JP2011052478A - 連結具及び連結具の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連結具の生産性を向上すると共に製造工程での環境負荷を少なくする。
【解決手段】連結具10のゴム体12の中には、5つのリングを交差してリンクして構成され、全体に防錆用のメッキがされた鎖14が埋め込まれており、第3リング14Cにおける連結対象物に連結される部分となる連結部25が、ゴム体12から露出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、2部材を連結する連結具及びその製造方法に関する。
従来、2部材を連結する連結具としては、例えば、特許文献1のように、側面視にて略V字状に湾曲した弾性体の中に鎖が、弾性体の形状に沿って埋め込まれており、鎖の端部が弾性体から露出した連結具が知られている。
特開2005−326022号公報
しかしながら、特許文献1のような連結具では、弾性体から露出した鎖の部分が錆びるのを防止するため、数回に渡り防食用塗装をしている。または、鎖の弾性体から露出した部分のみに防食用のメッキをしている。
このため、特許文献1のような連結具では、鎖の弾性体から露出した部分のみに数回に渡り防食用塗装をするかまたは防食用のメッキをするので製造工程が煩雑となり生産性が良くない。また、塗装には有機溶剤を使用するので環境負荷もある。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、生産性を向上できると共に製造工程での環境負荷が少ない連結具及び連結具の製造方法を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明の連結具は、湾曲した弾性体と、全体に防錆用のメッキがされ、前記弾性体に埋め込まれると共に前記弾性体の両端から露出した連結部がそれぞれ連結対象物に連結される鎖と、を有する。
全体に防錆用のメッキがされている鎖が弾性体に埋め込まれている。このため、鎖における弾性体の両端から露出した連結部に数回に渡り防食用塗装を行うという煩雑な作業がなくなり、生産性を向上できる。また、製造工程で有機溶剤を使用しないので環境負荷が少ない。
請求項2に記載の発明は請求項1に記載の連結具において、前記メッキは、亜鉛メッキ、亜鉛とアルミの合金メッキ、亜鉛とアルミとマグネシウムの合金メッキの何れか1つである。
亜鉛メッキ、亜鉛とアルミの合金メッキ、亜鉛とアルミとマグネシウムの合金メッキの何れか1つでメッキがされている鎖が弾性体に埋め込まれる。このため、鎖における弾性体の両端から露出した連結部に数回に渡り防食用塗装を行うという煩雑な作業がなくなり、生産性を向上できる。
請求項3に記載の発明の連結具の製造方法は、鎖の全体に防錆用のメッキを行うメッキ工程と、前記メッキ工程でメッキされた鎖を湾曲した弾性体に、連結対象物に連結される連結部を前記弾性体の両端から露出した状態で埋め込む埋設工程と、を含む。
メッキ工程において、鎖の全体に防錆用のメッキを行い。埋設工程において、連結対象物に連結される連結部を弾性体の両端から露出した状態で、メッキ工程でメッキされた鎖を弾性体に埋め込む。このため、鎖における弾性体の両端から露出した連結部に数回に渡り防食用塗装を行うという煩雑な作業がなくなり、生産性を向上できる。また、製造工程で有機溶剤を使用しないので環境負荷が少ない。
以上説明したように請求項1に記載の本発明の連結具は生産性を向上できると共に製造工程での環境負荷が少ないという優れた効果を有する。
請求項2に記載の本発明の連結具は生産性を向上できるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の本発明の連結具の製造方法は生産性を向上できるという優れた効果を有する。
本発明の第1実施形態に係る連結具を示す斜視図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る連結具を示す側面図であり、(B)は本発明の第1実施形態に係る連結具を示す平面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る連結具で桁を連結した状態を示す側面図であり、(B)は本形態の第1実施形態に係るに連結具で桁を連結した状態を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る連結具の荷重と変位量との関係を示すグラフである。 (A)は本発明の第2実施形態に係る連結具を示す側面図であり、(B)は本発明の第2実施形態に係る連結具を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る連結具を示す側面図である。 本発明の第4実施形態に係る連結具を示す側面図である。 本発明の第5実施形態に係る連結具を示す側面図である。
以下に、図面にしたがって本発明の第1実施形態を説明する。
図1には本実施形態の連結具が斜視図で示されている。また、図2(A)には本実施形態の連結具が側面図で示されており、図2(B)には本実施形態の連結具が平面図で示されている。また、図3(A)には本実施形態の連結具で桁を連結した状態が側面図で示されており、図3(B)には本実施形態の連結具で桁を連結した状態が平面図で示されている。
図1〜3に示すように、本実施形態の連結具10は架橋落下防止具であって、断面が円形で側面視にて略V字状に湾曲した弾性体としてのゴム体12を備えている。このゴム体12の中には、5つのリングを交差してリンクして構成された鎖14が、ゴム体12の形状に沿って埋め込まれている。また、長手方向中央の第1リング14Aは、ゴム体12の直線部12Aに位置しており、第1リング14Aには、ゴム体12の傾斜部12Bに位置する第2リング14Bが角度θをもってリンクされている。
第1リング14Aと第2リング14Bとの交差部には、隙間aが設けられており、第2リング14Bの端部の間には、隙間bが形成されている。また、第2リング14Bには、第3リング14Cがリンクされている。第3リング14Cは、ゴム体12から互いに平行に立上げられており、連結対象物となる桁16のブラケット22に連結される部分(本実施形態では略上半分)となる連結部25が、ゴム体12から露出している。
なお、説明の都合上、隙間という表現を用いたが、これらの隙間には、当然ゴムが充填され、ゴム体12と一体となっている。ここで、隙間のゴム体に、補強層(例えば、繊維層)を埋め込んだり、或いは、隙間のゴム体を他のゴム体の弾性率と異なるようにする等、材質を変化させることで、緩衝機能を増減させることができる。また、ゴム体12の断面形状は、円形に限定されることなく、楕円、多角形でもよい。
また、本実施形態では、鎖14の全体に防錆用のメッキが施されている。
より具体的に説明すると、鎖14を構成する第1リング14A、第2リング14B及び第3リング14Cの合計5つの全てのリングの全体(全面)に亜鉛、亜鉛とアルミの合金、亜鉛とアルミとマグネシウムの合金の何れか1つの防錆用のメッキが施されている。
鎖14のゴム体12に埋め込まれている部分には、ゴム体12と鎖14とを接着するための接着剤は塗布されていない。このため、鎖14はゴム体12に非接着で埋め込まれている。
図3(A)に示すように、本実施形態の連結具10によって桁16同士が連結されている。なお、連結具10によって連結される桁16は、橋脚20と隣接する橋脚20(図示無し)とにそれぞれ設置された支承18の間に架け渡されている。また、本実施形態の連結具10によって桁16と橋脚20とを連結する場合もある。
図3(B)に示すように、本実施形態の連結具10は、桁16の側面から突設されたブラケット22へピン24で連結される構成になっている。
なお、桁16は、温度変化等で桁同士が衝突しないように、所定の隙間をおいて架け渡されており、地震時の橋脚20の揺れによって、桁16が落下しないように、連結具10で桁16同士が連結されている。
(連結具の製造方法)
次に、本形態に係る連結具10の製造方法を説明する。
本実施形態では、先ず、メッキ工程において、鎖14の全体に亜鉛、亜鉛とアルミの合金、亜鉛とアルミとマグネシウムの合金の何れか1つの防錆用のメッキを行う。
次に、埋設工程において、連結対象物となる桁16のブラケット22に連結される連結部25を、湾曲したゴム体12の両端から露出した状態で、全体がメッキされた鎖14をゴム体12に埋め込む。
より具体的に説明すると、埋設工程では、下型、鎖14の短手方向下部側のゴム、鎖14、鎖14の短手方向上部側のゴム、上型の順にセットしプレスしながらゴム体を加硫する。
(作用及び効果)
次に、本形態に係る連結具10の作用を説明する。
本実施形態では、連結具10の製造工程のメッキ工程において、鎖14の全体に防錆用のメッキし、埋設工程において全体がメッキされた鎖14をゴム体12に埋め込む。このため、鎖14におけるゴム体12の両端から露出した連結部25に数回に渡り防食用塗装を行うという煩雑な作業がなくなり、生産性を向上できる。
また、鎖14のゴム体12に埋め込まれている部分には、ゴム体12と鎖14とを接着するための接着剤は塗布されていない。このため、従来行われていた、鎖14のゴム体12に埋め込まれる部分に接着剤を塗布する工程が必要ない。この結果、生産性をさらに向上できる。
また、本実施形態では、地震時等に、橋脚20が揺れて図2の矢印A方向の力が連結具10に作用すると、第3リング14Cが互いに離れようとする。このため、ゴム体12の角度θが小さくなり曲げ抵抗力が発生し、ゴム体12の弾性力及び形状特性によって桁16を引き戻そうとする緩衝機能が働く。また、このとき、隙間aのゴムは圧縮されるため、第1リング14A、第2リング14B、及び第3リング14Cの間に充填されたゴムによっても緩衝機能が発揮される。
一方、桁16が接近して、矢印Aと反対方向の力が連結具10に作用すると、第3リング14Cが互いに接近しようとする。このため、ゴム体12の角度θが大きくなり曲げ抵抗力が発生し、ゴム体12の弾性力及び形状特性によって桁16を引き離そうとする緩衝機能が働く。また、このとき、隙間bのゴムは圧縮され、第1リング14A、第2リング14B、及び第3リング14Cの間に充填されたゴムによっても緩衝機能が発揮される。
この際、本実施形態では、鎖14のゴム体12に埋め込まれている部分がゴム体12と接着されていない。このため、図2の矢印A方向で示す変位によって、連結具10に作用する1回目の荷重によって、鎖14とゴム体12との接着が剥がれるということがなく、安定した緩衝特性となる。
この結果、本実施形態では、図4のグラフに示すように、図2の矢印A方向の変位Lによって、連結具10に作用する1回目の荷重F1と、その後の、図2の矢印A方向の変位によって、連結具10に作用する2回目の荷重F2及び3回目の荷重F3の各立ち上がり特性の差が小さくなる。
また、メッキされていない非メッキの鎖を使用していた従来の連結具においては、非メッキの鎖をブラスト処理後接着剤を塗布し、その後、ゴム体を加硫接着すると共に、ゴム体から露出する連結部には接着剤を塗布せず、加硫後に有機溶剤を用いた塗装を施していた。このため、メッキされた鎖14を使用する本実施形態の連結具10では、従来に比べて、製造工程で有機溶剤を使用しないので環境負荷が少ないと共に、製造工程及び管理工数を削減でき、生産性が向上する。
また、本実施形態の連結具10では、ゴム体12に埋め込まれれている鎖14の部分もメッキされているため、引張り荷重の作用等によって、ゴム体12に埋め込まれれている鎖14の部分が露出した場合にも、この露出した部分の錆を防止できる。
また、本実施形態の連結具10では、鎖14のゴム体12に埋め込まれている部分がゴム体12と接着されていない。このため、鎖14とゴム体12との分離が容易となり、リサイクルがし易い。
[その他の実施形態]
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
例えば、図5(A)及び図5(B)に示す第2実施形態のように、略U字状のゴム体28に7つのリングで構成される鎖30を埋め込んで、大きな変位量に対応できるようにした連結具26の鎖30をメッキした構成としてもよい。
また、図6に示す第3実施形態や図7に示す第4実施形態のように、桁の間隔が狭い場合、湾曲度の小さいブロック状のゴム体36、38へ3つのリングで構成される鎖40を埋め込んだの連結具32、34の鎖40をメッキした構成としてもよい。
また、図8に示す第5実施形態のように、鎖44を構成するリングの連結部に隙間を設けず、ゴム体12に埋め込んだ連結具42の鎖44をメッキした構成としてもよい。
また、鎖14のメッキは、亜鉛メッキ、亜鉛とアルミの合金メッキ、亜鉛とアルミとマグネシウムの合金メッキ以外の防錆用メッキでもよい。
また、上記各実施形態では弾性体としてのゴム体12を使用したが、ゴム体以外の弾性体を使用してもよい。
また、本発明の連結具は、桁16と桁16や、桁16と橋脚20を連結する架橋落下防止具に限定されず、他の連結対象物を連結する連結具にも適用可能である。
10 連結具
12 ゴム体
14 鎖
14A リング
14B リング
14C リング
16 桁(連結対象物)
25 リングの連結部
26 連結具
28 ゴム体
30 鎖
32 連結具
34 連結具
36 ゴム体
38 ゴム体
40 鎖
42 連結具
44 鎖

Claims (3)

  1. 湾曲した弾性体と、
    全体に防錆用のメッキがされ、前記弾性体に埋め込まれると共に前記弾性体の両端から露出した連結部がそれぞれ連結対象物に連結される鎖と、
    を有する連結具。
  2. 前記メッキは、亜鉛メッキ、亜鉛とアルミの合金メッキ、亜鉛とアルミとマグネシウムの合金メッキの何れか1つである請求項1に記載の連結具。
  3. 鎖の全体に防錆用のメッキを行うメッキ工程と、
    前記メッキ工程でメッキされた鎖を湾曲した弾性体に、連結対象物に連結される連結部を前記弾性体の両端から露出した状態で埋め込む埋設工程と、
    を含む連結具の製造方法。
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