JP7044171B2 - 脈波算出装置、脈波算出方法及び脈波算出プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、脈波算出装置、脈波算出方法及び脈波算出プログラムに関する。
従来、所定のセンサによって得られた身体に関する信号から、解析に用いる脈波を取得する技術が知られている。ここで、脈波とは、心臓の拍動に伴って血管に生じる体積等の変動である。また、脈波からは、脈拍間隔、波形及び伝播速度等の情報が導出される。さらに、脈波から導出された情報を解析することで、ストレス指標、血管年齢及び血圧等を把握することができる。
また、所定の対象区間の信号の波形と他の区間の信号の波形との相関係数を算出し、相関係数の大きさが一定値以上であるか否かによって、当該対象区間の信号が脈波の解析に適したものであるか否かを判断する方法が知られている。また、カメラで撮影した身体の特定部位の動画像における、輝度信号の変化を基に脈波を算出する方法が知られている。
しかしながら、従来の技術では、信号にノイズが混入することや、脈波の算出が困難な欠損区間が発生することにより、解析に適した脈波を連続的に得ることが難しい場合がある。
例えば、対象区間の信号の波形との相関係数が一定値以上である波形が、他の区間のいずれにも存在しない場合、当該対象区間は欠損区間となる。また、カメラで撮像した特定部位の動画像に映った背景や影は、脈波を算出する際にノイズを発生させる場合がある。
一つの側面では、解析に適した脈波を連続的に得ることができる脈波算出装置、脈波算出方法及び脈波算出プログラムを提供することを目的とする。
一つの態様において、脈波算出装置は、センサによって取得される身体の複数の領域における時系列のデータから、前記複数の領域のそれぞれに対応する脈波波形を抽出する。脈波算出装置は、時系列の区間ごとに、脈波波形のそれぞれの自己相関係数を算出する。脈波算出装置は、脈波波形のそれぞれの、基準の波形との差分を算出する。脈波算出装置は、区間ごとに、脈波波形から、自己相関係数が閾値以上である脈波波形のいずれかを選択する。脈波算出装置は、選択部によって選択された脈波波形を、差分を用いて補正する。
一つの態様によれば、解析に適した脈波を連続的に得ることができる。
以下に、本願の開示する脈波算出装置、脈波算出方法及び脈波算出プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせられてもよい。
[全体構成及び利用シーン]
実施例1に係る脈波算出装置10は、所定のセンサから取得したデータを基に、ノイズの少ない脈波を算出し、算出した脈波をユーザに提供することができる。具体的には、脈波算出装置10は、脈波波形又は脈波波形の特徴を算出する。また、例えば、脈波算出装置10は、光電脈波センサ又はカメラからデータを取得する。
実施例1に係る脈波算出装置10は、所定のセンサから取得したデータを基に、ノイズの少ない脈波を算出し、算出した脈波をユーザに提供することができる。具体的には、脈波算出装置10は、脈波波形又は脈波波形の特徴を算出する。また、例えば、脈波算出装置10は、光電脈波センサ又はカメラからデータを取得する。
光電脈波センサは、ユーザの指等に装着され、末梢血管に照射した赤外線等の反射光の時系列の変動を信号として取得する。脈波算出装置10は、光電脈波センサから取得した信号を基に、脈波を算出することができる。
また、カメラは、ユーザの身体の特定部位の動画像を撮影し、動画像データを取得する。ここで、カメラによって取得される動画像データは、時系列のフレームごとの各画素の輝度信号である。このため、脈波算出装置10は、輝度信号の変化を基に脈波を算出することができる。
ここで、本実施例の脈波算出装置10は、従来の手法と異なり、センサから身体の複数の領域における時系列のデータを取得する。例えば、脈波算出装置10は、身体の複数の異なる部位に装着された光電脈波センサのそれぞれから信号を取得することができる。また、例えば、脈波算出装置10は、カメラによって撮影された画像から身体の複数の部位に対応する領域を特定し、特定した領域のそれぞれから輝度信号を取得することができる。また、脈波算出装置10は、複数のカメラによって撮影された身体の異なる部位の画像のそれぞれから輝度信号を取得してもよい。
図1を用いて、本実施例の脈波算出装置10の利用シーンについて説明する。図1は、実施例1に係る脈波算出装置の利用シーンの一例を示す図である。図1の例では、脈波算出装置10は、スマートフォンである。また、図1の例では、スマートフォンに備えられたカメラがセンサ11として機能する。また、図1の例では、スマートフォンに備えられたタッチパネルディスプレイが出力部14として機能する。
ユーザは、脈波算出装置10のセンサ11で測定対象(例えば、自身)を撮影する。そして、脈波算出装置10は、撮影された画像を基に脈波を算出し、算出した脈波及び脈波に関する情報を画像として出力部14に出力する。図1の例では、脈波算出装置10は、心拍数及び脈波波形を出力する。また、脈波算出装置10は、ユーザによって撮影された測定対象の画像に、脈波算出のために特定した領域を示すマーカを重畳させた画像を出力部14に出力する。図1の例では、脈波算出装置10は、測定対象のユーザの眉間、首もと及び手のひらの領域を特定している。この他にも、脈波算出装置10は、測定対象のユーザの耳たぶ、頬、額等の領域を特定してもよい。
[機能的構成]
図2を用いて、脈波算出装置10の機能的構成について説明する。図2は、実施例1に係る脈波算出装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、脈波算出装置10は、センサ11、記憶部12、制御部13及び出力部14を有する。
図2を用いて、脈波算出装置10の機能的構成について説明する。図2は、実施例1に係る脈波算出装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、脈波算出装置10は、センサ11、記憶部12、制御部13及び出力部14を有する。
センサ11は、ユーザの身体に関する信号を取得する。例えば、センサ11は、光電脈波センサ又は動画像を撮影可能なカメラである。また、脈波算出装置10は、複数のセンサ11を備えていてもよい。本実施例では、センサ11を内蔵する形を取っているが、外付け又は、計測結果のみを入力する形でもよい。
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は、差分情報121を有する。また、記憶部12は、制御部13での処理に用いる情報を記憶する。
差分情報121は、身体の部位間の脈波波形の差分を示す情報である。なお、身体の部位間の脈波波形は、後述する抽出処理において得られる。図3は、実施例1に係る差分情報のデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、差分情報121には、所定の部位を基準とした場合の、各部位の位相差及び振幅比率が含まれる。例えば、図3は、部位Bの脈波波形の、部位Aの脈波波形に対する位相差が-11msecであり、振幅比率が0.91であることを示している。なお、位相差及び振幅比率の差分は、身体の各部位の心臓からの距離及び取得可能な信号の強度等の違いに起因する。
図2の説明に戻って、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部13は、取得部131、抽出部132、設定部133、相関算出部134、差分算出部135、選択部136、補正部137、及び出力制御部138を有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。なお、制御部13の内部構成は、図1に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
ここで、図4を用いて、脈波算出装置10の処理の全体の流れとともに、制御部13に含まれる各部の処理の詳細を説明する。図4は、実施例1に係る脈波算出処理の全体の流れの一例を示す図である。また、図4の矢印は、データの流れを表している。
取得部131は、センサ11によって取得された信号であって、身体の各部位の時系列の信号のデータを取得する。取得部131は、各部位の信号を、それぞれ個別のデータとして取得してもよいし、1つのデータとして取得してもよい。例えば、取得部131は、身体の各部位を撮影した複数の異なる動画像データを取得してもよいし、身体の各部位を含む領域を撮影した1つの動画像データを取得してもよい。また、取得部131は、一定時間分の信号をまとめて取得してもよいし、信号をリアルタイムに連続的に取得してもよい。
センサ11が光電脈波センサである場合、取得部131は、所定のサンプリングレート(例えば、128Hz(hertz))で取得された脈波を示す信号を取得する。一方、センサ11がカメラである場合、取得部131は、時系列の所定のフレームごと(例えば、30Hz)の各画素の輝度信号を取得する。
ここで、センサ11がカメラである場合、取得部131は、図5のグラフ11G及びグラフ21Gに示すようなデータを取得することができる。図5は、実施例1に係る脈波波形の抽出処理及び区間の設定処理の一例を示す図である。グラフ11G及びグラフ21Gは、B(Blue)、G(Green)、R(Red)の波長帯ごとの輝度信号の変化を示している。なお、図5の各グラフの横軸は時刻を表すものとする。また、図5の各グラフの縦軸は、信号の強度を表すものとする。ただし、本実施例では、図5の各グラフの横軸の単位を秒とする。また、図5の各グラフの縦軸の単位は、各グラフで共通の任意単位であってよい。
また、取得部131は、動画像データから身体の各部位を検出し、検出した部位の領域を特定した上で、各領域の撮像時系列データを得る。例えば、取得部131は、顔、頬、手のひら、耳たぶ、首もと等を部位として検出し、検出した各部位の画像上の領域を特定することができる。
図4の説明に戻って、抽出部132は、センサ11によって取得される身体の複数の領域における時系列のデータから、複数の領域のそれぞれに対応する脈波波形を抽出する。ここで、抽出部132は、センサ11によって取得される身体の複数の領域における時系列データを、取得部131から受け取る。また、抽出部132は、図5のグラフ12G及びグラフ22Gに示すような脈波波形を抽出する。
センサ11が光電脈波センサである場合、抽出部132は、光電脈波センサによって取得された時系列の波形データに対し、脈波の取り得る周波数バンド(例えば、40-240bpm(beats per minute))を指定したバンドパスフィルタ処理を行うことで脈波波形を抽出することができる。なお、bpmは1分間当たりの心拍数であり、1Hz=60bpmが成り立つ。
一方、センサ11がカメラである場合、抽出部132は、カメラによって撮影された身体の動画像のデータから脈波波形を抽出する。この場合、抽出部132は、データに対し、波長成分別の輝度の統計処理、及び脈波が取り得る周波数バンドを指定したバンドパスフィルタリング処理のうちの少なくともいずれかを行うことで脈波波形を抽出する。
まず、波長成分別の輝度の統計処理について説明する。抽出部132は、取得部131によって取得された撮像時系列データに、線形補完処理を行うことができる。なお、線形補完処理は、統計処理の一例である。図6は、線形補完処理の一例を示す図である。図6に示すように、取得部131によって取得された撮像時系列データでは、波長帯別の輝度信号Red、Blue及びGreenの時系列の間隔が一定でない。
ここで、抽出部132は、撮像時系列データに線形補完、又はスプライン補完を行い、時系列を一定にした波長帯別の輝度信号Red2、Green2及びBlue2を算出する。さらに、抽出部132は、後述するフィルタ処理のためのデータとして、dbGreen及びdbRedを算出する。なお、dbGreenは、Green2そのものである。また、dbRedは、(Red2+Blue2)/2により算出される。
さらに、抽出部132は、dbGreen及びdbRedに対し、波長成分別の統計処理を行うことにより脈波波形を抽出する。図7は、波長成分別の統計処理の一例を示す図である。図7に示すように、抽出部132は、ノイズ領域抽出部132a及び脈波領域抽出部132bを有する。
ノイズ領域抽出部132aは、入力されたdbGreen及びdbRedから、バンドパスフィルタ処理及びローパスフィルタ処理により、ノイズ領域の信号データを抽出する。また、脈波領域抽出部132bは、入力されたdbGreen及びdbRedから、バンドパスフィルタ処理により、脈波領域の信号データの候補を抽出する。さらに、脈波領域抽出部132bは、抽出した信号データの候補から、ノイズ領域抽出部132aによって抽出された信号データを用いてノイズを除去した信号データを、脈波波形として出力する。
ここで、図7のノイズ領域抽出部132a及び脈波領域抽出部132bの処理について説明する。まず、BPF(Band-pass filter)1321aは、dbGreen及びdbRedから、例えば12-18bpmの周波数帯の信号データを抽出する。なお、12-18bpmは、呼吸によるノイズが現れやすい周波数帯の例である。次に、ABS(absolute value)1322aは、入力された信号データを絶対値に変換する。そして、LPF(Low-pass filter)1323aは平滑化処理を行う。LPF1323aは、、例えば0.015Hz(0.9bpm)以下の周波数帯の信号データを抽出する。除算部1324aは、k=Red/Greenを計算する。ここでのRed及びGreenは、LPF1323aによって抽出された信号データである。
BPF1321bは、dbGreen及びdbRedから、例えば42-150bpmの周波数帯の信号データを抽出する。42-150bpmは、脈波が取り得る周波数帯の例である。次に、除算部1322bは、Red´=Red/kを計算する。ここでのRedは、BPF1321bによって抽出された信号データである。また、kは、除算部1324aによって計算される値である。そして、減算部1323bは、Green-Red´を計算する。ここでのGreenは、BPF1321bによって抽出された信号データである。ここで、BFP1324bは、Green-Red´から、例えば42-150bpmの周波数帯の信号データを抽出する。
次に、脈波が取り得る周波数バンドを指定したバンドパスフィルタリング処理を行う場合について説明する。この場合、抽出部132は、輝度信号Greenに対し、脈波が取り得る周波数バンドとして、例えば42-210bpmを通過するフィルタを使用し、脈波波形を抽出する。
図4の説明に戻って、設定部133は、抽出部132によって抽出された脈波波形に対応する期間の、時系列の区間を設定する。図5のグラフ13G及びグラフ23Gに示すように、設定部133は、所定の時刻から、例えば2秒間ごとの区間を設定していってもよい。図5の例では、設定部133は、時刻27を開始時刻とし、時刻27から時刻29までの区間、時刻29から時刻31までの区間、及び時刻31から時刻33までの区間を設定する。
また、設定部133は、脈波波形のゼロクロス点、極大点及び極小点に対応する時刻を開始時刻及び終了時刻とする区間を設定してもよい。図8は、ゼロクロス点について説明するための図である。図8の例では、設定部133は、1個目のゼロクロス点を開始時刻とし、5個目のゼロクロス点を終了時刻とする区間を設定している。また、ゼロクロス点とは、0又は閾値を表すゼロ値線と、波形を表す曲線の交点である。また、設定部133は、極大値及び極小値を用いて区間を設定してもよい。
相関算出部134は、時系列の区間ごとに、脈波波形のそれぞれの自己相関係数を算出する。ここで、自己相関係数は、抽出部132によって脈波波形として抽出された波形の、脈波らしさを表す指標である。また、例えば、相関算出部134は、特許文献2に記載された方法によって自己相関係数を算出することができる。
図9に示すように、相関算出部134は、グラフごとかつ区間ごとに自己相関を算出する。図9は、実施例1に係る相関の算出処理の一例を示す図である。また、グラフは部位ごとの脈波波形を表しているので、相関算出部134は、部位ごとかつ区間ごとの自己相関係数を算出することになる。
自己相関係数は、脈波波形と当該脈波波形を所定周期分だけずらした脈波波形との相関の度合いを示す。このため、自己相関係数は、脈波波形の周期及び振幅の変化が小さいほど大きくなる。また、センサ11による信号取得時のノイズが少ないほど脈波波形が安定し、自己相関係数が大きくなる。逆に、センサ11による信号取得時のノイズが多いほど、脈波波形が不安定になり自己相関係数が小さくなる。
例えば、相関算出部134は、グラフ13Gの時刻27から時刻29の区間の自己相関係数を0.8と算出する。また、例えば、相関算出部134は、グラフ13Gの時刻29から時刻31の区間の自己相関係数を0.2と算出する。例えば、相関算出部134は、グラフ13Gの時刻31から時刻33の区間の自己相関係数を0.8と算出する。このように、同じ部位の脈波波形であっても、区間によって自己相関係数が大きく変化する場合がある。
図4の説明に戻って、差分算出部135は、脈波波形のそれぞれの、基準の波形との差分を算出する。具体的には、差分算出部135は、脈波波形の基準の波形との位相差及び振幅比率を算出する。また、差分算出部135は、算出した差分を差分情報121として記憶部12に格納する。
図10を用いて、差分算出部135による差分の算出方法について説明する。図10は、実施例1に係る差分の算出処理の一例を示す図である。図10例では、脈波波形1wの振幅はS1である。また、脈波波形1wのゼロクロス点の時刻はt1である。また、脈波波形1wの振幅はS2である。また、脈波波形2wのゼロクロス点の時刻はt2である。
このとき、差分算出部135は、脈波波形1wを基準としたときの、脈波波形2wの脈波波形1wに対する位相差をt2-t1と算出する。また、差分算出部135は、脈波波形1wを基準としたときの、脈波波形2wの脈波波形1wに対する振幅比率を、S2/S1と算出する。なお、基準の決め方によっては、差分算出部135が位相差として負の値を算出することもあり得る。
ここで、脈波の元になった心臓の拍動が共通していたとしても、当該拍動による血管の収縮が伝わる時刻は、部位ごとにずれることが考えられる。このため、設定部133が脈波波形のゼロクロス点や極値を基に区間を設定した場合、血管の収縮が各部位に伝わるまでの時間差が、すなわち遅延時間を生じさせることになる。そして、この遅延時間が脈波波形間の位相差に現れる。
図4の説明に戻って、選択部136は、区間ごとに、脈波波形から、自己相関係数が閾値以上である脈波波形のいずれかを選択する。また、補正部137は、選択部136によって選択された脈波波形を、差分を用いて補正する。
図11を用いて、脈波波形の選択処理及び補正処理について説明する。図11は、実施例1に係る脈波波形の選択処理及び補正処理の一例を示す図である。図11に示すように、選択部136は、各区間で、グラフ13Gの脈波波形及びグラフ23Gの脈波波形のうちのいずれかを選択する。また、ここでは、例として閾値を0.6とする。
図11の例では、時刻27から時刻29の区間において、いずれの脈波波形でも自己相関係数が閾値を超えている。このような場合、選択部136は、自己相関係数が閾値以上である脈波波形のうち、領域のそれぞれにあらかじめ指定された順位が最も高い領域に対応する脈波波形を選択するようにしてもよい。ここでは、選択部136は、グラフ13Gの脈波波形を選択するものとする。なお、選択部136は、自己相関係数が最も大きい脈波波形を選択するようにしてもよい。
時刻29から時刻31の区間では、グラフ13Gの脈波波形の自己相関係数が閾値以下であり、グラフ23Gの脈波波形の自己相関係数が閾値を超えている。このため、選択部136は、グラフ23Gの脈波波形を選択する。
また、補正部137は、位相差及び振幅率を基に、選択部136によって選択された脈波波形の位相及び振幅を補正する。例えば、図3に示すように、部位Bの脈波波形の、部位Aの脈波波形に対する位相差は-11msecであり、振幅比率は0.91である。ここで、部位Bの脈波波形が選択部136によって選択された場合、補正部137は、選択された脈波波形を11msecだけ時系列の進行方向へずらし、振幅に1/0.91を掛けることで補正を行う。
また、補正部137は、補正した脈波波形を合成し、解析用脈波波形を生成する。つまり、補正部137は、区間ごとに各部位から選択された脈波波形を補正した上でつなぎ合わせた脈波波形を、解析用脈波波形として生成する。なお、補正部137は、補正を行わずに解析用脈波波形を生成してもよいし、位相差のみを補正した脈波波形をつなぎ合わせて解析用脈波波形を生成してもよい。
図4の説明に戻って、出力制御部138は、出力部14に、解析用脈波波形又は解析用脈波波形の特徴を出力させる。例えば、出力制御部138は、図11のグラフ30Gを出力部14に出力させる。また、出力制御部138は、出力部14に波形特徴を出力させてもよい。
図12を用いて、波形特徴について説明する。図12は、波形特徴の一例を示す図である。図12に示すように、波形特徴には、ピーク点間の幅、振幅、トップライン及びベースライン等がある。また、出力制御部138は、脈波波形の一階微分又は二階微分の波形特徴を出力させてもよい。
[処理の流れ]
図13から図19を用いて、本実施例の脈波算出処理の流れについて説明する。図13は、実施例1に係る脈波算出処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、まず、脈波算出装置10は、センサ11の信号から脈波波形を抽出するためのデータを取得する(ステップS1)。次に、取得したデータから複数の部位の脈波波形を抽出する(ステップS2)。
図13から図19を用いて、本実施例の脈波算出処理の流れについて説明する。図13は、実施例1に係る脈波算出処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、まず、脈波算出装置10は、センサ11の信号から脈波波形を抽出するためのデータを取得する(ステップS1)。次に、取得したデータから複数の部位の脈波波形を抽出する(ステップS2)。
ここで、脈波算出装置10は、抽出した脈波波形に区間を設定する(ステップS3)。そして、脈波算出装置10は、部位ごとに各区間の脈波波形の自己相関係数を算出する(ステップS4)。
次に、脈波算出装置10は、部位間の位相及び振幅の差分を算出する(ステップS5)。そして、脈波算出装置10は、各区間の解析用脈波波形を生成する(ステップS6)。その後、脈波算出装置10は、解析用脈波波形又は解析用脈波波形の特徴を出力する(ステップS7)。
図14を用いて、脈波算出装置10がデータを取得する処理(ステップS1)の詳細を説明する。図14は、実施例1に係る脈波波形抽出用データの取得処理の一例を示すフローチャートである。なお、図14に示す処理は、センサ11がカメラである場合のものである。センサ11が光電脈波センサである場合、脈波算出装置10は、センサ11から取得したデータそのものを、脈波波形のデータを抽出するためのデータとして取得することができる。
図14に示すように、まず、脈波算出装置10は、カメラの画像を取得する(ステップS101)。次に、脈波算出装置10は、取得した画像から各部位を検出する(ステップS102)。ここで、脈波算出装置10は、検出した部位の領域を特定する(ステップS103)。そして、脈波算出装置10は、特定した領域の輝度の領域平均を算出する(ステップS104)。
ここで、脈波算出装置10は、未処理の部位があるか否かを判定する(ステップS105)。未処理の部位がある場合(ステップS105、Yes)、脈波算出装置10は、ステップS103に戻り、当該未処理の部位を対象として処理を繰り返す。
一方、未処理の部位がない場合(ステップS105、No)、脈波算出装置10は、ステップS106へ進む。そして、脈波算出装置10は、未処理の画像があるか否かを判定する(ステップS106)。未処理の画像がある場合(ステップS106、Yes)、脈波算出装置10は、ステップS101へ戻り、当該未処理の画像を対象として処理を繰り返す。一方、未処理の画像がない場合(ステップS106、No)、領域平均から輝度波形を生成する(ステップS107)。
ここで、ステップS106における未処理の画像とは、例えば時系列で取得した動画像における未処理のフレームの画像である。つまり、脈波算出装置10は、所定期間の動画像の各フレームの画像について、ステップS101からS106までの処理を繰り返す。
次に、図15を用いて、脈波算出装置10が脈波波形を抽出する処理(ステップS2)の詳細を説明する。図15は、実施例1に係る脈波波形の抽出処理の一例を示すフローチャートである。なお、図15に示す処理は、センサ11がカメラである場合のものである。ただし、センサ11が光電脈波センサである場合であっても、脈波算出装置10は、ステップS2においてノイズフィルタ処理等を行うことができる。
図15に示すように、まず、脈波算出装置10は、輝度波形のノイズ領域を抽出する(ステップS201)。次に、脈波算出装置10は、輝度波形の脈波領域を抽出する(ステップS202)。そして、脈波算出装置10は、脈波領域からノイズ領域を除去し、脈波波形を抽出する(ステップS203)。
次に、図16を用いて、脈波算出装置10が区間を設定する処理(ステップS3)の詳細を説明する。図16は、実施例1に係る区間の設定処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、脈波算出装置10は、脈波波形の開始点を決定する(ステップS301)。次に、脈波算出装置10は、脈波波形の終了点を決定する(ステップS302)。そして、脈波算出装置10は、開始点及び終了点を基に区間を設定する。ここで、開始点及び終了点は、あらかじめ定められた所定の時刻であってもよいし、脈波波形のゼロクロス点及び極値に対応する時刻であってもよい。
次に、図17を用いて、相関を算出する処理(ステップS4)の詳細を説明する。図17は、実施例1に係る相関の算出処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、脈波算出装置10は、区間を選択する(ステップS401)。次に、脈波算出装置10は、部位を選択する(ステップS402)。ここで、脈波算出装置10は、選択した部位の脈波波形の選択した区間における自己相関係数を算出する(ステップS403)。
ここで、脈波算出装置10は、未処理の部位があるか否かを判定する(ステップS404)。未処理の部位がある場合(ステップS404、Yes)、脈波算出装置10は、ステップS402に戻り、当該未処理の部位を選択して処理を繰り返す。
一方、未処理の部位がない場合(ステップS404、No)、脈波算出装置10は、ステップS405へ進む。そして、脈波算出装置10は、未処理の区間があるか否かを判定する(ステップS405)。未処理の区間がある場合(ステップS405、Yes)、脈波算出装置10は、ステップS401へ戻り、当該未処理の区間を選択して処理を繰り返す。一方、未処理の区間がない場合(ステップS405、No)、脈波算出装置10は、相関を算出する処理を終了する。
次に、図18を用いて、脈波算出装置10が差分を算出する処理(ステップS5)の詳細を説明する。図18は、実施例1に係る差分の算出処理の一例を示すフローチャートである。図18に示すように、まず、脈波算出装置10は、部位を選択する(ステップS501)。次に、脈波算出装置10は、選択した部位の脈波波形の各区間における自己相関係数の最大値が、閾値より大きいか否かを判定する(ステップS502)。自己相関係数の最大値が閾値より大きい場合(ステップS502、Yes)、脈波算出装置10は、選択した部位の基準部位との間の位相差及び振幅比率を算出する(ステップS503)。一方、自己相関係数の最大値が閾値以下である場合(ステップS502、No)、脈波算出装置10は、位相差及び振幅比率を算出せずにステップS504へ進む。
ここで、脈波算出装置10は、未処理の部位があるか否かを判定する(ステップS504)。未処理の部位がある場合(ステップS504、Yes)、脈波算出装置10は、ステップS501に戻り、当該未処理の部位を選択して処理を繰り返す。一方、未処理の部位がない場合(ステップS504、No)、脈波算出装置10は、差分を算出する処理を終了する。
次に、図19を用いて、解析用脈波波形を生成する処理(ステップS6)の詳細を説明する。まず、図19に示すように、脈波算出装置10は、区間を選択する(ステップS601)。次に、脈波算出装置10は、優先度順に部位を選択する(ステップS602)。つまり、ステップS602において、脈波算出装置10は、未選択の部位のうち、あらかじめ定められた優先度が最も大きい部位を選択する。
ここで、脈波算出装置10は、選択した区間における、選択した部位に対応する脈波波形の自己相関係数が閾値より大きいか否かを判定する(ステップS603)。自己相関係数が閾値より大きい場合(ステップS603、Yes)、選択した区間における、選択した部位に対応する脈波波形を選択し保持し(ステップS604)、ステップS607へ進む。
一方、自己相関係数が閾値以下である場合(ステップS603、No)、脈波算出装置10は、未処理の部位があるか否かを判定する(ステップS605)。未処理の部位がある場合(ステップS605、Yes)、脈波算出装置10は、ステップS602へ戻り、当該未処理の部位を優先度順に選択し、処理を繰り返す。
一方、未処理の部位がない場合(ステップS605、No)、脈波算出装置10は、選択した区間を欠損区間とする(ステップS606)。そして、脈波算出装置10は、未処理の区間があるか否かを判定する(ステップS607)。未処理の区間がある場合(ステップS607、Yes)、脈波算出装置10は、ステップS601へ戻り、当該未処理の区間を選択して処理を繰り返す。
一方、未処理の区間がない場合(ステップS607、No)、脈波算出装置10は、保持している脈波波形を補正し、合成する(ステップS608)。ここで、脈波算出装置10は、補正は、ステップS5で算出した差分を用いて補正を行う。
[効果]
これまで説明したように、脈波算出装置10は、センサ11によって取得される身体の複数の領域における時系列のデータから、複数の領域のそれぞれに対応する脈波波形を抽出する。また、脈波算出装置10は、時系列の区間ごとに、脈波波形のそれぞれの自己相関係数を算出する。また、脈波算出装置10は、脈波波形のそれぞれの、基準の波形との差分を算出する。また、脈波算出装置10は、区間ごとに、脈波波形から、自己相関係数が閾値以上である脈波波形のいずれかを選択する。また、脈波算出装置10は、選択した脈波波形を、差分を用いて補正する。このように、脈波算出装置10は、複数の時系列のデータを基に脈波を算出することができる。このため、脈波算出装置10は、仮に複数のデータのうち一部のデータにノイズが多く発生している区間があったとしても、他のデータで当該区間の脈波を補うことができる。このため、脈波算出装置10は、解析に適した脈波を連続的に得ることができる。
これまで説明したように、脈波算出装置10は、センサ11によって取得される身体の複数の領域における時系列のデータから、複数の領域のそれぞれに対応する脈波波形を抽出する。また、脈波算出装置10は、時系列の区間ごとに、脈波波形のそれぞれの自己相関係数を算出する。また、脈波算出装置10は、脈波波形のそれぞれの、基準の波形との差分を算出する。また、脈波算出装置10は、区間ごとに、脈波波形から、自己相関係数が閾値以上である脈波波形のいずれかを選択する。また、脈波算出装置10は、選択した脈波波形を、差分を用いて補正する。このように、脈波算出装置10は、複数の時系列のデータを基に脈波を算出することができる。このため、脈波算出装置10は、仮に複数のデータのうち一部のデータにノイズが多く発生している区間があったとしても、他のデータで当該区間の脈波を補うことができる。このため、脈波算出装置10は、解析に適した脈波を連続的に得ることができる。
また、脈波算出装置10は、カメラによって撮影された身体の動画像のデータから脈波波形を抽出する。これにより、脈波算出装置10は、光電脈波センサを使うことが困難な状況であっても、解析に適した脈波を得ることができる。
また、脈波算出装置10は、抽出部132は、カメラによって撮影された身体の動画像のデータから脈波波形を抽出する。また、脈波算出装置10は、データに対し、波長成分別の輝度の統計処理、及び脈波が取り得る周波数バンドを指定したバンドパスフィルタリング処理のうちの少なくともいずれかを行うことで脈波波形を抽出する。これにより、脈波算出装置10は、カメラで撮影した画像に発生するノイズを除去し、精度良く脈波を算出することができる。
また、脈波算出装置10は、脈波波形のゼロクロス点、極大点及び極小点に対応する時刻を開始時刻及び終了時刻とする区間ごとに自己相関係数を算出する。これにより、脈波算出装置10は、区間を容易に設定することができる。
また、脈波算出装置10は、脈波波形の基準の波形との位相差及び振幅比率を算出する。また、脈波算出装置10は、位相差及び振幅率を基に、選択した脈波波形の位相及び振幅を補正する。これにより、脈波算出装置10は、複数の部位の脈波波形に遅延や強度の差分が生じていたとしても、当該差分を補正して解析用の脈波波形を生成することができる。
また、脈波算出装置10は、自己相関係数が閾値以上である脈波波形のうち、領域のそれぞれにあらかじめ指定された順位が最も高い領域に対応する脈波波形を選択する。これにより、脈波算出装置10は、基準として望ましい部位がある場合、当該部位の脈波波形を選択しやすくなる。
[他の実施例]
これまで、図1に示すように、脈波算出装置10がセンサ11及び出力部14を備える場合の例について説明した。一方で、本発明の脈波算出装置は、図20に示すような他の構成によって実現されてもよい。図20は、他の実施例に係る脈波算出装置の利用シーンの一例を示す図である。図20に示すように、脈波算出装置10aは、ネットワークNに接続されたサーバである。また、ネットワークNには、撮影装置20及び出力装置30が接続されている。例えば、撮影装置20は、スマートフォン及びWebカメラ等である。また、出力装置30は、スマートフォン及びパーソナルコンピュータ等である。
これまで、図1に示すように、脈波算出装置10がセンサ11及び出力部14を備える場合の例について説明した。一方で、本発明の脈波算出装置は、図20に示すような他の構成によって実現されてもよい。図20は、他の実施例に係る脈波算出装置の利用シーンの一例を示す図である。図20に示すように、脈波算出装置10aは、ネットワークNに接続されたサーバである。また、ネットワークNには、撮影装置20及び出力装置30が接続されている。例えば、撮影装置20は、スマートフォン及びWebカメラ等である。また、出力装置30は、スマートフォン及びパーソナルコンピュータ等である。
また、脈波算出装置10aは、実施例1の脈波算出装置10と同等の機能を有する。ただし、脈波算出装置10aは、撮影装置20によって取得された動画像データをネットワークNを介して取得する。また、脈波算出装置10aは、動画像データを基に算出した脈波波形等を、ネットワークNを介して出力装置30に送信する。そして、出力装置30は、脈波波形等を出力する。
[システム]
また、各実施例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、各実施例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図2に示す相関算出部134と差分算出部135とを統合してもよい。また、図2に示す抽出部132を、ノイズ領域抽出部132a及び脈波領域抽出部132bに分散してもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、プロセッサ及び当該プロセッサにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図21は、脈波算出プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
コンピュータ100は、操作部110aと、センサ110bと、ディスプレイ120と、通信部130とを有する。さらに、このコンピュータ100は、プロセッサ150と、ROM(Read Only Memory)160と、外部記憶装置170と、RAM(Random Access Memory)180とを有する。これら110~180の各部はバス140を介して接続される。
RAM180の一例としては、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等のメモリが挙げられる。プロセッサ150の一例としては、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)等が挙げられる。
外部記憶装置170には、図21に示すように、上記の実施例で示した各機能部と同様の機能を発揮する脈波算出プログラム170aがあらかじめ記憶される。この脈波算出プログラム170aについては、図2に示した各々の構成要素と同様、適宜統合又は分離しても良い。すなわち、外部記憶装置170に格納される各データは、常に全てのデータが外部記憶装置170に格納される必要はなく、処理に必要なデータのみが外部記憶装置170に格納されればよい。
そして、プロセッサ150が、脈波算出プログラム170aを外部記憶装置170から読み出してRAM180に展開する。これによって、図21に示すように、脈波算出プログラム170aは、脈波算出プロセス180aとして機能する。この脈波算出プロセス180aは、外部記憶装置170から読み出した各種データを適宜RAM180上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開した各種データに基づいて各種処理を実行する。なお、脈波算出プロセス180aは、図2に示した各機能部にて実行される処理、例えば図13から図19に示す処理を含む。また、プロセッサ150上で仮想的に実現される各処理部は、常に全ての処理部がプロセッサ150上で動作する必要はなく、処理に必要な処理部のみが仮想的に実現されればよい。
なお、上記の脈波算出プログラム170aについては、必ずしも最初から外部記憶装置170やROM160に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ100に挿入される「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させることができる。可搬用の物理媒体は、フレキシブルディスク、いわゆるFD、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク、IC(Integrated Circuit)カード等の任意の媒体を採用できる。そして、コンピュータ100がこれらの可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WAN等を介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等に各プログラムを記憶させておき、コンピュータ100がこれらから各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
10、10a 脈波算出装置
11 センサ
12 記憶部
13 制御部
14 出力部
20 撮影装置
30 出力装置
121 差分情報
131 取得部
132 抽出部
133 設定部
134 相関算出部
135 差分算出部
136 選択部
137 補正部
138 出力制御部
11 センサ
12 記憶部
13 制御部
14 出力部
20 撮影装置
30 出力装置
121 差分情報
131 取得部
132 抽出部
133 設定部
134 相関算出部
135 差分算出部
136 選択部
137 補正部
138 出力制御部
Claims (8)
- センサによって取得される身体の複数の領域における時系列のデータから、前記複数の領域のそれぞれに対応する脈波波形を抽出する抽出部と、
時系列の区間ごとに、前記脈波波形のそれぞれの自己相関係数を算出する相関算出部と、
前記脈波波形のそれぞれの、基準の波形との差分を算出する差分算出部と、
前記区間ごとに、前記脈波波形から、前記自己相関係数が閾値以上である脈波波形のいずれかを選択する選択部と、
前記選択部によって選択された脈波波形を、前記差分を用いて補正する補正部と、
を有することを特徴とする脈波算出装置。 - 前記抽出部は、カメラによって撮影された前記身体の動画像のデータから前記脈波波形を抽出することを特徴とする請求項1に記載の脈波算出装置。
- 前記抽出部は、前記データに対し、波長成分別の輝度の統計処理、及び脈波が取り得る周波数バンドを指定したバンドパスフィルタリング処理のうちの少なくともいずれかを行うことで前記脈波波形を抽出することを特徴とする請求項2に記載の脈波算出装置。
- 前記相関算出部は、前記脈波波形のゼロクロス点、極大点及び極小点に対応する時刻を開始時刻及び終了時刻とする区間ごとに前記自己相関係数を算出することを特徴とする請求項1に記載の脈波算出装置。
- 前記差分算出部は、前記脈波波形の基準の波形との位相差及び振幅比率を算出し、
前記補正部は、前記位相差及び前記振幅率を基に、前記選択部によって選択された脈波波形の位相及び振幅を補正することを特徴とする請求項1に記載の脈波算出装置。 - 前記選択部は、前記自己相関係数が閾値以上である脈波波形のうち、前記領域のそれぞれにあらかじめ指定された順位が最も高い領域に対応する脈波波形を選択することを特徴とする請求項1に記載の脈波算出装置。
- コンピュータが、
センサによって取得される身体の複数の領域における時系列のデータから、身体の複数の領域のそれぞれに対応する脈波波形を抽出し、
時系列の区間ごとに、前記脈波波形のそれぞれの自己相関係数を算出し、
前記脈波波形のそれぞれの、基準の波形との差分を算出し、
前記区間ごとに、前記脈波波形から、前記自己相関係数が閾値以上である脈波波形のいずれかを選択し、
前記選択する処理によって選択された脈波波形を、前記差分を用いて補正する、
処理を実行することを特徴とする脈波算出方法。 - コンピュータに、
センサによって取得される身体の複数の領域における時系列のデータから、前記複数の領域のそれぞれに対応する脈波波形を抽出し、
時系列の区間ごとに、前記脈波波形のそれぞれの自己相関係数を算出し、
前記脈波波形のそれぞれの、基準の波形との差分を算出し、
前記区間ごとに、前記脈波波形から、前記自己相関係数が閾値以上である脈波波形のいずれかを選択し、
前記選択する処理によって選択された脈波波形を、前記差分を用いて補正する、
処理を実行させることを特徴とする脈波算出プログラム。
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