JP6487641B2 - スタイリング化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、スタイリング化粧料に関し、詳細にはハードなセット力を発揮しつつリッジ感のあるウェーブをつくることができ、しかも耐湿性が高く、フレーキングの発生を抑えることのできるスタイリング化粧料に関するものである。
近年、毛髪にツヤ感を付与するヘアスタイルが流行している。それに伴い、ツヤ感を付与できるジェル状スタイリング化粧料の使用場面が多様化しており、ミディアムヘアにあってもハードタイプのジェルを使用し、綺麗なツヤと毛流れを付与するスタイリング方法が提案されている(例えば、非特許文献1、2)。
スタイリング化粧料としては、合成樹脂化合物を基剤とする高分子化合物含有スタイリング化粧料が主流となっている。こうした高分子化合物含有スタイリング化粧料で用いられる合成樹脂化合物として、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性系等、様々な樹脂化合物が提案されている。このうち、特にノニオン系樹脂化合物であるポリビニルピロリドンによって形成される皮膜は硬く、高いセット力を発揮することが知られている。
ポリビニルピロリドンの配合は、上記のような利点を有する反面、施術後に皮膜が壊れて白い粉が出るという現象(以下、「フレーキング」と呼ぶことがある)が発生しやすいことが指摘されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1では、ポリビニルピロリドンの配合は、保湿力が高いため湿気に弱く、高湿度条件下では皮膜が柔らかくなり、セット力の低下やベタつきが生じることも指摘している。
こうした課題を解決すべく、上記特許文献1では、所定の化学式で示される分子量が50000〜500000の両性高分子化合物と、所定の化学式で示される分子量が500〜10000の水溶性油状オリゴマーとを必須成分として含有する毛髪化粧料組成物を提案している。
このような技術の開発によって、「施用後の毛髪にゴワつきのない弾力性のある良好な風合いを付与し、しかもセット性および高湿度下におけるセット保持性が良好で、さらにはフレーキングが発生しにくく、且つ良好な硬度を備えた皮膜を毛髪の表面に形成することができる」という効果が発揮できることを示している。
上記特許文献1の技術では、ポリビニルピロリドンを使用することによる不都合を、別の成分を組み合わせて使用することによって解消するという点においては有用である。しかしながら、こうした技術においても近年の要求特性を必ずしも満足しているとはいえない状況である。近年のスタイリング化粧料には、上記のような要求特性の他に、「リッジ感のあるウェーブをつくることができる」という特性を満足することも必要である。尚、「リッジ」とは、本来は「Sカールの連続した毛束における山部」の意味であるが、「リッジ感があるウェーブ」とは、「くっきりと大きく形成されたウェーブ」という意味で使用されている。即ち、これまで提案されているスタイリング化粧料では、「ハードなセット力を発揮しつつリッジ感のあるウェーブをつくる」という要求特性を十分に満足しているとはいえない状況である。
ところで、ハードタイプのジェルは、セット力を発揮する樹脂そのものがエタノールに溶けている場合が多く、さらに製品にもエタノールを高濃度で配合(例えば、20質量%以上)しているため、速乾性タイプのものが多い。そのためパーマスタイル等のミディアムヘアに塗布する場合、塗布中に乾燥が始まりひっかかりが生じるという欠点がある。そこで、一旦髪を水で濡らしウェット状態にすることで、塗布中の乾燥を抑え均一に塗布しやすくしたり、塗布後もスタイルを動かせるようにするという工夫もなされている。こうしたことから、スタイリング化粧料には、必要によって、スタイルをつくり込むまでの時間が適切に制御でき、パーマスタイル等のミディアムヘアであってもドライ状態から塗布することが容易であるような特性も要求される。
メンズプレッピー 7月号 p33、34、39、40 株式会社プレアレスセンタ 2013年7月1日発行 メンズプレッピー 11月号 p14、15、23 株式会社プレアレスセンタ 2013年11月1日発行
特開平7−309728公報
本発明はこうした状況の下でなされたものであり、その目的は、ハードなセット力を発揮しつつ、リッジ感のあるウェーブをつくることができ、しかも耐湿性が高く、フレーキングの発生を抑えることができるようなスタイリング化粧料を提供することにある。
上記目的を達成することができた本発明のスタイリング化粧料とは、(A)重量平均分子量が160万〜500万のポリビニルピロリドンを、スタイリング化粧料全体に対する割合(以下、同じ)で8質量%未満(0質量%を含まない)含有すると共に、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体を3質量%以下(0質量%を含まない)含有し、且つ前記(A)ポリビニルピロリドンと(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の質量比[(A):(B)]が100:1〜1:2であると共に、これらの合計含有量[(A)+(B)]が2〜8質量%である点に要旨を有する。
本発明のスタイリング化粧料は、必要によって、(C)エタノールをスタイリング化粧料全体に占める割合で10質量%以下含有させることも好ましい。これによって、ヘアスタイルを作り込むまでの時間を適切に制御できるという効果が発揮される。
また、本発明のスタイリング化粧料には、必要によって、(D)カルボキシビニルポリマーをスタイリング化粧料全体に占める割合で0.5質量%以下含有させることも好ましい。これによって、スタイリング化粧料に粘性を持たせて、毛髪に塗布しやすくすると共に、操作性を向上させることが可能となる。
本発明では、(A)重量平均分子量が160万〜500万のポリビニルピロリドン、および(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体を、夫々の含有量および合計含有量を適切に規定すると共に、それらの割合(質量比)を厳密に規定することによって、ハードなセット力を発揮しつつリッジ感のあるウェーブをつくることができ、しかも耐湿性が高く、フレーキングの発生を抑えたスタイリング化粧料が実現できた。
本発明のスタイリング化粧料では、(A)重量平均分子量が160万〜500万のポリビニルピロリドン(以下、「(A)成分」と呼ぶことがある。)と、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体(以下、「(B)成分」と呼ぶことがある)を夫々含有し、これらの含有量(各成分の含有量および合計含有量)や質量比を厳密に規定したものである。
本発明のスタイリング化粧料で用いる(A)成分は、その重量平均分子量が160万〜500万のポリビニルピロリドンである。このポリビニルピロリドンの重量平均分子量が大きくなるほど、セット力が向上し、使用後の手のベタつきを低減できる。こうした観点から、(A)成分の重量平均分子量は160万以上とする必要がある。500万を超えると、効果的なセット力が飽和し、経済的に無駄になるので、重量平均分子量は500万以下で良い。尚、(A)成分の重量平均分子量の好ましい下限は180万以上であり、より好ましくは200万以上である。また、(A)成分の重量平均分子量の好ましい上限は400万以下であり、より好ましくは300万以下である。
上記(A)成分の含有量は、スタイリング化粧料全体に対する割合で8質量%未満(0質量%を含まない)とする必要がある。(A)成分の含有量を8質量%以上としても、その含有量に比例した効果が発揮されず、却ってフレーキングが起こりやすくなる。(A)成分の含有量の好ましい上限は、7質量%以下であり、より好ましくは6質量%以下である。また、上記の効果を発揮させる上で、(A)成分の含有量の好ましい下限は1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上である。
ポリビニルピロリドンは、「PVP」と略称されることがある吸湿性の高い水溶性ポリマーである。その重量平均分子量の違いによって様々な用途で使用されており、重量平均分子量の小さいものは、スキンケア等の保湿剤として汎用される。一方、分子量が高くなるにつれて油溶性が高まり、またセット力が高くなるので、ヘアスタイリング化粧料の皮膜形成剤等として好ましい。本発明で用いる(A)成分の市販品としては、例えば重量平均分子量が200万〜300万である「PVP K−120」(商品名:アイエスピー・ジャパン株式会社製)が挙げられる。
スタイリング化粧料にポリビニルピロリドンを使用すると、フレーキングが発生しやすいことは従来技術で指摘した通りである。またポリビニルピロリドンの使用は、保湿力が高いため湿気に弱く、高湿度条件下では皮膜が柔らかくなり、セット力の低下やベタつきが生じることも指摘されている。本発明では、このようなポリビニルピロリドンに対し、(B)成分を所定量および所定の割合となるように配合することによって、これらの不都合が生じないばかりか、「ハードなセット力を発揮しつつリッジ感のあるウェーブをつくることができる」という効果も発揮される。
上記(B)成分の含有量は、スタイリング化粧料全体に対する割合で3質量%以下(0質量%を含まない)とする必要がある。(B)成分の含有量が3質量%を超えると、(B)成分特有の粘着性が高まるため、リッジ感のあるウェーブが作りにくくなる。好ましい上限は2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。上記の効果を発揮させる上で、(B)成分の含有量の好ましい下限は、0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。
(B)成分は、主にスタイリング化粧料のセット剤として使用され、粘着性が高く、毛髪上に疎水性の硬い皮膜を形成することで毛髪へのセット力、耐湿性を高める効果を発揮することが知られているが、上記(A)成分との適切な組み合わせでは使用されていない。(B)成分の市販品としては、例えば「ユカフォーマー 301」、「ユカフォーマー AM−75」(いずれも商品名:三菱化学株式会社製)、「RAMレジン」(商品名:大阪有機化学工業株式会社製)、等を挙げることができる。
本発明のスタイリング化粧料は、(A)成分と(B)成分の質量比[(A):(B)]も適切な範囲(100:1〜1:2)に制御する必要がある。(A)成分の含有量が、(B)成分の含有量1に対して100を超えると、フレーキングが起こりやすくなるばかりか、(B)成分による効果が発揮されず、耐湿性が悪くなる。また(B)成分の含有量が、(A)成分の含有量1に対して2を超えると、(B)成分特有の粘着性が高まり、リッジ感のあるウェーブがつくりにくくなるおそれがある。この質量比[(A):(B)]の好ましい上限は、1:1以下であり、より好ましくは1:0.5以下である。また好ましい下限は、50:1以上であり、より好ましくは30:1以上である。
本発明のスタイリング化粧料においては、上記(A)成分と(B)成分の合計含有量[(A)+(B)]を2〜8質量%とする必要がある。この合計含有量[(A)+(B)]が2質量%未満になると、形成される皮膜の硬度が低くなり、セット力が十分に発揮されない。合計含有量[(A)+(B)]が8質量%を超えると、その含有量に比例したセット力の効果が得られない。合計含有量[(A)+(B)]の好ましい下限は3質量%以上であり、より好ましくは4質量%以上である。また合計含有量[(A)+(B)]の好ましい上限は7質量%以下であり、より好ましくは6質量%以下である。
本発明のスタイリング化粧料には、必要によって、(C)エタノールを含有することも有効である。(C)エタノールの含有量は、その効果が発揮されれば特に限定されないが、スタイリング化粧料全体に対する割合で10質量%以下であり、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下である。(C)エタノールの含有量が10質量%を超えると、スタイリング化粧料の乾燥が速くなり、髪への塗布中に乾燥し始め引っかかりが生じるため好ましくない。また均一に塗布しづらくなり、ウェーブのリッジ感が出づらくなるため好ましくない。適切量の(C)エタノールの含有は、スタイリング化粧料を塗布した後の毛髪の乾燥速度に寄与し、ヘアスタイルを作り込むまでに適した時間となるよう調節することができる。(C)エタノールを含有するときの好ましい下限は、スタイリング化粧料全体に対する割合で1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上である。
本発明のスタイリング化粧料には、必要によって(D)カルボキシビニルポリマーを含有させても良い。(D)カルボキシビニルポリマーを含有させるときの含有量は、その効果が発揮されれば特に限定されないが、好ましくはスタイリング化粧料全体に対する割合で0.5質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以下である。(D)カルボキシビニルポリマーの含有量が0.5質量%を超えると、粘度が高くなりすぎて髪への均一塗布が困難となるため好ましくない。(D)カルボキシビニルポリマーを含有させるときの好ましい下限は、スタイリング化粧料全体に対する割合で0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上である。
(D)カルボキシビニルポリマーは、主にアクリル酸の重合体であり、増粘剤のほかに分散剤、乳化安定剤として市販もされている。(D)カルボキシビニルポリマーの市販品としては、「Carbopol 934、940、941、980、981」、「Carbopol Ultrez 10 Polymer」、「Carbopol Ultrez 20 Polymer」、「Carbopol Ultrez 21 Polymer」(いずれも商品名:日本ルーブリゾール株式会社製)等を挙げることができる。
(D)カルボキシビニルポリマーは、スタイリング化粧料において、主として粘性を持たせて毛髪に塗布しやすくすると共に、操作性を向上させるものである。(D)カルボキシビニルポリマーは、通常、塩基性物質で中和して用いられる。塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、アルギニンなどの塩基性アミノ酸などが例示される。塩基性物質の添加量は、カルボキシビニルポリマーを中和するのに充分な量であり、これら成分の種類や使用量に応じて適宜含有すればよい。
尚、本発明のスタイリング化粧料は、上記(A)成分と(B)成分の他に、必要によって、(C)エタノールや(D)カルボキシビニルポリマー、更には後述する各種添加剤も含み得るものであるが、上記(A)成分と(B)成分の適切な含有量範囲は、上記各成分を含んでいる場合であっても同じである。
本発明のスタイリング化粧料には、上記成分以外にもスタイリング化粧料に通常添加される成分(添加剤)を含有することができる。こうした添加剤としては、タンパク質類、アミノ酸類、紫外線吸収剤、保湿剤、油脂類、ラノリン類、高級アルコール類、生薬類、シリコーン類、界面活性剤(カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤)、可溶剤、増粘剤(カルボキシビニルポリマーを除く)、ビタミン類、消臭剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤、溶剤(エタノールを除く)、酸化防止剤、植物抽出液、香料、色素などを挙げることができ、これらを適宜含有することができる。
本発明のスタイリング化粧料は、ジェル剤型であることが好ましいが、ジェル剤型以外に、液状、乳液、クリーム、スプレー、フォーム剤型などでも利用することができる。
次に、実施例によって本発明をより具体的に示すが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前記、後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
下記表1に示す各種配合割合で各種原料を配合して、各種スタイリング化粧料を調製した(処方例1〜6)。これらのスタイリング化粧料を用いて毛髪を処理したときに、「セット力」、「リッジの出易さ(リッジ感)」、「耐湿性」、「フレーキングの抑制力」について、下記の方法で評価した。尚、表1中、「Mw」は「重量平均分子量」であることを意味する(表2〜6においても同じ)。
<セット力の評価方法>
試験用ウィッグ(毛髪の長さ:20cm)の一部に、各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例1〜6)1gを塗布し、毛髪に均一にのばした。その後毛髪を根元から立ち上げたときのセット力を、専門パネラー10名により下記の3段階で官能評価し、評価点の合計値を求め、下記の評価基準で判定した。
3点:非常に立ち上げ易い
2点:立ち上げ易い
1点:立ち上げにくい
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
(パーマスタイルの試験用ウィッグの作製)
試験用ウィッグ(毛髪の長さ:20cm)を用い、直径20mmのロッドで巻いた後、パーマ剤第1剤「カールエックス CYA−1T」(商品名:中野製薬株式会社製)を塗布し室温で10分間放置し水洗した。その後、パーマ剤第2剤「カールエックス SC−2」(商品名:中野製薬株式会社製)を塗布し10分間放置後水洗し、パーマ処理を行った。作製した試験用ウィッグを完全に乾燥させた後、以下の評価に用いた。
<リッジの出易さ(リッジ感)の評価方法>
各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例1〜6)5gを手に取り、のばした後、上記方法で作製したパーマスタイルの試験用ウィッグの毛髪に、均一に塗布しスタイルをつくった。できあがったスタイルのリッジ感を、専門パネラー10名により下記の3段階で官能評価し、評価点の合計値を求め、下記の評価基準で判定した。
3点:非常にリッジが出易い(しっかりとしたウェーブが出る)
2点:リッジが出易い(ウェーブが出る)
1点:リッジが出にくい(ウェーブが出にくい)
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
(耐湿性試験用毛束の作製)
化学的処理(例えば、パーマ処理、ヘアカラー処理、ブリーチ処理等)を全く受けていない毛髪を用いて、長さ約20cm、重さ1gの試験用毛束を作製し、完全に乾燥させた後に下記の評価に用いた。
<耐湿性の評価方法>
試験用毛束に各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例1〜6)0.5gを塗布し、くしで毛髪に均一にのばした。その後ロッド(直径12mm)に重ならないように巻きつけ固定し、60℃で30分間乾燥させ、カールを形成した。その後、20℃、湿度60%で1時間以上放置、冷却し、ロッドから毛髪を外した。カールを形成した毛髪を、30℃、湿度90%で1時間放置した後、その自然長を測定し、下記の計算式より耐湿性(カール保持率)を算出した。このとき、カール形成直後の長さ(自然長:吊した状態での長さ)を100%とし、1時間放置後の自然長が長くなるにつれて、耐湿性が低くなると評価できるものである。そして、下記の評価基準で判定した。
耐湿性(カール保持率、%)=(L/L)×100
:カールを形成した直後の毛束長(cm)
L:カールを形成した毛髪を、30℃、湿度90%で1時間放置した後の毛束長(cm)
[評価基準]
◎:130%未満
○:130%以上160%未満
△:160%以上190%未満
×:190%以上
(フレーキング抑制力試験用毛束の作製)
化学的処理(例えば、パーマ処理、ヘアカラー処理、ブリーチ処理等)を全く受けていない毛髪を用いて、長さ約20cm、重さ8gの試験用毛束を作製し、完全に乾燥させた後に下記の評価に用いた。
<フレーキング抑制力の評価方法>
試験用毛束に各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例1〜6)2gを塗布し、くしで毛髪に均一にのばした。その後、20℃、湿度60%で24時間以上調湿し、毛髪をくしで根元から毛先へ連続して10回コーミングし、毛髪上のフレーキングを専門パネラー10名により目視評価で下記の3段階評価し、評価点の合計値を求め、下記の評価基準で判定した。
3点:フレーキングがほとんど認められない
2点:フレーキングが少し認められる
1点:フレーキングが非常に多く認められる
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
これらの結果を、スタイリング化粧料の処方例(処方例1〜6)と共に、下記表1に示す。
Figure 0006487641
この結果から、次のように考察できる。(A)重量平均分子量が200万〜300万のポリビニルピロリドンと、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体を用いた場合のみ、十分なセット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力を得られることがわかる(処方例1)。これに対して、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の代わりに、他の合成樹脂化合物(水溶性油状オリゴマー)を配合したものでは(処方例2〜6)、上記の特性のいずれかが劣化していることがわかる。
[実施例2]
下記表2に示す各種スタイリング化粧料(処方例7〜10)を用いて、実施例1と同様に評価[セット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力]すると共に、下記の方法によって「使用後の手のベタつきにくさ」を評価した。
<使用後の手のベタつきにくさの評価方法>
各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例7〜10)0.1gを手のひらで伸ばし、乾燥させた後の手のベタつきを専門パネラー10名により、下記の3段階で官能評価し、評価点の合計値を求め、以下の評価基準で判定した。
3点:全くベタつかない
2点:ほとんどベタつかない
1点:ベタつく
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
これらの結果を、スタイリング化粧料の処方例(処方例7〜10)と共に、下記表2に示す。
Figure 0006487641
この結果から、次のように考察できる。ポリビニルピロリドンの重量平均分子量(Mw)が大きくなるほど、セット力がより向上し、使用後の手のベタつきが低減することがわかる(処方例7〜10)。
[実施例3]
下記表3、4に示す各種スタイリング化粧料(処方例11〜30)を用いて、実施例1と同様に評価[セット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力]した。これらの結果を、スタイリング化粧料の処方例(処方例11〜30)と共に、下記表3、4に示す。
Figure 0006487641
Figure 0006487641
これらの結果から、次のように考察できる。(A)ポリビニルピロリドン単独で用いた場合(処方例11、16、21)、(A)ポリビニルピロリドンの含有量が9質量%となった場合(処方例11〜15:合計含有量[(A)+(B)]9質量%以上)、または(A):(B)=200:1となった場合(処方例26)、フレーキングの抑制力が低下していることがわかる。
これ対して、(A)ポリビニルピロリドン単独ではなく、適量の(A)ポリビニルピロリドンと、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体を併用して処方例(処方例17〜20、22〜25、27〜30)では、耐湿性、フレーキングの抑制力が向上することがわかる。
また(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の含有量1に対し、(A)ポリビニルピロリドンの含有量が70以下の場合、耐湿性、フレーキングの抑制力がより向上することがわかる(処方例17〜20、22〜25、27〜30)。また(A)ポリビニルピロリドンと、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の合計含有量が2%以上の場合十分なセット力が得られ、4%以上になるとよりセット力が向上することがわかる(処方例17〜20、22〜25、27〜30)。
更に、(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の含有量が3質量%を超えると、ウェーブのリッジが出難くなることがわかる(処方例15、20、25、30)。
[実施例4]
下記表5に示す各種スタイリング化粧料(処方例31〜37)を用いて、実施例1と同様に評価[セット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力]すると共に、下記の方法によってスタイルをつくり込むまでの時間を評価した。
<スタイルをつくり込むまでの時間の評価>
実施例1に示した方法で作製したパーマスタイルの試験用ウィッグに、各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例31〜37)5gを手に取り、のばした後、毛髪に均一に塗布しスタイルをつくった。スタイリングを終えるまでの時間(5〜10分程度)を設定し、スタイルをつくり込むまでの時間を、専門パネラー10名により各自の判断で下記の2段階で評価し、評価点の合計値を求め、以下の評価基準で判定した。3点×10人=30点を満点評価とする主旨で、時間評価を3点と1点のいずれかで答えてもらうこととした。
3点:ちょうど良い
1点:悪い
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
これらの結果を、スタイリング化粧料の処方例(処方例31〜37)と共に、下記表5に示す。
Figure 0006487641
この結果から、次のように考察できる。(C)エタノールの含有量が10質量%以下の場合(処方例31〜34)、スタイルをつくり込むまでの時間がちょうど良くなることがわかる。特に、(C)エタノールの含有量が6質量%以下となった場合(処方例31〜33)、スタイルをつくり込むまでの時間が最も良くなることがわかる。これに対して、(C)エタノールの含有量が10質量%を超えた場合(処方例35〜37)、スタイリング化粧料を塗布した後の毛髪の乾燥速度が速すぎるため、好ましくないことが分かる。
[実施例5]
下記表6に示す各種スタイリング化粧料(処方例38〜42)を用いて、実施例1と同様に評価[セット力、リッジの出易さ、耐湿性、フレーキングの抑制力]すると共に、下記の方法によって塗布感(毛髪へのなじみやすさ)を評価した。
<塗布感の評価方法>
試験用ウィッグ(毛髪の長さ:20cm)に、各処方例で調製したスタイリング化粧料(処方例38〜42)5gを手に取り、のばした後、毛髪に均一に塗布した。その際の塗布感を、専門パネラー10名により下記の3段階で官能評価し、評価点の合計値を求め、以下の評価基準で判定した。
3点:非常に塗布しやすい(均一に塗布しやすく毛髪へのなじみが良い)
2点:塗布しやすい(毛髪へのなじみが良い)
1点:塗布しにくい(均一に塗布しづらく毛髪へのなじみが悪い)
[評価基準]
◎:26点〜30点
○:21点〜25点
△:16点〜20点
×:15点以下
Figure 0006487641
この結果から、次のように考察できる。(D)カルボキシビニルポリマーの含有量が0.5質量%を超えると(処方例41、42)、粘度が高まり塗布感が低下することがわかる。これに対して、(D)カルボキシビニルポリマーの含有量が0.5質量%以下の場合(処方例38〜40)、塗布感が良好になっていることがわかる。

Claims (2)

  1. (A)重量平均分子量が160万〜500万のポリビニルピロリドンを、スタイリング化粧料全体に対する割合(以下、同じ)で8質量%未満(0質量%を含まない)、
    (B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体を3質量%以下(0質量%を含まない)、更に
    (C)エタノールを1〜8質量%
    含有し、且つ
    前記(A)ポリビニルピロリドンと(B)N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体の質量比[(A):(B)]が100:1〜1:2であると共に、これらの合計含有量[(A)+(B)]が2〜8質量%であることを特徴とするスタイリング化粧料。
  2. (D)カルボキシビニルポリマーを0.5質量%以下含有する請求項1記載のスタイリング化粧料。
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