本発明の実施の形態にかかる美容装置は、使用者の肌に供給されるアルカリ液を貯留するアルカリ液貯留部と、前記アルカリ液貯留部に貯留されたアルカリ液が吐出されるアルカリ液吐出口を有するアルカリ液通路と、前記使用者の肌に前記アルカリ液を吐出するアルカリ液吐出機構と、を備えるものである。
そして、前記アルカリ液を吐出して前記使用者の肌の汚れを除去するプロセスが複数設定されているものである。
このように、アルカリ液を吐出して使用者の肌の汚れを除去するようにすれば、アルカリ液によって、毛穴等に固着された皮脂、角栓などのたんぱく質の加水分解が促進されて、毛穴等に固着した汚れを軟化させることができるため、毛穴等に固着した汚れをより容易に除去することができるようになる。そして、アルカリ液を吐出して使用者の肌の汚れを除去するプロセスとして複数のプロセスを設定すれば、例えば、肌の汚れを軟化させるプロセスや軟化させた汚れを除去するプロセス等を設定することができ、毛穴の汚れをより効率よく除去することが可能となる。
また、前記プロセスが、前記アルカリ液を所定の流速で吐出させる第1プロセスと、前記第1プロセスにおける前記アルカリ液の吐出流速よりも速い流速で前記アルカリ液を吐出させる第2プロセスと、を有するようにすることができる。
このように、アルカリ液を吐出して使用者の肌の汚れを除去するプロセスが、アルカリ液の吐出速度の異なる2つのプロセスを有するようにすれば、アルカリ液の肌への供給やアルカリ液による毛穴の汚れ除去等、プロセスに応じてアルカリ液の吐出速度を切り替えることが可能となる。その結果、毛穴の汚れをより効率よく除去することが可能となる。
また、前記第1プロセスが前記第2プロセスよりも先に行われるようにすることができる。
こうすれば、吐出速度が比較的遅い第1プロセスによってアルカリ液を肌に供給した後に、吐出速度が比較的速い第2プロセスによって毛穴の汚れ除去を行うことができるようになる。その結果、毛穴の汚れをより効率よく除去することが可能となる。
なお、毛穴の汚れを効率よく除去するためには、アルカリ液の肌への吐出速度をより速くすることが考えられるが、1つのプロセスのみを用いてアルカリ液を吐出する場合、吐出速度が速くなりすぎて肌に刺激を与えてしまうおそれがある。これに対して、吐出速度が比較的遅い第1プロセスの後に吐出速度が比較的速い第2プロセスを行うようにすれば、第2プロセスにおける肌への吐出速度を必要以上に速くすることなく、毛穴の汚れを除去することが可能となる。したがって、肌に与える刺激を極力抑制しつつ、毛穴の汚れをより効率よく除去することができるようになる。
また、前記第1プロセスが、内蔵されたタイマーにより所定時間がカウントされた際に終了するように設定することができる。
こうすれば、使用方法が簡便になって、美容装置の使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、タイマーを使用して第1プロセスを終了させるようにすれば、第1プロセスにかける時間が必要以上に長くなってしまったり、必要以上に短くなってしまったりすることを抑制することができる。
ところで、第1プロセスにかける時間が必要以上に長くなってしまうと、美容装置の使用時間が長くなってしまう上、第1プロセスを行う際に多くのアルカリ液を消費してしまうおそれがある。一方、第1プロセスにかける時間が必要以上に短くなってしまうと、アルカリ液が汚れと化学反応するために必要な時間(汚れを軟化させるために必要な時間)を確保することができず、毛穴の汚れ除去効果が低下してしまうおそれがある。
しかしながら、タイマーを使用して第1プロセスを終了させるようにすれば、必要以上の時間をかけることなく、アルカリ液が汚れと化学反応するために必要な時間を確保することができるようになる。すなわち、第1プロセスが行われる時間を、より最適な時間となるように設定することができる。
こうすれば、美容装置の使用時間の短縮化を図りつつ、毛穴の汚れ除去効果をより向上させることができるようになる。
なお、美容装置の使用時間の短縮化を図ることで、第1プロセスを行う際に消費されるアルカリ液の量や電力等を抑えることができるようになるため、アルカリ液や電力を無駄に消費してしまうのを抑制することができるようになる。このように、使用時間の短縮化を図り、アルカリ液や電力の消費量を抑えるようにすることで、1回の使用時にかかるコストを低減させることができるようになる。
また、前記アルカリ液の吐出を行うための洗浄釦を有し、前記洗浄釦を操作している時のみに前記アルカリ液の吐出が行われるようにすることができる。
こうすれば、使用者の意志によりアルカリ液を吐出させることができるようになるため、アルカリ液吐出口を肌に向けていない状態で、アルカリ液が意図せず吐出されてしまうことを抑制することができるようになる。すなわち、美容装置の使用時にアルカリ液が周囲に飛び散ってしまうのをより確実に抑制することができるようになる。その結果、より安心して美容装置を使用することができるようになって、美容装置の使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、本発明の実施の形態にかかる美容方法は、前記美容装置を用いて行われるものである。
この美容方法は、前記アルカリ液吐出機構によって前記使用者の肌に前記アルカリ液を所定の流速で吐出させることで、前記使用者の肌に前記アルカリ液を供給するアルカリ液供給工程を備えている。
さらに、美容方法は、前記アルカリ液供給工程の後に行われ、前記アルカリ液吐出機構によって前記使用者の肌に前記アルカリ液を前記所定の流速よりも速い流速で吐出させることで、前記使用者の肌を洗浄する肌洗浄工程を備えている。
こうすれば、アルカリ液供給工程で肌に供給されたアルカリ液によって毛穴等に固着した汚れを軟化させた後に、肌洗浄工程で吐出されたアルカリ液によって軟化した汚れを除去することができるようになるため、毛穴の汚れをより効率よく除去することができるようになる。また、肌洗浄工程では、軟化した汚れを除去することになるため、アルカリ液の吐出速度を必要以上に速くしなくても汚れを除去することができるようになる。したがって、肌に与える刺激を極力抑制しつつ、毛穴の汚れをより効率よく除去することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
また、以下では、通常使用時にアルカリ液吐出口が位置する側を美容装置の上側と規定して説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1にかかる美容装置10は、図1および図2に示すように、把持部21aが形成された本体部20と、本体部20の下部に着脱可能に取り付けられるタンクケース30と、本体部20の上部に着脱可能に取り付けられるノズル部40と、を備えている。
この美容装置10は、タンクケース30の内部に貯留されたアルカリ液L1を、ノズル部40の先端側に形成されたアルカリ液吐出口80aから使用者Uの肌Sに吐出させることで、使用者Uの肌Sに付着した汚れを除去する装置である。このように、アルカリ液L1を使用者Uの肌Sに吐出させるようにすれば、アルカリ液L1によって使用者Uの肌Sの毛穴に付着した皮脂、角栓などのたんぱく質の加水分解が促進されて、毛穴等に固着した汚れを軟化させることができるため、毛穴等に固着した汚れをより容易に除去することができるようになる。
以下、本実施の形態1にかかる美容装置10の具体的な構成について説明する。
本体部20は、絶縁性の合成樹脂で形成された細長い略筒状のケーシング21を備えており、このケーシング21の筒内に主要な構成要素が収容されている。
そして、ケーシング21の長手方向略中央部には、把持部21aが形成されている。本実施の形態1では、ケーシング21の長手方向略中央部、すなわち、ケーシング21の把持部21aとなる部位における後部(美容装置10の背面側)に、内側に向けて凸となるように湾曲させた凹部21bを形成している。このように、凹部21bを形成し、ケーシング21の把持部21aとなる部位を細くすることで、把持部21aの形状を手で握りやすい形状となるようにしている。
また、本実施の形態1では、タンクケース30をケーシング21に装着した状態で、美容装置10の底部に平坦面が形成されるようにしており、非使用時には、ノズル部40を上にした姿勢で美容装置10を静置できるようにしている。
そして、ケーシング21の上端部には、上側開口21cが形成されており、この上側開口21cにノズル部40のノズル本体部41を嵌挿することで、ノズル部40を本体部20の上部に着脱可能に取り付けることができるようにしている。本実施の形態1では、ケーシング21の背面側の上端部に突没可能な押釦22が取り付けられており、この押釦22を操作(例えば押し込み操作)することで、本体部20(ケーシング21)とノズル部40との結合を解除できるようにしている。なお、ノズル部40の本体部20への着脱方法はこれに限らず様々な方法とすることができる。例えば、ノズル部40を本体部20の上部にねじ込むことでノズル部40を本体部20に装着させるねじ込み式の着脱方法とすることができる。
一方、ケーシング21の下端部には、下側開口21dが形成されており、この下側開口21dにタンクケース30を下方から嵌挿することで、タンクケース30を本体部20の下部に着脱可能に取り付けることができるようにしている。このタンクケース30は、底壁部31と、底壁部31の周縁部から上方に向けて延設された周壁部32と、を有する有底筒状に形成されており、このタンクケース30の内部に、アルカリ液L1を貯留するアルカリ液貯留部33が形成されている。
上述したように、タンクケース30は、本体部20の下部に着脱可能に取り付けられており、タンクケース30を本体部20から取り外した状態で、アルカリ液貯留部33内にアルカリ液L1を貯留させるようになっている。そして、アルカリ液L1が貯留された状態のタンクケース30を下方から下側開口21dに嵌挿することで、美容装置10にアルカリ液L1を貯留させるようにしている。本実施の形態1では、アルカリ液貯留部33内に貯留できるアルカリ液L1の容量を80ml程度とすることで、使用者Uが女性や高齢者等であっても無理なく使用することができる重さとなるようにしている。また、本実施の形態1では、タンクケース30を透明または半透明となるように形成するとともに、ケーシング21におけるタンクケース30が装着される部位に上下方向に細長い液位窓23を設けることで、タンクケース30内のアルカリ液L1の液面を外部から視認できるようにしている。さらに、本実施の形態1では、タンクケース30の形状が、上方に大きく開口した形状になっており、タンクケース30内を容易に清掃することができるようになっている。
このアルカリ液貯留部33内に貯留させるアルカリ液L1は、例えば、pH調整用のアルカリ濃縮液L2を入れ、水道水等の液体L3を給液することで生成することができる。なお、給液する液体L3としては、常温の液体を用いることもできるが、40℃程度に加温された液体を用いることもできる。40℃程度の液体を給液した場合、タンパク質の分解がより促進されることとなるため、洗浄力(汚れ除去力)をより高めることができるようになる。また、アルカリ液貯留部33内にアルカリ液L1を貯留させる方法は上記の方法に限られるものではなく、例えば、予め用意したアルカリ液L1を、アルカリ液貯留部33内に直接貯留させるようにしてもよい。このとき、予め用意したアルカリ液L1を加温した後にアルカリ液貯留部33内に貯留させるようにすることもできる。
また、アルカリ液貯留部33内に貯留するアルカリ液L1は、pHが9〜12の範囲となるようにするのが好ましい。アルカリ液L1のpHを上記範囲とすれば、使用者Uの眼や肌Sへの刺激を抑制することができるためである。
アルカリ濃縮液L2は、例えば、主成分である水と、約0.1wt%のリン酸3ナトリウムと、約1wt%のリン酸水素2ナトリウムと、約3wt%のプロパンジオールと、を含む液体とすることができる。すなわち、主成分である水に、約0.1wt%のリン酸3ナトリウムと、約1wt%のリン酸水素2ナトリウムと、約3wt%のプロパンジオールと、を調合する(溶解させる)ことでアルカリ濃縮液L2を生成することができる。このようにして生成されたアルカリ濃縮液L2のpHは、約10.7となる。
なお、アルカリ濃縮液L2に水道水等の液体L3を給液することでアルカリ液L1を生成する際に、リン酸3ナトリウムおよびリン酸水素2ナトリウムを用いると、比較的少ない調合量で約pH10.5(pHが9〜12の範囲)となるアルカリ液L1を生成することができる。このように、アルカリ液L1を生成する際に用いられる試薬の調合量を少なくすれば、後述するアルカリ液通路80内の液が乾燥した際に生じる試薬の再結晶によって、アルカリ液通路80やアルカリ液吐出口80aが塞がれてしまうのを抑制することができるようになる。
また、リン酸3ナトリウムおよびリン酸水素2ナトリウムを用いることでpH緩衝能に優れたアルカリ液L1とすることができるようになる。すなわち、上記の成分を調合することで生成されたアルカリ液L1は、pH緩衝能を有する液体となっている。
このように、pH緩衝能を有するアルカリ液L1を美容装置10に用いれば、供給される肌Sの状態(肌SのpH)によってアルカリ液のpHが変化してしまうのを抑制することができるようになる。すなわち、アルカリ液L1が供給される前の肌Sの状態(肌SのpH)にかかわらず、肌Sに供給された状態におけるアルカリ液L1のpHが生成時の値(上記成分を含むアルカリ液L1では約10.5)から大きく外れてしまわないようにすることができる。
このように、肌Sに供給された状態におけるアルカリ液L1のpHの変化を極力少なくすることで、アルカリ液L1のpHが変化してしまうことに起因する洗浄力の低下を抑制することができるようになる。すなわち、アルカリ液L1にpH緩衝能を持たせるようにすれば、より安定した洗浄力を確保することができるようになる。
また、アルカリ液L1としてpH緩衝能を有する液体を用いれば、アルカリ液L1を希釈した際に生じるpHの変化も極力少なくすることができるため、希釈したアルカリ液L1を用いて肌Sの洗浄(汚れ除去)を行うことが可能となる。このように、希釈したアルカリ液L1を用いて肌Sの洗浄を行えるようにすれば、1回の洗浄で使用される試薬の量をより少なくすることができるようになるため、アルカリ液通路80やアルカリ液吐出口80aが塞がれてしまうのをより抑制することができるようになる。
アルカリ液L1を水で希釈する際には、常温水を用いることもできるが、40℃程度の加温水を用いることもできる。40℃程度の加温水を用いて希釈した場合、タンパク質の分解がより促進されることとなるため、洗浄力をより高めることができるようになる。
なお、アルカリ濃縮液L2もpH緩衝能を有する液体となっているため、アルカリ濃縮液L2に水道水等の液体L3を給液することでアルカリ液L1を生成する際に、給液する液体L3の影響を受け難くなるという利点がある。
また、プロパンジオールは液の抗菌作用および肌の保湿作用を有しているため、プロパンジオールが調合されたアルカリ液L1には、抗菌成分および保湿成分の両方の成分が含まれていることになる。
このように、アルカリ液L1をプロパンジオールが調合された液体とすれば、アルカリ液L1の保存性能を向上させることができる上、アルカリ液L1が供給された肌S(使用後の肌S)に与えられる刺激を低減させることができるようになる。
また、液の抗菌作用および肌の保湿作用を有するプロパンジオールを用いるようにすれば、すなわち、抗菌成分および保湿成分として同一の成分を用いるようにすれば、調合する試薬の種類および量を低減させることが可能となる。その結果、アルカリ液通路80内の液が乾燥した際に生じる試薬の再結晶によって、アルカリ液通路80やアルカリ液吐出口80aが塞がれてしまうのを抑制することができるようになる上、アルカリ液L1の生産性の向上を図ることができるようになる。
なお、アルカリ液L1は、上記の成分以外の成分を含んでいてもよい。また、アルカリ液L1は、上記の成分以外の成分、例えば、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとの組み合わせ、ピロリン酸2ナトリウムとピロリン酸3ナトリウムとの組み合わせ、プロピオン酸ナトリウム、AMPD(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール)等、様々な成分を用いて生成することができる。
そして、この美容装置10内には、アルカリ液貯留部33内に貯留されたアルカリ液L1が通過するアルカリ液通路80が形成されており、このアルカリ液通路80の下流端が、アルカリ液L1を美容装置10の外部に吐出させるアルカリ液吐出口80aとなっている。すなわち、アルカリ液貯留部33内に貯留されたアルカリ液L1は、アルカリ液通路80を通ってアルカリ液吐出口80aから吐出されるようになっている。
また、本実施の形態1では、アルカリ液貯留部33内に貯留されたアルカリ液L1を使用者Uの肌Sに吐出するアルカリ液吐出機構を美容装置10に設け、このアルカリ液吐出機構によってアルカリ液L1がアルカリ液吐出口80aから吐出されるようにしている。
具体的には、アルカリ液通路80の途中に、アルカリ液吐出機構としてのポンプ部50を設け、このポンプ部50を作動させることで、アルカリ液貯留部33内に貯留されたアルカリ液L1をアルカリ液吐出口80aから噴射させるようにしている。
本実施の形態1では、ポンプ部50は、本体部20に内蔵されており、このポンプ部50は、小型で高吐出力とすることが可能なダイアフラム式のポンプ51を備えている。さらに、ポンプ部50は、ダイアフラム式のポンプ51を駆動する電動モータ52を備えている。なお、ダイアフラム式のポンプ51の替わりにピストンポンプを用いるようにしてもよい。
また、電動モータ52は、電源としての蓄電池60に電気的に接続されており、当該蓄電池60の電力によって駆動するようになっている。なお、蓄電池60にはジャック61が電気的に接続されており、ジャック61を介してACアダプター等の図示せぬ外部電源から電気を供給することで、蓄電池60の充電が行われるようになっている。本実施の形態1では、通常時には、ジャック61が蓋24によって覆われるようにしており、蓄電池60への充電は、蓋24を取り外して、ジャック61をACアダプター等の図示せぬ外部電源に接続させることで行われるようにしている。
このように、本実施の形態1では、アルカリ液通路80の途中に、アルカリ液吐出機構としてのポンプ部50を設けているため、アルカリ液通路80は、アルカリ液貯留部33内に貯留されたアルカリ液L1をポンプ部50に供給する吸入側通路81を有することとなる。この吸入側通路81の先端(上流側端部)には、網目状のフィルタ81aが設けられており、異物がアルカリ液通路80内に侵入してしまうのを抑制できるようになっている。
また、アルカリ液通路80は、アルカリ液吐出口80aを有し、ポンプ部50内のアルカリ液L1が導入される吐出側通路82を有することとなる。この吐出側通路82は、ポンプ部50の下流側に連設されるケーシング内通路82aと、ノズル部40を本体部20の上部に取り付けた際に、ケーシング内通路82aの下流側に連通するノズル内通路82bと、で構成されている。そして、ノズル内通路82bの下流側にアルカリ液吐出口80aが形成されている。
このノズル部40は、図2および図3に示すように、本体部20の先端(アルカリ液L1が吐出される側)に着脱可能に取り付けられるものであり、本体部20の上側開口21cに嵌挿されるノズル本体部41を備えている。このノズル本体部41には、アルカリ液吐出口80aおよびアルカリ液吐出口80a側のノズル内通路82bが形成されている。なお、図3では、ノズル部40の全体が示されており、ノズル本体部41の取っ手部分(本体部20の上側開口21cに引っ掛けられる部分)が示されている。
また、ノズル部40は、略筒状の連結部材42を備えている。この連結部材42は、ノズル本体部41のノズル内通路82bに連設されるとともに、ノズル部40を本体部20の上部に取り付けた状態でケーシング内通路82aの下流側に連設される内部空間(ノズル内通路82bの一部)を有している。なお、連結部材42はノズル本体41に着脱可能に取り付けられており、ノズル内通路82bの掃除を容易に行えるようになっている。
さらに、ノズル部40は、美容装置10の使用時に使用者Uの肌Sに接触させる肌接触部43を備えている。この肌接触部43は、ノズル本体部41の取っ手部分よりも先端側(アルカリ液L1が吐出される側)に取り付けられている。なお、肌接触部43もノズル本体部41に着脱可能に取り付けられており、肌接触部43の掃除を容易に行えるようになっている。
また、本実施の形態1では、連結部材42の上流側にフィルタ44が設けられており、異物によってアルカリ液吐出口80aが目詰まりしてしまうのを抑制できるようにしている。このフィルタ44は、連結部材42の上流側に着脱可能に取り付けられており、連結部材42から取り外した状態でフィルタ44の掃除を行えるようにしている。なお、フィルタ44と連結部材42とを一体化させてもよい。
また、ノズル本体部41には、2つのアルカリ液吐出口80aが形成されている。本実施の形態1では、2つのアルカリ液吐出口80aは、ノズル部40の正面視(美容装置10をノズル部40が上方に位置するようにした状態におけるノズル部40の正面視)で、ピッチ約1.5mmで水平方向に並ぶように形成されている。また、各アルカリ液吐出口80aは、直径が約0.16mmの穴となっている。
このように、ノズル部40の正面視で、水平方向に並ぶように2つのアルカリ液吐出口80aを形成するようにすれば、アルカリ液L1の吐出時に干渉する干渉領域Rの下方にアルカリ液吐出口80aが形成されないようにすることができる(図8参照)。
ところで、図9に示すように、3つのアルカリ液吐出口80aを周方向に等間隔に配置すると、アルカリ液L1の吐出時に干渉する干渉領域Rの下方にアルカリ液吐出口80aが形成されてしまう。このように、干渉領域Rの下方にアルカリ液吐出口80aが形成されてしまうと、干渉領域Rの下方に位置するアルカリ液吐出口80aからのアルカリ液L1の吐出が、干渉領域Rから落下するアルカリ液L1によって妨げられてしまうおそれがある。
これに対して、本実施の形態1のように、干渉領域Rの下方にアルカリ液吐出口80aが形成されないようにすれば、一方のアルカリ液吐出口80aからのアルカリ液L1の吐出が、他方のアルカリ液吐出口80aから吐出されたアルカリ液L1によって妨げられてしまうのを抑制することができるようになる。こうすれば、より効率よく持続的にアルカリ液L1を各アルカリ液吐出口80aから吐出させることができるようになる。
なお、アルカリ液吐出口80aは、1つだけ設けるようにすることも可能であるし、3つ以上設けるようにすることも可能である。3つ以上のアルカリ液吐出口80aを設ける場合、上述したように、干渉領域Rの下方にアルカリ液吐出口80aが形成されないようにするのが好ましい。
また、本実施の形態1では、2つのアルカリ液吐出口80aのピッチを約1.5mmとしたものを例示したが、このピッチは、1.5mmよりも大きくすることもできるし小さくすることもできる。ただし、ピッチを小さくし過ぎると、各アルカリ液吐出口80aが他のアルカリ液吐出口80aによる干渉を受けやすくなってしまうため、2つのアルカリ液吐出口80aは、他方のアルカリ液吐出口80aによる干渉を極力受けることがないように離した状態で形成するのが好ましい。また、ピッチを大きくし過ぎると、肌接触部43が大きくなってしまい、美容装置10の使い勝手が悪くなってしまうため、ピッチをあまり大きくし過ぎないようにするのが好ましい。
また、本実施の形態1では、アルカリ液吐出口80aの穴径(直径)を、一般的な毛穴の直径である0.2mm〜0.4mmよりも小さい、約0.16mmとしている。こうすることで、アルカリ液吐出口80aから吐出されたアルカリ液L1が毛穴内に進入し易くなるため、毛穴の汚れをより効率よく洗い流すことができるようになる。
なお、ノズル部40の替わりに、図6に示すノズル部40Aを用いることも可能である。このノズル部40Aでは、ノズル本体部41Aとは別体の円板45をノズル本体部41Aに取り付けている。そして、円板45の中央部に、2つのアルカリ液吐出口80aが、ノズル部40Aの正面視(美容装置10をノズル部40Aが上方に位置するようにした状態におけるノズル部40Aの正面視)で、ピッチ約1.5mmで水平方向に並ぶように形成されている。このノズル部40Aにおいても、各アルカリ液吐出口80aは、直径が約0.16mmの穴となっている。
さらに、ノズル部40Aでは、連結部材42Aがノズル本体41Aに着脱可能に取り付けられており、この連結部材42Aにフィルタ取付部材46Aが着脱可能に取り付けられている。そして、連結部材42Aにフィルタ取付部材46Aを取り付けた際に、連結部材42Aとフィルタ取付部材46Aとでフィルタ44Aが挟持されるようにしている。このように、ノズル部40Aにおいても、フィルタ44Aを設けることで異物によってアルカリ液吐出口80aが目詰まりしてしまうのを抑制できるようにしている。
なお、ノズル部40Aで用いられる肌接触部43は、ノズル部40で用いられる肌接触部43と同一の形状をしている。
肌接触部43は、弾性を有する材料で形成されており、肌当たりがよく、肌Sの上を滑らせても肌Sに刺激を与え難いようになっている。
この肌接触部43は、ノズル本体部41の先端(アルカリ液L1が吐出される側)に取り付けた際に、アルカリ液吐出口80aの周囲を囲う周壁部43aを有している。
本実施の形態1では、この周壁部43aの内径が約7mmとなるようにしており、小鼻など、凹凸のある肌Sにも密着させることができるようにしている。こうすることで、美容装置10の使用時に、肌Sに吐出されたアルカリ液L1が跳ね返って周囲に飛び散ってしまうのを抑制できるようにしている。また、本実施の形態1では、周壁部43aに、アルカリ液L1が一方向に吐出されるようにガイドするガイド部としての機能も持たせている。
さらに、周壁部43aの下部には切り欠き43bが設けられており、美容装置10の使用時には、切り欠き43bと肌Sとの間に隙間Dが形成されるようにしている(図7参照)。こうすることで、アルカリ液吐出口80aから吐出されたアルカリ液L1を隙間Dから周壁部43aの外部(下部)に効率よく排出することができるようになる。その結果、アルカリ液L1が周壁部43aの下部に溜まってしまうことによって、アルカリ液吐出口80aからのアルカリ液L1の吐出が妨げられてしまうのが抑制されるため、美容装置10による持続的な洗浄(肌Sへのアルカリ液L1の吐出)が可能となる。なお、本実施の形態1では、図7に示すように、肌S側が下方を向くように肌Sに対して約75°傾けた方向をアルカリ液L1が吐出される方向(一方向)としている。こうすることで、肌Sに当たったアルカリ液L1が隙間Dに向けて跳ねるようにしている。
また、ノズル本体部41に弾性を有する肌接触部43を設けるようにすれば、肌接触部43を肌Sに密着させることができるようになる。また、周壁部43aの突出量を適宜設定することで、アルカリ液吐出口80aから肌Sまでの距離をほぼ一定の距離(本実施の形態1では、約5mm〜7mm)に保つことができるようになる。こうにすることで、アルカリ液L1による肌Sの洗浄力をほぼ一定に保つことができるようになる。
なお、図7では、ノズル部40Aを用いたものを例示しているが、ノズル部40を用いた場合であっても、肌接触部43の肌Sへの接触方法は同様である。
また、ケーシング21の空洞内(筒内)には、ポンプ部50を構成するダイアフラム式のポンプ51および電動モータ52の他、電源としての蓄電池60、ならびに電動モータ52に供給する電力を制御する回路基板(制御部)70が設けられている。なお、電動モータ52や蓄電池60は、回路基板(制御部)70上に固定されたホルダー71に支持されている。
ここで、本実施の形態1にかかる美容装置10では、アルカリ液L1を吐出して使用者Uの肌Sの汚れを除去するプロセスが複数設定されている。
この複数のプロセスとして、本実施の形態1では、アルカリ液L1を所定の流速で吐出させる第1プロセスと、第1プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出流速よりも速い流速でアルカリ液L1を吐出させる第2プロセスと、が設定されている。
さらに、第1プロセスが第2プロセスよりも先に行われるようにしており、この第1プロセスは、内蔵されたタイマーにより所定時間がカウントされた際に終了するように設定されている。
本実施の形態1では、第1プロセスでは、吐出されたアルカリ液L1を肌Sに供給(塗布)することを目的としている。したがって、第1プロセスにおいて吐出されるアルカリ液L1の流勢は、それほど強くする必要はないが、安定して肌Sに供給できるようにする必要がある。そのため、本実施の形態1では、第1プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出流速を、約6〜7m/sに設定している。
また、第1プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出時間は、分解する化学反応時間を考慮して、約1〜2分に設定するのが好ましい。本実施の形態1では、第1プロセスの開始から1分経過後に第1プロセスが終了するようにしている。
一方、第2プロセスでは、肌Sの汚れを除去すること、すなわち、タンパク質が分解されて軟化した汚れを洗い流すことを目的としている。したがって、第2プロセスにおいて吐出されるアルカリ液L1の流勢は、比較的強くする必要がある。ただし、本実施の形態1では、軟化した汚れを洗い流すようになっているため、肌への負担が大きくなるほど強い流勢とする必要はない。そのため、第2プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出流速は、約10〜11m/sとなるように設定するのが好ましい。
また、第2プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出時間は、肌Sへの負担を考慮して、2〜3分とするのが好ましい。本実施の形態1では、第2プロセスの開始から2分経過後に第2プロセスが終了するようにしている。
ところで、第2プロセスで肌Sの汚れを除去する際に感じる肌への刺激には個人差がある。そのため、本実施の形態1では、第2プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出流速を使用者Uの好みに応じて変えることができるようにしている。具体的には、第2プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出流速を3段階で可変させることができるようにしている。
そして、プロセスの切り替えや第2プロセスにおける流勢の切り替え等は、ケーシング21に設けられたスイッチを操作することによって行われるようにしている。また、アルカリ液L1の吐出流速の制御やタイマーによる所定時間のカウントは、回路基板(制御部)70によって行われている。
本実施の形態1では、ケーシング21において、凹部21bの反対側となる位置(美容装置10の正面)の長手方向略中央部に、電源のON/OFFを切り替えるスイッチ25が形成されている。そして、このスイッチ25を押圧する(操作する)ことで、アルカリ液L1の吐出モード(第1プロセスおよび第2プロセス)も切り換えられるようになっている。なお、スイッチ25をスライド式とすることも可能である。
本実施の形態1では、電源がOFFの状態で、スイッチ25を一度押圧する(操作する)と、電源がONに切り替わるとともに、第1プロセスが選択されるようになっている。
そして、第1プロセスが選択されている状態で再度スイッチ25を押圧する(操作する)と、吐出モードが第1のプロセスから第2プロセスに切り替えられるようになっている。ただし、本実施の形態1では、第1プロセスが終了する前にスイッチ25を押圧(操作)しても、第1のプロセスから第2プロセスには切り替わらないようになっている。すなわち、第1プロセスが終了した後にスイッチ25を押圧(操作)することで、第1のプロセスから第2プロセスに切り替えられるようになっている。
なお、第1プロセスは、第1プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出時間の積算時間が1分となるまでカウントされた際に終了するように設定されている。ただし、積算時間が1分になる前に所定の時間(例えば、1分等)連続してアルカリ液L1の吐出が行われなかった場合には、電源がOFFとなるように設定されている。
また、第2プロセスが選択されている場合には、第2プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出時間の積算時間が2分となるまでカウントされると、第2プロセスが終了して電源がOFFとなるように設定されている。この第2プロセスが選択されている場合においても、積算時間が2分になる前に所定の時間(例えば、1分等)連続してアルカリ液L1の吐出が行われなかった場合には、電源がOFFとなるように設定されている。
また、ケーシング21におけるスイッチ25の上方には、選択モード表示部26が設けられており、この選択モード表示部26を見ることで、どの吐出モードが選択されているのかを確認することができるようになっている。このモード表示部26は、例えば、LED素子および導光部材を用いて形成することができる。
本実施の形態1では、2つのモード表示部26が水平方向に並ぶように形成されている。そして、第1プロセスが選択されている場合には、図1(a)の左側のモード表示部26が点灯するようにしている。このように、図1(a)の左側のモード表示部26が点灯していることを視認することで、第1プロセスが選択されていることを確認できるようにしている。
そして、第1プロセスが終了した場合には、図1(a)の右側のモード表示部26が点滅するようにしている。このように、図1(a)の右側のモード表示部26が点滅していることを視認することで、第2プロセスを選択することができることを確認できるようにしている。そして、図1(a)の右側のモード表示部26が点滅している状態のときに、スイッチ25を押圧(操作)することで、第1のプロセスから第2プロセスに吐出モードが切り替えられるようにしている。このとき、図1(a)の右側のモード表示部26が点灯するようにしている。このように、図1(a)の右側のモード表示部26が点灯していることを視認することで、第2プロセスが選択されていることを確認できるようにしている。
なお、吐出モードの確認は、上記の方法に限られるものではなく、例えば、選択されているモードを文字や音などで知らせるようにすることも可能である。
また、ケーシング21におけるモード表示部26の上方には、第2プロセスが選択されている際に、アルカリ液吐出口80aから吐出されるアルカリ液L1の水圧(水勢)を切り替えることのできる水圧調整ボタン27が設けられている。本実施の形態1では、この水圧調整ボタン27を押圧する(操作する)ことで、第2プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出流速を3段階で切り替えることができるようにしている。この水圧調整ボタン27もスライド式とすることが可能である。
そして、第2プロセスが選択されている状態で、水圧調整ボタン27を押圧(操作)する度に、アルカリ液L1の水圧(水勢)は、弱→中→強→弱の順に切り替えられるようになっている。なお、美容装置10の電源をOFFにした場合には、選択された水圧(水勢)が回路基板(制御部)70に保存されるようにしている。したがって、再度電源をONにした際には、電源をOFFにする前に選択されている水圧(水勢)が選択された状態となる。すなわち、使用者Uが水圧(水勢)を一旦設定した場合には、水圧調整ボタン27を押圧(操作)しない限り、設定した水圧(水勢)でアルカリ液L1を吐出させることができるようになっている。このように、選択された水圧(水勢)を回路基板(制御部)70に保存させるようにすることで、使用者Uが水圧(水勢)を一旦設定した場合には、水圧(水勢)の変更を必要としない限り、水圧調整ボタン27を押圧(操作)しなくても済むようにしている。
そして、ケーシング21における水圧調整ボタン27の上方には、選択水圧表示部28が設けられており、この選択水圧表示部28を見ることで、どの水圧(水勢)が選択されているのかを確認することができるようになっている。この選択水圧表示部28も、例えば、LED素子および導光部材を用いて形成することができる。
本実施の形態1では、1つの選択水圧表示部28が上下方向に細長く延在するように設けられている。そして、選択されている水圧(水勢)に応じて、選択水圧表示部28の点灯状態を変化させるようにしている。点灯状態の変化方法としては、例えば、点灯させる部分の長さや位置、点灯させる色等を変化させることがあげられる。具体的には、点灯させる部分の長さを変化させる場合、例えば、弱が選択されている場合には、選択水圧表示部28の下側3分の1を点灯させ、中が選択されている場合には、選択水圧表示部28の下側の3分の2を点灯させ、強が選択されている場合には、選択水圧表示部28の全体を点灯させるようにすることができる。また、点灯させる部分の位置を変化させる場合、例えば、弱が選択されている場合には、選択水圧表示部28の下側3分の1を点灯させ、中が選択されている場合には、選択水圧表示部28の中央部の3分の1を点灯させ、強が選択されている場合には、選択水圧表示部28の上側3分の1を点灯させるようにすることができる。そして、点灯させる色を変化させる場合、例えば、弱が選択されている場合には、選択水圧表示部28を青色に点灯させ、中が選択されている場合には、選択水圧表示部28を緑色に点灯させ、強が選択されている場合には、選択水圧表示部28を赤色に点灯させるようにすることができる。
こうすれば、選択水圧表示部28の点灯部分の長さや位置、選択水圧表示部28の点灯色を視認することで、どの水圧(水勢)が選択されているのかを確認できるようになる。なお、選択されている水圧(水勢)の確認も、上記の方法に限られるものではなく、例えば、選択されている水圧(水勢)を文字や音などで知らせるようにすることが可能である。
さらに、ケーシング21における選択水圧表示部28の上方には、アルカリ液L1の吐出を行うための洗浄釦29が設けられており、この洗浄釦29を押圧している(操作している)時のみにアルカリ液L1の吐出が行われるようにしている。すなわち、洗浄釦29から指(手)を離すことで、アルカリ液L1の吐出がすぐに停止されるようにしている。こうすることで、肌接触部43を肌に接触させていない状態等の意図しない状況でアルカリ液L1が吐出されてしまうのを抑制することができるようにしている。また、不用意に美容装置10を動作させてしまったとしても、動作をすぐに停止させることができるようにすることで、美容装置10をより安全に使用することができるようにしている。
この洗浄釦29による操作(アルカリ液L1の吐出の開始および停止)も、回路基板(制御部)70によって制御されている。
次に、上記構成をした美肌装置10の動作、作用の一例について、図10を用いて説明する。
まず、使用者U等がタンクケース30をケーシング21から取り外し、アルカリ液貯留部33内にpH調整用のアルカリ濃縮液L2を入れ、水道水等の液体L3を給液することで、アルカリ液L1を生成する。本実施の形態1では、pH10.5程度(pH9〜12の範囲)のアルカリ液L1がアルカリ液貯留部33内に貯留されるようにしている。
そして、アルカリ液L1を貯留したタンクケース30を、ケーシング21の下側開口21dに嵌挿することで、アルカリ液L1がアルカリ液貯留部33内に貯留された美容装置10とする。
そして、美容装置10のスイッチ22を押圧(操作)する。このように、スイッチ22を操作すると、電源がONに切り替わるとともに、第1プロセスが選択される。
また、回路基板(制御部)70に形成されたタイマー(内蔵されたタイマー)が作動する。
そして、ノズル部40またはノズル部40Aの肌接触部43を、例えば、小鼻等の肌Sの表面に接触させた状態で、洗浄釦29を押圧(操作)する。
このように、ノズル部40またはノズル部40Aの肌接触部43を肌Sに接触させた状態で、洗浄釦29を押圧(操作)すると、電動モータ52が駆動されてポンプ部50が作動する。
こうして、第1プロセスが開始され、吐出されたアルカリ液L1が肌Sに供給される。
具体的には、ポンプ部50が作動することで、アルカリ液貯留部33内に貯留されたアルカリ液L1は、吸入側通路81を通ってダイアフラム式のポンプ51に流入し、ダイアフラム式のポンプ51に流入したアルカリ液L1が吐出側通路82を通ってアルカリ液吐出口80aから使用者Uの小鼻の表面等の肌Sに向け噴射される。
このとき、約6〜7m/sの吐出流速でアルカリ液L1が吐出される。こうすることで、アルカリ液L1が肌Sに供給され、このアルカリ液L1によって毛穴等に固着した汚れが軟化する。
この第1プロセスでのアルカリ液L1の吐出時間は、タイマーによりカウントされており、吐出時間の積算時間が1分に到達するまで行われる。そして、吐出時間の積算時間が1分に到達した場合には、回路基板(制御部)70によって第1プロセスが終了する。
この第1プロセスが終了した後に、スイッチ22を押圧(操作)すると、第1のプロセスから第2プロセスに吐出モードが切り替えられる。
その後、水圧調整ボタン27を押圧(操作)することで、第2プロセスにおけるアルカリ液L1の水圧(水勢)を所望の強さとなるようにする。なお、この動作は、既に所望の強さが選択されている場合には必要ない。
そして、ノズル部40またはノズル部40Aの肌接触部43を、例えば、小鼻等の肌Sの表面に接触させた状態で、洗浄釦29を押圧(操作)する。
このように、ノズル部40またはノズル部40Aの肌接触部43を肌Sに接触させた状態で、洗浄釦29を押圧(操作)すると、電動モータ52が駆動されてポンプ部50が作動する。
こうして、第2プロセスが開始され、吐出されたアルカリ液L1の噴射の勢いで、毛穴等に固着した汚れが除去される。
具体的には、ポンプ部50が作動することで、アルカリ液貯留部33内に貯留されたアルカリ液L1は、吸入側通路81を通ってダイアフラム式のポンプ51に流入し、ダイアフラム式のポンプ51に流入したアルカリ液L1が吐出側通路82を通ってアルカリ液吐出口80aから使用者Uの小鼻の表面等の肌Sに向け噴射される。
このとき、約10〜11m/sの吐出流速でアルカリ液L1が吐出される。このように、アルカリ液L1を第1プロセスのときよりも勢いよく吐出させることで、吐出されたアルカリ液L1の噴射の勢いで、毛穴等に固着した汚れが除去される。
この第2プロセスでのアルカリ液L1の吐出時間も、タイマーによりカウントされており、吐出時間の積算時間が2分に到達するまで行われる。そして、吐出時間の積算時間が2分に到達した場合には、回路基板(制御部)70によって第2プロセスが終了するとともに、電源がOFFとなる。
このように、本実施の形態1にかかる美容方法は、美容装置10を用いて行われるものである。
そして、本実施の形態1にかかる美容方法は、ポンプ部(アルカリ液吐出機構)50によって使用者Uの肌Sにアルカリ液L1を所定の流速で吐出させることで、使用者Uの肌Sにアルカリ液L1を供給するアルカリ液供給工程を備えている。
さらに、本実施の形態1にかかる美容方法は、アルカリ液供給工程の後に行われ、ポンプ部(アルカリ液吐出機構)50によって使用者Uの肌Sにアルカリ液L1を所定の流速よりも速い流速で吐出させることで、使用者Uの肌Sを洗浄(肌Sに付着した汚れを除去)する肌洗浄工程を備えている。
なお、本実施の形態1では、第2プロセスでのアルカリ液L1の吐出時間も、タイマーによりカウントされるようにしたものを例示したが、第2プロセスでは、アルカリ液貯留部33内のアルカリ液L1がなくなるまでアルカリ液L1を吐出させるようにすることも可能である。例えば、ノズル部40やノズル部40Aに流速検知部を設け、第2プロセスでのアルカリ液L1の吐出流速が所定の流速以下となった場合に、アルカリ液貯留部33内のアルカリ液L1がなくなったと判断して、第2プロセスを終了させるようにすることができる。
こうすれば、流勢を強や中とした場合に較べて洗浄能力が落ちる弱を選択した場合に、使用時間を延ばすことができ、流勢を強や中とした場合と同等の洗浄力を確保することができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態1にかかる美容装置10は、使用者Uの肌Sに供給されるアルカリ液L1を貯留するアルカリ液貯留部33と、アルカリ液貯留部33に貯留されたアルカリ液L1が吐出されるアルカリ液吐出口80aを有するアルカリ液通路80と、使用者Uの肌Sにアルカリ液L1を吐出するポンプ部(アルカリ液吐出機構)50と、を備えている。
そして、アルカリ液L1を吐出して使用者Uの肌Sの汚れを除去するプロセスが複数設定されている。
このように、アルカリ液L1を吐出して使用者Uの肌Sの汚れを除去する(肌Sを洗浄する)ようにすれば、アルカリ液L1によって、毛穴等に固着された皮脂、角栓などのたんぱく質の加水分解が促進されて、毛穴等に固着した汚れを軟化させることができるため、毛穴等に固着した汚れをより容易に除去することができるようになる。そして、アルカリ液L1を吐出して使用者Uの肌Sの汚れを除去するプロセスとして複数のプロセスを設定すれば、肌Sの汚れを軟化させるプロセスや軟化させた汚れを除去するプロセス等を設定することができ、毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れをより効率よく除去することが可能となる。
また、プロセスが、アルカリ液L1を所定の流速で吐出させる第1プロセスと、第1プロセスにおけるアルカリ液L1の吐出流速よりも速い流速でアルカリ液L1を吐出させる第2プロセスと、を有するようにすることができる。
このように、アルカリ液L1を吐出して使用者Uの肌Sの汚れを除去するプロセスが、アルカリ液L1の吐出速度の異なる2つのプロセスを有するようにすれば、アルカリ液L1の肌Sへの供給やアルカリ液L1による毛穴の汚れ除去等、プロセスに応じてアルカリ液L1の吐出速度を切り替えることが可能となる。その結果、毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れをより効率よく除去することが可能となる。
また、第1プロセスが第2プロセスよりも先に行われるようにすることができる。
こうすれば、吐出速度が比較的遅い第1プロセスによってアルカリ液L1を肌Sに供給した後に、吐出速度が比較的速い第2プロセスで吐出されるアルカリ液L1によって毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れの除去を行うことができるようになる。その結果、毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れをより効率よく除去することが可能となる。
なお、毛穴の汚れを効率よく除去するためには、アルカリ液L1の肌Sへの吐出速度をより速くすることが考えられるが、1つのプロセスのみを用いてアルカリ液L1を吐出する場合、吐出速度が速くなりすぎて肌Sに刺激を与えてしまうおそれがある。これに対して、吐出速度が比較的遅い第1プロセスの後に吐出速度が比較的速い第2プロセスを行うようにすれば、第2プロセスにおける肌Sへのアルカリ液L1の吐出速度を必要以上に速くしなくても、毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れを除去することが可能となる。したがって、肌Sに与える刺激を極力抑制しつつ、毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れをより効率よく除去することができるようになる。
また、第1プロセスに必要以上の時間をかけてしまうことを抑制することができるため、美容装置10の使用時間の短縮化を図ることができるようになる。さらに、第1プロセスを行う際に消費されるアルカリ液L1の量を抑えることができるようになるため、アルカリ液L1を無駄に消費してしまうのを抑制することができるようになる。このように、使用時間の短縮化を図ったり、アルカリ液L1の消費量を抑えたりすることで、美容装置10の1回あたりの使用時にかかるコストを低減させることができるようになる。
また、前記第1プロセスが、回路基板(制御部)70に形成されたタイマー(内蔵されたタイマー)により所定時間がカウントされた際に終了するように設定することができる。
こうすれば、使用者U自身で判断することなく第1プロセスの終了を認識することが可能となるため、美容装置10の使用方法を簡便にすることができる。その結果、美容装置10の使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、タイマーを使用して第1プロセスを終了させるようにすれば、第1プロセスにかける時間が必要以上に長くなってしまったり、必要以上に短くなってしまったりすることを抑制することができる。
ところで、第1プロセスにかける時間が必要以上に長くなってしまうと、美容装置10の使用時間が長くなってしまう上、第1プロセスを行う際に多くのアルカリ液L1を消費してしまうおそれがある。一方、第1プロセスにかける時間が必要以上に短くなってしまうと、アルカリ液L1が汚れと化学反応するために必要な時間(汚れを軟化させるために必要な時間)を確保することができず、毛穴の汚れ除去効果が低下してしまうおそれがある。
しかしながら、タイマーを使用して第1プロセスを終了させるようにすれば、必要以上の時間をかけることなく、アルカリ液L1が汚れと化学反応するために必要な時間を確保することができるようになる。すなわち、第1プロセスが行われる時間を、より最適な時間となるように設定することができる。
こうすれば、美容装置10の使用時間の短縮化を図りつつ、毛穴の汚れ除去効果をより向上させることができるようになる。
なお、美容装置10の使用時間の短縮化を図ることで、第1プロセスを行う際に消費されるアルカリ液L1の量や電力等を抑えることができるようになるため、アルカリ液L1や電力を無駄に消費してしまうのを抑制することができるようになる。このように、使用時間の短縮化を図り、アルカリ液L1や電力の消費量を抑えるようにすることで、1回の使用時にかかるコストを低減させることができるようになる。
また、アルカリ液L1の吐出を行うための洗浄釦26を有し、洗浄釦26を操作している時のみにアルカリ液L1の吐出が行われるようにすることができる。
こうすれば、使用者Uの意志によりアルカリ液L1を吐出させることができるようになるため、アルカリ液吐出口80aを肌Sに向けていない状態で、アルカリ液L1が意図せず吐出されてしまうことを抑制することができるようになる。すなわち、美容装置10の使用時にアルカリ液L1が周囲に飛び散ってしまうのをより確実に抑制することができるようになる。その結果、より安心して美容装置10を使用することができるようになって、美容装置10の使い勝手をより向上させることができるようになる。
また、本実施の形態1にかかる美容方法は、上記美容装置10を用いて行われるものである。
この美容方法は、ポンプ部(アルカリ液吐出機構)50によって使用者Uの肌Sにアルカリ液L1を所定の流速で吐出させることで、使用者Uの肌Sにアルカリ液L1を供給するアルカリ液供給工程を備えている。
さらに、上記美容方法は、アルカリ液供給工程の後に行われ、ポンプ部(アルカリ液吐出機構)50によって使用者Uの肌Sにアルカリ液L1を所定の流速よりも速い流速で吐出させることで、使用者Uの肌Sを洗浄する肌洗浄工程を備えている。
こうすれば、アルカリ液供給工程で肌Sに供給されたアルカリ液L1によって毛穴等に固着した汚れを軟化させた後に、肌洗浄工程で吐出されるアルカリ液L1によって軟化した汚れを除去する(肌Sを洗浄する)ことができるようになるため、毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れをより効率よく除去することができるようになる。また、肌洗浄工程では、軟化した汚れを除去することになるため、アルカリ液L1の吐出速度を必要以上に速くしなくても汚れを除去することができるようになる。したがって、肌Sに与える刺激を極力抑制しつつ、毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れをより効率よく除去することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、美容装置に肌を通電する通電機構を設けるようにしてもよい。
また、据え置きタイプのタンクケースと、タンクケースとは別体に設けた美容装置本体と、を備える美容装置とし、美容装置本体のアルカリ液通路と、据え置きタイプのタンクケース内のアルカリ液貯留部とをチューブ等で連通させることで、肌の汚れ除去を行うようにすることも可能である。
また、本体部やタンクケース、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。