JP6478364B2 - 被覆グラファイト部材及びこれと保持手段とのアセンブリ - Google Patents

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Description

本発明は、熱分解窒化ホウ素(PBN)、熱分解黒鉛(PG)、炭化ケイ素(SiC)、炭化タンタル(TaC)などがコーティング(被覆)された被覆グラファイト部材及びこれと保持手段とのアセンブリに関するものである。
PBN、PG、SiC、TaCなどがコーティングされたグラファイト材は、グラファイトのみでは得られない特性を有するため、用途に応じて各種部材に用いられている。特に、PBNをコーティングしたグラファイト材は、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性、耐放射線性、熱伝導性等に優れ、さらにグラファイトのみでは得られない電気絶縁性を有するため、炭素を嫌う系に用いる治具や部材の材料として有利である。
また、PBNは、化学蒸着(CVD)法で合成されるため、このPBN単体を材料として用いる場合は形状的な制限が大きいが、一方で、PBNを被覆したグラファイト材は、加工したグラファイトにPBNをコーティングするため、自由に形状を付与することができるので、短時間でPBNの特性を有する複雑な形状の治具や部材を得ることができる。
したがって、PBNを被覆したグラファイト材は、その適応範囲は広く、多種多用な部材に利用可能である。例えば、ウエハートレー、蒸着原料溶融ルツボ、ヒーター、反応容器、熱シールド部材、結晶引上げ用ルツボなどの材料として用いることができる。また、高温NHに対して優れた耐食性を示すことから、GaN単結晶の育成用ルツボや、GaNエピタキシャル膜成長装置用の治具などにも使用されている。
ところで、PBN、PG、SiC、TaCなどがコーティングされたグラファイト材は、グラファイトのみでは適用できないような治具や部材の材料として用いられているため、基材のグラファイトが露出することは好ましくないとされてきた。そのため、PBN、PG、SiC、TaCなどの被覆材をグラファイト基材の全面にコーティングするのが通常である。しかしながら、全面にグラファイト基材をコーティングするためには、1回のコーティングでは基材を支持している箇所がコーティングされないために、1回目のコーティング後に基材の支持箇所をずらして、2回目のコーティングを行う必要がある。これは、1回のコーティングに比べて2倍のコストを要するために経済的でないという問題がある。
そこで、1回のコーティングで基材の全面を被覆するために、特許文献1には、基材に設けられた貫通孔の直径よりも小さな断面積を有する回転支持杆に懸架し、反応過程を通じて基材の支持接点を連続的に移動させるコーティング方法が提案されている。しかしながら、この方法では、中央部に貫通穴を有する形状のものにしか適用できないという問題がある。
また、特許文献2には、基材の一部にSiC板を嵌着または貼着し、このSiC板を支持部にすることによって、1回のコーティングで基材の全面にSiCを被覆する方法が開示されている。しかしながら、この方法でも、SiC板を嵌着または貼着するために余分のコストを要する上に、嵌着または貼着した箇所を起点に被覆膜が剥がれてくる可能性があるという問題がある。
さらに、PBN、PG、SiC、TaCなどの被覆グラファイト材は、物性の異なる材料を組み合わせるために、その欠点として、高温度域や低温度域では、熱膨張係数の違いから、被覆膜の剥離が起こり易いことが指摘されている。この問題に対して、特許文献3には、グラファイト材をプラズマおよび/または反応性ガスで表面処理した後に、CVD法によりPBNの被覆膜を形成する試みが記載されている。しかしながら、この被覆グラファイト材でも、ある程度の改善はなされるものの、依然として被覆膜の剥離が起こり得るという問題がある。
特開昭63−134663 特開2000−129444 特開昭62−207786
本発明者らは、上記の問題に鑑み鋭意検討を重ねたところ、PBN、PG、SiC、TaCなどをコーティングした被覆グラファイト材の剥離の問題は、減圧下または真空下の装置内における被覆膜の内外の圧力差に起因していることを見出した。すなわち、被覆グラファイト材を減圧下や真空下の装置内で使用する際に、装置内のガスの排気処理がなされるところ、被覆グラファイト基材の隙間に存在しているガスは、緻密な被覆膜によって囲まれているために、その排気速度が遅くなるという事態が生じる。その結果、被覆膜の内外で圧力差が生じることになり、この圧力差が被覆膜の剥離の一因となっていることを知見し、本発明に至ったものである。
そこで、本発明の目的は、減圧下や真空下において被覆膜内外の圧力差が生じにくく、かつ熱衝撃に強く、被覆膜の剥離が起こりにくい被覆グラファイト部材及びこれと保持手段とのアセンブリを提供することである。
本発明は、グラファイト基材の表面にPBN、PG、SiC、TaCなどの異なる材料がコーティングされた、真空下または減圧下の装置内で使用される被覆グラファイト部材であって、このグラファイト基材が一部露出した、基材表面に対して凹形状の座繰り穴またはネジ穴形状の露出部を有すると共に、この露出部は、前記グラファイト基材を保持する保持手段の突起との嵌め合わせに用いられることを特徴とするものである。そして、このグラファイト基材の露出部は、その面積は、1mm以上1200mm以下であることが好ましい。
また、グラファイト基材の露出部は、温度が1500℃以下となる箇所に設けるか、またはグラファイトに対して腐食性のあるガスに接触しない箇所に設けることが好ましい。さらに、本発明は、グラファイト基材の表面に異なる材料がコーティングされた、真空下または減圧下の装置内で使用される被覆グラファイト部材と、グラファイト基材を保持する保持手段とのアセンブリであって、基材表面に対して凹形状の座繰り穴またはネジ穴形状の露出部に保持手段の突起が嵌め合わせられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、被覆グラファイト部材の一部にグラファイトが露出した箇所を設けるため、減圧下または真空下で使用してもグラファイト材の隙間に存在するガスを容易に排出させることができるので、被覆膜の内外の圧力差が生じにくく、この圧力差に起因する被覆膜の剥離を防止することができる。
本発明のグラファイト基材の露出部の座繰り穴またはネジ穴形状を示す断面模式図である。 図1に示すグラファイト基材の露出部を保持手段で保持した実施形態を示す断面模式図である。 実施例で用いる被覆グラファイト部材の模式図である。 図3の被覆グラファイト部材を保持手段で保持した際の断面模式図である。 作製した被覆グラファイト部材に加熱冷却試験を行う際の断面模式図である。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の被覆グラファイト部材は、例えば、ウエハートレー、蒸着原料溶融ルツボ、ヒーター、反応容器、熱シールド部材、結晶引上げ用ルツボ、蛍光体製造用容器、蛍光体製造用治具、セラミックス焼成用セッター、合金熱処理焼鈍炉の炉材などとして使用されるが、その用途は限定されず、その形状も、用途や目的に応じて自由に設計することができる。
特に、PBN被覆グラファイト部材は、GaN単結晶育成容器、反応器、GaN成長用MOCVD装置のヒーター、サセプタ、遮熱板などとして使用することができる。
本発明のグラファイト基材は、グラファイトを機械加工などの手段により成形して作製される。その材料は、等方性黒鉛、押出成形黒鉛、モールド成形黒鉛、炭素繊維強化炭素複合材料(C/C複合材料)などである。その製法は、機械加工などの手段に限定されず、また、一部異なる材料をグラファイト基材として組みあわせて用いてもよい。
成形されたグラファイト基材は、この保持手段によって保持された状態で、その表面に異なる材料の被覆膜が形成される。このとき、被覆材としては、PBN、PG、SiC、TaCなどの材料を用いることができるが、これらの材料に限定されることはなく、複数の材料を組み合わせることもできる。また、その用途や目的に応じて適切な被覆材を選択することもできる。
また、PBN、PG、SiC、TaCを被覆する場合は、その被覆方法として、一般的にCVD法が用いられるが、他の方法を用いてもよい。例えば、グラファイト基材にPBNを被覆する方法としては、1000Pa以下の減圧下でグラファイト基材を1700℃から2300℃に昇温し、BClガスおよびNHガスを接触させることで、PBNの蒸着膜をグラファイト基材上に形成する方法が知られている。
本発明の被覆グラファイト部材は、そのグラファイト基材が一部露出していることを特徴とするものである。そして、これによって、真空下で使用してもグラファイト基材の隙間に存在するガスが容易に排出されることになるため、被覆膜の内外で圧力差が生じにくくなる。
本発明の特徴である露出部は、どのような手段によって設けても構わない。グラファイト基材を保持する保持手段により保持されている箇所を露出部としてもよいし、一部マスキングを施すことによって被覆材がコーティングされない箇所を設けてもよい。また、既にコーティングされた被覆材の一部を取り除くことによって露出部を設けてもよいが、保持手段により支持されていた箇所を露出部とすれば、コーティング工程が1回で済むため、新たに露出部を設ける手間もかからず製造効率の観点から好ましい。そして、このような露出部は、1箇所に設けてもよく、複数箇所に設けても構わない。
露出部の形状は、特に限定されないが、基材表面に対して凹形状の座繰り穴またはネジ穴形状であることが好ましい。グラファイト基材に予め凹形状の座繰り穴またはネジ穴を設けるとともに、保持手段に座繰り穴またはネジ穴に相応する形状の突起を設ければ、グラファイト基材の座繰り穴またはネジ穴と保持手段の突起を嵌め合わせることによって、グラファイト基材を容易に保持することができる。
座繰り穴の形状としては、例えば、図1に示すような種々の形状やこれらを組み合わせた形状とすることができる。また、座繰り穴を上部から見たときに、その形状は円形でも多角形でもよいが、多角形とすれば基材を回転しないように保持することが可能である。グラファイト基材にネジ穴を設ける場合は、保持手段に同形状の雄ネジを設ければよい。このようにすれば、より安定して基材を保持することができるため、被覆膜コーティング中の倒れを防止することができるので、製造の歩留りが向上する。 また、保持手段によってグラファイト基材を保持する場合は、通常、複数本の支柱により支持するが、このような座繰り穴またはネジ穴によってグラファイト基材を保持すれば、図2や図4に示すように、保持手段によってグラファイト基材を1箇所で保持することが可能となる。
露出部の面積は、グラファイト基材の隙間に存在するガスを容易に排出して被覆膜の内外の圧力差が生じさせない大きさとする必要があるため、少なくとも1mm以上である。露出部の面積が1mm未満では、真空下で使用するときにグラファイト基材の隙間に存在するガスの排出速度が遅く、被覆膜の内外に圧力差が生じて被覆膜が剥離する怖れがあるからである。したがって、露出部の面積は、少なくとも1mm以上、より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは10mm以上であれば、被覆膜の剥離を起こりにくくすることが可能となる。また、部材の大きさや形状にもよるが、露出部の面積が30mm以上、より好ましくは80mm以上であれば、前述のように突起を設けた保持手段によってグラファイト基材を容易に保持することができるので好ましい。
また、被覆グラファイト部材は、グラファイト基材のみでは適用できない条件下で使用されることが多いので、グラファイト基材の露出部が大きすぎることは好ましくない。特に、グラファイト基材に対して腐食性のあるガス雰囲気下で使用する場合は、グラファイト基材の露出部が腐食性ガスで消耗して耐用期間が短くなるから、露出部の面積は、1000mm以下であることが好ましく、より好ましくは500mm以下、さらに好ましくは100mm以下である。もっとも、露出部の面積が1000mmを超えた大きさでも、被覆膜の剥離は起こらないから使用可能であるが、使用回数を重ねると腐食性ガスによってグラファイト基材の消耗が進むために耐用期間が短くなるから、1200mm以下であることが好ましい。
したがって、露出部の面積は、被覆膜の剥離を抑えるために1mm以上1200mm以下であることが好ましく、また、グラファイト基材の消耗を抑えて耐用期間を長く保つためには、1mm以上1000mm以下であることがより好ましい。
露出部の位置は、特に限定されず、任意に選択してもよいが、本発明の被覆グラファイト部材をグラファイトに対して腐食性のあるガスの存在下で使用する場合は、グラファイト基材の露出部を腐食性ガスに直接さらされないような箇所に設けることが好ましい。例えば、他の部材によって覆われている箇所や他の部材との結合部に設けることができる。このようにすれば、グラファイト基材の腐食を防止することができるため、長期的に安定して使用することができる。
また、露出部の位置は、本発明の被覆グラファイト部材をグラファイトに対して腐食性のあるガスの存在下で使用する場合は、グラファイト基材の腐食による消耗が少ない温度となる箇所に設けるのがよい。温度が1000℃以下となる箇所では、グラファイト基材の腐食が進行しにくいために、長期にわたって使用することが可能となるために好ましい。もっとも、温度が1000℃を超える箇所でも、被覆膜の剥離は起こらないから使用可能であるが、使用回数を重ねるとグラファイト基材の消耗が進むために耐用期間が短くなるから、1500℃以下の温度となる箇所に設けることが好ましい。
したがって、露出部の位置は、1500℃以下の温度となる箇所が好ましく、また、グラファイト基材の消耗を抑えて耐用期間を長く保つためには、1000℃以下の温度となる箇所がより好ましい。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
〈実施例1〉
実施例1では、最初に、等方性グラファイトを機械研削加工し、図3に示すような円盤部7が直径200mm、厚さ10mmでシャフト部が直径20mm、長さ50mmのサセプタ形状のグラファイト基材2を用意した。そして、図4に示すように、このグラファイト基材2のシャフト部8の底面を保持手段6によって支持して、高温蒸着炉にセットした後に、炉内を真空ポンプで排気して、約2000℃まで加熱昇温させた。
次に、炉内温度を約2000℃、炉内圧力を1000Pa以下に保持して、BClガスとNHガスを反応させることによって、グラファイト基材2の表面にPBN膜を被覆した。また、このままの状態では、PBN蒸着時に支持した部分がコーティングされていないために、支持する箇所を変えて再度PBNのコーティングを行った。
そして、炉内を常温に戻してから、PBNが前面に被覆されたグラファイト部材1を取り出して観察したところ、PBN膜は、グラファイト基材2表面に強く付着しており、剥離は生じていなかった。次に、シャフト部8の先端部のPBN被覆膜の一部を研削によって取り除いて、直径2mmの露出部3を設けた。このときの露出部3の面積は3.14mmである。
また、このような露出部3を設けて作製した被覆グラファイト部材1をGaN成膜用MOCVD装置内に載置した後、この装置内を真空引きしながら、1L/minの流量でNHガスを流した。さらに、この状態において、サセプタ円盤部7の中央部が昇温速度100℃/minで1400℃になるまで加熱した後に、降温速度50℃/minで400℃になるまで冷却する加熱冷却試験を行った。図5は、被覆グラファイト部材1に加熱手段9を用いて加熱冷却試験を行う態様を示すものである。この試験において、サセプタ円盤部7の中央部が1400℃になったときのシャフト部8先端のグラファイト基材2の露出部3は、その温度が1000℃であった。
最後に、加熱手段9を用いて上記の加熱冷却試験を100回繰り返し行ったところ、PBN被覆膜は剥離しなかった。また、100回目の加熱冷却試験を終えた時点では、グラファイト基材2の消耗は確認されなかった。
〈実施例2〜実施例5〉
実施例2〜実施例5では、実施例1と同様の方法によって、グラファイト基材2の露出部3の直径や面積を表1に示す大きさに変化させた被覆グラファイト部材1を作製した。
そして、これら作製した被覆グラファイト部材1に実施例1と同様の加熱冷却試験を100回繰り返し行ったところ、PBN被覆膜は剥離しなかった。また、いずれの被覆グラファイト部材1も、100回目の加熱冷却試験を終えた時点では、グラファイト基材2の消耗は確認されなかった。
〈実施例6〉
実施例6では、最初に、実施例1と同じ大きさのサセプタ形状のグラファイト基材2を用意した。また、機械加工によってシャフト部8の先端部に直径が5mmで、深さが5mmの座繰り穴4を設けた。このときの露出部3の面積は98.2mmである。そして、形成した座繰り穴4に嵌め合わせることができるような突起部を有した保持手段6によってグラファイト基材2を支持して、高温蒸着炉にセットした。
次に、炉内を真空ポンプで排気して、約2000℃まで加熱昇温させた後、炉内温度を約2000℃、炉内圧力を1000Pa以下に保持して、BClガスとNHガスを反応させることによって、グラファイト基材2の表面にPBN膜を被覆した。
最後に、作製した被覆グラファイト部材1に実施例1と同様の加熱冷却試験を100回繰り返し行ったところ、PBN被覆膜は剥離しなかった。また、100回目の加熱冷却試験を終えた時点でも、グラファイト基材2の消耗は確認されなかった。
〈実施例7〜実施例13〉
実施例7〜実施例13では、実施例6と同様の方法によって、グラファイト基材2の露出部3の直径、深さや面積を表1に示す数値の大きさに変化させた被覆グラファイト部材1を作製した。
そして、これら作製した被覆グラファイト部材1に実施例1と同様の加熱冷却試験を100回繰り返し行ったところ、PBN被覆膜は剥離しなかった。もっとも、実施例7〜実施例12の被覆グラファイト部材1では、100回目の加熱冷却試験を終えた時点では、グラファイト基材の消耗は確認されなかったが、一方で、実施例13の被覆グラファイト部材1では、90回目の加熱冷却試験を終えた時点からグラファイト基材2の消耗が確認された。
〈実施例14〉
実施例14では、実施例1と同様の方法によって、グラファイト基材2の全面をPBNでコーティングした後に、機械加工によってシャフトの側面部に直径が5mmで、深さが5mmの座繰り穴4を設けた。このときの露出部3の面積は98.2mmである。
次に、作製した被覆グラファイト部材1に実施例1と同様の加熱冷却試験を行ったが、この試験において、サセプタ円盤部7の中央部が1400℃になったときのシャフト部8の側面部のグラファイト基材2の露出部の温度は1200℃であった。
最後に、作製した被覆グラファイト部材1に前記加熱冷却試験を100回繰り返し行ったところ、PBN被覆膜は剥離しなかったが、80回目の加熱冷却試験を終えた時点からグラファイト基材2の消耗が確認された。
〈実施例15〉
実施例15では、最初に、実施例1と同じ大きさのサセプタ形状のグラファイト基材2を用意した。また、機械加工によって円盤部7の中央部に直径が5mmで、深さが5mmの座繰り穴4を設けた。このときの露出部3の面積は98.2mmである。そして、形成した座繰り穴4に嵌めこめるような凸状部を有した保持手段6によってグラファイト基材2を支持して、高温蒸着炉にセットした。
次に、炉内を真空ポンプで排気して、約2000℃まで加熱昇温させた後、炉内温度を約2000℃、炉内圧力を1000Pa以下に保持して、BClガスとNHガスを反応させることによって、グラファイト基材2の表面にPBN膜を被覆した。
そして、作製した被覆グラファイト部材1に実施例1と同様の加熱冷却試験を行ったが、この試験において、サセプタ円盤部7の中央部に設けたグラファイト基材2の露出部3の最高温度は1400℃であった。
最後に、作製した被覆グラファイト部材1に加熱手段9を用いて前記加熱冷却試験を100回繰り返し行ったところ、PBN被覆膜は剥離しなかったが、50回目の加熱冷却試験を終えた時点からグラファイト基材2の消耗が確認された。
〈比較例1〉
比較例1では、最初に、実施例1と同じ大きさのサセプタ形状のグラファイト基材2を用意した。そして、このグラファイト基材2のシャフト部8の底面を支持して、高温蒸着炉にセットした後、炉内を真空ポンプで排気して、約2000℃まで加熱昇温させた。その後、炉内温度を約2000℃、炉内圧力を1000Pa以下に保持して、BClガスとNHガスを反応させることによって、グラファイト基材2の表面にPBN膜を被覆した。
次に、このままの状態では、PBN蒸着時に支持した部分がコーティングされていないため、支持する箇所を変えて再度PBNのコーティングを行った。そして、炉内を常温に戻してから、PBNが前面に被覆されたグラファイト部材1を取り出して観察したところ、PBN膜は、グラファイト基材2の表面に強く付着しており、剥離は生じていなかった。
そして、比較例1では、露出部を設けていない被覆グラファイト部材1に加熱手段9を用いて実施例1と同様の加熱冷却試験を繰り返し行ったところ、3回目に被覆膜の剥離が確認された。
Figure 0006478364
1 被覆グラファイト部材
2 グラファイト基材
3 露出部
4 座繰り穴
5 ネジ穴
6 保持手段
7 円盤部
8 シャフト部
9 加熱手段


Claims (6)

  1. グラファイト基材の表面に異なる材料がコーティングされた、真空下または減圧下の装置内で使用される被覆グラファイト部材であって、前記グラファイト基材が一部露出した、基材表面に対して凹形状の座繰り穴またはネジ穴形状の露出部を有すると共に、該露出部は、前記グラファイト基材を保持する保持手段の突起との嵌め合わせに用いられることを特徴とする被覆グラファイト部材。
  2. 前記グラファイト基材の露出部は、その面積が1mm以上1200mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の被覆グラファイト部材。
  3. 前記グラファイト基材の露出部は、温度が1500℃以下となる箇所に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆グラファイト部材。
  4. 前記グラファイト基材の露出部は、グラファイトに対して腐食性のあるガスに接触しない箇所に設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の被覆グラファイト部材。
  5. 前記異なる材料は、少なくともPBN、PG、SiC、TaCの何れかであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の被覆グラファイト部材。
  6. グラファイト基材の表面に異なる材料がコーティングされた、真空下または減圧下の装置内で使用される被覆グラファイト部材と、前記グラファイト基材を保持する保持手段とのアセンブリであって、前記被覆グラファイト部材は、前記グラファイト基材が一部露出した、基材表面に対して凹形状の座繰り穴またはネジ穴形状の露出部を有すると共に、該露出部に前記保持手段の突起が嵌め合わせられていることを特徴とする被覆グラファイト部材と保持手段とのアセンブリ。
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