JP6482072B2 - 真空脱脂焼結炉 - Google Patents

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本発明は、真空脱脂焼結炉に関する。
真空脱脂焼結炉とは、金属、セラミックス等の粉末成形体(以下、「被処理品」という)から熱可塑性樹脂、成型助剤等から成るバインダーを真空条件下で加熱脱脂して、焼結品を得るための炉である。従来の真空脱脂焼結炉として特許文献1の炉がある。
特許文献1の真空脱脂焼結炉は、被処理品が収容される処理容器と、処理容器を加熱するヒーターと、処理容器の周囲を覆う通気性のあるフェルト状の断熱材と、処理容器や断熱材を覆う真空チャンバーを備えている。処理容器の内部には、被処理品を載置する載置台が多段状に設けられ、各段に複数の被処理品が並べて配置されている。また、処理容器の上部には、加熱により昇華したバインダー(以下、「昇華バインダー」という)を除去するために供給されるスイープガスのガス供給口が設けられている。一方、処理容器の下部には、スイープガスを排気するためのガス排気穴が設けられている。
特開平11−257869号公報
しかしながら、特許文献1の真空脱脂焼結炉では、処理容器の下部にガス排気穴が設けられていることにより、処理容器の下段の温度が処理容器の上段や中段に比べて低くなっていた。これにより、処理容器全体を均一に加熱することができていなかった。このため、処理容器の下段の被処理品と、処理容器の上段や中段の被処理品との間に品質ばらつきが生じていた。また、脱脂不良や焼結不足により品質不良品が製造されるおそれもあった。
また、従来の真空脱脂焼結炉では、昇華バインダーが通気性のある断熱材内部の隙間に詰まることがあり、処理容器を覆う断熱材の断熱性能が場所によって異なることがあった。これが原因となって、処理容器の温度バラつきを引き起こすこともあり、被処理品の均一加熱については改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被処理品を均一に加熱脱脂することで、焼結品の品質バラつきを低減することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、被処理品の脱脂、焼結処理を行う真空脱脂焼結炉であって、被処理品が収容される処理容器と、非通気性の断熱材と、前記処理容器及び前記断熱材が収容される真空チャンバーと、前記処理容器を支持する処理容器支持部と、前記処理容器内にスイープガスを供給するガス供給機構とを備え、前記断熱材は、前記処理容器の周囲を覆うように設けられた第1の断熱材と、前記第1の断熱材の内側に設けられた第2の断熱材とを有し、前記第2の断熱材は、前記第1の断熱材で囲まれる空間を、前記処理容器が存在する空間と前記処理容器が存在しない空間に分割するように設けられ、前記処理容器が存在する空間において、前記処理容器の周囲にヒーターが設けられ、前記第2の断熱材に、前記スイープガスが通過するガス通過口が形成され、前記処理容器が存在しない空間内において、前記第1の断熱材に前記スイープガスが通過するガス排気穴が形成され、前記ヒーターの発熱体が前記第1の断熱材の外側に露出しないように前記ガス通過口と前記ガス排気穴が配置されていることを特徴とする。
なお、ヒーターの発熱体が第1の断熱材の外側に露出しない状態とは、真空チャンバーの内壁から第1の断熱材のガス排気穴を見たときに、第2の断熱材のガス通過口を介して上記処理容器が存在する空間に設けられたヒーターの発熱体が見えない状態をいう。
本発明に係る真空脱脂焼結炉は、断熱材が非通気性材料で形成されているため、昇華バインダーの詰まりを抑制することができる。これにより、断熱材の性能バラつきを抑制することができる。
また、処理容器から排気されるスイープガスは、第2の断熱材のガス通過口および第1の断熱材のガス排気穴を通ることになるが、本発明に係る真空脱脂焼結炉においては、ヒーターの発熱体がヒーターを覆う第1の断熱材の外側に露出しない構成となっている。このため、ガス通過口を介した熱輻射が第1の断熱材の内面で遮られることになり、ガス排気穴を介した断熱材外部への熱逃げが抑制される。これにより、第2の断熱材のガス通過口周辺における温度低下を抑制することができ、処理容器を均一に加熱することができる。
本発明によれば、被処理品が収容される処理容器を均一に加熱することができる。これにより、被処理品を均一に加熱することができ、焼結品の品質バラつきを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る真空脱脂焼結炉の概略構成を示す縦断面図である。 図1中のA−A断面図である。 図1中のB−B断面図である。 断熱材3bの配置を変更した実施形態に係る真空脱脂焼結炉の概略構成を示す縦断面図である。 断熱材3bの配置を変更した実施形態に係る真空脱脂焼結炉の概略構成を示す縦断面図である。 支柱構造を変更した実施形態に係る真空脱脂焼結炉の概略構成を示す縦断面図である。 支柱構造を変更した実施形態に係る真空脱脂焼結炉の概略構成を示す縦断面図である。 支柱構造を変更した実施形態に係る真空脱脂焼結炉の概略構成を示す縦断面図である。 断熱材3cを設けた実施形態に係る真空脱脂焼結炉の概略構成を示す縦断面図である。 熱伝達シミュレーションにおける処理容器の温度測定箇所を示す図である。 各温度測定箇所の温度を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1,図2に示すように、本実施形態に係る真空脱脂焼結炉1は、被処理品が収容される処理容器20と、処理容器20の周囲に設けられたヒーター2と、ヒーター2の周囲を覆うように設けられた非通気性断熱材3と、非通気性断熱材3を覆うように設けられた真空チャンバー4を備えている。ヒーター2は、複数の発熱体2aを備えており、各発熱体2aは、処理容器20の長手方向Lに沿って延びるように設けられている。真空チャンバー4は、前扉4aと後扉4bとを備え、各扉4a,4bは、開閉自在に構成されている。
処理容器20の内部には、複数の被処理品を載置する載置台(不図示)が多段状に設けられ、被処理品は各段に並べて配置される。また、処理容器20の下部には、被処理品の入れ替え時に処理容器20をスライドさせるためのレール5が設けられている。レール5は、非通気性断熱材3を貫通するようにして設けられた支柱6に支持されており、支柱6の下端部は、真空チャンバー4に固定されている。本実施形態では、このように処理容器支持部を構成することで、処理容器20を下方から支持している。
処理容器20の上部には、処理容器内にスイープガスを供給するガス供給管7の一端が接続されている。ガス供給管7の他端は真空チャンバー4の外にあるガス供給源(不図示)に接続されている。また、前扉4a側の処理容器20の側面には、処理容器内のスイープガスが通過可能な開口部(不図示)が形成されている。昇華バインダーを含むスイープガスは、その開口部を通って処理容器外に排気される。
非通気性断熱材3は、処理容器20の周囲を覆うように設けられた断熱材3aと、断熱材3aの内側に設けられた断熱材3bを備えている。なお、本実施形態においては、断熱材3aの側面部が前扉4aあるいは後扉4bに取り付けられており、扉を閉じた際に断熱材3aの天井部と底部に密着するように構成されている。
断熱材3aは、非通気性材料で形成され、昇華バインダーを含むスイープガスが断熱材3aを通過できないようになっている。これにより、断熱材内部の隙間に昇華バインダーが詰まるといった問題が生じず、断熱材3aの局所的な性能低下を防ぐことができる。即ち、第1の断熱材全体が均一な断熱性能を発揮することができ、断熱材3aで囲まれる領域の温度をより均一にすることが可能となる。また、昇華バインダーで目詰まりした非通気性断熱材3の交換等を行う必要がなくなり、炉のメンテナンス頻度を少なくすることができる。
断熱材3bも断熱材3aと同様に非通気性材料で形成されている。また、断熱材3bは、断熱材3aで囲まれる空間を分割するようにして、処理容器20の底部と断熱材3aの底部との間に設けられている。図1〜図3に示すように、本実施形態における断熱材3bは、断熱材3aの底面部と略同一寸法であり、平面視において断熱材3aの底面全体が覆われるように設けられている。これにより、断熱材3aの内側には、処理容器20が存在する空間Sと処理容器20が存在しない空間Sが形成されている。断熱材3bは、支柱6に設けられた支持プレート8に載置されることで自重が支えられている。
なお、処理容器20が存在しない空間Sにおける断熱材3aと断熱材3bの隙間の形状は、十分なガス流路を確保することができるように適宜定められる。また、断熱材3aや断熱材3bとしては、例えば、日本カーボン株式会社製の“カーボロン(登録商標)成形断熱材”が用いられる。
断熱材3bには、スイープガスが通過するガス通過口9が設けられている。図3に示すように、本実施形態におけるガス通過口9は、処理容器20の幅方向Wに沿って3つ設けられている。また、図1,図3に示すように、処理容器20が存在しない空間Sにおける断熱材3aの底部にも、スイープガスが通過するガス排気穴10が設けられている。ガス通過口9と同様に、ガス排気穴10も処理容器20の幅方向Wに沿って3つ設けられている。図1,図3に示すように、ガス排気穴10は、断熱材3bのガス通過口9が形成された面(以下、「ガス通過口形成面P」という)に垂直な方向Vから見て(本実施形態では平面視)、ガス通過口9の開口部分とガス排気穴10の開口部分とが重ならないような位置に設けられている。また、ガス通過口9とガス排気穴10は、ヒーター2の発熱体2a(図2)が断熱材3aの外側に露出しないように設けられている。
真空チャンバー4の上部には、真空チャンバー内のスイープガスを吸引するガス排気管11の一端が取り付けられている。ガス排気管11の他端は真空ポンプ(不図示)に接続されている。ガス供給管7から供給されたスイープガスは、図1中の矢印に沿うようにして、処理容器20、断熱材3bのガス通過口9、断熱材3aのガス排気穴10を通って断熱材3aの外に排気される。断熱材3aから真空チャンバー内に流れ出たスイープガスは、上記ガス排気管11を通って系外に排気される。
本実施形態に係る真空脱脂焼結炉1は、以上のように構成されている。
この真空脱脂焼結炉1を用いて脱脂処理を行う場合には、真空チャンバー内を真空引きし、ヒーター2を稼働させることで処理容器20を加熱する。このとき、真空チャンバー内が真空状態であることから、ヒーター2から処理容器20への熱移動は輻射によって行われるが、熱輻射は処理容器20に対してだけでなく、断熱材3bのガス通過口9に対しても起こる。このため、ガス通過口9が真空チャンバー4の内面に面していたような場合には、真空チャンバー4に熱が移動してしまい、ガス通過口周辺におけるヒーター2から処理容器20が受け取る熱量が小さくなってしまう。
しかし、本実施形態においては、断熱材3bのガス通過口9は、断熱材3aの底面に面しており、さらに断熱材3aのガス排気穴10は、ヒーター2の発熱体2aが断熱材3aの外側に露出しない位置に配置されている。このため、本実施形態においては、真空チャンバー4の内壁から断熱材3aのガス排気穴10を見たときに、ヒーター2の発熱体2aが見えない状態となっている。これにより、断熱材3bのガス通過口9を介した熱輻射は、断熱材3aによって遮られることになり、ガス排気穴10を介した真空チャンバー4への熱輻射が起こりにくくなっている。即ち、断熱材3aの内側にある処理容器20が存在する空間Sにおいては、熱輻射による当該空間外への熱損失が起こりにくい状態となっており、ヒーター2からの熱が処理容器20に均一に伝達しやすくなる。
したがって、本実施形態に係る真空脱脂焼結炉1のように、処理容器20を覆う非通気性断熱材3を二重構造とし、ヒーター2の発熱体2aが断熱材3aの外側に露出しないようにガス排気穴10とガス通過口9を千鳥配置することによって、処理容器20を均一に加熱することが可能となる。これにより、処理容器内の各被処理品も均一に加熱することができ、同一ロット内の焼結品の品質バラつきを抑制することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、断熱材3aのガス排気穴10および断熱材3bのガス通過口9の数や配置、大きさ、形状等、また、断熱材3bを設ける位置や形状等は、上記実施形態で説明したものに限定されない。
例えば、図4に示すように、断熱材3bを断熱材3aの側面に対向するように配置し、断熱材3aの側面部において、ヒーター2の発熱体2aが断熱材3aの外側に露出しないようにガス排気穴10とガス通過口9を配置しても良い。また、図5に示すように、上記実施形態で説明した断熱材3bを断熱材3aの外側に配置しても良い。このような構成であっても、処理容器が存在する空間Sからの熱逃げを抑制することができ、温度バラつきを低減させることができる。
即ち、処理容器20の周囲を覆う第1の断熱材と、その第1の断熱材の内側に設けられた第2の断熱材とを有し、処理容器が存在しない空間Sにおいて第1の断熱材に形成されたガス排気穴と、第2の断熱材に形成されたガス通過口とを有し、処理容器が存在する空間Sに設けられたヒーター2の発熱体2aが第1の断熱材の外側に露出しないようにガス排気穴とガス通過口が配置されていれば、処理容器が存在する空間内における温度バラつきの制御が可能となり、温度バラつきを低減させることができる。なお、図5に示す構成の場合、「第1の断熱材」とは断熱材3aの底面部、右側面部、天井部および断熱材3bのことを指し、「第2の断熱材」とは断熱材3aの左側面部のことを指す。
また、上記実施形態では、処理容器支持部として、断熱材3aおよび断熱材3bを貫通するように支柱6を設けたが、処理容器20の支持構造は、この形態に限定されることはない。処理容器支持部として支柱6を設ける場合には、例えば図6に示すように、支柱6を第1の支柱部材6aと第2の支柱部材6bに分割して設けても良い。具体的には、第1の支柱部材6aの下端部を非通気性断熱材3の内面(処理容器側の面)に接続し、第2の支柱部材6bを上記第1の支柱部材6aの下端部が接続された非通気性断熱材3の外面に接続するようにして支柱6を分割する。
図6に示す例では、第1の支柱部材6aの下端部が断熱材3bの内面に接続され、第2の支柱部材6bは、上記第1の支柱部材6aの下端部が接続された断熱材である断熱材3bの外面に接続されている。また、図7に示す例では、第1の支柱部材6aの下端部が断熱材3aの内面に接続され、第2の支柱部材6bは、上記第1の支柱部材6aの下端部が接続された断熱材である断熱材3aの外面に接続されている。
支柱6をこのような分割構成とすることで、支柱6を介した熱逃げを抑制することができる。即ち、処理容器支持部として、処理容器20を下方から支持する第1の支柱部材6aと、非通気性断熱材3の底部を下方から支持する第2の支持部材を設け、第1の支柱部材6aの下端部を非通気性断熱材3の内面(処理容器側の面)に接続し、第2の支柱部材6bを第1の支柱部材6aの下端部が接続された非通気性断熱材3の外面に接続するように構成することで、処理容器20をより均一に加熱することができる。
また、支柱6を分割構造とする場合、第1の支柱部材6aと第2の支柱部材6bの本数は異なっていても良い。また、図8に示すように、第1の支柱部材6aと第2の支柱部材6bとが対向しないように配置されていても良い。このように同一鉛直船上に配置されていないことにより、第1の支柱部材6aの下端部と第2の支柱部材6bの上端部との間の熱伝導を抑えることができ、断熱性能を向上させることができる。また、第1の支柱部材6aの下端部および第2の支柱部材6bの上端部の少なくともいずれか一方には、非通気性断熱材3に面接触する支持プレート8を設けることが好ましい。これにより、非通気性断熱材3で受ける処理容器20の重量を面で受けることができ、処理容器20の支持姿勢が安定すると共に非通気性断熱材3の割れ等を防ぐことができる。
また、図9に示すように、処理容器20が存在しない空間Sに断熱材3cを設けても良い。この場合、断熱材3cは、ガス通過口9からガス排気穴10へのスイープガスの流路を阻害しない位置に設けられる。このように設けられた断熱材3cにより、温度が他の部分よりも低下する傾向にある非通気性断熱材3のガス排気面の断熱効果を更に向上させることができる。また、このとき、断熱材3c(第3の断熱材)は、第1の断熱材(図9に示す例では断熱材3a)および第2の断熱材(図9に示す例では断熱材3b)の少なくともいずれか一方との間に隙間が形成されるように配置することが好ましい。これにより、接触伝熱を抑制することができ、断熱効果を更に向上させることができる。
従来の真空脱脂焼結炉と本発明に係る真空脱脂焼結炉の構造を反映させた熱伝達シミュレーションを実施し、処理容器の温度分布を調査した。
従来の真空脱脂焼結炉としては、通気性のある第1の断熱材を備えた特許文献1に相当する構造の炉(比較例1)と、底面にガス排気穴が形成された非通気性の第1の断熱材を備え、その他の部分は特許文献1に相当する構造の炉(比較例2)を用いた。また、本発明に係る真空脱脂焼結炉としては、非通気性の第1の断熱材および第2の断熱材から成る二重構造の断熱材を備え、第1の断熱材の底面に形成されたガス排気穴と第2の断熱材に形成されたガス通過口とが千鳥配置となっている炉(図1に相当する炉)を用いた(実施例1)。さらに、他の本発明に係る真空脱脂焼結炉として、実施例1の炉に対して処理容器支持部の支柱構造を分割構造とした炉(図6に相当する炉)を用いた(実施例2)。
処理容器の温度測定箇所は、図10に示す通りであり、処理容器上部の四隅、処理容器下部の四隅、処理容器中央部である。これらの箇所の温度について、シミュレーションによって算出した。その結果を図11に示す。
図11に示すように、比較例1と比較例2を比べると、比較例2は、比較例1に対して処理容器内の温度差が大きくなり、温度バラつきも大きくなった。比較例2の炉は、2番と4番の測定箇所周辺にガス排気穴が形成されているため、このガス排気穴からの熱逃げの影響が大きかった。
これに対し、実施例1は、比較例2に対して処理容器内の温度差が小さくなっており、温度もバラつきも小さくなった。即ち、断熱材を二重構造とし、ガス排気穴を千鳥配置とすることで、処理容器を均一に加熱できた。なお、実施例1は、比較例1に対しては温度バラつきがやや小さい程度の結果となったが、比較例1においては通気性断熱材を用いている。このため、実際の操業時においては、昇華バインダーが断熱材内部の隙間に詰まり、部分的な断熱性能の低下を引き起こすことになる。したがって、比較例1の炉の構造においては、操業時の温度バラつきが更に大きくなると想定される。一方、実施例1の炉の構造の場合には、昇華バインダーの詰まりによる断熱性能の低下は起こらないため、実際の操業を考慮すると、実施例1の炉の構造の方が比較例1の炉の構造よりも温度バラつきを小さくすることが可能である。
次に、実施例1と実施例2を比較すると、実施例2は、実施例1に対して温度バラつきが更に小さくなった。特に、処理容器の下部にあたる2番、4番、6番、8番の測定箇所における温度を全体的に底上げすることができた。これは、処理容器を支持する支柱を介して逃げていた熱を断熱材の内側に留めることができたためである。即ち、均一に処理容器を加熱するためには、処理容器を支持する支柱部材を分割するように構成することが好ましい。
本発明は、真空脱脂焼結炉に適用することができる。
1 真空脱脂焼結炉
2 ヒーター
2a ヒーターの発熱体
3 真空断熱材
3a 断熱材
3b 断熱材
3c 断熱材
4 真空チャンバー
4a 前扉
4b 後扉
5 レール
6 支柱
6a 第1の支柱部材
6b 第2の支柱部材
7 ガス供給管
8 支持プレート
9 ガス通過口
10 ガス排気穴
11 ガス排気管
20 処理容器
L 処理容器の長手方向
P ガス通過口形成面
処理容器が存在する空間
処理容器が存在しない空間
V ガス通過口形成面に垂直な方向
W 処理容器の幅方向

Claims (6)

  1. 被処理品の脱脂、焼結処理を行う真空脱脂焼結炉であって、
    被処理品が収容される処理容器と、
    非通気性の断熱材と、
    前記処理容器及び前記断熱材が収容される真空チャンバーと、
    前記処理容器を支持する処理容器支持部と、
    前記処理容器内にスイープガスを供給するガス供給機構とを備え、
    前記断熱材は、
    前記処理容器の周囲を覆うように設けられた第1の断熱材と、
    前記第1の断熱材の内側に設けられた第2の断熱材とを有し、
    前記第2の断熱材は、前記第1の断熱材で囲まれる空間を、前記処理容器が存在する空間と前記処理容器が存在しない空間に分割するように設けられ、
    前記処理容器が存在する空間において、前記処理容器の周囲にヒーターが設けられ、
    前記第2の断熱材に、前記スイープガスが通過するガス通過口が形成され、
    前記処理容器が存在しない空間内において、前記第1の断熱材に前記スイープガスが通過するガス排気穴が形成され、
    前記ヒーターの発熱体が前記第1の断熱材の外側に露出しないように前記ガス通過口と前記ガス排気穴が配置されている、真空脱脂焼結炉。
  2. 前記処理容器支持部は、
    前記処理容器を下方から支持する第1の支柱部材と、
    前記断熱材の底部を下方から支持する第2の支柱部材とを備え、
    前記第1の支柱部材は、下端部が前記断熱材の内面に接続され、
    前記第2の支柱部材は、前記第1の支柱部材の下端部が接続された断熱材の外面に接続されている、請求項1に記載の真空脱脂焼結炉。
  3. 前記第1の支柱部材と前記第2の支柱部材が複数設けられ、
    前記第1の支柱部材と前記第2の支柱部材とが対向しないように配置されている、請求項2に記載の真空脱脂焼結炉。
  4. 前記第1の支柱部材の下端部および前記第2の支柱部材の上端部の少なくともいずれか一方に、前記断熱材に面接触する支持プレートが設けられている、請求項2又は3に記載の真空脱脂焼結炉。
  5. 前記処理容器が存在しない空間において、前記第1の断熱材と前記第2の断熱材との間に第3の断熱材が設けられ、
    前記第3の断熱材は、前記ガス通過口から前記ガス排気穴までの前記スイープガスの流路を塞がない位置に配置されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の真空脱脂焼結炉。
  6. 前記第3の断熱材は、前記第1の断熱材および前記第2の断熱材の少なくともいずれか一方との間に隙間が形成されるように設けられている、請求項5に記載の真空脱脂焼結炉。

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