以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3は前面扉(上側扉13及び下側扉14)を開放した状態のパチンコ機10を示す斜視図、図4は前面扉(上側扉13及び下側扉14)を直角に開いた状態でのパチンコ機10を示す正面図である。なお、図3,図4では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。ABS樹脂を用いることにより、比較的低コストで耐衝撃性の高い本体枠12を得ることができる。本体枠12をアルミニウム等の金属によって構成してもよい。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。
本体枠12の前面側には、本体枠12を覆うようにして、前面扉としての上側扉13と下側扉14とが設けられている。これら上側扉13と下側扉14とは、本体枠12に対して各々開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。各扉13,14はその大部分が本体枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。
ここで、上側扉13の構成を説明する。上側扉13には、円形に近い略楕円形状をなす視認窓としての窓部15が形成されている。この窓部15により、後述する遊技盤面に形成された遊技領域のほぼ全域が前方から視認可能となっている。また、窓部15の周囲には各種ランプ等の複数の発光手段16が設けられている。これら発光手段16は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。
また、図3においては図示を略すが、上側扉13には、窓部15を覆うようにしてその裏側からガラスユニットが取り付けられるようになっている。因みに、このガラスユニットは、いわゆる複層ガラスであり、窓部15とほぼ同一形状であって且つ該窓部15よりも若干外径寸法が大きいガラスフレームと、該ガラスフレームに所定間隔を隔てて固定される前後一対のガラス板とを有して構成されている。ガラスフレーム及び前後一対のガラス板により区画される内部空間は密閉空間となっており、同空間内に乾燥剤等が同封されることにより、ガラス面の結露等が防止されるようになっている。
一方、下側扉14の前面側には、その上端部から下端部にかけて手前側へ膨出形成された膨出部20が設けられ、その膨出部20内側には上方に開放された球受皿21が組み付けられている。球受皿21は、遊技者の持ち分となる遊技球を貯留する遊技球貯留領域を形成するための皿部材に相当し、島設備の球貸し装置から貸し出された遊技球や、払出装置より払い出された遊技球はこの球受皿21で一旦貯留され、その後一列に整列して遊技球発射装置側へ導かれる。但しその構成の詳細は後述する。
膨出部20の前面側には球抜きレバー22が設けられており、この球抜きレバー22が操作されると、球受皿21に設けられた球抜き通路の蓋部23(図6参照)が開放される。これにより、球受皿21内の貯留球が膨出部20の内部を通って下方に流れ、膨出部20の下方に置かれた球収容箱等に排出されるようになっている。符号24は、球受皿21において蓋部23よりも下流側に位置する遊技球を排出するために操作される球抜きスイッチである。
また、下側扉14の前面側において、膨出部20よりも右方には遊技球発射ハンドル111が設けられ、左方には灰皿112が設けられている。灰皿112は、内部に溜まった吸い殻等を除去しやすいように手前側下方に反転可能に取り付けられている。なお、膨出部20の内部空間にはスピーカが設けられており、膨出部20の前面一部には例えば網目部等が設けられそれがスピーカカバーとなっている。
本パチンコ機10では便宜上省略したが、島設備から供給される遊技球の球貸し操作を行うための貸球操作部を膨出部20に設けることも可能である。この貸球操作部は、パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、球貸し操作、カード等の返却操作及び有効度数の確認を行うものであり、一般的な構成としては球貸しボタンと返却ボタンと度数表示部とが一体的に並設されている。この場合、球貸しボタンは、カード(記録媒体)等に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。
ここで、球受皿21の構成について図5〜図8に基づいて詳しく説明する。図5は下側扉14の単体構成を示す斜視図、図6は下側扉14の平面図である。また、図7及び図8には球受皿21の単体構成を示しており、図7は球受皿21の分解斜視図、図8は球受皿21の一部を破断すると共に遊技球貯留領域の最下流部における遊技球通路を透視して示す斜視図である。
下側扉14において、球受皿21は、膨出部20に上方から組み付けられるようになっており、この球受皿21の外周壁21aと下側扉14の奥パネル14aとにより遊技球貯留領域が区画形成されている。また、球受皿21には、遊技球貯留領域を概ね前後2つの貯留領域(上流領域R1、下流領域R2)に区分するための仕切壁部71が設けられている。球受皿21において、上流領域R1と下流領域R2とは折り返すようにして設けられ、上流領域R1の皿底部は図の右側ほど下方に傾斜し、下流領域R2の皿底部は図の左側ほど下方に傾斜している。
仕切壁部71は、球受皿21の後側端部(奥パネル14aに接する部位)を始端として手前側に円弧を描くようにして延び、更に球受皿21の中間部位まで右方へ延びる構成となっている。詳細には、仕切壁部71の円弧部は、概ね遊技球1個分の幅(実際には遊技球径よりも僅かに大きい幅寸法)を隔てて球受皿21の外周壁21aにほぼ並行に形成されている。また、仕切壁部71は、球受皿21の略中央部において左側から右側へかけて後方側に僅かに指向するよう形成されている。従って、上流側及び下流側の各領域R1,R2は、それぞれ上流部ほど広く、下流部ほど狭くなるよう領域形成されており、特に下流領域R2の最下流部は遊技球を一列に整列する整列通路部R3となっている。なお、仕切壁部71は、整列通路部R3を区画する部位は比較的薄肉で形成され、他の部位は比較的厚肉で形成されている。この場合、整列通路部R3は、上流領域R1を囲むように、且つ少なくとも取込口間際(遊技球取込口から上流側の所定区間)においてパチンコ機前面部に対して略垂直になるよう設けられている。
ここで、整列通路部R3は、遊技球を1つずつ取り込ませるための通路領域であり、その上下方向も概ね遊技球1個分の高さ寸法とすべく、球受皿21の外周壁21aと仕切壁部71との間には、整列通路部R3(下流通路R2の最下流部)に被さるようにして通路カバー72が組み付けられている。通路カバー72は、他の部位とは別体で着脱可能に構成され、整列通路部R3における遊技球の有無を視認可能にすべく透明材料にて成形されている。また、整列通路部R3の底部には、当該通路部R3における遊技球の流れ(転がり)を良好にすることを目的として、ステンレス製の金属帯よりなるステンレスプレート74が設けられている。
奥パネル14aには、下側扉14の背面側に連通する排出口73が設けられおり、後述する払出装置から払い出される遊技球は排出口73を介して球受皿21に排出されるようになっている。なお、排出口73は、本パチンコ機10の中心部から向かって左寄りの位置に設けられている。
また、下側扉14には、前記整列通路部R3に連通し、球受皿21から遊技球を取り込むための取込口75が設けられている(図3参照)。この場合、排出口73と取込口75とは、共にパチンコ機10の正面から見て左寄り(下側扉14の開閉軸側)であって、取込口75が排出口73よりも外側になるよう設けられている。
排出口73から排出された遊技球は、上流領域R1→下流領域R2の順に流れ、更に整列通路部R3にて一列に整列されて1つずつ取込口75から取り込まれる。かかる場合、上流通路R1は奥側、下流通路R2(整列通路部R3を含む)は手前側に設けられており、遊技球は、遊技者に近い手前側に回り込むようにして流れ、取込口75から順次取り込まれる。
次に、本体枠12の構成を説明する。図4に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図11に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、遊技盤30の構成を図11に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部両側に一般入賞口31がそれぞれ複数配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて球受皿21に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、第1図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部には、第1図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。また、センターフレーム43の上部中央には、スルーゲート34の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置42が設けられている。センターフレーム43の下部には、第2図柄表示装置42に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、前記保留ランプ44と同様に、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
第1図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。第1図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして可変表示されるようになっている。なお、第1図柄表示装置41は、液晶ディスプレイ以外に、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第2図柄表示装置42は、例えば「○」、「×」の2種類の第2図柄を表示する表示部45を備えている。そして、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に表示部45の表示図柄(第2図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄(例えば「○」図柄)で停止した場合に、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。具体的な変動態様は、遊技球がスルーゲート34を通過すると、「○」と「×」の表示が付された部分の背面に内蔵された各LEDが交互に点灯され、最終的に「○」か「×」の一方に対応したLEDのみが点灯されるというものである。なお、表示部45は、複数のランプ(LED)を交互に点灯させることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置41(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、特別遊技状態(以下、大当たりという)の際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、作動口33に遊技球が入賞すると第1図柄表示装置41で第1図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に大当たりが発生する。そして、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態になるよう構成されている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材が取り付けられており、遊技球発射ハンドル111の回動操作に伴い発射された遊技球はレール部材を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。すなわち、レール部材は、長尺状をなすステンレス製の金属帯よりなる内レール51と外レール52にて構成されており、それら各レール51,52は遊技盤30の面上にほぼ垂直に立設されている。内レール51は、遊技盤30の左側に所定範囲(前記窓部15の約2/3ほどの長さ)で略円環状に形成され、外レール52は内レール51の外側に所定範囲(前記窓部15の約1/2ほどの長さ)で略半円環状に形成されている。これら各レール51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により球発射通路53が形成されている。
但し、本パチンコ機10では、図4に示すように、遊技球発射装置61がパチンコ機10の向かって左側に設けられており、当該遊技球発射装置61によって遊技球がほぼ垂直に打ち上げられるようになっている。それ故に、外レール52の始端部(図の下端部)は、ほぼ鉛直方向に延びるよう固定されている。
内レール15の終端部には戻り球防止部材54が取着されており、この戻り球防止部材54により、一旦球発射通路53から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球発射通路53内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52の終端部には返しゴム55が取着されており、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
遊技盤30の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
本体枠12の説明に戻り、図3,図4に示すように、前記樹脂ベース25において、窓孔26(遊技盤30)の下方には、ソレノイド駆動式の遊技球発射装置61が取り付けられている。この遊技球発射装置61は、遊技球発射方向への直線往復動が可能な駆動軸62aを有してなるソレノイド62と、該ソレノイド62の駆動軸62aの直線移動方向と同一方向に延びる発射レール63とを備えている。発射レール63は、僅かに傾いているがほぼ鉛直方向に設けられている。この場合、遊技者が遊技球発射ハンドル111を回動操作すると、その操作量に応じてソレノイド62が作動して遊技球が発射される。これにより、遊技球が発射レール63に沿ってほぼ真上に打ち上げられ、その後球発射通路53を通じて遊技領域に案内される。
なお詳しい説明は省略するが、遊技球発射装置61には球送り装置が設けられており、この球送り装置によって、発射レール63に対して下側扉14側の取込口75(球受皿21に通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給され、ソレノイド62の駆動に伴い遊技球が1つずつ発射されるようになっている。
遊技球発射装置61の上方には、ファール球を回収したり、払出装置の払出球を球受皿21に案内したりするための遊技球案内ユニット101が設けられている。遊技球案内ユニット101の構成を図9と図10を用いて説明する。
遊技球案内ユニット101は、前記遊技盤30上の球発射通路53の真下に設けられたファール球回収部102と、このファール球回収部102に接続され、発射レール63の先端部を迂回するようにしてクランク状をなす遊技球案内通路103とを有しており、該案内通路103の終端部には前記下側扉14の排出口73に連通する開口部104(図4参照)が設けられている。
従って、仮に遊技球発射装置61から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球発射通路53内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球回収部102に落下し、その後遊技球案内通路103を介して排出口73から球受皿21に戻される。
詳細な説明は割愛するが、遊技球案内ユニット101は、払出装置から払い出される払出球を球受皿21に案内するための機能も併せ有している。つまり、払出装置から払い出された遊技球は、所定の払出通路を介して遊技球案内通路103に導かれ、その後排出口73から球受皿21に排出される。
また、樹脂ベース25には、窓孔26の左上部には小窓79が設けられている。この小窓79は、図11で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置に設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、上側扉13に設けた各種発光手段16(ランプ等)に対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。なお、樹脂ベース25には、上側扉13の開放の状態を検出するための扉開放スイッチ(図示略)が設けられている。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する上側扉13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と上側扉13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと上側扉13の施錠が解かれるようになっている。
また、本体枠12には、シリンダ錠91を囲むようにして縦長状のカバー部材92が取り付けられている。図2等に示すように、下側扉14には、カバー部材92の形状に合わせて切欠部145が形成されており、下側扉14を閉鎖した状態ではこの下側扉14と共にカバー部材92がパチンコ機前面部を構成する。
なお、下側扉14は、上側扉13を開放した状態で所定の開放操作レバー(図示略)を操作することで開放可能となっている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図12はパチンコ機10の背面図、図13はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、発射制御装置312(発射制御基板)及び電源装置313(電源基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図14の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。従って、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。より具体的な構成については後述する。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図15は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図16は本体枠12を後方より見た斜視図、図17は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図15にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図11参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、第1図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図15に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に集合板ユニット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複していない。従って、遊技盤30を本体枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置に特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球が特定領域に入ったことを判定するスイッチである。特定領域とはラウンドの更新可否を判定するための領域であり、Vゾーンとも称されている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271に取り込まれ、該主制御装置271よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。ここで、従来のいわゆる証拠球方式では、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行うようにしていたが、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に検知して払出が直ちに行われるようにしているため、払い出す遊技球が多量にあってもその払出をいち早く実施することが可能となるとともに、入賞球処理装置が不要となる。
集合板ユニット215には、その右上部に盤用外部端子板230が設けられている。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(確定)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図18に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。なお、第2制御基板ユニット202用の軸受け部237と裏パックユニット203用の軸受け部238とを各々個別の軸受け金具で構成することも可能である。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。なお、裏パックユニット203は、その上部に大量の遊技球を貯留することから、裏パックユニット203の上部を支持するための固定具241,242に関しては特に十分な強度を持つ構成とするのが望ましく、本実施の形態では回動式の固定具を用いている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図15では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図15では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する上側扉13の施錠が解除される。
なお、本体枠12の左右側部に軸受け金具235と施錠装置(基枠247、連動杆248等)とが振り分けられる上記構成において、これら軸受け金具235及び施錠装置(基枠247、連動杆248等)を配置するための領域を残した幅となるようにして、本体枠12に前記遊技盤30が取り付けられている。これによっても遊技領域の拡張が図られていることは前述した通りである。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図19〜図24に基づいて説明する。図19は第1制御基板ユニット201の正面図、図20は同ユニット201の斜視図、図21は同ユニット201の分解斜視図、図22は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。また、図23は遊技盤30の裏面に第1制御基板ユニット201を取り付けた状態の正面図、図24は当該状態の遊技盤30及び第1制御基板ユニット201の側面図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす台座部材としての取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。なお、基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニット274によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット274はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図20等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット274による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット274を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス273を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス273の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス273に残しておけば、基板ボックス273を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
音声ランプ制御装置272は、主制御装置271からの指示(コマンド信号等)に従い音声やランプ表示による補助演出制御を実施するCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス275に収容されて構成されている。主制御装置271の基板ボックス273及び音声ランプ制御装置272の基板ボックス275は何れもケース部材に相当する。
音声ランプ制御装置272上には、電源装置313より供給される電源を表示制御装置214及び音声ランプ制御装置272に供給するための電源中継基板276と、主制御装置271から音声ランプ制御装置272への信号出力を中継する信号中継基板280とが搭載されている。
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、例えば緑や青等に着色されて不透明とされている。但し、取付台251は無色透明又は半透明であってもよい。取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は装着部を構成するものであって、縦横に直交する向きに延び、パチンコ機10の前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長に延びる一方の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長に延びる他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置172は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
ここで、図21及び図22に示すように、基板搭載面252には、左右2カ所に孔部としての横長形状の貫通孔256が形成されている。一方、主制御装置271の基板ボックス273には、その裏面の左右2カ所に締結部材としての回動操作式の係止具277が設けられている。係止具277は、基板ボックス273の裏面に立設された支軸277aと、この支軸277aの先端部において90度の角度で回動可能に設けられた摘み部277bとよりなる。
主制御装置271を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の左右の貫通孔256に係止具277の摘み部277bを挿通させるようにして主制御装置271を載置するとともに、基板搭載面252の背後にて摘み部277bを90度回動させてロック位置に操作する。この摘み部277bの回動操作によって、基板搭載面252上にて取り外し不能に主制御装置271が装着できる。この場合、第1制御基板ユニット201の裏面側から再び摘み部277bを回動操作してアンロック位置に戻さなければ(ロック解除しなければ)、主制御装置271を取り外すことができないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
取付台251において、主基板用の基板搭載面252は左右の脚部259により持ち上げられ、当該取付台251を遊技盤30の裏面に装着した際に基板搭載面252が遊技盤30の裏面から離間されるように構成されている。基板搭載面252の背後空間には、中継基板等の基板装置や各種配線などが適宜配されるようになっている。また、基板搭載面252の図の下方において、左右の脚部259の間には、基板搭載面252の背後空間に対する侵入を阻止するための遮蔽部257が設けられている。かかる構成では、基板搭載面252の背後空間に通じる開口部が遮蔽され、基板搭載面252の下方より取付台251の裏面に手や工具などを差し入れることが阻止されるようになっている。
また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該制御基板ユニット201が絵柄表示ユニットとしての可変表示ユニット35に隣接して配置される。この場合、基板搭載面252の背後空間に通じる開口部のうち、上側の開口部は可変表示ユニット35によって塞がれ、基板搭載面252の上方より取付台251の裏面に手や工具などを差し入れることが阻止されるようになっている。要するに、基板搭載面252の背後空間に通じる開口部は、下側が遮蔽部257により塞がれ、左右両側が脚部259により塞がれ、上側が可変表示ユニット35により塞がれる。以上により、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態にあっては、係止具277による主制御装置271のロック状態を解除することが極めて困難となり、望ましい不正対策が実現できる。
また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該制御基板ユニット201の上部がカバー部材としての裏パックユニット203により覆われるため、これによっても取付台251の背後に手や工具などを差し入れることの困難性が増すようになっている。
前述した通り、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ取り外すことが不可能であり、また、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっている。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に第1制御基板ユニット201を回動させたり取り外すことができず、ひいては主制御装置271の取り外しも不可能となる。それ故、主制御装置271の不正な載せ替えや盗難等を効果的に防止することができる。施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放することが、裏パックユニット203を開放するための開放条件となっている。
ここで、主制御装置271及び音声ランプ制御装置272の配置に関して詳述する。主制御装置271用の基板搭載面252と音声ランプ制御装置272用の基板搭載面253とは互いに平行な平坦面にて構成され、パチンコ機10の裏面から見てL字状に直交するようにして形成されている。このとき、図23に示すように、遊技盤30中央の可変表示ユニット35を迂回するようにして各基板搭載面252,253が形成され、さらに、遊技盤30の下辺及び左辺に沿うようにして各基板搭載面252,253が形成されている。また、これら基板搭載面252,253は段差状に形成されている。
各基板搭載面252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272が搭載されると、主制御装置271はパチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置272はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253がパチンコ機10の前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を搭載した状態において各制御装置271,272はその一部を前後に重ねて配置される。つまり、図20等にも見られるように、主制御装置271はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置される。故に、主制御装置271に重なる領域まで音声ランプ制御装置272を拡張することが可能となり、また別の見方をすれば音声ランプ制御装置272に重なる領域まで主制御装置271を拡張することが可能となり、パチンコ機10という限られた大きさの中にあっても、各制御基板271,272の大型化に良好に対処できるとともに、各制御装置271,272を効率良く設置できる。なおこの場合、各基板搭載面252,253の段差を音声ランプ制御装置272の高さ寸法よりも大きくしている。故に、各制御装置271,272を立体配置したとしても、その高さ方向で干渉するといった不都合も生じない。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。なお、基板搭載面252の裏面には格子状のリブ258が設けられており、主制御装置271の支持強度が高められている。
主制御装置271用の基板搭載面252は、その背後空間を確保するために遊技盤30から所定の高さを有するとともに遊技盤30の下辺に沿うようにして形成されていることから、図24に示すように、遊技盤30に第1制御基板ユニット201を取り付けた状態で、当該遊技盤30を床面F等に自立させることができるようになる。この場合、遊技盤30は裏面側に僅かに傾いた状態で自立する。従って、製造工場や遊技ホール等において、遊技盤30の修理や交換作業等に際し、遊技盤30を立てておくための専用治具が不要となることや、作業性の向上などの効果が得られるようになる。
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。従って、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン261が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ262が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔263が前記係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図25〜図27に基づいて説明する。図25は第2制御基板ユニット202の正面図、図26は同ユニット202の斜視図、図27は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル111の操作に従い遊技球発射装置61の制御が行われる。また、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から球受皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、主制御装置271と同様、被包手段を構成する基板ボックス315がボックスベースとボックスカバーとを備え、それらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。基板搭載面302には、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源装置313の基板ボックス317上には略平板状の台座プレート303が載置されるとともに台座プレート303上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源装置313との間には台座プレート303が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート303に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
取付台301には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン305が設けられており、掛止ピン305を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台301の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン305が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を図28,図29に基づいて説明する。図28は裏パックユニット203の正面図、図29は裏パックユニット203の分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置272も併せて囲む構成となっている。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置214等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができるようになっている。
また、保護カバー部354には、前記音声ランプ制御装置272上に搭載された信号中継基板280を視認可能とするための視認窓354bが設けられている。この場合、視認窓354bはそのまま開口部とすればよいが、該開口部に透明パネルをはめ込む構成とすることも可能である。但し、視認窓354bを開口部とする構成であれば、信号中継基板280を直接視認できることからより望ましいものとなる。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記球受皿21に供給される。なお、図示は省略するが、ケースレール357の上流部には、タンク355やタンクレール356から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置358には、払出モータ358aの回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。バイブレータ360は、バイブモータとそのバイブモータを収容する合成樹脂製のケースとによりユニット化されており、2本の脚部360aでタンクレール356に取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び上側扉13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。従って、裏パックユニット203を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット203を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図30のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置271には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
主制御装置271のCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置214や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置271のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置271のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により、NMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置271、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、遊技球発射装置61による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、遊技球発射装置61は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル111に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、遊技球発射装置61が駆動され、遊技球発射ハンドル111の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
音声ランプ制御装置272は、他の制御装置と同様に、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等の電気的構成を有しており、主制御装置271から図柄変動に関する各種コマンドを入力し、そのコマンドに応じて音声やランプ表示による補助演出を実施する。なお、主制御装置271から入力した各種コマンドのうち、表示制御装置214にも関連するものはそのまま表示制御装置214に対して出力されるようになっている。
表示制御装置214は、第1図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示と、第2図柄表示装置42における第2図柄(普通図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置214は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には音声ランプ制御装置272が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には第2図柄表示装置42(表示部45)が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には第1図柄表示装置41が接続されている。
表示制御装置214のCPU521は、音声ランプ制御装置272を経由して主制御装置271から送信される図柄表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置41及び第2図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置41に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置271や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置271や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置271のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置271及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置271及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置271及び払出制御装置311は、NMI割込み処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置271及び払出制御装置311のバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、主制御装置271及び払出制御装置311に対してRAM消去信号SG2を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御装置271及び払出制御装置311においてそれぞれのバックアップエリア503a,513aのデータがクリアされる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
パチンコ機10の前面部に設けた球受皿21には、遊技球貯留領域として、前後2つの貯留領域(上流領域R1、下流領域R2)を設け、そのうち奥側の上流領域R1が排出口73に通じ、手前側の下流領域R2が取込口75に通じるように構成した。かかる構成では、遊技球貯留領域の複数列化により、該貯留領域の大容量化と、上流部から下流部かけて遊技球のスムーズな流通とが実現できる。また、2つの領域R1,R2のうち手前側の貯留領域(下流領域R2)が遊技者に近い位置に配されることとなり、取込口75から取り込まれる間際の遊技球を容易に確認することができる。前後二列の貯留領域のうち奥側の貯留領域から遊技球が取り込まれる従来構成と比してその効果は明らかである。その結果、本パチンコ機10では、遊技球貯留領域の大容量化と遊技球のスムーズな流通とを可能とし、しかも遊技球の存否を容易に確認することができるようになる。
また、排出口73と取込口75とを、パチンコ機10の中心を基準として片側(本実施の形態では左寄り)であって、取込口75が排出口73よりも外側になるように設けた。かかる場合、仮に取込口75が排出口73よりも内側になるように設けられた構成では、球受皿21の一部が取込口75の上方に被さるように位置することとなる。これにより、取込口75に取り込まれる間際の遊技球の確認が困難となる。これに対して本構成によれば上記不都合が回避できる。
またこのとき、排出口73と取込口75とが下側扉14の軸線寄りに設けられるため、払出装置類や遊技球の取込装置類を下側扉14の軸線寄りに集約して設けることが容易となる。これら装置類を下側扉14の軸線寄りに設けることにより、下側扉14をある角度以上開放しないと当該装置類に対する不正行為が困難となる。それ故に、払出や取込に関する装置類に対しての不正行為をしづらくさせる上で有効な構成となる。また、払出や取込に関する装置類(すなわち、遊技球を取り扱う装置類)を下側扉14の軸線寄りに設けることにより、下側扉14の重量負担が軽減される。従って、下側扉14の破損等の不都合を抑制することができる。
下流領域R2の最下流部を整列通路部R3とし、該整列通路部R3に透明材料よりなる通路カバー72を取り付けたため、1つずつ確実な遊技球の取込が可能となる。また、通路カバー72は透明材料にて構成されているため、整列通路部R3を通過して取込口75から取り込まれる遊技球を目視にて確認することができる。この場合、遊技終了時等において、整列通路部R3に遊技球が残っていたとしてもその確認を確実に行うことができる。
また、通路カバー72を球受皿21に対して着脱可能に構成したため、例えば、使用に伴い整列通路部R3が汚れる場合などにおいて、通路カバー72を取り外して整列通路部R3の清掃等を行うことなどが可能となる。これにより、メンテナンス性を向上させることができる。
整列通路部R3を、少なくとも取込口75の間際(遊技球取込口から上流側の所定区間)でパチンコ機前面部に対して垂直又は略垂直となるよう設けたため、パチンコ機10の正面に位置する遊技者にとっては、整列通路部R3内の様子を容易に目視することができる。それ故に、整列通路部R3を通過して取込口75から取り込まれる遊技球(整列通路部R3に残っている遊技球とも言える)を確認する上で有効な構成が実現できる。整列通路部R3がパチンコ機前面部に沿って並設される従来構成と比してその有効性は顕著である。
またこのとき、整列通路部R3を、取込口75に至るまでの範囲で円弧状に設けたため、整列通路部R3において数珠繋ぎ状に並ぶ遊技球が次々と後押しされるように流れ、当該整列通路部R3における遊技球の流れをスムーズにすることができる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)球受皿21の外周壁21aの高さを、仕切壁部71よりも低くしても良い。具体的には、図31に示すように球受皿21を構成する。この場合、遊技球貯留領域の最下流部における球受皿21の外周壁21aを、少なくとも遊技球1個分の通過が可能となる高さとし、その内側に遊技球通路(整列通路部)を形成する。但しこの場合、外周壁21aよりも内側には、透明材料よりなる通路カバー(図示略)が組み付けられると良い。本構成によれば、遊技球貯留領域の最下流部(すなわち、取込口直前の部位)における遊技球の存否がより一層容易に確認できるようになる。なおこのとき、下側扉14の膨出部20は、球受皿21の外周壁21aに合わせて形状が変更される。
(b)上記実施の形態では、球受皿21において取込口75に至るまでの範囲で整列通路部R3を円弧状に設けたが、これを変更し、当該整列通路部R3を多角形状よりなる直線状に設けても良い。この場合にも前記同様、取込口75の間際(遊技球取込口から上流側の所定区間)において、整列通路部R3をパチンコ機前面部に対して垂直又は略垂直に設けることで、整列通路部R3内の様子を容易に目視することができ、遊技球の存否確認が容易となる。整列通路部R3を円弧状に設ける構成において、当該整列通路部R3の曲率を、異なる曲率の組み合わせとすることも可能である。
またこの場合、整列通路部R3を、取込口75又はその近傍から、パチンコ機前方における遊技者の想定位置(例えばホールにパチンコ機毎に設置された遊技椅子)に向かって延びるよう設けても良い。これにより、パチンコ機前方の遊技者にとって、整列通路部R3内における遊技球の確認がより一層容易なものとなる。
(c)上記実施の形態では、上方から見て球受皿21の外周壁を左右対称形状としたが(図6参照)、これを変更し、球受皿21の外周壁を左右非対称の形状としても良い。例えば、球受皿21の右側又は左側のいずれかがより手前側に張り出すような形状としても良い。
(d)上記実施の形態では、パチンコ機前面の膨出部20において、パチンコ機10の中心(左右方向の中心)よりも左側に排出口73と取込口75とを設けたが、これに代えて、パチンコ機10の中心よりも右側に排出口73と取込口75とを設けるようにしても良い。
(e)上記実施の形態では、球受皿21内における遊技球貯留領域として、前後二列の貯留領域を設けたが、これを変更し、前後三列以上の貯留領域を設けても良い。また、遊技球貯留領域を二列以上に区分する構成をなくし、同貯留領域を一列で構成することも可能である。
(f)上記実施の形態では、パチンコ機前面の扉体として、上下に分割された上側扉13と下側扉14とを設けたが、これに代えて、前記各扉13,14を一体化した構成としても良い。すなわち、前記扉体を1枚構成とする。
(g)上記実施の形態では、パチンコ機前面において、皿部材としての球受皿を1カ所にのみ設ける構成としたが、これを変更し、上下2カ所に皿部材(球受皿)を設ける構成としても良い。つまり、パチンコ機10の下部に、前記球受皿21とは別に皿部材(球受皿)を設ける。この場合、球受皿21はいわゆる上皿として機能し、それよりも下方の皿部材(球受皿)はいわゆる下皿として機能する。
(h)上記実施の形態では、遊技球発射装置61により遊技球をほぼ真上に打ち上げる構成としたが、これを変更しても良い。例えば、遊技球発射ハンドル111の位置に合わせてパチンコ機10の右寄りに遊技球発射装置61を設ける構成とし、正面から見て右下部から左上方に遊技球を打ち上げる構成とする。
(i)遊技球発射装置を、ソレノイド駆動式以外の構成とすることもできる。例えば、モータ駆動式の遊技球発射装置を採用する。この場合、遊技球発射ハンドル111が操作されると、その操作角度に応じて発射モータが駆動し、遊技球の発射が行われる。
(j)上記実施の形態では、上側扉13(扉体)の窓部15に設ける透明板として、複層ガラスよりなるガラスユニットを配設する構成としたが、これを変更し、上側扉13(扉体)に、前後2枚のガラス板を所定間隔を隔てて各々個別に組み付ける構成としても良い。この場合、上側扉13(扉体)には、ガラス板を保持するための保持レール部材が設けられる。
(k)上記実施の形態では、第1図柄表示装置41の表示画面Gにおいて第1図柄が上下方向(縦方向)に変動表示されるよう構成したが、左右方向(横方向)に変動表示されるよう構成しても、同様の効果が得られることは言うまでもない。また、5つの有効ラインを有するパチンコ機に限らず、5つ以外(例えば2つや3つ)の有効ラインを有するパチンコ機に適用してもよく、第1図柄の変動方向と有効ライン数の組み合わせは任意である。また、表示画面Gにおいて、3列の図柄列を設けることにも限定はされることはなく、1列、2列又は4列以上の図柄列を設ける構成であっても良い。
(l)上記実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機や、メダルに代えて遊技球(パチンコ球)を使用する球使用タイプの回胴式遊技機にも適用できる。
球使用タイプの回胴式遊技機では、外周に複数の図柄が付されたリール装置(回胴装置)、遊技者により操作されるベットスイッチやスタートレバー等の装置類、遊技球の取込を許可又は禁止すると共に順次取り込まれる遊技球をカウントするための取込装置などが設けられる。この場合、球受皿21に貯留された遊技球は、整列通路部R3及び取込口75を介して取込装置に導かれる。そして、遊技者によるベットスイッチの操作に伴い取込装置で遊技球の取込が行われ、その取り込まれた遊技球数に応じて毎回の遊技の開始(スタートレバー操作に伴うリール回転)が許容される。
また、上記のような球使用回胴遊技機では、遊技球取込の効率アップを図るべく複数の遊技球を同時に取込可能とする構成が考えられる。この場合、複数の取込装置を連ねて並設すると共に、それら各取込装置に各々個別に遊技球が供給できるよう球受皿21の整列通路部を複数列で形成すると良い。本遊技機においても、前記同様、球受皿21の貯留領域を前後2つに設ける構成、そのうち最も手前側の貯留領域に整列通路部を設ける構成、整列通路部に透明カバーを設ける構成などが適用できる。
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、12…本体枠、13…上側扉、14…下側扉、21…球受皿、21a…外周壁、30…遊技盤、33…作動口、35…可変表示ユニット、53…球発射通路、61…遊技球発射装置、71…仕切壁部、72…通路カバー、73…排出口、75…取込口、111…遊技球発射ハンドル、R1…上流領域、R2…下流領域、R3…整列通路部。