JP6488722B2 - 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム - Google Patents

脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム Download PDF

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本発明は、脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラムに関する。
被験者が撮影された画像から血液の体積の変動、いわゆる脈波を検出する技術が知られている。例えば、脈波の一態様である心拍数を検出する技術の一例としては、心電計の電極を生体に装着することによって計測された心電波形のピーク、例えばP波やR波などを用いて心拍数を検出する心電図法が挙げられる。他の一例としては、指や耳たぶなどの末梢血管に赤外線を照射し、その反射光が血流および吸光特性によって周期的に変動する光学的な変化から心拍とほぼ等価な脈拍を検出する光電脈波法が挙げられる。
これら心電図法や光電脈波法を用いる場合には、電極を生体に装着したり、あるいは生体に感光面を密着させたりするので、計測器具が生体に接触しないと検出が困難である上、計測器具を装着した状態で日常を生活するのは煩わしい場合がある。
このことから、生体に計測器具が接触しない状態で脈波を測定するために、被験者が撮影された画像を用いた心拍測定方法が提案されている。かかる心拍測定方法では、カメラによって被験者の顔が撮影された画像の信号成分に対し、例えば、FFT(Fast Fourier Transform)や最大エントロピー法によってパワースペクトルを求め、かかるパワースペクトルの周波数のピーク値から心拍数を得る。
特開2002−330935号公報 特開2013−138705号公報
しかしながら、上記の技術では、脈波の周期変動に追従できない場合がある。
すなわち、上記の心拍測定方法は、FFTや最大エントロピー法を用いて、一定区間における周波数の分布を計算し、どの周波数成分が最大であるのかを求めるものである。それ故、実際の脈拍数が一拍ごとに変動する場合、その変動に追従することができない。
1つの側面では、本発明は、脈波の周期変動に追従できる脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラムを提供することを目的とする。
一態様の脈波検出装置は、画像を取得する取得部と、前記画像から脈波波形を検出する波形検出部と、前記脈波波形との間で互いの一致度が大きくなるように、所定の周期的なモデル波形であって周期変動を定義するパラメータを含むモデル波形に設定されるパラメータを更新する更新部と、前記パラメータの更新後のモデル波形と前記脈波波形との一致度が所定の閾値以上である場合に、前記脈波波形を出力する出力部とを有する。
脈波の周期変動に追従できる。
図1は、実施例1に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、顔画像の一例を示す図である。 図3は、波形検出部の機能的構成を示すブロック図である。 図4は、初期のモデル波形の一例を示す図である。 図5は、パラメータの更新結果の一例を示す図である。 図6は、実施例1に係る波形検出処理の手順を示すフローチャートである。 図7は、実施例1に係るパラメータの更新処理の手順を示すフローチャートである。 図8は、実施例1及び実施例2に係る脈波検出プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
以下に添付図面を参照して本願に係る脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラムについて説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[脈波検出装置の構成]
まず、本実施例に係る脈波検出装置の機能的構成について説明する。図1は、実施例1に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示す脈波検出装置10は、太陽光や室内光などの一般の環境光の下で生体に計測器具を接触させずに、被験者が撮影された画像を用いて被験者の脈波、すなわち心臓の拍動に伴う血液の体積の変動を検出する脈波検出処理を実行するものである。
かかる脈波検出装置10は、上記の脈波検出の一環として、生体が撮影された画像から検出された脈波波形との間で一致度が最大となるように、モデル波形の周期変動に関するパラメータを更新し、その周期変動から脈波波形や脈拍数を求める。これによって、脈波の周期変動に追従することを目指す。
かかる脈波検出装置10は、一態様として、上記の脈波検出処理がパッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして提供される信号処理プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信端末のみならず、移動体通信網に接続する能力を持たないデジタルカメラ、タブレット端末やスレート端末を含む携帯端末装置に上記の脈波検出プログラムをインストールさせる。これによって、携帯端末装置を脈波検出装置10として機能させることができる。なお、ここでは、脈波検出装置10の実装例として携帯端末装置を例示したが、パーソナルコンピュータを始めとする据置き型の端末装置に脈波検出プログラムをインストールさせることもできる。
図1に示すように、脈波検出装置10は、カメラ11と、取得部13と、抽出部14と、波形検出部15と、転換判定部16と、初期設定部17と、更新部18と、脈波検出部19とを有する。
かかる脈波検出装置10は、図1に示した機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部を有することとしてもかまわない。例えば、脈波検出装置10が据置き端末として実装される場合には、キーボード、マウスやディスプレイなどの入出力デバイスをさらに有することとしてもよい。また、脈波検出装置10がタブレット端末やスレート端末として実装される場合には、タッチパネルをさらに有することとしてもよい。また、脈波検出装置10が移動体通信端末として実装される場合には、アンテナ、移動体通信網に接続する無線通信部、GPS(Global Positioning System)受信機などの機能部をさらに有していてもかまわない。
カメラ11は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を搭載する撮像装置である。
例えば、カメラ11には、R(red)、G(green)、B(blue)など3種以上の受光素子を搭載することができる。かかるカメラ11の実装例としては、デジタルカメラやWebカメラを外部端子を介して接続することとしてもよいし、カメラが出荷時から搭載されている場合にはそのカメラを流用できる。なお、ここでは、脈波検出装置10がカメラ11を有する場合を例示したが、ネットワークまたは記憶デバイスを経由して画像を取得できる場合には、必ずしも脈波検出装置10がカメラ11を有さずともよい。
ここで、脈波検出装置10は、上記の脈波検出処理を実行するアプリケーションプログラムがプリインストールまたはインストールされている場合に、カメラ11によって脈波を検出し易い被験者の画像が撮像されるように画像の撮影操作を案内することができる。なお、以下では、上記のアプリケーションプログラムのことを「脈波検出用アプリ」と記載する場合がある。
かかる脈波検出用アプリは、図示しない入力デバイスを介して起動されると、カメラ11を起動する。これを受けて、カメラ11は、カメラ11の撮影範囲に収容された被写体の撮影を開始する。このとき、被験者の顔が映る画像を撮影させる場合には、脈波検出用アプリは、カメラ11が撮影する画像を図示しない表示デバイスに表示しつつ、被験者の鼻を映す目標位置を照準として表示させることもできる。これによって、被験者の眼、耳、鼻や口などの顔パーツの中でも被験者の鼻が撮影範囲の中心部分に収まった画像が撮影できるようにする。そして、脈波検出用アプリは、カメラ11によって被験者の顔が撮影された画像を取得部13へ保存する。なお、以下では、顔が映った画像のことを「顔画像」と記載する場合がある。
取得部13は、画像を取得する処理部である。
一実施形態として、取得部13は、カメラ11によって撮像された顔画像を取得する。他の実施形態として、取得部13は、顔画像を蓄積するハードディスクや光ディスクなどの補助記憶装置またはメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのリムーバブルメディアから画像を取得することもできる。更なる実施形態として、取得部13は、外部装置からネットワークを介して受信することによって顔画像を取得することもできる。なお、取得部13は、CCDやCMOSなどの撮像素子による出力から得られる2次元のビットマップデータやベクタデータなどの画像データを用いて処理を実行する場合を例示したが、1つのディテクタから出力される信号をそのまま取得して後段の処理を実行させることとしてもよい。
抽出部14は、取得部13によって取得された画像から生体領域を抽出する処理部である。
一実施形態として、抽出部14は、顔画像から所定の顔パーツを基準とする生体領域を抽出する。例えば、抽出部14は、顔画像にテンプレートマッチング等の画像処理を実行することによって被験者の眼、耳、鼻や口などの顔パーツのうち特定の顔パーツ、すなわち被験者の鼻を検出する。その上で、抽出部14は、被験者の鼻を中心とし、中心から所定の範囲に含まれる生体領域を抽出する。これによって、被験者の鼻、鼻の周辺に位置する頬の一部の顔中心部分を含んだ生体領域の画像が脈波の検出に使用する画像として抽出される。その後、抽出部14は、原画像から抽出した生体領域の画像を波形検出部15へ出力する。
図2は、顔画像の一例を示す図である。図2には、画像に映る被験者の眼、鼻及び口の一部または全部を含む領域が9つに分割されたブロックが図示されている。図2に示すブロックのうち上段の左及び右のブロックには、被験者の眼が映っている。これらのブロックの画像を検出に用いた場合には、眼の瞬きがノイズとなって心拍数の検出精度の低下を招く場合がある。また、図2に示すブロックのうち下段の3つのブロックには、被験者の口が映っている。これらのブロックの画像を検出に用いた場合には、口の動きがノイズとなって心拍数の検出精度の低下を招く場合がある。一方、図2に示す中段の真ん中のブロック、すなわち斜線の塗りつぶしが図示されたブロックは、眼や口が映るブロックから隔てられており、他のブロックに比べてノイズとなる成分が映っている可能性が低いので、良好な検出結果を期待できる。これらのことから、抽出部14は、原画像から図2に示す中段の真ん中のブロックの画像を生体領域の画像として抽出する。
上記の生体領域の画像を抽出後に、抽出部14は、生体領域に含まれる各画素が持つ画素値に所定の統計処理を実行する。例えば、抽出部14は、生体領域に含まれる各画素が持つ画素値を波長成分ごとに平均する。この他、平均値以外にも、中央値や最頻値を計算することとしてもよく、また、相加平均以外にも任意の平均処理、例えば加重平均や移動平均などを実行することもできる。これによって、生体領域に含まれる各画素が持つ画素値の平均値が当該生体領域を代表する代表値として波長成分ごとに算出される。
波形検出部15は、脈波の検出対象とする領域に含まれる各画素の波長成分別の代表値の信号から、各波長成分の間で脈波が採り得る脈波周波数帯以外の特定周波数帯の成分が互いに相殺された信号の波形を検出する処理部である。
一実施形態として、波形検出部15は、画像に含まれる3つの波長成分、すなわちR成分、G成分およびB成分のうち血液の吸光特定が異なるR成分とG成分の2つの波長成分の代表値の時系列データを用いて、波形を検出する。
これを説明すると、顔表面には、毛細血管が流れており、心拍により血管に流れる血流が変化すると、血流で吸収される光量も心拍に応じて変化するため、顔からの反射によって得られる輝度も心拍に伴って変化する。かかる輝度の変化量は小さいが、顔領域全体の平均輝度を求めると、輝度の時系列データには脈波成分が含まれる。ところが、輝度は、脈波以外に体動等によっても変化し、これが、脈波検出のノイズ成分、いわゆる体動アーチファクトとなる。そこで、血液の吸光特性の異なる2種類以上の波長、例えば吸光特性が高いG成分(525nm程度)、吸光特性が低いR成分(700nm程度)で脈波を検出する。心拍は、0.5Hz〜4Hz、1分あたりに換算すれば30bpm〜240bpmの範囲であるので、それ以外の成分はノイズ成分とみなすことができる。ノイズには、波長特性は無い、あるいはあっても極小であると仮定すると、G信号およびR信号の間で0.5Hz〜4Hz以外の成分は等しいはずであるが、カメラの感度差により大きさが異なる。それゆえ、0.5Hz〜4Hz以外の成分の感度差を補正して、G成分からR成分を減算すれば、ノイズ成分は除去されて脈波成分のみを取り出すことができる。
例えば、G成分及びR成分は、下記の式(1)および下記の式(2)によって表すことができる。下記の式(1)における「Gs」は、G信号の脈波成分を指し、「Gn」は、G信号のノイズ成分を指し、また、下記の式(2)における「Rs」は、R信号の脈波成分を指し、「Rn」は、R信号のノイズ成分を指す。また、ノイズ成分は、G成分およびR成分の間で感度差があるので、感度差の補正係数kは、下記の式(3)によって表される。
Ga=Gs+Gn・・・(1)
Ra=Rs+Rn・・・(2)
k=Gn/Rn・・・(3)
感度差を補正してG成分からR成分を減算すると、脈波成分Sは、下記の式(4)となる。これを上記の式(1)及び上記の式(2)を用いて、Gs、Gn、Rs及びRnによって表される式へ変形すると、下記の式(5)となり、さらに、上記の式(3)を用いて、kを消し、式を整理すると下記の式(6)が導出される。
S=Ga−kRa・・・(4)
S=Gs+Gn−k(Rs+Rn)・・・(5)
S=Gs−(Gn/Rn)Rs・・・(6)
ここで、G信号およびR信号は、吸光特性が異なり、Gs>(Gn/Rn)Rsである。したがって、上記の式(6)によってノイズが除去された脈波成分Sを算出することができる。
図3は、波形検出部15の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、波形検出部15は、BPF(Band-Pass Filter)152R及び152Gと、抽出部153R及び153Gと、LPF(Low-Pass Filter)154R及び154Gと、算出部155と、BPF156R及び156Gと、乗算部157と、演算部158とを有する。なお、図3には、時系列空間にてノイズ成分をキャンセルして脈波を検出する場合の機能的構成が例示されている。
例えば、抽出部14から波形検出部15には、生体領域に含まれる各画素が持つR成分の画素値の代表値を信号値とするR信号の時系列データが入力されるとともに、生体領域に含まれる各画素が持つG成分の画素値の代表値を信号値とするG信号の時系列データが入力される。このうち、生体領域のR信号は、波形検出部15内のBPF152R及びBPF156Rへ入力されるとともに、生体領域のG信号は、波形検出部15内のBPF152G及びBPF156Gへ入力される。
BPF152R、BPF152G、BPF156R及びBPF156Gは、いずれも所定の周波数帯の信号成分だけを通過させてそれ以外の周波数帯の信号成分を除去するバンドパスフィルタである。これらBPF152R、BPF152G、BPF156R及びBPF156Gは、ハードウェアによって実装されることとしてもよいし、ソフトウェアによって実装されることとしてもよい。
これらBPFが通過させる周波数帯の違いについて説明する。BPF152R及びBPF152Gは、ノイズ成分が他の周波数帯よりも顕著に現れる特定周波数帯の信号成分を通過させる。
かかる特定周波数帯は、脈波が採り得る周波数帯との間で比較することによって定めることができる。脈波が採り得る周波数帯の一例としては、0.5Hz以上4Hz以下である周波数帯、1分あたりに換算すれば30bpm以上240bpm以下である周波数帯が挙げられる。このことから、特定周波数帯の一例としては、脈波として計測され得ない0.5Hz未満及び4Hz超過の周波数帯を採用することができる。また、特定周波数帯は、脈波が採り得る周波数帯との間でその一部が重複することとしてもよい。例えば、脈波として計測されることが想定しづらい0.7Hz〜1Hzの区間で脈波が採り得る周波数帯と重複することを許容し、1Hz未満及び4Hz以上の周波数帯を特定周波数帯として採用することもできる。また、特定周波数帯は、1Hz未満及び4Hz以上の周波数帯を外縁とし、ノイズがより顕著に現れる周波数帯に絞ることもできる。例えば、ノイズは、脈波が採り得る周波数帯よりも高い高周波数帯よりも、脈波が採り得る周波数帯よりも低い低周波数帯でより顕著に現れる。このため、1Hz未満の周波数帯に特定周波数帯を絞ることもできる。また、空間周波数がゼロである直流成分の近傍には、各成分の撮像素子の感度の差が多く含まれるので、3bpm以上60bpm未満の周波数帯に特定周波数帯を絞ることもできる。さらに、人の体の動き、例えば瞬きや体の揺れの他、環境光のチラツキなどのノイズが現れやすい3bpm以上20bpm未満の周波数帯に特定周波数帯を絞ることもできる。
ここでは、一例として、BPF152R及びBPF152Gが特定周波数帯として3bpm以上20bpm未満の周波数帯の信号成分を通過させる場合を想定して以下の説明を行う。なお、ここでは、特定周波数帯の信号成分を抽出するために、バンドパスフィルタを用いる場合を例示したが、一定の周波数未満の周波数帯の信号成分を抽出する場合などには、ローパスフィルタを用いることもできる。
一方、BPF156R及びBPF156Gは、脈波が採り得る周波数帯、例えば42bpm以上240bpm未満の周波数帯の信号成分を通過させる。なお、以下では、脈波が採り得る周波数帯のことを「脈波周波数帯」と記載する場合がある。
抽出部153Rは、R信号の特定周波数帯の信号成分の絶対強度値を抽出する。例えば、抽出部153Rは、R成分の特定周波数帯の信号成分をべき乗する乗算処理を実行することによって特定周波数帯の信号成分の絶対強度値を抽出する。また、抽出部153Gは、G信号の特定周波数帯の信号成分の絶対強度値を抽出する。例えば、抽出部153Gは、G成分の特定周波数帯の信号成分をべき乗する乗算処理を実行することによって特定周波数帯の信号成分の絶対強度値を抽出する。
LPF154R及びLPF154Gは、特定周波数帯の絶対強度値の時系列データに対し、時間変化に応答させる平滑化処理を実行するローパスフィルタである。これらLPF154R及びLPF154Gは、LPF154Rへ入力される信号がR信号であり、LPF154Gへ入力される信号がG信号である以外に違いはない。かかる平滑化処理によって、特定周波数帯の絶対値強度R´n及びG´nが得られる。
算出部155は、LPF154Gによって出力されたG信号の特定周波数帯の絶対値強度G´nを、LPF154Rによって出力されたR信号の特定周波数帯の絶対値強度R´nで除する除算「G´n/R´n」を実行する。これによって、感度差の補正係数kを算出する。
乗算部157は、BPF156Rによって出力されたR信号の脈波周波数帯の信号成分に算出部155によって算出された補正係数kを乗算する。
演算部158は、乗算部157によって補正係数kが乗算されたR信号の脈波周波数帯の信号成分から、BPF156Gによって出力されたG信号の脈波周波数帯の信号成分を差し引く演算「k*Rs−Gs」を実行する。かかる演算によって得られた信号の時系列データは、脈波の波形に相当する。
このようにして画像の生体領域から検出された脈波波形が転換判定部16へ出力される。以下では、脈波波形のi番目の時刻をt(i)、脈波波形の振幅値をv(i)と表す場合がある。さらに、最新の脈波波形のインデックスを「I」と表す場合がある。なお、脈波波形の振幅値が採取される時刻t(i)の間隔、すなわちフレームレートは、δで一定とする。
図1の説明に戻り、転換判定部16は、波形検出部15によって検出される信号の振幅値の正負が転換するか否かを判定する処理部である。
一実施形態として、転換判定部16は、波形検出部15によって脈波波形の振幅値が出力される度に、当該脈波波形の振幅値の符号、すなわち正負が転換するか否かを判定する。このとき、転換判定部16は、下記の式(7)または下記の式(8)のいずれかを満たす場合に、当該振幅値v(i)の正負が転換すると判定する。このように、転換判定部16は、振幅値の正負が転換する転換点の時刻T(j)=t(I)を図示しない内部メモリ等へ順次記録する。なお、上記の「j」は、何番目の転換点であるかを表し、このうち、最新の転換点のインデックスを「J」と表すこととする。
v(i-1)<0 and v(i)>=0・・・(7)
v(i-1)>=0 and v(i)<0・・・(8)
初期設定部17は、モデル波形を定義するパラメータの初期設定を行う処理部である。
ここで言う「モデル波形」とは、波形検出部15により出力される脈波波形にフィッティングさせる模式的な波形を指す。かかるモデル波形は、人の脈波由来成分に類似した波形で、周期的な波形であることが好ましい。以下では、モデル波形の一例として、周期変動sin波を用いる場合を例示するが、周期が変動する三角波など他の周期変動波形であってもよく、また、複数の周期変動波形の和で構成される合成波であっても構わない。
例えば、周期変動sin波として、時刻に対し、周期が単調に短くなるか、あるいは長くなるモデルを例に挙げる。これは、想定する窓幅、例えば数秒間程度の比較的短い時間の場合、人の脈拍数はおおよそ単調に変動することが多いからである。さらに、ここでは、周期が線形に変動する、下記の式(9)の周期変動sin波をモデル波形として例示する。
sin(α +β+γ)・・・(9)
上記の式(9)における「α」は、モデル波形の周期変動を指し、「β」は、モデル波形の窓開始時点における周期を指し、また、「γ」は、位相を指す。なお、「n」は、モデル波形を定義する「α」、「γ」及び「β」を含むパラメータが繰り返し演算により更新される回数を指す。
ここで、上記の式(9)において、周期は、「α+β」であり、αが0以外である場合には、モデル波形の周期が線形に変動することがわかる。例えば、αが正の値にである場合には、時間経過にしたがって周期が単調に増加するモデル波形を定義でき、αが負の値である場合には、時間経過にしたがって周期が単調に減少するモデル波形が定義できることがわかる。
例えば、初期設定部17は、モデル波形の周期数mを設定すると共に、上記のパラメータα、β及びγの初期値を設定する。図4は、初期のモデル波形の一例を示す図である。図4には、波形検出部15が出力する脈波波形を破線で示すと共に、初期のモデル波形が実線で示されている。図4に示すグラフの縦軸は、振幅を指し、グラフの横軸は、時間を指す。図4に示すように、波形検出部15が出力する脈波波形から転換点Jが転換判定部16により判定された場合、初期設定部17は、所定の周期数m、図示の例ではm=3を設定し、当該転換点Jが検出された時刻からm*2個前、すなわち6個前の転換点まで遡った時刻をモデル波形とフィッティングさせる窓幅に設定する。すなわち、初期設定部17は、最新の転換点T(J)を窓の終了時刻に設定すると共に、T(J−m*2)が窓の開始時刻に設定する。その上で、初期設定部17は、図4に示す通り、上記の窓幅にm周期分のsin波がちょうど収まるように、β及びγを設定する。なお、αには、初期値の一例としてゼロを設定することとし、初期のモデル波形には周期変動がない状態でパラメータの更新が実行されることとする。
更新部18は、モデル波形のパラメータを更新する処理部である。
一実施形態として、更新部18は、波形検出部15が出力する脈波波形のうち初期設定部17により設定された窓内の部分波形とモデル波形との一致度が大きくなるように、パラメータα、β及びγを繰り返し演算により更新する。
例えば、窓内の脈波波形のデータ点を(t1,x1),(t2,x2),・・・,(tN,xN)とするとき、n反復目のモデル波形は3つのパラメータα、β及びγを持つsin(α +β+γ)で表される。このとき、評価値(一致度)の一例は、窓内の脈波波形とsin波の内積(平均を0と仮定した相関係数)により、下記の式(10)で表すことができる。なお、上記の各データ点における振幅値x1,x2,・・・,xNには、波形検出部15が出力する振幅値をそのまま用いることもできるが、一例として、−1から+1までの値に正規化することにより、振幅値が大きく互いの波形が相似でない場合に一致度が高く算出される事態を抑制できる。
Figure 0006488722
そして、上記の式(10)でfが最大となるα、β及びγは、下記の式(11)〜式(13)を満たす。
Figure 0006488722
Figure 0006488722
Figure 0006488722
よって、上記の式(11)〜式(13)を満たすα、β及びγを計算することができればよい。このようなα、β及びγを求める場合、一例として、ニュートン法を適用し、下記の式(14)、式(15)及び式(17)を交互に繰り返して計算することにより求めることができる。ただし、下記の式(15)における「g(β)」は、下記の式(16)を満たし、下記の式(17)における「h(α)」は、下記の式(18)を満たすこととする。
Figure 0006488722
Figure 0006488722
Figure 0006488722
Figure 0006488722
Figure 0006488722
このように、更新部18は、パラメータα、β及びγが収束するように、式(14)、式(15)及び式(17)の計算を繰り返すことにより、パラメータα、β及びγをパラメータαn+1、βn+1及びγn+1へ更新する計算を繰り返す。
ここで、更新部18は、反復回数が所定の回数になることを条件に、上記のパラメータの更新を終了することができる。例えば、脈波波形に含まれるノイズが小さい場合、脈波波形が周期変動sin波に元々近いはずなので、すぐに正しいα、β及びγに収束する可能性が高い。この場合、反復回数は小さい数に固定しておけばよい。なお、パラメータの更新の終了条件は、これに限定されず、一致度fが所定の閾値以上になるまでパラメータの更新を繰り返すこともできる。
図5は、パラメータの更新結果の一例を示す図である。図5の上部には、初期のモデル波形、すなわち反復回数n=0のモデル波形が示される一方で、図5の下部には、パラメータ更新後のモデル波形、すなわち反復回数n=上限Thのモデル波形が示されている。図5の上部に示す初期のパラメータα、β及びγを式(14)、式(15)及び式(17)にしたがって更新を繰り返すことにより、図5の下部に示すパラメータα、β及びγを求める。すなわち、図5の例では、波形検出部15が出力する脈波波形にフィッティングするように、モデル波形の周期を単調減少させるパラメータα、β及びγが求められた更新結果が示されている。
脈波検出部19は、更新部18によりパラメータが更新されたモデル波形から脈波を検出する処理部である。
一実施形態として、脈波検出部19は、更新部18によりパラメータの更新が所定の反復回数にわたって行われた場合、当該パラメータα、β及びγを上記の式(10)へ代入することにより、脈波波形とモデル波形の一致度を算出する。その上で、脈波検出部19は、一致度が所定の閾値以上であるか否かを判定する。このとき、一致度が閾値未満である場合、脈波検出部19は、脈波、すなわち脈波波形や脈拍数を出力しない。一方、一致度が閾値以上である場合、脈波検出部19は、波形検出部15が出力する脈波波形または更新後のモデル波形を出力したり、更新後のモデル波形から脈拍数を求めて出力する。例えば、脈拍数は、更新後のモデル波形が含む極大点ごとに当該極大点の時刻tiにおいてその時点での周期であるα+βを用いて下記の式(19)から計算できる。
(α+β)/2π×60・・・(19)
ただし、α +β+γが2πで除算された余りがπ/2であるt
このようにして得られる脈拍数や脈波波形は、脈波検出装置10が有する図示しない表示デバイスを始め、任意の出力先へ出力することができる。例えば、脈拍数や脈拍周期のゆらぎから自律神経の働きをLF(Low Frequency)/HF(Hi Frequency)法を用いて診断したり、脈波波形から心疾患等を診断したりする診断プログラムが脈波検出装置10にインストールされている場合には、診断プログラムを出力先とすることができる。また、診断プログラムをWebサービスとして提供するサーバ装置などを出力先とすることもできる。さらに、脈波検出装置10を利用する利用者の関係者、例えば介護士や医者などが使用する端末装置を出力先とすることもできる。これによって、院外、例えば在宅や在席のモニタリングサービスも可能になる。なお、診断プログラムの測定結果や診断結果も、脈波検出装置10を始め、関係者の端末装置に表示させることができるのも言うまでもない。
なお、上記の取得部13、抽出部14、波形検出部15、転換判定部16、初期設定部17、更新部18及び脈波検出部19は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などに脈波検出プログラムや信号処理プログラムを実行させることによって実現できる。また、上記の各機能部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
また、上記の内部メモリには、半導体メモリ素子や記憶装置を採用できる。例えば、半導体メモリ素子の一例としては、VRAM(Video Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)などが挙げられる。また、メモリではなく、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置を用いることとしてもかまわない。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る脈波検出装置の処理の流れについて説明する。なお、ここでは、脈波検出装置10によって実行される(1)波形検出処理について説明した後に、(2)パラメータの更新処理について説明することとする。
(1)波形検出処理
図6は、実施例1に係る波形検出処理の手順を示すフローチャートである。この波形検出処理は、カメラ11から画像が取得する度に処理を起動し、画像が取得されなくなるまで繰り返し実行される処理である。なお、図示しない入力デバイス等を介して中断操作を受け付けた場合には、波形検出処理を中止することもできる。
図6に示すように、被験者が映った画像が取得されると(ステップS101)、抽出部14は、ステップS101で取得された画像から所定の顔パーツ、例えば被験者の鼻を基準とする生体領域の画像を抽出する(ステップS102)。
その上で、抽出部14は、R信号の時系列データをBPF152R及びBPF156Rへ出力するとともに、G信号の時系列データをBPF152G及びBPF156Gへ出力する(ステップS103)。
続いて、BPF152Rは、R信号の特定周波数帯、例えば3bpm以上20bpm未満の周波数帯の信号成分を抽出するとともに、BPF152Gは、G信号の特定周波数帯の信号成分を抽出する(ステップS104A)。
そして、抽出部153Rは、R信号の特定周波数帯の信号成分の絶対強度値を抽出するとともに、抽出部153Gは、G信号の特定周波数帯の信号成分の絶対強度値を抽出する(ステップS105)。
その後、LPF154Rは、R信号の特定周波数帯の絶対強度値の時系列データに対し、時間変化に応答させる平滑化処理を実行するとともに、LPF154Gは、G信号の特定周波数帯の絶対強度値の時系列データに対し、時間変化に応答させる平滑化処理を実行する(ステップS106)。
続いて、算出部155は、LPF154Gによって出力されたG信号の特定周波数帯の絶対値強度G´noiseを、LPF154Rによって出力されたR信号の特定周波数帯の絶対値強度R´noiseで除する除算「G´noise/R´noise」を実行することによって補正係数aを算出する(ステップS107)。
上記のステップS104Aの処理に並行して、BPF156Rは、R信号の脈波周波数帯、例えば42bpm以上240bpm未満の周波数帯の信号成分を抽出するとともに、BPF156Gは、G信号の脈波周波数帯の信号成分を抽出する(ステップS104B)。
その後、乗算部157は、ステップS104Bで抽出されたR信号の脈波周波数帯の信号成分にステップS107で算出された補正係数aを乗算する(ステップS108)。その上で、演算部158は、ステップS108で補正係数aが乗算されたR信号の脈波周波数帯の信号成分から、ステップS104Bで抽出されたG信号の脈波周波数帯の信号成分を差し引く演算「a*Rsignal−Gsignal」を実行する(ステップS109)。
そして、波形検出部15は、演算後の信号の時系列データを脈波波形として転換判定部16へ出力し(ステップS110)、処理を終了する。
(2)パラメータの更新処理
図7は、実施例1に係るパラメータの更新処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、顔画像が撮像されるフレーム周波数に対応するサンプリング間隔で波形検出部15から脈波波形を形成する最新の振幅値が入力される度に実行される。
図7に示すように、転換判定部16は、波形検出部15によって出力される脈波波形の最新のデータ点に関する振幅値および時刻を取得する(ステップS301)。そして、転換判定部16は、ステップS301で取得された最新のデータ点が前後で振幅値の正負が転換する転換点であるか否かを判定する(ステップS302)。
このとき、転換点である場合(ステップS302Yes)、初期設定部17は、モデル波形の周期数mを設定すると共に、上記のパラメータα、β及びγの初期値を設定することにより、初期のモデル波形を定義する各パラメータを初期設定する(ステップS303)。
その上で、更新部18は、一例として、ニュートン法により導出される、上記の式(14)、式(15)及び式(17)にしたがってパラメータα、β及びγを更新する(ステップS304)。
そして、パラメータα、β及びγの更新が所定の反復回数にわたって行われるまで(ステップS305No)、更新部18は、ステップS304に戻り、パラメータα、β及びγの更新を繰り返し実行する。
一方、パラメータα、β及びγの更新が所定の反復回数にわたって行われた場合(ステップS305Yes)、脈波検出部19は、所定の反復回数にわたって更新されたパラメータα、β及びγを上記の式(10)へ代入することにより、脈波波形とモデル波形の一致度を算出する(ステップS306)。
ここで、脈波検出部19は、一致度が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS307)。このとき、一致度が閾値未満である場合(ステップS307No)、脈波、すなわち脈波波形や脈拍数を出力しない。一方、一致度が閾値以上である場合(ステップS307Yes)、脈波検出部19は、波形検出部15が出力する脈波波形または更新後のモデル波形を出力したり、あるいは更新後のモデル波形から脈拍数を求めて出力し(ステップS308)、処理を終了する。
なお、図7に示すフローチャートでは、ステップS304でモデル波形のパラメータが更新される度に、窓にモデル波形がm周期分入るよう、窓幅を更新することもできる。これによって、例えば、初期のモデル波形に比べて更新後のモデル波形の周期が長い場合に、窓内に含まれる周期数が小さくなる結果、脈拍数を誤検出する可能性があるが、かかる誤検出を低減できる。
また、図7に示すフローチャートでは、最終的なモデル波形のパラメータが所与の範囲に含まれている場合のみ脈拍数を計算することとしてもかまわない。例えば、上記の式(19)により得られる脈拍数が一般的な脈拍数範囲である42bpm〜200bpmに含まれる場合に絞って脈拍数を計算したり、位相パラメータγの絶対値が所与の閾値(例えば、π/4)より小さい場合に絞って脈拍数を計算する。これによって、ノイズを含む脈拍波形から誤った脈拍数を計算する可能性を低減させることもできる。
[効果の一側面]
上述してきたように、本実施例に係る脈波検出装置10は、生体が撮影された画像から検出された脈波波形との間で一致度が最大となるように、モデル波形の周期変動に関するパラメータを更新し、その周期変動から脈波波形や脈拍数を求める。一側面として、一拍ごとに脈拍の周期が変動する場合でも、脈波波形にモデル波形をフィッティングさせることができる。したがって、本実施例に係る脈波検出装置10によれば、脈波の周期変動に追従できる。他の側面として、モデル波形の周期を一定に固定する場合よりもグラフ形状の自由度を向上させることができる。それ故、脈拍数の算出精度も高めることができる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[入力信号]
例えば、上記の実施例1では、入力信号としてR信号およびG信号の二種類を用いる場合を例示したが、異なる複数の光波長成分を持つ信号であれば任意の種類の信号および任意の数の信号を入力信号とすることができる。例えば、R、G、B、IRおよびNIRなどの光波長成分が異なる信号のうち任意の組合せの信号を2つ用いることもできるし、また、3つ以上用いることもできる。
[他の実装例]
上記の実施例1では、脈波検出装置10が上記一連の処理をスタンドアローンで実行する場合を例示したが、クライアントサーバシステムとして実装することもできる。例えば、脈波検出装置10は、図6及び図7に示す処理を実行するWebサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって脈波検出サービスを始めとするサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。このように、脈波検出装置10がサーバ装置として動作する場合には、スマートフォンや携帯電話機等の携帯端末装置やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置をクライアント端末として収容することができる。これらクライアント端末からネットワークを介して被験者の顔が映った画像が取得された場合に波形検出処理を実行し、その脈波波形を用いてパラメータの更新処理を実行した上でその検出結果やその検出結果を用いてなされた診断結果をクライアント端末へ応答することによって脈波検出サービス及び診断サービスを提供できる。
[分散および統合]
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されておらずともよい。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、取得部13、抽出部14、波形検出部15、転換判定部16、初期設定部17、更新部18または脈波検出部19を脈波検出装置10の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、取得部13、抽出部14、波形検出部15、転換判定部16、初期設定部17、更新部18または脈波検出部19を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記の脈波検出装置10の機能を実現するようにしてもよい。
[脈波検出プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図8を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する脈波検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図8は、実施例1及び実施例2に係る脈波検出プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。図8に示すように、コンピュータ1000は、操作部1100aと、スピーカ1100bと、カメラ1100cと、ディスプレイ1200と、通信部1300とを有する。さらに、このコンピュータ1000は、CPU1500と、ROM1600と、HDD1700と、RAM1800とを有する。これら1100〜1800の各部はバス1400を介して接続される。
HDD1700には、図8に示すように、上記の実施例1で示した取得部13、抽出部14、波形検出部15、転換判定部16、初期設定部17、更新部18及び脈波検出部19と同様の機能を発揮する脈波検出プログラム1700aが記憶される。この脈波検出プログラム1700aは、図1に示した取得部13、抽出部14、波形検出部15、転換判定部16、初期設定部17、更新部18及び脈波検出部19の各構成要素と同様、統合又は分離してもかまわない。すなわち、HDD1700には、必ずしも上記の実施例1で示した全てのデータが格納されずともよく、処理に用いるデータがHDD1700に格納されればよい。
このような環境の下、CPU1500は、HDD1700から脈波検出プログラム1700aを読み出した上でRAM1800へ展開する。この結果、脈波検出プログラム1700aは、図8に示すように、脈波検出プロセス1800aとして機能する。この脈波検出プロセス1800aは、RAM1800が有する記憶領域のうち脈波検出プロセス1800aに割り当てられた領域にHDD1700から読み出した各種データを展開し、この展開した各種データを用いて各種の処理を実行する。例えば、脈波検出プロセス1800aが実行する処理の一例として、図6や図7に示す処理などが含まれる。なお、CPU1500では、必ずしも上記の実施例1で示した全ての処理部が動作せずともよく、実行対象とする処理に対応する処理部が仮想的に実現されればよい。
なお、上記の脈波検出プログラム1700aは、必ずしも最初からHDD1700やROM1600に記憶されておらずともかまわない。例えば、コンピュータ1000に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ1000がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ1000がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
10 脈波検出装置
11 カメラ
13 取得部
14 抽出部
15 波形検出部
16 転換判定部
17 初期設定部
18 更新部
19 脈波検出部

Claims (7)

  1. 画像を取得する取得部と、
    前記画像から脈波波形を検出する波形検出部と、
    前記脈波波形と所定の周期的なモデル波形であって周期変動パラメータ含むモデル波形との一致度に基づいて、前記パラメータの更新前記パラメータが収束するまで反復する更新部と、
    反復後のパラメータを有するモデル波形と前記脈波波形との一致度が所定の閾値以上である場合に、前記脈波波形を出力する出力部と
    を有することを特徴とする脈波検出装置。
  2. 前記反復後のモデル波形のパラメータを用いて脈拍数を算出する算出部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。
  3. 前記モデル波形として、周期が時間に対して単調に変動する周期変動正弦波を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の脈波検出装置。
  4. 前記モデル波形として、周期が時間に対して線形に変動する周期変動正弦波を用いることを特徴とする請求項3に記載の脈波検出装置。
  5. 前記モデル波形は、前記周期変動と共に周期および位相をパラメータに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の脈波検出装置。
  6. コンピュータが、
    画像を取得し、
    前記画像から脈波波形を検出し、
    前記脈波波形と所定の周期的なモデル波形であって周期変動パラメータ含むモデル波形との一致度に基づいて、前記パラメータの更新前記パラメータが収束するまで反復し、
    反復後のパラメータを有するモデル波形と前記脈波波形との一致度が所定の閾値以上である場合に、前記脈波波形を出力する
    処理を実行することを特徴とする脈波検出方法。
  7. コンピュータに、
    画像を取得し、
    前記画像から脈波波形を検出し、
    前記脈波波形と所定の周期的なモデル波形であって周期変動パラメータ含むモデル波形との一致度に基づいて、前記パラメータの更新前記パラメータが収束するまで反復し、
    反復後のパラメータを有するモデル波形と前記脈波波形との一致度が所定の閾値以上である場合に、前記脈波波形を出力する
    処理を実行させることを特徴とする脈波検出プログラム。
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