JP6482879B2 - 無線通信装置及び無線通信システム - Google Patents
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Description
図8のシステムでは、指令台(統制卓、通信卓ともいう。)10と、回線制御装置20と、複数の基地局(1)30−1,基地局(2)30−2と、移動局である車載機(車載無線機)140とから構成されている。指令台10と回線制御装置20は、有線の伝送路5により接続され、回線制御装置20と基地局30は、有線あるいはマイクロ回線等の伝送路4により接続されている。基地局30と移動局140は無線により接続される。
移動局140は、基地局30からの送信波を受信後、所定の受信電界レベルを閾値として、閾値以上の間は無線CHを固定し、閾値以下となった場合には、無線CHを開放しCHサーチを再度開始する。
つまり、従来の無線通信システムにおいて、移動局140は、基地局30からの送信波をCHサーチし、受信電界レベルを比較することで無線CH切替を実施しており、基地局30は常時送信状態を維持すること(常送方式)が必須であった。
また、特許文献1には、移動局と、移動局と同一の送受信周波数により無線接続され移動局からの信号の受信電界強度を測定する複数の基地局と、各基地局と接続され移動局と交信する基地局を選択する回線制御装置と、回線制御装置と接続され基地局を介して移動局と交信する指令台とを備え、回線制御装置は、複数の基地局から受信電界強度値を取得し、直近に選択していた第1の基地局以外で最も受信電界強度値が大きい第2の基地局が測定した受信電界強度値が、第1の基地局が測定した受信電界強度値よりも所定の差分値以上に大きい状態が、第1の時間継続したときは第2の基地局を選択し、第2の基地局が測定した受信電界強度値が所定の差分値以上に大きい状態が、第1の時間継続しなかったときは第1の基地局を選択することが記載されている。
また、特許文献1のような非常送方式の無線通信システムであっても、複数の基地局を設置し、複数の無線CHを有するシステムにおいては、移動局側にて最適な無線CHを任意に選択することは難しく、運用者側での操作を伴わない無線CH切替方法が求められている。
本発明の一実施形態に係る無線通信システムでは、移動局は、予めシステム内の各通信エリアの各地点での受信電界レベルを基地局の無線CH毎に自装置内に記憶させておく。なお、受信電界レベルの更新は基地局から送信波を受信するたびに実施する。また、移動局は、各通信エリアにおいて自装置内の受信電界レベル情報を元に、基地局からの送信波をサーチする時間管理を行い、受信電界レベルが高い無線CHほど長くCHサーチを実施することで、最適な無線CHを自動的に選択する仕組みを実現する。また、送信CHは、各エリアの自装置内の受信電界レベルが高いCHを送信CHとして選択することで最適な無線CHでの運用が期待できる。
つまり、基地局からの送信が非常送方式の無線通信システムにおいても、移動局が予め自装置内で管理する基地局の無線CHの受信電界レベル情報を利用することで、移動局の自動CH切替を実現するものである。
次に、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成例を示す図である。なお、図1において、図8に示した従来例と同じ構成には同符号を付しており、既に説明したものについては適宜説明を省略する。
図1の例では、基地局30は、基地局(1)30−1と基地局(2)30−2の2つであるが、複数あればよく、3つ以上であってもよい。また、移動局40は1つであるが、2つ以上あってもよい。なお、基地局を代表する場合は基地局30と称する。
基地局(1)30−1は、送信周波数(基地局から移動局への下り信号周波数)FH1の送信用無線機と、受信周波数(移動局から基地局への上り信号周波数)FL1の受信用無線機とから構成される送受信用無線機1台を有する。また、基地局(2)30−2は、送信周波数FH2の送信用無線機と、受信周波数FL2の受信用無線機とから構成される送受信用無線機1台を有する。
ここで、FH1とFH2は異なる周波数であり、FL1とFL2は異なる周波数であり、FH1とFL1、あるいはFH2とFL2で、それぞれ、上りと下りの信号を1ペアとするペア波を構成する。
また、本実施形態の無線通信システムにおいては、指令台10から移動局40への通話要求があった場合に、あるいは、移動局40から指令台10への通話要求があった場合に、基地局30と移動局40との間で受信の同期をとるための同期信号とともに音声データを無線通信する非常送方式が用いられている。非常送方式においては必要時だけ電波を送信するため、電波送信時以外の停波時は、移動局40の位置を基地局30や指令台10が把握することはできない。
なお、図1の無線通信システムは、例えば消防救急用無線通信システムであり、移動局40は消防車又は消防車に搭載された無線機であり、通信ゾーンの大きさは半径数km〜数十km程度である。
指令台10は、CPU等で構成された制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、音声を出力するスピーカ15、オペレータの音声が入力されるマイク16で構成され、マイク16とスピーカ15を用いて基地局30を介して移動局40との間で、移動局40への指令等に関する通話を行う、つまり通話信号を交信する。
図2では指令台10は1つであるが、移動局40との間で同時に複数の通話を行う必要がある場合は、指令台10を複数有するように構成することができる。
移動局40との間で同時に複数の通話を行う構成の場合は、回線制御装置20は、複数の指令台10のうち、どの指令台10を用いるかについても自動的に選択する。
記憶部22は、その時点で回線制御装置20が選択している基地局である現基地局がどの基地局であるかを記憶するもので、例えば基地局30の番号(つまり基地局30識別子)を記憶する。
送信用無線機33は、指令台10からの通話信号を送信周波数FH1(基地局(2)30−2では、送信周波数FH2)で移動局40に送信する。また、受信用無線機34は、移動局40から受信周波数FL1(基地局(2)30−2では、受信周波数FL2)で送られてくる通話信号を受信する。
制御部31は、回線制御装置20を介して受信した指令台10からの通話信号を送信用無線機33へ送信し、また、受信用無線機34で受信した移動局40からの通話信号を回線制御装置20を介して指令台10へ送信する。
図3において、43は基地局30との送受信を行うためのアンテナ、44は送受信を切替えるための切換スイッチ、45は受信部、46は受信信号処理部、47はスピーカ、41は制御部、48は表示部、49は操作部、50はマイク、51は送信信号処理部、52は送信部である。
これにより移動局40は、基地局30との無線通信における受信電界レベルが閾値よりも低下した場合に、設定されたCHサーチ条件に基づいてCHサーチを行い、無線通信を行う基地局30の切り替えを行う。
制御部41の記憶部41bは、操作部49からの操作によって設定された受信電界レベルに対する閾値を記憶する。また、記憶部41bは、図4に示す基地局情報登録テーブル1020を格納している。この基地局情報登録テーブル1020には、識別子1024と、識別子1024に対応し、識別子を基に基地局30を特定するための基地局情報が登録されている。基地局情報には、例えば基地局(1),(2),(3)・・・といった基地局名1021と、各基地局30の周波数(無線CH)1022と、基地局30が所属する通信エリア1023が含まれている。例えば基地局情報登録テーブル1020には、識別子「00001」を格納する無線周波数FH1,FL1の基地局30は、通信エリア「1」に所属し、無線CH1を用いる基地局(1)30−1であることが登録されている。
[条件1]受信電界レベル差Sが30以上であった場合には、
・受信電界レベルの高い方の無線CHでCHサーチを10秒間実施する。
・送信CHは受信電界レベルの高い方の無線CHを使用する。
[条件2]受信電界レベル差Sが30未満で10以上であった場合には、
・受信電界レベルの高い方の無線CHでCHサーチを7秒間実施し、低い方の無線CHでCHサーチを3秒間実施する。
・送信CHは受信電界レベルの高い方の無線CHを使用する。
[条件3]受信電界レベル差Sが10未満であった場合には、
・受信電界レベルの高い方の無線CHでCHサーチを5秒間実施し、低い方の無線CHでCHサーチを5秒間実施する。
・送信CHは直前に使用していた無線CHを使用する。
次に、本発明の一実施形態に係る無線通信システムにおける移動局での基地局切替制御方法について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る移動局での基地局切替制御方法を示すフローチャートである。
この切替制御方法は、移動局40が操作卓10とデータ通信を行うために、移動局40が基地局30と無線通信を行う際、例えば基地局30の受信電界レベルが閾値よりも低下した場合や移動局40のサーチボタン49aが押し下げられた場合に用いられる。またこの切替制御方法は、例えば移動局40が、例えば基地局30と、回線制御装置20を介してデータ通信を行う際に用いられる。
なお、図1において、移動局40は、基地局30と無線通信を行っており、受信電界レベルの閾値が操作部49によって所定の値(例えば、−80dBm)に設定されているものとする。
これにより制御部41は、現在移動局40のいる地点における近隣2箇所の基地局30の受信電界レベル計測値を記憶部41bの受信電界レベル計測値テーブル1010から読み出す(ステップS102)。
制御部41は、算出した受信電界レベル差Sに応じて、下記制御を行った後、処理を終了する。
[1]受信電界レベル差Sが30以上であった場合には、
・受信電界レベルの高い方の無線CHでCHサーチを10秒間実施する。
・送信CHは受信電界レベルの高い方の無線CHを使用する。
[2]受信電界レベル差Sが30未満で10以上であった場合には、
・受信電界レベルの高い方の無線CHでCHサーチを7秒間実施し、低い方の無線CHでCHサーチを3秒間実施する。
・送信CHは受信電界レベルの高い方の無線CHを使用する。
[3]受信電界レベル差Sが10未満であった場合には、
・受信電界レベルの高い方の無線CHでCHサーチを5秒間実施し、低い方の無線CHでCHサーチを5秒間実施する。
・送信CHは直前に使用していた無線CHを使用する。
移動局40がP11地点に移動した場合、移動局40は、記憶部41bの受信電界レベル計測値テーブル1010を参照し、基地局(1)30−1および基地局(2)30−2のP11地点におけるFH1およびFH2の受信電界レベル差Sが68dBmであり、図6のCHサーチ条件[1]の30dBm以上に当てはまるため、送信CH:FL1固定、受信CH:FH1で10秒間CHサーチを行い、基地局(1)30−1の在圏動作とする。
例えば、上記した実施形態では、移動局は、各通信エリアにおいて自装置内の受信電界レベル情報を元に、基地局からの送信波をサーチする時間管理を行い、最適な無線CHの自動選択を行っているが、受信電界レベルの代わりに、受信電界強度やRSSI(Received Signal Strength Indication:受信信号強度)を利用するようにしてもよい。
例えば、上記した実施形態では、移動局で自動CH切替を行う基地局の数を2つとしたが、3つ以上としてもよい。
例えば、上記した実施形態では、移動局で行うCHサーチにおいて、受信電界レベル差S、並びにCHサーチ時間を条件1、2および3に応じてそれぞれ設定しているが、それらの値は一例であり、適宜設定すればよい。
Claims (6)
- 第1の基地局の通信エリア内においてチャネルサーチを行い、前記第1の基地局から送信された第1のチャネルの電波と、前記第1の基地局とは通信エリアの異なる第2の基地局から送信された第2のチャネルの電波の受信電界レベルを測定する無線通信装置において、
通信エリア内の各地点での、前記第1の基地局の受信電界レベルと、前記第2の基地局の受信電界レベルを予め記憶しており、
自装置のいる地点における、前記第1の基地局の受信電界レベルと、前記第2の基地局の受信電界レベルを読み出し、
前記第1の基地局の前記第1のチャネルの受信電界レベルと前記第2の基地局の前記第2のチャネルの受信電界レベルの受信電界レベル差に応じて、前記第1のチャネルをサーチする期間と前記第2のチャネルをサーチする期間の割合を変更することを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1記載の無線通信装置において、
前記第1の基地局の前記第1のチャネルの受信電界レベルが前記第2の基地局の前記第2のチャネルの受信電界レベルよりも高い場合に、
前記受信電界レベル差が第1の所定値以上であれば前記第1のチャネルを優先してチャネルサーチを実行し、
前記受信電界レベル差が第1の所定値より小さく第2の所定値以上であれば、前記第1のチャネルをサーチする期間を前記第2のチャネルをサーチする期間よりも長めにしてチャネルサーチし、
前記受信電界レベル差が第2の所定値より小さければ、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルを平等にチャネルサーチすることを特徴とする無線通信装置。 - 第1の基地局の通信エリア内においてチャネルサーチを行い、前記第1の基地局から送信された第1のチャネルの電波と、前記第1の基地局とは通信エリアの異なる第2の基地局から送信された第2のチャネルの電波の受信電界強度または受信信号強度を測定する無線通信装置において、
通信エリア内の各地点での、前記第1の基地局の受信電界強度または受信信号強度と、前記第2の基地局の受信電界強度または受信信号強度を予め記憶しており、
自装置のいる地点における、前記第1の基地局の受信電界強度または受信信号強度と、前記第2の基地局の受信電界強度または受信信号強度を読み出し、
前記第1の基地局の前記第1のチャネルの受信電界強度または受信信号強度と前記第2の基地局の前記第2のチャネルの受信電界強度または受信信号強度の受信電界強度差または受信信号強度差に応じて、前記第1のチャネルをサーチする期間と前記第2のチャネルをサーチする期間の割合を変更することを特徴とする無線通信装置。 - 移動局と、前記移動局に無線でデータ送信する基地局と、前記移動局に前記基地局を介してデータ送信する指令台と、前記指令台から前記基地局へ送信する送信データの送信制御を行う回線制御装置とで構成される無線通信システムにおいて、
前記基地局は、所定の通信エリアを有する第1の基地局と、前記第1の基地局とは通信エリアの異なる第2の基地局とを含んで構成され、
前記移動局は、通信エリア内の各地点での、前記第1の基地局の受信電界レベルと、前記第2の基地局の受信電界レベルを予め記憶する記憶部と、
前記第1の基地局の通信エリア内においてチャネルサーチを行い、前記第1の基地局から送信された第1のチャネルの電波と、前記第2の基地局から送信された第2のチャネルの電波の受信電界レベルを測定する無線通信部と、
前記無線通信部のチャネルサーチを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、自局のいる地点における、前記第1の基地局の受信電界レベルと、前記第2の基地局の受信電界レベルを前記記憶部から読み出し、前記第1の基地局の前記第1のチャネルの受信電界レベルと前記第2の基地局の前記第2のチャネルの受信電界レベルの受信電界レベル差に応じて、前記無線通信部の、前記第1のチャネルをサーチする期間と前記第2のチャネルをサーチする期間の割合を変更することを特徴とする無線通信システム。 - 請求項4記載の無線通信システムにおいて、
前記移動局の前記制御部は、記無線通信部に対して、
前記第1の基地局の前記第1のチャネルの受信電界レベルが前記第2の基地局の前記第2のチャネルの受信電界レベルよりも高い場合に、
前記受信電界レベル差が第1の所定値以上であれば前記第1のチャネルを優先してチャネルサーチを実行させ、
前記受信電界レベル差が第1の所定値より小さく第2の所定値以上であれば、前記第1のチャネルをサーチする期間を前記第2のチャネルをサーチする期間よりも長めにしてチャネルサーチさせ、
前記受信電界レベル差が第2の所定値より小さければ、前記第1のチャネルと前記第2のチャネルを平等にチャネルサーチさせることを特徴とする無線通信システム。 - 移動局と、前記移動局に無線でデータ送信する基地局と、前記移動局に前記基地局を介してデータ送信する指令台と、前記指令台から前記基地局へ送信する送信データの送信制御を行う回線制御装置とで構成される無線通信システムにおいて、
前記基地局は、所定の通信エリアを有する第1の基地局と、前記第1の基地局とは通信エリアの異なる第2の基地局とを含んで構成され、
前記移動局は、通信エリア内の各地点での、前記第1の基地局の受信電界強度または受信信号強度と、前記第2の基地局の受信電界強度または受信信号強度を記憶する記憶部と、
前記第1の基地局の通信エリア内においてチャネルサーチを行い、前記第1の基地局から送信された第1のチャネルの電波と、前記第2の基地局から送信された第2のチャネルの電波の受信電界強度または受信信号強度を測定する無線通信部と、
前記無線通信部のチャネルサーチを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、自局のいる地点における、前記第1の基地局の受信電界強度または受信信号強度と、前記第2の基地局の受信電界強度または受信信号強度を前記記憶部から読み出し、前記第1の基地局の前記第1のチャネルの受信電界強度または受信信号強度と前記第2の基地局の前記第2のチャネルの受信電界強度または受信信号強度の受信電界強度差または受信信号強度差に応じて、前記無線通信部の、前記第1のチャネルをサーチする期間と前記第2のチャネルをサーチする期間の割合を変更することを特徴とする無線通信システム。
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