JP6479378B2 - ダンパー付き耐力壁 - Google Patents

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この発明は、鉄骨系等の住宅やその他の建物の耐力壁となり、地震などにより加わるエネルギーを吸収する機能を備えたダンパー付き耐力壁に関する。
従来、図13(A)のように、鉄骨系建物のダンパー付き耐力壁120として、隣合う柱121,121の間に斜材124を設け、この斜材124の上端を一方の柱121に接合し、下端を他方の柱121にダンパー127を介して接合したものがある(例えば、特許文献1)。
柱121の建ち調整、すなわち柱121が施工時等の誤差で壁幅方向に生じる傾きの調整は、斜材124の上部にライナー(図示せず)を入れて行っている。斜材124の上端と柱121との接合は、柱121の上部に設けられたブラケット125に接合金物126をボルト接合することで行われる。このボルト接合は、引っ張り接合形式となる。これらブラケット125と接合金物126間に前記ライナーを介在させる。
特開2014−62367号公報 特開2000−73446号公報 特開2010−255203号公報
図13(B),(C)のように、前記斜材の上部でのライナーの介在による建ち調整は、柱高さが3m程度となる場合があり、脚立130上に作業者131が乗って行う高所での作業となる。そのため、危険で煩雑な作業となる。
斜材124の下部でもライナーを入れる建ち調整は可能であるが、ダンパー127が介在するため、ボルト接合部がせん断方向の接合となる。そのため、通常の中ボルトではボルト接合部で滑りが生じ、堅固な接合が行えなくて、構造上で不利となる。高力ボルトを用いると、せん断方向の接合であっても堅固な接合が行えるが、高力ボルトは高価であるため、住宅等の建物ではコスト高になる。
この発明の目的は、柱等の垂直部材に対して斜材に滑りが生じるせん断方向の接合とならずに引っ張り接合形式で接合でき、かつ建ち調整を低位置で安全かつ容易に行うことができるダンパー付き耐力壁を提供することである。
この発明のダンパー付き耐力壁は、互いに離れた一対の垂直部材と、これら一対の柱における一方の垂直部材に上端が接合された斜材と、他方の垂直部材の下部ないし中間高さ部分から突出するダンパーと、このダンパーの突出端から立ち上がる立部材と、この立部材の上端に設けられて上面が前記斜材の軸心に対して垂直となる傾き姿勢のダンパー側接合部材と、前記斜材の下端に下面が前記斜材の軸心に対して垂直となる傾き姿勢に設けられて下面が前記ダンパー側接合板部材の上面に直接にまたはライナーを介して重なる斜材側接合部材と、前記ダンパー側接合部材と前記斜材側接合部材とに亘り前記斜材の軸心に沿う方向に挿通されて前記斜材側接合部材とダンパー側接合部材とを相互に引っ張り接合形式で接合するボルトとを備えることを基本構成とする。
この構成の耐力壁によると、斜材の下端と垂直部材との間にダンパーが介在するため、地震などにより加わるエネルギーを吸収する機能を備える。ダンパーと斜材との接合は、ダンパーから立ち上がる立部材の上端に設けられたダンパー側接合部材と斜材の下端に設けられた斜材側接合部材とのボルト接合で行われ、また前記ダンパー側接合部材および斜材側接合部材はいずれも互いの接合面が斜材の軸心に対して垂直となる傾き姿勢であるため、滑りが生じず、引っ張り接合形式となる。引っ張り接合形式であり滑りが生じないため、前記ボルトに中ボルトを用いても堅固な接合が行える。また、前記ダンパー側接合部材と斜材側接合部材との間にライナーを介在させることで、垂直部材の建ち調整が行える。ダンパーを備えるが、斜材の下部での建ち調整となるため、脚立等が不要な下位置での作業となって、安全に、かつ能率良く建ち調整が行える。
また、垂直部材から壁幅方向の内側に突出するダンパーの突出端から立部材が立ち上がり、この立部材上端に設けられたダンパー側接合部材に斜材の下端を接合するため、直接斜材がダンパーに接合されるよりも、垂直部材芯と斜材芯との交点位置が高くなる。このため、ベースプレート面で垂直部材芯と斜材芯がずれることを回避する設計が可能になる。具体的にはベースプレート面に前記交点位置を位置させることができる。なお、ここで言うベースプレート面は、通常はベースプレートの下面とするが、建物の設計の都合などから、ベースプレートの上面とする場合もあり、さらに柱脚等の垂直部材の脚部の高さ範囲内の特定箇所をベースプレート面と称する場合がある。
この発明のダンパー付き耐力壁において、前記ダンパー側接合部材および前記斜材側接合部材はいずれも板材であっても良い。前記各接合部材が板材であると、構成が簡素でかつボルトの挿通も行い易い。
この発明のダンパー付き耐力壁は前記基本構成に加えて、前記ダンパー側接合部材が、前記立部材の上端面に接合されて前記他方の垂直部材側へ延出し、前記斜材側接合部材が前記斜材の下端に接合されて前記他方の垂直部材から遠ざかる方向に延出し、前記ダンパー側接合部材の前記立部材から延出する部分に前記斜材の下端が位置するように前記斜材側接合部材が前記ダンパー側接合部材に重なり、前記斜材の断面の前記斜材の軸心方向の投影面内に前記ボルトが位置するようにされる
前述のように、垂直部材から壁幅方向の内側に突出するダンパーの突出端から立部材が立ち上がり、この立部材上端に設けられたダンパー側接合部材に斜材の下端を接合することでも垂直部材芯と斜材芯との交点位置が高くなるが、前記ダンパー側接合部材が、前記ダンパーの突出する垂直部材側へ延出し、この延出する部分に前記斜材の下端を位置させることで、垂直部材芯と斜材芯との交点位置との交点位置がより高くなる。そのため、ベースプレート面で垂直部材芯と斜材芯がずれることの回避がより一層容易となる。また、斜材の断面の投影面内に前記ボルトを位置させることで、投影面の外側にボルトを位置させる場合に比べてコンパクト化が図れ、かつ上記のようにダンパー側接合部材が垂直部材側へ延出し、この延出した箇所でダンパー側接合部材と斜材側接合部材とがボルト接合されることになるため、ボルト締め用の工具がダンパーや立部材とできるだけ干渉しないようにしてボルト締め作業を行うことができ、ボルト締め作業が容易になる。
この発明において、前記ボルトは、前記ダンパー側接合部材に設けられたボルト挿通孔に挿通され、前記斜材側接合部材に設けられたねじ孔に螺合するようにしても良い。
このように斜材側接合部材にねじ孔を設けて前記ボルト接合する場合、ナットが不要で構成が簡単になる。斜材側接合部材側をねじ孔とするので、ダンパー側接合部材にねじ孔を設ける場合と異なり、ボルトのねじ込み作業に斜材が干渉せず、作業性が良い。
また、前記斜材が角形パイプ等の閉鎖断面の部材からなる場合、斜材の下端開口が斜材側接合部材で閉鎖されるのを防ぐために、斜材側接合部材における斜材軸心近傍に水抜き孔を設ける必要があるが、この水抜き孔にタップを立てることで斜材側接合部材に前記ねじ孔を設けることができ、このねじ孔を水抜き孔に兼用できる。
この発明のダンパー付き耐力壁において、前記ダンパーは、対向配置された一対の平行板部と、これら一対の平行板部を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部と、前記一対の平行板部に、これら平行板部の耐力壁幅方向の同じ側の端同士がそれぞれ結合された垂直部材接合用および斜材接合用の垂直材とを備え、前記ウェブ部が、前記平行板部に対して前記耐力壁の壁面の出入り方向に傾斜を成す一つまたは複数の傾斜板部により構成され、前記垂直部材接合用の垂直材で前記一方の垂直部材に接合され、前記斜材接合用の垂直材が、前記立部材となるか、または前記立部材を接合する部材となるものであっても良い。
この構成の場合、ウェブ部が壁面に対する出入り方向の傾斜部分を有する板状であるため、地震などにより建物に壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に曲げ成分が加わり、安定したエネルギー吸収と大きな変形能力が得られる。また、前記構成における一対の垂直材のうち、前記斜材接合用の垂直材が、前記立部材となるか、または前記立部材を接合する部材となるため、構成が簡素化される。
この発明のダンパー付き耐力壁は、互いに離れた一対の垂直部材と、これら一対の垂直部材における一方の垂直部材に上端が接合された斜材と、他方の垂直部材の下部ないし中間高さ部分から壁幅方向の内側に突出するダンパーと、このダンパーの突出端から立ち上がる立部材と、この立部材の上端に設けられて上面が前記斜材の軸心に対して垂直となる傾き姿勢のダンパー側接合部材と、前記斜材の下端に下面が前記斜材の軸心に対して垂直となる傾き姿勢に設けられて下面が前記ダンパー側接合板部材の上面に直接にまたはライナーを介して重なる斜材側接合部材と、前記ダンパー側接合部材と前記斜材側接合部材とに亘り前記斜材の軸心に沿う方向に挿通されて前記斜材側接合部材とダンパー側接合部材とを相互に引っ張り接合形式で接合するボルトとを備え、前記ダンパー側接合部材が、前記立部材の上端面に接合されて前記他方の垂直部材側へ延出し、前記斜材側接合部材が前記斜材の下端に接合されて前記他方の垂直部材から遠ざかる方向に延出し、前記ダンパー側接合部材の前記立部材から延出する部分に前記斜材の下端が位置するように前記斜材側接合部材が前記ダンパー側接合部材に重なり、前記斜材の断面の前記斜材の軸心方向の投影面内に前記ボルトが位置するため、垂直部材に対して斜材を滑り接合とならずに引っ張り結合形式で接合でき、かつ、建ち調整を低位置で安全かつ容易に行うことができる。
(A)はこの発明の一実施形態に係るダンパー付き耐力壁の正面図、(B)はその側面図である。 同耐力壁のダンパー付きの斜材の左側面図、正面図、右側面図、およびそのダンパー部分の下面図である。 (A)は同ダンパー部分の拡大正面図、(B)は(A)を矢印Aの方向から見た平面図である。 同ダンパー部分の拡大左側面図、右側面図、および下面図である。 同ダンパー部分の分解正面図である。 ダンパーの斜視図である。 同ダンパーの断面図である。 ダンパーの変形例の側面図である。 ダンパーと斜材との間にライナーを介在させた状態を示す正面図である。 ダンパーを接合する柱の柱脚付近を示す正面図、側面図、および破断平面図である。 この発明の他の実施形態に係るダンパー付き耐力壁の側面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るダンパー付き耐力壁の側面図である。 従来例の説明図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図10と共に説明する。このダンパー付き耐力壁20は、互いに離れた一対の柱21,21と、これら一対の柱21,21における一方の柱21に上端が接合された斜材24と、他方の柱21の下部から壁幅方向の内側に突出するダンパー1とを備える。前記柱21は、請求項で言う「垂直部材」である。斜材24の上端は、一方の柱21の上部に設けられたブラケット25に接合金物26を介して接合される。ダンパー1は、地震などにより加わるエネルギーを吸収する部材である。一対の柱21,21の上端間は、梁23によって接合される。柱21の下端は、例えば図1のように、その下端に設けられたベースプレート27を介して、基礎100の天端面にアンカーボルト(図示せず)で接合される。ベースプレート27は、図示の例では、柱21の下面に接合されたH形鋼の切片の下フランジからなる。この耐力壁20は、例えば戸建て住宅の耐力壁であって、鉄骨のフレームからなる。
各柱21、梁23、および斜材24は、いずれも角形パイプまたはその他の形鋼等の鋼材からなる。斜材24の上端の接合金物26は、例えばH形鋼の切片からなり、片方のフランジが斜材24の上端面に溶接等で接合されていて、もう片方のフランジが、柱21に設けられたブラケット25に重ねられボルト接合される。
図6に拡大して示すように、ダンパー1は、互いに上下に位置して平行に対向配置された一対の平行板部2,2と、これら一対の平行板部2,2を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部3と、前記一対の平行板部2,2に、これら平行板部2,2の耐力壁幅方向の同じ側の端同士がそれぞれ結合された柱接合用および斜材接合用の垂直材4,5とを備える。前記一対の平行板部2,2および柱接合用の垂直材4は、帯鋼等の平板状の鋼板からなる。平行板部2,2とウェブ部3、および平行板部2,2と垂直材4,5とは、隅肉溶接等の溶接により接合される。
ダンパー1のウェブ部3は、前記平行板部2,2に対して耐力壁20の壁面の出入り方向に傾斜を成す傾斜板部13A,13Bにより構成される。この例では、ウェブ部3が断面山形とされ、その一部が耐力壁20の壁面に対して所定角度の傾斜を成し、ウェブ部3の他の一部が前記壁面に対して前記傾斜角度と異なる角度の傾斜を成すように断面山形とされている。ウェブ部3を断面山形とするため、この実施形態では、2枚の帯鋼等の平板状の鋼板を前記傾斜板部13A,13Bとして用い、これらを図7のように互いに隅肉溶接等の溶接部により接合してウェブ部3が構成される。これにより、ダンパー1の全体の断面は横向きのM字形とされる。すなわち、ウェブ部3の上側部分となる傾斜板部13Aは壁面に対して下向きに傾斜し、ウェブ部3の下側分部となる傾斜板分13Bは壁面に対して上向きに傾斜した姿勢となる。
ダンパー1のウェブ部3の他の例として、図8のように1つの山形鋼13Cを用い、これにより2つの傾斜板部13A,13Bを有する構成としても良い。また、前記ウェブ部3は、2つの傾斜板部13A,13Bにより構成されるものに限らず、1つの傾斜板部のみで構成されていても良い。
このダンパー1は、前記柱接合用の垂直材4で前記他方の柱21に接合される。前記斜材接合用の垂直材5は、他方の柱21から壁幅方向の内側に突出する突出端から立ち上がる立部材となる。この立部材となる垂直材5は、角パイプ等で構成されている。なお、立部材を別に設け、前記斜材接合用の垂直材5が前記立部材を接合する部材となるように板材等で構成しても良い。
柱接合用の垂直材4は、上記のように平板状の鋼板からなり、ボルト挿通孔18を有していて、図1のように柱21の斜材配置側の側面に重ねられ、前記ボルト挿通孔18に挿通されたボルト(図示せず)により柱21に接合される。具体的には、例えば図10のように、タップが切られたねじ孔28の開いたプレート29を柱21の側面に溶接しておき、そのプレート29に前記垂直材4を重ねて前記ねじ孔29にボルトをねじ込むことにより、ダンパー1を柱21に接合する。
図3のように、ダンパー1の突出端から立ち上がる立部材となる前記斜材接合用の垂直材5の上端には、上面が前記斜材24の軸心に対して垂直となる傾き姿勢のダンパー側接合部材6が設けられる。このダンパー側接合部材6は板材からなる。また、前記斜材24の下端には、下面が斜材24の軸心に対して垂直となる傾き姿勢となって、その下面が前記ダンパー側接合部材6の上面に直接にまたはライナー30(図9)を介して重なる斜材側接合部材7が設けられる。この斜材側接合部材7も板材からなる。
前記ダンパー側接合部材6は、ダンパー1における前記突出端から立ち上がる立部材となる前記斜材接合用の垂直材5の上端面に接合されて前記他方の柱21側へ延出する。また、前記斜材側接合部材7は、前記斜材24の下端に接合されて、前記他方の柱21から遠ざかる方向に延出する。前記斜材側接合部材7は、前記ダンパー側接合部材6の前記垂直材5側から延出する部分に前記斜材24の下端が位置するように、前記ダンパー側接合部材6に重なる。前記ダンパー側接合部材6と前記斜材側接合部材7をこのように構成することにより、ダンパー1、およびダンパー1と斜材24との接合部を耐力壁20の壁厚内に納めることができる。ダンパー側接合部材6における前記延出部分の下面と前記斜材接合用の垂直材5の側面とは、互いに平行な一対のガセットプレート8で接合して補強されている。また、斜材側接合部材7における前記延出部分の上面と前記斜材24の側面とは、互いに平行な一対のガセットプレート9で接合して補強されている。
前記ダンパー側接合部材6と前記斜材側接合部材7とは、前記重なり状態で、これら両接合部材6,7とに亘り前記斜材24の軸心に沿う方向に挿通されるボルト10,11によって、相互に引っ張り接合形式で接合される。この重なり状態で、斜材24の断面の斜材24の軸心方向の投影面内に前記ボルト10が位置する。
前記ボルト10,11のうち、斜材24の軸心近傍に配置されるボルト10は、ダンパー側接合部材6に設けられたボルト挿通孔14に挿通され、斜材側接合部材7に設けられたねじ孔15に螺合する。斜材24が角形パイプからなる場合、斜材24の下端開口が斜材側接合部材7で閉鎖されるのを防ぐために、斜材側接合部材7における斜材軸心近傍に水抜き孔を設ける必要があるが、この水抜き孔にタップを立てることで前記ねじ孔15を設けることができ、このねじ孔15を水抜き孔に兼用できる。また、前記ボルト10,11のうち、垂直材5の軸心近傍に配置されるボルト11は、斜材側接合部材7に設けられたボルト挿通孔16に挿通され、ダンパー側接合部材6に設けられたねじ孔17に螺合する。
この構成のダンパー付き耐力壁20によると、斜材24の下端と柱21との間にダンパー1が介在するため、地震などにより加わるエネルギーを吸収する機能を備える。ダンパー1と斜材24との接合は、ダンパー1から立ち上がる立部材である垂直材5の上端に設けられたダンパー側接合部材6と斜材24の下端に設けられた斜材側接合部材7とのボルト接合で行われ、また前記ダンパー側接合部材6および斜材側接合部材7はいずれも互いの接合面が斜材24の軸心に対して垂直となる傾き姿勢である。そのため、ボルト10の接合は滑りを生じない引っ張り接合形式となる。このように引っ張り接合形式であり滑りが生じないため、前記ボルト10に通常の中ボルト等のボルトを用いても堅固な接合が行える。また、ダンパー1を備えるが、ダンパー側接合部材6と斜材側接合部材7との間に図9のようにライナー30を介在させることで柱21,21の建ち調整が行える。斜材24の下部での建ち調整となるため、脚立等が不要な下位置での作業となって、安全に、かつ能率良く建ち調整が行える。
前記ダンパー側接合部材6および前記斜材側接合部材7はいずれも板材であるため、構成が簡素でかつボルトの挿通も行い易い。また、前述のように、他方の柱21から壁幅方向の内側に突出するダンパー1の突出端から立部材5が立ち上がり、この立部材5の上端に設けられたダンパー側接合部材6に斜材24の下端を接合するため、柱芯と斜材芯との交点位置Pが高くなる。しかも、ダンパー側接合部材6が、ダンパー1の突出する柱21側へ延出し、この延出する部分に斜材24の下端を位置させるため、柱芯と斜材芯との交点位置Pがより高くなる。そのため、ベースプレート面で柱芯と斜材芯がずれることの回避がより一層容易となる。具体的にはベースプレート面に前記交点位置Pを位置させることができる。また、斜材24の断面の投影面内に前記ボルト10を位置させることで、投影面の外側にボルトを位置させる場合に比べてコンパクト化が図れ、かつ上記のようにダンパー側接合部材6が柱21側へ延出し、この延出した箇所でダンパー側接合部材6と斜材側接合部材7とがボルト接合されることになるため、ボルト締め用の工具をダンパー1や立部材となる垂直材5にできるだけ干渉させずにボルト締め作業を行うことができ、ボルト締め作業が容易になる。
斜材側接合部材7にねじ孔15を設けてボルト接合するため、ナットが不要で構成が簡単になる。斜材側接合部材7側をねじ孔とするので、ダンパー側接合部材6にねじ孔を設ける場合と異なり、ボルト10のねじ込み作業に斜材が干渉せず、作業性が良い。
前記ダンパー1は、この実施形態では、ウェブ部が壁面に対する出入り方向の傾斜部分を有する板状であるため、地震などにより建物に壁面に沿う水平方向の繰り返し荷重を受けたときに、せん断変形に曲げ成分が加わり、安定したエネルギー吸収と大きな変形能力が得られる。また、ダンパー1の一対の垂直材4,5のうち、斜材接合用の垂直材5が、ダンパー側接合部材6を上位置に設けるための立部材を兼用するため、構成が簡素化される。
なお、上記実施形態では、ダンパー1は柱21の下端に設けたが、ダンパー1は柱21の中間高さ部分に設けても良い。
また、上記実施形態では請求項で言う「垂直部材」が柱である場合につき説明したが、
請求項で言う「垂直部材」は、柱に限られるものではなく、図11または図12に示すような束状の接合金物21Aであっても良い。これら図11、図12の例では、柱が1本または零本の耐力壁である。
1…ダンパー
2…平行板部
3…ウェブ部
4…柱接合用の垂直材
5…斜材接合用の垂直材(立部材)
6…ダンパー側接合部材
7…斜材側接合部材
10,11…ボルト
13A,13B…傾斜板部
14,16…ボルト挿通孔
15,17…ねじ孔
21…柱(垂直部材)
21A…接合金物(垂直部材)
30…ライナー

Claims (4)

  1. 互いに離れた一対の垂直部材と、これら一対の垂直部材における一方の垂直部材に上端が接合された斜材と、他方の垂直部材の下部ないし中間高さ部分から壁幅方向の内側に突出するダンパーと、このダンパーの突出端から立ち上がる立部材と、この立部材の上端に設けられて上面が前記斜材の軸心に対して垂直となる傾き姿勢のダンパー側接合部材と、前記斜材の下端に下面が前記斜材の軸心に対して垂直となる傾き姿勢に設けられて下面が前記ダンパー側接合板部材の上面に直接にまたはライナーを介して重なる斜材側接合部材と、前記ダンパー側接合部材と前記斜材側接合部材とに亘り前記斜材の軸心に沿う方向に挿通されて前記斜材側接合部材とダンパー側接合部材とを相互に引っ張り接合形式で接合するボルトとを備え、
    前記ダンパー側接合部材が、前記立部材の上端面に接合されて前記他方の垂直部材側へ延出し、前記斜材側接合部材が前記斜材の下端に接合されて前記他方の垂直部材から遠ざかる方向に延出し、前記ダンパー側接合部材の前記立部材から延出する部分に前記斜材の下端が位置するように前記斜材側接合部材が前記ダンパー側接合部材に重なり、前記斜材の断面の前記斜材の軸心方向の投影面内に前記ボルトが位置するダンパー付き耐力壁。
  2. 請求項1に記載のダンパー付き耐力壁において、前記ダンパー側接合部材および前記斜材側接合部材がいずれも板材であるダンパー付き耐力壁。
  3. 請求項1または請求項2に記載のダンパー付き耐力壁において、前記ボルトは、前記ダンパー側接合部材に設けられたボルト挿通孔に挿通され、前記斜材側接合部材に設けられたねじ孔に螺合するダンパー付き耐力壁。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のダンパー付き耐力壁において、前記ダンパーは、対向配置された一対の平行板部と、これら一対の平行板部を連結したエネルギー吸収用の板状のウェブ部と、前記一対の平行板部に、これら平行板部の耐力壁幅方向の同じ側の端同士がそれぞれ結合された垂直部材接合用および斜材接合用の垂直材とを備え、前記ウェブ部が、前記平行板部に対して前記耐力壁の壁面の出入り方向に傾斜を成す一つまたは複数の傾斜板部により構成され、前記垂直部材接合用の垂直材で前記一方の垂直部材に接合され、前記斜材接合用の垂直材が、前記立部材となるか、または前記立部材を接合する部材となるダンパー付き耐力壁。
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