JP6472146B2 - 高硬度かつ靭性に優れる鋼製部材および高負荷ボールねじのナット - Google Patents

高硬度かつ靭性に優れる鋼製部材および高負荷ボールねじのナット Download PDF

Info

Publication number
JP6472146B2
JP6472146B2 JP2017016054A JP2017016054A JP6472146B2 JP 6472146 B2 JP6472146 B2 JP 6472146B2 JP 2017016054 A JP2017016054 A JP 2017016054A JP 2017016054 A JP2017016054 A JP 2017016054A JP 6472146 B2 JP6472146 B2 JP 6472146B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
ball screw
steel
cementite
steel member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017016054A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018123374A (ja
Inventor
悠輔 平塚
悠輔 平塚
常陰 典正
典正 常陰
前島 克己
克己 前島
小林 豊
豊 小林
弘昌 荻
弘昌 荻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Chain Co
Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
Sanyo Special Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsubakimoto Chain Co, Sanyo Special Steel Co Ltd filed Critical Tsubakimoto Chain Co
Priority to JP2017016054A priority Critical patent/JP6472146B2/ja
Publication of JP2018123374A publication Critical patent/JP2018123374A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6472146B2 publication Critical patent/JP6472146B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、自動車や各種産業機械等の部品に用いられる機械構造用鋼からなる鋼製部材のうち、高硬度かつ靭性に優れた鋼製部材に関し、特にその鋼製部材を用いた高負荷ボールねじのナットに関する。
自動車、各種産業機械の部品のうち、特に耐摩耗性、疲労特性等を必要とする部品に用いられる鋼材は、焼入れによって高硬度化することが一般的である。焼入れによってマルテンサイト組織を主体とした鋼材は、C含有量により硬度が決まり、C含有量を高めることで鋼材の硬度を上昇させることができる。しかし、高硬度化は反面靭性を低下させ、衝撃が加えられた場合に割れを生じる。すると、硬度と靭性のバランスが要求されるボールねじでは、ボールねじのナットのボール負荷転動路とボール戻し通路との境界部分、すなわち、リターンチューブ出入り口の境界部分で、転動体の接触面積が確保できないので、リターンチューブ出入り口の境界部分に、瞬間的に極めて大きなエッジロード(ピーク面圧)が作用するとともに油膜切れを起こすこととなる。したがって、リターンチューブ出入り口の境界部分が早期に損傷し易く、さらに、この境界部分で生じた鉄粉が潤滑剤中の異物となることから、部品の短寿命化を招く要因となっている。そのため、ボールねじのナットの高負荷用途には、この境界部分の破損を抑制することが必要である。
さて、これらに対処する従来の技術としては、ボールねじのリターンチューブ出入り口の境界部分のナット側のねじ溝にクラウニング加工部を形成することにより、転動体に作用する荷重を解放させるものがある。こうしたクラウニング加工によると、ボールねじのナット側のねじ溝に剥離等を発生させるようなピーク面圧がボール負荷転動路とボール戻し通路との境界部分に発生しなくなるので、ナット側のねじ溝に剥離等が発生することを防止することを指向した高負荷ボールねじが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、クラウニングの形状設計とその加工のための特殊設備の導入などは、大幅なコストアップを招き、また量産性にも問題があった。
また、鉄粉等の異物が潤滑剤中に混ざり圧痕を作るような環境下において、残留オーステナイトを増加させることによって、はく離を抑制しようとする方法がある(例えば、特許文献2参照)。しかし、過共析鋼の焼入れ組織に不可避に存在する炭化物に関しては、単位面積当たりの個数の規定はあるが、形状に関する規定はなされておらず、その制御までは念頭に置いておらず、それゆえに、粗大な炭化物やアスペクト比の大きな炭化物が存在することとなると、靭性を低下させる問題が生じてしまっている。
特開2005−180655号公報 特許第4569961号公報
本願が解決しようとする課題は、従来の肌焼鋼よりもC量の多い過共析鋼を使用して炭化物の個数、分布、および形態の制御を狙った熱処理を行うことにより、優れた高硬度かつ靱性に優れた鋼製部材を提供することであって、さらにその鋼製部材を用いてクラウニング等の形状設計を行うことなく、硬さ、靭性、および残留オーステナイト量の得られる鋼製部材とし、さらに、この鋼製部材からなるボールねじのナットの転走部の加工時に残留圧縮応力を付与することにより、ボールねじのナットのリターンチューブの出入口である境界部におけるナット側のねじ溝の損傷を抑制し、かつ残留オーステナイト量の調整および研削加工によりねじ溝の表面に残留圧縮応力を付与することによって、表面起点型のはく離を抑制し、高硬度でありながら高い靭性を両立させてより高負荷に耐えうる高負荷ボールねじのナットを提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、第1の手段では、質量%で、C:0.90〜1.20%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.90〜2.00%、P:0.025%以下、S:0.25%以下、Cr:0.90〜1.60%、Al:0.005〜0.050%、O:0.0015%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼であり、表面硬さが60〜64HRCであり、アスペクト比が1.5以下のセメンタイトが全セメンタイトの90%以上であり、前記セメンタイトを1.0×105個/mm2以上含有し、その90%以上が粒径1μm以下であり、旧オーステナイト粒度は9番以上であり、ベイナイト組織の面積率が15%以下であり、残留オーステナイト量が20〜30vol.%となることを特徴とする高硬度かつ靱性に優れた鋼製部材である。
第2の手段では、第1の手段の鋼製部材であって、該鋼製部材からなるボールねじのナットの転走面の表面の円周方向の残留圧縮応力は90MPa以上であることを特徴とする高負荷ボールねじのナットである。
本願発明によると、従来の肌焼鋼よりもC量の多い過共析鋼を使用して炭化物の個数、分布、および形態の制御を狙った熱処理により、優れた高硬度でかつ優れた靱性を有することのできる鋼とし、さらに該鋼を用いてクラウニング等の形状設計や加工を行わずとも、硬さ、靭性に優れ、かつ残留オーステナイト量の得られる高負荷ボールねじのナット用の鋼製部材とすることができ、さらに該鋼製部材であるボールねじのナットの転走面の表面の研削または旋削による加工時に付与された円周方向の残留圧縮応力によって、ボールねじのナットのリターンチューブの出入口である境界部におけるナット側のねじ溝の破損が抑制されており、かつ残留オーステナイト量の調整および研削加工あるいは切削加工によるナットのねじ溝の表面に付与された残留圧縮応力によって表面起点型のはく離が抑制されており、ボールねじのナット用の鋼製部材を用いることにより、高硬度でありながら高い靭性を両立して有するものとなるので、自動車や各種産業機械等の部品に用いられる高負荷に耐え得るボールねじのナットとすることができる。
ボールねじのねじ軸に係合したナットの一部およびボールの一部を縦断面で示す側面図。 ボールねじのねじ軸に係合したナットの一部およびボールとリターンチューブの縦断面を示す側面図。
発明を実施するための形態の説明に先立って、本願の発明の手段における実施例鋼および比較例鋼の化学成分の限定理由および各特性の限定理由について説明する。
C:0.90〜1.20%
Cは、焼入焼戻し後における、硬度、耐摩耗性、疲労寿命を向上させるが、Cが0.90%未満では十分な硬度が得られない。一方、Cは、1.20%を超えて含有されると、素材硬さを増加し、被削性および鍛造性などの加工性を阻害し、さらに、組織中の炭化物量が必要以上に増え、マトリクス中の合金の濃度が低下し、マトリクスの硬さおよび焼入性を低下させる。そのため、Cは1.20%以下とする必要がある。そこで、Cは0.90〜1.20%とする。
Si:0.10〜1.00%
Siは、鋼の脱酸に有効な元素であり、鋼に必要な焼入性を付与し、焼戻し軟化抵抗を向上させると共に強度を高める元素である。上記効果を得るには、Siは最低0.10%以上は必要である。一方、Siは素材硬さを増加し、被削性および鍛造性などの加工性を阻害する元素である。そこで、Siは0.10〜1.00%とする。
Mn:0.90〜2.00%
Mnは、鋼の脱酸に有効な元素である。さらに、Mnは鋼に必要な焼入性を付与し強度を高めるために添加する。このためには、Mnは0.90%以上を必要とする。一方、Mnは多量に添加すると焼入性が高くなりすぎてしまい焼割れを生じさせるため、Mnは2.00%以下とする。そこで、Mnは0.90〜2.00%とする。
P:0.025%以下
Pは、鋼中に不可避に含有される不純物元素であり、粒界に偏析し靱性を劣化するためにPは0.025%以下とする必要がある。そこで,Pは0.025%以下とする。
S:0.025%以下
Sは、Mnと結びついてMnSを形成し、靱性を劣化させるため、Sは0.025%以下とする必要がある。そこで,Sは0.025%以下とする。
Cr:0.90〜1.60%
Crは、焼入性を向上させる元素である。また、Crは球状化焼なましによる炭化物の球状化を容易にする元素である。上記の効果を得るには、Crは、最低でも0.90%以上必要である。一方、Crは過剰に添加すると、素材硬さを増加し被削性が低下する。そのため、Crは1.60%以下にする必要がある。そこで、Crは0.90〜1.60%とする。
Al:0.005〜0.050%
Alは、鋼の脱酸に有効な元素であり、さらに、Nと結合してAlNを生成するため、結晶粒の粗大化の抑制に有効な元素である。上記の効果を得るためには、Alは0.005%以上必要である。一方、Alは多量に添加すると非金属介在物を生成して割れの起点となる。そのため、Alは0.050%以下にする必要がある。そこで、Alは0.005〜0.050%とする。
O:0.0015%以下
Oは、酸化物を形成して、使用時にその酸化物を起点として亀裂が発生し、機械部品の寿命を低下させる原因となる。そのためにOは0.0015%以下とする。
表面硬さ:60〜64HRC
表面硬さが高いほど、異物が潤滑剤中に入るような環境下において転走面に形成される圧痕の形状を小さくすることができ長寿命化に有効である。上記の効果を得るためには、表面硬さは60HRC以上必要である。一方、硬さと靱性はトレードオフの関係にあり、硬さを上げすぎると靱性が低下する。そのため、表面硬さは64HRC以下とする必要がある。
球状化セメンタイトの個数:1.0×105個/mm2以上
球状化セメンタイトは、炭化物を微細にかつ均一に分散させることにより、耐摩耗性を向上させることができる。これらの効果を得るためには、球状化セメンタイトの個数は1.0×105個/mm2以上とする必要がある。そこで、球状化セメンタイトの個数は1.0×105個/mm2以上とする。
アスペクト比が1.5以下の球状化セメンタイトの個数が占める割合:全セメンタイト数の90%以上
球状化焼なましにより、セメンタイトを球状化できかつ均一に分散できる。一方、この球状化の指標には、球状化炭化物であるセメンタイトの長径と短径の比(長径/短径)で定義するアスペクト比を用いる。ところで、このアスペクト比が1.5以下で有れば、セメンタイトにとって有害な亀裂発生の起点となる割合を下げることができる。そこで、全セメンタイトの個数におけるアスペクト比が1.5以下の割合が90%以上とする。
セメンタイトの粒径:90%以上が粒径1μm以下
セメンタイトは、粗大な炭化物になるほど、破壊の起点となる危険性が増加するため、セメンタイトの粒径を有害性の低い1μm以下とする。
旧オーステナイト結晶粒度:9番以上
旧オーステナイト結晶粒径は、微細化することにより延性破壊主体から脆性破壊主体に変化する温度(延性脆性遷移温度)を低下させることができ、室温における靱性を高めることができる。この効果を得るためには、結晶粒度は9番以上とする。
ベイナイト組織の面積率:15%未満
不完全焼入れ相であるベイナイトが組織中に存在すると、組織の不均質を招き、靱性を劣化させる。そのため、ベイナイト組織の面積率は15%未満、望ましくは10%未満とする必要がある。
残留オーステナイト量:20〜30vol.%
残留オーステナイトは、鉄粉などの異物が潤滑剤中に混入するような環境下における長寿命化に有効である。この効果を得るためには20vol.%以上必要である。一方、マルテンサイトと比較して軟質な残留オーステナイトが多量に存在すると、製品に必要な硬さが得られず早期剥離の原因となる。そのため、残留オーステナイト量は30vol.%以下とする必要である。
転走面の表面の円周方向の残留圧縮応力:90MPa以上
転走面の研削あるいは切削加工時に、表面に疲労強度に貢献する円周方向の残留圧縮応力を付与することにより、亀裂の生成および伝播を抑えることができる。この効果を得るためには、転走面の表面の円周方向の残留圧縮応力を90MPa以上とする必要がある。
次いで、課題を解決するための本発明の手段について記載する。表1に示す化学成分を有する供試材の各No.1〜20およびNo.21としての従来鋼のSCM415の各鋼塊をそれぞれ溶製し、さらに、連続鋳造、分塊圧延および製品圧延を行ない、径65mmの丸棒鋼材を作製した。次いで、この丸棒鋼材を加熱し、特に720〜760℃の間の温度に至る昇温速度を1時間あたり20℃とし、かつ最高点温度800℃として、合計14時間の球状化焼鈍により球状化処理した。
Figure 0006472146
上記の球状化処理した各丸棒鋼材からシャルピー試験片に粗加工し、焼入処理として800〜900℃の焼入れ温度に加熱して30分間保持した後、60℃もしくは130℃の油中に焼入れを行った後に、仕上げ加工を行った。焼入れ温度および焼入油の温度条件を表2に示す。No.6−1およびNo.6−2は、供試材No.6の成分の鋼材を用い、焼入れ油の温度のみを変えたものである。
Figure 0006472146
上記の油焼入れした試験片について、表面硬さ、球状化セメンタイトの個数、全セメンタイトの個数に対してアスペクト比が1.5以下のセメンタイトが占める割合、全セメンタイトに対して粒径1μm以下のセメンタイトの占める割合、残留オーステナイト量、旧オーステナイト結晶粒度、およびベイナイト面積率を測定した。これらの測定結果を以下の表3に示す。
Figure 0006472146
表3において、表面硬さ、球状化セメンタイトの個数、全セメンタイトの個数に対してアスペクト比が1.5以下のセメンタイトが占める割合、全セメンタイトに対して粒径1μm以下のセメンタイトが占める割合、残留オーステナイト量、旧オーステナイト結晶粒度、ベイナイト面積率の網掛けで示す各値は、本発明の請求項の範囲から逸脱するものを示す。表3の中の比較例のNo.6−2の鋼材は、本発明の請求項の成分範囲を満たす鋼材であるが、表3における、ベイナイトの面積率の範囲を満たさない水準の鋼材である。
なお、表3の残留オーステナイト量はX線回折によるマルテンサイトとオーステナイトの回折強度の比較により測定した。旧オーステナイト結晶粒度は、供試材をピクリン酸飽和水溶液にて結晶粒界を現出させた後、JIS G 0551に示される計数方法により、断面積1mm2当りの結晶粒の数であるmを計算し、
m=8×2G
の関係式から粒度番号Gを求めた。ベイナイト面積率は、光学顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡にて観察を行ない、観察視野面積に対するベイナイト組織の占める面積率を算出することにより、ベイナイト組織の面積率が15%未満であることを求めた。
さらに、上記の球状化処理した鋼材を用いて、図1に示すようなボールねじ1のナット6用の鋼製部材への粗加工を行った。
その後、865℃の焼入温度に加熱して20分間保持した後、60℃の油中に焼入れした。
次いで、焼入れした供試材を180℃で120分間保持して焼戻しを行った。熱処理後に粗加工のナット6を所定のねじ溝の断面形状と同一形状に成形された砥石で、粗加工のナット6のねじ溝7に研削加工を施し、所定のねじ溝の形状に仕上げるとともに圧縮残留応力を付与した。
一方、上記の球状化処理した鋼材からなる試験片を用いて、焼入れ、焼戻しおよび研削加工を行って、試験片の表面の残留応力の測定を行った。
また、図1、図2に示すように、ボールねじ1のナット6、ねじ軸2およびボール5を組み込んでボールねじ1を組立て、ボールねじ耐久試験装置でボールねじの耐久寿命テストを行った。なお、図2では、循環機構にリターンチューブ方式のボールねじを例示して説明しているが、本願発明のボールねじのナットはこのリターンチューブ方式の循環機構のボールねじに限定されるものではない。
さて、このテストは耐久寿命である走行距離の値を、表4の従来鋼のSCM415の浸炭ナットを使用したボールねじ1のナット6の耐久寿命の走行距離を基準の1.0とし、この基準の倍数で示した。実施例および比較例のシャルピー衝撃値、作製したボールねじ1のナット6の転走部表面の残留応力およびナット6の走行距離の寿命である寿命試験の結果を表4に示している。実施例は、シャルピー衝撃値が20J/cm2以上の良好な値を示し、さらに表面に残留圧縮応力90MPa以上のナット6は、表4のNo.21の従来鋼のSCM415に比較して1.5倍以上の寿命テストの走行距離を示した。
Figure 0006472146
さらに、上記した油中に焼入れする焼入処理と同様の焼入れ処理を施した試験片を用いてシャルピー衝撃試験を行って、シャルピー衝撃値、残留圧縮応力、寿命テストにおける走行距離を得た。この走行距離は、表4の比較例のNo.21の従来鋼のSCM415の走行距離を基準の1.0としてその比較で示している。
これらの表4に示す結果、本発明における鋼製部材の成分組成である実施例のNo.1〜10において、表面に残留圧縮応力が90MPa以上のものは、シャルピー衝撃値および寿命テストにおける走行距離において優れた値を示している。
1 ボールねじ
2 ねじ軸
3 リターンチューブ出入り口の境界部
4 リターンチューブ
5 ボール
6 ナット
7 ナットのねじ溝

Claims (2)

  1. 質量%で、C:0.90〜1.20%、Si:0.10〜1.00%、Mn:0.90〜2.00%、P:0.025%以下、S:0.025%以下、Cr:0.90〜1.60%、Al:0.005〜0.050%、O:0.0015%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼を焼入焼戻しした状態の鋼製部材であって、該部材はミクロ組織がマルテンサイト組織と球状化炭化物が主体の混相組織であり、表面硬さが60〜64HRCであり、アスペクト比が1.5以下のセメンタイトが全セメンタイトの90%以上であり、アスペクト比が1.5以下のセメンタイトを1.0×105個/mm2以上含有し、全セメンタイトの90%以上が粒径1μm以下であり、旧オーステナイト粒度は9番以上であり、ベイナイト組織の面積率が15%未満であり、残留オーステナイト量が20〜30vol.%となることを特徴とする高硬度かつ靱性に優れた鋼製部材。
  2. 請求項1に記載の高硬度かつ靱性に優れた鋼製部材であって、該鋼製部材からなるボールねじのナットの転走面の表面の円周方向の残留圧縮応力は90MPa以上であることを特徴とする高負荷ボールねじのナット。
JP2017016054A 2017-01-31 2017-01-31 高硬度かつ靭性に優れる鋼製部材および高負荷ボールねじのナット Active JP6472146B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017016054A JP6472146B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 高硬度かつ靭性に優れる鋼製部材および高負荷ボールねじのナット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017016054A JP6472146B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 高硬度かつ靭性に優れる鋼製部材および高負荷ボールねじのナット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018123374A JP2018123374A (ja) 2018-08-09
JP6472146B2 true JP6472146B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=63108800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017016054A Active JP6472146B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 高硬度かつ靭性に優れる鋼製部材および高負荷ボールねじのナット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6472146B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001152252A (ja) * 1999-11-22 2001-06-05 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2004115903A (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Ntn Corp ボールねじ部品およびボールねじ
JP4569961B2 (ja) * 2005-09-13 2010-10-27 山陽特殊製鋼株式会社 ボールネジまたはワンウェイクラッチ用部品の製造方法
JP2008088478A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Jfe Steel Kk 疲労特性に優れた軸受用鋼部品
JP6079903B2 (ja) * 2014-01-10 2017-02-15 新日鐵住金株式会社 軸受部品、軸受部品用鋼材及びそれらの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018123374A (ja) 2018-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5482971B2 (ja) 冷間鍛造性に優れた鋼線材または棒鋼
JP4632931B2 (ja) 冷間加工性に優れる高周波焼入れ用鋼及びその製造方法
WO2014002289A1 (ja) 冷間加工性、被削性および焼入れ性に優れた高炭素鋼管およびその製造方法
JP5723233B2 (ja) 転動疲労寿命に優れた球状化熱処理軸受用鋼材
JP2011174176A (ja) 肌焼鋼および浸炭材
JP5723232B2 (ja) 転動疲労寿命に優れた軸受用鋼材
CN108350538B (zh) 高硬度且韧性优异的钢
US20190002999A1 (en) Case hardening steel, carburized component, and manufacturing method of case hardening steel
CN109790602B (zh)
JP2007231345A (ja) 軸受用鋼部品およびその製造方法
JP4970811B2 (ja) 高面圧用部品とその製造方法
JP2010222634A (ja) 最大結晶粒の縮小化特性に優れた肌焼鋼及びその製造方法
JP2009197314A (ja) 機械構造用部品
JP4569961B2 (ja) ボールネジまたはワンウェイクラッチ用部品の製造方法
US10494688B2 (en) Hot-working tool and manufacturing method therefor
EP3173500B1 (en) Hot-working tool material, method for manufacturing hot-working tool, and hot-working tool
CN110462083B (zh) 高硬度并且韧性优异的钢
JP6472146B2 (ja) 高硬度かつ靭性に優れる鋼製部材および高負荷ボールねじのナット
JP2012237052A (ja) 冷間鍛造性および結晶粒粗大化抑制能に優れた肌焼鋼とその製造方法
JP6623686B2 (ja) 製品部材の製造方法及び製品部材
JP6737102B2 (ja) 鋼材及び摺動部品、並びに鋼材の製造方法
JP7069519B2 (ja) ボルト
EP3748027B1 (en) Bolt

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6472146

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250