JP6489389B1 - 斜路開閉機構及びインバート桟橋 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜路折り畳み機能と広角開閉機能を兼ね備えることにより狭隘なトンネル内でも斜路を水平面に対し90度以上開閉可能な、斜路開閉機構及びインバート桟橋を提供する。
【解決手段】インバート桟橋の斜路開閉機構は、第一斜路11及び第二斜路12からなる前後分割式の分割斜路と、分割斜路を地盤に対して上下方向に開閉する開閉手段20を備え、第一斜路を第二斜路に対して折り畳み可能であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、斜路開閉機構及びインバート桟橋に係り、特に、跳ね上げ式のインバート桟橋において、斜路折り畳み機能と広角開閉機能を兼ね備えることにより狭隘なトンネル内でも斜路を水平面に対し90度以上開閉可能な、斜路開閉機構及びインバート桟橋に係る。
トンネル工事におけるインバート(トンネル床部)の施工は、切羽で発生するズリの搬出や、切羽の支保工、吹付工に係る工事車両がインバート工の施工区間を通行できないため、全体工期に与える影響が大きい。このため、インバート工の施工区間を跨いで工事車両を通行させるため、架台と昇降用の斜路を備えるインバート桟橋が採用されている。
特許文献1及び2には、架台上の支柱と斜路の側部とをシリンダで連結した、斜路跳ね上げ式のインバート桟橋が開示されている。
斜路跳ね上げ式のインバート桟橋は、インバート掘削時、シリンダを短縮することで切羽側の斜路を上方に引き上げ、斜路の下面と地盤の間に掘削空間を確保し、この掘削空間内に重機を配置して地盤を掘削する。
特開2012−241333号公報 特開2002−4791号公報
従来技術には次のような欠点がある(図6)。
<1>鉄道トンネルなど小断面のトンネルでは、天井が低く、風管などの設備が吊られているため、斜路を最大角度まで上げることができない。また、持ち上げた斜路の先端が風管等に抵触して破損させるおそれがある。
<2>構造上、シリンダを最大に短縮しても斜路と支柱の間に間隔が生じるため、斜路を水平面に対して30〜40度程度までしか上げることができず、斜路の下方に掘削用の十分な作業空間を確保できない。
<3>斜路下方の作業空間が狭いため、掘削作業に大型の重機を使用できない。このため、小型の重機や人力による作業となるので作業効率が悪い。
<4>狭隘な空間で重機を取り回すため、作業性が悪く、重機が斜路に接触する危険がある。
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決可能な斜路開閉機構及びインバート桟橋を提供することにある。
上記のような課題を解決するための本発明の斜路開閉機構は、第一斜路及び第二斜路からなる前後分割式の分割斜路と、分割斜路を地盤に対して上下方向に開閉する開閉手段を備え、第一斜路を第二斜路に対して折り畳み可能であることを特徴とする。
この構成によれば、天井の低い小断面トンネルでも斜路を最大角度まで上げることができる。
本発明の斜路開閉機構は、第一斜路と第二斜路をピン接合し、両者に平板状のリンク材を接続してもよい。
この構成によれば、連結斜路の開閉時に、第一斜路と第二斜路を連動させることができる。
本発明の斜路開閉機構は、分割斜路を90度に折り畳んだ状態において、第一ピンと第二ピンの接近がリンク材に規制されてもよい。
この構成によれば、分割斜路の開放時、前部斜路をリンク材によって略水平に支持することができる。
本発明の斜路開閉機構は、開閉手段を可動支柱と2つのシリンダからなるダブルシリンダ構造としてもよい。
この構成によれば、斜路を水平面に対して90度以上持ち上げることができる。
本発明のインバート桟橋は、斜路開閉機構を備えることを特徴とする。
この構成によれば、斜路折り畳み機能と広角開閉機能を備えたインバート桟橋を提供することができる。
以上の構成より、本発明の斜路開閉機構及びインバート桟橋は次の効果の少なくともひとつを備える。
<1>斜路を折り曲げることができるため、天井の低い小断面トンネルでも斜路を最大角度まで上げることができる。また、斜路の先端が風管等に抵触するおそれがない。
<2>可動支柱を介したダブルシリンダ方式により、斜路を水平面に対して90度以上開閉することができる。このため、インバート掘削用の広い作業空間を確保できる。
<3>作業空間が広いため、ブレーカーなどの大型重機を用いて掘削することができる。このため施工効率が非常に高い。
<4>作業空間が広いため、作業性がよく安全性が高い。
本発明に係る斜路開閉機構の説明図。 分割斜路の説明図。 本発明に係るインバート桟橋の説明図。 斜路の開閉に係る説明図(1)。 斜路の開閉に係る説明図(2)。 実施例2の説明図 従来技術の説明図。
以下、図面を参照しながら本発明の斜路開閉機構及びインバート桟橋について詳細に説明する。なお図3から図6では、説明の便宜上トンネル断面を模式的に表示している。
本明細書等において、「前」「後」「上」「下」「左」「右」はインバート桟橋を切羽側に向けて設置した状態における各方位を、意味する。
[斜路開閉機構]
<1>全体の構成(図1)。
本発明の斜路開閉機構1は、インバート桟橋の開閉可能な斜路の機構である。
斜路開閉機構1は、インバート桟橋の架台部から前方の地盤上に掛け渡す分割斜路10と、分割斜路10を地盤に対して上下方向に開閉する開閉手段20と、の組み合わせを備える。
斜路開閉機構1は、分割構造の分割斜路10による斜路折り畳み機能と、ダブルシリンダ構造の開閉手段20による広角開閉機能に特徴を有する。
<2>分割斜路(図2)。
分割斜路10は、インバート桟橋の架台部から地盤へ掛け渡す平板状の昇降路である。
分割斜路10は、前後に連結する第一斜路11及び第二斜路12を備える分割構造であり、第一斜路11を第二斜路12に対し下方へ折り畳むことができる。
本例では、第一斜路11と第二斜路12の間にリンク材13を掛け渡す。
第一斜路11は、後端部付近の両側に、側方に突起する第一ピン11aを備える。
第二斜路12は、前端部で第一斜路11の後端部とピン接合し、後端部でインバート桟橋の架台部とピン接合する。
第二斜路12は、前端部付近の両側に、側方に突起する第二ピン12aを備え、中央部付近の両側に、側方に突起するシリンダピン12bを備える。
シリンダピン12bは、後述する開閉手段20の第一シリンダ23と連結する。
<2.1>リンク材。
リンク材13は、分割斜路10の開閉時に、第一斜路11と第二斜路12を連動させる部材である。
本例では、リンク材13として、両端に第一リンク孔13a及び第二リンク孔13bを備える平板上の鋼材を採用する。
リンク材13は、第一リンク孔13aに第一ピン11aを挿通し、第二リンク孔13bに第二ピン12aを挿通した状態で、第一斜路11及び第二斜路12の両側に1枚ずつ設置する。
第一リンク孔13aは第一ピン11aをスライド可能な長孔とし、第二リンク孔13bは第二ピン12aの外形に対応した丸孔とする。なお、長孔と丸孔の組み合わせはこの逆であっても構わない。
本例では、第一リンク孔13aと第二リンク孔13bの間隔を、第一斜路11と第二斜路12を90度に折り曲げた状態における第一ピン11aと第二ピン12aの最短距離Dに設定する(図2(c))。
<2.2>リンク材の機能。
分割斜路10が平坦に伸ばされた状態において、第一ピン11aと第二ピン12aは、最も距離が離れる(図2(a))。
分割斜路10を折り曲げると、第一ピン11aが第一リンク孔13a内を第二ピン12a側へ摺動して、第一ピン11aと第二ピン12aの距離が近づく(図2(b))。
分割斜路10が90度に折り畳まれた状態、すなわち第一斜路11が第二斜路12に対し90度に曲がった状態において、第一ピン11aと第二ピン12aは最も近接する(図2(c))。この際、第一ピン11aが第一リンク孔13aの内側に当接して摺動が制限されことによって、第一斜路11が第二斜路12に対して90度の角度に規制される。
<3>開閉手段。
開閉手段20は、分割斜路10を開閉する機構である。開閉手段20は分割斜路10の両側に設ける。
本例では、開閉手段20として、インバート桟橋の架台部上に設置するベース22と、ベース22上に立設する可動支柱21と、可動支柱21の上部と第二斜路12とを連結する第一シリンダ23と、可動支柱21の上部とベース22を連結する第二シリンダ24と、を備えるダブルシリンダ構造を採用する。
可動支柱21は、下端部をベース22に軸支され、第二シリンダ24によって後方に折り畳まれることができる。
尚、ベース22は必須の構成要素ではなく、可動支柱21及び第二シリンダ24を直接インバート桟橋の架台部に軸支してもよい。
<3.1>第一シリンダ。
第一シリンダ23は、分割斜路10を第一角度まで引き起こす、伸縮自在のシリンダである。
第一シリンダ23の前端は第二斜路12のシリンダピン12bに、第一シリンダ23の後端は可動支柱21の上端部に、それぞれ回動可能に軸支される。
第一シリンダ23は、分割斜路10を、地盤に掛け渡した状態における水平以下の角度から、水平より高い第一角度まで引き上げることができる。
<3.2>第二シリンダ。
第二シリンダ24は、分割斜路10を第二角度まで引き起こす、伸縮自在のシリンダである。
第二シリンダ24の前端は可動支柱21の上端部に、第二シリンダ24の後端はベース22に、それぞれ回動可能に軸支される。
第二シリンダ24は、分割斜路10を第一シリンダ23による水平より高い第一角度から、垂直以上の第二角度まで引き上げることができる。
<4>インバート桟橋(図3)。
本発明のインバート桟橋Aは、斜路開閉機構1と、架台部2と、架台部2の後端部から地盤上に掛け渡す斜路3と、斜路3を開閉する昇降部4と、架台部2の下部に接続し、架台部2を地盤から離間して支持する複数の支持部5と、を備える。
<5>斜路の開閉手順。
斜路開閉機構1による分割斜路10の開閉手順について、分割斜路10の前端を地盤に掛け渡した状態から説明する(図3)。
(1)2つの第一シリンダ23を最短まで短縮して分割斜路10を引き起こす。
分割斜路10は水平以上の第一角度まで引き起こされる。
第一斜路11の先端は自重により下方に折れ曲がる(図4A)。
(2)2つの第二シリンダ24を最短まで短縮して可動支柱21を後方に引き倒す。これによって短縮した第一シリンダ23を介して分割斜路10がさらに引き起こされる。
分割斜路10は第一角度から垂直以上の第二角度まで引き起こされる。
この際、第一斜路11の第一ピン11aがリンク材13の第一リンク孔13a内に規制されるため、第一斜路11は第二斜路12に対して90度の角度、すなわち略水平に支持される(図4B)。
以上のように、本発明の斜路開閉機構1は、開閉手段20のダブルシリンダ構造によって分割斜路10を水平面に対して90度以上に開閉することができる。
また、斜路の分割折畳構造によって、第一斜路11を前方に折り畳んで略水平に支持することができる。
以上の機能によって、分割斜路10の下方にインバート掘削用の広い作業空間を確保することができる。
[リンク材を備えない例]
分割斜路10がリンク材13を備えない実施例について説明する(図5)。
実施例1では、分割斜路10がリンク板13を備えるため、分割斜路10の開放時、リンク材13によって第一斜路11が略水平に支持された。
本例では、リンク材13を備えないため、分割斜路10の開放時、第一斜路11が第二斜路12との支軸を中心に下方に垂下する。
なお、分割斜路10の開放作業時に第一斜路11の先端が地盤上を擦るのを防止するため、第一斜路11の先端に車輪などのスライド補助具を付設するとよい。
本例の場合、分割斜路10開放時、実施例1に比べて作業空間が前後方向に若干狭くなる一方、上方が開放されるので、高さのある重機Mを使用する際に掘削作業が容易であるという新たな効果を奏する。
A インバート桟橋
1 斜路開閉機構
10 分割斜路
11 第一斜路
11a 第一ピン
12 第二斜路
12a 第二ピン
12b シリンダピン
13 リンク材
13a 第一リンク孔
13b 第二リンク孔
20 開閉手段
21 可動支柱
22 ベース
23 第一シリンダ
24 第二シリンダ
2 架台部
3 斜路
4 昇降部
5 支持部
D 最短距離
M 重機

Claims (4)

  1. インバート桟橋の斜路開閉機構であって、
    前後に連結する第一斜路及び第二斜路からなり、インバート桟橋の架台部から前方の地盤上に掛け渡す、分割斜路と、
    前記架台部に設置し、前記分割斜路を地盤に対して上下方向に開閉する、開閉手段と、を備え、
    前記第一斜路を、前記第二斜路に対し下方へ折り畳み可能に構成し
    前記開閉手段は、前記架台部上に立設する可動支柱と、前記可動支柱の上部と前記第二斜路とを連結する伸縮自在の第一シリンダと、前記可動支柱の上部と前記架台部とを連結する伸縮自在の第二シリンダと、を備え、
    前記可動支柱の下部が前記架台部に軸支され、
    前記可動支柱が前記架台部に対し少なくとも後方に折り畳み自在であることを特徴とする、
    インバート桟橋の斜路開閉機構。
  2. 平板状の2つのリンク材を有し、前記第一斜路及び前記第二斜路はピン接合で連結し、前記第一斜路及び前記第二斜路はそれぞれ側方に突起する第一ピン及び第二ピンを有し、前記2つのリンク材はそれぞれ前記第一ピン及び前記第二ピンを挿通する2つのリンク孔を有し、前記2つのリンク孔の内少なくとも1つが長孔であることを特徴とする、請求項1に記載のインバート桟橋の斜路開閉機構。
  3. 前記第一斜路を前記第二斜路に対し90度に折り畳んだ状態において、前記第一ピンと前記第二ピンの接近が前記リンク材に規制されることを特徴とする、請求項2に記載のインバート桟橋の斜路開閉機構。
  4. 架台部と、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の斜路開閉機構と、
    前記架台部の後端部から地盤上に掛け渡す斜路と、
    前記架台部の下部に接続し、前記架台部を地盤から離間して支持する複数の支持部と、を備えることを特徴とする、
    インバート桟橋。
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