JP2007295064A - 無線lan電話通信方法および無線lan電話端末装置 - Google Patents

無線lan電話通信方法および無線lan電話端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ハンドオーバー時に発生する音声の途切れを解消し、通話品質の高い無線LAN電話通信方法および無線LAN電話端末装置を得ること。
【解決手段】全体制御部130は、ハンドオーバー時に、リンク制御部117,127と協働して、0系音声通話部119が使用するチャネルと1系音声通話部129が使用するチャネルとを無線通信部107で時間的に切り替えながら通話に使用するアクセスポイントとハンドオーバー先のアクセスポイントとの通信チャネルを使い分け、0系音声通話部119と1系音声通話部129と通話相手端末との3者通話状態にし、0系音声通話部119と1系音声通話部129の一方が用いるチャネルの音声をミュートする。つまり、ハンドオーバー実行中は0系音声通話部119と1系音声通話部129の一方と通話相手端末との2者通話状態を維持しつつ安定的な通信が行えるアクセスポイントを探し出す。
【選択図】図1

Description

この発明は、無線LAN電話通信方法および無線LAN電話端末装置(無線LAN電話機)に関するものである。
近年、VoIP技術を利用したIP電話が普及している。IP電話は、パケット化した音声をインターネットや専用のネットワークを通して送受信するので、通話コストが安いという特徴があり、大手プロバイダが様々な地域でサービスを提供しているので、最近では、企業だけでなく、多くの家庭でも利用されるようになってきた。
また、最近では、IP電話機をコードレス化する動きも出てきた。例えば、親機でIP電話のプロトコルを終端し、親機と子機との間では、従来のコードレス電話機の方式で音声を子機とやりとりする製品も発表されている。逆に、IP電話のプロトコルを親機で終端するのではなく、子機で終端できるようにし、その子機をホットスポットなどのような公共の無線アクセスポイントに持ち出して、安価に通話できるような無線LANによるコードレス電話機(無線LAN電話機)も提案されている。
その結果、現在では、無線LANに関する規格であるIEEE802.11に準拠した上記のような無線LAN電話機(無線IP端末)が各社から発表されている(例えば非特許文献1参照)。これらの無線LAN電話機では、通話中に移動を行ってアクセスポイントを渡り歩くことができる。これをハンドオーバーと呼ぶが、その概要を、図27を参照して説明する。
図27は、従来の無線LAN電話機が行うハンドオーバー時の動作を説明するタイムチャートである。なお、図27において、(1)は音声パケットであり、(2)はAP(アクセスポイント)捕捉処理であり、(3)は接続処理であり、(4)は切断処理である。
無線LAN電話機である端末は、IEEE802.11bで規定されている無線LAN規格に準拠して動作し、チャネルch1〜ch14まで有している通信チャネルのうち、時刻t=t0においては、チャネルch11を利用してアクセスポイントとの間にリンクを設定し、音声パケットの送受信を行っている。
このように移動しながら通話している端末は、アクセスポイントから離れると電波状況が悪化するので、自端末を収容できる他のアクセスポイントを探さなくてはならない。そこで、端末は、時分割で自端末の通信チャネルを切り替えながら自端末を収容できるアクセスポイントを検索する。時刻t=t1では、端末がチャネルch1によって通信できるアクセスポイントがあるかどうかを試みているが、応答が無いので、次の時刻t=t2では、チャネルch2によって通信できるアクセスポイントがあるかどうかを試みる。ここでは、チャネルch2を利用してサービスを行っているアクセスポイントが存在し、端末からの問い合わせ(プローブ要求)に対して応答(プローブ応答)を返している。
端末は、移動してさらに電波状況が悪くなった時刻t=t3では、これまで通信に利用していたチャネルch11のリンクを解除(切断)し、時刻t=t4以降は、新たにチャネルch2を利用して新しいアクセスポイントと接続を試みる。詳細は省略するが、端末は、接続のための要求や認証のためのやりとりを終了した時刻t=t5において、再び、音声のやり取りを再開する。つまり、時刻t=t3から時刻t=t5までの期間は音声が途切れてしまう。
特開2005−175932号公報 特開2002−165256号公報 「日経NETWORK」(日経BP社、2005.4、080ページ)
このように、従来の無線LAN電話機では、通話中に移動を行ってアクセスポイントを渡り歩くハンドオーバー時に、音声が途切れることが起こる。その理由は、IEEE802.11規格では、ひとつの端末が複数のアクセスポイントと同時にリンクを持つことを認めていないので、ハンドオーバー時には、まず、古いアクセスポイントとのリンクを解除して、新しいアクセスポイントとのリンクを設定する必要があるが、上記のように、新しいリンクを設定して音声パケットを流せるように通話セッションが回復するまでには若干の時間が必要であることによる。ハンドオーバー時に通話中の音声が途切れる期間は、数100ms程度であることが知られている。
そこで、従来では、ハンドオーバー時の音声途切れを短縮する方法として、時分割で音声の送受信処理と新しいアクセスポイントを探す処理とを行う方法が発表されている(例えば特許文献1参照)。この方法では、通話中に予めハンドオーバー先のアクセスポイントを見つけておくので、リンクの解除からリンクの再設定までの時間が短くなるという利点を持っているが、通話の途切れは解消できない。
また、通話を行っているユーザが、サブネットを跨いで移動した場合は、ハンドオーバー後は別のネットワークを経由して通話を継続することになる。これは特にローミングと呼ばれることがある。このローミングの場合は、ネットワークアドレスが異なるので、ネットワークアドレスの取得やプロトコルスタックの再初期化が必要となり、音声パケットが流れるようになるまで1秒程度の時間がかかるとされている。したがって、この間は、音声が途切れてしまう。
このローミングの時間を短縮するために、携帯電話等で使用されているソフトハンドオフと呼ばれる手法を利用することが提案されている(例えば特許文献2参照)。これは、端末に2つのネットワークインターフェースを搭載して独立に動作させ、ローミングが生じた場合に、予め、予備のネットワークインターフェースを起動させ、ネットワークのコネクションを張っておき、音声パケットのルーティングを変更することで、ハンドオーバーを実現する手法である。この手法では、リンクを解除してからリンクを再設定し、プロトコルスタックを再初期化する必要が無いので、高速なハンドオーバーが実現できる。
しかしながら、この手法は、TDM方式やCDMA方式では有効であるが、このような手法を無線LANに適用した場合、2つのネットワークインターフェースを持つためには周波数の異なる2つの無線チャネルを同時に利用することになるので、無線系を二系統持つことが必要であり、端末が大型化し、また高価になるという問題がある。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ハンドオーバー時に発生する音声の途切れを解消し、通話品質の高い無線LAN電話通信方法および無線LAN電話端末装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、無線LANを利用して音声パケットを送受信する無線LAN電話通信方法において、少なくとも2つの独立した通信チャネルに設定した優先度に従ってそれぞれの通信チャネルでの通信の予定時刻を管理するスケジューラを用意し、前記スケジューラの登録内容に従って優先度の高い通信チャネルを利用した通信と優先度の低い通信チャネルを利用した通信とを時分割で排他的に実行し、前記2つの通信チャネルのうち、優先度の高い通信チャネルを利用する通信の要求が発生した場合は、優先度の低い通信チャネルを利用する通信を強制的に停止し、また、前記優先度の低い通信チャネルを利用して通信を行う場合に、前記スケジューラの登録内容に基づき当該優先度の低い通信チャネルを利用した通信の完了時刻を予測し、当該予測した完了時刻が前記スケジューラに登録されている前記優先度の高い通信チャネルを利用する通信の開始予定時刻以降である場合には当該優先度の低い通信チャネルを利用する通信は行わないように制御することを特徴とする。
この発明によれば、複数の無線チャネルを時間的に切り替えながら2つまたはそれ以上のアクセスポイントとのリンクを維持し、優先度の高いリンクの通信を阻害しないように優先度の低いリンクを利用しての通信が行える。したがって、ハンドオーバー時に、複数のリンクを利用しての3者通話、或いは、それ以上の多者通話の状態を作り、電波状態の悪い方をミュートすることによってあたかも2者が通話しているようにし、端末が移動し、現在ミュートしている方のリンクの電波状態が良好になると、瞬時に、他方のリンクをミュートし、現在ミュートしているリンクのミュートの解除を行うことができる。これによって、ハンドオーバー時に音声が途切れることが無く、高品質の通話を提供することができる。
この発明によれば、ハンドオーバー時に発生する音声の途切れを解消し、高い通話品質が得られるという効果を奏する。
以下に図面を参照して、この発明にかかる無線LAN電話通信方法および無線LAN電話端末装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による無線LAN電話端末装置の機能構成を示すブロック図である。図1に示す無線LAN電話端末装置は、操作部101と、音声入力部102と、音声出力部103と、コーデック部104と、プライオリティ管理テーブル105と、スケジューラ106と、無線通信部107と、RTC108と、パワーセーブ制御部109と、スケジュール管理テーブル110と、音声通話を独立に実現する2系統(ここでは、一方を0系、他方を1系と呼んでいる)の音声通話部119,129と、これらの全体を制御する全体制御部130とを備えている。
操作部101は、発呼先の指定、着呼時に通話の指示および終話の指示をそれぞれ全体制御部130に与える機能部である。音声入力部102は、通話音声を電気信号(音声アナログ信号)に変換して全体制御部130に与える機能部である。音声出力部103は、全体制御部130からの音声アナログ信号を通話音声に変換して外部に出力する機能部である。
コーデック部104は、全体制御部130を介して音声入力部102入力される音声アナログ信号を音声デジタル信号(音声データ)に変換し、それを所定のアルゴリズムを用いて音声パケットに変換(エンコード)することと、全体制御部130を介して0系と1系の音声通話部119,129から入力される音声データを所定のアルゴリズムを用いてデコードして音声アナログ信号に変換し、それを全体制御部130を介して音声出力部103に出力することを行う機能部である。
プライオリティ管理テーブル105は、全体制御部130が、0系と1系の音声通話部119,129がそれぞれの通信チャネルを利用する通信に対して優先度を設定するために用いるテーブルである(図12参照)。
スケジューラ106は、全体制御部130の制御下に、0系と1系の音声通話部119,129がそれぞれの通信チャネルを利用した通信の予定時刻を管理する機能部であり、配下に、RTC108と、スケジュール管理テーブル110と、0系音声通話部119における0系リンク制御部117と、1系音声通話部129における1系リンク制御部127とが設けられる。
RTC108は、時間の経過を測定してスケジューラ106に与える。スケジュール管理テーブル110は、スケジューラ106が無線通信のスケジュール優先度の高い通信と低い通信とに分けて管理するのに用いるテーブルである。0系と1系のリンク制御部117,127は、0系と1系の音声通話部119,129において、通信の完了時刻を予測し、スケジューラ106からの完了時刻の問い合わせに応答し、また、スケジューラ106の管理内容に基づきデータの送受信のシーケンスを制御する機能部である。
無線通信部107は、全体制御部130の制御下に、0系と1系の音声通話部119,129における送信キュー113,123に蓄積したデータを無線フレーム化して送信することと、受信した無線フレームの内容を0系と1系の音声通話部119,129における受信キュー114,124に格納することを行う機能部である。
パワーセーブ制御部109は、全体制御部130の制御下に、無線通信部107の送信電力を制御する機能部である。
さて、0系と1系の音声通話部119,129は、同じ構成であって、0系と1系の表記を外して示すと、呼制御部111,121と、プロトコル処理部112,122と、上記した送信キュー113,123と、上記した受信キュー114,124と、上記したリンク制御部117,127と、制御部118,128とを備えている。
0系と1系の呼制御部111,121は、制御部118,128の制御下に、発呼、着呼、呼の接続・切断の制御、および各呼の状態に応じたダイヤルトーン、ビジートーン、リンガー、リング・バック・トーンを制御部118,128、全体制御部130を介して音声出力部103に出力する機能部である。
0系と1系のプロトコル処理部112,122は、制御部118,128の制御下に、呼の設定や解除、通話時の音声パケットの送受信を指定されたプロトコルに従って処理する機能部である。0系と1系の送信キュー113,123は、制御部118,128から受け取った無線送信用のデータをFIFO方式で蓄積して無線通信部107に与える機能部である。0系と1系の受信キュー114,124は、無線通信部107が受信した無線フレームから取り出したデータをFIFO方式で蓄積して制御部118,128に与える機能部である。
0系と1系の制御部118,128は、全体制御部130の制御下に、スケジューラ106の管理内容に基づき、上記の各機能部を制御して当該0系と1系の音声通話部119,129の機能を実現する当該音声通話部における全体制御部である。
次に、図2は、図1に示す無線LAN電話端末装置の電気的構成を示すブロック図である。図2に示す無線LAN電話端末装置は、CPU(中央処理装置)201と、CPU201の内部バスに並列に接続されるROM202,RAM203,RTC204,ベースバンド処理部205,A/D変換器207,D/A変換器209,キーボード211及びコーデック212と、ベースバンド処理部205に接続されるRF(無線処理部)206と、A/D変換器207に接続されるマイク208と、D/A変換器209に接続されるスピーカ210とを備えている。
ここで、図1に示す機能構成との対応関係を示す。操作部101はキーボード211によって実現される。音声入力部102はマイク208によって実現される。音声出力部103はスピーカ210によって実現される。コーデック部104はコーデック212とA/D変換器207とD/A変換器209との全体によって実現される。
プライオリティ管理テーブル105、スケジュール管理テーブル110、0系と1系の送信キュー113,123、及び0系と1系の受信キュー114,124はRAM203により構成される。無線通信部107はベースバンド処理部205とRF206とによって構成される。RTC108はRTC204によって構成される。
スケジューラ106と、パワーセーブ制御部109と、0系音声通話部119である呼制御部111,プロトコル処理部112,リンク制御部117及び制御部118と、1系音声通話部129である呼制御部121,プロトコル処理部122,リンク制御部127及び制御部128と、全体制御部130とは、それぞれ、CPU201がROM202に格納される制御プログラムを、ROM202やRAM203に記憶されているデータを参照したり、またRAM203に記憶されているデータを変更したりしながら実行することで実現される。
次に、図3は、図1に示す無線LAN電話端末装置による無線LAN電話システムを含むネットワークの全体構成図である。なお、無線LAN電話端末装置は、以降、単に「端末」と略称する。
図3では、端末aが移動しながら通信する無線LAN電話システムとして、隣接する2つのアクセスポイントA1,A2が示されている。アクセスポイントA1のカバーエリアCA1とアクセスポイントA2のカバーエリアCA2とは、互いに重複したエリアを有している。この2つのアクセスポイントA1,A2は、それぞれインターネット600に有線接続されている。また、端末bが移動しながら通信する他の無線LAN電話システムのアクセスポイントBが示されている。このアクセスポイントBもインターネット600に有線接続されている。
それぞれのアクセスポイントは、ブリッジの機能が搭載され、端末からの無線フレームをLAN通信部(有線)を使用してインターネット600側にイーサネット(登録商標)フレームとして中継転送し、また、インターネット600側からのイーサネット(登録商標)フレームを端末に無線フレームとして中継転送することができる。
そして、インターネット600上に配置されるSIPサーバ500が、待ち受け状態の端末を登録し、また、端末から他の端末への接続要求を中継転送するようになっている。なお、SIPサーバ500は、通話を開始するときに、相手を指定するURIをIPアドレスに変換したり、指定されたURIを持つ相手が待ち受け状態か否かを管理したりする機能を提供している。
端末aのハンドオーバーは、概略次のようにして行われる。端末aは、時刻t=t0では、アクセスポイントA1のカバーエリアCA1内に在り、端末bは、アクセスポイントBのカバーエリア内に在り、互いに通信を行っている。端末aが移動して時刻t=t1にカバーエリアCA1とカバーエリアCA2との重複エリアに位置すると、端末aとアクセスポイントA1との通信状況が悪化するので、端末aは、アクセスポイントA1とは別のアクセスポイントを探し始め、アクセスポイントA2を発見する。そして、端末aがさらに移動し、アクセスポイントA1よりもアクセスポイントA2の方が、通信状況が良好であると判断した時刻t=t2において、端末aはアクセスポイントA2を経由した通話に切り替え、ハンドオーバーを完了する。以下、図4を参照して、具体的に説明する。
図4は、図3に示す無線LAN電話システムにおいて、端末aが端末bと通話しつつハンドオーバーする過程を説明するシーケンス図である。なお、図4に示す動作シーケンスは、近年VoIPでしばしば利用されているSIPプロトコルを参考にしているが、理解を容易にするため、処理を多少、簡略化した形で説明している。端末aとアクセスポイントA1,A2との間での無線通信手順は、IEEE802.11b規格に基づいて行うとしている。図4において、「M」で示すステップは、通話(メッセージ)をやりとりするステップであり、「E」で示すステップは、イベントが発生するステップである。また、端末a(0系)は、端末aが0系音声通話部119を利用していることを意味し、端末a(1系)は、端末aが1系音声通話部129を利用していることを意味している。
(1)ステップM01:端末aは、最初の時刻t=t0において、0系音声通話部119を用いて端末bと音声通話を行っている。なお、通信プロトコルは、RTP(Real−time Transport Protocol)である。
端末aのユーザの音声は、音声入力部102に入力され、コーデック部104によってエンコードされて音声パケットとなり、0系制御部118から無線通信部107に送られる。0系プロトコル処理部112は、0系制御部118から送信音声パケットの発生通知を受けて0系リンク制御部117に対しアクセスポイントA1までの送信を要求する。0系リンク制御部117は、スケジューラ106を参照しながらタイミングを計って無線通信部107に送信を要求する(詳細は後述する)。
無線通信部107から送信された無線フレームは、アクセスポイントA1に受信され、インターネット600を経由してアクセスポイントBに中継転送され、端末bに届く。端末bの音声は、上記とは逆向きに、アクセスポイントB、インターネット600、アクセスポイントA1を経由して端末aに届く。
(2)ステップE02:端末aのユーザは、当該端末aを携帯して移動をし、時刻t=t1において、アクセスポイントA1とアクセスポイントA2のカバーエリアが重なる領域に位置している。このとき、アクセスポイントA1との通信状況が悪化し、電波受信感度が予め指定されている閾値を下回っている。
(3)ステップM03:端末aは、アクセスポイントA1以外のアクセスポイントをサーチする。今の例では、アクセスポイントA1は、チャネルch2でサービスを行っているとする。端末aは、1系音声通話部129を動作させ、0系音声通話部119と時分割で無線通信部107を利用し、通信チャネルを順に切り替えながらアクセスポイントをサーチする。
具体的には、チャネルをまず「3」に設定し、「プローブ要求」というフレームを送信し、「プローブ応答」が得られるか否かを試す。得られない場合は、さらにチャネルを、4,5,6,・・・14と切り替え、再びチャネルを「1」にする。この間に「プローブ応答」が得られた場合は、そのチャネルでサービスを行っているアクセスポイントが存在するということになる。ここでは、チャネルch7でアクセスポイントA2がサービスを行っているので、端末aは、1系音声通話部129を利用してチャネルch7で「プローブ要求」を送信し、「プローブ応答」が得られる。この間も0系音声通話部119は、通話を維持するため音声パケットの送受信や呼の制御情報(切断要求など)の情報の送受信を行っている。詳細は後述する。
(4)ステップM04:端末aは、アクセスポイントA2に対して1系音声通話部129を利用して、「アソシエーション」「認証」などを要求し、アクセスポイントA2から応答を受け取ることによってリンクを設定する。ここでは、アクセスポイントと端末とがデータの送受信をできるようになることを「リンクを設定する」と呼んでいる。
(5)ステップM05:端末aは、1系音声通話部129を利用してSIPサーバ500に対して自端末の登録を要求する。以降、端末a(1系)は、他の端末ユーザからは「待ち受け状態」に見える。ここでは詳細説明を省略したが、実際には、リンクの設定後、IPアドレスを取得し、必要があれば認証を行い、端末a(1系)がネットワークのホストとして動作を行うためのプロトコルを実行する。
(6)ステップM06:端末aは、1系音声通話部129が待ち受け状態になったことを認識し、0系音声通話部119を利用して3者通話に招待するためのメッセージをSIPサーバ500経由で1系音声通話部129に送信する。1系音声通話部129では、SIPサーバ500から「3者通話への招待」メッセージが届く。
(7)ステップM07:端末aは、1系音声通話部129から「3者通話受け入れ」のメッセージをSIPサーバ500に送信し、SIPサーバ500は、端末a(0系)と端末bとのそれぞれに端末a(1系)が「3者通話を受け入れた」旨を通知する。
(8)ステップE08:端末a(0系)と端末a(1系)と端末bとの間で3者通話を開始する。但し、端末a(1系)は、端末a(0系)から見て保留状態にあり、端末a(1系)と端末a(0系)との間、端末a(1系)と端末bとの間には、音声パケットは流れないものとする。
(9)ステップE09:端末aがさらに移動し、アクセスポイントA2との通信状況が良好となる一方、アクセスポイントA1との通信状況は悪化する。
(10)ステップM10:端末a(0系)は、SIPサーバ500に対し「1系音声通話部129の保留解除」及び「0系音声通話部119の保留要求」を通知する。SIPサーバ500は、端末a(0系)と端末a(1系)と端末bとのそれぞれにその旨を通知する。
(11)ステップE11:端末aがさらに移動し、アクセスポイントA1との通信状況が悪化する一方、アクセスポイントA2との通信状況は良好となる。
(12)ステップM12:端末a(0系)は、SIPサーバ500に対し「1系音声通話部129の保留解除」及び「3者通話からの離脱」を通知する。SIPサーバ500は、端末a(1系)と端末bとにその旨を通知する。
(13)ステップM13:端末a(1系)と端末bとは、それぞれ、端末a(1系)の保留解除と、端末a(0系)の3者通話からの離脱とについて了解のメッセージとをSIPサーバ500に対して送信する。SIPサーバ500は、3者通話の他の参加者からの了解が得られたので、その旨を離脱要求者である端末a(0系)に通知する。
端末a(1系)と端末bとは、3者通話状態から2者通話状態に移行する。端末bは、以降、音声を端末a(1系)に向けて流す。また、端末aは、以降の音声を、1系音声通話部129を使って流す。SIPサーバ500から見ると端末a(0系)は、待ち受け状態となる。
(14)ステップM14:端末a(0系)は、SIPサーバ500に対し「登録の抹消要求」を送信する。SIPサーバ500は、端末a(0系)の登録を抹消し、その旨を端末a(0系)に通知する。端末aは、アクセスポイントA1に対しリンク解除要求を送信する。アクセスポイントA1は、リンク設定を解除する。
(15)ステップE15:端末a(0系)は、不活性状態となり、ハンドオーバーが完了する。
(16)ステップM16:端末a(1系)は、RTPを利用して端末bと音声通話を行っている。具体的には、端末a(1系)では、コーデック部104によってエンコードされた音声パケットは、1系制御部128から無線通信部107に送られる。1系プロトコル処理部122は、1系制御部128から送信音声パケットの発生通知を受けて1系リンク制御部127に対しアクセスポイントA2までの送信を要求する。1系リンク制御部127は、スケジューラ106を参照しながらタイミングを計って無線通信部107に送信を要求する(詳細は後述する)。
無線通信部107から送信された無線フレームは、アクセスポイントA2に受信され、インターネット600を経由してアクセスポイントBに中継転送され、端末bに届く。端末bの音声は、逆方向に、アクセスポイントB、インターネット600、アクセスポイントA2を経由して端末aに届く。
このように、端末aが自無線LAN電話システム内の各カバーエリアを跨ぐときに、2系統の音声通話部を利用してハンドオーバーを行うので、通話の途切れを発生させずにハンドオーバーを完了することができる。以下、図1に示す端末(端末a)の動作について説明する。
図5は、図1に示す端末のタスク構成を示す図である。図5において、エンコードタスクT01は、音声をエンコードして音声パケットを生成し、その音声パケットのヘッダにタイムスタンプなどのプロトコルで規定された情報を付けて0系プロトコル処理タスクT05と1系プロトコル処理タスクT06とに送信する(図6参照)。
デコードタスクT02は、0系プロトコル処理タスクT05と1系プロトコル処理タスクT06とから受信した音声パケットのヘッダに付加されたタイムスタンプなどの情報を参照しながら音声としてデコードする(図7参照)。
0系呼制御タスクT03は、0系プロトコル処理タスクT05と送受信して、1系呼制御タスクT04は、1系プロトコル処理タスクT06と送受信して、それぞれ、呼設定・接続・切断などを行う(図9参照)。
0系プロトコル処理タスクT05は、0系呼制御タスクT03が発行したメッセージに必要なヘッダを付加した上でネットワーク層のプロトコルパケットに包んで0系送信キュー113に書き込み、また、エンコードタスクT01にてエンコードされた音声パケットを同様に0系送信キュー113に書き込み、また、0系受信キュー114に書き込まれたネットワーク層のプロトコルパケットからメッセージや音声パケットを取り出して宛先のタスク(ここでは、0系呼制御タスクT03とデコードタスクT02)に送信する(図8参照)。
同様に、1系プロトコル処理タスクT06は、1系呼制御タスクT04が発行したメッセージに必要なヘッダを付加した上でネットワーク層のプロトコルパケットに包んで1系送信キュー123に書き込み、また、エンコードタスクT01にてエンコードされた音声パケットを1系送信キュー123に書き込み、また、1系受信キュー124に書き込まれたネットワーク層のプロトコルパケットからメッセージや音声パケットを取り出して宛先のタスク(ここでは、1系呼制御タスクT04とデコードタスクT02)に送信する(図8参照)。
無線フレーム送受信タスクT07は、0系と1系の送信キュー113,123に記憶された音声パケットや呼制御のためのメッセージを無線フレームとして0系と1系のリンク制御部117,127に送信し、または、0系と1系のリンク制御部117,127から受信した無線フレームから音声パケットや呼制御メッセージを取り出して0系と1系の受信キュー114,124に書き込む動作を、スケジュール管理テーブル110を参照して0系と1系とで時間的に切り替えながら排他的に行う(図10、図11参照)。
これらのタスクは、並行して動作する。また、0系と1系のプロトコル処理タスクT05,T06は、受信要求があったデータを受信すると、その旨を、受信要求されたタスクに通知する。そして、エンコードタスクT01とデコードタスクT02は、RTPプロトコルに従い、0系と1系の呼制御タスクT03,T04は、SIPプロトコルに従う。0系と1系のプロトコル処理タスクT05,T06は、UDP/IPプロトコルに従う。また、0系と1系のリンク制御部117,127は、IEEE802.11のMAC層の規格に準拠し、無線通信部107は、IEEE802.11の物理層の規格に準拠した動作を行う。以下、各タスクの動作について説明する。
図6は、図5に示すエンコードタスクT01の処理動作を説明するフローチャートである。エンコードタスクT01は、0系と1系の呼制御タスクT03,T04によって通話の開始とともに起動される。通話が終わると呼制御タスクT03,T04によって停止させられる。図6では、通話中のエンコードタスクの動作を示している。ここでは、端末aは、0系音声通話部119を利用して音声通話を行っていて、1系音声通話部129は動作していないとしている。
図6において、コーデック部104は、音声入力部102から音声信号を受け取り、サンプリング(A/D変換)及びエンコードを行う(ステップS101)。そして、RTC108での経過時間の測定結果と比較し、予めコーデック間隔(ここでは10msとする)として指定されている時間だけエンコードが行われたか否かを判断する(ステップS102)。その判断結果、指定された時間が経過していなければ(ステップS102:No)、ステップS101に戻るが、指定された時間が経過していれば(ステップS102:Yes)、S103に進み、サンプリングしたデータをペイロードとしたRTPパケットを生成する。それにヘッダを付加し、RTC108を参照して、ヘッダ内に音声の発生時刻をタイムスタンプとして書き込む。
その後、コーデック部104は、プライオリティ管理テーブル105を参照して、現在の音声通信に使用されている音声通話部は、0系と1系のいずれであるかを判断する(ステップS104)。
その判断結果、0系音声通話部119が使用されている場合は(ステップS104:Yes)、ステップS103にて生成したRTPパケットを0系プロトコル処理部112に渡し、0系音声通話部119に送信を要求し(ステップS105)、ステップS101に戻る。
また、その判断結果、1系音声通話部129が使用されている場合は(ステップS104:No)、ステップS103にて生成したRTPパケットを1系プロトコル処理部122に渡し、1系音声通話部129に送信を要求し(ステップS106)、ステップS101に戻る。
次に、図7は、図5に示すデコードタスクT02の処理動作を説明するフローチャートである。デコードタスクT02は、エンコードタスクT01と同様に、0系と1系の呼制御タスクT03,T04によって通話の開始とともに起動される。通話が終わると呼制御タスクT03,T04によって停止させられる。図7では、通話中のエンコードタスクの動作を示している。ここでは、端末aは、0系音声通話部119を利用して音声通話を行っていて、1系音声通話部129は動作していないとしている。
図7において、コーデック部104は、0系プロトコル処理部112から受信通知を受け取っているか否かを確認する(ステップS201)。受信通知を受け取っていれば(ステップS201:Yes)、0系プロトコル処理部112からRTPパケットを受け取り(ステップS203)、受け取ったRTPパケットをRTPプロトコルに従って解釈し、ペイロード部分を音声としてデコードし、それをD/A変換して音声出力部103に出力する(ステップS205)。その後、ステップS201に戻る。
一方、ステップS201において、受信通知を受け取っていない場合は(ステップS201:No)、コーデック部104は、1系プロトコル処理部122から受信通知を受け取っているか否かを確認する(ステップS202)。その結果、受信通知を受け取っていない場合は(ステップS202:No)、ステップS201に戻るが、受信通知を受け取っていれば(ステップS202:Yes)、1系プロトコル処理部122からRTPパケットを受け取り(ステップS204)、ステップS205に進む。
次に、図8は、図5に示す0系と1系のプロトコル処理タスクT05,T06の処理動作を説明するフローチャートである。なお、0系と1系とは、同様の動作であるので、ここでは、0系プロトコル処理タスクT05を取り上げて説明する。
図8において、0系プロトコル処理部112は、エンコードタスクT01、0系呼制御タスクT03から、送信要求があるか否かを調べる(ステップS301)。送信要求があれば(ステップS301:Yes)、UDPプロトコルに従ってヘッダを付加し、0系送信キュー113に入力し(ステップS302)、ステップS301に戻る。
ステップS302の具体例を示すと、例えば、RTPパケット(音声データ)をエンコードタスクから受け取ったのであれば、0系プロトコル処理部112は、RTPパケットにUDPヘッダ、IPヘッダを付加してUDP/IPパケットを生成して、宛先のMACアドレスを決定する。通常、宛先はIPアドレスで与えられており、0系プロトコル処理部112は、それをMACアドレスに変換するが、詳細は、通常のTCP/IPの通信処理と同様なので省略する。0系プロトコル処理部112は、UDP/IPパケットを0系送信キュー113に入力する。
一方、送信要求がなければ(ステップS301:No)、0系受信キュー114にデータが届いているか否かを確認し(ステップS303)、届いていなければ(ステップS303:Yes)ステップS301に戻るが、届いていれば(ステップS303:No)、0系受信キュー114から受信データを取り出す(ステップS304)。
そして、0系プロトコル処理部112は、データの宛先を確認し、宛先がデコードタスクT02であれば、デコードタスクT02に通知し、0系呼制御タスクT03であれば、0系呼制御タスクT03に通知し(ステップS305)、その通知した宛先に受信したUDP/IPパケットからペイロードを取り出して渡し(ステップS306)、ステップS301に戻る。
次に、図9は、図5に示す0系と1系の呼制御タスクT03,T04の処理動作を説明するフローチャートである。0系と1系の呼制御タスクT03,T04は、「発呼」「通話」「ハンドオーバー」「切断」の一連の処理を並行して行うことができるが、端末aの電源投入直後においては、プライオリティ管理テーブル105の内容に従い、一方が動作可能状態となり、他方が休止状態となる。図12は、図1に示すプライオリティ管理テーブル105の構成例を示す図である。図12に示すように、プライオリティ管理テーブル105では、「0系」と「1系」に対する「使用チャネル」と「優先度」とが設定される。そのうち、電源投入時の初期値として「優先度」のみが設定されている。図12では、0系の優先度は高いと設定され、1系の優先度は低いと設定されている。つまり、今の例では、端末aは、電源投入直後は、0系呼制御タスクT03が動作可能状態となり、1系呼制御タスクT04が休止状態となる。なお、端末aや端末bが収容されている無線LAN電話システムでは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が運用されており、自動的にIPアドレスを取得できるようになっている。
(A)端末a側から端末bを見た場合の0系と1系の呼制御タスクT03,T04の処理動作
(1)ステップE−1:端末aでは、ユーザの電源投入操作を受けて操作部101から電源ONの指示が入力すると、全体制御部130は、0系と1系の呼制御タスクT03,T04、プロトコル処理タスクT05,T06、無線フレーム送受信タスクT07をそれぞれ起動し、プライオリティ管理テーブル105を参照して優先度が高く設定されている0系制御部118を経由して0系リンク制御部117に対しアクセスポイントとのリンク設定を要求する。0系リンク制御部117は、チャネル2を用いるアクセスポイントとのリンクが設定できると、チャネル2を全体制御部130に通知し、また0系プロトコル処理部112に対し初期化を指示する。全体制御部130は、プライオリティ管理テーブル105における0系音声通話部119の使用チャネルにチャネル2を書き込む。また、0系プロトコル処理部112は、DHCPによってIPアドレスを取得する。ここでは、192.168.0.100を割り当てられたとする。
次に、全体制御部130は、0系呼制御タスクT03を初期化するために0系呼制御部111に対し初期化の要求を行う。0系呼制御部111は、SIPサーバ500に「登録」を行うために、0系プロトコル処理部112に対し「REGISTER」メッセージを送信するように要求する。0系プロトコル処理部112が「REGISTER」メッセージを送信し、SIPサーバ500が登録を受け付けると、SIPサーバ500から「REGISTER−OK」メッセージが返送されてくるので、0系プロトコル処理部112はその返送メッセージを0系呼制御部111に渡す。これによって、0系呼制御タスクT03は、待ち受け状態S350に遷移し、端末aは、0系呼制御タスクT03による発着呼が可能になる。ここでは、SIP:0000@a.pcc.mei.co.jpがSIPサーバ500に登録されたものとする。なお、1系呼制御タスクT04は、電源ONによって起動された後は、休止状態S351に遷移する。
(2)ステップE−2:端末aでは、ユーザが操作部101を操作して端末bに発呼を行うと、全体制御部130は、操作部101から「発呼」の指示を受けてプライオリティ管理テーブル105を参照し、受け取った発呼先番号を、優先度が高く設定されている0系制御部118に渡す。0系制御部118は、0系呼制御部111に対し相手先番号を指定して「呼接続」を要求する。0系呼制御部111は、端末bを通話に招待するための「INVITE」メッセージをSIPサーバ500に送信するように0系プロトコル処理部112に対して要求する。SIPサーバ500は、0系プロトコル処理部112から受け取った「INVITE」メッセージを中継して端末bに送信する。以降、端末a(0系)と端末bの間のメッセージのやり取りはSIPサーバ500が中継するが、説明を省略する。
端末bは、「INVITE」メッセージを受け付けて、着呼中となり、「RINGING」メッセージを端末a(0系)に送り返す。端末a(0系)の0系プロトコル処理部112は、端末bからの「RINGING」メッセージを受信して0系呼制御部111に渡す。0系呼制御部111は、この「RINGING」メッセージを受けて、相手が呼び出し中であることを知り、発呼中状態S352に遷移する。0系呼制御部111は、リング・バック・トーン(呼び出し音:以降「RBT」と略記する)を音声出力部103に出力し、ユーザに「呼び出し中」であることを知らせる。
(3)ステップE−3:端末bでは、リンガー(着信音)が鳴っている。ユーザが着信音に気づいて着信を受け入れると、端末bでは、エンコードタスクT01とデコードタスクT02を起動させた後、「CONNECT−OK」メッセージを端末a(0系)に送信する。端末a(0系)では、0系プロトコル処理部112が「CONNECT−OK」メッセージを受け取り、0系呼制御部111に渡す。これによって、0系呼制御部111は、「相手が着信を受け入れた」ことを知り、音声パケットの入出力先として0系プロトコル処理部112を指定してエンコードタスクT01とデコードタスクT02を起動する。コーデック部104は、以降、音声入力部102からの音声をA/D変換及びエンコードして音声パケットを生成し0系プロトコル処理部112に渡す。また、コーデック部104は、以降、0系プロトコル処理部112が受け取った音声パケットをデコード及びD/A変換し、音声出力部103に出力する。このようにして2者通話中(通常)状態S353に遷移する。
(4)ステップE−9:端末aのユーザが通話を終える場合、ユーザは、端末aの操作部101を操作して呼を切断する。全体制御部130は、プライオリティ管理テーブル105を参照して、優先度が高く設定されている0系制御部118に通知する。0系制御部118は、0系呼制御部111に対し「呼切断」を要求する。0系呼制御部111は、エンコードタスクT01とデコードタスクT02を終了させる。
次に、0系呼制御部111は、「BYE」メッセージを端末bに送るように、0系プロトコル処理部112に対して要求する。0系プロトコル処理部112は、端末bに「BYE」メッセージを送信する。端末bは、「BYE」メッセージを受け取ると、「BYE−OK」を端末a(0系)に返送する。端末a(0系)では、0系プロトコル処理部112が「BYE−OK」メッセージを受け取り、0系呼制御部111に渡す。0系呼制御部111は、待ち受け状態S350に遷移する。
(5)ステップE−7:端末aのユーザが発呼中に発呼を取りやめる場合、ユーザは、操作部101から発呼取りやめの指示を行う。全体制御部130は、受け取った発呼取りやめの指示を、プライオリティ管理テーブル105を参照して、優先度が高く設定されている0系制御部118に通知する。0系制御部118は、0系呼制御部111に発呼取りやめの指示を行う。0系呼制御部111は、RBTの出力を停止し、0系プロトコル処理部112に対し「CANCEL」のメッセージを端末bに送信するように要求する。端末bは、「CANCEL」メッセージを受け取ると、リンガーを停止し、「CANCEL−OK」メッセージを端末a(0系)に送信する。端末a(0系)では、端末bからの「CANCEL−OK」を0系プロトコル処理部112が受け取り、0系呼制御部111に渡す。0系呼制御部111は、待ち受け状態S350に遷移する。
(6)ステップE−10:端末a(0系)による通話中に、現在通話に利用しているアクセスポイントとの通信状況が悪化すると、0系リンク制御部117から0系制御部118に「受信感度低下」が通知される。0系制御部118は、0系呼制御部111にハンドオーバー準備を要求し、全体制御部130に対して「1系スタンバイ」を要求する。これによって、2者通話中(ハンドオーバー準備中)状態S354に遷移する。
(7)ステップE−11:全体制御部130は、プライオリティ管理テーブル105を参照し、優先度が低く設定されている1系音声通話部129をスタンバイさせるため、1系制御部128を通して1系リンク制御部127に対しリンク設定を要求する。1系リンク制御部127は、スケジューラ106の監視の下、時分割で与えられた時間内に、換言すれば、0系音声通話部119による通信を阻害しないように、通信チャネルを切り替えながらアクセスポイントに接続するためのプロトコルを実施し、接続可能なアクセスポイントを探し出し、リンクを設定する。
ここでは、図12に示すように、0系音声通話部119はチャネルch2を利用しているので、1系リンク制御部127は、チャネルch1〜ch14のうちチャネルch2以外のチャネルで接続可能なアクセスポイントを探すことになる。1系リンク制御部127は、チャネルch7でサービスを行っているアクセスポイントを発見してリンクを設定する。リンクを設定すると、1系リンク制御部127は、チャネルch7による設定完了を1系制御部128経由で全体制御部130に通知する。全体制御部130は、プライオリティ管理テーブル105における1系音声通話部129の使用チャネルにチャネルch7を書き込む。
次に、全体制御部130は、1系制御部128を通して1系プロトコル処理部122に対し初期化を要求する。1系プロトコル処理部122は、DHCPを実行し、IPアドレスを取得する。ここでは、192.168.0.101を割り当てられたとする。
さらに、全体制御部130は、1系制御部128を通して1系呼制御部121に待ち受け状態となるように指示する。1系呼制御部121は、1系プロトコル処理部122に対し「REGISTER」メッセージをSIPサーバ500に送信するように要求する。1系プロトコル処理部122は、SIPサーバ500から「REGISTER」メッセージの対する「REGISTER−OK」メッセージが返送されてくると、それを1系呼制御部121に渡す。
これによって、1系呼制御部121は、スタンバイ完了を認識すると、スタンバイ完了を、1系制御部128を通して全体制御部130に通知し、休止状態S351から待ち受け状態S350に遷移する。ここでは、SIP:0001@a.pcc.mei.co.jpがSIPサーバ500に登録されたものとする。
(8)ステップE−12:全体制御部130は、1系呼制御部121からスタンバイ完了の通知を受けると、0系制御部118を通して0系呼制御部111に対してハンドオーバー開始を要求する。0系呼制御部111は、1系音声通話部129、すなわち、SIP:0001@a.pcc.mei.co.jpを3者通話に招待するために、0系プロトコル処理部112に対し「3者通話への招待」を意味する「INVITE」メッセージをSIPサーバ500経由で端末a(1系)に送るように要求する。0系プロトコル処理部112は、指示に従って「3者通話への招待」のための「INVITE」メッセージをSIPサーバ500に送信する。SIPサーバ500は、それを中継し、端末a(1系)に転送する。
端末a(1系)では、1系プロトコル処理部122が「3者通話への招待」のための「INVITE」メッセージを受け取り、1系呼制御部121に渡す。1系呼制御部121は、「3者通話への招待」のための「INVITE」メッセージを受け取ると、同一の端末内の0系音声通話部119からの招待であることが解るので、通常の3者通話ではなくハンドオーバーのための3者通話であると解釈し、直ちに3者通話への招待を受け入れ、その旨を「CONNECT−OK」メッセージとしてSIPサーバ500に返送し、ソフトハンドオーバー(保留)状態S355に遷移する。この状態では、端末a(1系)は、音声をミュートし、音声パケットの送受信は行わない。
(9)ステップE−13:SIPサーバ500は、「CONNECT−OK」のメッセージを中継し、端末a(0系)と端末bとに転送する。端末a(0系)では、0系プロトコル処理部112が「CONNECT−OK」メッセージを受け取り、0系呼制御部111に渡す。0系呼制御部111は、2者通話、つまり、端末a(0系)と端末bとの通話を維持したまま(S354)、1者保留、つまり、端末a(1系)を保留状態(S355)にして、ソフトハンドオーバー(通話)S356に遷移する。
この端末a(0系)による通話中に、全体制御部130は、例えば、0系と1系のリンク制御部117,127からそれぞれのリンクでの受信感度値を取得して両者の比を逐一求め、それと予め定めた受信感度の比との大小関係の推移を監視する。そして、全体制御部130は、現在0系音声通話部119がリンクを設定しているアクセスポイントとの通信状況がさらに悪化し、0系音声通話部119のリンクと1系音声通話部129のリンクとの受信感度の比が予め定めた受信感度値の比よりも大きくなると、0系リンク制御部117にその旨を通知する。
なお、全体制御部130は、両リンクの通信品質を比較する方法として、上記の電波受信強度の他に、SN比、エラー発生頻度のうちのひとつもしくは複数を、予め定めた閾値以上の比率あるいは差などの評価用の演算を用いて評価し、いずれか一方のリンクの評価結果が他方を上回る場合に、そのいずれか一方のリンクが継続的に良好な通信を提供できると判断するようにしている。
0系リンク制御部117は、全体制御部130から自リンクの受信感度低下の通知を受けて0系制御部118に対し「リンク通信悪化」を通知する。0系制御部118は、「リンク通信悪化」の通知を受けて全体制御部130に対し「優先度切り替え」を要求する。
全体制御部130は、プライオリティ管理テーブル105における「0系」と「1系」に対する優先度を書き換え、1系音声通話部129の優先度を高く設定し、0系音声通話部119の優先度を低く設定する。さらに、エンコードタスクT01とデコードタスクT02とにおける音声パケットの入出力先を1系音声通話部129に切り替える。
これによって、コーデック部104は、以降、音声入力部102からの音声をA/D変換及びエンコードして生成した音声パケットを1系プロトコル処理部122に渡す。また、コーデック部104は、以降、1系プロトコル処理部122が受け取った音声パケットをデコード及びD/A変換し、音声出力部103に出力する。
その後、0系音声通話部119ではステップE−14が実行され、同時に1系音声通話部129ではステップE−15が実行される。
(10)ステップE−14:0系音声通話部119では、次の動作が行われる。全体制御部130は、0系制御部118を通して0系呼制御部111に対し「保留」を行うように指示する。0系呼制御部111は、保留指示に従い、0系プロトコル処理部112に対し「SIP:0000@a.pcc.mei.co.jpの保留通知」のメッセージをSIPサーバ500に送信するように依頼する。この「SIP:0000@a.pcc.mei.co.jpの保留通知」のメッセージは、SIPサーバ500から端末bと端末a(1系)に送信される。端末bは、このメッセージを受け取ると、以降の音声パケットの送受信相手として端末aの0系音声通話部119を除外する。
さらに、1系音声通話部129からの「SIP:0001@a.pcc.mei.co.jpの保留の解除通知」メッセージを0系プロトコル処理部112が受け取り、0系呼制御部111に渡す。これによって、0系呼制御部111は、「保留」を決定し、ソフトハンドオーバー(保留)状態S355に遷移する。
(11)ステップE−15:一方、1系音声通話部129では、次の動作が行われる。全体制御部130は、1系制御部128を通して1系呼制御部121に「保留」を解除するように指示する。1系呼制御部121は、保留解除指示に従い、1系プロトコル処理部122に対し「SIP:0001@a.pcc.mei.co.jpの保留解除通知」のメッセージをSIPサーバ500に送信するように依頼する。この「SIP:0001@a.pcc.mei.co.jpの保留解除通知」のメッセージは、SIPサーバ500から端末bと端末a(0系)とに送信される。端末bは、このメッセージを受け取ると、以降の音声パケットの送受信相手として端末aの1系音声通話部129を加える。
さらに、0系音声通話部119からの「SIP:0000@a.pcc.mei.co.jpの保留通知」のメッセージを1系プロトコル処理部122が受け取り、1系呼制御部121に渡す。これによって、1系呼制御部121は、「保留解除」を決定し、ソフトハンドオーバー(通話)状態S356に遷移する。
(12)ステップE−16:さらに、通話中に、現在0系音声通話部119がリンクを設定しているアクセスポイントとの通信状況が悪化し、0系音声通話部119のリンクと1系音声通話部129のリンクとの受信感度比が予め指定されていた受信感度値の比よりも大きくなった場合、0系リンク制御部117から0系制御部118に対し「リンク維持不能」が通知される。0系制御部118は、0系呼制御部111にその旨を通知する。
0系呼制御部111は、0系プロトコル処理部112に対し端末b及び端末a(1系)への切断要求メッセージ「BYE」をSIPサーバ500に送信するように要求する。0系プロトコル処理部112は、指示に従って「BYE」メッセージをSIPサーバ500に送信する。端末bは、SIPサーバ500から「BYE」メッセージを受け取ると、「BYE−OK」メッセージを返送し、端末a(0系)との接続を解除する。
端末a(1系)では、1系プロトコル処理部122がSIPサーバ500から「BYE」メッセージを受け取り、1系呼制御部121に渡す。1系呼制御部121は、同一の端末からの切断要求だと解るので、保留を解除する必要があると判断し、1系プロトコル処理部122に対し「BYE−OK」メッセージを送信するように要求し、2者通話中(通常)S353に遷移する。1系プロトコル処理部122は「BYE−OK」メッセージをSIPサーバ500に送信する。
(13)ステップE−17:SIPサーバ500は、端末bからの「BYE−OK」メッセージと端末a(1系)からの「BYE−OK」メッセージとを受け取り、端末a(0系)に「BYE−OK」メッセージを送信する。
端末a(0系)では、0系プロトコル処理部112がこのメッセージを受け取り、0系呼制御部111に渡す。このとき、同一端末内からの「BYE−OK」メッセージであるので、0系呼制御部111は、通常通りに待ち受け状態S350に遷移するのではなく、休止状態S351に遷移する。すなわち、0系呼制御部111は、0系プロトコル処理部112を停止させ、0系リンク制御部117にリンクを解除させる。
(B)端末b側から端末aを見た場合の0系と1系の呼制御タスクT03,T04の処理動作
ここでは、SIPサーバ500には、端末bのURIとしてSIP:0000@b.pcc.mei.co.jpが登録されており、端末aは、このURIを指定して発呼している。また、端末bでは、0系音声通話部119に高い優先度が設定されており、0系呼制御部111が待ち受け状態にあるものとする。
(1)ステップE−4:端末bでは、0系プロトコル処理部112は、端末aから「INVITE」メッセージを受け取り、0系呼制御部111に通知する。0系呼制御部111は、0系プロトコル処理部112に対し「RINGING」メッセージを端末aに返送するように要求する。端末bの0系呼制御部111は、予め登録されている着信音を音声出力部103に出力し、ユーザに着信が発生していることを知らせる。これによって、端末bの0系呼制御部111は、着呼中状態S357に遷移する。
(2)ステップE−5:端末bでは、ユーザがリンガーによって着呼していることを知り、操作部101を操作して着信に応答する。すなわち、全体制御部130は、操作部101から着信応答を受け取り、0系制御部118を通して0系呼制御部111に応答を要求する。
0系呼制御部111は、「CONNECT−OK」メッセージを端末aに送信するように0系プロトコル処理部112に要求する。0系プロトコル処理部112は、指示に従って「CONNECT−OK」メッセージを端末aに送信する。
さらに、0系呼制御部111は、音声出力部103へのリンガーの出力を停止し、エンコードタスクT01とデコードタスクT02とを起動し、以降、音声入力部102からの音声がA/D変換・エンコードされて音声パケットとなり、端末aに送信されるようにする。また、0系呼制御部111は、端末aからの音声パケットがデコード・D/A変換され、音声出力部103から出力されるようにする。つまり、端末bの0系呼制御部111は、2者通話中(通常)S353に遷移する。
(3)ステップE−9:通話が終了し、端末aが通話の切断を行った場合には、端末bでは、0系プロトコル処理部112は、端末aから「BYE」メッセージを受信し、0系呼制御部111に通知する。端末bの0系呼制御部111は、エンコードタスクT01とデコードタスクT02とを停止し、待ち受け状態S350に遷移する。
(4)ステップE−8:端末aのユーザが発呼中に発呼を取りやめた場合は、端末bでは、0系プロトコル処理部112は、「CANCEL」メッセージを受信し、0系呼制御部111に通知する。0系呼制御部111は、リンガーを停止し、端末aに「CANCEL−OK」メッセージを送信するように0系プロトコル処理部112に要求し、端末bの0系呼制御部111は、待ち受け状態S350に遷移する。
(5)ステップE−13:端末bと端末a(0系)との通話中にハンドオーバーが発生した場合は、上記したように、端末a(0系)が端末a(1系)を3者通話に招待し、端末a(1系)がSIPサーバ500に「CONNECT−OK」メッセージを返すので、SIPサーバ500は端末a(0系)と端末bとのそれぞれに「CONNECT−OK」メッセージを返す。
端末bでは、「CONNECT−OK」メッセージを受け取ると、通常は、「CONNECT−OK」のメッセージを受け取った場合はその相手に対して音声パケットの送受信を行うが、今の例では、通話中の端末と同一の端末(つまり、端末a(0系))からの「CONNECT−OK」のメッセージだと解るので、ハンドオーバーが開始されたと解釈し、音声パケットの送受信を「CONNECT−OK」を返してきた端末(1系)に対して行わず、端末a(1系)を保留する。すなわち、端末bの0系呼制御部111は、ソフトハンドオーバー(通話)状態S356に遷移する。
(6)ステップE−14及びE−15:端末a(1系)から端末a(1系)の保留を解除する。端末a(0系)から端末a(0系)の保留を通知する。端末bでは、これに従って音声パケットのやりとり相手に端末a(1系)を加え、端末a(0系)を除外する。
(7)ステップE−16:端末a(0系)の通信状況が悪化しリンクを維持できなくなった場合、端末a(0系)は、SIPサーバ500経由で端末bに切断要求「BYE」メッセージを送信する。端末bでは、このメッセージが0系プロトコル処理部112を通して0系呼制御部111に取り込まれる。0系呼制御部111は、これによって、端末a(0系)との接続を解除し、0系プロトコル処理部112に対して「BYE―OK」メッセージを端末bに送信するように要求する。0系プロトコル処理部112は、指示に従って「BYE―OK」メッセージをSIPサーバ500経由で端末bに送信する。端末bの0系呼制御部111は、2者通話中(通常)状態S353に遷移する。
次に、図10と図11は、図5に示す無線フレーム送受信タスクT07の処理動作を説明するフローチャートである。ここで説明する動作は、上記した呼制御の状態遷移において、ソフトハンドオーバーを行っている状態で行われる。すなわち、無線通信によるデータの送受信は、無線フレーム送受信タスクT07によって行われるが、この無線フレーム送受信タスクT07は、RF(無線周波)の2つのチャネルを時間的に切り替えながらその2つのチャネルで無線データの送受信を行う。
このとき、無線フレーム送受信タスクT07は、スケジュール管理テーブル110(図14)とプライオリティ管理テーブル105(図12)とを参照し、優先度が高く設定されているチャネルでの通信が、優先度が低く設定されている方の通信から阻害を受けないように排他制御を行う。
プライオリティ管理テーブル105の内容は、上記したように、呼制御によって変更設定されるが、ハンドオーバーを行う際のリンク設定時は、0系音声通話部119は優先度が高く設定され、使用チャネルがチャネルch2であり、また1系音声通話部129は、優先度が低く設定され、使用チャネルがチャネルch7である。図12は、そのときの状態を示している。なお、図10と図11において、「H」は優先度の高い通信チャネルを表し、「L」は優先度の低い通信チャネルを表している。この表記は、以降において同様である。
また、スケジュール管理テーブル110は、図14に示すように、「即時起動フラグ」と、「フレーム種別とそれに対する予定時刻」とが設定される。「フレーム種別」には、HチャネルとLチャネルによるビーコン信号フレーム「ビーコンH,ビーコンL」と、Hチャネルによる送受信データフレーム「送信H,受信H」と、Lチャネルによる送受信データフレーム「送信L,受信L」とがこの順に設定されている。
ビーコン信号フレーム「ビーコンH,ビーコンL」は、端末の起動時やパワーセーブ解除時に受信するフレームであり、「アクセスポイントがどの端末宛のデータをバッファリングしているか」の情報を含んでいる。送信データフレーム「送信H,送信L」は、0系と1系の送信キュー113,123から取り出されるデータを含んでいる。受信データフレーム「受信H,受信L」は、0系と1系の受信キュー114,124に入力するデータを含んでいる。なお、「フレーム種別に対する予定時刻」は、後述する。
さて、最初のステップS401では、スケジューラ106がスケジュール管理テーブル110中の「即時起動フラグ」や、0系と1系の送信キュー113,123を参照し、パワーセーブを行う必要があるか否かを判断する。スケジューラ106は、「即時起動フラグ」がOFFであるとき、或いは、0系と1系の送信キュー113,123にエントリが書き込まれていないとき、パワーセーブを行う必要がある、つまり即時起動の必要はないと判断し(ステップS401:No)、ステップS402に進む。
ステップS402では、スケジューラ106は、パワーセーブ制御部109に対して無線通信部107のパワーセーブを行うように指示する。パワーセーブ制御部109は、指示を受けて無線通信部107であるRF(無線処理部)206及びベースバンド処理部205の電源を切り、無線通信部107をスリープ状態にする。スケジューラ106は、このスリープ状態を、スケジュール管理テーブル110とRTC108とを参照して、WAKEUP時刻が到来するまで、或いは、0系と1系の送信キュー113,123にエントリが書き込まれるまで、維持する。スケジューラ106は、これらのスリープ解除要因が発生すると、パワーセーブ制御部109に対してスリープ解除指示を出して無線通信部107を起動させ、ステップS403に進む。
一方、ステップS401において、「即時起動フラグ」がONであれば、或いは、0系と1系の送信キュー113,123にエントリが書き込まれていれば、スケジューラ106は、パワーセーブを行う必要がない、つまり即時起動が必要であると判断し(ステップS401:Yes)、ステップS403に進む。
ステップS403では、スケジューラ106が、無線通信部107に対して通信チャネルをHチャネルに切り替える指示を出し、無線通信部107が、プライオリティ管理テーブル105を参照し、通信チャネルを優先度の高いチャネルch2に切り替える。
スケジューラ106は、無線通信部107にチャネル切替指示を発行すると、スケジュール管理テーブル110とRTC108を参照して、現在時刻がHチャネルのビーコン信号の受信期間「ビーコンH」であるか否か(ステップS404)、現在時刻がLチャネルのビーコン信号の受信期間「ビーコンL」であるか否か(ステップS407)を、それぞれ判断する。
その結果、現在時刻がHチャネルのビーコン信号の受信期間「ビーコンH」である場合は(ステップS404:Yes)、スケジューラ106は、無線通信部107に指示を出してHチャネルのビーコンを受信させ、このHチャネルのビーコン信号に含まれている「どの端末に対するデータをアクセスポイントがバッファリングしているか」の情報を、無線通信部107から0系リンク制御部117に対して出力させる(ステップS405)。
0系リンク制御部117は、無線通信部107から受け取った「どの端末に対するデータをアクセスポイントがバッファリングしているか」の情報と自端末のIDとを参照し、自端末宛のデータがアクセスポイントにバッファリングされているか否かを調べ、バッファリングされていれば「受信指示」を自0系リンク制御部117に設定し、スケジュール管理テーブル110の「即時起動フラグ」をONに設定する(ステップS406)。処理は、先のステップS401に戻る。
また、スケジューラ106は、現在時刻がLチャネルのビーコン信号の受信期間「ビーコンL」である場合は(ステップS407:Yes)、無線通信部107に対して通信チャネルをLチャネルに切り替えるように要求する。無線通信部107は、チャネル切替指示を受けてプライオリティ管理テーブル105を参照し、通信チャネルを優先度の低いチャネルch7に切り替える(ステップS408)。そして、無線通信部107は、Lチャネルのビーコンを受信し、そのLチャネルのビーコン信号に含まれている、「どの端末に対するデータをアクセスポイントがバッファリングしているか」の情報を、無線通信部107から1系リンク制御部127に対して出力させる(ステップS409)。
1系リンク制御部127は、無線通信部107から受け取った「どの端末に対するデータをアクセスポイントがバッファリングしているか」の情報と自端末のIDとを参照し、自端末宛のデータがアクセスポイントにバッファリングされているか否かを調べ、バッファリングされていれば「受信指示」を1系リンク制御部127に設定し、スケジュール管理テーブル110の「即時起動フラグ」をONに設定する(ステップS410)。処理は、先のステップS401に戻る。
また、スケジューラ106は、現在時刻がHチャネルのビーコン信号の受信期間でなく(ステップS404:No)、かつ現在時刻がLチャネルのビーコン信号の受信期間でもない(ステップS407:No)場合は、0系リンク制御部117にHチャネルの「受信指示」が設定されているか否かを確認する(ステップS411)。その結果、0系リンク制御部117に「受信指示」が設定されている場合は(ステップS411:Yes)、0系リンク制御部117にHチャネルによる受信動作を開始させる(ステップS412)。
0系リンク制御部117の受信動作は、後述するが(図15参照)、0系リンク制御部117は、無線通信部107が受信したデータを0系受信キュー114に入力し(ステップS413)、無線通信部107が受信したアクセスポイントからのフレームヘッダを参照してアクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータを全て受信できたか否かを判断する(ステップS414)。その結果、アクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータが残っていれば(ステップS414:No)、処理は、先のステップS401に戻る。一方、アクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータが全て無くなっていれば(ステップS414:Yes)、0系リンク制御部117は、先に設定したHチャネルの「受信指示」を解除する(ステップS415)。処理は、先のステップS401に戻る。
スケジューラ106は、ステップS411での確認結果、0系リンク制御部117にHチャネルの「受信指示」が設定されていない場合は(ステップS411:No)、0系送信キュー113を参照し、Hチャネルによる送信要求があるか否かを確認する(ステップS416)。その結果、送信要求がある場合は(ステップS416:Yes)、スケジューラ106は、0系リンク制御部117にHチャネルによる送信動作を開始させる(ステップS417)。
0系リンク制御部117の送信動作は、後述するが(図16参照)、0系リンク制御部117は、送信成功か否かを判断し(ステップS418)、送信失敗であれば(ステップS418:No)処理はステップS401に戻るが、送信成功であれば(ステップS418:Yes)、0系リンク制御部117は0系送信キュー113から送信に成功したエントリを削除する(ステップS419)。処理はステップS401に戻る。
一方、ステップS416において、0系送信キュー113に送信要求が無い場合は(ステップS416:No)、スケジューラ106は、無線通信部107に通信チャネルをLチャネルに切り替えるように要求する。無線通信部107は、プライオリティ管理テーブル105を参照し、通信チャネルを優先度の低いチャネルch7に切り替える(ステップS420)。
スケジューラ106は、上記のチャネル切替指示を発行すると、1系リンク制御部127に「受信指示」が設定されているか否か確認する(ステップS421)。その結果、1系リンク制御部127に「受信指示」が設定されている場合は、スケジューラ106は、1系リンク制御部127に「今から受信動作を行った場合、どのくらいの時間で受信動作が完了するか」を問い合わせ、その返答結果とスケジュール管理テーブル110の内容とを比較して、1系リンク制御部127が今からLチャネルによる受信動作に入った場合、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合するか否かを判断する(ステップS422)。
スケジューラ106は、この阻害有無の判断結果、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合すると判断した場合は(ステップS422:No)、何もせずステップS401に戻るが、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合しないと判断した場合は(ステップS422:Yes)、1系リンク制御部127にLチャネルによる受信動作を開始させる(ステップS423)。
1系リンク制御部127の受信動作は、後述するが(図15参照)、1系リンク制御部127は、無線通信部107が受信したデータを1系受信キュー124に入力し(ステップS424)、無線通信部107が受信したアクセスポイントからのフレームヘッダを参照してアクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータを全て受信できたか否かを判断する(ステップS425)。その結果、アクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータが残っていれば(ステップS425:No)、処理は、先のステップS401に戻る。一方、アクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータが全て無くなっていれば(ステップS425:Yes)、1系リンク制御部127は、先に設定したLチャネルの「受信指示」を解除する(ステップS426)。処理は、先のステップS401に戻る。
スケジューラ106は、ステップS421での確認結果、1系リンク制御部127にLチャネルの「受信指示」が設定されていない場合は(ステップS421:No)、1系送信キュー123を参照し、Lチャネルによる送信要求があるか否かを確認する(ステップS427)。その結果、送信要求が無い場合は(ステップS427:No)、何もせずステップS401に戻るが、送信要求がある場合は(ステップS427:Yes)、スケジューラ106は、1系リンク制御部127に「今から送信動作を行った場合、どのくらいの時間で送信動作が完了するか」を問い合わせ、その返答結果とスケジュール管理テーブル110の内容とを比較して、1系リンク制御部127が今からLチャネルによる送信動作に入った場合に、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合するか否かを判断する(ステップS428)。
スケジューラ106は、この阻害有無の判断結果、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合すると判断した場合は(ステップS428:No)、何もせずステップS401に戻るが、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合しないと判断した場合は(ステップS428:Yes)、1系リンク制御部127にLチャネルによる送信動作を開始させる(ステップS429)。
1系リンク制御部127の送信動作は、後述するが(図16参照)、1系リンク制御部127は、送信成功か否かを判断し(ステップS430)、送信失敗であれば(ステップS430:No)何もせずステップS401に戻るが、送信成功であれば(ステップS430:Yes)、1系送信キュー123から送信に成功したエントリを削除する(ステップS431)。処理は、ステップS401に戻る。
次に、図13を参照して、ビーコン信号について説明する。なお、図13は、2つのアクセスポイントが同じ周期の同じタイミングでビーコン信号を送信している場合の受信動作を説明する図である。
以上のように、この実施の形態では、端末の起動時やパワーセーブ解除時では、ビーコン信号を手がかりにデータの受信を行うようにしている。すなわち、ビーコン信号内に設定されている「アクセスポイントがどの端末宛のデータをバッファリングしているか」の情報を参照し、自端末宛のデータがバッファリングされていれば、そのデータを受け取るためのシーケンスを実行する。
この場合、例えば、Hチャネルの送受信処理を行っている間にLチャネルのビーコン信号が送信されたなどしてビーコン信号を聞き逃すと、次のビーコン信号を受信するまで、自端末宛のデータがアクセスポイントにバッファリングされているかどうかが分からないので、遅延の原因になりうる。
通常、2つのアクセスポイントが存在する場合、2つのビーコン信号の送信タイミングが一致する可能性は非常に低いが、最悪のケースでは、ほぼ、2つのビーコン信号の送信タイミングが一致することもありうる。図13では、2つのアクセスポイントが同じ周期の同じタイミングでビーコン信号を送信している様子が示されている。
この図13に示すような場合、単純に優先度の高いビーコン信号だけを受信すると、優先度の低いビーコン信号はいつまで経っても聞き逃してしまう。これを避けるために、この実施の形態では、図13にハッチングして示すように、優先度の高い通信チャネルの受信(H受信)では、ビーコン信号の聞き取り間隔を「2」とし、優先度の低い通信チャネルの受信(L受信)では、ビーコン信号の聞き取り間隔を「1」としている。
図13において、優先度の高い通信チャネルの受信(H受信)では、ビーコン信号を2回に1回の割合で受信するので、時刻t=t0にてビーコン信号を受信すると、次のビーコン信号の送信タイミングt=t1では、ビーコン信号を受信しない。ビーコン信号の送信タイミングt=t3においても同様にビーコン信号を受信しない。
つまり、図14に示すように、スケジュール管理テーブル110には、ビーコン信号フレーム「ビーコンH,ビーコンL」に対する受信予定時刻が登録されるが、その登録されている優先度の高い通信チャネルHのビーコン信号の受信予定時刻には、ビーコン信号の送信タイミングt=t1,t=t3,・・は含まれていないので、この送信タイミングt=t1,t=t3,・・において優先度の低い通信チャネルのビーコンを受信することができる。図14では、そのことが示されている。このように、ビーコン信号の聞き取り間隔を優先度に合わせて違えることで、いずれのビーコン信号も受信することが可能となる。そして、この実施の形態では、優先度が入れ替わると、ビーコン信号の聞き取り間隔も入れ替えるようにしてある。
次に、図10と図11による無線フレーム送受信タスクT07の動作説明では、図14に示す「フレーム種別とそれに対する時刻」に関しては言及しなかったので、ここで図14に示すように「フレーム種別」に対して具体的に予定時刻が設定されている場合の無線フレーム送受信タスクT07の動作について説明する。
詳細は省略するが、音声パケットは定期的に送受信されているので、スケジューラ106は、音声パケットの送信間隔と平均所要時間、及び平均的な受信間隔と平均所要時間をそれぞれ学習し、その内容を音声パケットの送受信が行われる毎に更新している。但し、更新が行われるのは、音声パケットの送受信に対してのみである。その他の例えば呼制御でのデータのやり取りに関しては不定期であるので、更新は行わないものとする。ここでは、すでに通話が行われていて、スケジュール管理テーブル110に図14の内容が登録されているものとする。
図14では、時刻を分かりやすい2.000msなどと表記しているが、実際は、時刻をμ秒単位で管理している。現在時刻は、2.000msよりも少し(1ms程度)前の時刻である。スケジュール管理テーブル110には、「フレーム種別」に対する「予定時刻」が、図14に示すように、現在時刻を基準に黒の四角で示した送受信予定期間としてスケジュールされている。
P1及びP2は、それぞれ音声パケットを含むフレーム(以下「音声フレーム」という)であり、P3及びP4は、それぞれリンク制御フレーム(以下「制御フレーム」という)である。音声コーデックは、10ms間隔で行われている。また、アクセスポイントのビーコン信号送信間隔は、10.24msに設定されている。端末aのLチャネルに対するビーコン信号の聞き取り間隔は、上記のように「1」である。
現在時刻以降において「送信H」による音声フレームP1の送信要求が時刻t=t1の直前で発生したので、前回の音声フレームの送信から10ms後に白い四角で示した位置にスケジュールしようとしたが、この時刻t=t1の直前では、「ビーコンL」の受信予定期間と競合するので、「送信H」による音声フレームP1の予定時刻は、「ビーコンL」の受信予定期間の後ろ、時刻t=t1以降にタイミングをずらしてスケジュールされている。したがって、時刻t=t1では、登録がない。
時刻がt=t1まで経過すると、「ビーコンL」の受信が終わり、これによって端末が受信すべきデータがアクセスポイントに存在することが解る。スケジューラ106は、t=t1の時刻では、「ビーコンH」「ビーコンL」「送信H」「受信H」の予定時刻がスケジュール管理テーブル110に登録されていないので、時刻t=t1直後の白い四角で示した位置で制御フレームP3の「受信L」が可能か否かを判断する。
すなわち、スケジューラ106は、1系リンク制御部127に「時刻t=t1直後の白い四角で示した位置で受信動作を始めると音声フレームP1の受信開始予定時刻までに終了するか」を問い合わせる。1系リンク制御部127は、スケジュール管理テーブル110を参照し、時刻t=t1よりも少し後に「送信H」の送信期間がすでに予約されているので、時刻t=t1直後の白い四角で示した位置で制御フレームP3の受信動作に入ると、音声フレームP1の受信動作を阻害してしまうことが解る。1系リンク制御部127は、その旨をスケジューラ106に返答する。スケジューラ106は、1系リンク制御部127に時刻t=t1直後の白い四角で示した位置での受信開始指示を発行せず、制御フレームP3の受信動作を、音声フレームP1の送信動作が終了するまで延期する。図11に示すステップS422〜S426では、このような動作が行われている。
さらに時間が経過して、時刻t=t2直後の白い四角で示した位置において、「送信L」による制御フレームP4の送信要求が発生した場合、即座に送信すると「ビーコンH」の受信期間と競合するので、「送信L」による制御フレームP4は、直ちに送信を行うことができない。したがって、「ビーコンH」の受信後、「送信H」「受信H」の必要がないと判断された時点で「送信L」による制御フレームP4の送信動作を行うことになる。図11に示すステップS428〜S431では、このような動作が行われている。
次に、図15と図16を参照して、0系と1系のリンク制御部117,127が行う送受信処理動作を説明する。なお、図15は、図5に示す0系と1系のリンク制御部117,127が行う受信処理動作を説明するフローチャートである。図16は、図5に示す0系と1系のリンク制御部117,127が行う送信処理動作を説明するフローチャートである。
まず、受信処理動作は次のように行われる。図15において、0系リンク制御部117または1系リンク制御部127は、無線通信部107を利用して同じチャネルで電波が予め指定された時間が存在せず、0系リンク制御部117または1系リンク制御部127が他に影響されずに送受信可能であるか否か確認する(ステップS501)。送受信可能でなければ(ステップS501:No)送受信可能になるまで(ステップS501:Yes)待機する。
0系リンク制御部117または1系リンク制御部127は、送受信可能であることが確認できると(ステップS501:Yes)、無線通信部107を利用して、アクセスポイントに「受信準備が完了した」旨を示す「PS_POLL」フレームを送信する(ステップS502)。
アクセスポイントは、「PS_POLL」フレームを受信すると、送信元の端末にアクセスポイントがバッファリングしているデータを送信するので、0系リンク制御部117または1系リンク制御部127は、無線通信部107を利用してアクセスポイントが送信するフレームデータを受信する(ステップS503)。
そして、0系リンク制御部117または1系リンク制御部127は、受信したフレームデータにエラーが無いことをFCS(フレーム・チェック・シーケンス)によって確認できると、規定された時間だけ待って(ここでは10μ秒)ACKフレームを送信し、正常にデータを正しく受信できたことをアクセスポイントに通知する(ステップS504)。
また、送信処理動作は次のように行われる。図16において、0系リンク制御部117または1系リンク制御部127は、無線通信部107を利用して同じチャネルで電波が予め指定された時間存在せず、0系リンク制御部117または1系リンク制御部127が他に影響されずに送受信可能であるか否か確認する(ステップS601)。送受信可能でなければ(ステップS601:No)送受信可能になるまで(ステップS601:Yes)待機する。
0系リンク制御部117または1系リンク制御部127は、送受信可能であることが確認できると(ステップS601:Yes)、0系送信キュー113または1系送信キュー123からデータをコピーしてフレームデータを生成し、無線通信部107を利用して送信を行う。このとき使用される周波数チャネルは、プライオリティ管理テーブル105に登録されている内容に従う(ステップS602)。
そして、0系リンク制御部117または1系リンク制御部127は、無線通信部107を利用して規定された時間(ここでは10μ秒以上)ACKの受信を待機し(ステップS603)、ACKが受信できれば(ステップS603:Yes)、送信成功として処理を終了する一方、ACKが受信できなければ(ステップS603:No)、送信失敗として処理を終了する。
次に、図17は、図5に示す無線通信部107による無線通信動作を説明するタイムチャートである。前述したように、Hは優先度が高く設定されたチャネルであり、Lは優先度が低く設定されたチャネルである。
優先度の高い「H受信」「H送信」では、時刻t=t0でビーコン信号を受信した後、時刻t=t2までデータの送受信を行わない。
優先度の低い「L受信」「L送信」では、時刻t=t0と時刻t=t1との間で受信するビーコン信号によって「データがアクセスポイントにバッファリングされている」ことが判明し、その後、時刻t=t1までに、「PS_POLL」を発行してアクセスポイントにバッファリングされているデータを受信し、ACKを返す。
そして、優先度の低い「L受信」「L送信」では、その後、送信キューにデータがあるので、送信を行おうとするが、時刻t=t1から送信動作に入ると、スケジュール管理テーブル110に登録されている「H受信」「H送信」の送受信動作(時刻t=t2以降に予定されている)を妨害するので、送信を行わない。
その後、時刻t=t3では、「H受信」「H送信」の送受信が終了するので、「L受信」「L送信」では、送受信動作に入ることができる。
これまで説明してきたように、音声通話は、優先度の高いHチャネルで行っている。しかし、例外はあるが多くの場合、定期的に(この例では10ms間隔)発生する音声データの交換を行う以外は、Hチャネルを用いて通信を行う必要が無い。したがって、Hチャネルで通信を行う必要の無い期間に優先度の低いLチャネルを利用して、ハンドオーバーに必要な、アクセスポイントとのリンク設定、IPアドレスの取得、SIPセッションの準備などを行うことができる。これらLチャネルでのやりとりは厳しい時間制約を持つものは無く、途中、Hチャネルの使用によってLチャネルによるデータ通信が一時的にできなくなっても、ハンドオーバー処理になんら影響を与えない。
以上のように、この実施の形態1によれば、ハンドオーバー実行中に、2つの無線チャネルを時間的に切り替えながらフレームの送受信を行い、0系リンクと1系リンクの通信品質を比較し、現在使用中のリンクよりも他方のリンクの通信品質が優れている場合に、その他方のリンクを通話に利用する通話セッションとし、それ以外のリンクを待機状態に設定することによって、ソフトハンドオフを実現している。これによって、ハンドオーバーの瞬間に音声が途切れることなく良好な通話環境を提供することができる。また、2つの無線チャネルを時間的に切り替えることで、2つのRF(無線周波処理回路)を実装する必要がないので、安価な無線端末を実現することが可能となる。
(実施の形態2)
図18は、本発明の実施の形態2による端末の機能構成を示すブロック図である。なお、図18では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図18に示すように、実施の形態2による端末では、図1(実施の形態1)に示した構成において、スケジュール管理テーブル110に代えてスケジュール管理テーブル140が設けられ、0系と1系の音声通話部119,129に代えて0系と1系の音声通話部145,155が設けられている。それに伴い、全体制御部130が機能追加によって全体制御部160となっている。
0系と1系の音声通話部145,155では、図1(実施の形態1)に示した0系と1系の音声通話部119,129において、予約シーケンス実行部115,125と、CSMA/CA−TDM切り替え部116,126が追加されている。
0系と1系の予約シーケンス実行部115,125は、優先度の低い通信チャネルの使用中に、優先度の高い通信チャネルを使用する通信の予定時刻と現在時刻との差が予め定めた時間よりも小さくなった場合、当該優先度の低い通信チャネルを使用する通信を保留し、優先度の高い通信チャネルを使用する通信が終わった後に当該優先度の低い通信チャネルを使用する通信を再開できると予想できる時刻までの時間内に、他の端末やアクセスポイントが当該優先度の低い通信チャネルを使用して通信を始めないようにするためのメディア予約シーケンスを実行する。
また、0系と1系のCSMA/CA−TDM切り替え部116,126は、優先度の高い通信チャネルを使用する通信ではTDM方式で通信を行い、優先度の低い通信チャネルを使用する通信ではCSMA/CA方式で通信を行うための切り替えを行う。なお、スケジュール管理テーブル140は、例えば図23に示すようになっている。
この実施の形態2による端末の電気的な構成は、図2に示す通りであり、追加された機能も、CPU201がROM202に格納される制御プログラムを、ROM202やRAM203に記憶されているデータを参照したり、またRAM203に記憶されているデータを変更したりしながら実行することで実現される。
また、この実施の形態2による端末は、図3に示した無線LAN電話システムでの端末a、端末bとなることは言うまでもない。図19は、図3に示す無線LAN電話システムにおける端末aと端末bが図18に示す端末である場合において、端末aが端末bと通話しつつハンドオーバーする過程を説明するシーケンス図である。
図19は、図4に対応するが、図19では、図4に示すイベントのステップE09と、メッセージのステップM10とが無い点だけが異なる。ここでは、相違点について説明する。図19において、ステップE08にて3者通話が確立(但し、端末a(1系)は保留されている)した後、ステップE11にてアクセスポイントA1よりもアクセスポイントA2の方が安定した通信が可能であると判断された時点で、ステップM12以降を実行する。つまり、端末a(1系)の保留が解除され、端末a(0系)が3者通話から離脱することによって、端末a(1系)−アクセスポイントA2−アクセスポイントB−端末bの経路が確立する。これによって、ハンドオーバーが完了したことになる。
また、この実施の形態2による端末のタスク構成も図5と同様の要素によって構成され、エンコードタスクT01と、デコードタスクT02と、プロトコル処理タスクT05,T06とは、この実施の形態2においても実施の形態1と同じ動作を行う。呼制御タスクT03,T04と無線フレーム送受信タスクT07とが実施の形態1での動作にこの実施の形態2に固有の動作を追加した動作を行う。ここでは、それらの相違点について、呼制御タスクT03,T04(図20)、無線フレーム送受信タスクT07(図21、図22)の順に説明する。
まず、図20は、図18に示す端末における図5に示す0系と1系の呼制御タスクT03,T04の処理動作を説明するフローチャートである。図20は、図9に対応するが、図20では、図9において、ステップE−14,E−15,E−16,E−17が無く、新たにステップE−18,E−19が追加されている。つまりハンドオーバー中の動作が異なっている。ここでは、ステップE−13によって、呼制御タスクT03,T04は、3者通話状態になっていて、0系音声通話部145は2者通話中(ハンドオーバー準備中)S354の状態であり、1系音声通話部155はソフトハンドオーバー(保留)S355の状態であるとして説明する。
この端末a(0系)による通話中に、全体制御部160は、例えば、0系と1系のリンク制御部117,127からそれぞれのリンクでの受信感度値を取得し、それらが予め定めた受信感度値を超えて継続する時間をそれぞれ監視する。そして、全体制御部160は、現在0系音声通話部145がリンクを設定しているアクセスポイントとの通信状況がさらに悪化し、受信感度が予め定め値よりも低下し、かつ、1系音声通話部155のリンクの受信感度が予め定めた時間、予め定めた受信感度値よりも大きい時間が続くと、1系音声通話部155のリンクが安定していると判断し、1系リンク制御部127にその旨を通知する。
なお、全体制御部160は、両リンクの通信品質を比較する方法として、上記の電波受信感度の他に、SN比が予め定めた閾値を超えて継続する時間をそれぞれ監視して継続時間が上回る方のリンクが継続的に良好な通信を提供できると判断している。或いは、両リンクでのエラー発生頻度を監視し、下回った方のリンクが継続的に良好な通信を提供できると判断している。
1系リンク制御部127は、全体制御部160から自リンクの安定通知を受けて1系制御部128に対し「リンク安定」を通知する。1系制御部128は、その「リンク安定」通知を受けて、全体制御部160に対し「0系切断」を要求する。
全体制御部160は、プライオリティ管理テーブル105における「0系」と「1系」に対する優先度を書き換え、1系音声通話部155の優先度を高く設定し、0系音声通話部145の優先度を低く設定する。さらに、全体制御部160は、エンコードタスクT01とデコードタスクT02とにおける音声パケットの入出力先を1系音声通話部155に切り替える。
これによって、コーデック部104は、以降、音声入力部102からの音声をA/D変換及びエンコードして生成した音声パケットを1系プロトコル処理部122に渡す。また、コーデック部104は、以降、1系プロトコル処理部122が受け取った音声パケットをデコード及びD/A変換し、音声出力部103に出力する。
その後、0系音声通話部145ではステップE−18が実行され、同時に1系音声通話部155ではステップE−19が実行される。
すなわち、ステップE−18では、全体制御部160は、0系呼制御部111に呼を切断するように要求する。0系呼制御部111は、切断要求を受けて、0系プロトコル処理部112に対し「端末bと端末a(1系)とに対する切断要求のメッセージ「BYE」をSIPサーバ500に送信する」ように要求する。これによって0系プロトコル処理部112が送信する「BYE」メッセージは、SIPサーバ500から端末bと端末a(1系)とに中継転送される。
端末bでは、「BYE」メッセージを受け取ると、「BYE−OK」メッセージをSIPサーバ500に返送し、端末a(0系)との接続を解除する。また、端末a(1系)では、1系プロトコル処理部122がこの「BYE」メッセージを受け取り、1系呼制御部121に渡す。1系呼制御部121は、1系プロトコル処理部122に対し、「BYE−OK」メッセージをSIPサーバ500に送信するように依頼する。
SIPサーバ500は、端末bからの「BYE−OK」メッセージと端末a(1系)からの「BYE−OK」メッセージとを受け取ると、端末a(0系)に「BYE−OK」メッセージを送信する。
端末a(0系)では、0系プロトコル処理部112がこのメッセージを受け、0系呼制御部111に渡す。このとき、端末a(0系)では、同一端末内からの「BYE−OK」メッセージであるので、通常通りに待ち受け状態S350に遷移するのではなく、休止状態S351に遷移する。0系呼制御部111が休止状態S351に遷移すると、0系制御部118は、0系プロトコル処理部112を停止させ、0系リンク制御部117にリンクを解除させる。
また、ステップE−19では、全体制御部160は、保留されている1系音声通話部155を保留解除するため、1系制御部128に対して保留解除を要求する。1系制御部128は、指示に従って1系呼制御部121に保留解除を要求する。1系呼制御部121は、解除要求を受けて、1系プロトコル処理部122に対し「保留解除を行った旨」を端末bに伝えるように要求し、2者通話中(通常)状態S353に遷移する。
端末bでは、端末a(1系)からこの「保留解除を行った旨」のメッセージを受け取ると、これまで音声の送受信していなかった端末a(1系)と音声の送受信を行うようになる。さらに、全体制御部160は、無線フレーム送受信タスクT07に優先度切り替えが発生したことを通知する。このときの無線フレーム送受信タスクT07の動作が図21、図22に示されている。
ここで、以上の動作を端末bの側からみると、最初、端末bは、0系呼制御部111がソフトハンドオーバー(通話)状態S356にある。このとき、3者通話状態であり、端末a(1系)は保留されている(S355)。ここで、端末a(0系)とアクセスポイントA1との通信環境が悪化し、さらに、端末a(1系)とアクセスポイントA2との通信環境が安定したと判断された時点で、端末a(0系)からの「BYE」メッセージと端末a(1系)からの「保留が解除された旨」を伝えるメッセージとがSIPサーバ500から届く。
そこで、端末bの全体制御部160は、以降のコーデック部104の対象を1系音声通話部155に切り替える。そして、端末bの1系制御部128は、1系プロトコル処理部122に端末a(0系)に対してSIPサーバ経由で「BYE−OK」メッセージを送信するように要求する。
以上のように、実施の形態2においても、通話に使用するアクセスポイントを切り替えても音声が途切れることがないことが解る。
次に、図21、図22は、図18に示す端末における図5に示す無線フレーム送受信タスクの処理動作を説明するフローチャートである。この実施の形態2においても、無線フレーム送受信タスクT07の処理動作は、上記した呼制御の状態遷移において、ソフトハンドオーバーを行っている状態で行われる。すなわち、無線通信によるデータの送受信は、無線フレーム送受信タスクT07によって行われるが、この無線フレーム送受信タスクT07は、RF(無線周波)の2つのチャネルを時間的に切り替えながらその2つのチャネルで無線データの送受信を行う。
このとき、無線フレーム送受信タスクT07は、スケジュール管理テーブル140(図23)とプライオリティ管理テーブル105(図12)とを参照し、優先度が高く設定されているチャネルでの通信が、優先度が低く設定されている方の通信から阻害を受けないように排他制御を行う。
この場合、この実施の形態2では、優先度の高いチャネルHでは、TDMA方式で音声パケットが定期的に送受信されている。VoIPのようなリアルタイム性の高いデータの送受信では、無線LANにおいてQoSを確保するためにTDMA方式を利用すると帯域を有効に利用できるとされていることによる。
プライオリティ管理テーブル105の内容は、実施の形態1にて説明した通りである。この実施の形態2によるスケジュール管理テーブル140は、図23に示すように、「即時起動フラグ」と、「フレーム種別とそれに対する予定時刻」とが設定される点は、図14と同様であるが、「フレーム種別」の内容が異なっている。すなわち、「フレーム種別」には、Hチャネルによるビーコン信号フレーム「ビーコンH」と、Hチャネルによる送受信データフレーム「送受信H」と、Lチャネルによるビーコン信号フレーム「ビーコンL」と、Lチャネルによる送受信データフレーム「受信L,送信L」とがこの順に設定されている。
さて、最初のステップS701では、スケジューラ106がスケジュール管理テーブル140中の「即時起動フラグ」や、0系と1系の送信キュー113,123を参照し、パワーセーブを行う必要があるか否かを判断する。スケジューラ106は、「即時起動フラグ」がOFFであるとき、或いは、0系と1系の送信キュー113,123にエントリが書き込まれていないとき、パワーセーブを行う必要がある、つまり即時起動の必要はないと判断し(ステップS701:No)、ステップS702に進む。
ステップS702では、スケジューラ106は、パワーセーブ制御部109に対して無線通信部107のパワーセーブを行うように指示する。パワーセーブ制御部109は、指示を受けて無線通信部107であるRF(無線処理部)206及びベースバンド処理部205の電源を切り、無線通信部107をスリープ状態にする。スケジューラ106は、このスリープ状態を、スケジュール管理テーブル140とRTC108とを参照して、WAKEUP時刻が到来するまで、或いは、0系と1系の送信キュー113,123にエントリが書き込まれるまで、維持する。スケジューラ106は、これらのスリープ解除要因が発生すると、パワーセーブ制御部109に対してスリープ解除指示を出して無線通信部107を起動させ、ステップS703に進む。
一方、ステップS701において、「即時起動フラグ」がONであれば、或いは、0系と1系の送信キュー113,123にエントリが書き込まれていれば、スケジューラ106は、パワーセーブを行う必要がない、つまり即時起動が必要であると判断し(ステップS701:Yes)、ステップS703に進む。
ステップS703では、スケジューラ106が、無線通信部107に対して通信チャネルをLチャネルに切り替える指示を出し、無線通信部107が、プライオリティ管理テーブル105を参照し、通信チャネルを優先度の低いチャネルch7に切り替える。
スケジューラ106は、無線通信部107にチャネル切替指示を発行すると、スケジュール管理テーブル140とRTC108を参照して、現在時刻がHチャネルのビーコン信号の受信期間「ビーコンH」であるか否か(ステップS704)、現在時刻がHチャネルの送受信期間「送受信H」であるか否か(ステップS708)、現在時刻がLチャネルのビーコン信号の受信期間「ビーコンL」であるか否か(ステップS712)を、それぞれ判断する。
その結果、現在時刻がHチャネルのビーコン信号の受信期間「ビーコンH」である場合は(ステップS704:Yes)、スケジューラ106は、1系予約シーケンス実行部125に予約シーケンスを実行させる(ステップS705)。予約シーケンスの実行内容は後述するが(図24参照)、これによって、優先度が低く設定されているチャネルch7では、この予約シーケンスを受け取った端末及びアクセスポイントが、予約シーケンスで指定された時間だけデータの送信を行わなくなる。したがって、優先度の低いチャネルch7でのアクセスポイントによるビーコン信号の送信は、予約シーケンスで指定された時間が経過するまで遅延させられる。このようにすることによって、RF206を優先度の高いチャネルch2に切り替えている間に、優先度の低いチャネルch7のビーコン信号を聞き逃すことを防ぐことができる。
そこで、スケジューラ106は、無線通信部107にチャネルをHに切り替えるように要求し、無線通信部107は、プライオリティ管理テーブル105を参照して使用チャネルを優先度が高いチャネルch2に切り替える(ステップS706)。これによって、無線通信部107は、Hチャネルでビーコン信号を受信する。処理は、ステップS701に戻る。
このビーコン信号には、ブロードキャスト情報の有無や各端末の時計を合わせるための時刻情報などの報知情報が含まれているが、使用チャネルがHチャネルであるときは上記したようにTDMモードで動作しているので、ここでは、バッファリング情報は参照しない。
また、スケジューラ106は、現在時刻がHチャネルの送受信期間「送受信H」である場合は(ステップS708:Yes)、ステップS705と同様に1系予約シーケンス実行部125に予約シーケンスを実行させる(ステップS709)。そして、ステップS706と同様に無線通信部107にチャネルをHに切り替えさせる(ステップS710)。これによって、無線通信部107は、Hチャネルを用いて、後述する図26に示す手順でデータの送受信を行う(ステップS711)。処理は、ステップS701に戻る。
また、スケジューラ106は、現在時刻がLチャネルのビーコン信号の受信期間「ビーコンL」である場合は(ステップS712:Yes)、スケジューラ106は、無線通信部107に受信指示を出し、Lチャネルでビーコン信号を受信させる(ステップS713)。無線通信部107は、受信したビーコン信号に含まれている、パワーセーブモードの端末に対して「どの端末に対するデータをアクセスポイントがバッファリングしているか」の情報を、1系リンク制御部127に与えるので、1系リンク制御部127は、無線通信部107から受け取った「どの端末に対するデータをアクセスポイントがバッファリングしているか」の情報と自端末のIDとを参照し、自端末宛のデータがアクセスポイントにバッファリングされているか否かを調べ、バッファリングされていれば「受信指示」を1系リンク制御部127に設定し、スケジュール管理テーブル140の「即時起動フラグ」をONに設定する(ステップS714)。処理は、先のステップS701に戻る。
また、スケジューラ106は、現在時刻がHチャネルのビーコン信号の受信期間でなく(ステップS704:No)、現在時刻がHチャネルの送受信期間でなく(ステップS708:No)、かつ現在時刻がLチャネルのビーコン信号の受信期間でもない(ステップS712:No)場合は、1系リンク制御部127にLチャネルの「受信指示」が設定されているか否かを確認する(ステップS715)。
その結果、1系リンク制御部127に「受信指示」が設定されている場合は、スケジューラ106は、1系リンク制御部127に「今から受信動作を行った場合、どのくらいの時間で受信動作が完了するか」を問い合わせ、その返答結果とスケジュール管理テーブル140の内容とを比較して、1系リンク制御部127が今からLチャネルによる受信動作に入った場合、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合するか否かを判断する(ステップS716)。
スケジューラ106は、この阻害有無の判断結果、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合すると判断した場合は(ステップS716:No)、何もせずステップS701に戻るが、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合しないと判断した場合は(ステップS716:Yes)、1系リンク制御部127にLチャネルによる受信動作を開始させる(ステップS717)。1系リンク制御部127は、前述した図15に示した手順での受信動作を行う。
そして、1系リンク制御部127は、無線通信部107が受信したデータを1系受信キュー124に入力し(ステップS718)、無線通信部107が受信したアクセスポイントからのフレームヘッダを参照してアクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータを全て受信できたか否かを判断する(ステップS719)。その結果、アクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータが残っていれば(ステップS719:No)、処理は、先のステップS701に戻る。一方、アクセスポイントがバッファリングしている自端末宛のデータが全て無くなっていれば(ステップS719:Yes)、1系リンク制御部127は、先に設定したLチャネルの「受信指示」を解除する(ステップS720)。処理は、先のステップS701に戻る。
スケジューラ106は、ステップS715での確認結果、1系リンク制御部127にLチャネルの「受信指示」が設定されていない場合は(ステップS715:No)、1系送信キュー123を参照し、Lチャネルによる送信要求があるか否かを確認する(ステップS721)。その結果、送信要求が無い場合は(ステップS721:No)、何もせずステップS701に戻るが、送信要求がある場合は(ステップS721:Yes)、スケジューラ106は、1系リンク制御部127に「今から送信動作を行った場合、どのくらいの時間で送信動作が完了するか」を問い合わせ、その返答結果とスケジュール管理テーブル140の内容とを比較して、1系リンク制御部127が今からLチャネルによる送信動作に入った場合に、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合するか否かを判断する(ステップS722)。
スケジューラ106は、この阻害有無の判断結果、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合すると判断した場合は(ステップS722:No)、何もせずステップS701に戻るが、Hチャネルの送受信のスケジュールと競合しないと判断した場合は(ステップS722:Yes)、1系リンク制御部127にLチャネルによる送信動作を開始させる(ステップS723)。1系リンク制御部127は、前述した図16に示した手順での送信動作を行う。
そして、1系リンク制御部127は、送信成功か否かを判断し(ステップS724)、送信失敗であれば(ステップS724:No)何もせずステップS701に戻るが、送信成功であれば(ステップS724:Yes)、1系送信キュー123から送信に成功したエントリを削除する(ステップS725)。処理は、ステップS701に戻る。
次に、図23は、図18に示す端末が備えるスケジュール管理テーブル140の構成例を示す図である。図23において、ビーコン信号の聞き取り間隔は、実施の形態1と同様に、Hチャネルでは「2」に設定され、Lチャネルでは「1」に設定されているが、ビーコン間隔は、HチャネルもLチャネルも同じである。
そして、HチャネルではTDMで通信しており、同じ周期でビーコン受信後一定の時間後に送受信を行うようにスケジュールされている。このスケジュールは、アクセスポイントとリンクとを設定したときにアクセスポイントが指定したものである。スケジューラ106は、Lチャネルの送信あるいは受信の要求が発生すると、「ビーコンH」「送受信H」「ビーコンL」の3つのスケジュールを阻害しないように送受信のタイミングをスケジュールする。
次に、図24を参照して、予約シーケンスの処理について説明する。なお、図24は、0系と1系の予約シーケンス実行部115,125による予約シーケンス実行処理動作を説明するフローチャートである。
予約シーケンスは、Hチャネルの送受信期間にLチャネルでの通信を行わない、つまりHチャネルとLチャネルとで同時に通信が行われないようにするため、Hチャネルの送受信の予定時間だけ、Lチャネルの予約を行う。つまり、予約シーケンスの実行は、優先度の低い1系予約シーケンス実行部125が行う。
すなわち、1系予約シーケンス実行部125は、スケジュール管理テーブル140とRTC108を参照して、Hチャネルでの送受信終了時刻までの時間を算出し、1系リンク制御部127に算出した時間だけメディアを予約するように要求する(ステップS801)。1系リンク制御部127は、要求に応じてRTSフレームにメディア予約時間を乗せて送信する(ステップS802)。そして、1系リンク制御部127は、このRTSフレームを受信したアクセスポイントが送信するメディアを予約したことを告げるCTSフレームを受信する(ステップS803)。
これによって、このCTSフレームを受信した全ての端末は、メディア予約時間が経過するまでチャネルch7での送信を行わなくなる。また、CTSフレームを送信したアクセスポイント自身もメディア予約時間が経過するまでチャネルch7での送信を行わなくなる。
端末は、もし、ビーコン信号を聞き逃すと、端末宛のデータがバッファリングされているか否かを知ることができないので、次のビーコン信号を受信するまで、データの送受信を行わない。この場合、データの比較的大きな遅延が発生してしまう。これを防止するため、端末は、Hチャネルのビーコン受信やデータの送受信処理を行うときは、このように予約シーケンスをLチャネルで発行してメディアの予約を行い、その予約期間内、Lチャネルでの通信が行われないようにする。これによって、Lチャネルのビーコン信号を端末が聞き逃すことが無く、比較的少ない遅延でLチャネルでの通信を行うことができる。ことができる。
次に、図25は、図24に示す予約シーケンス実行処理時での無線通信部107による無線通信動作を説明するタイムチャートである。図25において、時刻t=t1でHチャネルのビーコン信号を受信するため、時刻t=t1に到達する前に、予約シーケンス(RTS、CTS)を実行して「H受信」の期間を予約している。
また、時刻t=t3がLチャネルによる本来のビーコン送信予定時刻である。しかし、この時刻t=t3は、時刻t=t4と時刻t=t5との間にあり、この期間は、Hチャネルでのデータの送受信が予定されている。そのため、時刻t=t2において予約シーケンス(RTS、CTS)を実行し、Lチャネルでのビーコン送信を時刻t=t5まで遅らせている。
次に、図26は、図21に示す「H送受信期間」であるとき行われるデータ送受信処理動作を説明するフローチャートである。Hチャネルでは、音声の送受信を行っているので、QoS確保のためにIEEE802.11eで提案されているTDM方式の送受信を行っている。ここでは、理解を容易にするため、多少簡略化して説明する。
Hチャネルでのデータ送受信では、アクセスポイントが、自装置が収容している端末に対し、要求されたQoSに応じてタイムスロットを割り当て、ポーリングを行う。このポーリングのスケジュールは、端末とアクセスポイントとの間でリンクを設定するときに端末に通知され、端末はそれをスケジュール管理テーブル140に書き込むことで記憶している。そこで、端末は、自端末がポーリングされる時刻になると、WAKEUPし、優先度の高い0系音声通話部145が、ポーリングフレームの受信を準備し、以下に示す送受信動作を行う。
すなわち、0系リンク制御部117は、アクセスポイントが送信したQoS CF_POLLフレームを受信すると(ステップS901)、受信したフレームにQoS Dataが含まれているか否かを判断する(ステップS902)。その結果、QoS Dataが含まれている場合は(ステップS902:Yes)、0系リンク制御部117は、そのQoS Dataを0系受信キュー114に書き込み(ステップS903)、ステップS904に進む。一方、QoS Dataが含まれていない場合は(ステップS902:No)、0系リンク制御部117は、何もせずにステップS904に進む。
ステップS904では、0系リンク制御部117は、0系送信キュー113を参照し、送信要求があるか否かを確認する。その結果、送信要求がある場合は(ステップS904:Yes)、0系リンク制御部117は、0系送信キュー113の内容を、QoS Data+ACKとして送信する(ステップS905)。アクセスポイントは、送信したQoS Dataを含むフレームに対する肯定応答「ACK」を受信したので、今回の受信フレーム「QoS Data+ACK」に対する肯定応答「ACK」を送信する。そこで、0系リンク制御部117は、先に送信した「QoS Data+ACK」に対する肯定応答「ACK」を受信すると(ステップS906)、0系送信キュー113からエントリを削除し(ステップS907)、本処理を終了する。
一方、ステップS904の判断において送信要求がない場合は(ステップS904:No)、0系リンク制御部117は、先に受信した「QoS CF_POLLフレーム」に対する肯定応答「ACK」を送信し(ステップS908)、本処理を終了する。
以上のように、ハンドオーバー中でも音声パケットは、優先度の高いHチャネルを使用し、また、新しいアクセスポイントの発見、接続、IPアドレスの取得、SIPサーバへの登録を優先度の低いLチャネルを利用して行うので、音声パケットの送受信が阻害されることはない。したがって、ハンドオーバー中に音声が途切れることはない。
次に、ハンドオーバーが完了した時点での処理について説明する。ハンドオーバーが完了した場合、図20のステップE−19で説明したように、呼制御タスクは、無線フレーム送受信タスクに優先度切り替えが発生したことを通知する。ハンドオーバーが完了した時点では、プライオリティ管理テーブル105では優先度が0系と1系とで切り替わっている。そこで、無線フレーム送受信タスクは、通知を受けて、優先度の高い通信チャネルではTDMで動作するように1系CSMA/CA−TDM切り替え部126に通知し、また優先度の低い通信チャネルではCSMA/CAで動作するように0系CSMA/CA−TDM切り替え部116に通知する。0系と1系のCSMA/CA−TDM切り替え部116,126は、対応するリンク制御部117,127を通じてアクセスポイントと交渉し、動作モードの変更を実施する。
次に、CSMA/CA−TDM切り替えについて補足説明する。無線LAN電話では、一旦通話が確立すると、音声パケットが定期的に発生する。この音声パケットが他の通信に阻害されないようQoSを設定するために、通常、TDM方式で通信を行う。この方式は、規格IEEE802.11eにおいてHCCAと呼ばれている。しかしながら、ハンドオーバーが発生時に、新しいアクセスポイントを探したり、そのアクセスポイントとリンクを確立したり、IPアドレスを新規に取得したり、SIPサーバ500に自端末を登録したりするためのやりとりは、前述の音声とは性質が異なり、非定期的なパケットのやりとりとなる。したがって、通話以外のやり取りに関しては、QoSを設定する必要が無く、むしろ、送受信のタイミングにおいて自由度の高いCDMA/CA方式の方が「送信要求が発生したときに即時に送信できる」という点で有利である。そこで、この実施の形態2では、通話にはTDM方式を利用し、通話以外にはCDMA/CA方式を利用している。ハンドオーバーが完了すると、優先度の高い通信チャネル、すなわち、通話に用いている通信チャネルはTDMモードに切り替え、次のハンドオーバーに向けて待機する優先度の低い通信チャネルはCDMA/CAモードに切り替えるのである。
以上のように、この実施の形態2によれば、ハンドオーバー実行中に、2つの無線チャネルを時間的に切り替えながらフレームの送受信を行い、0系リンクと1系リンクの通信品質を比較し、いずれかのリンクが継続的に良好な通信を行えると判断した場合、その良好な通信が行えるリンクを通話に利用する通話セッションとして残し、それ以外のリンクを解除して対応する通話セッションを終了することによって、ソフトハンドオフを実現している。これによって、ハンドオーバーの瞬間に音声が途切れることなく良好な通話環境を提供することができる。
ここで、以上説明したように、この実施の形態1,2による端末では、無線LANを利用して音声パケットを送受信する場合に、複数の無線チャネルを時間的に切り替えながら2つまたはそれ以上のアクセスポイントとのリンクを維持し、優先度の高いリンクの通信を阻害しないように、優先度の低いリンクを利用して通信を行うためのスケジューラを備えているので、ハンドオーバー時に、複数のリンクを利用して3者通話、或いは、それ以上の多者通話の状態を作り、電波状態の悪い方をミュートすることによってあたかも2者が通話しているようにし、端末が移動して現在ミュートしている方のリンクの電波状態が良好になると、瞬時に、他方のリンクをミュートし、現在ミュートしているリンクのミュートの解除を行うことができる。したがって、ハンドオーバー時に音声が途切れることが無く、高品質の通話を提供することができる。
また、優先度の高い通信チャネルで通信が行われると予想できる場合には、優先度の低い通信チャネルにてメディアを予約するシーケンスを実行し、優先度の高い通信チャネルでの通信と低い通信チャネルでの通信が同時に行われないように制御するので、優先度の低い通信チャネルでのビーコン信号等、重要な情報を聞き逃すことが無く、処理の遅延を抑制することができる。
また、優先度の低い通信チャネルであってもアクセスポイントから定期的に送信されるビーコン信号はなるべく聞き逃さないように、他のデータの送受信よりも優先して処理するように制御するので、優先度の低い通信チャネルのビーコン信号を聞き逃す頻度を低減することができ、処理の遅延を抑制することができる。
また、優先度の低い通信チャネルに対してはビーコン信号の聞き取り間隔を小さくし、優先度の高い通信チャネルに対しては聞き取り間隔を大きくしているので、最悪、ビーコン信号がほぼ同時に優先度の低い通信チャネルと高い通信チャネルとで送信されても、優先度の低い通信チャネルの方が聞き取り頻度が高いので、ビーコン信号を聞き逃す頻度を低減することができ、処理の遅延を軽減できる。
また、優先度の高い通信チャネルではTDM方式で通信を行い、優先度の低い通信チャネルではCSMA/CA方式で通信するように、通信方式を切り替えるので、優先度の高い通信チャネルではQoSが確保でき、また、低い通信チャネルでは即時性が向上し、通話品質の向上と処理時間の短縮とが期待できる。
また、複数のアクセスポイントとリンクを設定する際に、それぞれに異なるネットワークアドレスを割り当てるプロトコル処理を行うので、複数の音声セッションをそれぞれのリンクで実施できるため、ハンドオーバー時にネットワークアドレスの取得などの処理を事前に行うことができる。また、音声セッションを切り替えるだけで、ハンドオーバーが完了するので、音声の途切れが少ない通話を提供できる。
また、複数のアクセスポイントとリンクを設定した上で、それぞれに異なるネットワークアドレスを割り当て、さらに、異なる音声セッションを設定する呼制御を行うので、複数の音声セッションをそれぞれのリンクで実施できる。つまり、ハンドオーバー時に必要なネットワークアドレスの取得や音声セッションの設定などの処理を事前に行うことができる。また、それぞれの音声セッションをミュートしたり、ミュートを解除したりすることで、ハンドオーバーが完了するので、音声の途切れが少ない通話を提供できる。
また、第1のアクセスポイントから第2のアクセスポイントに端末が移動する場合に、中間では双方のアクセスポイントとリンクを維持し、第2のアクセスポイントとの通信状態が良好になったと判断した時点で、第1のアクセスポイントとのリンクを解除するように制御するので、常に良好に通信できるアクセスポイントとのリンクをひとつは持つこととなる。したがって、ハンドオーバー時に「アクセスポイントが見つかるまでの間、通話が途切れる」という現象が発生しないので、良好な通話環境を提供できる。
また、優先度の高い通信チャネルでの通信中や優先度の低い通信チャネルでの通信中にスリープモードに入っても、それぞれのリンクは維持してパワーセーブを行うので、端末は、音声パケットをアクセスポイントとやりとりするときだけ、アウェイクするように制御できる。したがって、消費電力を抑え、長時間の通話が可能となる。
また、2つまたはそれ以上のアクセスポイントとリンクを設定し、そのリンクの上で通話セッションを張り、最も電波状況の良好なリンクを利用した通話セッションのみをミュート解除し、それ以外をミュートするように制御し、ハンドオーバー時には、通話セッションがすでに張られているようにしている。そのため、ミュートの実施・解除のみでハンドオーバーが完了することができ、ハンドオーバー時の音声の途切れが発生せず、高品質な通話環境を提供できる。
また、ハンドオーバー時に、端末とアクセスポイントにおけるリンクの通信品質を評価し、通信品質が低いリンクを解除するように制御するので、アクセスポイントのカバーエリアの境界付近で、複数のアクセスポイントとのリンクを維持する期間が短くなる。これによって、電波を有効に利用でき、また、端末の消費電力を軽減することができる。
また、通信品質の優れているリンクを通話に使用しながら、他のリンクをそのまま維持して待機させるように制御するので、電波状況が変動して、通話に利用しているリンクの通信品質が悪化しても、待機している方のリンクに通話を切り替えるだけで、良好な通信品質を維持できる。
また、2つのリンク間の通信品質を評価するのに、予め定めた閾値以上の時間、いずれか一方のリンクの電波受信感度またはSN比が他方を上回る場合、または、エラー発生頻度が他方を下回る場合を条件としているので、アクセスポイントのカバーエリアの境界付近で最良のリンクが変動しても、一定の時間以上最良のリンクが維持されなければ、ハンドオーバーを行わないように制御できる。これによって、不必要なハンドオーバーを繰り返すことがないので、アクセスポイントやサーバに余分な負荷をかけることがない。
また、2つのリンク間の通信品質を評価するのに、電波受信強度、SN比、エラー発生頻度のうちのひとつもしくは複数を、予め定めた閾値以上の比率あるいは差などの評価用の関数を設けて、いずれのリンクが最良かを判断するように処理するので、リンクの通信品質に大して差がない場合には、ハンドオーバーが発生せず、ある程度通信品質に差が生じた場合のみハンドオーバーを行うことになる。その結果、アクセスポイントやサーバに余分な負荷をかけることがない。
また、図1や図18に示した端末で実施される以上説明した無線LAN電話通信方法は、汎用のコンピュータで実行できる形式でプログラム化することができるので、専用のハードウェアを用いなくても無線LAN電話を利用することができる。したがって、ユーザは専用のハードウェアを購入するという余分なコストを払う必要がない。
また、上記の無線LAN電話通信プログラムは、汎用のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶させることができるので、専用のハードウェアを用いなくても汎用のコンピュータで読み込むことで、無線LAN電話を利用することができる。したがって、ユーザは専用のハードウェアを購入するという余分なコストを払う必要がなく、また、記録されたソフトウェアを広く配布することが可能となる。
以上のように、この発明にかかる無線LAN電話通信方法および端末は、ハンドオーバー時に発生する音声の途切れを解消し、高い通話品質を得るのに有用である。
本発明の実施の形態1による端末の機能構成を示すブロック図 図1に示す端末の電気的構成を示すブロック図 図1に示す端末による無線LAN電話システムを含むネットワークの全体構成図 図3に示す無線LAN電話システムにおいて、端末aが端末bと通話しつつハンドオーバーする過程を説明するシーケンス図 図1に示す端末のタスク構成を示す図 図5に示すエンコードタスクの処理動作を説明するフローチャート 図5に示すデコードタスクの処理動作を説明するフローチャート 図5に示す0系と1系のプロトコル処理タスクの処理動作を説明するフローチャート 図5に示す0系と1系の呼制御タスクの処理動作を説明するフローチャート 図5に示す無線フレーム送受信タスクの処理動作を説明するフローチャート 図5に示す無線フレーム送受信タスクの処理動作を説明するフローチャート 図1に示すプライオリティ管理テーブルの構成例を示す図 2つのアクセスポイントが同じ周期の同じタイミングでビーコン信号を送信している場合の受信動作を説明する図 図5に示すスケジュール管理テーブルの構成例を示す図 図5に示す0系と1系のリンク制御部が行うデータ受信処理動作を説明するフローチャート 図5に示す0系と1系のリンク制御部が行うデータ送信処理動作を説明するフローチャート 図5に示す無線通信部による無線通信動作を説明するタイムチャート 本発明の実施の形態2による端末の機能構成を示すブロック図 図3に示す無線LAN電話システムにおける端末aと端末bが図18に示す端末である場合において、端末aが端末bと通話しつつハンドオーバーする過程を説明するシーケンス図 図18に示す端末における図5に示す0系と1系の呼制御タスクの処理動作を説明するフローチャート 図18に示す端末における図5に示す無線フレーム送受信タスクの処理動作を説明するフローチャート 図18に示す端末における図5に示す無線フレーム送受信タスクの処理動作を説明するフローチャート 図18に示す端末が備えるスケジュール管理テーブルの構成例を示す図 図18に示す端末が備える0系と1系の予約シーケンス実行部による予約シーケンス実行処理動作を説明するフローチャート 図24に示す予約シーケンス実行処理時での無線通信部による無線通信動作を説明するタイムチャート 図21に示す「H送受信期間」であるとき行われるデータ送受信処理動作を説明するフローチャート 従来の無線LAN電話機が行うハンドオーバー時の動作を説明するタイムチャート
符号の説明
101 操作部
102 音声入力部
103 音声出力部
104 コーデック部
105 プライオリティ管理テーブル
106 スケジューラ
107 無線通信部
108 RTC
109 パワーセーブ制御部
110,140 スケジュール管理テーブル
111 0系呼制御部
112 0系プロトコル処理部
113 0系送信キュー
114 0系受信キュー
115 0系予約シーケンス実行部
116 0系CSMA/CA−TDM切り替え部
117 0系リンク制御部
118 0系制御部
119,145 0系音声通話部
121 1系呼制御部
122 1系プロトコル処理部
123 1系送信キュー
124 1系受信キュー
125 1系予約シーケンス実行部
126 1系CSMA/CA−TDM切り替え部
127 1系リンク制御部
128 1系制御部
129,155 1系音声通話部
130,160 全体制御部
201 CPU(中央処理装置)
202 ROM
203 RAM
204 RTC
205 ベースバンド処理部
206 RF(無線処理部)
207 A/D変換器
208 マイク
209 D/A変換器
210 スピーカ
211 キーボード
212 コーデック

Claims (28)

  1. 無線LANを利用して音声パケットを送受信する無線LAN電話通信方法において、
    少なくとも2つの独立した通信チャネルに設定した優先度に従ってそれぞれの通信チャネルでの通信の予定時刻を管理するスケジューラを用意し、
    前記スケジューラの登録内容に従って優先度の高い通信チャネルを利用した通信と優先度の低い通信チャネルを利用した通信とを時分割で排他的に実行し、
    前記2つの通信チャネルのうち、優先度の高い通信チャネルを利用する通信の要求が発生した場合は、優先度の低い通信チャネルを利用する通信を強制的に停止し、また、前記優先度の低い通信チャネルを利用して通信を行う場合に、前記スケジューラの登録内容に基づき当該優先度の低い通信チャネルを利用した通信の完了時刻を予測し、当該予測した完了時刻が前記スケジューラに登録されている前記優先度の高い通信チャネルを利用する通信の開始予定時刻以降である場合には当該優先度の低い通信チャネルを利用する通信は行わないように制御する
    ことを特徴とする無線LAN電話通信方法。
  2. 前記優先度の低い通信チャネルの使用中に、前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信の予定時刻と現在時刻との差が予め定めた時間よりも小さくなった場合、当該優先度の低い通信チャネルを使用する通信を保留し、前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信が終わった後に前記優先度の低い通信チャネルを使用する通信が再開できると予想できる時刻までの時間内に、他の端末やアクセスポイントが前記優先度の低い通信チャネルを使用して通信を始めないようにするためのメディア予約シーケンスを実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線LAN電話通信方法。
  3. 前記優先度の低い通信チャネルによるビーコン信号の受信は、前記優先度の高い通信チャネルでのビーコン信号の受信以外の送受信よりも優先して実行することを特徴とする請求項1または2に記載の無線LAN電話通信方法。
  4. 前記優先度の低い通信チャネルによるビーコン信号の受信でのビーコン信号の聞き取り間隔は、前記優先度の高い通信チャネルによるビーコン信号の受信よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項3に記載の無線LAN電話通信方法。
  5. 前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信ではTDM方式を採用し、前記優先度の低い通信チャネルを使用する通信ではCSMA/CA方式を採用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の無線LAN電話通信方法。
  6. 前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信と前記優先度の低い通信チャネルを使用する通信とにそれぞれ独立したネットワークアドレスを割り当てることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の無線LAN電話通信方法。
  7. 前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信と前記優先度の低い第2の通信チャネルを使用する通信とにそれぞれ独立した音声通話セッションを割り当てることを特徴とする請求項6に記載の無線LAN電話通信方法。
  8. 前記優先度の高い第1の通信チャネルを使用して第1のアクセスポイントと第1のリンクを設定し、この第1のリンク上で音声通話を行い、前記第1のアクセスポイントとの通信状況が悪化したと判断した場合には、前記優先度の低い通信チャネルを使用して第2のアクセスポイントと第2のリンクを設定し、両方のアクセスポイントでのリンクを維持した上で、前記第2のリンクの通信状況が前記第1のリンクと比べて良好であると判断した場合、前記第1のリンクを解除し、前記第2のリンクを利用した音声通話に切り替えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の無線LAN電話通信方法。
  9. 前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信中にスリープモードになっている場合において、対応するアクセスポイントが端末宛てのデータを受信した場合に、前記アクセスポイントはその受信した端末宛てのデータを端末側から送信要求を受け取るまでバッファリングし、端末はアウェイクした後に前記アクセスポイントに送信要求を送出して自端末宛のデータを受信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の無線LAN電話通信方法。
  10. 前記優先度の低い通信チャネルを使用する通信中にスリープモードになっている場合において、対応するアクセスポイントが端末宛てのデータを受信した場合に、前記アクセスポイントはその受信した端末宛てのデータを端末側から送信要求を受け取るまでバッファリングし、端末はアウェイクした後に前記アクセスポイントに送信要求を送出して自端末宛のデータを受信することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の無線LAN電話通信方法。
  11. ハンドオーバー実行中に、前記優先度の高い通信チャネルを使用して現在通話に利用している第1のアクセスポイントとは異なる第2のアクセスポイントとの第2のリンクを前記優先度の低い通信チャネルを使用して設定し、当該第2のリンクを使用した第2の通話セッションを待ち受け状態に設定し、前記第1のアクセスポイントに設定した第1のリンクを利用して通話中の第1の通話セッションから前記第2の通話セッションを3者通話に招待し、3者通話への移行が完了すると、まず、前記第2の通話セッションは音声を流さない状態に設定して両リンクの通信状況の変化を監視し、その結果、前記第2の通話セッションの方が良好な通信ができると判断した場合には、前記第2の通話セッションが使用する通信チャネルの優先度を高く設定し直して当該第2の通話セッションで通話を行い、前記第1の通話セッションには音声を流さない状態に設定し、その後、前記第1及び第2の通話セッションを維持しながら両リンクの通信状況の変化を監視し、通信状態が良好なリンクを高い優先度に設定した上でその通話セッションに音声を流し、通信状態が劣るリンクには低い優先度を設定してその通話セッションには音声を流さないように制御することを特徴とする請求項6〜10いずれか一つに記載の無線LAN電話通信方法。
  12. 前記ハンドオーバー実行中に、前記第1のリンクと前記第2のリンクの通信品質を比較し、いずれかのリンクが継続的に良好な通信を行えると判断した場合、その良好な通信が行えるリンクを通話に利用する通話セッションとして残し、それ以外のリンクを解除して対応する通話セッションを終了することによってハンドオーバーを完了することを特徴とする請求項11に記載の無線LAN電話通信方法。
  13. 前記ハンドオーバー実行中に、前記第1のリンクと前記第2のリンクの通信品質を比較し、現在使用中のリンクよりも他方のリンクの通信品質が優れている場合に、その他方のリンクを通話に利用する通話セッションとし、それ以外のリンクを待機状態に設定することによってハンドオーバーを完了することを特徴とする請求項11に記載の無線LAN電話通信方法。
  14. 前記ハンドオーバー実行中に、前記第1のリンクと前記第2のリンクの通信品質を比較する際に、予め定めた閾値以上の時間、いずれか一方のリンクの電波受信感度またはSN比が他方を上回る場合、または、エラー発生頻度が他方を下回る場合に、そのいずれか一方のリンクが継続的に良好な通信を提供できると判断することを特徴とする請求項12または13に記載の無線LAN電話通信方法。
  15. 前記ハンドオーバー実行中に、前記第1のリンクと前記第2のリンクの通信品質を比較する際に、電波受信強度、SN比、エラー発生頻度のうちのひとつもしくは複数を、予め定めた閾値以上の比率あるいは差などの評価用の演算を用いて評価し、いずれか一方のリンクの評価結果が他方を上回る場合に、そのいずれか一方のリンクが継続的に良好な通信を提供できると判断することを特徴とする請求項12または13に記載の無線LAN電話通信方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか一つに記載の無線LAN電話通信方法の手順を記載したことを特徴とする無線LAN通信電話通信プログラム。
  17. 請求項16に記載の無線LAN電話通信プログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
  18. 無線LANを利用して音声パケットを送受信する無線LAN電話端末装置であって、
    少なくとも2つの独立した通信チャネルを時分割で排他的に使用するように制御される無線通信手段と、
    前記2つの通信チャネルのそれぞれを利用する通信に対して優先度を設定するためのプライオリティ管理テーブルと、
    前記2つの通信チャネルのそれぞれを利用した通信の予定時刻を管理するスケジューラと、
    前記2つの通信チャネルのうち、優先度の高い通信チャネルを利用する通信の要求が発生した場合、優先度の低い通信チャネルを利用する通信を強制的に停止し、また、優先度の低い通信チャネルを利用して通信を行う場合に、前記スケジューラの登録内容に基づき当該優先度の低い通信チャネルを利用した通信の完了時刻を予測し、当該予測した完了時刻が前記スケジューラに登録されている前記優先度の高い通信チャネルを利用する通信の開始予定時刻以降である場合には当該優先度の低い通信チャネルを利用する通信は行わないように制御するリンク制御手段と
    を備えていることを特徴とする無線LAN電話端末装置。
  19. 前記優先度の低い通信チャネルの使用中に、前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信の予定時刻と現在時刻との差が予め定めた時間よりも小さくなった場合、当該優先度の低い通信チャネルを使用する通信を保留し、前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信が終わった後に当該優先度の低い通信チャネルを使用する通信を再開できると予想できる時刻までの時間内に、他の端末やアクセスポイントが当該優先度の低い通信チャネルを使用して通信を始めないようにするためのメディア予約シーケンスを実行する予約シーケンス実行手段を備えていることを特徴とする請求項18に記載の無線LAN電話端末装置。
  20. 通信方式を、前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信ではTDM方式に切り替えて設定し、前記優先度の低い通信チャネルを使用する通信ではCSMA/CA方式に切り替えて設定するCSMA/CA−TDM切り替え手段を備えていることを特徴とする請求項18または19に記載の無線LAN電話端末装置。
  21. 前記優先度の高い通信チャネルを使用する通信と前記優先度の低い通信チャネルを使用する通信とに対するプロトコル処理を、それぞれ独立したネットワークアドレスを付与して実行するプロトコル処理手段を備えていることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一つに記載の無線LAN電話端末装置。
  22. 前記プロトコル処理手段が制御する前記優先度の高い通信チャネルと前記優先度の低い通信チャネルとのそれぞれを利用して独立した通話セッションを維持する呼制御手段を備えていることを特徴とする請求項21に記載の無線LAN電話端末装置。
  23. 前記優先度の高い通信チャネルと前記優先度の低い通信チャネルとのそれぞれに対応するアクセスポイントとのリンクをパワーセーブモードで維持し、端末のアウェイク時に対応するアクセスポイントとのデータ授受を可能にするパワーセーブ制御手段を備えていることを特徴とする請求項18〜22のいずれか一つに記載の無線LAN電話端末装置。
  24. 前記リンク制御手段は、ハンドオーバー実行中に、前記優先度の高い通信チャネルを使用して現在通話に利用している第1のアクセスポイントとは異なる第2のアクセスポイントとの第2のリンクを前記優先度の低い通信チャネルを使用して設定し、当該第2のリンクを使用した第2の通話セッションを待ち受け状態に設定し、前記第1のアクセスポイントに設定した第1のリンクを利用して通話中の第1の通話セッションから前記第2の通話セッションを3者通話に勧誘し、3者通話への移行が完了すると、まず、前記第2の通話セッションは音声を流さない状態に設定して両リンクの通信状況の変化を監視し、その結果、前記第2の通話セッションの方が良好な通信ができると判断した場合には、前記第2の通話セッションが使用する通信チャネルの優先度を高く設定し直して当該第2の通話セッションで通話を行い、前記第1の通話セッションには音声を流さない状態に設定し、その後、前記第1及び第2の通話セッションを維持しながら両リンクの通信状況の変化を監視し、通信状態が良好なリンクを高い優先度に設定した上でその通話セッションに音声を流し、通信状態が劣るリンクには低い優先度を設定してその通話セッションには音声を流さないように制御することを特徴とする請求項18に記載の無線LAN電話端末装置。
  25. 前記リンク制御手段は、前記ハンドオーバーの完了処理として、前記ハンドオーバー実行中に、前記第1のリンクと前記第2のリンクの通信品質を比較し、いずれかのリンクが継続的に良好な通信を行えると判断した場合、その良好な通信が行えるリンクを通話に利用する通話セッションとして残し、それ以外のリンクを解除して対応する通話セッションを終了する処理を行うことを特徴とする請求項24に記載の無線LAN電話端末装置。
  26. 前記リンク制御手段は、前記ハンドオーバーの完了処理として、前記ハンドオーバー実行中に、前記第1のリンクと前記第2のリンクの通信品質を比較し、現在使用中のリンクよりも他方のリンクの通信品質が優れている場合に、その他方のリンクを通話に利用する通話セッションとし、それ以外のリンクを待機状態に設定する処理を行うことを特徴とする請求項24に記載の無線LAN電話端末装置。
  27. 前記リンク制御手段は、前記ハンドオーバー実行中に、前記第1のリンクと前記第2のリンクの通信品質を比較する際に、予め定めた閾値以上の時間、いずれか一方のリンクの電波受信感度またはSN比が他方を上回る場合、または、エラー発生頻度が他方を下回る場合に、そのいずれか一方のリンクが継続的に良好な通信を提供できると判断することを特徴とする請求項25または26に記載の無線LAN電話端末装置。
  28. 前記リンク制御手段は、前記ハンドオーバー実行中に、前記第1のリンクと前記第2のリンクの通信品質を比較する際に、電波受信強度、SN比、エラー発生頻度のうちのひとつもしくは複数を、予め定めた閾値以上の比率あるいは差などの評価用の演算を用いて評価し、いずれか一方のリンクの評価結果が他方を上回る場合に、そのいずれか一方のリンクが継続的に良好な通信を提供できると判断することを特徴とする請求項25または26に記載の無線LAN電話端末装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013030986A (ja) * 2011-07-28 2013-02-07 Hitachi Kokusai Electric Inc 無線通信システム

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