実施例1のパチンコ機10を、図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図7は、それぞれパチンコ機10の正面図、前方斜視図、背面図、右側面図、左側面図、平面図及び底面図である。図8は、遊技盤30の正面図である。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
図1,図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J2として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース12a(図2参照)と、この樹脂ベース12aに取り付けられる遊技盤30(図8参照)とを備えている。また、内枠12は、図1,図2に示すように、樹脂ベース12aの前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース12aは、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図8参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、図1に示すように、正面視左側で上下方向の開閉軸J2を軸心にして当該内枠12に対して開閉可能に取り付けられている。詳細には、前面枠セット14は、正面視で左側を開閉基端側とし右側を開閉先端側として前方へ回動可能とされている。
遊技盤30(図8参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース12aの開口部に位置させるようにして当該樹脂ベース12aの背面側より着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について、図11〜図14も用いて説明する。図11〜図14は、それぞれ前面枠セット14の正面図、A−A線断面図、背面斜視図及び背面図である。なお、図11〜図14では、後述するガラスユニット140における二枚のガラス板137の図示を省略している。
前面枠セット14は、図1,図11に示すように、それを正面視すると、最下部に位置する下皿部13と、この下皿部13の上側に位置する上皿部21と、この上皿部21の上側に位置するガラス枠部23とに大別される。
これらの下皿部13、上皿部21及びガラス枠部23を、前面枠セット14の樹脂成形部品であるベース板体14a(図13参照)の前面側各箇所にそれぞれ取り付けることで、前面枠セット14が構成されている。
下皿部13は、図1に示すように、下皿15を形成する部品とその部品を囲う部品等とが一体化された部品であり、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体14a(図13参照)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿部13は、その前面側に、下皿15、球抜きレバー17及び遊技球発射ハンドル18を備えている。
球受皿としての下皿15は、図1,図2に示すように、前面枠セット14の横幅を略四等分した場合の左端から「3/4」にわたる箇所までの大きさとしており、図1に示す排出口16より排出された遊技球が当該下皿15内に貯留可能である。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1,図2で奥側に押し込むことにより、下皿15の底面での所定箇所(例えば略中央箇所)に形成された円形排出部15a(図2参照)が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面での開口された円形排出部15aを通して下方向外部に抜くことができる。
遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射装置229(図3、図9参照)によって遊技球が遊技盤30(図8参照)の遊技領域30aに打ち込まれる。
上皿部21は、図1に示すように、上皿19を形成する部品とその部品を囲う部品等とが一体化された部品であり、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体14a(図13参照)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射装置229の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿部21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部と音出力部24とを備えている。
音出力部24は、図1に示すように、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所に設けられ、その前面枠セット14の内部に前側部分が収容され後側部分が背面に突き出て設けられたスピーカ24a(図13参照)からの音を出力するための複数個の出力口で形成されている。この出力口は、図1では一部のみ図示し、全体図示を省略している。なお、スピーカ全体が前面枠セット14の内部に位置するように配設したり、スピーカを前面枠セット14の背面箇所に配設するようにしてもよい。
詳述すれば、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿部21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図8参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞(開口部101a)となっており、その開口部101aを略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図13,図14に示すようにガラスユニット140が前面枠セット14の背面側に取り付けられたものである。ガラスユニット140は、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304)を備えている。詳述すれば、前面枠セット14は、図1に示すように、その正面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部300及び第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。
第3電飾部304は、図11,図12に示すように、その下部奥側箇所に、遊技者に向かう方向(例えば破線矢印で示す方向)に閃光(例えばフラッシュライト)を放つ閃光装置480(ストロボライト)を備えている。
この閃光装置480は、図12に示すように、図11に示したLED484(発光ダイオード)が図12の紙面奥側方向(図11ではパチンコ機10の正面視で横方向)に所定間隔(例えば1cm程度の間隔)を空けて複数個(本実施例では4個)並べて実装されたLED実装基板481と、LED484からの光が標準的な遊技者(例えば標準的な成人男性)の顔(特に、目)に向かうようにLED実装基板481を斜め下方向に向けて支持する支持部482と、当該第3電飾部304での下面部であってLED484からの光が通過する箇所を透明とした透明領域部483とを備え、第3電飾部304での下面部での透明領域部483を介してLED484が直視される構成としている。
遊技者にとってみれば、この閃光装置480のLED484が所定回数点滅することで、例えば反射的に視線を当該光の方に向けてしまい、第3電飾部304での下面部での透明領域部483を介して発光するLED484を直視する。この場合、フラッシュライトのような強い光の印象を受け、フラッシュ(横並び4点の光)の残像が残る。この構成によれば、カメラなどストロボライトを用いることなく、LEDでフラッシュライトのような効果を生じさせることができる。
なお、この閃光装置480は、後述する第3図柄(例えば装飾図柄)の変動表示が所定の変動表示である場合、大当たりの場合など、遊技者に注視させたい遊技状態において、発光させることが挙げられる。
また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、図1,図2に示すように、窓部101の左斜め下方の上皿19には、貸球操作部120が配設されている。この貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図8を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、図8に示すように、正面視で四角形状の木製(例えば、合板)でその左側の両角部が取れたような形状の遊技板30bを備えており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース12a(図2参照)の裏側に当接した状態で取り付けられている。この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aは、前面枠セット14のベース板体14a(図13参照)の略楕円形状の図1に示した窓部101のガラス板137を通じて、当該前面枠セット14の前方外側から視認可能である。
また、遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33(例えば作動チャッカ)、第3の始動口34(例えばスルーゲート)及び可変表示装置ユニット35を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34及び可変表示装置ユニット35は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。
始動入賞装置33は、図2に示すように、上から順に、第1の始動口33a(例えば作動チャッカ)と第2の始動口33b(例えば作動チャッカ)とが上下に配設された単一の入賞装置で構成されている。そして、上部側の第1の始動口33aには第1の始動口33a用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球は、その第1の始動口33a用の作動口スイッチにより検出される。また、下部側の第2の始動口33bには第2の始動口33b用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球は、その第2の始動口33b用の作動口スイッチにより検出される。上述した上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第2の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無く、それらの入球を個別に検出できる。
また、一般入賞口31への入球が検出スイッチ(図示省略の入賞口スイッチ)で検出され、可変入賞装置32への入球が検出スイッチ(図示省略のカウントスイッチ)でそれぞれに検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。
例えば、第1の始動口33a、第2の始動口33bへの入球の場合には、3個の賞球払い出しがされる。また、一般入賞口31及び可変入賞装置32への入球の場合には、10個の賞球払い出しがされる。なお、これらの賞球の個数は任意であり、種々の個数としてもよい。
なお、第3の始動口34に遊技球が入球し、当該入球が検出スイッチ(図示省略の通過検出スイッチ)で検出されるが、当該第3の始動口34へ入球しても、遊技球の払い出しは実行されない。
その他に、図8に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘39が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、図8に示すように、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第3の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、図8に示すように、例えば、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器である第1セグメント表示部40a及び第2セグメント表示部40dを備えている。この第1セグメント表示部40aは、第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等する。第2セグメント表示部40dは、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等する。また、第1図柄表示装置40は、図8に示すように、第1セグメント表示部40aでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cと、第2セグメント表示部40dでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40fとを備えている。
第1セグメント表示部40aは、第1の始動口33aへの入球に基づいて、各セグメント発光部をランダムあるいは順番に発光変更することで、第1図柄の変動表示状態(本実施例では各セグメント発光部の発光変動態様)を発生させ、その発光変動の停止時に、例えば、確変大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると確変大当り(特定当り)を示し、通常大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると通常大当り(非特定当り)を示し、外れを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると外れを示す。
上記と同様に、第2セグメント表示部40dは、第1の始動口33bへの入球に基づいて、各セグメント発光部をランダムあるいは順番に発光変更することで、第1図柄の変動表示状態(本実施例では各セグメント発光部の発光変動態様)を発生させ、その発光変動の停止時に、例えば、確変大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると確変大当り(特定当り)を示し、通常大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると通常大当り(非特定当り)を示し、外れを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると外れを示す。
このように確変大当り(特定当り)や通常大当り(非特定当り)となると、可変入賞装置32が後述する特定遊技状態(例えば、大当り状態)となる。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも2色以上の発光が可能なタイプの単一又は複数個のLEDを採用してもよい。具体的には、第1図柄表示装置40として、例えば赤色と青色に発光可能な2個のLEDを採用した場合を例に挙げると、各LEDの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(各LEDの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLEDが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLEDが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLEDが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示すことが挙げられる。また、第1図柄表示装置40として、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1図柄表示装置40にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第3の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第2の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第3の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示される。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、
第3図柄表示装置42では、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞に基づき第1図柄表示装置40にて第1図柄の変動表示と所定の表示(停止表示)が行われる場合にそれに合わせて第3図柄の変動表示と所定の表示(停止表示)が行われる。なお、第3図柄表示装置42では、第1の始動口33a又は第2の始動口33bへの入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり当選となった後に移行する特定遊技状態中の表示演出などが行われる。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば図10に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。図10は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示される。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、正面視した状態で第3図柄表示装置42の表示画面をほぼ囲むようにしてこの第3図柄表示装置42の前方側にセンターフレーム47が配設されている。本実施形態では第3図柄表示装置42として液晶表示装置を採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。
図8に示す可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態(あるいは、入賞し難い閉状態としてもよい)になっており、大当りの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当りの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特定遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。つまり、本実施例のパチンコ機10は、遊技球の投入数(発射装置229による遊技球の遊技領域30aへの発射数)の方が、遊技球の賞球払出数(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a、第2の始動口33bなどへの遊技球の入球に基づく賞球払出数)よりも多い通常遊技状態(遊技球消費状態)と、遊技球の賞球払出数の方が遊技球の投入数よりも多い特定遊技状態(例えば、大当り状態)とに状態変移可能なものである。
より詳しくは、第1の始動口33aに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aが変動表示され、その変動停止後の第1セグメント表示部40aの表示が予め設定した記号で停止した場合に特定遊技状態が発生する。例えば、確変大当りを示す記号を停止表示する場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、通常大当りを示す記号を停止表示する場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、外れを示す記号を停止表示する場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
上記と同様に、第2の始動口33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の第2セグメント表示部40dが変動表示され、その変動停止後の第2セグメント表示部40dの表示が予め設定した記号で停止した場合に特定遊技状態が発生する。例えば、確変大当りを示す記号を停止表示する場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、通常大当りを示す記号を停止表示する場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、外れを示す記号を停止表示する場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、特定遊技状態の発生の場合には、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。また、遊技球が第1の始動口33aを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて表示される。また、遊技球が第2の始動口33bを通過した回数も最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40fにて表示される。なお、保留ランプ40c,40fは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図8に示すように、発射装置229(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための2本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は2本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。2本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は、遊技盤30の正面視で、略縦楕円のうちでその左斜め上から時計回りで右斜め下までの箇所を除いた形状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図8の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図8の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、返しゴム54が位置している。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図8に示すように、外レール52の先端部(図8の右上部)から内レール51の右側先端部(図8の右下部)までは、第1図柄表示装置40での遊技領域30a側の壁部40bと、内枠12に形成された壁部55(図8に破線で示す)とが位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
なお、図8に示すように、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシールSL(プレートとしてもよい)を貼着するためのスペースである。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシールSLを貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図8に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は壁部55(内枠12の一部)によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
なお、発射装置229には、前面枠セット14の背面側に形成された図13,14,16に示す球出口251(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるとともに所定の制御基板が前後に重ねられる(例えば、後述する図9の払出制御基板311aが背面視で手前側で、電源装置313の電源制御基板及び発射制御装置312の発射制御基板が払出制御基板311aよりも奥側に位置する)ようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー353等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を図3に示す複数(3個)の取付台230〜232に分けて搭載してそれらを各制御基板ユニットとし、各制御基板ユニットが個別に内枠12又は遊技盤30の背面に装着するようにしている。具体的には、図3に示すように、主制御装置261を取付台230に搭載し、サブ制御装置262を取付台232に搭載してそれぞれユニット化すると共に、払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を取付台231に搭載してユニット化している。
また、払出機構部352は、図3に示すように、各種部品(後述するタンク355、タンクレール356、ケースレール357、払出装置358及び電源スイッチ基板382)がパチンコ機10の背面視で逆Lの字状に配設されて構成されており、払出機構部352及び保護カバー353も1ユニットとして一体化されており、当該ユニットを裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の背面に対して開閉できる構成としている。これは、裏パックユニット203とその他構成とが前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の背面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ(図示省略)が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ(図示省略)が設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,第2の始動口33bに対応する位置には第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)と第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)(図示省略)とがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入球をそれぞれの作動口スイッチで検出される。第3の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第3の始動口34への遊技球の通過を当該ゲートスイッチで検出される。
一般入賞口31の入賞口スイッチ(図示省略)及び第3の始動口34のゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図9参照)に接続されている。また、可変入賞装置32のカウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、第1の始動口33a及び第2の始動口33bの各作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第2の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
図3に示すように、主制御装置261は、パチンコ機10の背面視での下側の取付台230に搭載され、サブ制御装置262は、パチンコ機10の背面視での上側の取付台232に搭載されている。ここで、主制御装置261は、図9に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット261cによって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。後述する電源基板より供給される電源はサブ制御装置262を介して表示制御装置45に出力される。
図3に示すように、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が取付台231に搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。また、発射制御装置312は発射制御基板を具備している。また、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図9参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用している。なお、それ以外の発射装置229として、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものを採用してもよい。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス311b(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス311bが封印されている。
払出制御装置311には、図3に示すように、状態復帰スイッチ311cが設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ311cが押下されると、払出モータ358a(図9参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できる。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された保護カバー353と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられる。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触しており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わる。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消される。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされる。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にて接地(アース)されている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制される。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力される。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図9を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図9に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。また、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じたボリューム信号S10が当該遊技球発射ハンドル18から発射制御装置312に入力されており、発射制御装置312はこのボリューム信号S10を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がONである期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。なお、発射制御信号S8(パルス信号)の振幅値は、主制御装置261においてボリューム信号S10に基づいて決定されており、例えば遊技球発射ハンドル18の操作量が大きいほど発射制御信号S8(パルス信号)の振幅値が大きくなる。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFFである期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図9に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流24ボルトが22ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図10に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示される。
続いて、前面枠セット14の背面に設けられたガラスユニット140について説明する。
図1を用いて前述したように、前面枠セット14は、内枠12の前面側に位置するとともに、正面視で遊技領域30a(図8参照)と重なる箇所に当該遊技領域30aが視認可能な窓部101(図1参照)を備えている。
窓部101は、図13に示すように、前面枠セット14での正面視で遊技領域と重なる箇所に形成された開口部101aと、この開口部101aを塞ぐようにして当該前面枠セット14の背面側に取り付けられるガラスユニット140と、前面枠セット14の背面視で右端縦方向軸心を回動軸としてガラスユニット140を回動可能に支持するユニット支持部150とを備えている。
ガラスユニット140は、図13、図14に示すように、正面視で環状のガラス保持枠141と、このガラス保持枠141の正面側及び背面側にそれぞれ装着される図11〜図14で図示省略の二枚のガラス板137(図1参照)とを備えたものであり、二重ガラス構造を採用している。
具体的には、ガラス保持枠141は、図13、図14に示すように、その正面側及び背面側に、各ガラス板137が装着される装着窪み部141aがそれぞれ形成されており、各ガラス板137を離間して保持するためにその内周に沿って形成された環状の内周突起部141bを備えている。つまり、二枚のガラス板137の間に環状の内周突起部141bが位置することによって、二枚のガラス板137が離間して保持されている。
ユニット支持部150は、図14に示すように、ガラス保持枠141の正面視で左端の上部及び下部に形成された下向きの各支持ピン部142と、前面枠セット14の背面視右端の上部及び下部に形成された各ピン挿入孔151とを備え、ガラス保持枠141の各支持ピン部142が前面枠セット14の各ピン挿入孔151に挿入されることで、ガラスユニット140が当該前面枠セット14に対して開閉可能に軸支される。
なお本実施例では、ユニット支持部150は、図14に示すように、前面枠セット14の背面視で右端縦方向軸心を回動軸としてガラスユニット140を回動可能に支持しているが、前面枠セット14の背面視で左端縦方向軸心を回動軸としてガラスユニット140を回動可能に支持してもよい。
前面枠セット14は、図14に示すように、その背面側で開口部101aの周囲箇所に背面視で窪み形成され、且つ、ガラスユニット140の周縁部(環状のガラス保持枠141)での正面側が当接可能な大きさとした環状窪み領域部102を備えている。なお、図14は前面枠セット14の背面にガラスユニット140が取り付けられた状態を図示しているため、図14では環状窪み領域部102のうちで環状のガラス保持枠141が当接する領域部分については当該ガラス保持枠141によって隠れている。
前面枠セット14は、図13、図14に示すように、この前面枠セット14の環状窪み領域部102にガラスユニット140の周縁部(環状のガラス保持枠141)での正面側を当接させた閉状態とすることで、窓部101の開口部101aがガラスユニット140によって塞がれる。
ガラスユニット140は、図13、図14に示すように、その上部箇所が、前面枠セット14の背面視で窓部101の上部箇所に設けられた上部止め部160によって止められ、その背面視左端側の上下二箇所が、前面枠セット14の背面視で窓部101の左側上下箇所に設けられた左端上側止め部165及び左端下側止め部168によってそれぞれ止められ、その下部箇所が、前面枠セット14の背面視で窓部101の下部箇所に設けられた下部止め部170によって止められる。これらの上部止め部160、左端上側止め部165、左端下側止め部168及び下部止め部170は、前面枠セット14の環状窪み領域部102に当接するように取り付けられた状態のガラスユニット140がこの環状窪み領域部102から離間するのを規制している。
具体的には、上部止め部160は、図13に示すように、その操作レバー161を、前面枠セット14の背面視で左方向に向けるように縦方向軸周りに回動させることで、一対の棒状体162がそれぞれ進出し、ガラスユニット140の上部突起部143の背後に位置する。この状態では、上部止め部160の各棒状体162の先端部分がガラスユニット140の上部突起部143の背後に位置しているため、ガラスユニット140の上部が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間できないように規制される。
なお、上部止め部160の操作レバー161を、前面枠セット14の背面視で手前方向に向けるように縦方向軸周りに回動させることで、一対の棒状体162がそれぞれ後退し、ガラスユニット140の上部突起部143の背後に位置しなくなる。つまり、この状態では、上部止め部160の各棒状体162の先端部分がガラスユニット140の上部突起部143の背後に位置しないため、ガラスユニット140の上部が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間可能となる。
また、左端上側止め部165は、図13、図14に示すように基端部166aを回動軸心として先端部166bが回動可能な操作レバー166を備えている。図13、図14に示す水平姿勢の操作レバー166を、前面枠セット14の背面視で下方向に向けるように基端部166aを回動軸心として反時計方向に回動させることで、当該操作レバー166の先端部166bが、ガラスユニット140の左端上側突起部144の背後に位置する。この状態では、左端上側止め部165の操作レバー166の先端部166bがガラスユニット140の左端上側突起部144の背後に位置しているため、ガラスユニット140の左端上側が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間できないように規制される。
なお、左端上側止め部165の操作レバー166を、前面枠セット14の背面視で左横方向に向くように時計方向に戻し回動させることで、ガラスユニット140の左端上側突起部144の背後に位置しなくなる。つまり、この状態では、左端上側止め部165の操作レバー166の先端部166bがガラスユニット140の左端上側突起部144の背後に位置しないため、ガラスユニット140の左端上側が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間可能となる。
また、左端下側止め部168は、図13、図14に示すように基端部169aを回動軸心として先端部169bが回動可能な操作レバー169を備えている。図13、図14に示す水平姿勢の操作レバー169を、前面枠セット14の背面視で上方向に向けるように基端部169aを回動軸心として時計方向に回動させることで、当該操作レバー169の先端部169bが、ガラスユニット140の左端下側突起部145の背後に位置する。この状態では、左端下側止め部168の操作レバー169の先端部169bがガラスユニット140の左端下側突起部145の背後に位置しているため、ガラスユニット140の左端下側が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間できないように規制される。
なお、左端下側止め部168の操作レバー169を、前面枠セット14の背面視で左横方向に向くように反時計方向に戻し回動させることで、ガラスユニット140の左端下側突起部145の背後に位置しなくなる。つまり、この状態では、左端下側止め部168の操作レバー169の先端部169bがガラスユニット140の左端下側突起部145の背後に位置しないため、ガラスユニット140の左端下側が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間可能となる。
次に、下部止め部170について図15〜図19も用いて説明する。図15(a)は、下部止め部170が非止め位置にある状態の前面枠セット14の背面図であり、図15(b)は、下部止め部170が止め位置にある状態の前面枠セット14の背面図である。図16(a)は、非止め位置にある下部止め部170の拡大図、図16(b)は、止め位置にある下部止め部170の拡大図である。図17(a)、(b)は、それぞれ図15(a)、(b)での球皿払出通路部品190を取り外した状態の前面枠セット14の背面図である。図18(a)、(b)は、それぞれ図17(a)、(b)での下部止め部170の拡大図である。図19(a)、(b)は、図15(a)、(b)にそれぞれ示した前面枠セット14のB−B線、C−C線断面図である。
下部止め部170は、図13、図14に示すように、前面枠セット14の背面視で窓部101の下部箇所に操作レバー171を備えている。図16(a)及び図18(a)に示す状態の操作レバー171を、図16(b)、図18(b)に示すように、前面枠セット14の背面視で上方向にスライド移動させることで、その上部先端部分が上方向に進出してガラスユニット140の下部突起部146の背後に位置し、上部先端部分での下部突起部146側に形成された係止突起173(図18(b)及び図19(b)参照)がこの下部突起部146の係止穴146a(図18(b)及び図19(b)参照)に係止する。この状態では、操作レバー171の上部先端部分がガラスユニット140の下部突起部146の背後に位置しているため、ガラスユニット140の下部が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間できないように規制される。また、図16(b)、図18(b)及び図19(b)に示すように係止突起173が下部突起部146の係止穴146aに係止しているため、操作レバー171が自重で下方向に下がって図16(a)及び図18(a)に示す状態に戻ることもない。
図16(b)、図18(b)及び図19(b)に示すように、下部止め部170の操作レバー171を上方向にスライド進出させた状態では、操作レバー171の上部先端部分がガラスユニット140の下部突起部146の背後に係止して当接した状態となっており、後述する補強棒180の対向長状部180aが下部止め部170の背面に近接している(当接していてもよい)。こうすることで、例えば不正行為者などが上皿19を手前側に強く引っ張ったり奥側に強く押し込んだりすることで前面枠セット14での窓部101の下部箇所を撓ませて不正な隙間を生じさせようとしても、補強棒180により前面枠セット14自体の不正な撓みの発生を低減できるし、ガラスユニット140の下部が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間できないように規制する操作レバー171を、補強棒180によってさらに補強されているので、ガラスユニット140の下部と前面枠セット14の環状窪み領域部102との間に不正な隙間を生じさせることを低減できる。
これとは逆に、図16(a)及び図18(a)に示すように、下部止め部170の操作レバー171を前面枠セット14の背面視で下方向にスライド移動させて、操作レバー171の係止突起173と、ガラスユニット140の下部突起部146での係止穴146aとの係止を解除すると、操作レバー171が下方向に自重で後退し、操作レバー171の上部先端部分がガラスユニット140の下部突起部146の背後に位置しなくなる。つまり、この状態では、操作レバー171の上部先端部分がガラスユニット140の下部突起部146の背後に位置しないため、ガラスユニット140の下部が前面枠セット14の環状窪み領域部102から離間可能となる。
操作レバー171の係止突起173とガラスユニット140の係止穴146aとの係止が解除されると、操作レバー171が自重で下方向に下がって図16(a)及び図18(a)に示す状態に戻るため、以下の効果を有する。
パチンコ機10(あるいは、前面枠セット14)を遊技場(ホール)への輸送する際には、前面枠セット14にガラスユニット140を取り付けた状態では当該ガラスユニット140のガラス板137が破損するおそれがあるため、ガラスユニット140を前面枠セット14から取り外し、その代わりに前面枠セット14の環状窪み領域部102に段ボールを取り付けた状態で輸送される。そして、遊技場(ホール)において前面枠セット14の環状窪み領域部102から段ボールを取り外して、ガラスユニット140を取り付ける。
例えば、ガラスユニット140の非取付状態において操作レバー171が自重で下方向にスライド移動しない構成、つまり、ガラスユニット140の非取付状態において作業者が操作レバー171を下方向にスライド移動させなければならない構成の場合には、前面枠セット14の環状窪み領域部102から段ボールを取り外してから、ガラスユニット140を取り付ける前に、作業者が操作レバー171を下方向にスライド移動させる必要がある。ところが、操作レバー171の下方向スライド移動を忘れてしまうと、ガラスユニット140の取り付けの際に、操作レバー171がガラスユニット140に挟まれてしまい、操作レバー171が破損することがある。
これに対して、この実施例のパチンコ機10では、ガラスユニット140の非取付状態において操作レバー171が自重で下方向にスライド移動された状態となる(図18(a)及び図19(a)参照)ため、前面枠セット14の環状窪み領域部102から段ボールを取り外すと、操作レバー171が自重で下方向にスライド移動された状態となる。よって、ガラスユニット140の取り付けの際に操作レバー171がガラスユニット140に挟まれることを防止でき、当該挟まれることで操作レバー171が破損することも防止できる。
図16(a)及び図18(a)に示すように、下部止め部170の操作レバー171を下方向にスライド後退させた状態では、操作レバー171の上部先端部分は、ガラスユニット140の下部突起部146の背後に位置していないが、後述する補強棒180の対向長状部180aに近接している。
また、前面枠セット14は、図11に示すように、その前面側で且つ窓部101の周囲箇所のうちの下側範囲箇所(本実施例では、前面枠セット14での窓部101の下部側から下皿15の上部側に至るまでの範囲)に、払い出された遊技球を貯留し案内する、前方に突出した上皿19を備えている。
さらに、前面枠セット14は、図13及び図17に示すように、その背面視で前記下側範囲箇所での窓部101に近い位置に、長状の補強棒180が、その長手方向が当該窓部101の下部に沿わせるようにして配設されている。この補強棒180は、例えば金属製部材であり、図18に示すように前面枠セット14の背面側にネジ止めされている。
補強棒180は、図13に示すように、下部止め部170を前面枠セット14との間に挟むように配設されている。
補強棒180は、その長手方向を窓部101の下部に沿わせるようにして配設されている。具体的には、図17及び図18に示すように、補強棒180の中央部分が窓部101の下部の近傍位置に位置し、当該補強棒180の中央部分以外の両端部分が前面枠セット14の横幅方向に向かって延出した位置に位置している。こうすることで、例えば不正行為者などが上皿19を手前側に強く引っ張ったり奥側に強く押し込んだりすることで前面枠セット14での窓部101の下部箇所を撓ませて不正な隙間を生じさせようとしても、補強棒180によって、前面枠セット14自体の不正な撓みの発生を低減できる。
この補強棒180は、図17に示すように、その左端から直線上に横方向(右方向)に延びた左側直線部181と、この左側直線部181から右下がりに緩やかに曲がった屈折部182と、この屈折部182から再び直線上に横方向(右方向)に延びて右端に至る右側直線部183とからなる一連形状を採用している。この左側直線部181は、前面枠セット14の背面視で上皿19の正面視右側箇所(背面視で左側箇所)に位置しており、屈折部182は、前面枠セット14の背面視で上皿19の正面視中央右側箇所(背面視で中央やや左側箇所)に位置しており、右側直線部183は、前面枠セット14の背面視で上皿19の正面視左側箇所(背面視で中央から右側箇所)に位置している。
この補強棒180は、図16及び図19に示すように、前面枠セット14に対向する長状の対向長状部180aと、この対向長状部180aから前面枠セット14の後方向(前面枠セット14の背面から突出した方向)に延出した延出部180bとを備えている。
つまり、補強棒180は、図19に示すように、縦断面視した状態でコの字形状となっており、対向長状部180aの上端側及び下端側から前面枠セット14の後方向(前面枠セット14の奥向き方向)に延出部180bが延出した形状である。
なお、延出部180bは、前面枠セット14の後方向(前面枠セット14の奥向き方向)に延出しているが、前面枠セット14の前方向(前面枠セット14の前面へ向かう方向)に延出するようにしてもよい。また、対向長状部180aの上端側または下端側の一方のみに延出部180bを設けるようにして、縦断面視でLノ字状としてもよい。
また、図12、図19に示すように、前面枠セット14は、その正面視で所定範囲箇所(窓部101よりも下部側の範囲)と重なる箇所に、当該箇所を略覆う大きさの金属製の補強板60を、補強棒180とは別に備えている。
また、前面枠セット14は、その正面視で窓部101よりも上部箇所で且つ当該前面枠セット14の横幅程度の範囲に亘る箇所に、図示省略の金属製の補強板を備えている。
補強板60は、前面枠セット14(例えば、金属製の開閉軸J2など)を介して接地(アース)されている。また、金属製の補強棒180は、その対向長状部180aの右端部のネジ穴にネジが挿入され、当該右端部が前面枠セット14の補強板60の一部に当接した状態で前面枠セット14の背面側に締結されることで、補強棒180と補強板60とが電気的に接続されている。
また、前面枠セット14は、図13に示すように、その背面側に、払い出された遊技球を上皿19や下皿15に案内する払出通路部191を有する球皿払出通路部品190を備えている。
この球皿払出通路部品190は、補強棒180の少なくとも一部(本実施例では、右側直線部183)を覆うようにして前面枠セット14の背面側に取り付けられている。
前面枠セット14は、図16に示すように、ガラスユニット140を当該前面枠セット14の背面視で右端縦方向軸心を回動軸として回動させて窓部101の開口部101aに取り付ける際に、ガラスユニット140の下部が乗り上がり当該ガラスユニット140を開口部101aに案内する乗り上げ案内部192を備えている。この乗り上げ案内部192は、図16に示すように、球皿払出通路部品190の上部箇所に設けられている。
乗り上げ案内部192は、図16に示すように、前面枠セット14の開口部101aの周囲下部箇所に配設され、開口部101aに向けて上り勾配とした上り傾斜部193を例えば3個間隔を空けて横方向に並設したものである。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分である上皿部21について、図20〜図31を用いて説明する。
図20(a)、(b)は上皿部21の平面図、右側面図である。図21は、上皿部21の前方斜視図である。図22は、上皿部21の後方斜視図である。図23は、上皿部21でのD−D線、E−E線、F−F線を示す図である。図24(a)〜(c)は、上皿部21のD−D線断面図、E−E線断面図、F−F線断面図である。図25は、遊技球が貯留された状態での上皿部21の平面図である。図26(a)〜(c)は、遊技球が貯留された状態での上皿部21のD−D線断面図、E−E線断面図、F−F線断面図である。図27は、上皿部21でのG−G線、H−H線、I−I線、J−J線を示す図である。図28(a)、(b)は、上皿部21のH−H線断面図、J−J線断面図である。図29は、遊技球が貯留された状態の上皿部21のJ−J線断面図である。図30(a)、(b)は、上皿部21のI−I線断面図、G−G線断面図である。図31は、遊技球が貯留された状態の上皿部21のI−I線断面図である。
上皿部21は、図20〜図22に示すように、賞球払い出しされた遊技球や貸し出された遊技球を排出する排出口19aと、この排出口19aから排出された遊技球が貯留可能で、一列に整列させながら発射装置229(図3参照)の方へ導出する上皿19と、前面枠セット14の背面側に位置する発射装置229の発射位置の方に、上皿19の遊技球を1個ずつ排出可能な球出口251を有する球排出部250とを備えている。
ここで、球排出部250について詳細に説明する。この球排出部250は、前面枠セット14が内枠12に対して開いた状態となると、図13,図14に示すように球出口251に進出する可動片252を備えている。よって、前面枠セット14が内枠12から開かれると、球出口251に可動片252が進出し、球出口251から遊技球の排出が防止される。つまり、前面枠セット14の開状態において球出口251から遊技球がこぼれ出さないようにしている。また、この可動片252は、前面枠セット14が内枠12に対して閉じた状態となると、球出口251から後退し、球出口251から遊技球が排出可能となる。
具体的には、球排出部250は、図13,図14に示すように、前面枠セット14が内枠12に閉じた状態となると当該内枠12での挿入穴255に対応する箇所に設けられた挿入突起(図示省略)が挿入される挿入穴255と、この挿入穴255に内枠12の挿入突起(図示省略)が挿入されることで押し込まれる被押し込み部256と、この被押し込み部256が押し込まれることで可動片252を球出口251から後退させ、且つ、被押し込み部256が非押し込みになると可動片252を球出口251に進出させる伝達部材257とを備えている。
前面枠セット14の開状態では、図16に示すように、球排出部250の可動片252が球出口251を遊技球が通過不可に右側に突出した状態となっているため、この状態では、球出口251から遊技球が送り出されない。これに対して、前面枠セット14の閉状態では、球排出部250の可動片252が図16紙面で左側にスライド移動して、球出口251を遊技球が通過可能に開かれた状態となり、球出口251から遊技球が排出可能となる。
次に、上皿19について詳細に説明する。上皿19は、図20〜図22に示すように、賞球払い出しされた遊技球や貸し出された遊技球を貯留可能でこの貯留球を発射装置229側に送る球流路を形成するものであって、当該球流路の下流側で最底面に形成された流路幅が狭くなった狭窄流路405を有する球流路を形成する流路形成用周囲壁410を備えている。
この流路形成用周囲壁410が形作る上記の球流路は、図20に示すように、排出口19aに近い上流側であって上皿19の平面視で前方に膨出した膨出流路401と、この膨出流路401の下流側に連通し、最底面に形成された狭窄流路405とを備えている。上皿19の平面視で流路形成用周囲壁410に囲われた底面は、膨出流路401の上流側から狭窄流路405の下流側に向けて下り傾斜している。また、この上皿19の底面は、膨出流路401については当該膨出流路401の手前側から奥側に向けて下り傾斜しているし、図24に示すように、狭窄流路405については後述する迂回面475が金属面407に向けて下り傾斜している。
この膨出流路401は、図25に示すように、平面視において、最大膨出箇所において8cm程度の前後幅を有しており、奥側の壁から手前側の壁までに遊技球を7、8個程度並ぶことが可能である。また、膨出流路401は、図29に示すように、図27に示すJ−J線上の箇所において高さ方向に例えば5、6段の遊技球の積み重なって貯留することが可能である。
この狭窄流路405は、図25に示すように、平面視において、膨出流路401で前後幅方向に最大7、8個程度並んだ遊技球を最終的に1列に整列規制するように、上皿19の平面視で手前側の壁が奥側の壁に近づけるような曲線形状としている。
この狭窄流路405は、図23に示すように、上皿19の平面視で奥側の壁に沿う箇所(遊技球が1列に整列される箇所)に、上皿19の平面視で横幅が遊技球約1個分で縦幅が遊技球約10個分とした長方形形状の金属面407を備えている。この金属面407は鏡面性を有する。このように、金属面407は、鏡面性を有するものとしているので、例えば上皿19での貯留球数が後述する乗り上げ屋根面471(図23参照)の下方に隠れる程度に少なくなった場合に、金属面407での図23に示す乗り上げ屋根面471の左側箇所を膨出流路401の上方から斜視することで、その金属面407に映る当該貯留球での最上流球の一部をこの金属面407で反射して見ることができ、上皿19の平面視では乗り上げ屋根面471に隠れて見えない貯留球の最上流球を目視できる。また、狭窄流路405は、図29に示すように、図27に示すJ−J線上の箇所において高さ方向に例えば5、6段の遊技球の積み重なって貯留することが可能である。
図21〜図23に示すように、流路形成用周囲壁410は、膨出流路401と狭窄流路405とからなる球流路の底面の周縁部分が上方向に突き出た壁である。
また、上皿19は、図20〜図22に示すように、当該パチンコ機10の平面視において、流路形成用周囲壁410のうちで狭窄流路405に接する所定壁部である幅広壁415の前後幅を他の壁部411(図20、図21では破線矢印の幅の壁部である)よりも長くすることで当該幅広壁415(図20、図21では二点鎖線矢印の箇所では当該二点鎖線矢印の幅の壁部である)の上面に形成された前後幅広面420を備えている。
この前後幅広面420は、図24(b)、(c)に示すように、当該パチンコ機10の前方に向けて下り傾斜する傾斜面である。
また、上皿19は、図20〜図22に示すように、幅広壁415の上端で且つ狭窄流路405側が該パチンコ機10の平面視において当該狭窄流路405に向けて迫り出した突出部430を備えている。
この突出部430は、図24、図26に示すように、狭窄流路405の上流側ではその突出量が小さく、下流側に行くに連れてその突出量が大きくなっている。図26(a)に示すように、突出部430の上面430aは、狭窄流路405の下流側に向かうほど高くなるように緩やかに傾斜しているので、突出部430の上面430aに乗り上げた遊技球が狭窄流路405の上流側の方に導き易くなっている。
また、図25、図30及び図31に示すように、突出部430の下方には、遊技球の少なくとも一部が入り込むことが可能な窪み部435が形成されている。窪み部435は、突出部430が突出することで当該突出部430の下方に形成された窪み空間である。また、図31に示すように、突出部430の下面430bは、後述する窪み部435の下面435aの下り傾斜と対応するように、狭窄流路405の下流側に向かうほど低くなるように緩やかに傾斜しているので、窪み部435に入り込んだ遊技球を後述する迂回面475の球戻し谷部475aの方に導き易くなっている。
なお、突出部430の突出量を一定としたり、狭窄流路405の上流側ほど突出量が大きくなるようにしてもよい。また、本実施例では、窪み部435内に遊技球が最大で1個入り込む大きさとしているが、複数個の遊技球が入り込むようにさらに窪んだ形状としたり、上下方向に2段以上積み重なった状態で遊技球が入り込むようにさらに深さのある窪み形状としてもよい。また、このように窪み部435が大きく窪んだり深く窪んだりする構成において、強度が必要な場合には、剛性のある部材(例えば金属部材、厚みのある樹脂成形品)で窪み部435を形成したり、窪み空間内に上下に渡す補強柱を形成したりしてもよい。
また、この突出部430は、図24に示すように、その背面側の空間内に突出形成された支持片431を備え、この支持片431が、演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a、右指示用操作ボタン455bを支持する支持部材450の奥側壁部450aでの突出片450bを支持する。このようにすることで、突出部430の背面側空間を支持部材450の支持部として有効活用でき、支持部材450をさらに上皿19の奥側に位置させるように配設でき、演出用操作ボタン451などをより上皿19の奥側に位置させることができる。
また、上皿19は、図20〜図22に示すように、前後幅広面420と突出部430の上面430aとで形成される操作面であって、遊技者に操作される各種の操作ボタンが配設される迫出前後幅広操作面440を備えている。
各種の操作ボタンとしては、図20〜図22に示すように、前述した球貸しボタン121及び返却ボタン122の他に、演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a、右指示用操作ボタン455b、球抜き操作ボタン460が挙げられる。
図20〜図22に示す演出用操作ボタン451は、第3図柄(装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42において所定の変動表示演出(例えば、スーパーリーチなど)が表示された場合に、遊技者への操作を促す表示がなされ、かかる操作指示に従って遊技者が押下操作する操作ボタンである。遊技者がこの演出用操作ボタン451を操作することで、例えば、遊技者にとって有利な遊技結果が得られたり、種々の表示演出が実行されたりして、遊技の興趣性向上が図られている。
演出用操作ボタン451は、その奥側端が当該パチンコ機10の平面視で狭窄流路405に接するように配設されている
図20〜図22に示す左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bは、第3図柄表示装置42での表示内容について、遊技者が左指示したり、右指示したりするための操作ボタンである。
図20〜図22に示す球抜き操作ボタン460は、上皿19に貯留する遊技球を発射装置229(図3参照)へ導くことなく下皿15に排出するために、遊技者によって押下操作される操作ボタンである。球抜き操作ボタン460が押下されると、図29、図31に示すように、狭窄流路405の下流端の底面箇所である球抜き用底部408がスライド移動することで当該底面箇所が開口された状態となり、上皿19に貯留する遊技球がこの開口から落下して排出口16を経て下皿15に排出される。
球抜き操作ボタン460について、図32〜図35も用いて説明する。図32(a)は、球抜き操作ボタン460が非押下であるときの上皿部21の斜視図、図32(b)は、球抜き操作ボタン460が押下されたときの上皿部21の斜視図である。図33は、上皿部21でのK−K線を示す図である。図34(a)は、球抜き操作ボタン460が非押下であるときの上皿部21のK−K線断面図、図34(b)は、球抜き操作ボタン460が押下されたときの上皿部21のK−K線断面図である。図35(a)、(b)は、球抜き操作ボタン460が非押下であって遊技球が貯留された状態の上皿部21の斜視図、K−K線断面図である。
さらに、この球抜き操作ボタン460は、図32〜図35に示すように、当該パチンコ機10の平面視において、流路形成用周囲壁410での狭窄流路405に接する箇所に、遊技者に押下操作されることで動く球接触ボタン部461を備えている。
図32(a)では、球抜き操作ボタン460が非押下状態であり、球接触ボタン部461が上位置に位置したままで狭窄流路405に面している。図35に示すように、上皿19に遊技球が貯留されると、狭窄流路405の下流側での上層の貯留球が球接触ボタン部461に接触している。そして、図32(b)、図34(b)に示すように、遊技者が球抜き操作ボタン460を押下すると、球接触ボタン部461が狭窄流路405に面したままで下方向に移動するため、狭窄流路405の下流側での上層の貯留球に変化を与えることができるとともに、図29、図31に示すように、狭窄流路405の下流端の底面箇所である球抜き用底部408も開口されるので、狭窄流路405の下層側の貯留球についても変化を与えることができる。
また、演出用操作ボタン451は、図21、図23に示すように、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bよりも前後幅が大きいものである。具体的には、演出用操作ボタン451の前後幅(図23のD−D線上の長さ)は、例えば約7cmであり、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bの前後幅(図23のF−F線上の長さ)は、例えば約1cmである。また、演出用操作ボタン451が下方向に例えば2.5mm程度押下可能であり、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bが下方向に例えば1mm程度押下可能であるため、演出用操作ボタン451は、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bよりも押下操作深さも大きいものである。
図23に示すように、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bは、迫出前後幅広操作面440での前後幅方向の中心箇所よりも手前側に位置している。また、図23に示すように、演出用操作ボタン451は、その操作中心軸P1が迫出前後幅広操作面440での前後幅方向の中心箇所P2よりも奥側に位置するとともに、当該パチンコ機10の平面視でその奥側端が狭窄流路405に接するように配設されている。
上皿19は、図23、図29、図31及び図32に示すように、狭窄流路405の下流側端部の上部箇所に配設され、当該狭窄流路405において一列に並んだ一列球上に所定数(例えば3個以上)の遊技球が積み重なった場合に上層の遊技球(3個目以上の遊技球)が当該一列球の進行方向に乗り上げ可能な乗り上げ屋根面471を備えている。
また、上皿19は、図29及び図31に示すように、乗り上げ屋根面471の下面に形成された、当該下面下での一列球上の遊技球の積み重なりを一層(一段)に規制するように当該下流方向に進むにつれて高さが低くなる下り天面473を備えている。
また、上皿19は、図23〜図28、図32及び図33に示すように、当該パチンコ機10の平面視で乗り上げ屋根面471に連接するとともに狭窄流路405の横側で当該狭窄流路405に向けて下り傾斜に形成された迂回面475を備えている。
具体的には、迂回面475は、図31及び図33に示すように、当該パチンコ機10の平面視で乗り上げ屋根面471の下流側に連接して下り傾斜した迂回第1傾斜面475bと、窪み部435の下面435aに連接して狭窄流路405に向けて下り傾斜した迂回第2傾斜面475cとを備えている。そして、迂回第1傾斜面475bと迂回第2傾斜面475cとの境界線箇所に形成された球戻し谷部475aは、狭窄流路405の流下方向中央箇所と乗り上げ屋根面471との間の箇所に向けて下り傾斜した谷部としている。
迂回第1傾斜面475b及び迂回第2傾斜面475cは、図33に示す矢印方向にそれぞれ下り傾斜している。球戻し谷部475aは、図33に示す破線矢印方向に下り傾斜している。よって、乗り上げ屋根面471に乗り上げて迂回第1傾斜面475bで迂回させた遊技球は、球戻し谷部475aを下って、乗り上げ屋根面471から離れた位置で狭窄流路405へ戻されるので、乗り上げ屋根面471への乗り上げ球と球戻し谷部475aでの戻し球との干渉が少なく、迂回させた遊技球をスムーズに狭窄流路405へ戻すことができる。なお、突出部430の上面430aは、図33に示す矢印方向に下り傾斜しているので、突出部430の上面430aに乗り上げた遊技球が狭窄流路405の上流側の方に導き易くなっている。
図34に示すように、迂回第2傾斜面475cでの窪み部435と連通される端部側は、窪み部435の下面435aの下端側よりも低い位置にある。つまり、この迂回第2傾斜面475cと下面435aとの境界箇所に、高低差を生じさせる段差部436が形成されている。この段差部436を形成することなく窪み部435の下面435aと迂回第2傾斜面475cとを一体の傾斜面K1とする場合(図34で破線で示す傾斜面K1)に比べて、下面435aの勾配が緩やかになっているので、下面435aの遊技球がそれよりも下流側である迂回第2傾斜面475cの遊技球にかかる力を低減できる。このように、窪み部435内の遊技球が迂回第2傾斜面475cの遊技球にかかる球圧を低減することができるので、窪み部435内の遊技球の球圧による球詰まりの発生を低減できる。
また、上皿19は、図21、図24(a)、図26(a)、図28、図29及び図32に示すように、上層の遊技球(3層以上の遊技球)を当該上皿19の平面視で迂回面475の方に逃がす逃がし突出面477を備えている。
具体的には、逃がし突出面477は、図21、図24(a)及び図29に示すように、狭窄流路405の下流方向に進むにつれて高さが低くなるとともに、当該流下方向視で狭窄流路405の横幅一端側(遊技者に近い手前側)の方に向くように傾斜している。
また、上皿部21は、図24(b),(c)に示すように、その底面手前側箇所からその下方に位置する下皿15までの間隔が広くなるように、上皿19の前方に向かうに連れて上り傾斜となる傾斜底部21aを備えている。この傾斜底部21aによって、上皿部21の底面手前側箇所からその下方の下皿15までの高さ間隔を広くとることができ、下皿15への間口を広くでき、下皿15に貯留された遊技球が取り出し易い。
また、上述した前面枠セット14が後述する遊技機本体に相当し、上述した上皿19が球皿部に相当し、上述した発射装置229が遊技球発射装置に相当し、上述した狭窄流路405及び迂回面475が下流側流路に相当し、上述した流路形成用周囲壁410が流路形成周囲壁部に相当し、上述した幅広壁415が第1壁部に相当し、上述した前後幅広面420が前後幅広上面に相当し、上述した突出部430が迫り出し部に相当し、上述した迫出前後幅広操作面440が上面、迫り出し操作面に相当し、上述した演出用操作ボタン451が操作部、第2操作部に相当し、上述した左指示用操作ボタン455a、右指示用操作ボタン455bが操作部、第1操作部に相当し、上述した球接触ボタン部461が被動作部に相当し、上述した乗り上げ屋根面471が乗り上げ屋根部に相当し、上述した下り天面473が下り天面部に相当し、上述した迂回面475が迂回部に相当し、上述した逃がし突出面477が逃がし突出部に相当する。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、前面枠セット14の前面に配設される、払い出された遊技球を貯留する上皿19と、この上皿19から案内されてきた遊技球を遊技者の発射操作に応じて遊技領域に発射する発射装置229と、を備え、払い出された遊技球を貯留可能でこの貯留球を発射装置229の側に送る上皿19の球流路のうちで平面視において下流側に形成された流路幅の狭い下流側流路(狭窄流路405及び迂回面475)と、パチンコ機10の平面視において下流側流路に対して上皿19の遊技者側に形成され、迂回面475の一部である窪み部435の下面435aに一部が重なった迫出前後幅広操作面440と、この迫出前後幅広操作面440のうち前記重なる範囲に対応した横方向の範囲(図20(a)の破線横方向矢印の範囲)内に演出用操作ボタン451が位置するように配設されている。
よって、上皿19の迫出前後幅広操作面440は、パチンコ機10の平面視で迂回面475の一部である窪み部435の下面435aに重なるので、前後幅広面420から下流側流路の方に拡大した(迫出前後幅広操作面440)までを含めて大きな操作面とすることができる。この大きな操作面に演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bを広く配設したり大きな演出用操作ボタン451を配設したりできるので、遊技者が遊技領域を見ながら操作する場合にも、操作ミスや操作間違いを低減できる。
また、上皿19の平面視でその上面での下流側流路の重なり箇所(突出部430の下部の窪み部435)に、遊技球が入り込むことができ、上皿19での貯留球数の低減を抑止できる。
具体的には、上皿19は、払い出された遊技球を貯留可能でこの貯留球を前記発射装置229側に送る球流路を形成するものであって、当該球流路の下流側に流路幅が狭くなった狭窄流路405を有する球流路を形成する流路形成用周囲壁410と、当該パチンコ機10の平面視において、流路形成用周囲壁410のうちで狭窄流路405に接する所定壁部である幅広壁415の前後幅を他の壁部411よりも長くすることで当該幅広壁415の上面に形成された前後幅広面420と、幅広壁415の上端で且つ狭窄流路405側が該パチンコ機10の平面視において当該狭窄流路405に向けて迫り出した突出部430と、前後幅広面420と突出部430の上面430aとで形成される操作面であって、遊技者に操作される演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bが配設される迫出前後幅広操作面440と、を備えている。
したがって、前面枠セット14の前面に配設される上皿19は、その流路形成用周囲壁410での狭窄流路405に接する前後幅が長い幅広壁415の上面である前後幅広面420と、幅広壁415の上端で且つ狭窄流路405側が当該狭窄流路405に向けて迫り出した突出部430の上面430aと、で形成される迫出前後幅広操作面440を備えているので、奥側に拡大した大きな操作面とすることができる。この大きな操作面に演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bを広く配設したり大きな演出用操作ボタン451を配設したりできるので、遊技者が遊技領域を見ながら操作する場合にも、操作ミスや操作間違いを低減できる。
また、幅広壁415は、その上端で且つ狭窄流路405側が当該狭窄流路405に向けて迫り出した突出部430としているので、この幅広壁415での突出部430の下部に遊技球が入り込むことができ、上皿19での貯留球数の低減を抑止できる。
よって、上皿19の上面を大きな操作面としつつ、貯留球数の低減を抑止できる遊技機を提供することができる。
さらに、突出部430は、狭窄流路405に向けて迫り出しているので、狭窄流路405での貯留球の積み上げが突出部430によって所定高さまでに制限でき、狭窄流路405での貯留球が操作面の方に溢れ出すことを低減できる。これに対して、上皿19の流路形成用周囲壁410のうちで狭窄流路405に接する箇所以外の壁部(つまり、パチンコ機10の平面視で手間側に膨らんだ形状とした遊技球を貯留する膨出流路401に接する壁部)には、突出部430を備えていないので、遊技者が貯留球を取り出そうとする場合に、突出部430で邪魔されることがなく、貯留球が取り出し易い。
また、演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bは、上皿19の上面である操作面に設けられているので、演出用操作ボタン451などが前方に突出することがなく、上皿19の前面側面部に操作ボタンを突出配置する従来構成に起因する遊技者への圧迫感を低減できる。
また、演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bは、下方向または略下方向に押下操作されるものとしている。つまり、上皿19の上面である迫出前後幅広操作面440に配設された演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bは、遊技者の指や手を下ろすように下方向または略下方向に押下操作されるので、パチンコ機10に向かって水平方向に押し込む操作の場合に比べて、手の負担が少なく操作できる。
また、前後幅広面420は、当該パチンコ機10の前方に向けて下り傾斜する傾斜面としているので、前後幅広面420の上に落下した遊技球が当該傾斜面を下って排出され、前後幅広面420の上に遊技球が滞留することを低減できる。また、前後幅広面420は、手前側が下り傾斜しているので、前後幅広面420を傾斜していない平面構成とした場合と比べて、上皿19に遊技球を手で入れ易いし、上皿19に貯留されている貯留球が取り出し易い。
また、演出用操作ボタン451は、その奥側端が当該パチンコ機10の平面視で狭窄流路405に接するように配設されているので、遊技者がその左手の指を上皿19の内側に伝わせると、上皿19を見なくても当該上皿19での遊技球の貯留数量の程度を把握できるのみならず、突出部430で狭窄流路405に接する演出用操作ボタン451に触れることができ、遊技領域を見ながら、演出用操作ボタン451の位置把握とその操作とを行うことができる。
また、演出用操作ボタン451は、その操作中心軸が迫出前後幅広操作面440での前後幅方向の中心箇所よりも奥側に位置している。つまり、演出用操作ボタン451は、上皿19の手前側よりも奥側で厚みのある箇所に位置しているので、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bよりも押下操作深さが大きい演出用操作ボタン451を配設することができる。さらに、この演出用操作ボタン451は、当該パチンコ機10の平面視で狭窄流路405に接するように配設されているので、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bよりも前後幅が大きく、迫出前後幅広操作面440の奥側まで至る大きさとすることができる。また、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bは、迫出前後幅広操作面440での前後幅方向の中心箇所よりも手前側に位置しているので、迫出前後幅広操作面440での前後幅の半分以下の大きさであり、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bと演出用操作ボタン451との相対差を大きくすることができ、遊技領域を見ながら操作される場合にも誤操作を低減できる。
また、球抜き操作ボタン460は、パチンコ機10の平面視において流路形成用周囲壁410での狭窄流路405に接する箇所の球接触ボタン部461を備えている。よって、この球接触ボタン部461は、遊技者による操作により動くので、狭窄流路405での貯留球の貯留状態に変化を与えることができ、狭窄流路405での球詰まりを低減できる。具体的には、遊技者が球抜き操作ボタン460を操作することで、上皿19の狭窄流路405に待機される最下層の遊技球が下皿15に返却されることで最下層の遊技球の貯留状態に変化を与えることができるとともに、上皿19の狭窄流路405に待機される最下層よりも上層の遊技球(3層目以上の遊技球であって乗り上げ屋根面471に乗り上げた遊技球)が球接触ボタン部461の動きでその貯留状態に変化を与えることができ、狭窄流路405の最下層及びそれよりも上層の貯留球についての球詰まりを低減できる。また、狭窄流路405の最下層での球詰まりは、外部からは見えないあるいは見えにくいので、このように外部から見えない球詰まりについてもそれを解消できる点で有効である。
また、上皿19は、狭窄流路405の下流側端部の上部箇所に配設され、当該狭窄流路405において遊技球が複数個積み重なった一列球のうち上層の遊技球(3層以上の遊技球)が当該一列球の進行方向に乗り上げ可能な乗り上げ屋根面471と、この乗り上げ屋根面471の下面に形成された、当該下面下での積み重なった一列球を一層に規制するように当該下流方向に進むにつれて高さが低くなる下り天面473と、当該パチンコ機10の平面視で前記乗り上げ屋根面471に連接するとともに狭窄流路405の横側で当該狭窄流路405に向けて下り傾斜に形成された迂回面475と、を備えている。
したがって、狭窄流路405の下流側端部の上部箇所に位置する乗り上げ屋根面471は、当該狭窄流路405で複数個積み重なった一列球のうち上層の遊技球(3層以上の遊技球)が当該一列球の進行方向に乗り上げさせ、狭窄流路405の下流側での一列球上の積み重なりを所定段に制限できる。また、この乗り上げ屋根面471に乗り上げた遊技球は、迂回面475によって、当該狭窄流路405の上流側に迂回させることができる。また、乗り上げ屋根面471の下面に形成された下り天面473は、下流方向に進むにつれて高さが低くなっており、当該下面下での積み重なった一列球を一層に規制することができる。
また、逃がし突出面477は、狭窄流路405において遊技球が複数個積み重なった一列球のうち上層の遊技球(3層以上の遊技球)を、上皿19の平面視で迂回面475の方に逃がすので、上層の遊技球(3層以上の遊技球)を迂回面475にスムーズに供給できる。また、乗り上げ屋根面471に乗り上がる遊技球は、狭窄流路405の真上ではなく迂回面475側に逃がして乗り上げさせることができ、乗り上げた遊技球は迂回面475へ供給されるものであるため、狭窄流路405へ向かう遊技球が乗り上げ球によって停滞することも低減できる。また、貯留球がさほど多くない場合(逃がし突出面477に接触する程度に貯留球が存在するものの、乗り上げ屋根面471に乗り上がるまでに至らない数量の場合)には、逃がし突出面477で直接に迂回面475に供給される。よって、当該上層の遊技球を効率良く迂回面475に供給でき、この迂回面475から再び狭窄流路405の上流側に戻すことができる。
また、逃がし突出面477は、狭窄流路405の下流方向に進むにつれて高さが低くなるとともに、当該流下方向視で前記狭窄流路405の横幅一端側の方に向くように傾斜しているので、狭窄流路405において遊技球が複数個積み重なった一列球のうち上層の遊技球(3層以上の遊技球)をその積み上げ高さを崩しながら当該一列球の進行方向と直交する横方向に逃がしていくことができ、当該一列球のうち上層の遊技球(3層以上の遊技球)を滞らせずに迂回面475の方に逃がすことができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
<1>上述した実施例では、上皿19において迫出前後幅広操作面440に対応した横方向の範囲(図20(a)の破線横方向矢印の範囲)内に演出用操作ボタン451の全部が位置するように当該演出用操作ボタン451が配設されているが、演出用操作ボタン451の一部が当該横方向の範囲内に位置するように配設してもよいし、演出用操作ボタン451を形成する部品の一部が位置するように配設してもよい。
<2>上述した実施例では、操作部として、遊技者によって押下操作される演出用操作ボタン451、左指示用操作ボタン455a及び右指示用操作ボタン455bを採用しているが、水平方向、前後方向、回動方向に操作される各種の操作部(スライドレバー、ジョイスティック、ダイヤルなど)を採用してもよい。
<3>また、図36(a)に示すように、下皿15は、上皿19の前後幅広面420(前方に下り傾斜した傾斜面)から落下してきた遊技球を受け取り可能なように、平面視で上皿19よりも前方に突出した形状としてもよい。具体的には、パチンコ機10の平面視で下皿15の貯留領域(図36(a)では上皿19に隠れて見えない)の少なくとも一部が上皿19よりも遊技者側に延出した延出領域15bとすることが挙げられる。この場合には、上皿19の前後幅広面420に落下した遊技球は、当該前後幅広面420の傾斜方向に下って下皿15の方に落下し、この下皿15で受け取られるので、当該落下球を遊技者が失うことを低減できるし、遊技場の床面に遊技球が散乱することも低減できる。
また、図36(a)に示すように、下皿15は、上皿19の他の壁部11から落下した遊技球も受け取り可能なように、平面視で上皿19の他の壁部11(特に、上皿19の膨出流路401での最大膨出箇所に対応する、他の壁部411での対応箇所BDを含む壁部)よりも前方に突出した形状としている。例えば、上皿19の膨出流路401での最大膨出箇所に対応する、他の壁部411での対応箇所BDから遊技者が上皿19の方に手を入れて上皿19の貯留球を手で取り出そうとすることがあるが、この際に当該箇所BDからこぼれ出た落下球も下皿15で受け取ることができる。
また、下皿15は、図36(a)に示すように、平面視で上皿19の外形に沿った形状(例えば、上皿19の外形形状と同様の形状)としているので、パチンコ機10の平面視で上皿19の外形から遊技者側に広がる延出領域15bの遊技者側方向の距離を一定とすることができ、上皿19の前後幅広面420での何れの箇所にから落下した遊技球も受け取ることができ、平面視で上皿19に対する下皿15の前方突出量を必要最小限に止めることができる。
また、延出領域15bは、パチンコ機10の平面視で、遊技球を排出する円形排出部15a(後述する排出口に相当する)を備えるとともに、この円形排出部15aに向かうように下り傾斜しているので、下皿15の貯留球が遊技者に近い側に貯留され、遊技者は下皿15での貯留球数を把握し易い。また、球抜きレバー17を操作することで下皿15の円形排出部15aを開状態にし、貯留球を下皿15の下方の搬送用容器(いわゆる、ドル箱)に排出することができる。
<4>また、図36(b)に示すように、上皿19は、前後幅広面420に位置する遊技球を案内する落下防止壁485と、この落下防止壁485で案内された遊技球を上皿19に戻す案内溝487とを備えている。なお、上述した落下防止壁485及び戻す案内溝487が後述する球戻し手段に相当する。
具体的には、落下防止壁485は、上皿19の平面視で、この上皿19の前端上面箇所で且つ略中央位置から右端側位置にかけて立設された壁である。この落下防止壁485は、その高さを例えば遊技球の直径程度としているが、遊技球の半径程度やそれら以外の高さを採用して遊技球の落下防止を図るようにしてもよい。また、上皿19の前後幅広面420における落下防止壁485に沿って遊技球が流下する範囲箇所は、上皿19の右端側から中央側に向かうに連れて低くなっている。
案内溝487は、遊技球の直径以上の溝幅を有し、その底面が下流側に向かうほど下り傾斜するように、その溝深さが深くなっている。具体的には、案内溝487は、図36(b)のL1−L1線断面箇所での溝深さは、深さD1であり、図36(b)のL2−L2線断面箇所での溝深さは、深さD2(D2>D1)であり、図36(b)のL3−L3線断面箇所での溝深さは、深さD3(D3>D2>D1)である。
この構成によれば、上皿19での前後幅広面420(傾斜面)のうちで当該上皿19の中央から右側の範囲内に落下した遊技球は、前方に下り傾斜する前後幅広面420に沿って前方に下り案内されて落下防止壁485に到達し、この落下防止壁485に沿って上皿19の中央側に下り案内され、この遊技球が今度は案内溝487を下って上皿19に戻される。また、上皿19での前後幅広面420(傾斜面)のうちで当該上皿19の中央から左側の範囲内に落下した遊技球は、前後幅広面420に沿って前方に下り案内されて、この前後幅広面420上の案内溝487を通って上皿19に戻される。よって、当該落下球を遊技者が失うことを低減できるし、遊技場の床面に遊技球が散乱することも低減できる。また、図36(a)に示す前述の変形例では、上皿19からの落下球を下皿15で受け取る構成としていたが、図36(b)に示す変形例では落下球を上皿19に戻すことができるので、下皿15から上皿19へ遊技球を戻す操作も不要にできる。
また、この大きな操作面(迫出前後幅広操作面440)での下流側流路寄りに演出用操作ボタン451などを配設することで当該操作面の遊技者側を利用して球戻し手段(落下防止壁485及び戻す案内溝487)を設けることができ、球戻し手段の配設による上皿19の前後幅の拡張を低減できる。
<5>また、演出用操作ボタン451での押下操作されることで上下動するボタン部分(被動作部)が、当該パチンコ機10の平面視において、狭窄流路405に接する箇所に位置する構成としてもよい。この場合には、演出用操作ボタン451のボタン部分(被動作部)は、遊技者による操作により上下動するので、狭窄流路405での貯留球の貯留状態に変化を与えることができ、狭窄流路405での球詰まりを低減できる。
<6>また、上皿19は、狭窄流路405の下流側で最下層の貯留球が視認可能な視認手段として、透明とした乗り上げ屋根面471を備えるようしてもよい。透明とした乗り上げ屋根面471によって狭窄流路405の下流側で最下層の貯留球が視認できるので、発射装置229で発射可能な上皿19で残球数を把握でき、不意の球切れによって遊技の興趣性が損なわれることを低減できる。また、迫出前後幅広操作面440を備えた上皿19では、迫出前後幅広操作面440(迫り出し操作面)を備えない球皿部に比べて、狭窄流路405の最下層が深くなることから、このように深くなった狭窄流路405の下流側で最下層の貯留球が、透明とした乗り上げ屋根面471(視認手段)によって確認できる点が有用である。
なお、前記の視認手段以外の構成としては、例えば図37に示す構成が挙げられる。図37に示すように、鏡部材490(鏡部品など)を、パチンコ機10の正面視で上皿19の左側内面箇所(排出口19aの左側に近い内面箇所)に、遊技者の当該鏡部材490への視線(図37での円内に×を示したもの)をこの鏡部材490で上皿19の狭窄流路405の下流側の方に反射させるように向けて(図37での破線矢印の方向に向けて)配置した構成が挙げられる。この構成の場合には、遊技者が遊技中に鏡部材490の方に視線を移すと、図37の破線矢印方向視した状態で狭窄流路405の最下層の貯留球を視認できる。
また、それ以外の視認手段としては、この鏡部材490や他の鏡部材(鏡部品など)と前述した狭窄流路405の金属面407(図23参照)とで光学反射経路を構成して視認可能とする構成や、これらと透明とした乗り上げ屋根面471とを組合せた構成などが挙げられる。
<7>本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
<第1課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、遊技機本体の前面下部箇所に、払い出しされた遊技球を貯留する球皿部を備え、この球皿部から案内されてきた遊技球を遊技者のハンドル操作に応じて遊技球発射装置が遊技盤の遊技領域に発射する。また、球皿部には、遊技者に操作される各種の操作ボタン(例えば、演出用ボタン、球貸しボタンなど)が配設されている(例えば、特許文献:特開2010−284359号公報(第5−6頁,第3−4図)参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、各種の操作ボタン(演出用ボタン、球貸しボタンなど)は、遊技者が遊技領域を見ながら操作されることがあるため、操作ミスや操作間違いを低減するべく、球皿部の上面を拡大して大きな操作面とし、この大きくした操作面に各種の操作ボタンを配設する構成が好ましい。
具体的には、従来のパチンコ機では、球貸しボタンは球皿部の上面に配設しているものの、演出用ボタンについては球皿部の前側側面箇所に配置している。この演出用ボタンは当該パチンコ機に向けて押し込む方向に操作しなければならないので、肘、手首または指に負担がかかり易く、演出用ボタンを球皿部の上面箇所に配置し当該演出用ボタンを略下方向に押下する構成の方が手の負担が少ない。また、球皿部での演出用ボタンが前方に突出した形状となっており、演出用ボタンが遊技者に近くなり過ぎて、遊技者に圧迫感を与えてしまう。よって、演出用ボタンも球皿部の上面に配設する方が好ましい。
また、演出用ボタンは、他の操作ボタン(例えば、球貸しボタンなど)と比べて、遊技領域を見ながら操作されるケースが多いため、操作ミスを低減するために他の操作ボタン(例えば、球貸しボタンなど)と比べて大きなものとする方が好ましく、球皿部の上面を拡大して大きな操作面とし、当該大きな操作面にこの演出用ボタンを配設するのが好ましい。
だからと言って、上述したように球皿部の上面を拡張して当該上面箇所に各種の操作ボタン(演出用ボタン、球貸しボタンなど)を配設する構成とすると、その上面が拡張した分だけ当該球皿部で貯留できる貯留球の数が減ってしまうという別異の問題が生じてしまう。
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、球皿部の上面を大きな操作面としつつ、貯留球数の低減を抑止できる遊技機を提供することを目的とする。
(A0) 遊技機本体の前面に配設される、払い出された遊技球を貯留する球皿部と、
この球皿部から案内されてきた遊技球を遊技者の発射操作に応じて遊技領域に発射する遊技球発射装置と、
を備えた遊技機において、
払い出された遊技球を貯留可能でこの貯留球を前記遊技球発射装置側に送る前記球皿部の球流路のうちで平面視において下流側に形成された流路幅の狭い下流側流路と、
平面視において前記下流側流路に対して前記球皿部の遊技者側に形成され、一部が当該下流側流路に重なった上面と、
前記上面のうち前記重なる範囲に対応した横方向の範囲内に、遊技者に操作される操作部の少なくとも一部が配設されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(A0)に記載の発明によれば、球皿部の上面は、平面視でその一部が下流側流路に重なるものとしているので、この上面を、下流側流路の方に拡大した大きな操作面とすることができる。この大きな操作面に操作部を広く配設したり大きな操作部を配設したりできるので、遊技者が遊技領域を見ながら操作する場合にも、操作ミスや操作間違いを低減できる。
また、球皿部の平面視でその上面での下流側流路の重なり箇所に、遊技球が入り込むことができ、球皿部での貯留球数の低減を抑止できる。
よって、球皿部の上面を大きな操作面としつつ、貯留球数の低減を抑止できる遊技機を提供することができる。
(A1) 遊技機本体の前面に配設される、払い出された遊技球を貯留する球皿部と、
この球皿部から案内されてきた遊技球を遊技者の発射操作に応じて遊技領域に発射する遊技球発射装置と、
を備えた遊技機において、
払い出された遊技球を貯留可能でこの貯留球を前記遊技球発射装置側に送る、前記球皿部での球流路を形成するものであって、当該球流路の下流側に流路幅が狭くなった下流側流路を有する球流路を形成する流路形成周囲壁部と、
当該遊技機の平面視において、前記流路形成周囲壁部のうちで前記下流側流路に接する所定壁部である第1壁部の前後幅を他の壁部よりも長くすることで当該第1壁部の上面に形成された前後幅広上面と、
前記第1壁部の前記下流側流路側で当該下流側流路の底から遊技球1個以上の間隔を空けた箇所が当該遊技機の平面視において当該下流側流路に向けて迫り出した迫り出し部と、
前記前後幅広上面と前記迫り出し部の上面とで形成される面であって、遊技者に操作される操作部が配設される迫り出し操作面と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(A1)に記載の発明によれば、遊技機本体の前面に配設される球皿部は、その流路形成周囲壁部での下流側流路に接する前後幅が長い第1壁部の上面である前後幅広上面と、第1壁部の下流側流路側で下流側流路の底から遊技球1個以上の間隔を空けた箇所が当該下流側流路に向けて迫り出した迫り出し部の上面とで形成される迫り出し操作面を備えているので、奥側に拡大した大きな操作面とすることができる。この大きな操作面に操作部を広く配設したり大きな操作部を配設したりできるので、遊技者が遊技領域を見ながら操作する場合にも、操作ミスや操作間違いを低減できる。
また、第1壁部は、その下流側流路側で当該下流側流路の底から遊技球1個以上の間隔を空けた箇所が当該下流側流路に向けて迫り出した迫り出し部としているので、この第1壁部での迫り出し部の下部に遊技球が入り込むことができ、球皿部での貯留球数の低減を抑止できる。
よって、球皿部の上面を大きな操作面としつつ、貯留球数の低減を抑止できる遊技機を提供することができる。
さらに、迫り出し部は、下流側流路に向けて迫り出しているので、下流側流路での貯留球の積み上げが迫り出し部によって所定高さまでに制限でき、下流側流路での貯留球が操作面の方に溢れ出すことを低減できる。これに対して、球皿部の流路形成周囲壁部のうちで下流側流路に接する箇所以外の壁部(つまり、遊技機の平面視で手間側に膨らんだ形状とした遊技球を貯留する膨出貯留部に接する壁部)には、迫り出し部を備えていないので、遊技者が貯留球を取り出そうとする場合に、迫り出し部で邪魔されることがなく、貯留球が取り出し易い。
また、操作部は、球皿部の上面である操作面に設けられているので、操作部が前方に突出することがなく、球皿部の前面側面部に操作部を突出配置する従来構成に起因する遊技者への圧迫感を低減できる。
なお、前述した「下流側流路」としては、最下面が狭窄流路を含む流路である。
また、前述した「操作部」としては、例えば、下方向または略下方向に押下操作されるものが挙げられる。この場合には、球皿部の上面である迫り出し操作面に配設された操作部は、遊技者の指や手を下ろすように下方向または略下方向に押下操作されるので、遊技機に向かって水平方向に押し込む操作の場合に比べて、手の負担が少なく操作できる。
(A2) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記前後幅広上面は、当該遊技機の前方に向けて下り傾斜する傾斜面である
ことを特徴とする遊技機。
前記(A2)に記載の発明によれば、前後幅広上面は、当該遊技機の前方に向けて下り傾斜する傾斜面としているので、傾斜面に落下した遊技球が当該傾斜面を下って排出され、傾斜面上に遊技球が滞留することを低減できる。また、前後幅広上面は、手前側が下り傾斜しているので、前後幅広上面を傾斜していない平面構成とした場合と比べて、球皿部に遊技球を手で入れ易いし、球皿部に貯留されている貯留球が取り出し易い。
なお、「球皿部の下方に位置し、且つ、球皿部の傾斜面から落下してきた遊技球を受ける別の球皿部である下部皿部を、さらに備えるようにしてもよい。この場合には、球皿部での傾斜面に落下した遊技球は、当該傾斜面を下って下部皿部の方に落下し、この下部皿部で受け取られるので、当該落下球を遊技者が失うことを低減できるし、遊技場の床面に遊技球が散乱することも低減できる。
また、前記傾斜面は、当該傾斜面上の遊技球を前記球皿部へ戻す通路部を備える構成としてもよい。この構成によれば、球皿部での傾斜面に落下した遊技球は、傾斜面上の通路部を通って球皿部に戻すことができ、当該落下球を遊技者が失うことを低減できるし、遊技場の床面に遊技球が散乱することも低減できる。また、前述の下部皿部から球皿部へ遊技球を戻す操作も不要にできる。
(A3) 前記(A0)から(A2)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記操作部は、遊技者によって押下操作されるものであって、その奥側端が当該遊技機の平面視で前記下流側流路に接するように配設されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(A3)に記載の発明によれば、操作部は、その奥側端が当該遊技機の平面視で下流側流路に接するように配設されているので、遊技者がその左手の指を球皿部の内側に伝わせると、球皿部を見なくても当該球皿部での遊技球の貯留数量の程度を把握できるのみならず、迫り出し部で下流側流路に接する操作部に触れることができ、遊技領域を見ながら、操作部の位置把握とその操作とを行うことができる。
また、前述した「操作部」は、その押下操作されることで上下動する被動作部が、当該遊技機の平面視において、前記下流側流路に接する箇所に位置する構成としてもよい。この場合には、被動作部は、遊技者による操作により上下動するので、下流側流路での貯留球の貯留状態に変化を与えることができ、下流側流路での球詰まりを低減できる。
(A4) 前記(A2)に記載の遊技機において、
前記操作部としての、遊技者によって押下操作される第1操作部と、遊技者によって押下操作される、前記第1操作部よりも押下操作深さ及び前後幅が大きい第2操作部とを備え、
前記第1操作部は、前記迫り出し操作面での前後幅方向の中心箇所よりも手前側に位置し、
前記第2操作部は、その操作中心軸が前記迫り出し操作面での前後幅方向の中心箇所よりも奥側に位置するとともに、当該遊技機の平面視でその奥側端が前記下流側流路に接するように配設されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(A4)に記載の発明によれば、第2操作部は、その操作中心軸が迫り出し操作面での前後幅方向の中心箇所よりも奥側に位置している。つまり、第2操作部は、球皿部の手前側よりも奥側で厚みのある箇所に位置しているので、第1操作部よりも押下操作深さが大きい第2操作部を配設することができる。さらに、この第2操作部は、当該遊技機の平面視で下流側流路に接するように配設されているので、第1操作部よりも前後幅が大きく、迫り出し操作面の奥側まで至る大きさとすることができる。また、第1操作部は、迫り出し操作面での前後幅方向の中心箇所よりも手前側に位置しているので、迫り出し操作面での前後幅の半分以下の大きさであり、第1操作部と第2操作部との相対差を大きくすることができ、遊技領域を見ながら操作される場合にも誤操作を低減できる。
(A5) 前記(A1)から(A4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記流路形成周囲壁部は、当該遊技機の平面視において、前記下流側流路に接する箇所に、遊技者に操作されることで動く被動作部を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(A5)に記載の発明によれば、遊技機の平面視において流路形成周囲壁部での下流側流路に接する箇所の被動作部は、遊技者による操作により動くので、下流側流路での貯留球の貯留状態に変化を与えることができ、下流側流路での球詰まりを低減できる。
また、「被動作部は、球皿部の下流側流路に待機される最下層の遊技球を、球皿部の下方に位置する下部皿部に返却する返却操作部とする」ことが好ましい。この構成によれば、遊技者が返却操作部を操作することで、球皿部の下流側流路に待機される最下層の遊技球が下部皿部に返却されることで最下層の遊技球の貯留状態に変化を与えることができるとともに、球皿部の下流側流路に待機される最下層よりも上層の遊技球が返却操作部の動きでその貯留状態に変化を与えることができ、下流側流路の最下層及びそれよりも上層の貯留球についての球詰まりを低減できる。また、下流側流路の最下層での球詰まりは、外部からは見えないあるいは見えにくいので、このように外部から見えない球詰まりについてもそれを解消できる点で有効である。
(A6) 前記(A0)から(A5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記球皿部は、前記下流側流路の下流側で最下層の貯留球が視認可能な視認手段を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(A6)に記載の発明によれば、視認手段によって下流側流路の下流側で最下層の貯留球が視認できるので、遊技球発射装置で発射可能な球皿部で残球数を把握でき、不意の球切れによって遊技の興趣性が損なわれることを低減できる。また、迫り出し操作面を備えた球皿部では、迫り出し操作面を備えない球皿部に比べて、下流側流路の最下層が深くなることから、このように深くなった下流側流路の下流側で最下層の貯留球が視認手段によって確認できる点が有用である。例えば、視認手段としては、球皿部の下流側流路の下流側で最下層の貯留球が視認可能な位置に配設された透明部若しくは鏡部材またはこれらを組合せた構成などが挙げられる。
(A7) 前記(A0)から(A6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記球皿部は、
前記下流側流路の最下面である狭窄流路の下流側端部の上部箇所に配設され、当該狭窄流路において一列に並んだ一列球上に所定数の遊技球が積み重なった場合に上層の遊技球が当該一列球の進行方向に乗り上げ可能な乗り上げ屋根部と、
前記乗り上げ屋根部の下面に形成された、当該下面下での一列球上の遊技球の積み重なりを一層に規制するように当該下流方向に進むにつれて高さが低くなる下り天面部と、
当該遊技機の平面視で前記乗り上げ屋根部に連接するとともに前記狭窄流路の横側で当該狭窄流路に向けて下り傾斜に形成された迂回部と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(A7)に記載の発明によれば、下流側流路の最下面である狭窄流路の下流側端部の上部箇所に位置する乗り上げ屋根部は、当該狭窄流路において一列に並んだ一列球上に所定数の遊技球が積み重なった場合に上層の遊技球が当該一列球の進行方向に乗り上げさせ、狭窄流路の下流側での一列球上の積み重なりを所定段に制限できる。また、この乗り上げ屋根部に乗り上げた遊技球は、迂回部によって、当該狭窄流路の上流側に迂回させることができる。また、乗り上げ屋根部の下面に形成された下り天面部は、下流方向に進むにつれて高さが低くなっており、当該下面下での一列球上の遊技球の積み重なりを一層に規制することができる。なお、前述の「上層の遊技球」としては、最下層より上位である2層目以上の遊技球、最下層より上位である3層目以上の遊技球などが挙げられる。
(A8) 前記(A7)に記載の遊技機において、
前記球皿部は、
前記上層の遊技球を当該球皿部の平面視で前記迂回部の方に逃がす逃がし突出部
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(A8)に記載の発明によれば、逃がし突出部は、狭窄流路において一列に並んだ一列球上に予め定まった所定数の遊技球が積み重なった場合に上層の遊技球を、球皿部の平面視で迂回部の方に逃がすので、上層の遊技球を迂回部にスムーズに供給できる。また、乗り上げ屋根部に乗り上がる遊技球は、狭窄流路の真上ではなく迂回部側に逃がして乗り上げさせることができ、乗り上げた遊技球は迂回部へ供給されるものであるため、狭窄流路へ向かう遊技球が乗り上げ球によって停滞することも低減できる。また、貯留球がさほど多くない場合(逃がし突出部に接触する程度に貯留球が存在するものの、乗り上げ屋根部に乗り上がるまでに至らない数量の場合)には、逃がし突出部で直接に迂回部に供給される。よって、当該上層の遊技球を効率良く迂回部に供給でき、この迂回部から再び狭窄流路の上流側に戻すことができる。
なお、前述した「逃がし突出部」は、前記狭窄流路の下流方向に進むにつれて高さが低くなるとともに、当該流下方向視で前記狭窄流路の横幅一端側の方に向くように傾斜している」ことが好ましい。この構成によれば、狭窄流路において遊技球が複数個積み重なった一列球のうち上層の遊技球をその積み上げ高さを崩しながら当該一列球の進行方向と直交する横方向に逃がしていくことができ、当該一列球のうち上層の遊技球を滞らせずに迂回部の方に逃がすことができる。
(A9) 前記(A1)から(A8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(A9)に記載の遊技機によれば、球皿部の上面を大きな操作面としつつ、貯留球数の低減を抑止できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
<第2課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、遊技機本体の前面下部箇所に、払い出しされた遊技球を貯留する球皿部を備え、この球皿部から案内されてきた遊技球を遊技者のハンドル操作に応じて遊技球発射装置が遊技盤の遊技領域に発射する。また、球皿部には、遊技者に操作される各種の操作ボタン(例えば、演出用ボタン、球貸しボタンなど)が配設されている(例えば、特許文献:特開2010−284359号公報(第5−6頁,第3−4図)参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、遊技者は遊技領域を見ながら球皿部から遊技球を取り出すことがあり、その際に球皿部の上面に落下したりこぼれたりした遊技球が遊技場の床面に落下して散乱してしまうことがあり、当該落下球を遊技者が失うことがある。
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、球皿部の上面における遊技球を回収できる遊技機を提供することを目的とする。
(B1) 遊技機本体の前面に配設される、払い出された遊技球を貯留する球皿部と、
この球皿部から案内されてきた遊技球を遊技者の発射操作に応じて遊技領域に発射する遊技球発射装置と、
を備えた遊技機において、
払い出された遊技球を貯留可能でこの貯留球を前記遊技球発射装置側に送る前記球皿部の球流路と、
前記球皿部での遊技者側に下り傾斜する上面と、
前記上面における遊技球を前記球流路に戻す球戻し手段と
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(B1)に記載の発明によれば、球皿部での遊技者側に下り傾斜した上面における遊技球は、球戻し手段によって球皿部の球流路に戻されるので、上面における遊技球を回収することができる。よって、球皿部の上面における遊技球が遊技場の床面に落下することを低減でき、当該落下球を遊技者が失うことを低減できるし、遊技場の床面に遊技球が散乱することも低減できる。
よって、球皿部の上面における遊技球を回収できる遊技機を提供することができる。
(B2) 遊技機本体の前面に配設される、払い出された遊技球を貯留する球皿部と、
この球皿部から案内されてきた遊技球を遊技者の発射操作に応じて遊技領域に発射する遊技球発射装置と、
遊技球が貯留可能な貯留領域を有し、前記球皿部の下方位置に配設された下側球皿部と
を備えた遊技機において、
前記球皿部での遊技者側に下り傾斜する上面と、
当該遊技機の平面視で前記下側球皿部の貯留領域の少なくとも一部が前記球皿部よりも遊技者側に延出した延出領域と
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(B2)に記載の発明によれば、球皿部の上面における遊技球は、遊技者側に下り傾斜して当該球皿部から落下するが、この落下球が下側球皿部の延出領域で受け取られるので、上面における遊技球を回収することができる。よって、球皿部の上面における遊技球が遊技場の床面に落下することを低減でき、当該落下球を遊技者が失うことを低減できるし、遊技場の床面に遊技球が散乱することも低減できる。
よって、球皿部の上面における遊技球を回収できる遊技機を提供することができる。
(B3) 前記(B2)に記載の遊技機において、
前記延出領域は、当該遊技機の平面視で前記球皿部の外形に沿った形状としていることを特徴とする遊技機。
前記(B3)に記載の発明によれば、下側球皿部の延出領域は、遊技機の平面視で球皿部の外形に沿った形状であるので、遊技機の平面視で球皿部の外形から遊技者側に広がる延出領域の遊技者側方向の距離を一定とすることができ、球皿部の上面での何れの箇所にから落下した遊技球も受け取ることができ、平面視で球皿部に対する下側球皿部の前方突出量を必要最小限に止めることができる。
(B4) 前記(B2)または(B3)に記載の遊技機において、
前記延出領域は、当該遊技機の平面視で遊技者側に遊技球を排出するための開閉可能な排出口を備えるとともに、前記排出口に向かうように下り傾斜していることを特徴とする遊技機。
前記(B4)に記載の発明によれば、延出領域は、遊技機の平面視で、遊技球を排出する排出口を遊技者側に備えるとともに、この排出口に向かうように下り傾斜しているので、下側球皿部の貯留球が遊技者側で貯留され、遊技者は下側球皿部での貯留球数を把握し易い。また、下側球皿部の排出口を開状態にすることで、貯留球を当該下側球皿部の下方の搬送用容器に排出することができる。
(B5) 前記(B1)から(B4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記球皿部の球流路のうちで平面視において下流側に形成された流路幅の狭い下流側流路と、
平面視において前記下流側流路に対して前記球皿部の遊技者側に形成され、一部が当該下流側流路に重なった上面と、
前記上面のうち前記重なる範囲に対応した横方向の範囲内に、遊技者に操作される操作部の少なくとも一部が配設されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(B5)に記載の発明によれば、球皿部の上面は、平面視でその一部が下流側流路に重なるものとしているので、この上面を、下流側流路の方に拡大した大きな操作面とすることができる。この大きな操作面に操作部を広く配設したり大きな操作部を配設したりできるので、遊技者が遊技領域を見ながら操作する場合にも、操作ミスや操作間違いを低減できる。そして、この大きな操作面での下流側流路寄りに操作部を配設することで当該操作面の遊技者側を利用して前記(B1)の球戻し手段を設けることができ、球戻し手段の配設による球皿部の前後幅の拡張を低減できる。
また、大きな操作面としたことでこの操作面に遊技球が落下したりこぼれたりするケースが考えられるが、この操作面における遊技球を、前記(B1)の球戻し手段で球皿部に戻したり、前記(B2)の下側球皿部の貯留領域のうち延出領域で受け取ったりでき、操作面上の遊技球を気にすることなく、遊技に集中することができる。
なお、前記(B1)〜(B5)において、前記(A1)〜(A8)の構成を備えるようにしてもよい。
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。