JP6481274B2 - エンジン - Google Patents

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Description

この発明は、例えば車両等に搭載されるエンジン(内燃機関)に係り、特にV型エンジンや水平対向エンジンのように第1のバンクと第2のバンクとを有する複数気筒のエンジンに関する。
V型エンジンは、第1のバンクと第2のバンク(左右のバンク)が例えば60°のバンク角を挟んで形成され、それぞれのバンクにシリンダボアが形成されている。このようなV型エンジンは、直列配置形エンジンと比較してクランクシャフトを短くすることができるため、エンジンの全長が短いという利点がある。
左右のバンク間に吸気系が配置されたV型エンジンでは、クランクシャフトの軸線方向から見て、一方のバンクの吸気弁と排気弁の位置関係が、他方のバンクの吸気弁と排気弁の位置関係とは逆になる。ピストン頂面には、吸気弁および排気弁との干渉を避けるためにそれぞれリセスが形成されているが、吸気弁用のリセスと排気弁用のリセスの形状と大きさは互いに異なっている。このため左右のバンクに共通形状のピストンを用いるには、左右のバンクでピストンの向き(ピストン中心軸回りの位置)を180°反転させて各バンクのシリンダボアに収容する必要がある。
しかしエンジンによっては、ピストンスラップ(シリンダボア内でピストンが往復運動する際の側圧の変化によって生じるエンジン騒音)を抑制するために、ピストンピンの位置をピストン中心軸からスラスト側にオフセットさせることが行なわれている。ピストンピンがオフセットしているエンジンにおいて、左右のバンクでピストンの向き(ピストン軸線回りの位置)を180°反転させて組込むと、一方のバンクではピンオフセットが正規の位置となるが、他方のバンクではピンオフセットが逆位置となるためピストンスラップがかえって大きくなるという問題が生じる。
このためピストンピンがオフセットしているV型エンジンでは、第1のバンク用のピストンと第2のバンク用のピストン(2種類のピストン)を製造する必要があり、ピストン製造に要する手間や部品管理に要する手間などが増大するなど、コストが高くなる原因となる。特許文献1には、ピストンピンがオフセットしているV型エンジンにおいて、ピストン頂面に1つの大きな凹部を有するピストン冠面構造を採用することによって、左右のバンクに同一形状のピストンを用いることができる旨記載されている(特許文献1の段落[0026]参照)。
特開2000−186556号公報
特許文献1のようにピストン頂面の中央に1つの大きな凹部が形成されたピストン冠面構造では、リッチな混合気を点火プラグの近傍へ案内できるようなウォールガイドをピストン頂面の中央付近に設けることができないため、インジェクタから燃料を燃焼室内に直接噴射する直噴エンジンにおいて、例えば触媒暖機運転等に有効となるような直噴エンジンを成立させにくい。
従って本発明の目的は、ピストンピンがオフセットしているエンジンにおいて、第1のバンクと第2のバンクとで共通形状のピストンを使用でき、かつ、各バンクのインジェクタに対応したピストン頂面を有するエンジンを提供することにある。
本発明の1つの実施形態は、一方側に形成された第1のバンクと他方側に形成された第2のバンクとを有する複数気筒のエンジンであって、前記第1のバンクおよび前記第2のバンクに収容されるピストンを有している。各ピストンは、それぞれ、ピストン中心軸からスラスト側にオフセットした位置にピストンピンを有している。さらに各ピストンのピストン頂面には、前記ピストン中心軸を通りクランクシャフトの軸線と平行なピストン中心線を対称軸とする対称位置に、前記スラスト側に形成された第1キャビティと、反スラスト側に形成され前記第1キャビティと対称形の第2キャビティとを有している。また前記第1キャビティと前記第2キャビティとの間に、点火プラグと対応する位置に凸部を有し、該凸部が、前記第1キャビティの内周壁と前記第2キャビティの内周壁とに連なる平坦な面部を有している。そして前記第1のバンクに配置される一方のピストンと前記第2のバンクに配置される他方のピストンとは、それぞれ、ピストン中心軸回りの向きが同じとなるよう前記第1のバンクのシリンダボアと前記第2のバンクのシリンダボアとに収容される。
1つの実施形態では、前記第1キャビティと前記第2キャビティとの間に、点火プラグに向かって突き出る稜線を有する凸部が形成され、該凸部の両側に前記ピストン中心軸を対称軸とする対称形の一対のウォールガイドを有している。他の実施形態では、前記第1キャビティと前記第2キャビティとの間に、点火プラグに対応する位置に面部を有する凸部が形成され、該凸部の両側に前記ピストン中心軸を対称軸とする対称形の一対のウォールガイドを有している。
前記ピストン頂面の排気弁および吸気弁と対応する位置に、前記ピストン中心線を対称軸とする対称形の第1のリセスおよび第2のリセスを有してもよい。また前記第1のバンクと前記第2のバンクとの間に吸気系が配置されるV型エンジンにおいて、前記第1のバンクに収容される一方のピストンの前記第2キャビティと対応する位置に第1のインジェクタが配置され、前記第2のバンクに収容される他方のピストンの前記第1キャビティと対応する位置に第2のインジェクタが配置されてもよい。
本発明によれば、第1のバンクと第2のバンクとを有するV型エンジン等において、ピストンピンがオフセットした位置に設けられていても各バンクに共通形状のピストンを使用でき、かつ、第1のバンクに配置されるインジェクタと第2のバンクに配置されるインジェクタとに対応した混合気の流れを各バンク内の燃焼室に生じさせることが可能なピストン頂面形状とすることができる。
V型エンジンを模式的に表わした平面図。 図1中のF2−F2線に沿う第1の実施形態のエンジンの断面図。 同エンジンのピストンの一部を示す斜視図。 図3に示されたピストンの平面図。 図3に示されたピストンの一部の正面図。 図4中のF6−F6線に沿うピストンの断面図。 図5中の矢印F7で示す方向から見たピストン頭部の側面図。 第2の実施形態に係るエンジンの断面図。 図8に示されたエンジンのピストンの一部の斜視図。 図9に示されたピストンの平面図。 図9に示されたピストンの一部の正面図。 図10中のF12−F12線に沿うピストンの断面図。 図11中の矢印F13で示す方向から見たピストン頭部の側面図。
以下に第1の実施形態に係るエンジンについて、図1から図7を参照して説明する。 図1は第1のバンクと第2のバンクとを有する複数気筒のエンジンの一例であり、6気筒のV型エンジン10を示している。図2は、図1中のF2−F2線に沿うエンジン10の断面図である。
このエンジン10は、図2に示されるように、バンク角θ1を挟んで一方側に形成された第1のバンク11と、他方側に形成された第2のバンク12とを有している。バンク角θ1は、クランクシャフト13を中心として左右のバンク11,12がなす角度であり、バンク角θ1の一例は60°であるが、60°以外であってもよいし、水平対向エンジンのようにバンク角が180°であってもよい。クランクシャフト13は、図2に矢印R1で示す方向に回転する。クランクシャフト13の軸線X1(図1に示す)は、エンジン10の前後方向に延びている。
第1のバンク11のシリンダブロック20に、複数(例えば3つ)のシリンダボア21(図2に1つのみ示す)が形成されている。これらシリンダボア21がクランクシャフト13の軸線X1方向に所定のシリンダピッチで配置されることにより、第1のシリンダ列をなしている。第2のバンク12のシリンダブロック20にも、複数(例えば3つ)のシリンダボア22(図2に1つのみ示す)が形成されている。これらシリンダボア22がクランクシャフト13の軸線X1方向に所定のシリンダピッチで配置されることにより、第2のシリンダ列をなしている。第1のバンク11と第2のバンク12との間に、吸気マニホールド等を含む吸気系25(図1に示す)が配置されている。
図2に示されるように、第1のバンク11のシリンダボア21に、一方のピストン(第1のピストン31)が収容されている。第2のバンク12のシリンダボア22に、他方のピストン(第2のピストン32)が収容されている。第1のピストン31と第2のピストン32は、後に詳しく説明するように、互いに同一の形状である。
第1のバンク11のシリンダヘッド35に、排気流路36と吸気流路37とが形成されている。排気流路36と吸気流路37は、それぞれ、排気弁38と吸気弁39とを介してシリンダボア21内の燃焼室に連通している。排気弁38と吸気弁39とは、それぞれ動弁機構によって所定のタイミングで開閉する。シリンダヘッド35には、燃焼室の一部をなすペントルーフ形の燃焼室40が形成されている。
第1のバンク11のシリンダヘッド35に、第1の点火プラグ41と第1のインジェクタ42とが配置されている。点火プラグ41は、先端の電極がシリンダヘッド35の燃焼室40の中央付近に位置するようにシリンダヘッド35に固定されている。インジェクタ42は、シリンダボア21内の燃焼室に燃料を直接噴射する直噴形であり、そのノズル部がシリンダボア21内の燃焼室に対向している。
第1のピストン31にピストンピン50が設けられている。ピストンピン50にコネクティングロッド51の一端(小端部)が接続されている。コネクティングロッド51の他端(大端部)はクランクシャフト13のピンジャーナル部13aに接続されている。
ピストンピン50は、ピストン31が往復運動する際に生じるピストンスラップを抑制するために、図2に示すようにピストン中心軸C1に対してピストン31のスラスト側にΔ1だけオフセットした位置に設けられている。ここで“スラスト側”とは、ピストンが上死点に達した直後にピストン側面がシリンダボア壁を押す力が加わる側、すなわち側圧(サイドスラスト)を受ける側である。すなわちこのピストンピン50は、クランクシャフト13の回転方向R1に関して回転方向上流側にオフセット量Δ1だけ片寄った位置に設けられている。
図2に示されるように、第2のバンク12のシリンダボア22に、第2のピストン32が収容されている。また第2のバンク12のシリンダヘッド65に、吸気流路66と排気流路67とが形成されている。吸気流路66と排気流路67は、それぞれ、吸気弁68と排気弁69とを介してシリンダボア22内の燃焼室に連通している。吸気弁68と排気弁69とは、それぞれ動弁機構によって所定のタイミングで開閉する。シリンダヘッド65には、燃焼室の一部をなすペントルーフ形の燃焼室70が形成されている。
第2のバンク12のシリンダヘッド65に、第2の点火プラグ71と第2のインジェクタ72とが配置されている。点火プラグ71は、先端の電極がシリンダヘッド65の燃焼室40の中央付近に位置するようにシリンダヘッド65に固定されている。インジェクタ72は、シリンダボア22内の燃焼室に燃料を直接噴射する直噴形であり、そのノズル部がシリンダボア22内の燃焼室に対向している。
第2のピストン32にピストンピン80が設けられている。ピストンピン80にコネクティングロッド81の一端(小端部)が接続されている。コネクティングロッド81の他端(大端部)はクランクシャフト13のピンジャーナル部13bに接続されている。
ピストンピン80は、ピストン32が往復運動する際に生じるピストンスラップを抑制するために、図2に示すようにピストン中心軸C2に対してピストン32のスラスト側にΔ2だけオフセットした位置に設けられている。すなわちこのピストンピン80は、クランクシャフト13の回転方向R1に関して回転方向上流側にオフセット量Δ2だけ片寄った位置に設けられている。第2のピストン32のピンオフセット量Δ2は、第1のピストン31のピンオフセット量Δ1と同じである。
第1のピストン31と第2のピストン32とは互いに共通の形状であるため、以下に第1のピストン31を代表して説明する。
図3から図7は、第1のピストン31の一部(ピストン頂面31aを含むピストン頭部31b)を示している。ピストン頭部31bの周面にピストンリング溝85が形成されている。ピストンリング溝85は、オイルリング用の1つの溝部と、ガスリング用の1または2つの溝部とを含んでいる。
図4に示すように、ピストン頂面31aは、ピストン31の径方向に延びる第1の線分すなわちピストン中心線L1(クランクシャフト13の軸線X1と平行な線分)を対称軸として、左右対称形である。しかもこのピストン頂面31aは、ピストン中心線L1に対して直角な第2の線分L2を対称軸として対称形である。またこのピストン頂面31aは、図5に示すようにピストン31を正面から見て、ピストン中心軸C1を対称軸として対称形をなしている。
図6は、図4中のF6−F6線に沿うピストン31の断面図である。図6に示されるように、ピストン31にピン挿入孔93が形成されている。ピン挿入孔93にピストンピン50が挿入される。ピン挿入孔93は、ピストン中心軸C1に対してオフセット量Δ1だけオフセットした位置に形成されている。
ピストン頂面31aに第1キャビティ91と第2キャビティ92とが形成されている。第1キャビティ91は、ピストン31のスラスト側(ピストンピン50がオフセットしている側)に形成されている。第2キャビティ92は、反スラスト側(ピストンピン50がオフセットしている側とは反対側)に形成されている。
ピストン頂面31aには、ピストン中心線L1を対称軸として左右対称位置に、第1のリセス101と第2のリセス102とが形成されている。第1のリセス101と第2のリセス102とは、ピストン中心線L1を対称軸として対称形である。第1のリセス101は第1キャビティ91と同じ側に形成され、第1のリセス101の一部が第1キャビティ91に連なっている。第2のリセス102は第2キャビティ92と同じ側に形成され、第2のリセス102の一部が第2キャビティ92に連なっている。
図7は、図5中の矢印F7方向から見た側面図である。第1のリセス101は排気弁38と対応した位置に形成され、排気弁38がリフトした状態において排気弁38との干渉を避けることができる大きさを有している。第2のリセス102は吸気弁39と対応した位置に形成され、吸気弁39がリフトした状態において吸気弁39との干渉を避けることができる大きさを有している。この実施形態では1つの燃焼室40に排気弁38と吸気弁39がそれぞれ2つずつ設けられているため、第1のリセス101と第2のリセス102は、1つのピストン31ごとにそれぞれ2箇所ずつ形成されている。
またこのピストン31のピストン頂面31aには、第1キャビティ91と第2キャビティ92との間の境界部分、すなわち点火プラグ41(図2参照)と対向する位置に、稜線105を有する凸部106が形成されている。稜線105を有する凸部106は、点火プラグ41に向かって突き出ている。
第1キャビティ91と第2キャビティ92は、それぞれ稜線105に向かって滑らかな凹面を描いて湾曲する形状であり、凸部106の両側(ピストン31のスラスト側と反スラスト側)に、一対のウォールガイド(wall guide)110,111が形成されている。
第2のピストン32(図2に示す)は、第1のピストン31と同一形状である。すなわち第2のピストン32のピストン頂面32aには、第1のピストン31のピストン頂面31aと同様に、ピストン32のスラスト側に第1キャビティ91が形成され、反スラスト側に第2キャビティ92が形成されている。
またピストン頂面32aには、第1のピストン31のピストン頂面31aと同様に、第1キャビティ91と同じ側に第1のリセス101が形成され、第2キャビティ92と同じ側に第2のリセス102が形成されている。さらにピストン頂面32aには、第1のピストン31のピストン頂面31aと同様に、稜線105を有する凸部106が形成され、凸部106の両側(ピストン32のスラスト側と反スラスト側)にそれぞれウォールガイド110,111が形成されている。
第1のピストン31と第2のピストン32とは互いに同一形状である。第1のピストン31と第2のピストン32とは、それぞれ、ピストン中心軸C1,C2回りの位置に関して同じ向きとなるように、すなわち図2において第1のピストン31は第1キャビティ91が左側(スラスト側)となり、第2のピストン32も第1キャビティ91が左側(スラスト側)となるように、第1のピストン31と第2のピストン32とがそれぞれ第1のバンク11のシリンダボア21と第2のバンク12のシリンダボア22に収容される。よって第1のインジェクタ42は第1のピストン31の第2キャビティ92と対応し、第2のインジェクタ72は第2のピストン32の第1キャビティ91と対応する。
第1のインジェクタ42から噴射された燃料は、第1のピストン31が上死点に向かう圧縮工程において、第1のピストン31のウォールガイド111によって案内され、点火プラグ41の近傍に向かうことにより、点火プラグ41の電極の近傍にリッチな混合気が形成される。第2のインジェクタ72から噴射された燃料は、第2のピストン32が上死点に向かう圧縮工程において、第2のピストン32のウォールガイド110によって案内され、点火プラグ71の近傍に向かうことにより、点火プラグ71の電極の近傍にリッチな混合気が形成される。
本実施形態のエンジン10によれば、ピストンピンがオフセットしているピストンを用いるV型エンジンにおいて、左右のバンク11,12に共通形状のピストン31,32を使用でき、しかもピストン31,32のスラスト側にピストンピン50,80がオフセットしているため、ピストンスラップによる振動を抑制することができる。
また第1のピストン31は第1のインジェクタ42から噴射された燃料を第1の点火プラグ41に導くウォールガイド111を有し、第2のピストン32は第2のインジェクタ72から噴射された燃料を第2の点火プラグ71に導くウォールガイド110を有している。このため、直噴エンジンの特徴の1つである噴射時期の自由度を生かした触媒暖機運転に有効な混合気の流れを左右のバンク11,12内の燃焼室内に作り出すことができるものである。
図8は、第2の実施形態に係るピストン131,132を備えたエンジン10Aを示している。第2の実施形態のエンジン10Aに関して第1の実施形態のエンジン10と共通の部位には第1の実施形態と共通の符号を付して説明を省略し、異なる部分について以下に説明する。
図8に示されるように、左右のバンク11,12のシリンダボア21,22に、互いに共通形状の第1のピストン131と第2のピストン132とが収容されている。図9から図13は第1のピストン131を示している。このピストン131のピストン頂面131aに、左右対称形の第1キャビティ141と第2キャビティ142とが形成されている。第1キャビティ141はピストン131のスラスト側に形成されている。第2キャビティ142は反スラスト側に形成されている。第1キャビティ141は、平坦な底面150と、底面150の周囲から立ち上がる形状の内周壁151とを有している。第2キャビティ142も、平坦な底面160と、底面160の周囲から立ち上がる形状の内周壁161とを有している。
図10に示すように、ピストン頂面131aは、ピストン径方向に延びる第1の線分(ピストン中心線L1)を対称軸として左右対称形である。しかもこのピストン頂面131aは、ピストン中心線L1と直角な第2の線分L2を対称軸として対称形である。さらにこのピストン頂面131aは、図11に示すように、ピストン中心軸C1を対称軸として左右対称形である。
またピストン頂面131aには、第1キャビティ141と第2キャビティ142との間の境界部分で点火プラグ41(図8参照)と対応する位置に、ピストン頂面131aの径方向に沿う平坦な面部170を有する凸部171が形成されている。第1キャビティ141の内周壁151と、第2キャビティ142の内周壁161とは、それぞれ面部170に向かって滑らかに湾曲する形状となっていて、凸部171の両側(ピストン131のスラスト側と反スラスト側)にウォールガイド180,181が形成されている。
第2のピストン132(図8に示す)のピストン頂面132aには、第1のピストン131のピストン頂面131aと同様に、左右対称形の第1キャビティ141と第2キャビティ142とが形成されている。さらにピストン頂面132aには、第1のピストン131のピストン頂面131aと同様に、第1キャビティ141と第2キャビティ142との間の境界部分で点火プラグ71と対応する位置に、ピストン頂面131aの径方向に沿う面部170を有する凸部171(図9〜図13参照)が形成され、凸部171の両側(ピストン132のスラスト側と反スラスト側)にウォールガイド180,181が形成されている。
このように同一形状の第1のピストン131と第2のピストン132とが、それぞれ、ピストン中心軸C1,C2回りの位置が同じとなるように、第1のバンク11のシリンダボア21と第2のバンク12のシリンダボア22に収容される。すなわち図8に示されるように、一方のピストン(第1のピストン131)は、第2キャビティ142が第1のインジェクタ42側に位置する向きでシリンダボア21に収容される。他方のピストン(第2のピストン132)は、第1キャビティ141が第2のインジェクタ72側に位置する向きでシリンダボア22に収容される。
第1のインジェクタ42から噴射された燃料は、第1のピストン131が上死点に向かう圧縮工程において、第1のピストン131のウォールガイド181によって案内され、点火プラグ41の近傍に向かうことにより、点火プラグ41の電極の近傍にリッチな混合気が形成される。第2のインジェクタ72から噴射された燃料は、第2のピストン132が上死点に向かう圧縮工程において、第2のピストン132のウォールガイド180によって案内され、点火プラグ71の近傍に向かうことにより、点火プラグ71の電極の近傍に燃料リッチな混合気が形成される。
本実施形態のエンジン10Aも、第1のバンク11と第2のバンク12とで共通形状のピストン131,132を使用でき、かつ、各ピストン131,132のピストンピン50,80がスラスト側にオフセットしているため、ピストンスラップによる振動を抑制する効果を発揮できる。
しかも第1のピストン131は第1のインジェクタ42から噴射された燃料を第1の点火プラグ41に導くウォールガイド181を有し、第2のピストン132は第2のインジェクタ72から噴射された燃料を第2の点火プラグ71に導くウォールガイド180を有するため、直噴エンジンの特徴の1つである噴射時期の自由度を生かした触媒暖機運転に有効な混合気の流れを左右のバンク11,12内の燃焼室内に作り出すことができるものである。
しかも第2の実施形態のピストン131,132は、それぞれ、凸部171の先端に平坦な面部170を有しているため、凸部171の先端が点火プラグ41,71の高熱にさらされても、凸部171の先端付近の温度が極端に高くなることが抑制され、自己着火によるノッキングを抑制する上で有効な場合がある。
なお前記各実施形態はV型エンジンについて説明したが、本発明はこれに限ることはなく、例えば水平対向エンジンのようにバンク角が実質的に180°のエンジンに適用することもできる。またピストンピンがオフセットしていないエンジンに適用することも可能である。そして本発明を実施するに当たり、シリンダやピストンの具体的な形状や配置をはじめとして、吸気弁および排気弁の数や配置、ピストン頂面に形成される第1キャビティおよび第2キャビティ、ウォールガイド、リセス等の態様を適宜に変更して実施できることは言うまでもない。
10,10A…エンジン、11…第1のバンク、12…第2のバンク、13…クランクシャフト、21,22…シリンダボア、25…吸気系、31…第1のピストン、31a…ピストン頂面、32…第2のピストン、32a…ピストン頂面、38…吸気弁、39…排気弁、41…第1の点火プラグ、42…第1のインジェクタ、50…ピストンピン、68…吸気弁、69…排気弁、71…第2の点火プラグ、72…第2のインジェクタ、80…ピストンピン、91…第1キャビティ、92…第2キャビティ、101…第1のリセス、102…第2のリセス、105…稜線、106…凸部、110,111…ウォールガイド、131…第1のピストン、131a…ピストン頂面、132…第2のピストン、132a…ピストン頂面、141…第1キャビティ、142…第2キャビティ、170…面部、171…凸部、180,181…ウォールガイド、C1,C2…ピストン中心軸、L1…ピストン中心線、θ1…バンク角

Claims (4)

  1. 一方側に形成された第1のバンクと他方側に形成された第2のバンクとを有する複数気筒のエンジンであって、
    前記第1のバンクおよび前記第2のバンクにそれぞれ収容されるピストンを有し、
    前記各ピストンは、それぞれ、
    ピストン中心軸からスラスト側にオフセットした位置に配置されるピストンピンと、
    ピストン頂面に設けられ、前記ピストン中心軸を通りクランクシャフトの軸線と平行なピストン中心線を対称軸とする対称位置に、前記スラスト側に形成された第1キャビティと、反スラスト側に形成され前記第1キャビティと対称形の第2キャビティとを備え
    前記第1キャビティと前記第2キャビティとの間に、点火プラグと対応する位置に凸部を有し、該凸部が、前記第1キャビティの内周壁と前記第2キャビティの内周壁とに連なる平坦な面部を有したことを特徴とするエンジン。
  2. 前記凸部の両側で前記第1キャビティの底面と前記面部との間、および前記第2キャビティの底面と前記面部との間に、前記ピストン中心軸を対称軸とする対称形で、インジェクタから噴射された燃料を前記点火プラグに導くウォールガイドを有したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記ピストン頂面の排気弁および吸気弁と対応する位置に、前記ピストン中心線を対称軸とする対称形の第1のリセスおよび第2のリセスを有したことを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン。
  4. 前記第1のバンクと前記第2のバンクとの間に吸気系が配置されるV型エンジンにおいて、前記第1のバンクに収容される一方のピストンの前記第2キャビティと対応する位置に第1のインジェクタが配置され、前記第2のバンクに収容される他方のピストンの前記第1キャビティと対応する位置に第2のインジェクタが配置されたことを特徴とする請求項1からのうちいずれか1項に記載のエンジン。
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