JP6471709B2 - 伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルト

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Description

この発明は、板片状の多数のエレメントを互いに対面させて環状に配置し、金属製のリングによりそれらのエレメントを環状に結束して構成した伝動ベルトに関し、特にそのエレメントの構造に関するものである。
特許文献1にこの種の伝動ベルトの一例が記載されている。特許文献1に記載された伝動ベルトにおけるエレメントは、リングを載せる(巻き掛ける)サドル面と、サドル面上のリングより少ない枚数のリングを挿入するスリット部とを有している。サドル面は、エレメントのいわゆる本体部における中央部の首部を挟んで左右両側に形成されている。また、スリット部は、本体部の左右両側から前記サドル面と平行に切り込んだ形状に形成されている。したがってスリット部は、互いに接触した状態でプーリのベルト溝に進入する際に各エレメントが扇状に開く回転中心となるロッキングエッジに、サドル面より近い位置に設けられることになり、そのためスリット部に挿入されているリングとスリット部との摩擦が、サドル面とリングとの摩擦より少なくなる。
特許第5234193号公報
特許文献1に記載されたエレメントでは、サドル面と平行でかつサドル面より前記リングの内周側にスリット部が形成されているから、前記本体部はスリット部によって分割された構造になる。サドル面は、エレメントがロッキングエッジを中心にして回転した際のリングとの摩擦を少なくするために、ロッキングエッジに近い位置に形成されることが好ましく、また同様にスリット部はロッキングエッジと同位置もしくは近接した位置に形成されることが好ましい。そのため、サドル面とスリット部との間隔は狭く、その結果、サドル面とスリット部との間の部分すなわちスリット部をサドル面から区画している部分(以下、仮に区画部と記す)は薄肉になる。そして、その区画部の端面は、本体部がプーリと接触してトルクを伝達するフランク面の一部となっている。
このように、区画部は、スリット部とサドル面とを分けているだけでなく、その端面がプーリに接触してトルクを伝達する機能を果たす。そのため、エレメントが傾くなどの変則的な事態が生じると、区画部の端面のみがプーリに接触してその区画部によってエレメントとプーリとの間でトルクを伝達することになる。そのような場合には、薄肉の区画部にリングの長手方向に向けた大きい曲げ荷重が作用する。また、サドル面上のリングによるエレメントの結束力が区画部に掛かり、スリット部の内側に隙間があると、リングによる結束力が区画部に対して大きい曲げ荷重として作用することになる。区画部は前述したように、薄肉に形成されるから、リングの長手方向およびリングの半径方向に向けた曲げ荷重が作用すると、区画部の前記首部側の端部での曲げ応力が大きくなり、その結果、伝動ベルトの耐久性が損なわれる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、スリット部を設けることに伴うエレメントの強度低下を補って伝動ベルトの耐久性の低下を抑制することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、姿勢を揃えて環状に配列されかつ幅方向の両端部がプーリに接触するフランク面とされた多数のエレメントを結束するリングが前記エレメントに形成されているサドル面に載せられ、隣接する前記エレメント同士を接触させて前記エレメントの回転中心となるロッキングエッジが、前記エレメントの前記サドル面よりも内周側に離れた位置に形成され、環状に配列された複数の前記エレメントを結束するサブリングを収容する少なくとも1つのスリット部が、前記リングの径方向において前記サドル面よりも内径側に前記エレメントの幅方向での端部から中央部に亘って所定長さに形成され、前記サドル面と前記スリット部との間の部分が前記エレメントの前記中央部から前記端部に延びた区画部とされた伝動ベルトにおいて、前記区画部の先端部は、前記フランク面の延長線より前記エレメントの幅方向での中央側に後退しており、サブリングの幅は、前記区画部の前記中央部から先端部までの長さより短く、前記区画部の先端部と前記スリット部のうち前記先端部に対向する部分とに、前記区画部に前記リングによる摩擦力が作用する方向と、前記スリット部が閉じる方向とで対向する面を有する係合部が形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、スリット部を形成することにより生じる前記区画部の先端部が、フランク面の延長線から後退しているので、区画部の先端部がプーリに接触して曲げ荷重を受けることが回避される。その区画部は、先端部が自由端となるいわゆる片持ち梁と同様の構造になっていて、サドル面上のリングによって、エレメントの進行方向とは反対方向に向けた摩擦力と、そのリングがエレメントを結束する張力に基づく曲げ荷重(スリット部が閉じる方向の曲げ荷重)を受ける。区画部の長さがサブリングの幅より長いことにより、区画部の先端部が、スリット部が閉じる方向に撓むと、係合部における面同士が接触する。その面は、前記摩擦力が作用する方向とスリット部が閉じる方向とで対向しているから、互いに対向する面が当接すると、区画部が、スリット部が閉じる方向にそれ以上に曲がったり、またリングの長手方向にそれ以上に曲がったりすることが防止される。すなわち、区画部の過度な変形が防止もしくは抑制されるので、エレメントの耐久性ならびにそのエレメントから構成されている伝動ベルトの耐久性の低下を防止し、あるいは耐久性を向上させることができる。
この発明に係る伝動ベルトにおけるエレメントの一例を示す正面図である。 その係合部の一つを示す模式的な斜視図である。 その係合部を区画部の先端側から見た図である。 各傾斜面が互いに当接している状態を示す、図3と同様の図である。 係合部の他の例を模式的に示す、図3と同様の図である。 この発明に係る伝動ベルトを使用できる無段変速機の模式図である。 この発明に係る伝動ベルトを無段変速機に使用した場合の一部を模式的に示す斜視図である。
つぎに、この発明の実施形態を説明する。この発明の実施形態における伝動ベルトは、例えば無段変速機に使用されるものであり、プーリの外周部に形成された断面V字状の巻き掛け溝の内部に挟み込まれ、プーリとの間で生じる摩擦力でトルクを伝達するように構成されている。その一例を図6に模式的に示してあり、伝動ベルト(以下、ベルトと記す)1は無段変速機2を構成している駆動プーリ3と従動プーリ4とに巻き掛けられている。これらの各プーリ3,4は、テーパ面5をそれぞれ備えた固定シーブ6と可動シーブ7とを対向させて配置することにより、これらのシーブ6,7の間に断面V字状の巻き掛け溝8が形成され、その可動シーブ7を油圧シリンダなどのアクチュエータ9,10によって固定シーブ6に対して前後動させることにより、巻き掛け溝8の幅を変化させるように構成されている。
この発明の実施形態におけるベルト1は、図7に示すように、全体として環状をなし、かつ両側面がV字状もしくはテーパ状をなすように、多数のエレメント11をリング12で環状に結束して構成されている。図7に示すベルト1を構成しているエレメント11は、全て同一の形状をなす金属製の板片であり、姿勢を揃えて環状に配列されている。したがって、各エレメント11が平行に並ばずにベルト1の曲率中心を中心として扇状(放射状)にいわゆる開いた状態に配列される箇所が必ず生じる。
その整列状態でのエレメント11同士の上下および左右方向の相対位置を維持するために、凸部13とこの凸部13が緩く嵌合するホール部14とが、エレメント11の表裏両面の一箇所に形成されている。具体的には、エレメント11の表面もしくは裏面の一箇所を板厚方向に押圧して窪ませてホール部14を形成することに伴って、凸部13が裏面もしくは表面に突出させられて形成されている。
また、各エレメント11を互いに接触させた状態で扇状に開いた配列を可能にするために、エレメント11にはロッキングエッジ15が形成されている。このロッキングエッジ15は、エレメント11の厚さが変化する境界線もしくは境界領域であり、エレメント11の径方向(配列形状である環状での径方向)でのほぼ中央部に幅方向に延びて形成されている。すなわち、ベルト1がプーリ3,4に巻き掛かった状態では、エレメント11の径方向において外径側(ベルト1としては外周側)の周長が長くなるので、エレメント11同士の間隔が広くなる。これとは反対にエレメント11の径方向において内径側(ベルト1としては内周側)の周長が短くなるので、エレメント11同士の間隔が狭くなる。そのため、エレメント11の内径側の部分は、内径端側で薄くなるように構成されている。このように板厚がエレメント11の径方向において内径側と外径側とで変化する箇所がロッキングエッジ15となっている。したがって、各エレメント11は、ロッキングエッジ15を中心にして板厚方向に回転し、すなわちピッチングが生じて、上記のように扇状(放射状)に開くようになっている。なお、このロッキングエッジ15は表裏両面のいずれか一方に形成されていればよい。また、ロッキングエッジ15の位置は、上記の例に限定されず、各エレメント11上に予め定められた基準位置から所定の寸法の位置に構成してもよい。その基準位置は、例えば、プーリ3,4との間でトルクを伝達するフランク面や、凸部13およびホール部14を基準位置としてロッキングエッジ15の位置を決めてもよい。
各エレメント11のその幅方向における左右両側面、すなわちフランク面16は、図1に示すように、プーリにおける巻き掛け溝8の内面(テーパ面)5に接触してトルクの伝達を行う面であり、プーリにおける巻き掛け溝8のテーパ面5と平行になっている。
また、エレメント11には、図1に示すように、積層構造のリング12aを載せるサドル面17が形成されており、そのサドル面17の幅はリング12aの幅とほぼ同等に形成されている。そのリング12aは、薄い金属帯を積層して構成され、サドル面17に配置されてエレメント11を結束するように構成されている。図1にはそのリング12aを、エレメント11の首部18を挟んで、サドル面17上に配置した例を示してある。このベルト1においても、リング12aは、サドル面17に載っていて、各エレメント11が環状の配列状態を維持するように各エレメント11を結束し、各エレメント11が半径方向で外側に離脱しないように作用する。リング12aは、これだけでなく、エレメント11がプーリ3,4の巻き掛け溝8から送り出される際にエレメント11を巻き掛け溝8から引き抜く作用も行う。そのため、リング12aがエレメント11から半径方向で外側に抜け出ないようにするために、リング12aをサドル面17との間に挟んだ状態に保持する頂部19が設けられている。
そして、各エレメント11には、ベルト1の径方向においてサドル面17よりも内径側に、スリット部20(または第2のサドル面)が形成されている。このスリット部20は、サドル面17と平行に設けられている。スリット部20は上述したロッキングエッジ15に可及的に近い位置に形成されている。より具体的には、エレメント11の径方向においてロッキングエッジ15より外径側の板厚が厚く、内径側が薄くなっているので、エレメント11の幅方向においてロッキングエッジ15を左右両方向に延長した位置がスリット部20になっている。さらに、スリット部20は、エレメント11の幅方向での中央部を挟んだ左右両側に形成され、前述したフランク面16から前記首部18の下側に到る程度の長さに形成されている。そのスリット部20に、一枚もしくは前記リング12aより少ない枚数のサブリング12bが収容されており、そのサブリング12bは環状に配列された各エレメント11を環状に結束している。
スリット部20を形成することにより前記サドル面17との間に生じる薄肉の部分が、リング12aを載せているサドル面17と、第2のサドル面を形成するスリット部20とを区画する区画部21となっている。この区画部21のエレメント11における幅方向に測った長さは、巻き掛け溝8の幅より短く、したがって区画部21の先端部21aは前記フランク面16の延長線よりも内側(エレメント11の中央部側)に後退し、テーパ面5に接触しないようになっている。区画部21がこのように構成されていることにより、サドル面17の幅もテーパ面5に届かない幅になっており、それに合わせてリング12aの幅はサドル面17の幅と同等程度になっている。
サブリング12bの幅は、上記の区画部21の長さより小さく設定されている。したがってサブリング12bをスリット部20の奥部(エレメント11の中心寄りの部分)に位置させた場合に、スリット部20のうち区画部21の先端側に隙間が生じ、スリット部21を形成している内面が互いに対向する。このような隙間を明けて互いに対向するスリット部21の内面に係合部22が設けられている。
係合部22の一例を図2および図3に示してある。これらの図に示す係合部22は、スリット部20を形成している内面のうちベルト1の径方向で外側を向く面(以下、上面と記す)20aに形成された傾斜面22aと、スリット部20を形成している内面のうちベルト1の径方向で内側を向く面すなわち前記区画部21のスリット部20側の面(以下、下面と記す)20bに形成された傾斜面22bとを備えている。これらの傾斜面22a,22bは、上面20aおよび下面20bからベルト1の径方向に後退するように形成され、かつ互いにほぼ平行になっている。より詳細に説明すると、上面20a側に形成された傾斜面22aは、ベルト1の進行方向(すなわちエレメント11の進行方向)の前方側でかつベルト1の径方向で外側を向くように傾斜した面となっており、したがって下面20b側の傾斜面22bは、ベルト1の進行方向(すなわちエレメント11の進行方向)の後方側でかつベルト1の径方向で内側を向くように傾斜した面となっている。ここで説明しているベルト1は、エレメント11がプーリから押し出されてエレメント11が互いに押圧することにより走行するいわゆるプッシュタイプのベルトであるから、サドル面17とその上に載っているリング12aとの間には、エレメント11の進行方向とは反対方向の摩擦力が生じる。したがって、各傾斜面22a,22b同士は、摩擦力が作用する方向で互いに対向していると言うことができる。また、スリット部20が閉じる方向に前記区画部21が変位すると、各傾斜面22a,22bが互いに接近することになるから、各傾斜面22a,22bは、スリット部20が閉じる方向においても互いに対向していると言うことができる。
つぎに、この発明の実施形態のベルト1におけるエレメント11の作用について説明する。駆動側のプーリ3における巻き掛け溝8に挟み込まれたエレメント11が、そのプーリ3が回転することによりその巻き掛け溝8から順次押し出されて先行するエレメント11を押圧する。こうして前進させられるエレメント11が従動側のプーリ4における巻き掛け溝8に進入することにより、エレメント11の進行に伴って従動側のプーリ4にトルクが伝達される。その際、駆動側のプーリ3と従動側プーリ4との巻き掛け溝8とに幅方向での芯ずれが発生した場合、区画部21の先端部21aがエレメント11の幅方向におけるフランク面16よりも内側、すなわちフランク面16の延長線上より内側に後退しているため、各プーリ3,4に区画部21の先端部21aが接触することが防止もしくは抑制される。そのため、トルク伝達に伴う曲げ応力が、区画部21が前記首部18に連結している付け根部23に掛かることが抑制される。つまり、エレメントの首部18および上記の付け根部23にかかる荷重を抑制することができ、それに伴って区画部21あるいはエレメント11もしくはベルト1の耐久性を向上させることができる。
また、区画部21にはリング12aが巻き掛かっているから、区画部21にはスリット部20を閉じる方向の曲げ荷重が作用する。さらに、サドル面17とリング12aとの間には、エレメント11の進行方向とは反対の方向に向けた摩擦力が作用する。これらの曲げ荷重や摩擦力によって区画部21が僅かなりとも曲げられる。その曲がる方向は、区画部21の下面20bがスリット部20の上面20aに近づき、かつ区画部21の先端部21aがエレメント11の進行方向とは反対の方向に後退する方向である。図4は区画部21にこのような変形(曲げ)が生じた場合の一例を模式的に示しており、前述した係合部22における各傾斜面22a,22bが互いに接触する。これらの傾斜面22a,22bは、前述したように、リング12aの張力によるベルト1の径方向での内周側に向けた荷重および前述したリング12aによる摩擦力を受ける方向を向いている。したがって、各傾斜面22a,22bが互いに接触した後は、上記の張力や摩擦力に基づく曲げ荷重が区画部21を介して前記上面20aで受け止められ、区画部21がそれ以上に曲げられることが回避もしくは抑制される。このように傾斜面22a,22bは区画部21の変形を制限もしくは抑制するように機能し、この発明の実施形態における「係合部」に設けられた「面」に相当している。
この発明による係合部22の構成の他の例を次に説明する。上述した傾斜面22a,22bは、エレメント11の進行方向(前記摩擦力の作用する方向)と、リング12aの張力に基づくベルト1の径方向とに対して交差する形状であり、その点ではいわゆる二次元的な形状となっている。この発明の実施形態では、一次元的な二つの面を係合部22に設け、それぞれの面が前記摩擦力に起因する曲げ荷重と前記張力に基づく曲げ荷重を受けるように構成してもよい。その例を図5に模式的に示してある。図5は前述した図3や図4と同様に係合部22を区画部21の先端部21a側から見た図であり、前述した上面20aと下面20bとには、矩形状に切り欠くことによる二面が形成されている。
前記下面20bのうち区画部21の先端側の部分でエレメント11の進行方向で後方側の部分が矩形状に切り欠かれた状態になっており、リング12aあるいは下面20bとほぼ平行な面(以下、仮に平行面と記す)24aが形成され、この平行面24aにエレメント11の進行方向で前方側に連続しかつ前記リング12aあるいは下面20bに対してほぼ垂直な面(以下、仮に垂直面と記す)24bが形成されている。
前記上面20aのうち区画部21の先端側の部分に対向する部分でエレメント11の進行方向で前方側の部分が矩形状に切り欠かれた状態になっており、リング12aあるいは上面20aとほぼ平行で前記下面20aに対向する面(以下、仮に平行面と記す)25aが形成され、この平行面25aにエレメント11の進行方向で後方側に連続しかつ前記リング12aあるいは上面20aに対してほぼ垂直な面(以下、仮に垂直面と記す)25bが形成されている。
なお、下面20bおよび上面20aにおける切り欠き幅は、エレメント11の厚さの半分より大きい。言い換えれば、切り欠いた後の残余の部分の幅より広い。したがって、各垂直面24b,25bはエレメント11の進行方向で所定寸法ずれている。このエレメント11の進行方向における各垂直面24b,25bの間隔が、区画部21の前記摩擦力に基づく曲げ許容量に相当する。また、平行面24aとそれに対向する上面20aとの間隔、および平行面24bとそれに対向する下面0bとの間隔は、必ずしも同一である必要はないが近似した寸法であり、その間隔が、区画部21の前記張力に基づく曲げ許容量に相当している。
図5に示す係合部22によれば、区画部21がリング12aの張力によってスリット部20が閉じる方向に曲げられた場合、上記の平行面24a,25aがそれぞれに対向している前記上面20aあるいは下面20bに当接する。そのため、区画部21がそれ以上に曲げられることがない。また、区画部21に前述した摩擦力による曲げ荷重が作用した場合、区画部21が摩擦力の作用する方向(エレメント11の進行方向で後ろ方向)に曲がることにより各垂直面24b,25b同士が互いに接触する。そのため区画部21がそれ以上に曲げられることがない。その結果、図5に示す構成によっても、区画部21の変形(曲げ)が抑制されるこにより、区画部21あるいはエレメント11もしくはベルト1の耐久性を向上させることができる。なお、上記の平行面24a,25aおよび垂直面24b,25bが、この発明の実施形態における「係合部」に設けられた「面」に相当している。
ここで図2ないし図4に示す係合部22と図5に示す係合部22との作用の点での相違を説明すると、図2ないし図4に示す構成では、前記摩擦力による曲げ荷重を傾斜面22a,22bで受けるために、反力が分散するのに対して、図5に示す構成では、前記摩擦力による曲げ荷重を垂直面25a,25bで受けるために、反力が分散することがない。また、図2ないし図4に示す構成では、区画部21がエレメント11の進行方向で曲がった場合に、傾斜面22a,22b同士が当接することの可能な区画部21の曲がり量(エレメント11の進行方向で曲がり量)は、互いに当接する面が傾斜していることにより大きくなる。これに対して、図5に示す構造では、下面20b側の垂直面24bが上面20a側の垂直面25bを前記進行方向で後方側に通り過ぎてしまうと、垂直面24b,25b同士が当接せず、曲げに対する反力を生じさせることができない。すなわち、図5に示す構成では、区画部21が前記進行方向に曲がるタイミングとベルト1の径方向に曲がるタイミングとに制約が生じる。
1…伝動ベルト(ベルト)、 5…テーパ面、 11…エレメント、 12,12a…リング、 12b…サブリング、 15…ロッキングエッジ、 16…フランク面、 17…サドル面、 20…スリット部、 20a…面(上面)、 20b…面(下面)、 21…区画部、 21a…先端部、 22…係合部、 22a,22b…傾斜面、 24a…面(平行面)、 24b…面(垂直面)、 25a…面(平行面)、 25b…面(垂直面)。

Claims (1)

  1. 姿勢を揃えて環状に配列されかつ幅方向の両端部がプーリに接触するフランク面とされた多数のエレメントを結束するリングが前記エレメントに形成されているサドル面に載せられ、隣接する前記エレメント同士を接触させて前記エレメントの回転中心となるロッキングエッジが、前記エレメントの前記サドル面よりも内周側に離れた位置に形成され、環状に配列された複数の前記エレメントを結束するサブリングを収容する少なくとも1つのスリット部が、前記リングの径方向において前記サドル面よりも内径側に前記エレメントの幅方向での端部から中央部に亘って所定長さに形成され、前記サドル面と前記スリット部との間の部分が前記エレメントの前記中央部から前記端部に延びた区画部とされた伝動ベルトにおいて、
    前記区画部の先端部は、前記フランク面の延長線より前記エレメントの幅方向での中央側に後退しており、
    サブリングの幅は、前記区画部の前記中央部から先端部までの長さより短く、
    前記区画部の先端部と前記スリット部のうち前記先端部に対向する部分とに、前記区画部に前記リングによる摩擦力が作用する方向と、前記スリット部が閉じる方向とで対向する面を有する係合部が形成されている
    ことを特徴とする伝動ベルト。
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