次に、本発明を実施する形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下において説明する本発明は、例えば、システムのユーザインタフェース画面の設計に際して、当該システムに適した画面あるいは画面の構成要素に対する配色の適否を評価可能とする、配色評価装置等に関する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る配色評価装置の機能的な構成を例示する、ブロック図である。
本実施形態における配色評価装置101は、入力装置102及び、出力装置103と通信可能に接続される。配色評価装置101は、入力装置102から入力された評価対象物に対して、特定の評価基準に基づいて当該評価対象物の配色を評価する。そして、配色評価装置101は、当該評価の結果を出力装置103に出力する。
まず、本実施形態における入力装置102について説明する。
入力装置102は、システム画面を構成する構成要素等、配色評価の対象となる評価対象物に関する情報を入力する装置である。本実施形態における入力装置102の構成は、配色評価装置の仕様等に応じて、適宜選択可能である。例えば、入力装置102は、コンピュータ等の単独の情報処理装置であってもよく、配色評価装置101に接続される入力用の周辺機器であってもよい。
本実施形態において、入力装置102は、配色評価装置101と通信可能に接続されている。本実施形態における入力装置102と配色評価装置101との間の接続方式は、それぞれの装置の仕様等に応じて適宜選択可能である。例えば、入力装置102は、配色評価装置101に対して、任意の無線あるいは有線の通信回線により接続されてもよく、何らかの通信バスにより接続されてもよい。
上記した、入力装置102に入力される評価対象物に関する情報は、例えば、以下の情報を有してもよい。即ち、評価対象物に関する情報は、特定の評価対象物を識別(特定)する情報を有してもよい。また、評価対象物に関する情報は、当該評価対象物の配色に関する情報を有してもよい。また、評価対象物に関する情報は、当該評価対象物を分類したグループに関する情報を有してもよい。また、評価対象物に関する情報は、当該グループの間の関係性に関する情報を有してもよい。
図2を参照して、上記評価対象物について具体例を用いて説明する。図2は、本実施形態における評価対象物である、システム画面、及び、当該画面の構成要素を例示する図である(以下、後述する各実施形態において同様)。
図2に例示する画面201が配色評価の対象となる場合、当該画面201を構成する構成要素が、本実施形態における評価対象物となる。即ち、図2に例示する画面201については、見出し202、第1の背景203、第2の背景204、ボタン205が評価対象物となる。なお、画面201自体が、一つの構成要素として、評価対象物となってもよい。
本実施形態における配色評価装置101のユーザ(不図示)は、入力装置102を用いて、上記評価対象物に関する情報を入力する。本実施形態において、入力装置102に対する上記評価対象物に関する情報の入力方法や、入力データの書式等は、適宜適切に選択してよい。ユーザは、例えば、入力装置102に対して上記図2に例示するような画面の構成が規定された設計情報を入力してもよい。また、ユーザは、例えば、上記図2に例示するような画面を構成する構成要素それぞれについて、上記した評価対象物に関する情報を入力してもよい。
本実施形態における入力装置102は、ユーザから入力される上記情報を配色評価装置101にそのまま送信してもよい。入力装置102は、また、当該情報を解析し、図3に例示するような評価対象物情報テーブル(図3における符号301)及び、意味テーブル(図5における501)等を生成して、配色評価装置101に入力(送信)してもよい。なお、ユーザは、上記評価対象物情報テーブル及び、意味テーブルに相当する情報を入力してもよい。この場合、本実施形態における入力装置102は、ユーザから入力される当該情報を、そのまま配色評価装置101にそのまま送信してもよい。
なお、評価対象物情報テーブル及び意味テーブルの具体的な構成については、後述する。
次に、本実施形態における配色評価装置101の構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態における配色評価装置101は、配色評価部101aと、色範囲保持部101bと、結果出力部101cとを有する。配色評価装置101の構成要素である、配色評価部101aと、色範囲保持部101bと、結果出力部101cとの間は、それぞれ通信可能に接続されている。
色範囲保持部101bは、本実施形態における配色評価に際して使用する色範囲に関する情報を保持する。本実施形態における色範囲保持部101bは、当該色範囲に関する情報として、色名と当該色名に対応する色値の範囲とを関連付けた情報を保持する。ここで、色値は、色を表現するための特定の表色系において、当該色を表示する表色値である。本実施形態において、上記色名に対応する色値の範囲は、人間が上記色名で表される特定の色を認識した場合に、一般的に同一または略同じ色味として認識する色値の範囲としてよい。
本実施形態における色範囲保持部101bは、例えば、図4に示す色範囲テーブル401のような形式を用いて、係る色名と色値の範囲とを関連付けて保持してもよい。以下の説明においては、図4に例示する色名と色値の範囲との関連を規定した色範囲テーブル401を、色範囲テーブルと称する場合がある。
本実施形態における具体例として図4に例示された色範囲テーブル401においては、HLS空間(Hue、Lightness、Saturation)の色相値(Hue値)を用いて、色値の範囲401bが表される。HLS色空間は、色相と明度と彩度とを用いた3次元色空間として構成される。HLS色空間は、物体色を表現可能な表色系である。
HLS色空間において、色相はH値(0≦H≦360)、明度はL値(0≦L≦1)、彩度はS値(0≦S≦1)として表される。色味を統一して配色に一貫性を持たせる場合は、色味を表す色相(H値)により色を分類する。このため、図4に例示する色範囲テーブルには、H値の範囲が記載されている。一例として、図4に例示する色範囲テーブルにおいて、色名「緑」に対応する色値(H値)の範囲は70≦H<155、「青」に対応するH値は155≦H<255と規定されている。
なお、本実施形態における色範囲の表現方法は、上記したHLS色空間に限定されず、表色を数値として表現可能な、任意の他の表色系を採用してもよい。他の表色系としては、例えば、NCS(Natural Color System)表色系、RGB(Red、Green、Blue)表色系、DIN(Deutsche Industrie Normen)表色系等が採用されてもよい。
また、図4に例示する色範囲テーブルに記載した色名401a、及び色値の範囲401bの数値は一具体例であり、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態においては、例えば、色範囲テーブル401における色名401aに対して、ユーザが識別可能な任意の名称を付してもよい。また、評価対象の特性等に応じて、特定の色名401aに対応する色値の範囲401bには、当該色名401aにより認識される色と略同じと認識される範囲の値が適切に割り当てられてもよい。
次に、本実施形態における配色評価部101aについて説明する。
配色評価部101aは、色範囲保持部101bが保持する色範囲テーブル(例えば、図4に例示する色範囲テーブル401)を参照して、評価対象物である画面の構成要素に配色された色の範囲を特定する。そして、配色評価部101aは、当該評価対象物の配色について一貫性等を評価する。
配色評価部101aは、入力装置102から入力される上記評価対象物に関する情報を保持する。具体例として、配色評価部101aは、上記評価対象物に関する情報から、評価対象物を識別(特定)する情報と、評価対象物の配色に関する情報と、評価対象物を分類したグループに関する情報とを抽出する。配色評価部101aは、係る抽出した情報を、例えば、図3に例示する評価対象物情報テーブル301として保持してもよい。
なお、上記したように、入力装置102が、評価対象物情報テーブル301を生成して配色評価装置101に送信するよう構成される場合、配色評価部101aは、当該送信された評価対象物情報テーブル301を保持するよう構成してもよい。なお、配色評価部101aは、評価対象物情報テーブル301に保持する情報を、テーブル以外の任意の形式により保持してもよい。
図3に例示する評価対象物情報テーブル301は、以下のように構成される。即ち、評価対象物情報テーブル301は、評価対象物である画面の構成要素を識別(特定)可能な情報である構成要素301cと、係る構成要素に配色された色を、HLS色空間におけるH値で表した色値301dと、色値301dが属する色に付された色名301eと、を有する。また、評価対象物情報テーブル301は、構成要素301cを分類したグループに関する情報301a、301bと、を有する。
本実施形態における、上記グループ(図3における符号301a及び符号301b)は、評価対象物である画面の構成要素(図3における符号301c)を、特定の基準に基づいて分類したことにより形成された集合である。評価対象物をグループに分類する当該特定の基準としては、例えば、評価対象物に表示する情報の意味(情報の類似性)、評価対象物が提示する機能の種類、評価対象物の構造、あるいは、評価対象物の配置等が採用されてもよい。
なお、本実施形態において、上記特定の基準に基づいて形成される当該グループに関する情報(即ち、評価対象物を分類したグループに関する情報)は、上記入力装置102に入力される評価対象物に関する情報の一部として、配色評価装置101に入力される。この場合、例えば、ユーザなどが上記基準に従って評価対象物を予めグループに分類し、当該分類したグループに関する情報を配色評価装置101に入力してもよい。
図3に例示する評価対象物情報テーブル301においては、上記グループとして、「作業」(図3における符号301a)、及び、「画面」(図3における符号301b)が設けられている。即ち、図3に示す具体例の場合、例えば、「作業1」において使用される画面が、「画面1」と「画面2」である。そして、当該「画面1」は、「構成要素1」乃至「構成要素4」から構成される。また、「画面2」は、「構成要素5」乃至「構成要素7」から構成される。
上記図3に示す具体例の場合、評価対象物である構成要素は、当該構成要素が配置される画面との構造的な関係に基づいて「画面」(図3における符号301b)のグループに分類される。また、当該構成要素は、上記「画面」がどのような「作業」において使用されるかという機能的な関係に基づいて「作業」(図3における符号301a)のグループに分類される。
なお、本実施形態においては、構成要素を分類したグループの間に、階層構造や並列構造などの構造が適宜設けられてもよい。
次に、配色評価部101aは、入力装置102から入力される評価対象物に関する情報から、当該評価対象物が分類された上記グループに関する情報と、当該グループの間の関係性(意味)に関する情報を抽出して保持する。具体例として、配色評価部101aは、例えば、上記抽出した評価対象物間の関係性に関する情報を、図5に例示する意味テーブル501として保持してもよい。
ここで、当該グループの間の関係性に関する情報は、同一のグループに分類された複数の当該評価対象物の間の関係性に関する情報を含んでもよい。また、当該グループの間の関係性に関する情報は、異なるグループに分類された1以上の当該評価対象物の間の関係性に関する情報を含んでもよい。なお、以下においては、同一のグループに分類された複数の当該評価対象物の間の関係性を、「同一グループ内の関係性」と称する場合がある。また、異なるグループに分類された1以上の当該評価対象物の間の関係性を、「異なるグループ間の関係性」と称する場合がある。なお、以下において、単に「グループの間の関係性」と称する場合、係る記載は、上記同一グループ内の関係性と、異なるグループ間の関係性とを含む。
本実施形態において、上記グループの間の関係性は、上記特定の基準に基づいてそれぞれのグループ(同一グループを含む)に分類された、評価対象物の間の関連度合いを表す情報である。本実施形態においては、係る評価対象物間の関連度合い(即ち、グループの間の関係性)を表す一例として、上記グループの間の関係性に対して遠近関係が設定されている。
具体的には、例えば、本実施形態において、同一グループ内の関係性が「近い」と設定されている場合、係る関係性は、当該同一グループに分類された評価対象物の関連度合いが高いことを表してもよい。例えば、当該評価対象物に表示される情報の意味(情報の類似性)が、上記「評価対象物をグループに分類する特定の基準」として用いられた場合を想定する。この場合、例えば、同一グループに分類された複数の評価対象物(即ち、関係性が「近い」評価対象物)は、意味が近い(類似した)情報を表示してもよい(即ち、当該評価対象物に表示される情報が類似している)。同様に、例えば、当該評価対象物が提示する機能の種類(機能の類似性)が、上記「評価対象物をグループに分類する特定の基準」として用いられた場合を想定する。この場合、同一グループに分類された複数の評価対象物(即ち、関係性が「近い」評価対象物)は、近い(類似した)機能を提供してもよい(即ち、当該評価対象物により提供される機能が類似する)。
また、例えば、本実施形態において、異なるグループ間の関係性が「遠い」と設定されている場合を想定する。この場合、係る関係性は、相異なるグループに分類された評価対象物の関連度合いが低いことを表してもよい。例えば、当該評価対象物に表示される情報の意味(情報の類似性)が、上記「評価対象物をグループに分類する特定の基準」として用いられる場合を想定する。この場合、相異なるグループに分類された複数の評価対象物(即ち、関係性が「遠い」評価対象物)は、意味が遠い情報を表示してもよい(即ち、当該評価対象物に表示される情報が非類似である)。同様に、例えば、当該評価対象物が提示する機能の種類(情報の類似性)を、上記「評価対象物をグループに分類する特定の基準」として用いる場合を想定する。この場合、相異なるグループに分類された複数の評価対象物(即ち、関係性が「遠い」評価対象物)は、非類似の機能を提供してもよい。
なお、本実施形態は上記に限定されず、上記「評価対象物をグループに分類する特定の基準」として採用した任意の基準に従って、上記グループの間の関連度合い(遠近関係)は、任意に設定可能である。
以下、上記グループの間の関係性について具体例を用いて説明する。図5に例示する意味テーブル501は、グループに関する情報(図5における符号501a)と、グループの間の関係性に関する情報(グループ関係性情報、図5における符号501b)と、から構成される。即ち、意味テーブル501には、評価対象物が分類されたグループと、当該グループに関するグループ関係性情報とが設定される。
図5における符号501aは、評価対象物が同一のグループに分類されているか否かを表す情報である。また、図5における符号501bには、上記グループの間の関係性(当該グループに分類された評価対象物の間の関係性)が設定されている。
まず、図5に例示する意味テーブル501においては、作業グループ(図3における符号301a)について、同一の作業グループ(501aにおける「同一作業」)内の関係性に対して「近い」が設定されている。また、異なる作業グループ(501aにおける「異なる作業」)間の関係性に対して、「遠い」が設定されている。
また、図5に例示する意味テーブル501においては、画面グループ(図3における符号301b)について、同一画面のグループ(501aにおける「同一画面」)間の関係性に対して、「近い」が設定されている。また、異なる画面グループ(501aにおえる「異なる画面」)に分類された評価対象物については、当該画面のグループと上記作業のグループとの関係が考慮される。即ち、異なる画面グループに分類された評価対象物が同一の作業のグループに分類される場合、それらの評価対象物の間の関係性には「近い」が設定される。また、異なる画面グループに分類された評価対象物が、異なる作業グループに分類される場合、それらの評価対象物の間の関係性には「遠い」が設定さる。
配色評価部101aは、上記意味テーブル(図5に例示する符号501)に基づいて、各グループの間の関係性を評価する。そして、配色評価部101aは、係る評価に基づいて、各評価対象物に対する配色を評価する方法を決定する。なお、本実施形態における配色評価部101aの具体的な動作については、後述する。
結果出力部101cは、上記評価対象物に対する配色評価の結果を、出力装置103に対して出力する。結果出力部101cは、上記配色評価部101aにおいて配色に問題があると評価(判定)された評価対象物については、判定理由を併せて出力してもよい。
なお、本実施形態において、結果出力部101cは、後述する出力装置103が解釈可能な任意の形式により、配色評価の結果を出力してよい。例えば、出力装置103がコンピュータ等の情報処理装置である場合には、係る情報処理装置が解釈可能な任意のデータフォーマットにより、上記配色評価の結果を当該情報処理装置に送信してもよい。また、出力装置103がモニタ画面等の単なる表示装置である場合には、結果出力部101cは、係る表示装置が表示可能な表示信号として、上記配色評価の結果を送信してもよい。
次に、上記のように構成した本実施形態における配色評価装置101の動作について説明する。なお、以下の説明においては、図3乃至図5に例示した具体例に基づいて、配色評価装置101の動作を説明する。
まず、配色評価部101aは、上述した評価対象物情報テーブル(図3における符号301)と、色範囲テーブル(図4に例示する符号401)とを参照する。そして、配色評価部101aは、評価対象物情報テーブル301に記載された各評価対象(図3における符号301c)に対する色名(図3における符号301e)を設定する。
例えば図3に例示された画面要素1には、色値として(H、L、S)=(160、0.50、0.75)に相当する色が配色されており、係る色値は色範囲テーブル401における「青」に該当する。配色評価部101aは、係る色名「青」を、画面要素1の色名(図3における301c)として、上記評価対象物情報テーブル(図3における符号301)に設定する。
次に、配色評価部101aは、上記グループの間の関係性に基づいて、当該評価対象物に対する配色評価基準を設ける。
本実施形態における配色評価部101aは、関係性が近いグループに分類された評価対象物の間における配色の類似性と、関係性が遠いとグループに分類された評価対象物の間における配色の非類似性とを、配色評価の基本的な評価基準として設定する。なお、本実施形態において、類似する配色は、同一の配色を含んでもよい。
例えば、関係性が近いグループに分類された評価対象物に配色される色を、同一の色範囲に統一すると、配色に一貫性が生じる。これにより、ユーザは、当該グループに分類された評価対象物の関係性が近いことを認識できる。即ち、ユーザは、当該グループに分類された評価対象物が、例えば、当該評価対象に表示される情報の意味、当該評価対象物の配置、あるいは、当該評価対象物の提示する機能の種類等において共通する点を有すると認識可能である。
一方で、関係性が遠いグループに分類された評価対象物の間では、識別しやすい色(異なる色)を配色することにより、ユーザは、当該グループに分類された評価対象物の関係性が遠いことを認識できる。即ち、ユーザは、当該グループに分類された評価対象物が、例えば、当該評価対象に表示される情報の意味、当該評価対象物の配置、あるいは、当該評価対象物が提示する機能の種類等において、共通しないと認識可能である。
これより、本実施形態における配色評価部101aは、関係性が近いグループに分類された評価対象物が、同一の色範囲に収まるよう配色されている場合には問題無しと評価し、そうでない場合には問題ありと評価する。なお、本実施形態における関係性が近いグループは、同一のグループを含んでもよい。
更に、本実施形態における配色評価部101aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物が異なる色範囲となるよう配色されている場合は問題無しと評価し、そうでない場合には問題ありと評価する。
なお、本実施形態における配色評価部101aは、例えば、図4に例示する色範囲テーブル401において、同一の色名(401a)に対応する色値の範囲(401b)に属するか否かにより、同一の色範囲を判定してもよい。また、配色評価部101aは、例えば、図4に例示する色範囲テーブル401において異なる色名(401a)に対応する色値の範囲(401b)に属するか否かにより、異なる色範囲を判定してもよい。
上記評価方法について、図5に例示する意味テーブル501を用いて具体的に説明する。本実施形態における配色評価部101aは、図5に例示する意味テーブル501を解釈し、以下のような評価基準(下記(A)乃至(D))に基づいて、各評価対象物に対する配色を評価する。
(A)配色評価部101aは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に対して、異なる色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。即ち、配色評価部101aは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に対して、異なる色範囲に属する色が配色されている場合は問題無しと評価する。一方、配色評価部101aは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されている場合は問題ありと評価する。
(B)配色評価部101aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。即ち、配色評価部101aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されている場合は問題無しと評価する。一方、配色評価部101aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して、異なる色範囲に分類された色が配色されている場合は問題ありと評価する。
(C)配色評価部101aは、相異なる画面グループに分類された評価対象物に対して、上記(A)及び(B)と同様の評価を実行する。即ち当該評価対象物が分類された作業グループに基づいて、当該グループに分類された評価対象物の配色を評価する。
(D)配色評価部101aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。即ち、配色評価部101aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されている場合は問題無しと評価する。一方、配色評価部101aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、異なる色範囲に分類された色が配色されている場合は問題ありと評価する。
次に、配色評価部101aは、上記評価基準に基づいて、各評価対象物に対する配色を評価する。以下、図3乃至図5に例示する具体例を用いて、本実施形態における配色評価について具体的に説明する。
まず、配色評価部101aは、図3に例示する評価対象物情報テーブル301を参照し、評価対象物である画面の構成要素(図3における符号301c)について、画面グループとしての関係性に基づいた配色を評価する(上記基準(D))。
配色評価部101aは、「画面1」のグループに分類された評価対象物である「画面要素1」乃至「画面要素4」の配色(図3における符号301e)を確認する。「画面1」のグループに対して分類された上記構成要素は全て「青」と配色されている。よって、同一画面グループに分類された評価対象物について、同一の色範囲が配色されていることから、配色評価部101aは、係る配色について問題無しと判定する。
同様に、配色評価部101aは、「画面2」、「画面3」、及び、「画面4」のグループについても、これらのグループに分類された構成要素(「画面要素4」乃至「画面要素13」)の配色を確認する。この場合、それぞれ同一の色が配色されていることから、配色評価部101aは、係る配色について問題無しと評価する。
次に、配色評価部101aは、「画面5」に分類された構成要素の配色を確認する。この場合、「画面要素14」と「画面要素16」の配色は同一(「青」)であるものの、「画面要素15」の配色が異なる(「赤」)。これより、配色評価部101aは、係る配色について問題ありと評価する。
次に、配色評価部101aは、評価対象物である画面の構成要素(図3における符号301c)について、作業グループとしての関係性に基づいた配色を評価する(上記基準(B))。
まず、配色評価部101aは、「作業1」のグループに分類された評価対象物である構成要素の配色を確認する。この場合、評価対象物は「画面要素1」乃至「画面要素7」であり、これらの配色は同一(「青」)である。これより、配色評価部101aは、係る配色について問題無しと評価する。
次に、配色評価部101aは、「作業2」のグループに分類された評価対象物である構成要素の配色を確認する。この場合、評価対象物は「画面要素8」乃至「画面要素13」である。ここで、「画面要素8」乃至「画面要素10」の配色は同一(「青」)である一方、「画面要素11」乃至「画面要素13」の配色は同一(「橙」)である。即ち、全ての画面要素に対する配色が同一ではない(即ち「青」と「橙」が存在する)。これより、配色評価部101aは、係る配色について問題ありと評価する。
次に、配色評価部101aは、「作業1」乃至「作業3」のグループに分類された全ての評価対象物である構成要素の配色を確認する(上記基準(A))。
「作業1」及び「作業2」は相異なる作業グループであるが、当該作業グループに分類された評価対象物(「画面要素1」乃至「画面要素10」)に対する配色は同一(「青」)である。即ち、異なる作業グループに分類された評価対象物について、同一の色が配色されていることから、配色評価部101aは、係る配色について問題ありと評価する。
なお、「作業3」のグループに分類された画面要素については、既に問題がありと評価されているため、「作業1」のグループ及び「作業2」のグループとの関係に基づいた配色は評価せずともよい。
配色評価部101aは、全ての評価対象物について、上記評価基準に従って配色の妥当性を評価する。そして、配色評価部101aは、全ての基準において配色に問題なしと評価された画面要素について、配色に問題なしと評価する。配色評価部101aは、いずれか1つ以上の基準に基づく評価において問題ありと評価された画面要素については、配色に問題ありと評価する。
配色評価部101aは、上記配色評価の結果を、結果出力部101cに出力(送信)する。
結果出力部101cは、上記したように、上記配色評価部101aから出力された配色評価の結果を、出力装置103に適した形式に適宜構成して、出力装置103に送信する。
出力装置103は、配色評価装置101(結果出力部101c)から受信した配色評価の結果を表示する。本実施形態における出力装置103は、例えば、図6に例示するような形式により、上記配色評価の結果を表示してもよい。出力装置103は、例えば、配色に問題無しと判断された画面要素については、図6に例示するように、”[OK]”と表示してもよい。また、出力装置103は、例えば配色に問題ありと判断された画面要素については、図6に例示するように、”[NG]”(「NG」は「不適切」であることを意味する)と表示してもよい。
なお、本実施形態において、配色評価の結果を表示する方法は、図6に例示した方法には限定されない。出力装置103は、各構成要素に対する配色評価の結果と、当該結果となった理由とを表示可能な任意の方法により表示してよい。例えば、出力装置103は、図6に例示するように、評価対象物情報と評価結果を対応させて表示してもよいし、評価対象画面と評価結果とを対応させて表示してもよい。
以上説明した、本実施形態における配色評価装置101の動作を実現する処理について、図7に例示するフローチャートを用いて説明する。
まず、配色評価装置101は、入力装置102から、評価対象物に関する情報を受信する(ステップS701)。この際、配色評価装置101は、入力装置102から受信した情報に基づいて、評価対象物情報テーブル(例えば、図3に例示する301)と、意味テーブル(例えば、図5に例示する501)とを生成してもよい。なお、配色評価装置101は、入力装置102が生成した評価対象物情報テーブル(301)と、意味テーブル(501)とを受信してもよい。
次に、配色評価装置101は、色範囲テーブル(例えば、図4に例示する401)を参照して、画面要素(評価対象物)に割り当てられている色の色範囲を評価対象物情報テーブルに反映する(ステップS702)。
次に、配色評価装置101は、上記意味テーブルを参照し、各グループに分類された各画面要素(評価対象物)に対する配色評価の基準を設ける(ステップS703)。
次に、配色評価装置101は、上記ステップS703における配色評価の基準に従い、全ての画面要素に対して、当該画面要素が分類されたグループの関係性に基づいて配色を評価する(ステップS704)。
次に、配色評価装置101は、上記ステップS704における配色評価の結果に関する情報を生成し、当該情報を出力装置103に出力する(ステップS705)。
出力装置103は上記ステップS705において生成された配色評価の結果に関する情報を受信し、その評価結果を表示する。
以上説明した本実施形態に係る配色評価装置101は、上記グループの間の関係性に基づいて、配色評価の基準を設ける。これより、本実施形態に係る配色評価装置101は、例えば、上記基準に従って、上記グループの間の関係性が近い場合、当該グループに分類された評価対象物に一貫性がある色が配色されているか否かを評価可能である。一方、本実施形態に係る配色評価装置101は、上記グループの間の関係性が遠い場合、当該グループに分類された評価対象物に識別しやすい色が配色(異なる色範囲に属する色)されているか否かを評価可能である。
上記したように、それぞれの評価対象物は、例えば、評価対象物に表示する情報の意味(情報の類似性)、評価対象物が提示する機能の種類、評価対象物の構造あるいは配置等を基準として、上記グループに分類されている。
以上より、本実施形態に係る配色評価装置110によれば、評価対象画面を構成する評価対象物の配色が、適切な配色となっているか否かを評価可能である。具体的には、配色評価装置110は、評価対象物の配色が、当該評価対象物に表示する情報の意味、当該評価対象物が提示する機能の種類、当該評価対象物自体の配置あるいは構造等が考慮された適切な配色となっているか否かを評価可能である。
また、上記説明した本実施形態による配色評価装置110によれば、ユーザが、評価対象物対する配色のルールを容易に理解可能か否かについて、評価することが可能である。例えば、配色評価装置110は、評価対象物に対する配色に基づいて、ユーザが、評価対象物に表示する情報、評価対象物が提示する機能の種類、評価対象物自体の配置あるいは構造等の類似性を識別可能か否かについて、評価することができる。
ここで、上記したような評価対象物に対する配色の評価を人手に依存した場合、評価者によって評価基準が変動してしまう可能性がある。また、評価対象の画面構成によっては、人手による評価は、多大な工数を要する場合がある。これに対して、本実施形態に係る配色評価装置110によれば、評価対象画面の構成や評価者に依存せず、一定の評価結果が得られる。これにより、配色評価効率を大幅に向上させることができると共に、人手による評価ミスを防止することができる。
なお、上記説明においては、本実施形態における上記グループの例として、作業グループ(図3における符号301a)と、画面グループ(図3における符号301b)とを例示しているが、本実施形態はこれに限定されない。評価対象物を分類したグループは、上記以外にも、例えば、「通常状態」や「警告状態」等、システム画面に表示に関する状態の情報に基づいて評価対象物を分類したグループであってもよい。また、評価対象物を分類したグループは、例えば、「管理職」や「一般職」等、システムを利用するユーザ毎に評価対象物を分類したグループであってもよい。また、評価対象物を分類したグループは、「情報登録に関する画面」、あるいは、「情報確認に関する画面」など、システム画面が提示する機能の種類よって、評価対象物を分類したグループであってもよい。このように、本実施形態においては、評価対象物を上記グループに分類する特定の基準として、評価対象物に表示する情報、評価対象物が提示する機能の種類、評価対象物自体の配置あるいは構造等に関連する、種々の基準を採用可能である。
上記説明において、本実施形態における配色評価装置110は、関係性が近いグループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲(同一の色名に対応する色範囲)に属する色が配色されているか否かを評価基準とする。しかしながら、本実施形態はこれには限定されない。本実施形態における配色評価装置110は、関係性が近いグループに分類された評価対象物に対して、同一または類似の色範囲に属する色が配色されているか否かを、係る評価基準としてもよい。この場合、評価対象物に配色された色が類似しているか否を判定する基準は適宜定めてよい。配色評価装置110は、例えば、図4に例示するような色範囲テーブルを参照して、色範囲が隣接(色値の上限値または下限値が隣接)する色範囲を、類似する色範囲と定めてもよい。配色評価装置110は、また、隣接する色範囲のうち、色値の境界値から一定範囲内に属する色を、類似する色範囲と定めてもよい。
なお、本実施形態における配色の類比(類似)判定は上記に限定されない。配色評価装置110は、例えば、特定のグループに分類された評価対象物の色の平均値と、他のグループに分類された評価対象物の色の平均値とを算出してもよい。そして、配色評価装置110は、係る2つの平均値の間の差分に基づいて、各グループに対する配色の類比を判定してもよい。また、例えば、配色評価装置110は、特定のグループに分類された評価対象物の色の中央値と、他のグループに分類された評価対象物の色の中央値とを算出してもよい。そして、配色評価装置110は、係る2つの中央値の間の差分に基づいて、各グループに対する配色の類比を判定してもよい。即ち、本実施形態における係る配色の類比判定方法は、評価対象物に配色される色値と、特定の基準とに基づいて色の類比を判定可能な、任意の方法を採用してよい。これは、以下の各実施形態においても同様である。
また、上記説明においては、入力装置102を介してユーザが評価対象物に関する情報を入力しているが、本実施形態はこれに限定されない。
例えば、入力装置102が、評価対象となるシステムの画面を収集し、収集した画面の情報を解析して、配色評価装置101に入力してもよい。システム画面の収集は、例えば、システム画面の操作等を自動で実行する自動処理ツールを使用してもよい。また、システム画面がネットワークを介したオンライン処理で表示される場合には、送受信される画面表示データをキャプチャしてもよい。また、入力装置102に対してシステム画面を提供するソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム等)を入力し、入力装置102が係るソフトウェア・プログラムを解析して、画面の構成情報を抽出してもよい。
更に、例えば、入力装置102に対して特定のシステムに対する設計ドキュメント、マニュアル、利用者ガイドなどの情報を入力し、入力装置102が、当該情報を解析した結果から評価対象物に関する情報(グループに関する情報を含む)を抽出してもよい。これは、以下の各実施形態においても同様である。
また、上記説明においては、配色評価装置101と、入力装置102とをそれぞれ独立した構成要素としているが、本実施形態はこれに限定されない。本実施形態における配色評価装置101は、入力装置102に相当する機能を当該配色評価装置101の内部に有してもよい。この場合、本実施形態における配色評価装置101のユーザが、上記評価対象物に関する情報を、当該配色評価装置101に対して直接入力するよう構成してもよい。これは、以下の各実施形態においても同様である。
また、上記説明においては、配色評価部101aは、例えば、図5に例示する意味テーブル501を解釈して、上記(A)乃至(D)に記載した基準に基づいて配色を評価する。本実施形態においては、例えば、配色評価部101aは、図5に例示する意味テーブル501を解釈して上記評価基準を生成してもよい。また、配色評価部101aは、予め複数の評価基準を保持しておき、意味テーブル501の内容に基づいて、当該保持手している評価基準から適切な基準を選択してもよい。上記に限定されず、本実施形態における配色評価部101aは、図5に例示する意味テーブルを解釈して、適宜適切な方法を用いて評価基準を設定してよい。これは、以下の各実施形態においても同様である。
なお、図5に例示した意味テーブル501においては、「遠い」「近い」などの表記により、グループの間の関係性(図5における符号501b)を表しているが、本実施形態はこれには限定されない。係るグループの間の関係性(501b)については、当該グループの間の関連度合い(遠近関係)が、任意の表現により設定されてよい。これは、以下の各実施形態においても同様である。
また、意味テーブル501におけるグループ間の関係性501bには、例えば、特定のグループの間の遠近関係を判定可能な基準値に基づいて、当該グループの間の遠近関係が設定されてもよい。この場合、例えば、特定のグループの間の遠近関係(を表す値)が係る特定の基準値以下の場合、グループ間の関係性501bには、当該グループの間の関係性が近いことを表す情報が設定される。また、特定のグループの間の遠近関係が係る特定の基準値より大きい場合、グループ間の関係性501bには、当該グループの間の関係性が遠いことを表す情報が設定される。
また、複数の基準値を設けることにより、グループ間の関係性501bに対して、グループ間の遠近関係を多段階で設定してもよい。この場合、配色評価部101aは、例えば、係る多段階の遠近関係に基づいて、最も近いグループに分類された評価対象物には同一色範囲に属する色が配色されているか否かを評価してもよい。また、配色評価部101aは、次に近いグループに分類された評価対象物には隣接する色範囲に属する色が配色されているか否かを評価してもよい。また、配色評価部101aは、最も遠いグループに分類された評価対象物に、異なる色範囲に属する色が配色されているか否かを評価してもよい。
また、係るグループ間の関係性501bには、遠近関係に相当するフラグ(例えば、関係性が近ければTRUE、遠ければFALSE等)を用いることにより、当該グループの間の遠近関係が設定されてもよい。
また、係るグループ間の関係性501bには、遠近関係を表すラベルを用いることにより、当該グループ間の遠近関係が設定されてもよい。この場合、配色評価部101aは、係るラベルに対応した評価基準を予め保持したり、生成したりしてもよい。そして、配色評価部101aは、係るラベルに対応した評価基準に基づいて、評価対象物に対する配色を評価してもよい。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
本実施形態に係る配色評価装置(図8の801)は、各評価対象部に配色された色の色範囲に加えて、各評価対象物に配色された色の違いも考慮して当該評価対象物に関する配色を評価する。本実施形態に係る配色評価装置(図8の801)は、上記点において上記第1の実施形態に係る配色評価装置(図1の101)と相違する。以下、係る相違点を中心に説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る配色評価装置の機能的な構成を例示する、ブロック図である。図8において、入力装置102及び出力装置103は、上記第1の実施形態と同様としてよいので、説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態における配色評価装置801は、配色評価部801aと、色範囲保持部802bと、結果出力部801cと、色差保持部801dとを有する。配色評価装置801の構成要素である、配色評価部801aと、色範囲保持部802bと、結果出力部801cと、色差保持部801dとの間は、それぞれ通信可能に接続されている。
色範囲保持部801b及び、結果出力部801cは、上記第1の実施形態における色範囲保持部101b及び、結果出力部101cと同様としてよいので、説明を省略する。
色差保持部801dは、隣接した色範囲に属する色が識別可能か否かを評価する際に参照する、色差の閾値に関する情報を保持する。本実施形態においては、配色評価装置801は、特定の色範囲に属する色と、当該特定の色範囲に隣接する色範囲に属する色とが、当該色差の閾値以上離れている場合に、それらの色を容易に識別可能であると判定する。
本実施形態における色差保持部801dは、例えば、図9に具体例として例示する色差テーブル(図9においける符号901)のような形式を用いて、係る色差に関する情報を保持してもよい。色差テーブル901は、各色範囲の境界(図9における符号901a、例えば「橙と黄」等)と、係る境界において保つべき色差(図9における符号901b)とを関連付けて保持する。なお、図9に例示する色差テーブル901においては、当該色差を表すはを、HLS空間における色相値(H値)を用いて表される。
なお、図9に例示する色差テーブル901においては、色差の値(図9における符号901b)は、上記したHLS空間における色相値(H値)を用いて表されるが、上記第1の実施形態と同様、本実施形態における表色空間は、これに限定されない。また、図9に例示されている色名(図9における符号901aに記載した「橙」「黄」「青」「緑」「紫」等)、及び、色差の値(図9における符号901b)は、一具体例であり、本実施形態はこれに限定されない。
本実施形態における配色評価部801aは、色範囲保持部801bが保持する色範囲テーブル(例えば、図4に例示する色範囲テーブル401)及び、上記色差保持部801dが保持する色差テーブル(例えば、図9に示す色差テーブル901)を参照する。そして、配色評価部801aは、評価対象物である画面の構成要素に配色された色の範囲を特定し、当該評価対象物の配色に対する一貫性等を評価する。
なお、本実施形態における配色評価部801aは、上記第1の実施形態と同様、入力装置102より入力される情報に基づいて生成される評価対象物情報テーブルと、意味テーブルとを保持する。
次に、上記のように構成された、本実施形態における配色評価装置801の動作について説明する。以下、具体例として、本実施形態における配色評価装置801が、図10に例示する評価対象物情報テーブル1001と、図5に例示する意味テーブル501とを保持する場合について説明する。
まず、本実施形態における配色評価部801aは、上記第1の実施形態と同様、評価対象物情報テーブル(例えば、図10における符号1001)と、色範囲テーブル(例えば、図4に例示する符号401)とを参照する。そして、配色評価部801aは、評価対象物情報テーブル1001に記載された各評価対象の配色に該当する色名を、評価対象物情報テーブル1001の色名(図10の1001e)に反映する。
次に、配色評価部801aは、上記第1の実施形態と同様、上記グループの間の関係性に基づいて、当該評価対象物に対する配色評価基準を設ける。本実施形態における配色評価部801aは、上記第1の実施形態と同様、関係性が近いグループに分類された(複数の)評価対象物の間における配色の類似性を、配色評価の基本的な評価基準とする。これとともに、配色評価部801aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物の間における配色の非類似性を、配色評価の基本的な評価基準とする。
これより、本実施形態における配色評価部801aは、関係性が近いグループに分類された評価対象物については、同一の色範囲に収まるよう配色されている場合には問題無しと評価し、そうでない場合には問題ありと評価する。
更に、本実施形態における配色評価部801aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物については、異なる色範囲となるよう配色されているか否かを評価する。ここで、本実施形態における配色評価部801aは、上記評価の結果、関係性が遠いグループに分類された評価対象物について、異なる色範囲となるよう配色されている場合、更に当該色範囲が隣接しているか否か判定する。当該判定の結果、評価対象物に配色される色範囲が隣接している場合は、当該評価対象物に配色される色(色範囲が隣接した色)の間に所定値以上の色差があるか否かを評価する。
即ち、本実施形態における配色評価部801aは、関係性が遠いとグループに分類された評価対象物に対して、異なる色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。そして配色評価部801aは、当該色範囲が隣接する場合は、更に、それらの色範囲に属する色の間に所定値以上の色差が存在するか否かを評価する。本実施形態における配色評価部801aは、上記評価の結果、所定値以上の色差が存在する場合は問題無しと評価し、そうでない場合には問題ありと評価する。
なお、上記に加え、本実施形態における配色評価部801aは、上記第1の実施形態と同様、関係性が遠いグループに分類された評価対象物について、隣接しない異なる色範囲となるよう配色されている場合は問題無しと評価する。また、配色評価部801aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物について、同一の色範囲に配色されている場合は問題ありと評価する。
図5に例示する意味テーブル501を具体例として説明すると、本実施形態における配色評価部801aは、以下のような評価基準に基づいて、各評価対象物に対する配色を評価する。
(A−2)配色評価部801aは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に対して、異なるの色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。更に、配色評価部801aは、評価対象物の配色が異なる色範囲に属する場合、当該相異なる色範囲が隣接するか否かを判定する。当該色範囲が隣接する場合、配色評価部801aは、当該隣接する色範囲に属する色について、所定値以上の色差が存在するか否かを評価する。
即ち、配色評価部801aは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に対して、異なる色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。配色評価部801aは、当該色範囲が隣接する場合は更に、それらの色範囲に属する色の間に所定値以上の色差が存在するか否かを評価する。結果として、配色評価部801aは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されている場合、問題ありと評価する。配色評価部801aは、あるいは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に対して配色された色が、所定値以下の色差である場合には、問題ありと評価する。配色評価部801aは、上記以外の場合には、問題無しと評価する。
(B)配色評価部801aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。即ち、配色評価部801aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されている場合は問題無しと評価する。一方、配色評価部801aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して異なる色範囲に分類された色が配色されている場合は問題ありと評価する。
(C−2)配色評価部801aは、相異なる画面グループに分類された評価対象物に対して、上記(A−2)及び(B)と同様の評価を実行する。即ち、配色評価部801aは、当該評価対象物が分類された作業グループに基づいて、当該グループに分類された評価対象物の配色を評価する。
(D)配色評価部801aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。即ち、配色評価部801aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されている場合は問題無しと評価する。一方、配色評価部801aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、非類似の色範囲に分類された色が配色されている場合は問題ありと評価する。
上記の通り、上記第1の実施形態における評価基準(A)乃至(D)に対して、本実施形態における評価基準は上記(A−2)及び(C−2)のみ異なる。
上記第1の実施形態においては、配色評価部101aは、グループの間の関係性に基づいて、関係性が近い評価対象物には同一の色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。また、上記第1の実施形態においては、配色評価部101aは、関係性が遠い評価対象物には異なる色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。
関係性が遠い評価対象物に対して異なる色範囲に属する色が配色されているが、当該異なる色範囲同士が隣接していることを想定する。この場合には、評価対象物に配色された色の間に一定以上の色差が無ければ、評価対象物に対する配色の違いを認識しにくいと考えられる。
これより、本実施形態における配色評価部801aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物に対して、隣接する(異なる)色範囲に属する色が配色されている場合、配色された色の間に所定値以上の色差が存在するか否かを評価する。そして、配色評価部801aは、そのような評価対象物に対して配色された色の間に、所定値以上の色差があれば配色に問題無しと評価する。また、配色評価部801aは、係る色差が所定値未満の場合は、配色に問題ありと評価する。なお、配色評価部801aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物に配色された色範囲が隣接していない場合、係る色差は評価しなくともよい。
次に、配色評価部101aは、上記評価基準に基づいて、各評価対象物に対する配色を評価する。以下図9乃至図12に例示する具体例を用いて、本実施形態における配色評価について具体的に説明する。
まず、配色評価部101aは、上記基準(B)及び基準(D)については、上述した第1の実施形態と同様に処理すればよいので、説明を省略する。また、配色評価部101aは、上記基準(C−2)についても、下記に説明する基準(A−2)及び上記基準(B)と同様の評価をすればよいので、説明を省略する。
次に、上記基準(A−2)に該当する場合について説明する。本実施形態における配色評価部801aは、図10に例示する評価対象物情報テーブル1001を参照し、「作業1」グループに分類された構成要素(「画面要素1」乃至「画面要素7」)に対する配色は全て同一(「青」)であると判定する。同様に、配色評価部801aは、「作業2」グループに分類された構成要素(「画面要素8」乃至「画面要素13」)に対する配色が全て同一(「緑」)であると判定する。これにより、配色評価部801aは、これら異なるグループに分類された構成要素に対しては異なる色範囲に属する色が配色されていると判定する。
次に、配色評価部801aは、図9に例示する色差テーブル901を参照し、上記「作業1」グループに分類された構成要素に対する配色と、「作業2」グループに分類された構成要素に対する配色とが隣接するか否かを判定する。この場合、それぞれの配色は「青」と「緑」であることから、これらの配色は隣接すると判定する。更に、配色評価部801aは、色差テーブル901から、色範囲「緑」と「青」とが保つべき色差(図9における図番901b)を抽出する。この場合、当該色差は「40」と規定されている。
次に、配色評価部801aは、「作業1」グループ及び「作業2」グループのそれぞれについて、それぞれのグループに分類された構成要素のうち、配色された色値が「青」と「緑」の境界値に最も近い画面要素(構成要素)を選択する。
次に、配色評価部801aは、当該選択した構成要素に配色された色値の間に、上記抽出した色差の規定値である「40」以上の色差が存在するか判定する。
以上をまとめて、図11に例示する模式図を用いて配色評価部801aの処理を説明する。まず、配色評価部801aは、「作業1」グループに分類された画面要素(構成要素)のうち、色範囲「青」と「緑」との境界値に最も近い画面要素に配色された色の色値を確認する。ここで、図4に示す色範囲テーブルにおける色範囲「青」と「緑」との境界値は「155」である。次に、配色評価部801aは、「作業2」グループに分類された画面要素のうち、色範囲「青」と「緑」との境界値に最も近い画面要素に配色された色の色値を確認する。配色評価部801aは、上記確認した「作業1」グループまたは「作業2」グループに分類された画面要素に関する色値の間に、所定値以上の色差が存在するか確認する。ここで、図9に例示する色差テーブルを参照すると、色範囲「青」及び「緑」に関して、係る所定値は「40」である。配色評価部801aは、係る所定値以上の色差が存在する場合、それぞれの画面要素に対する配色に問題が無いと評価する。
ここで、図10に例示する評価対象物情報テーブル1001においては、例えば、「作業1」グループに分類された構成要素のうち、色範囲「青」と「緑」の境界に最も近い色が配色されているのは「画面要素1」であり、その色値は160である。同様に、「作業2」グループに分類された構成要素のうち、色範囲「青」と「緑」の境界に最も近い色が配色されているのは「画面要素14」であり、その色値は140である。
この場合、それぞれの構成要素に配色された色の間の色差は160−140=20であり、係る色差は、上記抽出した色差の規定値である「40」未満である。これより、配色評価部801aは、「作業1」グループに分類された構成要素と、「作業2」グループに分類された構成要素について、配色に問題があると評価する。
配色評価部801aは、全ての評価対象物について、上記評価基準に従って配色の妥当性を評価し、全ての基準において配色に問題なしと評価された画面要素については問題なしと評価する。配色評価部801aは、いずれか1つ以上の基準に基づく評価において問題ありと評価された画面要素については問題ありと評価する。
配色評価部801aは、上記配色評価の結果を、結果出力部801cに出力(送信)する。
結果出力部801cは、上記第1の実施形態と同様、上記配色評価部801aから出力された配色評価の結果を、出力装置103に適した形式に適宜変換して、出力装置103に送信する。
出力装置103は、上記第1の実施形態と同様、配色評価装置801(結果出力部801c)から受信した配色評価の結果を表示する。本実施形態における出力装置103は、例えば、図12に例示するような形式により、上記配色評価の結果を表示してもよい。
以上説明した、本実施形態における配色評価装置801の動作を実現する処理について、図13に例示するフローチャートを用いて説明する。
まず、図13に例示するステップS1301乃至ステップS1304は、ぞれぞれ、図7に例示するステップS701乃至ステップS704と同様の処理としてよいため、説明を省略する。
次に、配色評価装置801(特には、配色評価部801a)は、関係性が遠いグループに分類された構成要素に対して配色された色範囲が、隣接しているか確認する(ステップS1305、S1306)。当該色範囲が隣接している場合(ステップS1306においてYES)、配色評価装置801は、色差テーブル(例えば図に例示する色差テーブル901)を参照する。そして、配色評価装置801は、関係性が遠いグループに分類された構成要素に配色された色のうち、当該隣接した色範囲の境界に最も近い色の色値の間に、色差テーブルに規定された所定値以上の色差が存在するか評価する(ステップS1307)。
配色評価装置801は、上記ステップS1307において、一定以上の色差があれば問題無し、色差が一定未満の場合は配色に問題ありと評価する。なお、配色評価装置801は、関係性が遠いグループに分類された構成要素に対して配色された色範囲が隣接していない場合は評価終了としてよい(ステップS1306においてNO)。
次に、配色評価装置801は、配色評価の結果に関する情報を生成し、当該情報を出力装置103に出力する(ステップS1308)。
出力装置103は上記ステップS1308において生成された配色評価の結果に関する情報を受信し、その評価結果を表示する。
以上説明した本実施形態に係る配色評価装置801は、第1の実施形態と同様、評価対象物の特性や属性等に応じて、類似の特性や属性を有する評価対象物の配色に一貫性があるか否かを、上記基準に従って評価可能である。一方、配色評価装置801は、非類似の特性や属性を有する評価対象物の配色については識別しやすい配色(異なる色範囲に属する色)になっているか否かを、上記基準に従って評価可能である。
更に、本実施形態に係る配色評価装置801は、関係性が遠いグループに分類された評価対象物について、ぞれぞれのグループに分類された評価対象物に対する配色の色差を考慮して、当該評価対象物に対する配色の適否を評価する。これより、本実施形態に係る配色評価装置801によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、本実施形態に係る配色評価装置801によれば、関係性が遠いグループに分類された評価対象物については、より識別性が高い色が配色されているか否かを評価可能である。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。以下の説明においては、本実施形態に係る特徴的な部分を中心に説明すると共に、上述した第1及び第2の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
本実施形態に係る配色評価装置(図14における1401)は、上記グループの間の関係性(遠さ)に応じて、それぞれのグループに分類された評価対象物に対して配色される色の色差が大きくなることを考慮して、当該評価対象物に対する配色を評価する。本実施形態に係る配色評価装置1401は、上記点において上記第1及び第2の実施形態に係る配色評価装置と相違することから、以下、係る相違点を中心に説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態に係る配色評価装置1401の機能的な構成を例示する、ブロック図である。図14において、入力装置102及び出力装置103は、上記第1及び第2の実施形態と同様としてよいので、説明を省略する。
図14に示すように、本実施形態における配色評価装置1401は、配色評価部1401aと、色範囲保持部1401bと、結果出力部1401cと、色差保持部1401dとを有する。配色評価装置1401の構成要素である、配色評価部1401aと、色範囲保持部1401bと、結果出力部1401cと、色差保持部1401dとの間は、それぞれ通信可能に接続されている。
ここで、色範囲保持部1401b及び、結果出力部1401cは、上記第2の実施形態における色範囲保持部801b及び、結果出力部801cと同様としてよいので、説明を省略する。
また、本実施形態にける色差保持部1401dは、上記第2の実施形態における色差保持部801dと同様としてよい。なお、本実施形態において、色差保持部1401dを設けるか否かは任意としてよいので、説明を省略する。
本実施形態における配色評価部1401aは、上記第1の実施形態と同様、入力装置102より入力される情報をもとに生成される評価対象物情報テーブルと、意味テーブルとを保持する。また、本実施形態における配色評価部1401aは、色範囲保持部1401bが保持する色範囲テーブルを参照して、評価対象物である画面の構成要素に配色された色の範囲を特定し、当該評価対象物の配色について一貫性等を評価する。
次に、上記のように構成された、本実施形態における配色評価装置1401の動作について説明する。以下、本実施形態における一具体例として、本実施形態における配色評価装置1401が図15に例示する意味テーブル1501を保持する場合について説明する。なお、以下の説明において、評価対象物情報テーブルは任意の構成としてよい。
まず、本実施形態における配色評価部1401aは、上記第1及び第2の実施形態と同様、評価対象物情報テーブルと、色範囲テーブルとを参照する。そして、配色評価部1401aは、評価対象物情報テーブルに記載された各評価対象の配色に該当する色名を、評価対象物情報テーブルの色名に反映する。
次に、配色評価部1401aは、上記第1及び第2の実施形態と同様、上記グループの間の関係性に基づいて、当該評価対象物に対する配色評価基準を設ける。
本実施形態における配色評価部1401aは、上記第1及び第2の実施形態と同様、関係性が近いグループに分類された(複数の)評価対象物の間における配色の類似性を配色評価の基本的な評価基準とする。また、本実施形態における配色評価部1401aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物の間における配色の非類似性を、配色評価の基本的な評価基準とする。
これより、本実施形態における配色評価部1401aは、関係性が近いグループに分類された評価対象物については、同一の色範囲に収まるよう配色されている場合には問題無しと評価し、そうでない場合には問題ありと評価する。
更に、本実施形態における配色評価部1401aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物については、異なる色範囲となるよう配色されているか否かを評価する。
ここで、本実施形態における配色評価部1401aは、関係性が「非常に遠い」グループに分類された評価対象物については、その配色を以下のように評価する。即ち、配色評価部1401aは、それぞれのグループに分類された評価対象物に対する配色が異なる色範囲であるか否か、および、配色される色の色差が大きいか否か、を評価する。この場合において、本実施形態における配色評価部1401aは、例えば、上記した色差が大きいか否かを、係る色差が所定の基準値以上か否かに基づいて評価してもよい。
上記評価の結果、配色評価部1401aは、関係性が遠いグループに分類された評価対象物について、異なる色範囲となるよう配色されている場合には、問題無しと評価し、そうでない場合には問題ありと評価する。更に、配色評価部1401aは、関係性が「非常に遠い」グループに分類された評価対象物に配色される色の色差が(所定の基準等に基づいて)大きい場合には、問題無しと評価し、そうでない場合には問題ありと評価する。
以下、図15に例示する意味テーブル1501を具体例として説明する。本実施形態における配色評価部1401aは、以下のような評価基準((A−3)乃至(D))に基づいて、各評価対象物に対する配色を評価する。
(A−3)配色評価部1401aは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に対して、それぞれ異なる色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。更に、意味テーブル1501には、相異なる作業グループの間の関係性は「非常に遠い」と設定されている。これより、配色評価部1401aは、相異なる作業グループに分類された評価対象物に配色される色の色差が十分大きいか否かを評価する。
配色評価部1401aは、例えば、相異なるグループに分類された評価対象物について、それぞれに配色される色の色差が特定の基準値より大きいか否かを評価してもよい。この場合、配色評価部1401aは、例えば、グループ毎に、当該グループに分類された評価対象物に配色された色値(例えば、HLS表色空間におけるH値)の平均値(以下、グループ平均色値と称する場合がある)を算出する。そして、配色評価部1401aは、色差と特定の基準値との大小関係を下式に基づいて評価してもよい。
(異なるグループ間における、グループ平均色値の差分)≧{(色相環をグループ数で等分した値)−(特定の閾値Th1)}、
上式の場合、「{(色相環をグループ数で等分した値)−(特定の閾値Th1)}」により計算された値が、相異なるグループに分類された評価対象物に配色される色の色差が大きいか否かを判定する際に用いるられる特定の基準値として採用される。
配色評価部1401aは、例えば、あるグループに分類された全構成要素の色値を用いて、上式におけるグループ平均色値を算出してもよい。また、配色評価部1401aは、例えば、あるグループに分類された構成要素に対する配色の中で、最も数多く配色された色範囲に属する色値を用いて、上式におけるグループ平均色値を算出してもよい。
上式における「(色相環をグループ数で等分した値)」は、グループ数をNとした場合、360をNで除算した値としてもよい。
上式における特定の閾値Th1は、例えば、グループの数等に応じて適宜設定されてもよく、または実験値などから予め算出した値が設定されてもよい。また、配色評価部1401aは、グループ数に応じて色差の閾値を予め用意しておき、閾値以上の色差があれば問題無し、閾値未満であれば問題ありと評価してもよい。
なお、グループ数が多い場合、色相環をグループ数で等分すると、同じ色範囲(例えば図4に例示する色名に対応する色値の範囲)に複数のグループ平均色値が収まってしまう可能性がある。この場合、配色評価部1401aは、例えば、結果出力部1401cに対して、適宜警告等を出力してもよい。
(B)配色評価部1401aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。即ち、配色評価部1401aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されている場合は問題無しと評価する。一方、配色評価部1401aは、同一の作業グループに分類された評価対象物に対して、異なる色範囲に分類された色が配色されている場合は問題ありと評価する。
(C−3)配色評価部1401aは、相異なる画面グループに分類された評価対象物に対して、上記(A−3)及び(B)と同様の評価を実行する。即ち、配色評価部1401aは、当該評価対象物が分類された作業グループに基づいて、当該グループに分類された評価対象物の配色を評価する。
(D)配色評価部1401aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されているか否かを評価する。即ち、配色評価部1401aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、同一の色範囲に属する色が配色されている場合は問題無しと評価する。一方、配色評価部1401aは、同一の画面グループに分類された評価対象物に対して、非類似の色範囲に分類された色が配色されている場合は問題ありと評価する。
上記の通り、上記第1及び第2の実施形態に記載した評価基準に対して、本実施期形態における評価基準は、上記(A−3)及び(C−3)のみ異なり、(B)、(D)は同様である。
即ち、本実施形態においては、配色評価部1401aは、上記グループの間の関係性が「非常に遠い」場合は、それぞれのグループに分類された当該評価対象物に配色される色の間の色差が、大きくなっているか否か(特に、特定の基準値よりも大きいか否か)を評価する。この点において、本実施形態は、上記第1及び第2の実施形態と異なる。
次に、配色評価部1401aは、上記評価基準に基づいて、各評価対象物に対する配色を評価する。以下図10及び図15に例示する具体例を用いて、本実施形態における配色評価について具体的に説明する。
まず、配色評価部1401aは、上記基準(B)及び基準(D)については、上述した第1の実施形態と同様に処理すればよいので、説明を省略する。また、配色評価部1401aは、上記基準(C−3)についても、下記に説明する基準(A−3)及び上記基準(B)と同様の評価をすればよいので、説明を省略する。
次に、上記基準(A−3)に該当する場合について説明する。
本実施形態における配色評価部1401aは、上記第2の実施形態と同様、図10に例示する評価対象物情報テーブル1001を参照する。そして、配色評価部1401aは、「作業1」グループに分類された構成要素(「画面要素1」乃至「画面要素7」)に対する配色は全て同一(「青」)であると判定する。同様に、配色評価部1401aは、「作業2」グループに分類された構成要素(「画面要素8」乃至「画面要素13」)に対する配色が全て同一(「緑」)であると判定する。これにより、配色評価部1401aは、これら異なるグループに分類された構成要素に対しては異なる色範囲に属する色が配色されていると判定する。
配色評価部1401aは、図15に例示する意味テーブル1501を参照する。意味テーブル1501においては、異なる作業グループの間の関係性が、「非常に遠い」と設定されている。これより、配色評価部1401aは、図10に例示する評価対象物情報テーブル1001における「作業1」グループに分類された構成要素に対する配色と、「作業2」グループに分類された構成要素に対する配色との間の色差が大きいか否かを評価する。
具体的には、配色評価部1401aは、まず「作業1」グループの構成要素である「画面要素1」乃至「画面要素7」に配色された色値の平均値を算出する。同様に、配色評価部1401aは、「作業2」グループの構成要素である「画面要素8」乃至「画面要素13」に配色された色値の平均値を算出する。
次に、配色評価部1401aは、上記特定の基準値として{(色相環をグループ数で等分した値)−(特定の閾値Th1)}の値を算出する。この場合、「(色相環をグループ数で等分した値)」は、360÷2(グループ数は「作業1」及び「作業2」で「2」)としてよく、「(特定の閾値Th1)」は適宜定められてよい。
次に、配色評価部1401aは、上記「作業1」グループについて算出したグループ平均色値と、「作業2」グループについて算出したグループ平均色値との差分を算出する。そして、配色評価部1401aは、当該差分が上記算出した特定の基準値以上となっているか判定する。
配色評価部1401aは、当該判定の結果、上記算出したグループ平均色値の差分が、上記算出した特定の基準値以上であれば問題無し、上記算出した特定の基準値未満であれば問題ありと判定する。
配色評価部1401aは、全ての評価対象物について、上記評価基準に従って配色の妥当性を評価し、全ての基準において配色に問題なしと評価された画面要素については問題なしと評価する。配色評価部1401aは、いずれか1つ以上の基準に基づく評価において問題ありと評価された画面要素については問題ありと評価する。
配色評価部1401aは、上記配色評価の結果を、結果出力部1401cに出力(送信)する。
結果出力部1401cは、上記第1の実施形態と同様、上記配色評価部1401aから出力された配色評価の結果を、出力装置103に適した形式に適宜構成して、出力装置103に送信する。
出力装置103は、上記第1の実施形態と同様、配色評価装置1401(結果出力部1401c)から受信した配色評価の結果を表示する。本実施形態における出力装置103は、上記第1及び第2の実施形態と同様の形式により、上記配色評価結果を表示してもよい。
なお、上記したように、グループ数が多く、同じ色範囲(例えば図4に例示する色名に対応する色値の範囲)に複数のグループ平均色値が収まってしまう場合、配色評価部1401aは、結果出力部1401cに対して警告等を出力してもよい。この場合、結果出力部1401cは、出力装置103に対して、当該警告等に関する情報を出力(送信)する。当該警告等に関する情報を受信した出力装置103は、例えば、警告メッセージを表示する等、ユーザに対して適宜当該警告の内容を表示してもよい。
以上説明した、本実施形態における配色評価装置1401の動作を実現する処理について、図16に例示するフローチャートを用いて説明する。
まず、図16に例示するステップS1601乃至ステップS1604は、ぞれぞれ、図7に例示するステップS701乃至ステップS704と同様の処理としてよいため、説明を省略する。
次に、配色評価装置1401(特には、配色評価部1401a)は、グループの間の関係性が非常に遠い上記グループが存在するか判定する(ステップS1605、S1606)。
関係性が非常に遠いグループが存在する場合(ステップS1606においてYES)、配色評価装置1401は、当該関係性が非常に遠い、相異なるグループに分類された画面要素に対する配色が、所定の色差基準値以上離れているか評価する(ステップS1607)。
配色評価装置1401は、上記ステップS1607において、画面要素に対する配色が所定の色差基準値以上離れていれば問題無し、そうでなければ問題ありと評価する。なお、配色評価装置1401は、関係性が非常に遠いグループが存在しない場合は評価終了としてよい(ステップS1606においてNO)。
次に、配色評価装置1401は、配色評価の結果に関する情報を生成し、当該情報を出力装置103に出力する(ステップS1608)。
出力装置103は上記ステップS1608において生成された配色評価の結果に関する情報を受信し、その評価結果を表示する。
以上説明した本実施形態に係る配色評価装置1401は、上記第1の及び第2の実施形態と同様、評価対象物の特性や属性等に応じて、類似の特性や属性を有する評価対象物の配色に一貫性があるか否かを、上記基準に従って評価可能である。一方、配色評価装置1401は、非類似の特性や属性を有する評価対象物の配色については識別しやすい配色(異なる色範囲に属する色)になっているか否かを、上記基準に従って評価可能である。
更に、本実施形態に係る配色評価装置1401は、上記グループの間の関係性が非常に遠い場合に、それぞれのグループに分類された評価対象物に対する配色の色差が大きいか否かを評価する。以上より、本実施形態に係る配色評価装置1401によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、本実施形態に係る配色評価装置1401によれば、関係性が非常に遠い評価対象物については、より識別性が高い色が配色されているか否かを評価可能である。
なお、上記説明においては、配色評価装置1401は、相異なるグループ毎に、当該グループに分類された評価対象物に配色された色値の平均値を算出する。そして、配色評価装置1401は、相異なるグループ間の当該平均値の差分が、特定の基準値より大きいか否かを評価する。しかしながら、本実施形態は上記には限定されない。本実施形態における配色評価部1401aは、例えば、上記平均値の代わりに、それぞれのグループ毎に当該グループに分類された評価対象物に配色された色値の中央値を用いてもよい。
即ち、本実施形態における配色評価部1401aは、特定のグループに分類された評価対象物に配色される色に基づいて、適宜適切な方法により、当該グループを代表する色値(例えば平均値や中央値等)を算出してよい。そして、配色評価部1401aは、あるグループについて算出した当該グループを代表する色値と、他のグループについて算出した当該他のグループを代表する色値との差分(色差)が、特定の基準値よりも大きいか否かを評価してもよい。なお、この場合において、あるグループを代表する色値の算出する方法と、他のグループの色値を算出する方法とは、同じ方法でもよく、異なる方法でもよい。
<第4の実施形態>
次に、上述した各実施形態に共通する構成について、本発明の第4の実施形態として、図17を参照して説明する。
図17は、本発明の第4の実施形態に係る配色評価装置の機能的な構成を例示する、ブロック図である。図17において、入力装置102及び出力装置103は、上記第1乃至第3の実施形態と同様としてよいため、説明を省略する。
図17に示すように、本実施形態における配色評価装置1701は、配色評価部1701aと、色範囲保持部1702bとを有する。また、本実施形態における配色評価装置1701は、結果出力部1701cを有してもよい。なお、これらの構成要素の間は通信可能に接続されている。
本実施形態における、色範囲保持部1701bは、評価対象画面に表示される評価対象物に配色された色範囲に関する情報を保持する。
本実施形態における、配色評価部1701aは、少なくとも上記評価対象物に対する配色に関する情報と、上記評価対象物を特定の基準に従って分類したグループに関する情報とを含む、評価対象物情報を保持する。
また、本実施形態における、配色評価部1701aは、上記グループの間の関係性が設定されている、グループ関係性情報を保持する。
次に、上記のように構成された本実施形態における配色評価装置の動作について説明する。
本実施形態における配色評価装置1701は、上記色範囲保持部1701bが保持する色範囲情報と、上記評価対象物情報に基づいて、それぞれの評価対象物に対する配色を識別する。
次に、配色評価装置1701は、上記評価対象物情報と、上記グループ関係性情報とに基づいて、上記評価対象物に対する配色を評価する。配色評価装置1701は、上記配色の評価結果を、出力装置103に送信してもよい。係るグループ関係性情報は、例えば、上記各実施形態における意味テーブル(図5の501、図15における1501)等の形式で保持されてもよい。
本実施形態において、上記評価対象物情報は、上記評価対象物に表示される情報の意味を基準として当該評価対象物を分類したグループに関する情報を含んでもよい。また、上記評価対象物情報は、上記評価対象物が上記評価対象画面において提示する機能を基準として当該評価対象物を分類したグループに関する情報を含んでもよい。
また、本実施形態において、上記配色評価部1701aは、上記グループ関係性情報に基づいて、上記評価対象物に対する配色を評価可能な評価基準を生成してもよい。
また、本実施形態において、上記配色評価部1701aは、上記生成した評価基準に基づいて、上記グループに分類された上記評価対象物に対する配色を評価してもよい。具体的には、上記配色評価部1701aは、上記グループの間の関係性が近い場合に、それぞれのグループに分類された上記評価対象物に対する配色が、同一または類似した色範囲に割り当てられているか否かを評価してもよい。
また、本実施形態において、上記配色評価部1701aは、上記グループの間の関係性が遠い場合に、当該それぞれのグループに分類された上記評価対象物に対する配色が、異なる色範囲に割り当てられているか否かを評価してもよい。
以上説明した本実施形態に係る配色評価装置1701は、評価対象物を分類したグループに関する情報と、当該グループに分類された評価対象物間の関係性に関する情報とに基づいて、当該評価対象物に対する配色を評価する。係るグループは、評価対象物の特性や属性等の特定の基準に基づいて評価対象物が分類されることにより形成される集合である。
これより、本実施形態に係る配色評価装置1701は、例えば、評価対象物の特性や属性等に応じて、類似の特性や属性を有する評価対象物の配色について一貫性があるか否かを評価可能である。一方、本実施形態に係る配色評価装置1701は、非類似の特性や属性を有する評価対象物の配色について、識別しやすい配色(異なる色範囲に属する色)になっているか否かを、評価可能である。
よって、本実施形態に係る配色評価装置1701によれば、評価対象画面を構成する評価対象物について、当該評価対象物に表示する情報の意味や、評価対象物が提示する機能の種類を考慮して、適切な配色となっているか否かを評価できる。
<ハードウェア及びソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)の構成>
以下、上記説明した各実施形態を実現可能なハードウェア構成について説明する。
上記各実施形態において説明した配色評価装置(101、801、1401、1701:以下、これらを総称して単に配色評価装置と称する)は、それぞれの機能を実現する専用のハードウェア装置により構成してもよい。
その場合、図1、図8、図14、図17に示した各部は、一部または全部を統合したハードウェア(処理ロジックを実装した集積回路等)として実現されてもよい。
また、上述した配色評価装置は、図18に例示するようなハードウェアと、係るハードウェアによって実行される各種ソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)とによって構成してもよい。
図18における演算装置1801は、汎用のCPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置である。演算装置1801は、例えば後述する不揮発性記憶装置1803に記憶された各種ソフトウェア・プログラムを記憶装置1802に読み出し、係るソフトウェア・プログラムに従って処理を実行してもよい。
記憶装置1802は、演算装置1801から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、ソフトウェア・プログラムや各種データ等を記憶する。なお、記憶装置1802は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
不揮発性記憶装置1803は、例えば磁気ディスクドライブや、フラッシュメモリによる半導体記憶装置のような、不揮発性の記憶装置であり、各種ソフトウェア・プログラムやデータ等を記録してもよい。
ネットワークインタフェース1806は、通信ネットワークに接続するインタフェース装置であり、例えば有線及び無線のLAN(Local Area Network)接続用インタフェース装置等を採用してもよい。なお、入力装置102及び出力装置103を単独の情報処理装置として構成し、これらと配色評価装置との間が任意の通信ネットワークにより通信可能に接続される場合、配色評価装置は、上記ネットワークインタフェース1806を介して係る通信ネットワークと接続されてもよい。
外部記憶装置1804は、例えば、後述する記憶媒体1805に対するデータの読み込みや書き込みを処理する装置である。
記憶媒体1805は、例えば光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記憶媒体である。
入出力インタフェース1807は、外部入力装置(例えばキーボードやマウス等)及び外部出力装置(例えばディスプレイ装置やプリンタ等)との間の入出力を制御する装置である。なお、入力装置102及び出力装置103を、配色評価装置に対する周辺機器として構成する場合、配色評価装置は、上記入出力インタフェース1807を介して、これらの装置とを通信可能に接続されてもよい。
上述した各実施形態を例に説明した本発明は、例えば、以下のように実現されてもよい。即ち、図18に例示したハードウェアにより配色評価装置が構成され、係る装置に対して、各実施形態の説明において参照したフローチャートの機能を実現可能なソフトウェア・プログラムが供給される。その後、そのソフトウェア・プログラムを、演算装置1801が実行することによって、本発明が達成されてもよい。
上述した各実施形態において、図1、図8、図14、図17に示した各部は、上述したハードウェアにより実行されるソフトウェア・プログラムの機能(処理)単位である、ソフトウェアモジュールとして実現することができる。但し、これらの図面に示した各ソフトウェアモジュールの区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。
例えば、図1、図8、図14、図17示した各部をソフトウェアモジュールとして実現する場合、これらのソフトウェアモジュールが不揮発性記憶装置1803に記憶されていてもよい。そして、演算装置1801がそれぞれの処理を実行する際に、これらのソフトウェアモジュールを記憶装置1802に読み出すよう構成してもよい。
また、これらのソフトウェアモジュール間は、共有メモリやプロセス間通信等の適宜の方法により、相互に各種データを伝達できるように構成してもよい。このような構成により、これらのソフトウェアモジュール間は、相互に通信可能に接続可能である。
更に、上記各ソフトウェア・プログラムは、記憶媒体1805に記録されてもよい。その場合、上記通信装置等の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜外部記憶装置1804を通じて当該ソフトウェア・プログラムが不揮発性記憶装置1803に格納されるよう、本発明に係る装置が構成されてもよい。
図1、図8、図14、図17を参照して、配色評価部(101a、801a、1401a、1701a:以下総称して配色評価部と称する場合がある)をソフトウェア・プログラムにより実現する場合を想定する。この場合、上述したように、演算装置1801が、係る配色評価部の機能を実現したソフトウェア・プログラムを記憶装置1802に読み込み、係るソフトウェア・プログラムを実行するよう制御してもよい。
また、係る配色評価部の機能を実現したソフトウェア・プログラムが、入力装置102から評価対象物に関する情報を受信する場合や、出力装置103に配色評価の結果を送信する場合を想定する。この場合、上記演算装置1801は、例えば、係るソフトウェア・プログラムの実行に際して、入力装置102との間で各種データの送受信等が発生するたびに、係るデータを通信ネットワークとの間で送受信してもよい。この場合、上記演算装置1801は、ネットワークインタフェース1806を制御することにより、係るデータを通信ネットワークとの間で送受信してもよい。
また、色範囲保持部(101b、801b、1401b、1701b:以下総称して色範囲保持部と称する場合がある)についても、上記配色評価部と同様にソフトウェア・プログラムとして実現可能である。なお、色範囲保持部が保持する色範囲テーブルは、不揮発性記憶装置1803に記憶されてもよい。
この場合、色範囲保持部を実現するソフトウェア・プログラムを実行する際に、演算装置1801が、色範囲テーブルを参照可能なように、記憶装置1802に読み出してもよい。
色差保持部(1401d)及び、色差保持部が保持する色差テーブルについても、上記色範囲保持部と同様の方法により、ソフトウェア・プログラムとして実現可能である。
また、上記各配色評価装置の構成要素がソフトウェア・プログラムとして実現される場合、上記評価対象物情報テーブル、色範囲テーブル、意味テーブル、及び、色差テーブルは、各種データ構造を用いて実現可能である。係るデータ構造は、例えば、マップあるいはリスト等、テーブル(表形式)を実現可能な各種データ構造であってもよい。
また、上記配色評価部の機能を実現したソフトウェア・プログラムは、上記評価対象物情報テーブルや上記意味テーブルを表現するデータ構造を解釈して、上記各実施形態において説明した評価対象物に対する評価基準を生成してもよい。
また、上記の場合において、上記装置へのソフトウェア・プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは出荷後のメンテナンス段階等において、適当な治具を利用して当該装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記装置へのソフトウェア・プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法を採用してもよい。即ち、上記装置へのソフトウェア・プログラムの供給方法は、現在では一般的なに任意の手順(方法)を採用することができる。そして、このような場合において、本発明は、係るソフトウェア・プログラムを構成するコード、あるいは係るコードが記録されたところの、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によって構成されると捉えることができる。
以上、本発明を、上述した模範的な実施形態に適用した例として説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態に記載した範囲には限定されない。当業者には、係る実施形態に対して多様な変更または改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような場合、係る変更または改良を加えた新たな実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。また、上述した各実施形態を組み合わせた実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。そしてこのことは、請求の範囲に記載した事項から明らかである。
なお、上述した実施形態及びその変形例の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得る。しかしながら、上述した実施形態及びその変形例により例示的に説明した本発明は、以下には限られない。
(付記1)
評価対象画面を構成する、評価対象物に対して配色される色範囲に関する情報を保持する色範囲保持手段と、
前記評価対象物に対する配色に関する情報と、前記評価対象物が特定の基準に従って分類されたグループに関する情報と、を含む評価対象物情報と、前記グループに関する関係性が設定されたグループ関係性情報と、に基づいて、前記評価対象物が分類された前記グループの関係性を解釈することにより、前記評価対象物に対する配色を評価可能な評価基準を設定すると共に、
前記色範囲に関する情報を参照することにより、当該評価基準に基づいて、前記評価対象物に対する配色を評価する、配色評価手段と、を備える、
配色評価装置。
(付記2)
前記評価対象物情報は、前記評価対象物に表示される情報が表す意味を基準とする、当該評価対象物を分類したグループに関する情報を含むことを特徴とする、
付記1記載の配色評価装置。
(付記3)
前記評価対象物情報は、前記評価対象物が前記評価対象画面において提示する機能を基準とする、当該評価対象物を分類したグループに関する情報を含むことを特徴とする、
付記1または付記2に記載の配色評価装置。
(付記4)
前記配色評価手段は、関係性が近い前記グループに分類された前記評価対象物に対して、同一または類似した色範囲に属する色が配色されているか否かを評価することを特徴とする、
付記1乃至付記3のいずれかに記載の配色評価装置。
(付記5)
前記配色評価手段は、前記1つ以上のグループのうち、第1のグループに分類された前記評価対象物と、当該第1のグループとは関係性が遠い第2のグループに分類された前記評価対象物とに対して、当該分類されたグループ毎に異なる色が配色されているか否かを評価することを特徴とする、
付記項1乃至付記項4のいずれかに記載の配色評価装置。
(付記6)
前記配色評価手段は、前記第1のグループに分類された前記評価対象物と、前記第2のグループに分類された他の前記評価対象物とに対して、隣接する色範囲に属する色が配色されている場合、前記第1のグループに配色された色と、前記第2のグループに配色された色との間に、所定の基準以上の色差を有しているか否かを評価することを特徴とする、
付記5に記載の配色評価装置。
(付記7)
前記配色評価手段は、
特定の前記第1のグループに分類された前記評価対象物と、前記第2のグループに分類された前記評価対象物とに対して、
前記第1のグループに分類された前記評価対象物に配色された色に基づいて、第1の演算により第1の色値を算出し、
前記第2のグループに分類された前記評価対象物に配色された色に基づいて、第2の演算により第2の色値を算出し、
当該算出した第1の色値と第2の色値との差分が、所定の基準値以上となるか否かを評価することを特徴とする、
付記5または付記6に記載の配色評価装置。
(付記8)
前記所定の基準値は、前記評価対象物に対して配色される色範囲の最大値を、前記グループの総数で等分した値に基づいて算出された値であり、
前記配色評価手段は、
前記第1のグループに分類された前記評価対象物に対する配色のうち、含まれる前記評価対象物が最も多い色範囲に属する色に基づいて前記第1の色値を算出し、
前記第2のグループに分類された前記評価対象物に対する配色のうち、含まれる前記評価対象物が最も多い色範囲に属する色に基づいて前記第2の色値を算出し、
当該算出した第1の色値と第2の色値との差分が、前記所定の基準値以上となるか否かを評価することを特徴とする、
付記7に記載の配色評価装置。
(付記9)
評価対象画面を構成する、評価対象物に対して配色される色範囲に関する情報を保持し、
前記評価対象物に対する配色に関する情報と、前記評価対象物が特定の基準に従って分類された1つ以上のグループに関する情報と、を含む評価対象物情報と、前記グループに関する関係性が設定されたグループ関係性情報と、に基づいて、前記評価対象物が分類された前記グループの関係性を解釈することにより、前記評価対象物に対する配色を評価可能な評価基準を設定し、
前記色範囲に関する情報を参照することにより、当該評価基準に基づいて、前記評価対象物に対する配色を評価する、
配色評価方法。
(付記10)
評価対象画面を構成する、評価対象物に対して配色される色範囲に関する情報を保持する処理と、
前記評価対象物に対する配色に関する情報と、前記評価対象物が特定の基準に従って分類された1つ以上のグループに関する情報と、を含む評価対象物情報と、前記グループに関する関係性が設定されたグループ関係性情報と、に基づいて、前記評価対象物が分類された前記グループの関係性を解釈することにより、前記評価対象物に対する配色を評価可能な評価基準を設定する処理と、
前記色範囲に関する情報を参照することにより、当該評価基準に基づいて、前記評価対象物に対する配色を評価する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする、
コンピュータ・プログラム、又は、そのコンピュータプログラムが記録された記憶媒体。
(付記11)
前記配色評価手段は、前記グループ関係性情報に基づいて、前記評価対象物に対する配色を評価可能な評価基準を生成する、ことを特徴とする、
付記1に記載の配色評価装置。
(付記12)
隣接する色範囲について、それぞれの色範囲に属する色が識別可能か否かを規定する、色差規定手段を更に有し、
前記配色評価手段は、前記第1のグループに分類された前記評価対象物と、前記第2のグループに分類された他の前記評価対象物とが、隣接する色範囲に配色されている場合、それぞれのグループに配色される色の間に、前記色差規定手段により規定される所定値以上の色差が存在するか否かを評価することを特徴とする、
付記6に記載の配色評価装置。
(付記13)
前記グループ関係性情報は、同一の前記グループに分類された複数の前記評価対象物の間の関係性に関する情報を含む、
付記1に記載の配色評価装置。
(付記14)
前記グループ関係性情報は、相異なる複数の前記グループに分類された前記評価対象物の間の関係性に関する情報を含む、
付記1に記載の配色評価装置。
(付記15)
前記配色評価手段は、前記第1の演算または、前記第2の演算として、前記評価対象物に配色された色の平均値を算出することを特徴とする、
付記7に記載の配色評価装置。
(付記16)
前記第1の色値は、前記第1のグループに分類された前記評価対象物に配色された色の平均値であることを特徴とする、
付記15に記載の配色評価装置。
(付記17)
前記第2の色値は、前記第2のグループに分類された前記評価対象物に配色された色の平均値であることを特徴とする、
付記15に記載の配色評価装置。
(付記18)
前記配色評価手段は、前記第1の演算または、前記第2の演算として、前記評価対象物に配色された色の中央値を算出することを特徴とする、
付記7に記載の配色評価装置。
(付記19)
前記第1の色値は、前記第1のグループに分類された前記評価対象物に配色された色の中央値であることを特徴とする、
付記18に記載の配色評価装置。
(付記20)
前記第2の色値は、前記第2のグループに分類された前記評価対象物に配色された色の中央値であることを特徴とする、
付記18に記載の配色評価装置。
(付記21)
前記配色評価手段は、
前記第1のグループに分類された前記評価対象物の中で、前記隣接する色範囲の境界値に最も近い色が配色された、第1の評価対象物と、
前記第2のグループに分類された前記評価対象物の中で、前記隣接する色範囲の境界値に最も近い色が配色された、第2の評価対象物と、を選択し、
前記第1の評価対象物に配色された色と、前記第2の評価対象物に配色された色との間に、所定の基準以上の色差を有しているか否かを評価することを特徴とする、
付記6に記載の配色評価装置。