JP6470671B2 - トレミー管構造および杭の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トレミー管構造および杭の施工方法に関する。
通常の場所打ち杭の施工では、地盤に形成した孔内へ鉄筋かごの建込みを行った後、コンクリートの打込み(打設)前に泥水中の2次スライム処理を行っている(例えば、特許文献1−4参照)。杭の沈下は周辺地盤の緩みと孔底のスライムの堆積に起因するところが大きく、鉄道構造物のように沈下が厳しく制限される場合もあり、場所打ち杭工法の施工における2次スライム処理は重要である。
この2次スライム処理には、(a)トレミー管を用いて孔底に沈降したスライムを水中ポンプまたはエアーリフト方式により孔外に吸引排除する方法、あるいは(b)撹拌翼または安定液を噴射する管などを使用して強制的に沈降スライムを撹拌して浮遊させ、堆積させない方法などがある。確実にスライムを除去するには、(a)の方法でスライムを泥水と一緒に吸引し、排出した分だけ良液を坑口より補充する(良液置換と呼ばれている)方法が望ましい。
コンクリートの打込みは、トレミー管内に泥水が侵入しないようにトレミー管内にプランジャを挿入してからコンクリートを流し込み、コンクリートの重量でプランジャを押し下げつつコンクリートをトレミー管下端まで送り、トレミー管下端から排出することで行われる。この際プランジャは孔底に排出され、孔底のコンクリート中に残置される。このように、2次スライム処理とコンクリートの打込みは、同じトレミー管を用いて行う。
特開2001−98549号公報 特開2009−36010号公報 特開昭61−179922号公報 特開平3−194015号公報
鉄筋かごは、一般的に軸方向鉄筋と帯鉄筋を組み合わせた円筒状の形状を有し、底部には、鉄筋かごの形状保持と孔底への鉄筋かごのめり込みを防止するために杭底鉄筋あるいは底部鉄筋と呼ばれる鉄筋が設けられる。この鉄筋は、一般に、井桁状あるいはそれを45度方向にずらした2組を重ねたものなどが用いられる。
図11に示すように、コンクリート500の打込みの最初において、コンクリート500は、矢印に示すように鉛直下向きに流れてトレミー管100の下端から排出された後、孔200の底部から上向きに流動する。その際、かご300の底部の鉄筋301がコンクリート500の流動を阻害するために、コンクリート500がかご300を持ち上げ、いわゆるかご300の浮上りが生じてしまうことがある。
さらに、孔の掘削は、完成後の杭によって十分な支持力が得られるように所定の深度まで行い、さらに支持層となる層を杭径程度掘削して完了となる。この状態だとかご底部は孔底上に配置すればよいが、施工においてはさらに余裕をもって掘削することが多く、また所定の深度まで掘削しても想定していた支持層と確認できる地質に達していないと判断された場合は、支持層に達するまでさらに掘削する。こうした結果、かご底部は孔底からある程度浮いた位置となり、鉄筋かごを泥水中に吊った状態で2次スライム処理とコンクリートの打込みを行うこととなる。
トレミー管下端からスライムを吸引できる範囲はせいぜい管先端の近傍に限られるため、こうした状況において、例えばトレミー管下端がかご底部にある状態で2次スライム処理を行っても、孔底に堆積したスライムを十分吸引排除することは不可能である。現状の技術では、杭の施工管理において吸引排除したスライムの量を直接測定することは困難であり、こうした状況ではスライムの吸引量が十分でないことにより完成後の杭の支持力不足を招く恐れがある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、杭の施工の際に、コンクリート打設時のかごの浮上りを防止し、かつスライム処理を合理的に行うことができるトレミー管構造等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、トレミー管と、前記トレミー管に取付けられた、鋼製部材を用いたかごの底部を押さえるための押さえ部材と、を有し、スライムの吸引口を、前記押さえ部材で前記かごの底部を押さえる場合の前記押さえ部材の押さえ面の位置より下方とできることを特徴とするトレミー管構造である。
本発明では、押さえ部材によりかご底部を押さえてトレミー管の重量を預けることができ、トレミー管から孔底へコンクリートを打設する時にかごの浮き上がりを防止できる。またスライムの吸引口を少なくとも押さえ部材でかご底部を押さえる場合の押さえ面の位置(かご底部に相当する位置)より下方としうる構造を提供することにより、当該吸引口を孔底近傍に配置し2次スライム処理を確実に行うことできる。
前記押さえ部材は、前記トレミー管の軸方向に沿って配置した板材であることが望ましい。
最初に所定の打上がり高さまでコンクリートを打ち込んだ後、トレミー管を引き上げて再度コンクリートを打設するが、押さえ部材として上記のように配置された板材を用いることにより、トレミー管の引き上げが打設済みのコンクリートによって阻害されない。
例えば、前記トレミー管の下端は前記押さえ面の位置より下方にあり、前記トレミー管の下端が前記スライムの吸引口として機能する。この際、前記トレミー管の下端部に、スライド管が昇降可能に外嵌され、前記トレミー管の側面に開口が設けられ、前記スライド管の昇降により前記開口が開閉することが望ましい。
このように、トレミー管の下端を押さえ部材の押さえ面の位置よりも下方に位置させて、これをスライムの吸引口として孔底近傍からスライムの吸引を確実に行うことできる。また、トレミー管の側面に上記した開口を設けておくことで、コンクリート打設時にトレミー管の下端からプランジャがうまく排出できない場合にも、スライド管の移動によりトレミー管の側面の開口を露出させてこの開口からコンクリートの排出が可能である。
また、前記トレミー管の下端部に、スライド管が昇降可能に外嵌され、前記スライド管の下端が前記スライムの吸引口として機能することも望ましい。
この場合、スライド管を下降させてその下端をスライムの吸引口とし、孔底近傍からスライムの吸引ができる。またスライド管を上昇させれば、かご底部を押さえ部材で押えた状態でトレミー管の下端からコンクリートの打設を行うことができる。
前記トレミー管に、下端に可撓管を設けたパイプが挿入され、前記可撓管の端部が前記スライムの吸引口として機能することも望ましい。この際、前記パイプは回転可能な接続部を介して吸引ポンプと接続されることが望ましい。
この場合、トレミー管に挿入されたパイプの下端の可撓管の先端をスライムの吸引口とし、孔底近傍からスライムの吸引ができる。パイプ等を撤去すれば、かご底部を押さえ部材で押えた状態でトレミー管の下端からコンクリートの打設を行うことができる。また回転可能な接続部を介してパイプと吸引ポンプを接続することで、パイプと吸引ポンプを接続した状態で、パイプを回転させて可撓管を孔底で移動させ、まんべんなくスライムの吸引を行うことができる。
前記トレミー管の下端が前記押さえ面の位置より上方にあることが望ましい。
これにより、かご底部より上方からコンクリートの排出を行うことができ、かごの浮き上がり防止に寄与するとともに、プランジャが好適に排出できる。
前記押さえ部材は移動可能であり、前記トレミー管の側面に沿った状態、および前記トレミー管の側方へ跳ね上がった状態とできることが望ましい。
押さえ部材を移動可能とし、コンクリート打設時にはトレミー管の側方へ跳ね上がった状態としてかごの底部を押さえ、トレミー管の引き上げ時にはトレミー管の側面に沿った状態とすれば、トレミー管の引き上げはよりスムーズにできる。
第2の発明は、第1の発明のトレミー管構造を利用した杭の施工方法であって、地盤に孔を形成し、前記孔に鋼製部材を用いたかごを挿入する工程と、前記トレミー管を前記かごに挿入し、前記吸引口が前記かごの底部より下方に位置する状態で、前記孔の底部のスライムを吸引する工程と、前記押さえ部材で前記かごの底部を押さえた状態で、前記トレミー管からコンクリートを打設する工程と、を有する杭の施工方法である。
本発明により、杭の施工の際に、コンクリート打設時のかごの浮上りを防止し、かつスライム処理を合理的に行うことができるトレミー管構造等を提供することができる。
トレミー管構造1を示す図 杭の施工方法を示す図 杭の施工方法を示す図 かご底部の鋼材31を示す図 トレミー管10の下端部付近を示す図 トレミー管10の下端部付近を示す図 トレミー管構造1aを示す図 トレミー管10の下端部付近を示す図 トレミー管構造1bを示す図 トレミー管10の下端部付近を示す図 かご300の浮き上がりを示す図
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.トレミー管構造1)
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るトレミー管構造1を示す図である。図1(a)に示すように、本実施形態のトレミー管構造1では、トレミー管10の下端部に、スライド管11と翼板12が設けられる。
スライド管11はトレミー管10に外嵌され、周方向において翼板12を避けた位置に、下方へと延びる目隠し板110を有する。スライド管11はトレミー管10の軸方向に沿って昇降可能であり、スライド管11には上方に延びるワイヤー13aが昇降用に取り付けられている。トレミー管構造1による杭の施工時、このワイヤー13aは、後述する地盤の孔(図2(a)等の21参照)の頂部(坑口)まで延びているものとする。
翼板12(押さえ部材)は略三角形の安定翼形状を有する板材である。翼板12はトレミー管10の外周に沿って少なくとも2枚設けられる。本実施形態では4枚の翼板12がトレミー管10の周方向に等間隔(90°間隔)で設けられる。各翼板12は、トレミー管10の軸方向に沿って配置され、上端部がトレミー管10の側面にピン接合によって取り付けられる。また各翼板12はワイヤー13bによってスライド管11に接続される。
ワイヤー13aを緩めた状態では、図1(a)に示すようにスライド管11がトレミー管10の下端にあり、翼板12がトレミー管10の側面に沿って配置された(閉じた)状態となっている。
一方、ワイヤー13aを上方から引張ると、図1(b)に示すようにスライド管11が上昇し、これに伴い翼板12がワイヤー13bに引張られ、トレミー管10の側方に跳ね上がった状態となる。本実施形態では、この時の翼板12の下面121(押さえ面)で後述するかご(図2(b)等の30参照)の底部を押さえることができ、トレミー管10の下端はこの押さえ面121の位置より下にある。
翼板12はピン120の位置を中心として約90度の角度で回転移動し、図1(b)の状態からはそれ以上回転しないように取り付けられている。ワイヤー13aを緩めるとスライド管11が下降し、これに伴いワイヤー13bが緩み翼板12が逆方向に回転移動して図1(a)の状態に戻る。
なお、翼板12を図1(b)に示すように跳ね上げた際、トレミー管10の中心に関し対称となる位置にある一対の翼板12の外側の端部同士の間隔Dは、後述するかご底部の縦あるいは横に並んだ鋼材(図4の31参照)の間隔よりも大きく設定する。
トレミー管10の下端部の側面では、コンクリートが排出できる開口101が前記の押さえ面121より下方に設けられており、図1(a)に示すようにワイヤー13aが緩んでスライド管11が下降した状態では目隠し板110により塞がれて(閉じられて)いるが、図1(b)に示すようにスライド管11を上昇させると露出される(開く)ようになっている。本実施形態では、開口101がトレミー管10の中心に関して対称に2箇所配置され、その合計の開口面積はトレミー管10の断面積とほぼ等しいかそれ以上である。ただし、開口101を省略することもできる。
(2.杭の施工方法)
次に、図2、3等を参照して本実施形態に係る杭の施工方法について説明する。本実施形態では、まず図2(a)に示すように地盤20を掘削して孔21を形成する。孔21には掘削に伴う泥水22が存在する。
孔底のスライムの1次処理を行った後、図2(b)に示すように鉄筋等の鋼製部材によるかご30を孔21内に挿入して配置する。かご30の上端部は坑口で支持され、かご30の底部は孔底より上方に位置する。かご30の底部では、図4に示すように鋼板や鉄筋等の鋼材31が縦横に井桁状に配置され、少なくともその中央部には図1(a)に示したトレミー管10の下端部を挿通できるだけの開口が存在する。
図2(c)に示すようにトレミー管10をかご30内に挿入し、トレミー管10の下端を、かご底部の鋼材31の間からかご底部の下方へと突出させ、孔底近傍に配置する。この状態のトレミー管10の下端部付近を示すのが図5(a)であり、ワイヤー13aが緩んだ状態(図1(a)参照)でトレミー管10がセットされる。
この状態で、トレミー管10を用いて2次スライム処理を行う。すなわち、トレミー管10の上端部に吸引ポンプ(不図示)等を接続し、トレミー管10の下端から孔底のスライムを吸い上げる。
数か所に分けてスライムの吸引を行いスライムを可能な限り排除した後、トレミー管10の下端をかご底部の上方まで引き上げ、ワイヤー13aを坑口から引張り図1(b)に示したようにスライド管11を上昇させるとともに翼板12をトレミー管10の側方に跳ね上げる。
この状態で再度トレミー管10を吊り下ろし、図2(d)に示すように翼板12をかご底部の鋼材31に乗せてトレミー管10の重量をかご底部に預ける。この状態のトレミー管10の下端部付近を示すのが図5(b)であり、トレミー管10の下端がかご底部より下方にあり、トレミー管10の側面の開口101が開いた状態となっている。この開口101も同じくかご底部より下方にある。
この後、トレミー管10内にプランジャを装着し、ワイヤー13aを引張ったまま、スライムが再び堆積する前にコンクリートの打込みを開始する。かご底部にトレミー管10の重量を預けてコンクリートを打ち込むため、かご30の浮き上がりは防止される。
コンクリートの打設に伴い、図6(a)に示すようにプランジャ40はトレミー管10の下端から抜けて孔底に排出され、コンクリートはトレミー管10の下端と側面の開口101の両方から排出される。例えばトレミー管10の下端と孔底の間隔が小さくトレミー管10の下端からプランジャ40が排出できない場合も、コンクリートはトレミー管10の側面の開口101から問題なく排出できる。図6(a)のようにプランジャ40が排出できる場合では、図6(b)に示すようにワイヤー13aを緩めてスライド管11を下げ、目隠し板110により開口101を塞いでトレミー管10の下端のみからコンクリートの打設を行ってもよい。
トレミー管10の下端あるいは開口101はかご底部より下にあるので、コンクリートを孔底に直に流し込むことができ、泥水22の混入を最小限にできる。またコンクリートがかご底部の鋼材31に直接流動して当たると反力でトレミー管10が浮いたり、ずれたりしてしまう恐れがあるが、この例ではそのような問題が生じない。
こうして図3(a)に示すようにかご底部の上方の所定の打上がり高さ(例えば孔底から4m程度)までコンクリート50を打ち込んだ後、トレミー管10を引き上げ、図3(b)に示すようにトレミー管10の下端がコンクリート50の上面付近に2m程度埋まった状態とする。トレミー管10の引き上げ時にワイヤー13aを緩めておくと、翼板12が閉じてコンクリート50による引き上げ抵抗が小さくなり、トレミー管10の引き上げがスムーズにできる。
この後は通常どおり、トレミー管10によるコンクリート打設と上記したトレミー管10の引き上げを繰り返す。既にかご底部がコンクリート50に埋まった状態なのでかご30の浮き上がりも心配する必要は無い。こうして図3(c)に示すように所定高さまでコンクリート50を打ち込んだらコンクリート50の打設作業を終了する。
なお、上記の例では翼板12を回転移動可能としたが、図1(b)に示したような配置で翼板12をトレミー管10に予め固定してもよい。この場合でも、2次スライム処理時にトレミー管10を図6(b)と略同様の配置として孔底近傍にあるトレミー管10の下端からスライムの吸引ができる。ただし、前記のように翼板12が移動可能であると、2次スライム処理時に図5(a)に示すように翼板12を閉じてトレミー管10を鋼材31の間に通すことで、トレミー管10の下端をより深い位置とできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、翼板12でかご30の底部を押さえトレミー管10の重量を預けることができ、トレミー管10から孔底へコンクリートを打設する時に、かご30の浮き上がりを防止することができる。またトレミー管10の下端を少なくとも翼板12でかご底部を押さえる場合の押さえ面121(かご底部に相当する位置)より下方とし、これをスライムの吸引口として孔底近傍からスライムの吸引を確実に行うことができ、トレミー管10の下端から孔底まで離隔があるため十分にスライムを吸引できない、といったことはない。
また、かご底部の押さえ部材としてトレミー管10の軸方向に沿って配置された翼板12を用いることで、図3(b)に示したようにトレミー管10を引き上げる際、トレミー管10の引き上げが打設済みのコンクリート50によって阻害されない。また翼板12を移動可能とし、コンクリート打設時にはトレミー管10の側方へ跳ね上がった状態としてかご底部を押さえ、トレミー管10の引き上げ時にはトレミー管10の側面に沿った状態とすれば、トレミー管の引き上げはよりスムーズにできる。
また、トレミー管10の側面に前記した開口101を設けておくことで、コンクリート打設時にトレミー管10の下端からプランジャ40がうまく排出できない場合にも、スライド管11の移動によりトレミー管10の側面の開口101を露出させてこの開口101からコンクリート50の排出が可能である。
しかしながら、本発明がこれに限ることはない。例えば、トレミー管10の開口101は翼板12の押さえ面121よりも上方に設けることもでき、この場合はかご底部より上方からコンクリート50の排出を行うことができるので、コンクリート打設時に孔底から上方へと流動するコンクリートの量が減り、かご30の浮き上がり防止に寄与する。さらに、スライド管11や開口101を省略することもできる。この場合、翼板12はワイヤー等を用いて直接坑口から操作すればよい。
以下、本発明の別の例について第2、第3の実施形態として説明する。各実施形態は第1の実施形態と異なる点について説明し、同様の点については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。
[第2の実施形態]
(1.トレミー管構造1a)
図7(a)は第2の実施形態に係るトレミー管構造1aを示す図である。図7(a)に示すように、第2の実施形態のトレミー管構造1aでは、トレミー管10の下端に、スライド管11aと翼板12aが設けられる。
スライド管11aはトレミー管10に外嵌され、周方向において翼板12aと対応する位置に、下端から上方に延びるスリット111を有する。スライド管11aはトレミー管10に沿って昇降可能であり、スライド管11aには上方に延びるワイヤー13aが昇降用に取り付けられている。トレミー管構造1aによる杭の施工時、このワイヤー13aは坑口まで延びている。
翼板12aは略三角形の安定翼形状を有する板材であり、トレミー管10の外周に沿って少なくとも2枚設けられる。本実施形態では4枚の翼板12aがトレミー管10の周方向に等間隔(90°間隔)で設けられる。各翼板12aは、トレミー管10の軸方向に沿って配置され、その上端がトレミー管10の下端にリブ状に固定される。
本実施形態では、翼板12aの下面121a(押さえ面)により、かご底部を押さえることができ、トレミー管10の下端はこの押さえ面121aよりも上にある。またトレミー管10の中心に関し対称となる位置にある一対の翼板12aの外側の端部同士の間隔Dは、かご底部の縦あるいは横に並んだ鋼材31の間隔よりも大きく設定する。
ワイヤー13aを引張った状態では、図7(a)に示すようにスライド管11aの下端がトレミー管10の下端より上にあるが、ワイヤー13aを緩めると、図7(b)に示すようにスライド管11aが下降し、スリット111に翼板12aが通されて、スライド管11aの下端が翼板12aの押さえ面121aよりも下方に突出した状態となる。
(2.杭の施工方法)
本実施形態では、前記と同様にかご30を建て込んだ後、2次スライム処理工程(前記の図2(c)に対応)において、図7(b)に示したように、トレミー管10をワイヤー13aを緩めた状態でかご30内に挿入し、図8(a)に示すように翼板12aをかご底部の鋼材31に乗せてかご底部を押さえ、スライド管11aの下端をかご底部の鋼材31の間からかご底部の下方に突出させた状態で2次スライム処理を行う。スライド管11aの下端は孔底近傍にあり、スライド管11aの下端から孔底のスライムを吸い上げることができる。
数か所に分けてスライムの吸引を行った後、かご底部の中央付近にトレミー管10を移動させ、図8(b)に示すように、翼板12aでかご底部を押さえた状態で、ワイヤー13aを坑口から引張り、スライド管11aの下端をトレミー管10の下端と同等以上に引き上げる。
この後は、前記と同様、プランジャをトレミー管10内に装着しコンクリートの打込みを開始する。本実施形態では、プランジャが通常どおりトレミー管10の下端から排出され、コンクリートもトレミー管10の下端から問題なく排出される。コンクリートはかご底部よりも上方から排出され、またかご底部にはトレミー管10の重量が預けられているので、かご30の浮上りは生じない。
前記と同様、かご底部の上方の所定の打上がり高さ(図3(b)参照)までコンクリートを打ち込んだ後、トレミー管10を引き上げる。その際、ワイヤー13aの引張り等は特に不要である。この後も前記と同様にして所定高さまでコンクリートを打設することができる。
この第2の実施形態では、スライド管11aを下降させてその下端部をかご30の底部から下方に位置させ、これをスライムの吸引口とできる。またスライド管11aを上昇させれば、かご底部を翼板12aで押えた状態でトレミー管10の下端からコンクリートの打設を行うことができる。本実施形態ではトレミー管10の下端が押さえ面121aの位置より上方にあり、かご底部より上方からコンクリートの排出を行うことができるので、かご30の浮き上がり防止に寄与するとともに、プランジャが好適に排出できる。
[第3の実施形態]
(1.トレミー管構造1b)
図9(a)は第3の実施形態に係るトレミー管構造1bを示す図である。図9(a)に示すように、第3の実施形態のトレミー管構造1bでは、トレミー管10の内部に鋼管等のパイプ15が挿入され、パイプ15の下端に可撓管であるバキュームホース151(フレキシブルホース)が取付けられる。
トレミー管10の下端部には、第2の実施形態と同様の翼板12aが取付けられる。バキュームホース151はトレミー管10の下端から突出し、その先端を翼板12aの押さえ面121aよりも下方とできる。
図9(b)に示すように、パイプ15の上端部には回転可能な接続部であるスイベルジョイント153が設けられる。パイプ15はスイベルジョイント153を介して吸引ポンプと接続され、この状態でパイプ15は周方向に回転自在である。本実施形態では、スイベルジョイント153を吊材16で吊ってパイプ15を支持しているが、スイベルジョイント153を地盤20上に設けた架台(不図示)に仮固定したり、トレミー管10に仮固定したりしてもよい。
(2.杭の施工方法)
本実施形態では、前記と同様にかご30を建て込んだ後、2次スライム処理工程(前記の図2(c)に対応)において、トレミー管10をかご30内に挿入し、翼板12aをかご底部の鋼材31に乗せてかご底部を押さえる。そして、パイプ15をトレミー管10内に挿入し、図10(a)に示すようにバキュームホース151をトレミー管10の下端から突出させて鋼材31の間からかご底部の下方へと延ばし、2次スライム処理を行う。このバキュームホース151の先端は孔底近傍にあり、その端部から孔底のスライムを吸い上げることができる。
トレミー管10の位置は変えることなく、パイプ15の挿入深度の調整とパイプ15の回転により、図の点線に示すようにバキュームホース151の先端を移動でき、この先端を孔21の底面全体に移動することで、まんべんなくスライムの吸引を行うことができる。バキュームホース151は、その可撓性から孔21の底面に沿って緩やかに曲がる。バキュームホース151の長さは、孔21の底面の外周近傍まで延び得る長さとする。
2次スライム処理終了後は、図10(b)に示すようにパイプ15やバキュームホース151等をトレミー管10から撤去し、第2の実施形態と同様、プランジャをトレミー管10内にセットしてコンクリートを打設する。この間もトレミー管10の重量は翼板12aによりかご底部に預けたままである。
本実施形態でも、プランジャが通常どおりトレミー管10の下端から排出され、コンクリートもトレミー管10の下端から問題なく排出される。コンクリートはかご底部よりも上方から排出され、またかご底部にはトレミー管10の重量が預けられているので、かご30の浮上りは生じない。以降の処理は第2の実施形態と略同様であるので説明を省略する。
この第3の実施形態では、トレミー管10に挿入されたパイプ15の下端のバキュームホース151をかご30の底部から下方に位置させ、これをスライムの吸引口とできる。また、かご底部に鋼材31が密に配置されている場合でも鋼材31間にバキュームホース151を通して下方に延ばすことができ、パイプ15の回転等により孔底のスライムをまんべんなく吸引できる。またパイプ15等を撤去すれば、第2の実施形態と同様、かご底部を翼板12aで押えた状態でかご底部の上方からコンクリートの打設を行うことができ、かご30の浮き上がり防止に寄与するとともに、プランジャが好適に排出できる。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b;トレミー管構造
10;トレミー管
11、11a;スライド管
12、12a;翼板
13a、13b;ワイヤー
15;パイプ
16;吊材
20;地盤
21;孔
22;泥水
30;かご
31;鋼材
40;プランジャ
50;コンクリート
101;開口
110;目隠し板
111;スリット
120;ピン
121、121a;押さえ面
151;バキュームホース
153;スイベルジョイント

Claims (10)

  1. トレミー管と、
    前記トレミー管に取付けられた、鋼製部材を用いたかごの底部を押さえるための押さえ部材と、
    を有し、
    スライムの吸引口を、前記押さえ部材で前記かごの底部を押さえる場合の前記押さえ部材の押さえ面の位置より下方とできることを特徴とするトレミー管構造。
  2. 前記押さえ部材は、前記トレミー管の軸方向に沿って配置した板材であることを特徴とする請求項1に記載のトレミー管構造。
  3. 前記トレミー管の下端が前記押さえ面の位置より下方にあり、
    前記トレミー管の下端が前記スライムの吸引口として機能することを特徴とする請求項1または請求項2記載のトレミー管構造。
  4. 前記トレミー管の下端部に、スライド管が昇降可能に外嵌され、
    前記トレミー管の側面に開口が設けられ、前記スライド管の昇降により前記開口が開閉することを特徴とする請求項3記載のトレミー管構造。
  5. 前記トレミー管の下端部に、スライド管が昇降可能に外嵌され、
    前記スライド管の下端が前記スライムの吸引口として機能することを特徴とする請求項1または請求項2記載のトレミー管構造。
  6. 前記トレミー管に、下端に可撓管を設けたパイプが挿入され、
    前記可撓管の端部が前記スライムの吸引口として機能することを特徴とする請求項1または請求項2記載のトレミー管構造。
  7. 前記パイプは回転可能な接続部を介して吸引ポンプと接続されることを特徴とする請求項6記載のトレミー管構造。
  8. 前記トレミー管の下端が前記押さえ面の位置より上方にあることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載のトレミー管構造。
  9. 前記押さえ部材は移動可能であり、前記トレミー管の側面に沿った状態、および前記トレミー管の側方へ跳ね上がった状態とできることを特徴とする請求項2に記載のトレミー管構造。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載のトレミー管構造を利用した杭の施工方法であって、
    地盤に孔を形成し、前記孔に鋼製部材を用いたかごを挿入する工程と、
    前記トレミー管を前記かごに挿入し、前記吸引口が前記かごの底部より下方に位置する状態で、前記孔の底部のスライムを吸引する工程と、
    前記押さえ部材で前記かごの底部を押さえた状態で、前記トレミー管からコンクリートを打設する工程と、
    を有する杭の施工方法。
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