JP6484586B2 - 電鋳材の製造方法及び構造物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般構造物、機械及びその部品に使用されるニッケル(Ni)とコバルト(Co)を含む電鋳材(電鋳合金)の製造方法及び構造物の製造方法に関する。
ニッケル−コバルトめっき層では、コバルト含有量が高いほど耐磨耗性が向上するので、特許文献1に記載のように、連続鋳造用鋳型のモールド銅板の下部又は全面に、Niを10〜30wt%含有するCo系めっきをすることが提案されている。
また、特許文献2には、ニッケルの多い層と少ない層とが交互に積層したコバルト−ニッケル合金材料が提案され、この合金は耐熱性、耐蝕性、耐磨耗性に優れるだけでなく、伸びが著しく改善された物品となることが開示され、鉄鋼連続鋳造鋳型に最適に応用できることが開示されている。
特開2000−263190号公報 特開2015−166483号公報
しかしながら、特許文献1は連続鋳造用鋳型に関するものであり、Coを70wt%以上含むので、耐磨耗性や耐腐食性に対しては強いが、引張強度が400〜600MPaと小さいという問題があった。
また、特許文献2記載の物品は、ニッケル比率の小さい層と大きい層の厚さが、それぞれ1〜500μm、ニッケル比率の小さい層と大きい層との比率の差が1〜20wt%であるが、引張強度が600〜700MPaと小さく、用途が制限されると共に、施工が煩雑でコストが掛かるという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ニッケルとコバルトの割合を制御し、必要であれば熱処理を行、引張強度に優れた電鋳材の製造方法及びこの電鋳材を用いた構造物の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う第1の発明に係る電鋳材の製造方法は、ニッケルめっき液を入れためっき槽内に、コバルト溶出用電極とコバルト板を配置し、該コバルト溶出用電極と該コバルト板との間に第1の電源を接続して電流を流し、前記コバルト板からコバルトを溶出させてニッケル−コバルト合金めっき液を作製した後、
前記ニッケル−コバルト合金めっき液に、陰極として導電材料からなる基材を、陽極として前記コバルト板及びニッケル板を、それぞれ配置し、前記基材と前記コバルト板との間に前記第1の電源を接続すると共に、前記基材と前記ニッケル板との間に第2の電源を接続して、それぞれ電流を流し、前記基材の表面に、ニッケル−コバルト合金めっき層を形成して電鋳材を製造するに際し、
前記電鋳材を構成するニッケルとコバルトの割合に応じて、前記基材と前記コバルト板との間に流れる電流と、前記基材と前記ニッケル板との間に流れる電流の比率を設定し、Co含有量が40質量%を超え55質量%以下で、残部がNi及び不可避的不純物からなり、引張強度が少なくとも1200N/mm(1200MPa)である前記電鋳材を製造する。
なお、電鋳材の組成を説明する場合、Coの含有量を明記し、残部(Ni及び不可避的不純物)の組成は、Niの含有量として記載することにする。
また、前記目的に沿う第2の発明に係る電鋳材の製造方法は、ニッケルめっき液を入れためっき槽内に、コバルト溶出用電極とコバルト板を配置し、該コバルト溶出用電極と該コバルト板との間に第1の電源を接続して電流を流し、前記コバルト板からコバルトを溶出させてニッケル−コバルト合金めっき液を作製した後、
前記ニッケル−コバルト合金めっき液に、陰極として導電材料からなる基材を、陽極として前記コバルト板及びニッケル板を、それぞれ配置し、前記基材と前記コバルト板との間に前記第1の電源を接続すると共に、前記基材と前記ニッケル板との間に第2の電源を接続して、それぞれ電流を流し、前記基材の表面に、ニッケル−コバルト合金めっき層を形成して電鋳材を製造するに際し、
前記電鋳材を構成するニッケルとコバルトの割合に応じて、前記基材と前記コバルト板との間に流れる電流と、前記基材と前記ニッケル板との間に流れる電流の比率を設定し、Co含有量が30質量%を超え60質量%以下で、残部がNi及び不可避的不純物からなる前記電鋳材を製造し、更に該電鋳材を前記基材から分離して200〜400℃で熱処理する
ここで、熱処理の時間は少なくとも0.5時間、例えば、0.5〜48時間であることが好ましい。
更に、第3の発明に係る構造物の製造方法は、第1の発明の前記電鋳材を、予め所定の形状に加工され、その表面を凹凸面とした、前記基材の表面に形成する
なお、電鋳材の厚みは、用途に応じて設定する。
第1の発明に係る電鋳材の製造方法においては、電鋳材に含まれるニッケルとコバルトの割合を制御することにより、電鋳材の引張強度を少なくとも1200N/mmとすることができ、電鋳材を種々の用途に適用することが可能になる。
前記目的に沿う第2の発明に係る電鋳材の製造方法においては、ニッケルとコバルトの割合を制御し、かつ200〜400℃で熱処理することにより、電鋳材の組織状態を維持して機械的性質を向上させることができ、電鋳材の適用範囲を更に拡大することが可能になる。
前記目的に沿う第3の発明に係る構造物の製造方法は、第1の発明の電鋳材が基材表面に設けられているので、基材を予め加工しておくことで複雑な形状の構造を、表面に電鋳材が設けられた複数の基材を組み合わせることで大型の構造物をそれぞれ容易に作製することができる。また、電鋳材が形成された後に基材を除去することで、電鋳材のみから形成されている構造物を容易に作製することができる。
本発明の一実施の形態に係る電鋳構造体における電鋳材を製造するめっき装置の説明図である。 ニッケル−コバルト合金めっき液中のコバルト濃度と、ニッケル−コバルト合金めっき皮膜中のコバルト含有量の定量的関係を示すグラフである。 ニッケルめっき液を用いてチタン板上に形成した純ニッケルの電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo10質量%−Ni90質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo20質量%−Ni80質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo30質量%−Ni70質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo40質量%−Ni60質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo50質量%−Ni50質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo60質量%−Ni40質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo70質量%−Ni30質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo80質量%−Ni20質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo90質量%−Ni10質量%の電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 コバルトめっき液を用いてチタン板上に形成した純コバルトの電鋳材の熱処理温度と機械的性質の関係を示すグラフである。 電鋳材中の引張強度が1200N/mm以上、0.2%耐力が800N/mm以上、及びビッカース硬度が400以上となるときのコバルト含有量の範囲を示す説明図である。 電鋳材中のコバルト含有量と、電鋳材を200〜450℃の温度範囲で熱処理した後の引張強度との関係を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る電鋳構造体における電鋳材の作製方法について説明する。なお、電鋳構造体は、Co含有量が40質量%を超え55質量%以下、好ましくはCo含有量が40質量%を超え45質量%以下で、残部がNi及び不可避的不純物からなり、引張強度が少なくとも1200N/mm(1200MPa)である電鋳材10を有している。
図1に示すように、電鋳材10の作製では、めっき槽11内に、ニッケルと各種添加剤が溶解したニッケルめっき液を入れ、陰極としてチタン板12を配置し、陽極としてコバルト板13、ニッケル板14をそれぞれ配置する。また、チタン板12とコバルト板13との間に第1の電源15を接続し、チタン板12とニッケル板14との間に第2の電源16を接続する。
ニッケルめっき液中にはコバルトが含まれていないので、コバルト板13の周囲に、例えば、ステンレス(SUS)製のコバルト溶出用電極(図示せず)を配置し、第1の電源15のチタン板12側の接続端子をコバルト溶出用電極に繋ぎ替えて、第1の電源15によりコバルト溶出用電極とコバルト板13との間に電流を流し、コバルト板13からコバルトをニッケルめっき液中に溶出させてニッケル−コバルト合金めっき液17を作製する。このとき、コバルト板13からニッケルめっき液中に溶解させるコバルト量は、ニッケル−コバルト合金めっき液中のコバルト濃度と、ニッケル−コバルト合金めっき皮膜中のコバルト含有量との間の定量的関係(図2参照)に基づいて、製造する電鋳材10のニッケルとコバルトの割合から決定する。ここで、上記の定量的関係は、ニッケルとコバルトが種々の濃度で溶解しているニッケル−コバルト合金めっき液を用いてニッケル−コバルト合金めっき皮膜を作製し、作製されたニッケル−コバルト合金めっき皮膜を化学分析することにより作成する。
なお、ニッケル−コバルト合金めっき液17は、上記の定量的関係に基づいて、ニッケルとコバルトの濃度をそれぞれ調整しためっき液に、各種添加材を溶解させることにより作製することもできる。
ニッケル−コバルト合金めっき液17の調製が終了すると、第1、第2の電源15、16を操作して、チタン板12とコバルト板13との間、チタン板12とニッケル板14との間にそれぞれ電流を流す。なお、チタン板12とコバルト板13との間に流れる電流と、チタン板12とニッケル板14との間に流れる電流の比率は、電鋳材10を構成するニッケルとコバルトの割合に応じて設定する。これにより、チタン板12の表面にはニッケルとコバルトが一定割合で混合した状態のニッケル−コバルト合金めっき層(いか、単に合金めっき層という)が形成される。そして、合金めっき層を所定の形状となるまで形成させることにより電鋳材10が作製される。
なお、ニッケル−コバルト合金めっき液17中には、コバルト板13とニッケル板14からそれぞれ、チタン板12に析出したコバルトとニッケルの重量に相当するコバルトとニッケルが溶解するので、ニッケル−コバルト合金めっき液17中のコバルトとニッケルのそれぞれの含有量は、めっき開始時の含有量に維持される。
チタン板12上における電鋳材10の作製が完了すると、第1、第2の電源15、16を操作して、チタン板12とコバルト板13との間、チタン板12とニッケル板14との間にそれぞれ流す電流を停止する。そして、電鋳材10をチタン板12と共にニッケル−コバルト合金めっき液17から引き上げる。そして、電鋳材10とチタン板12を洗浄した後に電鋳材10をチタン板12から分離する。分離した電鋳材10から、あるいは必要に応じて加工を施した複数の電鋳材10を組合せることにより、電鋳構造体が構成される。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る電鋳構造体における電鋳材の作製方法について説明する。なお、電鋳構造体は、Co含有量が30質量%を超え60質量%以下、好ましくはCo含有量が50質量%以上60質量%以下で、残部がNi及び不可避的不純物からなり、200〜400℃で熱処理された電鋳材を有している。ここで、電鋳材の作製方法は、電鋳材の作製工程と、電鋳材の200〜400℃での熱処理工程とを有し、電鋳材の作製方法は、第1の実施の形態の電鋳構造体における電鋳材10の作製方法と同様に行うことができるので、詳細な説明は省略する。
電鋳材の熱処理工程では、チタン板12から分離した電鋳材を熱処理炉内にセットし、真空中又は不活性ガス雰囲気中(例えば、アルゴンガス雰囲気中)において200〜400℃まで加熱し、0.5〜48時間の範囲で保持した後に徐冷する。そして、徐冷された電鋳材から、あるいは必要に応じて加工を施した複数の電鋳材を組合せることにより、電鋳構造体が構成される。
電鋳材を200〜400℃で熱処理することにより、電鋳材の組織を変化させないで、電鋳材の内部応力(合金めっき層が形成される際に導入された電着応力)に伴うひずみを除去することができ、電鋳材の機械的性質が改善される。これにより、電鋳材の適用範囲を更に拡大することが可能になる。
本発明の第3の実施の形態に係る構造物の作製方法では、チタン板12に基材を取付け、第1、第2の電源15、16を操作して、基材を介してチタン板12とコバルト板13及びニッケル板14との間にそれぞれ電流を流している。
なお、電鋳材の作製方法は、第1の実施の形態の電鋳構造体における電鋳材10の作製方法と同様なので、詳細な説明は省略する。これにより、基材表面に合金めっき層を形成することができ、基材表面と一体状態で電鋳材(厚みは用途に応じて設定する)を設けることができる。
ここで、基材の材質は、構造物の目的に応じて、例えば、鉄鋼材、ステンレス材、銅、又は銅合金材等の導電材料の中から選択され、基材の形状は、構造物の形状に応じて所定の形状に加工しておく。基材を予め加工しておくことで、複雑な形状の構造を容易に作製することができる。また、表面に電鋳材が設けられた複数の基材を組合わせることで、大型の構造物を容易に作製することができる。
なお、基材の表面(電鋳材が設けられる面)には、例えば、ブラスト加工を行って凹凸面を形成するのが好ましい。これにより、基材と電鋳材との間の接合強度を向上させることができる。
また、チタン板12上に、所定材質、所定形状の電着層を形成し、基材として用いることもできる。
また、基材に、例えば、アルミニウム(アルミニウム合金を含む)を使用した場合、基材上に電鋳材を形成した後、基材をニッケル−コバルト合金めっき液から引き上げ洗浄した後に、アルミニウムの融点まで加熱することにより基材を溶融させて電鋳材より除去することができ、あるいは酸溶液又はアルカリ溶液に浸漬することにより基材を溶解させて電鋳材より除去することができ、電鋳材のみから形成されている構造物を容易に作製することができる。
更に、チタン板の代わりに基材を陰極として用い、基材とコバルト板、基材とニッケル板との間にそれぞれ電流を流し、基材上に電鋳材を形成することもできる。
なお、電鋳材を基材の一部に設けた構造物を作製することもできる。
続いて、本発明の作用及び効果を確認するために行った実施例について説明する。
ニッケルめっき液を用いてチタン板上に形成した純ニッケルの電鋳材の熱処理温度と機械的性質(引張強度(N/mm )、0.2%耐力(N/mm )、ビッカース硬度(以下、硬度(Hv)という)、及び伸度(%))との関係を図3に示す。
また、ニッケルめっき液をベースにコバルト含有量を10質量%ピッチで90質量%まで調整した各ニッケル−コバルト合金めっき液を用いてチタン板上に形成したCo10質量%−Ni90質量%〜Co90質量%−Ni10質量%の各電鋳材における、熱処理温度と機械的性質との関係を図4〜図12に示す。
更に、コバルトめっき液を用いてチタン板上に形成した純コバルトの電鋳材の熱処理温度と機械的性質との関係を図13に示す。
図3〜図13から熱処理を行わない電鋳材の引張強度、0.2%耐力、及び硬度(Hv)をそれぞれ読み取り、電鋳材のコバルト含有量に対して、引張強度が1200N/mm以上、0.2%耐力が800N/mm以上、硬度(Hv)が400以上となる場合をそれぞれ○印、引張強度が1200N/mm未満、0.2%耐力が800N/mm未満、硬度(Hv)が400未満となる場合をそれぞれ×印として示すと、図14のようになる。
図14から、電鋳材の引張強度が1200N/mm以上となるときのコバルト含有量の下限値は10〜20質量%の範囲に、上限値は50〜60質量%の範囲にそれぞれ存在することが分かる。また、0.2%耐力が800N/mm以上となるときのコバルト含有量の下限値は20〜30質量%の範囲に、上限値は50〜60質量%の範囲にそれぞれ存在することが分かる。更に、硬度(Hv)が400以上となるときのコバルト含有量の下限値は30〜40質量%の範囲に、上限値は60〜70質量%の範囲にそれぞれ存在することが分かる。
特に、電鋳材のコバルト含有量を40質量%を超え45質量%以下では、電鋳材の引張強度、0.2%耐力、及び硬度(Hv)を共に高位にすることができる。
図3〜図13から、200℃、240℃、300℃、350℃、及び450℃でそれぞれ熱処理した電鋳材の引張強度を読み取り、コバルト含有量と引張強度の関係を示すと、図15のようになる。
図15から、ニッケル電鋳材(コバルト含有量が0%)及びコバルト電鋳材(コバルト含有量が100%)に対して、コバルト含有量が30質量%を超え60質量%以下の範囲では、200〜400℃で熱処理を行うことにより、引張強度の向上が認められる。そして、Co含有量が40質量%以上60質量%以下の電鋳材では、特に200〜300℃で熱処理を行うことにより、電鋳材の引張強度を1200MPaを超えるレベルまで向上させることが可能であることが分かる。
本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲でその構成を変更することもできる。
また、本発明は具体的数字を用いて説明したが、要旨を変更しない範囲で数値限定を外すことができる。
例えば、電鋳構造体を、Co含有量が40質量%を超え55質量%以下、タングステン及びモリブデンをそれぞれ0.1質量%以上5質量%以下で、残部がNi及び不可避的不純物からなる電鋳材を有する構成とすることができる。また、電鋳構造体を、Co含有量が30質量%を超え60質量%以下、タングステン及びモリブデンをそれぞれ0.1質量%以上5質量%以下で、残部がNi及び不可避的不純物からなり、200〜400℃で熱処理された電鋳材を有する構成とすることができる。タングステン及びモリブデンをそれぞれ加えることにより、電鋳構造体の硬度及び耐食性を高めることができる。
10:電鋳材、11:めっき槽、12:チタン板、13:コバルト板、14:ニッケル板、15:第1の電源、16:第2の電源、17:ニッケル−コバルト合金めっき液

Claims (4)

  1. ニッケルめっき液を入れためっき槽内に、コバルト溶出用電極とコバルト板を配置し、該コバルト溶出用電極と該コバルト板との間に第1の電源を接続して電流を流し、前記コバルト板からコバルトを溶出させてニッケル−コバルト合金めっき液を作製した後、
    前記ニッケル−コバルト合金めっき液に、陰極として導電材料からなる基材を、陽極として前記コバルト板及びニッケル板を、それぞれ配置し、前記基材と前記コバルト板との間に前記第1の電源を接続すると共に、前記基材と前記ニッケル板との間に第2の電源を接続して、それぞれ電流を流し、前記基材の表面に、ニッケル−コバルト合金めっき層を形成して電鋳材を製造するに際し、
    前記電鋳材を構成するニッケルとコバルトの割合に応じて、前記基材と前記コバルト板との間に流れる電流と、前記基材と前記ニッケル板との間に流れる電流の比率を設定し、Co含有量が40質量%を超え55質量%以下で、残部がNi及び不可避的不純物からなり、引張強度が少なくとも1200N/mmである前記電鋳材を製造することを特徴とする電鋳材の製造方法
  2. ニッケルめっき液を入れためっき槽内に、コバルト溶出用電極とコバルト板を配置し、該コバルト溶出用電極と該コバルト板との間に第1の電源を接続して電流を流し、前記コバルト板からコバルトを溶出させてニッケル−コバルト合金めっき液を作製した後、
    前記ニッケル−コバルト合金めっき液に、陰極として導電材料からなる基材を、陽極として前記コバルト板及びニッケル板を、それぞれ配置し、前記基材と前記コバルト板との間に前記第1の電源を接続すると共に、前記基材と前記ニッケル板との間に第2の電源を接続して、それぞれ電流を流し、前記基材の表面に、ニッケル−コバルト合金めっき層を形成して電鋳材を製造するに際し、
    前記電鋳材を構成するニッケルとコバルトの割合に応じて、前記基材と前記コバルト板との間に流れる電流と、前記基材と前記ニッケル板との間に流れる電流の比率を設定し、Co含有量が30質量%を超え60質量%以下で、残部がNi及び不可避的不純物からなる前記電鋳材を製造し、更に該電鋳材を前記基材から分離して200〜400℃で熱処理することを特徴とする電鋳材の製造方法
  3. 請求項1又は2記載の電鋳材の製造方法において、前記ニッケル−コバルト合金めっき液の作製に際し、前記コバルト板から前記ニッケルめっき液中に溶解させるコバルト量は、予め求めた、ニッケル−コバルト合金めっき液中のコバルト濃度と、該ニッケル−コバルト合金めっき液を用いて作製されるニッケル−コバルト合金めっき皮膜中のコバルト含有量との間の関係に基づいて、前記電鋳材を構成するニッケルとコバルトの割合から決定することを特徴とする電鋳材の製造方法
  4. 請求項1記載の前記電鋳材を、予め所定の形状に加工され、その表面を凹凸面とした、前記基材の表面に形成することを特徴とする構造物の製造方法
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