JP6477445B2 - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用エアバッグ装置に関する。
特許文献1には、第一のインフレータ及び第二のインフレータを順次作動させてエアバッグを大きく膨張展開させるエアバッグ装置が開示されている。また、特許文献1では、車両の衝突が予知された衝突前の状態で第一のインフレータを作動させることにより、初期拘束性能を確保している。特許文献2には、2つのインフレータを備えた構造が開示されており、第1のインフレータの作動時には、ストラップによってエアバッグの容量を制限し、第2のインフレータの作動時にストラップを開放させてエアバッグの容量を増加させる構成となっている。
特表2008−534352号公報 特開2008−534354号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示された技術を適用して早期にエアバッグを膨張させた場合、乗員を拘束する衝突後半でエアバッグの内圧が低下する可能性があり、衝突後半までエアバッグの内圧を維持させる観点から改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、初期拘束性能を確保しつつ、衝突後半までエアバッグの内圧を維持させることができる車両用エアバッグ装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、エアバッグケース内に収納され、ガスの供給を受けて膨張展開されるエアバッグと、前記エアバッグケースに設けられ、燃焼されることで前記エアバッグへガスを供給して前記エアバッグを最大容量まで膨張展開させる拘束用ガス発生剤と、前記エアバッグケースに設けられ、燃焼されることで前記エアバッグへガスを供給すると共に、前記拘束用ガス発生剤よりも比表面積が小さい拘束前ガス発生剤と、車両の衝突が不可避であると判断された後、車両の衝突が検知された場合に、前記拘束前ガス発生剤を燃焼させ、かつ、前記拘束前ガス発生剤の燃焼が開始されてから所定時間経過後に前記拘束用ガス発生剤を燃焼させる制御部と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置では、エアバッグケース内にエアバッグが折り畳んで収納されている。また、エアバッグケースには、燃焼されることでエアバッグへガスを供給する拘束用ガス発生剤及び拘束前ガス発生剤が設けられている。ここで、車両の衝突が不可避であると判断された後、車両の衝突が検知された場合に、制御部からの信号に基づいて拘束前ガス発生剤が燃焼される。このように、車両の衝突が不可避であることを判断することで、衝突後の早い段階で拘束前ガス発生剤を燃焼させてエアバッグの膨張展開を開始させることができる。この結果、初期拘束性能を確保することができる。また、衝突前にエアバッグへガスを供給する構成と比較して、誤作動を回避又は抑制することができ、信頼性が向上する。
さらに、拘束前ガス発生剤の燃焼によってエアバッグへガスが供給されることで、エアバッグがある程度膨張展開され、この状態から拘束用ガス発生剤が燃焼されてエアバッグへさらにガスが供給される。これにより、乗員を拘束すべきタイミングにおいて短時間でエアバッグを最大容量まで膨張展開させることができる。
さらにまた、拘束前ガス発生剤は、拘束用ガス発生剤よりも比表面積(単位質量あたりの表面積)が小さくなるように形成されている。これにより、拘束前ガス発生剤は、乗員を拘束するためにガスを発生させる拘束用ガス発生剤と比較して、低出力で燃焼時間が長いガス発生剤となる。これにより、拘束前ガス発生剤を衝突後の早い段階で燃焼させた場合であっても、衝突用ガス発生剤を燃焼させる衝突後半まで燃焼を継続させることができ、エアバッグの内圧を維持させることができる。
請求項2に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、請求項1に記載の発明において、前記拘束前ガス発生剤は、前記エアバッグによる乗員の拘束が終了する時間まで燃焼が継続される。
請求項2に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置では、乗員の拘束が終了する時間まで拘束前ガス発生剤が燃焼しているので、乗員の拘束が終了するまでエアバッグの内圧を維持することができる。なお、乗員の拘束が終了する時間としては、衝突後100ms程度である。
請求項3に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記拘束用ガス発生剤及び前記拘束前ガス発生剤は、同じ材質かつ同じ径で円柱状に形成されており、前記拘束前ガス発生剤は、前記拘束用ガス発生剤よりも軸方向の長さが長く形成されている。
請求項3に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置では、同じ材質かつ同じ径で円柱状の拘束前ガス発生剤及び拘束用ガス発生剤が形成されている。また、拘束前ガス発生剤の軸方向の長さは、拘束用ガス発生剤の軸方向の長さよりも長く形成されている。このように軸方向の長さを長くするだけで、拘束用ガス発生剤よりも比表面積が小さいガス発生剤を形成することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置によれば、初期拘束性能を確保しつつ、衝突後半までエアバッグの内圧を維持させることができるという優れた効果を奏する。
請求項2に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置によれば、乗員の拘束性能を良好に維持することができるという優れた効果を奏する。
請求項3に記載の本発明に係る車両用エアバッグ装置によれば、拘束前ガス発生剤と拘束用ガス発生剤とを異なる材質や形状で形成した場合と比較して、材料コスト及び製造コストを削減することができるという優れた効果を奏する。
実施形態に係る車両用エアバッグ装置を構成するインフレータの内部構造を模式的に示す模式図である。 衝突後の経過時間に対するエアバッグの内圧を示すグラフである。 実施形態に係る車両用エアバッグ装置が適用された車両前部を車両幅方向から見た断面図であり、エアバッグが膨張展開された状態を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態に係る車両用エアバッグ装置について説明する。なお、図3に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
(車両用エアバッグ装置の全体構成)
図3に示されるように、車両用エアバッグ装置10(以下、適宜「エアバッグ装置10」と称する。)は、キャビンの車両前側に設けられており、本実施形態では一例として、助手席の車両前方のインストルメントパネル12内に配置されている。また、エアバッグ装置10は、エアバッグ14と、エアバッグ14を収納するエアバッグケース(リテーナ)16と、インフレータ18と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit)20とを含んで構成されている。
エアバッグ14は、一例として、二枚の基布の外周部を縫製することにより袋状に構成されており、蛇腹折りやロール折りなどの所定の折り畳み方によって折り畳まれた状態でエアバッグケース16に収納されている。また、エアバッグ14は、インフレータ18からのガスの供給を受けて、図示しない助手席側の車両用シートに着座した乗員へ向かって膨張展開されるように構成されている。なお、図3において、インフレータ18の内部に設けられた後述の拘束用ガス発生剤38からガスの供給を受けて最大容量まで膨張展開されたエアバッグ14の外形を実線で示している。また、インフレータ18の内部に設けられた後述の拘束前ガス発生剤36からガスの供給を受け後、拘束用ガス発生剤38からガスの供給を受ける前の状態におけるエアバッグ14の外形を二点鎖線で示している。
ここで、インストルメントパネル12には、ドア部12Aが形成されている。ドア部12Aは、インストルメントパネル12におけるウインドシールドガラス22の下部の下方に位置する部位に形成されており、エアバッグ14が膨張展開される前の通常状態では閉じられている。そして、エアバッグ14の膨張展開時には、エアバッグ14の膨張圧により図示しないティアラインに沿って破断して、ドア部12Aが前後方向に両開きに展開される。これにより、エアバッグ14が助手席に着座した乗員に向けて膨張展開される。また、エアバッグ14の両側には、図示しないベントホールが形成されている。
エアバッグケース16は、インストルメントパネル12のフランジ部12Bに取り付けられている。フランジ部12Bは、ドア部12Aの根元部分からインストルメントパネル12の内側へ向かって延出されており、このフランジ部12Bの下端部にエアバッグケース16が取り付けられている。
また、エアバッグケース16は、車両上方側が開口された箱状に形成されており、車両幅方向から見た断面が車両上方に開放された略ハット状に形成されている。ここで、エアバッグケース16の上端部から車両前方及び車両後方へそれぞれ鉤状の取付爪16Aが延出されている。そして、この取付爪16Aがフランジ部12Bに形成された取付孔に挿通され係止されることで、エアバッグケース16がフランジ部12Bに取り付けられている。
また、エアバッグケース16には、インフレータ18が設けられている。本実施形態のインフレータ18は、一例として、ディスクタイプのインフレータとされており、エアバッグケース16の底部16Bに取り付けられている。また、インフレータ18の一部がエアバッグケース16の内部に配置されている。そして、インフレータ18においてエアバッグケース16の内部に配置された部位には、複数のガス噴出口28Aが形成されており、このガス噴出口28Aからガスが噴出されることで、エアバッグ14へガスが供給されてエアバッグ14を膨張展開させる。なお、ディスクタイプのインフレータに限定されず、シリンダタイプのインフレータを用いてもよい。インフレータ18の詳細な構造については後述する。
インフレータ18にはECU20が電気的に接続されている。ECU20は、プリクラッシュセンサなどの衝突予知センサ24及び衝突センサ26(又はセンサ群)と電気的に接続されている。そして、ECU20は、衝突予知センサ24からの信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断できるように構成されている。なお、衝突予知センサ24は、一例として、ウインドシールドガラス22の上部における車幅方向中央付近に設けられた図示しないステレオカメラを含んで構成される。そして、このステレオカメラによって車両の前方側を撮影し、車両への衝突体を検出するようになっている。また、ステレオカメラによって検出された衝突体までの距離や車両と衝突体との相対速度などを測定し、測定データをECU20へ出力するようになっている。そして、ECU20は、ステレオカメラからの測定データに基づいて車両の衝突が不可避であるかどうかについて判断する。なお、衝突予知センサ24をミリ波レーダなどによって構成してもよい。
また、ECU20は、衝突センサ26からの信号に基づいて車両の衝突を検知できるように構成されている。ここで、衝突センサ26は、一例として、フロントサイドメンバに配置された加速度センサから成るフロントサテライトセンサと、センタコンソール下方のフロアに配設された加速度センサから成るフロアセンサとを含んで構成されている。
(インフレータ18の構造)
次に、インフレータ18の構造について説明する。図1に示されるように、インフレータ18は、外殻を構成する外側ケース28と、外側ケース28の内部に設けられた内側ケース30及び32と、点火装置34及び35と、拘束前ガス発生剤36と、拘束用ガス発生剤38とを含んで構成されている。なお、図1では、インフレータ18をエアバッグケース16に組み付けるためのフランジの図示を省略している。また、図1において、説明の便宜上、インフレータ18の図中上側を上方側とし、図中下側を下方側とするが、エアバッグ装置10が搭載された車両の上方側及び下方側と必ずしも一致するものではない。さらに、図1では、拘束前ガス発生剤36及び拘束用ガス発生剤38の大きさを誇張して図示している。
外側ケース28は、上下端部が閉塞された略円筒状に形成されており、外側ケース28における上部の周壁には、周方向に間隔をあけて複数のガス噴出口28Aが形成されている(図1では2つのガス噴出口28Aが図示されている)。ガス噴出口28Aは、外側ケース28の内面側からフィルタ40によって覆われており、後述する拘束前ガス発生剤36や拘束用ガス発生剤38が燃焼した際の燃焼残渣を除去できるように構成されている。さらに、外側ケース28の下面には、凹部28B及び28Cが形成されている。そして、外側ケース28の内部には、凹部28Bが形成されたことにより上方側へ膨出された膨出部28Dと、凹部28Cが形成されたことにより上方側へ膨出された膨出部28Eとが設けられている。
外側ケース28の内部には、小容量の内側ケース30及び大容量の内側ケース32が設けられている。また、外側ケース28の内部で、かつ、内側ケース30及び32の外側の空間には、複数の拘束前ガス発生剤36が隙間なく設けられている(図1では、説明の便宜上、隙間をあけて図示している)。ここで、内側ケース30及び32はそれぞれ、上下端部が閉塞された略円筒状に形成されており、本実施形態では、内側ケース30の方が内側ケース32よりも小さく形成されている。
小容量の内側ケース30は、外側ケース28に形成された膨出部28Dと対向する位置に設けられており、この内側ケース30の内部には、複数の拘束前ガス発生剤36が隙間なく設けられている(図1では、説明の便宜上、隙間をあけて図示している)。また、内側ケース30における上部の周壁には、周方向に間隔をあけて複数のガス噴出口30Aが形成されている(図1では2つのガス噴出口30Aが図示されている)。さらに、内側ケース30の下面には、取付孔30Bが形成されており、この取付孔30Bには、点火装置34の下部を除く部分が嵌入されている。点火装置34は、膨出部28Dに固定されており、この点火装置34からインフレータ18の外側へ向かって一対の端子34Aが突出されている。一対の端子34Aは、外側ケース28の下面を貫通して凹部28B側に露出されており、この端子34Aに図示しないワイヤハーネスを接続することで、点火装置34とECU20とが電気的に接続される。そして、ECU20からの信号に基づいて点火装置34に点火電流が流されることで、拘束前ガス発生剤36に着火して拘束前ガス発生剤36を燃焼させる。
一方、大容量の内側ケース32は、外側ケース28に形成された膨出部28Eと対向する位置に設けられており、この内側ケース32の内部には、複数の拘束用ガス発生剤38が隙間なく設けられている(図1では、説明の便宜上、隙間をあけて図示している)。また、内側ケース32における上部の周壁及び下部の周壁には、周方向に間隔をあけて複数のガス噴出口32Aが形成されている(図1では4つのガス噴出口が図示されている)。さらに、内側ケース32の下面には、取付孔32Bが形成されており、この取付孔32Bには、膨出部28Eが嵌入されている。さらに、膨出部28Eには、点火装置35が固定されており、この点火装置35からインフレータ18の外側へ向かって一対の端子35Aが突出されている。一対の端子35Aは、外側ケース28の下面を貫通して凹部28C側に露出されており、この端子35Aに図示しないワイヤハーネスを接続することで、点火装置35とECU20とが電気的に接続される。そして、ECU20からの信号に基づいて点火装置35へ点火電流が流されることで、拘束用ガス発生剤38に着火して拘束用ガス発生剤38を燃焼させる。
ここで、拘束前ガス発生剤36は、拘束用ガス発生剤38よりも比表面積が小さくなるように形成されている。本実施形態では、拘束前ガス発生剤36と拘束用ガス発生剤38とは、同じ材質で形成されている。また、拘束前ガス発生剤36と拘束用ガス発生剤38とは、同じ径で円柱状に形成されており、拘束前ガス発生剤36は、拘束用ガス発生剤38よりも軸方向の長さが長く形成されている。すなわち、拘束用ガス発生剤38は、拘束前ガス発生剤36を軸方向に複数に分割した形状と略同一の形状となる。このため、同じ質量の拘束用ガス発生剤38と拘束前ガス発生剤36とを用意して表面積を比べた場合、拘束用ガス発生剤38の方が分割された分だけ単位質量あたりの表面積が大きくなる。すなわち、拘束用ガス発生剤38の方が拘束前ガス発生剤36よりも比表面積が大きくなっている。換言すれば、拘束前ガス発生剤36は、拘束用ガス発生剤38よりも比表面積が小さくなっている。
ここで、比表面積が大きいほど燃焼しやすいため、拘束用ガス発生剤38は、拘束前ガス発生剤36と比較して、短時間で燃焼されることとなる。すなわち、単位時間あたりのガスの発生量が多い、高出力のガス発生剤となっている。一方、比表面積が相対的に小さい拘束前ガス発生剤36は、燃焼するのに時間が掛かるため、単位時間あたりのガス発生量が少ない、低出力のガス発生剤となっている。なお、拘束前ガス発生剤36は、乗員の拘束が終了する時間まで燃焼が継続されるように比表面積が調節されており、本実施形態では一例として、車両の衝突後100msが経過するまでの間、燃焼が継続されるように比表面積が調節されている。
ここで、本実施形態のエアバッグ装置10によって乗員を保護するフローについて説明する。図2には、車両の衝突後の経過時間とエアバッグ14の内圧との関係が示されており、図2の横軸は時間であり、縦軸はエアバッグ14の内圧とされている。また、本実施形態におけるエアバッグ14の内圧の変化がグラフ中に実線L1で示されており、点火装置が一つで拘束用ガス発生剤38のみが設けられた比較例におけるエアバッグの内圧の変化がグラフ中に破線L2で示されている。
図2のグラフを見ると、車両の衝突後の時間TのタイミングでECU20からの信号に基づいて点火装置34に点火電流が流される。これにより、図1に示されるように、点火装置34によって内側ケース30内の拘束前ガス発生剤36に着火される。ここで、本実施形態では、衝突予知センサ24からの信号に基づいて車両の衝突が不可避であると判断できるため、衝突センサ26からの信号に基づいて車両の衝突を検知した場合に、早期に拘束前ガス発生剤36に着火できるように構成されている。なお、時間Tは、例えば、車両の衝突後3〜5msである。
拘束前ガス発生剤36に着火されて拘束前ガス発生剤36が燃焼されると、拘束前ガス発生剤36からガスが発生して内側ケース30内にガスが充満する。そして、ガス噴出口30Aから内側ケース30の外側へガスが流れて内側ケース30の外側に設けられた拘束前ガス発生剤36に着火される。また、外側ケース28内に充満したガスは、フィルタ40を通過して外側ケース28のガス噴出口28Aからインフレータ18の外側へ流れる。これにより、エアバッグ14内へガスが供給され、エアバッグ14が膨張展開される。このときのエアバッグ14の内圧は、Pとなっている(図2参照)。なお、内側ケース32には外側からアクセスできない構造となっているため、拘束前ガス発生剤36から発生したガスが内側ケース32内に入り込むことはない。
次に、拘束前ガス発生剤36の燃焼が開始されてから所定時間経過後の時間Tのタイミングで、ECU20からの信号に基づいて点火装置35に点火電流が流される。これにより、点火装置35によって内側ケース32内の拘束用ガス発生剤38に着火される。そして、拘束用ガス発生剤38が燃焼することで、内側ケース32内にガスが充満し、ガス噴出口32Aから内側ケース32の外側へガスが流れる。さらに、フィルタ40を通過して外側ケース28のガス噴出口28Aからインフレータ18の外側へガスが流れてエアバッグ14へガスが供給される。なお、時間Tは、例えば、車両の衝突後10msである。
ここで、図2に示されるように、時間Tのタイミングでは、拘束前ガス発生剤36の燃焼が継続しており、エアバッグ14の内圧がPに維持されている。そして、この状態から拘束用ガス発生剤38から発生したガスがエアバッグ14へ供給されることで、短時間でエアバッグ14の内圧がPに到達し、エアバッグ14が最大容量まで膨張展開される。
これに対して、破線で示された比較例では、点火装置が一つのみであるため、時間Tのタイミングで拘束用ガス発生剤38を燃焼させた場合であっても、エアバッグを最大容量まで膨張展開させるのに時間が掛かることが分かる。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態に係るエアバッグ装置10では、車両の衝突が不可避であると判断された後、車両の衝突が検知された場合に、ECU20からの信号に基づいて拘束前ガス発生剤36が燃焼される。このように、車両の衝突が不可避であることを判断することで、衝突後の早い段階で拘束前ガス発生剤36を燃焼させてエアバッグ14を膨張展開させることができる。この結果、初期拘束性能を確保することができる。また、衝突前にエアバッグ14へガスを供給する構成と比較して、誤作動を回避又は抑制することができる。すなわち、衝突前にエアバッグ14へガスが供給された場合、衝突を回避してもエアバッグ14が膨張展開されるのに対して、本実施形態では、車両の衝突が検知された後にエアバッグ14へガスを供給させるため、誤作動が回避又は抑制され、信頼性が向上する。
さらに、本実施形態では、拘束前ガス発生剤36の燃焼によってエアバッグ14へガスが供給されることで、エアバッグ14の内圧がPとなるまで膨張展開される。そして、この状態から拘束用ガス発生剤38が燃焼されてエアバッグ14へさらにガスが供給される。これにより、乗員を拘束すべきタイミングにおいて短時間でエアバッグ14を最大容量まで膨張展開させることができる。
さらにまた、本実施形態では、拘束前ガス発生剤36は、拘束用ガス発生剤38よりも比表面積が小さくなるように形成されている。このため、拘束前ガス発生剤36は、拘束用ガス発生剤38と比較して、低出力で燃焼時間が長いガス発生剤となっている。この結果、拘束前ガス発生剤36を衝突後の早い段階で燃焼させた場合であっても、拘束用ガス発生剤38を燃焼させる衝突後半(乗員を拘束すべきタイミング)まで拘束前ガス発生剤36の燃焼を継続させることができ、エアバッグ14の内圧を維持させることができる。以上のように、本実施形態のエアバッグ装置10では、初期拘束性能を確保しつつ、衝突後半までエアバッグ14の内圧を維持させることができる。
また、本実施形態では、乗員の拘束が終了する時間(衝突後100ms)まで拘束前ガス発生剤36を燃焼させることにより、乗員の拘束が終了するまでエアバッグ14の内圧を維持することができる。この結果、乗員を拘束中のエアバッグ14の内圧が低下するのを抑制することができ、乗員の拘束性能を良好に維持することができる。
さらに、本実施形態では、拘束前ガス発生剤36及び拘束用ガス発生剤38を同じ材質かつ同じ径で円柱状に形成している。そして、拘束前ガス発生剤36の軸方向の長さが拘束用ガス発生剤38の軸方向の長さよりも長く形成されている。このようにして、拘束用ガス発生剤38の軸方向の長さを長くするだけで、拘束用ガス発生剤よりも比表面積が小さい拘束前ガス発生剤36を形成することができる。また逆に、拘束前ガス発生剤36を軸方向に複数に分割するだけで拘束用ガス発生剤38を形成することができる。すなわち、拘束前ガス発生剤36と拘束用ガス発生剤38とを異なる材質や形状で形成した場合と比較して、材料コスト及び製造コストを削減することができる。
以上、本発明の実施形態に係る車両用エアバッグ装置について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、図1に示されるように、1つのインフレータ18の内部に拘束前ガス発生剤36及び拘束用ガス発生剤38が設けられた構造(デュアルインフレータ)としたが、これに限定されない。エアバッグケース16に2つのインフレータを取り付けて、一方のインフレータに拘束前ガス発生剤36を収容し、他方のインフレータに拘束用ガス発生剤38を収容した構造としてもよい。
また、上記本実施形態では、拘束用ガス発生剤38の軸方向の長さを変えることで、拘束用ガス発生剤38よりも比表面積が小さい拘束前ガス発生剤36を形成したが、これに限定されない。例えば、拘束前ガス発生剤36に対して、軸方向に延びる複数の溝を形成するなどして、拘束前ガス発生剤36よりも比表面積が大きい拘束用ガス発生剤を形成してもよい。また、拘束前ガス発生剤36及び拘束用ガス発生剤38の形状は、略円柱状に限定されず、他の形状としてもよい。例えば、拘束前ガス発生剤36及び拘束用ガス発生剤38を両端が開口された略円筒状に形成してもよく、一端のみが開口された略有底円筒状に形成してもよい。
さらに、上記本実施形態では、車両の衝突が検知された後、10ms経過した時間Tで拘束用ガス発生剤38を燃焼させてエアバッグ14を最大容量まで膨張展開させたが、これに限定されない。例えば、時間Tよりも後に拘束用ガス発生剤38を燃焼させて、図2の破線で示された比較例の構造と同じタイミングでエアバッグ14の膨張展開が完了する構成としてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、助手席の車両前方のインストルメントパネル12内に配置されたエアバッグに本発明を適用したが、これに限定されず、運転席用エアバッグや後席用エアバッグに本発明の構成を適用してもよい。
また、上記実施形態では、拘束前ガス発生剤36は、乗員の拘束が終了する時間まで燃焼が継続されるように比表面積が調節されているが、これに限定されない。例えば、乗員の拘束性能に影響しない範囲で拘束の後期に拘束前ガス発生剤36の燃焼が終わる構成としてもよい。ただし、乗員の拘束性能を良好に維持する観点から、乗員の拘束が終了する時間(100ms程度)まで拘束前ガス発生剤36の燃焼を継続させるのが好ましい。
10 車両用エアバッグ装置
14 エアバッグ
16 エアバッグケース
20 ECU(制御部)
36 拘束前ガス発生剤
38 拘束用ガス発生剤

Claims (3)

  1. エアバッグケース内に収納され、ガスの供給を受けて膨張展開されるエアバッグと、
    前記エアバッグケースに設けられ、燃焼されることで前記エアバッグへガスを供給して前記エアバッグを最大容量まで膨張展開させる拘束用ガス発生剤と、
    前記エアバッグケースに設けられ、燃焼されることで前記エアバッグへガスを供給すると共に、前記拘束用ガス発生剤よりも比表面積が小さい拘束前ガス発生剤と、
    車両の衝突が不可避であると判断された後、車両の衝突が検知された場合に、前記拘束前ガス発生剤を燃焼させ、かつ、前記拘束前ガス発生剤の燃焼が開始されてから所定時間経過後に前記拘束用ガス発生剤を燃焼させる制御部と、
    を有する車両用エアバッグ装置。
  2. 前記拘束前ガス発生剤は、前記エアバッグによる乗員の拘束が終了する時間まで燃焼が継続される請求項1に記載の車両用エアバッグ装置。
  3. 前記拘束用ガス発生剤及び前記拘束前ガス発生剤は、同じ材質かつ同じ径で円柱状に形成されており、
    前記拘束前ガス発生剤は、前記拘束用ガス発生剤よりも軸方向の長さが長く形成されている請求項1又は2に記載の車両用エアバッグ装置。
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