JP6475072B2 - 電磁誘導式エンコーダおよびスケール - Google Patents
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Description
したがって、信号の位相から検出ヘッド1とスケール2との相対変位を知ることができる。ここでは、周期が異なる二つのトラックTr1、Tr2を用い、アブソリュート式エンコーダとしている。
図9では、3トラックのアブソリュート式エンコーダを例示している。
以後は、トラックのうち、ピッチが最も短いものを第1トラックとし、ピッチが長くなる順に第2トラック、第3トラックとする。また、スケールパターンを構成する各コイルをピッチが短いものから順に31、32、33の符号を付した。
スケールパターンを製作するにあたってはリソグラフィを用いる。すなわち、ガラス製または樹脂製のスケール基板の上に導電膜(例えば銅)を成膜し、これをエッチングしてコイルを残すわけである。しかし、やはり欠損やパターン切れは生じるのであり、パターンを精細化すれば、それに伴って歩留まりも落ちる。ちなみに、特開2001−255106号公報(特許文献3)においては、受信信号の振幅バランスからパターン切れなどの異常を検出し、これをユーザに報知することが記載されている。
アイランド状の導電膜は、コイルのように中をくり抜いておらず、ただのソリッド、つまりベタ塗りのように見えるので、一つ一つのアイランドをベタ膜と称し、ベタ膜が所定ピッチで配列されたものをベタパターンと称することにする。
ベタパターンを構成する各ベタ膜をピッチが短いものから順に41、42、43の符号を付した。
ベタパターンであれば多少の欠損があっても断線に至ることはないので、致命的問題には繋がりにくい。したがって、ベタパターンであればパターンの精細化に適しているとも考えられる。
しかしながら、本発明者らは鋭意研究の結果、ベタパターンはコイルパターンに比べて精度がでにくいという課題に気付いた。
所定ギャップを介して対向配置され、測定軸方向に相対移動する検出ヘッドとスケールとを有し、
前記検出ヘッドには、一次変動磁束を発生させる駆動コイルが配設され、
前記スケールには、前記一次変動磁束と電磁結合し、前記測定軸方向に所定の空間周期で変化する磁気パターンを発生させるスケールパターンが配設され、
前記検出ヘッドには、前記スケールパターンによって形成された磁気パターンと電磁結合し、この磁気パターンの位相を検出する受信コイルが配置され、
前記検出した位相に基づいて前記検出ヘッドと前記スケールとの相対変位を検出する電磁誘導式エンコーダであって、
前記スケールパターンは、ピッチが相対的に短い第1ピッチである第1トラックと、ピッチが前記第1トラックよりも長い第2ピッチである第2トラックと、を有し、
前記第1トラックは、前記第1ピッチで並んだコイルで構成されたコイルパターンであり、
前記第2トラックは、一つ一つはアイランド状のベタ膜であって、このベタ膜が前記第2ピッチで並んだベタパターンである
ことを特徴とする。
前記ベタパターンの角部は、面取り形状又はR形状とされている
ことが好ましい。
測定軸方向に所定の空間周期で変化する磁気パターンを発生させるスケールパターンが配設されたスケールであって、
前記スケールパターンは、ピッチが相対的に短い第1ピッチである第1トラックと、ピッチが前記第1トラックよりも長い第2ピッチである第2トラックと、を有し、
前記第1トラックは、前記第1ピッチで並んだコイルで構成されたコイルパターンであり、
前記第2トラックは、一つ一つはアイランド状のベタ膜であって、このベタ膜が前記第2ピッチで並んだベタパターンである
ことを特徴とする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電磁誘導式エンコーダを示す図である。
電磁誘導式エンコーダ100は、アブソリュート式であり、スケールには互いにピッチが異なる二つのトラックが配設されている。ここでは、ピッチが短い方を第1トラックTr1とし、ピッチが長い方を第2トラックTr2とする。そして、ピッチが短い第1トラックTr1はコイルパターンとし、ピッチが長い第2トラックTr2はベタパターンとする。
このうち、ピッチが短いトラックTr1の方が最小分解能を決める。このこと自体はよく知られたものであるが、簡単に繰り返しておく。
第1トラックTr1の検出位相をθ1とし、第2トラックTr2の検出位相をθ2とする。ここで、全測定範囲で第1トラックTr1と第2トラックTr2とがちょうど波数1だけ異なるようにしておけば、全測定範囲のなかで位相差(Δθ=θ1−θ2)は一意に決まる。この位相差から逆算して、原点からみて第1トラックTr1の波が何番目(波数N)であるかわかる。さらに、θ1を内挿し、θ1のより精密な値を得る。
これにより、
(絶対位置)=(N+θ1/2π)×λ1
という測定値を得る。
本発明者らによる実験例を示す。
本発明者らは、すべてのトラックをコイルパターンにした場合と、すべてのトラックをベタパターンにした場合と、で性能を比較してみた。すなわち図9に示すパターンと図10に示すパターンとを試作し、性能試験をした。信号強度については、図4に示すように、コイルパターンでもベタパターンでも十分な信号強度が得られている。これであればコイルパターンに代えてベタパターンを採用できるようにも思える。
具体的には、フーリエ解析によって誤差成分を分離して取り出してみた。その結果を図6に示す。(ここでは、第1トラックからの信号をフーリエ解析した結果である。)左からM1は一次高調波(基本波長)による誤差、M2は二次高調波(半波長)による誤差、M3は三次高調波による誤差、である。ベタパターンの場合の誤差要因を見ると、三次高調波(M3)が原因として大きいことがわかる。しかしながら、三次高調波(M3)由来の誤差となっては、信号処理や演算等で補正するのは簡単ではない。
上記実施例では直線型のエンコーダを例示したが、ロータリーエンコーダでもよいことはもちろんである。
ベタパターンのベタ膜がもつ利点は、リソグラフィのエッチングや経年変化で欠損、断線が生じないことにある。したがって、エッチングや経年変化で欠損、断線が生じにくいような範囲であれば、ベタ膜に穴が開いていてもよい。例えば、図7にあるようにベタ膜に穴が開いていてもよい。ベタ膜全体の面積をSt、穴の面積をShとするとき、(Sh/St)<0.5であれば、穴は全体の半分に満たないわけであるから、これはベタ膜に含む。
Claims (3)
- 所定ギャップを介して対向配置され、測定軸方向に相対移動する検出ヘッドとスケールとを有し、
前記検出ヘッドには、一次変動磁束を発生させる駆動コイルが配設され、
前記スケールには、前記一次変動磁束と電磁結合し、前記測定軸方向に所定の空間周期で変化する磁気パターンを発生させるスケールパターンが配設され、
前記検出ヘッドには、前記スケールパターンによって形成された磁気パターンと電磁結合し、この磁気パターンの位相を検出する受信コイルが配置され、
前記検出した位相に基づいて前記検出ヘッドと前記スケールとの相対変位を検出する電磁誘導式エンコーダであって、
前記スケールパターンは、ピッチが相対的に短い第1ピッチである第1トラックと、ピッチが前記第1トラックよりも長い第2ピッチである第2トラックと、を有し、
前記第1トラックは、前記第1ピッチで並んだコイルで構成されたコイルパターンであり、
前記第2トラックは、一つ一つはアイランド状のベタ膜であって、このベタ膜が前記第2ピッチで並んだベタパターンである
ことを特徴とする電磁誘導式エンコーダ。 - 請求項1に記載の電磁誘導式エンコーダにおいて、
前記ベタパターンの角部は、面取り形状又はR形状とされている
ことを特徴とする電磁誘導式エンコーダ。 - 測定軸方向に所定の空間周期で変化する磁気パターンを発生させるスケールパターンが配設されたスケールであって、
前記スケールパターンは、ピッチが相対的に短い第1ピッチである第1トラックと、ピッチが前記第1トラックよりも長い第2ピッチである第2トラックと、を有し、
前記第1トラックは、前記第1ピッチで並んだコイルで構成されたコイルパターンであり、
前記第2トラックは、一つ一つはアイランド状のベタ膜であって、このベタ膜が前記第2ピッチで並んだベタパターンである
ことを特徴とする電磁誘導式エンコーダのスケール。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015089968A JP6475072B2 (ja) | 2015-04-27 | 2015-04-27 | 電磁誘導式エンコーダおよびスケール |
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Family Applications (1)
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