JP6485331B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排ガス等に含まれるガス成分を検出するガスセンサに関する。
車両用内燃機関の排気系に設置されて、排ガス中の各種ガス成分を検出するガスセンサは、一般に、ハウジング内にセンサ素子を絶縁保持した状態で、排気管壁にねじ固定される。ガスセンサの構成部材間は、排ガスに対して気密封止される。一例として、平板状の積層型センサ素子を用いる場合には、筒状の絶縁部材内にセンサ素子を保持し、センサ素子と絶縁部材の間を、ガラス材でシールする一方、絶縁部材の大径部を、筒状のハウジング内に設けた段差部にて支持し、ハウジングと絶縁部材との間に粉末シール材を充填してシールする構造が採用されている。
一方、特許文献1に記載されるように、センサ素子を保持する主体金具と、ねじ部を有する取付部材とを別体に設けて、取付性を高めた構造が知られている。取付部材は、主体金具に対して回転自在に設けられ、主体金具には、径方向外側に突出する鍔部が設けられて、ねじ止めしたときに、鍔部の先端向き面が、取付対象となる取付け面に当接してシールするようになっている。
特許第5469693号明細書
ハウジングの外側に粉末シール材の充填部を備える排ガスシール構造において、特許文献1のように、取付部材を別体とした取付構造を採用し、取付作業性を改善することが検討されている。ところが、ガスセンサの取付径を変更することなく、ねじ部を有する取付部材を別体とするには、ハウジングの外径を、従来よりも小径化する必要がある。しかも、ハウジング内に保持される絶縁部材は、内側にガラス材の充填部、外側に粉末シール材の充填部が並設される構成であり、シール性と加工性を確保するために、小径化が難しい。
そのため、ハウジングの壁厚を従来よりも薄くする必要があるが、剛性が低下して、粉末シール材に加わる荷重で、ハウジングが変形してしまう問題が生じる。このとき、ハウジングが外側に膨らむように変形し、取付部材がハウジングと干渉して回転自在性が失われると、所定のトルクで締め付けても固定力が発揮できなくなる。また、変形が大きい場合は、取付部材をハウジングに組付けできなくなるおそれがある。変形を抑えるには、粉末シール材に加わる荷重を低下させればよいが、粉末シール材の反発力も低下するためシール性が失われてしまう問題がある。
一方で、粉末シール材の充填部の外側に、ハウジングと取付部材が存在することになり、排ガス等により温度が上昇した場合に、周辺に熱がこもり易い。このため、タルク部の温度が高くなり易く、更に温度が下がり難いため、粉末シール材が高温に晒されてシール性が低下するおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、センサ素子を収納するハウジングと取付部材を別体とし、しかも、ハウジングの薄肉化による変形を抑制して、高気密なシール構造と取付性とを両立させることができるガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子(1)と、
該センサ素子とその外周を保持する絶縁部材(2)を収納し、先端側が被測定ガスに露出する筒状ハウジング(H)と、
上記ハウジングの内周に設けられ、上記絶縁部材の外周に突出する外周突部(21)を支持する段差面(H1)と、
該段差面と上記ハウジングの基端側の開口との間に充填されて、上記絶縁部材と上記ハウジングとの間をシールする第1シール部(3)と、
上記絶縁部材と上記センサ素子との間をシールする第2シール部(4)と、
上記ハウジングの外周に回動自在に設けられ、先端(51)が上記ハウジング外周に突設したフランジ部(H2)に支持されると共に、先端側外周面に取付用のねじ部(52)を有する取付部材(5)と、
上記ハウジングの基端側の開口に設けられ、上記第1シール部を上記段差面に押圧保持する加締め部(6)と、を備えており、
上記ハウジングは、上記加締め部と上記段差面との間におけるハウジング壁(H3)の壁厚tと壁長Lとの比の値が、0.11<t/L≦0.5を満足する、ガスセンサにある。
また、本発明の他の態様は、
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子(1)と、
該センサ素子とその外周を保持する絶縁部材(2)を収納し、先端側が被測定ガスに露出する筒状ハウジング(H)と、
上記ハウジングの内周に設けられ、上記絶縁部材の外周に突出する外周突部(21)を支持する段差面(H1)と、
該段差面と上記ハウジングの基端側の開口との間に充填されて、上記絶縁部材と上記ハウジングとの間をシールする第1シール部(3)と、
上記絶縁部材と上記センサ素子との間をシールする第2シール部(4)と、
上記ハウジングの外周に回動自在に設けられ、先端(51)が上記ハウジング外周に突設したフランジ部(H2)に支持されると共に、先端側外周面に取付用のねじ部(52)を有する取付部材(5)と、
上記ハウジングの基端側の開口に設けられ、上記第1シール部を上記段差面に押圧保持する加締め部(6)と、を備えており、
上記ハウジングは、上記加締め部と上記段差面との間におけるハウジング壁(H3)の壁厚tと壁長Lとの比の値が、t/L>0.11を満足し、かつ、
上記第1シール部は、上記段差面と上記ハウジング壁の内周面と上記絶縁部材の外周面とで囲まれる空間部に充填される粉末シール材(31)と、該粉末シール材と上記加締め部との間に配置される絶縁材(32、33)とを有しており、
上記粉末シール材と上記絶縁部材との境界面は、上記取付部材の基端側の端面よりも基端側に位置する、ガスセンサにある。
上記ガスセンサは、センサ素子を保持する絶縁部材がハウジングの段差面に支持され、絶縁部材とハウジング及びセンサ素子の間がそれぞれ第1シール部3、第2シール部4でシールされる。第1シール部3は、段差面と加締め部の間に充填され、ハウジングのねじ部より基端側のハウジング壁に接する。ハウジングは、先端側にねじ部を有する取付部材が別体で設けられるので、その分肉厚が薄くなるが、第1シール部3が配置される段差面と加締め部の間において、ハウジング壁の壁厚tと壁長Lの比の値が、t/L>0.11となるように各部が形成されることで、第1シール部3の加締め固定に伴うハウジング壁に変形が生じ難くなる。
したがって必要な荷重を付与することができるのでシール性の低下が抑制され、ハウジング壁が変形して取付部材と干渉するのを抑制できる。以上のごとく、上記態様によれば、高気密なシール構造と取付性とを両立させることができる。
実施形態1における、ガスセンサの取付構造を示す主要部の断面図。 実施形態1における、ガスセンサの主要部の一部拡大断面図。 実施形態1における、ガスセンサの構成を示す全体断面図。 実施形態1における、ガスセンサのハウジングに加わる荷重とハウジングの変形の関係を説明するための主要部断面図。 参考形態における、ガスセンサの主要部の断面図。 実施例における、ガスセンサの各部構成と製造方法を説明するための主要部断面図。 実施例における、ガスセンサの第1シール部に接するハウジング壁の壁厚と軸方向長の比と、ハウジングの外径の変化量との関係を示す図。
(実施形態1)
以下に、ガスセンサの実施形態1について、図面を参照しながら説明する。
図1において、本形態のガスセンサSは、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子1と、センサ素子1を内部に収納する筒状ハウジングHと、センサ素子1の外周を保持する絶縁部材2と、を有している。ハウジングHの内周には、絶縁部材2に設けた外周突部21を支持する段差面H1が設けられ、この段差面H1とハウジングHの基端側(すなわち、図の上側)の開口との間において、絶縁部材2とハウジングHとの間をシールする第1シール部3が設けられる。また、絶縁部材2とセンサ素子1との間は、第2シール部4でシールされる。
ハウジングHの外周には、筒状の取付部材5が、回動自在に嵌挿される。取付部材5は、基端側に六角部53を有し、先端側(すなわち、図の下側)の外周面に、取付用のねじ部52が形成された多角形ナット形状で、挿通端である先端51が、ハウジングHの外周に突設したフランジ部H2に当接支持されている。ハウジングHは、基端側の開口部に加締め部6となる薄肉部を備えており、これを加締めて第1シール部3を段差面H1に押圧することによって、加締め部6と段差面H1の間に第1シール部3を挟持している。
図3に示すように、ガスセンサSは、例えば、自動車用エンジン等の内燃機関の排気管EXに設置されて、排気センサとして用いられる。排気センサは、例えば、酸素センサ、空燃比センサ、NOxセンサ等であり、被測定ガスである排ガスに含まれる特定ガス濃度、例えば、酸素濃度、空燃比、NOx濃度等を検出する。図示しないエンジンに連通する排気管EXには、管壁に設けた貫通穴に取付用のボス部Bが固定され、該ボス部BにガスセンサSが挿通固定される。
筒状のボス部Bは、排気管EXの内壁側(すなわち、図の下面側)が、径方向内方に屈曲するL字断面形状であり、この屈曲部が環状の受け面B1を形成している。受け面B1より外壁側(すなわち、図の上面側)のボス部Bは、内周面にねじ溝が形成されて、取付部材5のねじ部52に対応するねじ穴B2となっている。ガスセンサSは、取付部材5のねじ部52をボス部Bのねじ穴B2に螺挿し、取付部材5の先端51が、ハウジングHのフランジ部H2を受け面B1に押圧する位置まで締め付けることにより、ボス部Bとの間を気密封止する。
ハウジングH及び取付部材5は、通常、ステンレス鋼、例えば、SUSXM7、SUS430等にて構成される。好適には、取付部材5の材質を、少なくともCuを含んだステンレス鋼、例えば、SUSXM7とすることが望ましい。Cuを含むステンレス鋼からなる取付部材5は、鍛造時の加工硬化を抑制できるため、薄肉でも鍛造型を破損することなく加工できる。このため、取付部材5の肉厚を薄く設定することができ、その分だけハウジングHの肉厚を厚く設定することが可能になる。
ガスセンサSは、ハウジングHの先端側に保護カバーS1が固定されて、排気管EX内に突出するセンサ素子1を保護している。保護カバーS1は有底筒状で、センサ素子1の周囲を取り囲むように配置される。通常、保護カバーS1の側面及び底面には、図示しない複数のガス流通孔が形成され、これらガス流通孔から、内部に排ガスが取り込まれる。
図1、図2に示すように、ガスセンサSの絶縁部材2は、ハウジングHと同軸的に配置される筒状体であり、センサ素子1が挿通支持される軸孔22を有する。センサ素子1は、例えば、複数のセラミック層を積層した平板形状であり、軸孔22の断面形状は、素子形状に対応している。絶縁部材2の基端部には、軸孔22より大きな空間部を形成する筒状部23が設けられ、その内側の空間部にガラス材が充填されて、第2シール部4を形成している。第2シール部4となるガラス材としては、公知の封止ガラス材料、例えば、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス等がいずれも好適に用いられる。
絶縁部材2は、中間部の一部を拡径して設けた外周突部21を有する。外周突部21は、絶縁部材2の外周面から略台形断面を有して突出し、外周突部21を挟んで両側に位置する先端部及び基端部の外径は、一定径となっている。絶縁部材2の先端部及び基端部の外径は、ハウジングHの先端側の内径とほぼ同径かわずかに小さく、外周突部21の外径は、ハウジングHの基端側の内径とほぼ同径かわずかに小さく形成される。ハウジングHの内周面において、先端側と基端側を接続する段差面H1は、先端側ほど内径が小さくなる緩やかなテーパ面であり、対向する外周突部21の先端側の面も、これに沿うテーパ面となっている。外周突部21の基端側の面は、先端側の面と略対称な形状であり、先端側ほど外径が大きくなる緩やかなテーパ面となっている。
絶縁部材2の外周突部21は、先端側のテーパ面が、リング状の金属製パッキン11を挟んで、ハウジングHの段差面H1に押圧保持される。外周突部21の基端側のテーパ面と、加締め部6の間には、粉末シール材31が充填され、さらに、絶縁材であるリング状の絶縁性パッキン32及び筒状の絶縁体33とが収容されて、第1シール部3を形成している。粉末シール材31は、例えば、タルク粉末等の絶縁性粉末材料からなる。タルク粉末は、Mg3Si410(OH)2 で示されるタルクを主成分とする粉末材料である。
粉末シール材31は、必要に応じて、例えば、筒状の仮成形体とすることもできる。この仮成形体を外周突部21の基端側に挿入し、さらに、絶縁性パッキン32及び絶縁体33と、高さ調整用のリング状の金属製スペーサ12を挿入した後、加締め部6を形成する過程で、仮成形体が押圧され、粉末状の粉末シール材31となって密充填される。加締め部6は、ハウジングHの基端開口縁部の薄肉部を、公知の方法で熱加締めすることにより形成され、内方へ屈曲変形する先端部と、絶縁部材2の外周突部21の間に、第1シール部3が挟持される。
このとき、図4に矢印で示すように、第1シール部3に、加締め部6からのタルク押え荷重を軸方向に加えて、反発力を発生させることで、シール性を確保している。ただし、取付部材5をハウジングHと別体としたことにより、その分ハウジングHの外径が小さくなる一方、第2シール部4が形成される絶縁部材2は小径化が難しいことから、ハウジングHの肉厚が、従来よりも薄くなる。特に、段差面H1より基端側で加締め部6より先端側において、第1シール部3の外側に位置するハウジング壁H3は、段差面H1より先端側のハウジングHより薄壁となるために、剛性が低下しやすい。そのため、図中に矢印で示すように、タルク押え荷重が加わったときに、ハウジング壁H3が径方向外方に変形するおそれがある。
この場合、ハウジングHの外径が部分的に膨らむことになり、その外周に取付部材5を嵌挿したときに、両者が干渉して回転自在性が失われると、所定のトルクで締め付けても固定力が発揮できなくなる。あるいは、変形が大きい場合には、取付部材5がハウジングHの外周に外挿できなくなり、組付けが困難になる。
なお、変形を抑えるためには、粉末シール材31に加わるタルク押え荷重を小さくすればよいが、タルク押え荷重を小さくすると、粉末シール材31の反発力も低下するため、シール性が失われるおそれがある。また、取付部材5を別体とする構造を採用することにより、ねじ部52と六角部53の長さ分だけハウジングHの長さが長くなる。そのため、ハウジングHの肉厚を薄くする必要がない場合であっても、軸方向長が長くなることによってハウジングHの剛性が低下しやすくなり、変形しやすくなる。
そこで、図1におけるハウジング壁H3の壁厚tと、ハウジング壁H3の軸方向長である壁長Lとの比の値(すなわち、t/L)に着目し、t/L>0.11を満足するように設定して、変形を抑制する。ここで、ハウジング壁H3は、加締め部6と段差面H1との間に位置して、略一定の壁厚となるハウジングHの薄壁部であり、ハウジング壁H3の壁厚tは、この略一定となるハウジングHの薄壁部の厚さである。また、ハウジング壁H3の軸方向長Lは、加締め部6の先端側端部から段差面H1の基端側端部までの、略一定の薄壁部の長さである。ハウジング壁H3は、第1シール部3の外表面、特に粉末シール材31に密接してシール性に大きく寄与する。
具体的には、ハウジング壁H3は、t/Lが0.11を上回ると、タルク押え荷重に対する変形量が、実用上十分な程度に小さくなる(例えば、50μm以下)。そのため、回転自在性を確保しつつ、粉末シール材31に必要な高荷重をかけることができる。好ましくは、0.18≦t/L≦0.5とするのがよい。t/Lが0.18以上となると、タルク押え荷重に対する変形量を、極めて小さくすることができ(例えば、10μm以下)、回転自在性を確保しつつ、粉末シール材31に必要な高荷重をかけることができる。取付部材5はほぼ変形しないため、通常は、回転自在性を得るために取付部材5に高い寸法精度が要求されるが、t/Lがより大きくなることで、寸法精度を高めない安価な加工方法で回転自在性を維持できる。なお、t/Lは0.2以上でほぼ下限値となり、0.5前後で変化量がほぼ0となるので、これを超えてt/Lを大きくしても効果は変わらない。したがって、より好ましくは、0.2≦t/L≦0.5とするのがよく、シール性と組付性を高度に両立できる。
所望のt/Lを実現するために、例えば、ガスセンサSの外径に応じて設定されるハウジング壁H3の壁厚tに対して、ハウジング壁H3の壁長Lを適切に設定するのがよい。ハウジング壁H3の壁長Lが短いほど、t/Lが大きくなり、変形を抑制しやすい。また、ハウジング壁H3の先端側端部となる段差面H1の位置が、より取付部材5の基端側に近づき、段差面H1より先端側のハウジングHの厚壁部の長さが長くできる。
さらに、この場合、第1シール部3の位置が、より取付部材5の基端側となることで、放熱性の改善が可能となる。特に、第1シール部3の熱劣化を抑制するためには、粉末シール材31に接するハウジング壁H3が、外気に晒される位置にあるとよい。
具体的には、図2に示すように、ハウジングHの段差面H1が、取付部材5のねじ部52よりも基端側に位置し、絶縁性パッキン32との境界面となる粉末シール材31の基端側端面が、取付部材5の基端側端面よりも、さらに基端側に位置しているとよい。このとき、第1シール部3の粉末シール材31の外側において、その外表面を保持するハウジング壁H3の一部が、取付部材5から露出し、外気に晒される。そして、車両走行時の風当たりにより第1シール部3が冷却されやすくなるので、粉末シール材31の温度上昇が抑制され、熱による気密性の低下を抑えることができる。
好適には、ハウジング壁H3に接する粉末シール材31の軸方向のシール長L1に対して、粉末シール材31の基端側端面と取付部材5の基端側端面との距離L2が、L2≧(L1/2)を満足するように配置されるとよい。シール性は、粉末シール材31とハウジング壁H3とが接触する長さ、すなわちシール長L1が長い方が、排ガスが抜ける経路を減らせるため有利である。一方で、高温の排ガス等に晒されることにより、粉末シール材31が劣化するおそれがある。このような場合でも、シール長L1の1/2以上の長さの部位が、取付部材5より基端側に露出することで、この部位の放熱性が高まり、高温による劣化を抑えることができるため、気密性の低下を回避できる。
これに対して、参考例として図5に示すように、ハウジングHの段差面H1が、取付部材5に対してねじ部52の先端側に位置する構成では、第1シール部3の軸方向長は長くなるものの、粉末シール材31がハウジング壁H3及び取付部材5に囲まれて、熱がこもりやすくなる。このため、粉末シール材31の周辺部が高温の排ガス等に晒されると、粉末シール材31の温度が上昇して劣化し、シール性が低下する。また、第1シール部3に接するハウジング壁H3の長さが長くなり、壁厚tと壁長Lとの比の値:t/Lが、相対的に小さくなる。このため、加締め部6によるタルク押え荷重が加わったときに、ハウジング壁H3が変形しやすくなる。
(試験例)
実施形態1の構成のガスセンサSについて、ハウジング壁H3の壁厚tと壁長Lとの比の値:t/Lと、ハウジングHの外径Dの変化量の関係を調べた。
試験用のガスセンサSのサンプルは、次のようにして用意した。まず、ハウジングHに、センサ素子1が挿通固定された絶縁部材2を挿入して、ハウジングHの段差面H1に当接支持させた。絶縁部材2は、予め、軸孔22にセンサ素子1を挿通し、基端側を、封止ガラスよりなる第2シール部4で固定したものを用意した。また、ハウジングHに取付部材5を外挿した。次いで、ハウジング壁H3と絶縁部材2の間に、第1シール部3となる粉末シール材31、絶縁性パッキン32及び筒状の絶縁体33を順に挿入した。その後、図6に矢印で示すように、ハウジングHの上方から軸方向に、加締め部6となる薄肉部に荷重をかけながら、熱加締めして、第1シール部3を圧縮した状態で加締め固定した。
ハウジングHは、外径φ15mm、内径φ11mm、第1シール部3長さとなるハウジング壁H3の軸方向長15mm、材質は、ステンレス鋼のSUS430とした。ハウジングHに外挿される取付部材5は、内径φ15.2mm、材質は、ステンレス鋼のSUSXM7とした。また、粉末シール材31の材料は、タルク粉末であり、絶縁部材2と絶縁体33の材料には、アルミナを用いた。
第1シール部3長さとなるハウジング壁H3の壁長Lと、ハウジングHの外径Dを変更することにより、両者の比の値:t/Lを、図7に示す範囲で変更した複数のサンプルを製作した。それぞれのサンプルについて、上記した方法で、熱加締めを行い、その前後のハウジング壁H3周りにおける、ハウジング外径Dの変化量を測定した。結果を図7に示す。
図7に明らかなように、ハウジング壁H3は、t/Lの増加と共に外径Dの変化量が急減し、t/Lが0.11を上回ると、タルク押え荷重に対する変形量が、実用上十分な値(例えば、50μm以下)まで小さくなる。さらに、t/Lが0.13以上の範囲では、外径Dの変化量は、30μm以下、t/Lが0.18以上の範囲では、外径Dの変化量は、10μm以下と極めて小さくなる。これにより、回転自在性を確保しつつ、粉末シール材31に必要な高荷重をかけて、シール性を高めることができる。
ガスセンサSは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を超えない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、センサ素子1を保持する絶縁部材2の形状や第2シール部4の構成、センサ素子1を保護する素子カバー2の形状、ハウジングや取付部材の構成等は、任意に設定することができる。
上記実施形態では、ガスセンサSを、自動車用エンジンの排気管に設置されて、酸素センサ、空燃比センサ、NOxセンサ等に使用する例を示したが、排ガス中のその他のガスを検出対象とする排気センサであってもよい。また、被測定ガスは、自動車用エンジンに限らず、各種装置からの燃焼排ガスであってもよく、あるいは、排ガス以外の各種ガスを被測定ガスとして、排気センサ以外の種々の用途に適用することができる。
S ガスセンサ
H ハウジング
H1 段差面
H2 フランジ部
H3 ハウジング壁
1 センサ素子
2 絶縁部材
3 第1シール部
5 取付部材
6 加締め部

Claims (6)

  1. 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子(1)と、
    該センサ素子とその外周を保持する絶縁部材(2)を収納し、先端側が被測定ガスに露出する筒状ハウジング(H)と、
    上記ハウジングの内周に設けられ、上記絶縁部材の外周に突出する外周突部(21)を支持する段差面(H1)と、
    該段差面と上記ハウジングの基端側の開口との間に充填されて、上記絶縁部材と上記ハウジングとの間をシールする第1シール部(3)と、
    上記絶縁部材と上記センサ素子との間をシールする第2シール部(4)と、
    上記ハウジングの外周に回動自在に設けられ、先端(51)が上記ハウジング外周に突設したフランジ部(H2)に支持されると共に、先端側外周面に取付用のねじ部(52)を有する取付部材(5)と、
    上記ハウジングの基端側の開口に設けられ、上記第1シール部を上記段差面に押圧保持する加締め部(6)と、を備えており、
    上記ハウジングは、上記加締め部と上記段差面との間におけるハウジング壁(H3)の壁厚tと壁長Lとの比の値が、0.11<t/L≦0.5を満足する、ガスセンサ。
  2. 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子(1)と、
    該センサ素子とその外周を保持する絶縁部材(2)を収納し、先端側が被測定ガスに露出する筒状ハウジング(H)と、
    上記ハウジングの内周に設けられ、上記絶縁部材の外周に突出する外周突部(21)を支持する段差面(H1)と、
    該段差面と上記ハウジングの基端側の開口との間に充填されて、上記絶縁部材と上記ハウジングとの間をシールする第1シール部(3)と、
    上記絶縁部材と上記センサ素子との間をシールする第2シール部(4)と、
    上記ハウジングの外周に回動自在に設けられ、先端(51)が上記ハウジング外周に突設したフランジ部(H2)に支持されると共に、先端側外周面に取付用のねじ部(52)を有する取付部材(5)と、
    上記ハウジングの基端側の開口に設けられ、上記第1シール部を上記段差面に押圧保持する加締め部(6)と、を備えており、
    上記ハウジングは、上記加締め部と上記段差面との間におけるハウジング壁(H3)の壁厚tと壁長Lとの比の値が、t/L>0.11を満足し、かつ、
    上記第1シール部は、上記段差面と上記ハウジング壁の内周面と上記絶縁部材の外周面とで囲まれる空間部に充填される粉末シール材(31)と、該粉末シール材と上記加締め部との間に配置される絶縁材(32、33)とを有しており、
    上記粉末シール材と上記絶縁部材との境界面は、上記取付部材の基端側の端面よりも基端側に位置する、ガスセンサ。
  3. 上記比の値は、0.18≦t/L≦0.5を満足する、請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 上記ハウジング壁の内周面に接する上記粉末シール材の軸方向のシール長L1と、上記境界面と上記取付部材の基端側の端面との距離L2とが、L2>(L1/2)を満足する、請求項に記載のガスセンサ。
  5. 上記取付部材の材質は、少なくともCuを含むステンレス鋼である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  6. 上記ステンレス鋼は、SUSXM7である、請求項5に記載のガスセンサ。
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