JP6473616B2 - 原子炉構造物の製造方法 - Google Patents

原子炉構造物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6473616B2
JP6473616B2 JP2014258779A JP2014258779A JP6473616B2 JP 6473616 B2 JP6473616 B2 JP 6473616B2 JP 2014258779 A JP2014258779 A JP 2014258779A JP 2014258779 A JP2014258779 A JP 2014258779A JP 6473616 B2 JP6473616 B2 JP 6473616B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nuclear reactor
ceramic
reactor structure
manufacturing
aggregate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014258779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016118484A (ja
Inventor
高木 俊
俊 高木
安田 正弘
正弘 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2014258779A priority Critical patent/JP6473616B2/ja
Publication of JP2016118484A publication Critical patent/JP2016118484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6473616B2 publication Critical patent/JP6473616B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Description

本発明は、原子炉用の原子炉構造物の製造方法に関する。
原子炉構造物の芯材として利用される黒鉛は、中性子の吸収断面積が高く、中性子の減速能が大きいため、減速比が高いこと、高い耐熱性を有すること、大きな素材が容易に得られることから原子炉の減速材、反射材として利用されている。特に、マグノックス炉、改良型黒鉛炉(AGR炉)、高温ガス炉などガス冷却炉の減速材、反射体などの素材として重要な材料である。
特許文献1には、固体黒鉛で構成される減速材、反射材等の原子炉構造物の表面を炭化ケイ素SiC等の耐熱セラミックス等で覆い、核及び熱的な性能を損なうことなく、強度を向上させた黒鉛構造物が開示されている。
実開昭61−206897号公報
原子炉は、安定して運転するために制御棒など様々な可動機構が内部に備えられている。また、核燃料の交換、メンテナンスなどのため、原子炉内部の部材、核燃料などを搬入、搬出することがある。そして、原子炉は、例えば、ヘリウムを冷却材に用いた高温ガス炉には、燃料形状の違いにより、ブロック型高温ガス炉と、ペブルベット型高温ガス炉とがある。
ブロック型高温ガス炉では、例えば内部に燃料棒が収納された六角状の黒鉛ブロック(燃料カラム)と、内部に燃料棒が収納されていない六角状の黒鉛ブロック(可動反射体)、さらにそれらの外部を取りまく固定反射体で構成される。また、特許文献1の黒鉛構造物は、ブロック型高温ガス炉に関する技術である。
一方、ペブルベット型高温ガス炉では、被覆燃料粒子を黒鉛粒子と混ぜ球状に成形した燃料球(ペブル)を使用し、これを黒鉛ブロックで形成された空間内に多数無秩序に積み重ねて炉心を形成する。燃料球の直径は約6cmである。核反応が低下した燃料球を運転中に下から取り出すとともに、上部から新たな燃料球を供給することにより、連続的に交換することが特徴である。このため、ブロック型高温ガス炉のように運転を停止して燃料交換をする必要が無く、原子炉の運転期間を長くすることができる。
しかしながら、ブロック型高温ガス炉では、制御棒、可動反射体の動作に伴って耐熱セラミックスに摩擦がおき、さらには、黒鉛ブロックの交換の際には、耐熱セラミックスに衝撃が加わることがある。また、ペブルベット型高温ガス炉では、密度の高い燃料球が、黒鉛ブロックの表面の転がりながら移動するので、高い強度が求められる。
本発明は、上記課題を鑑み、高い耐久性を有する原子炉構造物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本発明の原子炉構造物の製造方法は、
(1)黒鉛からなる芯材を、断面が略正六角形であって、長手方向に延びる複数の孔を有する六角柱の形状に加工する芯材加工工程と、前記芯材をセラミック繊維からなる骨材で覆い、基材を得る工程と、前記基材をCVD炉に投入し、前記骨材の隙間にSiCマトリックスを形成することにより、前記芯材の表面にセラミック/セラミック複合材を形成するCVD工程と、を備える。
(2)前記基材を得る工程は、前記芯材を前記骨材で覆った後に樹脂を含浸する工程を含む。
(3)前記基材を得る工程は、前記樹脂を含浸する工程の後に加熱する工程を含む。
(4)前記基材を得る工程は、前記芯材を前記骨材および樹脂で同時に覆う工程を含む。
(5)前記基材を得る工程は、前記芯材を前記骨材および前記樹脂で同時に覆う工程の後に加熱する工程を含む。
(6)前記樹脂は、有機珪素系樹脂または珪化物系セラミック粒子を含有する樹脂である。
(7)前記骨材は、前記芯材を巻回する前記セラミック繊維の巻回体である。
(8)前記骨材は、前記芯材を覆う前記セラミック繊維からなる布である。
(9)前記骨材は、前記芯材を覆う前記セラミック繊維からなる織布である。
(10)前記セラミック繊維はSiC繊維である。
本発明の原子炉構造物の製造方法により、耐久性を向上させ、クラックなどを防止し、芯材の黒鉛が露出するのを防止できる原子炉構造物を提供できる。即ち、黒鉛からなる芯材の表面に高い耐久性を有するセラミック/セラミック複合材を形成しているので、黒鉛が露出しにくく消耗し難くなる。また、本発明の原子炉構造物の製造方法では、大部分を占める芯材が黒鉛であり、セラミック/セラミック複合材は、その表面を覆うので、黒鉛の中性子減速能に与える影響が小さく、耐久性に優れた原子炉構造物の製造方法を提供することができる。
本発明に係る原子炉構造物が用いられるブロック型原子炉の一例を示す縦断面図。 図1のII−II線に沿ったブロック型原子炉の横断面図。 本発明に係る原子炉構造物の一例を示す模式図。 本発明に係る原子炉構造物の製造工程の一例を示すブロック図で(A)芯材加工工程、(B)基材を得る工程および(C)CVD工程であり、(B1)〜(B5)は基材を得る工程(B)の5つの工程パターン。 図4の工程(A)〜(C)を示し、(a1)〜(a3)は概念斜視図、(b1)〜(b3)は概念断面図、(a1)および(b1)は(A)芯材加工工程、(a2)および(b2)は(B)基材を得る工程、(a3)および(b3)は(C)CVD工程。 図4の工程(B)の具体的一例を示す概念図、(a)はスプレー塗布、(b)はシート粘着、(c)は(a)および(b)による原子炉構造物、(d)は巻回、(e)は(d)による原子炉構造物。
以下、本発明に係る原子炉構造物の製造方法の好適な実施形態を、図1〜図6に基づいて詳述する。
図1および図2は、ブロック型原子炉(高温ガス炉)の一例を示す模式図であり、図3は、原子炉構造物の一例を示す模式図である。ブロック型原子炉1は、原子炉圧力容器2内に外側から、固定反射体9、可動反射体10b、燃料体10aが配置されている。可動反射体10bと、燃料体10aとは、形状、サイズが同様の略正六角柱の形状であり、ともに本発明おける原子炉構造物10を構成する。
略正六角柱の燃料体10aは、高さ方向に複数個積層し、かつ水平方向に配列することにより、炉心を構成し、その周囲を可動反射体10bが取り囲む。六角柱の原子炉構造物10が配列した領域と、原子炉圧力容器2との間に固定反射体9が配置される。燃料体10aには、内部に燃料棒、可燃性毒物を収納可能な孔を複数有する。
原子炉構造物10の上部には制御棒5を支持するスタンドパイプ4が設けられ、原子炉圧力容器2の下部には、冷却材用の配管6が接続され、動力変換装置と連結されている。また、炉心3は、黒鉛からなる複数の原子炉構造物10を積み上げて構成されているため、中性子の外部への漏洩量を極力小さくさせている。この構造により、核燃料物質から発生する中性子を黒鉛が効率よく減速し、熱エネルギーに変換することができる。
炉心3を構成する原子炉構造物10は、黒鉛からなる芯材11と芯材11の表面を被覆するセラミック/セラミック複合材12とからなる。詳しくは、芯材11を後述するセラミック繊維からなる骨材13で覆い基材とし、基材をCVD炉に投入し、骨材13の隙間にSiCマトリックスを形成することにより、芯材11の表面にセラミック/セラミック複合材12を形成している。
また、原子炉構造物10は、本実施形態では断面が略正六角形であって、長手方向に延び燃料棒14などが挿入される複数の孔15を有し、炉心3を形成している。
ブロック型原子炉1では、制御棒5や可動反射体の移動に伴って原子炉構造物10の表面に摩擦がおき、さらには、原子炉構造物10の交換の際には、原子炉構造物10に衝撃が加わることがある。本実施形態では、原子炉構造物10の芯材11の表面にセラミック/セラミック複合材12を形成してため、上述の摩擦や衝撃が加わっても原子炉構造物10を破損しにくくすることができる。また、SiCからなるセラミック/セラミック複合材12は、中性子の吸収が少ないので、核分裂の連鎖反応に与える影響が少ない。
図4〜図6を用いて原子炉構造物10の製造工程を説明する。
基本的な製造工程は、(A)芯材加工工程、(B)基材を得る工程および(C)CVD工程の3工程である。
(A)芯材加工工程では、黒鉛からなる芯材11を、断面が略正六角形の六角柱形状に加工する(図4および図5(a1)および(b1)参照)。図5(a1)〜(a3)では、X−Z平面において断面は六角形となっている(断面が略六角形の形状)。
(B)基材を得る工程では、芯材11をセラミック繊維からなる骨材13で覆い、基材を得る(図4および図5(a2)および(b2)参照)。なお、必要に応じて、燃料棒、可燃性毒物を挿入する孔を追加して加工することができる。
(C)CVD工程では、基材をCVD炉に投入し、骨材13の隙間にSiCマトリックスを形成することにより、芯材11の表面にセラミック/セラミック複合材12を形成する(図4および図5(a3)および(b3)参照)。
骨材の隙間とは、骨材を構成するセラミック繊維間にできる隙間である。一般に繊維状の物体は、極めて限られた条件において空間を繊維状の物体で完全に充填することができる。限られた条件とは、例えば以下の状態が成立している条件である。
・繊維状の物体に直交する断面に隙間がなく、繊維状の物体が直線状であり同一方向に並んでいる。例えば、三角柱、四角柱、六角柱の繊維状の物体が配列した状態。
・平板状の物体が積層し、平板状の物体に繊維状の物体が隙間なく充填されている。平板とは、例えば四角柱の繊維状の物体が横に並び平板状の物体を構成している状態、四角柱の繊維状の物体が平面内で巻回されている状態。
このため、セラミック繊維が織布、不織布、あるいは抄造体である場合、セラミック繊維の断面が円形である場合は、必然的に隙間が形成される。隙間とは、セラミック繊維どうしが離れている場合のほか、隣り合うセラミック繊維どうしが形成する表面の凹みも含まれる。
本実施形態において、芯材11を被覆する際にセラミック繊維を含む骨材13で覆うとともに、SiCマトリックスを形成するというCVD工程を有している。これにより、より耐久性を向上させ、クラックなどを防止し、芯材11の黒鉛が露出するのを防止できる原子炉構造物10を提供している。このため、原子炉構造物は、大部分を占める芯材が黒鉛であり、セラミック/セラミック複合材は、その表面を覆うので、黒鉛の中性子減速能に与える影響が小さく、耐久性に優れた原子炉構造物の製造方法を提供することができる。
上述のマトリックス形成は、骨材13であるセラミック繊維の周囲にセラミックマトリックスを充填する。CVD法では、CVD炉に芯材11をいれ、加熱した状態で原料ガスを導入する。原料ガスは、CVD炉内で拡散するとともに、加熱された骨材13に接触すると熱分解が起こり、原料ガスに対応するセラミックマトリックスが骨材13を構成するセラミック繊維の表面に形成される。
目的とするセラミックマトリックスがSiCの場合には、炭化水素ガスと、シラン系ガスの混合ガス、炭素と珪素を有する有機シラン系ガスなどが利用できる。これらの原料ガスは、水素がハロゲンで置換されたガスも利用することができる。シラン系ガスとしては、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、有機シラン系ガスの場合には、メチルトリクロロシラン(Methyltrichlorosilane)、メチルジクロロシラン(Methyldichlorosilane)、メチルクロロシラン(Methylchlorosilane)、ジメチルジクロロシラン(Dimethyldichlorosilane)、トリメチルジクロロシラン(Trimethyldichlorosilane)などが利用できる。またこれらの原料ガスを適宜混合して用いてもよく、さらに水素、アルゴンなどのキャリアガスとしても用いることもできる。キャリアガスとして使用する水素は、平衡の調整に関与することができる。
次に、図4を用いて基材を得る工程を詳述する。本実施形態において基材を得る工程(B)は、5つの工程パターンが存在する。図4では、5つの工程パターンを(B1)から(B5)で表している。(B1)は、セラミック繊維からなる骨材13で芯材11を覆う工程である。(B2)は、前記(B1)の工程の後で樹脂を含浸する工程を追加している。(B3)は、前記(B2)の工程の後に更に加熱する工程を追加している。(B4)は、芯材11を骨材13および樹脂で同時に覆う工程である。(B5)は、前記(B4)の工程の後に加熱する工程を追加している。
(B1)のセラミック繊維からなる骨材13で芯材11を覆う工程では、さまざまな形態のセラミック繊維からなる骨材を利用することができる。シート状、単繊維、単繊維を束ねたストランド状、セラミック繊維を裁断したチョップド繊維、セラミック繊維を粉砕したミルド繊維などが挙げられる。シート状繊維としては、織布、不織布が挙げられる。不織布はさらに、チョップド繊維またはミルド繊維を抄造した抄造シート、チョップド繊維またはミルド繊維を積層したフェルトシートなどが挙げられる。芯材を覆う骨材は、これらを単独で用いても良いが、組み合わせて使用することもできる。例えばシート状のセラミック繊維の外側にストランド状のセラミック繊維を設けても良い。ストランド状のセラミック繊維が、シート状のセラミック繊維を締め付け、基材と骨材を密着させることができ、さらにはこれらから得られる基材とセラミック/セラミック複合材を密着させることができる。
次に、具体的にセラミック繊維からなる骨材13で芯材11を覆う工程(B1)を説明する。芯材の表面は、正六角柱の側面だけでなく、二つの底面、孔の内面に対しても適用することができる。例えば、ミルド繊維などのセラミック繊維を芯材11の表面に溶媒とともにスプレー等で吹き付ける(図6(a)参照)、または溶媒とともにコーター等で塗布する方法や、シート状のセラミック繊維を芯材11の表面に貼り付ける方法(図6(b)参照)等を利用して、芯材11の表面にセラミック繊維を施す。そして、CVD工程(C)によりセラミック/セラミック複合材12を芯材11の表面に形成させることができる(図6(c)参照)。
また、芯材11の表面全体を単繊維あるいはストランド状などのセラミック繊維で巻回しての骨材13をセラミック繊維の巻回体13aとすることも可能であり(図6(d)参照)、CVD工程(C)によりセラミック/セラミック複合材12を芯材11の表面に形成させることができる(図6(e)参照)。
巻回の方法は特に限定されない。例えば、芯材11を回転させながら、セラミック繊維を輪のように巻くフープ巻き、セラミック繊維の間隔を保ちながらセラミック繊維を螺旋のように巻くヘリカル巻きなどが利用でき、これらを組み合わせて使用することもできる。また、セラミック繊維がフープ巻きとヘリカル巻きとの組み合わせである場合には、その界面は、互いに交差しあうセラミック繊維の接点が多数存在し、高強度のセラミック繊維強化セラミック複合材料を得ることができる。
(B2)は、上述の(B1)の工程の後に樹脂を含浸させる工程を追加させている。含浸させる樹脂は、セラミック繊維の芯材11に対する密着力を高め、より強度のある骨材13を得るために、例えば有機珪素系樹脂または珪化物系セラミック粒子を含有する。有機珪素系樹脂を使用した場合には、加熱することにより樹脂自身がセラミックに変わる。有機珪素系樹脂としては、例えばポリカルボシランなどが挙げられる。ポリカルボシランは、加熱によりSiCに変わる。
珪化物系セラミック粒子を含有している場合には、セラミック粒子が、骨材の隙間にSiCマトリックスを形成することができる。珪化物系セラミック粒子としては特に限定されず、SiC、SiOなどが挙げられる。珪化物系セラミック粒子とともに使用する樹脂は特に限定されず、例えばフェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、などが利用できる。これらの樹脂はバインダーとして機能することができる。また、珪化物系セラミック粒子として、SiOを使用した場合には、Siと結合して、SiCマトリックスの原料となることができる。
樹脂を加熱する方法は、特に限定されず、(C)のCVD工程の際に原料ガスを導入する前の加熱と同時に処理することもできるが、別途加熱工程を加えても良い(図4(B3)参照)。
図4(B2)、(B3)の製造方法で採用する樹脂を含浸させる工程では、樹脂を含有した溶液、溶融した樹脂をスプレー等での吹き付け、ディッピング、刷毛塗り等がある。また、粉末、フィルム状の固体の樹脂を溶融させて含浸することも可能である。
(B3)は、上述の(B2)の工程の後に加熱する工程を追加している。この基材を得る工程では、加熱する工程を加えることにより、CVD工程の前にセラミック繊維と含浸した樹脂がより強固に結合させることができ、CVD工程で骨材が浮き上がることがなく、基材とセラミック/セラミック複合材を密着させることができる。また、CVD炉の内部で分解ガスの発生が少なく、CVD炉内を汚染しにくくすることができるので、CVD炉内で形成されるSiCマトリクスの純度を高めることができ、中性子の減速能など原子炉構造物としての性能を高くすることができる。
また、基材を得る工程(B)では、芯材11を骨材13および樹脂で同時に覆う(B4)の工程の後、CVD工程(C)によりセラミック/セラミック複合材12を形成することもできる。骨材13および樹脂で同時に覆うとは、もともと骨材13に樹脂を含有させておくことで実現することができる。骨材13に樹脂を含有させる方法は特に限定されないが、例えば骨材を樹脂あるいは樹脂溶液中に浸漬させる方法、粉末状あるいは繊維状の樹脂を骨材に分散させるなどの方法が適用できる。樹脂は、セラミック繊維の芯材11に対する密着力を高め、より強度のある骨材13を得るために、例えば有機珪素系樹脂または珪化物系セラミック粒子を含有することができる。また、(B5)の工程のように(B4)の工程の後に加熱する工程を追加しても良い。
そして、上述の芯材11を覆うセラミック繊維からなる骨材13は、セラミック繊維からなる布または織布であっても良い。
セラミック繊維とは、耐熱性、強度を有し、中性子の吸収断面積が低ければ特に限定されないが、例えばZrC、SiC、炭素繊維が利用できる。特にセラミック繊維はSiC繊維であることが望ましい。SiC繊維は、耐蝕性、耐酸化性が優れ、高強度であるので、SiCを用いることにより、高温、腐食性雰囲気でセラミックスマトリックスが損傷した場合でも、セラミック繊維がクラックの進展を止め、安全に使用することができる。
尚、原子炉構造物10の孔15に関して、孔15の内側にもセラミック/セラミック複合材12が被覆されていることが望ましいが、燃料棒14を入れる孔15の場合には栓をしてしまうので必須ではない。被覆自体は、スリーブ状に形成されたセラミック繊維の筒を挿入することにより、孔15の内部を被覆形成することが可能である。また、制御棒5の場合には、原子炉構造物10全体に比べれば重量は少なく、摩擦力は強くないため、例えば骨材13(繊維)の無い被覆のみでも良い。
本実施形態の原子炉構造物10を燃料体10aに適用して説明したが、可動反射体10bでも良く、黒鉛からなる六角柱状の構造物であれば、本発明の原子炉構造物10に含まれる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係る原子炉構造物の製造方法は、ブロック型の燃料体を利用する原子炉の用途に適用可能である。
1:ブロック型原子炉
2:原子炉圧力容器
3:炉心
5:制御棒
9:固定反射体
10:原子炉構造物
10a:燃料体
10b:可動反射体
11:芯材
12:セラミック/セラミック複合材
13:骨材
14:燃料棒
15:孔

Claims (7)

  1. 黒鉛からなる芯材を、断面が略正六角形であって、長手方向に延びる複数の孔を有する六角柱の形状に加工する芯材加工工程と、
    前記芯材をセラミック繊維からなる骨材で覆い、基材を得る工程と、
    前記基材をCVD炉に投入し、前記骨材の隙間にSiCマトリックスを形成することにより、前記芯材の表面にセラミック/セラミック複合材を形成するCVD工程と、
    を備える原子炉構造物の製造方法であって、
    前記基材を得る工程は、前記芯材を前記骨材および樹脂で同時に覆う工程を含む、原子炉構造物の製造方法。
  2. 請求項に記載の原子炉構造物の製造方法であって、
    前記基材を得る工程は、前記芯材を前記骨材および前記樹脂で同時に覆う工程の後に加熱する工程を含む、原子炉構造物の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の原子炉構造物の製造方法であって、
    前記樹脂は、有機珪素系樹脂または珪化物系セラミック粒子を含有する樹脂である、原子炉構造物の製造方法。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の原子炉構造物の製造方法であって、
    前記骨材は、前記芯材を巻回する前記セラミック繊維の巻回体である、原子炉構造物の製造方法。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の原子炉構造物の製造方法であって、
    前記骨材は、前記芯材を覆う前記セラミック繊維からなる布である、原子炉構造物の製造方法。
  6. 請求項に記載の原子炉構造物の製造方法であって、
    前記骨材は、前記芯材を覆う前記セラミック繊維からなる織布である、原子炉構造物の製造方法。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の原子炉構造物の製造方法であって、
    前記セラミック繊維はSiC繊維である、原子炉構造物の製造方法。
JP2014258779A 2014-12-22 2014-12-22 原子炉構造物の製造方法 Active JP6473616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014258779A JP6473616B2 (ja) 2014-12-22 2014-12-22 原子炉構造物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014258779A JP6473616B2 (ja) 2014-12-22 2014-12-22 原子炉構造物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016118484A JP2016118484A (ja) 2016-06-30
JP6473616B2 true JP6473616B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=56242982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014258779A Active JP6473616B2 (ja) 2014-12-22 2014-12-22 原子炉構造物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6473616B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2020125869A (ru) * 2018-01-22 2022-02-24 Ультра Сейф Нуклеар Корпорейшн Композитный замедлитель для систем с ядерным реактором

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61206897U (ja) * 1985-06-17 1986-12-27
JPH04303517A (ja) * 1991-03-30 1992-10-27 Sumitomo Electric Ind Ltd 絶縁電線
JP3021405B2 (ja) * 1997-12-11 2000-03-15 核燃料サイクル開発機構 中性子吸収ピン
US20060039524A1 (en) * 2004-06-07 2006-02-23 Herbert Feinroth Multi-layered ceramic tube for fuel containment barrier and other applications in nuclear and fossil power plants
WO2012174548A1 (en) * 2011-06-16 2012-12-20 Ceramic Tubular Products Llc Nuclear reactor fuel element having silicon carbide multilayered cladding and thoria-based fissionable fuel
WO2014050094A1 (ja) * 2012-09-26 2014-04-03 株式会社 東芝 原子炉用制御棒および原子炉用制御棒の製造方法
JP6081182B2 (ja) * 2012-12-19 2017-02-15 イビデン株式会社 原子炉用部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016118484A (ja) 2016-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6473617B2 (ja) 原子炉構造物
US10902956B2 (en) Nuclear fuel pebble and method of manufacturing the same
CN106575528B (zh) 用于核反应堆燃料的加工和特征描述的增材制造技术
JP6082810B2 (ja) 管状体および管状体の製造方法
US20130077731A1 (en) Ceramic encapsulations for nuclear materials and systems and methods of production and use
KR20130087488A (ko) 개방 기공이 있는 핵연료봉용 고체 계면 조인트
JP6081182B2 (ja) 原子炉用部材
JP2017515096A (ja) 酸化防止中間層を有するセラミック強化ジルコニウム合金製原子燃料被覆管
KR102338164B1 (ko) 마이크로캡슐화된 핵 연료의 인성 증진
JP6473616B2 (ja) 原子炉構造物の製造方法
Charollais et al. CEA and AREVA R&D on HTR fuel fabrication and presentation of the CAPRI experimental manufacturing line
JP2022153525A (ja) 軽水炉および鉛高速炉向け高温セラミック原子燃料システム
KR20130102766A (ko) 다중피복 구조로 형성된 핵연료
US20150360958A1 (en) Ceramic structure
JP6415966B2 (ja) 原子炉構造物
Wang et al. Mechanical and thermal ablative behavior of ceramic-modified lightweight quartz felt reinforced phenolic aerogel
JP6484024B2 (ja) 原子炉構造物の製造方法
Sharafat et al. Development of a new cellular solid breeder for enhanced tritium production
JP2013521494A (ja) 燃料材および燃料材の製造方法
JP6473602B2 (ja) 黒鉛ブロック
David Carbon/carbon materials for Generation IV nuclear reactors
US10020078B2 (en) Composite fuel rod cladding
JP2017096653A (ja) 核燃料コンパクト、核燃料コンパクトの製造方法、及び核燃料棒
JP6473601B2 (ja) 炉心構造材
JP2020029373A (ja) SiC繊維を内包する管状体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6473616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250