〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について説明する。
(遠隔操作システム100の構成)
図1は、本実施の形態にかかる遠隔操作システムの概略構成を示す図である。この図に示すように、遠隔操作システム100は、多数のユーザのそれぞれの宅内50に設置されている複数の家電アダプタ15(15A,15B…)付きの電子機器10(10A,10B…)と、これら電子機器10のクラウドサーバ(サーバ装置)20と、クラウドサーバ20に家電アダプタ15との組み合わせが登録されることで、当該家電アダプタ15が接続された電子機器10に対して遠隔操作が可能となる、ユーザそれぞれの通信端末装置30(30−1,30−2…)とから構成されている。本実施の形態にかかる遠隔操作システムでは、クラウドサーバ20に通信端末装置30と家電アダプタ15との組み合わせが登録されることで、通信端末装置30から、家電アダプタ15が接続された電子機器10を遠隔操作できるものとする。
各宅内50には、狭域通信ネットワークである無線LANが整備されており、無線LANの中継局40は、インターネットを含む広域通信ネットワーク62と接続されている。中継局40は、例えばWiFi(登録商標)ルータやWiFiアクセスポイントなどの通信機器である。本実施の形態では、無線LANとして無線LAN規格の1つであるIEEE802.11(IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11gあるいはIEEE802.11n)を利用している。もちろん、IEEE802.11以外の無線LAN規格に基づくものであってもよい。
クラウドサーバ20は、広域通信ネットワーク62および無線LANの中継局40を介して各宅内50に設置され、家電アダプタ15と接続された電子機器10と通信可能となっている。通信端末装置30は、広域通信ネットワーク62を介してクラウドサーバ20と接続される。通信端末装置30と広域通信ネットワーク62におけるインターネットとの間は、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)や、宅内あるいは公衆のWiFiアクセスポイントなどを利用しで接続される。通信端末装置30は、クラウドサーバ20を介して、クラウドサーバ20に家電アダプタ15との組み合わせが登録された電子機器10を遠隔操作できる。
家電アダプタ15と通信端末装置30とはいずれも、無線通信機器であり、広域通信ネットワーク62を介することなく、中継局40を介して相互に通信し合える。
なお、クラウドサーバ20と中継局40、および通信端末装置30とクラウドサーバ20とを繋ぐ通信網として広域通信ネットワーク62としてインターネットを含む構成を例示したが、電話回線網、移動体通信網、CATV通信網、衛星通信網などを利用することもできる。
通信端末装置30は、例えば、スマートフォンやタブレット端末のようなものである。電子機器10は、例えば、エアコン(空気調和機)や、冷蔵庫、洗濯機、調理器具、照明機器、空気清浄機器、給湯機器、撮影機器、各種AV機器、各種ロボット(例えば、掃除ロボット、家事支援ロボット、動物型ロボット等)などである。
本実施形態においては、通信端末装置30としてスマートフォンを例示し、電子機器10としてエアコンを例示する。つまり、スマートフォン(スマホと略記する場合もある)を用いてエアコンを遠隔操作する構成を例示する。
(通信端末装置30の構成)
通信端末装置30は、図2に示すように、制御部31、記憶部35、表示部36、通信部37および操作部38を備えている。制御部31は、通信端末装置30の各部の動作を制御するものである。制御部31は、例えば、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置からなり、記憶部35に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで通信端末装置30の各部の動作を制御する。また、制御部31は、表示部36を制御する表示制御部32と、通信部37を制御する通信制御部33とを備え、通信制御部33に、後述する未登録機器検索部39および選択通知部28が構築される。
通信部37は、広域通信ネットワーク62を介した通信と、無線LANの中継局40を介した装置間の相互通信とを行う。表示部36は、制御部31に表示制御部32の指示に応じてユーザに提示するための各種情報を表示する。操作部38は、ユーザからの操作入力を受け付けて制御部31に伝達する。記憶部35は、通信端末装置30で用いられる各種情報を記憶する記憶手段である。
(電子機器10および家電アダプタ15)
電子機器10は、クラウドサーバ20を介して通信端末装置30より命じられた制御命令に応じた動作を行う機能を有する電子機器である。本実施の形態では、クラウドサーバ20を介した通信端末装置30からの制御命令を受信して電子機器10に伝達する家電アダプタ15が外付けされた構成としているが、電子機器10内部に家電アダプタ15の機能が予め組み込まれている構成であってもよい。但し、家電アダプタ15として、遠隔操作を可能とする通信機能部分を外付けのオプションとすることで、電子機器10のコストを抑えることができる。
電子機器10は、図3に示すように、制御部11、接続部16、操作部17、記憶部13および装置機能部14を備えている。制御部11は、電子機器10の各部の動作を制御するものであり、ここでは、家電アダプタ15を介して入力される通信端末装置30からの操作入力も受け入れる。制御部11の構成は、通信端末装置30の制御部31と同様である。接続部16は、家電アダプタ15の接続部9と相互通信するものである。操作部17は、ユーザからの操作入力を受け付けて制御部11に伝達するものであり、当該電子機器10がリモコン操作可能な機器である場合は、リモコンからの操作入力も制御部11に伝達する。記憶部は13、電子機器10で用いられる各種情報を記憶する。装置機能部14は、制御部11の指示に応じて当該電子機器10の装置機能を実行するものである。電子機器10がエアコンである本実施の形態では、装置機能部14は空調を実行する。
家電アダプタ15は、クラウドサーバ20を介して通信端末装置30より受信した電子機器10に対する制御命令を電子機器10に伝達する電子機器である。家電アダプタ15は、図3に示すように、制御部6、記憶部7、通信部8、接続部9、操作部18および報知部19を備えている。
制御部6は家電アダプタ15の各部の動作を制御するものであり、構成は、通信端末装置30の制御部と同様である。この制御部6に報知部19を制御する報知制御部25が設けられている。記憶部7は、家電アダプタ15で用いられる各種情報を記憶するものである。通信部8は、通信端末装置30の通信部37と同様の通信を行うブロックである。接続部9は、電子機器10の接続部16と相互通信するものである。操作部18は、ユーザからの操作入力を受け付けて制御部6に伝達するものである。報知部19は、ユーザに各種情報を知らせるものある。
図4に、電子機器に接続された家電アダプタにおける操作部および報知部を拡大して示す。家電アダプタ15には、操作部18として、無線LANとの接続のオン/オフを切り替える無線LANボタン18aと、リンク設定に用いる登録ボタン18bとが設けられている。また、報知部19として、電源が入っているか否かを表す電源LED19a、無線LAN接続の有無を表す無線LANLED19b、クラウドサーバとの接続状態を表す接続LED19cとが設けられている。
そして、詳細については後述するが、本実施の形態では、報知制御部25は、これら3つのLED19a〜19cの少なくとも何れか1つを、本来の点灯状態とは異なる状態で点灯させることで、当該家電アダプタ15が接続されている電子機器10が、未登録機器選択画面においてペアリング対象として選択された電子機器10であることを報知するようになっている。
(クラウドサーバ20)
クラウドサーバ20は、図5に示すように、制御部27、通信部23および記憶部26を備えている。制御部27は、クラウドサーバ20の各部の動作を制御するものであり、構成は、通信端末装置30の制御部31と同様である。通信部23は、広域通信ネットワーク62を介して通信端末装置30および家電アダプタ15と相互通信を行う。記憶部26は、クラウドサーバ20で用いられる後述する各種情報(例えば、後述する認証情報、通信端末装置30のアドレス情報とクラウドID(スマホ)とを関連付けた情報、家電アダプタのアドレス情報とクラウドID(アダプタ)とを関連付けた情報、宅内共通ID(宅内共通識別情報)に対応付けたクラウドID(スマホ)およびクラウドID(アダプタ)、宅内共通IDに対応付けて紐付けられたクラウドID(スマホ)とクラウドID(アダプタ)の情報等)を記憶するデータベースである。
(遠隔操作システム100の動作説明)
図6は、上記遠隔操作システムにおける、通信端末装置を用いて電子機器を遠隔操作するイメージを示す図である。通信端末装置30−1とクラウドサーバ20とは、広域通信ネットワーク62を介して接続され、クラウドサーバ20と宅内50内の電子機器10Aに接続された家電アダプタ15Aとは、広域通信ネットワーク62と無線LANの中継局40を介して接続される。中継局40と家電アダプタ15Aとは無線通信で接続されている。
電子機器10Aを、広域通信ネットワーク62を介して通信端末装置30-1を用いて遠隔操作するには、通信端末装置30−1に専用のアプリケーションをダウンロードして、クラウドサーバ20にログインする必要がある。具体的には、まずは、前記アプリケーションを起動してログイン画面を表示する。
図7に、ログイン画面の一例を示す。この画面において、電子機器10Aのメーカから取得した後述する宅内共通IDと自身で設定したパスワードとを入力して「ログイン」ボタンを押す。これにより、入力された宅内共通IDとパスワードとからなる認証情報がクラウドサーバ20に送信され、クラウドサーバ20にて認証されるとクラウドサーバ20にログインできる。クラウドサーバ20にログインすると、通信端末装置30−1は、遠隔操作対象の電子機器(以下、操作対象機器と略記する場合もある)10の選択を受け付ける操作対象機器選択画面を表示する。
図8に操作対象機器選択画面の一例を示す。操作対象機器選択画面においては、操作対象機器10を選択できる操作対象機器選択ボタン(操作対象機器10を選択するためのボタン)が表示される。操作対象機器10は、クラウドサーバ20に、家電アダプタ15と通信端末装置30-1との組み合わせ登録されているペアリング済みの電子機器10である。
図8の画面では、操作対象機器選択ボタンである「リビングのエアコン」ボタンが表示されている。ここで、「リビングのエアコン」の名称はユーザにて当該電子機器10Aに付されたニックネームである。各電子機器10のニックネームはクラウドサーバ20に登録されている。なお、ニックネームが付されていない場合は、単に「エアコン」、「電子機器」などと表示される。
また、図8の画面では、操作対象機器選択ボタンは1つしか表示されていないが、宅内50に、当該通信端末装置30-1とペアリング済みの電子機器10が複数台ある場合は、操作対象機器選択画面には、複数台の操作対象機器10にそれぞれ対応した複数の操作対象機器選択ボタンが表示される。
図8の画面において、「リビングのエアコン」ボタンを押すと、リビングのエアコン(電子機器10A)の現在の状態を示す情報を含む機器操作画面が表示される。
図9に、機器操作画面の一例を示す。この画面を操作して、リビングのエアコン(電子機器10A)に対する指示を入力する。そして、「この内容で送信」ボタンを押すと、指示した内容を命じる制御命令が通信端末装置30−1からクラウドサーバ20に送信される。
クラウドサーバ20は、受信した制御命令を宅内50に設置された中継局40に送信し、中継局40は制御命令を電子機器10Aに接続された家電アダプタ15Aへ送信する。家電アダプタ15Aは、受信した制御命令を電子機器10Aに送信し、電子機器10Aは命令を実行する。
また、家電アダプタ15Aは、クラウドサーバ20と接続されている間、電子機器10Aより受信した電子機器10Aの状態を示す情報を定められたタイミングでクラウドサーバ20に送信する。クラウドサーバ20は、通信端末装置30−1がログインしている間、電子機器10Aの情報を通信端末装置30−1へ送信する。通信端末装置30−1は、クラウドサーバ20より受信した内容に基づいて機器操作画面を更新する。
そして、詳細については後述するが、クラウドサーバ20には、1台の家電アダプタ15につき、複数台の通信端末装置30と組み合わせを登録できるようになっており、1台の電子機器10は複数台の通信端末装置30とペアリングできる。したがって、クラウドサーバ20は、電子機器10Aとペアリングされている他の通信端末装置30がログインしている場合は、これら他の通信端末装置30にも電子機器10Aの情報を送信する。
また、図8の画面における「さがす」ボタンは、無線LANに接続されている、当該通信端末装置30−1と組み合わせが登録されていない家電アダプタ15と接続されている未登録の電子機器(未登録機器と略記する場合もある)10の検索を命じるボタンであり、詳細については後述する。
一方、ペアリング済みの電子機器10(操作対象機器)が存在しない場合は、操作対象機器選択画面には、操作対象機器選択ボタンは表示されず、図10に示すように、「さがす」ボタンのみが表示される。図10は、操作対象機器選択画面の別の例である。
(登録支援システムの構成)
次に、本実施の形態における遠隔操作システムに搭載されている登録支援システムについて説明する。登録支援システムは、遠隔操作を可能とする通信端末装置30と電子機器10との組み合わせ、具体的には通信端末装置30と電子機器10に接続された家電アダプタ15との組み合わせをクラウドサーバ20に登録する作業を支援するものである。
登録支援システムは、通信端末装置30側に搭載される(図2参照)、未登録機器を検索する未登録機器検索部39、未登録機器選択画面を表示する表示制御部32、および未登録機器選択画面において選択されたことを当該選択された電子機器に通知する選択通知部28と、電子機器10側に搭載される(図3参照)、通信端末装置30より選択されたことが通知されると選択された電子機器10であることを報知する選択報知部を備えている。選択報知部は、報知制御部25と報知部19とで構成される。
未登録機器検索部39は、宅内の無線LANの中継局40にアクセスして、家電アダプタ15を介して無線LANに接続されている電子機器10の中から、当該通信端末装置30と家電アダプタ15との組み合わせをクラウドサーバ20に登録することによって当該通信端末装置30による遠隔操作が可能となる未登録機器10を検索するものである。
未登録機器検索部39は、機器検索(IPマルチキャスト)に対して応答があった場合に、応答に含まれる情報に基づいて、クラウドサーバ20に組み合わせを登録できる電子機器10を表示する。
表示制御部32は、未登録機器検索部39によって検出された未登録機器10の中から任意の1台を選択させるための未登録機器選択画面を表示するものである。
選択通知部28は、未登録機器選択画面にてユーザが1台の未登録機器10を選択すると、中継局40を介して、選択された未登録機器10の家電アダプタ15に、選択された電子機器10であることを通知するものである。
報知制御部25は、通信端末装置30より中継局40を介して選択されたことが通知されると、報知部19を制御してペアリング対象として選択された電子機器10であることを報知する。
(登録支援システムを用いた登録手順の説明)
以下、このような登録支援システムの説明を含めて、遠隔操作を可能とする通信端末装置30-1と電子機器10Bに接続されて家電アダプタ15Bとの組み合わせをクラウドサーバに登録して、通信端末装置30-1と電子機器10Bとをペアリングする手順を説明する。
図11は、通信端末装置と電子機器(詳細には家電アダプタ)との組み合わせをクラウドサーバに登録する手順を示すフローチャートである。
ユーザは、通信端末装置30−1のログイン画面(図7参照)より、宅内共通IDとパスワードとを入力してログインを要求する(S1)。宅内共通IDとパスワードとで認証情報が構成される。通信端末装置30−1は、該認証情報をクラウドサーバ20に送信する。通信端末装置30−1は、後述する自身のクラウドID(スマホ_1)を保存している場合は、クラウドID(スマホ_1)もクラウドサーバ20に送信する。また、通信端末装置30−1は、クラウドID(スマホ_1)の保存の有無にかかわりなく、自身のアドレス情報(例えばMACアドレス(Media Access Control address))も送信する。
クラウドサーバ20は、詳細には、ペアリングを管理する管理サーバ21と、認証情報を用いて管理サーバ21へのログインの可否を判断する認証サーバ22とからなる。管理サーバ21は、宅内共通IDとパスワードとを受信すると、これらを認証サーバ22に転送(中継)する(S2)。
認証サーバ22は、宅内共通IDとパスワードとの組み合わせを登録・管理している。認証サーバ22には、宅内共通IDとパスワードとの組み合わせが事前に登録されている。認証サーバ22は、宅内共通IDとパスワードとの組み合わせが正しい場合は認証OKと判断して、正しくない場合は認証NGと判断する(S3)。認証サーバ22は、認証結果を管理サーバ21へ送信する(S4)。
管理サーバ21は、通信端末装置30と電子機器10との組み合わせを登録・管理している。管理サーバ21は、認証サーバ22での認証結果が認証OKである場合、通信端末装置30−1のアドレス情報に関連付けたクラウドID(スマホ_1)を宅内共通IDに関連付けて登録する(S5)。ここで、管理サーバ21は、通信端末装置30−1よりクラウドID(スマホ_1)が送信されてきた場合は、送信されてきたクラウドID(スマホ_1)を用いて登録し、送信されてきていない場合は、通信端末装置30−1のアドレス情報に関連付けてクラウドID(スマホ_1)を新規に設定して、登録する。
管理サーバ21は、宅内共通IDに関連付けてクラウドID(スマホ_1)を登録すると、認証OKの情報を通信端末装置30-1へ送信する。また、新規にクラウドID(スマホ_1)を設定した場合は、設定したクラウドID(スマホ_1)も通信端末装置30−1に送信する。
通信端末装置30−1は、認証OKの情報を受信するとログイン完了と判断し、操作対象機器選択画面(図8参照)を表示する。また、通信端末装置30−1は、クラウドID(スマホ_1)を受信した場合は、クラウドID(スマホ_1)を記憶部35に保存する(S6)。以降、通信端末装置30−1は、クラウドサーバ20との通信には、クラウドID(スマホ_1)を添付する。
次に、ユーザが、操作対象機器選択画面(図8,図10参照)の「さがす」ボタンを押すと、通信端末装置30−1の未登録機器検索部39は、中継局40にアクセスして機器検索(IPマルチキャスト)を行わせて、無線LANに接続されている未登録の家電アダプタ15を検索させる(S7)。
通信端末装置30−1は、未登録の家電アダプタ15より応答があり、これを検出すると、未登録機器選択画面を表示する(S8,選択画面表示部の機能)。
図12に、未登録機器選択画面の一例を示す。図12の画面では、未登録機器選択ボタンである「未登録エアコン1」「未登録エアコン2」「未登録エアコン3」の3つのボタンが表示されている。未登録機器選択ボタン(登録対象機器10を選択するためのボタン)は、それぞれに接続されている家電アダプタ15が未登録であるとして検出された電子機器10(未登録機器)の数だけ表示される。通信端末装置30-1は、検出された未登録の家電アダプタ15の製品名や製造番号の情報と、家電アダプタ15のアドレス情報(MACアドレス等)の情報にて、未登録機器選択ボタンと未登録機器10とを対応付けている。
ユーザは、未登録機器選択画面において、未登録機器選択ボタンの1つを押して家電アダプタ15を登録する電子機器10を選択する。例えば、図12の画面における「未登録エアコン1」ボタンが押されたとする。
「未登録エアコン1」ボタンが押されると、通信端末装置30-1の選択通知部28は、「未登録エアコン1」に対応付けられている電子機器10Bに、中継局40を介して選択されたことを通知し(S9)、かつ、未登録機器選択画面に換えてリンク設定画面を表示する。図13にリンク設定画面の一例を示す。該画面には、通信端末装置30と電子機器10に接続された家電アダプタ15と間にリンクを設定する際の手順が表示されている。
一方、「未登録エアコン1」ボタンが押されて、選択されたことが通知されると、電子機器10Bの家電アダプタ15Bの報知制御部25は、ユーザに選択された電子機器10Bの所在を知らせるべく、LED19a〜19cの少なくとも何れかを所定期間(例えば2秒間)点滅させる(S10)。これにより、ユーザは、LEDの点滅を視認することで、S9において選択した「未登録のエアコン1」ボタンに対応する電子機器10が、宅内50に設置された複数の電子機器10のうちの何れであるかを容易に特定することができる。
次に、ユーザは、図13のリンク設定画面に示されているリンク設定の手順に従い、選択された電子機器10Bの所在を知らせるLEDが点滅している家電アダプタ15Bの登録ボタン18b(図4参照)を押す。
登録ボタン18bが押されると、家電アダプタ15Bは、接続LED19c(図4参照)を所定期間(例えば1分間)点滅させると共に、登録ボタン18bが押されたことを管理サーバ21に通知する(S11)。ここで、家電アダプタ15Bは、自身のクラウドID(アダプタ_B)を保存している場合は、クラウドID(アダプタ_B)も管理サーバ21に送信する。
管理サーバ21は、家電アダプタ15Bから登録ボタン18bが押されたことが通知されると、家電アダプタ15Bのアドレス情報に関連付けたクラウドID(アダプタ_B)を宅内共通IDに関連付けて登録する(S12)。ここで、管理サーバ21は、家電アダプタ15BよりクラウドID(アダプタ_B)が送信されてきた場合は、送信されてきたクラウドID(アダプタ_B)を用いて登録し、送信されてきていない場合は、家電アダプタ15Bのアドレス情報に関連付けてクラウドID(アダプタ_B)を新規に設定して、登録する。
管理サーバ21は、新規にクラウドID(アダプタ_B)を設定した場合は、クラウドID(アダプタ_B)を家電アダプタ15Bに送信する。家電アダプタ15Bは、管理サーバ21からクラウドID(アダプタ_B)を受信すると、記憶部7にクラウドID(アダプタ_B)を保存する(S13)。以降、家電アダプタ15Bは、家電アダプタ15Bを介した電子機器10Bとクラウドサーバ20との通信には、クラウドID(アダプタ_B)を添付する。
一方、ユーザは、リンク設定画面に示されているリンク設定の手順に従い、通信端末装置30−1におけるリンク設定画面における「リンク」ボタンを押す(S14)。「リンク」ボタンが押されると、通信端末装置30−1は、「リンク」ボタンが押されてことを管理サーバ21に通知する(S14)。このとき、通信端末装置30−1は、保存している自身のクラウドID(スマホ_1)も一緒に送信する。
管理サーバ21は、登録ボタン18bが押されてから、所定の期間、ここでは、家電アダプタ15Bの接続LED19cの点滅期間に相当する期間に、通信端末装置30−1から「リンク」ボタンが押されたことが通知されると、通信端末装置30−1から送信されてきた通信端末装置30−1のクラウドID(スマホ_1)と家電アダプタ15Bのクラ
ウドID(アダプタ_B)とを紐付けると共に、宅内共通ID_1に対応付けて登録する(S15)。これにて、クラウドサーバ20における通信端末装置30−1と家電アダプタ15Bとの登録が完了する。登録が完了すると、管理サーバ21は、通信端末装置30−1に、電子機器10Bとのペアリングが完了したことを知らせるペアリング済通知を行う(S16)。
ペアリング済通知を受信した通信端末装置30−1は、リンク設定が完了したことを示すメッセージをリンク設定画面に表示する(S17)。ユーザは該メッセージを視認することで、当該通信端末装置30−1と電子機器10Bとのペアリングが完了したことを確認する。
なお、管理サーバ21は、登録ボタン18bが押されてから、所定の期間内に、通信端末装置30−1から「リンク」ボタンが押されたことが通知されない場合は、ペアリング済通知を行わない。ペアリング済通知を受信しない場合、通信端末装置30−1は、当該通信端末装置30−1と電子機器10Bとのペアリンク設定が失敗したことを示すメッセージをリンク設定画面に表示する。
(宅内共通IDと家電アダプタと通信端末装置との関係)
図14に、宅内共通IDと電子機器に接続された家電アダプタと通信端末装置との関係を示す。図14の例では、1つの宅内共通IDにつき、5台の家電アダプタ15(家電アダプタ15A〜15E)を組み合わせ登録できる。また、1台の家電アダプタ15には、5台の通信端末装置30を組み合わせ登録できる。5台の家電アダプタ15に組み合わせ登録される通信端末装置30は、家電アダプタ15毎に重複していてもよい。図14では、10人家族を想定して、通信端末装置30−1〜30−10の10台の通信端末装置30を、5台の家電アダプタ15に割り付けた例を示している。
(実施の形態の効果)
以上のように、本実施の形態における遠隔操作システム100においては、登録支援システムが搭載されており、ユーザが、通信端末装置30の未登録機器選択画面において、未登録機器選択ボタンを押してペアリング対象として未登録機器10を選択すると、選択された電子機器10の家電アダプタ15のLED19a〜19cの少なくとも何れかが点滅するなどして、当該電子機器10が選択されたペアリング対象の未登録機器10であることをユーザに知らせるようになっている。
これにより、無線LANに複数の未登録機器10が接続されており、通信端末装置30の未登録機器選択画面に、複数の未登録機器選択ボタンが表示されていたとしても、未登録機器選択ボタンを押して、宅内50の電子機器10に接続された各家電アダプタ15のLED19a〜19cの点灯状態を確認することで、画面内の各未登録機器先端ボタンと宅内50の複数の電子機器との対応関係を簡単に確認することができる。その結果、通信端末装置30と家電アダプタ15との間で、ボタンを操作するなどの物理的な操作を行う登録手法であっても、登録作業を容易にすることができる。
また、本実施の形態における遠隔操作システム100においては、クラウドサーバ20は、1台の電子機器10に1台接続される家電アダプタ15に対し1つの宅内共通IDのみ対応付けて管理している。そして、クラウドサーバ20は、宅内共通IDに対応付けた通信端末装置30と、無線LANに接続された家電アダプタ15との間で上述したような所定の物理的な操作が成され、通信端末装置30および家電アダプタ15それぞれから操作が成されたことを通知する信号を所定の期間内に受信すると、宅内共通IDに家電アダプタ15と通信端末装置30とを対応付けて、遠隔操作可能な組み合わせとして登録するようになっている。
このようなペアリング手法では、通信端末装置30と電子機器10とをペアリングするには、家電アダプタ15に対応付けられている唯一の宅内共通IDと、通信端末装置30と家電アダプタ15との間の物理的な操作との両方が必要となる。
したがって、電子機器10に対応付けた認証情報である宅内共通IDとパスワードとが、たとえ第三者に知られたとしても、該第三者が宅内50に入ってペアリングのための物理的な操作を行わない限り、電子機器10とペアリングすることができず、不正なペアリングを阻止できる。また、逆に、第三者が宅内50に入り込んだとしても、電子機器10に対応付けられている認証情報を入手してクラウドサーバ20にログインしない限り、電子機器10とペアリングすることができず、不正なペアリングを阻止できる。
また、ペアリングのための物理的な操作は、実際に電子機器10が設置された宅内に通信端末装置30を持ち込まないとできない操作であれば、通信端末装置30と家電アダプタ15の双方でボタンを押す操作以外であってもよい。
例えば、家電アダプタ15B(図1参照)の登録ボタン18b(図4参照)を押す操作と、通信端末装置30−1の画面上で「リンク」ボタン(図13参照)を押す操作との代わりに、通信端末装置30−1に非接触ICカードリーダを搭載させる一方、家電アダプタ15BにRFID(Radio Frequency Identification)を内蔵させておき、通信端末装置30−1のICカードリーダにて家電アダプタ15BのIDを読み取らせる操作を、セキュリティ確保のための物理的操作とすることも可能である。
この場合、例えば、内蔵するRFIDがICカードリーダにて読み取られたことを家電アダプタ15Bの制御部6(図3参照)にて認識できるように家電アダプタ15Bを構成することで、「RFIDが読み取られたこと」を、図11のS11「登録ボタン押下」の代わりとすることができる。一方、通信端末装置30−1においては、ICカードリーダにて家電アダプタ15BのRFIDを読み取ったことを、図11のS14「リンクボタン押下」の代わりとすることができる。これによれば、ボタン操作の場合と同様のシーケンスでペアリングが可能である。このようなRFIDをICカードリーダにて読み取る操作も、実際に家電アダプタ15Bを搭載した電子機器10Bが設置された宅内に通信端末装置30−1を持ち込まないとできない操作であるため、不正なペアリングを阻止できる。
また、電子機器10の遠隔操作において、クラウドサーバ20が、電子機器10と遠隔操作が可能な通信端末装置30とのペアリングを、ひとつの宅内共通IDで一元管理しているので、不正なペアリングを防いだ上で必要な複数台の通信端末装置30からの操作を実現することができる。
また、クラウドサーバ20は、組み合わせを登録するにあたり、ある宅内共通IDに対応つけられた電子機器10については、同じ宅内共通IDでログインしたユーザの通信端末装置としかペアリングできないように管理する。これにより、宅内共通IDを知らされている家族等の集団のみが、電子機器10を遠隔操作できる。
さらに、クラウドサーバ20は、1台の電子機器10につき、複数(例えば5台)の通信端末装置30とのペアリングを受け付けるが、その際には、宅内共通IDを用いて認証を必要としている。これにより、不正なペアリングを防ぎながらも、家族等の集団を構成する各人が使う通信端末装置30それぞれからの電子機器10の遠隔操作を実現できる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図15〜図19に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図15は、本実施の形態にかかる遠隔操作システムの登録支援システムを用いた、通信端末装置と電子機器(詳細には家電アダプタ)との組み合わせをクラウドサーバに登録する際のイメージを示す図である。
宅内50において、電子機器10Aは、通信端末装置30-1と既にペアリングされている。ここで、別の電子機器10Bが新たに設置されると、該電子機器10B自らが通信端末装置30-1に対して、ペアリングの承認を要求する。ここでは、実施の形態1の遠隔操作システムの登録支援システムに加えて備える機能として説明するが、単独に備える構成であってもよい。
図16〜図18に示すように、登録支援システムは、電子機器10側(家電アダプタ側)に搭載される、登録済機器検索部71、認証情報取得要求部72、認証情報送信要求部74および登録要求部73と、クラウドサーバ20側に搭載される認証情報送信部79および援用登録部81と、通信端末装置30に搭載される承認画面を表示する表示制御部32および承認通知部82を備える。
図16に示すように、登録済機器検索部71、認証情報取得要求部72、認証情報送信要求部74および登録要求部73は、家電アダプタ15の制御部6に設けられる。登録済機器検索部71は、中継局40にアクセスして無線LANに接続されている電子機器10の中から、クラウドサーバ20に通信端末装置30との組み合わせが登録されている登録済の電子機器(登録済機器)10を検索する。認証情報取得要求部72は、登録済機器検索部71にて登録済機器10が検出されると、該登録済機器10に対して、該登録済機器10が対応付けらえている宅内共通IDを含む認証情報をクラウドサーバ20より取得するよう要求する。登録要求部73は、登録済機器10から認証情報を受信すると、該認証情報と自機の機器識別情報とをセットした登録要求をクラウドサーバ20に送信する。認証情報送信要求部74は、別の電子機器10から認証情報取得要求を要求されると、クラウドサーバ20に対し、自機に対応付けられている認証情報を送信するよう要求する。
図17に示すように、認証情報送信部79は制御部27の通信部23を制御する通信制御部78に設けられ、援用登録部81は制御部27の記憶部26を制御する記憶制御部80に設けられている。
認証情報送信部79は、登録済機器10より認証情報の送信が要求されると、該登録済機器10に対応付けられている認証情報を送信する。援用登録部81は、未登録機器10より登録要求を受信すると、認証情報で特定される通信端末装置30がログイン状態となるまで承認待ちとして待機し、ログイン状態となると登録要求を承認するか否かを通信端末装置30に問い合わせ、通信端末装置30にて承認されると、未登録機器10と通信端末装置30とを遠隔操作可能な組み合わせとして記憶部26に登録する。
図18に示すように、通信端末装置30における表示制御部32は、クラウドサーバ20からの承認を問い合わせる情報を受信すると、承認するか否かを選択させるための承認画面を表示する。承認通知部82は、承認画面にて承認されると、クラウドサーバ20に承認されたことを通知する。
図19に、遠隔操作を可能とする通信端末装置と電子機器との組み合わせを、登録済の電子機器の情報を用いてクラウドサーバに登録する手順を示すフローチャートである。ここでは、図15に合わせて、未登録機器10Bが登録済機器10Aの認証情報を用いて、通信端末装置30-1とペアリングするまでの手順を説明する。
未登録機器10Bの電源がオンされる(あるいは何等かの操作で指示される)と、未登録機器10Bの登録済機器検索部71が、中継局40にアクセスして機器検索(IPマルチキャスト)を行わせて、無線LANに接続されている登録済機器10、具体的には家電アダプタ15を検索させる(S21)。
未登録機器10Bの登録済機器検索部71は、登録済機器10Aより応答があると(S2)、登録済機器10Aに対して、登録済機器10Aが対応付けらえている宅内共通IDを含む認証情報をクラウドサーバ20より取得するよう要求する(S23)。
これを受けて、登録済機器10Aの認証情報送信要求部74は、クラウドサーバ20に対して、自機に対応付けられている認証情報を送信するよう要求する(S24)。
クラウドサーバ20の認証情報送信部79は、登録済機器10Aより認証情報の送信が要求されると、登録済機器10Aに対応付けられている認証情報を送信する(S25)。登録済機器10Aは、クラウドサーバ20から受信した認証情報を未登録機器10Bに送信する(S26)。
未登録機器10Bの登録要求部73は、登録済機器10Aから認証情報を受信すると、該認証情報と自機の機器識別情報とをセットした登録要求を、クラウドサーバ20に送信する(S27)。
登録要求を受け取ったクラウドサーバ20の援用登録部81は、登録要求を受け付けたことを未登録機器10Bに応答する(S28)。これにて、未登録機器10Bは、自身に付されたクラウドID(アダプタ)を仮保存する(仮登録)。また、クラウドサーバ20の援用登録部81は、登録要求と共に受信した認証情報にて特定される通信端末装置30-1がログインするまで承認待ちとして登録要求を保持し、通信端末装置30-1がログインすると、承認待ちの機器があり、登録要求を承認するか否かを通信端末装置30-1に問い合わせる(S29)。
通信端末装置30-1の表示制御部32は、クラウドサーバ20より承認を問い合わせる情報を受信すると、承認するか否かを選択させるための承認画面を表示し、承認通知部82は、承認画面にて承認されると、クラウドサーバ20に承認されたことを通知する(S30)。
クラウドサーバ20の援用登録部81は、通信端末装置30-1から承認された旨が通知されると、未登録機器10Bに接続された家電アダプタ15Bと通信端末装置30-1とを遠隔操作可能な組み合わせとして登録し、未登録機器10Bには承認されたことを通知する(S31)。これにより、未登録機器10Bは、自身に付されたクラウドID(アダプタ)を保存する(登録済)。
以上のように、本実施の形態における遠隔操作システム100に搭載された登録支援システムにおいては、未登録機器10Bから登録済機器10Aの認証情報を援用して、登録済機器10Aが登録されている通信端末装置30−1と自機との登録をクラウドサーバ20に要求し、クラウドサーバ20は、通信端末装置30−1にて登録が認証されると、未登録機器10Bと通信端末装置30−1とを登録するようになっている。
これにより、宅内50にある電子機器10Aが既に登録されている状態で、新しい電子機器10Bを追加で設置された場合など、クラウドサーバ20に組み合わせを非常に簡単に、登録することができる。
〔他の実施の形態〕
本発明の他の実施の形態について説明する。ここでは、前記した2つの実施の形態の遠隔操作システム100に搭載された操作支援システムにおいて、仕様・構成の一部を変更することができる部分や追加できる機能等を説明する。
(1)図20に、通信端末装置30の表示制御部32が、未登録機器選択ボタンと操作対象機器選択画面を同一画面に表示した例を示す。図20の画面では、未登録機器選択ボタンと操作対象機器設定ボタンとが同じ画面に示されている。未登録機器選択ボタンと操作対象機器設定ボタンとを同じ画面に表示する場合は、操作対象機器設定ボタンを目立つ赤色表示とし、未登録機器選択ボタンを青色や灰色表示とするなど、表示形態を異ならせている。
同画面において、「未登録エアコン1」ボタンは、青色やグレーで表示された未登録機器選択ボタンであり、ニックネーム「リビングのエアコン」ボタンは、赤色や黄色等の目立つ色で表示された操作対象機器選択ボタンである。
これにより、各ボタンの機能の違いを一目瞭然に判別でき、それぞれを混同させることなく、操作することができる〔実施の形態3〕。
(2)電子機器10或いはこれに接続された家電アダプタ15の報知制御部25は、ユーザに選択された電子機器10の所在を知らせるべく、LED19a〜19cを点滅させていたが、電子機器10或いは家電アダプタ15が、音声等を発生する音出力部を備える構成であれば、音にて報知する構成としてもよい〔実施の形態4〕。
(3)上述したように、1台の電子機器10に対して遠隔操作可能に組み合わせられる通信端末装置30の台数は、例えば5台に制限されている。
しかしながら、未登録機器検索部39は、機器検索(IPマルチキャスト)に対して応答があった場合に、応答に含まれる情報に基づいて、クラウドサーバ20に組み合わせを登録できる電子機器10に絞り込んで表示することはできるが、台数制限に達していた場合にも未登録機器10として表示する。そのため、登録作業を行ってもクラウドサーバ20にて撥ねられてしまい、無駄な作業となる。
そこで、登録台数に制限がある場合、通信端末装置30の表示制御部32は、操作対象機器選択画面と未登録機器選択画面とを融合した画面において、未登録機器それぞれについて組み合わせが可能な残り台数に関する情報を併せて表示する構成とすることが好ましい。
図21に、通信端末装置30の表示制御部32が、操作対象機器選択画面と未登録機器選択画面とを融合した画面において、未登録機器選択ボタンに、遠隔操作可能な組み合わせとして登録できる通信端末装置の残り台数の情報を表示した例を示す。「ルームエアコン」ボタンには可能台数3、「未登録エアコン1」ボタンには、可能残台数5との情報が併せて表示されている。
ここで、各家電アダプタ15に対して登録済みの通信端末装置30の台数は、クラウドサーバ20が管理している。通信端末装置30は、クラウドサーバ20にログインした時点で、ログイン時に使用した宅内共通IDに紐づけられている家電アダプタ15の情報一覧を取得する。この情報の中には、各家電アダプタ15のクラウドID、ニックネーム、各家電アダプタ15に対する通信端末装置30の登録済み台数等が含まれている。
ユーザが、「さがす」ボタンを押すことで未登録機器検索部39が中継局40にアクセスして機器検索(IPマルチキャスト)を行った際に応答した各家電アダプタ15のうち、既にクラウドIDを持っているものはクラウドIDを含む情報を通信端末装置30に送信する。通信端末装置30はログイン時に取得した情報一覧と受け取ったクラウドIDを照らし合わせ、ニックネームと、1台の電子機器10あるいは家電アダプタ15に組み合わせられる通信端末装置30の制限台数から登録済み台数を引いた残り台数をボタン上に表示する。
同様に応答した家電アダプタ15のうち、クラウドID・ニックネームを持っておらず、どの通信端末装置とも組み合わせされていない家電アダプタ15については、ボタン上に「未登録エアコン」等の標準名と、残り台数として制限台数(5台)をそのまま表示する。
このような構成とすることで、既に制限台数に達している電子機器に対して、登録作業が無駄に実施されることを未然に防ぐことができる〔実施の形態5〕。
(4)また、登録台数に制限がある場合、通信端末装置30の表示制御部32は、未登録機器選択画面において、「制限台数に達しているために組み合わせを登録できないこと知らせるメッセージ」を併せて表示する構成としてもよい。
図22に、通信端末装置30の表示制御部32が、操作対象機器選択画面と未登録機器選択画面とを融合した画面において、未登録機器選択ボタンに、制限台数に達しているために組み合わせを登録できないこと知らせるメッセージを表示した例を示す。ニックネーム「倉庫のエアコン」ボタンには、「ペアリング制限台数に到達」との情報が、禁止を示すマークと共に表示されている。
また、同画面において、「ルームエアコン」ボタンは、青色やグレーで表示された未登録機器選択ボタンであり、ニックネーム「リビングのエアコン」や「子供部屋のエアコン」ボタンは、赤色や黄色等の目立つ色で表示された操作対象機器選択ボタンである。
この場合も、登録可能な台数はクラウドサーバ20が管理しており、通信端末装置30は、クラウドサーバ20にログインした時点で、ログイン時に使用した宅内共通IDに紐づけられている家電アダプタ15の情報一覧を取得する。この情報の中には、各家電アダプタ15に対する通信端末装置の登録済み台数が含まれている。
ユーザが「さがす」ボタンを押すことで未登録機器検索部39が中継局40にアクセスして機器検索(IPマルチキャスト)を行った際に応答した家電アダプタのうち、既にクラウドIDを持っているものはクラウドIDを含む情報を通信端末装置30に送信する。通信端末装置30はログイン時に取得した情報一覧と受け取ったクラウドIDを照らし合わせ、対応する家電アダプタに対する通信端末装置の登録済み台数が制限台数に達しているか否かを判断し、制限台数に達している場合は、ペアリングできないことを知らせるメッセージを表示する。
このような構成とすることで、既に制限台数に達している場合に、ペアリングができない理由を一目瞭然にユーザに知らせることができ、ユーザはペアリングができるか否かを即時に判断することができる〔実施の形態6〕。
(5)上述したように、1台の電子機器10あるいは家電アダプタ15に対し、宅内共通IDは1つのみ登録でき、通信端末装置30-1が付与された宅内共通IDとは異なる他の宅内共通IDですでにペアリングされている電子機器10については、同じ宅内50に設置されていても、ペアリングすることができない。
しかしながら、未登録機器検索部39は、機器検索(IPマルチキャスト)に対して応答があった場合に、応答に含まれる情報に基づいて、クラウドサーバ20に組み合わせを登録できる電子機器10に絞り込んで表示することはできるが、別の宅内共通IDに対応付けられている場合にも未登録機器10として表示する。そのため、登録作業を行ってもクラウドサーバ20にて撥ねられてしまい、無駄な作業となる。
そこで、通信端末装置30の表示制御部32は、宅内50に設置されていても、既に異なる宅内共通IDでペアリングされている場合は、未登録機器選択ボタンに、他の宅内共通IDで利用されているために組み合わせを登録できないこと知らせるメッセージを表示する構成とすることが好ましい。
図23に、通信端末装置30の表示制御部32が、操作対象機器選択画面と未登録機器選択画面とを融合した画面において、未登録機器選択ボタンに、宅内共通IDで利用されているために組み合わせを登録できないメッセージを表示した例を示す。未登録機器選択ボタン上のニックネームは、通信端末装置30がクラウドサーバ20にログインする際に取得した、通信端末装置30で利用している宅内共通IDに紐づけられている家電アダプタ15の情報を利用して表示するため、他の宅内共通IDに紐づけられた家電アダプタのニックネームはこの情報の中に含まれない。図23のように他の宅内共通IDで利用されている機器のニックネームをボタン上に表示するためには、改めて情報をサーバから取得する必要がある。ユーザが機器検索(IPマルチキャスト)を行った際に、他の宅内共通IDで利用されている家電アダプタ15も通信端末装置30にクラウドIDを送信しているので、通信端末装置30はこのクラウドIDを利用してクラウドサーバ20へ問い合わせを行い、クラウドIDに対応するニックネームを取得することにより、ボタン上にニックネームを表示できる。
同画面において、「ルームエアコン」ボタンは、青色やグレーで表示された未登録機器選択ボタンであり、ニックネーム「リビングのエアコン」や「子供部屋のエアコン」ボタンは、赤色や黄色等の目立つ色で表示された操作対象機器選択ボタンである。表示色を異ならせるだけでなく、ボタンの形等を工夫してもよい。
このような構成とすることで、ペアリングができない理由を一目瞭然にユーザに知らせることができ、ユーザはペアリングができるか否かを即時に判断することができる〔実施の形態7〕。
(6)操作対象機器選択画面において、複数の対象機器ボタンが表示されている場合や、他のユーザにて電子機器にニックネームが付けられ、操作対象機器選択ボタンがニックネームで表示されている場合、ユーザは、目前にある電子機器10の操作対象機器選択ボタンが操作対象機器選択画面内の何れに相当するかを把握できないことがある。
そこで、対応関係確認手段として、以下のような構成とすることが、より好ましい。
電子機器10あるいは家電アダプタ15に、電子機器10に対して所定の操作がなされると、操作されたことをクラウドサーバ20に通知する第1操作通知部を設ける。ここで、所定の操作とは、家電アダプタ15の操作部18を用いたあらゆる操作、電子機器10に対するあらゆる操作とすればよい。例えば、電子機器10がリモコン操作可能な機器である場合は、リモコンより何がしかのコマンドを受け付けた場合に、操作されたとすればよい。リモコンより受け付けるコマンドの内容は、運転状態の設定や変更にかかわらない。
クラウドサーバ20には、電子機器10より何がしかの操作されたことが通知されると、操作された電子機器10との組み合わせが登録されており、かつログイン状態にある通信端末装置30に対して、当該電子機器10に対して操作されたことを通知する第2操作通知部を設けておく。
通信端末装置30の表示制御部32は、操作対象機器選択画面を表示している状態で、画面内に表示している登録済機器選択ボタンに対応する電子機器10に対して操作が成されたことが通知されると、操作された電子機器10に対応した操作対象機器選択ボタンの表示形態を切り替える。
図24に、電子機器10の家電アダプタ15の操作部18が操作され、通信端末装置30の表示制御部32が、操作対象機器選択画面と未登録機器選択画面とを融合した画面において、「子供部屋のエアコン」のニックネームが付けられた操作対象機器選択ボタンを、点滅表示させている例を示す。色を変えて表示してもよい。
図25に、電子機器10に対してリモコン90を用いた操作がなされ、通信端末装置30の表示制御部32が、操作対象機器選択画面と未登録機器選択画面とを融合した画面において、「子供部屋のエアコン」のニックネームが付けられた操作対象機器選択ボタンを、点滅表示させている例を示す。色を変えて表示してもよい。
図24、図25の画面において、「ルームエアコン」ボタンは、青色やグレーで表示された未登録機器選択ボタンであり、ニックネーム「リビングのエアコン」や「子供部屋のエアコン」ボタンは、赤色や黄色等の目立つ色で表示された操作対象機器選択ボタンである。
このような構成とすることで、他のユーザにて電子機器にニックネームが付けられるなどして、ユーザの目前にある電子機器10が操作対象機器選択画面に表示されている操作対象機器選択ボタンの何れに相当するかを把握できない場合でも、家電アダプタの操作部18を操作したり、電子機器10のリモコンの何れかのボタンを押すなどすることで、両者の対応付けを明確にすることができる〔実施の形態8〕。
(7)あるいは、対応関係確認手段として、以下のような構成としてもよい。
通信端末装置30の表示制御部32は、操作対象機器選択画面を表示している状態で、画面内に表示している操作対象機器選択ボタンが操作されると、クラウドサーバ20に、選択された登録済機器10の遠隔操作をクラウドサーバ20に要請する。
クラウドサーバ20を介して遠隔操作の要請を受けた電子機器10の家電アダプタ15は、ユーザに操作対象機器として選択された電子機器10であることを、電子機器10或いは家電アダプタ15が備える音声等を発生する音出力部より音にて報知する構成としてもよい。
図26に、通信端末装置30の表示制御部32が、操作対象機器選択画面と未登録機器選択画面とを融合した画面において、「リビングのエアコン」のニックネームが付けられた操作対象機器選択ボタンを操作し、クラウドサーバ20を介して選択されてことが通知された電子機器10が、「リビングのエアコンはここです」と音声出力している例を示す。ビープ音や、メロディが鳴るようにしてもよい。
図26の画面において、「ルームエアコン」ボタンは、青色やグレーで表示された未登録機器選択ボタンであり、ニックネーム「リビングのエアコン」や「子供部屋のエアコン」ボタンは、赤色や黄色等の目立つ色で表示された操作対象機器選択ボタンである〔実施の形態9〕。
(8)複数の通信端末装置30にて遠隔操作可能に組み合わせ登録されている電子機器10に対して、そのうちの1台の通信端末装置30が、電子機器10との組み合わせ登録の削除を行うと、当該電子機器10と組み合わせ登録されている全ての通信端末装置においても、クラウドサーバ20において組み合わせの登録が抹消されてしまい、遠隔操作できないように設定されている場合がある。
そこで、このような設定がなされている場合、通信端末装置30の表示制御部32は、操作対象機器選択画面において、当該通信端末装置30のみが組み合わせを登録している電子機器10と、他のユーザの通信端末装置30とも組み合わせが登録されている電子機器とでは、操作対象機器選択画面において、表示形態を切り替える構成とすることが好ましい。
図27に、通信端末装置30の表示制御部32が、操作対象機器選択画面と未登録機器選択画面とを融合した画面において、「リビングのエアコン」および「子供部屋のエアコン」のニックネームが付けられた操作対象機器選択ボタンは、自機のみが組み合わせ登録を行っているものであり、例えば赤色で表示されている。これに対し、図ではクロスハッチを付けて示す「ルームエアコン」ボタンは、他の通信端末装置30とも組み合わせ登録されているものであり、赤色ではなく例えば黄色で表示されている。なお、ハッチングを付した「ルームエアコン」ボタンは、未登録の電子機器10を示す未登録機器選択ボタンであり、例えば灰色で表示されている。
このような構成とすることで、当該通信端末装置とのみ組み合わせが登録されている電子機器10と、他の通信端末装置とも組み合わせが登録されている電子機器とを一目瞭然に判断できるので、組み合わせ登録の削除が上述のような設定となっていた場合でも、間違って削除するようなことを、無くすることができる。
あるいは、登録を削除しようとする電子機器が、ユーザの通信端末装置としか登録されていない場合、自身の通信端末装置が登録を削除すると、何れの通信端末装置からも遠隔操作が実施できないことなるが、これにより、ユーザは、登録を削除する前に、このような事態の招来を把握することができる〔実施の形態10〕。
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、広域通信ネットワークに接続されたサーバ装置(クラウドサーバ20)を介して、通信端末装置が電子機器を遠隔操作する遠隔操作システムに搭載され、遠隔操作を可能とする通信端末装置と電子機器との組み合わせを前記サーバ装置に登録する作業を支援する登録支援システムであって、前記通信端末装置に搭載される、狭域通信ネットワーク(無線LAN)に接続されている電子機器の中から、前記サーバ装置に登録することによって当該通信端末装置による遠隔操作が可能となる未登録の電子機器を検索する未登録機器検索部と、前記未登録機器検索部で検出された未登録の電子機器の中から任意の1台を選択させるための未登録機器選択画面を表示部に表示させる表示制御部と、前記未登録機器選択画面にて1台の電子機器が選択されると、前記狭域通信ネットワークを介して、選択された前記電子機器に、選択された電子機器であることを通知する選択通知部と、前記電子機器に搭載される、前記通信端末装置より前記狭域通信ネットワークを介して前記選択されたことが通知されると、選択された電子機器であることを報知する選択報知部と、を備えることを特徴とする。
これによれば、遠隔操作を可能とする通信端末装置と電子機器との組み合わせをサーバ装置に登録するにあたって、ユーザが未登録機器選択画面にて任意の1台の未登録の電子機器を選択すると、選択された電子機器の選択報知部が、選択された電子機器であることを報知する。これにより、中継局に未登録の電子機器が複数存在していても、電子機器からの報知により、未登録機器選択画面で選択した未登録の電子機器がどれであるかを簡単に把握することができる。したがって、遠隔操作の対象として登録したい電子機器を簡単に選択することができ、組み合わせの登録作業が容易になる。
前記選択報知部としては、光にて報知する構成や、音にて報知する構成が好ましい。
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、さらに、前記サーバ装置は、1台の電子機器に対して遠隔操作可能に組み合わせられる通信端末装置に台数制限を設けており、前記表示制御部は、前記未登録機器選択画面において、未登録の電子機器それぞれについて組み合わせが可能な残り台数に関する情報を併せて表示する構成であってもよい。
これによれば、未登録機器選択画面において、未登録の電子機器それぞれについて組み合わせが可能な残り台数に関する情報が表示されるので、既に制限台数に達している電子機器に対して、登録作業が無駄に実施されることを未然に防ぐことができる。
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、さらに、前記サーバ装置は、1台の電子機器に対して遠隔操作可能に組み合わせられる通信端末装置に台数制限を設けており、前記表示制御部は、前記未登録機器選択画面において、組み合わせが可能な制限台数に達している電子機器には、制限台数に達しているために組み合わせを登録できないこと知らせるメッセージを併せて表示する構成であってもよい。
これによれば、未登録機器選択画面において、組み合わせが可能な制限台数に達している電子機器には、制限台数に達しているために組み合わせを登録できないこと知らせるメッセージが表示されるので、既に制限台数に達している電子機器に対して、登録作業が無駄に実施されることを未然に防ぐことができる。また、登録できない理由を一目瞭然にユーザに知らせることで、ユーザは登録できるか否かを即時に判断することができる。
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、さらに、前記表示制御部は、前記未登録機器選択画面を、当該通信端末装置との組み合わせが既に登録されている電子機器の中から操作する任意の1台を選択させるための操作対象機器選択画面に含めて表示し、該画面において、操作対象の電子機器を選択するためのボタンと未登録の電子機器を選択するためのボタンとで、それぞれの表示形態を異ならせる構成とすることもできる。
これによれば、登録済の電子機器と未登録の電子機器とが、同一の画面にて表示されるが、画面内において、登録済の電子機器を選択するボタンと未登録の電子機器を選択するボタンとで表示形態が異なっているので、それぞれを混同させることなく、操作することができる。
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、さらに、前記電子機器は、当該電子機器に対して所定の操作がなされると、操作されたことを前記サーバ装置に通知する第1操作通知部を備え、前記サーバ装置は、前記電子機器より操作されたことが通知されると、操作された電子機器との組み合わせが登録され、かつログイン状態にある前記通信端末装置に対して、前記電子機器が操作されたことを通知する第2操作通知部を備え、前記通信端末装置は、当該通信端末装置との組み合わせが既に登録されている電子機器の中から操作する任意の1台を選択させるための操作対象機器選択画面を表示している状態で、前記サーバ装置より、該画面に選択するためのボタンを表示している登録済の電子機器に対して操作がなされたことが通知されると、操作がなされた電子機器を選択するためのボタンの表示形態を切り替える構成とすることもできる。
他のユーザにて電子機器にニックネームが付けられている場合、ユーザの目前にある電子機器が操作対象機器選択画面に表示されている登録済の電子機器の何れに相当するか、把握できないことがある。上記構成によれば、電子機器に対して所定の操作、例えば、接続されている家電アダプタのボタンを操作したり、電子機器のリモコンを操作したりするなどの操作を行うことで、操作対象機器選択画面における、操作された電子機器を選択するボタンの表示形態が変化する。これにより、ユーザの目前にある電子機器が、操作対象機器選択画面に表示されている、登録済の電子機器を選択するボタンの何れに対応するかを、容易に確認することができる。
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、さらに、前記表示制御部は、当該通信端末装置との組み合わせが既に登録されている電子機器の中から操作する任意の1台を選択させるための操作対象機器選択画面において、当該通信端末装置とのみ組み合わせが登録されている電子機器と、他の通信端末装置とも組み合わせが登録されている電子機器とで、それぞれを選択するためのボタンの表示形態を異ならせる構成とすることもできる。
例えば、複数の通信端末装置にて遠隔操作可能に組み合わせ登録されている電子機器に対して、そのうちの1台の通信端末装置が、電子機器との組み合わせ登録の削除を行うと、当該電子機器と組み合わせ登録されている全ての通信端末装置においても、サーバ装置において組み合わせの登録が抹消されてしまい、遠隔操作できないように設定されている場合がある。
上記構成によれば、当該通信端末装置とのみ組み合わせが登録されている電子機器と、他の通信端末装置とも組み合わせが登録されている電子機器とで、それぞれを選択するボタンの表示形態が異なるので、当該通信端末装置とのみ組み合わせが登録されている電子機器と、他の通信端末装置とも組み合わせが登録されている電子機器とを一目瞭然に判断できる。これにより、組み合わせ登録の削除が上述のような設定となっていた場合でも、間違って削除するようなことを、無くすることができる。
あるいは、登録を削除しようとする電子機器が、ユーザの通信端末装置としか登録されていない場合、自身の通信端末装置が登録を削除すると、何れの通信端末装置からも遠隔操作が実施できないことなるが、これにより、ユーザは、登録を削除する前に、このような事態が招来することを事前に把握することができる。
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、さらに、前記サーバ装置は、前記電子機器10台に対し宅内共通識別情報(宅内共通ID)を1つのみ対応付け可能とし、前記宅内共通識別情報に対応付けた前記通信端末装置と、前記狭域通信ネットワークに接続された前記電子機器との間で所定の物理的な操作が成され、所定の期間内に前記通信端末装置および前記電子機器それぞれから操作が成されたことを通知する信号を受信すると、前記宅内共通識別情報に前記電子機器と前記通信端末装置とを対応付けて、遠隔操作可能な組み合わせとして登録する構成とすることもできる。
これによれば、1台の電子機器に対し、遠隔操作可能な通信端末装置を複数台組み合わせるにおいて、電子機器に1つのみ対応付けることのできる識別情報と、中継局の限られた通信範囲において、電子機器と通信端末装置との間でなされる所定の物理的な操作とが必要である。
したがって、電子機器に1つのみ対応付けることのできる識別情報が漏えいしたとしても、第三者による当該電子機器との登録を阻止することができる。逆に、中継局の限られた通信範囲において、第三者が自身の通信端末装置と電子機器との間で所定の物理的な操作を行ったとしても、第三者による当該電子機器との登録を阻止することができる。
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、さらに、前記表示制御部は、前記未登録機器選択画面において、前記未登録機器検索部が検出した未登録の電子機器のうち、当該通信端末装置が対応付けられている宅内共通識別情報とは異なる宅内共通識別情報に対応付けられている電子機器については、他の宅内共通識別情報に対応付けられているために登録できないことを知らせるメッセージを表示する構成とすることもできる。
サーバ装置において、電子機器1台に対し宅内共通識別情報(宅内共通ID)を1つのみ対応付け可能とした場合、宅内にあっても、既に異なる宅内共通識別情報にて対応付けられている場合は、登録できない。そこで、このような他の宅内共通識別情報に対応付けられた電子機器を、未登録機器選択画面に表示しない構成も考えられる。しかしながら、その場合、事情を知らないユーザは、宅内にあって、中継局に限られた通信範囲内に含まれているにも関わらず、未登録の電子機器として表示されず、登録できないため、混乱する恐れがある。
上記構成によれば、登録できない理由をユーザに知らせることができるので、ユーザが混乱することを回避できる。
本発明の一態様に係る遠隔操作システムにおける登録支援システムは、前記電子機器に搭載される、前記中継局にアクセスして狭域通信ネットワークに接続されている電子機器の中から、既に前記サーバ装置に登録されている電子機器を検索する登録済機器検索部と、前記登録済機器検索部にて登録済の前記電子機器が検出されると、該登録済の電子機器に対して、該登録済の電子機器が対応付けらえている前記宅内共通識別情報を含む認証情報を前記サーバ装置より取得するよう要求する認証情報取得要求部と、前記登録済の電子機器から、該登録済の電子機器が対応付けられている前記宅内共通識別情報を含む認証情報を受信すると、前記サーバ装置に対して、該認証情報と自機の機器識別情報とをセットして、当該認証情報で特定される通信端末装置との遠隔操作を可能とする組み合わせを登録するよう要求する登録要求部と、別の電子機器から認証情報の取得を要求されると、前記サーバ装置に自機の認証情報を要求する認証情報送信要求部と、前記サーバ装置に搭載される、登録済の電子機器より認証情報が要求されると認証情報を送信する認証情報送信部と、未登録の電子機器より前記登録要求を受信すると、前記認証情報で特定される前記通信端末装置がログイン状態となるまで承認待ちとして待機し、ログイン状態となると登録要求を承認するか否かを前記通信端末装置に問い合わせ、前記通信端末装置にて承認されると、前記電子機器と前記通信端末装置とを遠隔操作可能な組み合わせとして登録する援用登録部と、前記通信端末装置に備えられる、前記サーバ装置から承認が問い合わされると、承認するか否かを選択させるための承認画面を表示する前記表示制御部と、前記承認画面にて承認されると、前記サーバ装置に承認されたことを通知する承認通知部と、を備える構成とすることもできる。
これによれば、未登録の電子機器から、登録済の電子機器の認証情報を援用して、登録済の電子機器が登録されている通信端末装置と自機との登録をサーバ装置に要求し、サーバ装置、通信端末装置においてユーザが登録を認証すると、未登録の電子機器と通信端末装置とを登録する。
これにより、宅内等の中継局に限られた通信範囲内に、新しい電子機器が設置された場合に、既に登録されている電子機器の認証情報を用いて、認証情報にて特定される通信端末装置との組み合わせを、簡単に登録することができる。
また、本発明は、本発明の登録支援システムを構成する、通信端末装置、電子機器の各構成においても、権利範疇としている。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、家電アダプタ15、電子機器10、通信端末装置30、クラウドサーバ20の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、家電アダプタ15、電子機器10、通信端末装置30、クラウドサーバ20は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである家電アダプタ15、電子機器10、通信端末装置30、クラウドサーバ20の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記家電アダプタ15、電子機器10、通信端末装置30、クラウドサーバ20に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、一時的でない有形の媒体(non-transitory tangible medium)、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM(登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、家電アダプタ15、電子機器10、通信端末装置30、クラウドサーバ20を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電
話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance,登録商標)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。