JP6475993B2 - 落橋防止緩衝チェーン - Google Patents

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本発明は、橋桁の落下を防止するための落橋防止チェーンに関し、より詳細には、緩衝材を介在させることで衝撃荷重が作用しても破断せずに落橋を防止することができる落橋防止緩衝チェーンに関するものである。
一般的な橋梁は、橋桁などの橋梁上部構造体と橋台や橋脚などの橋梁下部構造体とが、剛接合されているのではなく、それらが支承部材を介してローラ支承やピン支承等により接合されている構造となっている。
その上、人命にかかわる大事故を防止する観点から、橋梁上部構造体が橋梁下部構造体から落橋しないように防止する落橋防止装置を取り付けることが行われ、この落橋防止装置として、橋梁上部構造体と橋梁下部構造体とがワイヤロープやチェーンなどで連結されている。
また、従来、この種の落橋防止装置として、地震時などに伝達される衝撃荷重により破断しないように衝撃を吸収するゴムなどの緩衝材を介在させてリング同士を連結した緩衝チェーンも提案されている。
例えば、特許文献1には、複数のリング6の各々が接触しないよう間隙を配して相互に嵌合させリング6全体を直線状に整列させた状態でリング6を弾性体7内に埋設し間隙にも弾性体7を充填することにより略棒状に形成した緩衝部材5の一端部を連結部材11と定着部材10とにより桁2の端部付近に定着させ、他端を連結部材9と定着部材8とにより橋脚1又は隣接桁2Aの端部付近に定着させた緩衝チェーンが開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0029]〜[0031]、図面の図1、図2参照)。
しかし、特許文献1に記載された緩衝チェーンは、緩衝効果を奏するリング同士の間に弾性体が挿入された箇所数に比して弾性体全体の長さが長いため全体重量が重くなっていた。そのため、運搬効率や作業効率も悪く、緩衝チェーンの取付作業や交換作業の作業コストも嵩むという問題があった。また、緩衝効果も限定的であり、緩衝効果を上げるためには、重量が重くなってしまうという問題があった。
また、特許文献2には、チェーン8の両端に拡大リング9、9を連結し、この拡大リング9、9内にゴムや各種の合成樹脂で成形され、かつ断面が凹部でなる係入部11を外周に形成した緩衝部材10、10をそれぞれ嵌入した緩衝用チェーンが開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0017]〜[0022]、図面の図1、図2、図6参照)。
しかし、特許文献2に記載された緩衝用チェーンは、チェーンあたり緩衝部材10を2箇所嵌め込まなければならず、手間がかかるため作業コストが嵩むうえ、衝撃荷重の伝わりかたによれば、緩衝効果が弱くなるおそれがあった。
さらに、特許文献3には、複数のリング103がリング連結部で連結されたチェーン部材101と該チェーン部材101の両端に設けられる接続治具102a,102bを具備し、チェーン部材101のうち一部または全部が緩衝具を有する緩衝チェーン部材101aであり、該緩衝具は弾性体からなりリング連結部で隣接するリング間によって形成された間隙部にのみ装着され、チェーン部材101の一端側に設けられた接続治具102bが支持側固定具7に連結されるとともにチェーン部材101の他端側に設けられた接続治具102aが桁側固定具6に連結される落橋防止装置1が開示されている。
しかし、特許文献3に記載された落橋防止装置1は、緩衝具8だけでは、衝撃荷重の伝わり方如何によっては緩衝効果が不足する上、通常、緩衝具8のゴム成分の紫外線劣化等を防ぐため鋼製の保護管104が設けられており、重量的にも重く、作業コストが嵩むという問題があった。
特開平9−242019号公報 特開2002−97607号公報 特開2012−177255号公報
そこで本発明は、前記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするとこ
ろは、地震時の衝撃荷重を吸収する緩衝効果が高く、且つ、重量が軽く、取付・交換の作業効率を上げることができる落橋防止緩衝チェーンを提供することにある。
請求項記載の落橋防止緩衝チェーンは、互いに連結された複数のリングを備え、橋桁などの橋梁上部構造体と橋台や橋脚などの橋梁下部構造体とを連結して橋梁上部構造体の落下を防止する落橋防止チェーンであって、前記複数のリングの一部が、互いに間隔をあけ、且つ、捩じられた状態でその周りをゴム弾性体で固化されていることを特徴とする。
請求項記載の落橋防止緩衝チェーンは、請求項に記載の落橋防止緩衝チェーンにおいて、前記複数のリングは、溶融亜鉛メッキ等の防錆処理が施されたうえ、リン酸処理等の粗面処理を行った後、前記ゴム弾性体で固化されていることを特徴とする。
請求項記載の落橋防止緩衝チェーンは、請求項1又は2に記載の落橋防止緩衝チェーンにおいて、固化した前記ゴム弾性体の表面には、塑性変形したことが確認可能なマークが付けられていることを特徴とする。
請求項記載の落橋防止緩衝チェーンは、請求項に記載の落橋防止緩衝チェーンにおいて、前記マークは、直線上のライン又は直線状のドットであることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、複数のリングの一部が、互いに間隔をあけ、且つ、捩じられた状態でその周りをゴム弾性体で固化されているので、前記作業効果に加え、衝撃荷重がチェーンに伝達される際に、リング同士が直交する角度に戻ろうとする力が働き、それをゴム弾性体で包んで固化しているため、衝撃荷重の伝達を遅らせるとともに、衝撃荷重のエネルギーを運動エネルギーに変えて消費して吸収することができる。このため、地震時の衝撃荷重を吸収する緩衝効果を向上させることができる。
請求項に記載の発明によれば、溶融亜鉛メッキ等の防錆処理が施されたうえ、リン酸処理等の粗面処理を行っているので、チェーンの耐食性が向上するだけでなく、ゴム弾性体の付着力も落ちることが無い。このため、緩衝効果を維持しつつ耐食性を向上させて、耐久性も向上させることができる。また、チェーンの露出部分に後から防錆処理を施す手間を省くことができる。
請求項及びに記載の発明によれば、ゴム弾性体部分が塑性変形したか否かが一目瞭然となるため、大地震後の落橋防止緩衝チェーンの点検作業を容易に短時間で行うことができ、メンテナンス費用を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る落橋防止緩衝チェーンをコンクリート製の橋台Bと、H鋼からなる橋桁Hとの間に連結して架け渡した場合を示す斜視図である。 同上の落橋防止緩衝チェーンを示す斜視図である。 同上の落橋防止緩衝チェーンのリング連結体のみを示す斜視図である。 図2の落橋防止緩衝チェーンの水平断面図である。 同上の落橋防止緩衝チェーンのA−A線鉛直拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る落橋防止緩衝チェーンのリング連結体を透視して破線で示す斜視図である。 同上の落橋防止緩衝チェーンのゴム被覆体のみを切断して示す水平断面図である。 同上の落橋防止緩衝チェーンのB−B線鉛直拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る落橋防止緩衝チェーンを示す斜視図である。 同上の落橋防止緩衝チェーンの変形例を示す斜視図である。 従来の落橋防止緩衝チェーンを示す水平断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る落橋防止緩衝チェーンについて、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
先ず、図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る落橋防止緩衝チェーンについて説明する。第1実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1は、図1に示すように、橋台や橋脚などの橋梁下部構造体と橋桁などの橋梁上部構造体とを長さの余裕をもってたるませた状態で連結し、橋梁上部構造体が橋梁下部構造体から落下するのを防止する機能を有している。
図1には、鉄筋コンクリート製の橋台Bと、H鋼からなる橋桁Hとを連結する場合を例示している。なお、図示形態は、落橋防止緩衝チェーン1を1か所のみ設置したものを例示しているが、勿論、橋梁の規模に応じて複数設けてもよい。
第1実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1は、図2、図4等に示すように、複数のリングが互いに連結されたチェーン本体であるリング連結体2と、このリング連結体2の一部を被覆するゴム被覆体3などから構成されている。
(リング連結体)
このリング連結体2は、図3、図5に示すように、棒材から長円形状に加工された5つのリング21〜25が、リングの軸同士が直交するように連結されたリング連結体であり、図4に示すように、5つのリング21〜25の4か所全ての連結部が所定間隔の間隙Dをあけた状態で、ゴム弾性体で被覆されて固化されている。また、図示する間隙Dは、本実施形態では、リング21〜25の直径1個分の間隔となっている。
このリング21〜25は、本実施形態では、クロムモリブデン鋼(SCM420H)に焼入れ、焼もどしの熱処理を行って製造された直径19mmの丸棒から長円形状に加工・連結されたものが採用されている。勿論、鋼材の種類や口径は適宜選択すればよいことは云うまでもない。
なお、本実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1のリング連結体2は、5つのリング21〜25で構成されているが、これより多いリングで構成されていてもよいし、本実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1では、図4に示すように、両端のリング21、25にシャックル4を付け、長さ調整可能としている。勿論、このシャックル4は、無くても落橋防止緩衝チェーンとして機能することは明らかである。
(ゴム被覆体)
ゴム被覆体3は、図2、図5等に示すように、リング連結体2の一部を被覆し直径100mm程度の円柱状に成形されたゴム弾性体からなり、本実施形態では、抵抗力、反発力が大きいことから、天然ゴムと合成ゴムを混合して加硫した硬質ゴムが採用されている。なお、ゴム被覆体3は、耐候性、耐紫外線性に優れた硬質ゴムからなるのが好ましいが、衝撃荷重に対する緩衝作用のあるゴム弾性体からなるものであればばよく、衝撃荷重に対する緩衝作用があれば、ゴム被覆体3として、弾塑性体や粘弾性体など他の弾性体から構成してもよい。
このゴム被覆体3の形状は、円柱状に限られず、角柱状や断面十字状など、リング連結体2の一部を所定の間隔をあけた状態で被覆して固化していれば、外形等の形状は特に限定されるものではない。
なお、ここで、ゴム弾性体とは、常温でのヤング率が約1〜10MPa程度と、小さな応力で破断することなく大きく伸び、しかも外力を除くとほとんど瞬間的に基に戻るというゴム弾性を示す物体を指している。また、硬質ゴムとは、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなど、原料ゴムに多量の硫黄を加えて、JISK6253のデュロメータ硬さ試験(タイプA)による硬さが70°以上となったゴム弾性体を指している。
また、このゴム被覆体3は、前述のように、5つのリング21〜25の4か所の連結部において、互いに間隙Dをあけた状態でリング連結体2を被覆するものであり、図4に示すように、円柱の長さが、284mmとリング21〜25の長間隔(長い方の間隔)90mmの4倍以内となっている。
一方、図11に示すように、従来の落橋防止緩衝チェーン10(特許文献1も参照)は、ゴム被覆体R2により、リング連結体R1の7つのリング11〜17のうち、5個のリング12〜16が完全に被覆されているとともに、両端のリング11、17の一部が被覆されており、円柱状のゴム被覆体R2の長さが、426mmと、リング11〜17の長間隔90mmの4.7倍程度となっている。しかし、リング同士の間隔は、間隙Dが4か所と落橋防止緩衝チェーン1と同じである。
これら緩衝チェーンの衝撃吸収効果は、リング連結部の間隙に入り込んだゴム弾性体の緩衝作用の寄与が大きいと考えられる。これは、緩衝機能確認実験、繰り返し載荷性能の試験で確認されており、落橋防止緩衝チェーン1は、従来の落橋防止緩衝チェーン10と同等以上の緩衝機能及び繰り返し載荷性能を示している。
また、従来の落橋防止緩衝チェーン10は、リング連結体R1をゴム弾性体からなるゴム被覆体R2で被覆した後、露出部分に防錆塗装などで防錆処理を施していたが、落橋防止緩衝チェーン1は、リング連結体2に、溶融亜鉛メッキが施されたうえ、ゴム弾性体で被覆される部分にリン酸処理が行われた後、ゴム弾性体からなるゴム被覆体3で被覆されて固化されている。このため、落橋防止緩衝チェーン1は、落橋防止緩衝チェーン10と比べてゴム被覆体3のリング連結体2への付着力がメッキしない場合と比べても遜色なく、衝撃吸収の緩衝効果も高くなっている。また、被覆した後、露出部分に防錆処理を施す手間を省くことができる。
ここで、リン酸処理とは、パーカー処理ともいい、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸マンガン、リン酸カルシュウム等を用いて金属の表面に化成処理を施し、金属表面にリン酸亜鉛などの金属塩の薄い皮膜形成することを指す。このリン酸処理は、金属との耐食性、塗料等との密着性の向上を目的とする処理であるが、通常、メッキ処理前に行われる。本実施形態では、溶融亜鉛メッキ後に、ゴム弾性体で被覆される部分にこのリン酸処理を行うことで、ゴム被覆体3との密着性・付着性を高めている。
なお、リング連結体R1の防錆処理として溶融亜鉛メッキを例示して説明したが、リング連結体R1の防錆処理は、溶融亜鉛メッキに限られず、例えば、電気メッキ、無電解メッキ、蒸着等の他の防錆処理でも構わない。要するに、リング連結体R1が錆びるのを所望期間以上防止できる処理であればよい。また、リン酸処理もリング連結体R1の表面が粗面となるような粗面処理であり、リング連結体R1とゴム弾性体との付着力が向上する処理であれば、特にリン酸処理に限定されるものではない。
以上説明した第1実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1によれば、リング連結体2のリング同士の間隙Dの箇所数を4か所と、従来の落橋防止緩衝チェーン10と同じにして、リング連結体2を被覆するゴム被覆体3の長さを従来と比べて2/3程度としたので、落橋防止緩衝チェーン1全体の重量を軽くすることができる。そのため、落橋防止緩衝チェーン1によれば、地震時の衝撃荷重を吸収する緩衝効果を維持しつつ、製造コストや取付・交換の作業コストを下げることができる。
また、第1実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1によれば、ゴム被覆体3がリング同士の間隙D以外も被覆する円柱状となっているので、特許文献3に記載された発明のように、緩衝効果を奏するゴムの紫外線劣化を防止するため外部に保護管等を設けずとも、間隙Dに挿置されたゴム弾性体が紫外線により劣化する恐れが極めて少ない。
[第2実施形態]
次に、図6〜図8を用いて、本発明の第2実施形態に係る落橋防止緩衝チェーンについて説明する。第2実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1’は、図6に示すように、落橋防止緩衝チェーン1と構成要素及び外形は同じであり(図2参照)、落橋防止緩衝チェーン1と相違する点は、ゴム弾性体で被覆するときのリング連結体の状態だけである。よって、その点について詳細に説明し、その他の説明を省略する。
第2実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1’は、前述の落橋防止緩衝チェーン1と同様に、複数のリングが互いに連結されたチェーン本体であるリング連結体2’と、このリング連結体2の一部を被覆する弾性体からなるゴム被覆体3’などから構成されている。
本実施形態に係るリング連結体2’は、前述のリング連結体2と同じ構成であるが、図3に示したリング連結体2の状態から図6〜図8に示すように、両端のリング21’,25’と、中央のリング23’は、リングの軸が水平方向に沿った状態のまま、リング22’,24’を図の矢印方向に回転させていく。そして、図8に示すように、リング22’,リング24’が中央のリング23’の軸と直交する鉛直状態から所定角度α(本実施形態では、22.5度)だけ傾いた状態まで捩じられ、その状態で前述のゴム弾性体からなるゴム被覆体3’でリング連結体2’の周りを固化して被覆している点で、第2実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1’は、落橋防止緩衝チェーン1と相違する。
また、リング連結体2を捩じってリング連結体2’とすることで、自然とリング同士の間に間隙が生じることとなる。なお、ゴム被覆体3’を構成するゴム弾性体などは、前述のゴム被覆体3と同じである。
このようにリングの一部が捩じられた状態の落橋防止緩衝チェーン1’のリング連結体2’は、その周りを前述のゴム弾性体で固化されてゴム被覆体3’として被覆された状態なので、落橋防止緩衝チェーン1’に衝撃荷重が伝達された場合には、その引張力でリング21’〜25’が離れようとする。すると、必然的にリング連結体2’の捩じれを解消する方向、即ち、リング22’,24’が図6、図8の矢印と逆方向に回転しようとする。このとき、リング22’,24’は、周りのゴム被覆体3’の一部分だけ押し回そうとする。このため、第2実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1’によれば、衝撃荷重の伝達を遅らせるとともに、衝撃荷重のエネルギーを運動エネルギーに変えて消費して吸収することができる。それにより、地震時の衝撃荷重を吸収する緩衝効果を向上させることができる。
また、第2実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1’は、落橋防止緩衝チェーン1と同様に、溶融亜鉛メッキ等の防錆処理の後にリン酸処理を行っている。このため、リング連結体2’とゴム被覆体3’との付着力が向上しており、前述のリング連結体2’の捩じりを解消しようとする回転運動の際に消費するエネルギーも増え、さらに地震時の衝撃荷重を吸収する緩衝効果を向上させて、大地震でも破断せずに、橋梁上部構造体が橋梁下部構造体から落下するのを防止することができる。
[第3実施形態]
次に、図9を用いて、本発明の第3実施形態に係る落橋防止緩衝チェーンについて説明する。第3実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1”は、図9に示すように、第2実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1’と同一構成、同一外形であり(図6も参照)、落橋防止緩衝チェーン1’と相違する点は、ゴム被覆体3’の外周表面に、ゴム被覆体3’が塑性変形したことが確認可能なマークM1が付けられている点だけであるので、その点について詳細に説明し、その他の説明を省略する。
このマークM1は、耐候性の塗料等からなるゴム被覆体3’の円柱状の外周表面の長さ方向に沿った直線状のラインであり、両端のリング21’、25’のリング軸に沿って付せられている。このマークM1が付せられていることにより、大地震により落橋防止緩衝チェーン1’に大きな衝撃荷重か加わり、前述のリング連結体2’の捩じりを解消しようとする回転運動が生じる。そして、この回転運動によりゴム被覆体3’のゴム弾性体が塑性変形した場合、マークM1が直線ではなくなることにより、目視で簡単に確認することができる。
つまり、小地震や中地震で作用する力では、落橋防止緩衝チェーン1”のゴム被覆体3’は、ゴム弾性体の弾性域内で納まるため、落橋防止緩衝チェーン1”を繰り返し使用することが可能である。しかし、想定外の大地震が起きた際には、落橋防止緩衝チェーンの点検が必要となる。
第3実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1”によれば、マークM1が直線であるか否かを目視することにより、ゴム被覆体3”のゴム弾性体部分が塑性変形したか否かが一目瞭然である。このため、落橋防止緩衝チェーン1”によれば、大地震後の落橋防止緩衝チェーンの点検作業を容易で短時間で行うことができ、メンテナンス費用を低減することができる。
次に、図10を用いて、第3実施形態に係る落橋防止緩衝チェーン1”のマークM1の変形例について説明する。図10に示すように、落橋防止緩衝チェーン1”の変形例である落橋防止緩衝チェーン1#は、直線状のラインであったマークM1がドット状のライン(ドットライン)となったマークM2となっている。
このドットラインのマークM2によれば、ドットの並びが直線状でなくなったか否かを目視することで前述のマークM1と同等の確認ができるだけでなく、万が一、落橋防止緩衝チェーン1”が曲げ応力によりゴム被覆体3部分が塑性変形した場合であっても、ドットの間隔の相違により、目視確認することができる。
以上、本発明の実施形態に係る落橋防止緩衝チェーンについて詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、リングとして丸棒から長円形状に加工されたもの例示して説明したが、リングは、長円形状に限られず、円形状やひし形等チェーンを構成するものであれば特に限定されるものではない。また、四角鋼、六角鋼であっても適用可能である。
1、1’、1”、1# :落橋防止緩衝チェーン
2、2’、2” :リング連結体
20〜25、21’〜25’ :リング
3、3’、3” :ゴム被覆体(ゴム弾性体)
4 :シャックル
M1、M2 :マーク
D :間隙
B :橋台(橋梁下部構造体)
H :橋桁(橋梁上部構造体)
10 :従来の落橋防止緩衝チェーン
11〜17 :従来のリング
R1 :従来のリング連結体
R2 :従来のゴム被覆体

Claims (4)

  1. 互いに連結された複数のリングを備え、橋桁などの橋梁上部構造体と橋台や橋脚などの橋梁下部構造体とを連結して橋梁上部構造体の落下を防止する落橋防止チェーンであって、
    前記複数のリングの一部が、互いに間隔をあけ、且つ、捩じられた状態でその周りをゴム弾性体で固化されていることを特徴とする落橋防止緩衝チェーン。
  2. 前記複数のリングは、溶融亜鉛メッキ等の防錆処理が施されたうえ、リン酸処理等の粗面処理を行った後、前記ゴム弾性体で固化されていることを特徴とする請求項に記載の落橋防止緩衝チェーン。
  3. 固化した前記ゴム弾性体の表面には、塑性変形したことが確認可能なマークが付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の落橋防止緩衝チェーン。
  4. 前記マークは、直線上のライン又は直線状のドットであることを特徴とする請求項に記載の落橋防止緩衝チェーン。
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