JP6471037B2 - 流路内のコンクリート製隔壁の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、流路内のコンクリート製隔壁の製造方法に関し、さらに詳しくは、流体の流れを維持した状態の流路内で、流路断面積を小さくする、または流路を塞ぐコンクリート製の隔壁を、流路断面積が大きな場合であっても軽労化を図りつつ効率的に製造できる流路内のコンクリート製隔壁の製造方法に関するものである。
従来、灌漑用水の配水管などに対して、その流路の閉塞や流路断面積の変更等を行う場合には、一旦、流路内の水位を低下させる、もしくは流路内の流体の流れを止めた状態で施工している。流体の流れをそのまま維持する必要がある場合には、作業現場の流路を迂回する仮設の迂回水路を設けて上流側の流体を下流側に流したり、ポンプ装置によって適宜、上流側の流体を吸い上げ下流側に排出するなどして対処する必要があった。
上記の問題に対して、流路内の流体の流れを止めることなく、流路に隔壁を製造する方法が提案されている(特許文献1参照)。この提案されている方法では、(1)隔壁を製造する位置周辺の地盤を掘削し、流路管を露出する工程、(2)掘削された地盤内に流路管を露出させた状態で断面凹字状にコンクリートを打設・養生し、ゲート駆体を形成する工程、(3)ゲート駆体内において流路管を切断し、ゲート駆体を介して流路を形成する工程、(4)ゲート駆体に扉枠を固定し、この扉枠に制水扉を取り付ける工程を行う。
この方法では、隔壁として機能する制水扉とは別にゲート駆体を設ける必要があるので、作業工数がその分だけ増加する。また、既に製造された制水扉を地上から水中に移設する際に、制水扉の広い面積が流れる流体から力を受けるので、これに対抗して移設するには多大な労力を要する。流路断面が大きくなるほど、制水扉の面積は大きくなり、流れによって受ける力が増大するとともに制御扉の重量も増大する。そのため、流路断面積が大きくなると、制水扉の移設には、工数および労力の更なる増加が必要になり、作業効率を向上させることが困難になる。
特開平9−209339号公報
本発明の目的は、流体の流れを維持した状態の流路内で、流路断面積を小さくする、または流路を塞ぐコンクリート製の隔壁を、流路断面積が大きな場合であっても軽労化を図りつつ効率的に製造できる流路内のコンクリート製隔壁の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法は、上流側から下流側に流体が流れている状態の流路内に、この流体の流れ方向に間隔をあけて下流側型枠および上流側型枠を構築し、これら型枠の間にコンクリートを打設して硬化させることによりコンクリート製隔壁を製造する流路内のコンクリート製隔壁の製造方法であって、前記下流側型枠を骨組み部材とせき板部材とで構成し、前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態で前記骨組み部材を前記流路内に固定し、次いで、前記骨組み部材に管体を固定して前記流れ方向に延設し、この管体の内部を通じて前記流体を上流側から下流側に流し、かつ、この管体の外周側で前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態で前記固定した骨組み部材の位置に前記せき板部材を配置し、次いで前記管体の内部を通じて前記流体を上流側から下流側に流す状態を維持しつつ、前記せき板部材により前記管体の外周側の前記流体が流れるすき間を塞いで、前記せき板部材を前記骨組み部材に固定することにより前記下流側型枠を構築し、次いで、構築した前記下流側型枠の上流側で前記管体の上流側開口よりも下流側の位置に前記上流側型枠を構築し、前記下流側型枠と前記上流側型枠との間の前記管体の外周側のスペースに、コンクリートを打設して硬化させることにより、前記管体が上流側から下流側に貫通して埋設された状態の前記コンクリート製隔壁を製造することを特徴とする。
本発明によれば、下流側型枠を構築する際に、流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態にするので、流路断面積の縮小による流速の上昇を抑えることができる。また、骨組み部材、せき板部材および管体が流れによって受ける力を抑制できる。そのため、水中で作業を行なう潜水作業員の軽労化を図ることが可能になる。
下流側型枠を構築した後は、管体を通じて流体が上流側から下流側に流れる。これにより、下流側型枠から管体の上流側開口までの範囲は、流体が淀んだ状態になって流体の影響を受け難くなる。この範囲に上流側型枠を構築するので、過大な労力なく作業を行なうことができる。
下流側型枠と上流側型枠との間に打設したコンクリートが硬化することで管体を上流側から下流側に貫通させた隔壁が完成する。このように現場でコンクリートを打設して隔壁を製造するので、流路断面積が大きな流路であっても、流路の大きさや形状に合致した隔壁を製造することができる。
例えば、前記管体の外周側で前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態で前記固定した骨組み部材の上流側で管体の上流側開口よりも下流側の所定位置に前記せき板部材を前記仮設部によって仮配置し、次いで、仮設部によるせき板部材の仮配置を解除してせき板部材を下流側に移動させて骨組み部材の位置に配置する。この場合は、せき板部材を仮配置する作業を管体の外周側の流体が流れるすき間を確保した状態で行うので、せき板部材が流れによって受ける力を抑制できる。また、仮配置を解除したせき板部材を流体の流れにのせて下流側に移動させて骨組み部材の位置に配置できるので、労力を軽減するには有利になる。
例えば、前記下流側型枠が複数枚の前記せき板部材を備える構成にする。この構成にすると、地上から流路内に部材を搬入する経路が狭い場合でもせき板部材を搬入することができる。また、それぞれのせき板部材が流れによって受ける力を小さくできる。
例えば、前記下流側型枠が1枚の螺旋状に形成された前記せき板部材を備える構成にすることもできる。この構成にすると、仮配置および仮配置を解除する作業を1枚のせき板部材に対して行えばよいので作業工数を低減できる。
例えば、前記下流側型枠が複数枚の前記せき板部材を備え、前記管体の外周側で前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態にする際には、管体に取り付けられたそれぞれのせき板部材の一方表面を管体の外周面に対向させた状態にすることもできる。この場合は、管体に取り付けたせき板部材の流路に対する横断面が小さくなるので、せき板部材の影響による流路の流れの変化が小さくなる。そのため、水中作業の軽労化に寄与する。
例えば、前記下流側型枠が複数枚の前記せき板部材を備え、前記管体の外周側で前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態にする際には、管体に取り付けられてこの管体を中心にして周方向に移動可能なこれらせき板部材を流路を横断する向きにして互いに重ねた状態にする。この場合も、管体に取り付けたせき板部材の流路に対する横断面が小さくなるので、せき板部材の影響による流路の流れの変化が小さくなる。そのため、水中作業の軽労化に寄与する。
前記骨組み部材の前記流路の横断面視での面積を、例えば前記流路の横断面積の30%以下にする。これにより、流路内の流体が骨組み部材の間を円滑に流れる状態を確保することができる。これに伴ない、流速の増加を抑制することができ、作業効率の低下を抑制することができる。
前記コンクリート製隔壁を上流側から下流側に貫通させて埋設した前記管体の上流側開口を塞ぐこともできる。これにより、流路を塞ぐ隔壁を構築することができる。
本発明における第1工程を縦断面視で例示する説明図である。 図1のA1矢視で流路内部を例示する説明図である。 本発明における第2工程を縦断面視で例示する説明図である。 図3のA2矢視で流路内部を例示する説明図である。 本発明における第3工程を縦断面視で例示する説明図である。 本発明における第4工程を縦断面視で例示する説明図である。 本発明により製造した隔壁を縦断面視で例示する説明図である。 図7の管体の上流側開口を塞いだ流路を縦断面視で例示する説明図である。 本発明における第2工程の変形例を縦断面視で示す説明図である。 せき板部材の別の変形例を例示し、図10(a)は流体が流れるすき間を確保した状態、図10(b)は流体が流れるすき間の一部を塞いだ状態、図10(c)は流体が流れるすき間をすべて塞いだ状態を例示する説明図である。 せき板部材のさらに別の変形例を例示し、図11(a)は流体が流れるすき間を確保した状態、図11(b)は流体が流れるすき間の一部を塞いだ状態、図11(c)は流体が流れるすき間をすべて塞いだ状態を例示する説明図である。
以下、本発明の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法(以下、隔壁の製造方法)を図1〜6に示した実施形態に基づいて、第1工程〜第4工程の4つの工程に分けて説明する。この実施形態では、図7に示すように、流体Fが充満した状態で流れている流路C内に流路断面積を小さくするコンクリート製隔壁1(以下、隔壁1という)を製造する。即ち、隔壁1を製造することにより、当初の流路断面積を管体6の横断面積に縮小させている。
当初の流路Cの直径は例えば1〜5m(、流路断面積としては0.785〜19.625m)である。管体6の内径は例えば50mm〜250mm(、横断面積は例えば0.00196〜0.049m)、或いは管体6の横断面積は当初の流路Cの流路断面積の0.25%程度である。当初の流路C内の流速は例えば0.01〜0.4m/sである。
流路Cの内部での作業は基本的に潜水作業員による水中作業になる。流路Cには隔壁1を構成する部材を搬入するための経路として、地上と流路Cを繋ぐ搬入口Eが設けられている。流路Cは鋼管等の金属製であってもコンクリート製であってもその材質は限定されない。
図1、図2に例示する第1工程では、隔壁1の下流側型枠2を構成する棒状の骨組み部材3を陸上のクレーン等を用いて搬入口Eを通じて流路C内に搬入する。搬入した骨組み部材3は、潜水作業員の作業により、流路Cの内周面に溶接やボルト等を用いて接合して、流体Fが上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態で流路C内に固定する。後述する第2工程において、骨組み部材3には管体6が固定されるので、図2に示すように、管体6を固定し易い構造で骨組み部材3を形成する。
本発明では、流体Fが流れている流路C内に下流側型枠2を構築する際に、流体Fが流れるすき間を確保した状態で骨組み部材3を流路C内に固定するので、流路断面積の縮小による流速の上昇を抑制できる。また、骨組み部材3なので、流れによって受ける力を抑制できる。
流路C内に固定した骨組み部材3の流路Cの横断面視での面積(すべての骨組み部材3の合計面積)は、流路Cの横断面積の30%以下にすることが望ましい。骨組み部材3をこの程度に粗な状態で流路Cに配置すると、流速の増加を十分に抑えることができる。
次に、図3、図4に例示する第2工程では流路C内に管体6を搬入し、流体Fの流れる方向に延設するように骨組み部材3に固定する。この固定した管体6の内部を通じて流体Fを上流側から下流側に流れるようにする。さらに、管体6の外周側で流体Fが上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態で、固定した骨組み部材3の上流側で管体6の上流側開口6aよりも下流側の所定位置に、せき板部材4を仮設部7を用いて仮配置する。
この実施形態では、複数枚で構成されるせき板部材4を上流側から下流側に間隔をあけて配置することで、流体Fが流れるすき間を確保している。具体的には管体6を中心にして、径の異なる複数の円環状のせき板部材4を同軸上に配置している。円環状のせき板部材4を分割し、さらに小さなサイズの円弧状の部材にして流路C内に搬入し、流路C内で溶接や接合金具等により接合することで円環状のせき板部材4を形成することもできる。
この実施形態では、仮設部7を棒状の仮枠7aと紐状の接合部材7bとで構成している。仮枠7aは、せき板部材4を仮配置する位置よりも上流側で流路Cの内周面に固定して設置する。仮枠7aとせき板部材4とを接合部材7bを介して接続することで、せき板部材4を仮配置する。仮枠7aは、図4に例示するように、管体6が挿通した状態で固定可能な構成で骨組みを形成するとよい。また、潜水作業員は骨組み部材3と仮枠7aの間に入って、管体6を固定する作業やせき板部材4を仮配置する作業を行うことになるので、潜水作業員が通過できる経路を確保した構造で仮枠7aを形成するとよい。接合部材7bとしては、紐状の部材の他にもワイヤやチェーン等を用いることができる。
この第2工程において、各部材を設置する順番は特に限定されないが、例えば、以下の作業手順で行う。(1)仮枠7aを骨組み部材3よりも上流側で、かつ、せき板部材4を仮配置する位置よりも上流側に構築する。(2)管体6を骨組み部材3と仮枠7aに挿通させ、固定する。(3)円環状のせき板部材4を分割した円弧状の部材を骨組み部材3と仮枠7aの間に搬入し、円弧状の部材それぞれに接続部材7bの一端部を接続し、それぞれの接続部材7bの他端部を仮枠7aに接続する。(4)隣り合うそれぞれの円弧状の部材を溶接により接合し、円環状のせき板部材4を形成する。
本発明では、骨組み部材3に管体6を流れ方向に延設するので、管体6の設置による流速の上昇も極めて小さく、管体6が流れによって受ける力も小さくなる。せき板部材4も流体Fが流れるすき間を確保した状態で仮配置されるので、流速の上昇を抑制でき、せき板部材4が流れによって受ける力も小さくなる。これにより、これらの作業を水中で行う潜水作業員の労力を軽減できる。流路C内に各種部材を搬入する作業も容易になる。
次に、図5に例示する第3工程では、仮設部7によるせき部材4の仮配置を解除して、せき板部材4を下流側に移動させて骨組み部材3に固定する。これら固定されたせき板部材4により、管体6の外周側を塞ぐことにより下流側型枠2を構築する。この際に、管体6の内部を通じて流体Fを上流側から下流側に流す状態を維持する。
この実施形態では、それぞれのせき板部材4に接続されている接続部材7bを取り外すことにより、せき板部材4の仮配置を解除する。そして、接続部材7bを取り外したせき板部材4を順次流れに沿って下流側に移動させ、骨組み部材3に固定する。複数枚で構成されるせき板部材4を全て骨組み部材3に固定し、管体6の外周側を塞ぐことにより下流側型枠2を構築する。
本発明では、仮配置したせき板部材4を骨組み部材3に固定して、管体6の外周側を塞ぐことにより下流側型枠2を構築する。この際に、流路断面積が小さくなって流速が上がるが、せき板部材4を流れに沿って下流側に移動させればよいので、過大な労力が必要になることはない。
次に、図6に例示する第4工程では、構築した下流側型枠2の上流側で管体6の上流側開口6aよりも下流側の位置に上流側型枠5を構築する。上流側型枠5は、下流側型枠2と同様に、管体6を貫通させた状態で構築する。そして、下流側型枠2と上流側型枠5との間の管体6の外周側のスペースに、水中でも硬化するコンクリートCRを打設して硬化させることにより隔壁1を形成する。
具体的には、下流側型枠2と上流側型枠5との間の管体6の外周側のスペースに、コンクリートCRを打設する際には、上流側型枠5や下流側型枠2に適宜、穴を設けておく。陸上に設置したコンクリート打設設備8からは下流側型枠2と上流側型枠5との間に圧送ホースを延設する。このコンクリート打設設備8から打設するコンクリ―トCRを供給する。コンクリートCRを打設すると、上述したスペースに存在する水が、設けた穴を通じて下流側型枠2の下流側、上流側型枠5の上流側に流出してコンクリートCRと入れ替わり、下流側型枠2と上流側型枠5との間の管体6の外周側のスペースにコンクリートCRを充填することができる。このように形成した隔壁1は、管体6が上流側から下流側に貫通して埋設された状態になる。即ち、隔壁1の流路断面積は管体6の開口面積となる。
本発明では、下流側型枠2を構築した後は、管体6を通じて流体Fが上流側から下流側に流れるので、下流側型枠2から管体6の上流側開口6aまでの範囲は、流体Fが淀んだ状態になり、流速の影響を受け難くなる。そのため、この範囲に上流側型枠5を過大な労力なしで構築することが可能になる。次いで、下流側型枠2と上流側型枠5との間に打設したコンクリートCRが硬化することで、管体6が上流側から下流側に貫通した隔壁1が完成する。したがって、潜水作業員の軽労化を図りつつ効率的に隔壁1を製造することができる。しかも、現場でコンクリートCRを打設して隔壁1を製造するので、流路断面積が大きな流路Cにおいても本発明を適用することができる。また、様々な横断面形状の流路Cに対してもその形状に合致した隔壁1を製造することができる。
この実施形態では、下流側型枠2を複数枚のせき板部材4を備える構成にしているので、地上から流路C内に部材を搬入する経路が狭い場合でもせき板部材4を搬入できる。また、せき板部材4が流れによって受ける力を小さくできる。尚、この実施形態のせき板部材4は円環状に形成されているが、四角形状や扇状等、様々な形状で構成することができる。
この実施形態のように、複数枚のせき板部材4を用いる場合には、骨組部材3に固定された際に隣り合うせき板部材4どうしが重なり合う範囲を設けるようにせき板部材4を形成すると密閉性の高い下流側型枠2を構築することができる。また、せき板部材4を骨組み部材3に固定する際に溶接等の作業が必要になる場合には、全てのせき板部材4を骨組み部材3にまで移動させ、管体6の外周側を塞いだ後に溶接等の作業を行うとよい。せき板部材4によって、管体6の外周側が塞がれると、下流側型枠2から管体6の上流側開口6aまでの範囲は、流体Fが淀んだ状態になり、流速の影響を受け難くなる。そのため、過大な労力なしで作業を行い易くなる。
この実施形態では、上流側型枠5を構築する際に、仮枠7aを上流側型枠5を構成する骨組み部材として利用することもできる。仮枠7aの強度が不十分な場合には骨組みを付加して、強度を上げる。骨組み部材3および仮枠7aの構造は図2、図4に示されている構造に限られず、トラス構造等の他の構造を採用することもできる。コンクリート打設後に下流側型枠2、上流側型枠5を流路Cから撤去することもできるし、少なくとも一方を残置させることもできる。
図8に示すように、管体6の上流側開口6aを塞ぐことで、流路Cを塞ぐ隔壁1にすることができる。この実施形態では、上流側開口6aに蓋体9を被せて接合することで、上流側開口6aを塞いでいる。蓋体9を上流側開口6aに対して着脱自在にすれば、所望のときに塞いだ流路Cを開通させることができる。上流側開口6aを塞ぐことで、下流側型枠2の下流側の流体Fの流れも淀んだ状態になるので、下流側開口6bからコンクリートCRを打設し硬化させることにより、管体6の内部をコンクリートで埋めることもできる。
この実施形態では、隔壁1に1本の管体6を貫通させているが、複数本の管体6を挿通させた構成にすることもできる。この際に同内径の管体6だけでなく異なる内径の管体6を設けることもできる。複数の異なる内径の管体6を設け、蓋体9を上流側開口6aに対して着脱自在にすれば、所望のときに流路Cを所望の流路断面積に変更し易くなる。管体6は円形断面に限らず多角形断面等にすることもできる。
隔壁の製造方法における第2工程は図9に例示するようにすることもできる。この実施形態では、1枚の螺旋状に形成されたせき板部材4を使用している。そして、せき板部材4の螺旋中心軸方向を流体Fの流れの方向に引き延ばして、せき板部材4を流路Cの横断面視で流路Cの管体6の外周側範囲を塞ぐ位置に仮設部7によって仮配置している。
さらに、管体6の上流側開口6aに延長管10を接続し、管体6を上流側に延長することで、流体Fが流入する開口の位置を隔壁1を製造する位置からより上流側の位置に移動させている。延長管10の上流側の開口には、開口面積を大きくする拡張部材11を設けている。延長管10を安定して流路Cに固定するために延長管10と流路Cの内周面とを接続する支持部材12を設けている。流体Fが流入する開口(拡張部材11の開口)の位置は、搬入口Eよりも上流側にして、この開口と搬入口Eとの間に柵13を設けている。
この実施形態では、仮配置および仮配置を解除する作業を1枚のせき板部材4に対して行えばよいので作業工数を低減できる。加えて、管体6の流体Fが流入する開口が、より上流側に位置しているので、流路断面積が小さくなって管体6に流れ込む流体Fの流速が増加した場合においても、その流速の影響を受け難い淀んだ範囲が広くなる。これに伴ない、潜水作業をより軽労化することができる。拡張部材11を設けることで、管体6に流れ込む流体Fを一層誘導することができるので、潜水作業を行う範囲の流体Fの流速の増加を抑制するには有利になる。柵13を設けることにより、潜水作業員や部材が開口に近づくことを防止できる。
隔壁の製造方法における第2工程、第3工程は図10に例示するようにすることもできる。
この実施形態のせき板部材4は、図10(c)で示すように、管体6が貫通する環状のせき板部材4aと、せき板部材4aに一端部が接続されて周方向にずらして配置された複数のせき板部材4b、4cとで構成されている。せき板部材4b、4cは、横断面視で、せき板部材4aと流路Cの内周面とのすき間を放射状に16分割した略台形状(外周縁は円弧)の板状の部材である。せき板部材4b、4cが周方向交互に配置されている。
せき板部材4b、4cは、それぞれの一端部を起点にしてせき板部材4aに対して折り畳み可能になっている。
第2工程においては、それぞれのせき板部材4b、4cをせき板部材4aに対して折り畳み、図10(a)で例示するように、それぞれのせき板部材4b、4cの一方表面を管体6の外周面に対向させた状態にして、骨組み部材3の上流側で管体6の上流側開口6aよりも下流側の所定位置に仮配置する。
より詳しくは、一方のせき板部材4bの他端部(外周縁)がせき板部材4aよりも流路Cの下流側になるように折り畳み、その後、他方のせき板部材4cを同様に折り畳み、せき板部材4bとせき板部材4cとが重なる状態にしてせき板部材4a、4b、4cを仮配置する。
次いで、第3工程においては、せき板部材4a、4b、4cを下流側へ移動させて骨組み部材3の位置に配置する。次いで、せき板部材4aに対して折り畳まれて閉じた状態であったせき板部材4bを、図10(b)に例示するように開いてゆく。
せき板部材4bが完全に開くと、せき板部材4cも完全に開いて、図10(c)に例示するように、せき板部材4a、4b、4cにより管体6の外周面と流路Cの内周面とのすき間が塞がれる。この状態で骨組み部材3にせき板部材4a、4b、4cを固定する。これら固定されたせき板部材4a、4b、4cにより、管体6の外周側を塞ぐことにより下流側型枠2を構築する。
この実施形態では、管体6の外周側で流体Fが上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態にする際には、管体6に取り付けられたそれぞれのせき板部材4b、4cの一方表面を管体の外周面に対向させた状態にしている。これにより、管体6に取り付けたせき板部材4a、4b、4cの流路Cに対する横断面が小さくなるので、せき板部材4a、4b、4cの影響による流路Cの流れの変化が小さくなる。そのため、水中作業の軽労化に寄与する。
第3工程では、せき板部材4b、4cが開いていくにつれて流路断面積が小さくなって流速が速くなるが、せき板部材4a、4b、4cを流体Fの流れに沿って下流側に押し出すように動かせばよいので、過大な労力が必要になることはない。
尚、この実施形態では、せき板部材4b、4cを計16枚用いているが、他の枚数にすることもできる。例えば、せき板部材4aを横断面視で32角形状に形成し、せき板部材4b、4cを計32枚の部材で構成することもできる。
第2工程、第3工程は図11に例示するようにすることもできる。
この実施形態のせき板部材4は、図11(c)で示すように、管体6が貫通する環状のせき板部材4hと、せき板部材4hに一端が周方向に移動可能に取付けられた複数のせき板部材4d〜4gとで構成されている。せき板部材4d、4e、4f、4gは、せき板部材4hの外周面と流路Cの内周面との間のすき間を4分割した略扇方状の板状の部材である。
第2工程においては、図11(a)に例示するように、それぞれのせき板部材4d、4e、4f、4gを流路Cを横断する向きで互いに重ねた状態して骨組み部材3の位置に配置する。
次いで、第3工程においては、それぞれのせき板部材4e、4f、4gを図11(b)に例示するように、管体6を中心にして周方向に動かして図11(c)に例示するように管体6の外周側を塞いで、骨組み部材3にせき板部材4d、4e、4f、4g、4hを固定する。このとき、周方向に隣り合うせき板部材4d〜4gどうしは、周方向に一部がオーバーラップしている。これら固定されたせき板部材4d、4e、4f、4g、4hによって、管体6の外周側を塞ぐことにより下流側型枠2を構築する。
この実施形態では、管体6の外周側で流体Fが上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態にする際には、管体6に取り付けられてこの管体6を中心にして周方向に移動可能なこれらせき板部材4を流路Cを横断する向きにして互いに重ねた状態にしている。これにより、管体6に取り付けたせき板部材4の流路Cに対する横断面が小さくなるので、せき板部材4の影響による流路Cの流れの変化が小さくなる。そのため、水中作業の軽労化に寄与する。また、せき板部材4をコンパクトにすることができるので、地上から流路C内に部材を搬入する際に搬入経路Eが狭い場合でもせき板部材4を搬入することができる。
尚、この実施形態では、せき板部材4hの外周面と流路Cの内周面との間のすき間を4分割にしたが、例えば、せき板部材4hの外周面と流路Cの内周面との間のすき間を4分割以上にすることもできるし、2分割又は3分割にすることもできる。
1 コンクリート製隔壁
2 下流側型枠
3 骨組み部材
4、4a〜4h せき板部材
5 上流側型枠
6 管体
6a 上流側開口
6a 下流側開口
7 仮設部
7a 仮枠
7b 接合部材
8 コンクリート打設設備
9 蓋体
10 延長管
11 拡張部
12 支持部材
13 柵
C 流路
E 搬入口
F 流体
CR コンクリート

Claims (8)

  1. 上流側から下流側に流体が流れている状態の流路内に、この流体の流れ方向に間隔をあけて下流側型枠および上流側型枠を構築し、これら型枠の間にコンクリートを打設して硬化させることによりコンクリート製隔壁を製造する流路内のコンクリート製隔壁の製造方法であって、
    前記下流側型枠を骨組み部材とせき板部材とで構成し、前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態で前記骨組み部材を前記流路内に固定し、次いで、前記骨組み部材に管体を固定して前記流れ方向に延設し、この管体の内部を通じて前記流体を上流側から下流側に流し、かつ、この管体の外周側で前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態で前記固定した骨組み部材の位置に前記せき板部材を配置し、次いで前記管体の内部を通じて前記流体を上流側から下流側に流す状態を維持しつつ、前記せき板部材により前記管体の外周側の前記流体が流れるすき間を塞いで、前記せき板部材を前記骨組み部材に固定することにより前記下流側型枠を構築し、次いで、構築した前記下流側型枠の上流側で前記管体の上流側開口よりも下流側の位置に前記上流側型枠を構築し、前記下流側型枠と前記上流側型枠との間の前記管体の外周側のスペースに、コンクリートを打設して硬化させることにより、前記管体が上流側から下流側に貫通して埋設された状態の前記コンクリート製隔壁を製造することを特徴とする流路内のコンクリート製隔壁の製造方法。
  2. 前記管体の外周側で前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態で前記固定した骨組み部材の上流側で前記管体の上流側開口よりも下流側の所定位置に前記せき板部材を仮設部によって仮配置し、次いで、前記仮設部による前記せき板部材の仮配置を解除して前記せき板部材を下流側に移動させて前記骨組み部材の位置に配置する請求項1に記載の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法。
  3. 前記下流側型枠が複数枚の前記せき板部材を備え、これらせき板部材を前記流路の横断面視で前記流路の前記管体の外周側範囲を塞ぐ位置に前記仮設部によって仮配置する請求項2に記載の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法。
  4. 前記下流側型枠が1枚の螺旋状に形成された前記せき板部材を備え、このせき板部材をその螺旋中心軸方向を前記流体の流れの方向に引き延ばして、このせき板部材を前記流路の横断面視で前記流路の前記管体の外周側範囲を塞ぐ位置に前記仮設部によって仮配置する請求項2に記載の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法。
  5. 前記下流側型枠が複数枚の前記せき板部材を備え、前記管体の外周側で前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態にする際には、前記管体に取り付けられたそれぞれの前記せき板部材の一方表面を前記管体の外周面に対向させた状態にする請求項1または2に記載の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法。
  6. 前記下流側型枠が複数枚の前記せき板部材を備え、前記管体の外周側で前記流体が上流側から下流側に流れるすき間を確保した状態にする際には、前記管体に取り付けられてこの管体を中心にして周方向に移動可能なこれらせき板部材を前記流路を横断する向きにして互いに重ねた状態にする請求項1または2に記載の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法。
  7. 前記流路内に固定した前記骨組み部材の前記流路の横断面視での面積を、前記流路の横断面積の30%以下にする請求項1〜6のいずれかに記載の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法。
  8. 前記コンクリート製隔壁を上流側から下流側に貫通させて埋設した前記管体の上流側開口を塞ぐ請求項1〜7のいずれかに記載の流路内のコンクリート製隔壁の製造方法。
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