JP6167849B2 - 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム - Google Patents

脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6167849B2
JP6167849B2 JP2013222801A JP2013222801A JP6167849B2 JP 6167849 B2 JP6167849 B2 JP 6167849B2 JP 2013222801 A JP2013222801 A JP 2013222801A JP 2013222801 A JP2013222801 A JP 2013222801A JP 6167849 B2 JP6167849 B2 JP 6167849B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
band
signal
pulse wave
unit
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013222801A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015083101A (ja
Inventor
真路 堀田
真路 堀田
関口 英紀
英紀 関口
雅人 阪田
雅人 阪田
大輔 内田
大輔 内田
明大 猪又
明大 猪又
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2013222801A priority Critical patent/JP6167849B2/ja
Publication of JP2015083101A publication Critical patent/JP2015083101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6167849B2 publication Critical patent/JP6167849B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラムに関する。
血液の体積の変動、いわゆる脈波を検出する技術が知られている。例えば、脈波の一態様である心拍数を検出する技術の一例としては、心電計の電極を生体に装着することによって計測された心電波形のピーク、例えばP波やR波などを用いて心拍数を検出する心電図法が挙げられる。他の一例としては、指や耳たぶなどの末梢血管に赤外線を照射し、その反射光が血流および吸光特性によって周期的に変動する光学的な変化から心拍とほぼ等価な脈拍を検出する光電脈波法が挙げられる。
これら心電図法や光電脈波法を用いる場合には、電極を生体に装着したり、あるいは生体に感光面を密着させたりするので、計測器具が生体に接触しないと検出が困難である上、計測器具を装着した状態で日常を生活するのは煩わしいという問題がある。
このことから、生体に計測器具が接触しない状態で脈波を検出するために、被験者が撮影された画像を用いた脈波の検出技術が提案されている。例えば、カメラによって被験者の顔が撮影された画像の信号成分に対し、独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)を適用することによって信号対雑音比を改善する方法が挙げられる。
特表2013−506526号公報 特表2001−517991号公報
しかしながら、上記の技術は、以下に説明するように、脈波の検出精度におのずから限界がある。
すなわち、上記のICAを用いる技術には、周期的なノイズ、例えば体動アーティファクトに弱いという弱点がある。それ故、上記の周期的なノイズがカメラによって撮影される画像に含まれる場合には、ノイズ成分及び心拍成分を適切に分離することができず、検出精度が低下してしまう場合がある。
1つの側面では、本発明は、脈波の検出精度を向上させることができる脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラムを提供することを目的とする。
一態様の脈波検出装置は、カメラによって撮像された画像を取得する取得部と、前記画像に含まれる生体領域を抽出する抽出部と、前記生体領域に含まれる画素が持つ画素値の代表値を複数の波長成分別に算出する代表値算出部とを有する。さらに、前記脈波検出装置は、前記波長成分別に算出された代表値の信号が含む周波数成分のうち信号成分の帯域および雑音成分の帯域を設定する帯域設定部と、前記波長成分別に算出された代表値の信号の各々に重みを設定する重み設定部とを有する。さらに、前記脈波検出装置は、前記重みの更新を実行する重み更新部と、前記重みが前記波長成分別の信号に付与された上で互いが合成される場合のSN比を算出するSN比算出部とを有する。さらに、前記脈波検出装置は、前記SN比が最大となる重みを用いて前記波長成分別の信号に重み付けを行った上で互いを合成する合成部と、合成後の信号から脈波を検出する脈波検出部とを有する。
脈波の検出精度を向上させることができる。
図1は、実施例1に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、S帯域の中心を設定する方法の一例を示す図である。 図3は、S帯域の幅を設定する方法の一例を示す図である。 図4は、S帯域の幅を設定する方法の一例を示す図である。 図5は、S帯域およびN帯域の設定結果の一例を示す図である。 図6は、RGB信号の一例を示す図である。 図7は、RGB信号のパワースペクトルの一例を示す図である。 図8は、履歴の一例を示す図である。 図9は、S帯域の設定結果の一例を示す図である。 図10は、S帯域の設定結果の一例を示す図である。 図11は、SN比コンポーネントの一例を示す図である。 図12は、重みの初期値の一例を示す図である。 図13は、更新回数別のSN比の一例を示す図である。 図14は、重みw及び重みwの更新結果の一例を示す図である。 図15は、最適重みの一例を示す図である。 図16は、最適パワースペクトルの一例を示す図である。 図17は、最適パワースペクトルの波形の一例を示す図である。 図18は、履歴の追加方法の一例を示す図である。 図19は、実施例1に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャート1である。 図20は、実施例1に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャート2である。 図21は、実施例2に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。 図22は、複数のBPFの特性の一例を示す図である。 図23は、R信号の疑似パワースペクトルの一例を示す図である。 図24は、実施例2に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャートである。 図25は、実施例3に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。 図26は、実施例3に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャート1である。 図27は、実施例3に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャート2である。 図28は、実施例1〜実施例4に係る脈波検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。
以下に添付図面を参照して本願に係る脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラムについて説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
[脈波検出装置の構成]
まず、本実施例に係る脈波検出装置の機能的構成について説明する。図1は、実施例1に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。図1に示す脈波検出装置10は、カメラ11aによって生体の一部が撮像された画像を用いて生体の脈波を検出する脈波検出処理を実行するものである。ここで言う「脈波」とは、血液の体積の変動を指し、いわゆる心拍数や心拍波形などが含まれる。
一態様としては、脈波検出装置10は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして提供される脈波検出プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、スマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)などの移動体通信網に接続可能な移動体通信端末に上記の脈波検出プログラムをインストールさせる。また、移動体通信網に接続可能な移動体通信端末に限らず、移動体通信網に接続する能力を持たないデジタルカメラやタブレット端末に上記の脈波検出プログラムをインストールさせてもよい。これによって、移動体通信端末やタブレット端末等の携帯端末装置を脈波検出装置10として機能させることができる。なお、ここでは、脈波検出装置10の実装例として携帯端末装置を例示したが、パーソナルコンピュータを始めとする据置き型の端末装置に脈波検出プログラムをインストールさせることもできる。
図1に示すように、脈波検出装置10は、カメラ11aと、取得部11と、抽出部12と、代表値算出部13と、変換部14とを有する。さらに、脈波検出装置10は、履歴記憶部15aと、帯域設定部15と、重み設定部16と、SN比(Signal-Noise ratio)算出部17と、合成部18と、脈波検出部19とを有する。なお、脈波検出装置10は、図1に示した機能部以外にも既知の携帯端末が有する各種の機能部を有することとしてもかまわない。例えば、脈波検出装置10は、タッチパネルやディスプレイなどの入出力デバイス、アンテナ、移動体通信網との接続を実行する無線通信部、GPS(Global Positioning System)受信機や加速度センサなどの機能部をさらに有していてもかまわない。
カメラ11aは、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を搭載する撮像装置である。例えば、カメラ11aには、R(red)、G(green)、B(blue)などの複数の受光素子を搭載することができる。かかるカメラ11aの実装例としては、既存の携帯端末装置に実装されているインカメラやアウトカメラのように、製造時からカメラが搭載されている場合には、そのカメラを流用できる。また、他の実装例としては、デジタルカメラやWebカメラを外部端子を介して接続することとしてもよい。以下では、カメラ11aによって撮像された画像のことを「カメラ画像」と記載する場合がある。なお、ここでは、脈波検出装置10がカメラ11aを搭載する場合を例示したが、ネットワークまたは記憶デバイスを経由してカメラ画像を取得できる場合には、脈波検出装置10がカメラ11aを搭載せずともよい。
ここで、カメラ11aによる撮影方法の一例を説明する。一例として、携帯端末装置に搭載されたインカメラをカメラ11aとして用いる場合を想定する。このように、カメラ画像の撮影にインカメラを用いる場合には、携帯端末装置上でインカメラが設置された面と同じ側の面に設置された図示しないディスプレイにインカメラが撮像する画像を表示させることができる。これによって、携帯端末装置の使用者は、インカメラで自分の顔を撮影しながら、インカメラによって撮像された自分の顔の映り具合をディスプレイで確認できる。このため、携帯端末装置の使用者は、カメラ画像の中心と顔の中心とが重なるように、携帯端末装置を上下左右に動かしたり、カメラ画像に顔が適切な大きさで映るように、携帯端末装置を前後に動かしたりすることができる。これらの調整によって、生体の一例として、携帯端末装置の使用者の顔が適切な位置および適切な大きさで映ったカメラ画像をインカメラに撮像させることができる。
なお、ここでは、インカメラを用いてカメラ画像を撮影する場合を例示したが、撮影方法はこれに限定されず、他のカメラ、例えばアウトカメラなどをカメラ画像の撮影に用いることもできる。また、ここでは、使用者の顔が撮影される場合を例示したが、生体の部位は顔に限定されず、他の生体の部位、例えば指などの肌が露出した部分を撮影することとしてもかまわない。
取得部11は、カメラ画像を取得する処理部である。一態様としては、取得部11は、カメラ11aによって撮像されたカメラ画像を取得する。このとき、取得部11は、カメラ11aによってカメラ画像が撮像される度に、所定の圧縮符号化方式によってエンコードされた動画を取得することとしてもよいし、使用者の顔が映る静止画の各々を取得することとしてもよい。他の一態様としては、取得部11は、カメラ画像を蓄積するハードディスクや光ディスクなどの補助記憶装置またはメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのリムーバブルメディアからカメラ画像を取得することもできる。更なる一態様としては、取得部11は、外部装置からネットワークを介して受信することによってカメラ画像を取得することもできる。なお、取得部11は、CCDやCMOSなどの撮像素子による出力から得られる2次元のビットマップデータやベクタデータなどの画像データを用いて処理を実行する場合を例示したが、1つのディテクタから出力される信号をそのまま取得して後段の処理を実行させることとしてもよい。
抽出部12は、カメラ画像から脈波の検出対象とする生体の領域を抽出する処理部である。一態様としては、抽出部12は、取得部11によってカメラ画像が取得される度に、当該カメラ画像にテンプレートマッチング等の画像処理を実行することによって生体が映った領域、例えば使用者の目、鼻、唇、頬や髪などの顔パーツが映った顔領域を抽出する。
代表値算出部13は、生体領域に含まれる各画素が持つ画素値の代表値を算出する処理部である。一態様としては、代表値算出部13は、カメラ画像のうち抽出部12によって抽出された生体領域に含まれる各画素が持つ画素値に所定の統計処理を波長成分別に実行する。例えば、RGBの3種類の受光素子によってカメラ画像が撮像される場合には、代表値算出部13は、生体領域に含まれる各画素の輝度値をR成分、G成分およびB成分ごとに平均する。かかる平均処理の一例としては、相加平均を始め、加重平均や移動平均などの平均処理全般を適用することもできる。また、上記の統計処理は、平均処理に限定されず、中央値や最頻値を計算することとしてもかまわない。これによって、生体領域に含まれる各画素が持つ輝度の平均値が当該生体領域を代表する代表値として波長成分別に算出される。なお、以下では、生体領域の代表値の信号のうちR成分の信号のことを「R信号」と記載し、G成分の信号のことを「G信号」と記載し、B成分の信号のことを「B信号」と記載する場合がある。また、R信号、G信号およびB信号の3つの信号を併記する場合には、「RGB信号」と記載する場合がある。
変換部14は、生体領域の代表値の信号を時間領域から周波数領域へ変換する処理部である。一態様としては、変換部14は、代表値算出部13によってRGBの成分別に生体領域の代表値が所定の時間長、例えば30秒間や1分間などにわたって算出される度に、当該時間長のR信号、G信号及びB信号の各信号にフーリエ変換を実行する。かかるフーリエ変換によって、R信号、G信号及びB信号が周波数スペクトルへ変換される。以下では、周波数スペクトルの一態様として、パワースペクトルが求められる場合を例示して説明を行うこととする。このように、RGBの成分ごとに得られたパワースペクトルが重み設定部16へ出力される。なお、周波数スペクトルへの変換には、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)や離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)などの任意の変換方法を用いることができる。
履歴記憶部15aは、脈波の検出結果の履歴を記憶する記憶部である。例えば、履歴記憶部15aには、後述の脈波検出部19による脈波の検出結果である心拍数(bpm:beats per minute)と、当該脈波の検出に用いられたパワースペクトル、すなわちRGBの各成分ごとに後述の重み付けがなされた上で互いが合成されたパワースペクトルのSN比とが対応付けられたデータが登録される。ここで言う「SN比」とは、信号の帯域、すなわちS帯域のパワー平均と、雑音N帯域のパワー平均との比を指す。なお、以下では、重み付け前及び合成前のRGBのパワースペクトルと区別する観点から、重み付け及び合成によって最適化がなされたパワースペクトルのことを「最適パワースペクトル」と記載する場合がある。
一態様としては、履歴記憶部15aは、上記の履歴として、所定期間にわたる心拍数およびSN比の履歴を記憶できる。以下では、一例として、1分間にわたってRGB信号が採取される度に変換部14によってフーリエ変換が実行される場合を想定する。この場合、フーリエ変換が実行された最新の時刻のことを「0時刻前」、最新の時刻よりも1回前に実行された時刻のことを「1時刻前」、最新の時刻よりもN回前に実行された時刻のことを「N時刻前」と記載する場合がある。例えば、履歴記憶部15aには、1時刻前からN時刻前までの心拍数及びSN比の履歴を記憶する。なお、N+1時刻以前の履歴は、そのまま履歴記憶部15aに記憶させたままでもよいし、履歴記憶部15aから順次削除させることとしてもかまわない。
帯域設定部15は、各波長成分別に得られた周波数スペクトルの信号の帯域および雑音の帯域を設定する処理部である。ここで、以下では、信号の帯域のことを「S(Signal)帯域」と記載するとともに、雑音の帯域のことを「N(Noise)帯域」と記載する場合がある。一態様としては、帯域設定部15は、変換部14によってRGB信号がパワースペクトルに変換された場合に、RGBの各パワースペクトルごとにS帯域の中心を決めてからS帯域の幅を求め、その後にS帯域及びN帯域の境界値を設定する。
これを具体的に説明すると、帯域設定部15は、履歴記憶部15aに記憶された履歴を参照して、変換部14によってRGB信号がパワースペクトルに変換される以前、例えば1時刻前の心拍数をS帯域の中心に決定する。図2は、S帯域の中心を設定する方法の一例を示す図である。図2に示すように、RGB成分のパワースペクトルごとにS帯域およびN帯域を設定する場合には、直前に推定された心拍数がS帯域の中心として設定される。このように、直前に推定された心拍数をS帯域の設定に用いるのは、心拍が短時間の間に大きく変化する事態は起こりにくく、これから推定しようとする心拍数も直前に推定された心拍数と近い値になる公算が高いからである。このように直前に推定された心拍数を中心にして、RGB成分のパワースペクトルごとにS帯域の幅が設定される。なお、初期時刻には、事前の脈波の検出結果が存在しないので、図2に示した心拍可帯域、例えば人の心拍が採り得る30bpm〜240bpmの帯域をS帯域として代用する。
このようにS帯域の中心が設定された後に、帯域設定部15は、S帯域の幅を設定する。このとき、帯域設定部15は、履歴記憶部15aに記憶された履歴を参照して、1時刻前の最適パワースペクトルのSN比を用いる。一例として、帯域設定部15は、S帯域の幅を算出する算出式として、下記の式(1)を用いることができる。なお、下記の式(1)では、推定確信度の一例として、最適パワースペクトルのSN比を用いることができる。
S帯域幅=50−40*(推定確信度−0.8)・・・式(1)
上記の式(1)によれば、推定確信度として代入されるSN比の値が高いほどS帯域の幅を広く設定でき、また、SN比の値が低いほどS帯域の幅を狭く設定できる。かかる式(1)を用いる場合には、推定確信度、すなわち最適パワースペクトルのSN比の値との間で帯域の幅が線形の関係を持つS帯域を設定できるが、両者の関係は必ずしも線形でなく、上記の定性的な関係が維持できるのであれば非線形であってもかまわない。
図3及び図4は、S帯域の幅を設定する方法の一例を示す図である。図3及び図4には、1時刻前の最適パワースペクトルが点線で図示されている。図3及び図4に示すグラフの横軸は、周波数(bpm)を指し、縦軸は、パワーを指す。図3に示すように、直前に推定された心拍数の推定確信度が高い場合には、S帯域の幅が縮小される。これは、S帯域を狭く設定しても実際の心拍数がS帯域に含まれる可能性が高いので、S帯域から環境光の変化や体動などのノイズ成分をできるだけ除去するためである。一方、直前に推定された心拍数の推定確信度が低い場合には、S帯域の幅が拡大される。これは、S帯域を狭く設定すると実際の心拍数がS帯域に含まれなくなってしまう可能性があるからである。
このようにS帯域の中心及びS帯域の幅が設定された後に、帯域設定部15は、S帯域の中心及びS帯域の幅から、S帯域およびN帯域の境界値を算出する。図5は、S帯域およびN帯域の設定結果の一例を示す図である。図5に示すグラフの横軸は、周波数(bpm)を指し、縦軸は、パワーを指す。図5に示すように、帯域設定部15は、直前に推定された心拍数に対応する周波数から、式(1)によって算出されたS帯域の幅を減算することによってS帯域の最小周波数を算出する。一方、帯域設定部15は、直前に推定された心拍数に対応する周波数に、式(1)によって算出されたS帯域の幅を加算することによってS帯域の最大周波数を算出する。これによって、帯域設定部15は、S帯域の境界値を算出できる。その上で、帯域設定部15は、最小周波数及び最大周波数を境界値とするS帯域以外の帯域をN帯域に設定する。これによって、帯域設定部15は、図5に示すように、実際の心拍数が含まれる公算が高い帯域をS帯域に設定するとともに、それ以外の帯域をN帯域に設定できる。
重み設定部16は、波長成分別に得られた周波数スペクトルを合成する場合に各周波数スペクトルに付与する重みを設定する処理部である。
ここで、RGB信号の各パワースペクトルが周波数「f」によって表される関数と定義する。さらに、R信号のパワースペクトルP(f)に付与される重みをw、G信号のパワースペクトルP(f)に付与される重みをw、B信号のパワースペクトルP(f)に付与される重みをwとする。この場合には、RGB信号の各スペクトルが合成される合成スペクトルの候補I(f;w)は、下記の式(2)によって表すことができる。なお、上記のw、w及びwは、解が不定にならないように、各重みの総和、すなわち「w+w+w」が「1」に設定される。
Figure 0006167849
また、SN比は、上記の重みwが「1−w−w」で表すことができることから、上記の重みw及び重みwの非線形関数として下記の式(3)で表すことができる。さらに、下記の式(3)におけるA〜Fは、下記の式(3.5)で表すことができる。以下では、下記の式(3)及び式(3.5)におけるA〜Fのことを「SN比コンポーネント」と記載する場合がある。なお、下記の式(3)及び式(3.5)における「S」は、S帯域の周波数範囲を指し、また、「N」は、N帯域の周波数範囲を指す。また、「N」は、S帯域の周波数範囲の幅を指し、また、「N」は、N帯域の周波数範囲の幅を指す。
Figure 0006167849
Figure 0006167849
これらSN比コンポーネントA〜Fは、S帯域及びN帯域が設定された段階で全てのパラメータが既知となるので、上記の式(3.5)にしたがって算出しておくことができる。
このような前提の下、重み設定部16は、SN比を最大化できる重みw及び重みwを求めるために、RGB信号の各スペクトルに初期値の重みを付与し、RGB信号の各スペクトルに付与する重みを更新する。このようにSN比を最大化できる重みw及び重みwを解く問題は、制約なし非線形最適化問題とみなすことができる。それ故、ニュートン法や勾配法などの解法を援用することによって、重みw及び重みwを算出できる。
例えば、上記の重みw及び重みwの算出にニュートン法を援用する場合を例示する。かかるニュートン法とは、関数f(w)が0となるwを求める解法である。このため、重みw及び重みwによって表されるg(w)を最大化する問題に援用する場合には、g(w)の微分g’(w)が0となるwを求める問題に置き換えればよい。つまり、f(w)として微分g’(w)を用いてニュートン法を実行すればよい。
このことから、ニュートン法における重みの更新式は、下記の式(4)によって表すことができる。これとともに、下記の式(4)における重み「w(k)」、一階微分「Δg(w(k))」及び二階微分「Δg(w(k))」は、下記の式(4.5)によって表すことができる。なお、式(4)及び式(4.5)における上付き文字「k」は、重みw及び重みwの更新回数を指し、初期値である場合には「1」が付与される。また、式(4)における「α」は、学習係数であり、例えば、1以下の任意の値を設定できる。
Figure 0006167849
Figure 0006167849
このように、重み設定部16は、上記の式(4)にしたがって、重みw及び重みwを繰り返して更新することによって、更新回数が多くなるほどSN比が最大値に近づくように、重みw及び重みwを更新できる。その後、重み設定部16は、f(w)が十分に0に近づくまで、例えば|f(w)|<εを満たすまで、重みw及び重みwを繰り返して更新する。なお、上記の「ε」は、一階微分Δg(w(k))が0になるまで更新を繰り返したのでは演算量が多くなるので、演算量を抑えるために設けられる閾値であるが、0に近い値を設定するほどSN比も最大値に近づけることができる。
このとき、重み設定部16は、重みw及び重みwの初期値の組合せとして、1つの初期値の組合せに限定されず、複数の初期値の組合せを初期設定しておくことができる。この場合には、重みの初期値の組合せごとに上記の式(4)を用いて重みの更新が実行されることになる。
SN比算出部17は、重み設定部16によって設定される重みの組合せごとに当該重みの組合せで各周波数スペクトルが合成される場合のSN比を算出する処理部である。一態様としては、SN比算出部17は、重み設定部16によってSN比コンポ−ネットA〜Fが算出された時点で、重みw及び重みwの初期値の組合せを上記の式(3)に代入することによって初期値の組合せのパワースペクトルのSN比を算出できる。その後、重み設定部16によって重みw及び重みwが上記の式(4)にしたがって更新される度に、重みw及び重みwの更新値の組合せを上記の式(3)に代入することによって合成スペクトルのSN比を更新回数ごとに算出できる。
合成部18は、RGB信号の各周波数スペクトルを合成する処理部である。一態様としては、合成部18は、重み設定部16によって設定される重みの組合せのうちSN比算出部17によって算出されたSN比が最大となる重みの組合せを抽出する。その上で、合成部18は、先に抽出されたSN比が所定の閾値以上であるか否かを判定する。このとき、SN比が閾値未満である場合には、上記の式(4)によって導出された重みが信用できる値ではないと判断できる。この場合には、RGB信号の各パワースペクトルは合成されない。一方、SN比が閾値以上である場合には、上記の式(4)によって導出された重みが信用できると判断できる。この場合には、合成部18は、SN比が最大となる重みの組合せをRGB信号の各パワースペクトルに付与する。その上で、合成部18は、SN比が最大となる重みの組合せで重み付けを実行した上で重み付け後の各パワースペクトルを合成する。これによって、上記の最適パワースペクトルを得ることができる。
脈波検出部19は、合成部18によって合成された周波数スペクトルから脈波を検出する処理部である。一態様としては、脈波検出部19は、合成部18によって合成された最適パワースペクトルのうち、上記の心拍可帯域、すなわち下限値30bpm〜上限値240bpmの区間に対応する周波数の区間で最大のパワー値を持つ周波数を被験者の心拍数として検出する。他の一態様としては、脈波検出部19は、合成部18によって合成された最適パワースペクトルに逆フーリエ変換を実行することによって周波数領域から時間領域へ逆変換する。これによって、被験者の心拍波形を得ることもできる。なお、検出結果として得られた心拍数や最適パワースペクトルのSN比は、互いが対応付けられた上で履歴記憶部15aに登録される。
このようにして得られた心拍数や心拍波形は、脈波検出装置10が有する図示しない表示デバイスを始め、任意の出力先へ出力することができる。例えば、心拍数から心疾患の有無などを診断したりする診断プログラムが脈波検出装置10にインストールされている場合には、診断プログラムを出力先とすることができる。例えば、診断プログラムでは、高血圧の人物が頻脈、例えば100bpm以上である場合に狭心症や心筋梗塞の疑いがあると診断したり、心拍数や心拍波形を用いて不整脈や精神疾患、例えば緊張やストレスを診断したりすることができる。また、診断プログラムをWebサービスとして提供するサーバ装置などを出力先とすることもできる。さらに、脈波検出装置10を利用する利用者の関係者、例えば介護士、看護師や医者などが使用する端末装置を出力先とすることもできる。これによって、院外、例えば在宅や在席のモニタリングサービスも可能になる。なお、診断プログラムの測定結果や診断結果も、脈波検出装置10を始め、関係者の端末装置に表示させることができるのも言うまでもない。
なお、上記の取得部11、抽出部12、代表値算出部13、変換部14、帯域設定部15、重み設定部16、SN比算出部17、合成部18及び脈波検出部19は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などに心拍測定プログラムを実行させることによって実現できる。また、上記の各機能部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
また、上記の履歴記憶部15aには、一例として、半導体メモリ素子を採用できる。例えば、半導体メモリ素子の一例としては、VRAM(Video Random Access Memory)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ(flash memory)などが挙げられる。また、内部メモリの代わりに、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置を採用することとしてもよい。
[数値計算例]
ここでは、図6〜図16を用いて、脈波の検出に関する数値計算の一例について説明する。図6は、RGB信号の一例を示す図である。図7は、RGB信号のパワースペクトルの一例を示す図である。図6には、サンプリング周波数が20fps(frame per second)であるカメラ11aが撮像するカメラ画像からRGBの成分別に生体領域の代表値が1分間にわたって算出されたRGB信号が図示されている。このように、カメラ11aのサンプリング周波数が20fpsであるとしたとき、RGBの成分別に生体領域の代表値が1分間(=60秒)にわたって採取されると、図6に示すように、20fps×60sec=1200のRGBの信号値を得ることができる。かかるRGB成分信号にフーリエ変換を実行すると、図7に示すように、RGBの成分別にパワースペクトルを得ることができる。なお、図7には、パワー値を1bpm単位で求める場合を例示したが、さらにパワー値を求める周波数の粒度を細かくしたり、荒くしたりすることもできる。
そして、RGB信号のパワースペクトルが得られた場合には、1時刻前に推定された心拍数及び1時刻前の最適パワースペクトルのSN比がS帯域の設定に用いられる。図8は、履歴の一例を示す図である。図8に示すように、履歴記憶部15aに記憶された履歴のうち最新の履歴、すなわち1時刻前に推定された心拍数「70bpm」がS帯域の中心に設定される。その上で、1時刻前の最適パワースペクトルのSN比「1.60」を上記の式(1)に代入することによってS帯域の幅が設定される。例えば、本例では、50−40*(1.6−0.8)を計算することによってS帯域の幅が「18」と算出される。
このように、S帯域の中心および幅が決定すると、S帯域の境界値となる最小周波数および最大周波数が確定する。図9は、S帯域の設定結果の一例を示す図である。図9に示すように、S帯域の中心「70bpm」からS帯域の幅「18」を減算することによってS帯域の最小周波数が「52bpm」と算出される。これとともに、S帯域の中心「70bpm」にS帯域の幅「18」を加算することによってS帯域の最大周波数が「88bpm」と算出される。この場合、N帯域は、「52bpm」未満かつ「88bpm」超過と設定されることになる。
なお、初期時刻には、図10に示す心拍可帯域がS帯域として設定される。図10は、S帯域の設定結果の一例を示す図である。すなわち、初期時刻には、事前の推定結果が存在しない。このため、図10に示すように、心拍可帯域の下限値である30bpmがS帯域の最小周波数に設定されるとともに、心拍可帯域の上限値である240bpmがS帯域の最大周波数に設定される。この場合、N帯域は、「30bpm」未満かつ「240bpm」超過と設定されることになる。
このように、S帯域およびN帯域が設定された段階で、上記のSN比コンポ−ネットA〜Fの算出が可能となる。例えば、図7に示したR信号のパワースペクトル、G信号のパワースペクトル及びB信号のパワースペクトルと、図9または図10に示したS帯域およびN帯域の設定結果とを上記の式(3.5)に代入する。これによって、図11に示すように、SN比コンポーネントA〜Fが算出される。図11は、SN比コンポーネントの一例を示す図である。本例では、図11に示すように、SN比コンポ−ネットA「6012」、SN比コンポーネントB「3075」、SN比コンポーネントC「1098」、SN比コンポーネントD「477」、SN比コンポーネントE「374」、SN比コンポーネントF「201」が算出される。
かかるSN比コンポーネントA〜Fが算出された後、RGB信号の各パワースペクトルに付与する重みw及び重みwの初期値が上記の式(4)の更新式にしたがって更新される。このとき、複数の重みw及び重みwの初期値を用意することができる。図12は、重みの初期値の一例を示す図である。図12には、M個の重みw及び重みwの初期値が図示されている。図12に示す上付きの括弧内の数字は、更新回数を指し、例えば、初期値を「1」とし、更新の度に値がインクリメントされる。
これら重みw及び重みwは、図12に示すM個の重みの初期値ごとに更新が実行される。このとき、上記の式(4)に示す一階微分Δg(w(k))の絶対値が閾値ε、例えば「0.0001」を下回るまで、上記の式(4)の更新式にしたがって更新が繰り返し実行される。図13は、更新回数別のSN比の一例を示す図である。図13には、図12に示した重みの初期値のうち重み組合せ番号「1」の初期値を用いて重みが更新された場合の更新回数別のSN比が図示されている。図13に示すように、一階微分Δg(w(k))が閾値ε「0.0001」未満となるまで、すなわち一階微分Δg(w(k))の値が「0.00003」となる更新回数(k=15)まで、上記の式(4)にしたがって重みの更新が実行される。このように、重み組合せ番号「1」の初期値がニュートン法に基づいて更新が繰り返された場合には、SN比が1.52まで向上された重みw及び重みwを得ることができる。
このように、M個の重みの初期値ごとに実行された重みw及び重みwの更新結果を図14に示す。図14は、重みw及び重みwの更新結果の一例を示す図である。図14には、重み組合せ番号「1」〜「M」別に更新後の重みおよびSN比が図示されている。このようにしてM個の重みの初期値ごとに更新された重みの組合せのうちSN比g(w)が最大となる重みの組合せが最適な重みとして抽出される。以下では、重みの更新結果のうち最大のSN比を持つ重みとして抽出される重みのことを「最適重み」と記載する場合がある。このとき、SN比g(w)が最大となる重みの組合せを直ちに抽出するのではなく、重み組合せ番号「1」〜「M」のSN比g(w)のうち最大値を持つSN比g(w)が所定の閾値、例えば1以上である場合に絞って抽出する。これによって、ニュートン法によって導出された重みの組合せが信用できる値であるか否かをフィルタリングできる。
図15は、最適重みの一例を示す図である。図15には、図14に示した重みw及び重みwの更新結果から抽出された最適重みが図示されている。本例では、図15に示すように、全ての重み組合せ番号の間で最大値「1.52」をとる重み組合せ番号「1」、「2」または「3」の重みが最適重みとして抽出される。すなわち、R信号のパワースペクトルの最適重みwとして0.32が抽出され、G信号のパワースペクトルの最適重みwとして0.25が抽出されるとともに、B信号のパワースペクトルの最適重みwとして0.43が抽出される。なお、本例では、重み組合せ番号「1」、「2」及び「3」の間でSN比が同値をとる場合に、重み組合せ番号が最小である重み組合せ番号「1」の重みを抽出する場合を例示したが、一階微分値が最小である重み組合せ番号の重みを抽出したり、更新回数が最小である重み組合せ番号の重みを抽出したりすることもできる。
このようにして最適重みが抽出された後に、最適重みを上記の式(2)に代入することによってRGB信号の各パワースペクトルに重み付けが実行される。その上で、重み付け後のRGB信号の各パワースペクトルが合成される。これによって、図16に示す最適パワースペクトルを得ることができる。
図16は、最適パワースペクトルの一例を示す図であり、図17は、最適パワースペクトルの波形の一例を示す図である。図17に示すグラフの縦軸は、パワーを指し、横軸は、周波数(bpm)を指す。図17には、図16に示した最適パワースペクトルがグラフ上にマッピングされた折れ線波形が図示されている。図16に示す最適パワースペクトルが得られた場合には、図17に示すように、心拍可帯域、すなわち30bpm以上240bpm以下内でピークとなる周波数「76bpm」が心拍数として推定される。
このように心拍数が推定されると、心拍数および最適パワースペクトルのSN比が履歴記憶部15aに追加登録される。図18は、履歴の追加方法の一例を示す図である。図18には、図8に示した履歴に最新の履歴を追加する場合を例示している。図18に示すように、「2013年4月26日10時13分」の履歴の後に、今回推定された心拍数「76」及びSN比「1.52」が最新の履歴「2013年4月26日10時14分」の履歴として追加登録される。この結果、「2013年4月26日10時13分」の履歴が2時刻前の履歴に遷移し、「2013年4月26日10時14分」の履歴が1時刻前の履歴と遷移することになる。これによって、「2013年4月26日10時15分」に採取されたRGB信号のスペクトルのS帯域およびN帯域を設定する場合に、「2013年4月26日10時14分」の履歴を1時刻前の履歴として有効活用できる。
[処理の流れ]
図19及び図20は、実施例1に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャートである。この脈波検出処理は、脈波検出装置10のプロセッサによって脈波検出プログラムが実行されている場合に繰り返し実行される処理である。さらに、脈波検出プログラムは、一例として、ユーザインタフェースを介して起動指示を受け付けた場合に起動することとしてもよいし、脈波検出プログラムに設定された条件を満たす場合にバックグラウンドで自動的に起動することとしてもかまわない。
図19に示すように、取得部11によってカメラ画像が取得されると(ステップS101)、抽出部12は、ステップS101で取得されたカメラ画像から生体領域を抽出する(ステップS102)。
続いて、代表値算出部13は、ステップS102で抽出された生体領域に含まれる各画素が持つ画素値の代表値を波長成分、例えばRGB成分別に算出する(ステップS103)。そして、変換部14は、ステップS103でRGB成分別に算出された代表値が所定の時間、例えば1分間にわたって蓄積されたか否かを判定する(ステップS104)。
このとき、RGB成分別の代表値が所定の時間にわたって蓄積された場合(ステップS104Yes)には、変換部14は、当該時間長のR信号、G信号及びB信号の各信号にフーリエ変換を実行する(ステップS105)。なお、RGB成分別の代表値が所定の時間にわたって未だ蓄積されていない場合(ステップS104No)には、上記のステップS101の処理に移行する。
このように、フーリエ変換が実行された結果、R信号、G信号及びB信号の各信号が時間領域から周波数領域に変換される。これによって、R信号のパワースペクトル、G信号のパワースペクトル及びB信号のパワースペクトルが得られる。
ステップS105の処理が実行された後に、帯域設定部15は、履歴記憶部15aに記憶された履歴のうち1時刻前の心拍数および1時刻前の最適パワースペクトルのSN比を読み出す(ステップS106)。
続いて、帯域設定部15は、ステップS106で取得された1時刻前の心拍数をS帯域の中心に設定するとともに、1時刻前の最適パワースペクトルのSN比を上記の式(1)に代入することによって得られた算出値をS帯域の幅に設定する(ステップS107)。
その上で、帯域設定部15は、ステップS107で決定されたS帯域の中心およびS帯域の幅からS帯域の最小周波数及び最大周波数を算出することによってS帯域の周波数範囲を設定する(ステップS108)。続いて、帯域設定部15は、ステップS108で設定されたS帯域の周波数範囲を除く周波数帯をN帯域の周波数範囲として設定する(ステップS109)。
その後、重み設定部16は、ステップS105で得られたRGB信号の各パワースペクトルと、ステップS108及びS109で設定されたS帯域およびN帯域の周波数範囲とを上記の式(3.5)に代入することによってSN比コンポーネントA〜Fを算出する(ステップS110)。
続いて、重み設定部16は、重みの初期値の個数iをカウントするレジスタの値を所定の値、例えば「0」に初期化する(ステップS111)。その後、重み設定部16は、図20に示すように、上記のレジスタによって保持された値を1つインクリメントする(ステップS112)。そして、重み設定部16は、脈波検出装置10が有する図示しない内部メモリに保存されたM個の重みの初期値のうち上記のレジスタによって値が保持されたi番目の重みの初期値を読み出す(ステップS113)。
その後、SN比算出部17は、ステップS110で算出されたSN比コンポーネントA〜F及びステップS113で読み出された重みw(k)を上記の式(3)に代入することによってSN比を算出する(ステップS114)。
そして、SN比算出部17は、ステップS114で算出されたSN比g(w(k))の一階微分Δg(w(k))が所定の閾値ε、例えば「0.0001」未満であるか否かを判定する(ステップS115)。
ここで、一階微分Δg(w(k))が閾値ε以上である場合(ステップS115No)には、重み設定部16は、ステップS113で読み出された重みの初期値を上記の式(4)の更新式にしたがって更新する(ステップS116)。これによって、重みw(k)がw(k+1)へ更新される。続いて、ステップS116で更新された重みw(k+1)を用いて、上記のステップS114の処理、すなわちSN比の算出がSN比算出部17によって実行される。
その後、ステップS114で算出されるSN比g(w(k))の一階微分Δg(w(k))が閾値ε未満になるまで(ステップS115No)、ステップS116及びステップS114の処理、すなわち重みw(k)の更新および更新後の重みw(k+1)を用いたSN比の算出が繰り返し実行される。
そして、ステップS114で算出されるSN比g(w(k))の一階微分Δg(w(k))が閾値ε未満になると(ステップS115Yes)、重み設定部16は、上記のレジスタによって保持された値iがMであるか否かを判定する(ステップS117)。
このとき、上記のレジスタによって保持された値iがMでない場合、すなわちM未満である場合(ステップS117No)には、上記のステップS112〜ステップS116までの処理が繰り返し実行されることになる。
その後、上記のレジスタによって保持された値iがMになると(ステップS117Yes)、合成部18は、次のような処理を実行する。すなわち、合成部18は、一階微分Δg(w(k))が閾値ε未満である重みのうち最大のSN比を持つ重みを最適重みとして抽出する(ステップS118)。
その上で、合成部18は、ステップS118で抽出された最適重みのSN比が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS119)。このとき、SN比が閾値未満である場合(ステップS119No)には、上記の式(4)によって導出された重みが信用できる値ではないと判断できる。この場合には、RGB信号の各パワースペクトルは合成されず、そのまま処理を終了する。
一方、SN比が閾値以上である場合(ステップS119Yes)には、上記の式(4)によって導出された重みが信用できると判断できる。この場合には、合成部18は、SN比が最大となる重みの組合せをRGB信号の各パワースペクトルに付与する。その上で、合成部18は、SN比が最大となる重みの組合せで重み付けを実行した上で重み付け後の各パワースペクトルを合成する(ステップS120)。これによって、上記の最適パワースペクトルを得ることができる。
その後、脈波検出部19は、ステップS120の合成で得られた最適パワースペクトルから脈波、例えば心拍数や心拍波形を検出する(ステップS121)。そして、脈波検出部19は、ステップS121で検出された心拍数及びステップS120の合成で得られた最適パワースペクトルのSN比を対応付けて履歴記憶部15aに登録し(ステップS122)、処理を終了する。
[実施例1の効果]
上述してきたように、本実施例に係る脈波検出装置10は、画像の生体領域から得たRGB成分別の信号の周波数成分にS帯域とN帯域を設定し、SN比が最大となる重みを用いてRGBの各信号を互いを合成した上で脈波を検出する。このため、本実施例に係る脈波検出装置10では、周期的なノイズ、例えば体動アーティファクトを十分に除去するとともに心拍に起因する輝度変化を残して脈波を検出できる。したがって、本実施例に係る脈波検出装置10によれば、脈波の検出精度を向上させることができる。
例えば、本実施例に係る脈波検出装置10は、RGBの各信号を最適重みで合成するので、1つの波長成分だけに依存せずに脈波の検出を実行できる。このため、本実施例に係る脈波検出装置10では、利用者の俯き加減、カメラの撮影位置、環境光の照射方向や光量などが変化する場合でも、脈波の検出精度を維持できる。本実施例に係る脈波検出装置10によれば、環境光の変化にロバストな脈波の検出を実現できる。
さらに、本実施例に係る脈波検出装置10では、生体領域から得たRGBの各信号を周波数スペクトラムへ変換し、周波数スペクトラムの演算によって脈波を検出するので、脈波の検出精度を向上させることができる。
さて、上記の実施例1では、RGB信号を周波数領域へ変換してから脈波を検出する場合を例示したが、必ずしもRGB信号を周波数領域へ変換せずとも、脈波の検出を実現することができる。そこで、本実施例では、RGB信号にフーリエ変換を実行する代わりに、互いの通過帯域が異なる複数のBPF(Band-Pass Filter)を用いてRGB信号から疑似パワースペクトルを作成する例について説明する。
[脈波検出装置20の構成]
図21は、実施例2に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。図21に示す脈波検出装置20は、図1に示した脈波検出装置10に比べて、変換部14の代わりに、複数のBPF21−1〜BPF21−kと、統計値算出部22と、作成部23とを有する点が異なる。なお、図21には、図1に示した脈波検出装置10と異なる機能を発揮する機能部だけが抜粋して図示されており、図示が省略された機能部については図1に示した脈波検出装置10と同様の機能を発揮するので、その説明は省略する。
BPF21−1〜BPF21−kは、いずれも所定の周波数帯の信号成分だけを通過させてそれ以外の周波数帯の信号成分を除去するバンドパスフィルタである。これらBPF21−1〜BPF21−kは、ハードウェアによって実装されることとしてもよいし、ソフトウェアによって実装されることとしてもよい。なお、以下では、BPF21−1〜BPF21−kを区別せずに総称する場合には「BPF21」と記載する場合がある。
これらBPF21−1〜BPF21−kには、互いに異なる通過帯域が設定される。図22は、複数のBPFの特性の一例を示す図である。図22に示すように、各BPF21の通過帯域BWは、周波数が小さいものから順に並べると、BW1、BW2、BW3、・・・、BWkの順となる。これらBPF21−1〜BPF21−kには、代表値算出部13によって波長成分別に生体領域の代表値が所定の時間長、例えば1分間などにわたって算出される度に、当該時間長にわたる代表値の時系列データ、すなわちRGB信号が入力される。このように、BPF21−1〜BPF21−kの間で代表値算出部13から入力される信号は同一である。このうち、BPF21−1は、RGBの各信号が入力されると、RGBの各信号が含む信号成分のうち通過帯域BW1以外の成分を遮断する一方で、通過帯域BW1の成分を図示の周波数特性で通過させる。さらに、BPF21−2〜BPF21−kについても、RGBの各信号が含む信号成分のうち通過帯域BW2〜通過帯域BWkのいずれかの成分に絞って遮断および通過がなされる。なお、ここでは、各BPF21の通過帯域BWが互いに重複しない場合を例示したが、一部であれば通過帯域が重複することとしてもかまわない。
統計値算出部22は、BPF21ごとに当該BPFによって通過帯域BWの成分が抽出されたRGBの信号別に当該信号の統計値を算出する処理部である。例えば、統計値算出部22は、BPF21−1によって通過帯域BW1の成分が抽出されたRGBの各信号、すなわち上記時間長にわたる振幅(パワー値)の時系列データに所定の統計処理をRGB成分別に実行する。このとき、統計値算出部22は、上記の統計処理によって統計値を求める場合に、統計値を絶対値で求める。以下では、絶対値で求められた統計値のことを「絶対統計値」と記載する場合がある。かかる統計処理の一例として、統計値算出部22は、相加平均を始め、加重平均や移動平均などの平均処理全般を実行することもできるし、平均処理に限定されず、中央値や最頻値を計算することもできる。さらに、統計値算出部22は、BPF21−2〜BPF21−kについても、通過帯域BW1〜通過帯域BWkの成分がそれぞれ抽出されたRGB信号に所定の統計処理をRGB成分別に実行する。
作成部23は、統計値算出部22によってBPF21ごとに算出されたRGBの各信号別の絶対統計値からRGBの各信号の疑似パワースペクトルを作成する処理部である。一態様としては、作成部23は、統計値算出部22によってBPF21ごとに算出されたRGBの各信号別の絶対統計値Pと、各BPF21の通過帯域BWとを対応付けた上で絶対統計値と通過帯域の対応付けをRGBの各信号別に統合する。
ここでは、図23を用いて、R信号の疑似パワースペクトルを作成する場合について例示するが、G信号やB信号の疑似パワースペクトルを作成する場合の処理内容についても同様の処理が実行される。図23は、R信号の疑似パワースペクトルの一例を示す図である。図23に示すグラフの縦軸は、パワーを指し、グラフの横軸は、周波数を指す。図23に示すように、作成部23は、BPF21−1によって出力されたR信号の絶対統計値P1と、BPF21−1の通過帯域BW1の中心周波数f1とを対応付ける。さらに、作成部23は、BPF21−2〜BPF21−kによって出力されたR信号の絶対統計値P2〜Pkについても、BPF21−2〜BPF21−kの通過帯域BW2〜BWkの中心周波数f2〜fkと対応付ける。その上で、作成部23は、R信号の絶対統計値Pと中心周波数fとが対応付けられたデータを統合する。これによって、図23に示す疑似パワースペクトルを作成することができる。
作成部23よりも後段の機能部は、RGBの各信号のパワースペクトルの代わりにRGBの各信号の疑似パワースペクトルを用いることによって上記の実施例1と同様の処理を実行することができる。
[処理の流れ]
図24は、実施例2に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャートである。図24には、図19及び図20に示した脈波検出処理のうちステップS104の処理以外は同様であるので、上記のステップS104の代わりに実行される処理が抜粋して図示されている。
図24に示すように、図19に示したステップS104Yesに遷移すると、統計値算出部22は、BPF21の個数jをカウントするレジスタの値を所定の値、例えば「0」に初期化する(ステップS201)。その後、統計値算出部22は、上記のレジスタによって保持された値jを1つインクリメントする(ステップS202)。
続いて、統計値算出部22は、j番目のBPF21−jの特性、例えば通過帯域BWjの特性などを図示しない内部メモリから取得する(ステップS203)。その後、j番目のBPF21−jは、RGBの各信号から通過帯域BWjの成分を抽出するとともに通過帯域BWj以外の成分を遮断するフィルタリングをRGBの各信号別に実行する(ステップS204)。
そして、統計値算出部22は、上記のステップS203でフィルタリングされたRGBの各信号別に当該信号の絶対パワー値を平均する(ステップS205)。その後、上記のレジスタが保持する値jがKになるまで、すなわちj=Kになるまで(ステップS206No)、上記のステップS202〜ステップS205までの処理が繰り返し実行される。
その後、上記のレジスタが保持する値jがKである場合、すなわちj=Kである場合(ステップS206Yes)、作成部23は、次に説明するステップS207の処理を実行する。すなわち、作成部23は、BPF21ごとに算出されたRGBの各信号別の絶対パワー値Pと、各BPF21の通過帯域BWとを対応付けた上で絶対パワー値と通過帯域の対応付けをRGBの各信号別に統合することによってRGBの各信号の疑似パワースペクトルを作成する。
このように、ステップS207の処理が実行された後は、図19及び図20に示したステップS106以降の処理と同様の処理が実行される。
[実施例2の効果]
上述してきたように、本実施例に係る脈波検出装置20によれば、上記の実施例1と同様に、脈波の検出精度を向上させることができる。さらに、本実施例に係る脈波検出装置20では、複数のBPF21を用いて疑似パワースペクトルを作成するので、フーリエ変換を実行する場合よりも、演算量を低減できるとともに脈波の検出に用いるデータの時間長を短縮できる。
さて、上記の実施例2では、擬似的に脈波を周波数領域で検出する場合について説明したが、脈波を時間領域で検出することもできる。そこで、本実施例では、S帯域に対応する通過帯域が設定されたBPF31SおよびN帯域に対応する通過帯域が設定されたBPF31Nを用いて脈波を時間領域で検出する例について説明する。
[脈波検出装置30の構成]
図25は、実施例3に係る脈波検出装置の機能的構成を示すブロック図である。図25に示す脈波検出装置30は、図1に示した脈波検出装置10に比べて、変換部14の代わりに、BPF31S及び31Nと、統計値算出部32とを有する点が異なる。さらに、脈波検出装置30は、図1に示した重み設定部16、合成部18及び脈波検出部19に比べて、処理内容の一部が異なる重み設定部33、合成部34及び脈波検出部35を有する点が異なる。なお、図25には、図1に示した脈波検出装置10と同様の機能を発揮する機能部には同一の符号を付し、その説明を省略することとする。
BPF31S及びBPF31Nは、いずれも所定の周波数帯の信号成分だけを通過させてそれ以外の周波数帯の信号成分を除去するバンドパスフィルタである。これらBPF31S及びBPF31Nは、ハードウェアによって実装されることとしてもよいし、ソフトウェアによって実装されることとしてもよい。なお、以下では、BPF31S及びBPF31Nを区別せずに総称する場合には「BPF31」と記載する場合がある。
これらBPF31S及びBPF31Nには、互いに異なる通過帯域が設定される。BPF31S及びBPF31Nには、代表値算出部13によって波長成分別に生体領域の代表値が所定の時間長、例えば1分間などにわたって算出される度に、当該時間長にわたる代表値の時系列データ、すなわちRGBの各信号が入力される。このように、BPF31S及びBPF31Nの間で代表値算出部13から入力される信号は同一である。
このうち、BPF31Sには、帯域設定部15によって設定されたS帯域の周波数範囲が通過帯域として設定される。よって、BPF31Sは、RGBの各信号が入力されると、RGBの各信号が含む信号成分のうちS帯域の周波数範囲外、すなわちN帯域の周波数範囲の成分を遮断する一方で、S帯域の周波数範囲の成分を通過させる。一方、BPF31Nには、帯域設定部15によって設定されたN帯域の周波数範囲が通過帯域として設定される。このため、BPF31Nは、RGBの各信号が入力されると、RGBの各信号が含む信号成分のうちN帯域の周波数範囲外、すなわちS帯域の周波数範囲の成分を遮断する一方で、N帯域の周波数範囲の成分を通過させる。
統計値算出部32は、BPF31ごとに当該BPF31によって通過帯域の成分が抽出されたRGBの信号別に当該信号の統計値を算出する処理部である。例えば、統計値算出部32は、BPF31SによってS帯域の周波数範囲の成分が抽出されたRGBの各信号、すなわち上記時間長にわたる振幅(パワー値)の時系列データに所定の統計処理をRGB成分別に実行する。このとき、統計値算出部32は、上記の統計処理によって統計値を求める場合に、統計値を絶対値で求める。かかる統計処理の一例として、統計値算出部32は、相加平均を始め、加重平均や移動平均などの平均処理全般を実行することもできるし、平均処理に限定されず、中央値や最頻値を計算することもできる。また、統計値算出部32は、BPF31Nについても、N帯域の周波数範囲の成分が抽出されたRGB信号に所定の統計処理をRGB成分別に実行する。
重み設定部33は、図1に示した重み設定部16に比べて、SN比コンポーネントの算出方法が異なる。具体的には、図1に示した重み設定部16では、SN比コンポーネントの算出にRGB信号の各パワースペクトルを用いるが、重み設定部33では、RGBの各信号、すなわち上記の時間長にわたる代表値の時系列データから求めた絶対統計値を用いる点が相違する。すなわち、重み設定部33は、統計値算出部32によってRGBの各信号別に算出されたS帯域の絶対統計値と、統計値算出部32によってRGBの各信号別に算出されたN帯域の絶対統計値とを用いて、SN比コンポーネントA〜Fを算出する。なお、SN比コンポーネントA〜Fを求めた後の処理については、上記の重み設定部16と同様の処理が実行される。
合成部34は、図1に示した合成部18に比べて、合成する対象が異なる。具体的には、図1に示した合成部18では、RGB信号の各パワースペクトルを最適重みで重み付けした後に合成を実行するが、合成部34では、RGBの各信号、すなわち上記の時間長にわたる代表値の時系列データを最適重みで重み付けした後に合成する点が異なる。この場合には、RGBの各信号が下記の式(5)によって重み付けが行われた後に合成される。これによって、上記の周波数領域の最適パワースペクトルに対応する時間領域の最適信号を得ることができる。
S(t)=wR(t)+wG(t)+wB(t)・・・式(5)
脈波検出部35は、図1に示した脈波検出部19に比べて、時間領域の最適信号から脈波を検出する点が相違する。一態様としては、脈波検出部35は、合成部34によって合成された最適信号を、心拍可帯域、すなわち30bpm以上240bpm以下の周波数帯が通過帯域に設定されたBPFへ入力する。その上で、脈波検出部35は、当該BPFによって出力された信号の波形をそのまま脈波波形として出力することができる。他の一態様としては、脈波検出部35は、先のBPFによって出力された信号の波形からピーク検出、例えば微分波形のゼロクロス点の検出などを実行することによって心拍数を計算することができる。例えば、脈波検出部35は、ピーク検出によって信号からピークが検出される度に、当該ピーク、すなわち極大点が検出されたサンプリング時間を図示しない内部メモリに保存しておく。その上で、脈波検出部35は、各ピークごとにピーク間隔を求めた上で各ピーク間隔の平均値を算出する。そして、脈波検出部35は、ピーク間隔の平均値を周波数に換算することによって心拍数を算出することができる。なお、ここでは、ピーク間隔によって心拍数を検出する場合を例示したが、最適信号を周波数成分へ変換することによって心拍可帯域でピークをとる周波数から心拍数を検出することもできる。
[処理の流れ]
図26及び図27は、実施例3に係る脈波検出処理の手順を示すフローチャートである。これら図26及び図27には、図19及び図20に示した脈波検出処理と同一の処理が実行されるステップに同一のステップ番号を付与し、異なる処理が実行されるステップには300番台のステップ番号が付与されている。
図26に示すように、取得部11によってカメラ画像が取得されると(ステップS101)、抽出部12は、ステップS101で取得されたカメラ画像から生体領域を抽出する(ステップS102)。
続いて、代表値算出部13は、ステップS102で抽出された生体領域に含まれる各画素が持つ画素値の代表値を波長成分、例えばRGB成分別に算出する(ステップS103)。そして、変換部14は、ステップS103でRGB成分別に算出された代表値が所定の時間、例えば1分間にわたって蓄積されたか否かを判定する(ステップS104)。
このとき、RGB成分別の代表値が所定の時間にわたって蓄積された場合(ステップS104Yes)には、帯域設定部15は、履歴記憶部15aに記憶された履歴のうち1時刻前の心拍数および1時刻前の最適パワースペクトルのSN比を読み出す(ステップS106)。なお、RGB成分別の代表値が所定の時間にわたって未だ蓄積されていない場合(ステップS104No)には、上記のステップS101の処理に移行する。
続いて、帯域設定部15は、ステップS106で取得された1時刻前の心拍数をS帯域の中心に設定するとともに、1時刻前の最適パワースペクトルのSN比を上記の式(1)に代入することによって得られた算出値をS帯域の幅に設定する(ステップS107)。
その上で、帯域設定部15は、ステップS107で決定されたS帯域の中心およびS帯域の幅からS帯域の最小周波数及び最大周波数を算出することによってS帯域の周波数範囲を設定する(ステップS108)。続いて、帯域設定部15は、ステップS108で設定されたS帯域の周波数範囲を除く周波数帯をN帯域の周波数範囲として設定する(ステップS109)。
その後、上記の時間長にわたって蓄積されたR信号、G信号及びB信号の各信号がS帯域とN帯域でBPF31にかけられる(ステップS301)。これによって、BPF31Sは、RGBの各信号が含む信号成分のうちS帯域の周波数範囲外の成分を遮断する一方でS帯域の周波数範囲の成分を通過させる。これとともに、BPF31Nは、RGBの各信号が含む信号成分のうちN帯域の周波数範囲外の成分を遮断する一方でN帯域の周波数範囲の成分を通過させる。
そして、重み設定部33は、ステップS301でRGBの各信号別に得たS帯域の絶対統計値およびN帯域の絶対統計値と、ステップS108及びS109で設定されたS帯域およびN帯域の周波数範囲とを用いてSN比コンポーネントA〜Fを算出する(ステップS302)。
続いて、重み設定部33は、重みの初期値の個数iをカウントするレジスタの値を所定の値、例えば「0」に初期化する(ステップS111)。その後、重み設定部33は、図27に示すように、上記のレジスタによって保持された値を1つインクリメントする(ステップS112)。そして、重み設定部33は、脈波検出装置10が有する図示しない内部メモリに保存されたM個の重みの初期値のうち上記のレジスタによって値が保持されたi番目の重みの初期値を読み出す(ステップS113)。
その後、SN比算出部17は、ステップS110で算出されたSN比コンポーネントA〜F及びステップS113で読み出された重みw(k)を上記の式(3)に代入することによってSN比を算出する(ステップS114)。
そして、SN比算出部17は、ステップS114で算出されたSN比g(w(k))の一階微分Δg(w(k))が所定の閾値ε、例えば「0.0001」未満であるか否かを判定する(ステップS115)。
ここで、一階微分Δg(w(k))が閾値ε以上である場合(ステップS115No)には、重み設定部33は、ステップS113で読み出された重みの初期値を上記の式(4)の更新式にしたがって更新する(ステップS116)。これによって、重みw(k)がw(k+1)へ更新される。続いて、ステップS116で更新された重みw(k+1)を用いて、上記のステップS114の処理、すなわちSN比の算出がSN比算出部17によって実行される。
その後、ステップS114で算出されるSN比g(w(k))の一階微分Δg(w(k))が閾値ε未満になるまで(ステップS115No)、ステップS116及びステップS114の処理、すなわち重みw(k)の更新および更新後の重みw(k+1)を用いたSN比の算出が繰り返し実行される。
そして、ステップS114で算出されるSN比g(w(k))の一階微分Δg(w(k))が閾値ε未満になると(ステップS115Yes)、重み設定部33は、上記のレジスタによって保持された値iがMであるか否かを判定する(ステップS117)。
このとき、上記のレジスタによって保持された値iがMでない場合、すなわちM未満である場合(ステップS117No)には、上記のステップS112〜ステップS116までの処理が繰り返し実行されることになる。
その後、上記のレジスタによって保持された値iがMになると(ステップS117Yes)、合成部18は、次のような処理を実行する。すなわち、合成部18は、一階微分Δg(w(k))が閾値ε未満である重みのうち最大のSN比を持つ重みを最適重みとして抽出する(ステップS118)。
その上で、合成部18は、ステップS118で抽出された最適重みのSN比が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS119)。このとき、SN比が閾値未満である場合(ステップS119No)には、上記の式(4)によって導出された重みが信用できる値ではないと判断できる。この場合には、RGB信号の各パワースペクトルは合成されず、そのまま処理を終了する。
一方、SN比が閾値以上である場合(ステップS119Yes)には、上記の式(4)によって導出された重みが信用できると判断できる。この場合には、合成部34は、SN比が最大となる重みの組合せをRGBの各信号に掛け合わせる。その上で、合成部34は、SN比が最大となる重みの組合せで重み付けが実行されたRGBの各信号を合成する(ステップS303)。これによって、上記の周波数領域の最適パワースペクトルに対応する時間領域の最適信号を得ることができる。
その後、脈波検出部35は、合成部34によって合成された最適信号を、心拍可帯域、すなわち30bpm以上240bpm以下の周波数帯が通過帯域に設定されたBPFへ入力する(ステップS304)。
その上で、脈波検出部35は、ステップS304でBPFによってフィルタリングされた信号の波形からピークを検出する(ステップS305)。そして、脈波検出部35は、各ピークごとにピーク間隔を求めた上で各ピーク間隔の平均値を算出する(ステップS306)。続いて、脈波検出部35は、ピーク間隔の平均値を周波数に換算することによって心拍数を算出する(ステップS307)。
その後、脈波検出部19は、ステップS307で検出された心拍数及びステップS303の合成で得られた最適信号のSN比を対応付けて履歴記憶部15aに登録し(ステップS122)、処理を終了する。
[実施例3の効果]
上述してきたように、本実施例に係る脈波検出装置30によれば、上記の実施例1と同様に、脈波の検出精度を向上させることができる。さらに、本実施例に係る脈波検出装置30では、時間領域で脈波を検出できるので、周波数領域へ変換する場合よりも、演算量を低減できるとともに脈波の検出に用いるデータの時間長を短縮できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
[入力信号]
上記の実施例1〜3では、入力信号としてRGB信号の三種類を用いる場合を例示したが、異なる複数の光波長成分を持つ信号であれば任意の種類の信号および任意の数の信号を入力信号とすることができる。例えば、HSV信号を用いることとしてもよいし、あるいはIRおよびNIRなどの信号を2つ用いることもできるし、また、3つ以上用いることもできる。
[応用例1]
上記の実施例1〜3では、1分間周期で繰り返し実行される場合を例示したが、必ずしも定期間隔で実行せずともよい。例えば、光環境が変わった場合に絞って最適重みの算出を実行することとしてもよい。例えば、RGB成分のいずれか1つの輝度変化が1時刻前に比べて閾値thよりも大きく変化した場合に最適重みの算出を実行することもできる。なお、最適重みの算出が実行されない場合には、1時刻前のSN比をそのまま流用することとすればよい。
[応用例2]
上記の実施例1〜3では、あらかじめ用意されたM個の重みの初期値を用いて重みの更新を実行する場合を例示したが、1時刻前の最適重みを次回の最適重みを更新する場合の重みの初期値として用いることもできる。これによって、最適重みの更新を効率化することができる。
[他の実装例]
上記の実施例1〜実施例3では、脈波検出装置10〜30が上記の脈波検出処理をスタンドアローンで実行する場合を例示したが、クライアントサーバシステムとして実装することもできる。例えば、脈波検出装置10〜30は、脈波検出サービスを提供するWebサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって脈波検出サービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。このように、脈波検出装置10〜30がサーバ装置として動作する場合には、スマートフォンや携帯電話機等の携帯端末装置やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置をクライアント端末として収容することができる。これらクライアント端末からネットワークを介して被験者の顔が映った画像が取得された場合に脈波検出処理を実行し、心拍の検出結果や検出結果を用いてなされた診断結果をクライアント端末へ応答することによって脈波検出サービスを提供できる。
[脈波検出プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図28を用いて、上記の実施例と同様の機能を有する脈波検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明する。
図28は、実施例1〜実施例4に係る脈波検出プログラムを実行するコンピュータの一例について説明するための図である。図28に示すように、コンピュータ100は、操作部110aと、スピーカ110bと、カメラ110cと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、CPU150と、ROM160と、HDD170と、RAM180とを有する。これら110〜180の各部はバス140を介して接続される。
HDD170には、図28に示すように、上記の実施例1〜3で示した各機能部と同様の機能を発揮する脈波検出プログラム170aが予め記憶される。この脈波検出プログラム170aについては、図1、図21または図25に示した各々の構成要素と同様、適宜統合又は分離しても良い。すなわち、HDD170に格納される各データは、常に全てのデータがHDD170に格納される必要はなく、処理に必要なデータのみがHDD170に格納されれば良い。
そして、CPU150が、脈波検出プログラム170aをHDD170から読み出してRAM180に展開する。これによって、図28に示すように、脈波検出プログラム170aは、脈波検出プロセス180aとして機能する。この脈波検出プロセス180aは、HDD170から読み出した各種データを適宜RAM180上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開した各種データに基づいて各種処理を実行する。なお、脈波検出プロセス180aは、図1、図21または図25に示した各機能部にて実行される処理、例えば図19、図20、図24、図26及び図27に示す処理を含む。また、CPU150上で仮想的に実現される各処理部は、常に全ての処理部がCPU150上で動作する必要はなく、処理に必要な処理部のみが仮想的に実現されれば良い。
なお、上記の脈波検出プログラム170aについては、必ずしも最初からHDD170やROM160に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ100に挿入されるフレキシブルディスク、いわゆるFD、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータまたはサーバ装置などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
10 脈波検出装置
11a カメラ
11 取得部
12 抽出部
13 代表値算出部
14 変換部
15a 履歴記憶部
15 帯域設定部
16 重み設定部
17 SN比算出部
18 合成部
19 脈波検出部

Claims (9)

  1. カメラによって撮像された画像を取得する取得部と、
    前記画像に含まれる生体領域を抽出する抽出部と、
    前記生体領域に含まれる画素が持つ画素値の代表値を複数の波長成分別に算出する代表値算出部と、
    前記波長成分別に算出された代表値の信号が含む周波数成分のうち信号成分の帯域および雑音成分の帯域を設定する帯域設定部と、
    前記波長成分別に算出された代表値の信号の各々に重みを設定する重み設定部と、
    前記重みの更新を実行する重み更新部と、
    前記重みの設定または更新が行われる度に、前記波長成分別の重みが前記波長成分別の信号に付与された上で互いが合成される場合の前記信号成分の帯域の信号強度および前記雑音成分の帯域の信号強度の比をSN比として算出するSN比算出部と、
    前記SN比が最大となる重みを用いて前記波長成分別の信号に重み付けを行った上で互いを合成する合成部と、
    合成後の信号から脈波を検出する脈波検出部と
    を有することを特徴とする脈波検出装置。
  2. 前記代表値算出部によって算出された代表値の時系列データを前記波長成分別に周波数スペクトルへ変換する変換部をさらに有し、
    前記SN比算出部は、前記周波数スペクトルのうち前記信号成分の帯域に含まれるパワー値と雑音成分の帯域に含まれるパワー値とから前記SN比を算出し、
    前記合成部は、前記SN比が最大となる重みを用いて前記波長成分別の周波数スペクトルに重み付けを行った上で互いを合成し、
    前記脈波検出部は、合成後の周波数スペクトルから脈波を検出することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。
  3. 通過帯域が異なる複数のバンドパスフィルタと、
    各バンドパスフィルタごとに当該バンドパスフィルタによって前記通過帯域の成分が抽出された信号から得られる統計値と、前記バンドパスフィルタの通過帯域との対応付けを各バンドパスフィルタ間で統合することによって疑似周波数スペクトルを前記波長成分別に作成する作成部とをさらに有し、
    前記SN比算出部は、
    前記疑似周波数スペクトルのうち前記信号成分の帯域に含まれるパワー値と雑音成分の帯域に含まれるパワー値とから前記SN比を算出し、
    前記合成部は、
    前記SN比が最大となる重みを用いて前記波長成分別の疑似周波数スペクトルに重み付けを行った上で互いを合成し、
    前記脈波検出部は、
    合成後の疑似周波数スペクトルから脈波を検出することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。
  4. 前記帯域設定部によって設定される信号成分の帯域が通過帯域に設定される第1のバンドパスフィルタと、
    前記帯域設定部によって設定される雑音成分の帯域が通過帯域に設定される第2のバンドパスフィルタとをさらに有し、
    前記SN比算出部は、
    前記第1のバンドパスフィルタによって前記信号成分の帯域に対応する成分が抽出された信号から得られる絶対値強度の統計値と、前記第のバンドパスフィルタによって前記雑音成分の帯域に対応する成分が抽出された信号から得られる絶対値強度の統計値とから前記SN比を算出することを特徴とする請求項1に記載の脈波検出装置。
  5. 前記脈波には、心拍数が含まれるものであって、
    前記帯域設定部は、
    前記脈波検出部によって前回に検出された心拍数と、前記合成部によって前回に合成された信号のSN比とを用いて、前記信号成分の帯域を設定し、
    前記信号成分の帯域に設定された帯域以外の帯域を前記雑音成分の帯域に設定することを特徴とする請求項2、3または4に記載の脈波検出装置。
  6. 前記帯域設定部は、
    前記脈波検出部によって前回に検出された心拍数を前記信号成分の帯域の中心とし、前記合成部によって前回に合成された信号のSN比の大きさにしたがって前記信号成分の帯域の幅を拡縮することによって前記信号成分の帯域を設定することを特徴とする請求項5に記載の脈波検出装置。
  7. 前記合成部または前記脈波検出部は、
    最大となるSN比が所定の閾値未満である場合に、合成または検出を禁止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の脈波検出装置。
  8. コンピュータが、
    カメラによって撮像された画像を取得し、
    前記画像に含まれる生体領域を抽出し、
    前記生体領域に含まれる画素が持つ画素値の代表値を複数の波長成分別に算出し、
    前記波長成分別に算出された代表値の信号が含む周波数成分のうち信号成分の帯域および雑音成分の帯域を設定し、
    前記波長成分別に算出された代表値の信号の各々に重みを設定し、
    前記重みの更新を実行し、
    前記重みの設定または更新が行われる度に、前記波長成分別の重みが前記波長成分別の信号に付与された上で互いが合成される場合の前記信号成分の帯域の信号強度および前記雑音成分の帯域の信号強度の比をSN比として算出し、
    前記SN比が最大となる重みを用いて前記波長成分別の信号に重み付けを行った上で互いを合成し、
    合成後の信号から脈波を検出する
    処理を実行することを特徴とする脈波検出方法。
  9. コンピュータに、
    カメラによって撮像された画像を取得し、
    前記画像に含まれる生体領域を抽出し、
    前記生体領域に含まれる画素が持つ画素値の代表値を複数の波長成分別に算出し、
    前記波長成分別に算出された代表値の信号が含む周波数成分のうち信号成分の帯域および雑音成分の帯域を設定し、
    前記波長成分別に算出された代表値の信号の各々に重みを設定し、
    前記重みの更新を実行し、
    前記重みの設定または更新が行われる度に、前記波長成分別の重みが前記波長成分別の信号に付与された上で互いが合成される場合の前記信号成分の帯域の信号強度および前記雑音成分の帯域の信号強度の比をSN比として算出し、
    前記SN比が最大となる重みを用いて前記波長成分別の信号に重み付けを行った上で互いを合成し、
    合成後の信号から脈波を検出する
    処理を実行させることを特徴とする脈波検出プログラム。
JP2013222801A 2013-10-25 2013-10-25 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム Expired - Fee Related JP6167849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013222801A JP6167849B2 (ja) 2013-10-25 2013-10-25 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013222801A JP6167849B2 (ja) 2013-10-25 2013-10-25 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015083101A JP2015083101A (ja) 2015-04-30
JP6167849B2 true JP6167849B2 (ja) 2017-07-26

Family

ID=53047086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013222801A Expired - Fee Related JP6167849B2 (ja) 2013-10-25 2013-10-25 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6167849B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6724603B2 (ja) * 2015-11-27 2020-07-15 株式会社リコー 脈波測定装置、脈波測定プログラム、脈波測定方法及び脈波測定システム
EP3531908B1 (en) * 2016-10-27 2023-03-15 Koninklijke Philips N.V. Device, method and computer program for obtaining a vital signal of a subject
CN114271800A (zh) * 2021-12-01 2022-04-05 西北工业大学 一种办公环境下的非侵扰式连续血压监测方法及应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009106680A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Sharp Corp 撮像装置、携帯電話機、撮像装置の制御方法、撮像装置制御プログラム、及び該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP5672144B2 (ja) * 2011-05-20 2015-02-18 富士通株式会社 心拍数・呼吸数検出装置,方法およびプログラム
GB201114406D0 (en) * 2011-08-22 2011-10-05 Isis Innovation Remote monitoring of vital signs

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015083101A (ja) 2015-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6256488B2 (ja) 信号処理装置、信号処理方法及び信号処理プログラム
JP6098257B2 (ja) 信号処理装置、信号処理方法及び信号処理プログラム
JP5915757B2 (ja) 脈波検出方法、脈波検出装置及び脈波検出プログラム
JP6123885B2 (ja) 血流指標算出方法、血流指標算出プログラム及び血流指標算出装置
WO2016006027A1 (ja) 脈波検出方法、脈波検出プログラム及び脈波検出装置
JP6115263B2 (ja) 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム
JP6052027B2 (ja) 脈波検出装置、脈波検出プログラムおよび脈波検出方法
JP6098304B2 (ja) 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム
JP6393984B2 (ja) 脈拍計測装置、脈拍計測方法及び脈拍計測プログラム
JP5920465B2 (ja) バイタルサイン検出方法、バイタルサイン検出装置及びバイタルサイン検出プログラム
EP3308702B1 (en) Pulse estimation device, and pulse estimation method
JP6167614B2 (ja) 血流指標算出プログラム、血流指標算出装置および血流指標算出方法
JP2014184002A (ja) 生体検知装置、顔認証装置、撮像装置、生体検知方法及び生体検知プログラム
JP6135255B2 (ja) 心拍測定プログラム、心拍測定方法及び心拍測定装置
Dosso et al. Eulerian magnification of multi-modal RGB-D video for heart rate estimation
JP6167849B2 (ja) 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム
KR101777472B1 (ko) 스마트 폰의 듀얼 카메라를 이용한 호흡과 심장 박동 측정방법
JP6020015B2 (ja) 脈波検出装置、脈波検出プログラム及び脈波検出方法
JP6488722B2 (ja) 脈波検出装置、脈波検出方法及び脈波検出プログラム
JP6167615B2 (ja) 血流指標算出プログラム、端末装置および血流指標算出方法
US20220322950A1 (en) Pulse rate estimation method, device, and system
JPWO2017104056A1 (ja) 生体情報計測装置、生体情報計測方法および生体情報計測プログラム
CN112022131A (zh) 长时间连续性的非接触式心率测量方法和系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6167849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees