JP6480274B2 - 回転工具、加工状態監視装置および工作機械 - Google Patents

回転工具、加工状態監視装置および工作機械 Download PDF

Info

Publication number
JP6480274B2
JP6480274B2 JP2015124873A JP2015124873A JP6480274B2 JP 6480274 B2 JP6480274 B2 JP 6480274B2 JP 2015124873 A JP2015124873 A JP 2015124873A JP 2015124873 A JP2015124873 A JP 2015124873A JP 6480274 B2 JP6480274 B2 JP 6480274B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotary tool
switch
centrifugal force
tool
monitoring device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015124873A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017007029A (ja
Inventor
靖 佐野
靖 佐野
顕二 西川
顕二 西川
後藤 紀昭
紀昭 後藤
尚 大内
尚 大内
裕輝 下川
裕輝 下川
真 岡田
真 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Original Assignee
Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi GE Nuclear Energy Ltd filed Critical Hitachi GE Nuclear Energy Ltd
Priority to JP2015124873A priority Critical patent/JP6480274B2/ja
Publication of JP2017007029A publication Critical patent/JP2017007029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6480274B2 publication Critical patent/JP6480274B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Milling Processes (AREA)
  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、回転工具を用いる工作機械の加工状態を監視する技術に関する。
特許文献1には、ノイズや受信信号のバラツキなどに妨げられず、切削工具から正確な信号を受けることができ、切削加工状態に適合した制御を迅速になしうる検出器付き工具ホルダが記載されている。
この特許文献1には、「切削工具の柄部の端面にはボルトによって本体の中空部内に取付けられたセンサー固定用台具にボルトによって固定されたセンサーが接している。センサーは中空部の奥に設けられた発信用基板にリード線により接続され、さらに該発信用基板は中空部最奥部に収容されたバッテリに接続している。本体の外周面に位置する発光ダイオードは発信用基板と接続していて切削工具から発するAE・振動・歪みなどの信号電流を受けて光信号を発する。」(実施例参照)と記載されている。
一方、特許文献2には、回転体の回転特性を変えるために構成部品の交換を行なうことなく、しかもリモートコントローラによる遠隔操作をすることもなく、コマ玩具内に設けたスイッチにより、回転中にその回転特性を変化させることができる回転体(コマ玩具)に関して記載されている。
この特許文献2には、「基板の上面と下面にはそれぞれ、回転によって発生する遠心力で作動するスイッチが配置されている。このスイッチは、遠心力が大きいときにはONし、遠心力の低下によりONからOFFになる第1のスイッチと、遠心力が大きいときにはOFFし、遠心力の低下によりOFFからONになる第2のスイッチとで構成され、第1のスイッチと第2のスイッチとは直列に接続されているので、上記モータは上記第1のスイッチと第2のスイッチとが同時にONしているときのみ回転するようになっている。」(段落[0016])と記載されている。また、スイッチ部構造については「第1のスイッチは、密巻バネとリン青銅などの弾性を有する接点板とで構成され、密巻バネの後端と接点板の後端とはそれぞれ基板上に先端同士が接触しない状態でハンダ付けによりプリントパターンに固定され、遠心力が大きくて密巻バネが外側に大きく撓んだ状態では先端が接点板に接触し、第1のスイッチはONになり、遠心力の低下で密巻バネの撓みが小さくなると密巻バネは接点板から離れ、第1のスイッチはOFFになるようになっているものである。」(段落[0017])と記載されている。
特開平2−116453号公報 特開2004−141415号公報
火力、水力ほかの発電所向け発電装置、及びこれに付帯する設備、もしくは、航空機部品の多くは大型の金属を成型したものである。近年、部品の最終形に近い形状まで、熱間・冷間鍛造するニアネットシェイプ鍛造の適用が進められているが、最終的な形状に仕上げるためには、依然として切削加工が用いられている。しかし、前記のように、加工対象が大型であるため、切削加工には1部品あたり、数十〜百数十時間以上必要となっているのが現状である。加工品質は加工状態、例えば加工中の異常な振動の有無、工具の変形などによる異音の有無などに依存するため、加工状態は常に監視する必要がある。大型金属成型品の加工は、長時間に渡る加工状態監視が必要であるが、現状では、人間が工作機械に常時立ち会って加工状態の監視を行っている。加工状態監視はなるべく無人化し、自動化されることが望ましい。
前記特許文献1には、センサー、発信用基板、及びバッテリー(電池)が内蔵された検出器付き工具ホルダが記載されている。しかし、工具ホルダ内に、電源を制御(ON/OFF動作)させる手段に関しては記載がない。そのため、センサーや発信用基板の電源は常時通電された状態となり、電池は常に消費される。加工が長時間に及ぶ場合は、加工途中で給電されなくなり、加工状態監視が継続できないという問題があった。
一方、回転工具を含む回転体の内部から電源のスイッチ動作を行う方法としては、前記特許文献2に示すように、回転体内部に遠心力スイッチを設けて、回転体の回転により自発的にスイッチ動作をさせる方法がある。
前記特許文献2は、第1のスイッチと第2のスイッチは、回転軸から回転体の外径部のある一点に向かって引かれた仮想の線上に、スイッチ同士のなす各角度がほぼ0度で取り付けられている。回転体の保持姿勢を様々にした場合、スイッチが同じ角度で取り付けられていると、バネが自重で撓み、想定しないスイッチ動作をしてしまう問題がある。
また、前記特許文献2には、第1のスイッチは回転が増して、遠心力が増したときにONする、いわゆるa接点であり、第2のスイッチは回転が低下して、遠心力が低下したときにOFFとなる、いわゆるb接点であると記載されている。このスイッチの組合せでは、ある回転数に一時的に到達した時点でのみ発信回路に給電される。回転工具が加工状態にある場合、常に状態を監視するには、ある一定の回転数以上になったら、常に遠心力スイッチの状態がONになっていなければならないが、前記特許文献2のスイッチの形態では、回転体の常時状態監視には適さない問題がある。
また、前記特許文献2には、第1、第2のスイッチとも、密巻バネと接点板とが接触したり、離れたりすることでON/OFF動作をするとの記載がある。密巻バネは回転体の回転力により、バネ自身が伸縮する。バネが伸縮して、バネの動作が定まらない状態になり、想定にないON/OFF動作をしてしまうなどの問題が発生する。バネ自体をスイッチの導電体に使用すると、スイッチ動作の信頼性が低下する問題が発生する。
本発明は、回転工具内に回転で発生する遠心力により電気回路を確実にON/OFFするスイッチを設けて、電池寿命を伸ばし、長時間の加工状態監視が可能な装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、回転工具内に、工作機械が回転工具に付与する回転に応じて電気回路を確実にON/OFFするスイッチを内蔵することにより、電池寿命を延長し、それにより長時間の加工状態監視を達成する。
本発明の回転工具の一例を挙げるならば、工作機械に搭載される回転工具であって、回転工具の状態を電気信号に変換するセンサーと、前記センサーの電気信号を受け取り、外部に信号を送信する電気回路と、前記電気回路に電源を供給する電池と、前記電池と前記電気回路間に接続され、遠心力でON/OFF動作を行う遠心力スイッチと、を備え、前記遠心力スイッチは、回転工具の中心軸の回りに、角度を変えて複数個の遠心力スイッチが配置され、当該複数個の遠心力スイッチが直列に接続されており、前記遠心力スイッチは、2つの電極と、遠心力で移動し、前記2つの電極間を導通させる球形状の導電体とから構成されており、前記遠心力スイッチの一方の電極の、前記導電体が摺動する方向の長さを、前記導電体が微振動する幅以上としたことを特徴とするものである。
また、本発明の加工状態監視装置の一例を挙げるならば、上記の回転工具と、前記回転工具から送信される前記センサーの信号を受信する受信機と、を備えるものである。
本発明によれば、回転工具内に回転により電気回路をON/OFFするスイッチを設けて、電池寿命を伸ばし、長時間の加工状態監視が可能な装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の1実施形態に係る回転工具の断面図。 本発明の回転工具が搭載された工作機械の加工状態監視装置の全様を示す概略側面図。 図1に示す遠心力スイッチとその周辺部分を拡大した断面図。 図1に示す遠心力スイッチを上面から見た時の概略構成図。 図1に示す遠心力スイッチ、電池、電気回路基板、センサー、センサーと電気回路基板間の電気信号のやり取りを行う配線の接続形態を示した概略図。 図2に示す回転工具が加工対象物に対して取り得る工具姿勢を示す概略図。 回転工具が傾斜もしくは水平姿勢にあるときの各スイッチの状態を示す概略図。 図5に示す電気回路基板内の接続形態を示したブロック図。 図2に示す回転工具で加工対象物に切削加工を行っている概略図と、切削加工時の加工対象物の振動グラフを示す図。 加工中に回転工具内の導電体が振動している状態を示す概略図。 図10に示す導電体及び電極部分を拡大した概略図。 切削加工時の加工時間と電気回路基板へ供給される電源電圧の関係を示す図。 実施例2の遠心力スイッチを上面から見た時の概略構成図。 3つのスイッチから構成される遠心力スイッチ、電池、電気回路基板、センサー、センサーと電気回路基板間の電気信号のやり取りを行う配線の接続形態を示した概略図。 実施例3の遠心力スイッチを上面から見た時の概略構成図。 4つのスイッチから構成される遠心力スイッチ、電池、電気回路基板、センサー、センサーと電気回路基板間の電気信号のやり取りを行う配線の接続形態を示した概略図。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、実施例を説明するための各図において、同一の機能を有する要素には同一の名称、符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
以下、本発明の実施例1を図1乃至図12に沿って説明する。
図2は、本発明の回転工具が搭載された工作機械の加工状態監視装置の全様を示す概略側面図である。図2の加工状態監視装置は、回転工具1に対して回転運動を与える主軸2と、金属などの加工対象物7が固定された可動式のテーブル8を備えた工作機械3と、回転工具1から発せられる各種センサーの電気信号を受信する受信機5と、受信機5で受信した信号をデータ化して、適切な制御信号に変換するコンピュータ6と、コンピュータ6から発せられた制御信号により工作機械3を制御する制御盤4から構成されている。
なお、受信機で受信した信号に基づいて、回転工具の状態を表示手段(図示せず)で表示するようにしても良い。
図1は、本発明の実施例1に係る回転工具1の断面図である。回転工具1の内部には、回転工具1の振動や変形等の状態を電気信号に変換するセンサー12と、センサー12の電気信号を受け取り、外部に信号を送信する電気回路基板11と、電気回路基板11とセンサー12を接続してセンサーの電源や、センサーと電気回路基板間の電気信号のやり取りを行う配線13が配置されている。電気回路基板11に電源を供給するための電池10と、電気回路基板11の間には、工作機械の主軸2の回転に応じてON/OFF動作を行う遠心力スイッチ9が設けられている。電池10と、遠心力スイッチ9は回転工具1のシャンク17部に取り付けられている。電気回路基板11と、センサー12は、回転工具1の外筒部16に取付けられている。電気回路基板11は、ベース材14を介して外筒部16に取り付けられている。センサー12は、回転工具1の振動や変形を感度良く検知するために、回転工具1の内部に接着剤で接着されている。回転工具1の先端には、加工対象物7に対して切削を行う切削工具15が取り付けられている。回転工具1は、工作機械の主軸2の工具取付け部18に、ドライブキー19を介して、取り付けられる。ドライブキー19は、工作機械の主軸回転動力を工具に伝えるのと同時に、工具の取付け位置を決めるために設けられている。回転工具1には、ドライブキー19と嵌合するためのキー溝が設けられている。本実施例の回転工具1は外筒部16の直径が80mmのものを用いた。
ここで、電気回路基板11で外部に送信する信号としては、電波に限らず、光信号や赤外線信号でも良い。また、LED等で光を発し、外部から視認できるものでも良い。
図3は、図1に示す遠心力スイッチ9と、その周辺部分を拡大した断面図である。遠心力スイッチ9は、スイッチ部カバー26と一体を成しているスイッチ中心軸24に取り付けられたバネ23と、バネ23に取り付けられた導電体20と、導電体20と常時接している電極22と、導電体20が遠心力により外側に移動した時に接する電極21と、スイッチを回転工具1に接合するベース25から構成されている。遠心力スイッチ9は、電池10と配線28で接続されている。また遠心力スイッチ9は、電気回路基板11と配線27で接続されている。遠心力スイッチ9は、回転工具1が主軸2の回転で発生する遠心力でONするノーマル・オープン接点とする。
本実施例では、主軸2の回転数が10min−1に達すると遠心力スイッチ9がON動作を開始するように、導電体20、バネ23について下記の通り設計して製作した。
導電体20は電極22の上を移動して、電極21に到達することでスイッチON状態となり、電極21から遠ざかることでスイッチOFF状態となる。電極22は板状であるので、電極22と面で接触する例えば立方体、直方体、円筒形状の導電体では、電極上での滑りが悪くなり、導電体が電極22上でロックされて、スイッチが誤動作する。そこで、電極22上で点接触して、スイッチ動作をスムーズ、且つ信頼性の高いものにするため、導電体20は球体を用いることが望ましい。導電体20は、電極21、20間にあって、両電極間を導通させる役割を果たすために金属製であることが望ましい。導電体20の表面には摺動性を向上させ、且つ導電性を付与する目的で表面処理を行なっても良い。表面処理方法としては、二硫化モリブデン粒子を拭きつける処理法などを用いることが出来る。
本実施例では、導電体20は、クローム鋼製の直径8mm、導電体1個の重量が3gのものを用いた。表面処理は行なっていないものを用いた。
バネ23としては、引張コイルバネを用いることが望ましい。バネ23の材質は硬鋼線、ピアノ線を用いることが出来る。本実施例においては材質が硬鋼で、線径0.3mm、バネの平均径6mm、収縮時の自由長18mm、バネ定数は0.02N/mmのものを用いた。
バネ23への導電体20の取り付けは、溶接により直接取り付けられていても良いし、導電体20に金属リングを溶接したものにバネ23の一端を取り付けたものを用いても良い。
電池10としては、電気回路基板11の駆動に必要な電圧を供給するのに十分な電圧が得られるものであれば、種類は問わないが、電気回路の動作電圧として一般的な3Vが供給可能で、大きさが小型なものとしてコイン型リチウム電池を用いることが望ましい。
図3には、電池10が2個設置されているが、もちろん1個設置した状態でも良い。2個以上電池を設置する場合は、それぞれの電池が並列接続となるように配線される。本実施例では、外径16mm、高さ1.6mmのコイン型リチウム電池を2個設置した。
図4は、遠心力スイッチ9を上面から見た時の概略構成図である。本実施例では、同構造のスイッチ29、30を2組設け、対向配置している。
図5は、遠心力スイッチ9、電池10、電気回路基板11、センサー12、センサー12と電気回路基板11間の電気信号のやり取りを行う配線13の接続形態を示した概略図である。
遠心力スイッチ9の一方のスイッチ29の片方の電極は、電池10のマイナス電極から伸ばされた配線23が接続されており、スイッチ29のもう一端の電極は、スイッチ30の片方の電極に接続されている。スイッチ30のもう一端の電極は、電気回路基板11のマイナス側の給電端子に接続されている。電池10のプラス電極から伸ばされた配線24は、電気回路基板11のプラス側の給電端子に接続されている。つまり、スイッチ29、30は直列に接続されており、スイッチ29とスイッチ30の両方がONの時のみ遠心力スイッチ9がONになるように配線されている。
図6は、回転工具1が加工対象物7に対して取り得る工具姿勢を示す図である。例えば、遠心力スイッチが回転工具内に1個だけ設けられていた場合、単なる工具移動時に、工具が傾斜もしくは水平の状態となると、回転工具1が回転していないにも関わらず、不意に電気回路基板がON状態になってしまい、不要に電池を消費してしまう。本実施例では、図6の傾斜もしくは水平の状態になっても、図7に示すようにスイッチ29はスイッチOFF状態、スイッチ30はON状態となるようにスイッチを2個設けた。この段階では遠心力スイッチ9の状態はOFF状態である。
また、2個のスイッチ29、30が、回転軸から回転体の外径部のある一点に向かって引かれた仮想の線上に、スイッチ同士のなす各角度がほぼ0度で取り付けられていると、図6の傾斜もしくは水平の状態になった場合、2個のスイッチの両方がONとなってしまい、想定しないスイッチ動作をしてしまう。そこで、2個のスイッチ29、30は互いに、ある角度の間隔を空けて設置されているのが良く、回転工具1の回転軸と、回転系の質量中心軸ズレによる不要な振動を引きこさない角度に設置されているのが良い。本実施例では2組のスイッチ29、30は角度180°の間隔を空けて設置した。
図8は、電気回路基板11の接続形態のブロック図である。電気回路基板11には、電圧生成回路31、マイクロコンピュータ32、電気信号の無線送信回路33が実装されている。遠心力スイッチ9がON動作となることで、電池10から給電されて、電気回路基板11は動作を開始する。
電気回路基板11の動作は、まず電圧生成回路31にて生成された電圧が、センサー12とマイクロコンピュータ32と、電気信号の無線送信回路33に供給される。その後、マイクロコンピュータ32は、予め定められた時刻毎にセンサー12から発せられる電気信号を受け取り、電気信号を通信配線34を通して無線送信回路33へ送る。電気信号の無線送信回路33は、回転工具1の外部に設置されている受信機5に向けて、予め定められた時刻毎に電気信号を送信する。
図9は、回転工具1で加工対象物7に対して、切削加工を行った時の時間と加速度(振動)の関係を示すものである。図9の右側のセンサ出力データは、加工対象物7側に加速度センサーを取り付けて測定したものである。図9に示す振動は、切削加工を行っている工具側でも同様に発生している。
図10は、加工中の遠心力スイッチ9の内部で導電体20が振動している状態を示す図である。図10に示すように、回転工具1の内部は強制的に振動させられ、導電体20は回転中、即ち加工中であるにも関わらず、微振動してスイッチのON状態を保持できなくなる。
図11は、図10の導電体20及び電極21、22部分を拡大した図である。図11に示すように、電極21をL字型として、電極の一端の長さ36、すなわち電極21の導電体が摺動する方向の長さ36を導電体20の微振動する幅35よりも長くすることで、ON状態を保持して、加工振動の影響を受けず、センサー12からの電気信号を送信し続けることが出来るようになる。微振動する幅35が最大となる条件は、本実施例においては、遠心力スイッチ9がON動作を開始する回転工具1の回転数である10min−1とした時であり、例えば回転工具1が回転中に最大で20m/sの加速度で振動したと仮定すると、微振動する幅35は10mmとなる。本実施例では、電極21の延長長さ36は、10mm以上である12mmとした。
図12は、切削加工時の加工時間と、電気回路基板11へ供給される電源電圧の関係を示す図である。
図12の太い実線の曲線で示すように、本実施例の遠心力スイッチ9を有する回転工具1では、例えば一部分の加工を終えて、回転工具1が別の加工場所に移動する際、回転工具1は回転を止め、遠心力スイッチ9がOFFとなるため、電気回路基板11への給電は中止される。それと同時に、電池10は電池10内部のイオン種の偏りが緩和されて電圧が徐々に回復する。別の加工場所に到着して、回転工具1が回転して加工が開始されると、電源電圧は、先ほど回転工具1が停止した直後よりも高い状態で給電を開始する。この動作の繰り返しを行うことで、高い電源電圧を長時間維持できるため、電池の寿命を延長できる。
本実施例の回転工具は、工作機械に搭載される回転工具であって、回転工具の状態を電気信号に変換するセンサーと、前記センサーの電気信号を受け取り、外部に信号を送信する電気回路と、前記電気回路に電源を供給する電池と、前記電池と前記電気回路間に接続され、遠心力でON/OFF動作を行う遠心力スイッチと、を備え、前記遠心力スイッチは、回転工具の中心軸の回りに、角度を変えて複数個の遠心力スイッチが配置され、当該複数個の遠心力スイッチが直列に接続されているものである。また、本実施例の加工状態監視装置は、上記の回転工具と、前記回転工具から送信される前記センサーの信号を受信する受信機と、を備えるものである。
本実施例によれば、回転工具内に回転によりON/OFFするスイッチを設けて、電気回路に電源を供給する電池をON/OFFするようにしたので、電池寿命を伸ばし、一連の加工を終了する予定時間まで電源電圧を維持して、センサーから発せられる電気信号を外部に送信し続けることができる。このことにより、正常な加工状態のみならず、異常な加工状態、例えば異常振動を回転工具で感知して電気信号を送信できるので、電気信号を受信しているコンピュータが、工作機械に停止動作をさせることが出来るようになる。或いは、異常な加工状態を示す電気信号を受信すると、表示手段に表示するようにしても良い。その結果、加工対象物の加工面荒れなどの異常を抑制し、正常な加工を行うことができる。
図13は、本発明の実施例2の遠心力スイッチを上面から見た時の概略構成図である。実施例2は、スイッチ38、39、40の3組を角度120°の間隔で設置したものである。
図14は、3つのスイッチから構成される遠心力スイッチ9、電池10、電気回路基板11、センサー12、センサー12と電気回路基板11間の電気信号のやり取りを行う配線13の接続形態を示した概略図である。遠心力スイッチ9のスイッチ38の片方の電極は、電池10のマイナス電極から伸ばされた配線23が接続されており、スイッチ38のもう一端の電極は、スイッチ39の片方の電極に接続されている。スイッチ39のもう一端の電極は、スイッチ40の片方の電極に接続されている。スイッチ40のもう一端の電極は、電気回路基板11のマイナス側の給電端子に接続されている。電池10のプラス電極から伸ばされた配線24は、電気回路基板11のプラス側の給電端子に接続されている。つまり、スイッチ38、39、40は直列に接続されており、スイッチ38とスイッチ39とスイッチ40の全てがONの時のみ遠心力スイッチ9がONになるように配線されている。
本実施例の遠心力スイッチ9を回転工具1内に取り付けた場合においても、実施例1と同様に、一連の加工を終了する予定時間まで電源電圧を維持できるので、センサー12から発せられる電気信号を外部に送信し続けられる。このことにより、正常な加工状態のみならず、異常な加工状態、例えば異常振動を回転工具1で感知して電気信号を送信できるので、電気信号を受信しているコンピュータが、工作機械3に停止動作をさせることが出来るようになる。或いは、異常な加工状態を示す電気信号を受信すると、表示手段に表示するようにしても良い。その結果、加工対象物7の加工面荒れなどの異常を抑制できる。
図15は、本発明の実施例3の遠心力スイッチを上面から見た時の概略構成図である。実施例3は、スイッチ41、42、43、44の4組を角度90°の間隔で設置したものである。
図16は、4つのスイッチから構成される遠心力スイッチ9、電池10、電気回路基板11、センサー12、センサー12と電気回路基板11間の電気信号のやり取りを行う配線13の接続形態を示した概略図である。遠心力スイッチ9のスイッチ41の片方の電極は、電池10のマイナス電極から伸ばされた配線23が接続されており、スイッチ41のもう一端の電極は、スイッチ42の片方の電極に接続されている。スイッチ42のもう一端の電極は、スイッチ43の片方の電極に接続されている。スイッチ43のもう一端の電極は、スイッチ44の片方の電極に接続されている。スイッチ44のもう一端の電極は、電気回路基板11のマイナス側の給電端子に接続されている。電池10のプラス電極から伸ばされた配線24は、電気回路基板11のプラス側の給電端子に接続されている。つまり、スイッチ41、42、43、44は直列に接続されており、スイッチ41とスイッチ42とスイッチ43とスイッチ44の全てがONの時のみ遠心力スイッチ9がONになるように配線されている。
本実施例の遠心力スイッチ9を回転工具1内に取り付けた場合においても、実施例1と同様に、一連の加工を終了する予定時間まで電源電圧を維持できるので、センサー12から発せられる電気信号を外部に送信し続けられる。このことにより、正常な加工状態のみならず、異常な加工状態、例えば異常振動を回転工具1で感知して電気信号を送信できるので、電気信号を受信しているコンピュータが、工作機械3に停止動作をさせることが出来るようになる。或いは、異常な加工状態を示す電気信号を受信すると、表示手段に表示するようにしても良い。その結果、加工対象物7の加工面荒れなどの異常を抑制できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…回転工具、2…主軸、3…工作機械、4…制御盤、5…受信機、6…コンピュータ、7…加工対象物、8…テーブル、9…遠心力スイッチ、10…電池、11…電気回路基板、12…センサー、13…センサーと電気回路基板間の電気信号のやり取りを行う配線、14…ベース材、15…切削工具、16…外筒部、17…シャンク部、18…工具取付け部、19…ドライブキー、20…導電体、21、22…電極、23…バネ23、24…スイッチ中心軸、25…ベース、26…スイッチ部カバー、27、28…配線、29、30…スイッチ、31…電圧生成回路、32…マイクロコンピュータ、33…電気信号の無線送信回路、34…通信配線、35…導電体が微動する幅、36…電極の延長長さ、38〜44…スイッチ

Claims (8)

  1. 工作機械に搭載される回転工具であって、
    回転工具の状態を電気信号に変換するセンサーと、
    前記センサーの電気信号を受け取り、外部に信号を送信する電気回路と、
    前記電気回路に電源を供給する電池と、
    前記電池と前記電気回路間に接続され、遠心力でON/OFF動作を行う遠心力スイッチと、を備え、
    前記遠心力スイッチは、回転工具の中心軸の回りに、角度を変えて複数個の遠心力スイッチが配置され、当該複数個の遠心力スイッチが直列に接続されており、
    前記遠心力スイッチは、2つの電極と、遠心力で移動し、前記2つの電極間を導通させる球形状の導電体とから構成されており、
    前記遠心力スイッチの一方の電極の、前記導電体が摺動する方向の長さを、前記導電体が微振動する幅以上としたことを特徴とする回転工具。
  2. 請求項1に記載の回転工具において、
    前記複数個の遠心力スイッチが、回転工具の中心軸の回りに、一定の角度の間隔を空けて配置されていることを特徴とする回転工具。
  3. 請求項1に記載の回転工具において、
    前記複数個の遠心力スイッチが、対向配置されていることを特徴とする回転工具。
  4. 請求項1〜の何れか1つに記載の回転工具と、
    前記回転工具から送信される前記センサーの信号を受信する受信機と、
    を備える加工状態監視装置。
  5. 請求項に記載の加工状態監視装置において、
    前記受信機で受信した信号に基づいて前記回転工具の状態を表示する表示手段を備える加工状態監視装置。
  6. 請求項に記載の加工状態監視装置において、
    前記受信機が異常な加工状態を示す信号を受信した場合に、前記回転工具を停止させる制御盤を備える加工状態監視装置。
  7. 請求項1〜の何れか1つに記載の回転工具を搭載した工作機械。
  8. 請求項の何れか1つに記載の加工状態監視装置を内蔵した工作機械。
JP2015124873A 2015-06-22 2015-06-22 回転工具、加工状態監視装置および工作機械 Active JP6480274B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015124873A JP6480274B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 回転工具、加工状態監視装置および工作機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015124873A JP6480274B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 回転工具、加工状態監視装置および工作機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017007029A JP2017007029A (ja) 2017-01-12
JP6480274B2 true JP6480274B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=57760436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015124873A Active JP6480274B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 回転工具、加工状態監視装置および工作機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6480274B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019124237A1 (ja) * 2017-12-21 2019-06-27 日立金属株式会社 圧延用ロールのオンライン亀裂検知装置、圧延用ロール、及び圧延用ロールのオンライン亀裂検知方法
CN109193867A (zh) * 2018-10-31 2019-01-11 歌尔科技有限公司 一种电能模组及电子设备
WO2021033670A1 (ja) * 2019-08-19 2021-02-25 株式会社山本金属製作所 分割式ツールホルダユニット

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56132723A (en) * 1980-03-19 1981-10-17 Hitachi Ltd Governor
JP3105537B2 (ja) * 1990-11-30 2000-11-06 日立建機株式会社 回転工具の異常予知装置及びその方法
JPH0631597A (ja) * 1992-07-20 1994-02-08 Hitachi Constr Mach Co Ltd 回転工具ホルダ用の回路スイッチ
JPH1125825A (ja) * 1997-07-04 1999-01-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 遠心スイッチ
US6755107B2 (en) * 2001-05-18 2004-06-29 One World Technologies Lmt. Miter saw having a light beam alignment system
DE102004051145C5 (de) * 2004-10-20 2021-03-18 Marposs Monitoring Solutions Gmbh Sensorsystem für eine spanabhebende Werkzeugmaschine und spanabhebende Werkzeugmaschine mit einem Sensorsystem

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017007029A (ja) 2017-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6480274B2 (ja) 回転工具、加工状態監視装置および工作機械
US20200390228A1 (en) Personal care device with high pressure indicator
US8887582B2 (en) Piezoelectric vibration type force sensor and robot apparatus
JP6295156B2 (ja) 往復動工具
US8276489B2 (en) Spindle apparatus
JP7036297B1 (ja) 切削工具、工具システムおよび通信制御方法
US7546690B2 (en) Probe system and method for operating a probe system
JP2009524459A (ja) 電動歯ブラシ
CN102361718A (zh) 切削刀具调整系统
JP2008171403A (ja) 無線出力センサ、近接センサ、加工装置、および制御システム
WO2016129131A1 (ja) ワイヤレスセンサ、これを用いた監視システム及び監視方法
SE536421C2 (sv) Transporterbart skruvverktyg med integrerat brytarelement
JP4658829B2 (ja) スピンドルモータ及び穿孔加工装置
JP2011242390A (ja) エネルギーを採収するシステム及び装置
US10493792B2 (en) Processing apparatus and cartridge
CN107420331B (zh) 摇头风扇
CN105702512B (zh) 万向组合开关及万向控制器
JPWO2018169006A1 (ja) ステージ装置及び複合ステージの制御装置
JP2019047533A (ja) 工具
JP2018180992A (ja) センシング装置、及びセンシングシステム
US20150266198A1 (en) Cutting Head for an Ultrasonic Cutting Device
JP2017216775A (ja) 発電装置及び電子装置
US6984999B2 (en) Probe system and method for operating a probe system
WO2023054444A1 (ja) 電池パック及び電気機器
CN112692909B (zh) 主轴电能及信号传输装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181012

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6480274

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150