JP2013030986A - 無線通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移動局と、移動局と同一の送受信周波数により無線接続され移動局からの信号の受信電界強度を測定する複数の基地局と、各基地局と接続され移動局と交信する基地局を選択する回線制御装置と、回線制御装置と接続され基地局を介して移動局と交信する指令台とを備え、複数の基地局から受信電界強度値を取得し、直近に選択していた第1の基地局以外で最も受信電界強度値が大きい第2の基地局が測定した受信電界強度値が、第1の基地局が測定した受信電界強度値よりも所定の差分値以上に大きい状態が、第1の時間継続したときは第2の基地局を選択し、第2の基地局が測定した受信電界強度値が所定の差分値以上に大きい状態が、第1の時間継続しなかったときは第1の基地局を選択する。
【選択図】 図4
Description
各基地局30(1)〜30(3)は、それぞれ、通信ゾーン(あるいは通信エリアとも言う。)1〜3を有し、同一の送信周波数(基地局から移動局への下り信号周波数:FH1)を用いて移動局に対して送信を行い、また、同一の受信周波数(移動局から基地局への上り信号周波数:FL1)を用いて移動局から受信を行うよう構成されている。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、移動局が基地局のエリアを跨いで移動する際に、適切な基地局を自動的に選択することができる無線通信システムを提供することを目的とする。
移動局と、前記移動局と無線で接続される複数の基地局と、前記複数の基地局と接続され、前記複数の基地局のうちから前記移動局と通話信号を交信する基地局を選択する基地局選択制御を行う回線制御装置と、前記回線制御装置と接続され、前記選択された基地局を介して前記移動局と通話信号を交信する指令台とを備えた無線通信システムであって、
前記複数の基地局は、それぞれ、同一の送信周波数を用いて前記移動局に通話信号を送信するととともに、同一の受信周波数を用いて前記移動局から通話信号を受信するよう構成されるとともに、前記移動局から受信した受信信号の受信電界強度を測定し、
前記回線制御装置は、前記基地局選択制御において、
前記複数の基地局がそれぞれ測定した前記受信電界強度値を取得する取得処理と、
前記複数の基地局のうち直近に選択していた第1の基地局以外で最も受信電界強度値が大きい第2の基地局が測定した受信電界強度値が、前記第1の基地局が測定した受信電界強度値よりも、所定の差分値以上に大きい状態が、所定の第1の時間、継続したときは、前記第2の基地局を、前記移動局と通話信号を交信する基地局として選択し、前記第2の基地局が測定した受信電界強度値が、前記第1の基地局が測定した受信電界強度値よりも所定の差分値以上に大きい状態が、前記第1の時間、継続しなかったときは、前記第1の基地局を、前記移動局と通話信号を交信する基地局として選択する第1の選択処理と、を行うことを特徴とする無線通信システム。
図1の例では、基地局30(1)〜30(3)は3つであるが、複数あればよく、2つあるいは4つ以上であってもよい。また、移動局は1つ以上あればよい。なお、基地局を代表する場合は基地局30と称し、移動局を代表する場合は移動局40と称する。
基地局30(1)〜30(3)のそれぞれは、送信周波数FH1(下り:基地局から移動局へ)の送信用無線機と、受信周波数FL1(上り:移動局から基地局へ)の受信用無線機とから構成される送受信用無線機1台を有するが、さらに送信周波数FH2と受信周波数FL2の送受信用無線機を有するなど、2台以上の送受信用無線機を有するように構成することもできる。このように2台以上の送受信用無線機を有するように構成すると、複数の指令台10と複数の移動局40の間で、同時に複数の通話が可能となるよう、通話ごとに基地局に搭載されている無線機を割当てることができる。
ここで、FH1とFH2は異なる周波数であり、FL1とFL2は異なる周波数であり、FH1とFL1、あるいはFH2とFL2で、それぞれ、上りと下りの信号を1ペアとするペア波を構成する。
また、本実施形態の無線通信システムにおいては、指令台10から移動局40への通話要求があった場合、あるいは、移動局40から指令台10への通話要求があった場合に、基地局30と移動局40との間で受信の同期をとるための同期信号とともに音声データを無線通信する非常送方式が用いられている。非常送方式においては必要時だけ電波を送信するため、電波送信時以外の停波時は、移動局40の位置を基地局30や指令台10が把握することはできない。
図1の無線通信システムは、例えば消防救急用無線通信システムであり、車載機40は消防車又は消防車に搭載された無線機であり、通信ゾーンの大きさは半径数km〜数十km程度である。
指令台10は、CPU等で構成された制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、音声を出力するスピーカ15、オペレータの音声が入力されるマイク16で構成され、マイク16とスピーカ15を用いて基地局30を介して移動局40との間で、移動局40への指令等に関する通話を行う、つまり通話信号を交信する。
図2では指令台10は1つであるが、移動局40との間で同時に複数の通話を行う必要がある場合は、指令台10を複数有するように構成することができる。
移動局40との間で同時に複数の通話を行う構成の場合は、回線制御装置20は、複数の指令台10のうち、どの指令台10を用いるかについても自動的に選択する。
また、記憶部22は、その時点で回線制御装置20が選択している基地局である現基地局がどの基地局であるかを記憶するもので、例えば基地局30の番号(つまり基地局30識別子)を記憶する。
また、記憶部22は、受信電界強度の閾値Lを記憶する。この閾値Lは、その時点で選択している現基地局の受信電界強度が所定の値(閾値L)以上であるか否かを判定するためのものである。
また、記憶部22は、差分値Dを記憶する。この差分値Dは、基地局の選択切替を行う際に、切替候補である基地局の受信電界強度値が、それまで選択していた現基地局の受信電界強度値よりも所定の値(差分値D)以上であるか否かを判定するためのものである。
また、記憶部22は、基地局切替最小時間T2を記憶する。この基地局切替最小時間T2は、回線制御装置20が、基地局切替を短時間のうちに繰り返すことを回避するためのものであり、回線制御装置20は、基地局切替を行う間隔をT2時間以上空けるように動作する。
送信用無線機33は、指令台10からの通話信号を無線周波数FH1で移動局40に送信する。また、受信用無線機34は、移動局40から無線周波数FL1で送られてくる通話信号を受信するとともに、移動局40からの受信信号の受信電界強度を測定する。
制御部31は、回線制御装置20を介して受信した指令台10からの通話信号を送信用無線機33へ送信し、また、受信用無線機34で受信した移動局40からの通話信号を回線制御装置20を介して指令台10へ送信する。また、制御部31は、受信電界強度測定を例えば一定周期で行うよう受信用無線機34を制御し、測定した受信電界強度値を回線制御装置20へ送信する。
まず、移動局40例えば車載局40(1)が、指令台10と通話するために、同期信号とともに音声データを、移動局送信部52から移動局アンテナ43を介して各基地局30へ送信する。車載局40(1)からの電波(受信信号)を受信した各基地局30では、それぞれ、例えば一定周期で受信電界強度を測定し、伝送路4を介して回線制御装置20へ送信する。
次に、回線制御装置20の制御部21は、各基地局30から複数回取得した受信電界強度値を積算し、各基地局30ごとに平均値を算出する(ステップS2)。平均値を算出する理由は、受信電界強度の瞬間的な変動による影響を抑制するためである。
現基地局の優先順位を最も高くする理由は、車載局40(1)が、前回の通話時に接続された基地局30(1)の傘下にいる可能性が大きい、つまり、基地局30(1)が車載局40(1)にとって最適の基地局である可能性が大きいからである。
例えば、基地局30(1)〜(3)の受信電界強度値が、それぞれ、−90dBm、−87dBm、−85dBmの場合は、優先順位は、現基地局である基地局30(1)、受信電界強度値が最大の基地局30(3)、受信電界強度値が次に大きい基地局30(2)の順となる。
現基地局の受信電界強度値が所定の閾値L以下の場合は(ステップS4でNo)、現基地局以外の他の基地局のうち最も受信電界強度値の大きい基地局、例えば基地局30(2)を、車載局40(1)の接続局候補として選択する(ステップS5)。
好ましくは、ステップS6において、ステップS5で選択した他の基地局の受信電界強度値R2が、現基地局の受信電界強度値R1より大きい状態が、所定の監視時間T1の間、継続するか否かを判定する。監視時間T1は、予め、記憶部22に記憶されており、例えば1秒以内に設定される。
詳しくは、T1時間の間、現基地局と他の基地局は、それぞれ、車載局40(1)からの電波の受信電界強度を測定し、回線制御装置20は、現基地局の受信電界強度値と他の基地局の受信電界強度値を、それぞれ複数回に亘り取得する。そして、該取得した複数回のいずれにおいても、他の基地局の受信電界強度値が、現基地局の受信電界強度値より大きいか否かを判定する。
このように、ステップS5で選択した他の基地局の受信電界強度値R2が、現基地局の受信電界強度値R1より大きい状態が、継続するか否かを監視する監視時間であるT1を用いると、受信電界強度の瞬間的な変動による影響を抑制することができ、特に、隣接する通信ゾーンの境界付近において、該隣接する通信ゾーンの基地局間の切替が繰り返され、バタツキ状態になることを抑制できる。
なお、ステップS6において、上述した監視時間T1と差分値Dは、併用してもよいし、片方ずつ用いるようにしてもよい。
あるいは、ステップS5で選択した他の基地局の受信電界強度値が、現基地局の受信電界強度値より大きい状態、あるいは、差分値D以上大きい状態が、所定のT1時間の間、継続した場合は(ステップS6でYes)、ステップS5で選択した他の基地局を、車載局40(1)の接続局として選択して記憶部22に登録し、回線制御装置20において、該登録した基地局を指令台10に接続し(ステップS7)、ステップS9へ移行する。
ステップS9においては、ステップS9における経過時間がT2時間となるまで待ち、T2時間となった後に、本処理を終了する。T2は、本処理における基地局切替を短時間のうちに繰り返すことを回避するための基地局切替最小時間で、例えば30〜60秒程度である。基地局切替を短時間のうちに繰り返すと、基地局切替に伴い回線制御装置20等の通話信号ライン切替が必要となるので、通話中に音切れが発生するなど好ましくない。
あるいは、ステップS5で選択した他の基地局の受信電界強度値が、現基地局の受信電界強度値より大きい状態、あるいは、差分値D以上大きい状態が、所定のT1時間の間、継続しなかった場合は(ステップS6でNo)、前述したステップS8へ移行し、引き続き現基地局を車載局40(1)の接続局として選択して記憶部22に登録し、本処理を終了する。
P11地点では、各基地局30から回線制御装置20へ通知される車載機40(1)の上り信号(FL1)の受信電界強度の値は、基地局30(1)からの値が最も大きいため、回線制御装置20の基地局自動選択動作により、基地局30(1)を選択している。
P13地点では、基地局30(2)からの受信電界強度値が最も大きいが、車載機40(1)がP12地点を通過後、基地局30(2)の通信ゾーン2内に入った頃から基地局30(2)からの受信電界強度の値が高くなり、基地局を変更する条件に合致した時点、つまり、現基地局である基地局30(1)の受信電界強度の値が閾値L以下となり、基地局30(2)からの受信電界強度の値が基地局30(1)からの受信電界強度の値よりも差分値D以上大きい状態がT1時間継続した時点で、回線制御装置20の基地局自動選択動作により、基地局30(2)に接続を変更している。
しかしながら、第3実施例を含む本実施形態においては、回線制御装置20の基地局自動選択動作において、図4で説明した閾値L、差分値D、時間T1の少なくともいずれかを用いているので、受信電界強度の瞬間的な変動による影響を抑制することができる。
(1)移動局が基地局のエリアを跨いで移動する際に、適切な基地局を自動的に選択することができる。これにより、指令台において基地局選択に煩わされることなく移動局からの上り音声を常にクリアな状態で聞くことができるので、例えば、消防救急業務で運用する際に、指令台のオペレータが、音声による指令業務に集中することが可能となり安定したシステム運用を実現できる。
(2)基地局選択を行う際に、最初に(つまり優先的に)、現基地局の受信電界強度値が十分であるか否かを、閾値Lにより判定しているので、不必要な基地局切替を抑制できる。
(3)現基地局と他の基地局の受信電界強度値を比較する際に、それらの受信電界強度値の差である差分値Dを用いるので、受信電界強度の瞬間的な変動による影響を抑制することができ、特に、隣接する通信ゾーンの境界付近において、該隣接する通信ゾーンの基地局間の切替が繰り返され、バタツキ状態になることを抑制できる。
(4)他の基地局の受信電界強度値が現基地局より大きい状態が、監視時間T1の間、継続するか否かを監視するので、受信電界強度の瞬間的な変動による影響を抑制することができ、特に、隣接する通信ゾーンの境界付近において、該隣接する通信ゾーンの基地局間の切替が繰り返され、バタツキ状態になることを抑制できる。
(5)基地局切替を短時間のうちに繰り返すことを回避するための基地局切替最小時間T2を設定しているので、基地局切替を短時間のうちに繰り返すことを抑制できる。
また、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムとしてだけでなく、装置、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。
第1の発明は、
移動局と、前記移動局と無線で接続される複数の基地局と、前記複数の基地局と接続され、前記複数の基地局のうちから前記移動局と通話信号を交信する基地局を選択する基地局選択制御を行う回線制御装置と、前記回線制御装置と接続され、前記選択された基地局を介して前記移動局と通話信号を交信する指令台とを備えた無線通信システムであって、
前記複数の基地局は、それぞれ、同一の送信周波数を用いて前記移動局に通話信号を送信するととともに、同一の受信周波数を用いて前記移動局から通話信号を受信するよう構成されるとともに、前記移動局から受信した受信信号の受信電界強度を測定し、
前記回線制御装置は、前記基地局選択制御において、
前記複数の基地局がそれぞれ測定した前記受信電界強度値を取得する取得処理と、
前記複数の基地局のうち直近に選択していた第1の基地局以外で最も受信電界強度値が大きい第2の基地局が測定した受信電界強度値が、前記第1の基地局が測定した受信電界強度値よりも、所定の差分値以上に大きい状態が、所定の第1の時間、継続したときは、前記第2の基地局を、前記移動局と通話信号を交信する基地局として選択し、前記第2の基地局が測定した受信電界強度値が、前記第1の基地局が測定した受信電界強度値よりも所定の差分値以上に大きい状態が、前記第1の時間、継続しなかったときは、前記第1の基地局を、前記移動局と通話信号を交信する基地局として選択する第1の選択処理と、を行うことを特徴とする無線通信システム。
前記第1の発明に記載の無線通信システムであって、
前記回線制御装置は、前記基地局選択制御を繰り返し行うように構成され、前記基地局選択制御において基地局を切り替える場合は、該基地局切替を行う間隔を、所定の第2の時間以上とすることを特徴とする無線通信システム。
前記第1の発明又は第2の発明に記載の無線通信システムであって、
前記回線制御装置は、前記基地局選択制御において、
前記第1の基地局が測定した受信電界強度値が、所定の閾値より大きい場合は、前記第1の基地局を、前記移動局と通話信号を交信する基地局として選択する第2の選択処理を行い、
前記第1の基地局が測定した受信電界強度値が所定の閾値以下の場合は、前記第1の選択処理を行うことを特徴とする無線通信システム。
Claims (3)
- 移動局と、前記移動局と無線で接続される複数の基地局と、前記複数の基地局と接続され、前記複数の基地局のうちから前記移動局と通話信号を交信する基地局を選択する基地局選択制御を行う回線制御装置と、前記回線制御装置と接続され、前記選択された基地局を介して前記移動局と通話信号を交信する指令台とを備えた無線通信システムであって、
前記複数の基地局は、それぞれ、同一の送信周波数を用いて前記移動局に通話信号を送信するととともに、同一の受信周波数を用いて前記移動局から通話信号を受信するよう構成されるとともに、前記移動局から受信した受信信号の受信電界強度を測定し、
前記回線制御装置は、前記基地局選択制御において、
前記複数の基地局がそれぞれ測定した前記受信電界強度値を取得する取得処理と、
前記複数の基地局のうち直近に選択していた第1の基地局以外で最も受信電界強度値が大きい第2の基地局が測定した受信電界強度値が、前記第1の基地局が測定した受信電界強度値よりも、所定の差分値以上に大きい状態が、所定の第1の時間、継続したときは、前記第2の基地局を、前記移動局と通話信号を交信する基地局として選択し、前記第2の基地局が測定した受信電界強度値が、前記第1の基地局が測定した受信電界強度値よりも所定の差分値以上に大きい状態が、前記第1の時間、継続しなかったときは、前記第1の基地局を、前記移動局と通話信号を交信する基地局として選択する第1の選択処理と、を行うことを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記回線制御装置は、前記基地局選択制御を繰り返し行うように構成され、前記基地局選択制御において基地局を切り替える場合は、該基地局切替を行う間隔を、所定の第2の時間以上とすることを特徴とする無線通信システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムであって、
前記回線制御装置は、前記基地局選択制御において、
前記第1の基地局が測定した受信電界強度値が、所定の閾値より大きい場合は、前記第1の基地局を、前記移動局と通話信号を交信する基地局として選択する第2の選択処理を行い、
前記第1の基地局が測定した受信電界強度値が所定の閾値以下の場合は、前記第1の選択処理を行うことを特徴とする無線通信システム。
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