JP6470352B2 - 酸化物半導体薄膜 - Google Patents

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Description

本発明は、スパッタリングターゲット、酸化物半導体薄膜及びそれらの製造方法に関する。
薄膜トランジスタ(TFT)等の電界効果型トランジスタは、半導体メモリ集積回路の単位電子素子、高周波信号増幅素子、液晶駆動用素子等として広く用いられており、現在、最も多く実用されている電子デバイスである。なかでも、近年における表示装置のめざましい発展に伴い、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(EL)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の各種の表示装置において、表示素子に駆動電圧を印加して表示装置を駆動させるスイッチング素子として、TFTが多用されている。
電界効果型トランジスタの主要部材である半導体層(チャンネル層)の材料としては、シリコン半導体化合物が最も広く用いられている。一般に、高速動作が必要な高周波増幅素子や集積回路用素子等には、シリコン単結晶が用いられている。一方、液晶駆動用素子等には、大面積化の要求から非晶質性シリコン半導体(アモルファスシリコン)が用いられている。
アモルファスシリコンの薄膜は、比較的低温で形成できるものの、結晶性の薄膜に比べてスイッチング速度が遅いため、表示装置を駆動するスイッチング素子として使用したときに、高速な動画の表示に追従できない場合がある。具体的に、解像度がVGAである液晶テレビでは、移動度が0.5〜1cm/Vsのアモルファスシリコンが使用可能であったが、解像度がSXGA、UXGA、QXGAあるいはそれ以上になると2cm/Vs以上の移動度が要求される。また、画質を向上させるため駆動周波数を上げるとさらに高い移動度が必要となる。
一方、結晶性のシリコン系薄膜は、移動度は高いものの、製造に際して多大なエネルギーと工程数を要する等の問題や、大面積化が困難という問題があった。例えば、シリコン系薄膜を結晶化する際に800℃以上の高温や、高価な設備を使用するレーザーアニールが必要である。また、結晶性のシリコン系薄膜は、通常TFTの素子構成がトップゲート構成に限定されるため、マスク枚数の削減等コストダウンが困難であった。
このような問題を解決するために、酸化インジウム、酸化亜鉛及び酸化ガリウムからなる酸化物半導体膜を使用した薄膜トランジスタが検討されている。一般に、酸化物半導体薄膜の作製は酸化物焼結体からなるターゲット(スパッタリングターゲット)を用いたスパッタリングで行われる。
例えば、一般式InGaZnO、InGaZnOで表されるホモロガス結晶構造を示す化合物からなるターゲットが知られている(特許文献1、2及び3)。しかしながら、このターゲットでは焼結密度(相対密度)を上げるために、酸化雰囲気で焼結する必要があるが、その場合、ターゲットの抵抗を下げるため、焼結後に高温での還元処理が必要であった。また、ターゲットを長期間使用していると、得られた膜の特性や成膜速度が大きく変化する、InGaZnOやInGaZnOの異常成長による異常放電が起きる、成膜時にパーティクルの発生が多い等の問題があった。異常放電が頻繁に起きると、プラズマ放電状態が不安定となり、安定した成膜が行われず、膜特性に悪影響を及ぼす。
一方、ガリウムを含まずに、酸化インジウム及び酸化亜鉛からなる非晶質酸化物半導体膜を用いた薄膜トランジスタも提案されている(特許文献4)。しかしながら、成膜時の酸素分圧を高くしないとTFTのノーマリーオフ動作を実現できないといった問題があった。
また、酸化スズを主成分としたIn−SnO−ZnO系酸化物に、TaやY、Siといった添加元素を含む光情報記録媒体の保護層用のスパッタリングターゲットが検討されている(特許文献5及び6)。しかしながら、これらターゲットは酸化物半導体用ではなく、また、絶縁性物質の凝集体が形成され易く、抵抗値が高くなってしまうことや異常放電が起こり易いという問題があった。
特開平8−245220号公報 特開2007−73312号公報 国際公開第2009/084537号パンフレット 国際公開第2005/088726号パンフレット 国際公開第2005/078152号パンフレット 国際公開第2005/078153号パンフレット
本発明の目的は、高品質の酸化物半導体薄膜を提供することである。
本発明の他の目的は、高い電界効果移動度及び高い信頼性を有する薄膜トランジスタを提供することである。
本発明によれば、以下のスパッタリングターゲット等が提供される。
1.インジウム元素(In)、スズ元素(Sn)、亜鉛元素(Zn)及びアルミニウム元素(Al)を含有する酸化物からなり、In(ZnO)(nは2〜20である)で表わされるホモロガス構造化合物及びZnSnOで表されるスピネル構造化合物を含むスパッタリングターゲット。
2.前記In(ZnO)で表わされるホモロガス構造化合物にAlが固溶している1に記載のスパッタリングターゲット。
3.前記In(ZnO)で表わされるホモロガス構造化合物が、InZn10で表わされるホモロガス構造化合物、InZnで表わされるホモロガス構造化合物、InZnで表わされるホモロガス構造化合物、InZnで表わされるホモロガス構造化合物及びInZnで表わされるホモロガス構造化合物から選択される1以上である1又は2に記載のスパッタリングターゲット。
4.Inで表わされるビックスバイト構造化合物を含まない1〜3のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
5.下記式(1)〜(4)の原子比を満たす1〜4のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
0.08≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50 (1)
0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
0.30≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.90 (3)
0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
(式中、In,Sn,Zn及びAlは、それぞれスパッタリングターゲット中のインジウム元素、スズ元素、亜鉛元素及びアルミニウム元素の原子比を示す。)
6.相対密度が98%以上である1〜5のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
7.バルク比抵抗が5mΩcm以下である1〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
8.1以上の化合物を混合して、少なくともインジウム元素(In)、亜鉛元素(Zn)、スズ元素(Sn)及びアルミニウム元素(Al)を含む混合物を調製する混合工程、
調製した混合物を成形して成形体を得る成形工程、及び
前記成形体を焼結する焼結工程を含み、
前記焼結工程において、インジウム元素、亜鉛元素、スズ元素及びアルミニウム元素を含む酸化物の成形体を、700から1400℃までの平均昇温速度を0.1〜0.9℃/分とし、1200〜1650℃を5〜50時間保持して焼結するスパッタリングターゲットの製造方法。
9.400℃以上700℃未満における第1の平均昇温速度を0.2〜1.5℃/分とし、700℃以上1100℃未満における第2の平均昇温速度を0.15〜0.8℃/分とし、1100℃以上1400℃以下における第3の平均昇温速度を0.1〜0.5℃/分とし、
前記第1〜第3の平均昇温速度の関係が、第1の平均昇温速度>第2の平均昇温速度>第3の平均昇温速度を満たす8に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
10.1〜7のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリング法により成膜してなる酸化物半導体薄膜。
11.水蒸気、酸素ガス及び亜酸化窒素ガスから選択される1以上と希ガスを含有する混合気体の雰囲気下において、1〜7のいずれかに記載のスパッタリングターゲットをスパッタリング法で成膜する酸化物半導体薄膜の製造方法。
12.前記混合気体が、少なくとも希ガス及び水蒸気を含む混合気体である11に記載の酸化物半導体膜の製造方法。
13.前記混合気体に含まれる水蒸気の割合が分圧比で0.1%〜25%である12に記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
14.真空チャンバー内に所定の間隔を置いて並設された3枚以上の前記スパッタリングターゲットに対向する位置に、基板を順次搬送し、前記各ターゲットに対して交流電源から負電位及び正電位を交互に印加し、少なくとも1つの交流電源からの出力を、この交流電源に分岐して接続した2枚以上のターゲットの間で、電位を印加するターゲットの切替を行いながら、ターゲット上にプラズマを発生させて基板表面に成膜する11〜13のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
15.前記交流電源の交流パワー密度を3W/cm以上20W/cm以下とする14に記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
16.前記交流電源の周波数が10kHz〜1MHzである14又は15に記載の酸化物半導体薄膜の製造方法。
17.11〜16のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜の製造方法により成膜された酸化物半導体薄膜をチャネル層として有する薄膜トランジスタ。
18.電界効果移動度が15cm/Vs以上である17に記載の薄膜トランジスタ。
19.17又は18に記載の薄膜トランジスタを備える表示装置。
本発明によれば、高密度かつ低抵抗なスパッタリングターゲットが提供できる。
本発明によれば、高い電界効果移動度及び高い信頼性を有する薄膜トランジスタが提供できる。
本発明の一実施形態に用いるスパッタリング装置を示す図である。 実施例1で得られた焼結体のX線回折チャートを示す図である。 実施例2で得られた焼結体のX線回折チャートを示す図である。 実施例3で得られた焼結体のX線回折チャートを示す図である。 実施例18で得られた焼結体のX線回折チャートを示す図である。 実施例19で得られた焼結体のX線回折チャートを示す図である。 実施例20で得られた焼結体のX線回折チャートを示す図である。 実施例21で得られた焼結体のX線回折チャートを示す図である。 実施例22で得られた焼結体のX線回折チャートを示す図である。
以下、本発明のスパッタリングターゲット等について詳細に説明するが、本発明は下記実施形態及び実施例に限定されない。
[スパッタリングターゲット]
本発明のスパッタリングターゲットは、インジウム元素(In)、スズ元素(Sn)、亜鉛元素(Zn)及びアルミニウム元素(Al)を含有する酸化物からなり、In(ZnO)(nは2〜20である)で表わされるホモロガス構造化合物及びZnSnOで表されるスピネル構造化合物を含む。
スパッタリングターゲットがIn(ZnO)(nは2〜20である)で表わされるホモロガス構造化合物を含むことで、ターゲットの相対密度を高めることができ、ターゲットの比抵抗を低下させ、異常放電を抑制することができる。
ホモロガス結晶構造は、異なる物質の結晶層を何層か重ね合わせた長周期を有する「自然超格子」構造からなる結晶である。結晶周期又は薄膜層の厚さがナノメーター程度の場合、ホモロガス構造化合物は、単一の物質あるいは均一に混ぜ合わせた混晶の性質とは異なる固有の特性を示すことができる。
ターゲットが含むIn(ZnO)で表わされるホモロガス構造化合物は、1種単独又は2種以上の混合物でもよい。
In(ZnO)で表わされるホモロガス構造化合物は、例えばnが整数である場合、好ましくはnが2〜15であり、より好ましくはnが2〜10であり、さらに好ましくはnが2〜7であり、最も好ましくはnが2〜5である。
即ち、In(ZnO)で表わされるホモロガス構造化合物は、最も好ましくはInZnで表わされるホモロガス構造化合物、InZnで表わされるホモロガス構造化合物、InZnで表わされるホモロガス構造化合物及びInZnで表わされるホモロガス構造化合物から選択される1以上である。
ターゲット中のホモロガス構造化合物は、X線回折により確認することができ、例えばターゲットを粉砕したパウダー又はターゲットから直接測定したX線回折パターンが、組成比から想定されるホモロガス相の結晶構造X線回折パターンと一致することから確認できる。具体的には、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standards)カードや、ICSD(The Inorganic Crystal Structure Database)から得られるホモロガス相の結晶構造X線回折パターンと一致することから確認することができる。
尚、InZn10で表わされるホモロガス構造化合物は、X線回折でICSDから検索することができ、ICSD♯162453のピークパターン、又は類似の(シフトした)パターンを示すものである。InZnで表わされるホモロガス構造化合物は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162452のピークパターン、又は類似の(シフトした)パターンを示すものである。InZnのホモロガス構造は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162451のピークパターン、又は類似の(シフトした)パターンを示すものである。InZnのホモロガス構造は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162450のピークパターン、又は類似の(シフトした)パターンを示すものである。InZnのホモロガス構造は、X線回折で、JCPDSデータベースのNo.20−1442のピークパターン、又は類似の(シフトした)パターンを示すものである。
本発明のスパッタリングターゲットは、好ましくはIn(ZnO)で表わされるホモロガス構造化合物にAlが固溶している。
In(ZnO)のIn3+サイトにAl3+が固溶することでAlの析出が抑制できる。Alの析出は、ターゲットの高抵抗化をもたらし、異常放電が発生しやすくなるおそれがあるため、Alの析出抑制によって異常放電を抑制することができる。
In(ZnO)(nは2〜20である)のIn3+サイトにAl3+が固溶した場合、In3+イオンと比べてAl3+イオンのイオン半径が小さいため、In(ZnO)(nは2〜20である)の格子定数が小さくなる。従って、ICSDやJCPDSのデータベースで開示されているIn(ZnO)の格子定数より、ターゲット中のIn(ZnO)の格子定数が小さくなっているか否かを確認することで、Alが固溶しているか否かが確認できる。
ターゲット中のIn(ZnO)(nは2〜20である)の格子定数の導出はXRD測定から調べることができる。例えば、InZn10で表わされるホモロガス構造化合物は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162453で開示されている格子定数は、a=3.3089Å,b=3.3089Å,c=73.699Åである。InZnで表わされるホモロガス構造化合物は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162452で開示されている格子定数は、a=3.3245Å,b=3.3245Å,c=58.093Åである。InZnのホモロガス構造は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162451で開示されている格子定数は、a=3.3362Å,b=3.3362Å,c=33.526Åである。InZnのホモロガス構造は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162450で開示されている格子定数は、a=3.3520Å,b=3.3520Å,c=42.488Åである。InZnのホモロガス構造は、X線回折で、JCPDSデータベースで検索することができ、JCPDSカードのNo.20−1442で開示されている格子定数は、a=3.376Å,b=3.376Å,c=23.154Åである。
スパッタリングターゲットがZnSnOで表されるスピネル構造化合物を含むことでターゲットを構成する酸化物中の結晶の異常粒成長を抑制することができる。異常粒成長は、スパッタリング中の異常放電の原因となるおそれがある。
スピネル構造とは、「結晶化学」(講談社、中平光興著、1973)等に開示されている通り、通常AB型あるいはABX型の構造をいい、このような結晶構造を有する化合物をスピネル構造化合物という。一般にスピネル構造では、陰イオン(通常は酸素)が立方最密充填をしており、その四面体隙間及び八面体隙間の一部に陽イオンが存在している。尚、結晶構造中の原子やイオンが一部他の原子で置換された置換型固溶体、他の原子が格子間位置に加えられた侵入型固溶体もスピネル構造化合物に含まれる。
スパッタリングターゲット中のZnSnOで表わされるスピネル構造化合物の有無は、X線回折で確認できる。
ZnSnOで表わされるスピネル構造化合物は、JCPDSデータベースのNo.24−1470のピークパターンか、あるいは類似の(シフトした)パターンを示すものである。
本発明のスパッタリングターゲットは、好ましくはInで表わされるビッグスバイト構造化合物を含まない。
ビックスバイト構造(あるいは希土類酸化物C型の結晶構造)とは、希土類酸化物C型あるいはMn(I)型酸化物とも言われる。「透明導電膜の技術」((株)オーム社出版、日本学術振興会、透明酸化物・光電子材料第166委員会編、1999)等に開示されている通り、化学量論比がM(Mは陽イオン、Xは陰イオンで通常酸素イオン)で、1つの単位胞はM:16分子、合計80個の原子(Mが32個、Xが48個)により構成されている。
Inで表わされるビッグスバイト構造化合物は、結晶構造中の原子やイオンが一部他の原子で置換された置換型固溶体、他の原子が格子間位置に加えられた侵入型固溶体も含む。
スパッタリングターゲット中のInで表わされるビッグスバイト構造化合物の有無は、X線回折で確認できる。
Inで表わされるビッグスバイト構造化合物は、JCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)データベースのNo.06−0416のピークパターンか、あるいは類似の(シフトした)パターンを示すものである。
本発明のスパッタリングターゲットを構成する、インジウム元素(In)、スズ元素(Sn)、亜鉛元素(Zn)及びアルミニウム元素(Al)を含有する酸化物は、好ましくは下記原子比を満たす。酸化物が下記原子比を満たすことにより、ターゲットの相対密度が98%以上かつバルク抵抗が5mΩcm以下とすることができる。
0.08≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50 (1)
0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
0.30≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.90 (3)
0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
(式中、In,Sn,Zn及びAlは、それぞれスパッタリングターゲット中のインジウム元素、スズ元素、亜鉛元素及びアルミニウム元素の原子比を示す。)
式(1)において、In元素の原子比が0.08未満である場合、スパッタリングターゲットのバルク抵抗値が高くなり、DCスパッタリングが不可能となるおそれがある。
一方、In元素の原子比が0.50超である場合、ターゲット中にInで表わされるビックスバイト構造化合物生成するおそれがある。ターゲットがIn(ZnO)(nは2〜20である)とZnSnOのスピネル構造化合物以外にInのビックスバイト構造化合物を含む場合、結晶相ごとにスパッタされる速度が異なるため掘れ残りが生じ、異常放電が発生するおそれがある。また、焼結時にInの凝集部分で異常粒成長を起こし、気孔が残存し、焼結体全体の密度が向上しないおそれがある。
上記理由から、式(1)は、0.08≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50であり、好ましくは0.12≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50であり、より好ましくは0.15≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.40である。
式(2)において、Sn元素の原子比が0.01未満である場合、焼結体密度が十分に向上せず、ターゲットのバルク抵抗値が高くなるおそれがある。一方、Sn元素の原子比が0.30超である場合、SnOが析出しやすく、析出したSnOは異常放電の発生原因となるおそれがある。
上記理由から、式(2)は0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30であり、好ましくは0.03≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.25であり、より好ましくは0.05≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.15である。
式(3)において、Zn元素の原子比が0.30未満である場合、In(ZnO)(nは2〜20である)のホモロガス構造が形成されないおそれがある。一方、Zn元素の原子比が0.90超である場合、ZnOが析出しやすいため、析出したZnOが異常放電の発生原因となるおそれがある。
上記理由から、式(3)は0.30≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.90であり、好ましくは0.40≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.80であり、より好ましくは0.45≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.75である。
式(4)において、Al元素の原子比が0.01未満の場合、ターゲット抵抗が十分に低下しないおそれがある。また、このターゲットを用いてチャネル層を成膜し、TFTに適用した場合に信頼性が劣化するおそれがある。一方、Al元素の原子比が0.30超の場合、ターゲット中にAlが生成し、異常放電が発生するおそれがある。
上記理由から、式(4)は0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30であり、好ましくは0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.20であり、より好ましくは0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.15である。
ターゲットに含まれる各元素の原子比は、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)により、含有元素を定量分析して求めることができる。
具体的に、溶液試料をネブライザーで霧状にして、アルゴンプラズマ(約6000〜8000℃)に導入すると、試料中の元素は熱エネルギーを吸収して励起され、軌道電子が基底状態から高いエネルギー準位の軌道に移る。この軌道電子は10−7〜10−8秒程度で、より低いエネルギー準位の軌道に移る。この際にエネルギーの差を光として放射し発光する。この光は元素固有の波長(スペクトル線)を示すため、スペクトル線の有無により元素の存在を確認できる(定性分析)。
また、それぞれのスペクトル線の大きさ(発光強度)は試料中の元素数に比例するため、既知濃度の標準液と比較することで試料濃度を求めることができる(定量分析)。
定性分析で含有されている元素を特定後、定量分析で含有量を求め、その結果から各元素の原子比を求めることができる。
スパッタリングターゲットを構成する酸化物は、本発明の効果を損なわない範囲でIn、Sn、Zn及びAl以外の不可避不純物を含んでもよく、実質的にIn、Sn、Zn及びAlのみからなってもよい。ここで、「実質的」とは、スパッタリングターゲットの金属元素の95質量%以上100質量%以下(好ましくは98質量%以上100質量%以下)がIn、Sn、Zn及びAlであることを意味する。
本発明のスパッタリングターゲットは、好ましくは相対密度が98%以上である。特に大型基板(1Gサイズ以上)にスパッタ出力を上げて酸化物半導体を成膜する場合は、相対密度が98%以上であることが好ましい。
相対密度とは、加重平均より算出した理論密度に対して相対的に算出した密度である。各原料の密度の加重平均より算出した密度が理論密度であり、これを100%とする。
相対密度が98%以上であれば、安定したスパッタリング状態が保たれる。大型基板でスパッタ出力を上げて成膜する場合は、相対密度が98%未満ではターゲット表面が黒化したり、異常放電が発生するおそれがある。相対密度は好ましくは98.5%以上、より好ましくは99%以上である。
ターゲットの相対密度は、アルキメデス法により測定できる。相対密度は、好ましくは100%以下である。100%以下の場合、金属粒子が焼結体に発生しにくく、低級酸化物の生成が抑制され、成膜時の酸素供給量を厳密に調整する必要がない。
また、後述する焼結後に、還元性雰囲気下での熱処理操作等の後処理工程等を行って密度を調整することもできる。還元性雰囲気は、アルゴン、窒素、水素等の雰囲気や、それらの混合気体雰囲気が用いることができる。
ターゲットのバルク比抵抗(導電性)は、好ましくは5mΩcm以下であり、より好ましくは3mΩcm以下である。ターゲットのバルク比抵抗が5mΩcm以下であることで、異常放電を抑制することができる。
上記バルク比抵抗は、抵抗率計を使用して四探針法に基づき測定することができる。
スパッタリングターゲットを構成する酸化物中の結晶の最大粒径は8μm以下であることが望ましい。結晶の最大粒径が8μm以下であることでノジュール発生を抑制することができる。
スパッタによってターゲット表面が削られる場合、その削られる速度が結晶面の方向によって異なり、ターゲット表面に凹凸が発生する。この凹凸の大きさは焼結体中に存在する結晶粒径に依存している。大きい結晶粒径を有する酸化物からなるターゲットでは、その凹凸が大きくなり、その凸部分よりノジュールが発生すると考えられる。
スパッタリングターゲット中の結晶の最大粒径は、スパッタリングターゲットの形状が円形の場合、円の中心点(1箇所)と、その中心点で直交する2本の中心線上の中心点と周縁部との中間点(4箇所)の合計5箇所において、また、スパッタリングターゲットの形状が四角形の場合には、その中心点(1箇所)と、四角形の対角線上の中心点と角部との中間点(4箇所)の合計5箇所において100μm四方の枠内で観察される最大の粒子についてその最大径を測定し、これらの5箇所の枠内のそれぞれに存在する最大粒子の粒径の平均値で表す。粒径は、結晶粒の長径について測定する。結晶粒は走査型電子顕微鏡(SEM)により観察することができる。
[スパッタリングターゲットの製造方法]
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、例えば以下の2工程を含む。
(1)原料化合物を混合し、成形して成形体とする工程
(2)上記成形体を焼結する工程
以下、これら工程について説明する。
(1)原料化合物を混合し、成形して成形体とする工程
原料化合物は特に制限されず、In、Sn、Zn及びAlから選択される元素を1以上含む化合物を使用することができ、例えば使用する原料化合物の混合物が、下記原子比を満たすと好ましい。
0.08≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50 (1)
0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
0.30≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.90 (3)
0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
上記In、Sn、Zn及びAlから選択される元素を1以上含む化合物としては、例えば酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化アルミニウムの組み合わせ等が挙げられる。
尚、上記原料化合物は粉末であることが好ましい。
原料化合物は、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛及び酸化アルミニウムの混合粉末であることが好ましい。
原料に単体金属を用いた場合、例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛及びアルミニウム金属の組み合わせを原料粉末として用いた場合、得られる焼結体中にアルミニウムの金属粒が存在し、成膜中にターゲット表面の金属粒が溶融してターゲットから放出されないことがあり、得られる膜の組成と焼結体の組成が大きく異なってしまう場合がある。
原料化合物が粉末である場合、当該原料粉末の平均粒径は、好ましくは0.1μm〜1.2μmであり、より好ましくは0.1μm〜1.0μmである。原料粉末の平均粒径はレーザー回折式粒度分布装置等で測定することができる。
例えば、平均粒径が0.1μm〜1.2μmのIn粉末、平均粒径が0.1μm〜1.2μmのSnO粉末、平均粒径が0.1μm〜1.2μmのZnO粉末及び平均粒径が0.1μm〜1.2μmのAl粉末を含んだ酸化物を原料粉末とし、これらを、上記式(1)〜(4)を満たす割合で調合するとよい。
原料化合物の混合、成形方法は特に限定されず、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、酸化インジウム粉、酸化スズ粉、酸化亜鉛及び酸化アルミニウム粉を含んだ酸化物の混合粉を含む原料粉末に、水系溶媒を配合し、得られたスラリーを12時間以上混合した後、固液分離・乾燥・造粒し、引き続き、この造粒物を型枠に入れて成形することで成形体が得られる。
混合については、湿式又は乾式によるボールミル、振動ミル、ビーズミル等を用いることができる。均一で微細な結晶粒及び空孔を得るには、短時間で凝集体の解砕効率が高く、添加物の分散状態も良好となるビーズミル混合法が最も好ましい。
ボールミルによって混合する場合、当該混合時間は、好ましくは15時間以上、より好ましくは19時間以上とする。混合時間が不足すると最終的に得られる焼結体中にAl等の高抵抗の化合物が生成するおそれがあるからである。
ビーズミルによって粉砕・混合する場合、当該混合時間は、装置の大きさ、処理するスラリー量によって異なるが、スラリー中の粒度分布がすべて1μm以下と均一になるように適宜調整するとよい。
また、どの混合手段の場合でも、混合する際にはバインダーを任意量だけ添加し、同時に混合を行うと好ましい。バインダーには、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル等を用いることができる。
混合によって得られた原料粉末スラリーの造粒は、好ましくは急速乾燥造粒によって造粒粉とする。急速乾燥造粒するための装置としては、スプレードライヤが広く用いられている。具体的な乾燥条件は、乾燥するスラリーのスラリー濃度、乾燥に用いる熱風温度、風量等の諸条件により決定されるため、実施に際しては、予め最適条件を求めておくことが必要となる。
急速乾燥造粒であれば、均一な造粒粉が得られる。即ち、原料粉末の比重差による沈降速度の差によって、In粉末、SnO粉末、ZnO粉末及びAl粉末の分離することを防ぐことができる。均一な造粒粉から作製したターゲットであれば、Al等の存在によるスパッタリング時の異常放電を防ぐことができる。
得られた造粒粉に対して、通常、金型プレス又は冷間静水圧プレス(CIP)により、例えば1.2ton/cm以上の圧力を加えることによって、成形体とすることができる。
(2)成形体を焼結する工程
得られた成形体を焼結することで焼結体を得ることができる。
上記焼結は、好ましくは昇温工程及び保持工程を含み、昇温工程において、平均昇温速度0.1〜0.9℃/分で700から1400℃まで昇温し、保持工程において、焼結温度1200〜1650℃で5〜50時間保持する。700〜1400℃の温度範囲における平均昇温速度は、より好ましくは0.2〜0.5℃/分である。
尚、700〜1400℃の温度範囲における平均昇温速度は、700℃から昇温到達温度までの温度差を、昇温に要した時間で除した値である。
上記昇温工程は、より好ましくは400℃以上700℃未満における平均昇温速度(第1の平均昇温速度)を0.2〜2.0℃/分とし、700℃以上1100℃未満における平均昇温速度(第2の平均昇温速度)を0.05〜1.2℃/分とし、1100℃以上1400℃以下における平均昇温速度(第3の平均昇温速度)を0.02〜1.0℃/分とする。
第1の平均昇温速度は、より好ましくは0.2〜1.5℃/分である。第2の平均昇温速度は、好ましくは、0.15〜0.8℃/分、より好ましくは0.3〜0.5℃/分である。また第3の平均昇温速度は、好ましくは0.1〜0.5℃/分、より好ましくは0.15〜0.4℃/分である。
昇温工程を上記とすることで、スパッタ時のノジュールの発生をより抑制することができる。
第1平均昇温速度が0.2℃/分以上であることで、所用時間が増大しすぎず、製造効率を向上させることができる。また、第1の平均昇温速度が2.0℃/分以下であることで、分散性を上げるために混合時にバインダーを投入した場合であっても、バインダーが残留せず、ターゲットのクラック等の発生を抑制することができる。
第2平均昇温速度が0.05℃/分以上であることで、所用時間が増大しすぎず、また、結晶が異常成長することがなく、得られる焼結体の内部の空孔の発生を抑制することができる。また、第2の平均昇温速度が1.2℃/分以下であることで、焼結の開始場所に分布が生じず、反りの発生を抑制することができる。
第3平均昇温速度が0.02℃/分以上であることで、所用時間が増大しすぎず、Znが蒸散して組成ズレが生じることを抑制することができる。また、第3の平均昇温速度が1.0℃/分以下であることで、焼き締まりの分布による引っ張り応力が発生せず、焼結密度を上げ易くすることができる。
これら第1〜第3の平均昇温速度の関係が、第2の平均昇温速度>第3の平均速度を満たすと好ましく、第1の平均昇温速度>第2の平均昇温速度>第3の平均昇温速度を満たすとさらに好ましい。
特に、第2の平均昇温速度>第3の平均昇温速度となることで、長時間スパッリングしたとしても、さらに効果的にノジュールの発生を抑制することが期待できる。
400℃以上700℃未満における昇温速度は、0.2〜2.0℃/分の範囲であると好ましい。
700℃以上1100℃未満における昇温速度は、0.05〜1.2℃/分の範囲であると好ましい。
1100℃以上1400℃以下における昇温速度は、0.02〜1.0℃/分の範囲であると好ましい。
成形体を1400℃超1650℃以下の温度まで昇温する場合の昇温速度は特に制限されないが、通常0.15〜0.4℃/分程度である。
昇温が完了した後、1200〜1650℃の焼結温度で5〜50時間保持して焼結を行う(保持工程)。焼結温度は好ましくは1300〜1600℃である。焼結時間は好ましくは10〜20時間である。
焼結温度が1200℃以上又は焼結時間が5時間以上であると、Al等が焼結体内部に形成されず、異常放電が生じにくい。また、焼成温度が1650℃以下又は焼成時間が50時間以下であると、著しい結晶粒成長による平均結晶粒径の増大や、粗大空孔の発生がなく、焼結体強度の低下や異常放電を抑制できる。
本発明で用いる焼結方法としては、常圧焼結法の他、ホットプレス、酸素加圧、熱間等方圧加圧等の加圧焼結法も採用することができる。ただし、製造コストの低減、大量生産の可能性、容易に大型の焼結体を製造できるといった観点から、常圧焼結法を採用することが好ましい。
常圧焼結法では、成形体を大気雰囲気、又は酸化ガス雰囲気、好ましくは酸化ガス雰囲気にて焼結する。酸化ガス雰囲気とは、好ましくは酸素ガス雰囲気である。酸素ガス雰囲気は、酸素濃度が、例えば10〜100体積%の雰囲気であることが好ましい。上記焼結体の製造方法においては、昇温過程にて酸素ガス雰囲気を導入することで、焼結体密度をより高くすることができる。
上記焼成工程で得られた焼結体のバルク抵抗をターゲット全体で均一化するために、必要に応じて還元工程を設けてもよい。
還元方法としては、例えば、還元性ガスによる方法や真空焼成又は不活性ガスによる還元等が挙げられる。
還元性ガスによる還元処理の場合、水素、メタン、一酸化炭素、又はこれらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。また、不活性ガス中での焼成による還元処理の場合、窒素、アルゴン、又はこれらのガスと酸素との混合ガス等を用いることができる。
還元処理時の温度は、通常100〜800℃、好ましくは200〜800℃である。また、還元処理の時間は、通常0.01〜10時間、好ましくは0.05〜5時間である。
以上をまとめると、本発明に用いる焼結体の製造方法は、例えば、酸化インジウム粉と酸化亜鉛粉及び酸化アルミニウム粉との混合粉を含む原料粉末に、水系溶媒を配合し、得られたスラリーを12時間以上混合した後、固液分離・乾燥・造粒し、引き続き、この造粒物を型枠に入れて成形し、その後、得られた成形物を酸素含有雰囲気で、700〜1400℃における平均昇温速度を0.1〜0.9℃/分とする昇温工程、及び1200〜1650℃を5〜50時間保持する保持工程を有する焼結工程により焼結体を得ることができる。
上記で得られた焼結体を加工することにより本発明のスパッタリングターゲットとすることができる。具体的には、焼結体をスパッタリング装置への装着に適した形状に切削加工することでスパッタリングターゲット素材とし、該ターゲット素材をバッキングプレートに接着することでスパッタリングターゲットとすることができる。
焼結体をターゲット素材とするには、焼結体を、例えば平面研削盤で研削して表面粗さRaが0.5μm以下の素材とする。ここで、さらにターゲット素材のスパッタ面に鏡面加工を施して、平均表面粗さRaが1000オングストローム以下としてもよい。
鏡面加工(研磨)は、機械的な研磨、化学研磨、メカノケミカル研磨(機械的な研磨と化学研磨の併用)等の、公知の研磨技術を用いることができる。例えば、固定砥粒ポリッシャー(ポリッシュ液:水)で#2000以上にポリッシングしたり、又は遊離砥粒ラップ(研磨材:SiCペースト等)にてラッピング後、研磨材をダイヤモンドペーストに換えてラッピングすることによって得ることができる。このような研磨方法には特に制限はない。
ターゲット素材の表面は200〜10,000番のダイヤモンド砥石により仕上げを行うことが好ましく、400〜5,000番のダイヤモンド砥石により仕上げを行うことが特に好ましい。200番以上、又は10,000番以下のダイヤモンド砥石を使用するこのより、ターゲット素材の割れを防ぐことができる。
ターゲット素材の表面粗さRaが0.5μm以下であり、方向性のない研削面を備えていることが好ましい。Raが0.5μm以下であり、方向性のない研磨面を備えていれば、異常放電やパーティクルの発生を防ぐことができる。
最後に、得られたターゲット素材を清浄処理する。清浄処理にはエアーブロー又は流水洗浄等を使用できる。エアーブローで異物を除去する際には、ノズルの向い側から集塵機で吸気を行なうとより有効に除去できる。
尚、以上のエアーブローや流水洗浄では限界があるので、さらに超音波洗浄等を行なうこともできる。この超音波洗浄は周波数25〜300KHzの間で多重発振させて行なう方法が有効である。例えば周波数25〜300KHzの間で、25KHz刻みに12種類の周波数を多重発振させて超音波洗浄を行なうのが好ましい。
ターゲット素材の厚みは通常2〜20mm、好ましくは3〜12mm、特に好ましくは4〜6mmである。
上記のようにして得られたターゲット素材をバッキングプレートへボンディングすることによって、スパッタリングターゲットを得ることができる。また、複数のターゲット素材を1つのバッキングプレートに取り付け、実質1つのターゲットとしてもよい。
本発明のスパッタリングターゲットは、上記の製造方法により、相対密度が98%以上かつバルク抵抗が5mΩcm以下とすることができ、スパッタリングする際には、異常放電の発生を抑制することができる。また、本発明のスパッタリングターゲットは、高品質の酸化物半導体薄膜を、効率的に、安価に、且つ省エネルギーで成膜することができる。
[酸化物半導体薄膜]
本発明のスパッタリングターゲットをスパッタリング法により成膜することで、本発明の酸化物半導体薄膜が得られる。
本発明の酸化物半導体薄膜は、インジウム、スズ、亜鉛、アルミニウム、酸素からなり、好ましくは、下記原子比(1)〜(4)を満たす。
0.08≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50 (1)
0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
0.30≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.90 (3)
0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
(式中、In,Sn,Zn及びAlは、それぞれ酸化物半導体薄膜中のインジウム元素、スズ元素、亜鉛元素及びアルミニウム元素の原子比を示す。)
式(1)において、In元素の原子比が0.08未満であると、In 5s軌道の重なりが小さくなるため電界効果移動度が15cm/Vs未満となるおそれがある。一方、In元素の原子比が0.50超であると、成膜した膜をTFTのチャネル層に適用したときに信頼性が劣化するおそれがある。
式(2)において、Sn元素の原子比が0.01未満であると、ターゲット抵抗が上昇するため、スパッタ成膜中に異常放電が発生し成膜が安定化しないおそれがある。一方、Sn元素の原子比が0.30超であると、得られる薄膜のウェットエッチャントへの溶解性が低下するため、ウェットエッチングが困難になる。
式(3)において、Zn元素の原子比が0.30未満であると、得られる膜が非晶質膜として安定しないおそれがある。一方、Zn元素の原子比が0.90超であると、得られる薄膜のウェットエッチャントへの溶解速度が高すぎるため、ウェットエッチングが困難になる。
式(4)において、Al元素の原子比が0.01未満であると、成膜時の酸素分圧が上昇するおそれがある。尚、Al元素は酸素との結合が強いため、成膜時の酸素分圧を下げることができる。また、チャネル相を成膜しTFTに適用した場合に信頼性が劣化するおそれがある。一方、Al元素の原子比が0.30超であると、ターゲット中にAlが生成し、スパッタ成膜時に異常放電が発生し、成膜が安定化しないおそれがある。
酸化物半導体薄膜のキャリア濃度は、通常1019/cm以下であり、好ましくは1013〜1018/cmであり、さらに好ましくは1014〜1018/cmであり、特に好ましくは1015〜1018/cmである。
酸化物層のキャリア濃度が1019cm−3以下であると、薄膜トランジスタ等の素子を構成した際の漏れ電流、ノーマリーオンや、on−off比の低下を防ぐことができ、良好なトランジスタ性能が発揮できる。キャリア濃度が1013cm−3以上であると、TFTとして問題なく駆動する。
酸化物半導体薄膜のキャリア濃度は、ホール効果測定方法により測定することができる。
本発明のスパッタリングターゲットは、高い導電性を有することから成膜速度の速いDCスパッタリング法を適用することができる。
上記DCスパッタリング法に加えて、RFスパッタリング法、ACスパッタリング法、パルスDCスパッタリング法も適用することができ、異常放電のないスパッタリングが可能である。
酸化物半導体薄膜は、上記焼結体を用いて、スパッタリング法の他に、蒸着法、イオンプレーティング法、パルスレーザー蒸着法等によっても作製することもできる。
スパッタリングガス(雰囲気)としては、アルゴン等の希ガス原子と酸化性ガスの混合ガスを用いることができる。酸化性ガスとはO、CO、O、HO、NO等が挙げられる。スパッタリングガスは、希ガス原子と、水分子、酸素分子及び亜酸化窒素分子から選ばれる一種以上の分子を含有する混合気体が好ましく、希ガス原子と、少なくとも水分子を含有する混合気体であることがより好ましい。
スパッタリング成膜時の酸素分圧比は0%以上40%未満とすることが好ましい。酸素分圧比が40%未満の条件であれば、作製した薄膜のキャリア濃度が大幅に低減することがなく、キャリア濃度が1013cm−3未満となることを防ぐことができる。
好ましくは、酸素分圧比は0%〜30%、特に好ましくは0%〜20%である。
本発明における酸化物薄膜堆積時のスパッタガス(雰囲気)に含まれる水分子の分圧比、即ち、[HO]/([HO]+[希ガス]+[その他の分子])は、0.1〜25%であることが好ましい。
水の分圧比が25%以下であると、膜密度の低下を防ぐことができ、Inの5s軌道の重なりを大きく保つことができ、移動度の低下を防ぐことができる。
スパッタリング時の雰囲気中の水の分圧比は0.7〜13%がより好ましく、1〜6%が特に好ましい。
スパッタリングにより成膜する際の基板温度は、25〜120℃であることが好ましく、さらに好ましくは25〜100℃、特に好ましくは25〜90℃である。
成膜時の基板温度が120℃以下であると、成膜時に導入する酸素等を十分に取り込むことができ、加熱後の薄膜のキャリア濃度の過度な増加を防ぐことができる。また、成膜時の基板温度が25℃以上であると、薄膜の膜密度が低下せず、TFTの移動度が低下することを防ぐことができる。
スパッタリングによって得られた酸化物薄膜を、さらに150〜500℃に15分〜5時間保持してアニール処理を施すことが好ましい。成膜後のアニール処理温度は200℃以上450℃以下であることがより好ましく、250℃以上350℃以下であることがさらに好ましい。上記アニールを施すことにより、半導体特性が得られる。
また、加熱時の雰囲気は、特に限定されるわけではないが、キャリア制御性の観点から、大気雰囲気、酸素流通雰囲気が好ましい。
酸化物薄膜の後処理アニール工程においては、酸素の存在下又は不存在下でランプアニール装置、レーザーアニール装置、熱プラズマ装置、熱風加熱装置、接触加熱装置等を用いることができる。
スパッタリング時におけるターゲットと基板との間の距離は、基板の成膜面に対して垂直方向に好ましくは1〜15cmであり、さらに好ましくは2〜8cmである。
この距離が1cm以上であると、基板に到達するターゲット構成元素の粒子の運動エネルギーが大きくなりすぎず、良好な膜特性を得ることができる。また、膜厚及び電気特性の面内分布等を防ぐことができる。一方、ターゲットと基板との間隔が15cm以下であると、基板に到達するターゲット構成元素の粒子の運動エネルギーが小さくなりすぎず、緻密な膜を得ることができる。また、良好な半導体特性を得ることができる。
酸化物薄膜の成膜は、磁場強度が300〜1500ガウスの雰囲気下でスパッタリングすることが望ましい。磁場強度が300ガウス以上であると、プラズマ密度の低下を防ぐことができ、高抵抗のスパッタリングターゲットの場合でも問題なくスパッタリングを行うことができる。一方、1500ガウス以下であると、膜厚及び膜中の電気特性の制御性の悪化を抑制することができる。
気体雰囲気の圧力(スパッタ圧力)は、プラズマが安定して放電できる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは0.1〜3.0Paであり、さらに好ましくは0.1〜1.5Paであり、特に好ましくは0.1〜1.0Paである。
スパッタ圧力が3.0Pa以下であると、スパッタ粒子の平均自由工程が短くなりすぎず、薄膜密度の低下を防ぐことができる。また、スパッタ圧力が0.1Pa以上であると、成膜時に膜中に微結晶が生成することを防ぐことができる。
尚、スパッタ圧力とは、アルゴン等の希ガス原子、水分子、酸素分子等を導入した後のスパッタ開始時の系内の全圧をいう。
また、酸化物半導体薄膜の成膜を、次のような交流スパッタリングで行ってもよい。
真空チャンバー内に所定の間隔を置いて並設された3枚以上のターゲットに対向する位置に、基板を順次搬送し、各ターゲットに対して交流電源から負電位及び正電位を交互に印加して、ターゲット上にプラズマを発生させて基板表面上に成膜する。
このとき、交流電源からの出力の少なくとも1つを、分岐して接続された2枚以上のターゲットの間で、電位を印加するターゲットの切替を行いながら行う。即ち、上記交流電源からの出力の少なくとも1つを分岐して2枚以上のターゲットに接続し、隣り合うターゲットに異なる電位を印加しながら成膜を行う。
尚、交流スパッタリングによって酸化物半導体薄膜を成膜する場合も、例えば、希ガスと、水蒸気、酸素ガス及び亜酸化窒素ガスから選ばれる1以上のガスとを含有する混合気体の雰囲気下においてスパッタリングを行うことが好ましく、水蒸気を含有する混合気体の雰囲気下においてスパッタリングを行うことが特に好ましい。
ACスパッタリングで成膜した場合、工業的に大面積均一性に優れた酸化物層が得られると共に、ターゲットの利用効率の向上が期待できる。
また、1辺が1mを超える大面積基板にスパッタ成膜する場合には、たとえば特開2005−290550号公報記載のような大面積生産用のACスパッタ装置を使用することが好ましい。
特開2005−290550号公報記載のACスパッタ装置は、具体的には、真空槽と、真空槽内部に配置された基板ホルダと、この基板ホルダと対向する位置に配置されたスパッタ源とを有する。図1にACスパッタ装置のスパッタ源の要部を示す。スパッタ源は、複数のスパッタ部を有し、板状のターゲット31a〜31fをそれぞれ有し、各ターゲット31a〜31fのスパッタされる面をスパッタ面とすると、各スパッタ部はスパッタ面が同じ平面上に位置するように配置される。各ターゲット31a〜31fは長手方向を有する細長に形成され、各ターゲットは同一形状であり、スパッタ面の長手方向の縁部分(側面)が互いに所定間隔を空けて平行に配置される。従って、隣接するターゲット31a〜31fの側面は平行になる。
真空槽の外部には、交流電源17a〜17cが配置されており、各交流電源17a〜17cの二つの端子のうち、一方の端子は隣接する二つの電極のうちの一方の電極に接続され、他方の端子は他方の電極に接続されている。各交流電源17a〜17cの2つの端子は正負の異なる極性の電圧を出力するようになっており、ターゲット31a〜31fは電極に密着して取り付けられているので、隣接する2つのターゲット31a〜31fには互いに異なる極性の交流電圧が交流電源17a〜17cから印加される。従って、互いに隣接するターゲット31a〜31fのうち、一方が正電位に置かれる時には他方が負電位に置かれた状態になる。
電極のターゲット31a〜31fとは反対側の面には磁界形成手段40a〜40fが配置されている。各磁界形成手段40a〜40fは、外周がターゲット31a〜31fの外周と略等しい大きさの細長のリング状磁石と、リング状磁石の長さよりも短い棒状磁石とをそれぞれ有している。
各リング状磁石は、対応する1個のターゲット31a〜31fの真裏位置で、ターゲット31a〜31fの長手方向に対して平行に配置されている。上述したように、ターゲット31a〜31fは所定間隔を空けて平行配置されているので、リング状磁石もターゲット31a〜31fと同じ間隔を空けて配置されている。
ACスパッタで、酸化物ターゲットを用いる場合の交流パワー密度は、3W/cm以上、20W/cm以下が好ましい。パワー密度が3W/cm以上であると、成膜速度が遅くなりすぎず、生産経済性を担保できる。20W/cm以下であると、ターゲットの破損を抑制することができる。より好ましいパワー密度は3W/cm〜15W/cmである。
ACスパッタの周波数は10kHz〜1MHzの範囲が好ましい。10kHz以上であると、騒音の問題が生じない。1MHz以下であると、プラズマが広がりすぎて所望のターゲット位置以外でスパッタが行われることを防ぐことができ、均一性を保てる。より好ましいACスパッタの周波数は20kHz〜500kHzである。
上記以外のスパッタリング時の条件等は、上述したものから適宜選択すればよい。
[薄膜トランジスタ及び表示装置]
上記の酸化物薄膜は、薄膜トランジスタに使用でき、特にチャネル層として好適に使用でき、本発明の酸化物半導体薄膜をチャネル層に用いた薄膜トランジスタは電界効果移動度15cm/Vs以上の高移動度、かつ高信頼性を示すことができる。
本発明の薄膜トランジスタは、上記の酸化物薄膜をチャネル層として有していれば、その素子構成は特に限定されず、公知の各種の素子構成を採用することができる。
本発明の薄膜トランジスタにおけるチャネル層の膜厚は、通常10〜300nm、好ましくは20〜250nm、より好ましくは30〜200nm、さらに好ましくは35〜120nm、特に好ましくは40〜80nmである。
チャネル層の膜厚が10nm以上であると、大面積に成膜した際でも膜厚が不均一になり難く、作製したTFTの特性を面内で均一とすることができる。一方、膜厚が300nm以下であると、成膜時間が長くなりすぎない。
本発明の薄膜トランジスタにおけるチャネル層は、通常、N型領域で用いられるが、P型Si系半導体、P型酸化物半導体、P型有機半導体等の種々のP型半導体と組合せてPN接合型トランジスタ等の各種の半導体デバイスに利用することができる。
本発明の薄膜トランジスタのチャネル層は、アニール処理後に少なくともゲート電極と重なる領域において一部、結晶化していてもよい。ここで結晶化とは、非晶質の状態から結晶核が生成すること、又は結晶核が生成された状態から結晶粒が成長することをいう。特にバックチャネル側の一部を結晶化させたときは、プラズマプロセス(CVDプロセス等)に対して、耐還元性が向上しTFTの信頼性が改善する。
結晶化した領域は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)の電子線回折像から確認することができる。
チャネル層に適用される酸化物半導体薄膜は、有機酸系エッチング液(例えば蓚酸エッチング液)でウェットエッチングでき、かつ無機酸系ウェットエッチング液(例えばリン酸/硝酸/酢酸の混酸ウェットエッチング液:PAN)には溶けにくく、電極に使用するMo(モリブデン)やAl(アルミニウム)等とのウェットエッチングの選択比が大きい。そのため、本発明の酸化物薄膜をチャネル層に用いることで、チャネルエッチ型の薄膜トランジスタを作製することができる。
薄膜トランジスタを製造するフォトリソグラフィ工程において、レジストを塗布する前に、酸化物半導体薄膜表面に、膜厚が数nm程度の絶縁膜を形成してもよい。この工程により酸化物半導体膜とレジストとが直接接触することを回避することが可能であり、レジストに含まれている不純物が酸化物半導体膜中に侵入するのを防止できる。
本発明の薄膜トランジスタは、上記チャネル層上に保護膜を備えることが好ましい。本発明の薄膜トランジスタにおける保護膜は、少なくともSiNを含有することが好ましい。SiNはSiOと比較して緻密な膜を形成できるため、TFTの劣化抑制効果が高いという利点を有する。
保護膜は、SiNの他に例えばSiO,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,HfO,CaHfO,PbTiO,BaTa,Sm,SrTiO又はAlN等の酸化物等を含むことができる。
本発明のインジウム元素(In)、スズ元素(Sn)、亜鉛元素(Zn)及びアルミニウム元素(Al)を含有する酸化物薄膜は、Alを含有しているためCVDプロセスによる耐還元性が向上し、保護膜を作製するプロセスによりバックチャネル側が還元されにくく、保護膜としてSiNを用いることができる。
保護膜を形成する前に、チャネル層に対し、オゾン処理、酸素プラズマ処理、二酸化窒素プラズマ処理もしくは亜酸化窒素プラズマ処理を施すことが好ましい。このような処理は、チャネル層を形成した後、保護膜を形成する前であれば、どのタイミングで行ってもよいが、保護膜を形成する直前に行うことが望ましい。このような前処理を行うことによって、チャネル層における酸素欠陥の発生を抑制することができる。
また、TFT駆動中に酸化物半導体膜中の水素が拡散すると、閾値電圧のシフトが起こりTFTの信頼性が低下するおそれがある。チャネル層に対し、オゾン処理、酸素プラズマ処理もしくは亜酸化窒素プラズマ処理を施すことにより、薄膜構造中においてIn−OHの結合が安定化され酸化物半導体膜中の水素の拡散を抑制することができる。
薄膜トランジスタを製造する過程において、半導体基板のCu等による金属汚染を除去すること、及びゲート絶縁膜表面のダングリングボンド等に起因する表面準位を低減させるために、半導体基板やゲート絶縁膜表面の洗浄を行うことが好ましい。
上記の洗浄に用いる洗浄溶液としては、シアン(CN)含有量が100ppm以下、好ましくは10ppm〜1ppmを上限とし、水素イオン濃度指数(pH)9〜14のシアン含有溶液を用いることができる。当該シアン含有溶液を加熱して、50℃以下(好ましくは30℃〜40℃)の温度とし、半導体基板やゲート絶縁膜表面の洗浄処理することが好ましい。
シアン含有溶液、例えばHCN水溶液を用いることで、シアン化物イオン(CN)が基板表面上の銅と反応して[Cu(CN)を形成して汚染銅を除去できる。[Cu(CN)はHCN水溶液中のCNイオンと反応し、pH10では[Cu(CN)3−として安定に存在する。CNイオンの錯イオン形成能は極めて大きく、極低濃度のHCN水溶液であっても、CNイオンが有効に反応して汚染銅の除去が可能である。
洗浄に用いるシアン(CN)含有溶液は、例えば、シアン化水素(HCN)を純水又は超純水,アルコール系溶媒及びケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、エーテル系溶媒、脂肪族アルカン系溶媒、又はこれらの混合溶媒から選ばれる少なくとも1つの溶媒に溶解し、さらに所定濃度に希釈するとともに、アンモニア水溶液等で、溶液中の水素イオン濃度指数、いわゆるpH値を好ましくは9〜14の範囲に調整して用いることが好適である。
薄膜トランジスタは、通常、基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体層(チャネル層)、ソース電極及びドレイン電極を備える。チャネル層については上述した通りであり、基板については公知の材料を用いることができる。
本発明の薄膜トランジスタにおけるゲート絶縁膜を形成する材料にも特に制限はなく、一般に用いられている材料を任意に選択できる。具体的には、例えば、SiO,SiN,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,HfO,CaHfO,PbTiO,BaTa,SrTiO,Sm,AlN等の化合物を用いることができる。これらのなかでも、好ましくはSiO,SiN,Al,Y,HfO,CaHfOであり、より好ましくはSiO,SiN,HfO,Alである。
ゲート絶縁膜は、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法により形成することができる。
プラズマCVD法によりゲート絶縁膜を形成し、その上にチャネル層を成膜した場合、ゲート絶縁膜中の水素がチャネル層に拡散し、チャネル層の膜質低下やTFTの信頼性低下を招くおそれがある。チャネル層の膜質低下やTFTの信頼性低下を防ぐために、チャネル層を成膜する前にゲート絶縁膜に対してオゾン処理、酸素プラズマ処理、二酸化窒素プラズマ処理もしくは亜酸化窒素プラズマ処理を施すことが好ましい。このような前処理を行うことによって、チャネル層の膜質の低下やTFTの信頼性低下を防ぐことができる。
尚、上記の酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよく、例えば、SiOでもSiOでもよい。
ゲート絶縁膜は、異なる材料からなる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。また、ゲート絶縁膜は、結晶質、多結晶質、非晶質のいずれであってもよいが、工業的に製造しやすい多結晶質又は非晶質であることが好ましい。
本発明の薄膜トランジスタにおけるドレイン電極、ソース電極及びゲート電極の各電極を形成する材料に特に制限はなく、一般に用いられている材料を任意に選択することができる。例えば、ITO,IZO,ZnO,SnO等の透明電極や、Al,Ag,Cu,Cr,Ni,Mo,Au,Ti,Ta等の金属電極、又はこれらを含む合金の金属電極を用いることができる。
ドレイン電極、ソース電極及びゲート電極の各電極は、異なる2層以上の導電層を積層した多層構造とすることもできる。特にソース・ドレイン電極は低抵抗配線への要求が強いため、AlやCu等の良導体をTiやMo等の密着性に優れた金属でサンドイッチして使用してもよい。
本発明の薄膜トランジスタは、好ましくはS値が0.8V/dec以下であり、0.5V/dec以下がより好ましく、0.3V/dec以下がさらに好ましく、0.2V/dec以下が特に好ましい。0.8V/dec以下であると、駆動電圧が小さくなり消費電力を低減できる可能性がある。特に、有機ELディスプレイで用いる場合は、直流駆動のためS値を0.3V/dec以下にすると消費電力を大幅に低減できるため好ましい。
S値は、トランスファ特性の結果から、Log(Id)−Vgのグラフを作製し、この傾きの逆数から導出することができる。S値の単位は、V/decadeであり、小さな値であることが好ましい。
S値(SwingFactor)とは、オフ状態からゲート電圧を増加させた際に、オフ状態からオン状態にかけてドレイン電流が急峻に立ち上がるが、この急峻さを示す値である。下記式で定義されるように、ドレイン電流が1桁(10倍)上昇するときのゲート電圧の増分をS値とする。
S値=dVg/dlog(Ids)
S値が小さいほど急峻な立ち上がりとなる(「薄膜トランジスタ技術のすべて」、鵜飼育弘著、2007年刊、工業調査会)。S値が大きいと、オンからオフに切り替える際に高いゲート電圧をかける必要があり、消費電力が大きくなるおそれがある。
本発明の薄膜トランジスタは、電界効果型トランジスタ、論理回路、メモリ回路、差動増幅回路等各種の集積回路にも適用できる。さらに、電界効果型トランジスタ以外にも静電誘起型トランジスタ、ショットキー障壁型トランジスタ、ショットキーダイオード、抵抗素子にも適応できる。
本発明の薄膜トランジスタの構成は、ボトムゲート、ボトムコンタクト、トップコンタクト等公知の構成を制限なく採用することができる。
特にボトムゲート構成が、アモルファスシリコンやZnOの薄膜トランジスタに比べ高い性能が得られるので有利である。ボトムゲート構成は、製造時のマスク枚数を削減しやすく、大型ディスプレイ等の用途の製造コストを低減しやすいため好ましい。
本発明の薄膜トランジスタは、表示装置に好適に用いることができる。
大面積のディスプレイ用としては、チャンネルエッチ型のボトムゲート構成の薄膜トランジスタが特に好ましい。チャンネルエッチ型のボトムゲート構成の薄膜トランジスタは、フォトリソ工程時のフォトマスクの数が少なく低コストでディスプレイ用パネルを製造できる。中でも、チャンネルエッチ型のボトムゲート構成及びトップコンタクト構成の薄膜トランジスタが移動度等の特性が良好で工業化しやすいため特に好ましい。
実施例1−7
[酸化物焼結体の製造]
原料粉体として下記の酸化物粉末を使用した。下記酸化物粉末の平均粒径としてメジアン径D50を採用し、当該平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−300V(島津製作所製)で測定した。
酸化インジウム粉 :平均粒径0.98μm
酸化スズ粉 :平均粒径0.98μm
酸化亜鉛粉 :平均粒径0.96μm
酸化アルミニウム粉:平均粒径0.98μm
上記の粉体を、表1に示す原子比になるように秤量し、均一に微粉砕混合後、成形用バインダーを加えて造粒した。次に、この原料混合粉を金型へ均一に充填し、コールドプレス機にてプレス圧140MPaで加圧成形した。
このようにして得た成形体を、表1に示す昇温速度、焼結温度及び焼結時間で、焼結炉で焼結して焼結体を製造した。昇温中は酸素雰囲気、その他は大気中(雰囲気)とし、降温速度は15℃/分とした。
[焼結体の分析]
得られた焼結体の相対密度をアルキメデス法により測定した。実施例1−7の焼結体は相対密度98%以上であることを確認した。
また、得られた焼結体のバルク比抵抗(導電性)を抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスタ)を使用して四探針法(JIS R 1637)に基づき測定した。結果を表2に示す。表2に示すように実施例1−7の焼結体のバルク比抵抗は、5mΩcm以下であった。
得られた焼結体についてICP−AES分析を行い、表1に示す原子比であることを確認した。
また、得られた焼結体についてX線回折測定装置(XRD)により結晶構造を調べた。実施例1−3で得られた焼結体のX線回折チャートをそれぞれ図2−4に示す。
チャートを分析した結果、実施例1の焼結体にはInZnのホモロガス構造とInZnのホモロガス構造とZnSnOのスピネル構造が観測された。結晶構造はJCPDSカード及び/又はICSDで確認することができる。
InZnのホモロガス構造は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162450のピークパターンであり、InZnのホモロガス構造は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162451のピークパターンであり、ZnSnOで表わされるスピネル構造化合物は、JCPDSデータベースのNo.24−1470のピークパターンである。
InZnのホモロガス構造の格子定数を導出した結果、a=b=3.32724Å、c=42.27143Åであった。ICSD♯162450のデータベースで開示されている格子定数は、a=b=3.3520Å、c=42.488Åであるため、実施例の焼結体では格子定数が小さくなることを確認した。Al3+のイオン半径は、In3+のイオン半径よりも小さいため、InZnのホモロガス構造にAlが固溶したため、格子定数が小さくなったと考えられる。
また、InZnのホモロガス構造の格子定数を導出した結果、a=b=3.32187Å、c=33.39592Åであった。ICSD♯162451のデータベースで開示されている格子定数は、a=b=3.3362Å、c=33.526Åであるため、実施例の焼結体では格子定数が小さくなることを確認した。Al3+のイオン半径は、In3+のイオン半径よりも小さいため、InZnのホモロガス構造にAlが固溶したため、格子定数が小さくなったと考えられる。
実施例1と同様にして、実施例2−7の焼結体においてもXRD測定を実施した結果、In(ZnO)(nは2〜20である)で表わされるホモロガス構造化合物及びZnSnOで表されるスピネル構造化合物を含むことを確認した。さらにIn(ZnO)(nは2〜20である)で表わされるホモロガス構造化合物の格子定数を表1に示す。表1に示すように実施例2−7においても、In(ZnO)(nは2〜20である)の格子定数は、ICSDのデータベースで開示されている格子定数よりも小さいことを確認した。
XRDの測定条件は以下の通りである。
・装置:(株)リガク製Ultima−III
・X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
・2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
・サンプリング間隔:0.02°
・スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
実施例1−7の焼結体について、電子線マイクロアナライザ(EPMA)測定により得られた焼結体のSnやAlの分散を調べたところ、8μm以上のSnやAlの集合体は観測されなかった。実施例1−7の焼結体は分散性、均一性が極めて優れていることが分かった。
EPMAの測定条件は以下の通りである。
装置名:JXA−8200(日本電子株式会社)
加速電圧:15kV
照射電流:50nA
照射時間(1点当りの):50mS
[スパッタリングターゲットの製造]
実施例1−7で得られた焼結体の表面を平面研削盤で研削し、側辺をダイヤモンドカッターで切断し、バッキングプレートに貼り合わせ、それぞれ直径4インチのスパッタリングターゲットを作製した。また、実施例1−3については、それぞれ幅200mm、長さ1700mm、厚さ10mmの6枚のターゲットをACスパッタリング成膜用に作製した。
[異常放電の有無の確認]
得られた直径4インチのスパッタリングターゲットをDCスパッタリング装置に装着し、雰囲気としてアルゴンガスにHOガスを分圧比で2%添加した混合ガスを使用し、スパッタ圧0.4Pa、基板温度を室温とし、DC出力400Wにて、10kWh連続スパッタを行った。スパッタ中の電圧変動をデータロガーに蓄積し、異常放電の有無を確認した。結果を表2に示す。
尚、上記異常放電の有無は、電圧変動をモニターして異常放電を検出することにより行った。具体的には、5分間の測定時間中に発生する電圧変動がスパッタ運転中の定常電圧の10%以上あった場合を異常放電とした。特にスパッタ運転中の定常電圧が0.1秒間に±10%変動する場合は、スパッタ放電の異常放電であるマイクロアークが発生しており、素子の歩留まりが低下し、量産化に適さないおそれがある。
[ノジュール発生の有無の確認]
得られた直径4インチのスパッタリングターゲットを用いて、雰囲気としてアルゴンガスに水素ガスを分圧比で3%添加した混合ガスを使用し、40時間連続してスパッタリングを行い、ノジュールの発生の有無を確認した。その結果、実施例1−7のスパッタリングターゲット表面において、ノジュールは観測されなかった。
尚、スパッタ条件は、スパッタ圧0.4Pa、DC出力100W、基板温度は室温とした。水素ガスは、ノジュールの発生を促進するために雰囲気ガスに添加した。
ノジュールは、スパッタリング後のターゲット表面の変化を実体顕微鏡により50倍に拡大して観察し、視野3mm中に発生した20μm以上のノジュールについて数平均を計測する方法を採用した。発生したノジュール数を表2に示す。
比較例1−2
表1に示す原子比で原料粉末を混合し、表1に示す昇温速度、焼結温度及び焼結時間で焼結した他は、実施例1−7と同様に焼結体及びスパッタリングターゲットを製造し、評価した。結果を表1及び2に示す。
比較例1−2のスパッタリングターゲットにおいて、スパッタ時に異常放電が発生し、ターゲット表面にはノジュールが観測された。比較例1−2のターゲットには、InAlZnのホモロガス構造、ZnSnOのスピネル構造、Alのコランダム構造が観測された。InAlZnのホモロガス構造はJCPDSカードNo.40−0259、Alのコランダム構造がJCPDSカードNo.10−173で確認することができる。
比較例1−2のターゲットにおいては、Alがターゲット中に存在しているため、ターゲットの相対密度が98%未満であり、ターゲットのバルク比抵抗は5mΩcm超であった。
Figure 0006470352
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実施例8−14
[酸化物半導体薄膜の成膜]
マグネトロンスパッタリング装置に、実施例1−7で作製した表3及び4に示す組成の4インチターゲットを装着し、基板としてスライドガラス(コーニング社製♯1737)をそれぞれ装着した。DCマグネトロンスパッタリング法により、下記の条件でスライドガラス上に膜厚50nmの非晶質膜を成膜した。
成膜時には、表3及び4に示す分圧比(%)でArガス、Oガス、及びHOガスを導入した。非晶質膜を形成した基板を大気中、300℃で60分加熱して酸化物半導体膜を形成した。
スパッタ条件は以下の通りである。
基板温度:25℃
到達圧力:8.5×10−5Pa
雰囲気ガス:Arガス、Oガス、HOガス(分圧は表3及び4を参照)
スパッタ圧力(全圧):0.4Pa
投入電力:DC100W
S(基板)−T(ターゲット)距離:70mm
[酸化物半導体薄膜の評価]
ホール効果測定用素子は、ガラス基板上に成膜した基板を用いてResiTest8300型(東陽テクニカ社製)にセットし、室温でホール効果を評価した。また、ICP−AES分析により、酸化物薄膜に含まれる各元素の原子比がスパッタリングターゲットと同じであることを確認した。
また、ガラス基板上に成膜した酸化物薄膜についてX線回折測定装置(リガク製Ultima−III)により結晶構造を調べた。
実施例8−14では、薄膜堆積直後は回折ピークが観測されず非晶質であることを確認した。また、大気下で300℃×60分加熱処理(アニール)後も回折ピークが観測されず非晶質であることを確認した。
上記XRDの測定条件は以下の通りである。
装置:(株)リガク製Ultima−III
X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
サンプリング間隔:0.02°
スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
[薄膜トランジスタの製造]
基板として、膜厚100nmの熱酸化膜付きの導電性シリコン基板を使用した。熱酸化膜がゲート絶縁膜として機能し、導電性シリコン部がゲート電極として機能する。
ゲート絶縁膜上に表3及び4に示す条件でスパッタ成膜し、膜厚50nmの非晶質薄膜を作製した。レジストとしてOFPR♯800(東京応化工業株式会社製)を使用し、塗布、プレベーク(80℃、5分)、露光した。現像後、ポストベーク(120℃、5分)し、シュウ酸にてエッチングし、所望の形状にパターニングした。その後熱風加熱炉内にて300℃で60分加熱処理(アニール処理)を行った。
その後、Mo(100nm)をスパッタ成膜により成膜し、リフトオフ法によりソース/ドレイン電極を所望の形状にパターニングした。さらに表3及び4に示すように保護膜を形成する前段階の処理として、酸化物半導体膜に対し、亜酸化窒素プラズマ処理を施し、プラズマCVD法(PECVD)にてSiOを成膜して保護膜とした。フッ酸を用いてコンタクトホールを開口し、薄膜トランジスタを作製した。
作製した薄膜トランジスタについて、電界効果移動度(μ)、S値及び閾値電圧(Vth)を評価した。これらの結果を表3及び4に示す。
これらの特性値は、半導体パラメーターアナライザー(ケースレーインスツルメンツ株式会社製4200SCS)を用い、室温、遮光環境下(シールドボックス内)で測定した。
また、盛装したトランジスタについて、ドレイン電圧(Vd)を1V及びゲート電圧(Vg)を−15〜20Vとして伝達特性を評価した。結果を表3及び4に示す。
電界効果移動度(μ)は、線形移動度から算出し、Vg−μの最大値で定義した。
作製した薄膜トランジスタに対して、DCバイアスストレス試験を行った。表3及び4に、Vg=15V、Vd=15VのDCストレス(ストレス温度80℃下)を10000秒印加した前後における、TFTトランスファ特性の変化を示す。
実施例8−14の薄膜トランジスタは、閾値電圧の変動が非常に小さく、DCストレスに対して影響を受けにくいことが分かった。
比較例3及び4
比較例1及び2で作製した4インチターゲットを用いて、表3に示すスパッタ条件、加熱(アニーリング)処理条件及び保護膜形成前処理に従い、実施例8−14と同様にして、酸化物半導体薄膜、薄膜評価用素子及び薄膜トランジスタを作製し、評価した。尚、比較例3及び4においては、酸化物半導体膜に対し、亜酸化窒素プラズマ処理等の前処理を施さずに、PECVD法にてSiOxを100nm成膜し、さらにSiOx膜の上にPECVD法にてSiNxを150nm成膜してSiOx及びSiNxの積層体を保護膜とした。結果を表3及び4に示す。
表3及び4に示すように、比較例3及び4の素子は電界効果移動度が15cm/Vs未満であり、実施例8−14との素子と比べて大幅に低いことが分かった。また、比較例3及び4の薄膜トランジスタは、DCバイアスストレス試験の結果、閾値電圧が1V以上変動し、著しい特性の劣化が生じていることが分かった。
Figure 0006470352
Figure 0006470352
実施例15−17
表5に示すスパッタ条件及びアニール条件に従い、実施例8−14と同様にして酸化物半導体及び薄膜トランジスタを製造し、評価した。結果を表5に示す。実施例15−17では、DCスパッタリングの代わりにACスパッタリングによる成膜を実施し、ソース・ドレインパターニングをドライエッチングで行った。
上記ACスパッタリングは、特開2005−290550号公報に開示された、図1に示す成膜装置を用いた。
例えば実施例15では、実施例1で作製した幅200mm、長さ1700mm、厚さ10mmの6枚のターゲット31a〜31fを用い、各ターゲット31a〜31fを基板の幅方向に平行に、距離が2mmになるように配置した。磁界形成手段40a〜40fの幅はターゲット31a〜31fと同じ200mmであった。
ガス供給系からスパッタガスであるAr、HO及びOをそれぞれ系内に導入した。スパッタリング条件は、0.5Pa、交流電源のパワーは3W/cm(=10.2kW/3400cm)とし、周波数は10kHzとした。成膜速度を調べるために、当該条件で10秒成膜し、得られた薄膜の膜厚を測定すると14nmであった。成膜速度は84nm/分と高速であり、量産に適している。
得られた薄膜をガラス基板を電気炉に入れ、空気中300℃、60分(大気雰囲気下)の条件で熱処理後、1cmのサイズに切出し、4探針法によるホール測定を行った。その結果、キャリア濃度が3.20×1017cm−3となり、十分半導体化していることが確認できた。また、XRD測定から薄膜堆積直後は非晶質であり、空気中300℃、60分後も非晶質であることを確認した。加えて、ICP−AES分析により、酸化物薄膜に含まれる各元素の原子比がスパッタリングターゲットと同じであることを確認した。
尚、実施例16及び17では、実施例1で作製したターゲットの代わりに、それぞれ実施例2及び3で作製したターゲットを用いた。
比較例5
実施例1−3で作製したターゲットの代わりに、比較例1で作製したターゲットを用い、表5に示すスパッタ条件、アニール条件に従い、実施例15−17と同様にして酸化物半導体薄膜、薄膜評価用素子及び薄膜トランジスタを作製し、評価した。尚、比較例5では、プラズマCVD法(PECVD)にてSiOxを100nm成膜し、さらにSiOxの上にプラズマCVD法(PECVD)にてSiNxを150nm成膜してSiOx及びSiNxの積層体を保護膜とした。結果を表5に示す。
表5に示すように、比較例5の素子は電界効果移動度が15cm/Vs未満であり、実施例15−17と比べて大幅に低いことが分かる。
Figure 0006470352
[酸化物焼結体の製造]
実施例18−22
原料の原子比、昇温速度、最高温度、最高温度保持時間を表6に示すものとした他は、実施例1−7と同様にしてIn,Sn,Zn,Alの酸化物焼結体を製造した。結果を表6に示す。
[焼結体の分析]
得られた焼結体の相対密度をアルキメデス法により測定し、実施例18−22の焼結体は相対密度98%以上であることを確認した。得られた焼結体についてICP−AES分析を行い、表6に示す原子比であることを確認した。
また、得られた焼結体のバルク比抵抗(導電性)を抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスタ)を使用して四探針法(JIS R 1637)に基づき測定した。結果を表7に示す。表7に示すように実施例18−22の焼結体のバルク比抵抗は、5mΩcm以下であった。
得られた焼結体についてX線回折測定装置(XRD)により結晶構造を調べた。実施例18−22で得られた焼結体のX線回折チャートをそれぞれ図5−9に示す。XRDの測定条件は実施例1〜7と同じである。
得られたX線回折チャートから、実施例18の焼結体には、InAlZnのホモロガス構造、ZnSnOのスピネル構造及びInZnのホモロガス構造が観測された。結晶構造はJCPDSカード及び/又はICSDで確認することができる。
尚、InAlZnのホモロガス構造は、JCPDSデータベースのNo.40−0260のピークパターンである。ZnSnOのスピネル構造は、JCPDSデータベースのNo.24−1470のピークパターンである。InZnのホモロガス構造は、X線回折でICSDデータベースから検索することができ、ICSD♯162450のピークパターンである。
InZnのホモロガス構造の格子定数を導出した結果、a=b=3.29952Å、c=41.91769Åであった。ICSD♯162450のデータベースで開示されている格子定数は、a=b=3.3520Å、c=42.488Åであるため、実施例の焼結体では格子定数が小さくなることを確認した。Al3+のイオン半径は、In3+のイオン半径よりも小さいため、InZnのホモロガス構造にAlが固溶したため、格子定数が小さくなったと考えられる。
実施例18と同様にして、実施例19−22の焼結体においてもXRD測定を実施した結果、In(ZnO)(nは2〜20である)で表わされるホモロガス構造化合物及びZnSnOで表されるスピネル構造化合物を含むことを確認した。さらにIn(ZnO)(nは2〜20である)で表わされるホモロガス構造化合物の格子定数を表6に示す。表6に示すように実施例19−22においても、In(ZnO)(nは2〜20である)の格子定数は、ICSDのデータベースやJCPDSカードで開示されている格子定数よりも小さいことを確認した。
実施例18−22の焼結体について、電子線マイクロアナライザ(EPMA)測定により得られた焼結体のSnやAlの分散を調べたところ、8μm以上のSnやAlの集合体は観測されなかった。実施例18−22の焼結体は分散性、均一性が極めて優れていることが分かった。EPMAの測定条件は実施例1〜7と同じである。
[スパッタリングターゲットの製造]
実施例18−22で得られた焼結体の表面を平面研削盤で研削し、側辺をダイヤモンドカッターで切断し、バッキングプレートに貼り合わせ、それぞれ直径4インチのスパッタリングターゲットを作製した。
[異常放電の有無の確認]
得られた直径4インチのスパッタリングターゲットをDCスパッタリング装置に装着し、雰囲気としてアルゴンガスにHOガスを分圧比で2%添加した混合ガスを使用し、スパッタ圧0.4Pa、基板温度を室温とし、DC出力400Wにて、10kWh連続スパッタを行った。スパッタ中の電圧変動をデータロガーに蓄積し、異常放電の有無を確認した。結果を表7に示す。
尚、上記異常放電の有無は、電圧変動をモニターして異常放電を検出することにより行った。具体的には、5分間の測定時間中に発生する電圧変動がスパッタ運転中の定常電圧の10%以上あった場合を異常放電とした。特にスパッタ運転中の定常電圧が0.1秒間に±10%変動する場合は、スパッタ放電の異常放電であるマイクロアークが発生しており、素子の歩留まりが低下し、量産化に適さないおそれがある。
[ノジュール発生の有無の確認]
得られた直径4インチのスパッタリングターゲットを用いて、雰囲気としてアルゴンガスに水素ガスを分圧比で3%添加した混合ガスを使用し、40時間連続してスパッタリングを行い、ノジュールの発生の有無を確認した。その結果、実施例18−22のスパッタリングターゲット表面において、ノジュールは観測されなかった。
尚、スパッタ条件は、スパッタ圧0.4Pa、DC出力100W、基板温度は室温とした。水素ガスは、ノジュールの発生を促進するために雰囲気ガスに添加した。
ノジュールは、スパッタリング後のターゲット表面の変化を実体顕微鏡により50倍に拡大して観察し、視野3mm中に発生した20μm以上のノジュールについて数平均を計測する方法を採用した。発生したノジュール数を表7に示す。
Figure 0006470352
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実施例23−30
[薄膜トランジスタの製造]
基板として、膜厚100nmの熱酸化膜付きの導電性シリコン基板を使用した。熱酸化膜がゲート絶縁膜として機能し、導電性シリコン部がゲート電極として機能する。熱酸化膜付きの導電性シリコン基板を1ppm,pH10の極低濃度のHCN水溶液(洗浄液)により洗浄した。温度は30℃に設定して洗浄を行った。
実施例18−20で作製した4インチターゲット(実施例23−25)、実施例18−22で作製した4インチターゲット(実施例26−30)をそれぞれ用い、表8、9に示すスパッタ条件、アニール条件に従い、ゲート絶縁膜上に膜厚50nmの非晶質薄膜を作製した。レジストとしてOFPR♯800(東京応化工業株式会社製)を使用し、塗布、プレベーク(80℃、5分)、露光した。現像後、ポストベーク(120℃、5分)し、シュウ酸にてエッチングし、所望の形状にパターニングした。その後熱風加熱炉内にて、実施例23−25の素子については450℃で60分加熱処理(アニール処理)を行い、実施例26−30の素子については300℃で60分加熱処理(アニール処理)を行った。
その後、Mo(200nm)をスパッタ成膜により成膜した。チャネルエッチによりソース/ドレイン電極を所望の形状にパターニングした。
パターニング後、表8,9に示すように、保護膜を形成する前段階の処理として酸化物半導体膜に対し、亜酸化窒素プラズマ処理を施した。PECVD法にてSiOxを100nm成膜し、さらにSiOxの上にPECVD法にてSiNxを150nm成膜し、SiOx及びSiNxの積層体を保護膜とした。ドライエッチングを用いてコンタクトホールを開口し、バックチャネルエッチ型の薄膜トランジスタを作製した。
保護膜付き薄膜トランジスタのチャネル層に対して、断面TEM(透過電子顕微鏡;Transmission Electron Microscope)を用いて電子線回折パターンによる結晶性評価を行った。装置は、日立製電界放出型透過電子顕微鏡 HF−2100を利用した。
実施例23−25の素子のチャネル層について断面TEM解析を行った結果、フロントチャネル側は回折パターンが観測されず、非晶質であったが、バックチャネル側に一部、回折パターンが観測され、結晶化している領域を有することが分かった。一方、実施例26−30の素子については、フロントチャネル側、バックチャネル側ともに回折パターンは観測されず、非晶質であることを確認した。
盛装したトランジスタについて、ドレイン電圧(Vd)を1V及びゲート電圧(Vg)を−15〜20Vとして伝達特性を評価した。これらの結果を表8、9に示す。電界効果移動度(μ)は、線形移動度から算出し、Vg−μの最大値で定義した。
作製した薄膜トランジスタに対して、DCバイアスストレス試験を行った。表8、9に、Vg=15V、Vd=15VのDCストレス(ストレス温度80℃下)を10000秒印加した前後における、TFTトランスファ特性の変化を示す。
実施例23−30の薄膜トランジスタは、閾値電圧の変動が非常に小さく、DCストレスに対して影響を受けにくいことが分かる。
比較例6及び7
比較例1及び2で作製したターゲットを用い、表9に示すスパッタ条件、アニール条件に従い、HCN水溶液(洗浄液)による洗浄及びチャネルに亜酸化窒素プラズマ処理を行わない他は実施例23−30と同様にしてバックチャネルエッチ型薄膜トランジスタを作製し、評価した。結果を表9に示す。
表9に示すように、比較例6及び7のバックチャネルエッチ型薄膜トランジスタは電界効果移動度が15cm/Vs未満であり、実施例22−30のバックチャネルエッチ型薄膜トランジスタと比べて大幅に低いことが分かる。
作製した薄膜トランジスタに対して、DCバイアスストレス試験を行った。表9に、Vg=15V、Vd=15VのDCストレス(ストレス温度80℃下)を10000秒印加した前後における、TFT伝達特性の変化を示す。
比較例6及び7の薄膜トランジスタは、実施例23−30のTFTと比べて閾値電圧が大幅にプラス方向にシフトし、比較例のTFTは信頼性が低いことが分かった。
また、比較例6及び7の素子のチャネル層について断面TEM解析を行った結果、フロントチャネル側、バックチャネル側ともに回折パターンは観測されず、非晶質であることを確認した。
Figure 0006470352
Figure 0006470352
本発明のスパッタリングターゲットを用いて得られる薄膜トランジスタは、表示装置、特に大面積のディスプレイ用として用いることができる。
31a〜31f:ターゲット
40a〜40f:磁界形成手段
17a〜17c:交流電源

Claims (10)

  1. インジウム元素(In)、スズ元素(Sn)、亜鉛元素(Zn)及びアルミニウム元素(Al)を含み、
    下記式(1)〜(4)の原子比を満たす酸化物半導体薄膜。
    0.12≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (1)
    0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
    0.59≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.80 (3)
    0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
  2. 前記酸化物半導体薄膜のキャリア濃度が1019/cm以下である、請求項1に記載の酸化物半導体薄膜。
  3. 前記酸化物半導体薄膜のホール移動度が11cm/Vs以上である、請求項1又は2に記載の酸化物半導体薄膜。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の酸化物半導体薄膜をチャネル層として備えた薄膜トランジスタ。
  5. インジウム元素(In)、スズ元素(Sn)、亜鉛元素(Zn)及びアルミニウム元素(Al)を含み、
    下記式(1)〜(4)の原子比を満たす酸化物半導体薄膜をチャネル層として備えた薄膜トランジスタであって、
    移動度が15.1cm/Vs以上である薄膜トランジスタ。
    0.08≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50 (1)
    0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
    0.45≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.90 (3)
    0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
  6. インジウム元素(In)、スズ元素(Sn)、亜鉛元素(Zn)及びアルミニウム元素(Al)を含み、
    下記式(1)〜(4)の原子比を満たす酸化物半導体薄膜をチャネル層として備えた薄膜トランジスタであって、
    閾値電圧シフト(ΔVth)が0.27V以下である薄膜トランジスタ。
    0.08≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50 (1)
    0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
    0.45≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.90 (3)
    0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
  7. インジウム元素(In)、スズ元素(Sn)、亜鉛元素(Zn)及びアルミニウム元素(Al)を含み、
    下記式(1)〜(4)の原子比を満たす酸化物半導体薄膜をチャネル層として備えた薄膜トランジスタであって、
    移動度が15.1cm/Vs以上であり、
    閾値電圧シフト(ΔVth)が0.27V以下である薄膜トランジスタ。
    0.08≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.50 (1)
    0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
    0.45≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.90 (3)
    0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の薄膜トランジスタであって、
    下記式(1)〜(4)の原子比を満たす酸化物半導体薄膜をチャネル層として備えた薄膜トランジスタ。
    0.12≦In/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (1)
    0.01≦Sn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (2)
    0.59≦Zn/(In+Sn+Zn+Al)≦0.80 (3)
    0.01≦Al/(In+Sn+Zn+Al)≦0.30 (4)
  9. 前記薄膜トランジスタのS値が0.8V/dec以下である、請求項4〜8のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  10. 前記薄膜トランジスタの閾値電圧が3.8V以下である、請求項4〜9のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
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