以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図35を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右まわりに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材(図示せず)とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、パチンコ機10の状態では、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材がベース板60に当接し固定される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入球口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入球口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入球口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入球口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、第1入球口64の正面視下方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入球口640へ入球しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入球口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入球した場合と第2入球口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入球口640へ球が入球した場合のほうが第1入球口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1入球口64は、第2入球口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入球口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入球口640に入球しづらいので、電動役物のない第1入球口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入球口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入球口640に入球しやすい状態であるので、第2入球口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入球口640への入球によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入球口64の右方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入球口64又は第2入球口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aa又は第1図柄表示装置37BのLED37Baを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とをいずれも備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、複数(例えば2つ)配置しても良く、また配置位置も第1入球口64の右方に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における中央部及び右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65a,640,にも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、第1駆動モータ470、第2駆動モータ、第3駆動モータ670及び第4駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5及び図6を参照して、動作ユニット300の詳細構成について説明する。図5は、動作ユニット300の正面斜視図であり、図6は、動作ユニット300の正面分解斜視図である。
図5及び図6に示すように、動作ユニット300は、第1演出部材460をスライド移動させる第1ユニット400と、その第1ユニット400の側方(図5右側)に対向して配設されると共に第2演出部材560を回動させる第2ユニット500と、それら第1ユニット400及び第2ユニット500の背面側に配設されると共に一対の第3演出部材660を互いに近接離間する方向へ水平移動させる第3ユニット600と、その第3ユニット600の背面側に配設されると共に一対の第4演出部材760を互いに近接離間する方向に回動させる第4ユニット700と、を備える。
第4ユニット700は、一面側(図5及び図6紙面手前側)が開放された箱状の第4ケース710を備え、その第4ケース710の内部空間に、第1ユニット400、第2ユニット500及び第3ユニット600がそれぞれ収容される。
第4ユニット700の第4ケース710は、中央に矩形状の開口711aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。中央の開口711aは、第3図柄表示装置81(図2参照)の外形に対応した(即ち、表示内容を視認可能な)大きさの矩形状に形成される。一対の第4演出部材760は、開口711aの正面において互いの合わせ面同士を当接させる下降位置(図23参照)と、開口711aの形成領域外にそれぞれが退避する上昇位置(図5及び図6参照)との間で回動される。
第3ユニット600は、その外形を形成する第3ケース610を備え、その第3ケース610に第3演出部材660などが収容(配設)される。第3ケース610は、第4ユニット700の第4ケース710の内形(壁部712の内壁面により形成される空間)と略同等の外形を有すると共に、中央に第4ケース710の開口711aの外形に対応した開口621が形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。第3ユニット600は、第3ケース610(第3ベース体620)の背面が第4ケース710の底面(底面板711の正面)と平行となる姿勢で第4ユニット700の内部空間に収納(配設)される。
第4ユニット700の第4ケース710には、複数の台座部711eが底面から立設され、それら各台座部711eに第3ユニット600の第3ケース610の外縁に形成される複数の被締結部624がそれぞれ締結固定されることで、第4ユニット700に第3ユニット600が配設(固定)される。即ち、第3ユニット600(第3ケース610)は、台座部711eの立設高さの分、第4ケース710の底面から嵩上げされた状態とされ、その嵩上げにより形成された空間(第4ケース710の底面(底面板711の正面)と第3ケース610の背面との間の対向面間)が、第4演出部材760が回転するための空間とされる。
第1ユニット400及び第2ユニット500は、第3ユニット600の前面側(図5及び図6紙面手前側)であって、第4ユニット700の第4ケース710における一方(図5及び図6左側)の壁部712及び他方(図5及び図6右側)の壁部712に沿ってそれぞれ配設される。即ち、第1ユニット400及び第2ユニット500は、第3ケース610及び第4ケース710の開口621,711aを挟んだ左右に対向配置される。
第1ユニット400は、図5に示すように、第1演出部材460が前面側(図5及び図6紙面手前側)に張り出して形成され、その第1演出部材460の先端側(先端部464)が、第2ユニット500の正面側に配置される。ここで、図7から図14を参照して、第1ユニット400について説明する。
図7は、第1ユニット400の正面斜視図であり、図8は、第1ユニット400の正面分解斜視図である。なお、図7及び図8では、第1演出部材460が上昇位置に配置された状態が図示される。
図7及び図8に示すように、第1ユニット400は、第1ケース410と、その第1ケース410に基端側がスライド移動可能に支持される第1演出部材460と、その第1演出部材460をスライド移動させるための駆動力を発生する第1駆動モータ470とを主に備える。
第1ケース410は、一面側が開放された箱状の第1ベース体420と、その第1ベース体420の一面側に締結固定され第1ベース体420の開放部分を閉封する第1カバー体430と、その第1カバー体430の正面側に重ね合わされて締結固定される正面側部材440と、その正面側部材440の正面側に重ね合わされて締結固定される装飾連結板450とを備える。
正面側部材440の内部(第1カバー体430の正面側との対向間)には、基板(図示せず)が収納され、その基板の正面側には、複数の発光手段(本実施形態では、LED)が全面にわたって点在配置される。正面側部材440及び装飾連結板450は、光透過性の樹脂材料から形成され、LEDの発光が正面側(図7及び図8紙面手前側)から視認可能とされる。なお、正面側部材440には、複数箇所に正面視矩形の開口が形成され、それら複数の開口においては、発光手段がそれぞれ露出されることで、発光手段が外部から直接視認可能とされる。
正面側部材440は、第1カバー体430と正面視において略同一の外形に形成され、それらの外縁同士を一致させる位置で重ね合わされる一方、装飾連結板450は、正面側部材440よりも正面視において若干小さな外形に形成され、装飾連結板450の一部が正面側部材440の外縁から上方(図7及び図8上側)へ飛び出す(突出する)位置で重ね合わされる。
装飾連結板450は、正面側部材440の外縁から上方(図7上側)へ飛び出す部分が、挿通孔451に挿通される締結ねじにより、第4ユニット700の第4ケース710の被締結孔712a(図23参照)に締結固定される。これにより、第4ユニット700の第4ケース710に第3ユニット600及び第1ユニット400が積み重ねられた状態で収容される場合であっても、全体としての剛性を確保して、各ユニット400,600の各演出部材460,660が動作する際のぐらつきを抑制できる。
第1ベース体420及び第1カバー体430により形成される内部空間には、第1演出部材460の基端側(基部461)と、その第1演出部材460に駆動力を付与する第1駆動モータ470とが配設される。ここで、図9及び図10を参照して、第1ベース体420及び第1カバー体430の詳細構成について説明する。
図9は、第1ベース体420及び第1カバー体430の正面分解斜視図である。図10(a)は、図9のXa−Xa線における第1ベース体420の部分拡大断面図であり、図10(b)は、図9のXb−Xb線における第1カバー体430の断面図である。なお、図9では、第1駆動モータ470及び駆動ギヤ472と、ピニオンギヤ480と、スライド位置検出センサSとが第1ベース体420に取着された状態が図示される。また、図10(a)では、理解を容易とするために、第1ベース体420が第3ユニット600の第3ケース610に積み重ねられる(図5参照)と共に第1演出部材460及びスライド位置検出センサSの電気的配線Sが配線された状態が図示される。
図9に示すように、第1ベース体420は、板状に形成され第1ベース体420の底面を形成する底面板421と、その底面板421から立設される壁部422と、その壁部422と同じ立設高さで底面板421から立設される案内壁423と、その案内壁423の延設方向と平行に延びる長円形状の孔として底面板421に開口形成される案内溝424とを備える。
底面板421は、上底が下方(図9下側)となる姿勢の正面視台形形状に形成され、壁部422は、縦長の正面視平行四辺形形状に形成される。壁部422は、台形形状における2組の対辺のうちの長さが長くされる対辺に切り欠き部422a,422b,422cがそれぞれ凹設される。切り欠き部422aは、第1演出部材460の移動空間を確保するための切り欠きであり、第1演出部材460(基部461)の移動軌跡(図14参照)を含む領域に形成される。切り欠き部422b及び切り欠き部422cは、第1演出部材460及びスライド位置検出センサSの電気的配線Sを通過させる(取り回す)ための切り欠きである。
案内壁423及び案内溝424は、第1演出部材460の移動を案内(一方向に規制)するための部位である。案内壁423は、壁部422の一部(図9右側部分)に対して所定間隔を隔てつつ平行に延設され、この壁部422の一部と案内壁423との対向間には、第1演出部材460のラック部465(図8参照)が配設される。案内溝424は、案内壁423と平行に延設され、第1演出部材460の基部461に取着されるカラーC(図8及び図12参照)が挿入される。
底面板421は、案内壁423及び案内溝424の側方(図9右側)であって、これら両部423,424と壁部422(及び切り欠き部422a)との間に、スライド面421aを備える。スライド面421aは、第1演出部材460の基部461及びラック部465の底面をスライド移動可能に支持するための部位であり、ピニオンギヤ480の回転軸に垂直な平坦面として形成される。
なお、案内溝424には、その開口縁部に沿って壁部が正面側へ向けて立設され、案内溝424の内壁面の面積が拡大される。これにより、第1演出部材460のスライド移動を案内する際にカラーC(図11及び図12参照)から作用する面圧を小さくして、耐久性の向上を図ることができると共に、案内効果を確実として、第1演出部材460のスライド移動の高速化とを可能とすることができる。
また、案内溝424の開口縁部に沿って立設される壁部は、壁部422及び案内壁423と同等の立設高さを有して形成される。よって、第1演出部材460が前後方向(図9紙面手前方向または奥方向)へ傾斜する場合やスライド移動の平面内へ傾斜する場合には、第1演出部材460に対し、その基部461のカラーCとラック465との両者を、案内溝424の開口縁部に沿って立設される壁部と壁部422又は案内壁423との両者によって同時に支えることができる。これにより、第1演出部材460の傾斜を抑制して、そのスライド移動の高速化を可能とすることができる。
壁部422の一部(図9右側)と案内壁423との対向間隔は、ラック部465の幅よりも若干大きくされ、壁部422又は案内壁423とラック部465との間に隙間が形成される。同様に、案内溝424の溝幅(内壁面の対向間隔)は、カラーC(本体部)の直径よりも若干大きくされ、案内溝424の内壁面とカラーC(本体部)の外周面との間に隙間が形成される。これにより、各部品の寸法公差を吸収して組み付け性の向上を図ることができるだけでなく、後述するように、第1演出部材460の移動が開始される際の初期動作をスムーズに(即ち、噛み込みを抑制)して、そのスライド移動の高速化を可能にすると共に、ラック部465(ラックギヤ465b)及びピニオンギヤ480における歯面の面圧を適正性化して、その歯面の磨耗を抑制できる。
案内壁423及び案内溝424の間には、駆動ギヤ472と、その駆動ギヤ472に歯合されるピニオンギヤ480とが配設される。駆動ギヤ472は、第1駆動モータ470の駆動軸471に固着され、ピニオンギヤ480は、第1演出部材460のラック部465におけるラックギヤ465bに歯合可能な位置に配設される(図14参照)。
案内溝424の側方には、スライド位置検出センサSが配設される。スライド位置検出センサSは、発光部Sa及び受光部Sbを備えた光センサであり、それら発光部Sa及び受光部Sbの対向空間を、第1演出部材460の基部461における被検出板461b(図11参照)の移動軌跡上に配置することで、被検出板461bの有無に基づいて、第1演出部材460のスライド位置(上昇位置に位置するか否か)を検出する。
図9及び図10(b)に示すように、第1カバー体430は、正面視において第1ベース体420の壁部422の形成領域に対応する外形形状(即ち、縦長の平行四辺形形状)に形成され、その第1カバー体430の背面には、ラック案内凹部431と、カラー案内凹部432とが凹設される。
ラック案内凹部431及びカラー案内凹部432は、第1演出部材460の移動を案内(一方向に規制)するために直線状に延設される凹部であり、ラック案内凹部431には第1演出部材460のラック部465における案内リブ465c(図11参照)が、カラー案内凹部432には第1演出部材460の基部461におけるカラーC(本体部、図11参照)が、それぞれ挿入される。
第1カバー体430が第1ベース体420に締結固定された組立状態において、ラック案内凹部431は、第1ベース体420のスライド面421aに対面して(即ち、ラック部465の案内リブ465cの移動軌跡に沿って)、カラー案内凹部432は、第1ベース体420の案内溝424に対面して、それぞれ形成される。
第1カバー体430のラック案内凹部431及びカラー案内凹部432と、第1ベース体420の案内壁423及び案内溝424とによる案内効果により、第1演出部材460の移動方向が一方向(ラック案内凹部431及びカラー案内凹部432と案内壁423及び案内溝424との延設方向)に規制される(図14参照)。
なお、第1カバー体430の厚み寸法(図10(b)上下方向寸法)は、図10(b)に示すように、ラック案内凹部431の形成領域の厚み寸法が、他の領域(カラー案内凹部431を挟んでラック案内凹部431と反対側となる領域、図10(b)左側)の厚み寸法に比較して大きく(厚く)される。本実施形態では、第1カバー体430の外縁(図10(b)右端)からカラー案内溝432の開口縁部(第1演出部材460(図8参照)に近い側の開口縁部)に沿った仮想直線までの領域において、厚み寸法が大きくされる。
このように、ラック案内凹部431の形成領域を含む範囲の厚み寸法のみを大きくすることで、第1カバー体430において、第1演出部材460から作用する荷重が大きい領域の厚み寸法のみを部分的に大きくすることができる。これにより、第1カバー体430の耐久性の向上を図りつつ、第1カバー体430全体の厚み寸法が不必要に大きくなることを抑制して、軽量化と材料コストの削減とを図ることができる。
また、このように、カラー案内凹部432に比較して溝幅(図10(b)左右方向寸法)が小さくされるラック案内凹部431の形成領域において、第1カバー体430の厚み寸法が大きくされることで、カラー案内凹部432のように第1カバー体430の正面(図10(b)上側面)に突出させずに、ラック案内凹部431を凹設できるので、第1カバー体430全体としての肉厚を均一化して、樹脂金型による射出成形時の成形性の向上を図ることができる。
カラー案内凹部432には、その開口縁部に沿って壁部が立設され、カラー案内凹部432の内壁面の面積が拡大される。壁部の立設先端は、上述のように厚み寸法が大きくされる部分と面一とされる。これにより、第1演出部材460のスライド移動を案内する際にカラーC(図11及び図12参照)から作用する面圧を小さくして、耐久性の向上を図ることができると共に、案内効果を確実として、第1演出部材460のスライド移動の高速化とを可能とすることができる。
また、上述した第1ベース体420の場合と同様に、ラック案内凹部431の溝幅(内壁面の対向間隔、図10(b)左右方向寸法)は、ラック部465の案内リブ465c(図11参照)の厚み寸法よりも大きな寸法に設定され、カラー案内凹部432の溝幅(内壁面の対向間隔、図10(b)左右方向寸法)はカラーC(本体部)の直径よりも大きな寸法(即ち、案内溝424の溝幅と同等の寸法)に設定される。これにより、各部品の寸法公差を吸収して組み付け性の向上を図ることができるだけでなく、後述するように、第1演出部材460の移動が開始される際の初期動作をスムーズに(即ち、噛み込みを抑制)して、そのスライド移動の高速化を可能にすると共に、ラック部465(ラックギヤ465b)及びピニオンギヤ480における歯面の面圧を適正性化して、その歯面の磨耗を抑制できる。
第1ベース体420の底面板421には、壁部422により囲まれた領域の外方となる部分に複数の被締結部425と爪部426と受入孔427とが形成される。被締結部425は、第3ケース体630の台座部635(図21参照)に締結固定される部位であり、締結ねじが挿通される挿通孔が穿設される。各被締結部425に挿通された締結ねじが、第3ユニット600における第3ケース体630の台座部635にそれぞれ締結されることで、第1ケース410(第1ユニット400)が第3ケース610(第3ユニット600)に積み重ねられた状態で配設される(図36参照)。
爪部426は、電気的配線Sを保持するための爪状の部位であり、底面板421から立設される基部と、その基部の立設先端から底面板421と水平に延設される延設部と、その延設部の延設先端を底面板421へ向けて屈曲させて形成される屈曲部とからなる。屈曲部の屈曲先端と底面板421との間には、電気的配線Sを通過させるのに必要な隙間が確保される。
受入孔427は、底面板421に貫通形成される孔であり、爪部426の延設部および屈曲部に対面する位置であって、かつ、第3ケース610の第3ベース体620及び第3カバー体630を締結固定する締結ボルトBの頭部に対応する位置に配設される。即ち、第1ケース410(第1ベース体420)を第3ケース610(第3カバー体630)の正面に積み重ねる場合には(図5及び図6参照)、第3ケース610における第3カバー体630の正面から突出される締結ボルトBの頭部を、第1ベース体420の受入孔427に受け入れる(挿入する)ことができる。よって、締結ボルトBの頭部が突出されていても、第1ベース体420の背面を第3カバー体630の正面に密着させることができる。これにより、第1ケース410及び第3ケース610を厚み方向に嵩張らせることなく積み重ねることができ、全体としての厚み寸法(図10(a)上下方向寸法)を低減することができる。
この場合、受入孔427は爪部426に対面する位置に形成されるので、受入孔427の開口を爪部426により塞ぐ(隠す)ことができる。これにより、締結ボルトBの頭部が受入孔427の開口を介して外部に露出されることを抑制して、かかる締結ボルトBの頭部への外部からのアクセス(頭部を操作すること)を困難とすることができる。更に、爪部426は電気的配線Sを保持する部位であるため、かかる電気的配線Sによっても受入孔427の開口を塞ぐ(隠す)ことができる。
特に、電気的配線Sは、爪部426の延設方向に直交する方向(図10(a)紙面垂直方向)に沿って配線されるので、爪部426によって塞ぐ(隠す)ことが困難な爪部426の両側(図9上側および下側)の空間を電気的配線Sによって効果的に塞ぐことができる。即ち、受入孔427を爪部426に対面する位置に形成することで、締結ボルトBの頭部に外部からアクセスし難く(頭部を操作し難く)することを、爪部426及び電気的配線Sによって相乗的に高めることができる。
図7及び図8に戻って説明する。第1ケース410(第1ベース体420及び第1カバー体430)には、第1演出部材460がスライド移動可能に配設される。第1演出部材460は、基端側が第1ベース体420及び第1カバー体430に支持されると共に、先端側が第1ケース410(第1ベース体420及び第1カバー体430)の側方から水平に張り出された姿勢で配設される。ここで、図11から図13を参照して、第1演出部材460の詳細構成について説明する。
図11は、第1演出部材460の正面分解斜視図である。図12(a)は、第1演出部材460の正面図であり、図12(b)は、図12(a)の矢印XIIb方向視における第1演出部材460の側面図である。図13(a)は、第1演出部材460の背面図であり、図13(b)及び図13(c)は、図13(a)のXIIIb部における第1演出部材460の部分拡大背面図である。なお、図12(a)、図12(b)、図13(a)及び図13(b)では、ラック部465が基部461に取着された状態が図示される一方、図13(c)では、ラック部465が基部461から取り外された状態が図示される。
図11から図13に示すように、第1演出部材460は、基部461と、その基部461の側方(図12(a)及び図12(b)右側)縁部から正面(図12(b)上側)へ向けて立設される立設部462と、その立設部462の立設先端から基部461と水平に延設される延設部463と、その延設部463の延設先端に配設される先端部464と、基部461の上方(図12(a)上側)縁部に連結されるラック部465と、を備える。
基部461は、樹脂材料から正面視くの字の平板状に形成され(図12(a)参照)、第1ベース体420及び第1カバー体430にスライド移動可能に支持される。この基部461には、カラーCを軸支する支持軸461aと、スライド位置検出センサSにより検出される部位である被検出板461bとが一体に形成される。
支持軸461aは、円柱状に形成される部位であり、基部461の正面から一対一組が立設されると共に、その正面と反対側となる基部461の背面から一対一組が立設される。正面の組は、背面の組に対して、同軸となる位置に配置される。支持軸461aがカラーCの中央に貫通形成される軸支孔に挿通されることで、カラーCが基部461に回転可能に軸支される。
なお、カラーCの各組は、基部461の側方縁部であって立設部462が形成される側と反対側となる側方(図12(a)左側)縁部に沿って配設される。より詳細には、各組の一方の支持軸461aは、正面視くの字に形成される基部461の一端(図12(a)左下側)に位置し、他方の支持軸461aは、正面視くの字に形成される基部461の屈曲部(図12(a)左上側)に位置する。
カラーCは、軸支孔を有する円筒状の本体部と、その本体部の軸方向端部における外周面から径方向外方へ向けて張り出すフランジ状のフランジ部とが樹脂材料から一体に形成されてなり、フランジ部を基部461の正面または背面へ向けた姿勢で支持軸461aに取着される。即ち、カラーCは、フランジ部の直径が第1ベース体420の案内溝424及び第1カバー体430のカラー案内凹部432(図9及び図10(b)参照)の溝幅よりも大きくされ、本体部が案内溝424及びカラー案内凹部432に変位可能に挿通されると共にその本体部の外周面が案内溝424及びカラー案内凹部432の内壁面により案内される。
本実施形態では、基部461の背面(図12(b)下側面)から立設される支持軸461aには締結ねじが締結固定され、その締結ねじの頭部の直径は、カラーC(本体部)の挿通孔の直径よりも大きくされる。よって、基部461の背面の支持軸461aに装着されるカラーCは、軸方向への移動が規制される(即ち、カラーCが締結ねじの頭部により保持される)。一方、基部461の正面(図12(b)上側面)から立設される支持軸461aに装着されるカラーCは締結ねじによる締結固定が省略され、支持軸461aから抜取り可能な状態とされる。
これにより、正面側の締結ねじを省略することで、その分、部品点数を少なくして、部品コストの低減を図ることができる。このように、部品コストの低減を図るべく、締結ねじを省略した場合でも、本実施形態では、組立作業性の悪化を回避することができる。
即ち、第1ユニット400の組立は、第1ベース体430の開放された一面側(図9紙面手前側)に第1演出部材460の基部461をその正面側(図9紙面手前側)を上方とした姿勢(即ち、正面側のカラーCが支持軸461aから脱落しない姿勢)で載置し、第1カバー体420を被せた後、締結固定することで行われる。よって、基部461の背面側のカラーCは、支持軸461aからの脱落を防止するべく、締結ねじにより保持しておく必要がある一方で、基部461の正面側のカラーCは、組立工程中、常に上方に位置するので、支持軸461aからの脱落を防止する必要がない。また、基部461の正面側のカラーCは、第1カバー体430が被せられれば、カラー案内凹部432により保持されるので、この点からも、支持軸461aからの脱落を締結ねじにより防止する必要がない。このように、正面側の支持軸461aへの締結ねじの締結を省略しても、組立作業性の悪化を回避できる。
基部461は、図13(c)に示すように、ラック軸支座面461cと、そのラック軸支座面461cの中央から立設される円柱状のラック支持軸461dと、そのラック支持軸461dの周囲に立設されるラック規制壁461eとを備える。ラック軸支座面461cは、ラック部465の本体465aの基端側を支持する部位であり、平坦面として形成される。
ラック支持軸461dは、ラック465(本体465a)を回転可能に軸支するための断面円形の軸であり、ラック部465の本体465aに貫通形成される断面円形の軸支孔465dに挿通される。ラック支持軸461dの外径は、軸支孔465dの内径よりも小さな寸法に設定される。よって、ラック支持軸461dには、若干のがたつきを有した状態で、ラック部465(本体465a)が回転可能に軸支される。
ラック規制壁461eは、ラック部465がラック支持軸461dを中心として回転する際にその回転を所定の回転角度内に規制するための部位であり、図13(c)に示す背面視において、ラック支持軸461dを中心とする半円形状に形成される半円部と、その半円部の両端から互いに平行な直線状に延設される直線部とを備える。即ち、ラック規制壁461eは、背面視において、長円形状の一部を切り取った形状に形成される。またラック規制壁461eの直線部は、一対一組のカラーCの軸心を結ぶ方向と平行に延設される。
ラック規制壁461eの半円部の内径r1は、ラック部465の本体465aにおける基端側(図13(c)下側)の外径r2よりも大きくされ(r2<r1)、かつ、ラック規制壁461eの直線部の対向間隔w1は、ラック部465の本体465aにおける基端側の幅寸法w2よりも大きくされる(w2<w1)。なお、対向間隔w1は内径r1の2倍とされ(w1=2×r1)、幅寸法w2は外径r2の2倍とされる(w2=2×r2)。
ラック部465は、対向間隔w1と幅寸法w2との寸法差の分だけ、ラック支持軸461dを中心として所定量の回転が可能とされる。また、ラック支持軸461dの外径(半径)と軸支孔465dの内径(半径)との寸法差は、内径r1と外径r2との寸法差(r1−r2)と同等または若干大きくされる。これにより、ラック部465は、基部461に対して、ラック軸支座面461cの面内で所定量の水平移動が可能とされる。この場合、ラック部465の回転または水平移動が所定量を超えると、ラック規制壁461eの内周壁によりラック部465(本体465a)の側面を受け止めて、それ以上の回転または水平移動を規制できる。即ち、回転または水平移動による荷重を、ラック支持軸461d及び軸支孔465dのみで負担するのではなく、ラック規制壁461eにも分散させることができるので、その分、耐久性の向上を図ることができる。
なお、ラック規制壁461eのラック軸支座面461cからの立設高さ(図13(c)紙面垂直方向寸法)は、ラック部465の本体465aにおける基端側(図13(c)下側)の厚み寸法(図13(c)紙面垂直方向寸法)よりも若干大きくされる。よって、第1演出部材460が第1ベース体420に装着され(図8参照)、ラック規制壁461eの立設先端面が第1ベース体420のスライド面421a(図9参照)に当接されると、ラック部465は、その基端側が、スライド面421aとラック軸支座面461cとの間で回転可能に保持される。
立設部462は、延設部463の配設位置を基部461よりも正面側(図12(b)上側)に嵩上げするために、基部461の側方(図12(a)上右側)縁部に一体に形成される部位であり、基部461の側方縁部から正面側(図12(b)上側)へ向けて立設される立設部分462aと、その立設部分462aの立設先端から基部461と反対側(図12(b)右側)へ向けて基部461と水平に延設される平板状の平板部分462bとを備える。
立設部分462aは、基部461に平行な仮想平面で切断した断面形状が、延設部463側(図12(a)右側)が開放されるコの字状に形成され、軽量化が図られつつ、基部461に対し延設部463が傾斜する方向(図12(b)上下方向)への曲げ剛性の向上が図られている。平板部分462aは、延設部463の基端側(図12(b)左側)の背面に締結固定される。
延設部463は、第1演出部材460の構成要素の中で最大の外形および重量を有する部位であり、中空の箱状に形成される。縁設部463の内部には、発光手段(例えば、LED)及び回路基板(いずれも図示せず)が収容される。延設部463は、図12(a)に示すように、一対一組のカラーCのうちのラック465側(図12(a)上側)に位置するカラーCと立設部462とを結ぶ方向(図12(a)左右方向)に沿って延設される。よって、延設部463は、正面視(図12(a))において、一対一組のカラーC(支持軸461a)を結ぶ方向に対して、傾斜する方向に沿って延設される。
延設部463の正面には、装飾板463aが配設される。装飾板463aは、所定の文字列(例えば、パチンコ機10の名称を示す文字列)が形成される部材であり、正面側の一部分(本実施形態では、文字列の各文字に対応する形状部分)が光透過性材料から形成される。遊技者は、延設部463の光透過性材料からなる部分を介して、その内部に配設される発光手段(例えば、LED)の発光が視認可能とされる。
先端部464は、第1演出部材460の先端側に形成されると共に、第2ユニット500によって重力方向下方から支持される部位であり(図19(a)参照)、延設部463の先端側(図12(b)右側)の背面に締結固定される取着部分464aと、その取着部分464aから外方へ向けて張り出すと共に正面視横長の平板形状に形成される先端板部分464bとを備える。
先端板部分464bは、図12(a)に示す正面視において、一対一組のカラーCのうちのラック465側(図12(a)上側)に位置するカラーCと立設部462とを結ぶ方向(即ち、延設部463の延設方向、図12(a)左右方向)に平行に延設される。
また、先端板部分464bは、図12(b)に示す側面視において、基端部461と平行となる姿勢で配設されると共に、基端部461よりも延設部463側(前面側)へ距離N1だけオフセットした位置(即ち、正面側へ嵩上げされた位置)に配設される。これにより、先端部464の耐久性の向上を図ることができる。
即ち、第1演出部材460は、基部461に対して延設部463が前面側(図12(b)上側)に張り出した形状であるため、図12(b)に示す側面視における第1演出部材460全体としての重心位置は、図12(b)に位置Gとして図示するように、基部461を含む平面よりも延設部463側に位置し(本実施形態では、延設部463の背面(図12(b)下側)近傍に位置する)、第1演出部材460がスライド移動する際に(或いは、第1演出部材460が停止中であっても)延設部463の上下方向(図12(b)紙面垂直方向)への揺れ(図12(a)に示す正面視において延設部463が図12(a)上下方向へ変位する揺れ。即ち、基部461及び先端部464を固定端とし延設部463を自由端とする自由振動)が発生しやすい。先端板部分464bは、後述するように、第2ユニット500の各規制リブ532,542や支持壁533,543(いずれも図19参照)により支持される部位であるため、延設部463の上下方向への揺れが発生すると、その揺れ(即ち、延設部463部分の重量)を先端部464により支える必要があり、かかる先端部464の耐久性が懸念される。
この場合、本実施形態では、先端板部分464bが、基端部461よりも延設部463側へ距離N1だけオフセットされるので、距離N1のオフセットがされない場合と比較して、重心位置(位置G)と先端板部分464bとの間の距離を小さくすることができる。これにより、延設部463の上下方向(図12(b)紙面垂直方向)への揺れ(先端部464を固定端とし延設部463を自由端とする自由振動)が発生した場合でも、その揺れ(延設部463部分の重量)により先端板部分464bに作用するモーメントを小さくして、先端部464の耐久性の向上を図ることができる。また、このように、重心位置と先端板部分464bとの間の距離が小さくされることで、延設部463の上下方向への揺れを早期に収束させることができる。
先端板部分464bの正面(図12(a)紙面手前側面)には、その外縁に沿って壁部が立設され、先端板部部分464bの剛性の向上が図られている。先端板部分464bの正面に立設される壁部の立設先端面および先端板部材464bの背面は、基部461に平行な平坦面として形成される。また、先端板部分464bの嵩上げ位置(図12上下方向位置)は、図12(b)に示すように、基端部461の正面と延設部463の背面との間に設定される。
ラック部465は、第1ベース体420に配設されるピニオンギヤ480と組み合わされてラック・アンド・ピニオンを構成する部位であり、第1駆動モータ470の回転力を第1演出部材460の直線の動き(スライド移動)に変換する。ラック部465は、長尺板状の本体465aと、その本体465aの側面に刻設されピニオンギヤ480に歯合されるラックギヤ465bと、本体465aの正面(図11紙面手前側面)に立設される2本の案内リブ465cと、本体465aの基端側に貫通形成される軸支孔465dと、を備える。
本体465aの基端側(図13(a)下側)は、軸支孔465dを中心とする半円形状に形成される。2本の案内リブ465cは、本体465aの長手方向に沿って互いに平行に延設され、第1ベース体420にラック部465が取着され第1カバー体430が被せられると(図7参照)、その第1カバー体430のラック案内凹部431(図10(b)参照)に挿通される。
案内リブ465cの立設高さ(図12(a)紙面垂直方向寸法)は、第1カバー体430のラック案内凹部431の凹設深さ(図10(b)上下方向寸法)よりも大きくされる。これにより、第1演出部材460の前面側への変位(揺れ)に伴い、ラック部465が第1カバー体430側(前面側、図8紙面手前側)へ変位される場合には、案内リブ465cの突設先端のみをラック案内凹部431の底面(図10(b)上側面)に当接させることができ、ラック部465の本体465aの前面(図12(a)紙面手前側面)が第1カバー体430の背面(図10(b)下側面)に当接して、当接面積が過大となることを抑制できる。
これにより、第1演出部材460のスライド移動中に前面側の変位(揺れ)が発生した場合であっても、摺動抵抗を小さくして、第1演出部材460のスライド移動の高速化を可能とできる。特に、本実施形態では、上述したように、第1演出部材460の重心位置(位置G)が基部461及びラック部465よりも前面側(図12(b)上側)に位置するため、第1演出部材460が前面側に変位しやすい(揺れやすい)ため、ラック部465の前面側に案内リブ465cを設ける構成が有効となる。
ラック部465は、軸支孔465dに基部461のラック支持軸461dが挿通された状態で、基部461に取着される。この取着状態では、ラック部465は、その本体部465aの長手方向が、一対一組のカラーC(支持軸461a)を結ぶ方向と平行となる姿勢で配設されると共に、一対一組のカラーC(支持軸461a)を結ぶ仮想直線よりも延設部463側へ距離N2だけオフセットされた位置に配設される。なお、ラック部465は、この平行とされる位置を中央位置として、上述したように、左右(図13(b)左右方向)へ所定量だけ回転可能とされる(図13(b)参照)。
ここで、ラック部465が基部461に対して所定量だけ回転可能に連結されることで、第1ユニット400の組立作業性の向上を図ることができる。即ち、第1演出部材460を第1ベース体420に装着する際には、基部461の背面側に配設される一対一組のカラーCを第1ベース体420に形成される案内溝424に挿通させる工程と、ラック部465のラックギヤ465bを第1ベース体420に配設されるピニオンギヤ480に歯合させる工程との2つの工程を行う必要がある。これら両工程は、寸法公差に起因する位置ずれだけでなく、ピニオンギヤ480及びラックギヤ465bの位相ずれも考慮する必要があるため、同時に両工程を行うことが困難である。
これに対し、本実施形態では、ラック部465が基部461に対して所定量だけ回転可能に連結されるので、その回転の分、基部461に配設されるカラーCとラック部465に形成されるラックギヤ465bとの位置関係の自由度を高めることができる。これにより、基部461の背面側に配設される一対一組のカラーCを第1ベース体420に配設される案内溝424へ挿通させる工程と、ラックギヤ465bをピニオンギヤ480に歯合させる工程とを同時に或いは順に行いやすくすることができる。その結果、組立作業性の向上を図ることができる。
なお、第1ベース体420への第1演出部材460の装着は、上述のように、基部461にラック部465が連結された状態で行う必要はなく、本実施形態では、次のように行うこともできる。即ち、まず、ラック部465を、そのラックギヤ465bをピニオンギヤ480に歯合させつつ、第1ベース体420のスライド面421aに載置し、次いで、基部461を、その背面側のカラーCを案内溝424に挿通させつつ、スライド面421aに載置し、その載置の際にラック部465の軸支孔465dへ基部461のラック支持軸461dを挿通させることで、第1ベース体420へ第1演出部材460を装着しても良い。これによれば、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合、カラーCの案内溝424への挿通、及び、ラック支持軸461dの軸支孔465dへの挿通を、それぞれ1工程ずつ順に行うことができるので、その組立作業性の向上を図ることができる。
次いで、図14を参照して、第1ユニット400における第1演出部材460のスライド移動について説明する。図14(a)は、第1演出部材460が上昇位置に配置された状態における第1ユニット400の正面図であり、図14(b)は、第1演出部材460が下降位置に配置された状態における第1ユニット400の正面図である。なお、図14では、理解を容易とするために、第1ベース体420から第1カバー体430が取り外された状態が図示される。
図14(a)に示すように、第1演出部材460が上昇位置に配置された状態では、基部461(カラーCの一方)及びラック部465が、第1ベース体420の案内溝424及びスライド面421aの上端(図14(a)上側)にそれぞれ位置される。また、上昇位置では、基部461の被検出板461bが、スライド位置検出センサSの発光部Sa及び受光部Sb(図9参照)の対向空間に配置され、第1演出部材460が上昇位置に位置することが検出可能とされる。
この上昇位置に配置された状態から、第1駆動モータ470が正方向に回転駆動され、ピニオンギヤ480が図14(a)時計まわりに回転されると、そのピニオンギヤ480の回転がラックギヤ465bに伝達されることで、ラック部465が案内壁423及びラック案内凹部431(図10(b)参照)の延設方向に沿って下方(図14(a)左斜め下側)へスライド移動される。同時に、ラック部465のスライド移動に伴い、基部461がカラーCを介して案内溝424及びラック案内凹部432(図10(b)参照)に案内されその案内溝424及びラック案内凹部432の延設方向に沿って下方(ラック部465の移動方向と平行な方向)へスライド移動される。
この場合、第1駆動モータ470の回転数が所定の回転数までカウントされると、第1演出部材460が下降位置に到達したと判断され、第1駆動モータ470の回転駆動が停止される。その結果、図14(b)に示すように、第1演出部材460が下降位置に配置される。
図14(b)に示すように、第1演出部材460が下降位置に配置された状態では、ラック部465の長手方向一端側(図14(b)上側)が壁部422及び案内壁423の対向間に位置されると共に、案内リブ465cがラック案内凹部431に挿入されており、それら壁部422及び案内壁423とラック案内凹部431とによる案内効果が継続される。
一方、図14(b)に示すように、下降位置に配置された状態から、第1駆動モータ470が逆方向に回転駆動され、ピニオンギヤ480が図14(b)反時計まわりに回転されると、そのピニオンギヤ480の回転がラックギヤ465bに伝達されることで、ラック部465が案内壁423及びラック案内凹部431(図10(b)参照)の延設方向に沿って上方(図14(b)右斜め上側)へスライド移動される。同時に、ラック部465のスライド移動に伴い、基部461がカラーCを介して案内溝424及びラック案内凹部432(図10(b)参照)に案内されその案内溝424の延設方向に沿って上方(ラック部465の移動方向と平行な方向)へスライド移動される。
この場合、上述したように、基部461の被検出板461bが、スライド位置検出センサSにより検出されることで、第1演出部材460が上昇位置に到達したと判断され、第1駆動モータ470の回転駆動が停止される。その結果、図14(a)に示すように、第1演出部材460が上昇位置に配置される。なお、この上昇位置および下降位置の間の動作過程においては、ラック部465の案内リブ465cがラック案内凹部431により案内される状態が継続(維持)される。
第1演出部材460は、上述したように、基部461が正面視くの字状に形成され、延設部463が、第1演出部材460の構成要素の中で最大の外形および重量を有する部位であるところ、延設部463は、一対一組のカラーCのうちの正面視くの字形状に形成される基部461の屈曲部(図14(a)上側、ラック部465側)に位置するカラーCと正面視くの字形状に形成される基部461の他端(図14(a)上右側、立設部462(図12参照))とを結ぶ方向(図14(a)左右方向)に沿って延設され、ラック部465は、カラーCと延設部463との間となる位置において上方(図14(a)右上側)へ向けて延設される。
そのため、延設部463の重量を、上記屈曲部に位置するカラーC(図14(a)上側)を中心として、第1演出部材460全体が図14(a)時計まわりに回転される方向へ作用させることができる。即ち、延設部463の重量を、ラック部465のラックギヤ465bをピニオンギヤ480から離間させる方向(図14(a)右側)へ作用させることができる。
これにより、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との間の歯面の面圧が過大となることを回避して、ラック・アンド・ピニオンを円滑に動作させることができるので、第1演出部材460をスムーズにスライド移動させ、そのスライド移動の高速化とを可能とすることができる。また、ラックギヤ465b及びピニオンギヤ480の歯の磨耗を抑制することができる。
ここで、図14(a)又は図14(b)に示す上昇位置または下降位置に停止された状態から第1演出部材460のスライド移動を開始する場合は、摺動面における静摩擦および慣性力の影響が大きく、また、歯の歯合状態の影響を受けやすいため、第1演出部材460をスライド移動させ始める際の初期動作をスムーズに行わせることが困難となり、その結果、第1駆動モータ470の負荷が大きくなる。
これに対し、本実施形態の第1演出部材460は、上述したように、基部461に対して、ラック部465が変位可能(即ち、がたつきを有して)に軸支されるので(図13(c)参照)、そのがたつきの分、第1駆動モータ470(ピニオンギヤ480)の回転駆動によりラック部465がスライド移動され始める際には、ラック部465及び基部461のそれぞれを適正な位置に相対的に変位させる(なじませる)ことができる。即ち、ピニオンギヤ480に対してラック部465(ラックギヤb)自体が抵抗のより少ない位置に変位できると共に、ラック部465に対して基部461も独立して抵抗がより少ない位置に変位できる。これにより、初期動作をスムーズに行わせることができ、その分、第1駆動モータ470の負担を軽減することができる。
また、基部461及びラック部465が、がたつきを有して軸支されていることで(図13参照)、そのがたつきの分、第1演出部材460の演出部463(装飾板463a)を振動させつつ(揺れさせつつ)、スライド移動させることができるので、その振動により演出効果を高めることができる。
特に、後述するように、第1演出部材460の先端部464は、定常状態では、支持壁533,543の直線部分533a,543aにより重力方向下方から支持され(図19参照)、重力方向上方(図14上方向)への変位が許容されると共に、背面規制リブ532及び正面規制リブ542との間には隙間が形成され(図19参照)、前後方向(図14紙面垂直方向)への変位が許容されるので、スライド移動時の演出部463の振動を形成しやすくできる。
更に、基部461及びラック部465が別体とされ、かつ、それら両部材461,465の軸支部分にがたつきを有することで(図13参照)、第1ベース体420に第1演出部材460を組み付ける際には、がたつきの分、寸法公差を吸収することができる。よって、第1ベース体420へ第1演出部材460を組み付ける際の組み付け性の向上を図ることができる。また、がたつきの分、各部品に要求される寸法公差を緩やかとすることができるので、部品コストを削減することができる。
即ち、第1演出部材460を第1ベース体420に装着する際には、基部461の背面側に配設される一対一組のカラーCを第1ベース体420に形成される案内溝424に挿通させると共に、ラック部465のラックギヤ465bを第1ベース体420に配設されるピニオンギヤ480に歯合させる必要がある。この場合に、基部461とラック部465とが相対変位不能に固着されていれると、一対一組のカラーCを先に案内溝424にそれぞれ挿通させると、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合が困難となり、一方、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合を先に行うと、一対一組のカラーCのいずれか一方の案内溝424への挿通が困難になる事態が発生する。
これに対し、本実施形態では、ラック部465が基部461に対して所定量だけ変位可能に(即ち、がたつきを有して)連結されるので、その分、基部461に配設されるカラーCとラック部465に形成されるラックギヤ465bとの位置関係の自由度を高めることができる。これにより、一対一組のカラーCを先に案内溝424へ挿通させたとしても、その状態からラックギヤ465bをピニオンギヤ480に対して位置調整することができるので、これら両ギヤ465b,480を容易に歯合させることができる。一方、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合を先に行ったとしても、その状態から基部461を案内溝424に対して位置調整することができるので、一対一組のカラーCのそれぞれを案内溝424へ容易に挿通することができる。
また、本実施形態によれば、ラック部465が基部461に対して所定量だけ変位可能に(即ち、がたつきを有して)連結されることで、第1ベース体420に第1演出部材460を組み付けた後、その第1ベース体420に第1カバー体430を組み付ける工程においても、基部461の正面側に配設される一対一組のカラーCを第1カバー体430のカラー案内凹部432に挿通する工程およびラック部465の案内リブ465cを第1カバー体430のラック案内凹部431に挿通する工程を共に容易に行うことができる。
次いで、図15から図20を参照して、第2ユニット500について説明する。図15は、第2ユニット500の正面斜視図である。なお、図15では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、第2カバー体530及び支持部材540の正面側に形成される装飾形状の図示が省略される。
図15に示すように、第2ユニット500は、第2ケース510と、その第2ケース510に基端側が回転可能に軸支される第2演出部材560と、その第2演出部材560を回転させるための駆動力を発生する駆動手段(図示せず)とを主に備える。
第2ケース510は、一面側が開放された箱状の第2ベース体520と、その第2ベース体520の一面側に締結固定され第2ベース体520の開放部分を閉封する第2カバー体530と、その第2カバー体530の上方における正面側に重ね合わされて締結固定される支持部材540と、第2カバー体530の下方における正面側に重ね合わされて締結固定される装飾部材550と、を備える。
第2ベース体520には、駆動手段としての図示しない第2駆動モータと、その第2駆動モータの回転駆動力を第2演出部材560に伝達するための図示しないクランク機構と、が配設される。
第2ベース体520には、被締結部525,526が形成される。被締結部525は第3ベース体620の台座部625(図21参照)に、被締結部526は第4ケース710の台座部711f(図23参照)に、それぞれ締結固定される部位であり、締結ねじが挿通される挿通孔が穿設される。被締結部525,526に挿通された締結ねじが、第3ユニット600における第3ベース体620の台座部625及び第4ユニット700における第4ケース710の台座部711fにそれぞれ締結されることで、第2ケース510(第2ユニット500)が、第3ケース610(第3ユニット600)及び第4ユニット700にに積み重ねられた状態で配設される(図37参照)。
第2カバー体530は、正面視において第2ベース体520の外形形状に対応する形状の平板状に形成される。支持部材540は、正面視において略平行四辺形の平板形状に形成され、第2カバー体530の上方部分(支持軸562よりも上方)に配設される。これら第2カバー体530及び支持部材540は、互いに異なる色の光透過性の樹脂材料から形成される。なお、第2カバー体530及び支持部材540の詳細構成は、図16から図18を参照して後述する。
第2演出部材560は、正面視略くの字状に屈曲する棒状のアーム本体561と、そのアーム本体561の基端側(図15右側)に形成されると共に第2ケース510(第1ベース体520及び第2カバー体530)に回転可能に軸支される支持軸562と、アーム本体561の先端側に配設される装飾部材563とを主に備え、先端側(装飾部材563)を第2ケース体510の側方から第1ユニット400(図5及び図6参照)へ向けて張り出させた姿勢で配設される。第2ユニット500は、第2演出部材560を、上述した駆動手段の駆動力により、支持軸562を中心として回転させ、第2演出部材560の先端側(装飾部材563)を上方または下方へ移動させる。
ここで、第2演出部材560のアーム本体561は、上方(図15上側)に凸となるくの字状に屈曲されるので、かかる第2演出部材560が上方へ移動された状態では(図6参照)、くの字の凹の部分(図15下側部分)を利用して、背面側(第3演出部材660及び第4演出部材760)を視認するためのスペースを十分に確保することができる。また、このように、アーム本体561が上方に凸となるくの字状に屈曲されることで、支持軸562を中心として第2演出部材560を回転(上昇)させる際には、より少ない回転量でアーム本体561を第2カバー体530の正面板531(張出部分531a)の背面側に隠すことができる。
更に、アーム本体561をくの字状に屈曲する形状とすることで、全体の長さが長くなると共に屈曲部分を有することで、その剛性を小さくすることができる。即ち、装飾部材563の重量を、支持軸562のみに偏って作用することを抑制して、アーム本体563にも分担させることができる。これにより、装飾部材563の重量を、アーム本体563及び支持軸562の両者に分散させ、耐久性の向上を図ることができる。
次いで、図16を参照して、第2カバー体530の詳細構成について説明する。図16(a)は、第2カバー体530の部分拡大正面図であり、図16(b)は、図16(a)のXVIb−XVIb線における第2カバー体530の部分拡大断面図である。
図16に示すように、第2カバー体530は、平板状の正面板531と、その正面板531の正面から立設される背面規制リブ532と、その背面規制リブ532の側方および上方において正面板531の正面から立設される支持壁533と、それら背面規制リブ532及び支持壁533の周囲に点在する複数の被締結柱534と、を備え、これら各部531〜534が一体に形成される。
正面板531は、第2カバー体530の骨格をなす部位であり、略平板形状に形成される。正面板531は、第1ユニット400側(図5及び図6参照)となる側方(図16(a)左側)へ向けて張り出して形成される張出部分531aを備える。張出部分531aは、第2ベース体520の側縁部よりも第1ユニット400側へ張り出されており(図15参照)、これにより、第2演出部材560が上方へ移動された際には、その第2演出部材560の装飾部材563は露出させつつ、アーム本体561を張出部分531aの背面側に隠すことができる(図6参照)。
背面規制リブ532は、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)が前後方向(図16(a)紙面垂直方向)に変位される場合に、その先端板部分464bの背面に当接して(図19(b)参照)、後方(図16(a)紙面奥方向)への変位を規制するための部位であり、図16(a)に示す正面視において直線状に延設されると共に、正面板531の正面から突設される突起として形成される。
背面規制リブ532の断面形状は、図16(b)に示すように、突設先端が第1演出部材460(図14参照)のスライド移動平面と平行な平坦面とされると共に、両側の角部が円弧状に湾曲して形成される。本実施形態では、2本の背面規制リブ532が、互いに平行に配設されると共に、図16(a)に示す正面視において、第1演出部材460のスライド方向に対応する方向に傾斜して延設される。
支持壁533は、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)の変位または重量を支持部材540の支持壁543と共に規制または支持するための部位であり(図19参照)、図16(a)に示す正面視において、背面規制リブ532と平行に直線状に延設される直線部分533aと、その直線部分533aの上方に接続され水平(図16(a)左右方向)に延設される上方部分533bと、直線部分533aの下方側において上方部分533bと略平行に対向配置される下方部分533cとを備える。
なお、より詳細には、支持壁533は、その直線部分533aにより、第1演出部材460の先端板部分464bを重力方向下方から支持する。また、支持壁533は、その上方部分533bにより、第1演出部材460の先端板部分464bの上方(図16(a)上側)への変位を規制すると共に、その下方部分533cにより、第1演出部材460の先端板部分464bの下方(図16(a)下側)への変位を規制する(図19(a)参照)。
第1演出部材460は、スライド移動により上昇位置または下降位置に到達すると(図14参照)、そのスライド移動が停止された際の慣性力により、先端側(先端板部分464b)が上方または下方へ大きく変位される。この場合、第1演出部材460の先端側の変位を支持壁533の上方部分533b又は下方部分533cの当接により規制できる(ストッパ機能を発揮可能である)ことで、第1演出部材460の過大な変位を規制すると共にその変位(自由振動)を早期に収束させることができ、耐久性の向上の点より有効となる。特に、基部461、立設部462の耐久性の向上に有効となる。
なお、第1演出部材460が上昇位置または下降位置において停止された定常状態では、その先端側(先端板部分464b)と支持壁533の上方部分533b又は下方部分533cとの間には所定の隙間が形成される。但し、隙間が形成されない構成としても良い。
支持壁533は、図16(b)に示す断面視において背面規制リブ532よりも正面板531からの立設高さが高くされた矩形状の突起として形成され、その立設先端面は、正面板531の正面(図16(b)上側面)に平行な平坦面として形成される。なお、背面規制リブ532及び支持壁533(直線部分533a)は、図16(a)に示す正面視において、鉛直方向となす傾斜角度が角度θ1とされる。この角度θは、第1演出部材460のスライド移動の方向(即ち、案内溝424及びカラー案内凹部432の延設方向、図14参照)が鉛直方向となす傾斜角度と同一とされる。
被締結柱534は、正面板531から立設される円柱状の部位であり、平坦面として形成される立設先端面により、支持部材540の締結座部544を支持する。また、被締結柱534の立設先端面に凹設された凹部には、その内周にめねじが刻設され、支持部材540の締結座部544が締結ねじにより締結固定される。
次いで、図17を参照して、支持部材540の詳細構成について説明する。図17(a)は、支持部材540の正面図であり、図17(b)は、支持部材540の背面図であり、図17(c)は、図17(a)のXVIIc−XVIIc線における支持部材540の断面図である。なお、図17(a)では、正面規制リブ542及び支持壁543の外形が破線により図示される。
図17に示すように、支持部材540は、平板状の正面板541と、その正面板541の背面から立設される正面規制リブ542と、その正面規制リブ542の側方および上方において正面板541の背面から立設される支持壁543と、支持壁543の外側面から張り出す複数の締結座部544と、を備え、これら各部541〜544が一体に形成される。
正面板541は、支持部材540の骨格をなす部位であり、正面視略平行四辺形の平板形状に形成される。正面規制リブ542は、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)が前後方向(図17(a)紙面垂直方向)に変位される場合に、その先端板部分464bの正面に当接して(図19(b)参照)、前方(図17(a)紙面手前方向)への変位を規制するための部位であり、図17(a)に示す正面視において直線状に延設されると共に、正面板541の背面から突設される突起として形成される。正面規制リブ542の断面形状は、図17(b)に示すように、突設先端が第1演出部材460(図14参照)のスライド移動平面と平行な平坦面とされると共に、両側の角部が円弧状に湾曲して形成される。本実施形態では、3本の正面規制リブ542が、互いに平行に配設されると共に、図17(a)に示す正面視において、第1演出部材460のスライド方向に対応する方向に傾斜して延設される。
支持壁543は、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)の変位または重量を第2カバー体530の支持壁533と共に規制または支持するための部位であり(図19(a)参照)、図17(a)に示す正面視において、正面規制リブ532の側方(図17(a)右側)に位置し直線状に延設される直線部分543aと、その直線部分543aの上方に接続され水平(図17(a)左右方向)に延設される上方部分543bと、直線部分543aの下方に接続され上方部分543bと略平行に対向配置される下方部分543cとを備える。
なお、より詳細には、支持壁543は、その直線部分543aが、支持壁533(図16参照)の直線部分533aと共に、第1演出部材460の先端板部分464bを重力方向下方から支持する。また、支持壁543は、その上方部分543bが、支持壁533の上方部分533bと共に、第1演出部材460の先端板部分464bの上方(図17(a)上側)への変位を規制する。同様に、支持壁543は、その下方部分543cが、支持壁533の下方部分533cと共に、第1演出部材460の先端板部分464bの下方(図17(a)下側)への変位を規制する。
支持壁543は、図17(c)に示す断面視において正面規制リブ542よりも立設高さが高くされた矩形状の突起として形成され、その立設先端面は、正面板541の背面に平行な平坦面として形成される。ここで、支持壁543は、図17(a)に示す正面視形状が、第2カバー体530の支持壁533の正面視形状(図16(a)参照)と同一に形成され、第2カバー体530に支持部材540が締結固定されると、互いの支持壁533,543の立設先端面同士が当接される。よって、支持壁543は、第2カバー体530の支持壁533と共に、その直線部分543aにより、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)を重力方向下方から支持し、同様に、支持壁543は、第2カバー体530の支持壁533と共に、上方部分543b及び下方部分543cにより、先端板部分464bの上方及び下方(図17(a)上側および下側)への変位を規制する(図19(a)参照)。
支持部材540は、正面規制リブ542と支持壁543(直線部分543a)との傾斜角度が異なる角度に設定される。具体的には、図17(a)に示す正面視において、正面規制リブ542は、鉛直方向となす傾斜角度が角度θ2に設定される一方、支持壁543(直線部分543a)は、鉛直方向となす傾斜角度が、背面規制リブ532及び支持壁533(直線部分533a)と同一の角度(角度θ1)とされる。なお、角度θ1は角度θ2よりも大きな角度に設定される(θ2<θ1)。
締結座部544は、第2カバー体530の被締結柱534に対応する位置にそれぞれ形成され、この締結座部544が第2カバー体530の被締結柱534の立設先端面に載置され締結ねじにより締結固定されることで、支持部材540が第2カバー体530の正面に配設される(図15参照)。
次いで、図18及び図19を参照して、第2カバー体530及び支持部材540により第1演出部材460の先端部464を支持する支持構造について説明する。
図18は、支持壁533,543、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の位置関係を模式的に図示する模式図である。図19(a)は、第1ユニット400及び第2ユニット500の正面図であり、図19(b)は、図19(a)のXIXb−XIXb線における第1ユニット400及び第2ユニット500の断面図である。なお、図18は、図19(a)の透視図に対応する。図19(a)では、支持部材540の一部が部分的に省略して図示される。
図18及び図19に示すように、第2カバー体530に支持部材540が締結固定された状態では、第2カバー体530の支持壁533と支持部材540の支持壁543との配置が一致される(正面視において重なる)一方、第2カバー体530の背面規制リブ532と支持部材540の正面規制リブ542とは、異なる位置(正面視において完全には重ならない互いにずれた位置)に配置される。
この場合、第1演出部材460の先端板部分464bの背面および正面(図19(a)紙面奥側および紙面手前側)と、第2カバー体530の背面規制リブ532及び支持部材540の正面規制リブ542との間には、それぞれ所定の隙間が形成される。これにより、第1演出部材460が、その先端部464(先端板部分464b)に前後方向への変位(揺れ)が少ない状態でスライド移動される場合には、摩擦抵抗の発生を低減して、第1演出部材460をスムーズにスライド移動させ、第1駆動モータ470(図8参照)の負荷を軽減できる。一方、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)における前後方向への変位(揺れ)が所定量以上となった場合には、各リブ532,542の規制により、過大な変位(揺れ)を抑制して、耐久性を向上できる。
第1ユニット400の第1演出部材460が上昇位置と下降位置との間でスライド移動される動作中(図14参照)、第1演出部材460は、基端側(基部461)が第1ケース410(第1ベース体420及び第1カバー体430)に支持される一方、先端側(先端部464)が第2カバー体530の支持壁533及び支持部材540の支持壁543の直線部分533a,543aにより重力方向(図18及び図19(a)上下方向)下方から支持されるので、かかる第1演出部材460を両持ち状態とすることができる。
これにより、第1演出部材460の重量を、基端側(基部461及び第1ケース410)だけでなく、先端側(先端部464及び支持壁533,534)にも分担させることができ、その分、第1演出部材460の重量を分散させることができるので、片持ち状態(即ち、基端側のみが支持され、先端側が自由端とされる状態)の場合と比較して、基端側の負担を軽減でき、その耐久性の向上を図ることができる。
第1演出部材460の先端側(先端部464)は、第2ベース体530(正面板531)と支持部材540(正面板541)との対向間に配置されるので、かかる第1演出部材460の先端側がそのスライド移動の方向と直交する方向(遊技盤13(図2参照)に垂直な前後方向、図18及び図19(a)紙面垂直方向)へ変位される(揺れる)場合には、その変位を第2ベース体530(正面板531)及び支持部材540(正面板541)により規制することができる。これにより、基端側(基部461及び第1ケース410)の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ると共に、第1演出部材460をスムーズにスライド移動させることができる。
なお、第1演出部材460の先端側がそのスライド移動の方向と直交する方向(前後方向)へ変位するとは、スライド移動の方向と完全に直交する方向への変位成分のみを有する変位モードに限らず、上述したように、延設部463が上下方向(図12(b)紙面垂直方向)へ揺れる変位モード(即ち、基部461及び先端部464を固定端とし延設部463を自由端とする自由振動の変位モード)、及び、これら各変位モードが合成された変位モードを含む趣旨である。
この場合、第2ベース体530にはその正面板531から背面規制リブ532が、支持部材540にはその正面板531から正面規制リブ542が、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)の背面および正面へ向けてそれぞれ立設される。これにより、上述したように、第1演出部材460がそのスライド移動の方向と直交する方向(図18及び図19(a)紙面垂直方向)へ変位される(揺れる)場合には、その変位を、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の立設先端によって規制する。即ち、各リブ532,542の突設先端が第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)に部分的に接触され、接触面積が抑制されるので、これらの間に生じる摩擦抵抗を低減できる。よって、第1演出部材460をスムーズにスライド移動させることができると共に、第1駆動モータ470の負担を軽減することができる。
ここで、第1演出部材460は、そのスライド移動の際の往路および復路(上昇移動および下降移動)の両経路において、重力の作用方向は同方向である一方、ピニオンギヤ480からラック部465のラックギヤ465bに作用する回転駆動力の作用方向(即ち、ピニオンギヤ480の回転方向)が相違するため、第1演出部材460の姿勢が両経路で相違し、その結果、先端側(先端部464)の姿勢(傾斜状態および移動軌跡)も両経路で変化する。
この場合、本実施形態では、背面規制リブ532の延設方向(鉛直方向に対する傾斜角度=角度θ1)と正面規制リブ542の延設方向(鉛直方向に対する傾斜角度=角度θ2)とが異なるので、例えば、背面規制リブ532の延設方向を往路の姿勢に、正面規制リブ542の延設方向を復路の姿勢に、それぞれ対応する方向(傾斜角度)に設定しておくことで、第1演出部材460がそのスライド移動の方向と直交する前後方向(図18及び図19(a)紙面前後方向)に変位され(揺れ)つつスライド移動される場合には、往路および復路の両経路において、第1演出部材460の先端部464を背面規制リブ532及び正面規制リブ542を利用してスムーズに案内することができる。
上述したように、第2ベース体530及び支持部材540は、互いに異なる色の光透過性の樹脂材料から形成される。よって、発光手段(例えば、LED)の光を透過させ、発光による装飾効果を高めることができる。また、第2ベース体530とその第2ベース体530と外形の大きさが異なる支持部材540とを異なる色から形成することで、外観の色彩を豊かにして、その装飾効果を高めることができる。
この場合、第2ベース体530及び支持部材540が異なる色の光透過性の樹脂材料から形成されることで、これら第2ベース体530及び支持部材540が重なる領域では、色の混合により、第2ベース体530及び支持部材540の対向空間(正面板531と正面板541との対向空間)を外部から視認し難くすることができる。即ち、正面板531と正面板541との間に挟まれている第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)を支持部材540の正面視において外部から視認し難くして、第1演出部材460の先端部464の存在を目立たなくすることができる。
本実施形態では、第1演出部材460の先端部464が、黒色の樹脂材料から形成される。これにより、かかる先端部464(先端板部分464b)を支持部材540の正面視において外部から視認し難くして目立たなくする効果を高めることができる。
また、第2ベース体530の背面規制リブ532の延設方向(鉛直方向に対する傾斜角度=角度θ1)と支持部材540の正面規制リブ542の延設方向(鉛直方向に対する傾斜角度=角度θ2)とが互いに異なる方向とされるので、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の形成位置を分散させることができる。これにより、支持部材540の正面から視認する遊技者に対し、それら各リブ532,542の存在を全体として目立たなくすることができ、外観が損なわれることを抑制できる。
更に、背面規制リブ532と正面規制リブ542とは、支持壁533,543に最も近接するものを除き、正面視において互いに重ならない位置に形成される。即ち、2本の背面規制リブ532のうちの支持壁533の直線部分533aから離間する側(図18左側)に位置する1本の背面規制リブ532と、3本の正面規制リブ542のうちの支持壁543の直線部分543aから離間する側(図18左側)に位置する2本の正面規制リブ542とが正面視において互いに重ならない位置に形成される。よって、支持部材540を正面から視認する際にその存在が強調される両リブ532,542の重なり部分が形成されることを回避できると共に、両リブ532,542の形成位置を分散させることができるので、それら各リブ532,542の存在を目立たなくして、外観が損なわれることを抑制できる。
第1演出部材460は、上述したように、基部461に対して延設部463が前面側に張り出した形状に形成され(図12(b)参照)、第1演出部材460全体としての重心位置が前面側(図19(a)紙面手前側)に偏って位置する。そのため、第1演出部材460は、かかる重心位置の偏りに起因して、背面側よりも前面側へ変位しやすく(揺れやすく)される。即ち、第1演出部材460に揺れが発生する場合、その第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)は、背面規制リブ532よりも前面規制リブ542へ頻繁に当接される。
この場合、背面規制リブ532及び正面規制リブ542は、第1に、背面規制リブ532の配設本数に対して正面規制リブ542の配設本数が少なくされ(本実施形態では、背面規制リブ532が2本配設される一方、正面規制リブ542が3本配設される)、第2に、背面規制リブ532の間隔寸法(図18左右方向寸法)に対して正面規制リブ542の間隔寸法が広くされ(本実施形態では、背面規制リブ532が間隔J1とされ、正面規制リブ542が間隔J2とされ、J1<J2に設定される)、第3に、背面規制リブ532が正面規制リブ542よりも第1演出部材460(先端板部分464b)の先端側(図18右側)に偏って配置される。なお、本実施形態では、背面規制リブ532及び正面規制リブ542が、上記第1から第3の構成を備える場合を説明するが、これら第1から第3の構成を全て備える必要はなく、少なくとも1の構成を備えれば足りる。
このように、先端板部分464bの当接する頻度が高い正面規制リブ542については、配設本数を多くすると共に、間隔寸法を大きくして、配設領域を広くすることで、かかる正面規制リブ542に先端板部分464bが当接する際に発生する荷重を分散させやすくでき、耐久性の向上を図ることができる。一方で、先端板部分464bの当接する頻度が低い背面規制リブ532については、配設本数を少なくすることで、支持部材540を正面から視認する遊技者に対して、その存在を目立たなくして、外観が損なわれることを抑制できる。
この場合、第1演出部材460は、背面側へ変位される場合には、先端板部分464bの先端側(図18右側)のみを背面規制リブ532へ当接させる姿勢となるため、背面規制リブ532については、間隔寸法を小さくすると共に、先端板部分464bの先端側に偏って配置することが有効となる。即ち、先端板部分464bの根元側(図18左側)に背面規制リブ532を配設することは無駄となり、先端側への配置が、少ない配設本数で先端板部分464bを効果的に受け止めることに繋がる。
次いで、図20を参照して、第1ユニット400の第1演出部材460と第2ユニット500の第2演出部材560との前後方向の位置関係について説明する。図20は、下方視における第1ユニット400及び第2ユニット500の模式図であり、図12(a)の矢印XIIb方向視に対応する。なお、図20では、第3ユニット600の外形が二点鎖線により図示される。
図20に示すように、第1ユニット400及び第2ユニット500は、第3ユニット600の正面(図20上側面)に配設される。即ち、第1ユニット400及び第2ユニット500は同一平面上に配設される。この場合、第1演出部材460は、上述したように、延設部463が立設部462によって基端部461よりも正面側(図20上側)に嵩上げされると共に、先端板部分464bの嵩上げ位置(図20上下方向位置)は、基端部461の正面と延設部463の背面との間に設定される。
これにより、第1演出部材460の延設部463の背面と第3ユニット600の正面との間に空間を形成することができる。即ち、この空間を、第2演出部材560が移動するための空間として利用することができる。その結果、正面視において、第1演出部材460の移動軌跡と第2演出部材560の移動軌跡とを重ねることができ、演出効果を高めることができる。
一方で、このように、第1演出部材460を屈曲させる(立設部462により嵩上げする)構成では、第1演出部材460の重量が嵩み、その分、基端側(基端部461側)の負担が大きくなると共に、スライド移動時に上下方向(図20紙面垂直方向)への先端側(先端部464)の変位(揺れ)及びスライド移動の方向と直交する前後方向(図20上下方向)への先端側(先端部464)の変位(揺れ)が大きくなる。本実施形態では、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)を、第2カバー体530及び支持部材540の支持壁533,543(直線部分533a,543a)により重力方向下方から支えると共に正面板531,541の間に配設することで、上述した直交する方向(前後方向)への先端側(先端部464)の変位を規制することができる。
即ち、第1演出部材460を屈曲させる(立設部462により嵩上げする)ことは、重量が嵩み、基端側(基端部461側)の負担が大きくなるため、第1演出部材460の先端側(先端部464)が自由端とされる片持ち状態のものでは採用不可能であり、第1演出部材460の先端部464(先端板部分464b)を、第2カバー体530及び支持部材540の支持壁533,543(直線部分533a,543a)により重力方向下方から支えると共に正面板531,541により上述した前後方向への先端側(先端部464)の変位を規制することで初めて採用可能となったものであり、その結果、基端側(基端部461側)の負担軽減による耐久性の向上および第1演出部材460のスムーズなスライド移動を可能としつつ、第1演出部材460の移動軌跡と第2演出部材560の移動軌跡とを正面視において重ねる演出が可能となる。
次いで、図21及び図22を参照して、第3ユニット600について説明する。図21は、第3ユニット600の正面分解斜視図であり、図22は、第3ユニット600の背面分解斜視図である。
図21及び図22に示すように、第3ユニット600は、第3ケース610と、その第3ケース610に配設されるスライド軸640と、そのスライド軸640に沿って案内されるラック部650と、そのラック部650のラックギヤ651に歯合されるピニオンギヤ680と、そのピニオンギヤ680を回転駆動する第3駆動モータ670と、ラック部650に連結される第3演出部材660と、を主に備える。
第3ケース610は、一面側(図21紙面手前側)が開放された箱状の第3ベース体620と、その第3ベース体620の一面側に締結固定され第3ベース体620の開放部分のうちの上方部分(図21上側)を閉封する第3カバー体630と、第3ベース体620の一面側に締結固定され第3ベース体620の開放部分のうちの第3カバー体630の下端よりも下方部分(図21下側)を閉封する平板状の平板カバー(図示せず)と、を備える。なお、これら第3ベース体620及び第3カバー体630と平板カバーとは無色の光透過性の樹脂材料から形成される。
第3ベース体620は、正面視において、中央に矩形状の開口621が開口形成されることで矩形枠状に形成されると共に、その矩形枠状の上辺中央から上方(図21上側)へ矩形状の部分が突出される形状に形成される。開口621は、第3ユニット600が第4ユニット700に積み重ねられた状態において(図5及び図6参照)、第4ユニット700(第4ベース体710)の開口711aに対応する位置および大きさに形成され、これら両開口621,711aを介して、第3図柄表示装置81(図2参照)の表示内容が視認可能とされる。
第3ベース体620には、第4ケース710の台座部711e(図23参照)に締結固定される被締結部624が複数形成される。各被締結部624には、締結ねじが挿通される挿通孔が穿設されると共に、各被締結部624の座面(図22紙面手前側面)は、第3ベース体620の背面(図22紙面手前側面)と面一とされる。なお、本実施形態では、第3ベース体620には、正面視における上辺の2ヶ所および下辺の2ヶ所の合計4ヶ所に被締結部624が形成される。
また、第3ベース体620及び第3カバー体630には、複数の台座部625,635が形成される。台座部625,635は、第1ユニット400及び第2ユニット500における被締結部425,525が締結固定される部位であり(図36及び図37参照)、これら各被締結部425,525に対応する位置に配置される。
第3カバー体630は、平板状に形成され、第3ベース体620の開放部分のうちの開口621の上辺よりも上方(図21上側)となる領域を閉封する。この第3カバー体630により閉封される領域において、スライド軸640、ラック部650、第3駆動モータ670及びピニオンギヤ680が第3ベース体620にそれぞれ配設される。
スライド軸640は、ラック部650のスライド移動方向を案内するための部材であり、第3ベース体620の幅寸法(図21左右方向寸法)と同等の長さを有する断面円形の棒状体として形成され、その長手方向を第3ベース体520の幅方向に向けた水平姿勢(即ち、開口621の上辺に平行な姿勢)で開口621の上方に配設される。
ラック部650は、スライド軸640の長手方向に沿ってスライド移動される断面矩形の箱状体であり、その箱状体の下面(図21下側面)には、第3演出部材660が配設されると共に、箱状体の正面側には、ラックギヤ651がスライド軸640の長手方向に沿って形成(刻設)される。ラックギヤ651には、ピニオンギヤ680が歯合され、ピニオンギヤ680には、第3駆動モータ670の駆動軸671に固着される駆動ギヤ672が歯合される。
第3ユニット600は、これら第3駆動モータ670、ピニオンギヤ680、ラック部650及び第3演出部材660からなる駆動機構を一対備え、それら一対の駆動機構が第3ベース体620の幅方向両側に対向して配設される。
この駆動機構によれば、図21及び図22に示す退避位置から、一対の第3駆動モータ670が互いに逆方向に回転駆動されることにより、各ピニオンギヤ680が回転され、それらピニオンギヤ680の回転が各ラックギヤ651に伝達されることで、各ラック部650(第3演出部材660)がスライド軸640の長手方向に沿って開口621の中央へ向けてそれぞれスライド移動され、各第3演出部材660が開口621の形成領域内にそれぞれ張り出す張出位置(図示せず)に配置される。
一方、その張出位置から一対の第3駆動モータ670がそれぞれ上述の場合とは逆方向へ回転駆動されることで、各ラック部650(第3演出部材660)がスライド軸640の長手方向に沿って開口621の中央側から両脇(第3ベース体620の外縁)へ向けてそれぞれスライド移動され、各第3演出部材660が開口621の形成領域外にそれぞれ退避される退避位置(図21及び図22)に配置される。
なお、本実施形態では、上記駆動機構が一対設けられるので、一対の第3演出部材660をそれぞれ独立にスライド移動させることができる。例えば、一対の第3駆動モータ670のうちの一方の第3駆動モータ670のみを回転駆動させることで、一対の第3演出部材660のうちの一方の第3演出部材660のみをスライド移動させることができる。或いは、一対の第3駆動モータ670を互いに同方向に回転駆動させることで、一対の第3演出部材660を同方向へスライド移動させることができる。
第3ベース体620には、図22に示すように、第3内側リブ622及び第3外側リブ623がその背面に形成される。第3内側リブ622及び第3外側リブ623は、第4ユニット700の第4演出部材760の先端側(先端部764L,764R)を案内するためのリブであり(図23参照)、断面半円状の突起として第3ベース体620の背面から突設されると共に、第3ベース体620の背面視において円弧状に湾曲して延設される。なお、第3ベース体620の背面視において、第3内側リブ622及び第3外側リブ623の右半分と左半分とは異なる位置を曲率中心として円弧状に湾曲される。
第3内側リブ622は、その延設方向における2ヶ所が開口621により分断され、3分割される。3分割された第3内側リブ622は、開口621を挟んで位置する端部近傍において、第3ベース体620の背面からの立設高さが端部へ向かうに従って漸次低くされる(即ち、立設先端(図22紙面手前側)が端部へ向けて下降傾斜される)。この下降傾斜される領域を以下「傾斜部分622a」と称す。
第3外側リブ623は、途中で分断されることなく、一端(図22右端)から他端(図22左端)までの全域にわたって連続して延設される。よって、左演出部材760L及び右演出部材760Rの先端部764L,764Rを、第3外側リブ623の突設高さの分だけ、第3ベース体620の背面から常に持ち上げておく(嵩上げしておく)ことができる。
これにより、第3内側リブ622が途中で分断されている場合であっても(即ち、分断された箇所では先端部764L,764Rを第3ベース体620の背面から持ち上げられないので、左演出部材760L及び右演出部材760R(湾曲部761L,761R)が開口621の内周縁部に衝突する恐れがある)、左演出部材760L及び右演出部材760Rが右支持軸717R及び左支持軸717Lを回転中心として上昇位置および下降位置の間で回転する際に(図33から図35参照)、かかる左演出部材760L及び右演出部材760Rが開口621の内周縁部に衝突することを抑制することができる。
なお、第3内側リブ622及び第3外側リブ623は、第3ユニット600が第4ユニット700に積み重ねられると(図5及び図6参照)、第4ユニット700の第4内側リブ714及び第4外側リブ715にそれぞれ対応する位置(正面視において重なる位置)に形成される。
次いで、図23から図35を参照して、第4ユニット700について説明する。図23は、第4ユニット700の正面斜視図である。
図23に示すように、第4ユニット700は、第4ケース710と、その第4ケース710に基端側が回転可能に軸支される第4演出部材760と、その第4演出部材760を回転させるための駆動力を発生する第4駆動モータ(図示せず)とを主に備える。ここで、図24から図29を参照して、第4ケースの詳細構成について説明する。
図24は、第4ケース710の正面斜視図であり、正面カバー716が取り外された状態が図示される。
図24に示すように、第4ケース710は、底面板711と、その底面板711の外縁から立設される壁部712とを備える。底面板711は、正面視において、中央に矩形状の開口711aが開口形成されることで矩形枠状に形成されると共に、その矩形枠状の上辺中央から上方(図23上側)へ矩形状の部分が突出される形状に形成される。即ち、第4ケース710の底面板711は、その正面視形状が、第3ユニット600の第3ベース体620(図21及び図22参照)の正面視形状と略同一に形成される。
なお、底面板711には、複数の台座部711eが形成される。台座部711eは、第3ユニット600における第3ケース610の被締結部624が締結固定される部位であり(図36及び図37参照)、第3ケース610の被締結部624に対応する位置に配置される。
また、壁部712には、台座部711fと複数の被締結孔712aとが形成される。台座部711fは、第2ユニット500における第2ベース体520(被締結部526)が締結固定される部位であり(図36及び図37参照)、第2ベース体520の被締結部526に対応する位置に配置される。被締結孔712aは、第1ユニット400における装飾連結板450が締結固定される部位であり(図36及び図37参照)、装飾連結板450の挿通孔451に対応する位置に配置される。
ここで、台座部711fの周囲には、正面視L字状に延設される規制壁711faが立設される。規制壁711Faは、第2ベース体520の被締結部526(図15参照)の外形に対応して形成され、台座部711fに被締結部526が締結固定される際には、その被締結部526の外縁(外側面)に規制壁711faの内壁面が対面(又は、当接)される。これにより、台座部711fに被締結部526を載置する(即ち、第2ユニット500を第4ユニット700に連結するために、第3ユニット600の正面に第2ユニット500を積み重ねる、図37参照)際には、台座部711fに対する被締結部526の位置決めを、規制壁711faを利用して行うことができる。よって、その組み付け性の向上を図ることができる。
また、規制部711faが被締結部526の外縁の2辺を取り囲むので、被締結部526が台座部711f上で移動する(位置ずれする)ことを規制部711faにより規制できる。よって、第4ユニット700に対する第2ユニット500の連結強度を高めることができ、動作ユニット300のぐらつき(第4ユニット700に対する第3ユニット600及び第2ユニット500の変位)を抑制できる。
更に、台座部711fは、第4ケース710の壁部712の立設先端から外方(図24右側)へ張り出して形成されるので、壁部712の内壁面側に設ける場合と比較して、第4ケース710への各ユニット400〜600の収容可能量を確保できるだけでなく、かかる台座部711fが補強リブとして機能することで、第4ケース体710自体の剛性を高めることができる。その結果、動作ユニット300全体としての剛性を高め、各演出部材460〜760の動作時におけるぐらつきを抑制することができる。
同様に、被締結孔712aは、第4ケース710の壁部712の立設先端から外方(図24上側)へフランジ状に張り出して形成される部位に形成されるので、壁部712の内壁面側に設ける場合と比較して、第4ケース710への各ユニット400〜600の収容可能量を確保できるだけでなく、かかるフランジ状に形成される部位(被締結孔712aが形成さえる部位)が補強リブとして機能することで、第4ケース体710自体の剛性を高めることができる。その結果、動作ユニット300全体としての剛性を高め、各演出部材460〜760の動作時におけるぐらつきを抑制することができる。
底面板711は、駆動部配設凹部711bと、第4基側リブ713と、第4内側リブ714及び第4外側リブ715とを備える。駆動部配設凹部711bは、第4演出部材760を回転駆動するための駆動手段が配設される部位であり、底面板711の幅方向(図24左右方向)中央であって開口711aの上方に位置し、正面視矩形の凹部として底面板711に凹設される。
駆動部配設凹部711bには、その外縁に沿って支持壁711cが立設され、その支持壁711cの立設先端には、正面カバー716が締結固定される。正面カバー716は、正面視横長の矩形状に形成され、駆動部配設凹部711bの上側部分(図24上側)のみに覆設される。
よって、正面カバー716の下端側(開口711a側、図24下側)が開放された状態とされるので(図23参照)、この開放部分を利用して第4演出部材760の基部側を後述する右支持軸717R及び左支持軸717Lに軸支させると共に、その軸支部分を中心に第4演出部材760を回転させることができる。また、正面カバー716の背面(図24紙面奥側面)には、正面視円形の保持凹部(図示せず)が一対凹設され、これら一対の保持凹部に右支持軸717R及び左支持軸717Lの先端がそれぞれ内嵌され保持される。ここで、図25及び図26を参照して、駆動部配設凹部711bに配設される駆動手段について説明する。
図25は、駆動部配設凹部711bを部分的に拡大した第4ケース710の部分拡大正面図であり、図26は、駆動部配設凹部711bを部分的に拡大した第4ケース710の部分拡大正面斜視図である。なお、図26では、右ギヤ部材790Rが取り外された状態が図示されると共に、左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの回転方向の位置決めを行うための位置決め冶具JGが図示される。
図25及び図26に示すように、駆動部配設凹部711bには、右支持軸717R及び左支持軸717Lと、駆動ギヤ770と、方向変換ギヤ780と、右ギヤ部材790R及び左ギヤ部材790Lとが配設される。方向変換ギヤ780は図示しない支持軸により、右ギヤ部材790R及び左ギヤ部材790Lはギヤ軸718により、それぞれ駆動部配設凹部711bの底面に回転可能に軸支される。なお、ギヤ軸718の先端には、円周溝が凹設され、その円周溝に嵌め込まれる止め輪Mが、右ギヤ部材790R及び左ギヤ部材790Lの抜け止めとされる。
右支持軸717R及び左支持軸717Lは、第4演出部材760の基端側を回転可能に軸支するための部材であり(図33から図35参照)、真鋳材料から円柱状に形成される。これら右支持軸717R及び左支持軸717Lは、第4ケース710の幅方向(図25左右方向)に所定間隔を隔てて配設され、かつ、駆動部配設凹部711bの底面から前方(図25紙面手前側)へ向けて共に垂直に立設される。
駆動部配設凹部711bの背面側(図25紙面奥側)には、第4駆動モータ(図示せず)が配設される。第4駆動モータの駆動軸に固着される駆動ギヤ770には、方向変換ギヤ780と右ギヤ部材790Rとがそれぞれ歯合され、方向変換ギヤ780には、左ギヤ部材790Lが歯合される。よって、第4駆動モータの駆動軸が回転駆動されると、その駆動軸の回転駆動力が、右ギヤ部材790Rに直接伝達されると共に、左ギヤ部材790Lに方向変換ギヤ780を介して伝達され、これにより、右ギヤ部材790R及び左ギヤ部材790Lがそれぞれ逆方向に回転される。
なお、駆動ギヤ770と方向変換ギヤ780とは、同じ歯数のギヤとして形成される。即ち、方向変換ギヤ780は、駆動ギヤ770の回転を、減速せずに、方向のみを変換して左ギヤ部材790Lに伝達するので、右ギヤ部材790Rと左ギヤ部材790Lとは、同じ回転速度で逆方向に回転される。
駆動部配設凹部711bには、図26に示すように、ギヤ軸718の径方向外方に位置決め孔711hが貫通形成されると共に、ギヤ軸718の径方向外方に回転位置検出センサSが配設される。位置決め孔711hは、後述するように、位置決め冶具JGの挿入部JGbが挿入される断面円形の孔である。
回転位置検出センサRは、発光部Ra及び受光部Rbを備えた光センサであり、それら発光部Ra及び受光部Rbの対向空間を、右ギヤ部材790Rの環状リブ793(図27及び図28参照)の移動軌跡上に配置する(即ち、発光部Ra及び受光部Rbが環状リブ793(図27参照)を内周側および外周側から挟み込む位置に配置される)。これにより、間欠部793aの有無に基づいて、右ギヤ部材790の回転位置を検出する。ここで、図27及び図28を参照して、右ギヤ部材790について説明する。
図27は、右ギヤ部材790Rの背面斜視図である。また、図28(a)は、右ギヤ部材790Rの背面図であり、図28(b)は、図28(a)のXXVIIIb−XXVIIIb線における右ギヤ部材790Rの断面図である。
図27及び図28に示すように、右ギヤ部材790Rは、ギヤ本体791と、そのギヤ本体791の正面側(図28(b)下側の面)から突設される突設ピン792と、その突設ピン792とは反対側となるギヤ本体の背面側から突設される環状リブ793とを備え、これらギヤ本体791、突設ピン792及び環状リブ793が樹脂材料から一体に形成される。
ギヤ本体791は、円板状に形成され、その中心には、ギヤ軸718(図26参照)が挿通される軸支孔791aが軸方向(図28(b)上下方向)に沿って貫通形成されると共に、その軸支孔791aから偏心した位置に位置決め冶具JG(図26参照)が挿通される位置決め孔791bが軸方向に沿って貫通形成される。軸支孔791a及び位置決め孔791bは共に断面円形の孔として形成される。またギヤ本体791の外周面には、略半周にわたって歯が刻設される。突設ピン792は、円柱状に形成され、ギヤ本体791の軸心(軸支孔791a)に平行に突設されると共に、ギヤ本体791の軸心から偏心して位置する。
突設ピン792には、摺動筒L(図26参照)が回転可能に取着される。摺動筒Lは、軸支孔を有する円筒状の本体部と、その本体部の軸方向端部から径方向外方へ向けて張り出すフランジ状のフランジ部とからなり、フランジ部をギヤ本体791の正面へ向けた姿勢で突設ピン792に取着される。即ち、摺動筒Lは、フランジ部の直径が後述する左演出部材760L及び右演出部材760Rの案内溝762La,762Ra(図31及び図32参照)の溝幅よりも大きくされると共に、本体部の直径が左演出部材760L及び右演出部材760Rの案内溝762La,762Raの溝幅よりも若干小さくされ、本体部が案内溝762La,762Ra内に摺動可能に挿通される。
環状リブ793は、回転位置検出センサRによって検出される部位であり、円筒状(即ち、図28(a)に示す背面視において円環状)に形成される。環状リブ793には、その周方向の一部(本実施形態では中心角15度)を切り欠く(分断する)ことで、間欠部793aが形成される。
ここで、ギヤ軸718に右ギヤ部材790Rが軸支されると(図25及び図26参照)、回転位置検出センサRの発光部Ra及び受光部Rbの対向面間に環状リブ793が配設される。よって、回転位置検出センサRは、発光部Raから照射した光が、環状リブ793により遮られて受光部Rbで受光不能であるか、或いは、間欠部793aを通過して受光部Rbで受光可能であるかに応じて、右ギヤ部材790Rの回転位置を検出することができる。
このように、ギヤ部材790Rは、ギヤ本体791の背面に円筒状の環状リブ793を立設すると共に、その環状リブ793の一部を切り欠いて間欠部793aを形成することで、回転位置検出センサRによる回転位置の検出を可能としつつ、同時にギヤ部材790Rの剛性の向上を図ることができる。例えば、ギヤ本体791の外周面であって、歯が刻設されていない部分から径方向外方へ板状の被検出板を張り出させて、その被検出板を、ギヤ本体791の外周側に配置した回転位置検出センサRにより検出する構成も考えられる。
しかし、この構成では、径方向外方へ張り出させた被検出板の移動空間をギヤ部材790Rの周囲に確保する必要があるため、ギヤ部材790Rの配設に必要なスペースが嵩む。また、このような板状の被検出板を外周面から張り出させたとしても、ギヤ本体791の剛性の向上は見込めない。
これに対し、本実施形態では、ギヤ本体791の背面に環状リブ793が立設される構成なので、ギヤ本体791の外周側に移動空間を確保することが不要となり、ギヤ部材790Rの配設に必要なスペースを抑制できる。また、円筒状の環状リブ793がギヤ本体791の背面に立設されることで、かかるギヤ本体791の剛性の向上を図ることができる。
なお、右ギヤ部材790R及び左ギヤ部材790Lは、対称形状に形成され、その要素は同一の構成である。よって、対応する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図25及び図26に戻って、以上のように形成される左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの駆動部配設凹部711bへの組み付け方法について説明する。なお、位置決め冶具JGは、作業者が把持するための把持部JGaと、その把持部JGaと同軸状に形成される円柱状の挿入部JGbと、それら把持部JGa及び挿入部JGbの間に配設され径方向外方へ張り出すフランジ部JGcとを備えて形成される。
左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rを駆動部配設凹部711bへ組み付ける(ギヤ軸718に軸支させる)際には、左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの回転方向の位置決め(位相合わせ)を行う必要がある。これら左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの回転方向位置(位相)が適正な回転方向位置からずれていると、突設ピン792を介して連結される左演出部材760L及び右演出部材760R(図33から図35参照)の相対位置がずれ、例えば、下降位置において互いの合わせ面761La,761Raを適正に当接させることができなくなる(隙間が形成される、或いは、過大に密着して破損を招く)からである。
本実施形態では、位置決め冶具JGを使用することで、左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rを適正な回転方向位置(位相)で駆動部配設凹部711bへ組み付けることができる。例えば、右ギヤ部材790Rを駆動部配設凹部711bに組み付ける際には、まず、位置決め冶具JGの挿入部JGbを右ギヤ部材790Rの位置決め孔791bに挿入し、その挿入部JGbの先端を右ギヤ部材790R(ギヤ本体791)の背面から突出させる。次いで、ギヤ軸718の先端を右ギヤ部材790R(ギヤ本体791)の挿通孔791aに挿通させつつ、右ギヤ部材790R(ギヤ本体791)の背面から突出される挿入部JGbの先端を駆動部配設凹部711bの位置決め孔711に挿入させる。
これにより、右ギヤ部材790Rのギヤ軸718を回転中心とする回転方向位置(位相)を位置決めすることができるので、この姿勢を維持した状態で、右ギヤ部材790Rを駆動ギヤ770に歯合させることで、右ギヤ部材790Rを適正な状態で組み付けることができる。なお、左ギヤ部材790Lの駆動部配設凹部711bへの組み付け方法も同様であるので、その説明は省略する。
図24に戻って説明する。第4基部リブ713は、駆動部配設凹部711bと開口711aとの間において、第4ケース710の底面板711から立設される。第4基部リブ713は、第4ユニット700の第4演出部材760(図23参照)の基端側を案内するためのリブであり、断面半円状の突起として底面板711の正面から突設されると共に、右支持軸717R及び左支持軸717L側に中心を有する円弧状に湾曲して延設される。
第4内側リブ714及び第4外側リブ715は、開口711aの下方側(図24下側)において、第4ケース710の底面板711から立設される。ここで、図29を参照して、第4内側リブ714及び第4外側リブ715について説明する。
図29は、第4内側リブ714及び第4外側リブ715が形成される領域を部分的に拡大した第4ケース710の部分拡大正面図である。図29に示すように、第4内側リブ714及び第4外側リブ715は、第4ユニット700の第4演出部材760の先端側(先端部760L,760R)を案内するためのリブであり(図23参照)、断面半円状の突起として第4ケース710の底面板411の正面から突設される。
ここで、第4内側リブ714及び第4外側リブ715は、第4ケース710における底面板711の正面視において、右側部分(右支持軸717Rの下方に位置する部分、図29右側部分)が左支持軸717Lを中心とする円弧状に湾曲して延設される一方、左側部分(左支持軸717Lの下方に位置する部分、図24左側部分)が右支持軸717Rを中心とする円弧状に湾曲して延設される。なお、中央部分は、右側部分および左側部分を滑らかに接続した円弧状に湾曲して延設される。これにより、第4演出部材760の先端側(先端部760L,760R)をスムーズに案内することができる。
第4内側リブ714は、第3ベース体620における第3内側リブ622と同様に(図22参照)、その延設方向における2ヶ所が開口711aにより分断される。また、第4ケース710では、第4外側リブ715も、その延設方向における2ヶ所が分断される。なお、この第4外側リブ715が分断される領域(第4外側リブ715が非形成の領域)を以下「分断領域711d」と称す。よって、分断領域711dは、第4ケース710の底面板711の正面と面一な平坦面として形成される。
このように、2ヶ所が分断されることで、3分割された第4内側リブ714は、開口711aを挟んで位置する端部近傍において、底面板711からの立設高さが端部へ向かうに従って漸次低くされる(即ち、立設先端(図29紙面手前側)が端部へ向けて下降傾斜される)。この下降傾斜される領域を以下「傾斜部分714a」と称す。
同様に、2ヶ所が分断されることで、3分割された第4外側リブ715は、分断領域711dを挟んで位置する端部近傍において、底面板711からの立設高さが端部へ向かうに従って漸次低くされる(立設先端が端部へ向けて下降傾斜される)。この下降傾斜される領域を以下「傾斜部分715a」と称す。
なお、分断領域711dの形成領域の幅(第4外側リブ715が分断される延設方向の長さ)は、第4演出部材760の先端部760L,760Rの幅寸法(図31(a)及び図31(d)の左右方向寸法)よりも若干大きくされる。また、3分割された第4内側リブ714のうちの中央の第4内側リブ714の傾斜部分714aは、第4演出部材760の先端部760L,760Rが分断領域711dに位置する場合に、その先端部760L,760Rを支持可能な範囲(正面視において先端部760L,760Rに重なる範囲)に形成される(図34参照)。
ここで、第4内側リブ714及び第4外側リブ715が分断されている場合、その分断された領域では先端部764L,764Rを第4ケース710の底面板711の正面から持ち上げられないので、左演出部材760L及び右演出部材760R(湾曲部761L,761R)が開口711aの内周縁部に衝突する恐れがある。これに対し、本実施形態では、先端部764L,764Rが第4内側リブ714及び第4外側リブ715の分断された領域に位置する場合には、湾曲部761L,761Rの縁部が開口711aの内周縁部を通過し正面視において底面板711の正面に重なるように構成される(図33から図35参照)。よって、左演出部材760L及び右演出部材760Rが右支持軸717R及び左支持軸717Lを回転中心として上昇位置および下降位置の間で回転する際には、かかる左演出部材760L及び右演出部材760Rが開口621の内周縁部に衝突することを抑制することができる。
図23に戻って説明する。第4演出部材760は、基部側が右支持軸717R及び左支持軸717Lに軸支されることで吊り下げ支持されると共に、先端側(先端部760L,760R)が第4内側レール714及び第4外側レール715の正面側(図23紙面手前側)に配設される。ここで、図30から図32を参照して、第4演出部材760の詳細構成について説明する。
図30は、第4演出部材760の正面斜視図である。図30に示すように、第4演出部材760は、左演出部材760Lと右演出部材760Rとを備える。これら左演出部材760L及び右演出部材760Rは、その基端側(図30上側)を互いに交差させた状態で右支持軸717R及び左支持軸717Lに軸支させる(図23参照)。そのため、基端側(延設部763L,763R)の形状が異なる。但し、延設部763L,763Rの形状を除き、左演出部材760L及び右演出部材760Rの他の部分は略左右対称に形成される。
まず、第4演出部材760の左演出部材760Lについて、図30及び図31を参照して説明する。図31(a)は、左演出部材760Lの正面図であり、図31(b)は、図31(a)の矢印XXXIb方向視における左演出部材760Lの側面図であり、図31(c)は、図31(b)の矢印XXXIc方向視における左演出部材760Lの部分拡大背面図である。
図30及び図31に示すように、左演出部材760Lは、湾曲部761Lと、その湾曲部761Lの上端縁部から上方(図31(a)上側)へ向けて延設される基部762Lと、その基部762Lの上端縁部から斜め上方へ傾斜して延設される延設部763Lと、湾曲部761Lの下端縁部から基部762Lの延設方向と反対側となる下方(図31(a)下側)へ向けて延設される先端部764Lとを備える。
湾曲部761Lは、正面視において環状体を左右等分に2分割したC字形状に形成され(図31(a)参照)、下降位置(図23及び図35参照)に配置されると、右演出部材760Rの湾曲部761Rと共に円環形状を形成する。湾曲部761Lの正面側には、幾何学的な装飾形状が施される。また、湾曲部761Lには、その下方(図31(a)下側)側面に合わせ面761Laが形成される。
基部762Lは、平板状に形成され、図31(b)に示すように、湾曲部761Lの外側面から水平に(湾曲部761Lと平行に)張り出して形成される。基部762Lの背面(図31(b)右側の面)は、湾曲部761Lの背面と面一に形成されると共に、第4ケース710の底面板711から突設される第4基側リブ713(図24参照)により支持される。
基部762Lの背面には、図31(c)に示すように、案内溝762Laが凹設される。案内溝762Laは、延設部763Lの延設方向に沿って直線状に延設される正面視長円形状の凹溝であり、この案内溝762Laに左ギヤ部材790Lの突設ピン792が摺動筒Lを介して挿通されることで、左演出部材760Lと左ギヤ部材790Lとが連結される。
延設部763Lは、平板状に形成される部位であり、正面側(図31(b)左側)へ嵩上げされた状態で基部762Lの先端側(図31(a)上側)に配設される。具体的には、延設部763Lの基端側(図31(b)下側)が基部762Lの正面側(図31(b)左側)に重ね合わされることで、基部762Lの厚み(図31左右方向寸法)の厚みの分、延設部763Lの背面が基部762Lの背面から嵩上げされた状態とされる。この嵩上げにより形成された延設部763Lの背面側(図31(b)右側)の空間に、右演出部材760Rの延設部763Rを配設することができる。即ち、左演出部材760Lの延設部763Lと右演出部材760Rの延設部763Rとを交差させることができる(図23参照)。
延設部763Lの先端側には、正面視円形の軸支孔763Laが貫通形成される。軸支孔763Laには、右支持軸717Rが挿通され、これにより、左演出部材760Lが右支持軸717Rに回転可能に軸支される(吊り下げられる)。なお、軸支孔763Laの軸心は、図31(c)に示すように、案内溝762Laの幅方向中心を通過する直線上(案内溝762Laの延長線上)に位置する。
ここで、左演出部材760Lの軸支孔763La(軸心)は、図31(a)に示す正面視において、合わせ面761aと基部762Lの側面(図31(a)右側面)とを通過する仮想直線M1に対して、湾曲部761Lと反対側(図31(a)右側)へ距離L3だけオフセットされた位置に配設される。また、軸支孔763Laがオフセットされる側とは反対側(図31(a)左側)へ向けて凸の円弧状に湾曲部761Lが湾曲されることで、左演出部材760Lの重心位置が仮想直線M1に対して、湾曲部761L側(即ち、右演出部材761Rと反対側、図31(a)左側)に偏って位置する。
これにより、延設部763Lの軸支孔763Lが右支持軸717Rに軸支され、左演出部材760Lが吊り下げられると、左演出部材760Lの重心位置を軸支孔763Laの鉛直下方に位置させようとする重力の作用によって、合わせ面761Laが、軸支孔763Lの軸心を通過する鉛直線(重力方向に沿う直線)よりも湾曲部761Lの反対側(即ち、右演出部材761R側、図31(a)右側)へ押し出される。よって、第4演出部材760が下降位置に配置される際には(図23及び図35参照)、後述するように、合わせ面761La,761Ra同士を確実に当接させることができる。
延設部763Lの外側面には、逃がし凹部763Lcが正面視半円状に凹設される。逃がし凹部763Lcは、左演出部材760Lが上昇位置に配置された際に、左支持軸717Lを逃がすための凹部である。この逃がし凹部763Lcの分、左支持軸717Lの配設位置を左ギヤ部材790Lへ近接させて配置できるので、それら両部材717L,790Lの配設に必要なスペースを低減できる。
先端部764Lは、第3ベース体620の背面から突設される第3内側リブ622及び第3外側リブ623(いずれも図22参照)と第4ケース710(底面板711)の正面から突設される第4内側リブ714及び第4外側リブ715(図23及び図24参照)との対向間に配設される部位であり、正面視矩形の平板形状に形成される。
先端部764Lの正面(図31(a)紙面手前側面)には、その外縁に沿って壁部が立設され、先端部764Lの剛性の向上が図られている。先端部764Lの正面に立設される壁部の立設先端面および先端部764Lの背面は、互いに平行であって、かつ、基部762Lの背面に平行な平坦面として形成される。
次いで、第4演出部材760の右演出部材760Rについて、図30及び図32を参照して説明する。図32(a)は、右演出部材760Rの正面図であり、図32(b)は、図32(a)の矢印XXXIIb方向視における右演出部材760Rの側面図であり、図32(c)は、図32(b)の矢印XXXIIc方向視における右演出部材760Rの部分拡大背面図である。
図30及び図32に示すように、右演出部材760Rは、湾曲部761Rと、その湾曲部761Rの上端縁部から上方(図32(a)上側)へ向けて延設される基部762Rと、その基部762Rの上端縁部から斜め上方へ傾斜して延設される延設部763Rと、湾曲部761Rの下端縁部から基部762Rの延設方向と反対側となる下方(図32(a)下側)へ向けて延設される先端部764Rとを備える。
ここで、右演出部材760Rは、その延設部763Rが基部762Rに対して正面側へ嵩上げされない点で、延設部763Lが基部762に対して正面側に嵩上げされる左演出部材760Lと異なり、他の構成(湾曲部761R、基部762R及び先端部764R)は、左演出部材760Lの各構成(湾曲部761L、基部762L及び先端部764L)と同一(詳細には対称形状)に形成される。よって、それら同一(対称形状)の構成については説明を省略する。
延設部763Rは、平板状に形成され、その基端側が基部762Rの側面に連設される。即ち、延設部763Rは、基部762Rを同一平面内で延長した部分として形成される。これにより、延設部763Rを、嵩上げされた延設部763Lの背面側の空間に配設することができる。即ち、右演出部材760Rにおける延設部763Rの厚み寸法(図32(b)左右方向寸法)は、左演出部材760Lにおける延設部763Lの嵩上げ寸法(延設部763Lの背面と湾曲部761Lの背面との間の距離、図31(b)参照)よりも若干小さくされており、これにより、左演出部材760Lの延設部763Lと右演出部材760Rの延設部763Rとを交差させることができる(図23参照)。
本実施形態では、図30から図32に示すように、左演出部材760L及び右演出部材760Rは、湾曲部761L,761Rと延設部763L,763R(軸支孔763La,763Ra)との間に基部762L,762R(案内溝762La,762Ra)を配置して形成される。この場合、湾曲部761L,761Rと基部762L,762R(案内溝762La,762Ra)との間に延設部763L,763R(軸支孔763La,763Ra)を配置して形成することも可能であるが、左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの配設間隔を広くする必要が生じ、スペース効率が悪くなる。また、その分、駆動ギヤ770や方向変換ギヤ780の大径化が必要となる。これに対し、本実施形態の配置によれば、左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの配設間隔を狭くできるので、スペース効率の向上を図ることができる。また、その分、駆動ギヤ770や方向変換ギヤ780の小径化を図ることができる。
延設部763Rの外側面には、逃がし凹部763Rcが正面視半円状に凹設される。逃がし凹部763Rcは、上述した左演出部材760Lにおける逃がし凹部763Lcと同様に、右演出部材760Rが上昇位置に配置された際に(図33参照)、右支持軸717Rを逃がすための凹部である。この逃がし凹部763Rcの分、右支持軸717Rの配設位置を右ギヤ部材790Rへ近接させて配置できるので、それら両部材717R,790Rの配設に必要なスペースを低減できる。
次いで、図33から図35を参照して、上昇位置および下降位置に配置された第4演出部材760の保持構造および上昇位置および下降位置の間における第4演出部材760の回転動作について説明する。なお、第4演出部材760の保持構造および回転動作は、右演出部材760R及び左演出部材760Lの両者において同一であるので、右演出部材760Rを代表例として説明する。
図33(a)は、右演出部材760Rが上昇位置に配置された状態における第4ユニット700の正面模式図であり、図33(b)は、図33(a)のXXXIIIb部における第4ユニット700の部分拡大模式図である。
図33に示すように、本実施形態では、右演出部材760Rが上昇位置に配置されると、突設ピン792の軸心および左支持軸717Lの軸心を結ぶ直線L1と、突設ピン792の軸心およびギヤ軸718の軸心を結ぶ直線L2とが直交された状態(即ち、角度θ=90度)とされる。
これにより、右演出部材760Rに外力が作用しても、右ギヤ部材790Rを回転させる方向の力成分(即ち、直線L2に直交する方向の力成分)が発生せず、右ギヤ部材790Rの回転を規制することができる。具体的には、例えば、右演出部材760R自身の質量に作用する重力によって、右演出部材760が左支持軸717Lを中心として図33(a)時計まわりに回転しようとしても、その回転は、案内溝762Raの内壁面で突設ピン792をギヤ軸718へ向けて(即ち、直線L2に沿う方向へ)押圧することになるので、右ギヤ部材790Rを回転させる方向(直線L2に直交する方向)の力成分が発生せず、右ギヤ部材790Rを回転させることができない。
その結果、右演出部材760Rを図33(a)に示す上昇位置に機械的に維持できるので、第4駆動モータ(図示せず)の駆動力を小さくする(或いは、解除しておく)ことができる。その結果、第4駆動モータの容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
図34(a)は、右演出部材760Rが上昇位置と下降位置との間に配置された状態における第4ユニット700の正面模式図であり、図34(b)は、図34(a)のXXXIVb部における第4ユニット700の部分拡大模式図である。
図33に示す状態から、第4駆動モータが回転駆動され、その回転駆動力により、右ギヤ部材790Rがギヤ軸718を中心として図33(a)反時計まわりに回転されると、突設ピン792が案内溝762Raに沿ってその案内溝762Raの一端(左支持軸717Lに近い側の端部)へ向けて移動され、上昇位置に配置されている右演出部材760Rが左支持軸717Lを中心として回転される。これにより、右演出部材760Rの下降位置へ向けての回転(下降)が開始される。
この下降位置へ向けての右演出部材760Rの回転(下降)が開始されると、回転(下降)の過程において、突設ピン792は、案内溝762Raの一端(左支持軸717Lに近い側の端部)へ向けて所定量だけ移動された後、その移動方向の方向転換が発生し、逆方向へ移動される。即ち、案内溝762Raの一端へ向けて移動していた突設ピン792が、方向転換して、案内溝762aの他端(左支持軸717Lから遠い側の端部)へ向けて移動する。
このように、突設ピン792の移動方向の方向転換が発生すると、その方向転換の際に、突設ピン792から案内溝762Raの内壁面へ作用する力の向きの変化が不連続となり、右演出部材760Rの挙動が不安定となるため、右演出部材760Rにおける先端部764Rの暴れ(ばたつき)を招く。そのため、先端部764Rが、第3内側リブ622及び第3外側リブ623と第4内側リブ714及び第4外側リブ715との対向間で係止される(挟まれる)ことで、移動し難く(或いは、移動できなく)なり、右演出部材760Rのスムーズな回転が阻害される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、図34に示すように、突設ピン792の移動方向が案内溝762Ra内において方向転換される位相(或いは、方向転換される位相の近傍)に右ギヤ部材790Rが達すると、右演出部材760Rの先端部764Rが分断領域711dに位置するように構成される。即ち、右演出部材760Rの先端部764Rが分断領域711dに位置する(或いは、分断領域711d及び傾斜部分715aに位置する)際に、突設ピン792の移動方向が方向転換されるように構成される。
これにより、突設ピン792の移動方向の方向転換時に、右演出部材760Rにおける先端部764Rの暴れ(ばたつき)が発生したとしても、分断領域711dにより形成される空間を利用して、先端部764Rが、第3内側リブ622及び第3外側リブ623と第4内側リブ714及び第4外側リブ715との対向間で係止される(挟まれる)ことを抑制できる。よって、右演出部材760Rの先端部764Rの移動を確保して、左支持軸717Lを中心とする右演出部材760Rのスムーズな回転を得ることができる。
また、この場合、右演出部材760Rの先端部764Rが分断領域711d(又はその近傍)に位置する際には、その先端部764Rは、第3内側リブ622及び第4内側リブ714の傾斜部分622a,714aに位置するので、かかる傾斜部分622a,714aの傾斜を利用して、先端部764Rの暴れ(ばたつき)を早期に回復させることができる。特に、第3内側リブ622及び第4内側リブ714は、先端部764Rの根元側(湾曲部761R側)に当接する部位であるため、上述した第3外側リブ623と第4外側リブ715との対向間で先端部764Rが係止される(挟まれる)ことの抑制効果との両立を図ることができる。
ここで、右演出部材760Rは、その先端部764Rが図34に示すように分断領域711dに位置する状態から下降位置(図35参照)へ向けて更に回転(下降)される場合、上述したように、先端部764Rがまず第4内側リブ714の傾斜部分714aに持ち上げられ、右演出部材760Rが下降位置へ向けて更に回転(下降)すると、先端部764Rの進行方向の側縁部(図34左側)が第4内側リブ714の傾斜部分714aを通過し、先端部764Rが第4内側リブ714により底面板711の正面から完全に持ち上げられる(嵩上げされる)。
本実施形態では、少なくとも先端部764Rの進行方向の側縁部(図34左側)が第4内側リブ714の傾斜部分714aを通過した後に、湾曲部761Rの合わせ面761Raが開口711aの内周縁部を通過するように形成される(即ち、先端部764Rの進行方向の側縁部(図34左側)が第4内側リブ714の傾斜部分714aを通過した時点では、正面視において、湾曲部761Rの合わせ面761Raと開口711aの内周縁部との間に隙間がある)。これにより、上昇位置から下降位置へ向けて右演出部材760Rが回転(下降)される際に、右演出部材760Rの合わせ面761Raが開口711aの内周縁部に衝突することを抑制することができる。
図35(a)は、右演出部材760Rが下降位置に配置された状態における第4ユニット700の正面模式図であり、図35(b)は、図35(a)のXXXVb部における第4ユニット700の部分拡大模式図である。
図35に示すように、本実施形態では、右演出部材760Rが下降位置に配置されると、突設ピン792の軸心および左支持軸717Lの軸心を結ぶ直線L1と、突設ピン792の軸心およびギヤ軸718の軸心を結ぶ直線L2とが直交された状態(即ち、角度θ=90度)とされる。
これにより、上昇位置における場合と同様に、右演出部材760Rに外力が作用しても、右ギヤ部材790Rを回転させる方向の力成分(即ち、直線L2に直交する方向の力成分)が発生せず、右ギヤ部材790Rの回転を規制することができる。よって、例えば、パチンコ機10(図1参照)が遊技者によって揺すられるなどしても、右演出部材760Rの左支持軸717Lを中心とした回転方向へのがたつきを抑制できる。その結果、下降位置において、外乱の影響を受けた場合でも、合わせ面761Ra,761Laどうしを当接させ密着させた状態(図23参照)に右演出部材760R及び左演出部材760Lの姿勢を維持することができる。
ここで、停止された状態の右演出部材760Rの変位を開始する際には、慣性力や静摩擦力の影響により、第4駆動モータ(図示せず)の負荷が大きくなる。特に、下降位置にある右演出部材760Rを上昇位置へ向けて回転(上昇)させる場合には、右演出部材760Rの質量(重力)に逆らって駆動する必要があるため、第4駆動モータの負荷が大きくなる。
これに対し、本実施形態では、右演出部材760Rが下降位置で停止されても、突設ピン792の軸心および左支持軸717Lの軸心を結ぶ直線L1と、突設ピン792の軸心およびギヤ軸718の軸心を結ぶ直線L2とが直交された状態(即ち、ギヤ軸718を中心とする円の突設ピン792における接線方向と案内溝762Ra(内壁面)の延設方向とが一致し、減速比が大きな状態)とされるので、右ギヤ部材780Rのギヤ軸718を回転中心とする単位回転角度に対して、右演出部材760Rが左支持軸717Lを回転中心とする回転する回転角度を小さくできる。そのため、下降位置から右演出部材760Rの回転(上昇)を開始する際には、第4駆動モータの負荷を小さくでき、第4駆動モータの容量の小型化を図ることができる。
ここで、図35に示す下降位置では、右演出部材760Rと左演出部材760Lとが互いの合わせ面761Ra,761Laどうしを当接させることで、湾曲部761R,761Lによる円環形状を形成する(図23参照)。この場合、合わせ面761Ra,761La同士を密着させることができず、隙間が形成されると、円環形状の外観が整わず、演出効果が損なわれる。しかし、実際には、各部材の寸法公差、形状公差や組立公差、或いは、第4駆動モータの制御誤差などにより、合わせ面761Ra,761Laどうしを密着させることが困難である。
これに対し、本実施形態では、上述したように、右演出部材760R及び左演出部材760Lは、互いの延設部763R,763Lを交差させた状態とし(即ち、右演出部材760Rが左支持軸717Lに、左演出部材760Lが右支持軸717Rに、それぞれ吊り下げられ)、その吊り下げ支持点(左支持軸717L及び右支持軸717R)が、合わせ面761Ra,761Laに対して、湾曲部761R,761Lと反対側にオフセットされる。これにより、図35に示す下降位置では、重心位置を吊り下げ支持点の鉛直下方に位置させようとする重力の作用によって、互いの合わせ面761Ra,761Laを、相手側へ押し出させることができる。例えば、図35(a)に示す右演出部材760Rであれば、その合わせ面761Raが図35a左側へ押し出される。その結果、下降位置において、合わせ面761La,761Ra同士を確実に当接させることができる。
なお、例えば、右演出部材760Rにおいては、左支持軸717Lと軸支孔763Raとの間、案内溝762Raと摺動筒Lとの間、摺動筒Lと突設ピン792との間、或いは、ギヤ軸718と挿通孔791aとの間に隙間を有するため、その隙間の分は、合わせ面761Raを相手側(左演出部材760Lの合わせ面761La側、図35(a)左側)へ押し出させる。よって、下降位置において、合わせ面761La,761Ra同士を確実に当接させることができる。
図35に示す下降位置から上昇位置へ向けて右演出部材760Rが回転(上昇)される場合(図33及び図34参照)、本実施形態では、先端部764Rが第4内側リブ714及び第4外側リブ715により底面板711の正面から完全に持ち上げられ(嵩上げされ)ている状態で、湾曲部761Rの外周縁部(進行方向の側縁部、図35右側)が開口711aの内周縁部を通過するように形成される。
より詳細には、本実施形態では、少なくとも先端部764Rの進行方向と反対側の側縁部(図35左側)が第4内側リブ714及び第4外側リブ715の少なくとも一方により持ち上げられている状態(即ち、先端部764Rの進行方向と反対側の側縁部が傾斜部分714a,715aの両者に到達する前の状態)において、湾曲部761Rの外周縁部が開口711aの内周縁部を通過するように形成される(即ち、先端部764Rの進行方向と反対側の側縁部(図35左側)が第4内側リブ714の傾斜部分714aに到達した時点では、正面視において、湾曲部761Rの外周縁部が開口711aの内周縁部を既に通過している)。これにより、下降位置から上昇位置へ向けて右演出部材760Rが回転(上昇)される際に、右演出部材760Rの外周縁部が開口711aの内周縁部に衝突することを抑制することができる。
以上のように構成される第1ユニット400から第4ユニット700の組立状態について、図36及び図37を参照して説明する。
図36及び図37は、動作ユニット300を部分的に拡大した正面分解斜視図であり、図36は、第1ユニット400、第3ユニット600及び第4ユニット700の正面分解斜視図であり、図37は、第2ユニット500、第3ユニット600及び第4ユニット700の正面分解斜視図である。なお、図36及び図37では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、各ユニット400〜700を模式的に図示すると共に、組立状態の説明に必要な符号のみを図示する。
図36に示すように、第1ユニット400、第3ユニット600及び第4ユニット700は、第4ユニット700の第4ケース710の内部空間に、第3ユニット600が収容され、その第3ユニット600の正面側に第1ユニット400が積み重ねられ、第1ユニット400が第4ユニット700に連結された状態に組み立てられる。
より詳細には、第3ユニット600は、その第3ベース体620の背面を、第4ユニット700における第4ケース710における底面板711の正面に積み重ねる。これにより、第4ケース710の台座部711eに、第3ベース体620の被締結部624が載置されるので、被締結部624を台座部711eに締結ねじ(図示せず)により締結固定する。その結果、第4ユニット700に第3ユニット600が配設(連結)される。
第1ユニット400は、その第1ベース体420の背面を、第3ユニット600における第3ベース体620及び第3カバー体630の正面に積み重ねる。これにより、第3ベース体620の台座部635に、第1ベース体420の被締結部425が載置されるので、被締結部425を台座部635に締結ねじ(図示せず)により締結固定する。その結果、第3ユニット600に第1ユニット400が配設(連結)される。
本実施形態では、更に、第1ユニット400における装飾連結板450を、その挿通孔451に挿通される締結ねじ(図示せず)により、第4ユニット700における第4ケース710の被締結孔712aに締結固定する。これにより、第4ユニット700に第1ユニット400が連結される。即ち、第4ユニット700の第4ケース710に積み重ねられた状態で第3ユニット600及び第1ユニット400が収容される場合に、最上層の第1ユニット400と最下層の第4ユニット700とを連結できるので、動作ユニット300全体としての剛性を確保することができる。これにより、各ユニット400,600,700の各演出部材460,660,760が動作しても、そのぐらつき(第4ユニット700に対する第3ユニット600及び第1ユニット400の変位)を抑制できる。その結果、各演出部材460,660,760をより素早く動作させること(動作の高速化)が可能となる。
また、上述したように、被締結孔712aが形成される部位が、第4ケース710の壁部712の立設先端から外方(図36上側)へフランジ状に張り出して形成されることで、第4ケース710への各ユニット400〜600の収容可能量を確保できるだけでなく、かかるフランジ状に張り出した部位を補強リブとして機能させ、第4ケース体710自体の剛性を高めることができる。その結果、動作ユニット300全体としての剛性を高め、各演出部材460〜760の動作時におけるぐらつきを抑制することができる。
図37に示すように、第2ユニット500、第3ユニット600及び第4ユニット700は、第4ユニット700の第4ケース710の内部空間に、第3ユニット600が収容され、その第3ユニット600の正面側に第2ユニット500が積み重ねられ、第2ユニット500が第4ユニット700に連結された状態に組み立てられる。
より詳細には、上述した場合と同様に、第3ユニット600は、その第3ベース体620の背面を、第4ユニット700における第4ケース710における底面板711の正面に積み重ねる。これにより、第4ケース710の台座部711eに、第3ベース体620の被締結部624が載置されるので、被締結部624を台座部711eに締結ねじ(図示せず)により締結固定する。その結果、第4ユニット700に第3ユニット600が配設(連結)される。
第2ユニット500は、その第2ベース体520の背面を、第3ユニット600における第3ベース体620の正面に積み重ねる。これにより、第3ベース体620の台座部625に、第2ベース体520の被締結部525が載置されるので、被締結部525を台座部625に締結ねじ(図示せず)により締結固定する。その結果、第3ユニット600に第2ユニット500が配設(連結)される。
本実施形態では、更に、第2ユニット500における第2ベース体520の被締結部626を締結ねじ(図示せず)により第4ユニット700における第4ケース710の台座部711fに締結固定する。これにより、第4ユニット700に第2ユニット500が連結される。即ち、第4ユニット700の第4ケース710に積み重ねられた状態で第3ユニット600及び第2ユニット500が収容される場合に、最上層の第2ユニット500と最下層の第4ユニット700とを連結できるので、動作ユニット300全体としての剛性を確保することができる。これにより、各ユニット500,600,700の各演出部材560,660,760が動作しても、そのぐらつき(第4ユニット700に対する第3ユニット600及び第2ユニット500の変位)を抑制できる。その結果、各演出部材560,660,760をより素早く動作させること(動作の高速化)が可能となる。
なお、上述したように、台座部711fの周囲には、規制壁711faが立設され、第2ユニット500を積み重ねる際には、台座部711fに対する被締結部526の位置決めを、規制壁711faを利用して行うことができる。よって、その組み付け性の向上を図ることができる。また、規制部711faは、被締結部526の外縁の2辺を取り囲む形状とされ、被締結部526が台座部711f上で移動する(位置ずれする)ことを規制部711faにより規制できるので、その連結強度を高めることができる。その結果、動作ユニット300全体としてのがたつきを抑制できる。
また、上述したように、台座部711fが、第4ケース710の壁部712の立設先端から外方(図37右側)へ張り出して形成されることで、第4ケース710への各ユニット400〜600の収容可能量を確保できるだけでなく、かかる台座部711fを補強リブとして機能させ、第4ケース体710自体の剛性を高めることができる。その結果、動作ユニット300全体としての剛性を高め、各演出部材460〜760の動作時におけるぐらつきを抑制することができる。
次いで、図38から図42を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの2つの部材により、右演出部材760R及び左演出部材760Lの回転駆動させるクランク機構が構成される場合を説明したが、第2実施形態におけるクランク機構は、1つの部材(ギヤ部材2790)により構成される。なお、上記実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図38は、第2実施形態における駆動部配設凹部2711bを部分的に拡大した第4ケース2710の部分拡大正面図であり、図39は、ギヤ部材2790近傍を部分的に拡大した駆動部配設凹部2711bの部分拡大正面模式図である。なお、図39(a)は、突設ピン2792が上昇位置にある状態が、図39(b)は、突設ピン2792が上昇位置および下降位置の間にある状態が、図39(c)は、突設ピン2792が下降位置にある状態が、それぞれ図示される。
図38に示すように、駆動部配設凹部2711bには、右支持軸717R及び左支持軸717Lと、駆動ギヤ770と、その駆動ギヤ770に歯合されるギヤ部材2790と、そのギヤ部材2790に下端(図38下側)が回転可能に連結されるリンク部材2791と、そのリンク部材2791の上端(図38上側)から突設される突設ピン2792と、リンク部材2791の背面側に突設される案内ピン(図示せず)が挿通される長穴形状の案内溝2711gとが配設される。
駆動部配設凹部2711bの背面側(図38紙面奥側)には、第4駆動モータ(図示せず)が配設され、その第4駆動モータの駆動軸に固着される駆動ギヤ770には、ギヤ部材2790が歯合される。ギヤ部材2790はギヤ軸2718により駆動部配設凹部2711bの底面に回転可能に軸支される。よって、第4駆動モータが回転駆動されると、その回転駆動力が、駆動ギヤ770を介して、ギヤ部材2790へ伝達され、これにより、ギヤ部材2790がギヤ軸2718を回転中心として回転される。
ギヤ部材2790は、ギヤ本体と、そのギヤ本体の正面側(図38紙面手前側)から突設される連結軸2790aと、その連結軸2790aとは反対側となるギヤ本体の背面側(図38紙面奥側)から突設される環状リブ(図示せず)とを備え、これらギヤ本体、連結軸2790aおよび環状リブが樹脂材料から一体に形成される。
ギヤ本体は、円板状に形成され、その中心に挿通されるギヤ軸2718を介して、駆動部配設凹部2711bに回転可能に軸支される。ギヤ本体の外周面には、略半周にわたって歯が刻設される。連結軸2790aは、円柱状に形成され、ギヤ本体の軸心(ギヤ軸2718)と平行に突設されると共に、ギヤ本体の軸心から偏心して位置する。
環状リブは、ギヤ部材2790の背面側に配設される回転位置検出センサR(図26参照)によって検出される部位であり、第1実施形態における環状リブ793と同様(相似形)の形状に形成される。即ち、環状リブには、その周方向の一部を切り欠く(分断する)ことで、間欠部が形成され、この間欠部の有無に基づいて、ギヤ部材2790の回転位置が検出される。
リンク部材2791は、長尺板状の部材であり、その長手方向の下端(図38下側)がギヤ本体2790の連結軸2790aに回転可能に軸支される。リンク部材2791の上端(図38上側)には、その正面側(図38紙面手前側)から突設ピン2792が突設されると共に、背面側(図38紙面奥側)から案内ピン(図示せず)が突設される。
突設ピン2792は、右演出部材2760R及び左演出部材2760Lの案内溝2762a(図40から図42参照)に挿通される部位であり、円柱状に形成され、連結軸2790aと平行に配設される。案内ピンは、駆動部配設凹部2711bに形成される案内溝2711gに挿通される部位であり、円柱状に形成され、突設ピン2792と同軸上に配設される。
なお、案内溝2711gは、リンク部材2791の案内ピンの直径よりも若干大きな溝幅(図38左右方向寸法)を有する(即ち、案内ピンの移動方向を一方向のみに案内する)正面視長円形の凹溝であり、駆動部配設凹部2711bに凹設される。案内溝2711gの延設方向(長円の長径方向)は、左支持軸717L及び右支持軸717Rの軸心どうしを結ぶ方向に直交する方向(図38上下方向)に設定される。また、案内溝2711gの溝幅方向(図38左右方向)中心を通過する直線上(案内溝2711gの延長線上)にギヤ軸2718の軸心が位置する。
図39に示すように、突設ピン2792は、ギヤ部材2790のギヤ軸2718を回転中心とする回転がリンク部材2791を介して伝達されることで、上昇位置と下降位置との間を案内溝2711gに沿って往復移動する。
即ち、図39(a)に示すように、突設ピン2792が上昇位置に配置された状態から、第4駆動モータ(図示せず)の回転駆動力により、駆動ギヤ770(図38参照)が一方向へ回転されると、ギヤ部材2790がギヤ軸2718を回転中心として一方向(図39(a)反時計まわり)に回転される。このギヤ部材2790の図39(a)反時計まわりの回転に伴い、図39(b)に示すように、リンク部材2791が連結軸2790aを介して下方へ引き下げられ、突設ピン2792が案内溝2711gに沿って下方へ変位される。図39(b)に示す状態から、第4駆動モータの回転駆動力により、駆動ギヤ770(図38参照)が一方向へ更に所定量だけ回転されると、図39(c)に示すように、突設ピン2792が下降位置に配置される。
一方、図39(c)に示すように、突設ピン2792が下降位置に配置された状態から、第4駆動モータ(図示せず)の回転駆動力により、駆動ギヤ770が他方向へ回転されると、ギヤ部材2790がギヤ軸2718を回転中心として他方向(図39(c)時計まわり)に回転される。このギヤ部材2790の図39(c)時計まわりの回転に伴い、図39(b)に示すように、リンク部材2791が連結軸2790aを介して上方へ押し上げられ、突設ピン2792が案内溝2711gに沿って上方へ変位される。図39(b)に示す状態から、第4駆動モータの回転駆動力により、駆動ギヤ770(図38参照)が他方向へ更に所定量だけ回転されると、図39(a)に示すように、突設ピン2792が上昇位置に配置される。
突設ピン2792は、後述するように、第4演出部材2760(左演出部材2760L及び右演出部材2760R)の案内溝2763La,2763Raに挿通されており、かかる突設ピン2792が、ギヤ部材2790の回転に伴って、上昇位置と下降位置との間を案内溝2711gに沿って往復移動することで、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rが右指示軸717R及び左支持軸717Lを回転中心として上昇位置と下降位置との間で回転(上昇および下降)される(図42及び図43参照)。
なお、図39(a)に示すように、突設ピン2792が上昇位置に配置された状態では、突設ピン2792の軸心と連結軸2790aの軸心とを結ぶ仮想直線の延長上にギヤ軸2718の軸心が位置される。また、図39(c)に示すように、突設ピン2792が下降位置に配置された状態では、突設ピン2792の軸心と連結軸2790aの軸心とを結ぶ仮想直線上にギヤ軸2718の軸心が位置される。
この場合、リンク部材2791の背面から突設される案内ピン(図示せず)は、案内溝2711gに挿通され、その移動方向が案内溝2711gにより規制されているので、案内溝2711gの延設方向(図39上下方向)への移動のみが許容される。よって、案内ピンと同軸に配設される突設ピン2792も案内溝2711gの延設方向への移動のみが許容される。
よって、図39(a)又は図39(c)に示すように、突設ピン2792が上昇位置または下降位置に配置された状態では、かかる突設ピン2792にいずれの方向への外力が作用しても、その突設ピン2792からリンク部材2791を介して連結軸970aに作用する力によっては、ギヤ部材2790を回転させる方向の力成分が発生せず、ギヤ部材2790の回転を規制することができる。
図40(a)は、左演出部材2760Lの正面図であり、図40(b)は、図40(a)の矢印XLb方向視における左演出部材2760Lの側面図である。また、図41(a)は、右演出部材2760Rの正面図であり、図41(b)は、図41(a)の矢印XLIb方向視における右演出部材2760Rの側面図である。
図40及び図41に示すように、第2実施形態における第4演出部材2760を構成する左演出部材2760L及び右演出部材2760Rは、案内溝2763La,2763Raの形成位置が異なる点を除き、第1実施形態における左演出部材760L及び右演出部材760Rと同様に構成される。
具体的には、第1実施形態の左演出部材760Lでは、基部762Lの背面に案内溝762Laが凹設されたが(図31(c)参照)、本実施形態では、図40に示すように、延設部763Lに案内溝2763Laが貫通形成される。同様に、第1実施形態の右演出部材760Rでは、基部762Rの背面に案内溝762Raが凹設されたが(図32(c)参照)、本実施形態では、図41に示すように、延設部763Rに案内溝2763Raが貫通形成される。
左演出部材2760Lの軸支孔763Laが右支持軸717Rに、右演出部材2760Rの軸支孔763Raが左支持軸717Lに、それぞれ軸支されると、案内溝2763Laと案内溝2763Raとが交差された状態となり、それら案内溝2763La,2763Raの交差部分に突設ピン2792が挿通される(図42参照)。これにより、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rの2つの部材が、リンク部材2791及び突設ピン2792を介して、ギヤ部材2790に連結される。
なお、案内溝2763La,2763Raは、正面視長円形状に形成されると共に、案内溝2763La,2763Raの溝幅(内壁面の対向間隔寸法)は、突設ピン2792(図38参照)の外径よりも若干大きくされる。左演出部材2760L及び右演出部材2760Rが右支持軸717R及び左支持軸717Lに軸支された状態では(図42参照)、案内溝2763La,2763Raは、仮想直線M1(図40(a)参照)を対称軸とする線対称となる形状に形成される。
次いで、図39、図42及び図43を参照して、上昇位置および下降位置に配置された左演出部材2760L及び右演出部材2760R(第4演出部材2760)の保持構造および上昇位置および下降位置の間における左演出部材2760L及び右演出部材2760Rの回転動作について説明する。
図42(a)は、上昇位置に配置された状態における左演出部材2760L及び右演出部材2760Rの正面模式図であり、図42(b)は、上昇位置と下降位置との間に配置された状態における左演出部材2760L及び右演出部材2760Rの正面模式図である。図43は、下降位置に配置された状態における左演出部材2760L及び右演出部材2760Rの正面模式図である。
図39、図42及び図43に示すように、突設ピン2792が上昇位置へ向けて上昇されると、その突設ピン2792が案内溝2763La,2763Raの上端へ向けて移動され、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rが上方へ押し上げられる。即ち、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rが右支持軸717R及び左支持軸717Lを回転中心として回転(上昇)され上昇位置に配置される(図39(a)及び図42(a)参照)。
一方、突設ピン2792が下降位置へ向けて下降されると、その突設ピン2792が案内溝2763La,2763Raの下端へ向けて移動され、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rが下方へ引き下げられる。即ち、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rが右支持軸717R及び左支持軸717Lを回転中心として回転(下降)され下降位置に配置される(図39(c)及び図43参照)。
この場合、図39(a)及び図42(a)に示すように、突設ピン2792が上昇位置に配置された状態では、上述したように、かかる突設ピン2792にいずれの方向への外力が作用しても、その突設ピン2792からリンク部材2791を介して連結軸970aに作用する力によっては、ギヤ部材2790を回転させる方向の力成分が発生せず、ギヤ部材2790の回転を規制することができる。
具体的には、左演出部材2760L及び右演出部材2760R自身の質量に作用する重力によって、これら左演出部材2760L及び右演出部材2760Rが右支持軸717R及び左支持軸717Lを中心として回転(下降)しようとする作用により、案内溝2763La,2763Raの内壁面が突設ピン792を下方へ押下げようとしても、ギヤ部材2790を回転させる方向の力成分が発生しないので(図39(a)参照)、ギヤ部材2760を回転させることができない。
その結果、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rを図42(a)に示す上昇位置に機械的に維持できるので、第4駆動モータ(図示せず)の駆動力を小さくする(或いは、解除しておく)ことができる。その結果、第4駆動モータの容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、図39(c)及び図43に示すように、突設ピン2792が下降位置に配置された状態においても、上述したように、かかる突設ピン2792にいずれの方向への外力が作用しても、その突設ピン2792からリンク部材2791を介して連結軸970aに作用する力によっては、ギヤ部材2790を回転させる方向の力成分が発生せず、ギヤ部材2790の回転を規制することができる。
よって、例えば、パチンコ機10(図1参照)が遊技者によって揺すられるなどしても、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rの右支持軸717R及び左支持軸717Lを中心とした回転方向へのがたつきを抑制できる。その結果、下降位置において、外乱の影響を受けた場合でも、合わせ面761Ra,761Laどうしを当接させ密着させた状態(図23参照)に左演出部材2760L及び右演出部材2760Rの姿勢を維持することができる。
また、図43に示す下降位置では、右演出部材2760Rと左演出部材2760Lとが互いの合わせ面761Ra,761Laどうしを当接させることで、湾曲部761R,761Lによる円環形状を形成する(図23参照)。本実施形態によれば、第1実施形態の場合と同様に、右演出部材2760R及び左演出部材2760Lは、互いの延設部763R,763Lを交差させた状態とし(即ち、右演出部材2760Rが左支持軸717Lに、左演出部材2760Lが右支持軸717Rに、それぞれ吊り下げられ)、その吊り下げ支持点(左支持軸717L及び右支持軸717R)が、合わせ面761Ra,761Laに対して、湾曲部761R,761Lと反対側にオフセットされる。
これにより、図43に示す下降位置では、重心位置を吊り下げ支持点の鉛直下方に位置させようとする重力の作用によって、互いの合わせ面761Ra,761Laを、相手側へ押し出させることができる。その結果、下降位置において、合わせ面761La,761Ra同士を確実に当接させることができる。
以上のように、第2実施形態によれば、案内溝2763La,2763Raを交差させ、その交差部分に突設ピン2792を挿通させる構造とすることで、1のクランク機構(ギヤ部材2790、リンク部材2791及び突設ピン2792からなる機構)により、2つの部材(左演出部材2760L及び右演出部材2760R)の回転(上昇および下降)を達成することができる。即ち、左演出部材2760L及び右演出部材2760Rを上昇位置および下降位置に機械的に維持可能として、第4駆動モータの容量の小型化や消費エネルギーの抑制を可能としつつ、クランク機構の構成数を低減して、部品コストの削減を図ることができる。
次いで、図44から図46を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの回転方向位置(位相)の位置決めに位置決め冶具JGを使用する場合を説明したが、第3実施形態における左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rは、位置決め冶具JGを使用せずに回転方向位置(位相)の位置決めが可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図44は、第3実施形態における駆動部配設凹部711bを部分的に拡大した第4ケース3710の部分拡大正面図であり、図45は、駆動部配設凹部711bを部分的に拡大した第4ケース3710の部分拡大正面斜視図である。なお、図45では、右ギヤ部材3790Rが取り外された状態が図示される。
図44及び図45に示すように、駆動部配設凹部711bには、ギヤ軸718の径方向外方(図44及び図45上方)に一対の位置決め片3719が配設される。一対の位置決め片3719は、駆動部配設凹部711b(ギヤ軸718)に組み付ける左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rをの回転方向位置(位相)を位置決めするための部位であり、駆動部配設凹部711bの正面(図44紙面手前側面)から立設される立設部3719aと、その立設部3719aの立設先端からギヤ軸718へ向けて張り出す張出部3719bとを備える。即ち、位置決め片3719は、立設先端側がギヤ軸718へ向けて屈曲された側面視L字状に形成される(図46参照)。
左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rには、切り欠き部3794が外周縁部にそれぞれ形成される。切り欠き部3794は、左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rを駆動部配設凹部711b(ギヤ軸718)に組み付ける際に、位置決め片3719の張出部3719bを通過させるための切り欠きであり、ギヤ本体791の外周周縁部を正面視コ字状に切り欠いて形成される。
なお、位置決め片3719は、図44に示す正面視(ギヤ軸718の軸方向視)において、ギヤ軸718の軸心と張出部3719bのギヤ軸718側の壁面との間の距離が、左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rのギヤ本体791における最大の半径よりも小さくされる(図46(b)参照)。また、切り欠き部3794の幅寸法(図44左右方向寸法)は、位置決め片3719の張出部3719bの幅寸法(図44左右方向寸法)に対し、同等の寸法または若干大きな寸法とされる。これにより、左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rの駆動部配設凹部711b(ギヤ軸718)への組み付け時には、張出部3719bが切り欠き部3794を通過することで、左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rの回転方向位置(位相)が所定位置に位置決めされる。
位置決め片3719は、ギヤ軸718の軸心と立設部3719aのギヤ軸718側の壁面との間の距離が左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rのギヤ本体791における最大の半径よりも大きくされると共に、駆動部配設凹部711bの正面と張出部3719bの背面(図44紙面奥側面)との間の対向間隔が、左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rのギヤ本体391における厚み寸法よりも大きくされる(図46(c)参照)。よって、張出部3719bが切り欠き部3794を通過した後は、張出部3719bに阻害されることなく、左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790R(ギヤ本体391)をギヤ軸718を回転中心として回転させることができる。
次いで、図46を参照して、左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rの駆動部配設凹部711b(ギヤ軸718)への組み付け方法について説明する。なお、駆動部配設凹部711bへの組み付け方法は、左ギヤ部材3790L及び右ギヤ部材3790Rにおいて共通であるので、右ギヤ部材3790Rの組み付け方法を説明し、左ギヤ部材3790Lの組み付け方法については説明を省略する。
図46(a)から図46(c)は、図44のXLVI−XLVI線における右ギヤ部材3790R及び駆動部配設凹部711bの断面図であり、駆動部配設凹部711b(ギヤ軸718)に右ギヤ部材3790Rを組み付ける際の状態遷移が図示される。
右ギヤ部材3790Rを駆動部配設凹部711b(ギヤ軸718)に組み付ける際には、まず、図46(a)に示すように、右ギヤ部材3790Rの挿通孔791aにギヤ軸718の先端を挿通させる。次いで、右ギヤ部材3790Rをギヤ軸718まわりに回転させ、切り欠き部3794の回転方向位置(位相)を位置決め片3719(張出部3729b)に一致させた後、右ギヤ部材3790Rを軸方向(図46(b)左方向)へ押し込むことで、図46(b)に示すように、切り欠き部3794に位置決め片3719の張出部3719bを挿通させる。
これにより、右ギヤ部材3790Rのギヤ軸718を回転中心とする回転方向位置(位相)を所定位置に位置決めすることができるので、この姿勢を維持したまま、図46(c)に示すように、右ギヤ部材3790Rを軸方向(図46(b)左方向)へ更に押し込む。その結果、右ギヤ部材3790Rと駆動ギヤ770とを歯合させ、右ギヤ部材3790Rを適正な状態で組み付けることができる。
次いで、図47及び図48を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、第1ベース体420の案内溝424が延設方向に沿って一定の溝幅を有して形成される場合を説明したが、第4実施形態における第1ベース体4420の案内溝4424は、上端または下端から延設方向中央付近へ向かうに従って溝幅が大きくなるように形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図47は、第4実施形態における第1ベース体4420及び第1カバー体4430の正面分解斜視図である。図47に示すように、第1ベース体4420の案内溝4424は、正面視長穴形状に形成され、その延設方向に沿って溝幅が変化する(即ち、延設方向(長手方向)の途中で溝幅が最大となり、その最大溝幅部分から上端または下端へ向かうに従って溝幅が漸次小さくされる)ように形成される。
詳細には、案内溝4424は、第1演出部材460(図14参照)の張り出し方向側となる正面視右側の内壁面4424Rが、案内壁423と平行となる正面視直線状に連続して形成される一方、その内壁面4424Rに対向する正面視左側の内壁面4424Lが、内壁面4424Rから離間する方向へ凸となる正面視くの字状に形成される。
なお、案内溝4424には、その開口縁部に沿って第1実施形態の場合と同様の壁部が正面側(図47紙面手前側)へ向けて立設される。また、第1カバー体4430のカラー案内凹部4432は、第1ケース体410(図7参照)の組立状態において、その内壁面が、案内溝4424の内壁面4424R,4424Lと正面視において重なる形状に形成される。
このように形成される第1ベース体4420及び第1カバー体4430に第1演出部材460(図8参照)を組み付ける工程について、図48を参照して説明する。図48は、案内溝4424及び第1演出部材460の部分拡大模式図であり、図48(a)では、案内溝4424にカラーCが挿通される前の状態が図示され、図48(b)及び図48(c)では、案内溝4424にカラーCが挿通された後の状態が図示される。
第1演出部材460を第1ベース体4420に装着する際には、基部461の背面側に配設される一対一組のカラーCを第1ベース体4420の案内溝4424に挿通させると共に、ラック部465のラックギヤ465bを第1ベース体420に配設されるピニオンギヤ480に歯合させる必要がある(図8参照)。この場合に、案内溝4424の溝幅が延設方向に沿って一定であると、一対一組のカラーCを先に案内溝4424にそれぞれ挿通させると、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合が困難となり、一方、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合を先に行うと、一対一組のカラーCのいずれか一方の案内溝4424への挿通が困難になる事態が発生する。
これに対し、本実施形態では、案内溝4424の溝幅が延設方向に沿って変化されるので、図48(b)及び図48(c)に示すように、溝幅(内壁面4424L,4424Rの間の対向間隔)が大きくされた部位を利用して、案内溝4424に対するカラーCの挿通位置の自由度を高めることができる。よって、基部461の位置を調整できるので、その分、ピニオンギヤ480に対するラックギヤ465bの位置関係の自由度も高めることがができる(図8参照)。
こにより、一対一組のカラーCを先に案内溝4424へ挿通させたとしても、図48(b)及び図48(c)に示すように、基部461の位置を調整することで、ピニオンギヤ480に対するラックギヤ465bの位置も調整することができるので、これら両ギヤ465b,480を容易に歯合させることができる。一方、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合を先に行ったとしても、案内溝4424が拡幅されている分、カラーCが挿通可能な位置の自由度が高いので、一対一組のカラーCのそれぞれを案内溝4424へ容易に挿通することができる。
また、本実施形態によれば、第1カバー体4430のラック案内凹部4431(内壁面)が、第1ベース体4420の案内溝4424(内壁面4424L,4424R)と同形状に形成されるので、第1ベース体4420に第1演出部材460を組み付けた後、その第1ベース体4420に第1カバー体4430を組み付ける工程においても、第1ベース体4420に第1カバー体430を被せるだけで、基部461の正面側に配設される一対一組のカラーCを第1カバー体4430のカラー案内凹部4432に容易に挿通させることができる。
ここで、本実施形態によれば、案内溝4424及びラック案内凹部4432は、第1演出部材460側の内壁面4424Rが正面視直線状に連続して延設されるので、案内溝4424及びラック案内凹部4432によるカラーCを介した第1演出部材460の案内効果を安定して発揮させることができ、その結果、耐久性の向上と、第1演出部材460のスライド移動の高速化を可能とすることができる。
即ち、第1演出部材460のスライド方向は、上昇位置側ほど第2ユニット500側に近接する方向へ傾斜されると共に、第1演出部材460の張り出し方向も第2ユニット500側とされるため(図5及び図6参照)、第1演出部材460の重量が案内溝4424及びラック案内凹部4432の内壁面4424R側に作用される。よって、第1演出部材460がスライド移動される際には、一対一組のカラーCは、第1演出部材460の重量によって、主に内壁面4424R側に押圧される。そのため、かかる内壁面4424Rが正面視直線状に連続して延設されていることで、カラーCの案内効果を安定させ、耐久性の向上と、スライド移動の高速化とを可能とすることができる。
一方、案内溝4424及びラック案内凹部4432の内壁面4424Lは、上端と溝幅が最大とされる部位との間、及び、下端と溝幅が最大とされる部位との間がそれぞれ正面視直線状に連続して形成されるので、第1演出部材460のスライド移動中に揺れが発生して、カラーCが内壁面4424L側へ変位される(カラーCが内壁面4424Lに押圧される)場合でも、カラーCを内壁面4424Lによってスライド方向へスムーズに案内することができる。その結果、耐久性の向上と、第1演出部材460のスライド移動の高速化を可能とすることができる。
次いで、図49及び図50を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、第1ベース体420の案内溝424が延設方向に沿って一定の溝幅を有して形成される場合を説明したが、第5実施形態における第1ベース体5420の案内溝5424には、延設方向の一部に溝幅を拡幅させる拡幅部5424aが部分的に形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図49は、第5実施形態における第1ベース体5420及び第1カバー体430の正面分解斜視図である。図49に示すように、第1ベース体5420の案内溝5424は、正面視長穴形状に形成され、その延設方向の一部に正面視半円状の拡幅部5424aが形成される。
詳細には、案内溝5424は、その内壁面が案内壁423と平行となる正面視直線状に連続して形成される。即ち、第1実施形態における案内部424と同様に形成される。但し、第1演出部材460の張り出し方向と反対側(図49左側)に位置する内壁面4424は、その一部が外方へ向けて半円状に膨出され、溝幅が拡幅される。この正面視半円状の部分が拡幅部5424aとされる。また、案内溝5424は、第1実施形態における案内溝424に対し、下端側が下方に延長される。即ち、第1演出部材460が下降位置に配置された際に、カラーCと案内溝424,5424の下端との間に形成される隙間寸法は、第1実施形態の場合よりも第5実施形態の場合の方が大きくされる。
このように形成される第1ベース体5420及び第1カバー体430に第1演出部材460(図8参照)を組み付ける工程について、図50を参照して説明する。図50は、案内溝5424及び第1演出部材460の部分拡大模式図である。なお、図50(a)では、案内溝4424にカラーCが挿通される前の状態が図示され、図50(b)では、案内溝4424にカラーCが挿通された後の状態が図示される。また、図50(c)では、第1演出部材460が下降位置に配置された状態が図示され、図50(d)では、第1演出部材460が上昇位置に配置された状態が図示される。
上述したように、第1演出部材460を第1ベース体5420に装着する際には、基部461の背面側に配設される一対一組のカラーCを第1ベース体5420の案内溝5424に挿通させると共に、ラック部465のラックギヤ465bを第1ベース体420に配設されるピニオンギヤ480に歯合させる必要がある(図8参照)。この場合、案内溝4424の溝幅が延設方向に沿って一定であると、一対一組のカラーCを先に案内溝5424にそれぞれ挿通させると、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合が困難となり、一方、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合を先に行うと、一対一組のカラーCのいずれか一方の案内溝5424への挿通が困難になる事態が発生する。
これに対し、本実施形態では、案内溝5424の一部に拡幅部5424aが形成され、その拡幅部5424aの形成部分において溝幅が大きくされているので、図50(b)に示すように、拡幅部5424aを利用して、案内溝5424に対するカラーCの挿通位置の自由度を高めることができる。よって、基部461の位置を調整できるので、その分、ピニオンギヤ480に対するラックギヤ465bの位置関係の自由度も高めることがができる(図8参照)。
これにより、一対一組のカラーCを先に案内溝5424へ挿通させたとしても、拡幅部5424aにより溝幅が大きくされた領域を利用して、基部461の位置を調整することで、ピニオンギヤ480に対するラックギヤ465bの位置も調整することができるので、これら両ギヤ465b,480を容易に歯合させることができる。一方、ラックギヤ465bとピニオンギヤ480との歯合を先に行ったとしても、拡幅部5424aにより案内溝5424が拡幅されている分、カラーCが挿通可能な位置の自由度が高いので、一対一組のカラーCのそれぞれを案内溝5424へ容易に挿通することができる。
なお、本実施形態では、図50(b)に示すように、拡幅部5424aを利用してカラーCを案内溝5424に挿通させた場合には、基部461(第1演出部材460)を上昇または下降させて、図50(c)又は図50(d)に示すように、カラーCを拡幅部5424aの非形成領域へ位置させておく。これにより、第1カバー体430を第1ベース体5420に容易に装着することができる。
ここで、上述した第4実施形態では、案内溝4424及びカラー案内凹部4432の溝幅が一定ではなく、延設方向に沿って変化されるため、その溝幅の変化(増減)によってカラーCの案内状態が不安定となり、第1演出部材460がスライド移動する際に揺れを発生させやすい。
これに対し、本実施形態では、第1演出部材460が下降位置および上昇位置の間をスライド移動する際に一対一組のカラーCが案内溝5424を通過する領域(以下「領域T1,T2」と称す)の領域外に拡幅部5424aが形成される。即ち、図50(c)及び図50(d)に示すように、拡幅部5424aが、領域T1と領域T2との間となる領域に形成されるので、一対一組のカラーCを領域T1,T2(即ち、溝幅が一定の領域)のみによって案内することができる。これにより、カラーCの案内状態を安定化して、第1演出部材460がスライド移動する際の揺れを発生しにくくできる。その結果、第1演出部材460のスライド移動の高速化を可能とすることができる。
次いで、図51及び図52を参照して、第6実施形態について説明する。上記第1実施形態では、左演出部材760L及び右演出部材760Rが右支持軸717R及び左支持軸717Lに吊り下げられた姿勢で軸支される場合を説明したが(図33から図35参照)、第6実施形態における左演出部材6760L及び右演出部材6760Rは、左支持軸717L及び右支持軸717Rに起立姿勢で軸支される。なお、上記各実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図51及び図52は、第6実施形態における第4ユニット6700の正面模式図である。なお、図51及び図52では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、主要な構成のみが図示される。また、図51では左演出部材6760L及び右演出部材6760Rが上昇位置に配置された状態が、図52では左演出部材6760L及び右演出部材6760Rが下降位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図51及び図52に示すように、駆動ギヤ770と、方向変換ギヤ780と、右ギヤ部材790R及び左ギヤ部材790Lとは、第1実施形態の場合と同様に構成され、第4ケース710の底面板711に配設される(図24及び図25参照)。但し、本実施形態では、これら各部材770,780,790R,790Lは、開口711aの下方(図51下側)となる位置に配設される。
第4駆動モータ(図示せず)の駆動軸に固着される駆動ギヤ770には、方向変換ギヤ780と右ギヤ部材790Rとがそれぞれ歯合され、方向変換ギヤ780には、左ギヤ部材790Lが歯合される。よって第4駆動モータの駆動軸が回転駆動されると、その駆動軸の回転駆動力が、右ギヤ部材790Rに直接伝達されると共に、左ギヤ部材790Lに方向変換ギヤ780を介して伝達され、これにより、右ギヤ部材790R及び左ギヤ部材790Lがそれぞれ逆方向に回転される。
左支持軸717L及び右支持軸717Rは、本実施形態では、左ギヤ部材790L及び右ギヤ部材790Rの側方にそれぞれ配設される。また、第4ケース710の底面板711には、第4基側リブ713、第4内側リブ714及び第4外側リブ715が、第1実施形態の場合に対し、正面視において開口711aを挟んで天地を逆にした姿勢で配設される。但し、図51及び図52ではその図示を省略する。
左演出部材6760L及び右演出部材6760Rは、左右対称の形状に形成されるので、左演出部材6760Lのみ説明し、右演出部材6760Rの説明は省略する。左演出部材6760Lは、湾曲部761Lの下端縁部から斜め下方(図51左下側)へ向けて延設される基部6762Lと、その基部6762Lの下端縁部から側方(図51左側)へ向けて水平に延設される延設部6763Lとを備える。
基部6762Lは、平板状に形成され、湾曲部761Lの外側面から水平に(湾曲部761Lと平行に)張り出して形成される。基部6762Lの背面(図51紙面垂直方向奥側の面)は、湾曲部761Lの背面と面一に形成されると共に、第4ケース710の底面板711から突設される第4基側リブ713(図24参照)により支持される。
延設部6763Lは、平板状に形成される部位であり、その背面(図51紙面奥側の面)には、案内溝6763Laが凹設される。案内溝6763Laは、延設部763Lの延設方向に沿って直線状に延設される正面視長円形状の凹溝であり、この案内溝6763Laに左ギヤ部材790Lの突設ピン792が摺動筒L(図26参照)を介して挿通されることで、左演出部材6760Lと左ギヤ部材790Lとが連結される。
延設部6763Lの先端側には、正面視円形の軸支孔が貫通形成される。軸支孔には、左支持軸717Lが挿通され、これにより、左演出部材6760Lが左支持軸717Lに回転可能に軸支される。なお、軸支孔の軸心は、案内溝6763Laの幅方向中心を通過する直線上(案内溝6763Laの延長線上)に位置する。
次いで、上昇位置および下降位置に配置された左演出部材6760Lの保持構造および上昇位置および下降位置の間における左演出部材6760Lの回転動作について説明する。なお、右演出部材6760Rの保持構造および回転動作は、左演出部材6760Lと同一であるので、右演出部材6760Rの説明は省略する。
本実施形態では、図51に示すように、左演出部材6760Lが上昇位置に配置されると、突設ピン792の軸心および左支持軸717Lの軸心を結ぶ方向(直線L1、、図33及び図35参照)と、突設ピン792の軸心およびギヤ軸718の軸心を結ぶ方向(直線L2、、図33及び図35参照)とが直交された状態とされる。これにより、左演出部材6760Lに外力が作用しても、左ギヤ部材790Lを回転させる方向の力成分(即ち、突設ピン792の軸心およびギヤ軸718の軸心を結ぶ方向(直線L2、、図33及び図35参照)に直交する方向の力成分)が発生せず、左ギヤ部材790Lの回転を規制することができる。
よって、例えば、パチンコ機10(図1参照)が遊技者によって揺すられるなどしても、左演出部材6760Lの左支持軸717Lを中心とした回転方向へのがたつきを抑制できる。その結果、上昇位置において、外乱の影響を受けた場合でも、図51に示すように、合わせ面761Ra,761Laどうしを当接させ密着させた状態に左演出部材6760L及び左演出部材760Lの姿勢を維持することができる。
このように、本実施形態においても、左演出部材6760Lを上昇位置に機械的に維持できるので、第4駆動モータ(図示せず)の駆動力を小さくする(或いは、解除しておく)ことができる。その結果、第4駆動モータの容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、本実施形態では、左演出部材6760Lの重心位置が左支持軸717Lの軸心を通過する鉛直線(図51上下方向線)よりも相手部材(右演出部材6760R)側に位置する。これにより、図51に示す上昇位置では、左演出部材6760Lが自身の重さによって相手部材(右演出部材6760R)側へ傾倒しようとする重力の作用によって、左演出部材6760Lの合わせ面761Laを、相手側(右演出部材7670Rの合わせ面761Ra側)へ押し出させることができる。その結果、上昇位置において、合わせ面761La,761Ra同士を確実に当接させることができる。
図51に示す状態から、第4駆動モータが回転駆動され、その回転駆動力により、左ギヤ部材790Lがギヤ軸718を中心として図51時計まわりに回転されると、突設ピン792が案内溝6763Laに沿って移動され、上昇位置に配置されている左演出部材6760Lが左支持軸717Lを中心として回転される。これにより、左演出部材6760Lの下降位置へ向けての回転(下降)が開始され、その後、図52に示すように、左演出部材6760Lが下降位置に配置される。
なお、下降位置へ向けての左演出部材6760Lの回転(下降)が開始されると、回転(下降)の過程において、突設ピン792は、案内溝6732Laの一端(左支持軸717Lに近い側の端部)へ向けて所定量だけ移動された後、その移動方向の方向転換が発生し、逆方向(左支持軸717Lから離間する方向)へ移動される。即ち、案内溝6763Laの一端へ向けて移動していた突設ピン792が、方向転換して、案内溝6763aの他端へ向けて移動する。
この場合、上述したように、突設ピン792の移動方向の方向転換の際に、左演出部材6760Lの挙動が不安定となり、そのスムーズな回転が阻害される恐れがある。これに対し、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、突設ピン792の移動方向が案内溝6763La内において方向転換される位相(或いは、方向転換される位相の近傍)に左ギヤ部材790Rが達すると、左演出部材6760Lの先端部764Rが分断領域711dに位置するように構成される(図34参照)。これにより、第1実施形態の場合と同様に、左支持軸717Lを中心とする左演出部材6760Lのスムーズな回転を得ることができる。
図52に示すように、本実施形態では、左演出部材6760Lが下降位置に配置されると、突設ピン792の軸心および左支持軸717Lの軸心を結ぶ方向(直線L1、、図33及び図35参照)と、突設ピン792の軸心およびギヤ軸718の軸心を結ぶ方向(直線L2、、図33及び図35参照)とが直交された状態とされる。
これにより、上昇位置における場合と同様に、左演出部材6760Lに外力が作用しても、左ギヤ部材790Lを回転させる方向の力成分(即ち、突設ピン792の軸心およびギヤ軸718の軸心を結ぶ方向(直線L2、、図33及び図35参照)に直交する方向の力成分)が発生せず、左ギヤ部材790Lの回転を規制することができる。
その結果、下降位置においても、左演出部材6760Lを機械的に維持できるので、第4駆動モータ(図示せず)の駆動力を小さくする(或いは、解除しておく)ことができ、その容量の小型化や消費エネルギーの抑制を図ることができる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態では、左演出部材760L及び右演出部材760Rの基端側を互いに交差させ、左演出部材760Lを右支持軸717Rに、右演出部材760Rを左支持軸717Lに、それぞれ軸支させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、左演出部材760L及び右演出部材760Rの基端側を交差させることなく、左演出部材760Lを左支持軸717Lに、右演出部材760Rを右支持軸717Rに、それぞれ軸支させても良い。この場合には、延設部763L,763Rの形状のみを上記実施形態から変更すれば良い。具体的には、延設部763L,763Rを傾斜させず、基部762L,762Rの延長線上に延設させる。この変形例であっても、重心位置が仮想直線M1(図31参照)よりも外側に位置することで、下降位置では、重心位置を吊り下げ支持点の鉛直下方に位置させようとする重力の作用によって、互いの合わせ面761Ra,761Laを相手側へ押し出させることができるので、これら合わせ面761La,761Ra同士を確実に当接させることができる。
上記各実施形態では、ラック部465の軸支孔465dを正面視円形の孔とする場合を説明したが(図13参照)、必ずしもこれに限られるものではなく、他の形状とすることは当然可能である。他の形状としては、ラック部465の長手方向(案内壁423により案内されるスライド方向)を長径とする長穴形状が例示される。
ラック部465の軸支孔465dを長穴形状とする場合には、上記実施形態の構成に対し、ラック規制壁461eの直線部を延長し、基部461に対してラック部465が軸支孔465d(長穴形状)の長径方向に沿って移動可能に構成する。
この構成によれば、上記実施形態の場合と比較して、基部461に対するラック部465のがたつきを長穴形状の長径方向に拡大することができるので、第1ベース体420に第1演出部材460を組み付ける際の組み付け性の向上を図ることができる。また、がたつきの分、各部品に要求される寸法公差を緩やかとすることができるので、部品コストを削減することができる。
ここで、この構成におけるラック部465の駆動方法の一例を説明する。第1の方法として、第1演出部材460が下降位置に停止(配置)された状態(即ち、基部461が案内溝424の最下端まで下降された状態。即ち、下方のカラーCが案内溝424の下方終端(図9下端)に当接されている状態)では、ラック支持軸461dと軸支孔465dとの間のスライド方向の隙間が、ラック支持軸461dの下方(図13(c)下側)に形成される形態が例示される。
この形態によれば、下降位置(図14(b)参照)に停止(配置)されている第1演出部材460の上昇を開始する場合には、スライド方向の隙間がラック支持軸461dの下方に形成されていることから、まず、ラック部465のみが上昇される(即ち、基部461は停止状態に維持される)。次いで、ラック部465の上昇により、ラック支持軸461dと軸支孔465dとの間のラック支持軸461dの下方に形成されていた隙間が詰まり(埋まり)、ラック支持軸461dにより軸支孔465dが上方へ持ち上げられることで、ラック部465と共に基部461(及び延設部463など)の上昇が開始される。
即ち、第1演出部材460を下降位置から上昇させる際には、まず、軽量のラック部465のみを上昇させ、勢いを付けた後、次いで、重量が嵩む残りの部分(第1演出部材460全体)を上昇させるという2段階の形態を得ることができる。これにより、上昇の開始時における第1駆動モータ470の負荷を軽減できる。
第2の方法として、第1演出部材460が下降位置に停止(配置)された状態では、ラック支持軸461dと軸支孔465dとの間のスライド方向の隙間が、第1の方法の場合とは逆に、ラック支持軸461dの上方(図13(c)上側)に形成される形態が例示される。
この形態では、基部461が案内溝424の最下端まで下降され、下方のカラーCが案内溝424の下方終端(図9下端)に当接された後、ラック部465が更に下降される場合には、ラック支持軸461dの下方(図13(c)下側)に隙間が形成されるので、ラック部465を一端上昇させ、ラック支持軸461dの下方(図13(c)下側)に形成される隙間を事前に詰めて(埋めて)おく(即ち、ラック支持軸461dの上方(図13(c)上側)に隙間を形成しておく)。
この形態によれば、下降位置に配置(停止)された第1演出部材460を上昇位置へ上昇させる演出を開始する場合には、その演出の指示が受けてから速やかに第1演出部材460の上昇を開始することができる。その結果、第1演出部材460のスライド移動の高速化を可能として、その演出効果を高めることができる。
上記各実施形態では、背面規制リブ532及び正面規制リブ542が、支持壁533,543の上方部分533b,543b側の一端から下方部分533c,543c側の他端まで連続して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面規制リブ532及び正面規制リブ542を、上記一端から他端までの間の1又は複数箇所を分断して、断続形状に形成しても良い。
上記各実施形態では、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の正面板531,541からの立設高さが一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の正面板531,541からの立設高さを変化させても良い。変化の形態としては、例えば、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の延設方向に沿って背面規制リブ532及び正面規制リブ542の立設高さを波形(正弦波状)に変化させる形態、鋸歯状に変化させる形態、矩形波状(方形波状)に変化させる形態、これら各形態の一部または全部を組み合わせた形態、などが例示される。これにより、第1演出部材460のスライド移動時に演出部463(装飾板463a)を振動させやすくして、その振動による演出効果を高めることができる。
なお、背面規制リブ532の立設高さの変化形態と正面規制リブ542の立設高さの変化形態とは周期および振幅が同一で位相が逆位相となることが好ましい。即ち、第1演出部材460(先端部464)のスライド移動方向に沿って、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の対向間隔が一定(背面規制リブ532及び正面規制リブ542の一方が山であるとき他方が谷である関係)となることが好ましい。
このように、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の正面板531,541からの立設高さを変化させ、第1演出部材460の先端側(先端部464)を振動させることで、第1演出部材460の基端側(基部461)を振動させる場合と比較して、第1演出部材460(装飾板463a)を効率的に振動させることができる。即ち、案内溝424やカラー案内凹部432により拘束される基部461側は、自由端である先端部464側に対して比較して、剛性が高いため振動させることが困難である。一方、先端部464は、基部461から最も離れた位置であり、振幅が最も大きくなる部位である。そのため、背面規制リブ532及び正面規制リブ542の正面板531,541からの立設高さを変化させることで、第1演出部材460(装飾板463a)を大きく振動させやすくすることができる。
上記各実施形態では、第1演出部材460の先端板部分464bが支持壁533,543の直線部分533a,543aに当接され、第1演出部材460のスライド移動時には、先端板部分464bが直線部分533a,543a上を摺動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1演出部材460の先端板部分464bと支持壁533,543の直線部分533a,543aとの間に隙間を形成しておき、第1演出部材460の先端側に所定振幅以上の揺れ(上記先端板部分464bと直線部分533a,543aとの間の隙間以上の揺れ)が発生した場合に、第1演出部材460の先端板部分464bを支持壁533,543の直線部分533a,543aが受け止める(重力方向下方から支持する)ように構成しても良い。
上記各実施形態では、右ギヤ部材790Rの環状リブ793をその立設先端から基端まで切り欠いて(即ち、環状リブ793の立設高さ全体を切り欠いて)、間欠部793aを形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、立設先端側のみを切り欠いて間欠部を形成するようにしても良い。この変形例について、図53を参照して説明する。図53は、変形例としての右ギヤ部材2790の背面斜視図である。上記実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図53に示すように、右ギヤ部材2790は、環状リブ793の周方向の一部において、その立設方向先端側のみを切り欠くことで、間欠部2793aが形成される。なお、本変形例では、間欠部2793aの軸方向視における中心角は20度とされる(よって、間欠部2793aが非形成とされる残部の軸方向視における中心角は340度とされる)。
この右ギヤ部材2790によれば、間欠部2793aの形成部分において、環状リブ793の基端側(ギヤ本体791側)が残され、かかる基端側において環状リブ793が周方向に連続するので、その分、右ギヤ部材2790の剛性を確保できる。
上記各実施形態では、環状リブ793に1の間欠部793aを形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の間欠部を形成しても良い。この変形例について、図54を参照して説明する。図54は、変形例としての右ギヤ部材3790の背面斜視図である。上記実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図54に示すように、右ギヤ部材3790には、環状リブ793の周方向2ヶ所に間欠部2793a及び間欠部3793aが形成される。なお、本変形例では、間欠部2793aの軸方向視における中心角は20度とされ、間欠部3793aの軸方向視における中心角は10度とされる(よって、間欠部2793a,3793aが非形成とされる残部2ヶ所の軸方向視における中心角の合計が330度とされる)。
この右ギヤ部材3790によれば、間欠部2793a及び間欠部3793aの周方向長さ(軸方向視における中心角)が互いに異なるので、その回転位置を2以上検出することができる。
図53に示す変形例では、間欠部2793aの中心角が、間欠部2793aが非形成とされる残部の軸方向における中心角よりも小さくされる場合を説明したが、必ずしもこれに限れるものではなく、間欠部2793aの中心角が、間欠部2793aが非形成とされる残部の軸方向における中心角よりも大きくされても良い。例えば、間欠部2793aの中心角を340度とし、間欠部2793aが非形成とされる残部の軸方向における中心角を20度とする形態(即ち、環状リブ793の立設方向先端側に、中心角20度の突片(間欠部2793aが非形成とされる残部)が突出される形態)が例示される。
図54に示す変形例においても同様である。例えば、間欠部2793aの中心角を285度とすると共に間欠部2793aの中心角を45度とし、間欠部2793a,3793aが非形成とされる残部2ヶ所の軸方向における中心角をそれぞれ10度および20度とする形態(即ち、環状リブ793の立設方向先端側に、中心角10度および20度の2つの突片(間欠部2793aが非形成とされる残部)が突出される形態)が例示される。
上記第4実施形態では、案内溝4424及びカラー案内凹部4432の内壁面4424l,4424Rのうち、第1演出部材460が張り出される方向側の内壁面4424Rを正面視直線状に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これとは逆に、内壁面4424Lを正面視直線状に形成する一方、内壁面4424Rを、内壁面4424Lとは反対側へ凸の正面視くの字状に形成しても良い。即ち、第1演出部材460の重量、案内溝4424及びカラー案内凹部4432の重力方向に対する傾斜角度、或いは、一対一組のカラーCの配設位置に対する第1演出部材460の重心位置、などの関係によっては、一対一組のカラーCが主に内壁面4424L側に押圧される場合があり、この場合には、かかる内壁面4424Lが正面視直線状に連続して延設されていることで、カラーCの案内効果を安定させ、耐久性の向上と、スライド移動の高速化とを可能とすることができるからである。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
ベース部材と、そのベース部材に基端側がスライド移動可能に支持される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段と、を備えた遊技機において、前記移動部材の先端側の移動軌跡に沿って延設されると共に前記移動部材の先端側を重力方向下方から支持する支持部材を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ベース部材と、そのベース部材に基端側がスライド移動可能に支持される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段とを備え、その駆動手段の駆動力により移動部材をベース部材に対してスライド移動させる遊技機がある(例えば、特開2010−200914号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、移動部材の重量を基端側で支えるため、基端側の負担が大きかった。
これに対し、遊技機A1によれば、駆動手段により発生された駆動力により、移動部材がベース部材に対してスライド移動される。この場合、移動部材は、基端側がベース部材によりスライド移動可能に支持される一方、先端側が支持部材により重力方向下方から支持されるので、かかる移動部材を両持ち状態とすることができる。これにより、移動部材の重量を、基端側(即ち、ベース部材)だけでなく、先端側(支持部材)にも分担させることができ、移動部材の重量を分散させることができるので、片持ち状態の場合と比較して、基端側の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ることができる。また、移動部材の先端側における揺れを抑制できるので、移動部材をスムーズにスライド移動させることができる。
なお、移動部材のスライド移動は、鉛直(重力)方向に対し傾斜する方向への直線的な移動、鉛直方向に垂直な平面内での直線的な移動などが例示される。
遊技機A1において、前記移動部材の先端側の移動軌跡がなす平面の一側および他側から前記移動部材の先端側を挟んで対向配置される一側部材および他側部材を備え、前記移動部材は、鉛直方向に対し傾斜する方向へスライド移動可能に基端側が前記ベース部材に支持されると共に、先端側が前記支持部材に重力方向下方から支持されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、移動部材が鉛直(重力)方向に対し傾斜する方向へスライド移動される際には、その移動部材の先端側が支持部材により重力方向下方から支持されることで、重力方向に対し移動部材を両持ち状態とできる。この場合、移動部材の先端側がそのスライド移動の方向と直交する方向(即ち、移動部材の先端側の移動軌跡がなす平面の一側または他側へ向かう方向。例えば、遊技盤の前後方向)へ変位される(揺れる)場合には、その変位(揺れ、即ち、がたつき)を一側部材および他側部材により規制することができる。これにより、基端側の負担を軽減して、その耐久性の向上を図ると共に、移動部材をスムーズにスライド移動させることができる。
遊技機A2において、前記一側部材は、前記他側部材に対面する対向面から前記移動部材の先端側へ向けて立設される一側リブを備えると共に、前記他側部材は、前記一側部材に対面する対向面から前記移動部材の先端側へ向けて立設される他側リブを備え、前記一側リブの延設方向と前記他側リブの延設方向とが異なることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、一側部材および他側部材の対向面には一側リブ及び他側リブがそれぞれ立設されるので、移動側部材の先端側がそのスライド移動の方向と直交する方向に変位される(揺れる)場合には、その変位(揺れ)を、一側リブ及び他側リブの立設先端によって規制することができる。即ち、移動部材の先端側との間に生じる摩擦抵抗を低減できるので、移動部材をスムーズにスライド移動させることができる。
ここで、移動部材は、その往路および復路(上昇時および下降時)の両経路において、重力の作用方向が同方向である一方、駆動手段から作用する駆動力の作用方向が相違するため、その先端側の姿勢(移動軌跡)が両経路で変化する。この場合、遊技機A3では、一側リブの延設方向と他側リブの延設方向とが異なるので、例えば、一側リブの延設方向を往路の姿勢に、他側リブの延設方向を復路の姿勢に、それぞれ対応させておくことで、移動部材がそのスライド移動の方向と直交する方向に変位され(揺れ)つつスライド移動される場合には、往路および復路の両経路において、移動部材の先端側をスムーズにスライド移動させることができる。
なお、一側リブ及び他側リブは直線状に延設されることが好ましい。その突設先端により移動部材の先端側をスライド移動の方向にスムーズに案内する効果をより効果的に発揮できるからである。
遊技機A3において、前記一側部材および他側部材が光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、一側部材および他側部材が光透過性材料から形成されるので、装飾効果を高めることができる。特に、LEDなどの発光手段を設けた場合は、その発光手段の光を透過させることができるので、発光による装飾効果を高めることができる。
この場合、一側リブの延設方向と他側リブの延設方向とが互いに異なる方向とされるので、一側部材および他側部材を光透過性材料から形成した場合であっても、一側リブ及び他側リブの形成位置を分散させ、その存在を全体として目立たなくすることができるので、外観が損なわれることを抑制できる。
遊技機A2において、前記一側部材および他側部材が光透過性材料から形成され、前記一側部材は、前記他側部材に対面する対向面から前記移動部材の先端側へ向けて立設される一側リブを備えると共に、前記他側部材は、前記一側部材に対面する対向面から前記移動部材の先端側へ向けて立設される他側リブを備え、前記一側部材および他側部材の正面視において、前記一側リブと前記他側リブとが互いに重ならない位置に形成されていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、一側部材および他側部材の対向面には一側リブ及び他側リブがそれぞれ立設されるので、移動側部材の先端側がそのスライド移動の方向と直交する方向に変位される(揺れる)場合には、その変位(揺れ)を、一側リブ及び他側リブの立設先端によって規制することができる。即ち、移動部材の先端側との間に生じる摩擦抵抗を低減できるので、移動部材をスムーズにスライド移動させることができる。
また、一側部材および他側部材が光透過性材料から形成されるので、装飾効果を高めることができる。特に、LEDなどの発光手段を設けた場合は、その発光手段の光を透過させることができるので、発光による装飾効果を高めることができる。
この場合、一側部材および他側部材の正面視において、一側リブと他側リブとが互いに重ならない位置に形成されているので、一側部材および他側部材を光透過性材料から形成した場合であっても、その存在が強調される一側リブ及び他側リブの重なり部分が形成されず、また、一側リブ及び他側リブの形成位置を分散させることができるので、その存在を目立たなくして、外観が損なわれることを抑制できる。
遊技機A2からA5において、前記一側部材および他側部材が異なる色の光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A2からA5のいずれかの奏する効果に加え、一側部材および他側部材が光透過性材料から形成されるので、LEDなどの発光手段を設けた場合は、その発光手段の光を透過させ、発光による装飾効果を高めることができる。特に、一側部材および他側部材を異なる色とすることで、外観の色彩を豊かにして、その装飾効果を高めることができる。
この場合、一側部材および他側部材が異なる色の光透過性材料から形成されることで、これら一側部材および他側部材が重なる領域では、色の混合により、一側部材および他側部材の対向空間を視認し難くすることができる。即ち、一側部材および他側部材の対向間に挟まれている移動部材の先端側を一側部材または他側部材の外部から視認し難くして、移動部材の先端側の存在を目立たなくすることができる。なお、移動部材の先端側は、黒色などの濃色とすることが好ましい。移動部材の先端側を視認し難くして、目立たなくする効果を高めることができるからである。
遊技機A1からA6において、前記移動部材は、前記基端側と先端側とを接続すると共に屈曲して形成される中間部を備え、前記中間部の屈曲された部分から前記先端側までの領域が、前記基端側の移動軌跡がなす平面よりも一側に離間して位置することを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6の奏する効果に加え、中間部の屈曲された部分から先端側までの領域が、基端側の移動軌跡がなす平面よりも一側に離間して位置するので、かかる離間により形成される空間を、他の部材が移動するための空間として利用することができる。即ち、正面視において、移動部材の移動軌跡と他の部材の移動軌跡とを重ねることができるので、演出効果を高めることができる。
一方で、このように、中間部を屈曲させる構成では、その分、移動部材の重量が嵩み、その分、基端側の負担が大きくなると共にスライド移動時にそのスライド移動の方向と直交する方向への先端側の変位(揺れ)が大きくなる。そのため、移動部材の先端側を支持部材により重力方向下方から支持する、又はこれに加え、一側部材および他側部材により上記直交する方向への先端側の変位を規制する構成を採用することが特に有効となる。
即ち、中間部を屈曲させることは、重量が嵩み、基端側の負担が大きくなるため、移動部材の先端側が自由端とされる片持ち状態のものでは採用不可能であり、支持部材により移動部材の先端側を重量方向下方から支持する、又はこれに加え、一側部材および他側部材により上記直交する方向への先端側の変位を規制することで初めて採用可能となったものであり、これ(中間部の屈曲)により、基端側の負担を軽減して、耐久性の向上を図ると共に、移動部材をスムーズにスライド移動させることを可能としつつ、移動部材の移動軌跡と他の部材の移動軌跡とを重ねることが可能となる。
ベース部材と、そのベース部材に基端側がスライド移動可能に支持される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段と、を備えた遊技機において、前記移動部材は、前記駆動手段から駆動力が付与される被駆動部と、その被駆動部に相対移動可能に連結されると共に前記ベース部材に案内されて移動する連結部とを備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ベース部材と、そのベース部材に基端側がスライド移動可能に支持される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段とを備え、その駆動手段の駆動力により移動部材をベース部材に対してスライド移動させる遊技機がある(例えば、特開2010−200914号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から付与された駆動力によって移動部材のスライド移動が開始される際の初期動作をスムーズに行うことが困難であった。
これに対し、遊技機B1によれば、駆動手段から駆動力が付与される被駆動部と、その被駆動部に相対移動可能に連結されると共に案内部に案内される連結部とから移動部材が構成されるので、駆動手段から付与された駆動力によって移動部材のスライド移動が開始される際の初期動作をスムーズに行うことができる。また、被駆動部と連結部とが相対移動可能に連結されることから、これら被連結部材および連結部を相対移動(例えば、がたつかせることや揺れを発生させるなどの動作を)させながら移動部材をスライド移動させることができるので、その演出効果を高めることができる。更に、被駆動部と連結部とが相対移動可能に連結されることで、その相対移動の分、移動部材の組み付け性(例えば、ベース部材への連結部の組み付け性)の向上を図ることができる。
遊技機B1において、前記被駆動部と連結部とは、軸支により相対回転可能に連結されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、被駆動部と連結部とが軸支により相対回転可能に連結されるので、両者の相対移動をスムーズに行わせることができると共に、相対移動可能量を確保しやすくできる。その結果、移動部材の初期動作をスムーズに行うことができる。また、演出効果を高めると共に、組み付け性の向上を図ることができる。
遊技機B2において、前記被駆動部と連結部とを相対回転可能に軸支する軸は、前記移動部材がスライド移動する際の平面に直交することを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、被駆動部と連結部とを相対回転可能に軸支する軸は、移動部材がスライド移動する際の平面に直交するので、被駆動部と連結部とを移動部材がスライド移動する際の平面に平行に相対回転させることができる。よって、移動部材のスライドに伴い、被駆動部と連結部とを相対移動させやすくすることができる。その結果、その結果、移動部材の初期動作をスムーズに行うことができる。また、演出効果を高めると共に、組み付け性の向上を図ることができる。
遊技機B2又はB3において、前記被駆動部と連結部とを相対回転可能に軸支する軸および軸孔は、軸の外周面と軸孔の内周面との間に隙間を有していることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、被駆動部と連結部とを相対回転可能に軸支する軸および軸孔は、軸の外周面と軸孔の内周面との間に隙間を有しているので、その隙間の分、相対回転に加え、水平方向への相対移動も可能とできる。よって、移動部材のスライドに伴い、被駆動部と連結部とを更に相対移動させやすくすることができる。
なお、軸および軸孔は、断面円形である必要はなく、長円形や楕円形、多角形などであっても良い。即ち、1回転(360度)の回転が要求される趣旨でなく、軸の外周面と軸孔の内周面との間の隙間を利用して相対回転可能とされていれば良く、所定の回転角度(例えば、5度)が確保されれば、軸および軸孔の形状は限定されない。
遊技機b2からB4において、前記被駆動部および連結部の一方は、前記被駆動部および連結部の他方に当接してその相対変位を規制する規制部を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4の奏する効果に加え、被駆動部および連結部の一方は、被駆動部および連結部の他方に当接してその相対変位を規制する規制部を備えるので、被駆動部および連結部の相対変位を規制する際の荷重を、軸および軸孔に偏ることを抑制して、規制部にも分担させることができる。これにより、軸および軸孔の負担を軽減して、耐久性の向上を図ることができる。
ベース部材と、そのベース部材に基端側がスライド移動可能に支持される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段と、を備えた遊技機において、前記駆動手段と移動部材とは歯車により歯合され、前記移動部材は、その重量が前記駆動手段の歯車の歯面と前記移動部材の歯車の歯面とを離間させる方向に作用させることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、ベース部材と、そのベース部材に基端側がスライド移動可能に支持される移動部材と、その移動部材をスライド移動させるための駆動力を発生する駆動手段とを備えると共に、駆動手段と移動部材とが歯車により歯合され、その歯車を介して駆動手段の駆動力を移動部材に伝達して、移動部材をスライド移動させる遊技機がある(例えば、特開2010−200914号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、歯面の面圧が大きくなると、駆動手段から移動部材への駆動力の伝達をスムーズに行うことができなかった。
これに対し、遊技機C1によれば、移動部材の重量を、駆動手段の歯車の歯面と移動部材の歯車の歯面とを離間させる方向に作用させることができるので、歯面の面圧が過大となることを抑制して、駆動手段から移動部材への駆動力の伝達をスムーズに行うことができる。また、駆動手段および移動部材の歯車の歯面の磨耗を抑制することができる。
遊技機C1において、前記歯車は、前記駆動手段に配設されるピニオンギヤと、前記移動部材に配設されるラックギヤとからなり、前記駆動手段によりピニオンギヤが回転駆動され、そのピニオンギヤの回転が前記ラックギヤにより直動に変換されることで、前記移動部材がスライド移動されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、歯車は、駆動手段に配設されるピニオンギヤと、移動部材に配設されるラックギヤとからなり、駆動手段によりピニオンギヤが回転駆動され、そのピニオンギヤの回転がラックギヤにより直動に変換されることで、移動部材がスライド移動される構成なので、移動部材のスライド移動の高速化を図ることができる。
遊技機C2において、前記ベース部材および移動部材の一方は、前記移動部材のスライド方向に沿って延設される案内溝を備えると共に、前記ベース部材および移動部材の他方は、前記案内溝に案内される被案内部材を備え、前記案内溝に対して前記ラックギヤがオフセットされた位置に配設されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、ベース部材および移動部材の一方は、移動部材のスライド方向に沿って延設される案内溝を備えると共に、ベース部材および移動部材の他方は、案内溝に案内される被案内部材を備えるので、案内溝により被案内部材が案内溝により案内されることで、移動部材のスライド移動を安定して行うことができる。よって、移動部材のスライド移動の高速化を図ることができる。
この場合、案内溝に対してラックギヤがオフセットされた位置に配設されるので、移動部材の重量を、駆動手段および移動部材の歯車(ピニオンギヤおよびラックギヤ)の歯面どうしを離間させる方向に作用させやすくすることができる。これにより、歯面の面圧が過大となることを抑制して、移動部材のスライド移動の高速化を図ることできると共に、歯面の磨耗を抑制することができる。
遊技機C3において、前記移動部材は、前記ラックギヤが配設される被駆動部と、前記案内溝または被案内部材の一方が配設される連結部とを備え、これら被駆動部と連結部とが相対移動可能に連結されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、移動部材は、ラックギヤが配設される被駆動部と、案内溝または被案内部材の一方が配設される連結部とを備え、これら被駆動部と連結部とが相対移動可能に連結されるので、ベース部材への移動部材の組み付け性の向上を図ることができる。即ち、ベース部材へ移動部材を組み付ける際には、寸法公差などに起因して、例えば、被駆動部のラックギヤを駆動手段のピニオンギヤに歯合させると、連結部において、案内溝への被案内部材の配置が困難となる場合があり、また、案内溝へ被案内部材を配置すると、被駆動部において、ラックギヤをピニオンギヤに歯合されることが困難となる場合がある。これに対し、遊技機C4によれば、被駆動部と連結部とが相対移動可能に連結されるので、両者の相対移動を利用して、ピニオンギヤに対するラックギヤおよび案内溝に対する被案内部材の配置の自由度を高めることができる。その結果、ベース部材への移動部材の組み付け性の向上を図ることができる。
遊技機C3又はC4において、前記案内溝は、その延設方向の一部に溝幅が拡幅された部分が形成されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、案内溝は、その延設方向の一部に溝幅が拡幅された部分が形成されるので、かかる部分を利用して、案内溝へ被案内部材を配置しやすくすることができる。その結果、ベース部材への移動部材の組み付け性の向上を図ることができる。
複数の可動ユニットを備えた遊技機において、一面側が開放された箱状のケース体を備え、そのケース体に前記複数の可動ユニットが積み重ねられると共に、最上層に位置する可動ユニットが前記ケース対の開口縁に連結されることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、一面側が開放された箱状のケース体と、可動体を有する可動ユニットとを備え、その可動ユニットがケース体の底面に配設される遊技機がある(例えば、特開2011−125543号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、複数の可動ユニットがケース体に積み重ねられた状態で配設されると、可動体の動作時にぐらつきが発生しやすかった。
これに対し、遊技機D1によれば、全体としての剛性を高めることができる。即ち、複数の可動ユニットをケース体に順に積み重ねて収容する構造では、可動体の動作時に各可動ユニットがケース体に対してぐらつき易いところ、最上層の可動ユニットがケース体の開口縁に連結されるので、全体としての剛性を高め、可動体の動作時におけるぐらつきを抑制することができる。その結果、可動体をより素早く動作させること(動作の高速化)が可能となる。
遊技機D1において、前記ケース体は、前記一面が開放された箱状の底面を形成する底部と、その底部の縁部から立設され前記一面が開放された箱状の側面を形成する壁部と、その壁部の立設先端から外方へ張り出すフランジ部とを備え、そのフランジ部に前記最上層の可動ユニットが連結されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、ケース体は、一面が開放された箱状の底面を形成する底部と、その底部の縁部から立設され一面が開放された箱状の側面を形成する壁部と、その壁部の立設先端から外方へ張り出すフランジ部とを備え、そのフランジ部に最上層の可動ユニットが連結されるので、可動ユニットの収容量を確保しつつ、ケース体と可動ユニットとの連結を強固に行うことができる。また、フランジ部によりケース体の剛性を確保できる。その結果、全体としての剛性を高め、可動体の動作時におけるぐらつきを抑制することができる。
遊技機D2において、前記最上層の可動ユニットは、前記ケース体のフランジ部に載置され連結される被連結部を備え、前記ケース体のフランジ部は、前記被連結部の外縁に沿って形成される規制部材を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、最上層の可動ユニットは、ケース体のフランジ部に載置され連結される被連結部を備え、ケース体のフランジ部は、被連結部の外縁に沿って形成される規制部材を備えるので、被連結部をフランジ部に載置する(最上層の可動ユニットを積み重ねる)際には、被連結部の載置位置の位置決めを、規制部材を利用して行うことができる。よって、最上層の可動ユニットの組み付け性の向上を図ることができる。また、フランジ部に載置され連結された被連結部がフランジ部上で移動することを規制部材により規制できるので、最上層の可動部材とケース体との連結強度を高めることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記複数の可動ユニットのうちの少なくとも1の可動ユニットは、その可動ユニットを積み重ねる下層の可動ユニットから突出される締結ボルトの頭部を受け入れる受入孔を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、複数の可動ユニットのうちの少なくとも1の可動ユニットは、受入孔を備えるので、下層の可動ユニットから突出される締結ボルトの頭部を受入孔によって逃がすことができる。これにより、締結ボルトの頭部に阻害されず、可動ユニットを下層の可動ユニットに密着させることができるので、これら可動ユニットを積み重ね方向に嵩張らせることなく積み重ねることができ、全体としての積み重ね寸法を小さくすることができる。
遊技機D4において、前記受入孔を備える可動ユニットは、電気的配線を保持するための爪部を備え、その爪部が前記受入孔に対面する位置に配設されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、受入孔に対面する位置に爪部が配設されるので、受入孔に受け入れられている締結ボルトの頭部への外部からのアクセス(頭部を操作すること)を爪部により困難とすることができる。また、爪部は電気的配線を保持する部位であるため、かかる電気的配線によっても、締結ボルトの頭部への外部からのアクセスを困難とすることができる。
第1軸を中心に第1位置および第2位置の間で回転される移動部材と、その移動部材に駆動力を付与する駆動手段とを備えた遊技機において、前記駆動手段の駆動力により第2軸を中心に回転される回転体と、その回転体から突出されると共に前記第2軸に偏心して位置するピン部材とを備え、前記移動部材は前記ピン部材を案内する案内部を備え、前記第1位置または第2位置の少なくとも一方において、前記第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、前記第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第1軸と、その第1軸を中心に回転される移動部材と、その移動部材に駆動力を付与する駆動手段とを備え、駆動手段の駆動力により移動部材を第1位置と第2位置との間で第1軸を回転中心として回転させる遊技機がある(例えば、特開2011−120640号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、移動体を第1位置または第2位置に保持する場合、駆動手段の駆動力を利用するため、その消費エネルギーが嵩んでいた。
これに対し、遊技機E1によれば、第1位置または第2位置の少なくとも一方では、第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されるので、ピン部材を回転体と移動部材との関係において死点に位置させることができる。これにより、駆動手段からの駆動力を不要としても、回転体および移動部材を、第1位置または第2位置の少なくとも一方に機械的に保持できるので、駆動手段の消費エネルギーを抑制できる。
遊技機E1において、前記移動部材は、前記第1位置が第2位置よりも重力方向上方に上昇された位置とされると共に、前記第1位置において停止される部材であり、前記第1位置において、前記第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、前記第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第2位置よりも重力方向上方となる第1位置に移動部材を保持する構成であるところ、第1位置では、第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されるので、死点を利用して、移動部材を第1位置に機械的に維持できる。よって、例えば、遊技機が揺らされた場合など、外乱の影響を受けた場合でも、移動部材が停止すべき位置(第1位置)から重力方向下方へ向けて移動(下降)を開始してしまうことを抑制できる。
遊技機E1又はE2において、前記移動部材は、一対が配設されると共に、第2位置において一対の移動部材が互いに当接され、前記第2位置において、前記第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、前記第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、一対の移動部材が第2位置において互いに当接される構成であるところ、第2位置では、第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されるので、死点を利用して、一対の移動部材を第1位置にそれぞれ機械的に維持できる。よって、例えば、遊技機が揺らされた場合など、外乱の影響を受けた場合でも、一対の移動部材を互いが当接された状態に維持し、隙間が形成されてしまうことを抑制できる。
遊技機E1からE3において、前記移動部材は、装飾が施され遊技領域を移動することで演出を行う装飾部を備え、その装飾部と前記第1軸に軸支される軸孔との間に、前記ピン部材を案内する案内部が配置されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3の奏する効果に加え、移動部材は、装飾部と第1軸に軸支される軸孔との間に、ピン部材を案内する案内部が配置されるので、第1軸および回転体の配設位置を近接させることができ、その分、これら第1軸および回転体の配設に必要なスペースの小型化を図ることができる。
第1軸および第2軸にそれぞれ回転可能に軸支される第1部材および第2部材を備え、前記第1部材および第2部材を互いに当接させる当接位置と互いに離間させる離間位置とに配置可能な遊技機において、前記当接位置では、前記第1部材および第2部材の自重が互いを近接させる方向へ作用するように前記第1軸および第2軸の位置が設定されることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第1軸および第2軸と、それら第1軸および第2軸にそれぞれ回転可能に軸支される第1部材および第2部材とを備え、それら第1部材および第2部材を互いに当接させる当接位置と互いに離間させる離間位置とに配置する遊技機がある(例えば、特開2012−075813号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、寸法公差や組立公差などを有する場合には、当接位置において第1部材および第2部材を適切な状態で互いに当接させることが困難であった。
これに対し、遊技機F1によれば、当接位置では、第1部材および第2部材の自重が互いを近接させる方向へ作用するように第1軸および第2軸の位置が設定されるので、例えば、寸法公差や組立公差を有している場合であっても、その自重を利用して、両者が適切に当接した状態を確実に形成することができる。
遊技機F1において、前記第1部材および第2部材が前記第1軸および第2軸に吊り下げ状態で軸支されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第1部材および第2部材が第1軸および第2軸に吊り下げ状態で軸支されるので、第1軸および第2軸に軸支される第1部材及び第2部材が第1軸および第2軸よりも重力方向上方に位置する場合と比較して、第1軸および第2軸の間隔を小さくすることができる。よって、配設に必要なスペースの低減を図ることができる。
遊技機F2において、前記第1部材および第2部材が交差した状態で前記第1軸および第2軸に吊り下げ状態で軸支されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、第1部材および第2部材が交差した状態で第1軸および第2軸に吊り下げ状態で軸支されるので、当接位置において、第1部材および第2部材に互いに近接させる方向へ作用する力をより大きくすることができる。よって、両者が当接した状態をより確実に形成することができる。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記第1部材および第2部材が交差した状態で前記第1軸および第2軸に軸支され、前記第1部材および第2部材の前記第2軸および第1軸に対面する位置に前記第2軸および第1軸を逃がすための逃がし部がそれぞれ凹設されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、第1部材および第2部材が交差した状態で第1軸および第2軸に軸支され、第1部材および第2部材の第2軸および第1軸に対面する位置には、第2軸および第1軸を逃がすための逃がし部がそれぞれ凹設されるので、その逃がし部の分、第1部材および第2部材と第2軸および第1軸とをより近接させて配設することができる。よって、配設に必要なスペースの小型化を図ることができる。
第1軸を中心に回転される回転体と、その回転体から突出されると共に前記第1軸に偏心して位置するピン部材と、そのピン部材を案内する案内部を有すると共に第2軸を中心に回転される移動部材と、前記回転体に駆動力を付与する駆動手段と、を備え、前記駆動手段の駆動力により前記回転体が前記第1軸を中心に回転されることで、前記ピン部材が前記案内部を往復移動され、前記移動体が前記第2軸を中心に回転される遊技機において、前記移動部材の移動軌跡に沿って延設され前記移動部材を支持する支持部材を備え、前記案内部を往復移動するピン部材の移動方向が方向転換する位置では、前記支持部材による前記移動部材の支持量が小さくされることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第1軸を中心に回転される回転体と、その回転体から突出されると共に第1軸に偏心して位置するピン部材と、そのピン部材を案内する案内部を有すると共に第2軸を中心に回転される移動部材と、回転体に駆動力を付与する駆動手段と、を備え、駆動手段の駆動力により回転体が第1軸を中心に回転されることで、ピン部材が案内部を往復移動され、移動体が第2軸を中心に回転される遊技機がある(例えば、特開2004−350919号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、案内部を往復移動するピン部材が方向転換する位置において移動部材の挙動が不安定となり、かかる移動部材をスムーズに回転させることが困難であった。
これに対し、遊技機G1によれば、ピン部材の移動方向が方向転換する位置では、支持部材による移動部材の支持量が小さくされるので、移動部材をスムーズに移動(第1軸を中心とする回転)させることができる。即ち、ピン部材が移動方向を方向転換する際には、移動部材の挙動が不安定となるところ、この挙動が不安定となる際には、支持部材の支持量が小さくされるので、その分、支持部材の可動範囲を確保して、支持部材によって移動部材の移動(第1軸を中心とする回転)が阻害されることを回避できる。よって、移動部材をスムーズに移動させることができる。
遊技機G1において、前記支持部材は、前記移動部材の移動軌跡に沿って延設されるリブ状に形成されると共に、前記案内部を往復移動するピン部材の移動方向が方向転換する位置に対応して形成され、少なくともその高さが低くされる分断領域を備えることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、支持部材は、移動部材の移動軌跡に沿って延設されるリブ状に形成されるので、抵抗を抑制して、移動部材をスムーズに移動させることができる。この場合、支持部材には、案内部を往復移動するピン部材の移動方向が方向転換する位置に、少なくとも高さが低くされる分断領域が形成されるので、高さが低くされる分、移動部材の可動範囲を確保できる。よって、ピン部材が移動方向を方向転換し、移動部材の挙動が不安定となる場合に、支持部材によって移動部材の移動(第1軸を中心とする回転)が阻害されることを回避できる。よって、移動部材をスムーズに移動させることができる。
遊技機G2において、前記支持部材は、前記移動部材の移動軌跡に沿って複数列が形成され、それら複数列の支持部材のうちの第1軸から最も離間する位置の支持部材に前記分断領域が形成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、支持部材は、移動部材の移動軌跡に沿って複数列が形成され、それら複数列の支持部材のうちの第1軸から最も離間する位置の支持部材に分断領域が形成されるので、移動部材のより先端側(第1軸と反対側)に分断領域を通過させることができる。よって、かかる分断領域による作用をより効果的に発揮させることができる。
遊技機G3において、前記複数例の支持部材のうちの第1軸から最も離間する位置の支持部材に隣接する支持部材は、その高さが延設方向に沿って変化される傾斜領域を備え、その傾斜領域が前記分断領域に対応する位置に形成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、複数例の支持部材のうちの第1軸から最も離間する位置の支持部材に隣接する支持部材は、その高さが延設方向に沿って変化される傾斜領域を備え、その傾斜領域が分断領域に対応する位置に形成されるので、分断領域を利用して移動部材の挙動の安定化を図る際には、傾斜領域を移動部材が通過することで、その傾斜領域の傾斜を利用して、移動部材の先端側の変位を早期に回復しやすくすることができる。
第1軸を中心に回転する回転体と、その回転体の回転位置を検出する回転位置検出センサとを備えた遊技機において、前記回転体は、前記第1軸方向に沿う方向の端面に立設される軸方向視円環状の環状部材と、その環状部材の一部を切り欠いて形成される間欠部とを備え、前記環状部材が前記回転位置検出センサにより検出される被検出部とされることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、第1軸を中心に回転する回転体と、その回転体の外周面から径方向外方へ張り出す被検出部と、その被検出部を検出する回転位置検出センサとを備え、その回転位置検出センサによる前記被検出部の検出に基づいて、前記回転体の回転位置を検出する遊技機がある(例えば、特開2008−307197号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、被検出部が径方向外方へ張り出すため、その被検出部の移動空間を回転体の外周側に沿って確保する必要があり、配設に要するスペースが嵩んでいた。
これに対し、遊技機H1によれば、回転体の軸方向端面に立設される軸方向視円環状の環状部材が回転位置検出センサにより検出される被検出部とされるので、被検出部が回転体の外周面から径方向外方へ張り出す場合と比較して、確保すべき移動空間を抑制でき、その分、配設に要するスペースを低減できる。更に、配設に要するスペースを低減しながら、回転体の回転位置の検出を可能とし、かつ、環状部材により回転体の剛性を高めることができる。
遊技機H1において、前記間欠部は周方向2ヶ所以上に形成され、かつ、その周方向長さがそれぞれ異なることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、周方向長さが異なる間欠部が2ヶ所以上に形成されるので、回転体の回転位置を2以上検出できる。
遊技機H1又はH2において、前記環状部材の立設方向先端側のみが切り欠かれ、基部側が残された状態で前記間欠部が形成されることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、環状部材の基部側が残されるので、その分、回転体の剛性を確保できる。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記回転体は、前記第1軸が挿通される挿通孔を備え、その挿通孔に挿通された前記第1軸の先端に抜け止め手段が取着されることで、前記第1軸に装着されるものであり、前記環状部材は、前記回転体の前記抜け止め手段とは反対側となる軸方向端面に配設されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、環状部材は、回転体の抜け止め手段とは反対側となる軸方向端面に配設されるので、回転体の組み付け性の向上を図ることができる。即ち、第1軸の基部側に回転位置検出センサを配置しておくことで、環状部材が形成される側から回転体を第1軸に挿通させる動作のみで、回転位置検出センサによる検出が可能な状態を形成しつつ、回転体の組み付けを行うことができる。
遊技機A1からA17,B1,C1,D1,E1,F1からF3,G1,G2,H1からH3のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機J1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA17,B1,C1,D1,E1,F1からF3,G1,G2,H1からH3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機J2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA17,B1,C1,D1,E1,F1からF3,G1,G2,H1からH3のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機J3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、第1軸と、その第1軸を中心に回転される移動部材と、その移動部材に駆動力を付与する駆動手段とを備え、駆動手段の駆動力により移動部材を第1位置と第2位置との間で第1軸を回転中心として回転させる遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2011−120640号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、移動体を第1位置または第2位置に保持する場合、駆動手段の駆動力を利用するため、その消費エネルギーが嵩むという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、移動体を第1位置または第2位置に保持する場合に、駆動手段の消費エネルギーを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1記載の遊技機は、第1軸を中心に第1位置および第2位置の間で回転される移動部材と、その移動部材に駆動力を付与する駆動手段とを備えるものであり、前記駆動手段の駆動力により第2軸を中心に回転される回転体と、その回転体から突出されると共に前記第2軸に偏心して位置するピン部材とを備え、前記移動部材は前記ピン部材を案内する案内部を備え、前記第1位置または第2位置の少なくとも一方において、前記第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、前記第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交される。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記移動部材は、前記第1位置が第2位置よりも重力方向上方に上昇された位置とされると共に、前記第1位置において停止される部材であり、前記第1位置において、前記第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、前記第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交される。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記移動部材は、一対が配設されると共に、第2位置において一対の移動部材が互いに当接され、前記第2位置において、前記第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、前記第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第1位置または第2位置の少なくとも一方では、第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されるので、ピン部材を回転体と移動部材との関係において死点に位置させることができる。これにより、駆動手段からの駆動力を不要としても、回転体および移動部材を、第1位置または第2位置の少なくとも一方に機械的に保持できるので、駆動手段の消費エネルギーを抑制できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、第2位置よりも重力方向上方となる第1位置に移動部材を保持する構成であるところ、第1位置では、第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されるので、死点を利用して、移動部材を第1位置に機械的に維持できる。よって、例えば、遊技機が揺らされた場合など、外乱の影響を受けた場合でも、移動部材が停止すべき位置(第1位置)から重力方向下方へ向けて移動(下降)を開始してしまうことを抑制できる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、一対の移動部材が第2位置において互いに当接される構成であるところ、第2位置では、第1軸とピン部材とを結ぶ方向が、第2軸とピン部材とを結ぶ方向と直交されるので、死点を利用して、一対の移動部材を第1位置にそれぞれ機械的に維持できる。よって、例えば、遊技機が揺らされた場合など、外乱の影響を受けた場合でも、一対の移動部材を互いが当接された状態に維持し、隙間が形成されてしまうことを抑制できる。