JP6477637B2 - 粉粒体の連続式乾式密度分離装置、粉粒体の連続式乾式密度分離方法、およびリサイクル耐火物の製造方法 - Google Patents

粉粒体の連続式乾式密度分離装置、粉粒体の連続式乾式密度分離方法、およびリサイクル耐火物の製造方法 Download PDF

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本発明は、密度差を利用して粉粒体を乾式で分離する粉粒体の連続式乾式密度分離装置に関するものであり、特に、密度差の小さい粉粒体であっても高い精度で分離することが可能な連続式乾式密度分離装置に関するものである。また、本発明は、上記連続式乾式密度分離装置を用いた粉粒体の連続式乾式密度分離方法およびリサイクル耐火物の製造方法に関するものである。
複数の粉粒体の混合物から物性に応じて粉粒体を分離することは、様々な産業分野において行われており、とりわけ、高精度で粉粒体を分離できる装置に対しては、高い需要がある。例えば、鉄鋼分野においては、以下に述べるように耐火物を高精度で分離する技術が必要とされている。
鉄鋼プロセス、特に製銑工程および製鋼工程においては様々な耐火物が使用されており、しかも、1種類の耐火物を単独で用いるだけではなく、複数種の耐火物を特性等に応じて組み合わせて使用することが広く行われている。
その代表的な例としては、連続鋳造において溶鋼を一時的に保持する中間容器であるタンディッシュが挙げられる。図1に示すように、タンディッシュ1においては、箱状や舟状に形成された鉄皮3の内面に、耐火物からなるライニング4が設けられており、ライニング4はAl23リッチなワーク材5とSiO2リッチなパーマ材6の2層で構成されている。
こういった用途で使用される耐火物は、溶銑、溶鋼、スラグ等と接触することによって損耗し、規定の厚さ以下になると解体されて処分されることとなる。しかし、使用済み耐火物をそのまま産業廃棄物として処分することは多大なコストを要するのみならず、本来であれば再利用可能な耐火物等を処分することとなり、省資源の観点からも望ましくない。したがって、何らかの形で使用済み耐火物を再利用することが求められている。
しかし、使用済み耐火物には、上述したような複数の耐火物が含まれていることに加え、地金鉄やスラグといった耐火物以外の成分も混在しているため、そのままでは再利用することが難しい。使用済み耐火物を有効利用するためには、含まれている材料を選別する必要があり、特に、Al23リッチなワーク材のように高価な材料を分離して、高い純度で回収することができれば極めて実用的である。
上記の例のように複数の材料が混在しているものを分離する方法としては、密度差を利用したものが知られている。例えば、上記耐火物の場合、Al23の密度は3.95〜4.10g/cm3であり、SiO2の密度は2.20g/cm3であるため、その密度差を利用してAl23リッチなワーク材とSiO2リッチなパーマ材とを分離することができると考えられる。
密度差を利用した分離法は、密度分離法、比重分離法等と呼ばれ、様々な方式が提案されているが、湿式法と乾式法の2つに大別することができる。湿式法は、水や、重液と呼ばれる密度を調整した液体を媒体として用いる分離法であり、対象物と媒体との密度差を利用して浮遊物と沈降物とに分ける方法である。この湿式密度分離法は、主に密度が1.0〜3.0g/cm3程度のものに適用できるため、廃棄物リサイクル分野における廃プラスチック、軽金属等の分離に用いられている。しかし、湿式法では、媒体の密度により分離できるものが制限されることに加え、分離後に乾燥工程が必要となることや、使用済みの媒体を廃液処理する必要があるといった問題がある。
一方、液体を用いない乾式分離法には、さらに媒体を用いるものと用いないものの2種類がある。媒体を用いる乾式法は、ガラスビーズ、アルミナサンド等の粉粒体を媒体として使用する方法であり、送風や振動により流動化させた媒体の内部で対象物を密度分離する。この方法では、湿式法のように乾燥工程は不要となるものの、分離後に対象物と媒体とを篩い分け等により分離する必要があるため、その適用範囲は比較的粒径の大きい粉粒体の分離に限定されていた。
それに対して、媒体を用いない乾式密度分離法では、分離対象である粉粒体自体を気流により流動化し、形成された流動層内での密度偏析現象を利用して分離が行われる。この方法であれば、媒体を用いる場合のように分離後に篩い分け等を行って媒体を除去する必要がなく、比較的粒径の小さい粒子にも適用することができるため、幅広い応用が期待される。
例えば、特許文献1〜4は、いずれも媒体を用いない乾式密度分離法の分離精度を向上させるための技術に関するものであり、特許文献1では、骨材としてセメントと混合して使用されるパーライト粒子の分離方法が提案されている。また、特許文献2では、流動槽内で循環流を発生させることによって粉粒体を積極的に動かし、それにより分離精度を向上させることが提案されている。さらに特許文献3、4では、乾式密度分離において、流動化した粉粒体に対して振動を与えることによって分離精度を向上させることが提案されている。
特開2013−095602号公報 特開2013−173145号公報 特開2006−150231号公報 特開平07−256213号公報
しかし、特許文献1〜4に記載されているような従来の乾式密度分離法は、上述したタンディッシュの耐火物のような材料を分離する目的には十分といえなかった。その理由は以下の通りである。
タンディッシュで使用される耐火物は、内部の組成が均一ではなく、例えば、ワーク材の場合、Al23含有率の高い部分と低い部分とがあり、その含有率はワーク材の内部で連続的に変化している。そのため、そのようなワーク材を粉砕して得られる粉粒体には、同じワーク材由来のものであっても、組成が少しずつ異なる粉粒体が混在している。このような耐火物を有効に活用するためには、単に重量物と軽量物の2つに分離するのではなく、比重に応じて3種以上に分離することが求められる。
また、タンディッシュの耐火物以外の用途においても、単なる重量物と軽量物の混合物ではなく、連続的に変化する比重をとる多数の粒子の混合物の分離は一般的に行われており、やはり比重に応じて3種以上に分離する技術が求められている。
密度分離法によって粉粒体を3種以上に分離する方法としては、異なる条件で2段階以上の分離を実施することが挙げられる。例えば、1段目の分離で重量物と軽量物とに分離し、2段目の分離で、前記軽量物を、さらにその中での重量物(中量物)と軽量物とに分離するといった方法である。
特許文献1、2に記載されているようなバッチ式の分離装置であれば、一応このような多段分離を行うことも可能である。しかし、1度分離を実施するごとに、装置の動作を停止して、分離された粉粒体を出し入れする必要があるため、処理効率が低い。また、バッチ式の分離装置を用いて条件の異なる複数段の分離を実施するためには、分離を行うごとに条件を調整し直すか、段ごとに分離装置を用意する必要がある。
一方、特許文献3、4に記載されているような連続式分離装置を用いれば、連続的に処理を行うことが可能となるが、あくまでも重量物と軽量物への分離のための装置であるため、1つの装置では1条件での分離が行われるのみである。そのため、粉粒体を3種以上に分離するためには、やはり複数回分離を行う必要がある。また、その際、複数段の分離処理を連続的に行うには段数分の分離装置を用意する必要があるため、装置が大がかりとなり、コストがかさむという問題がある。
さらに、特許文献3、4に記載されている装置では、粉粒体に対して振動を与えることによって密度偏析を促進し、分離精度を向上させている。しかし、このような方法であっても、密度差の小さい粉粒体に対する分離精度は依然十分とはいえなかった。例えば、上述したタンディッシュのワーク材とパーマ材の場合、密度に違いはあるものの、その差は0.2g/cm3程度と小さい。このように密度差が小さいもの同士を乾式密度分離法で分離しようとする場合、流動層底部などでの重量物による軽量物の抱き込み現象や、流動層中の粒子間に働く摩擦力の影響が相対的に大きくなるため、効果的に密度偏析現象を生じさせることが難しい。
本発明は、上記の実情に鑑み開発されたものであり、粉粒体を3種以上に分離するような場合であっても、1回の分離処理で効率的に分離を行うことができ、かつ、密度差の小さい粉粒体であっても高い精度で分離できる粉粒体の連続式乾式密度分離装置を提供することを目的とする。また、本発明は、前記連続式乾式密度分離装置を用いた粉粒体の連続式乾式密度分離方法およびリサイクル耐火物の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記の目的を達成すべく密度偏析現象を利用して連続的に粉粒体の分離を行う連続式乾式密度分離装置について鋭意研究を行った結果、次の(1)〜(3)の知見を得た。
(1)連続式乾式密度分離において、流動槽に流動化空気を供給するための空気室を複数に分割し、各空気室へ供給する流動化空気の流量を調節することによって分離中の各段階における分離条件を制御できる。
(2)上記のように制御を行うことによって、粉粒体を3種以上に分離するような場合であっても、1回の分離処理で効率的に分離を行うことができる。
(3)さらに、上記の方法によれば、密度差の小さい粉粒体であっても高い精度で分離できる。
本発明は、前記知見に立脚するものである。なお、ここで密度偏析現象とは、密度が比較的高い粉粒体が重力の方向(下)へ移動し、密度が比較的低い粉粒体が重力と反対の方向(上)へ移動し、その結果、流動層内の粉粒体に偏りが生じる(分離される)現象を指す。
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
1.粉粒体の連続式乾式密度分離装置であって、
分散板を介して連通した流動槽と空気室とを備え、前記空気室が仕切板によって複数に分割されている装置本体と、
前記流動槽に粉粒体を投入するための粉粒体投入口と、
前記粉粒体を流動させるための流動化空気を、前記分割された空気室のそれぞれを経由して、前記分散板から前記流動槽内へ供給するための流動化空気供給手段と、
前記分割された空気室のそれぞれに供給される流動化空気の流量を個別に制御する流量制御手段と、
前記流動化空気を流動槽から排気するための流動化空気排気口と、
前記流動槽内で密度分離された粉粒体を分離された状態で排出するための、前記流動槽の壁面に並んで設けられた複数の排出口とを有する、粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
2.前記複数の排出口のうち少なくとも一つの排出口に、粉粒体の排出量を制御する排出量制御手段が備えられている、前記1に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
3.前記流動槽が、地面と平行に設置されている、前記1または2に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
4.前記流動槽全体を振動させるための加振手段をさらに有する、前記1〜3のいずれか一項に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
5.前記加振手段の加振振動数が前記流動槽の固有振動数である、前記4に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
6.前記1〜5のいずれか一項に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置を用いて、前記流動化空気を前記流動槽内へ供給しながら連続的に粉粒体を分離する、粉粒体の連続式乾式密度分離方法。
7.上記1〜5のいずれか一項に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置を用いて、複数種類の耐火物が混合した屑より再利用可能な耐火物を分離し、
前記屑より分離された耐火物を原料の少なくとも一部として用いてリサイクル耐火物を製造する、リサイクル耐火物の製造方法。
8.前記屑が、高炉樋で使用した使用済み耐火物を含有する、上記7に記載のリサイクル耐火物の製造方法。
9.前記原料が、前記屑より分離された耐火物を10質量%以上50質量%以下含有する、上記7または8に記載のリサイクル耐火物の製造方法。
本発明の粉粒体の連続式乾式密度分離装置および連続式乾式密度分離方法によれば、粉粒体を3種以上に分離するような場合であっても、1回の分離処理で効率的に分離を行うことができる。また、密度差の小さい粉粒体であっても高い精度で分離することができる。かかる分離装置および方法は、製鉄所で排出される使用済み耐火物をはじめとする様々な材料の分離に極めて有用である。
一般的なタンディッシュの構造を示す概略図である。 本発明の一実施形態における粉粒体の連続式乾式密度分離装置の概略図である。 実施例1の各排出口から得られた画分のかさ密度を示すグラフである。 一般的な高炉主樋の構造を示す概略図である。 実施例2の各排出口から得られた画分のかさ密度を示すグラフである。 実施例2の画分eから得られた高炉樋耐火物を用いて製作したリサイクル耐火物とバージン材より製作した耐火物の混水量、見かけ気孔率、溶損指数を示したグラフである。
次に、本発明を実施する方法を、実施形態に基づいて具体的に説明する。
なお、以下の説明においては、特に断らない限り、上、下、水平、垂直など用語を、本発明の粉粒体の乾式密度分離装置を稼働時の状態に設置したときにおける位置関係を表すものとして使用する。
本発明の粉粒体の連続式乾式密度分離装置は、分散板を介して連通した流動槽と空気室とを備える装置本体と、前記流動槽に粉粒体を投入する粉粒体投入口と、前記粉粒体を流動させるための流動化空気を、前記空気室を経由して、前記分散板から前記流動槽内へ供給するための流動化空気供給手段と、前記流動化気体を流動槽から排気するための流動化気体排気口と、前記流動槽内で密度分離された粉粒体を分離された状態で排出するための、前記流動槽の壁面に並んで設けられた複数の排出口とを有している。
[粉粒体]
本発明の連続式乾式密度分離装置および連続式乾式密度分離方法は粉粒体を処理対象とするものである。前記粉粒体としては、特に限定されることなく、密度の異なる材料からなる複数の粉粒体の混合物であれば、任意のものを用いることができる。使用済み耐火物のようにサイズの大きなものを分離する場合には、密度分離に適した粒径に粉砕してから分離を行うことが好ましい。粉粒体の粒径は特に限定されないが、流動化に必要な風速は粒径の2乗に比例して増大するため、過度に粒径が大きくなると粉粒体の流動化が困難となる。また、そのような粗大粒子を流動化するために風速を上げると、流動層内の気流によって粒子同士が激しく衝突し、粒子の破壊や摩耗が著しくなる。そのため、粉粒体の粒径は3mm以下とすることが好ましい。一方、粒径が過度に小さくなると粒子同士が付着、凝集し、やはり流動化が困難となる。そのため、粉粒体の粒径は0.02mm以上とすることが好ましい。
[装置本体]
本発明の乾式密度分離装置は、分散板を介して連通した流動槽と空気室とを備える装置本体を有している。前記流動槽は、その内部に粉粒体を収容し、空気によって流動層を形成するための部分である。そして、前記空気室は、粉粒体を流動させるための流動化空気を前記流動槽へ供給する前に一時的に収容する部分である。前記流動槽と空気室との間は分散板で仕切られている。前記分散板としては、空気を通すが粉粒体は通さない大きさの穴を有する多孔質材料からなる板状の部材を用いることができる。前記流動槽は、地面と平行となるように設置することが好ましい。なお、ここで流動槽が地面と平行であるとは、流動槽の底面が地面で水平であることを意味する。また、前記空気室を前記流動槽の下方(地面側)に設け、前記分散板が地面と水平となるように装置本体を設置することが好ましい。
[[空気室]]
本発明の連続式乾式密度分離装置においては、前記空気室が仕切板によって複数に分割されており、分割された空気室のそれぞれに流動化空気が供給される。前記仕切板による空気室の分割は任意の態様で行うことができる。ただし、流動化空気は、空気室を経由して流動槽へ供給されるため、前記仕切板は、流動化空気が空気室を通過して流動槽へ入ることを妨げないように設けられる。流動化空気の流れを妨げないという観点からは、仕切板を分散板に垂直に設けることが好ましい。
前記空気室の分割数は特に限定されず、2以上であればよく、流動槽のサイズなどに応じて決定すればよい。分割数を増やせば、その分、流動化空気の流量を場所ごとに細かく制御することができるため、分割数は4以上とすることが好ましく、6以上とすることがより好ましい。しかし、分割数が多すぎると、装置構造が複雑となる一方で、それに見合った効果が得られなくなるため、分割数は30以下とすることが好ましく、20以下とすることがより好ましい。
前記空気室の分割形状は特に限定されず、任意の形状とすることができる。一例としては、空気室の長手方向を複数に分割することができる。分割された空気室それぞれの大きさは、異なっていてもよく、同じであってもよい。ここで、分割された空気室の大きさとは、各空気室の一側面を構成する分散板の領域の面積を指すものとする。
[流動化空気供給手段]
粉粒体を流動化するための空気は、流動化空気供給手段から、分割された空気室のそれぞれを経由して、分散板の穴を通って流動槽へ供給される。このように、空気室と分散板を通って空気を供給するため、流動槽へ直接空気を送る場合に比べて均一に空気を供給することができる。前記流動化空気供給手段としては、流動化に必要な量の空気を供給できるものであれば任意の装置、例えば、ブロアー等を用いることができる。
[流量制御手段]
本発明の連続式乾式密度分離装置は、分割された空気室のそれぞれに供給される流動化空気の流量を個別に制御する流量制御手段を有している。このように流量制御手段を設けることにより、分割された空気室のそれぞれから流動槽へ供給される流動化空気の量を個別に制御することができる。そしてその結果、分割された空気室のそれぞれに隣接する流動槽の各領域における流動化条件を独立して調整することが可能となり、分離精度をさらに向上させることができる。
各空気室へ供給する流動化空気の流量は、所望の分離が達成できるように決定すればよい。一例としては、流動槽内における粉粒体の進行方向において最も上流側、すなわち粉粒体投入口側の空気室への流量が最も大きく、最も下流側、すなわち排出口側の空気室への流量が最も小さくなるように、各空気室への流量を連続的に変化させることができる。なお、このように各空気室への流量を制御すれば、流動槽内に、粉粒体投入口側から排出口側への気流が形成されるため、流動槽が地面に対して水平に設置されている場合であっても、流動槽内の粉粒体を排出口側へ移送することができる。
前記流量制御手段としては、各空気室への流量を個別に制御できるものであれば、任意のものを用いることができる。例えば、上述した流動化空気供給手段を複数設置し、各流動化空気供給手段を分割された空気室のそれぞれに接続し、前記流動化空気供給手段それぞれの流量を個別に設定可能とすればよい。しかし、装置構造を簡略化するという観点からは、分割された空気室すべてに対し、分岐した配管等を通じて一つの流動化空気供給手段から空気の供給を行うことが好ましい。その場合、各空気室に通じる配管の途中に、流量制御弁等を設け、各空気室へ供給される流動化空気の流量を個別に制御できるようにすればよい。前記流動制御弁は、電子制御されたものであってもよいが、手動のものであってもよく、例えば、スピードコントローラーやスロットルバルブなども利用できる。
[流動化空気排気口]
前記流動槽には、流動化空気供給装置から流動槽内へ供給された空気を排出するための流動化空気排気口が設けられている。前記流動化空気排気口は、自然排気を行うための開口や排気管であればよく、ブロアー等で強制的に排気を行う必要はない。また、処理対象である粉粒体に、粒径が小さいもの等、気流に乗って排出されてしまう可能性のあるものが含まれる場合には、流動化空気排気口の先にサイクロン式集塵装置やフィルター等のトラップを接続してもよい。
[加振手段]
本発明においては、流動槽全体を振動させるための加振手段を設け、分離処理中に流動槽全体を振動させることが好ましい。加振を行うことにより流動槽内における粉粒体の密度偏析を促進することができるが、特許文献4に記載されている装置のように流動層内に加振手段(振動機)を設置した場合、該加振手段の近傍の粉粒体は密度偏析が促進されるものの、振動が伝播しない部分では加振の効果を得ることができない。そこで本発明において加振手段を設ける場合は、流動槽全体を振動させることにより、流動槽内に存在する粉粒体全体に対し、加振による密度偏析の促進効果を与えることが好ましい。なお、ここで流動槽全体を振動させるとは、少なくとも流動槽全体を振動させることを意味する。例えば、流動槽と空気室とが一体に構成されている場合には、両者がともに振動してよい。また、流動槽と結合している他の部材が流動槽とともに振動してもよい。
流動槽を振動させる方法は特に限定されず、流動槽に取り付けた加振手段を用いてもよいし、流動槽に接続された他の部材を振動させることにより間接的に流動槽を振動させてもよい。例えば、流動槽と空気室とが一体に構成されている場合には、空気室に加振手段を取り付けて、流動槽と空気室をともに振動させてもよい。
加振手段としては、特に限定されることなく、流動槽全体を振動させることができるものであれば任意のものを使用できる。好適に使用できる加振手段の例としては、モーターの軸に取りつけた偏心マスの回転機構などが挙げられる。なお、流動槽を含む装置本体は、振動させることができるように、コイルスプリング等の弾性体を用いて振動自在に支持されることが好ましい。また、装置本体に接続される配管等の部材としては、振動による装置本体の変位に追従できるよう可動性や可撓性を有するものを用いることが好ましい。
前記加振手段の加振振動数は、特に限定されず、流動槽を振動させて密度偏析を促進できるものであれば任意の値とすることができるが、流動槽の固有振動数で加振を行えばより効果的に密度偏析を起こさせることができるため好ましい。なお、流動槽の固有振動数は、インパルスハンマーによって流動槽を打撃し、その打撃によって起こる自由減衰振動の加速度と打撃力の比(ゲイン)を周波数解析し,ピーク値を示す周波数を読み取ることで求めることができる。
[排出口]
さらに、本発明の乾式密度分離装置は、流動槽内で密度分離された粉粒体を分離された状態で排出するための、前記流動槽の壁面に並んで設けられた複数の排出口を有している。複数の排出口を並べて設けることにより、密度偏析現象によって分離された粉粒体を、前記排出口のそれぞれから、混ざり合うことなく取り出すことができる。なお、以降の説明において、それぞれの排出口から排出される粉粒体を画分と呼ぶ。
特許文献3に記載されているような装置においては、密度偏析によって分離された粉粒体のうち、密度の高いものを装置下方より排出する一方で、密度の低いものを装置上方より吸引して排出している。このような方法は、ある程度以上の密度差を有する粉粒体には有効であるが、密度差が小さい粉粒体を分離することは難しい。さらに、前記方法は、粒子径が大きいものや密度が高いものなど、吸引により排出できない粉粒体にはそもそも適用することができない。また、特許文献4に記載されている装置では、流動化させた粉粒体に対して振動を付与することにより、密度の高い粉粒体を下流側へ、密度の低い粉粒体を上流側へ、それぞれ移動させて分離している。この方法でも、流動層内で明確に反対方向へ流動する程度に密度差が大きい粉粒体しか分離することができない。これに対し本発明では、流動槽内で密度偏析した粉粒体を、流動槽の壁面に並んで設けられた複数の排出口から排出するだけでよいため、密度差の小さい粉粒体であっても高い精度で分離することができる。また、粉粒体を吸引して排出する必要がないため、吸引回収用の設備を設けるための費用や設置場所が不要であるだけでなく、粒径が大きい粉粒体や密度が高い粉粒体など、吸引によって排出が困難な粉粒体の分離にも利用することができる。
上記複数の排出口は、それぞれ独立した排出口であってもよく、一つの大きな排出口の内部を区切って複数の排出口としたものであってもよい。また、排出口の配置は特に限定されることなく、任意の配置とすることができるが、密度分離された粉粒体を、その分離状態を維持したまま排出するという観点からは上下方向、すなわち鉛直方向に並んだ配置とすることが好ましい。排出口の数は、2以上であればよいが、粉粒体を密度に応じて3種以上に分離するためには、排出口の数を3以上とすることが好ましい。排出口の数の上限は特に限定されないが、過度に多くしても装置が複雑になるだけでなく、隣接する排出口から得られる画分に成分の差がほとんどないことになるため、一般的には20以下とすることが好ましい。各排出口は、すべて同じ大きさ(開口面積)であってもよいが、所望の組成の画分が得られるよう、異なる大きさとすることもできる。
[排出量制御手段]
さらに、上記複数の排出口のうち少なくとも一つの排出口に、粉粒体の排出量を制御する排出量制御手段を設けることが好ましい。前記排出量制御手段を用いて排出される粉粒体の量を制御することによって、粉粒体が流動槽内に滞在する時間、すなわち分離処理時間を調整することができる。前記排出量制御手段としては、排出口に取り付けられた排出量制御弁を用いることができる。前記排出量制御弁は、電子制御されたものであってもよいが、手動のものであってもよい。また、前記排出量制御弁は、複数の排出口の少なくとも一つに設けられるが、すべての排出口に設けることもできる。
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な例を示すものであり、本発明は、その記載によって何ら限定されるものではない。本発明の実施形態は、本発明の趣旨に適合する範囲で適宜変更することが可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の一実施形態における粉粒体の連続式乾式密度分離装置の概略図を図2に示す。本実施形態の連続式乾式密度分離装置10は、地面に水平な方向に延びる装置本体11を備えており、装置本体11の内部を分散板12で上下に区切ることにより空気室13および流動槽14が形成されている。空気室13は、空気室13の長手方向に等間隔で設けられた仕切板15によって複数に分割されている。分割された空気室のそれぞれを、13a〜13jとする。空気室13a〜13jのそれぞれには、流動化空気を供給するための配管16が接続されており、配管16のそれぞれには、流量制御手段としての流量制御弁17が設けられている。流量制御弁17により、各空気室に供給される流動化空気の流量を個別に制御することができる。
空気室13の側面には、装置本体11を上下方向に振動させるように加振手段としてのサーボモータと偏心マスを組み合わせた加振機(図示されない)が取り付けられているとともに、装置本体11はコイルスプリングを備えた弾性支持部材(図示されない)によって振動可能に支持されている。
流動槽14の上部には粉粒体投入口18と流動化空気排気口19が設けられており、流動槽14と流動化空気排気口19の間に排気口側分散板20が設けられている。粉粒体投入口18は、流動槽14の長手方向における一端に設けられており、流動槽14の他端には排出口21が設けられている。排出口21は、仕切板によって上下方向に等間隔に分割されており、断面積が同一である5つの排出口21a〜21eを構成している。
本実施形態の連続式乾式密度分離装置10を用いて分離を行う場合の動作は次の通りである。被処理物としての粉粒体22は、粉粒体投入口18から流動槽14へ投入され、空気室13から分散板12を通じて供給される空気によって流動化される。そして、さらに加振機を用いて流動槽14を振動させることにより、流動槽14内における粉粒体22は粉粒体投入口18側から排出口21側へ移動するとともに、密度偏析する。流動槽14の排出口21側末端に到達した粉粒体22は排出口21から順次排出されるが、その際、粉粒体の密度に応じて分離された状態で5つの排出口21a〜21eより排出される。例えば、最も密度が高い下側の画分は排出口21aから、最も密度の低い上側の画分は排出口21eから、それぞれ排出される。
このようにして、本発明によれば、流動槽に流動化空気を供給するための空気室を複数に分割し、各空気室へ供給する流動化空気の流量を調節することに加えて、前記流動槽の壁面に並んで設けられた複数の排出口から、流動槽内で密度分離された粉粒体を分離された状態で排出するため、粉粒体を3種以上に分離するような場合であっても、1回の分離処理で効率的に分離を行うことができる。また、密度差の小さい粉粒体であっても高い精度で分離することができる。さらに、粉粒体を吸引して排出する必要がないため、吸引回収用の設備を設けるための費用や設置場所が不要であるだけでなく、粒径が大きい粉粒体や密度が高い粉粒体など、吸引によって排出が困難な粉粒体の分離にも利用することができる。
[リサイクル耐火物の製造方法]
さらに、本発明の一実施形態においては、上記粉粒体の連続式乾式密度分離装置を用いて分離された耐火物を用いて(再利用して)、リサイクル耐火物を製造することができる。具体的には、上記粉粒体の連続式乾式密度分離装置を用いて、複数種類の耐火物が混合した屑より再利用可能な耐火物を分離し、前記屑より分離された耐火物を原料の少なくとも一部として用いてリサイクル耐火物を製造することができる。
前記屑としては、複数種類の耐火物を含有するものであれば任意のものを用いることができるが、使用済みの耐火物を含む屑を用いることが好ましく、中でも、高炉樋で使用した使用済み耐火物を含有する屑を用いることがより好ましい。
上記の際、前記屑より分離された耐火物が前記原料に占める割合(含有量)は、10質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。
次に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例は、本発明の好適な一例を示すものであり、本発明は、該実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
上記実施形態において説明した装置(図2)を利用して、耐火物の分離を行った。前記耐火物としては、タンディッシュ用の耐火物として使用されるAl23リッチなワーク材とSiO2リッチなパーマ材とを、重量比1:1で混合したものを用いた。ワーク材およびパーマ材の成分組成と密度は表1に示すとおりである。
Figure 0006477637
上記ワーク材とパーマ材の混合物を粉砕して粒子径250〜500μmの粉粒体を得、該粉粒体を粉粒体投入口から乾式密度分離装置の流動槽内に供給した。次いで、空気室から空気を吹き込んで前記粉粒体を流動化させるとともに、周波数(振動数)5Hzで加振を行って密度偏析を促進した。さらに、排出量制御弁を調整して、粉粒体が流動層内に留まる時間が15分となるようにした。
分割された空気室13a〜13jへの空気供給量は、粉粒体の進行方向において最も上流側に位置する空気室13aへの流動化空気の送風速度を1.5cm/sとし、上流側(13a)から下流側(13j)にかけて、1.4cm/s(13b)、1.3cm/s(13c)と、送風速度が0.1cm/sずつ低くなるように制御した。なお、前記送風速度の値は、流量を流路断面積で割って求めたものであり、送風速度と流量は比例関係にある。
流動槽側面に設けられた各排出口(21a〜21e)から取り出された粉粒体を、それぞれ画分a〜eとする。得られた画分a〜eのそれぞれについて、かさ密度を測定した。
(比較例1)
比較のため、すべての空気室13a〜13jへの送風速度を1.05cm/sとしたこと以外は実施例1と同様の条件で粉粒体の分離を実施した。その後、得られた画分a〜eのそれぞれについて、実施例1と同様にかさ密度を測定した。
図3(A)、(B)は、それぞれ比較例1および実施例1において測定された画分a〜eのかさ密度をグラフに示したものである。画分aは最も下の排出口21aから取り出されたものであり、画分eは最も上の排出口21eから取り出されたものである。したがって、適切に密度偏析が生じていれば、画分aのかさ密度が最も高くなるように、画分eから画分aにかけて連続的にかさ密度が上昇する結果となるはずである。
比較例1では、図3(A)に示したようにでは、下側の画分(a側)のかさ密度が高い傾向が見られるものの、実用的な分離に用いることができる程の密度偏析は生じていなかった。これは、1.05cm/sの送風速度では、ワーク材とパーマ材をある程度分離することができるものの、ワーク材由来の粉粒体に含まれる微妙に密度の異なる粒子、すなわち、Al23含有率が高い粒子とAl23含有率が低い粒子を分離することが困難であるためと考えられる。
これに対して、各空気室への送風速度が連続的に変化するように流動化空気の供給量を制御した実施例1においては、図3(B)に示したように画分eから画分aにかけてほぼ連続的にかさ密度が変化していた。また、画分aと画分eとのかさ密度の差も大きく、密度差が極めて小さい粒子が混在しているにも関わらず、良好な分離が達成されているといえる。
(実施例2)
実施例1で用いたものと同様の装置(図2)を利用して、耐火物の分離を行った。前記耐火物としては、高炉主樋用の耐火物として使用されるAl23リッチなメタルライン材とSiCリッチなスラグライン材との混合物を用いた。
図4は、一般的な高炉主樋の構造を示す概略図である。高炉主樋23においては、溶銑24およびスラグ25が通過する高炉主樋23の内面に、耐火物からなるライニング26が設けられている。ライニング26は、メタルライン材27およびスラグライン材28で構成されており、メタルライン材27は溶銑24と、スラグライン材28はスラグ25と、それぞれ接する。本実施例において使用したメタルライン材およびスラグライン材の成分組成と密度は表2に示すとおりである。
Figure 0006477637
上記メタルライン材とスラグライン材の混合物を破砕して粒子径250〜1000μmの粉粒体を得、粉粒体投入口から乾式密度分離装置の流動槽内に供給した。次いで、空気室から空気を吹き込んで前記粉粒体を流動化させるとともに、周波数(振動数)5Hzで加振を行って密度偏析を促進した。さらに、排出量制御弁を調整して、粉粒体が流動層内に留まる時間が15分となるようにした。
分割された空気室13a〜13jへの空気供給量は、粉粒体の進行方向において最も上流側に位置する空気室13aへの流動化空気の送風速度を20.0cm/sとし、上流側(13a)から下流側(13j)にかけて、19.0cm/s(13b)、18.0cm/s(13c)と、送風速度が1.0cm/sずつ低くなるように制御した。なお、前記送風速度の値は、流量を流路断面積で割って求めたものであり、送風速度と流量は比例関係にある。
流動槽側面に設けられた各排出口(21a〜21e)から取り出された粉粒体を、それぞれ画分a〜eとする。得られた画分a〜eのそれぞれについて、かさ密度を測定した。測定結果を図5に示す。画分eから画分aにかけてほぼ連続的にかさ密度が変化しており、画分aと画分eとのかさ密度の差も大きく、密度差が極めて小さい粒子が混在しているにも関わらず、良好な分離が達成されているといえる。
(実施例3)
次いで、上記実施例2において画分eとして得られた分離産物を用い、以下に述べる方法でリサイクル耐火物(メタルライン材向け)を製造し、その性能評価を実施した。
用いた画分eの組成は、Al23含有量:27重量%、SiC含有量:62重量%であった。上記分離産物(画分e)を、表3に示す配合量で他の原料と混合して、リサイクル耐火物を製造した。なお、表3には、参考例としてバージン材(未使用のメタルライン材)の成分を合わせて示す。
Figure 0006477637
リサイクル耐火物の製造にあたっては、表3の発明例1〜4に示した配合比率で、それぞれ合計重量が2.5kgとなるように原料を秤量し、水を添加して万能混練機で3分間混練した。その後、(53/78)×35×160mmの台形型および、40×40×160mmの直方体の型枠に鋳込んで卓上バイブレータにて20秒加振した。その後、1日に放置したのち脱枠し、110℃×24時間乾燥して、リサイクル耐火物を得た。
上記のようにして得たリサイクル耐火物のそれぞれについて、以下の方法で混水量、見かけ気孔率、および溶損指数を測定した。
(混水量)
原料に水を混練した後のタップフロー値が150〜170となるように水の添加量を調整した。その際の水の添加量を混水量とした。なお、前記タップフロー値は、次の手順で測定した。まず、上下に振動するテーブルの上にカップを置き、その中に混練された材料を詰める。その後、前記カップを真上に抜き、残った材料がテーブル上で広がっていくのが止まるまで待つ。なお、この時のテーブル上に広がった材料の「最大直径」と、「前記最大直径と垂直方向における直径」との平均をとったものがフリーフロー値である。次いで、1秒に1回のスピードで15回振動を与えた後、広がった材料の「最大直径」と、「前記最大直径と垂直方向における直径」との平均をとったものタップフロー値とした。
(見掛け気孔率)
上記リサイクル耐火物より寸法40×40×160mmのサンプルを切り出し、水を用いたアルキメデス法を用いて見かけ気孔率を測定した。
(溶損指数)
耐食性の指標として、上記リサイクル耐火物の溶損指数を測定した。まず、リサイクル耐火物から寸法(上底:53/下底:78)×35×160mmのサンプルを切り出し、コークスブリーズ中にて1400℃×3時間の還元焼成を行った後、8組1本にして高周波誘導炉内に設置した。その中に銑鉄6.8kgを融解して1600℃×3時間保持した。1600℃に到達したら高炉スラグを200g投入し、1時間ごとにスラグを入れ替えた。そして、試験前後におけるサンプルの寸法変化が最も大きかった部位における寸法変化を測定した。バージン材を用いた参考例の試験前後の寸法変化を100として、発明例における寸法変化を規格化した値を溶損指数とした。
図6に、参考例と発明例1〜4の混水量、見かけ気孔率、溶損指数を示す。混水量は発明例1〜4ともに参考例と同程度で材料を流しこみ施工することができた。また、見かけ気孔率と溶損指数はいずれも参考例と同等あるいは優位(値が小さいほど優位)であった。
以上の結果より、リサイクル材の混合率が10重量%〜50重量%の範囲においてはバージン材と同等の含水率で施工可能で、かつ同等以上の性能を有することが確認された。
なお、上記実施例においては、タンディッシュ耐火物、高炉樋耐火物を分離対象として使用したが、本発明の適用対象はこれに限られるものではない。本発明の乾式密度分離装置および乾式密度分離方法は、粉粒体の密度差を利用するものであるため、適用できる粉粒体の材質に制限はなく、あらゆる材質の粉粒体の分離に適用可能である。他の分離対象物の例としては、高炉鍋の耐火物れんが(重量物密度:2.6〜3.1g/cm3、軽量物密度:2.1〜2.4g/cm3、密度差:0.2〜1.0g/cm3)、スラグと鉄の混合物(重量物密度:7.8g/cm3、軽量物密度2.5〜2.7g/cm3、密度差:5.1〜5.3g/cm3)などが挙げられる。
1 タンディッシュ
2 ノズル
3 鉄皮
4 ライニング
5 ワーク材
6 パーマ材
10 連続式乾式密度分離装置
11 装置本体
12 分散板
13 空気室
13a〜13j 空気室
14 流動槽
15 仕切板
16 配管
17 流量制御弁(流量制御手段)
18 粉粒体投入口
19 流動化空気排気口
20 排気口側分散板
21 排出口
21a〜21e 排出口
22 粉粒体
23 高炉主樋
24 溶銑
25 スラグ
26 ライニング
27 メタルライン材
28 スラグライン材

Claims (8)

  1. 粉粒体の連続式乾式密度分離装置であって、
    分散板を介して連通した流動槽と空気室とを備え、前記空気室が仕切板によって複数に分割されている装置本体と、
    前記流動槽に粉粒体を投入するための粉粒体投入口と、
    前記粉粒体を流動させるための流動化空気を、前記分割された空気室のそれぞれを経由して、前記分散板から前記流動槽内へ供給するための流動化空気供給手段と、
    前記分割された空気室のそれぞれに供給される流動化空気の流量を個別に制御する流量制御手段と、
    前記流動化空気を流動槽から排気するための流動化空気排気口と、
    前記流動槽内で密度分離された粉粒体を分離された状態で排出するための、前記流動槽の壁面に並んで設けられた複数の排出口とを有し、
    前記流動と前記流動化空気排気口との間に排気口側分散板が設けられており、
    前記流動槽が、地面と平行に設置されており、
    前記流動化空気供給手段が、前記分割された空気室のそれぞれに供給される流動化空気の流量を、前記粉粒体投入口側の空気室への流量が最も大きく、前記排出口側の空気室への流量が最も小さくなるように、連続的に変化させる、粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
  2. 前記複数の排出口のうち少なくとも一つの排出口に、粉粒体の排出量を制御する排出量制御手段が備えられている、請求項1に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
  3. 前記流動槽全体を振動させるための加振手段をさらに有する、請求項1または2に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
  4. 前記加振手段の加振振動数が前記流動槽の固有振動数である、請求項3に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉粒体の連続式乾式密度分離装置を用いて、前記流動化空気を前記流動槽内へ供給しながら連続的に粉粒体を分離する、粉粒体の連続式乾式密度分離方法。
  6. 粉粒体の連続式乾式密度分離装置を用いて、複数種類の耐火物が混合した屑より再利用可能な耐火物を分離し、
    前記屑より分離された耐火物を原料の少なくとも一部として用いてリサイクル耐火物を製造する、リサイクル耐火物の製造方法であって、
    前記粉粒体の連続式乾式密度分離装置が、
    分散板を介して連通した流動槽と空気室とを備え、前記空気室が仕切板によって複数に分割されている装置本体と、
    前記流動槽に粉粒体を投入するための粉粒体投入口と、
    前記粉粒体を流動させるための流動化空気を、前記分割された空気室のそれぞれを経由して、前記分散板から前記流動槽内へ供給するための流動化空気供給手段と、
    前記分割された空気室のそれぞれに供給される流動化空気の流量を個別に制御する流量制御手段と、
    前記流動化空気を流動槽から排気するための流動化空気排気口と、
    前記流動槽内で密度分離された粉粒体を分離された状態で排出するための、前記流動槽の壁面に並んで設けられた複数の排出口とを有し、
    前記流動槽が、地面と平行に設置されており、
    前記流動化空気供給手段が、前記分割された空気室のそれぞれに供給される流動化空気の流量を、前記粉粒体投入口側の空気室への流量が最も大きく、前記排出口側の空気室への流量が最も小さくなるように、連続的に変化させる、リサイクル耐火物の製造方法。
  7. 前記屑が、高炉樋で使用した使用済み耐火物を含有する、請求項6に記載のリサイクル耐火物の製造方法。
  8. 前記原料が、前記屑より分離された耐火物を10質量%以上50質量%以下含有する、請求項6または7に記載のリサイクル耐火物の製造方法。




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