JP6470984B2 - アロマターゼ阻害剤及びこれを含む医薬 - Google Patents

アロマターゼ阻害剤及びこれを含む医薬 Download PDF

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Description

本発明は、クマリン骨格を有する化合物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤及びこれを含む医薬に関する。
女性死因の上位を占める乳がんの約6〜7割において、がん細胞の増殖はエストロゲン(女性ホルモン)依存性である。また、女性に特有の疾患である子宮筋腫、子宮内膜症及び子宮内膜がん等も、エストロゲン依存性の疾患である。
閉経前の女性の体内ではエストロゲンは卵巣から主に供給されるが、閉経後は、副腎から産生される男性ホルモンの一種であるアンドロゲンが末梢組織中のアロマターゼ(CYP19とも呼ばれる)によってエストロゲンへと変換されることで供給されている。そのため、アロマターゼは、エストロゲン受容体と共に、閉経後乳がんを含む各種のエストロゲン依存性疾患の治療における標的分子の一つとなっている。
アロマターゼ阻害活性を有する化合物は数多く開発され、臨床的にも利用されている。その多くはエキセメスタンなどのステロイド系化合物とアナストロゾールなどのアゾール系化合物に大別される。しかし、いずれの化合物も、肝障害、投与部位の疼痛、さらには重症薬疹(Stevens−Johnson症候群)等の副作用を伴いやすいという問題を有する。したがって、ステロイド系化合物又はアゾール系化合物とは異なる骨格構造を有する化合物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤が求められている。
このような新たな骨格構造を有する化合物として、ジヒドロイソクマリン類(非特許文献1)及びクマリン誘導体(非特許文献2)が報告されている。クマリン骨格を有する化合物はステロイド系化合物又はアゾール系化合物のいずれにも属さず、したがって上記のような副作用を伴う可能性は低いと期待されている。
Endringerら、J.Natl.Prod.、第71巻、第6号、第1082−1084ページ Chenら、2004年、J.Biol.Chem.、第279巻、第46号、第48071−48078ページ
本発明は、ステロイド系化合物又はアゾール系化合物とは異なる、アロマターゼ阻害活性を有する化合物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、クマリン骨格を有する既知の化合物の一部がアロマターゼ阻害活性を有することを見いだし、下記の各発明を完成させた。
(1)下記式(1)
Figure 0006470984
[式(1)中、Xは水素又はC1〜C6のジアルキルアミノであり、R1、R2、R3及びR4はいずれか1の置換基が下記式(2)〜(8)のいずれかであるが他の3つの置換基は水素であり、
Figure 0006470984
式(3)〜式(8)中、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のアルコキシカルボニル、置換されていてもよいアミド又は置換されていてもよいフェニルであり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは、それぞれ独立して、C1〜C6のアルキルを示す]の化合物、その異性体、製薬上許容しうるそれらの塩又はこれらの混合物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤。
(2)5−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.44)、
5−(クマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.47)、
5−(クマリン−4−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.48)、
5−(クマリン−5−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.49)、
5−(クマリン−6−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.51)、
6−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.53)、
5−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)イサチン(化合物No.56)、
5−(クマリン−3−イル)イサチン(化合物No.59)
5−(クマリン−4−イル)イサチン(化合物No.60)、
5−(クマリン−5−イル)イサチン(化合物No.61)、
5−(クマリン−6−イル)イサチン(化合物No.62)、
7−ジエチルアミノ−3−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)クマリン(化合物No.65)、
7−ジエチルアミノ−3−(オキサゾ−5−イル)クマリン(化合物No.66)、
7−ジエチルアミノ−3−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル)クマリン(化合物No.67)及び
エチル 2−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−4−メトキシオキサゾ−ル−5−カルボキシレート(化合物No.68)
よりなる群から選択される化合物、その異性体、製薬上許容しうるそれらの塩又はこれらの混合物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤。
(3)(1)又は(2)に記載のアロマターゼ阻害剤を含む医薬。
(4)エストロゲン依存性疾患の治療及び/又は予防のための、(3)に記載の医薬
(5)閉経後乳がんの治療及び/又は予防のための(3)又は(4)に記載の医薬。
本発明における化合物は、ステロイド系化合物又はアゾール系化合物と比較して副作用のおそれの少ないアロマターゼ阻害剤として、エストロゲン依存性の疾患、特に閉経後乳がんの治療及び/又は予防に利用することができる。
<定義>
「C1〜C6のアルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を意味し、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、sec−ヘキシル、tert−イソヘキシルなどが挙げられる。
「C1〜C6のジアルキルアミノ」は、−N−(C1〜C6のアルキル)で表される基を意味し、限定するものではないが、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、エチルプロピルアミノなどが挙げられる。
「C1〜C6のアルコキシカルボニル」は、−COO−(C1〜C6のアルキル)で表される基を表し、限定するものではないが、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、sec−ペンチルオキシカルボニル、tert−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、イソヘキシルオキシカルボニル、sec−ヘキシルオキシカルボニル、tert−ヘキシルオキシカルボニルなどが挙げられる。
「置換されていてもよいアミド」は、−CO−NHで表されるアミド基の1又は2個の水素が、ハロゲン、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のアルコキシ、C1〜C6のハロゲノアルキル、C1〜C6のアルコキシカルボニル、C1〜C6のアルキルアミノ及び/又はC2〜C5のアルケニルによりそれぞれ独立して置換されていてもよい基を意味する。
「置換されていてもよいフェニル」は、ハロゲン、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のアルコキシ、C1〜C6のハロゲノアルキル、C1〜C6のアルコキシカルボニル、C1〜C6のアルキルアミノ及び/又はC2〜C5のアルケニルにより置換されていてもよいフェニルを意味する。
「ハロゲン」は塩素、フッ素、臭素及びヨウ素よりなる群から選択される任意の原子を意味する。
「C1〜C6のアルコキシ」は、酸素原子を介して分子に結合される1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、sec−ペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、sec−ヘキシルオキシ、tert−ヘキシルオキシなどが挙げられる。
「C1〜C6のハロゲノアルキル」は、ハロゲンによって置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキルを意味し、限定するものではないが、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル及びトリクロロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、トリクロロエチル及びクロロプロピルなどのモノ、ジ又はトリ置換ハロゲン化メチルなどが挙げられる。
「C1〜C6のアルキルアミノ」は、−NH−(C1〜C6のアルキル)、又はN−(C1〜C6のアルキル)で表される基を意味し、限定するものではないが、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ及びメチルエチルアミノなどが挙げられる。
「C2〜C5のアルケニル」は、2〜5個の炭素原子及び1つの不飽和二重結合を有する炭化水素基を意味し、限定するものではないが、ビニル、アリルなどが挙げられる。
「異性体」は、本用語が用いられる化合物において存在し得るエナンチオマー、ジアステレオマー(シス−トランス異性体を含む)、配座異性体、二重結合におけるシス−トランス異性体などを意味する。
本発明は、下記式(1)
Figure 0006470984
[式(1)中、Xは水素又はC1〜C6のジアルキルアミノであり、R1、R2、R3及びR4はいずれか1の置換基が下記式(2)〜(8)のいずれかであるが他の3つの置換基は水素であり、
Figure 0006470984
式(3)〜式(8)中、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のアルコキシカルボニル、置換されていてもよいアミド又は置換されていてもよいフェニルであり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは、それぞれ独立して、C1〜C6のアルキルを示す]の化合物、その異性体、製薬上許容しうるそれらの塩又はこれらの混合物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤に関する。
式(1)に示される化合物は、アロマターゼによるアンドロゲンからエストロゲンへの変換反応を阻害することができ、したがってアロマターゼ阻害剤として利用することができる。
式(1)に示される化合物において特に好ましい化合物は下記表1〜表3に示される通りである。なお、表中、Meはメチルを、Etはエチルをそれぞれ表す。
Figure 0006470984
Figure 0006470984
Figure 0006470984
式(1)においてR1〜R4のいずれかが式(3)である化合物、例えば表1の化合物No.44〜51は、クマリン骨格の3位、4位、5位又は6位のいずれか1つに臭素(Br)を有するクマリン又は7−ジアルキルアミノクマリンと、5−(トリブチルスタニル)−3,3−ジアルコキシインドリン−2−オンとを適当な溶媒中でパラジウム触媒を用いて反応させることで合成することができる。また、上記の臭素置換されたクマリン又は7−ジアルキルアミノクマリンの代わりに、トリフルオロメタンスルホニロキシ(−OTf)により置換されたクマリン又は7−ジアルキルアミノクマリンを用いても、式(1)においてR1〜R4のいずれかが式(3)である化合物を合成することができる。
さらにこのようにして合成された化合物を酸性条件下で加水分解して脱アセタール化することで、R1〜R4のいずれかが式(2)である化合物、例えば化合物No.56〜62を合成することができる。
式(1)においてR1〜R4のいずれかが式(4)である化合物、例えば表1の化合物No.53は、クマリン骨格の3位、4位、5位又は6位のいずれか1つに臭素(Br)を有するクマリン又は7−ジアルキルアミノクマリンを適当な溶媒中、パラジウム触媒の存在下でトリブチルスタニル化し、これをさらにパラジウム触媒の存在下で6−ブロモ−3,3−ジアルキルインドリン−2−オンと反応させることで合成することができる。
式(1)においてR1〜R4のいずれかが式(5)である化合物、例えば化合物No.65は、クマリン骨格の3位、4位、5位又は6位に臭素(Br)を有するクマリン又は7−ジアルキルアミノクマリンを、スズ及びパラジウム触媒の存在下でカップリングさせることで合成することができる。
式(1)においてR1が式(6)である化合物、例えば化合物No.66は、下記スキーム(A)によって合成することができる。
スキーム(A)
Figure 0006470984
また、式(1)においてR1が式(6)である化合物は、下記スキーム(B)によって合成することもできる。
スキーム(B)
Figure 0006470984
スキーム(A)及び(B)において、Xは水素又はC1〜C6のジアルキルアミノであり、R5は水素、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のアルコキシカルボニル又は置換されていてもよいフェニルである。また、R2〜R4のいずれかに式(6)の置換基を有する式(1)の化合物も、上記スキーム(A)又は(B)に倣って合成することができる。
また、式(1)においてR1が式(7)又は(8)である化合物は、下記スキーム(C)又は(D)によって合成することができる。
スキーム(C)
Figure 0006470984
スキーム(D)
Figure 0006470984
スキーム(C)及び(D)において、Xは水素又はC1〜C6のジアルキルアミノであり、R6、R7及びR8は互いに独立して水素、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のアルコキシカルボニル又は置換されていてもよいフェニルである。またR2〜R4のいずれかに式(7)又は(8)の置換基を有する式(1)の化合物も、上記スキーム(C)又は(D)に倣って合成することができる。
上記の合成は適当な溶媒中で行われる。利用可能な溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、クロロホルムの他に、たとえば塩化メチレン、ベンゼン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテル及びジメチルセロソルブなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、メタノール、エタノール及びプロパノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びに水などを挙げることができる。これらの溶媒は、一種又は二種以上混合して使用することもできる。
上記の合成において、各化合物は必要に応じて当業者に知られた適当な保護剤で保護されていてもよい。かかる保護剤及び脱保護反応は、保護される置換基に応じて当業者が適宜選択し、使用することができる。
後の実施例に示すように、前記式(1)に示される化合物、特に前記表1に列記される化合物は、アロマターゼの酵素活性を阻害することが確認された。本発明は、前記式(1)に示される化合物、特に前記表1に列記される化合物よりなる群から選択される化合物、その異性体、製薬上許容しうるそれらの塩又はこれらの混合物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤及びこれを含む医薬を提供するものである。
製薬上許容しうる塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基又はヒドロキシル基、ホスホリル基もしくはカルボキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。
塩基性基における塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸及び硫酸などの鉱酸との塩、酒石酸、ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸及びトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩、並びにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸及びナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩などを挙げることができる。
酸性基における塩としては、たとえば、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属との塩、カルシウム及びマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩との塩、アンモニウム塩、並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミン及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などを挙げることができる。
上記の塩の中で、好ましい塩としては薬理学的に許容される塩が挙げられる。
本発明におけるアロマターゼ阻害剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、固結・付着防止剤、滑沢剤、吸収・吸着担体、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、被覆剤、吸収促進剤、ゲル化・凝固促進剤、光安定化剤、保存剤、防湿剤、乳化・懸濁・分散安定化剤、着色防止剤、脱酸素・酸化防止剤、矯味・矯臭剤、着色剤、起泡剤、消泡剤、無痛化剤、帯電防止剤、緩衝・pH調節剤などの各種医薬品添加物を配合して医薬、好ましくは医薬組成物とすることができ、さらにこれを含む経口剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤など)、注射剤、坐剤、外用剤(軟膏剤、貼付剤など)、エアゾール剤などの製剤を調製することもできる。
錠剤、散剤、顆粒剤などの経口用固形製剤は、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、無水第二リン酸カルシウム、部分アルファ化デンプン、コーンスターチ及びアルギン酸などの賦形剤、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、水及びエタノールなどの結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸、寒天末、デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム及びデンプングリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤、ステアリルアルコール、ステアリン酸、カカオバター及び水素添加油などの崩壊抑制剤、ケイ酸アルミニウム、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、無水ケイ酸などの固結防止・付着防止剤、カルナバロウ、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、硬化油、硬化植物油誘導体、胡麻油、サラシミツロウ、酸化チタン、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、リン酸水素カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリエチレングリコールなどの滑沢剤、第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、尿素及び酵素などの吸収促進剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及びコロイド状ケイ酸などの吸収・吸着担体といった固形製剤化医薬用添加物を用い、常法に従い調製すればよい。
さらに錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、胃溶性被覆錠、腸溶性被覆錠及び水溶性フィルムコーティング錠とすることができる。
カプセル剤は、上記で例示した各種の医薬組成物を、硬質ゼラチンカプセル及び軟質カプセルなどに充填して調製される。
また、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤などの上記した各種の液体製剤化用添加物を用い、常法に従い調製して、水性又は油性の懸濁液、溶液、シロップ及びエリキシル剤とすることもできる。
注射剤は、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、クエン酸、酢酸、リン酸、乳酸、乳酸ナトリウム、硫酸及び水酸化ナトリウムなどの希釈剤、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム及びリン酸ナトリウムなどのpH調整剤及び緩衝剤、ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸及びチオ乳酸などの安定化剤、食塩、ブドウ糖、マンニトール又はグリセリンなどの等張化剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、ウレタン、エタノールアミン、グリセリンなどの溶解補助剤、グルコン酸カルシウム、クロロブタノール、ブドウ糖、ベンジルアルコールなどの無痛化剤、及び局所麻酔剤などの液体製剤化用の医薬品添加物を用い、常法に従い調製すればよい。
坐剤は、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、ラノリン、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド及びウィテップゾールなどに適当な吸収促進剤を添加し調製すればよい。
ペースト、クリーム及びゲル形態の軟膏剤は、例えば、白色ワセリン、ポリエチレン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン及びベントナイトなどの基剤、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどの保存剤、安定剤、湿潤剤などの医薬品添加物を用い、常法により混合、製剤化すればよい。
貼付剤を製造する場合には、通常の支持体に上記軟膏、クリーム、ゲル又はペーストなどを常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフ及び化学繊維からなる織布又は不織布、軟質塩化ビニル、ポリエチレン及びポリウレタンなどのフィルム又は発泡体シートが使用できる。
上記医薬製剤の投与方法は、特に限定されないが、製剤の形態、患者の年齢その他の条件、患者の症状の程度に応じて適宜決定される。
本発明の医薬の有効成分の投与量は、用法、患者の年齢、疾患の形態、その他の条件などに応じて適宜選択されるが、通常成人に対して1日0.1〜100mg/kgを1回から数回に分割して投与すればよい。
以下の実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、溶離液における混合比は、すべて容量比である。
<実施例1>化合物No.65の合成
Figure 0006470984
無水条件下、4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンズアルデヒド2.0g、メチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート3.8gの混合物を180℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、7−ジエチルアミノクマリンの黄色結晶2.2gを得た。
無水条件下、7−ジエチルアミノクマリン432mgのアセトニトリル50mL溶液にN−ブロモスクシンイミド356mgのアセトニトリル20mL溶液を添加した。室温で18時間撹拌した後、濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)、3−ブロモ−7−ジエチルアミノクマリンの黄色結晶585mgを得た。
アルゴン雰囲気下、3−ブロモ−7−ジエチルアミノクマリン100mgのDMF5mL溶液に、ビストリ−n−ブチルスズ196mg、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム35mgを添加し、80℃で一晩撹拌した。室温に冷却後濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、7−ジエチルアミノ−3−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)クマリン(化合物No.65)
の黄色結晶117mgを得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):1.22(t,12H,J=6.9Hz),3.42(q,8H,J=6.9Hz),6.50(d,2H,J=2.3Hz),6.60(dd,2H,J=2.3Hz,9.2Hz),7.34(d,2H,J=9.2Hz),8.43(s,2H)
<実施例2>化合物No.44及びNo.56の合成
Figure 0006470984
Figure 0006470984
5−ブロモイサチン226mgのメタノール40mL溶液に塩酸1mLを添加した。室温で24時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加して5分撹拌してから、濃縮してメタノールを留去した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、5−ブロモ−3,3−ジメトキシインドリン−2−オンの黄色結晶250mgを得た。
アルゴン雰囲気下、5−ブロモ−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン500mgのトルエン12mL溶液に、ビストリ−n−ブチルスズ1.5mL、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム22mgを添加し、80℃で48時間撹拌した。室温に冷却後濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)、5−(トリブチルスタニル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オンの褐色油状物質750mgを得た。
アルゴン雰囲気下、3−ブロモ−7−ジエチルアミノクマリン30mg、5−(トリブチルスタニル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン48mg、ヨウ化銅(I)4mgのDMF1mL溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム6mgを添加し、55℃で60時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、5−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン、化合物No.44)の白色結晶31mgを得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):1.23(t,6H,J=7.0Hz),3.43(q,4H,J=7.0Hz),3.61(s,6H),6.53(d,1H,J=2.5Hz),6.60(dd,1H,J=2.5Hz,8.8Hz),6.91(d,1H,J=8.2Hz),7.31(d,1H,J=8.8Hz),7.68(s,1H),7.70(dd,1H,J=1.7Hz,8.2Hz),7.75(d,1H,J=1.7Hz),7.78(broad s,1H)
5−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン50mgの80%酢酸10mL溶液を60℃で1時間撹拌した。室温に冷却後、濃縮した残渣に酢酸エチルを添加し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、5−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)イサチン(化合物No.56)の褐色結晶39mgを得た。
H−NMR(500MHz,DMSO−d)δ(ppm):1.12(t,6H,J=7.1Hz),3.43(q,4H,J=7.1Hz),6.55(d,1H,J=2.3Hz),6.73(dd,1H,J=2.3Hz,8.8Hz),6.94(d,1H,J=8.2Hz),7.49(d,1H,J=8.8Hz),7.83(d,1H,J=1.7Hz),7.93(dd,1H,J=1.7Hz,8.2Hz),8.12(s,1H)11.14(s,1H)
<実施例3>化合物No.48の合成
Figure 0006470984
アルゴン雰囲気下、4−ヒドロキシクマリン10g、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム24g、五酸化二リン22gのトルエン150mL溶液を100℃で1時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)、4−ブロモクマリンの白色結晶13gを得た。
アルゴン雰囲気下、4−ブロモクマリン1.8g、5−(トリブチルスタニル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン3.9g、ヨウ化銅(I)0.2gのDMF70mL溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.5gを添加し、55℃で60時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、5−(クマリン−4−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.48)の白色結晶1.5gを得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):3.63(s,6H),6.40(s,1H),7.09(d,1H,J=8.0Hz),7.26〜7.29(1H),7.43(d,1H,J=8.3Hz),7.46(dd,1H,J=1.7Hz,8.6Hz),7.51〜7.52(2H),7.56〜7.59(1H),8.59(s,1H)
<実施例4>化合物No.49の合成
Figure 0006470984
アルゴン雰囲気下、5−ヒドロキシクマリン0.6gのピリジン30mL溶液を氷冷し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物0.8mLを添加し、室温で24時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を1M塩酸、水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)、5−トリフルオロメタンスルホニロキシクマリンの無色結晶0.8gを得た。
アルゴン雰囲気下、5−トリフルオロメタンスルホニロキシクマリン200mg、5−(トリブチルスタニル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン328mg、ヨウ化銅(I)27mgのDMF20mL溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム40mgを添加し、55℃で48時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、5−(クマリン−5−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.49)の褐色結晶144mgを得た。
H−NMR(500MHz,DMSO−d)δ(ppm):3.43(s,3H),3.44(s,3H),6.46(dd,1H,J=2.0Hz,10.0Hz),7.00(dd,1H,J=1.7Hz,8.0Hz),7.30(d,1H,J=8.0Hz),7.35〜7.38(1H),7.40(d,1H,J=8.0Hz),7.43(s,1H),7.62〜7.66(1H),7.79(dd,1H,J=1.7Hz,10.0Hz),10.72(s,1H)
<実施例5>化合物No.51の合成
Figure 0006470984
無水条件下、5−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド5.0g、エチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート3.8gのN,N−ジエチルアニリン250mL溶液を環流下で3時間加熱撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を1M塩酸、水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)、6−ブロモクマリンの黄色結晶3.8gを得た。
アルゴン雰囲気下、6−ブロモクマリン500mg、5−(トリブチルスタニル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン1.0g、酸化銅(I)600mg、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン90mg、酢酸パラジウム50mgのトルエン20mL溶液を環流下で24時間加熱撹拌した。室温に冷却後、濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:トルエン/酢酸エチル=4/3)、5−(クマリン−6−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.51)の黄色結晶200mgを得た。
H−NMR(500MHz,DMSO−d)δ(ppm):3.45(s,6H),6.54(d,1H,J=9.4Hz),6.97(d,1H,J=8.0Hz),7.45(d,1H,J=8.5Hz),7.69(dd,1H,J=1.8Hz,8.0Hz),7.72(d,1H,J=1.8Hz),7.90(dd,1H,J=2.3Hz,8.5Hz),8.05(d,1H,J=2.3Hz),8.12(d,1H,J=9.4Hz),10.69(s,1H)
<実施例6>化合物No.53の合成
Figure 0006470984
Figure 0006470984
6−ブロモイサチン100mgのメタノール50mL溶液に塩酸1mLを添加した。室温で12時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLを添加した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)、6−ブロモ−3,3−ジメトキシインドリン−2−オンの黄色結晶120mgを得た。
アルゴン雰囲気下、3−ブロモ−7−ジエチルアミノクマリン1.0gのトルエン20mL溶液に、ビストリ−n−ブチルスズ2.9mL、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム39mgを添加し、55℃で42時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを添加し、飽和フッ化カリウム水溶液、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してフロリジルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/ジエチルエーテル=4/1)、7−ジエチルアミノ−3−(トリブチルスタニル)クマリンの黄色油状物質754mgを得た。
アルゴン雰囲気下、7−ジエチルアミノ−3−(トリブチルスタニル)クマリン790mg、6−ブロモ−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン440mg、ヨウ化銅(I)35mgのDMF80mL溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム92mgを添加し、55℃で48時間撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、6−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン(化合物No.53)の黄色結晶61mgを得た。
H−NMR(500MHz,DMSO−d)δ(ppm):1.13(t,6H,J=7.0Hz),3.41(s,6H),3.44(q,4H,J=7.0Hz),6.55(d,1H,J=2.3Hz),6.73(dd,1H,J=2.3Hz,8.9Hz),7.25(d,1H,J=1.4Hz),7.31(dd,1H,J=1.4Hz,7.7Hz),7.42(d,1H,J=7.7Hz),7.52(d,1H,J=8.9Hz),8.11(s,1H),10.57(s,1H)
<実施例7>化合物No.60の合成
化合物No.44の代わりに化合物No.48を100mg用いて実施例2と同様に脱アセタール化を行い、5−(クマリン−4−イル)イサチン(化合物No.60)69mgを得た。
H−NMR(500MHz,DMSO−d)δ(ppm):6.46(s,1H),7.08(d,1H,J=8.0Hz),7.36(t,1H,J=8.0Hz),7.45(d,1H,J=8.3Hz),7.50(d,1H,J=8.3Hz),7.66〜7.69(2H),7.75〜7.77(1H),11.29(s,1H)
<実施例8>化合物No.61の合成
化合物No.44の代わりに化合物No.49を100mg用いて実施例2と同様に脱アセタール化を行い、5−(クマリン−5−イル)イサチン(化合物No.61)84mgを得た。
H−NMR(500MHz,DMSO−d)δ(ppm):6.47(d,1H,J=10.0Hz),7.05(d,1H,J=7.8Hz),7.30(dd,1H,J=1.1Hz,7.8Hz),7.42(d,1H,J=8.2Hz),7.53(d,1H,J=2.0Hz),7.63(dd,1H,J=2.0Hz,8.2Hz),7.66(t,1H,J=7.8Hz),7.78(d,1H,J=10.0Hz),11.20(s,1H)
<実施例9>化合物No.62の合成
化合物No.44の代わりに化合物No.51を100mg用いて実施例2と同様に脱アセタール化を行い、5−(クマリン−6−イル)イサチン(化合物No.62)47mgを得た。
H−NMR(500MHz,DMSO−d)δ(ppm):6.53(d,1H,J=9.7Hz),6.93(d,1H,J=8.1Hz),7.44(d,1H,J=9.1Hz),7.73(d,1H,J=2.0Hz),7.86〜7.90(2H),8.05(d,1H,J=2.0Hz),8.08(d,1H,J=9.7Hz),11.84(s,1H)
<実施例10>化合物No.66の合成
Figure 0006470984
7−ジエチルアミノクマリン432mgのDMF2mL溶液にオキシ塩化リン1.53gのDMF5mL溶液を添加した。室温で18時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。反応液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)、7−ジエチルアミノクマリン−3−カルバルデヒドの橙色結晶239mgを得た。
7−ジエチルアミノクマリン−3−カルバルデヒド735mg、トシルメチルイソニトリル585mg、炭酸カリウム414mgのメタノール10mL溶液を環流下で5時間加熱撹拌した。室温に冷却後、反応液に酢酸エチルを添加し、有機層を水、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)、7−ジエチルアミノ−3−(オキサゾ−5−イル)クマリン(化合物No.66)の橙色結晶41mgを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.23(t,6H,J=7.2Hz),3.44(q,4H,J=7.2Hz),6.53(d,1H,J=2.6Hz),6.63(dd,1H,J=2.6Hz,8.8Hz),7.36(d,1H,J=8.8Hz),7.77(s,1H),7.89(s,1H),7.98(s,1H)
<実施例11>化合物No.67の合成
Figure 0006470984
エチル 7−ジエチルアミノクマリン−3−カルボキシレート4.3g、ヒドラジン一水和物3.0mLのエタノール40mL溶液を室温で12分間撹拌した。氷浴で冷却後、析出した結晶をろ取し、クロロホルム、ヘキサンの混合液より再結晶することで7−ジエチルアミノクマリン−3−カルボヒドラジドの黄色結晶2.1gを得た。
7−ジエチルアミノクマリン−3−カルボヒドラジド275mg、オルト酢酸トリメチル1.6gの混合物を180℃で24時間撹拌した。室温に冷却後、濃縮した残渣をクロロホルム5mLに溶解し、ピリジニウムp−トルエンスルホネート50mgを添加後環流下24時間加熱撹拌した。室温に冷却後濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:クロロホルム/酢酸エチル=1/1)、7−ジエチルアミノ−3−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル)クマリン(化合物No.67)の橙色結晶276mgを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.24(t,6H,J=7.3Hz),2.63(s,3H),3.46(q,4H,J=7.3Hz),6.51(d,1H,J=2.4Hz),6.65(dd,1H,J=2.4Hz,8.8Hz),7.64(d,1H,J=8.8Hz),8.41(s,1H)
<実施例12>化合物No.68の合成
Figure 0006470984
エチル 7−ジエチルアミノクマリン−3−カルボキシレート4.0gのDMF90mL溶液に25%アンモニア水溶液90mLを添加し、室温で16時間撹拌した。氷浴で冷却後、析出した結晶をろ取し、クロロホルム、ヘキサンの混合液より再結晶することで7−ジエチルアミノクマリン−3−カルボキサミドの黄色結晶2.9gを得た。
7−ジエチルアミノクマリン−3−カルボキサミド260mg、エチル 2−クロロアセトアセテート3.6gの混合物を環流下で24時間加熱撹拌した。室温に冷却後濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)、エチル 2−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−4−メトキシオキサゾ−ル−5−カルボキシレート(化合物No.68)の橙色結晶148mgを得た。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.24(t,6H,J=7.2Hz),1.42(t,3H,J=7.2Hz),2.56(s,3H),3.46(q,4H,J=7.2Hz),4.41(q,2H,J=7.2Hz),6.52(d,1H,J=2.4Hz),6.64(dd,1H,J=2.4Hz,8.9Hz),7.39(d,1H,J=8.9Hz),8.47(s,1H)
<実施例13>アロマターゼ阻害能の測定
アロマターゼに対する各化合物の阻害活性を、1β−Hアンドロステンジオンがアロマターゼにより変換される際に生じるOの放射能の測定値を元に、アロマターゼの残存活性により評価した。試験管にリン酸緩衝液(pH7.4)、[1β−H]アンドロステンジオン(5×10dpm)溶液、アロマターゼ発現ミクロソーム溶液(Gentest)、NADPHをそれぞれの終濃度が67mM、0.2μM、0.8mM及び0.6mMとなるように添加し、反応液とした。反応液に合成した各化合物のDMSO又はメタノール10μL溶液を終濃度10μM(化合物No.66〜68については終濃度10μM及び1μM、化合物No.65については終濃度4μM)になるように添加し、37℃のインキュベーターで15分間撹拌し、クロロホルム0.5mLを加えて反応を停止させた。遠心分離してから、水層0.2mLをScintisol EX−H 5mL(同仁化学研究所)に添加し、液体シンチレーションカウンター(LSC−6100、日立アロカメディカル)でOの放射能を測定した。別に、上記反応液にDMSO又はメタノール10μLを添加した後、同様に反応を行ったものを残存活性100%の対照値とした。得られた測定値から、合成した化合物の存在下でのアロマターゼの残存活性を計算した。その結果を表4に示す。
Figure 0006470984
また、7−ジエチルアミノ−3−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)クマリン(化合物No.65)について75nM、50nM、25nM、10nMでの残存活性を測定した結果から、そのIC50値は28.75nMと算出された。
本発明における化合物はアロマターゼ阻害活性を有し、アロマターゼ阻害剤としてエストロゲン依存性の疾患、特に閉経後乳がんの治療及び/又は予防のための医薬としての有用性を有する。

Claims (4)

  1. (1)下記式(1)
    Figure 0006470984
    [式(1)中、Xは水素又はC1〜C6のジアルキルアミノであり、R1、R2、R3及びR4はいずれか1の置換基が下記式(2)〜(8)のいずれかであるが他の3の置換基は水素であり、
    Figure 0006470984
    式(3)〜式(8)中、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、C1〜C6のアルキル、C1〜C6のアルコキシカルボニル、置換されていてもよいアミド又は置換されていてもよいフェニルであり、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは、それぞれ独立して、C1〜C6のアルキルを示す]の化合物、その異性体、製薬上許容しうるそれらの塩又はこれらの混合物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤。
  2. 5−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン、
    5−(クマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン、
    5−(クマリン−4−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン、
    5−(クマリン−5−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン、
    5−(クマリン−6−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン、
    6−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−3,3−ジメトキシインドリン−2−オン、
    5−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)イサチン、
    5−(クマリン−3−イル)イサチン、
    5−(クマリン−4−イル)イサチン、
    5−(クマリン−5−イル)イサチン、
    5−(クマリン−6−イル)イサチン、
    7−ジエチルアミノ−3−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)クマリン、
    7−ジエチルアミノ−3−(オキサゾ−5−イル)クマリン、
    7−ジエチルアミノ−3−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル)クマリン及び
    エチル 2−(7−ジエチルアミノクマリン−3−イル)−4−メトキシオキサゾ−ル−5−カルボキシレート
    よりなる群から選択される化合物、その異性体、製薬上許容しうるそれらの塩又はこれらの混合物を有効成分とする、アロマターゼ阻害剤。
  3. 請求項1又は2に記載のアロマターゼ阻害剤を含む、エストロゲン依存性疾患の治療及び/又は予防のための医薬。
  4. 請求項1又は2に記載のアロマターゼ阻害剤を含む、閉経後乳がんの治療及び/又は予防のための医薬。
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