JP6482332B2 - 缶体搬送装置および印刷装置 - Google Patents
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Description
ところで、この構成では、缶体が移動する移動経路の脇に、缶体支持部材を通過させるための経路を設ける必要が生じるため、缶体が移動する移動経路の脇には、部材の設置を行えない空間が生じる。
本発明の目的は、缶体が移動する移動経路の脇に部材を設置する際の自由度を高めることにある。
ここで、缶体支持部材に備えられる永久磁石は、缶体支持部材の断面中心を配置中心として配置され、配置中心に対し点対象の位置に対で配置され、さらに、缶体移動経路に沿って設けられた電磁石は、永久磁石と向かい合うように配置されていることを特徴とすることができる。
また、前記移動経路は、上下方向に沿うように配置され、前記移動手段は、前記缶体を支持した前記缶体支持部材を上方から下方へ、又は、下方から上方へ移動させることを特徴とすることができる。この場合、缶体を支持した缶体支持部材を水平方向に移動させる場合に比べ、缶体支持部材と電磁石との接触を抑制しやすくなる。
また、前記移動手段は、缶体を支持した前記缶体支持部材を複数搬送するとともに、当該缶体支持部材の各々を順に搬送し、且つ、下方に位置する当該缶体支持部材の上に他の当該缶体支持部材が載った状態で、当該複数の缶体支持部材の各々を搬送することを特徴とすることができる。この場合、缶体支持部材同士が離間した状態で缶体支持部材が搬送される場合に比べ、単位時間当たりに搬送可能な缶体の個数を増やせる。
また、前記移動手段は、前記缶体を支持した前記缶体支持部材を複数搬送するとともに、当該缶体支持部材の各々を順に搬送し、先行して搬送される前記缶体支持部材に対し、後続して搬送される他の缶体支持部材を付勢する付勢手段を更に備えることを特徴とすることができる。この場合、先行して搬送される缶体支持部材に対して、後続して搬送される他の缶体支持部材を密着させられるようになる。
また、前記移動経路が延びる方向と直交する方向における前記缶体支持部材の位置決めを行う位置決め用電磁石または位置決め用永久磁石を更に備えることを特徴とすることができる。この場合、移動経路が延びる方向と直交する方向における缶体支持部材の変位を抑制できる。
本発明を印刷装置として捉えた場合、本発明が適用される印刷装置は、缶体を搬送する搬送手段と、当該搬送手段により搬送される缶体の外面への印刷を行う印刷機構と、を備えた印刷装置であって、前記搬送手段は、缶体に入れられ、永久磁石を備え、缶体を支持する缶体支持部材と、前記缶体支持部材が移動する移動経路に沿って設けられた電磁石と、前記電磁石への通電を制御して、缶体を支持した前記缶体支持部材を前記移動経路に沿って移動させる移動手段と、を備える印刷装置である。
ここで、前記印刷機構は、複数のインク吐出口を備え、前記複数のインク吐出口は、前記缶体支持部材が移動する前記移動経路の周りに配置されるとともに当該移動経路を中心として放射状に配置されていることを特徴とすることができる。この場合、複数のインク吐出口により取り囲まれた領域内に缶体を供給することで、缶体の外周面への印刷を缶体の全周に亘って行えるようになる。
また、前記印刷機構は、複数のインク吐出口を備え、前記缶体は、筒状に形成され、外周面を有し、前記移動経路を移動する際、一方の端部を先頭として移動を行い、前記複数のインク吐出口は、前記缶体の前記外周面に対峙するように配置されるとともに、当該缶体の周方向における位置が互いに異なるように配置され、当該缶体を取り囲むように配置されるとともに、当該缶体の全周に亘って配置されていることを特徴とすることができる。この場合、複数のインク吐出口により取り囲まれた領域内に缶体を供給することで、缶体の外周面への印刷を缶体の全周に亘って行えるようになる。
また、前記インク吐出口が形成されたインクジェットヘッドが設けられ、前記缶体支持部材の移動方向における前記インクジェットヘッドの長さが、当該移動方向における前記缶体の長さよりも小さいことを特徴とすることができる。この場合、缶体支持部材の移動方向におけるインクジェットヘッドの長さが、缶体支持部材の移動方向における缶体の長さよりも大きい場合に比べ、印刷装置の小型化を行いやすくなる。
図1は、本実施の形態にかかる印刷装置1の構成を示した図である。
本実施形態の印刷装置1には、缶体5が投入される缶体投入部10、缶体5への印刷を行う印刷部20、印刷部20による印刷が終了した缶体5の排出が行われる缶体排出部30が設けられている。
さらに、印刷装置1の下部には、下側マンドレル移送部60が設けられている。下側マンドレル移送部60は、印刷部20から缶体排出部30へのマンドレル7(缶体5を保持したマンドレル7)の移送、缶体排出部30からマンドレル搬送部40へのマンドレル7(空のマンドレル7)の移送を行う。
なお、図2(A)は、図1における矢印IIA方向から上側マンドレル移送部50を眺めた場合の図である。図2(B)は、図2における矢印IIB方向から上側マンドレル移送部50を眺めた場合の図である。
3つの貫通孔51Bは、このように配置された缶体投入部10、印刷部20、マンドレル搬送部40に対応するように、トップタレット51の回転方向において、120°おきに配置されている。
貫通孔51Bの各々には、永久磁石が取り付けられたマンドレル7が挿入されるが(詳細は後述)、本実施形態では、励磁コイルR0によって、マンドレル7が保持される。具体的には、励磁コイルR0への通電が行われて励磁コイルR0が励磁され、この励磁コイルR0により発生する磁力によって、マンドレル7が保持される。
さらに、図2(B)に示すように、缶体投入部10であって、トップタレット51の下方には、マンドレル7を介して缶体5の吸引を行うバキュームノズル51Cが設けられている。
吸引による負圧により缶体5とマンドレル7が密着し、缶体投入部10から投入された缶体5は、マンドレル7に保持される。缶体5がマンドレル7に保持されると、バキュームノズル51Cは、吸引を停止し、その後下方に移動する。これにより、バキュームノズル51Cとマンドレル7の接触は解除される。この時、マンドレル7の貫通孔75(図3)からの吸引は停止しているが、マンドレル7と缶体5の内面との間における負圧は残圧として残り、缶体5とマンドレル7の保持は継続される。次いで、図2(A)における矢印2Aに示すように、トップタレット51が、反時計回り方向へ120°回転する。トップタレット51が、反時計回り方向へ120°回転する際、下方に移動したバキュームノズル51Cは、トップタレット51と一緒に回転はしないで、その位置で待機している。そして、トップタレット51の回転に伴い、次の缶体5の挿入されていない空のマンドレル7がバキュームノズル51Cの上方へ移動してくると、バキュームノズル51Cはマンドレル7と接触するまで上昇する。
一方、トップタレット51の回転に伴い、缶体5を保持したマンドレル7は、印刷部20の上方へ移動する。次いで、励磁コイルR0(印刷部20の上方に位置する励磁コイルR0)への通電の制御が行われる。
印刷部20への缶体5の移動(下降)に伴い、この缶体5が位置していた貫通孔51Bは空となる。そして、空となった貫通孔51Bは、トップタレット51の回転に伴い、マンドレル搬送部40(図2(A)参照)の上方へ移動する。
マンドレル搬送部40では、励磁コイルR8への通電を行うことで、磁界を発生させ、いわゆるリニア駆動によって、マンドレル7を上方へ移動させる。
なお、図3(A)では、マンドレル7が挿入される缶体5の断面図を示している。また、図3(B)は、マンドレル7の内部状態を説明する図である。図3(C)は、マンドレル7の上面図である。図3(D)、(E)は、図3(B)のIIID―IIID線における断面図である。
さらに、図3(B)に示すように、永久磁石72の各々は、N極が図中上方に位置し、S極が図中下方に位置するように配置されている。言い換えると、本実施形態では、一方の磁極、他方の磁極のそれぞれが向く方向が、永久磁石72毎に揃っている。
さらに、マンドレル7の内部には、マンドレル7の軸方向に沿って形成され、上側開口73と下側開口74とを接続する貫通孔75が設けられている。
これに対し、缶体5のうち、図中下側に位置する他方の端部は、開放され、この他方の端部には、開口5Eが設けられている。
缶体5が供給されると、缶体5は、マンドレル7により吸引される。そして、缶体5の内部にこのマンドレル7が入り込む。これにより、マンドレル7による缶体5の保持が開始される。
後述するように、本実施形態の印刷部20では、缶体5の底部53に、上方に位置するマンドレル7が載るが、マンドレル7の下面7Bが、缶体5の底部53の外面5Bに倣う形状を有していると、缶体5の底部53に、上方に位置するマンドレル7がより安定的に載るようになる。
印刷部20は、上下方向に沿って配置されている。さらに、印刷部20には、缶体5(マンドレル7)が移動していく移動経路R51が設けられている。この移動経路R51は、直線状に形成され、また、上下方向に沿うように形成されている。
より具体的には、筒状に形成されたマンドレル7は、軸方向における一方の端部を先頭として、移動経路R51に沿って下方に向かって移動する。これに伴い、缶体5も、一方の端部を先頭として、移動経路R51に沿って下方に向かって移動する。
ここで、印刷部20に設けられている、缶体5を下方に移動させるための装置(上側励磁コイルR1、下側励磁コイルR7、制御装置95などにより構成される装置)は、缶体5を搬送する缶体搬送装置、搬送手段として捉えることができる。
なお、本図では省略されているが、マンドレル7の永久磁石72の磁極、および上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7の磁極は、マンドレル7の径方向中心に対し左側のみ記載されているが右側も同じである。つまり、径方向中心(マンドレル7の移動経路R51)に対しシンメトリに同じ磁極で配置されている。
図5(A)を参照すると、マンドレル7に設けられた永久磁石72のN極は、上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7のN極の一部と対面し、同じ磁極であるため互いに反発している。一方、上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7のN極の下側は、S極であり、そのS極と永久磁石72のN極は、一部対面し、互いに異なる磁極であるため、互いに引き合うようになる。
これにより、マンドレル7が下流側へ引き寄せられるようになり、マンドレル7が下方へ移動する。これに伴い缶体5も下方へ移動する。
一方、マンドレル7の永久磁石72と、上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7とは、対峙して配置され、さらに、永久磁石72、上側励磁コイルR1、下側励磁コイルR7は、径方向中心(移動経路R51)に対し、シンメトリに配置され、さらに、永久磁石72、上側励磁コイルR1、下側励磁コイルR7は、全周囲に配置されている。
このため、互いに反発もしくは引き合う力が、径方向において打ち消しあい、相殺される状況となる。これにより、マンドレル7、上側励磁コイルR1、下側励磁コイルR7の径方向において、マンドレル7の径方向中心と、上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7の径方向中心とが一致するようになる。
なお、マンドレル搬送部40(図1参照)においても、同様の原理で、マンドレル7の搬送を行う。
さらに、本実施形態では、マンドレル7に備えられる永久磁石72は、マンドレル7の断面中心(軸中心)を配置中心として配置され、さらに、対となる関係で配置されるとともに配置中心に対し点対象となる関係で配置され、さらに本実施形態では、移動経路R51に沿って設けられた電磁石(上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7にて生じる各磁極)が、永久磁石72と向かい合う(対峙する)。
対策を施さなければ回転してしまう恐れのある円筒体の移動の場合(本実施形態のような缶体5の場合)、円筒体の回転を規制することが必要になる。本実施形態では、図13の下方に位置する図にて示しているように、上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7にて生じる各磁極が、永久磁石72と対峙するようにし、円筒体(缶体5)の回転を規制するようにしている。
さらに、本実施形態では、磁力による引力(反力)が同時にシンメトリに働くように永久磁石72の配置と通電制御をし、引力(反力)が互いに移動軸中心の位置で相殺されるようにして、移動体(マンドレル7)が、移動軸中心に位置する状態で移動できるようにした。また、上記のとおり、マンドレル7の永久磁石72は、缶体5の移動経路に固定して設けられた電磁石(磁極)と向き合って配置されることで、マンドレル7の回転防止を実現した。
印刷部20には、上側励磁コイルR1と下側励磁コイルR7との間に、缶体5の外周面への印刷を行う印刷機構の一例としての5つのインクジェットヘッドH1〜H5が設けられている。
この5つのインクジェットヘッドH1〜H5は、高さ方向のおける位置が互いに異なるように配置されており、上方から下方に向かって順に、第1インクジェットヘッドH1、第2インクジェットヘッドH2、第3インクジェットヘッドH3、第4インクジェットヘッドH4、第5インクジェットヘッドH5が設けられている。
付言すると、本実施形態では、移動経路R51が延びる方向である上下方向と直交する方向におけるマンドレル7の位置決めを行う位置決め用電磁石の一例としての位置決め用励磁コイルR3が設けられている。
具体的には、位置決め用励磁コイルR3は、通電されることで、図6(位置決め用励磁コイルR3によるマンドレル7の位置決めを説明する図)に示すように、N極とS極を有するようになる。
なお、前述の上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7のようにして、位置決め用励磁コイルR3への通電を制御し、マンドレル7の下方向への移動を促すこともできる。
また、本実施形態では、位置決め用励磁コイルR3を電磁石で構成した場合を一例に説明したが、位置決め用励磁コイルR3に替えて、永久磁石を設置することでも、マンドレル7の位置決めを行える。
かかる場合、インクジェットヘッドH1〜H5に缶体5が接近するなどし、形成される画像の質が低下するおそれがある。本実施形態のように、位置決め用励磁コイルR3を設けると、缶体5とインクジェットヘッドH1〜H5との離間距離の変動が抑制され、形成される画像の質が安定化する。
具体的には、下側励磁コイルR7がマンドレル7を移動させる際の移動速度の方を、上側励磁コイルR1がマンドレル7を移動させる際の移動速度よりも小さくしている。
さらに、上側励磁コイルR1がマンドレル7を移動させる際の推進力と下側励磁コイルR7がマンドレル7を移動させる際の推進力に差を持たせるようにしている。この場合、推進力の強い方がマンドレル7の停止位置(基準位置)となる。
付言すると、本実施形態では、缶体5を支持したマンドレル7を複数搬送するとともに、マンドレル7の各々を順に搬送する。この際、付勢手段の一例としての、上側励磁コイルR1および下側励磁コイルR7を用い、先行して搬送されるマンドレル7に対し、後続して搬送される他のマンドレル7を付勢する。
かかる場合、マンドレル7の軸方向における各マンドレル7の位置が、マンドレル7同士を密着させない場合に比べ安定し、缶体5に形成される画像の位置ずれ(缶体5の軸方向における位置ずれ)が抑制される。
まず、図1にて示した上側マンドレル移送部50によって、缶体5を保持したマンドレル7が、印刷部20の上方まで搬送される。そして、上側マンドレル移送部50に設けられた励磁コイルR0(図2(A)参照)(3つの励磁コイルR0のうちの、印刷部20の上方に位置する励磁コイルR0)への通電が制御され、缶体5を保持したマンドレル7が、印刷部20に設けられた上側励磁コイルR1(図4参照)の内部へ入る。
さらに、本実施形態では、上位6個のマンドレル7が下方に付勢され、上下方向におけるマンドレル7の位置が安定化する。これにより、缶体5の軸方向における、画像の形成位置も安定化する。
このため、下方に位置する缶体5による、上方のマンドレル7の支持が、より安定的に行われる。これにより、缶体5の変動がさらに抑制され、形成される画像の質が安定化する。
さらに、本実施形態の構成では、缶体5を周方向へ回転させる必要もないため、この点からも、印刷効率が向上する。
なお、缶体5の停止を排除するものはなく、インクジェットH1〜H5に缶体5が到達する度に缶体5を停止させ、停止している缶体5に対してインクを吐出するようにしてもよい。
図7(A)、(B)は、第1インクジェットヘッドH1〜第5インクジェットヘッドH5に含まれる個々のインクジェットヘッドを説明する図である。なお、図7では、第1インクジェットヘッドH1を例示しているが、第2インクジェットヘッドH2〜第5インクジェットヘッドH5も、第1インクジェットヘッドH1と同様に構成されている。
また、図7(A)は、鉛直方向に沿った面における第1インクジェットヘッドH1の断面図(縦断面図)を示し、図7(B)は、図7(A)のVIIB−VIIB線における、第1インクジェットヘッドH1の断面図を示している。
そして、本実施形態では、この複数のインク吐出口58により取り囲まれた領域内に、缶体5が供給されて、缶体5の外周面へのインクの吐出が行われる。
ここで、印刷部20では、鉛直方向の他に、例えば、水平方向に沿って缶体5を移動させることもできる。この場合、複数のインク吐出口58は、水平方向に沿った軸を中心に放射状に配置されることになる。
一方で、鉛直方向に沿った軸を中心として複数のインク吐出口58が放射状に配置されている場合、吐出されたインクに作用する重力の方向は、インク吐出口58の設置位置に関わらず、一定の方向(下向きの方向)となる。かかる場合、缶体5におけるインクの付着位置がばらつきにくく、印刷むらが起きにくくなる。
また、図8(A)は、第1インクジェットヘッドの正面図であり、図8(B)は、図8(A)のVIIIB―VIIIB線における第1インクジェットヘッドH1の断面図であり、図8(C)は、図8(A)のVIIIC―VIIIC線における第1インクジェットヘッドH1の断面図である。
第1プリントヘッド群HE1および第2プリントヘッド群HE2は、マンドレル7の移動方向における位置が互いにずれており、第1プリントヘッド群HE1がマンドレル7の移動方向における上流側に位置し、第2プリントヘッド群HE2がマンドレル7の移動方向における下流側に位置する。
図8(B)を参照すると、この構成例の第1インクジェットヘッドH1は、直方体の形状をした普及品のインクジェットヘッドをマンドレルの移動経路を中心としてインク吐出面が向き合うように放射状に12台並べて配置したものである。図7のインクジェットヘッドは缶径に合わせて製作するものであるが、本例の場合、普及品のインクジェットヘッドを組み合わせによるものであるため製作が容易であり、仮にインク吐出孔の目詰まりなどのトラブルが発生しても、不具合品のインクジェットヘッドを交換することにより対応ができる。
本実施形態では、第1プリントヘッド群HE1および第2プリントヘッド群HE2のそれぞれには、12個のインク吐出ヘッドHDが配置されている。
なお、各インク吐出ヘッドHDでは、インク吐出口58が複数設けられ、この複数のインク吐出口58は、マンドレル7の移動方向に沿って並んでいる(鉛直方向における上下方向に並んでいる)。
付言すると、本実施形態では、一方のプリントヘッド群に設けられた複数のインク吐出口58により構成されるインク吐出口群(第1のインク吐出口群)を、他方のプリントヘッド群に設けられた複数のインク吐出口58により構成されるインク吐出口群(第2のインク吐出口群)に対して回転させた。
付言すると、本実施形態では、第1のインク吐出口群から吐出されたインクの缶体5における付着位置と、第2のインク吐出口群から吐出されたインクの缶体5における付着位置とが、缶体5の周方向において異なるようになり、画像密度が高まるようになる。
具体的には、まず、第1インクジェットヘッドH1(1つのプリントヘッド群の内側)に缶体5が到着すると、一旦この缶体5を停止させる。そして、缶体5を停止させた状態にて、第1インクジェットヘッドH1から缶体5へインクを吐出する。
そして、インク吐出口58の各々から缶体5の外周面に向けてインクを吐出し、この外周面に画像を形成する。
その後、インク吐出口58の各々から缶体5の外周面に向けて再びインクを吐出する。これにより、1回目のインクの吐出位置の間に、2回目のインク吐出により吐出されたインクが載るようになる。
また、缶体5の周方向への上記回転は、上記と同様、リニア駆動を用いてマンドレル7を周方向に回転させることで行うことができる。より具体的には、マンドレル7の周方向において、N極とS極とが交互に現れるようし、且つ、N極とS極とが切り替わるようにすることで、マンドレル7が周方向に回転し、これに伴い、缶体5が周方向へ回転する。
本実施形態では、図5に示したとおり、上側励磁コイルR1への通電の制御を行うことで、マンドレル7の周囲の磁極を切り替える。具体的には、N極からS極へ切り替え、また、S極からN極へ切り替える。これにより、永久磁石72を有したマンドレル7が下方へ移動し、これに伴い缶体5も下方へ移動する。
かかる場合、図3(E)にて示したマンドレル7(周方向において互いに隣接する永久磁石72の間に間隙Gが設けられたマンドレル7)と、図9(C)にて示した上側励磁コイルR1とを組み合わせて用いると、間隙Gが設けられていない構成に比べ、周方向へのマンドレル7の回転が起きにくくなる。
図10(A)に示すように、下側マンドレル移送部60には、回転中心を中心に時計回り方向へ回転するボトムタレット61が設けられている。ボトムタレット61には、ボトムタレット61の外周縁61Aの内側に、マンドレル昇降部62が設けられている。
本実施形態では、印刷部20、缶体排出部30、マンドレル搬送部40が、ボトムタレット61の回転方向において、120°おきに配置されており、マンドレル昇降部62は、印刷部20、缶体排出部30、マンドレル搬送部40に対応するように、ボトムタレット61の回転方向において、120°おきに配置されている。
図1の符号1Aに示すように、印刷部20における印刷が終了すると、缶体5を保持したマンドレル7が、下側マンドレル移送部60へ送られる。
このとき、マンドレル支持パット62Aが下方で待機しており、下側マンドレル移送部60へ送られたマンドレル7は、バキュームポンプから吸引負圧が供給され、このマンドレル支持パット62Aによって保持される。
これにより、缶体5の底部53(図3(A)参照)が、底部53の内面5A側から押圧され、マンドレル7から離れる方向へ缶体5が移動する。この時、吸引負圧によりマンドレル7がマンドレル支持パット62Aに保持された状態は継続している。さらに、本実施形態では、この缶体5の上方に、缶体5を受け取る受け取り機構(不図示)が設けられおり、この受け取り機構より缶体5が受け取られる。受け取られた缶体5は、次の工程に移送される。
次いで、エアシリンダ62Bが駆動され、マンドレル支持パット62Aが、マンドレル搬送部40の下端部まで移動し、マンドレル搬送部40に設けられた励磁コイルR8内に、マンドレル7が入り込む。この時、マンドレル支持パット62A内ではバキュームポンプから供給される吸引負圧からコンプレッサーから供給される圧縮空気に切り替え、励磁コイルR8内へのマンドレル7への移動を促すようにする。
また、トップタレット51に設けられた励磁コイルR0が励磁され、トップタレット51によってマンドレル7が保持される。その後、トップタレット51の回転に伴って、缶体投入部10までマンドレル7は移動し、缶体投入部10では、新たな缶体5がマンドレル7に供給される。
図11(B)では、印刷部20に設けられた第2インクジェットヘッドH2を通る面における断面を示している。この断面には、第2インクジェットヘッドH2の他に、マンドレル搬送部40の励磁コイルR8が位置する。
図11(C)では、印刷部20に設けられた第3インクジェットヘッドH3と第4インクジェットヘッドH4との間を通る面における断面を示している。この断面には、マンドレル7の位置決めを行う位置決め用励磁コイルR3と、マンドレル搬送部40の励磁コイルR8が位置する。
上記にて説明した印刷部20では、缶体5の全長とほぼ同じ長さのインクジェットヘッドH1〜H5を設けたが、図12に示すように、缶体5の全長よりも短い長さのインクジェットヘッドH1〜H5を設けてもよい。付言すると、図12に示す構成例では、マンドレル7の移動方向におけるインクジェットヘッドH1〜H5の長さが、マンドレル7の移動方向における缶体5の長さよりも小さくなっている。
マンドレル7の径方向におけるマンドレル7の位置決めは、第5インクジェットヘッドH5の下方に位置する1つの位置決め用励磁コイルR3で行っている。
本実施形態の構成では、インクジェットヘッドH1〜H5の各々の全長が小さく、さらに、位置決め用励磁コイルR3が少ないため、図1にて示した構成よりも、印刷装置1の占有体積が小さくなる。
上記にて説明した印刷部20では、先行するマンドレル7と後続するマンドレル7とを接触させたが、この構成例では、先行するマンドレル7と後続するマンドレル7とを離間させている。より具体的には、上側マンドレル移送部50から印刷部20への缶体5の供給間隔を、上記にて説明した印刷部20における供給間隔よりも大きくし、先行するマンドレル7と後続するマンドレル7とを離間させている。
印刷部20にマンドレル7(缶体5を保持したマンドレル7)が投入されると、図14(A)に示すように、このマンドレル7は、第1励磁コイルR11により支持されながら下方へ移動する。この際、第1インクジェットヘッドH1から缶体5へのインクの吐出が行われる。
この際、本実施形態では、先行する1個目のマンドレル7と、新たに投入された2個目のマンドレル7との間に間隙が形成される。これにより、マンドレル7同士の接触が抑制されるようになる。
以後、印刷部20の上部から新たなマンドレル7が順次投入され、また、印刷部20の下部からは、印刷が終了したマンドレル7が順次排出される。
本実施形態の印刷部20では、図4にて示した通り、鉛直方向に沿った移動経路に沿って缶体5(マンドレル7)を移動させるが、このように予め定められた移動経路に沿って缶体5を移動させる移動形態としては、図15(缶体5の他の移動形態を示した図)のような移動形態も考えられる。この移動形態では、缶体5の移動経路の脇にレールなどのガイド部材210を設置し、さらに、ガイド部材210から缶体5に向かって延びる缶体支持部材220を設ける。そして、この缶体支持部材220を、ガイド部材210に沿って移動させる。
これに対し、本実施形態では、缶体支持部材220を通過させるための上記経路を省略できるようになり、環状のインクジェットヘッドH1〜H5を設置できるようになる。
Claims (10)
- 缶体に入れられ、永久磁石を備え、缶体を支持する缶体支持部材と、
前記缶体支持部材が移動する移動経路に沿って設けられた電磁石と、
前記電磁石への通電を制御して、缶体を支持した前記缶体支持部材を前記移動経路に沿って移動させる移動手段と、
を備える缶体搬送装置。 - 前記缶体支持部材に備えられる前記永久磁石は、当該缶体支持部材の断面中心を配置中心として配置され、当該配置中心に対し点対象の位置に対で配置され、さらに、前記缶体移動経路に沿って設けられた前記電磁石は、当該永久磁石と向かい合うように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の缶体搬送装置。
- 前記移動経路は、上下方向に沿うように配置され、
前記移動手段は、前記缶体を支持した前記缶体支持部材を上方から下方へ、又は、下方から上方へ移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の缶体搬送装置。 - 前記移動手段は、缶体を支持した前記缶体支持部材を複数搬送するとともに、当該缶体支持部材の各々を順に搬送し、且つ、下方に位置する当該缶体支持部材の上に他の当該缶体支持部材が載った状態で、当該複数の缶体支持部材の各々を搬送することを特徴とする請求項3に記載の缶体搬送装置。
- 前記移動手段は、前記缶体を支持した前記缶体支持部材を複数搬送するとともに、当該缶体支持部材の各々を順に搬送し、
先行して搬送される前記缶体支持部材に対し、後続して搬送される他の缶体支持部材を付勢する付勢手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の缶体搬送装置。 - 前記移動経路が延びる方向と直交する方向における前記缶体支持部材の位置決めを行う位置決め用電磁石または位置決め用永久磁石を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の缶体搬送装置。
- 缶体を搬送する搬送手段と、当該搬送手段により搬送される缶体の外面への印刷を行う印刷機構と、を備えた印刷装置であって、
前記搬送手段は、
缶体に入れられ、永久磁石を備え、缶体を支持する缶体支持部材と、
前記缶体支持部材が移動する移動経路に沿って設けられた電磁石と、
前記電磁石への通電を制御して、缶体を支持した前記缶体支持部材を前記移動経路に沿って移動させる移動手段と、
を備える印刷装置。 - 前記印刷機構は、複数のインク吐出口を備え、
前記複数のインク吐出口は、前記缶体支持部材が移動する前記移動経路の周りに配置されるとともに当該移動経路を中心として放射状に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。 - 前記印刷機構は、複数のインク吐出口を備え、
前記缶体は、筒状に形成され、外周面を有し、前記移動経路を移動する際、一方の端部を先頭として移動を行い、
前記複数のインク吐出口は、前記缶体の前記外周面に対峙するように配置されるとともに、当該缶体の周方向における位置が互いに異なるように配置され、当該缶体を取り囲むように配置されるとともに、当該缶体の全周に亘って配置されていることを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。 - 前記インク吐出口が形成されたインクジェットヘッドが設けられ、
前記缶体支持部材の移動方向における前記インクジェットヘッドの長さが、当該移動方向における前記缶体の長さよりも小さいことを特徴とする請求項8又は9に記載の印刷装置。
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