JP6471196B2 - 廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物の燃焼により生じた排ガスの持つエネルギーを回収して発電等に利用する廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法に関する。
従来、廃棄物処理施設において、廃棄物の燃焼により生じた排ガスのもつエネルギーを回収する技術として、ボイラを用いたものが知られている。例えば、特許文献1に記載された廃棄物処理システムは、廃棄物の燃焼により生じた排ガスの熱により蒸気を生成するボイラと、当該蒸気により駆動されるタービンと、当該タービンの駆動によって発電する発電機と、を備える。
特開2010−151432号公報
しかしながら、上記廃棄物処理システムは、廃棄物の燃焼により生じた排ガスのもつエネルギーを一旦蒸気の持つエネルギーに変換し、当該蒸気によってタービンを駆動するものであって、必ずしも良い回収効率は得られない。特に、小規模な廃棄物処理施設においては、回収された熱で発生する蒸気の量が少ないため、ボイラ・タービン発電では、発電効率が低くなってしまう。
そこで、本発明は、上記の課題に基づいてなされたものであり、その目的は、廃棄物の燃焼により生じた可燃性ガスの持つエネルギーをガスエンジンで効率良く回収する廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法を提供することである。
本発明者らは、バイオマス及び廃棄物の熱分解・ガス化により生じた可燃性ガスの持つエネルギーの回収効率を高めるため、バイオマス及び廃棄物の熱分解・ガス化により生じた可燃性ガスの持つエネルギーを直接機械的エネルギーに変換するガスエンジンによりエネルギーを回収することを考えた。しかしながら、ガスエンジンでは、ガスエンジンの稼働に一定以上の単位体積当たりの発熱量が必要とされる一方、バイオマス及び廃棄物の熱分解・ガス化により生じた可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量では、ガスエンジンの稼働に必要な単位体積当たりの発熱量に満たないことが多く、この場合には、当該可燃性ガスは、有効利用することができず、焼却処理せざるを得ない。
そこで、本発明者らは、バイオマス及び廃棄物のうちメタン発酵が可能なメタン発酵原料をメタン発酵させて得られるメタンガスに前記可燃性ガスを混合することにより、ガスエンジンの稼働に必要な単位体積当たりの発熱量を有する混合ガスを燃料ガスとしてガスエンジンに供給することを考えた。前記メタンガスは、通常、ガスエンジンの稼働に必要な発熱量よりも大きい発熱量を有するものと考えられるため、前記ガスエンジンの前記燃料ガスとして多くの前記可燃性ガスが使用可能になることが期待される。
しかしながら、例えば、前記メタン発酵原料が少なくなったり、メタン発酵させる装置に不具合が生じたりしたときに、供給されるメタンガスの量が少なくなり、当該メタンガスと前記可燃性ガスとを含む前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量がガスエンジンの稼働に必要な発熱量に足りなくなるおそれが生じる。その結果、前記ガスエンジンが正常に稼働できなくなってしまうという問題が生じる。
そこで、本発明者らは、供給されるメタンガスの量が低下しても、ガスエンジンの稼働を安定的に確保することができる廃棄物処理システム及び廃棄物処理方法を考えた。
具体的には、本発明に係る廃棄物処理システムは、バイオマス及び廃棄物のうちガス化可能なガス化原料として分別されたものを熱分解・ガス化させて可燃性ガスを生成するガス化炉と、供給される燃料ガスの持つエネルギーを機械的エネルギーに変換して回収するガスエンジンであって、当該ガスエンジンの稼働に必要な単位体積当たりの発熱量である必要発熱量が前記ガス化炉により生成される可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量よりも大きいものと、前記バイオマス及び前記廃棄物のうちメタン発酵が可能なメタン発酵原料として分別されたものをメタン発酵させることによりメタンガスを生成して送り出すメタンガス供給部と、前記ガス化炉において生成される可燃性ガスと前記メタンガス供給部から供給されるメタンガスとを混合して前記ガスエンジンの前記必要発熱量よりも高い発熱量を有する混合ガスを生成し、当該混合ガスを前記ガスエンジンに前記燃料ガスとして供給する主ガス供給装置と、前記必要発熱量よりも高い発熱量を有する予備ガスを前記ガスエンジンに前記燃料ガスとして供給する予備ガス供給装置と、前記予備ガス供給装置の作動を制御する予備ガス供給制御装置と、を備える。前記主ガス供給装置は、前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量を検出する混合ガス発熱量検出装置と、前記混合ガス発熱量検出装置により検出された前記発熱量に基づいて、前記ガスエンジンの前記燃料ガスとして使用可能な発熱量をもつ前記混合ガスを生成するように前記可燃性ガスと前記メタンガスとの混合比率を調節する混合調節装置と、を有する。当該混合調節装置は、前記混合ガス発熱量検出装置により検出された前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量である検出発熱量と前記必要発熱量よりも大きい基準値とを対比して当該基準値に当該検出発熱量を近づけるように前記可燃性ガスの前記ガスエンジンへの量を増減させることにより前記可燃性ガスと前記ガスエンジンとの混合比率を調節する発熱量制御部を有する。前記予備ガス供給制御装置は、前記主ガス供給装置の運転状態であって前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に対して不足しているか否かを判定するための運転状態を検出する運転状態検出部と、その検出された運転状態に基づいて前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足しているか否かを判定する不足判定部と、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足していると前記不足判定部が判定したときにのみ前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給を開始させる予備ガス供給指令部と、を有する。
上記構成によれば、廃棄物の燃焼により生じた可燃性ガスの発熱量が低くても、当該可燃性ガスにメタン発酵により生成されたメタンガスを混合して前記ガスエンジンの燃料ガスとして使用可能な発熱量をもつ混合ガスを生成することで、その可燃性ガスが持つエネルギーを前記ガスエンジンで効率良く回収することができる。また、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が、前記混合ガスの前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に対して不足しているときに、前記予備ガスの供給が開始されるので、ガスエンジンの稼働を安定的に確保することができる。また、前記予備ガスの供給は、前記メタンガスの量が不足した場合のみに開始されるので、前記ガスエンジンの稼働を確保するための前記予備ガスの使用量を削減することができる。特に、輸入されているLNGを原料とする都市ガスなどの前記予備ガスは、バイオマスや廃棄物から生成される前記メタンガスに比べて高価であるので、前記予備ガスの供給を前記メタンガスが不足した場合のみ開始することにより、コストを削減することができる。
上記構成において、前記運転状態検出部が計測する運転状態には、前記主ガス供給装置から前記ガスエンジンに供給される前記可燃性ガスの量が含まれてもよい。前記不足判定部は、前記運転状態検出部により計測される前記可燃性ガスの量が予め設定された可燃性ガス下限値以下である場合に前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足していると判定してもよい。
上記の構成によれば、前記可燃性ガスの量が前記可燃性ガス下限値以下である場合に前記予備ガスの供給が開始されるようになるので、前記ガスエンジンの稼働を安定的に確保することができる。また、前記可燃性ガスの量が前記可燃性ガス下限値よりも高いときは、前記予備ガスの供給が開始されないので、前記ガスエンジンの稼働を確保するための前記予備ガスの使用量を削減することができる。このように、前記可燃性ガスの量に基づいて前記メタンガスの量が不足しているか否かの判定が可能なのは、前記メタンガスの量が低下して前記混合ガスの前記検出発熱量が前記基準値よりも低くなると、前記可燃性ガスの量が低下していくように前記混合ガスの前記混合比率が前記発熱量制御部によって調節されるためである。また、前記メタンガスの量が低下しているにも関わらず、前記混合ガスの前記検出発熱量が前記基準値を満たしているときに、前記予備ガスが供給されてしまうことを防ぐこともできる。例えば、前記可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量が大きくなると、前記メタンガスの量が低下していても、前記混合ガスの前記検出発熱量が前記基準値を満たすことができるようになる。そのため、前記混合ガスの前記検出発熱量が前記基準値を満たしているにも関わらず、前記メタンガスの量が低下している状態が起こり得る。このような場合に、前記予備ガスが供給されてしまうことを防ぐことができる。
上記構成において、前記運転状態検出部が計測する運転状態には、前記主ガス供給装置から前記ガスエンジンに供給される前記メタンガスの量及び前記メタンガス供給部から前記主ガス供給装置に供給される前記メタンガスの量の少なくとも一方が含まれてもよい。前記不足判定部は、前記運転状態検出部により計測される前記メタンガスの量が予め設定されたメタンガス下限値以下である場合に前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足していると判定してもよい。
この構成では、前記メタンガスの量に基づいて直接的に前記メタンガスの量が不足しているか否かが判定されるので、前記メタンガスの量が不足しているときは確実に前記予備ガスの供給が開始されるようになる。そのため、前記ガスエンジンの稼働を安定的に確保することができる。また、前記メタンガスの量が、前記メタンガス下限値よりも高いときは、前記予備ガスの供給が開始されないので、前記ガスエンジンの稼働を確保するための前記予備ガスの使用量を削減することができる。さらに、前記可燃性ガスの量が低下しているにも関わらず、前記混合ガスの前記検出発熱量が前記基準値を満たしているときに、前記予備ガスが供給されてしまうことを防ぐこともできる。例えば、ガス化炉の稼働が停止したり、前記混合調節装置に不具合が生じたりすると、前記ガス化炉から前記主ガス供給装置に供給される前記可燃性ガスの量が減少する。このような場合は、前記メタンガスの量は低下しておらず、前記混合ガスの前記検出発熱量は前記基準値を満たしている状態と考えられるため、このような場合に、前記予備ガスが供給されてしまうことを防ぐことができる。
上記構成において、前記予備ガス供給制御装置は、前記運転状態検出部により検出される前記主ガス供給装置の運転状態に基づいて前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に達するまで復帰したか否かを判定する復帰判定部をさらに備えてもよい。前記予備ガス供給指令部は、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が復帰したと前記復帰判定部が判定したときに前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給を停止させてもよい。
この構成によれば、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が復帰したときに、前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給が停止されるので、ガスエンジンの稼働を安定的に確保するための予備ガスの使用量を最小限に抑えることができる。
上記構成において、前記運転状態検出部が計測する運転状態には、前記主ガス供給装置から前記ガスエンジンに供給される前記メタンガスの量及び前記メタンガス供給部から前記主ガス供給装置に供給される前記メタンガスの量の少なくとも一方が含まれてもよい。前記復帰判定部は、前記運転状態検出部により計測された前記メタンガスの量が予め設定されたメタンガス復帰判定値よりも高くなった場合に、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が復帰したと判定してもよい。
この構成によれば、前記メタンガスの量が予め設定されたメタンガス復帰判定値よりも高くなったときに、前記予備ガスの供給が停止されるので、前記ガスエンジンの稼働を確保するための前記予備ガスの使用量を最小限に抑えることができる。また、復帰判定部による前記判定は、前記メタンガスの量に基づいて直接的に行われるので、前記メタンガスの量が復帰したにも関わらず、前記予備ガスの供給が停止されないことを確実に防ぐことができる。
上記構成において、前記予備ガス供給装置は、前記予備ガスを前記混合ガスに混合させることなく前記ガスエンジンに供給するものであり、前記運転状態検出部が計測する運転状態には、前記主ガス供給装置から前記ガスエンジンに供給される前記可燃性ガスの量が含まれてもよい。前記復帰判定部は前記運転状態検出部により計測された前記可燃性ガスの量が予め設定された可燃性ガス復帰判定値よりも高くなった場合に前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が復帰したと判定してもよい。
この構成によれば、前記予備ガスは前記混合ガスに混合させることなく前記ガスエンジンに供給されるので、前記予備ガスの単位体積当たりの発熱量は前記混合ガスの前記検出発熱量に加算されなくなり、前記メタンガスの量が前記混合ガスの前記検出発熱量を前記基準値に対して近づけるための量に対して充足しているか否かの判定に前記予備ガスが影響することを防ぐことができる。そのため、前記復帰判定部は、前記メタンガスの量が復帰しているか否かの前記判定を正確に行うことができるようになる。また、前記予備ガスが供給されている間、前記可燃性ガスの量は前記メタンガスの量が増加するにつれて増加していくように前記混合ガスの前記混合比率が調節されるので、前記復帰判定部は、前記可燃性ガスの量に基づいて前記メタンガスの量が復帰したか否かの判定を行うことが可能になる。そこで、上記の構成では、さらに、前記可燃性ガスの量が予め設定された可燃性ガス復帰判定値よりも高くなった場合に、前記予備ガスの供給を停止するようにした。
本発明に係る廃棄物処理方法は、バイオマス及び廃棄物のうち熱分解・ガス化が可能なガス化原料として分別されたものをガス化炉により熱分解・ガス化させて可燃性ガスを生じさせるガス化工程と、メタンガス供給部により、前記バイオマス及び前記廃棄物のうちメタン発酵が可能なメタン発酵原料として分別されたものからメタンガスを生じさせるメタン発酵工程と、前記ガス化炉及び前記メタンガス供給部から前記可燃性ガス及び前記メタンガスを主ガス供給装置に供給し、この主ガス供給装置により、前記可燃性ガスと前記メタンガスとを混合して混合ガスを生成して当該混合ガスを、稼働に必要な単位体積当たりの発熱量である必要発熱量が前記ガス化工程で生成される可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量よりも高いガスエンジンに燃料ガスとして供給する混合供給工程と、前記必要発熱量よりも高い発熱量を有する予備ガスをガスエンジンに供給する予備ガス供給工程と、を備える。前記混合供給工程は、前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量を検出することと、その検出された検出発熱量と前記ガスエンジンの前記必要発熱量よりも大きい基準値とを対比して当該基準値に当該検出発熱量を近づけるように前記可燃性ガスの前記ガスエンジンへの量を増減させることにより前記可燃性ガスと前記ガスエンジンとの混合比率を調節することと、を含む。前記予備ガス供給工程は、前記主ガス供給装置の運転状態であって前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に対して不足しているか否かを判定するための運転状態を検出することと、その検出された運転状態に基づいて前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足しているか否かを判定することと、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足していると判定したときにのみ前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給を開始することと、を含む。
この構成によれば、廃棄物の燃焼により生じた可燃性ガスの発熱量が低くても、当該可燃性ガスにメタン発酵により生成されたメタンガスを混合して前記ガスエンジンの燃料ガスとして使用可能な発熱量をもつ混合ガスを生成することで、その可燃性ガスが持つエネルギーを前記ガスエンジンで効率良く回収することができる。また、供給されるメタンガスの量が、前記混合ガスの前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に対して不足しているときに、前記予備ガスの供給が開始されるので、ガスエンジンの稼働を安定的に確保することができる。また、前記予備ガスの供給は、前記メタンガスの量が不足しているときにのみに行われるので、前記ガスエンジンの稼働を確保するための前記予備ガスの使用量を削減することができる。特に、輸入されているLNGを原料とする都市ガスなどの前記予備ガスは、バイオマスや廃棄物から生成される前記メタンガスに比べて高価であるので、前記予備ガスの供給を前記メタンガスが不足しているときにのみ行うことにより、コストを削減することができる。
上記構成において、前記予備ガス供給工程は、前記主ガス供給装置の運転状態に基づいて前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に達するまで復帰したか否かを判定することと、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記基準値に近づけるための量に達するまで復帰したと判定したときに前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給を停止させることと、を含んでもよい。
この構成によれば、供給されるメタンガスの量が復帰したときに、前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給が停止されるので、ガスエンジンの稼働を安定的に確保するための予備ガスの使用量を最小限に抑えることができる。
本発明によれば、廃棄物の燃焼により生じた可燃性ガスの持つエネルギーをガスエンジンで効率良く回収することができるとともに、供給されるメタンガスの量が低下してもガスエンジンの稼働を安定的に確保することができ、かつ、ガスエンジンの稼働を確保するための予備ガスの使用量を削減することができる。
本発明の第1実施形態の廃棄物処理システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態の廃棄物処理システムの主ガス供給装置の計測ユニットと予備ガス供給制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る廃棄物処理システムの混合ガスの単位体積当たりの発熱量の時間変化と、これに伴って増減される可燃性ガスの供給流量の時間変化と、予備ガスの供給流量の時間変化の例を示すグラフである。 本発明の第2実施形態の廃棄物処理システムの概略構成図である。 本発明の第3実施形態の廃棄物処理システムの概略構成図である。 本発明の第4実施形態の廃棄物処理システムの概略構成図である。
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の各実施形態に係る廃棄物処理システムを説明するために必要となる主要な構成要素を簡略化して示したものである。したがって、本発明の各実施形態に係る廃棄物処理システムは、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成要素を備え得る。
図1は、廃棄物処理システム1の概略構成図である。廃棄物処理システム1は、ガスエンジン2と、ガス化炉14と、メタンガス供給部10と、主ガス供給装置3と、予備ガス供給装置30と、予備ガス供給制御装置32と、不純物除去装置15と、焼却炉4と、熱回収装置5と、発電装置6と、排ガス処理装置8と、を備える。
ガスエンジン2は、これに供給される燃料ガスが持つエネルギーを機械的エネルギーに変換して回収する。具体的に、ガスエンジン2は、燃料ガスを内部に収めるシリンダーと、燃料ガスの燃焼により生じたガスが膨張することによりシリンダー内を往復運動するピストンと、ピストンの往復運動を回転力に変換するクランクと、を有する。ガスエンジン2としては、ガスエンジン2の稼働に必要な単位体積当たりの発熱量である必要発熱量L2がガス化炉14により生成される可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量よりも大きいものが使用される。ガスエンジン2には、発電機(図示省略)が接続されており、前記回転力によって発電機を回転させることにより、発電機に発電させる。ガスエンジン2で生じた排気ガスは、熱回収装置5に送られる。
ガス化炉14は、バイオマス及び廃棄物のうち熱分解及びガス化が可能な成分に分別されたガス化原料12を熱分解・ガス化させることにより、一酸化炭素や水素を含む可燃性ガスを生成する。生成された可燃性ガスは主ガス供給装置3と焼却炉4とに分配される。ガス化原料12に対し、好ましくは、熱回収装置5から乾燥用熱源として供給される熱による乾燥処理が事前に行われる。これにより、ガス化原料12に含まれる脱水ケーキや木質バイオマス等の発熱量が低い成分がガス化炉14へ供給される前に予め乾燥され、これによりガス化しやすくなる。ガス化炉14は、可燃性ガスや不純物を焼却処理できるものであれば、いずれのものでもよく、例えば、流動床式炉、ストーカ式炉、ロータリキルン炉などを採用することができる。
メタンガス供給部10は、バイオマス及び廃棄物のうちメタン発酵可能な成分に分別されたメタン発酵原料9をメタン発酵させることによりメタンガスを生成するメタン発酵槽を備える。メタンガス供給部10は、メタン発酵層内で生成された前記メタンガスを主ガス供給装置3に供給する。メタン発酵原料9は、メタンガス供給部10におけるメタン発酵処理が停止している場合はガス化炉14に供給される。これにより、メタンガス供給部10で何らかのトラブルが発生し、メタン発酵処理を停止せざるを得ない場合であっても、廃棄物であるメタン発酵原料をガス化炉14で処理することができるので、メタン発酵原料9が不必要にメタン発酵原料保管庫に溜まってしまうことが防止される。
メタンガス供給部10においてメタン発酵により生じた発酵残渣はガス化原料12に導入される。メタン発酵については、水分90〜95%程度の液体で発酵させる湿式法と、水分60〜85%程度の半固形状態で発酵させる乾式法のいずれの方式を採用してもよく、発酵温度が37℃付近の中温発酵法と、発酵温度が55℃付近の高温発酵法のいずれの発酵法を採用してもよい。
メタンガス供給部10には、好ましくは、熱回収装置5にて回収された熱が供給される。メタン発酵原料9が中温発酵法により処理される場合は、メタンガス供給部10内を37℃付近に保つような熱の供給が行われる。メタン発酵原料9が高温発酵法により処理される場合は、メタンガス供給部10内を55℃付近に保つような熱の供給が行われる。
主ガス供給装置3は、ガス化炉14により送られた可燃性ガスとメタンガス供給部10により送られたメタンガスとを混合位置11にて混合し、これによりガスエンジン2の稼働に必要な単位体積当たりの発熱量である必要発熱量L2よりも高い発熱量を有する混合ガスを生成し、当該混合ガスをガスエンジン2に前記燃料ガスとして供給する。具体的に、主ガス供給装置3は、ガス化炉14で生成された前記可燃性ガスが主ガス供給装置3に流れる流量を調節する可燃性ガス流量調節バルブ16と、前記可燃性ガスに含まれる不純物を除去する不純物除去装置15と、可燃性ガス流量調節バルブ16の開度を調節するための制御信号を可燃性ガス流量調節バルブ16に入力する計測制御ユニット17と、を有する。
可燃性ガス流量調節バルブ16は、計測制御ユニット17からの制御信号の入力を受けて開閉作動し、これにより、ガス化炉14から排出される前記可燃性ガスのうち不純物除去装置15を通じて混合位置11に供給される可燃性ガスの流量を変化させる。この流量の変化によって、混合位置11における前記可燃性ガスと前記メタンガスとの混合比率の調節を行うことが可能である。
不純物除去装置15は、ガス化炉14から可燃性ガス流量調節バルブ16を通じて送られた前記可燃性ガスに含まれるガス以外の不純物を、前記可燃性ガスと前記メタンガスとが混合位置11において混合される前に分離して除去する。可燃性ガスから不純物を分離する手段には、可燃性ガスに回転運動を与え遠心力を利用して不純物を分離するサイクロンや、可燃性ガスを洗浄することにより不純物を分離するスクラバ等が採用される。可燃性ガスから分離された不純物は焼却炉4に送られる。尚、主ガス供給装置3は、不純物除去装置15を備えていなくてもよい。
計測制御ユニット17は、混合位置11からガスエンジン2に送られる混合ガスに含まれる各成分の濃度を計測する濃度計測部20と、濃度計測部20により計測された各成分の濃度に基づいて混合ガスの単位体積当たりの発熱量を演算する発熱量演算部21と、発熱量演算部21により演算される発熱量を予め設定された基準値L1に近づけるように前記混合比率を調節すべく可燃性ガス流量調節バルブ16を操作する発熱量制御部22と、を有する。基準値L1は、ガスエンジン2が稼働する最低限の単位体積当たりの発熱量である必要発熱量L2よりも高く設定される。例えば、基準値L1は、ガスエンジン2が稼働する最低限の単位体積当たりの発熱量である必要発熱量L2が4MJ/Nmである場合、6MJ/Nm程度に設定されることが好ましい。
濃度計測部20は、前記混合ガスに含まれる各成分の濃度を連続して計測する。濃度計測部20は、前記混合ガスの各成分の濃度を連続して計測することができるものであればよく、通常のガス成分連続分析計を採用することが可能である。
濃度計測部20及び発熱量演算部21は、前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量を検出する混合ガス発熱量検出装置26を構成する。発熱量制御部22及び可燃性ガス流量調節バルブ16は、混合ガス発熱量検出装置26により検出された検出発熱量に基づいて、ガスエンジン2の前記燃料ガスとして使用可能な発熱量をもつ前記混合ガスを生成するように前記可燃性ガスと前記メタンガスとの混合比率を調節する混合調節装置25を構成する。
予備ガス供給装置30は、ガスエンジン2の必要発熱量L2よりも高い発熱量を有する予備ガスを主ガス供給装置3を通してガスエンジン2に供給する予備ガス開閉バルブ31を有する。予備ガス開閉バルブ31は、予備ガス供給制御装置からの制御信号の入力を受けて開閉動作する。これにより、前記予備ガスの主ガス供給装置3への供給および停止を行っている。また、予備ガス開閉バルブ31は、前記予備ガスの流量を調節できるように構成されていてもよい。前記予備ガスは、主ガス供給装置3の混合位置11において前記可燃性ガスと前記メタンガスとともに混合されて前記混合ガスとなり、ガスエンジン2に前記燃料ガスとして供給される。前記予備ガスは、前記メタン発酵槽内でメタン発酵により生成されるメタンガス以外のガスであって、ガスエンジン2の必要発熱量L2よりも高い発熱量を有するガスであればいずれのものでもよい。例えば、前記予備ガスは、都市ガスやプロパンガスを挙げることができる。
予備ガス供給制御装置32は、予備ガス供給装置30の作動を制御する。予備ガス供給制御装置32は、運転状態検出部33と、不足判定部34と、復帰判定部35と、予備ガス供給指令部36と、を有する。
運転状態検出部33は、主ガス供給装置3の運転状態であってメタンガス供給部10により主ガス供給装置3に供給されるメタンガスの流量が前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して不足しているか否かを判定するための運転状態を検出する。運転状態には、主ガス供給装置3からガスエンジン2に供給される前記可燃性ガスの流量と、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量と、が含まれる。前記メタンガスの流量と前記可燃性ガスの流量は、単位時間当たりに移動する体積の量と質量の量のいずれであってもよい。
運転状態検出部33は、主ガス供給装置3からガスエンジン2に供給される前記可燃性ガスの流量を連続的に測定することができる可燃性ガス流量計33aと、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量を連続的に測定することができるメタンガス流量計33bと、を有する。可燃性ガス流量計33aは、不純物除去装置15と混合位置11との間に配置されている。メタンガス流量計33bは、メタンガス供給部10と混合位置11との間に配置されている。
尚、前記メタンガスの流量の測定位置は、混合位置11とガスエンジン2との間であってもよい。しかしながら、前記メタンガスの流量の測定位置がメタンガス供給部10と混合位置11との間にある場合、混合位置11において前記可燃性ガスと混合される前に前記メタンガスの流量を測定することができるため、測定誤差が生じにくく好ましい。
不足判定部34は、運転状態検出部33により検出された主ガス供給装置3の運転状態に基づいてメタンガス供給部10により主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が不足しているか否かを判定する。本実施形態では、不足判定部34は、運転状態検出部33の可燃性ガス流量計33aにより計測された前記可燃性ガスの流量が予め設定された可燃性ガス下限値L3以下である場合に主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が不足していると判定する。可燃性ガス下限値L3とは、主ガス供給装置3からガスエンジン2に供給される前記可燃性ガスの流量がこれ以上少なくなると、メタンガス供給部10により主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が、前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して不足してしまうときの前記可燃性ガスの流量を意味する。
復帰判定部35は、運転状態検出部33により検出された主ガス供給装置3の運転状態に基づいてメタンガス供給部10により主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に達するまで復帰したか否かを判定する。復帰判定部35における前記運転状態には、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が含まれる。本実施形態では、復帰判定部35は、運転状態検出部33のメタンガス流量計33bにより計測された前記メタンガスの流量が予め設定されたメタンガス復帰判定値よりも高くなった場合にメタンガス供給部10により主ガス供給装置3に供給されるメタンガスの流量が復帰したと判定する。
予備ガス供給指令部36は、不足判定部34の判定結果に基づいて予備ガス開閉バルブ31の流路を開く指令である制御信号を予備ガス開閉バルブ31に入力する。また、予備ガス供給指令部36は、復帰判定部35の判定結果に基づいて予備ガス開閉バルブ31の流路を閉じる指令である制御信号を予備ガス開閉バルブ31に入力する。
焼却炉4は、ガス化炉14で生成された可燃性ガスのうちの余剰分(ガスエンジン2に供給される可燃性ガスを除く残りの部分)や、不純物除去装置15で可燃性ガスから分離された不純物を焼却処理する。焼却炉4には、例えば、旋回式溶融炉が用いられる。
熱回収装置5は、ガスエンジン2から放出される熱や焼却炉4からの排気ガスや不純物除去装置15からのスクラバ凝縮水の持つ熱を回収するものであり、例えば前記排気ガス及び前記スクラバ凝縮水と冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換器を備えている。熱回収装置5は、排気ガスとスクラバ凝縮水の熱エネルギーを蒸気や温水の熱エネルギーに変換して回収し、メタンガス供給部10及びガス化原料12の熱源として利用される。また、当該熱エネルギーによって蒸気を生成する等して発電装置6を構成するタービンに駆動力を供給し、発電を行わせる。
排ガス処理装置8は、例えばバグフィルタからなり、熱回収装置5により熱回収された後の排ガス中に含まれる粉塵や酸性ガスを除去する。排ガス処理装置8で処理された後の排ガスは、送風機23に吸引され、煙突24を通じて大気へ放出される。
次に、上記のように構成された廃棄物処理システム1を利用して、バイオマス及び廃棄物の燃焼より生じた排ガスの持つエネルギーを回収して発電等に利用する廃棄物処理方法を説明する。
この廃棄物処理システム1の運転にあたっては、事前に、バイオマス及び廃棄物をメタン発酵可能な成分を含むメタン発酵原料9と熱分解及びガス化が可能な成分を含むガス化原料12とに分別する分別工程が行われる。当該分別は、バイオマス及び廃棄物の比重、体積および粒径などの大きさ、含水率、および生物による生分解性などの観点から行うことができる。さらに、分別されたガス化原料12から金属類などのガス化しにくい廃棄物が予め除去されてもよい。尚、廃棄物処理システム1は、前記分別工程を行う分別装置を備えていてもよい。
分別工程が終了すると、ガス化原料12をガス化炉14において熱分解・ガス化させて可燃性ガスを生成させるガス化工程が行われる。生成した可燃性ガスは、主ガス供給装置3と焼却炉4に向けて分配される。主ガス供給装置3に向けて分配された前記可燃性ガスは、可燃性ガス流量調節バルブ16を通って不純物除去装置15に流入する。
一方、ガス化工程と同時に、メタンガス供給部10のメタン発酵槽内においてメタン発酵原料9からメタンガスを生じさせるメタン発酵工程が行われる。生じたメタンガスは、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される。
ガス化工程とメタン発酵工程とが終了すると、混合供給工程と予備ガス供給工程とが同時に行われる。混合供給工程では、前記可燃性ガスと前記メタンガスとが混合位置11において混合され、生成した混合ガスがガスエンジン2に燃料ガスとして供給される。また、混合供給工程では、前記混合ガスの混合比率が調節される。具体的には、前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量が検出され、その検出された検出発熱量とガスエンジン2の必要発熱量L2よりも大きい基準値L1とを対比して基準値L1に当該検出発熱量を近づけるように前記可燃性ガスと前記メタンガスとの混合比率が調節される。前記混合比率の調節は、ガス化炉14から主ガス供給装置に送られる前記可燃性ガスの流量を可燃性ガス流量調節バルブ16によって調節することにより行われる。
予備ガス供給工程では、ガスエンジン2の必要発熱量L2よりも高い発熱量を有する予備ガスが主ガス供給装置3を通してガスエンジン2に前記燃料ガスとして供給される。前記予備ガスの供給は、例えば、メタン発酵原料9が少なくなったり、メタンガス供給部10に不具合が生じたりすることにより、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が減少し、そのメタンガスと前記可燃性ガスとが混合された前記混合ガスの前記検出発熱量では、ガスエンジン2を十分に稼働させることができなくなる可能性がある場合にのみ行われる。具体的には、図2に示すように、主ガス供給装置3の計測制御ユニット17による制御と、予備ガス供給制御装置32による制御と、が行われる。
次に、主ガス供給装置3の計測制御ユニット17と予備ガス供給制御装置32における処理の流れを示すフローチャートである図2を参照し、混合供給工程における前記混合ガスの混合比率の調節と、予備ガス供給工程における前記予備ガスの供給開始および供給停止について説明する。
ステップS1では、濃度計測部20が、混合位置11において前記メタンガスと前記可燃性ガスとが混合された前記混合ガスに含まれる各成分の濃度を連続して計測する。
ステップS2では、発熱量演算部21が、濃度計測部20から受け取った濃度データに基づいて混合ガスの単位体積当たりの発熱量である検出発熱量を算出する。具体的には、各成分の濃度から各成分の単位体積当たりの発熱量が算出され、これらの発熱量が合算されることにより前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量が算出される。尚、発熱量演算部21は、前記混合ガスに含まれる成分のうちいずれか1つの濃度(例えば、一酸化炭素)に基づいて前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量を算出するようにしてもよい。
ステップS3では、発熱量制御部22が、発熱量演算部21により算定された混合ガスの単位体積当たりの発熱量が予め設定された基準値L1よりも高いか低いかを判定する。
ステップS4は、ステップS3において発熱量演算部21で算出された混合ガスの単位体積当たりの発熱量である前記検出発熱量が基準値L1よりも高いと判定された場合に行われる。具体的には、ステップS4では、発熱量制御部22が、前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるようにガス化炉14から主ガス供給装置3に供給される可燃性ガスの流量を増やすべく、可燃性ガス流量調節バルブ16の開度を増大させる制御信号を可燃性ガス流量調節バルブ16に入力する。その結果、可燃性ガス流量調節バルブ16は、その開度を増大させ、主ガス供給装置3からガスエンジン2へ供給される可燃性ガスの流量が増加する。
ステップS5は、ステップS3において発熱量演算部21で算出された混合ガスの単位体積当たりの前記検出発熱量が基準値L1よりも低いと判定された場合に行われる。具体的には、ステップS5では、発熱量制御部22が、前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるようにガス化炉14から主ガス供給装置3に供給される可燃性ガスの流量を減らすべく、可燃性ガス流量調節バルブ16の開度を減少させる制御信号を可燃性ガス流量調節バルブ16に入力する。その結果、可燃性ガス流量調節バルブ16は、その開度を減少させ、主ガス供給装置3からガスエンジン2に供給される可燃性ガスの流量が減少する。
尚、ステップS4とステップS5における前記混合ガスの前記検出発熱量の基準値L1からの増減については、その変化率に制限(例えば1%/分)を与えながら、当該発熱量を予め設定された上限及び下限の間の範囲に収めるように行われることが、好ましい。これにより、ガスエンジン2の安定した運転が可能になる。
ステップS6では、不足判定部34が、運転状態検出部33の可燃性ガス流量計33aによって測定された前記可燃性ガスの流量が可燃性ガス下限値L3以下であるか否かを判定する。前記可燃性ガスの流量が可燃性ガス下限値L3よりも高いと判断されると、処理がステップS1に戻される。
ステップS7は、ステップS6において運転状態検出部33の可燃性ガス流量計33aにより測定された前記可燃性ガスの流量が可燃性ガス下限値L3以下であると判断された場合に行われる。ステップS7では、予備ガス供給指令部36が、予備ガス開閉バルブ31の流路を開く指令である制御信号を予備ガス開閉バルブ31に入力する。その結果、予備ガス開閉バルブ31の流路が開かれ、予備ガス供給装置30から主ガス供給装置3に前記予備ガスが供給される。主ガス供給装置3に供給された前記予備ガスは、混合位置11において前記可燃性ガス及び前記メタンガスと混合されて前記混合ガスとなり、前記燃料ガスとしてガスエンジン2へ供給される。その後、処理がステップS1に戻される。
ステップS8では、復帰判定部35が、運転状態検出部33のメタンガス流量計33bによって測定された前記メタンガスの流量が前記メタンガス復帰判定値よりも高いか否かを判定する。前記メタンガスの流量が前記メタンガス復帰判定値以下であると判断されると、処理がステップS1に戻される。
ステップS9は、ステップS8において運転状態検出部33のメタンガス流量計33bにより測定された前記メタンガスの流量が前記メタンガス復帰判定値よりも高いと判断された場合に行われる。ステップS9では、予備ガス供給指令部36が、予備ガス開閉バルブ31の流路を閉じる指令である制御信号を予備ガス開閉バルブ31に入力する。その結果、予備ガス開閉バルブ31の流路が閉じられ、前記予備ガスの供給が停止される。その後、処理がステップS1に戻される。
図3は、廃棄物処理システム1の混合ガスの単位体積当たりの発熱量の時間変化と、これに伴って増減される可燃性ガスの供給流量(ガス化炉14から可燃性ガス流量調節バルブ16を通じてガスエンジン2に供給される可燃性ガスの流量)の時間変化と、予備ガスの供給流量(予備ガス供給装置30から主ガス供給装置3を通じてガスエンジン2に供給される予備ガスの流量)の時間変化の例を示すグラフである。
図3に示すように、混合ガスの単位体積当たりの発熱量である前記検出発熱量が基準値L1(ガスエンジン2が稼働する単位体積当たりの発熱量よりも十分大きな値)よりも大きい場合(例えば、20MJ/Nm)、発熱量制御部22は、ガス化炉14から主ガス供給装置3に供給される可燃性ガスの流量を徐々に増加させるように可燃性ガス流量調節バルブ16の開度を増加させる。これにより、混合ガスに含まれる可燃性ガスの混合比率が徐々に増加し、逆に混合ガスの単位体積当たりの発熱量である前記検出発熱量が徐々に低下する。
混合ガスの単位体積当たりの発熱量が基準値L1よりも低くなると、発熱量制御部22がガス化炉14から主ガス供給装置3に供給される可燃性ガスの流量を徐々に減少させるように可燃性ガス流量調節バルブ16の開度を減少させる。これにより、混合ガスに含まれる可燃性ガスの混合比率が徐々に減少し、逆に混合ガスの単位体積当たりの発熱量である前記検出発熱量が徐々に増加する。このようにして、前記検出発熱量を基準値L1の近傍に保つことが達成される。このことは、ガスエンジン2に燃料ガスとして供給される混合ガスにガスエンジン2が稼働する範囲で可能な限り多くの可燃性ガスを含めることにより、ガスエンジン2の正常運転を保証しながら、より多くの可燃性ガスのエネルギーをガスエンジン2で効率よく回収することを可能にする。
一方、可燃性ガスの流量を減少し続けても、前記混合ガスの前記検出発熱量が基準値L1よりも高くならない場合は、前記予備ガスの供給が開始される。前記予備ガスの供給が開始されると、前記予備ガスと前記可燃性ガスと前記メタンガスとが混合位置11において混合されて前記混合ガスとなり、前記混合ガスの前記検出発熱量が増加に転じる。そして、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が前記メタンガス復帰判定値よりも高くなると、前記予備ガスの供給が停止される。
上記第1実施形態の廃棄物処理システム1では、バイオマスや廃棄物のうちのガス化原料12の燃焼により生じた可燃性ガスの発熱量が低くても、当該可燃性ガスにメタン発酵により生成されたメタンガスを混合してガスエンジン2の燃料ガスとして使用可能な発熱量をもつ混合ガスを生成することで、その可燃性ガスが持つエネルギーをガスエンジン2で効率良く回収することができる。また、メタンガス供給部10により主ガス供給装置3に供給されるメタンガスの流量が前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して不足しているときに、前記予備ガスの供給が開始されるので、ガスエンジン2の稼働を安定的に確保することができる。また、前記予備ガスの供給は、前記メタンガスの量が不足した場合のみに開始されるので、ガスエンジン2の稼働を確保するための前記予備ガスの使用量を削減することができる。特に、輸入されているLNGを原料とする都市ガスなどの前記予備ガスは、バイオマスや廃棄物のうちのメタン発酵原料9から生成される前記メタンガスに比べて高価であるので、前記予備ガスの供給を前記メタンガスが不足した場合のみ開始することにより、コストを削減することができる。
上記第1実施形態の廃棄物処理システム1では、運転状態検出部33の可燃性ガス流量計33aにより計測される前記可燃性ガスの流量が可燃性ガス下限値L3以下である場合に前記予備ガスの供給が開始されるようになるので、ガスエンジン2の稼働を安定的に確保することができる。また、前記可燃性ガスの流量が可燃性ガス下限値L3よりも高いときは、前記予備ガスの供給が開始されないので、ガスエンジン2の稼働を確保するための前記予備ガスの使用量を削減することができる。また、前記メタンガスの量が低下しているにも関わらず、前記混合ガスの前記検出発熱量が基準値L1よりも高いときに、前記予備ガスが供給されてしまうことを防ぐこともできる。例えば、前記可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量が大きくなると、前記メタンガスの量が低下していても、前記混合ガスの前記検出発熱量が基準値L1を満たすことができるようになる。そのため、前記混合ガスの前記検出発熱量が基準値L1を満たしているにも関わらず、前記メタンガスの量が低下している状態が起こり得る。このような場合に、前記予備ガスが供給されてしまうことを防ぐことができる。
上記第1実施形態の廃棄物処理システム1では、メタンガス供給部10により主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して充足していると復帰判定部35が判定したときに、ガスエンジン2への前記予備ガスの供給が停止される。そのため、ガスエンジン2の稼働を安定的に確保するための前記予備ガスの使用量が最小限に抑えられる。
上記第1実施形態の廃棄物処理システム1では、運転状態検出部33のメタンガス流量計33bにより計測された前記メタンガスの流量が予め設定された前記メタンガス復帰判定値よりも高くなったときに、前記メタンガスの流量が前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して充足していると復帰判定部35が判定することによって前記予備ガスの供給が停止される。このように、復帰判定部35の前記判定は、前記メタンガスの流量に基づいて直接的に行われるので、前記メタンガスの流量が復帰したにも関わらず、前記予備ガスの供給が停止されないことを確実に防ぐことができる。
以上に説明した廃棄物処理システム1は、本発明の一実施形態であり、その具体的構成については、適宜変更可能である。以下、図4〜6を参照し、第2〜第4実施形態に係る廃棄物処理システムについて説明する。
第2実施形態の廃棄物処理システムでは、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量に基づいて前記予備ガスの供給を開始するか否かが判定されている点で、主ガス供給装置3からガスエンジン2へ供給される前記可燃性ガスの流量に基づいて前記予備ガスの供給を開始するか否かが判定される第1実施形態と相違している。その他の構成については、第2実施形態の廃棄物処理システムは、第1実施形態の廃棄物処理システム1と同様の構成を備える。第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付してその説明が省略される。
第2実施形態の廃棄物処理システムでは、不足判定部34は、運転状態検出部33のメタンガス流量計33bにより測定された前記メタンガスの流量が前記メタンガス下限値以下であるか否かを判定する(第1実施形態のステップS6に対応)。前記メタンガスの流量が前記メタンガス下限値以下であると判定された場合、前記メタンガスの流量は前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して不足している状態であるため、前記予備ガスの供給を開始すべく、処理がステップS6からステップS7に進められる(図2参照)。尚、メタンガス下限値は、第1実施形態のメタンガス復帰判定値よりも低い値に設定されてもよく、第1実施形態のメタンガス復帰判定値と同じ値に設定されてもよい。
第2実施形態の廃棄物処理システムでは、不足判定部34は、前記メタンガスの流量に基づいて直接的に前記メタンガスの流量が前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して不足しているか否かを判定するので、前記メタンガスの流量が不足しているときは確実に前記予備ガスの供給が開始される。そのため、ガスエンジン2の稼働を安定的に確保することができる。また、前記メタンガスの流量が、前記メタンガス下限値よりも高いときは、前記予備ガスの供給が開始されないので、ガスエンジン2の稼働を確保するための前記予備ガスの使用量を削減することができる。さらに、前記可燃性ガスの流量が低下しているにも関わらず、前記混合ガスの前記検出発熱量が基準値L1を満たしているときに、前記予備ガスが供給されてしまうことを防ぐこともできる。例えば、ガス化炉14の稼働が停止したり、混合調節装置25に不具合が生じたりすると、ガス化炉14から主ガス供給装置3に供給される前記可燃性ガスの流量が減少する。このような場合は、前記メタンガスの流量は低下しておらず、前記混合ガスの前記検出発熱量は基準値L1を満たしている状態と考えられるため、このような場合に、前記予備ガスが供給されてしまうことを防ぐことができる。
第2実施形態の廃棄物処理システムでは、前記メタンガスの流量が前記メタンガス下限値以下であるか否かの判定と、前記メタンガスの流量が前記メタンガス復帰判定値よりも高いか否かの判定は、いずれも、単一のメタンガス流量計33bにより測定された前記メタンガスの流量に基づいて行われる。そのため、第2実施形態の廃棄物処理システムでは、第1実施形態における可燃性ガス流量計33aを省略することができる。
次に、図5を参照し、第3実施形態に係る廃棄物処理システムついて説明する。
第3実施形態の廃棄物処理システムでは、予備ガス供給装置30からガスエンジン2に前記予備ガスが直接供給されている点と、前記可燃性ガスの流量に基づいて前記予備ガスの供給を停止するか否かが判定されている点において第1実施形態と相違している。その他の構成については、第3実施形態の廃棄物処理システムは、第1実施形態の廃棄物処理システム1と同様の構成を備える。第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付してその説明が省略される。
第3実施形態の廃棄物処理システムでは、復帰判定部35は、主ガス供給装置3からガスエンジン2に供給される前記可燃性ガスの流量が可燃性ガス復帰判定値よりも高いか否かを判定する(第1実施形態におけるステップS8に対応)。前記可燃性ガスの流量が可燃性ガス復帰判定値よりも高いと判定された場合、前記メタンガスの流量は、前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して充足している状態であるため、前記予備ガスの供給を停止すべく、処理がステップS8からステップS9に進められる(図2参照)。尚、可燃性ガス復帰判定値は、第1実施形態の可燃性ガス下限値L3よりも高い値に設定されてもよく、第1実施形態の可燃性ガス下限値L3と同じ値に設定されてもよい。
次に、第3実施形態の計測制御ユニット17と予備ガス供給制御装置32における処理の流れについて図2を参照しながら説明する。第1実施形態と同一のステップについては、説明が省略される。
第3実施形態の廃棄物処理システムでは、前記予備ガスは、混合位置11において前記可燃性ガスと前記メタンガスとともに混合されることなく、ガスエンジン2に直接供給されている(図5参照)。そのため、ステップS7において、前記予備ガスの供給が開始されても、前記混合ガスの前記検出発熱量は増加しないため、処理はステップS3からステップS5に流れ続ける。
一方、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量が増加し、前記混合ガスの前記検出発熱量が基準値L1よりも高くなると、前記可燃性ガスの流量を増加すべく、処理がステップS3からステップS4に進められる。前記可燃性ガスの流量が前記可燃ガス復帰判定値よりも高くなると、前記予備ガスの供給を停止すべく、処理がステップS8からステップS9に進められる。このようにして、第3実施形態の廃棄物処理システムでは、前記予備ガスの供給の停止が行われる。
第3実施形態の廃棄物処理システムでは、前記予備ガスは前記混合ガスに混合させることなくガスエンジン2に直接供給されているので、前記予備ガスの単位体積当たりの発熱量は前記混合ガスの前記検出発熱量に加算されていない。そのため、前記メタンガスの流量が前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に対して近づけるための流量に対して充足しているか否かの判定に前記予備ガスが影響しないので、復帰判定部35は、前記メタンガスの流量が復帰しているか否かの判定を正確に行うことができる。また、前記予備ガスが供給されている間、前記可燃性ガスの流量は前記メタンガスの流量が増加するにつれて増加していくように前記混合ガスの前記混合比率が発熱量制御部22により調節されるので、復帰判定部35は、前記可燃性ガスの流量に基づいて前記メタンガスの流量が復帰したか否かの判定を行うことができる。
第3実施形態の廃棄物処理システムでは、前記可燃性ガスの流量が前記可燃性ガス復帰判定値よりも高いか否かの判定と、前記可燃性ガスの流量が可燃性ガス下限値L3以下であるか否かの判定は、いずれも、単一の可燃性ガス流量計33aにより測定された前記可燃性ガスの流量に基づいて行われる(図5参照)。そのため、第3実施形態の廃棄物処理システムでは、第1実施形態におけるメタンガス流量計33bを省略することができる。
次に、図6を参照し、第4実施形態に係る廃棄物処理システムついて説明する。
第4実施形態の廃棄物処理システムでは、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量に基づいて前記予備ガスの供給を開始するか否かが判定されている点で、主ガス供給装置3からガスエンジン2に供給される前記可燃性ガスの流量に基づいて前記予備ガスの供給を開始するか否かが判定されている第3実施形態と相違している。その他の構成については、第4実施形態の廃棄物処理システムは、第3実施形態と同様の構成を備えている。第3実施形態と同様の構成については、第3実施形態と同様の符号を付してその説明が省略される。
第4実施形態の廃棄物処理システムでは、不足判定部34は、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量がメタンガス下限値以下であるか否かを判定する(第1実施形態におけるステップS6に対応)。前記メタンガスの流量が前記メタンガス下限値以下であると不足判定部34により判定された場合、前記メタンガスの流量は前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して不足している状態であるため、前記予備ガスの供給を開始すべく、処理がステップS6からステップS7に進められる(図2参照)。尚、メタンガス下限値は、第2実施形態のメタンガス下限値と同様の値に設定されてもよい。
尚、上記第3及び第4実施形態の廃棄物処理システムでは、前記メタンガスの流量が前記混合ガスの前記検出発熱量を基準値L1に近づけるための流量に対して充足しているか否かの判定は、主ガス供給装置3からガスエンジン2に供給される前記可燃性ガスの流量に基づいて行われたが、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量に基づいて行われてもよい。
上記の各実施形態の廃棄物処理システムでは、混合ガスの単位体積当たりの発熱量である前記検出発熱量と単一の基準値L1との対比に基づいて可燃性ガスの混合比率が増減されたが、前記検出発熱量が予め設定された許容範囲に収まっている場合には前記混合比率を維持するような操作がなされてもよい。すなわち、前記検出発熱量が前記許容範囲よりも高い場合にのみ前記可燃性ガスの混合比率を増加させる操作が行われ、前記検出発熱量が前記許容範囲よりも低い場合にのみ前記可燃性ガスの混合比率を減少させる操作が行われてもよい。また、当該発熱量制御にヒステリシスが与えられてもよい。
上記の各実施形態では、可燃性ガス流量調節バルブ16は、ガス化炉14と不純物除去装置15との間に配置されたが、不純物除去装置15と混合位置11との間に配置されてもよい。あるいは、メタンガス供給部10から主ガス供給装置3に供給される前記メタンガスの流量を増減させるべくメタンガス供給部10と混合位置11との間に設けられてもよい。しかしながら、可燃性ガス流量調節バルブ16がガス化炉14と不純物除去装置15との間に設置されることは、ガスエンジン2に供給されない可燃性ガス(余剰分の可燃性ガス)が不純物除去装置15に送られることを阻止して不純物除去装置15の負荷を低減することを可能にする利点がある。
1 廃棄物処理システム
2 ガスエンジン
3 主ガス供給装置
9 メタン発酵原料
10 メタンガス供給部
22 発熱量制御部
25 混合調節装置
26 混合ガス発熱量検出装置
30 予備ガス供給装置
32 予備ガス供給制御装置
33 運転状態検出部
34 不足判定部
35 復帰判定部
36 予備ガス供給指令部
L2 必要発熱量

Claims (8)

  1. バイオマス及び廃棄物のうちガス化可能なガス化原料として分別されたものを熱分解・ガス化させて可燃性ガスを生成するガス化炉と、
    供給される燃料ガスの持つエネルギーを機械的エネルギーに変換して回収するガスエンジンであって、当該ガスエンジンの稼働に必要な単位体積当たりの発熱量である必要発熱量が前記ガス化炉により生成される可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量よりも大きいものと、
    前記バイオマス及び前記廃棄物のうちメタン発酵が可能なメタン発酵原料として分別されたものをメタン発酵させることによりメタンガスを生成して送り出すメタンガス供給部と、
    前記ガス化炉において生成される可燃性ガスと前記メタンガス供給部から供給されるメタンガスとを混合して前記ガスエンジンの前記必要発熱量よりも高い発熱量を有する混合ガスを生成し、当該混合ガスを前記ガスエンジンに前記燃料ガスとして供給する主ガス供給装置と、
    前記必要発熱量よりも高い発熱量を有する予備ガスを前記ガスエンジンに前記燃料ガスとして供給する予備ガス供給装置と、
    前記予備ガス供給装置の作動を制御する予備ガス供給制御装置と、を備え、
    前記主ガス供給装置は、前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量を検出する混合ガス発熱量検出装置と、前記混合ガス発熱量検出装置により検出された前記発熱量に基づいて、前記ガスエンジンの前記燃料ガスとして使用可能な発熱量をもつ前記混合ガスを生成するように前記可燃性ガスと前記メタンガスとの混合比率を調節する混合調節装置と、を有し、当該混合調節装置は、前記混合ガス発熱量検出装置により検出された前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量である検出発熱量と前記必要発熱量よりも大きい基準値とを対比して当該基準値に当該検出発熱量を近づけるように前記可燃性ガスの前記ガスエンジンへの量を増減させることにより前記可燃性ガスと前記ガスエンジンとの混合比率を調節する発熱量制御部を有し、
    前記予備ガス供給制御装置は、前記主ガス供給装置の運転状態であって前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に対して不足しているか否かを判定するための運転状態を検出する運転状態検出部と、その検出された運転状態に基づいて前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足しているか否かを判定する不足判定部と、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足していると前記不足判定部が判定したときにのみ前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給を開始させる予備ガス供給指令部と、を有する、廃棄物処理システム。
  2. 前記運転状態検出部が計測する運転状態には、前記主ガス供給装置から前記ガスエンジンに供給される前記可燃性ガスの量が含まれ、前記不足判定部は、前記運転状態検出部により計測される前記可燃性ガスの量が予め設定された可燃性ガス下限値以下である場合に前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足していると判定する、請求項1記載の廃棄物処理システム。
  3. 前記運転状態検出部が計測する運転状態には、前記主ガス供給装置から前記ガスエンジンに供給される前記メタンガスの量及び前記メタンガス供給部から前記主ガス供給装置に供給される前記メタンガスの量の少なくとも一方が含まれ、前記不足判定部は、前記運転状態検出部により計測される前記メタンガスの量が予め設定されたメタンガス下限値以下である場合に前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足していると判定する、請求項1記載の廃棄物処理システム。
  4. 前記予備ガス供給制御装置は、前記運転状態検出部により検出される前記主ガス供給装置の運転状態に基づいて前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に達するまで復帰したか否かを判定する復帰判定部をさらに備え、前記予備ガス供給指令部は、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が復帰したと前記復帰判定部が判定したときに前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給を停止させる、請求項1〜3の何れか1項記載の廃棄物処理システム。
  5. 前記運転状態検出部が計測する運転状態には、前記主ガス供給装置から前記ガスエンジンに供給される前記メタンガスの量及び前記メタンガス供給部から前記主ガス供給装置に供給される前記メタンガスの量の少なくとも一方が含まれ、前記復帰判定部は、前記運転状態検出部により計測された前記メタンガスの量が予め設定されたメタンガス復帰判定値よりも高くなった場合に前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が復帰したと判定する、請求項4記載の廃棄物処理システム。
  6. 前記予備ガス供給装置は、前記予備ガスを前記混合ガスに混合させることなく前記ガスエンジンに供給するものであり、前記運転状態検出部が計測する運転状態には、前記主ガス供給装置から前記ガスエンジンに供給される前記可燃性ガスの量が含まれ、前記復帰判定部は前記運転状態検出部により計測された前記可燃性ガスの量が予め設定された可燃性
    ガス復帰判定値よりも高くなった場合に前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が復帰したと判定する、請求項4記載の廃棄物処理システム。
  7. バイオマス及び廃棄物のうち熱分解・ガス化が可能なガス化原料として分別されたものをガス化炉により熱分解・ガス化させて可燃性ガスを生じさせるガス化工程と、
    メタンガス供給部により、前記バイオマス及び前記廃棄物のうちメタン発酵が可能なメタン発酵原料として分別されたものからメタンガスを生じさせるメタン発酵工程と、
    前記ガス化炉及び前記メタンガス供給部から前記可燃性ガス及び前記メタンガスを主ガス供給装置に供給し、この主ガス供給装置により、前記可燃性ガスと前記メタンガスとを混合して混合ガスを生成して当該混合ガスを、稼働に必要な単位体積当たりの発熱量である必要発熱量が前記ガス化工程で生成される可燃性ガスの単位体積当たりの発熱量よりも高いガスエンジンに燃料ガスとして供給する混合供給工程と、
    前記必要発熱量よりも高い発熱量を有する予備ガスを前記ガスエンジンに供給する予備ガス供給工程と、を備え、
    前記混合供給工程は、前記混合ガスの単位体積当たりの発熱量を検出することと、その検出された検出発熱量と前記ガスエンジンの前記必要発熱量よりも大きい基準値とを対比して当該基準値に当該検出発熱量を近づけるように前記可燃性ガスの前記ガスエンジンへの量を増減させることにより前記可燃性ガスと前記ガスエンジンとの混合比率を調節することと、を含み、
    前記予備ガス供給工程は、前記主ガス供給装置の運転状態であって前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に対して不足しているか否かを判定するための運転状態を検出することと、その検出された運転状態に基づいて前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足しているか否かを判定することと、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が不足していると判定したときにのみ前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給を開始することと、を含む、廃棄物処理方法。
  8. 前記予備ガス供給工程は、前記主ガス供給装置の運転状態に基づいて前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に達するまで復帰したか否かを判定することと、前記メタンガス供給部により前記主ガス供給装置に供給されるメタンガスの量が前記検出発熱量を前記基準値に近づけるための量に達するまで復帰したと判定したときに前記ガスエンジンへの前記予備ガスの供給を停止させることと、含む請求項7記載の廃棄物処理方法。
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