央側の電界強度が高くなった分布となる。これらの分布も目的に応じて適用が可能であり、本願発明の範囲内である。(b)図では、板状プレートの表面上で、平均電界強度に対し、±10%の範囲内に収まっている。いずれの状態においても電界強度の分布範囲が小さくなっており、特に(b)図の電界分布では、プラズマの分布が浅くなっている。
プラズマガス導入部6から吹き出されたプラズマガスは、板状プレート50と板状プレート51の表面側に吹き出され、高周波電界によってプラズマ化される。この際にプラズマガス導入部6の第1窪み部60底面の通気スリット63を通してプラズマガスが導入されることで、ガスと高周波電界との接触時間が充分に得られ、ガスのプラズマ化が向上する。この際に、板状プレート50、51の配置状態によって電界分布は浅い状態になっており、プラズマの分散が抑えられて高密度領域が板状プレートの表面近傍に得られる。
一方、ターゲット材保持部3では、バイアス電圧が印加されており、上記で生成されたプラズマがターゲット材100側に引きつけられてターゲット材100がプラズマで叩かれる。この際に、プラズマの分散が抑えられ、かつプラズマ生成面は、ターゲット材100の表面に対し、鈍角を有する傾斜角度を有しているため、プラズマの流れは遠方には飛びにくくなり、ターゲット材100表面の中央側に偏ることはなく、高密度プラズマ領域がプラズマ発生部5の近傍に限定され、ターゲット材100表面の中央側よりもやや外側へのプラズマの流れが多くなる。
ターゲット材100では、プラズマで叩かれることによってスパッタ粒子100aが飛びだして基板110へ向かう。このときに、ターゲット材100の表面中央ではプラズマ粒子の流れが少なくなっており、スパッタ粒子100aとプラズマ粒子との交錯状態が減少し、ターゲット材100から飛び出すスパッタ粒子100aの流れを損なうことがない。
したがって、スパッタ粒子の飛行経路と高密度プラズマ領域を分離できて好ましい。
上記実施形態では、プラズマ発生部とターゲット材とをV型に配置することにより、プラズマによるAr分子のイオン化とスパッタ粒子の発生領域を別けることにより、「プラズマイオンでのAr分子のイオン化」と「スパッタ粒子による成膜」の効率を上げることが可能となる。また、スパッタ粒子に付着した熱電子の影響で基板温度が上がる現象を、より抑えることができる。
また、マグネトロンを利用していない装置よりも高密度プラズマ領域が広くなる一般的なマグネトロンを利用したプラズマ源であっても、ターゲット生成面の傾斜角度を上記範囲に定めて配置することによりプラズマ密度の最も高い領域をスパッタ粒子の飛行経路から遠ざけることができる。
なお、上記実施形態では、対面する二つのプラズマ生成面を有するものについて説明したが、本発明としては、プラズマ生成面の数は特定の数に限定されるものではない。
上記のことを踏まえて本実施形態においては以下の特徴がある。
1)処理室の外壁にアース接地をする必要がなく、近接した対の電極間でガスの導入によりプラズマが発生するのでガスも効率的に使用することができ、また大電力を印加する必要がない。
2)プラズマの発生が板状プレート上の表面のみで行われ、デバイスに影響を与えないため、プラズマダメージが少ない。
3)プラズマの発生が板状プレート上の表面のみで行われ、デバイス上に影響を与えないため、熱的ダメージが少ない。このことは50℃〜常温域での低温成膜が可能で有ることを意味する。
4)プラズマの発生電極とガスの吹き出す口が近接しているため、ガス分子の存在確率への影響が少ない。
5)中央にスリット状に窪みをもうけ、その最底辺にガス吹き出し口を配置することにより低電力での放電が可能となる。
次に、本発明の実施例について説明する。
上記実施形態で説明した本発明のプラズマスパッタ装置を用いた。なお、実験チャンバー容量が30cm、高周波電力300w入力とした。
基板上にサーモラベルを貼り、プラズマスパッタ装置の動作の結果、1時間の放電では50℃以下、6時間放電で100℃以下となる結果を得た。それに加えプラズマの発生源となっている2枚の板状プレートには当初、冷却のために水を流すためにパイプなどを必要としたが、プラズマの発生源自体の熱発生がほとんどないため冷却機構が不必要になり、よりシンプルな構造となっている。
以上、上記実施形態および実施例に基づいて本発明を説明したが、無論、本発明の様々な特徴における変形は、当業者には自明なものであると、あるいは、ルーティン的な機械的又は電気的なデザインの問題であるその他の検討の後に自明となるものもあると、理解されるべきである。また、この他の具体例も可能であり、その特定のデザインは用途に依存するものである。このように、本発明の範囲はここに記載した特定の具体例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲及びこれと均等な事項によってのみ限定されるべきである。
1 プラズマスパッタ装置
2 処理室
2a 傾斜壁
3 ターゲット材保持部
4 基板保持部
5 プラズマ発生部
6 プラズマガス導入部
6a 窪み部
6b スリット
7 反応ガス導入部
10 バイアス電源
11 高周波電源
50 板状プレート
51 板状プレート
52 保護板
60 第1の窪み部
61 第2の窪み部
63 通気スリット
65 プラズマガス配管
100 ターゲット材
100a スパッタ粒子
110 基板

Claims (12)

  1. 少なくとも一対の金属プレートが、互いの第1の端縁間に間隔を有し、かつ前記第1の端縁の端縁側面を向かい合わせにし、互いのプレート表面を同一面方向に沿わせて並設され、
    プラズマが発生する空間において、表面側が、プラズマガスが供給される空間に露出し、裏面側が、プラズマガスの供給がない空間または他部材が密着して空間に露出しない状態で配置され、前記第1の端縁間の空隙から前記金属プレートのプレート表面側に向けてプラズマガスを供給するプラズマガス供給部を有し、
    前記各金属プレートに、一対の前記金属プレートが互いに対極となって両者間に電界を発生させるように、高周波電圧を給電する高周波電源が接続されていることを特徴とするプラズマ発生部。
  2. 前記金属プレートに、前記第1の端縁の長手方向に沿った通電部を有し、該通電部の両端が前記高周波電源の給電部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生部。
  3. 前記通電部が、前記第1の端縁と反対側にある第2の端縁に設けられていることを特徴とする請求項2記載のプラズマ発生部。
  4. 前記金属プレートにおける前記第1の端縁と前記第1の端縁と反対側にある第2の端縁の距離が10〜50mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ発生部。
  5. 前記一対の金属プレートが、同一の面上に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ発生部。
  6. 前記面が平面であることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ発生部。
  7. 前記第1の端縁間の間隔が10〜50mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラズマ発生部。
  8. 前記金属プレートは、前記間隔が長手方向において一定であることを特徴とする請求項7記載のプラズマ発生部。
  9. 前記金属プレートの板厚が0.5〜5mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のプラズマ発生部。
  10. 前記プラズマガス供給部は、前記第1の端縁間の空隙から前記金属プレートの裏面側に位置するプラズマガス供給口を有し、該プラズマガス供給口は、前記空隙を通して前記金属プレートの表面側にのみプラズマガスを供給することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のプラズマ発生部。
  11. 前記金属プレートの表面側を覆う誘電体からなる保護板を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のプラズマ発生部。
  12. ターゲット材を保持するターゲット材保持部と、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載のプラズマ発生部と、
    被堆積材を保持する被堆積材保持部と、を有することを特徴とするプラズマスパッタ装置。
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