JP6475248B2 - 熱安定性ポリオキシメチレン組成物 - Google Patents

熱安定性ポリオキシメチレン組成物 Download PDF

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Description

成形した場合に、特定のモールドデポジットまでの時間と特定の10%歪みまでの引張クリープとを兼ね備えた特性を有する熱安定化ポリオキシメチレン樹脂組成物が本明細書に記載される。
ポリオキシメチレン(POM、ポリアセタールとしても知られている)は、トライボロジー特性、硬さ、剛性、適度の靭性、摩擦係数、耐溶剤性、および要求の厳しい用途で使用する物品を生産するのに特に好適である迅速に結晶化する能力を呈する。しかしながら、溶融処理中に、ポリオキシメチレンは、分解してホルムアルデヒドを放出し得る。加熱発生したホルムアルデヒドとして測定されるホルムアルデヒドの発生(TEF−T)は、POM組成物の熱安定性の間接的な尺度である。
熱安定剤の組み合わせの多くが、TEF−Tにより測定される熱安定性を提供し得るが、長いサイクル時間においてモールドデポジット等の他の性能上の問題点を生じることが多い。その上、多くの熱安定剤は、引張クリープ性能も損ねる。POM組成物からギア等の成形品を製造中に、単一スクリューおよびツインスクリュー押出機は、成形している組成物の堆積物で被覆され、成形器具を停止させて清掃する必要があるので、結局、物品の生産に差し障ることとなる。清掃が頻繁に必要となると、製造コストが増大し、効率が悪くなる。
米国特許第5,011,890号明細書は、ポリアクリルアミド等のホルムアルデヒド反応性窒素基を有するポリマーを含むポリアセタール組成物を開示する。米国特許第5,106,888号明細書は、熱安定剤としてポリアミドと共に結晶セルロース(MCC)を含むポリアセタール組成物を開示する。ポリオキシメチレン安定剤としてのエポキシ化脂肪酸安定剤の使用は、米国特許出願公開第2005/0288438号明細書に開示されている。
ポリオキシメチレン組成物から成形される物品の以下の:溶融処理中の熱安定性と、長いサイクル時間にわたってモールドデポジットが殆ど無いまたは全く無いことと、上昇した温度で使用中に比較的に低い歪みまでの引張クリープとを兼ね備えた特性を呈するポリオキシメチレン組成物が必要である。
上昇した温度で歪みまでの引張クリープが低いことと、長いサイクル時間にわたってモールドデポジットがほぼ無いまたは全く無いことと、溶融処理中の熱安定性とを兼ね備えた特性を呈する組成物が、本明細書に開示される。具体的には、
(a)ポリオキシメチレンポリマーを95.85〜99.94重量パーセントと、
(b)ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸ヒドラジド(polyacrylic hydrazide)、ポリメタクリル酸ヒドラジド(polymethacrylic hydrazide)、ポリアミノアルキルアクリラート、ポリアミノアルキルメタクリラート、ポリビニルアルキルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアミンポリマーを0.4〜0.6重量パーセントと、
(c)(a)の融点より40℃低い融点から(a)の融点より20℃高い範囲の融点を有するポリアミド0.008〜0.08重量パーセントと
から本質的になるポリオキシメチレン組成物が本明細書に開示され、
ポリオキシメチレン組成物は、成形した場合に、
ASTM D2990に従って決定する、90℃、25MPaの圧力で、少なくとも0.32分の10%の歪みまでの引張クリープと、
少なくとも12時間のモールドデポジットまでの時間と、任意選択で、
250℃において0.5時間で測定した、0.50パーセント未満の、熱で放出されるホルムアルデヒドとを示す。
これらの組成物から作製される物品も同様に本明細書に開示される。
定義
本明細書で用いる用語「a」、「an」は、1つ、複数および少なくとも1つを指し、従って、その指示する名詞を単数と必ずしも限定しない。
本明細書で用いる用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」「含んでいる(including)」、「有する」、「有している」、「から本質的になる」、および「からなる」または任意の他のこれらの変形は、非排他的包含か排他的包含のどちらかを指してよい。
非排他的包含を指す場合、要素の一覧を含むプロセス、方法、物品、または器具は、詳述した要素を限定するのではなく、明白に詳述されていない他の要素、または固有であり得る他の要素を含んでもよい。さらに、反対の記載が明示されない限り、「または」は、包括的で、排他的でないことを指す。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つにより満たされる。Aが真であり(または存在する)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)かつBが真である(または存在する)、およびAとBの両方とも真である(または存在する)。
これらの用語が、より排他的な包含を指す場合、これらの用語は、本発明の新規な要素に実質的に影響を与える材料またはステップを説明するものに請求項の範囲を限定する。これらの用語が、完全に排他的な包含を指す場合、これらの用語は、特許請求の範囲において明示的に詳述されていないあらゆる要素、ステップまたは成分を除外する。
本明細書で用いる用語「から本質的になる」は、本発明の新規な要素に実質的に影響を与えるこれらの詳述される材料またはステップに、この用語を詳述する請求項の範囲を限定する。
本明細書で用いる用語「からなる」は、特許請求の範囲において明示的に詳述していないあらゆる要素、ステップ、または成分を除外することにより、この用語を詳述する請求項の範囲を限定する。
本明細書で用いる用語「物品」は、未完成もしくは完成の品物、物、物体、または未完成もしくは完成の品物、物、または物体の要素もしくは特徴を指す。物品が未完成と認定される場合、本明細書で用いる用語「物品」は、完成品に含まれることとなるおよび/または完成品になるためにさらなる処理を受けることとなる、任意の品物、物、物体、要素、装置等を指してもよい。
物品が完成と認定される場合、本明細書で用いる用語「物品」は、それにより特定の使用/目的に好適であるように、完成まで処理を経る品物、物、物体、要素、装置等を指す。
物品は、部分的に完成しさらなる処理を待っているかまたは一緒に完成品を含むこととなる他の要素/組立部品で組み立てられるかのどちらかである1つもしくは複数の要素または組立部品を含んでもよい。
本明細書で用いる用語「ポリオキシメチレン」、「ポリアセタール」は、ホルムアルデヒドのホモポリマーまたはホルムアルデヒドの環状オリゴマーのホモポリマー、エステル化またはエーテル化により末端封止される末端基、およびホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒドの環状オリゴマーと主鎖中の少なくとも2個の隣接する炭素原子とオキシアルキレン基をもたらす他のモノマーとのコポリマー、コポリマーがヒドロキシル末端であり得る或いはエステル化またはエーテル化で末端封止され得る末端基を含む。
本明細書で用いる用語「アミンポリマー」は、米国特許第5,011,890号明細書のcol.7:22−42に記載される「ホルムアルデヒド反応性窒素基」を有するポリマーを指し、その特許文献の一部は、参照として本明細書に援用されている。
本明細書で用いる用語「歪みまでの引張クリープ」は、一般的に、特定の荷重下、特定の温度で、試験試料が規定のパーセントの歪みに達するのにかかる時間を指す。用語「90℃で10%の歪みまでの引張クリープ」は、特定の荷重下、90℃で試験試料が10%の歪みに達する時間を指す。ASTM D2990および成形した試験試料の長期安定性に関する情報に基づいて、規定の条件下で、歪みまでの引張クリープを求める。
本明細書で用いる用語「加熱変形温度」、「加熱偏向温度」は、ポリマーまたは可塑性試料が規定の荷重下で変形する温度を指す。1.8MPaの荷重を用いISO−075−2法に準拠して、測定を行う。
本明細書で用いる用語「屈曲疲労」は、一般的に、材料が、破損する前かまたはその回復する能力を失う前に、所定の角度にわたって材料自体の上で曲げられることができる回数により表される物理的特性を指す。さらに具体的には、屈曲疲労は、ASTM D671(b)に準拠して求める、試験試料の最大振幅が±8.0mmに達する際のサイクルである。屈曲疲労は、規定の荷重および温度での成形品の長期安定性に関する情報を提供する。
本明細書で用いる用語「モールドデポジット」は、成形品を調製するのに連続して使用する金型またはスクリューの表面上の肉眼で観察できる望ましくない堆積物の存在または不在により求められる特性を指す。このような堆積物の存在は、痕跡の堆積物としてまたはオフホワイトの堆積物等として肉眼で観察され得る。
本明細書で用いる用語「モールドデポジットまでの時間」は、モールドデポジットの存在と判定される、成形品を調製するのに連続して使用する金型またはスクリューの外観での変化が、最初に肉眼で観察できた時までの所要時間を指す。
本明細書で用いる用語「加熱発生したホルムアルデヒド」は、加熱したポリオキシメチレンから発生し、POM組成物の熱安定性の定量測定の構成要素となるホルムアルデヒドを指す。
略語
本明細書で用いる「重量パーセント」を「wt%」と略記する。
本明細書で用いる「ポリオキシメチレン」を「POM」と略記する。
本明細書で用いる「熱偏向温度」を「HDT」と略記する。
本明細書で用いる「加熱発生したホルムアルデヒド」を「TEF−T」と略記する。
本明細書で用いる「メガパスカル」を「MPa」と略記する。
本明細書で用いる「グラム/モル」を「g/mol」と略記する。
本明細書で用いる「グラム/分」を「g/分」と略記する。
本明細書で用いる「ミリリットル」を「ml」と略記する。
本明細書で用いる「サイクル/分」を「cpm」と略記する。
本明細書で用いる「パート/ミリオン」を「ppm」と略記する。
本明細書で用いる「高速液体クロマトグラフィーを「HPLC」と略記する。
本明細書で用いる「ヘルツ」を「Hz」と略記する。
範囲
本明細書に記載される任意の範囲は、特に明記されない限り、その端点を包含する。量、濃度、または他の値もしくはパラメーターの範囲として記載は、このような対が別々に本明細書に開示されるかどうかに関わらず、任意の上限範囲と任意の下限範囲との対から形成される全ての範囲を具体的に開示する。端的に言えば、本明細書に記載される組成物および物品における範囲は、説明に開示される上限と下限との特定の対に限定されない。
好ましい変形
本明細書に記載される組成物および物品の材料、方法、ステップ、値、範囲等の用語における変形の記載は、好ましい変形と認定されるか否かにかかわらず、具体的には、このような材料、方法、ステップ、値、範囲等のあらゆる組み合わせを含む任意の組成物および物品を開示するものである。このような組み合わせは、具体的には、本明細書に記載される組成物および物品の好ましい変形であるとするものである。
一般的:本明細書に記載される組成物
本明細書に記載される組成物は、
(a)ポリオキシメチレンポリマー95.85〜99.94重量パーセントと、
(b)ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸ヒドラジド、ポリメタクリル酸ヒドラジド、ポリアミノアルキルアクリラート、ポリアミノアルキルメタクリラート、ポリビニルアルキルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアミンポリマーを0.4〜0.6重量パーセントと、
(c)(a)の融点より40℃低い融点から(a)の融点より20℃高い範囲の融点を有するポリアミド0.008〜0.08重量パーセントと
から本質的になり、
ポリオキシメチレン組成物は、成形した場合に、
ASTM D2990に従って決定される、90℃、25MPaの圧力で、少なくとも0.32分の10%の歪みまでの引張クリープと、
少なくとも12時間のモールドデポジットまでの時間と、任意選択的に、
250℃において0.5時間で測定した、0.50パーセント未満の熱で放出されるホルムアルデヒドを示す。
本明細書に記載される組成物のいずれも、前の段落に記載の要素を含み、この段落で説明する以下の要素のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含んでもよい。そして不明確さを避けるために、この段落は、この段落中の以下の要素のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含む、本明細書に記載される任意の組成物のための、明確でありのままの写実的な支持を提供するものとする。具体的には、本明細書に記載される組成物はまた、
成分(a)、(b)、および(c)または(a)および(b)から本質的になる代わりに、(a)、(b)、および(c)または(a)および(b)だけからなってもよく、および/または
追加的に、酸化防止剤の添加が、特許請求の範囲に記載するようなTEF−T、90℃で10%の歪みまでの引張クリープ、およびモールドデポジットまでの時間の特性に著しく影響を与えない限り、0.01〜4.0重量パーセントの酸化防止剤から本質的になるおよび/または
成分(c)として、ポリアミド66/610/6ターポリマーを有する、および/または
成分(b)として、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリビニルアルキルアミン、またはこれらの混合物を有する
酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を有する。
(a)ポリオキシメチレン(POM)ポリマー
本明細書に記載される組成物中のポリオキシメチレン(ポリアセタールとして知られている)は、1種もしくは複数のホモポリマー、コポリマー、またはこれらの混合物であってよい。ホモポリマーは、ホルムアルデヒド、またはホルムアルデヒドの環状オリゴマー等のホルムアルデヒド等価体を重合することにより、調製される。
コポリマーは、2〜12個の配列した炭素原子を有するエーテル単位をポリマー鎖中に組み込むこととなるアセタールおよび環状エーテルを含む、ポリオキシメチレン組成物を調製するのに一般的に使用する1種もしくは複数のコモノマーを含有してもよい。コポリマーをこれらの組成物に用いるならば、コモノマーの量は、20重量パーセント以下、好ましくは15重量パーセント以下、最も好ましくは約2重量パーセントとなることとなる。好ましいコモノマーは、1,3−ジオキソラン、エチレンオキシド、およびブチレンオキシドであり、1,3−ジオキソランが、さらに好ましく、好ましいポリオキシメチレンコポリマーは、コモノマーの量が約2重量パーセントであるコポリマーである。
ホモポリマーおよびコポリマーが、1)その末端ヒドロキシ基が、化学反応により末端封止されてエステル基またはエーテル基を形成するホモポリマー、或いは、2)完全に末端封止されてないが、コモノマー単位からのいくつかの遊離ヒドロキシ末端を有するコポリマー、または末端にエーテル基を有するコポリマーであるのも好ましい。ホモポリマーに好適な末端基は、アセタートおよびメトキシであり、コポリマーに好ましい末端基は、ヒドロキシおよびメトキシである。
本明細書に記載される組成物に用いるポリオキシメチレンは、分岐でも直鎖でもよく、一般的に少なくとも10,000、好ましくは20,000〜90,000の数平均分子量を有することとなる。分子量は、呼称ポア孔径60〜1,000オングストロームのDuPont PSMバイモーダルカラムキットを用いて、m−クレゾール中、160℃でゲル浸透クロマトグラフィーにより簡便に測定できる。分子量はまた、ASTM D1238またはISO1133を用いて、メルトフローを求めることにより、測定できる。メルトフローは、射出成形の目的上、0.1〜100g/分、好ましくは0.5〜60g/分、またはさらに好ましくは0.8〜40g/分の範囲になることとなる。
これらの組成物中のPOMの量は、組成物の総重量の95.00〜99.95、好ましくは95.00〜99.94、さらに好ましくは95.85〜99.94重量パーセントの範囲である。
(b)アミンポリマー
これらの組成物中の成分(b)は、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸ヒドラジド、ポリメタクリル酸ヒドラジド、ポリアミノアルキルアクリラート、ポリアミノアルキルメタクリラート、ポリビニルアルキルアミン、またはこれらの混合物から選択されるアミンポリマーである。
アミンポリマーは、好ましくはポリアクリルアミドであり、好ましくはポリアクリルアミドは、約20,000〜30,000g/molの重量平均分子量(Mw)、好ましくは約24,000g/molの重量平均分子量(Mw)、約5,000〜10,000g/molの数平均分子量(Mn)および水性ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される約2.5〜3.5、好ましくは約3.1の多分散指数を有する。
これらの組成物中の成分(b)の量は、組成物の総重量の0.10〜1.0、好ましくは0.20〜0.80、さらに好ましくは0.40〜0.60パーセントの範囲である。
成分(c)は、これらの組成物中に存在する場合、約140℃〜約220℃、好ましくは約145℃〜約220℃の融点を有するポリアミドである。成分(c)の融点は、(a)の融点より40℃低いから(a)の融点より40℃高い、好ましくは(a)の融点より35℃低いから(a)の融点より30℃高い、そしてさらに好ましくは(a)の融点より30℃低い融点から(a)の融点より30℃高い範囲である。
国際規格ISO1874−1に対応するポリアミドの呼称は、最初の数字が出発アミンの炭素原子の数を指し、最後の数字がジカルボン酸の炭素原子の数を指す。単一の数字が付与される場合、これは、アミノカルボン酸またはそのラクタムからそれぞれ出発する。例えば、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸からのポリアミドは、ポリアミド610(PA610)と呼ばれ、カプロラクタムからのポリアミドは、PA6と呼ばれる。成分は、例えば、コポリアミドを記述するにはコポリアミド6/66/610(50:30:20)のように、それら成分の量当たりの部の順にスラッシュにより別々に記入され、その後の括弧内に量当たりの部が記入される。
これらの組成物中のポリアミド樹脂は、少なくとも1種のジカルボン酸と少なくとも1種のジアミンとの縮合物、および/または少なくとも1種のアミノカルボン酸、および/または少なくとも1種の環状ラクタムの開環重合物であり、約140℃〜約240℃の融点を有する。ポリアミド樹脂は、全脂肪族ポリアミド樹脂、半芳香族ポリアミド樹脂およびこれらの混合物から選択される。本明細書で用いる「半芳香族」は、脂肪族カルボン酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマーを含むポリアミド樹脂を意味する「全脂肪族」と比べると、少なくとも幾種かの芳香族カルボン酸モノマーと脂肪族ジアミンモノマーを含むポリアミド樹脂を意味する。
全脂肪族ポリアミド樹脂は、ジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸、およびそれらの反応等価体等の脂肪族モノマーおよび脂環式モノマーから形成される。好適なアミノカルボン酸として、11−アミノドデカン酸が挙げられる。好適なラクタムとして、カプロラクタムおよびラウロラクタムが挙げられる。本明細書で用いる用語「全脂肪族ポリアミド樹脂」は、2種以上のこのようなモノマーと、2種以上の全脂肪族ポリアミド樹脂のブレンドとから誘導されるコポリマーを指す。直鎖モノマー、分岐のモノマー、および環状モノマーを使用してもよい。
全脂肪族ポリアミド樹脂の調製に有用なカルボン酸モノマーとして、例えばアジピン酸(C6)、ピメリン酸(C7)、スベリン酸(C8)、アゼライン酸(C9)、セバシン酸(C10)、ドデカン二酸(C12)およびテトラデカン二酸(C14)等の脂肪族カルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。有用なジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび/またはそれらの混合物をはじめとする4個以上の炭素原子を有するジアミンが挙げられるがこれらに限定されない。全脂肪族ポリアミドポリマーの好適な例として、ポリ(ε−カプロラクタム)PA6、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド(PAD6)、ポリ(ペンタメチレンデカンジアミド)(PA510)、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA612)、ポリ(ヘキサメチレントリデカンジアミド)(PA613)、PA614、ポリ(ヘキサメチレンペンタデカンジアミド)(PA615)、PA616、ポリ(11−アミノウンデカンアミド)(PA11)、ポリ(12−アミノドデカンアミド)(PA12)、PA10、PA912、PA913、PA914、PA915、PA616、PA936、PA1010、PA1012、PA1013、PA1014、PA1210、PA1212、PA12,13、PA1214並びにそれらのコポリマーおよびブレンドが挙げられる。全脂肪族ポリアミド樹脂の殊に好適な例として、PA6、PA11、PA12、PA10、PA610、PA612、PA1010およびそれらのコポリマーおよびブレンドが挙げられる。全芳香族ポリアミドの殊に好適な例として、PA66/610/6、PA66/612/6、PA66/614/6、PA610/612/6、PA610/614/6、PA612/614/6が挙げられる。
ポリアミド(c)として有用な半芳香族ポリアミド樹脂は、約140℃〜約240℃の融点を有する必要がある。このような半芳香族ポリアミドは、酸モノマーの少なくとも一部が1種もしくは複数の芳香族カルボン酸から選択され、かつ脂肪族繰り返し単位であるジカルボン酸またはジアミン成分のモルパーセントが約140℃〜約240℃の融点を有する半芳香族ポリアミドをもたらすのに十分であるコポリマー、ターポリマー、または高級ポリマーであるのが好ましい。1種もしくは複数の芳香族カルボン酸は、テレフタル酸、またはテレフタル酸と、イソフタル酸、例えば2−メチルテレフタル酸等の置換フタル酸、およびナフタレンジカルボン酸の未置換もしくは置換異性体のような1種もしくは複数の他のカルボン酸との混合物であってよい。1種もしくは複数の芳香族カルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸およびそれらの混合物から選択されるのが好ましい。さらに、1種もしくは複数のカルボン酸は、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカン二酸のような1種もしくは複数の脂肪族カルボン酸と混合されて、約140℃〜約240℃の融点を有する半芳香族ポリアミドをもたらすことができる。半芳香族ポリアミド樹脂はまた、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2−エチルテトラメチレンジアミン、2−メチルオクタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンおよび/またはこれらの混合物をはじめとするがこれらに限定されない4個以上の炭素原子を有するジアミンのうちから選択できる1種もしくは複数のジアミンを含む。
成分(c)のポリアミドは、成分(b)の融点が約140℃〜約240℃である限り、脂肪族ポリアミド、半晶質ポリアミド、またはこれらの混合物であってよい。成分(c)は、ホモポリアミドおよびコポリアミド、例えば、ポリアミド12、ポリアミド612およびポリアミド66/610/6、並びにメチロール基を有する置換ポリアミドまたはヒドロキシル基を有する他の群を含むのが好ましい。
成分(c)に殊に好ましいポリアミドは、ヘキサメチレンヘキサンジアミド、ヘキサメチレンデカンジアミドおよびε−カプロラクタムからなる群から選択される脂肪族繰り返し単位を有するPA66/610/6ターポリマーである。
これらの組成物中の成分(c)の量は、組成物の総重量の0.005〜0.15、好ましくは0.008〜0.12、さらに好ましくは0.008〜0.08パーセントの範囲である。
本明細書に記載される組成物は、成分(c)を含んでもよいが、成分(c)は、モールドデポジットおよび歪みまでの引張クリープに関する詳述した値を付与するためには必要でない。これらの組成物中の成分(c)は、モールドデポジットまでの時間および歪みまでの引張クリープの値を同時に保持しながら、ホルムアルデヒドの放出を低減し得る。
(d)添加剤
特許請求の範囲で詳述される組成物の基本的で新規な特色、具体的には90℃で10%歪みまでの引張クリープ値、モールドデポジットまでの時間およびTEF−T値に著しく影響を与える添加剤でない限り、本明細書に記載される組成物は、添加剤を含んでもよい。全ての追加の添加剤の総濃度は、ポリオキシメチレン組成物中の全ての含有物質の総濃度の約5重量パーセントを超えてはならない。
添加剤として、耐衝撃性改良剤、潤滑剤、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、UV安定剤、および着色剤が挙げられるが、これらに限定されない。耐衝撃性改良剤の非限定の例として、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステルポリエーテルエラストマー、およびコアシェル型アクリルポリマーが挙げられる。好適な潤滑添加剤として、ジメチルポリシロキサンおよびそれらの誘導体等のシリコーン潤滑剤、オレイン酸アミド、アルキル酸アミドが挙げられる。他の好適な添加剤として、非イオン性界面活性潤滑剤、炭化水素ワックス、クロロヒドロカーボン、フルオロカーボン、オキシ脂肪酸、脂肪酸の低級アルコールエステル等のエステル、ポリグリコールおよびポリグリセロール等の多価アルコール、並びにラウリン酸およびステアリン酸などの脂肪酸の金属塩が挙げられる。好適な造核剤として、酸化チタンおよびタルクが挙げられる。好ましい酸化防止剤は、BASFから入手可能なIrganox(登録商標)245および1090等のヒンダードフェノール系酸化防止剤である。好適な熱安定剤として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、およびステアリン酸カルシウムが挙げられる。好適な紫外線安定剤として、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、芳香族ベンゾアート、シアノアクリラート、およびシュウ酸アニリドが挙げられる。
N,N’−エチレンビスステアルアミド等の特定のビス−脂肪酸アミドは、詳述した特性に著しく影響を与え、従ってこれらの組成物の新規な特色に影響することがあるので、これらの組成物から除外されたい。
これらの組成物が兼ね備える特性:
モールドデポジットまでの時間、10%歪みまでの引張クリープ、TEF−T
本明細書に記載されるポリオキシメチレン組成物は、本質的には詳述される成分から構成されないポリオキシメチレン組成物と比較した際に、驚くべき兼ね備えた特性、すなわち、比較的に長いモールドデポジットまでの時間と同時に好適な歪みまでの引張クリープおよびホルムアルデヒド放出レベルを呈する。本明細書に記載されるポリオキシメチレン組成物は、詳述されていない成分の添加だけでなく既存の成分の濃度にも影響され易く、だからこそ、これらの組成物が、3種の詳述される成分から本質的になると詳述されるのである。アミン成分(b)とポリアミド成分(c)が、詳述される濃度の範囲外であるならば、得られるポリオキシメチレン組成物は、所望の兼ね備える特性、モールドデポジットまでの時間、歪みまでの引張クリープ、およびホルムアルデヒド放出を呈しない。
具体的には、本明細書の実施例および比較例は、ポリオキシメチレン組成物が、アミンポリマー(b)とポリアミド(c)が詳述した濃度範囲で存在する場合に、詳述の兼ね備えた特性を実現することを実証する。さらに具体的には、ポリアミド(c)が存在しないならば、得られるポリオキシメチレン組成物は、モールドデポジットまでに比較的長時間、および歪みまでの引張クリープに長時間を呈することもあるが、ホルムアルデヒド放出の望ましくない増大が生じ得る。従って、モールドデポジットまでの時間、歪みまでの引張クリープ、およびホルムアルデヒド放出の兼ね備えた特性を実現するために、ポリオキシメチレン組成物は、兼ね備えた特性に悪影響を及ぼす追加の材料を含んではならない。例えば、たった0.15wt%のAcrawax(商標)をポリオキシメチレン組成物に添加すると、ポリオキシメチレン組成物の歪みまでの引張クリープが低減する結果となる。
殊に、本明細書に記載されるポリオキシメチレン組成物により得られるモールドデポジットまでの時間のお蔭で、これらの組成物から作製される物品の押出は、生産時間がさらに長くもっと連続するように助長され、比較的向上した製造効率が助長される。連続成形を開始する前、金型またはスクリューの表面は、輝いて見え、肉眼で観察できる堆積物は存在しない。連続成形中、金型表面は、金型またはスクリュー上の残渣または堆積物が直接起因して、輝いた外観から曇りのある外観に変わる。具体的には、この用途において、モールドデポジットまでの時間は、24時間の連続成形中に、金型表面上の曇りが、最初にヒトの目で観察される際に生じる。金型またはスクリュー上の最初に見える曇りの兆候で、「痕跡」モールドデポジットとしてこれを記録する。金型またはスクリューの表面が、肉眼による色で「白く」見え始めた際に、「オフホワイト」モールドデポジットを記録する。「オフホワイト」は、痕跡よりも著しく増加した、金型またはスクリューの堆積物を表す。
歪みまでのクリープは、機械応力下で変形する固体材料の傾向であり、物品がますます加熱されるに従って増大する。クリープが深刻になると、物品、具体的にはギアが、機能しなくなることがある。10%歪みまでの引張クリープは、ASTM D2990に準拠して求める90℃の温度に曝した際に成形品が10%歪みに達するのにかかる時間である。
好適な歪みまでの引張クリープ性能は、ギア、摺動部品、ポンプ部品、バルブボディ、テレビ部品、および車両のボンネット下の貯蔵タンク等の高温環境で使用するまたは使用中に熱を発するこれらの物品において殊に重大である。好適な歪みまでの引張クリープ性能はまた、薄い部品または軽量部品の製造の支えとなり、性能寿命を延ばす。
加熱放出ホルムアルデヒド(TEF−T)は、ポリオキシメチレン組成物が熱安定性となる間接的方法に関係がある。試験するポリオキシメチレン組成物を規定の温度まで加熱し、発生ガスを回収し、ホルムアルデヒドに関して分析する。試料からのホルムアルデヒドの放出が増加するほど、ポリオキシメチレン組成物の熱劣化が増大する。250℃で30分間加熱した後、TEF−Tの結果を求め、ポリオキシメチレン組成物の加熱放出ホルムアルデヒドの総計を表すTEF−Tとして本明細書に報告する。
従って、実施例により、本明細書に記載されるポリオキシメチレン組成物が、ギア、摺動および導素子、ハウジング部材、スプリング、チェーン、スクリュー、ナット、ファンホイール、タービン羽根、ポンプ部品、バルブボディ、絶縁体、コネクタ、テレビ、電話、自動車用光等の電子機器用部品、燃料センドユニット、エアゾール缶、車両用貯蔵タンク、コーヒー抽出器の部品、並びに銃およびナイフ用ハンドルおよびグリップ等の成形品の生産用の連続製造プロセスに特に良好に適合していることが殊にわかる。なぜならば、これらの物品は、比較的に向上した生産効率を有し、同時に、比較的熱安定性であり、使用中にクリープ力に耐えることができるからである。
本明細書に記載される組成物の作製方法
本明細書に記載されるポリオキシメチレン組成物は、任意の既知の方法を用いて、成分を溶融ブレンドすることにより、作製されてよい。シングルまたはツイン−スクリュー押出機、ブレンダ―、混錬機、Banburyミキサー等の溶融混合機を用いて成分材料を均質性になるまで混合して、樹脂組成物を得てもよい。または、材料の一部を溶融混合機内で混合した後、残りの材料を加えて、均質になるまでさらに溶融混合してもよい。成分を段階的に加える場合、一部の任意の成分および任意の他の成分を最初に加え、残りの成分と一緒に溶融混合して、良好に混合した組成物を得るまでさらに溶融混合してもよい。溶融混合の結果として、ペレットとなり、ペレットが押し出されるまたは物品に成形され得る。
本明細書に記載される組成物を含む物品
射出成形、押出成形、ブロー成形等の当分野で既知の任意の好適な溶融処理技術を用いて、本明細書に記載される組成物を物品に成形してもよく、射出ブロー成形が、好ましく、射出成形が、さらに好ましい。さらに、これらの組成物は、押出により、フィルムおよびシートに形成されて、結果として流延フィルムおよび/またはインフレーションフィルムのどちらかになる。このようなシートは、溶融物からまたは処理において後段階で、延伸され得る物品および構造体にさらに熱形成されてよい。
これらの組成物を用いて、溶融物からまたは処理において後段階で、延伸され得る繊維およびフィラメントを形成してもよい。これらの組成物を含む物品として、ギア、玩具、シガレットライター本体、筆記用ペン本体、コンベヤーベルト部、安全拘束部品等が挙げられるがこれらに限定されない。
下の表で「E」で識別する代表的な組成物は、本明細書に記載するおよび詳述する組成物、方法、および物品の範囲をさらに明らかにすることのみを意図し、限定するものではない。比較例を「CE」で下の表で識別する。
材料
下の表で列挙する組成物において、以下の材料を使用した:
−ポリオキシメチレン:E.I.DuPont de Nemours and Company,Wilmington,Delaware,USA[DuPont]から入手可能な、融点178℃を有するDelrin(登録商標)100アセタールホモポリマー
−アミンポリマー:MAP1070は、ポリアクリルアミド熱安定剤であり、20重量パーセントのポリエチレングリコール被覆のポリアクリルアミドである。
重量平均分子量(Mw)24,000g/mol、数平均分子量(Mn)7,700g/mol、水性ゲル浸透クロマトグラフィーによる多分散指数3.1を有し、DuPontから入手可能である。
−ポリアミド:PA66/610/6ターポリマー(33/23/43mol%)は、150〜160℃の融点有し、20MESHスクリーンを通過するように配合する前にS粉砕体を有する熱安定剤である。
−ヒンダードフェノール系安定剤:BASFから入手可能なIrganox245
−離型剤:Lonza Chemicalsから入手可能なAcrawax C(N,N’エチレンビスステアルアミド)。
方法
下の表で列挙する組成物において、以下の方法を使用した。
融点
最初の加熱走査において走査速度10℃/分でDSCを用いて融点を測定し、吸熱ピークの最大を融点とした。
引張クリープ試験
引張クリープ、即ち、これらの実施例において、ASTM D2990に準拠して、90℃で10%歪みまでの時間を求めた。
屈曲疲労
株式会社東洋精機製作所Model B50を用いてASTM D671(b)に準拠して23.5MPa、80℃、1800cpmでの屈曲疲労を求めた。しかしながら、ASTM D671(b)は、更新されることなく、撤回されている。1800サイクル/分は、30ヘルツに等しい。現在は、株式会社東洋精機製作所により供給されるもっと新しい装置を用いる屈曲疲労の計量が、JIS(日本工業標準規格)K7119に準拠して求められる。さらに、ASTM D7774−12(2012)に準拠して、屈曲疲労を求めてもよい。
加熱変形(または偏向)温度(HDT)
1.8MPa荷重でISO75−2に準拠して、HDTを求めた。
熱安定性
以下の手順を用いて、ポリオキシメチレン組成物を30分加熱後に求めた、加熱発生したホルムアルデヒドを測定した。試験する秤量済みのポリアセタール組成物試料を試験管に入れ、酸素無含有の環境で試料を保持しながら、試験試料に窒素を装入して一切の発生ガスを装置から除去するため、キャップを試験管に装着した。試料をシリコーンオイル浴内において250℃で加熱した。窒素および全ての発生ガスを移送して、40g/Lの亜硫酸ナトリウム水溶液75mLにパブリングさせた。発生した全てのホルムアルデヒドは亜硫酸ナトリウムと反応して、水酸化ナトリウムを遊離させる。水酸化ナトリウムを標準0.1Nの塩化水素(「HCl」)で連続して中和した。試験時間に対するmL力価のグラフとして、その結果を得た。
発生したホルムアルデヒドのパーセントを式(1)
(V)(N)[0.03×100/SW]、(1)
[式中:
Vは、ミリリットルにおける力価の容量であり、
Nは、力価の規定度であり、
SWは、試料のグラム重量であり、
係数「0.03」は、g/ミリ当量で示すホルムアルデヒドのミリ当量である]により、算出した。
加熱30分後にTEF結果を記録し、TEF−Tとして本明細書に報告した。
モールドデポジットまでの時間
85℃まで加熱した、1時間当たり約400成形射出の2つのキャビティ型内で約215℃のプロセス温度でポリオキシメチレン組成物を射出成形して、モールドデポジットまでの時間を求めた。測定した特性は、モールドデポジットの存在であった。
毎時後、金型およびスクリューを肉眼で視覚的に検査した。金型および/またはスクリュー堆積物は、肉眼に現れる場合、曇り面として見え、堆積物のない金型またはスクリューは、光沢面を提供する。金型またはスクリューのどちらかの上に最初に出現した曇り面を「痕跡」として表1に記録した。表1のモールドデポジットまでの時間の値は、痕跡量のモールドデポジットをヒトの目で最初に観察した時間を表す。オフホワイトは、痕跡量よりも多い量の金型またはスクリュー堆積物を表す。「痕跡」および「オフホワイト」をデータ表に用いるが、両方の用語とも、測定した特性、モールドデポジットの存在を示す。
配合および成形
約200℃の温度、約180rpmのスクリュー速度での40mmツインスクリュー押出機で、全ての配合を実行した。全ての材料を押出機の後部に供給した。得られた押出物を水浴内で急冷して、造粒した。その後、ペレットをオーブン乾燥し、85℃の金型温度で試験片に射出成形した。
結果の考察
下の表の考察において、「C」と記す組成物は、比較例を示し、「E」と記す組成物は、特許請求の範囲において詳述される組成物を支持し例証する実施例の組成物を示す。
Figure 0006475248
C1およびC2は、N,N’−エチレンビスステアルアミド等のビス−脂肪酸アミドを含む場合、10%歪みまでの引張クリープ(90℃、25MPaで)が、0.3分未満であったことを示す。対照的に、E1は、ビス−脂肪酸アミドが存在しない場合、10%歪みまでの引張クリープが、0.40分超まで改善されたことを示す。
C3、C5、C7により、ポリアミド(c)の量が、POMポリマーの量の詳述範囲0.008〜0.08重量パーセントではない場合、ポリオキシメチレン組成物は、少なくとも12時間のモールドデポジットまでの時間を呈さないことがわかる。この結果は、ポリアミド(c)の量が詳述範囲内に下がり、ポリオキシメチレン組成物が、少なくとも12時間のモールドデポジットまでの時間を呈するE1〜E5と対照的である。
C4により、成分(b)および成分(c)を含有しないPOM組成物が詳述量よりも多い場合、モールドデポジットまでの時間が、劣ることがわかる。
E6は、成分(c)を含有せず、0.5パーセント超えるホルムアルデヒドの放出の増大を実証した。
以下、本明細書に記載の主な発明について列記する。
(1) ポリオキシメチレン組成物であって、
(a)ポリオキシメチレンポリマー95.85〜99.94重量パーセントと、
(b)ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸ヒドラジド、ポリメタクリル酸ヒドラジド、ポリアミノアルキルアクリラート、ポリアミノアルキルメタクリラート、ポリビニルアルキルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアミンポリマーを0.4〜0.6重量パーセントと、
(c)(a)の融点より40℃低い融点から(a)の融点より40℃高い範囲の融点を有するポリアミド0.008〜0.0.08重量パーセントと
から本質的になり、
前記ポリオキシメチレン組成物が、成形した場合に、
ASTM D2990に従って決定される、90℃、25MPaの圧力で、少なくとも0.32分の10%の歪みまでの引張クリープと、
少なくとも12時間のモールドデポジットまでの時間と
を示す
ポリオキシメチレン組成物。
(2) 前記ポリオキシメチレン組成物が、成形した場合、250℃において0.5時間で測定される、0.50パーセント未満のTEF−Tをさらに示す(1)に記載のポリオキシメチレン組成物。
(3) ポリオキシメチレン組成物であって、
(a)ポリオキシメチレンポリマー95.85〜99.94重量パーセントと、
(b)ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸ヒドラジド、ポリメタクリル酸ヒドラジド、ポリアミノアルキルアクリラート、ポリアミノアルキルメタクリラート、ポリビニルアルキルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアミンポリマーを0.4〜0.6重量パーセントと
から本質的になり、
前記ポリオキシメチレン組成物が、成形した場合、
ASTM D2990に従って決定される、90℃、25MPaの圧力で、少なくとも0.32分の10%の歪みまでの引張クリープと、
少なくとも12時間のモールドデポジットまでの時間と、
250℃において0.5時間で測定される、0.55パーセント未満の熱で放出されるホルムアルデヒドと
を示すポリオキシメチレン組成物。
(4) さらに0.01〜4.0重量パーセントの酸化防止剤から本質的になる(1)、(2)または(3)に記載のポリオキシメチレン組成物。
(5) (c)が、脂肪族ポリアミドである(1)、(2)、または(4)のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン組成物。
(6) (c)が、ポリアミド66/610/6ターポリマーである(5)に記載のポリオキシメチレン組成物。
(7) (b)が、ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリビニルアルキルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択される(1)〜(6)のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン組成物。
(8) 前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である(4)〜(7)のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン組成物。

Claims (1)

  1. ポリオキシメチレン組成物であって、
    (a)ポリオキシメチレンポリマー95.85〜99.89重量パーセントと、
    (b)ポリアクリルアミド、ポリアリルアミン、ポリアクリル酸ヒドラジド、ポリメタクリル酸ヒドラジド、ポリアミノアルキルアクリラート、ポリアミノアルキルメタクリラート、ポリビニルアルキルアミン、およびこれらの混合物からなる群から選択されるアミンポリマーを0.4〜0.6重量パーセントと、
    (c)(a)の融点より40℃低い融点から(a)の融点より40℃高い範囲の融点を有するポリアミドであって、PA6、PA11、PA12、PA10、PA610、PA612、PA1010、PA66/610/6、PA66/612/6、PA66/614/6、PA610/612/6、PA610/614/6、PA612/614/6、ポリ(2−メチルペンタメチレンヘキサンジアミド)(PAD6)、PA510、ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド)(PA612)、PA614、PA615、PA616、PA912、PA616、PA936、PA1012、PA1014、PA1210、PA1212、並びに、これらのコポリマー及びこれらのブレンドからなる群から選択されるポリアミドを0.008〜0.08重量パーセントと
    から本質的になり、
    前記ポリオキシメチレン組成物が、成形した場合に、
    ASTM D2990に従って決定したとき、90℃、25MPaの圧力における10%の歪みに達するまでの引張クリープ時間が、少なくとも0.32分であることと、
    モールドデポジットまでの時間が少なくとも12時間であること
    250℃において0.5時間で測定したとき、熱で放出されるホルムアルデヒドの量が0.55パーセント未満であること
    を示す
    ポリオキシメチレン組成物。
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