JP5070186B2 - 現場打ち杭工法 - Google Patents
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Description
この発明の施工法は,単杭またはラップ連続杭の施工が可能である。その理由は,ワンタッチジョイント式ドリルロッドは,角ロッドで断面積が大きく剛体で孔曲がりしないロッドであって,掘削ビットはガイドの鋼管が長く重量が大きいので吊り掘り掘削方法を取ることができ,垂直精度が高く孔曲がりしないように工夫されているからである。なお,モルタルは砂分を含む流動体であるが,ここでいう「固化剤」とは砂分を混入させずにセメントを主体とした流動性のある流動体を指す。
また,ここに開発した掘削機は回転トルクが大きく回転テーブル方式にて角ロッドに回転トルクを伝達する仕組になっている。従来工法のボーリングマシンを使ったBH工法では,上記の理由で孔曲がりするので連続柱列式BH杭を構築しても杭間の間が空いてしまい止水性が期待できないことから補助工法として止水のための薬液注水工法が採用されてきたが,本発明工法では確実にラップ杭にて連続柱列杭の施工ができるので止水目的の薬液注水工事が不要になって工費の大幅な削減と,工期の短縮も期待でき,さらに,施工場所が狭く止水目的の補助工法の薬液注入工事に必要な用地が確保できない場合でも支障なく実施できる。
前述のように,場所打ち杭工法には,BH工法とTBH(トップドライブリバース)工法があるが,本発明は従来工法と施工順序が全く異なっており,これら二つの工法の特性を兼ね備えると共に,如何なる施工条件でも柔軟に対応できる現場打ち杭工法を提供することを目的とする。
泥水の比重を1.04から1.35に維持すると共に,送水量を従来工法の4〜8倍程度として,スライムの排出速度を大きくしてスライム巻き込みを少なくするようにした請求項1に記載の現場打ち杭工法である。
請求項3は,固化剤と掘削孔内泥水との比重差が大きい場合には,(a)下端中央を開口させた円筒状重錐を使用し;比重差が0.15〜0.20のときには,(b)下端中央を開口させた前記重錘の外周に,削孔壁に近接する幅を有し,かつ当該重錘の外周高さ方向に間隔をおいて弾力性のある数段のリング状鍔,プレートリングまたはヒレを固着した円筒状重錘,若しくは(c)外周下部に下端を結束して垂れ下げたスカート状ヒレを具えた円筒状重錐を使用し;前記(b)の鍔付き円筒状重錘の場合には,リング状鍔,プレートリングまたはヒレによって削孔壁と密着させて固化剤を充填し,(c)のスカート状ヒレを具えた円筒状重錐の場合には,該重錘を削孔底近くに挿入したのち,固化剤圧送によるヒレ部内圧上昇により前記結束部が開放されて重錐下部から削孔底に固化剤を圧送することで,前記削孔底の泥水と混ざり合わずに分離させて注入充填した固化剤と完全に置き換わるようにした請求項1または2に記載の現場打ち杭工法である。
削孔する際には,特許第3833624号に開示したように上下方向の連結をワンタッチで行うようにした角筒形ドリルロッド(又は角形外套付ドリルパイプ,図示省略)の先端に取り付けたビットにより設定深さまで孔曲がりを起こすことなく垂直に削孔する。ドリルロッドを引き上げたのち,削孔1内に孔径より小径とした円筒状重錘形の固化剤注入器具4を孔底近くまで吊り下ろすが,注入器具4の内部に設けたカプラー2aに固化剤圧送用高圧ホース(例えば直径50〜70mm)2の先端を固着して,ワイヤ3を用いて重錘を孔底まで吊り下ろす。
注入器具(円筒状重錘)4は,円形の上板4a,円筒形の側板4b,上板4aを貫通して側板中央に固着された内筒(固化剤圧送受口)4c,内筒内に設けた高圧ホース2のカプラー2aとから構成され,さらに側板4bの縁部に数個のワイヤ掛止部4dを備えており,内筒を除く上板4a,円筒形の側板4bで囲まれた部分は重錘部材5とされている。
本発明では,掘削直後に固化剤を注入してから芯材を建て込むようにし,掘削時には太い角筒形ロッドを前記のように,ワンタッチジョイント式ドリルロッドを使用したうえ送水量を従来工法の数倍とすることで,スライムの排出を早くし,スライム捲き込みを少なくしたため泥水比重が高くならない。すなわち,孔内で固化剤が泥水と混じり合わない条件として泥水比重が高くならないことが重要なポイントである。このように,ロッドが太い(角筒)ため削孔の孔曲がりを殆んど起ささず,掘削後の孔内状況が常に安定した状況になっているので,固化剤充填後に芯材を正確に建て込むことができる。ただし,固化剤として生コンクリートを使用する場合には従来工法と同じく鉄筋又は芯材建込み後に生コンクリートを打設する。
また,従来工法では芯材建て込みを先行する。その間に孔内泥水中に混入する細粒スライムが沈殿し孔底に残留してしまう現象が見られた。次に,細い注入パイプを使って,再度孔内を洗浄しながら充填剤を孔底から孔底より圧送し細い注入パイプを通して充填していたが,芯材が障害となり充填剤が完全に孔内泥水と置換して充填することはできなかった。これに対し,本発明では,重錐筒の上部センターに設けたカップラーに接続した高圧ホースを用いて固化剤を孔底から充填し,注入量に応じて除々に重錐筒を引き上げることによって,充填剤を孔内泥水と確実に置換して充填することができる。
固化剤と掘削孔内泥水との比重差が大きい場合には,図1に示すように,下端を開口させた円筒状重錐である注入器具を使用し,比重差が0.15〜0.20のときには,図2に示すように,重錘下端を開口させると共に,外周壁3bに削孔壁に近接する幅を有し,かつ当該重錘の外周高さ方向に間隔をおいて弾力性のある数段のプレートリングまたはヒレ6,6を固着した円筒状重錘3を用いて孔底まで吊り下ろし固化剤を孔底より徐々に充填することで,安定液と固化剤とが混ざり合うことなく置き換わる。固化剤を注入する際に,2種類の流体(安定液と充填剤液)の比重差が少ないと孔内で混ざり合って固化強度が不足するので,混ざり合わないようにして置き換えることが重要であるが,重錐3の円筒外壁に上下間隔をおいて弾力性のある円環状のシート4,4を取り付ける。
図3に示すように,弾力性ある逆流防止用の円筒ヒレ(プレートリング又はボール状)7の上部7aを重錘側板下部近くに固着して垂れ下げる場合には,スカート状のシートは長目にして泥水が入り込まないように紐8で結ぶ。シート内部に圧力が加わると紐8が外れるようにしておき,或いは,孔底まで高圧ホースを取り付けてある円筒状重錐4を孔底まで投下したらスカート状の下部近くを絞って結んだシート7の結束紐8が注入圧を受け外れて円柱状に開かせ(図4),孔底から泥水と混ざり合わずに充填剤を充填し安定液と完全に置き換える。注入量を見ながら重錐を徐々に引き上げて行くことで泥水と充填剤液が孔内で混ざり合わないようにして置き換える。注入器具(円筒状重錘)4の下部にスカート状の弾力性のある円柱のシート7を取り付ける場合(図3)には,スカート状のシートを長目にして上の個所を泥水が入り込まないように紐で結んでシート内部に圧力が加わると外れる(図4)ようにしておき,さらに,孔底まで高圧ホースを取り付けてある重錐を孔底まで投下したのち,充填剤をスカート状の元を結んだシートが円柱状に開き孔底から泥水と混ざり合わずに注入充填し安定液と完全に置き換え注入量を見ながら重錐を徐々に引き上げる。
削孔1の終了後に,注入器具(円筒状重錘)4を孔底より少し浮かせた状態まで吊り下げ静止させる。デリバリーホース(高圧ホース)を通して固化剤9を圧送し,固化剤が孔底に到達したら重錐4を孔底まで下げ,小さく上下運動させて孔底スライムを除去すると同時に固化剤を孔底に確実に充填させ,杭先端と支持層の密着性を高める。注入作業は重錐3を上下運動させながら静かに,徐々に上の方に移動させ,孔底に均等に固化剤が充填されるように注入作業を続ける。すなわち,下部に富配合固化剤注入後,重錐を上下させて撹拌したのち,富配合固化剤が充填された上まで引き上げ,引き続き貧配合固化剤を注
入することも可能である。
芯材10を建て込む際には,重錐3を孔底から少し浮かせた状態まで吊り下げ静止させる。高圧ホース2を通して固化剤を圧送し,固化剤が孔底に到達したら重錐を孔底まで下げ,小さく上下運動させる。孔底スライムを除去すると同時に固化剤を孔底に確実に充填させ,杭先端と支持層の密着性を高める。注入作業は,重錐を上下に運動させながら徐々に上の方に移動させ,孔底に均等に固化剤が均等に充填されるように注入作業を続ける。固化剤を孔底から充填し,注入量に応じて除々に重錐筒を引き上げながら孔内泥水と置換する。圧送する際に,孔内安定剤と固化剤との比重差が小さい場合でも,前記2種類の流体(安定剤液と充填剤液)が孔内で混ざり合わないようにして置き換えることができる。
掘削機は回転トルクが大きく回転テーブル方式にて角ロッドに強力な回転トルクを直接伝達する仕組になっていることなど,である。このため,下記のような効用を発揮する。すなわち,従来工法のボーリングマシンを使ったBH工法では,上記の理由で孔曲がりするので連続柱列式BH杭を構築しても孔が曲がっているので杭間の間が空いてしまい止水性が期待できないことから補助工法として止水の為の薬液注水工法が採用されてきました。本工法は確実にラップ杭にて連続柱列杭の施行が出来るので止水目的の薬液注水工事が不要になり工費が大幅に低減し,工期短縮も期待できる。さらに,施工場所が狭く止水目的の薬液注入工事に必要な用地が無い場合にも有効な工法である。
すなわち,施工順序からみると,従来工法は,掘削→芯材建込み→注入であるに対し,本工法は,掘削→固化剤注入充填→芯材建込みで,確実に固化剤の充填ができる。連続柱列杭について従来工法では,連続H鋼モルタル杭なので杭間の隙間が生じるため,止水用として補助工法の薬液注入が必要であったが,本発明工法によれば,連続ラップ杭の施工が可能で,かつ止水用補助工法としての薬液注入工法が不要となる。さらに,固化剤注入について,従来工法は,掘削後に芯材建込みしてから細い注入パイプを挿入しモルタルを孔底より圧送し充填するので不完全な充填となる。本工法では,掘削後に重錐を使って固化剤を注入充填してから最後に芯材を建て込むので,孔壁全面に固化剤が確実に注入充填される。
パイプを孔底迄挿入してから置き換えるが充填が不完全である。本工法では,掘削直後に円筒状の重錐に圧送用高圧ホースを取り付けて吊り降ろし,孔底より注入量に応じて徐々に充填して行くので全面に確実に固化剤が充填される。固化剤と孔内泥水との比重差の度合いの違いで3種類の注入用重錐を使い分ける。なお,支持杭に芯材を挿入する際に,杭の下部は富配合固化剤を,上部は貧配合固化剤を注入充填しても良いが,土留杭の場合には全杭孔に貧配合固化剤を注入充填する。
2a カプラー 3 ワイヤ
4 注入器具(円筒状重錘) 4a 重錐の上板
4b 重錐の側板 4c 内筒(固化剤圧送受口)
4d ワイヤ掛止部 5 注入器具内部の重錘部材
6 プレ−トリング(ヒレ) 7 スカート状ヒレ具(筒状シート)
7a スカート状ヒレ具の固着部 8 結束部(結束紐)
9 固化剤 10 芯材
Claims (3)
- 角筒形ドリリングロッドにより削孔の孔曲がりを殆んど起さないようにして削孔後,高圧ホースを用いて削孔内に固化剤を注入してから芯材を建て込む杭工法であって,
前記高圧ホースの先端近くに当該ホースより大径で,中央に固化剤注入用通路を有する円筒状重錐を固着して,前記固化剤を削孔底から注入充填し,前記削孔内に固化剤を送り込み,
注入量に応じて前記重錐を徐々に引き上げることにより,削孔内で削孔内泥水と固化剤を置き換えたのち,孔内に芯材を建て込むことを特徴とする現場打ち杭工法。 - 前記泥水の比重を1.04から1.35に維持すると共に,送水量を従来工法の4〜8倍程度として,スライムの排出速度を大きくしてスライム巻き込みを少なくするようにした請求項1に記載の現場打ち杭工法。
- 固化剤と削孔内泥水との比重差が大きい場合には,(a)下端中央を開口させた円筒状重錐を使用し,
比重差が0.15〜0.20のときには,(b)下端中央を開口させた前記重錘の外周に,削孔壁に近接する幅を有し,かつ当該重錘の外周高さ方向に間隔をおいて弾力性のある数段のリング状鍔,プレートリングまたはヒレを固着した円筒状重錘,若しくは(c)外周下部に下端を結束して垂れ下げたスカート状ヒレを具えた円筒状重錐を使用し,
前記(b)の鍔付き円筒状重錘の場合には,リング状鍔,プレートリングまたはヒレによって削孔壁と密着させて固化剤が充填でき,(c)のスカート状ヒレを具えた円筒状重錐の場合には,該重錘を削孔底近くに挿入したのち,固化剤圧送によるヒレ部内圧上昇により前記結束部が開放されて重錐下部から削孔底に固化剤を圧送することで,前記削孔底の泥水と混ざり合わずに注入充填した固化剤と完全に置き換わるようにした請求項1または2に記載の現場打ち杭工法。
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