JP6469571B2 - 抗ウイルス性化合物を調製するための方法 - Google Patents

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Description

本出願は、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれている2011年2月18日に出願した米国仮出願第61/444,475号および2010年7月16日に出願した米国仮出願第61/365,293号の優先権を主張する2011年7月15日に出願した米国出願第13/184,440号の一部継続出願である。
本開示は、(a)とりわけ、C型肝炎ウイルス(HCV)の抑制に有用な化合物およびこの塩を調製するための方法、(b)前記化合物および塩の調製に有用な中間体、(c)前記化合物または塩を含む医薬組成物、ならびに(d)上記組成物の使用方法を対象とする。
C型肝炎は、HCVと呼ばれる肝臓指向性のウイルスによって引き起こされる血液感染性、伝染性、ウイルス性疾患である。少なくとも6つの異なる遺伝子型(各遺伝子型の中にはいくつかの亜型を含む)が今までに知られている。北アメリカにおいてはHCV遺伝子型1a、続いてHCV遺伝子型1b、2a、2bおよび3aが優位である。アメリカ合衆国においてはHCV遺伝子型1、2および3が最も一般的であり、約80%のC型肝炎患者がHCV遺伝子型1を有する。ヨーロッパにおいてはHCV遺伝子型1b、続いてHCV遺伝子型2a、2b、2cおよび3aが優位である。アフリカにおいては、ほとんどHCV遺伝子型4および5のみが見られる。以下に記載するように、患者のHCV遺伝子型は、患者の治療に対する潜在的な応答および必要とされるかかる治療の期間を判定するのに臨床的に重要である。
HCV感染は、肝臓の炎症(肝炎)を引き起こす可能性があり、この肝炎は無症状ではあることが多いが、続いて起こる慢性肝炎は、肝硬変(肝臓の線維性瘢痕)、肝臓癌および/または肝不全を引き起こす可能性がある。世界保健機関は、世界で約1億7千万の人々がHCVに慢性的に感染しており、地球全体では毎年約3百万から約4百万の人々が新たに感染しているものと推定している。疾病対策予防センターによれば、米国においては約4百万の人々がHCVに感染している。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)との同時感染はよく見られ、HIV陽性の人口の中でのHCV感染の割合はより高い。
ウイルスが自然に消失するわずかな機会はあるが、慢性C型肝炎の大多数の患者は、治療しなければそれが消失しない。治療適応としては、典型的には、立証されたHCV感染および持続する肝臓機能検査異常が挙げられる。C型肝炎を治療するために主として使用される治療法には、単独療法(インターフェロン剤−「従来の」または長期間効果のあるペグ化されたインターフェロンのいずれかを使用する)および併用療法(インターフェロン剤およびリバビリンを使用)の2つが存在する。血流中に注入されるインターフェロンは、HCVに対する免疫反応を強化することによって作用し、経口で摂取されるリバビリンはHCV複製を阻止することによって作用するものと考えられる。単独で摂取されるリバビリンはHCVのレベルを効果的に抑えないが、インターフェロン/リバビリンの併用はインターフェロン単独よりもっと効果的である。一般的に、C型肝炎は、ペグ化されたインターフェロンαおよびリバビンの併用によってHCV遺伝子型に応じて24週または48週間治療される。
治療の目標は、持続されるウイルス応答である−−治療が完了した後でHCVが血液中に測定されないことを意味する。
インターフェロンおよびリバビリンはいずれも多数の副作用を有するため、治療は、特に薬物またはアルコールの乱用の前歴を有する者にとっては、肉体的に困難である。普通のインターフェロンに伴う副作用としては、インフルエンザに似た症状、過労、吐き気、食欲不振、甲状腺疾患、高血糖、脱毛および注射部位の皮膚反応が挙げられる。可能性のある重篤なインターフェロンと関連する副作用としては、精神病(例えば、自殺行動)、心臓の不具合(例えば、心臓麻痺、低血圧)、その他の内臓器官の損傷、血液の不具合(例えば、血球数の危険なほどの低下)および新たなもしくは悪化する自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ)が挙げられる。リバビリンと関連する副作用としては、貧血、疲労、易刺激性、皮疹、鼻閉、副鼻腔炎および咳が挙げられる。リバビリンは、また、先天性欠損を引き起こすことがあり得、そのため女性患者および男性患者の女性配偶者の妊娠は、治療中およびその後6ヶ月にわたって避けなければならない。
患者によっては、上で述べた重篤な副作用の故に治療を完了せず、他の患者(無応答者)は治療を行っても無視できないほどのHCVレベルを有し続け、さらに他の患者(再発患者)は、治療中にウイルスが消失したように見えるが、治療計画が終了した後しばらくしてウイルスは戻る。したがって、C型肝炎に由来する肝臓障害の進行を防止するための治療の別の組成物および方法(インターフェロン剤および/またはリバビリンとの組合せでまたはそれらの代わりに使用される)に対する必要性が引き続き存在する。
(要旨)
本開示は、式(A)
Figure 0006469571
の化合物を調製するための方法を対象とする。
本開示は、また、N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))またはこの塩等の化合物を調製するための方法(前記方法は、スルホネート(化合物(5))のスルホンアミド化を含む。)を対象とする。
本開示は、また、本明細書に記載されている方法によって調製された化合物(A)およびこの塩を対象とする。
本開示は、また、本明細書に記載されている方法によって調製された化合物(A)およびこのカリウム塩またはナトリウム塩を対象とする。
本開示は、また、化合物(5)を調製するための方法を対象とする。
本開示は、また、化合物(4)を対象とする。
本開示は、また、化合物(4)を調製するために有用なさまざまな中間体ならびにそれらの中間体を調製するための方法を対象とする。
本開示は、また、化合物(4)を調製するために有用な中間体化合物(1)および(3)ならびにこれらの中間体を調製するための方法を対象とする。
本開示は、また、上記の方法によって調製された化合物(A)またはこの塩を含む組成物(医薬組成物を含める)を対象とする。場合によって、該組成物は、1つ以上のさらなる治療薬を含むことができる。
本開示は、また、上記の化合物および組成物の、例えば、リボ核酸(RNA)ウイルス(HCVを含める)の複製を抑制するためまたはHCV RNAポリメラーゼ(C型肝炎を含める)を抑制することによって治療可能な疾患を治療するための使用方法を対象とする。
本開示のさらなる利点は、当業者には明らかである。
この詳細な説明は、他の当業者が、この開示が特定の用途の必要条件に最適となり得るようにその多数の形態で適合させおよび応用することができるように、本開示、その原理およびその実際の適用を他の当業者に熟知させることのみを意図する。この説明およびその具体例は、説明の目的のみを意図する。この開示は、それ故、この特許出願書類中に記載されている実施形態に限定されることはなく、さまざまに修正され得る。
本開示は、一つには、N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))等の式(A)の化合物またはこの塩を調製するための方法を対象とする。化合物(A)の塩は、カリウム塩、ナトリウム塩または任意のその他の適切な塩であり得る。複数の実施形態において、化合物(A)の塩はカリウム塩である。複数の実施形態において、化合物(A)の塩はナトリウム塩である。
この方法は、LGが脱離基であり;Rが、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、フェニル、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニルおよび3−フラニルからなる群から選択され;Rが、水素、フルオロ、クロロ、C−C−アルキルおよびC−C−アルキルオキシからなる群から選択され;Rが、C−C−アルキルおよびC−C−フルオロアルキルからなる群から選択される化合物(5)のスルホンアミド化を含む。
Figure 0006469571
複数の実施形態において、LGは、クロロ、ブロモ、ヨード、および−OSO1a(ここでR1aは、アリール、アルキル、フルオロアルキル、−フルオロアルキル−O−フルオロアルキル、−N(アルキル)、−O(アルキル)、−O(アリール)、フルオロ、イミダゾリルならびにこれらの異性体および同族体からなる群から選択される。)からなる群から選択される。
複数の実施形態において、LGは、R1aが、p−トリルもしくはフェニル等のアリール;メチルもしくはエチル等のアルキル;フルオロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ペルフルオロブチル(C)またはペルフルオロブチルの異性体、ならびに他のより高級およびより低級同族体、例えば限定はされないが、ペルフルオロペンチル、ペルフルオロヘキシルおよびペルフルオロオクチルである−OSO1aである。複数の実施形態において、R1aは、−フルオロアルキル−O−フルオロアルキル、例えばペルフルオロエトキシエチル;−N(アルキル);フルオロ;またはイミダゾリルである。
式(A)の化合物、例えばN−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))および対応する塩を調製するための方法
Figure 0006469571
ある実施形態において、この方法は、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,1,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−2−スルホネート、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−1−スルホネート、および6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロパン−2−スルホネートからなる群から選択される6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルノナフルオロブタン−1−スルホネート(化合物(5−1))のスルホンアミド化を含む。
Figure 0006469571
ある実施形態において、この方法は、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(化合物(5a))のスルホンアミド化を含む。
Figure 0006469571
化合物(5)は、遷移金属触媒または遷移金属触媒前駆物質および配位子を使用してスルホンアミド化することができる。
複数の実施形態において、配位子は、式(I)
Figure 0006469571
(式中、Xは、環式または非環式ホスフィンである。)
の構造に相当する構造を有する。
ArおよびArは、それぞれ独立してアリールまたはヘテロアリールである。Ar−Ar基の例は、式(I−1)−(I−42)
Figure 0006469571
Figure 0006469571
Figure 0006469571
Figure 0006469571
で示され、
式中、Xはホスフィンであり、
、V、VおよびVは、CRもしくはNから独立して選択され、
、V、V、VおよびVは、CRもしくはNから独立して選択され、
、WおよびWは、CR、NR、NもしくはOから独立して選択され、
は、CもしくはNであり、
は、CもしくはNであり、
、W、WおよびWは、CR、NR、NもしくはOから独立して選択され、
環Cは、各存在において、独立して、非置換の、またはそれぞれに、例えば、安定性および原子価の規則に応じて、RおよびRにより任意の回数置換されている縮合アリールもしくは縮合ヘテロアリールである。
Figure 0006469571
は、5もしくは6員環が芳香族であることを示す。
ArおよびArは、それぞれ独立して、それぞれ1つ以上のRおよびR等の基により場合によって置換されている。ArおよびArは、独立して、それぞれに、例えば、安定性および原子価の規則によって何回もRおよびRにより置換され得る。式(I−1)−(I−42)のいずれかにおけるR基の非存在は、通常通りその位置が水素原子によって占められていることを示す。
複数の実施形態において、基RおよびRは、水素;アミノ;ヒドロキシル;シアノ;ハロ;アルキル;アルケニル;アルキニル;ハロアルキル;ハロアルコキシ;オキソアルキル;アルコキシ;アルキルアミノ;ジアルキルアミノ;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているシクロアルキルオキシ;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されている5員もしくは6員のヘテロアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているフェニル;ヒドロキシアルキル;ヒドロキシアルコキシ;アルコキシアルキル;アミノアルキル;N−アルキルアミノアルキル;N,N−ジアルキルアミノアルキル;N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル;L−C(O)−OR1’、L−P(O)−(OR1’もしくはL−S(O)−OR1’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R1’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群から選択される。);L−O−C(O)−R2’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R2’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。);L−C(O)−NR3’4’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R3’およびR4’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。);L−NR5’−C(O)−R6’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R5’は水素もしくはアルキルであり、R6’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。);スルファモイル;N−(アルキル)スルファモイル;N,N−(ジアルキル)スルファモイル;スルホンアミド;サルフェート;アルキルチオおよびチオアルキルからなる群からそれぞれの存在で独立して選択され、またはRおよびRは一緒に結びついてアルキレンもしくは−O−(CH−O−(ここでmは1、2、3もしくは4である。)を形成する。
複数の実施形態において、式(I−1)−(I−42)のそれぞれに示されている置換されたRおよびRのそれぞれは、独立して、アルキル、アルコキシ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、フルオロアルキルまたはフェニルである。複数の実施形態において、アルキル基は、C−Cアルキルであり、アルコキシ基は、C−Cアルコキシ基であり、ハロアルキルおよびフルオロアルキルのアルキル基は、C−Cアルキルである。アルキルの例としては、メチル、エチルおよびイソプロピルが挙げられる。アルコキシの例としては、メトキシおよびイソプロポキシが挙げられる。ハロアルキルの例としては、トリフルオロメチルが挙げられる。ジアルキルアミノの例としては、ジメチルアミノが挙げられる。
複数の実施形態において、Xは、式(Ia)のリンを含有する複素環である。
Figure 0006469571
これらの配位子において、環Aとして上で標識化されているリン複素環(「ホスファサイクル」)は、リン原子を介して置換された芳香環に結合され、それは順次、このホスファサイクルに隣接したまたはオルト位の炭素原子のところで別の芳香環により置換されている。このホスファサイクルは、リン原子およびこのリン原子に直接結合している2つの環炭素を含めて3つ以上の環原子を含有する。環Aは、リンの単環式複素環、二環式複素環または三環式複素環であり得る。環Aは、式(Ia)のリンおよび2個の炭素環原子に加えて0個から9個の環原子を含む。この環原子のそれぞれは、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から独立して選択され得る。リン原子に結合している2つの環炭素は、炭素原子を介して置換基R10、R11、R12およびR13に結合されていてよく、すなわち、置換基R10、R11、R12およびR13は、それぞれの置換基の炭素原子を介してホスファサイクルに結合させることができる。このホスファサイクルは、アルケニル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アルキル;アルキルアミノ;アルキルチオ;アルキニル;アミノアルキル;N−アルキルアミノアルキル;N,N−ジアルキルアミノアルキル;N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているアリールアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているシクロアルキル;ジアルキルアミノ;ハロ;ハロアルキル;フルオロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているM−Mヘテロアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているヘテロシクロアルキル;ヒドロキシ;ヒドロキシアルキル;オキソ;アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール等の基により場合によって置換されている環外二重結合;ゼロ、1個もしくは2個のヘテロ原子を含有する3員から7員のスピロ環;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているフェニル;L−C(O)−OR1’、L−P(O)−(OR1’もしくはL−S(O)−OR1’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R1’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群から選択される。);L−O−C(O)−R2’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R2’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。);L−C(O)−NR3’4’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R3’およびR4’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。);L−NR5’−C(O)−R6’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R5’は水素もしくはアルキルであり、R6’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。);およびL−NR8’−S(O)−R9’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R8’は水素もしくはアルキルであり、R9’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。)からなる群から選択される1つ以上の環置換基を場合によって含有することができる。
さまざまな実施形態において、環Aは、P原子以外にはヘテロ環原子を含有しない式(Ia)に示されている4員、5員、6員、7員または8員環である。環Aは、架橋原子を含有しない単環であり得、または環Aは、架橋原子を含有する二環式もしくは三環式の環のような多環式の環であり得る。
複数の実施形態において、R10、R11、R12およびR13は、水素;アルキル;アルケニル;ハロアルキル;アルキニル;オキソアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシにより場合によって置換されているシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているヘテロシクリル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているM−Mヘテロアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているフェニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アミノアルキル;N−アルキルアミノアルキル;N,N−ジアルキルアミノアルキル;N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル;チオアルキル;L13−C(O)−OR14’、L13−P(O)−(OR14’もしくはL13−S(O)−OR14’(ここでL13は結合もしくはアルキレンであり、R14’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群から選択される。);L15−O−C(O)−OR16’(L15はアルキレンであり、R16’は、アルキルもしくはヒドロキシアルキルである。);L17−C(O)−NR18’19’(ここでL17は結合もしくはアルキレンであり、R18’およびR19’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。);およびL20−NR21’−C(O)−R22’(ここでL20はアルキレンであり、R21’は水素もしくはアルキルであり、R22’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。)からなる群からそれぞれ独立して選択され得る。
10、R11、R12およびR13に対して上で定義済みの置換基に加えて、またはそれとは別に、R10、R11、R12およびR13のそれぞれは、独立して、環を形成することに関与し得る。例えば、R10またはR11は、R12またはR13と一緒に環を形成することができる。R10およびR11は、それらが結合している炭素原子と一緒になってスピロ環式環を形成することができ、および/または、R12とR13とは、それらが結合している炭素原子と一緒になってスピロ環式環を形成することができる。R10、R11、R12およびR13の1つ以上は、環Aの環置換基と一緒になって環を形成することができる。
複数の実施形態において、Xは、式(Ib)のリン含有複素環である。
Figure 0006469571
式Ibのホスファサイクルは、リン原子を介して場合によって置換されている芳香環に結合されており、それは、順次、このリン原子に隣接してまたはオルト位の炭素原子のところで別の芳香環により置換されている。このホスファサイクルは、リン原子およびこのリン原子に直接結合している2つの環炭素に加えてフェロセニル部分を含有する。リン原子に結合している2つの環炭素は、炭素原子を介して置換基R10、R11、R12およびR13に順次結合しており、すなわち、置換基R10、R11、R12およびR13は、それぞれの置換基の炭素原子を介してホスファサイクルに結合している。R10、R11、R12およびR13は、上記のものと同じである。
複数の実施形態において、Xは、Arに縮合されて式(Ic):
Figure 0006469571
の化合物を生じる。環Bは式(I−c)のリン原子および炭素環原子に加えて0個から5個の環原子を有するリン複素環(ホスファサイクル)である。この環原子のそれぞれは、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群からそれぞれ独立して選択され得る。このホスファサイクルは、また、アルケニル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アルキル;アルキルアミノ;アルキルチオ;アルキニル;アミノアルキル;N−アルキルアミノアルキル;N,N−ジアルキルアミノアルキル;N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているアリールアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているシクロアルキル;ジアルキルアミノ;ハロ;ハロアルキル;フルオロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているM−Mヘテロアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているヘテロシクロアルキル;ヒドロキシ;ヒドロキシアルキル;オキソ;アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール等の基により場合によって置換されている環外二重結合;ゼロ、1個もしくは2個のヘテロ原子を含有する3員から7員のスピロ環;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているフェニル;L−C(O)−OR1’、L−P(O)−(OR1’もしくはL−S(O)−OR1’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R1’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群から選択される。);L−O−C(O)−R2’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R2’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。);L−C(O)−NR3’4’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R3’およびR4’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。);L−NR5’−C(O)−R6’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R5’は水素もしくはアルキルであり、R6’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。);およびL−NR8’−S(O)−R9’(ここでLは結合もしくはアルキレンであり、R8’は水素もしくはアルキルであり、R9’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。)からなる群から選択される1つ以上の環置換基を場合によって含有することができる。
14およびR15は、それらが結合している炭素原子と一緒にスピロ環式環を形成することができる。R14およびR15の1つまたは両方が、環Bの環置換基と一緒に環を形成することができる。R14およびR15のそれぞれは、水素;アルキル;アルケニル;ハロアルキル;アルキニル;オキソアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール等の基により場合によって置換されているシクロアルキル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているヘテロシクリル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているM−Mヘテロアリール;アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルもしくはハロアルコキシ等の基により場合によって置換されているフェニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アミノアルキル;N−アルキルアミノアルキル;N,N−ジアルキルアミノアルキル;N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル;チオアルキル;L13−C(O)−OR14’、L13−P(O)−(OR14’もしくはL13−S(O)−OR14’(ここでL13は結合もしくはアルキレンであり、R14’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群から選択される。);L15−O−C(O)−OR16’(ここでL15はアルキレンであり、R16’は、アルキルもしくはヒドロキシアルキルである。);L17−C(O)−NR18’19’(ここでL17は結合もしくはアルキレンであり、R18’およびR19’は、水素、アルキルおよびヒドロキシアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される。);およびL20−NR21’−C(O)−R22’(ここでL20はアルキレンであり、R21’は水素もしくはアルキルであり、R22’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルである。)からなる群から独立して選択され得る。
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールからなる群から選択することができる。Rは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレンまたは−(CR4142−O)−(式中、1つの末端は、該ホスファサイクルのリン原子に結合しており、他の末端はB環の原子に結合しており、R41およびR42は、それぞれ独立して水素もしくはアルキルであり、qは、1もしくは2である。)からなる群から選択することができる。言い換えれば、Rが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレンまたは−(CR4142−O)−であるとき、Rは、ホスファサイクルのリン原子と環Bの別の環原子との間の架橋基であり得る。
複数の実施形態において、ホスファサイクルXは、式(Id):
Figure 0006469571
(式中、基R10、R11、R12、およびR13は上記のものと同じである。)
の構造に相当する構造を有する。式(Id)のホスファサイクルは、結合aおよびbが、aとbが同時に二重結合ではないという条件で、単結合または二重結合である6員環である。
Figure 0006469571
は、単結合または二重結合である結合を表す。
式(Id)のホスファサイクルにおいては、置換基R16、R17、R18およびR19の1つ以上が、場合によって、置換基R10、R11、R12またはR13と共に環を形成することができる。さらに、またはそれとは別に、R16およびR19は、独立して、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、フルオロアルキル、アルケニルおよびアルコキシから選択することができる。複数の実施形態においてR16およびR19は、それぞれ水素である。
17およびR18は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル;アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール等の基で場合によって置換されている環外二重結合;またはゼロ、1個もしくは2個のヘテロ原子を含有する3員から7員のスピロ環を形成することができる。複数の実施形態において、環外二重結合を置換しているアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリールならびに、R17およびR18によって場合によって形成された環外スピロ環は、遷移金属化合物と組み合わせて使用されるときのそれぞれの配位子の触媒作用を受け入れ難いほど妨げることはない置換基等の基により場合によって置換されている。複数の実施形態において、これらの随意的な置換基は、RおよびRに対して記載されているそれらの基から選択される。
さらに、またはそれとは別に、R17およびR18のそれぞれは、遷移金属化合物と組み合わせて使用されるときのそれぞれの配位子の触媒作用を受け入れ難いほど妨げることはない部分から独立して選択することができる。R17およびR18のそれぞれは、水素、ハロ、フルオロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、フルオロアルキル、アルキルオキシ、アルキルチオ、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換へテロシクロアルキル、置換もしくは非置換M−Mヘテロアリール、置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換アリールアルキル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アミノアルキル;N−アルキルアミノアルキル;N,N−ジアルキルアミノアルキル;N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル;L−C(O)−OR1’、L−P(O)−(OR1’もしくはL−S(O)−OR1’(ここでR1’は、水素、アルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、Lは結合もしくはアルキレンである。);L−O−C(O)−R2’(ここでR2’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、Lは結合もしくはアルキレンである。);L−C(O)−NR3’4’(ここでR3’およびR4’は、水素、アルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、ここでLは、結合もしくはアルキレンである。);L−NR5’−C(O)−R6’(ここでR5’は水素もしくはアルキルであり、R6’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、Lは結合もしくはアルキレンである。)から独立して選択することができる。
このホスファサイクルとしては、架橋原子を有する多環式の環が挙げられ得る。
式(Id)に相当する構造を有するホスファサイクルの例は、以下の通り:
Figure 0006469571
Figure 0006469571
Figure 0006469571
Figure 0006469571
であるまたはこの塩であり、式中、R”は、酸素、NR20およびC(R20からなる群から選択され;
20は、独立して、各存在において、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキル(ここでアリール、ヘテロアリール、アリールアルキルのアリール、およびヘテロアリールアルキルのヘテロアリールは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シアノ、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシで場合によって置換されている。)であり;
nは、0、1または2である。
これらのホスファサイクルは、例えば、ホスファサイクル1−15、1−16、1−17、1−18、1−19、1−20、1−21、1−22、1−37、1−38、1−39、1−41、1−42、1−43、1−44および1−68等のキラル中心を有することができる。
複数の実施形態において、ホスファサイクルXは、6員環以外の環に基づいている。そのようなホスファサイクルは、式(Ie):
Figure 0006469571
の構造に相当する構造を有する。
式(Ie)のホスファサイクルXは、多環式の環を形成するための架橋を場合によって含有する4員環、5員環、7員環または8員環であり得る。
は、結合、−O−、−S−、−N(R21)−、=C(R22)−または−C(R23)(R24)−であり得、Qは、結合、−O−、−S−、−N(R25)−、=C(R26)−または−C(R27)(R28)−であり得、Qは、結合、−O−、−S−、−N(R29)−、=C(R30)−または−C(R32)(R30)−であり得、Qは、結合、−O−、−S−、−N(R33)−、=C(R34)−または−C(R35)(R36)−であり得、Qは、結合、−O−、−S−、−N(R37)−、=C(R38)−または−C(R39)(R40)−であり得、ただし、R10、R11、R12、R13およびR21からR40までは環置換基である。複数の実施形態において、Q1、Q2、Q3、Q4およびQ5の少なくとも1つは結合ではなく、そのため、このホスファサイクルは少なくとも4の環員数を有する。
21からR40までの環置換基の1つ以上は別の環置換基と一緒に環を形成することができる。さらに、またはそれとは別に、R21からR40までの環置換基のそれぞれは、水素、ハロ、フルオロ、アルキル、ハロアルキル、フルオロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル;置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換へテロシクロアルキル、置換もしくは非置換M−Mヘテロアリール、置換もしくは非置換フェニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アミノアルキル;N−アルキルアミノアルキル;N,N−ジアルキルアミノアルキル;N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル;L−C(O)−OR1’、L−P(O)−(OR1’もしくはL−S(O)−OR1’(ここでR1’は、水素、アルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、Lは結合もしくはアルキレンである。);L−O−C(O)−R2’(ここでR2’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、Lは結合もしくはアルキレンである。);L−C(O)−NR3’4’(ここでR3’およびR4’は、それぞれ独立して、水素、アルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、Lは、結合もしくはアルキレンである。);L−NR5’−C(O)−R6’(ここでR5’は水素もしくはアルキルであり、R6’はアルキルもしくはヒドロキシアルキルであり、Lは結合もしくはアルキレンである。);およびアルキルチオから独立して選択される。
さらに、またはそれとは別に、同じ環原子Q1、Q2、Q3、Q4またはQ5上の2つの環置換基は、一緒に、カルボニル;アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルもしくはヘテロアリール等の基により場合によって置換されている環外二重結合;またはゼロ、1個もしくは2個のヘテロ環原子を含有する3員から7員のスピロ環を形成することができる。複数の実施形態において、この環外二重結合またはスピロ環上の随意的な置換基は、基RおよびRに対して上で記載されている置換基から選択される。
式(Ie)のホスファサイクルが式(I)のAr−Ar基上の基Xと同様に置換されている複数の実施形態において、RおよびRのそれぞれは、水素、アルキル、アミノアルキルおよびアルコキシからなる群から独立して選択され、R10、R11、R12およびR13のそれぞれは、アルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択されおよび/またはR10もしくはR11は、R12もしくはR13と一緒になって環を形成する。
式(Ie)の非限定のホスファサイクルの例は、以下のものである。
Figure 0006469571
Figure 0006469571
複数の実施形態において、式(Ia)、(Id)および(Ie)のホスファサイクルは、基RおよびRが水素または水素ではない置換基である式(I)のAr−Ar基上の基Xと同様に置換されている。
複数の実施形態において、Xは非環式ホスフィンである。複数の実施形態において、Xは、ジアルキルまたはジアリールホスフィンである。複数の実施形態において、Xは−P(t−ブチル)である。
ホスフィン配位子としては、例えば、7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィナン;8,8,10,10−テトラメチル−9−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−1,5−ジオキサ−9−ホスファスピロ[5.5]ウンデカン;2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オール;8−(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;1,3,5,7−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン;ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフィン;ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン;ジ−tert−ブチル(2’−イソプロポキシ−1,1’−ビナフチル−2−イル)ホスフィン;2,2,5,5−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスホラン;2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフィナン;2,2,7,7−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフェパン;2,2,8,8−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスホカン;1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン;8−(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;6−メトキシ−N,N−ジメチル−2’−(7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン−8−イル)ビフェニル−2−アミン;8−(2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;8−(1,1’−ビナフチル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;7,7,9,9−テトラメチル−8−(2−(ナフタレン−1−イル)フェニル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;7,7,9,9−テトラメチル−8−(2−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オン;3,3,8,8,10,10−ヘキサメチル−9−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−1,5−ジオキサ−9−ホスファスピロ[5.5]ウンデカン;1−(2’−(ジメチルアミノ)−6’−メトキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(2’,6’−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(ビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(1,1’−ビナフチル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(3,6−ジメトキシ−2’,4’,6’−トリメチルビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オン;2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−4,5−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オン;1−(3’,5’−ジメトキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;1−(4’−tert−ブチルビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;N,N,N,N−テトラメチル−2’−(7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン−8−イル)ビフェニル−2,6−ジアミン;N,N−ジメチル−2’−(7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン−8−イル)ビフェニル−2−アミン;8−(ビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;8−(3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;8−(3,6−ジメトキシ−2’,4’,6’−トリメチルビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン;7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン;または任意のその他の適切なホスフィンを挙げることができる。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィナンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、8,8,10,10−テトラメチル−9−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−1,5−ジオキサ−9−ホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オールである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、8−(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1,3,5,7−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフィンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、ジ−tert−ブチル(2’−イソプロポキシ−1,1’−ビナフチル−2−イル)ホスフィンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、2,2,5,5−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスホランである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフィナンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、2,2,7,7−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフェパンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、2,2,8,8−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスホカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、8−(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、6−メトキシ−N,N−ジメチル−2’−(7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン−8−イル)ビフェニル−2−アミンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、8−(2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、8−(1,1’−ビナフチル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、7,7,9,9−テトラメチル−8−(2−(ナフタレン−1−イル)フェニル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、7,7,9,9−テトラメチル−8−(2−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、3,3,8,8,10,10−ヘキサメチル−9−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−1,5−ジオキサ−9−ホスファスピロ[5.5]ウンデカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(2’−(ジメチルアミノ)−6’−メトキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(2’,6’−ビス(ジメチルアミノ)ビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態にお
いて、このホスフィン配位子は、1−(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(ビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(1,1’−ビナフチル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(3,6−ジメトキシ−2’,4’,6’−トリメチルビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オン;2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−4,5−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オン;1−(3’,5’−ジメトキシビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、1−(4’−tert−ブチルビフェニル−2−イル)−2,2,6,6−テトラメチルホスフィナン−4−オンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、N,N,N,N−テトラメチル−2’−(7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン−8−イル)ビフェニル−2,6−ジアミンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、N,N−ジメチル−2’−(7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン−8−イル)ビフェニル−2−アミンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、8−(ビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、8−(3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、8−(3,6−ジメトキシ−2’,4’,6’−トリメチルビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンである。複数の実施形態において、このホスフィン配位子は、7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである。
化合物(5)は、触媒および/または触媒前駆物質の存在下でスルホンアミド化することができる。複数の実施形態において、この触媒および/または触媒前駆物質は、遷移金属化合物である。複数の実施形態において、この遷移金属触媒または遷移金属触媒前駆物質は、それぞれパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質である。パラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加物、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、クロロ(η3−アリル)パラジウム(II)二量体−トリフェニルホスフィン、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)および任意の他の適切なパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質が挙げられ得る。複数の実施形態において、このパラジウム触媒前駆物質またはパラジウム触媒前駆物質は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、酢酸パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、臭化パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、塩化パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、クロロ(η3−アリル)パラジウム(II)二量体−トリフェニルホスフィンである。
複数の実施形態において、化合物(5)は、溶媒の存在下でスルホンアミド化される。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、tert−アミルアルコールおよびtert−ブチルアルコール、2−メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アニソール、トリフルオロトルエンならびに任意のその他の適切な溶媒およびそれらの組合せを挙げることができる。複数の実施形態において、この溶媒はテトラヒドロフランである。複数の実施形態において、この溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドである。複数の実施形態において、この溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミドである。複数の実施形態において、この溶媒は、N−メチルピロリドンである。複数の実施形態において、この溶媒は、ジメチルスルホキシドである。複数の実施形態において、この溶媒は、1,2−ジメトキシエタンである。複数の実施形態において、この溶媒は、1,4−ジオキサンである。複数の実施形態において、この溶媒は、アセトニトリルである。複数の実施形態において、この溶媒は、シクロペンチルメチルエーテルである。複数の実施形態において、この溶媒は、トルエンである。複数の実施形態において、この溶媒は、ベンゼンである。複数の実施形態において、この溶媒は、tert−アミルアルコールである。複数の実施形態において、この溶媒は、tert−ブチルアルコールである。複数の実施形態において、この溶媒は、2−メチルテトラヒドロフランである。複数の実施形態において、この溶媒は、酢酸エチルである。複数の実施形態において、この溶媒は、酢酸イソプロピルである。複数の実施形態において、この溶媒は、アニソールである。複数の実施形態において、この溶媒は、トリフルオロトルエンである。複数の実施形態において、この溶媒は、2−メチルテトラヒドロフランおよび酢酸エチルの混合物である。複数の実施形態において、この溶媒は、tert−アミルアルコールおよびジメチルスルホキシドの混合物である。複数の実施形態において、この溶媒は、tert−アミルアルコールおよびジメチルスルホキシドの7:1混合物である。複数の実施形態において、この溶媒は、2−メチルテトラヒドロフランおよび酢酸エチルの1:2混合物である。複数の実施形態において、この溶媒は、2−メチルテトラヒドロフランおよび酢酸エチルの1:3混合物である。
化合物(5)は、塩基の存在下でスルホンアミド化することができる。塩基としては、例えば、リン酸三カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミドならびに任意のその他の適切な塩基およびそれらの組合せを挙げることができる。複数の実施形態において、この塩基は、リン酸三カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、120μm以下の粒径(D90)を有するリン酸三カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、1モル当量未満の水で水和されたリン酸三カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、0.5モル当量未満の水で水和されたリン酸三カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、120μm以下の粒径(D90)を有するとともに1モル当量未満の水で水和されたリン酸三カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、120μm以下の粒径(D90)を有するとともに0.5モル当量未満の水で水和されたリン酸三カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、炭酸セシウムである。複数の実施形態において、この塩基は、炭酸カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、炭酸ナトリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、ナトリウムtert−ブトキシドである。複数の実施形態において、この塩基は、カリウムtert−ブトキシドである。複数の実施形態において、この塩基は、ナトリウムフェノキシドである。複数の実施形態において、この塩基は、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドである。複数の実施形態において、この塩基は、リチウムジイソプロピルアミドである。
化合物(5)は、約20℃から約130℃まで、または約60℃から約100℃までの温度でスルホンアミド化することができる。反応が反応溶媒の沸点を超える温度で実施される例において、この反応は、反応の圧力を含有するために適切な密封容器中で実施される。複数の実施形態において、化合物(5)は、約60℃、次に約85℃、最後に約95℃の温度でスルホンアミド化される。複数の実施形態において、化合物(5)は、約80℃および次いで約50℃の温度でスルホンアミド化される。複数の実施形態において、化合物(5)は、約80℃および次いで約90℃の温度でスルホンアミド化される。
化合物(5)は、不活性雰囲気中でスルホンアミド化することができる。複数の実施形態において、この不活性雰囲気は、窒素によって提供される。複数の実施形態において、この不活性雰囲気は、アルゴンによって提供される。
ある実施形態において、化合物(5)は、アルゴン雰囲気下のリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフィンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、アルゴン雰囲気下のリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィナンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および8,8,10,10−テトラメチル−9−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−1,5−ジオキサ−9−ホスファスピロ[5.5]ウンデカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および2,2,6,6−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィナン−4−オールの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および8−(2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および1,3,5,7−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および8−(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および6−メトキシ−N,N−ジメチル−2’−(7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン−8−イル)ビフェニル−2−アミンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および8−(2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および8−(1,1’−ビナフチル−2−イル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および7,7,9,9−テトラメチル−8−(2−(ナフタレン−1−イル)フェニル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、リン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および7,7,9,9−テトラメチル−8−(2−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてt−アミルアルコール中でメタンスルホンアミドとの反応を受けて化合物(A)を生ずる。
ある実施形態において、化合物(5)は、テトラヒドロフラン中でリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンの存在下においてメタンスルホンアミドと反応させて、化合物(A)を生じる。
ある実施形態において、化合物(5)は、2−メチルテトラヒドロフラン中でリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンの存在下においてメタンスルホンアミドと反応させて、化合物(A)を生じる。
ある実施形態において、化合物(5)は、酢酸エチル中でリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンの存在下でメタンスルホンアミドと反応させて、化合物(A)を生じる。
ある実施形態において、化合物(5)は、t−アミルアルコール中でリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンの存在下においてメタンスルホンアミドと反応させて、化合物(A)を生じる。
ある実施形態において、化合物(5)は、2−メチルテトラヒドロフランおよび酢酸エチルの混合物中でリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンの存在下においてメタンスルホンアミドと反応させられて化合物(A)を生じる。
ある実施形態において、化合物(5)は、2−メチルテトラヒドロフランおよび酢酸エチルの混合物中でリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてメタンスルホンアミドと反応させられて化合物(A)を生じる。
式(A)の化合物は、対応する塩に転化させることができる。化合物(A)の塩は、この塩の性質の1つ以上、例えば、異なる温度および湿度における高められた薬剤安定性または水もしくはその他の溶媒中の望ましい溶解性等の理由から有利であり得る。塩が患者に投与することを目的としている場合(例えば、インビトロ状況で使用されるものとは対照的に)、この塩は、医薬として許容されるおよび/または生理的に適合性であると考えられる。したがって用語の「医薬として許容される」は、本開示においては形容詞的に使用され、修飾された名詞が薬剤製品としてもしくは薬剤製品の一部として使用するために適していることを意味する。医薬として許容される塩としては、アルカリ金属塩を形成するためおよび遊離酸もしくは遊離塩基の付加塩を形成するために一般に使用される塩が挙げられる。一般にこれらの塩は、典型的には、例えば、適切な酸もしくは塩基を開示されている化合物と反応させることによる常法によって調製することができる。式(A)の化合物の医薬として許容される塩基付加塩としては、例えば、金属塩および有機塩が挙げられる。金属塩としては、アルカリ金属(族Ia)塩、アルカリ土類金属(族IIa)塩およびその他の生理的に受け入れられる金属塩を挙げることができる。かかる塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から製造することができる。
化合物(A)の塩は、カリウム塩、ナトリウム塩または任意の他の適切な塩であり得る。複数の実施形態において、化合物(A)の塩は、カリウム塩である。複数の実施形態において、化合物(A)の塩は、ナトリウム塩である。ある実施形態において、式(A)の化合物は、塩基、溶媒または溶媒中の塩基で処理することによって対応する塩、化合物(A−s)、に転化することができる。説明の便宜上、この塩は、式(A−s)で示されているようにウラシル基において形成されたものとして示される。スルホンアミド部分は、また、式(A−s’)で例示されている通り塩形成できる官能基である。塩形成の実際の位置は、いずれかの官能基であり得る。
Figure 0006469571
塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび任意の適切な塩基を挙げることができる。複数の実施形態において、この塩基は、水酸化カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は、水酸化ナトリウムである。溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、2−プロパノール、水および任意のその他の適切な溶媒もしくはそれらの混合物が挙げられる。ある実施形態において、化合物(A)は、ジメチルスルホキシド、2−プロパノールおよび水の混合物中で水酸化ナトリウムとの反応を受けてナトリウム塩としての化合物(A−s)を生ずる。ある実施形態において、対応する塩への転化は、約68℃の温度で実施される。
化合物(A)の有機塩は、トロメタミン、ジエチルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)およびプロカイン等のアミン類から製造することができる。塩基性窒素含有基は、低級アルキル(C−C)ハライド(例えば、メチル、エチル、プロピルおよびブチルクロリド、ブロミドおよびヨーダイド)、ジアルキルサルフェート(例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミルサルフェート)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルクロリド、ブロミドおよびヨーダイド)、アリールアルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルブロミド)およびその他等の薬剤により第四級化することができる。
開示されている化合物を調製することに加えて、本開示は、また、開示されている方法の中間体を含めた一定の開示されている化合物の特定の塩および多形体を調製するための方法、ならびにこうした化合物、塩および多形体を含む組成物を対象とする。例えば、本開示は、一つには、N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))および対応するナトリウム塩およびカリウム塩の結晶形、すなわち参照により本明細書に組み込まれている国際特許公開番号WO2009/039134およびWO2009/039127に記載されている溶媒和物、水和物および無溶媒結晶形を調製することを対象とする。
B.6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(化合物5−I)を調製するための方法。
化合物(5−I)は、1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4))を、スルホニルフルオリド、スルホニルクロリドまたはスルホン酸無水物と反応させることによって調製することができ、式中、Xは、ブロモ、クロロ、フルオロ、N−フェニル−トリフルオロメチルスルホンアミジル、またはアリールオキシ、例えば4−ニトロフェノキシであり、R1aは、独立して、各存在において、p−トリルもしくはフェニル等のアリール;メチルもしくはエチル等のアルキル;フルオロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ペルフルオロブチルもしくはペルフルオロブチルの異性体ならびに他のより高級およびより低級同族体、例えば限定はされないが、ペルフルオロペンチル、ペルフルオロヘキシルおよびペルフルオロオクチル;ペルフルオロエトキシエチル等のフルオロアルコキシフルオロアルキル;−N(アルキル);フルオロ;−O(アルキル)および−O(アリール);またはイミダゾリルである:
Figure 0006469571
化合物(4)は、塩基の存在下でスルホニル化することができる。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、水素化カリウム、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンもしくは任意のその他の適切な塩基を挙げることができる。複数の実施形態において、この塩基は水素化ナトリウムである。複数の実施形態において、この塩基は水酸化ナトリウムである。複数の実施形態において、この塩基はナトリウムメトキシドである。複数の実施形態において、この塩基はナトリウムエトキシドである。複数の実施形態において、この塩基はナトリウムtert−ブトキシドである。複数の実施形態において、この塩基は水素化カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は水酸化カリウムである。複数の実施形態において、この塩基はカリウムメトキシドである。複数の実施形態において、この塩基はカリウムエトキシドである。複数の実施形態において、この塩基はカリウムtert−ブトキシドである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸セシウムである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸ナトリウムである。複数の実施形態において、この塩基は重炭酸ナトリウムである。複数の実施形態において、この塩基はトリエチルアミンである。複数の実施形態において、この塩基はジイソプロピルエチルアミンである。複数の実施形態において、この塩基は4−メチルモルホリンである。複数の実施形態において、この塩基はピリジンである。複数の実施形態において、この塩基は2,6−ジメチルピリジンである。
化合物(4)は、溶媒の存在下でスルホニル化することができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテルまたは任意のその他の適切な溶媒もしくはそれらの混合物が挙げられる。複数の実施形態において、この溶媒は、テトラヒドロフランである。複数の実施形態において、この溶媒は、2−メチルテトラヒドロフランである。複数の実施形態において、この溶媒は、ジメチルスルホキシドである。複数の実施形態において、この溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドである。複数の実施形態において、この溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミドである。複数の実施形態において、この溶媒は、N−メチルピロリドンである。複数の実施形態において、この溶媒は、1,2−ジメトキシエタンである。複数の実施形態において、この溶媒は、1,4−ジオキサンである。複数の実施形態において、この溶媒は、アセトニトリルである。複数の実施形態において、この溶媒は、ジクロロメタンである。複数の実施形態において、この溶媒は、クロロホルムである。複数の実施形態において、この溶媒は、ジエチルエーテルである。複数の実施形態において、この溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルの混合物である。複数の実施形態において、この溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルの2:3混合物である。
化合物(4)は、約−15℃から約50℃までまたは約−5℃から約30℃までの温度でスルホニル化することができる。ある実施形態において、化合物(4)は、室温でスルホニル化される。
化合物(4)は、周囲雰囲気または不活性雰囲気中でスルホニル化することができる。複数の実施形態において、この雰囲気は周囲である。複数の実施形態において、この不活性雰囲気は、窒素によって提供される。複数の実施形態において、この不活性雰囲気は、アルゴンによって提供される。
ある実施形態において、化合物(4)は、炭酸カリウムの存在下、N,N−ジメチルホルムアミド中、室温で、不活性窒素雰囲気下でペルフルオロブタンスルホニルフルオリドとの反応を受けて化合物(5a)を提供する。
ある実施形態において、化合物(4a)は、N,N−ジメチルホルムアミドおよびアセトニトリルの混合物中、炭酸カリウムの存在下、周囲温度、不活性窒素雰囲気下においてペルフルオロブタンスルホニルフルオリドと反応させて化合物(5a)を提供する。
Figure 0006469571
ある実施形態において、化合物(4a)は、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウムの存在下、周囲温度、不活性窒素雰囲気下において1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−1−スルホニルフルオリドと反応させて、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,−ヘプタフルオロプロパン−1−スルホネート、化合物(5b)を提供する。
ある実施形態において、化合物(4a)は、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウムの存在下、周囲温度、不活性窒素雰囲気下において1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホニルフルオリドと反応させて、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホネート、化合物(5c)を提供する。
ある実施形態において、化合物(4a)は、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウムの存在下、周囲温度、不活性窒素雰囲気下において1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホニルフルオリドと反応させて、化合物6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホネート、化合物(5d)を提供する。
ある実施形態において、化合物(4a)は、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウムの存在下、周囲温度、不活性窒素雰囲気下においてトリフルオロメタンスルホニルフルオリドと反応させて、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルトリフルオロメタンスルホネート、化合物(5e)を提供する。
ある実施形態において、化合物(4a)は、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウムの存在下、周囲温度、不活性窒素雰囲気下においてペルフルオロ(2−エトキシエタン)スルホニルフルオリドと反応させて、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペルフルオロエトキシ)エタンスルホネート、化合物(5f)を提供する。
ある実施形態において、化合物(4a)は、N,N−ジメチルホルムアミド中、炭酸カリウム存在下、不活性窒素雰囲気下においてフッ化スルフリルと反応させて、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルスルホフルオリデート、化合物(5g)を提供する。
C.1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4))等の式(4)の化合物を調製するための方法。
本開示は、一つには、1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4a))等の化合物(4)またはこの塩を対象とする。化合物(4)は、化合物(1)を、遷移金属触媒または遷移金属触媒前駆物質および配位子ならびに塩基が存在するクロスカップリング反応条件下で化合物(3)と反応させることによって調製することができる。
Figure 0006469571
およびRは、上に記載されている通りである。化合物(1)のLGは、クロロ、ブロモ、ヨード、または−OSO1b(ここでR1bは、p−トリルもしくはフェニル等のアリール;メチルもしくはエチル等のアルキル;フルオロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ペルフルオロブチルもしくはペルフルオロブチルの異性体ならびに他のより高級およびより低級同族体、例えば限定はされないが、ペルフルオロペンチル、ペルフルオロヘキシルおよびペルフルオロオクチル;ペルフルオロエトキシエチル等のペルフルオロアルコキシフルオロアルキル(perfluroalkoxyfluoroalkyl);フルオロ;−N(アルキル);−O(アルキル)および−O(アリール);またはイミダゾリルから選択される。)であり得る。複数の実施形態において、LGはクロロである。複数の実施形態において、LGはブロモである。複数の実施形態において、LGはヨードである。複数の実施形態において、LGは−OSO−p−トリルである。複数の実施形態において、LGは−OSO−フェニルである。複数の実施形態において、LGは−OSOCHである。複数の実施形態において、LGは−OSOCFである。複数の実施形態において、LGは−OSOである。複数の実施形態において、LGは−OSON(CHである。化合物(1)としては、例えば、1−(3−tert−ブチル−5−クロロ−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(1a))、1−(3−ブロモ−5−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(1b))または1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(1c))を挙げることができる。化合物(1)の製法は、以下の実施例1ならびに参照により本明細書に組み込まれている国際特許公開番号WO2009/039127に記載されている。
化合物(3)のYは、有機ボラン;ボロン酸;ホウ酸エステル;ホウ酸塩;ハロゲン化亜鉛;ジンケート;有機マグネシウム;ハロゲン化マグネシウム;マグネシウムアルコキシド;リチウム;−Si(R1cおよび−Sn(R1d(ここでR1cおよびR1dは、アルキル、フェニル、ヒドロキシ、ハロゲン化物、水素化物およびアルコキシからなる群から選択される。)からなる群から選択される。複数の実施形態において、Yはボロン酸塩である。化合物(3)としては、例えば、6−ヒドロキシナフタレン−2−イルボロン酸(化合物(3a))、トリフルオロ(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)ボロン酸カリウム(化合物(3b))および6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ナフタレン−2−オール(化合物(3c))を挙げることができ、これらのそれぞれは市販されている。
クロスカップリング反応は、触媒または触媒前駆物質の存在下で実施することができる。この触媒または触媒前駆物質は、例えば、銅、ニッケル、パラジウムもしくは他の適切な金属またはこれらの混合物を含むことができる。複数の実施形態において、この触媒は、遷移金属触媒および/または遷移金属触媒前駆物質である。複数の実施形態において、この遷移金属触媒または遷移金属触媒前駆物質は、パラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質である。パラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン(dibenzylidineacetone))ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加物、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、二酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体、または任意の他の適切なパラジウム触媒もしくはパラジウム触媒前駆物質が挙げられ得る。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、二酢酸パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体である。
このクロスカップリング反応は、配位子の存在下で行うことができる。複数の実施形態においてこの配位子はホスフィンである。配位子としては、例えば、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、ビフェニル−2−イルジシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン、[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ビス(tert−ブチル)ホスフィンもしくは任意の他の適切な配位子またはこれらの塩が挙げられ得る。複数の実施形態において、この配位子はトリ−t−ブチルホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子はトリシクロヘキシルホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子はトリス(2−フリル)ホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子は2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルである。複数の実施形態において、この配位子は1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンである。複数の実施形態において、この配位子はビフェニル−2−イルジシクロヘキシルホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子はジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子はジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子は[4−(ジメチルアミノ)フェニル]ビス(tert−ブチル)ホスフィンである。
化合物(1)は、塩基の存在下で化合物(3)と反応させることができる。塩基としては、例えば、リン酸三カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、フッ化セシウム、水酸化カリウムまたは任意の他の適切な塩基が挙げられ得る。複数の実施形態において、この塩基はリン酸三カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸セシウムである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸ナトリウムである。複数の実施形態において、この塩基はカリウムtert−ブトキシドである。複数の実施形態において、この塩基はフッ化セシウムである。複数の実施形態において、この塩基は水酸化カリウムである。
化合物(1)は、溶媒の存在下で化合物(3)と反応させることができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、エタノール、トルエン、水または任意のその他の適切な溶媒もしくはそれらの混合物を挙げることができる。複数の実施形態において、この溶媒はテトラヒドロフランである。複数の実施形態において、この溶媒は2−メチルテトラヒドロフランである。複数の実施形態において、この溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドである。複数の実施形態において、この溶媒は、1,2−ジメトキシエタンである。複数の実施形態において、この溶媒は1,4−ジオキサンである。複数の実施形態において、この溶媒はエタノールである。複数の実施形態において、この溶媒はトルエンである。複数の実施形態において、この溶媒は水である。複数の実施形態において、この溶媒は、テトラヒドロフランおよび水の混合物である。複数の実施形態において、この溶媒は水である。複数の実施形態において、この溶媒は、テトラヒドロフランおよび水の3:1混合物である。
化合物(1)は、約20℃から約130℃までの温度でまたは約40℃から約80℃までの温度で化合物(3)と反応させることができる。反応が反応溶媒の沸点を超える温度で実施される例において、この反応は、反応の圧力を含有するために適切な密封容器中で実施される。ある実施形態において、この反応は室温または高温で行われる。ある実施形態において、この反応は約65℃で行われる。この加熱は、通常の加熱によるまたはマイクロ波加熱によるいずれかで提供することができる。
化合物(1)は、化合物(3)と不活性雰囲気中で反応させることができる。複数の実施形態において、この不活性雰囲気は窒素によって提供される。複数の実施形態において、この不活性雰囲気はアルゴンによって提供される。
ある実施形態において、1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(1c))は、リン酸三カリウム、1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)の存在下、テトラヒドロフラン中で、6−ヒドロキシナフタレン−2−イルボロン酸(化合物3a)との反応を受けて、1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4a))を提供する。
ある実施形態において、1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(1c)は、テトラヒドロフランおよび水の混合物中でリン酸三カリウム、1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)の存在下において、6−ヒドロキシナフタレン−2−イルボロン酸(化合物(3a)と反応させて、1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4a))を提供する。
1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4a))等の式(4)の化合物は、また、化合物(1−Y)を、遷移金属触媒および/または遷移金属触媒前駆物質、塩基ならびに配位子が存在するクロスカップリング反応条件下で化合物(3−LG)と反応させることによって調製することができる。
Figure 0006469571
化合物(3−LG)のLGは、クロロ、ブロモ、ヨード、または−OSO1b(ここでR1bは、p−トリルもしくはフェニル等のアリール;メチルもしくはエチル等のアルキル;フルオロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ペルフルオロブチルもしくはペルフルオロブチルの異性体ならびに他のより高級およびより低級同族体、例えば限定はされないが、ペルフルオロペンチル、ペルフルオロヘキシルおよびペルフルオロオクチル;ペルフルオロエトキシエチル;フルオロ;−N(アルキル);−O(アルキル)および−O(アリール);またはイミダゾリルから選択される。)であり得る。複数の実施形態において、LGはクロロである。複数の実施形態において、LGはブロモである。さらなる実施形態において、LGはであるヨード。複数の実施形態において、LGは−OSO−p−トリルである。複数の実施形態において、LGは−OSO−フェニルである。複数の実施形態において、LGは−OSOCHである。複数の実施形態において、LGは−OSOCFである。複数の実施形態において、LGは−OSOである。複数の実施形態において、LGは−OSON(CHである。化合物(3−LG)としては、例えば、6−クロロナフタレン−2−オール(化合物(3−LGa))、6−ブロモナフタレン−2−オール(化合物(3−LGb))、または6−ヨードナフタレン−2−オール(化合物(3−LGc))が挙げられ得る。式(3−LG)の化合物は、市販されているかまたは当業者に知られている方法によって調製することができるかのいずれかである。
化合物(1−Y)のYは、有機ボラン;ボロン酸;ホウ酸エステル;ホウ酸塩;ハロゲン化亜鉛;ジンケート;有機マグネシウム;ハロゲン化マグネシウム;マグネシウムアルコキシド;リチウム;−Si(R1cおよび−Sn(R1d(ここでR1cおよびR1dは、アルキル、フェニル、ヒドロキシ、ハロゲン化物、水素化物およびアルコキシからなる群から選択される。)からなる群から選択される。複数の実施形態において、Yはボロン酸である。複数の実施形態において、Yはホウ酸エステルである。複数の実施形態において、Yはホウ酸塩である。化合物(1−Y)としては、例えば、3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニルボロン酸(化合物(1−Ya))、カリウム(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)トリフルオロボレート(化合物(1−Yb))、および1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(1−Yc))が挙げられ得る。式(1−Y)の化合物は、当業者に知られている方法によって式(1)の化合物から調製することができる。
クロスカップリング反応は、触媒または触媒前駆物質の存在下で実施することができる。この触媒または触媒前駆物質は、例えば、銅、ニッケル、パラジウムもしくは他の適切な金属またはこれらの混合物を含むことができる。複数の実施形態において、この触媒または触媒前駆物質は、遷移金属触媒および/または遷移金属触媒前駆物質である。複数の実施形態において、この遷移金属触媒または遷移金属触媒前駆物質は、パラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質である。パラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、二酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体、または任意の他の適切なパラジウム触媒もしくはパラジウム触媒前駆物質が挙げられ得る。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、二酢酸パラジウム(II)である。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。複数の実施形態において、このパラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質は、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体である。
クロスカップリング反応は、配位子の存在下で実施することができる。複数の実施形態において、この配位子はホスフィンである。配位子またはこれらの塩としては、例えば、トリ−t−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリス(2−フリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、ビフェニル−2−イルジシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン、または任意の他の適切な配位子が挙げられ得る。複数の実施形態において、この配位子はトリ−t−ブチルホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子はトリシクロヘキシルホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子は、トリス(2−フリル)ホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子は、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルである。複数の実施形態において、この配位子は、1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンである。複数の実施形態において、この配位子は、ビフェニル−2−イルジシクロヘキシルホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子は、ジシクロヘキシル(2’,6’−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンである。複数の実施形態において、この配位子は、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンである。
化合物(1−Y)は、塩基の存在下で化合物(3−LG)と反応させることができる。塩基としては、例えば、リン酸三カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド、フッ化セシウム、水酸化カリウムまたは任意の他の適切な塩基が挙げられ得る。複数の実施形態において、この塩基はリン酸三カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸セシウムである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸カリウムである。複数の実施形態において、この塩基は炭酸ナトリウムである。複数の実施形態において、この塩基はカリウムtert−ブトキシドである。複数の実施形態において、この塩基はフッ化セシウムである。複数の実施形態において、この塩基は水酸化カリウムである。
化合物(1−Y)は、溶媒の存在下で化合物(3−LG)と反応させることができる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、エタノール、トルエン、水もしくは任意の他の適切な溶媒またはこれらの混合物が挙げられ得る。複数の実施形態において、この溶媒はテトラヒドロフランである。複数の実施形態において、この溶媒は2−メチルテトラヒドロフランである。複数の実施形態において、この溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドである。複数の実施形態において、この溶媒は1,2−ジメトキシエタンである。複数の実施形態において、この溶媒は1,4−ジオキサンである。複数の実施形態において、この溶媒はエタノールである。複数の実施形態において、この溶媒はトルエンである。複数の実施形態において、この溶媒は水である。
化合物(1−Y)は、約20℃から約130℃までまたは約40℃から約80℃までの温度で化合物(3−LG)と反応させることができる。この反応が反応溶媒の沸点を超える温度で実施される例において、この反応は、反応の圧力を含有するために適切な密封容器中で実施される。ある実施形態において、この反応は、周囲温度または昇温で実施される。ある実施形態において、この反応は、約65℃で実施される。この温度は、通常の加熱によるまたはマイクロ波加熱によるいずれかで制御することができる。
化合物(1−Y)は、不活性雰囲気中で化合物(3−LG)と反応させることができる。複数の実施形態において、この不活性雰囲気は、窒素によって提供される。複数の実施形態において、この不活性雰囲気は、アルゴンによって提供される。
ある実施形態において、3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニルボロン酸(化合物(1−Ya))は、テトラヒドロフラン中でリン酸三カリウム、1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)の存在下において6−ヨードナフタレン−2−オール(化合物(3−LGc))と反応させて、1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4a))を提供する。
D.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、それとは異なるように明記されていない限り、以下の用語は示されている意味を有する。
本明細書で使用される用語の「アルケニル」とは、2個から10個までの炭素を含有しており、2つの水素の除去によって形成された少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有している直鎖状または枝分かれした炭化水素鎖を指す。アルケニルの代表的な例としては、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−メチル−1−ヘプテニルおよび3−デセニルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「アルコキシ」とは、酸素原子により親分子部分に付加している本明細書で定義されているアルキル基を指す。アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「アルコキシアルキル」とは、本明細書で定義されているアルキル基により親分子部分に付加している本明細書で定義されているアルコキシ基を指す。アルコキシアルキルの代表的な例としては、tert−ブトキシメチル、2−エトキシエチル、2−メトキシエチルおよびメトキシメチルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「アルキル」とは、1個から10個までの炭素原子を含有する直鎖状または枝分かれした飽和炭化水素鎖を指す。用語の「低級アルキル」または「C1−6アルキル」とは、1個から6個の炭素原子を含有する直鎖状または枝分かれした鎖状の炭化水素を指す。用語の「C1−3アルキル」とは、1個から3個の炭素原子を含有する直鎖状または枝分かれした鎖状の炭化水素を指す。アルキルの代表的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「アルキルアミノ」または「N−アルキルアミノ」とは、本明細書で定義されているアミノ基により親分子部分に付加されている本明細書で定義されているアルキル基を指す。アルキルアミノの代表的な例としては、メチルアミノ、エチルアミノおよびsec−ブチルアミノが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「N−アルキルアミノアルキル」とは、本明細書で定義されているアミノアルキル基により親分子部分に付加されている本明細書で定義されているアルキル基を指す。N−アルキルアミノアルキルの代表的な例としては、メチルアミノエチルおよびメチルアミノ−2−プロピルが挙げられるがこれらに限定されない。
用語の「アルキルカルボニル」とは、本明細書で定義されているカルボニル基により親分子部分に付加されているアルキル基を指す。アルキルカルボニルの代表的な例としては、アセチル、1−オキソプロピル、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル、1−オキソブチルおよび1−オキソペンチルが挙げられるがこれらに限定されない。
用語の「アルキレン」とは、1個から10個の炭素原子の直鎖状または枝分かれした鎖状の炭化水素から生じる二価の基を意味する。アルキレンの代表的な例としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−および−CHCH(CH)CH−が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「N−(アルキル)スルファモイル」とは、本明細書で定義されているスルファモイル基により親分子部分に付加している本明細書で定義されているアルキル基を指す。N−(アルキル)スルファモイルの代表的な例としては、N−メチルスルファモイルおよびN−エチルスルファモイルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「アルキルチオ」とは、硫黄原子により親分子部分に付加している本明細書で定義されているアルキル基を指す。アルキルチオの代表的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、tert−ブチルチオおよびヘキシルチオが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「アルキニル」とは、2個から10個までの炭素原子を含有しており、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有している直鎖状または枝分かれした鎖状炭化水素基を指す。アルキニルの代表的な例としては、アセチレニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−ブチニル、2−ペンチニルおよび1−ブチニルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「アミノ」とは、−NH基を指す。
本明細書で使用される用語の「アミノアルキル」とは、本明細書で定義されているアルキル基により親分子部分に付加している本明細書で定義されている少なくとも1つのアミノ基を指す。アミノアルキルの代表的な例としては、アミノメチル、2−アミノエチル、2−メチル−2−ヒドロキシエチルおよび2−アミノプロピルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「アリール」とは、フェニルまたは二環式アリールを指す。この二環式アリールは、ナフチルまたは単環式シクロアルキルに縮合したフェニルまたは単環式シクロアルケニルに縮合したフェニルである。アリール基の代表的な例としては、ジヒドロインデニル、インデニル、ナフチル、ジヒドロナフタレニルおよびテトラヒドロナフタレニルが挙げられるがこれらに限定されない。この二環式アリールは、この二環式環系中に含有されている任意の炭素原子により親分子部分に結合されている。本開示のこのアリール基は、非置換のまたは置換されたものであり得る。
本明細書で使用される用語の「アリールアルキル」とは、アルキル基を介して親分子部分に結合されているアリール基を指す。アリールアルキルの代表的な例としては、限定はされないが、フェニルメチル、フェニルエチルおよびナフチルメチルが挙げられる。
本明細書で使用される用語の「カルボニル」とは、−C(=O)を指す。
本明細書で使用される用語の「シアノ」とは、−CN基を指す。
本明細書で使用される用語の「シクロアルコキシ」とは、酸素原子により親分子部分に付加された本明細書で定義されているシクロアルキル基を指す。シクロアルコキシの代表的な例としては、シクロヘキシルオキシおよびシクロプロポキシが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「シクロアルキル」または「シクロアルカン」とは、単環式、二環式または三環式シクロアルキルを指す。前記単環式シクロアルキルは、3個から8個の炭素原子を含有し、ヘテロ原子および二重結合のない炭素環式環系である。単環式環系の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられるがこれらに限定されない。前記二環式シクロアルキルは、単環式シクロアルキル環に縮合した単環式シクロアルキルまたは単環式環の2個の非隣接炭素原子が1個、2個、3個もしくは4個の炭素原子を含有するアルキレン架橋によって連結されている架橋された単環式環系である。二環式環系の代表的な例としては、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナンおよびビシクロ[4.2.1]ノナンが挙げられるがこれらに限定されない。三環式シクロアルキルは、単環式シクロアルキルに縮合した二環式シクロアルキルまたは環系の2個の非隣接炭素原子が、1個、2個、3個もしくは4個の炭素原子のアルキレン架橋によって連結されている二環式シクロアルキルによって例示される。三環式環系の代表的な例としては、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン(オクタヒドロ−2,5−メタノペンタレンまたはノルアダマンタン)およびトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)が挙げられるがこれらに限定されない。これらの単環式、二環式および三環式シクロアルキル類は、非置換のものまたは置換されたものであり得、これらの環系内に含まれている任意の置換可能な原子により親分子部分に結合されている。
本明細書で使用される用語の「ジアルキルアミノ」または「N,N−ジアルキルアミノ」とは、本明細書で定義されているアミノ基により親分子部分に付加されている独立して選択された2つの本明細書で定義されているアルキル基を指す。ジアルキルアミノの代表的な例としては、N,N−ジメチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノおよびN−イソプロピル−N−メチルアミノが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「N,N−ジアルキルアミノアルキル」とは、本明細書で定義されているアミノアルキル基により親分子部分に付加されている独立して選択された2つの本明細書で定義されているアルキル基を指す。N,N−ジアルキルアミノアルキルの代表的な例としては、N,N−ジメチルアミノエチルおよびN,N−メチル(2−プロピル)アミノエチルが挙げられるがこれらに限定されない。
用語の「トリアルキルアンモニウムアルキル」または「N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキル」は、アミノ基の窒素上で置換されている3個のアルキル基があることで正味正電荷をもたらすアミノアルキルを意味する。3個の置換アルキル基は、同じでありまたは異なる。N,N,N−トリアルキルアンモニウムアルキルの例としては、トリメチルアンモニウムメチルおよびジエチルメチルアンモニウムメチルが挙げられる。
本明細書で使用される用語の「N,N−(ジアルキル)スルファモイル」とは、本明細書で定義されているスルファモイル基により親分子部分に付加されている独立して選択された2つの本明細書で定義されているアルキル基を指す。N,N−(ジアルキル)スルファモイルの代表的な例としては、N,N−ジメチルスルファモイルおよびN−メチル−N−エチル−スルファモイルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「フルオロアルコキシ」は、本明細書に定義されているアルコキシ基を介して親分子部分に付加している本明細書で定義されている少なくとも1つのフッ素を意味する。フルオロアルコキシの代表的な例としては、限定はされないが、フルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシが挙げられる。
本明細書で使用される用語の「フルオロアルキル」は、本明細書に定義されているアルキル基を介して親分子部分に付加している本明細書に定義されている少なくとも1つのフルオロ基を意味する。フルオロアルキルの代表的な例としては、限定はされないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペルフルオロブチル、ペルフルオロペンチル、ペルフルオロヘキシル、ペルフルオロオクチルペンタフルオロエチルおよび2,2,2−トリフルオロエチルが挙げられる。
本明細書で使用される用語の「ハロ」または「ハロゲン」とは、Cl、Br、IまたはFを指す。
本明細書で使用される用語の「ハロアルコキシ」とは、本明細書で定義されているアルコキシ基により親分子部分に付加されている本明細書で定義されている少なくとも1つのハロゲンを指す。ハロアルコキシの代表的な例としては、クロロメトキシ、2−フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「ハロアルキル」とは、1個、2個、3個、4個、5個または6個の水素原子がハロゲンにより置換されている本明細書で定義されているアルキル基を指す。ハロアルキルの代表的な例としては、クロロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2−クロロ−3−フルオロペンチルおよびトリフルオロプロピル例えば3,3,3−トリフルオロプロピルなどが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「ヘテロアリール」とは、単環式ヘテロアリールまたは二環式ヘテロアリールを指す。この単環式ヘテロアリールは、5員環または6員環である。この5員環は2つの二重結合を含有する。この5員環は、OもしくはSから選択される1個のヘテロ原子、または1個、2個、3個もしくは4個の窒素原子および場合によって1個の酸素もしくは硫黄原子を含有することができる。この6員環は、3つの二重結合および1個、2個、3個または4個の窒素原子を含有する。単環式ヘテロアリールの代表的な例としては、フラニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、1,3−オキサゾイル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、1,3−チアゾリル、チエニル、トリアゾリルおよびトリアジニルが挙げられるがこれらに限定されない。二環式ヘテロアリールとしては、フェニルに縮合した単環式ヘテロアリール、または単環式シクロアルキルに縮合した単環式ヘテロアリール、または単環式シクロアルケニルに縮合した単環式ヘテロアリール、または単環式ヘテロアリールに縮合した単環式ヘテロアリール、または単環式複素環に縮合した単環式ヘテロアリールが挙げられる。二環式ヘテロアリール基の代表的な例としては、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、6,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、イソキノリニル、ナフチリジニル、ピリドイミダゾリル、キナゾリニル、キノリニル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルおよび5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−イルが挙げられるがこれらに限定されない。本開示の単環式および二環式ヘテロアリール基は、置換されたものまたは非置換のものであり得、その環系内に含まれている任意の炭素原子または任意の窒素原子により親分子部分に連結されている。
本明細書で使用される用語の「複素環」または「複素環式の」とは、単環式複素環、二環式複素環または三環式複素環を指す。この単環式複素環は、酸素、窒素、リンおよび硫黄からなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する3員、4員、5員、6員、7員または8員環である。この3員環または4員環は、ゼロまたは1つの二重結合と、酸素、窒素、リンおよび硫黄からなる群から選択される1個のヘテロ原子とを含有する。前記5員環は、ゼロまたは1つの二重結合と、酸素、窒素、リンおよび硫黄からなる群から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子とを含有する。前記6員環は、ゼロ、1つまたは2つの二重結合と、酸素、窒素、リンおよび硫黄からなる群から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子とを含有する。前記7員環および8員環は、ゼロ、1つ、2つまたは3つの二重結合と、酸素、窒素、リンおよび硫黄からなる群から選択される1個、2個または3個のヘテロ原子とを含有する。単環式複素環の代表的な例としては、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1.3−ジオキソラニル、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ホスフィナン、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアチアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニルおよびトリチアニルが挙げられるがこれらに限定されない。二環式複素環は、フェニル基に縮合した単環式複素環、または単環式シクロアルキルに縮合した単環式複素環、または単環式シクロアルケニルに縮合した単環式複素環、または単環式複素環に縮合した単環式複素環、または環の2つの非隣接原子が、1個、2個、3個もしくは4個の炭素原子のアルキレン架橋、もしくは2個、3個もしくは4個の炭素原子のアルケニレン架橋により連結されている架橋した単環式複素環系である。二環式複素環の代表的な例としては、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルを含める)、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、イソインドリニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロピロロピリジニル、9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、8−ホスファビシクロ[3.2.1]オクタンおよびテトラヒドロイソキノリニルが挙げられるがこれらに限定されない。三環式複素環は、フェニル基に縮合した二環式複素環、または単環式シクロアルキルに縮合した二環式複素環、または単環式シクロアルケニルに縮合した二環式複素環、または単環式複素環に縮合した二環式複素環、または二環式環の2個の非隣接原子が、1個、2個、3個もしくは4個の炭素原子のアルキレン架橋、もしくは2個、3個もしくは4個の炭素原子のアルケニレン架橋により連結されている二環式複素環によって例示される。三環式複素環の例としては、オクタヒドロ−2,5−エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ−2H−2,5−メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ−1H−1,4−メタノシクロペンタ[c]フラン、アザ−アダマンタン(1−アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)、オキサ−アダマンタン(2−オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)および2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカンが挙げられるがこれらに限定されない。これらの単環式、二環式および三環式複素環は、それらの環中に含まれているいずれかの炭素原子またはいずれかの窒素原子により親分子部分に結合されており、非置換のまたは置換されたものであり得る。
用語の「ヘテロシクリル」(単独でまたは別の用語との組合せで)は、合計3個から14個の環原子を含有する飽和(即ち、「ヘテロシクロアルキル」)、部分飽和(即ち、「ヘテロシクロアルケニル」)または完全不飽和(即ち、「ヘテロアリール」)の環構造を意味する。この環原子の少なくとも1つは、ヘテロ原子(即ち、酸素、窒素または硫黄)であり、残りの環原子は、炭素、酸素、窒素および硫黄からなる群から独立して選択される。
ヘテロシクリルは、典型的には3個から7個までの環原子、より典型的には3個から6個までの環原子、いっそう典型的には5個から6個の環原子を含有する単環であり得る。単環ヘテロシクリルの例としては、フラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフラニル、チオフェニル(チオフラニル)、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェ二ル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チオジアゾリル、オキサジアゾリル(1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル(フラザニル)または1,3,4−オキサジアゾリルを含める。)、オキサトリアゾリル(1,2,3,4−オキサトリアゾリルまたは1,2,3,5−オキサトリアゾリルを含める。)、ジオキサゾリル(1,2,3−ジオキサゾリル、1,2,4−ジオキサゾリル、1,3,2−ジオキサゾリルまたは1,3,4−ジオキサゾリルを含める。)、オキサチアゾリル、オキサチオリル、オキサチオラニル、ピラニル、ジヒドロピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピリジニル(アジニル)、ピペリジニル、ジアジニル(ピリダジニル(1,2−ジアジニル)、ピリミジニル(1,3−ジアジニル)またはピラジニル(1,4−ジアジニル)を含める。)、ピペラジニル、トリアジニル(1,3,5−トリアジニル、1,2,4−トリアジニルおよび1,2,3−トリアジニル)を含める。)、オキサジニル(1,2−オキサジニル、1,3−オキサジニルまたは1,4−オキサジニル)を含める。)、オキサチアジニル(1,2,3−オキサチアジニル、1,2,4−オキサチアジニル、1,2,5−オキサチアジニルまたは1,2,6−オキサチアジニル)を含める。)、オキサジアジニル(1,2,3−オキサジアジニル、1,2,4−オキサジアジニル、1,4,2−オキサジアジニルまたは1,3,5−オキサジアジニル)を含める。)、モルホリニル、アゼピニル、オキセピニル、チエピニルおよびジアゼピニルが挙げられる。
ヘテロシクリルは、代わりに、一緒に縮合した2つの環または3つの環、例えば、インドリジニル、ピラノピロリル、4H−キノリジニル、プリニル、ナフチリジニル、ピリドピリジニル(ピリド[3,4−b]−ピリジニル、ピリド[3,2−b]−ピリジニルまたはピリド[4,3−b]−ピリジニルを含める。)、およびプテリジニルなどであり得る。縮合環ヘテロシクリルの他の例としては、インドリル、イソインドリル(イソベンゾアゾリル、プソイドイソインドリル)、インドレニニル(プソイドインドリル)、イソインダゾリル(ベンズピラゾリル)、ベンザジニル(キノリニル(1−ベンザジニル)またはイソキノリニル(2−ベンザジニル)を含める。)、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾジアジニル(シンノリニル(1,2−ベンゾジアジニル)またはキナゾリニル(1,3−ベンゾジアジニル)を含める。)、ベンゾピラニル(クロマニルまたはイソクロマニルを含める。)、ベンゾオキサジニル(1,3,2−ベンゾオキサジニル、1,4,2−ベンゾオキサジニル、2,3,1−ベンゾオキサジニルまたは3,1,4−ベンゾオキサジニルを含める。)、およびベンズイソオキサジニル(1,2−ベンズイソオキサジニルまたは1,4−ベンズイソオキサジニルを含める。)等のベンゾ縮合ヘテロシクリルが挙げられる。
本明細書で使用される用語の「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」とは、−OH基を指す。
本明細書で使用される用語の「ヒドロキシアルコキシ」とは、本明細書で定義されているアルコキシ基により親分子部分に付加されている本明細書で定義されているヒドロキシ基を指す。ヒドロキシアルコキシの代表的な例としては、ヒドロキシエトキシおよび2−ヒドロキシプロポキシが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「ヒドロキシアルキル」とは、本明細書で定義されているアルキル基により親分子部分に付加されている本明細書で定義されている少なくとも1つのヒドロキシ基を指す。ヒドロキシアルキルの代表的な例としては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−メチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシペンチルおよび2−エチル−4−ヒドロキシヘプチルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「オキソ」とは、=O基を指す。
本明細書で使用される用語の「オキソアルキル」は、本明細書に定義されているアルキル基を介して親分子部分に付加した本明細書に定義されている少なくとも1つのオキソ基を意味する。オキソアルキルの代表的な例としては、限定はされないが、アセチル、プロパン−1−オン、プロパン−2−オンおよびブタン−2−オンが挙げられる。
本明細書で使用される用語の「スルファメート」は、Zが水素であるまたは本明細書に定義されている場合によって置換されているアルキル、アリール、ハロアルキルもしくはヘテロアリールである−OS(O)N(Zを意味する。スルファメートの代表的な例としては、限定はされないが、スルファメートおよびジメチルスルファメートが挙げられる。
本明細書で使用される用語の「スルファモイル」とは、−S(O)NH基を指す。
本明細書で使用される用語の「硫酸エステル」とは、ZOS(O)O−を指し、式中、Zは、場合によって置換されている本明細書で定義されているアルキル、アリール、ハロアルキルまたはヘテロアリールである。硫酸エステルの代表的な例としては、硫酸メチル、トリフルオロメチル硫酸および硫酸フェニルが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「スルホンアミド」とは、本明細書で定義されているZS(O)N(Z)−を指し、ただし、Zは、場合によって置換されている本明細書で定義されているアルキル、アリール、ハロアルキルまたはヘテロアリールであり、Zは、水素またはアルキルである。スルホンアミドの代表的な例としては、メタンスルホンアミド、トリフルオロメタンスルホンアミドおよびベンゼンスルホンアミドが挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書で使用される用語の「スルホネート」とは、本明細書で定義されているZS(O)O−基を指し、ただし、Zは、場合によって置換されている本明細書で定義されているアルキル、アリール、ハロアルキルまたはヘテロアリールである。スルホネートの代表的な例としては、限定はされないが、メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート、1H−イミダゾール−1−スルホネートおよびp−トルエンスルホネートが挙げられる。
用語の「チオ」または「メルカプト」とは、−SH基を指す。
本明細書で使用される用語の「チオアルキル」とは、本明細書で定義されているアルキル基により親分子部分に付加されている本明細書で定義されている少なくとも1つのチオ基を指す。チオアルキルの代表的な例としては、チオメチルまたはメルカプトメチルおよび2−チオエチルまたは2−メルカプトエチルが挙げられるがこれらに限定されない。
置換基は、それが1個以上の水素原子に結合している少なくとも1個の炭素原子または窒素原子を含む場合、「置換可能」である。したがって、例えば、水素、ハロゲンおよびシアノは、この定義の範囲に入らない。なお、硫黄原子を含有する複素環中のかかる硫黄原子は、1つまたは2つのオキソ置換基と置換可能である。
置換基が、「置換された」ものであるように記載されている場合、非水素基がその置換基の炭素または窒素上の水素基の場所にある。したがって、例えば、置換されたアルキル置換基は、少なくとも1つの非水素基がそのアルキル置換基上の水素基の場所にあるアルキル置換基である。例えば、モノフルオロアルキルは、1つのフルオロ基により置換されたアルキルであり、ジフルオロアルキルは、2つのフルオロ基により置換されたアルキルである。複数の置換が置換基上に存在する場合、それぞれの非水素基は、同一でありまたは異なり得る(特に明記されない限り)ことが認識されるべきである。
置換基が、「場合によって置換されている」ものであるように記載されている場合、その置換基は、(1)置換されていないものまたは(2)置換されているものいずれかであり得る。置換基が、最大で特定の数の非水素基により場合によって置換されているように記載されている場合、その置換基は、(1)置換されていないもの、または、(2)最大でその特定数までの非水素基により、もしくは最大でその最大数までの置換可能なその置換基の位置により、どちらがより少ないにしても、置換されたもののいずれかであり得る。したがって、例えば、置換基が、最大3つまでの非水素基により場合によって置換されているヘテロアリールとして記載されている場合、3つより少ない置換可能位置を有するどのヘテロアリールも、最大で丁度このヘテロアリールが置換可能位置を有するのと同じ多さの非水素基により場合によって置換されているであろう。例えば、テトラゾリル(これは置換可能位置を1つだけ有する)は、最大1つまでの非水素基により場合によって置換されているであろう。さらに例を示せば、アミノ窒素が最大2つまでの非水素基により場合によって置換されていると記載されている場合、第一級アミノ窒素は最大2つまでの非水素基により場合によって置換されており、一方、第二級アミノ窒素は、最大でただ1つの非水素基により場合によって置換されている。
用語の「置換基」および「基」は、本明細書では互換的に使用される。
接頭辞の「ハロ」は、この接頭辞が付けられている置換基が、1つ以上の、独立して選択されたハロゲン基により置換されていることを示す。例えば、ハロアルキルは、少なくとも1つの水素基がハロゲン基によって置換されているアルキル置換基を意味する。ハロアルキルの例としては、クロロメチル、1−ブロモエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルおよび1,1,1−トリフルオロエチルが挙げられる。置換基が複数のハロゲン基によって置換されている場合、それらのハロゲン基は同一でありまたは異なり得る(特に明記されない限り)ことが認識されるべきである。
接頭辞の「ペルハロ」は、この接頭辞が付いている置換基上の全ての水素基が独立して選択されたハロゲン基により置換されている、すなわち、置換基上のそれぞれの水素基がハロゲン基により置換されていることを示す。全てのハロゲン基が同一である場合、この接頭辞は、一般的にはそのハロゲン基を特定する。したがって、例えば、用語の「ペルフルオロ」とは、この接頭辞が付いている置換基上の全ての水素基がフッ素基により置換されていることを指す。例えば、用語の「ペルフルオロアルキル」とは、フッ素基がそれぞれの水素基の代わりになっているアルキル置換基を指す。
一部の例において、ヒドロカルビル置換基(例えば、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはシクロアルキル)における炭素原子の数は、接頭辞「C−C−」によって示され、ここで、xは、置換基における炭素原子の最小数であり、yは最大数である。したがって、例えば、「C−C−アルキル」とは、1個から6個までの炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。さらに例示すると、C−C−シクロアルキルは、3個から6個までの炭素環原子を含有する飽和ヒドロカルビル環を意味する。
本明細書で使用される場合、ヘテロシクリル部分における環原子の数は、接頭辞「M−M」によって特定することができ、ここで、xは、ヘテロシクリル部分における環原子の最小数であり、yは最大数である。
複数成分の置換基に付いている接頭辞は、最初の成分にのみ当てはまる。例えば、用語の「アルキルシクロアルキル」は、2つの成分、アルキルおよびシクロアルキルを含有する。したがって、C−C−アルキルシクロアルキルについてのC−C−接頭辞は、このアルキルシクロアルキルのアルキル成分が1個から6個までの炭素原子を含有していることを意味し、このC−C−接頭辞は、シクロアルキル成分を説明してはいない。例えばさらに、ハロアルコキシアルキルの接頭辞「ハロ」は、このアルコキシアルキル置換基のアルコキシ成分のみが1つ以上のハロゲン基により置換されていることを示す。ハロゲン置換基がアルキル成分上に代わりにまたはさらに存在し得る場合、この置換基は、代わりに、「ハロアルコキシアルキル」よりむしろ「ハロゲン置換アルコキシアルキル」のように記載されるであろう。このハロゲン置換がアルキル成分上でのみ起こり得る場合、その置換基は、代わりに、「アルコキシハロアルキル」のように記載されるであろう。
置換基が、群から「独立して選択される」ものであるように記載される場合、それぞれの置換基は、他から独立して選択される。各置換基は、それ故、他の置換基と同一でありまたは異なり得る。
置換基を説明するために複数の単語が使用されるとき、その置換基の右端に記載された成分は、自由原子価を有する成分である。
E.組成物
本開示は、また、一つには、開示されている化合物またはそれらの塩またはそれらの多形体、および開示されている方法によって調製された化合物またはそれらの塩またはそれらの多形体を含む組成物を対象とする。複数の実施形態において、上記の方法によって調製されたN−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))およびこの塩またはこれらの多形体等の式(A)の化合物は、組成物中に含まれ得る。これらの組成物は、また、1つ以上の通常の医薬として許容される担体、補助剤および/または媒体(共に「賦形剤」と称される)を含むこともできる。
組成物としては、固体の剤形を挙げることができる。固体の剤形としては、例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤または任意のその他の適切な固体の剤形を挙げることができる。かかる固体剤形中で該化合物または塩は、1つ以上の賦形剤と組み合わせることができる。経口で投与される場合、これらの組成物または塩は、例えば、ラクトース、ショ糖、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールまたは任意のその他の適切な賦形剤と混合し、その後便利な投与のために錠剤化またはカプセル化することができる。かかるカプセルまたは錠剤は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中での該化合物または塩の分散状態で提供され得るとき、制御された放出をする製剤を含有することができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形は、緩衝剤、例えば、クエン酸ナトリウムまたはマグネシウムもしくはカルシウムの炭酸塩、重炭酸塩などまたは任意のその他の適切な緩衝剤を含むこともできる。錠剤および丸剤は、さらに、腸溶コーティングを用いて調製することができる。
本明細書に開示されている化合物は、遊離酸または塩として投与することができる。該化合物およびそれらの塩は、約0.001から約100mg/kg、約0.001から約30mg/kg、または約0.01から約10mg/kg(すなわち、体重1kg当りの該化合物または塩のmg数)の1日当りの総量で投与する(単回投与または分割投与で)ことができる。化合物(A−1)またはこの塩は、約4mg/kgから約30mg/kgまたは約10mg/kgから約25mg/kgの1日当りの総量で投与する(単回投与または分割投与で)ことができる。化合物(A−1)またはそれの塩は、約600mgから約1800mgまたは約800mgから約1600mgの1日当りの総用量で投与することができる。ある実施形態において、化合物(A−1)またはこの塩は、約400mgの用量単位組成物で投与される。ある実施形態において、化合物(A−1)またはこの塩は、約800mgの用量単位組成物で投与される。ある実施形態において、化合物(A−1)またはこの塩は、約1200mgの用量単位組成物で投与される。
用量単位組成物は、上記のような量またはその約数を含有して1日当りの総量を構成することができる。この化合物または塩の投与は、複数回繰り返すことができる。1日当り複数回の投与が1日当りの総量を達成するために用いられ得る。
投与計画に影響を及ぼす要因としては、患者のタイプ、年齢、体重、性別、食事および状態;病態の重症度;薬理学的考慮事項、例えば、使用される特定の化合物または塩の活性、有効性、薬物動態および毒性プロファイルなど;薬物送達システムが使用されるかどうか;ならびに特異的な合剤(specific drug combination)が挙げられる。したがって、実際に採用される投与計画は、幅広く変化する可能性があり、それ故、上記の投与計画から導き出すことができる。
F.使用方法
本開示は、また、一つには、開示された化合物またはそれらの塩またはそれらの多形体、開示された方法によって調製された化合物またはそれらの塩またはそれらの多形体、開示された化合物またはそれらの塩またはそれらの多形体を含む組成物および開示された方法によって調製された化合物またはそれらの塩またはそれらの多形体を含む組成物を対象とする。
例えば、本開示は、一つには、RNAウイルスの複製を阻止するために開示された化合物、塩および組成物を使用する方法を対象とする。これらの方法は、該ウイルスを開示された化合物、塩および組成物にさらすことを含む。複数の実施形態において、RNAウイルスの複製は、インビトロで阻止される。複数の実施形態において、RNAウイルスの複製は、インビボで阻止される。複数の実施形態において、複製が阻止されつつあるRNAウイルスは、一本鎖のプラスセンスのRNAウイルスである。複数の実施形態において、複製が阻止されつつあるRNAウイルスは、フラビウイルス科群からのウイルスである。複数の実施形態において、複製が阻止されつつあるRNAウイルスは、HCVである。
本開示は、一つには、HCV RNAポリメラーゼを阻止するために開示された化合物、塩および組成物を使用する方法を対象とする。その方法は、このポリメラーゼを開示された化合物、塩および組成物にさらすことを含む。いくつかの実施形態において、HCV RNAポリメラーゼ活性はインビトロで阻止される。いくつかの実施形態において、HCV RNAポリメラーゼ活性はインビボで阻止される。
用語の「阻止する」とは、インビトロまたはインビボのいずれかで、RNAウイルス複製/HCVポリメラーゼ活性のレベルを低下させることを指す。例えば、本開示の組成物が、RNAウイルスが該組成物にさらされる前のこのウイルスの複製レベルと比較して少なくとも約10%RNAウイルス複製のレベルを低下した場合、この組成物はRNAウイルス複製を阻止している。いくつかの実施形態において、この化合物、塩または組成物は、RNAウイルス複製を、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%または少なくとも約95%阻止することができる。
本開示は、一つには、HCV RNAポリメラーゼを阻止することによって治療することができる疾患を治療するために開示されている化合物、塩および組成物を使用する方法を対象とする。したがって、本開示は、また、一つには、C型肝炎治療が必要な動物における上記治療のための方法を対象とする。これらの方法は、開示された化合物、塩および組成物の1つ以上を動物に投与することを含む。いくつかの実施形態において、治療効果のある量の該化合物(またはこの塩)が動物に投与される。「治療する」とは、治療される病気の危険性の改善、鎮圧、根絶、防止、減少および/または発病を遅らせることを指す。出願人らは、用語の「治療する」は、臓器移植を将来しそうな人であるHCV陰性患者への本開示の組成物の投与を含むことを特に意図している。これらの治療の方法はヒトで使用するために特に適しているが、他の動物、特に哺乳類で使用することができる。「治療効果のある量」または「有効量」とは、標的とされた状態を治療する目標を達成する量である。
いくつかの実施形態において、本方法は併用療法であり、そこでは、化合物、塩および/または本開示の組成物が、1つ以上のさらなる治療薬、例えば、C型肝炎を治療するために使用される別の治療薬(例えば、インターフェロンもしくはインターフェロン/リバビリンの組合せ、またはHCV阻害剤、例えば、HCVポリメラーゼ阻害剤、HCVプロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤など)などと共投与される。本開示の化合物、塩および/または組成物は、また、C型肝炎を治療するために使用される治療薬(例えば、抗HIV剤)以外の治療薬とも共投与され得る。これらの共投与の実施形態において、本開示の化合物、塩および/または組成物とさらなる治療薬とは、実質的に同時のやり方(例えば、すなわち互いの約5分以内)、順次的やり方またはその両方で投与することができる。かかる併用療法は、1つの治療薬を複数回投与することを他のものの投与の間に含むことができる。それぞれの薬剤の投与の間の時間枠は、数秒(またはそれ以下)から数時間または数日まで変化することがあり得、例えば、それぞれの組成物および活性成分の特性(例えば、効能、溶解性、生体利用能、半減期および動態学的特性)、ならびに患者の状態に依存する。
本開示は、また、一つには、開示された化合物、塩および/または組成物ならびに場合によって薬剤を調製するための1つ以上のさらなる治療薬の使用を対象とする。例えば、開示されている方法によって製造されたN−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))等の式(A)の化合物は、薬剤の製造において使用され得る。
複数の実施形態において、この薬剤は、1つ以上のさらなる治療薬との共投与用である。
複数の実施形態において、この薬剤は、HCV等のRNAウイルスの複製を阻止するためのものである。
複数の実施形態において、この薬剤は、HCV RNAポリメラーゼを阻止するためのものである。
複数の実施形態において、この薬剤は、C型肝炎を治療するためのものである。
本開示は、また、一つには、RNAウイルスの複製を阻止するのに使用するため、HCV RNAポリメラーゼを阻止するためまたはC型肝炎を治療するための開示されている化合物、塩および/または組成物ならびに場合によって1つ以上のさらなる治療薬を対象とする。
以下の実施例は、単に例示であり、本開示を何らかの方法で限定するものではない。
スキームおよび後に続く実施例の説明で使用されている略語は、N,N−ジメチルホルムアミドに対するDMF、ジメチルスルホキシドに対するDMSO、高速液体クロマトグラフィーに対するHPLC、液体クロマトグラフィー(chromatographyl)−質量分光分析法に対するLC−MS、メチルに対するMe、アセトニトリルに対するMeCN、ピーク面積%に対するpa%、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)に対するPddba、テトラヒドロフランに対するTHF、体積/体積に対するv/v、重量に対するwt、重量/重量に対するw/wである。
以下の実施例における一定の反応は、逆相HPLCを使用して分析することができた。分析は、逆相アミドカラム(Ascentis(登録商標)Express RP−Amide、100×4.6mm ID、2.7ミクロン)を使用して実施することができた。化合物は、1.9mL/分の流量で0.1%の過塩素酸水溶液中約25−95%アセトニトリルの勾配を使用して溶出することができた。1つの具体的勾配は、12.5分かけて25−44%アセトニトリル;6分かけて44−77%のアセトニトリル;1.5分かけて77−95%のアセトニトリル;3.5分の間95%のアセトニトリルで保持;0.01分かけて95−25%のアセトニトリル;および3.99分の間25%のアセトニトリルで保持から開始する。
[実施例1] 1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(1c))の調製。
パートA。2−tert−ブチル−4,6−ジヨードフェノールの調製。
2−tert−ブチルフェノール(99.95g、665.36mmol)を、1250mLのメタノールに溶解し、31.96g(799.0mmol、1.2当量)の水酸化ナトリウムを用いて、その水酸化ナトリウムのペレットを室温で撹拌し、次いでその反応混合物を氷/塩浴中で冷却することによって対応するフェノキシドに転化した。ヨウ化ナトリウム(299.34g、1997.07mmol、3.0当量)および8.3%の漂白剤(1265.83g、1411.39mmol、2.1当量)を、漂白剤は、反応混合物を<0℃に保ちながら加えて、4つの同等部分の冷たい反応溶液に加えた。500mLの20%(w/w)チオ硫酸ナトリウム溶液を18分間かけて添加し、温度が−0.6℃から2.5℃まで上昇した。その反応混合物のpHを、197.5mLの濃HClを97分間かけて加えて約3に調節し、反応温度は1.2℃から4.1℃まで進んだ。得られたスラリーを濾過し、そのウェットケーキを約2Lの水で洗浄した。そのウェットケーキを真空下のブフナー漏斗上に一晩(約15時間)そのまま置き、289.33g(濃度調整収率=254.61g)の標題生成物を得た。
パートB。1−tert−ブチル−3,5−ジヨード−2−メトキシベンゼンの調製。
パートAからの生成物(93%アッセイ、21.6g、50mmol)を140mLのアセトンに溶解した。ヨウ化メチル(4.2mL、67.5mmol、1.35当量)を、次いで50%の水酸化ナトリウム水溶液(5.0g、62.5mmol、1.25当量)加えた。その反応物を一晩撹拌し、次いで約50−60mLまで濃縮した。80mLのヘプタンを、次いで50mLの水を加え、その層を振盪し、分離し、水層を20mLのヘプタンで逆抽出した。その有機層を混ぜ合わせ、2回それぞれ50mLの10%NaCl水溶液により洗浄し、91.1グラムのヘプタン溶液を生じさせ、それは19.1gの標題化合物の含有量を示した。
パートC。1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンの調製。
ウラシル(33.3g、297mmol、1.2当量)、KPO(106g、500mmol、2.1当量)、Cul(4.6g、24.2mmol、0.1当量)およびN−(2−シアノフェニル)ピコリンアミド(6.4g、28.7mmol、0.12当量)をフラスコに入れ、その混合物にアルゴンをスパージした。1−tert−ブチル−3,5−ジヨード−2−メトキシベンゼンをアセトニトリルに溶媒変換し、1Lのジメチルスルホキシドに溶解し、アルゴンをスパージし、前記固体に加えた。その反応物を16時間にわたって60℃に加熱した。冷却後、その反応物を2Lの酢酸エチルで希釈し、2.6Lの水で洗浄した(3×1Lの酢酸エチルで逆抽出した)。混ぜ合わせた有機層を、2×1Lの0.25Mの酢酸銅(II)、次いで2×830mLの15%NHClおよび次に800mLの塩水で洗浄した。その有機層を次いで濃縮し、ヘプタン(1L)を残渣に添加し、その混合物を再蒸発した。得られた残渣を、次いで85:15(v/v)のヘプタン:酢酸イソプロピルを還流させて4時間にわたって細かく砕いた。冷却後、その生成物を濾過によって集め、追加の330mLの85:15v/vのヘプタン:酢酸エチルにより洗浄し、乾燥後白色固体としての66.9g(収率70%)の標題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δppm8.66(s,1H)、7.65(d,J=2.6Hz,1H)、7.25(dd,J=4.8,3.2Hz,2H)、5.81(dd,J=7.9,2.0Hz,1H)、3.93(s,3H)、1.39(s,9H)。
[実施例1−2] 1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(1c))の調製。
6つの反応物は次の通りに設定した:1−tert−ブチル−3,5−ジヨード−2−メトキシベンゼン(1.18グラムs、2.5mmol)の10mLのジメチルスルホキシド中脱気溶液を脱気し、次いでウラシル(336mg、3.0mmol、1.2当量.)、N−(2−シアノフェニル)ベンズアミド(67mg、0.30mmol、0.12当量.)、CuI(48mg、0.25mmol、0.10当量.)およびリン酸カリウム(1.11グラム、5.25mmol、2.1当量)を含有するバイアルに添加した。その反応物の3つは、また、アスコルビン酸ナトリウム(20mg、0.10mmol、0.04当量)を含有していた。
反応物を60℃に10分間加熱し、次いで次の通りに処理した。アスコルビン酸ナトリウムを用いない実験のうち、1つをさらに処理することなく、1つを2.5mLの空気で処理し、1つを5mLの空気で処理した。同様に、アスコルビン酸ナトリウムを用いる実験のうち、1つをさらに処理することなく、1つを2.5mLの空気で処理し、1つを5mLの空気で処理した。加熱を追加の15時間にわたって60℃で続け、次いでHPLCによって分析した。以下の表は、反応の過程に対する空気およびアスコルビン酸ナトリウムの両方の効果を示す。
Figure 0006469571
次のグラフにおいて見られる通り、アスコルビン酸ナトリウムを用いる反応は、その添加剤を用いない対応する反応より高い変換を生じさせ、それらは空気の存在に、より感受性でない。
Figure 0006469571
[実施例2] 1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4a))の調製。
Figure 0006469571
この反応は酸素に感受性であり、空気感受性材料または混合物の取扱いおよび使用において不活性雰囲気を確立および維持するように注意した。溶液移動は全て不活性ガスとして窒素を用いるカニューレ技法により達成した。無水テトラヒドロフランを使用前に2時間にわたってそれを無酸素にするために窒素でスパージした。以後これを脱気テトラヒドロフランと称する。
100mLの丸底フラスコに、12.9gのリン酸三カリウム(60.8mmol、2.0当量)、磁気撹拌棒および60mLの水を加えた。その混合物を撹拌して固体を溶解し、その水溶液を使用前に2時間にわたって窒素ガスでスパージした。以後これをホスフェート溶液と称する。
100mLの丸底フラスコを窒素ガスで浄化し、282mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.31mmol、0.02当量のPd)、413mgのホスフィン配位子、1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(1.4mmol、Pdに対して2.3当量)および磁気撹拌棒を加えた。このフラスコを隔膜で密封し、固体の上の雰囲気を窒素ガスで浄化した。60mLの脱気テトラヒドロフランをそのフラスコに加え、その混合物を窒素雰囲気下で撹拌した。この溶液を使用の前に15分間窒素でスパージし、これ以降触媒溶液と称する。
500mLのジャケット付きの反応器にオーバーヘッド撹拌器および還流冷却器を装着し、雰囲気を窒素ガスで浄化した。その反応器に、12.1gの1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(30.3mmol、1.0当量)および5.98gの6−ヒドロキシナフタレン−2−イルボロン酸(31.8mmol、1.05当量)を加えた。20分間にわたり、雰囲気を窒素ガスで浄化しながら固体試薬を撹拌した。その反応器に120mLの脱気テトラヒドロフランを加え、その混合物を撹拌して固体を溶解した。その溶液を窒素ガスで10分間スパージした。ホスフェート溶液をカニューレによってその反応器に加え、続いて触媒溶液を加えた。得られた二相混合物を、適切な相混合を確保するために積極的に混合し、ジャケットを65℃に加温した。その反応ジャケットは、室温まで冷却した後クエンチした。
2.5時間後、その反応ジャケットは室温まで冷却し、その後クエンチした。
反応の仕上げも無酸素条件下で行われた。57グラムの塩化ナトリウムおよび4.2gのシステイン(パラジウム触媒に対して15重量当量)を、300mLの水に溶解し、得られた溶液を、使用の前に2時間にわたって不活性ガスでスパージした。反応をクエンチするために、この溶液の約1/3を、窒素ガスの下でカニューレにより反応混合物に移し、得られた二相混合物を2時間にわたって激しく撹拌した。機械撹拌を停止し、2つの溶液をそのまま分離させ、水溶液を反応器から底のバルブを通して抜き取った。クエンチ溶液の約1/3を、窒素ガスの下でカニューレにより反応混合物に移し、得られた二相混合物を、45分間激しく撹拌した。機械撹拌を停止し、2つの溶液をそのまま分離させ、水溶液を反応器から底のバルブを通して抜き取った。クエンチ溶液の最後の部分を、カニューレにより反応混合物に移し、得られた二相混合物を、45分間激しく撹拌し、その水溶液を、反応器から底のバルブを通して抜き取った。
残りの仕上げは、無酸素条件下で行われなかった。淡黄色の有機溶液が底のバルブを通して反応器から抜き取られ、グレード4のFiltrol(登録商標)のパッド(深さ1cmで直径4.5cm)により濾過された。反応器および濾過器は、70mLのテトラヒドロフランですすいだ。この溶媒の大部分を真空(約90−130トール)中約40℃で、オーバーヘッド撹拌器による十分な撹拌をしながら蒸留した。その溶液は、約50mLの容積まで濃縮され、その時間の間に、生成物が沈殿し始めた。酢酸エチル(100mL、生成物1グラム当り約8mLの溶媒)を、その混合物に添加し、得られたスラリーを室温で一晩撹拌した。結晶性物質が濾過によって単離され、そのフィルターケーキを2回、20mL部分の酢酸エチルにより洗浄した。そのウェットケーキをフィルター上で空気乾燥し、穏やかな窒素スイープを伴う約250トールの50℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。
所望の生成物を白色固体として単離した(11.6g、96.4%の標準に対する力価、88%の力価調整収率)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppmδ11.39(d,J=2.1Hz,1H)、9.82(s,1H)、7.91(d,J=0.8Hz,1H)、7.80(d,J=8.9Hz,1H)、7.77−7.74(m,2H)、7.58(dd,J=8.5,1.7Hz,1H)、7.32(d,J=2.7Hz,1H)、7.27(d,J=2.7Hz,1H)、7.16(d,J=2.3Hz,1H)、7.10(dd,J=8.8,2.4Hz,1H)、5.64(dd,J=7.9,2.2Hz,1H)、3.23(s,3H)、1.41(s,9H)。
[実施例2−1] 1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4a))の代替の調製。
この反応は空気感受性であり、反応を嫌気条件下で実施した。100mLの丸底フラスコを窒素ガスで浄化し、229mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.25mmol、0.02当量のPd)、323mgの1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(1.13mmol、0.045当量)および磁気撹拌子を加えた。このフラスコを隔膜で密封し、その固体の上の雰囲気を窒素ガスで浄化した。60mLの脱気テトラヒドロフランをこのフラスコに添加し、その混合物を20分間窒素雰囲気下で撹拌した。この溶液をこれ以降触媒溶液と称する。
500mLのジャケット付きの反応器にオーバーヘッド撹拌器および還流冷却器を装着し、雰囲気を窒素ガスで浄化した。その反応器に、10.0gの1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン、(25.1mmol、1.0当量)、4.98gの6−ヒドロキシナフタレン−2−イルボロン酸(26.6mmol、1.06当量)および10.3gのリン酸三カリウム(48.7mmol、2.0当量)を加えた。20分間固体試薬を撹拌しながら、雰囲気を窒素ガスで浄化した。その反応器に、100mLのテトラヒドロフラン、50mLの水を加え、その混合物を撹拌して固体を溶解した。二相混合物を30分間窒素ガスでスパージした。その触媒溶液を、カニューレを介して陽窒素圧により主反応器に移した。得られた二相混合物を積極的に撹拌し、2時間にわたって窒素下で60℃から65℃の間の内部温度に加温した。その反応混合物を、クエンチ前に50℃から55℃の間の内部温度に冷却した。
その反応の後処理を、50℃から55℃の間の内部温度にて嫌気条件下で実施した。15グラムの塩化ナトリウムおよび1.0gのシステインを80mLの水に溶解し、得られた溶液を1時間にわたってスパージした。この溶液を窒素ガス圧力でカニューレにより反応混合物に移し、得られた二相混合物を45分間激しく撹拌した。その機械撹拌を停止し、2つの溶液をそのまま分離させ、その水溶液を反応器から底のバルブを通して抜き取った。15グラムの塩化ナトリウムおよび1.0gのシステインを80mLの水に溶解し、得られた溶液を1時間にわたってスパージした。この溶液を、窒素ガス圧力でカニューレにより反応混合物に移し、得られた二相混合物を45分間激しく撹拌した。その機械撹拌を停止し、2つの溶液をそのまま分離させ、その水溶液を反応器から底のバルブを通して抜き取った。
淡黄色の有機溶液を反応器から底のバルブを通して抜き取り、ポリプロピレンフィルター上で濾過してパラジウム黒を除去した。その反応器およびフィルターケーキを、22mLのテトラヒドロフランですすぎ、50mLの酢酸エチルを有機溶液に添加した。その溶液は、蒸留中に溶液の体積をおよそ一定に保ちながら110mLの酢酸エチルの連続的添加にて大気圧(約66℃の内部温度)で蒸留した。一定体積蒸留中、その固体は反応器内で沈殿し始めた。酢酸エチルを加えた後、蒸留を大気圧で続けて、スラリーを約60mLの全体の容積まで濃縮した。その溶液を約30℃の内部温度まで冷却し、撹拌しながら3時間にわたって保持した。その結晶性物質を濾過により単離し、そのフィルターケーキを2回、20mL部分の酢酸エチルで洗浄した。そのウェットケーキを穏やかな窒素スイープを伴う50℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。所望の生成物をオフホワイト固体として単離した(8.33g、80%の収率)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppmδ11.39(d,J=2.1Hz,1H),9.82(s,1H),7.91(d,J=0.8Hz,1H),7.80(d,J=8.9Hz,1H),7.77−7.74(m,2H),7.58(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.32(d,J=2.7Hz,1H),7.27(d,J=2.7Hz,1H),7.16(d,J=2.3Hz,1H),7.10(dd,J=8.8,2.4Hz,1H),5.64(dd,J=7.9,2.2Hz,1H),3.23(s,3H),1.41(s,9H).
[実施例2−2] 1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(化合物(4a))の代替の調製。
この反応は空気感受性であり、反応を窒素雰囲気下で実施した。100mLの丸底フラスコを窒素ガスで浄化し、303mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.33mmol、0.02当量のPd)、411mgの1,3,5,7−テトラメチル−8−フェニル−2,4,6−トリオキサ−8−ホスファトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(1.40mmol、0.045当量)および磁気撹拌子を加えた。そのフラスコを隔膜で密封し、その固体の上の雰囲気を窒素ガスで浄化した。75(75)mLの脱気テトラヒドロフランをそのフラスコに添加し、その混合物を25分間窒素雰囲気下で撹拌した。この溶液をこれ以降触媒溶液と称する。
500mLのジャケット付きの反応器にオーバーヘッド撹拌器および還流冷却器を装着し、雰囲気を窒素ガスで浄化した。その反応器に、12.5gの1−(3−tert−ブチル−5−ヨード−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン、(31.2mmol、1.0当量)、6.20gの6−ヒドロキシナフタレン−2−イルボロン酸(33.0mmol、1.06当量)および13.0gのリン酸三カリウム(61.2mmol、2.0当量)を加えた。その反応器に、130mLのテトラヒドロフラン、65mLの水を加え、その混合物を撹拌して固体を溶解した。その二相混合物を30分間窒素ガスでスパージした。その触媒溶液を、カニューレを介して陽窒素圧により主反応器に移した。得られた二相混合物を積極的に撹拌し、2.5時間にわたって窒素下で60℃から65℃の間の内部温度まで加温した。その反応混合物を、クエンチ前に50℃から55℃の間の内部温度まで冷却した。
その反応の後処理を、50℃から55℃の間の内部温度にて嫌気条件下で実施した。塩化ナトリウム(18.8g)およびシステイン(1.25g)を100mLの水に溶解し、得られた溶液を40分間窒素でスパージした。この溶液を窒素ガス圧力でカニューレにより反応混合物に移し、得られた二相混合物を45分間激しく撹拌した。その機械撹拌を停止し、2つの溶液をそのまま分離させ、その水溶液を反応器から底のバルブを通して抜き取った。63(63)mLの脱気テトラヒドロフランを、陽窒素圧でカニューレによりその反応器に添加した。塩化ナトリウム(18.9g)およびシステイン(1.333g)を100mLの水に溶解し、得られた溶液を40分間窒素でスパージした。この溶液を窒素ガス圧力でカニューレにより反応混合物に移し、得られた二相混合物を45分間激しく撹拌した。その機械撹拌を停止し、2つの溶液をそのまま分離させ、その水溶液を反応器から底のバルブを通して抜き取った。
淡黄色の有機溶液を、底のバルブを通して反応器から抜き取り、加温しながらポリエチレンフィルター上でフィルター助剤の薄いパッドにより濾過した。その反応器およびフィルターケーキを32mLのテトラヒドロフランですすぎ、65mLの酢酸エチルを有機溶液に添加した。その溶液を、蒸留中に溶液の体積をおよそ一定に保ちながら190mLの酢酸エチルの連続的添加にて大気圧(約66℃の内部温度)で蒸留した。一定体積蒸留中、固体が反応器中で沈殿し始めた。酢酸エチルを加えた後、蒸留を大気圧で続けて、スラリーを約90mLの総体積まで濃縮した。そのスラリーを約40℃の内部温度まで冷却し、約50mLの全体の容積まで真空中でさらに濃縮した。そのスラリーを30℃の内部温度まで冷却し、撹拌しながら16時間にわたって保持した。その結晶性物質を濾過により単離し、フィルターケーキを2回、25mL部分の酢酸エチルで洗浄した。ウェットケーキを、穏やかな窒素スイープを伴う50℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。所望の生成物をオフホワイト固体として単離した(11.4g、99.5%の標準に対する力価、87%の効力調整収率)。
[実施例3] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(化合物(5a))の調製。
Figure 0006469571
反応器にオーバーヘッド撹拌器を中央の首に装備し、45.0gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(97.8重量%、106mmol、1.0当量)および21.9gの325メッシュの炭酸カリウム(159mmol、1.5当量)を加えた。その固体が撹拌される間、雰囲気を窒素ガスでパージした。そのフラスコに445mLのN,N−ジメチルホルムアミドを加え、そのスラリーを撹拌して1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオンを溶解した。パージを停止し、反応はわずかに陽圧の窒素ガスの下で行った。ペルフルオロブタンスルホニルフルオリド(35.2g、117mmol、1.1当量)を一度で加え、その混合物を勢いよく撹拌してその混じり合わない液体を一晩混合した。
その無機固体を濾過によって分離し、フラスコおよびフィルターケーキを約30mLのN,N−ジメチルホルムアミドですすいだ。そのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を、オーバーヘッド撹拌器を有する2番目のフラスコ中に直接濾過して入れた。撹拌しながら112gの水(使用した全体のN,N−ジメチルホルムアミドの25重量%)を、約0.5時間かけてその生成物のN,N−ジメチルホルムアミド溶液に加え、所望の生成物の沈殿を誘発し、その混合物は、そのまま5時間撹拌した。ウェットケーキを、全ての固体を回収するために濃縮溶液を再循環させて濾過することによって単離した。そのウェットケーキを60mLの25%(v/v)の水/N,N−ジメチルホルムアミド、次いで85mLの水で洗浄した。
その固体を、760mLの酢酸イソプロピル中に溶解した。得られた有機溶液を、残留N,N−ジメチルホルムアミドを除去するために、200mLの水で1回、270mL部分の水で2回および200mLの水で1回洗浄した。溶媒は、全体の容積が約200mLになるまで55℃に加熱して約130トールで蒸留することによって除去された。十分に撹拌しながらヘプタン(450mL)を温かい(55℃)スラリーに加えた。そのスラリーは、一晩撹拌しながら室温までそのまま冷却した。所望の生成物を、固体物質の全てを単離するために、濃縮溶液をリサイクルして濾過することによって単離した。そのウェットケーキを100mL部分の20%(v/v)酢酸イソプロピル/ヘプタンで2回洗浄した。そのウェットケーキをフィルター上で空気乾燥し、穏やかな窒素スイープを伴う約250トールの50℃の真空オーブン中で一晩乾燥した。標題化合物は、白色固体として単離された(64.0g、87%の収率)。H NMR(600MHz,DMSO−d)δppm11.42(s,1H),8.21−8.15(m,4H),7.84(dd,J=8.6,1.7Hz,1H),7.77(d,J=7.9Hz,1H),7.60(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.39(d,J=2.7Hz,1H),7.35(d,J=2.7Hz,1H),5.66(d,J=7.9Hz,1H),3.21(s,3H),1.41(s,9H);13C NMR(151MHz,DMSO−d)δppm163.7,156.7,150.6,147.1,145.7,143.6,137.4,134.2,134.1,132.3,132.1,131.3,128.5,128.4,128.1,127.2,125.2,120.0,119.2,101.4,60.5,35.0,30.4;19F NMR(564MHz,DMSO−d)δppm−79.9(3F),−109.9(2F),−120.7(2F),−125.4(2F).
[実施例3−1] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(化合物(5a))のもう一つの調製。
オーバーヘッド撹拌器が装備されている250Lの3つ口丸底フラスコに、10gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(98重量%、23.5mmol、1.0当量)および6.5gのミルにかけた炭酸カリウム(325メッシュ、47.1mmol、2.0当量)を加えた。アセトニトリル(MeCN、60mL、ナフトール1グラム当り6mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、40mL、ナフトール1グラム当り4mL)をその反応器に加え、そのスラリーを撹拌した。ペルフルオロブタンスルホニルフルオリド(8.3g、26mmol、1.1当量)を、そのよく撹拌された混合物に注射器ポンプによって60分かけて加えた。痕跡量(<0.1の面積%)の出発物質が、反応時間の20分後にアリコートのHPLC分析によって検出された。該アセトニトリル/ジメチルホルムアミド溶液を、粗くフリット化した漏斗により濾過して無機固体を分離し、そのフラスコとフィルターを15mLの3:2(v/v)のアセトニトリル/ジメチルホルムアミドですすいだ。使用した溶媒の全質量は約92gであった。
1回目の結晶化:該アセトニトリル/ジメチルホルムアミド溶液を、オーバーヘッド撹拌器が装備されている3つ口丸底フラスコに移した。水(50g、加えられた全体の溶液に対して54重量%)を、100分間かけて十分に撹拌された溶液に加えた。これは、溶媒組成を35重量%の水に調節する。水を加える間に混合物は、自然にでき上がり、その溶液は水の添加が完了した後約1時間にわたって保持した。固体は濾過によって単離し、そのウェットケーキは、30mL部分の40重量%の水/27重量%のジメチルホルムアミド/33重量%のアセトニトリルの洗浄液で2回と、その後40mLの水で1回洗浄した。
水洗浄:オーバーヘッド撹拌器および垂直混合を助けるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)邪魔板を備えたジャケット付き円筒型500Lの反応器に、前記ウェットケーキおよび133gの酢酸エチル(生成物の8倍の理論質量、150mL)を加えた。この混合物を撹拌して基材を溶解し、その溶液を40mL部分の水で2回洗浄した。
濃縮および結晶化:一定容量の蒸留を真空中(約100mmHg、50℃のジャケット温度)でヘプタンについて行い、溶媒組成を約12重量%の酢酸エチル/88重量%のヘプタンに調節した。蒸留中に溶液から固体が晶出し始めた。蒸留が完了した時点で、その溶液を周囲温度(23℃)まで冷却した。固体を蒸留によって単離し、ウェットケーキを50mL部分のヘプタンにより洗浄した。そのウェットケーキを乾燥して最終生成物(14.0g)を生じさせた。その固体は85%の単離された収率に対して、HPLC分析により98.1%の純度であり、100%の参照標準に対する力価であった。
[実施例3−2] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(化合物(5a))の代替の調製。
Figure 0006469571
反応器にオーバーヘッド撹拌器を装備し、8.04gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(19.2mmol、1.0当量)および5.28gの325メッシュの炭酸カリウム(38.4mmol、2.0当量)を加えた。そのフラスコに33mLのN,N−ジメチルホルムアミドおよび51mLのアセトニトリルを加え、そのスラリーを撹拌した。ペルフルオロブタンスルホニルフルオリド(7.16g、23.7mmol、1.2当量)を1.5時間かけて添加し、その混合物を1時間にわたって撹拌した。その無機固体を濾過により分離し、そのフラスコおよびフィルターケーキを、4.8mLのN,N−ジメチルホルムアミドおよび7.2mLのアセトニトリルの混合物ですすいだ。撹拌しながら、6.0gの水を有機溶液に添加し、その混合物はそのまま30分間撹拌して、その固体を結晶化させた。追加の34mLの水を1時間かけてスラリーに添加し、その混合物はそのままを2時間にわたって撹拌した。そのウェットケーキを、固体を回収するために濃縮溶液を再循環させて濾過することによって単離した。そのウェットケーキを6.5mLのN,N−ジメチルホルムアミド、8.0mLのアセトニトリルおよび9.5mLの水の前混合溶液で洗浄した。
そのウェットケーキを65mLの酢酸エチルに溶解した。得られた有機溶液を2回、33mL部分の5wt%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機溶液を反応器中に濾過し、そのフィルターを25mLの酢酸エチルですすいだ。その溶媒の大部分を、全体の容積が約25mLになるまで40℃に加熱しながら約90トールで蒸留により除去した。そのスラリーを53℃に加熱し、10mLの酢酸エチルを添加して、その沈殿固体を完全に溶解した。ヘプタン(125mL)を40分かけてその温かい(55℃)スラリーに添加した。その混合物を、撹拌しながら1時間かけて室温に冷却し、そのスラリーを17時間にわたって周囲温度で撹拌した。所望の生成物を、固体物質の全てを単離するために、濃縮溶液をリサイクルして濾過することによって単離した。そのウェットケーキを22mLのヘプタンで洗浄した。そのウェットケーキを穏やかな窒素スイープを伴う50℃の真空オーブン中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(10.4g、77%の収率)。H NMR(600MHz,DMSO−d)δppm11.42(s,1H),8.21−8.15(m,4H),7.84(dd,J=8.6,1.7Hz,1H),7.77(d,J=7.9Hz,1H),7.60(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.39(d,J=2.7Hz,1H),7.35(d,J=2.7Hz,1H),5.66(d,J=7.9Hz,1H),3.21(s,3H),1.41(s,9H).
[実施例3−3] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,−ヘプタフルオロプロパン−1−スルホネート(化合物(5b))の調製。
Figure 0006469571
6.0gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(14.4mmol、1.0当量)の、60mLのN,N−ジメチルホルムアミド中撹拌溶液に、4.0gの325メッシュの炭酸カリウム(29mmol、2.0当量)を添加した。1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−1−スルホニルフルオリド(3.85g、15.3mmol、1.06当量)を20分かけて添加し、その混合物を3時間にわたって撹拌した。その無機固体を濾過により分離し、そのフラスコおよびフィルターケーキを75mLの酢酸エチルですすいだ。その溶液を追加の75mLの酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を4回、50mL部分の10wt%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて50mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、その乾燥剤を濾去し、その有機溶液を真空中で濃縮した。得られた油を5.8mLの酢酸エチルに溶解し、90mLのヘプタンを25分かけて添加した。その生成物は結晶化し、濾過により単離した。そのウェットケーキを20mLのヘプタンで洗浄し、50℃で加熱しながら真空中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(8.43g、90%の収率)。H NMR(400MHz,CDCl)δppm8.66(s,1H),8.04(s,1H),7.95(d,J=9.5Hz,1H),7.93(d,J=9.1Hz,1H),7.83(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.79(d,J=2.4Hz,1H),7.41(dd,J=8.9,2.5Hz,1H),7.36(d,J=7.9Hz,1H),7.27−7.24(m,2H),5.82(dd,J=7.9,2.2Hz,1H),3.30(s,3H),1.46(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl)δppm162.6(C),157.5(C),149.9(C),147.2(C),145.0(C),144.5(CH),137.2(C),135.1(C),133.0(C),132.2(C),132.2(C),130.5(CH),128.5(CH),128.1(CH),127.4(CH),127.2(CH),124.4(CH),119.9(CH),118.9(CH),102.4(CH),60.9(CH),35.8(C),30.8(CH).19F NMR(564MHz,DMSO−d)δppm−79.9(3F),−109.9(2F),−124.0(2F).LC−MSm/z649.1[M+H]
[実施例3−4] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホネート(化合物(5c))の調製。
Figure 0006469571
6.0gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(14.4mmol、1.0当量)の、60mLのN,N−ジメチルホルムアミド中撹拌溶液に、4.0gの325メッシュの炭酸カリウム(29mmol、2.0当量)を添加した。1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホニルフルオリド(3.6g、14.3mmol、1.0当量)を30分かけて添加し、その混合物を2時間にわたって撹拌した。追加の部分の1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホニルフルオリド(0.21g、0.83mmol、0.06当量)を添加し、その混合物を1.5時間にわたって撹拌した。その無機固体を濾過により分離し、そのフラスコおよびフィルターケーキを75mLの酢酸エチルですすいだ。その溶液を追加の75mLの酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を4回、50mL部分の10wt%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて50mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、その乾燥剤を濾去し、その有機溶液を真空中で濃縮した。得られた油を7mLの酢酸エチルに溶解し、これは、数分間撹拌した後で結晶化をもたらした。ヘプタン(90mL)をその撹拌混合物にゆっくり添加した。その生成物を濾過により単離し、20mLのヘプタンで洗浄し、50℃で加熱しながら真空中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(8.30g、89%の収率)。H NMR(400MHz,CDCl)δppm8.05(s,1H),7.95(d,J=9.6Hz,1H),7.93(d,J=9.6Hz,1H),7.83(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.78(d,J=2.4Hz,1H),7.40(dd,J=8.9,2.4Hz,1H),7.36(d,J=7.9Hz,1H),7.27−7.23(m,2H),5.81(d,J=7.9Hz,1H),3.29(s,3H),1.46(s,9H)(NHはこのスペクトルでは認められず).13C NMR(101MHz,CDCl)δppm162.7(C),157.5(C),149.8(C),146.9(C),145.0(C),144.5(CH),137.2(C),135.1(C),133.0(C),132.2(C),132.2(C),130.5(CH),128.5(CH),128.1(CH),127.4(CH),127.2(CH),124.4(CH),119.9(CH),118.9(CH),102.4(CH),60.9(CH),35.8(C),30.8(CH).19F NMR(564MHz,DMSO)δppm−71.08(6F),−167.87(1F).LC−MSm/z649.1[M+H]
[実施例3−5] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホネート(化合物(5d))の調製。
Figure 0006469571
10.0gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(23.5mmol、1.0当量)の、100mLのN,N−ジメチルホルムアミド中撹拌溶液に、6.5gの325メッシュの炭酸カリウム(47mmol、2.0当量)を添加した。1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホニルフルオリド(4g、20mmol、0.85当量)を3時間にわたって反応混合物中に表面下で吹き込み、その混合物を0.5時間にわたって撹拌した。その無機固体を濾過により分離し、そのフラスコおよびフィルターケーキを5mLのN,N−ジメチルホルムアミドですすいだ。その溶液を24mLの水および150mLの酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を4回、50mL部分の10wt%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて25mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、その乾燥剤を濾去し、その有機溶液を真空中で濃縮した。得られた固体を、勾配溶出(40%酢酸エチル/ヘキサンから60%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を10mLの酢酸エチルに溶解し、200mLのヘプタンを60分かけて添加した。その生成物は結晶化し、濾過により単離した。そのウェットケーキを40mLのヘプタンで洗浄し、50℃で加熱しながら真空中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(9.4g、67%の収率)。H NMR(600MHz,CDCl)δppm8.60(d,J=0.5Hz,1H),8.06(d,J=0.8Hz,1H),7.97(d,J=9.1Hz,1H),7.94(d,J=8.7Hz,1H),7.84(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.80(d,J=2.5Hz,1H),7.42(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.37(d,J=8.0Hz,1H),7.27−7.26(m,2H),5.82(dd,J=8.0,2.3Hz,1H),3.30(s,3H),1.46(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl)δppm162.6(C),157.5(C),149.8(C),147.1(C),145.0(C),144.5(CH),137.2(C),135.1(C),133.0(C),132.23(C),132.18(C),130.5(CH),128.5(CH),128.1(CH),127.4(CH),127.2(CH),124.4(CH),119.9(CH),118.9(CH),102.4(CH),61.0(CH),35.8(C),30.8(CH).19F NMR(564MHz,CDCl)δppm−79.1(3F),−113.4(2F).LC−MSm/z599.1[M+H]
[実施例3−6] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物(5e))の調製。
Figure 0006469571
9.0gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(21.1mmol、1.0当量)の、90mLのN,N−ジメチルホルムアミド中撹拌溶液に、5.9gの325メッシュの炭酸カリウム(42.8mmol、2.0当量)を添加した。トリフルオロメタンスルホニルフルオリドを、出発材料がもはやHPLCにより検出されなくなるまで1時間にわたってゆっくり反応混合物中に表面下で吹き込んだ。その無機固体を濾過により分離し、そのフラスコおよびフィルターケーキを50mLの酢酸エチルですすいだ。その溶液を50mLの酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を3回、50mL部分の10wt%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて50mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、その乾燥剤を濾去し、その有機溶液を真空中で濃縮した。得られた油を、70mLの10%酢酸エチル/ヘプタンを添加することおよび16時間にわたって保持することによって固化した。その生成物を濾過により単離した。そのウェットケーキを25mLの10%酢酸エチル/ヘプタンで洗浄し、50℃で加熱しながら真空中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(10.8g、93%の収率)。H NMR(600MHz,CDCl)δppm8.63(s,1H),8.06(d,J=0.8Hz,1H),7.97(d,J=9.1Hz,1H),7.94(d,J=8.6Hz,1H),7.84(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.79(d,J=2.5Hz,1H),7.41(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.37(d,J=7.9Hz,1H),7.27−7.26(m,2H),5.82(dd,J=7.9,2.3Hz,1H),3.30(s,3H),1.46(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl)δppm162.7(C),157.5(C),149.9(C),147.0(C),145.0(C),144.5(CH),137.2(C),135.1(C),133.0(C),132.24(C),132.19(C),130.5(CH),128.5(CH),128.0(CH),127.4(CH),127.2(CH),124.4(CH),119.9(CH),118.9(CH),102.4(CH),61.0(CH),35.8(C),30.8(CH).19F NMR(564MHz,CDCl)δppm−72.8(3F).LC−MSm/z549.2[M+H]
[実施例3−7] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペルフルオロエトキシ)エタンスルホネート(化合物(5f))の調製。
Figure 0006469571
0.53gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(1.27mmol、1.0当量)の、5mLのN,N−ジメチルホルムアミド中撹拌溶液に、0.35gの325メッシュの炭酸カリウム(2.6mmol、2.0当量)を添加した。ペルフルオロ(2−エトキシエタン)スルホニルフルオリド(0.46g、1.4mmol、1.1当量)を一度で添加し、その混合物を1時間にわたって撹拌した。その無機固体を濾過により分離し、そのフラスコおよびフィルターケーキを1mLのN,N−ジメチルホルムアミドですすぎ、続いて2mLの酢酸エチルですすいだ。その溶液を30mLの酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を2回、20mL部分の10wt%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて20mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その洗浄手順を1回反復した。その有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、その乾燥剤を濾去し、その有機溶液を真空中で濃縮した。得られた固体を、勾配溶出(30%酢酸エチル/ヘキサンから60%酢酸エチル/ヘキサン)を用いるシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製した。その標題化合物は、白色固体として単離された(0.76g、84%の収率)。H NMR(400MHz,CDCl)δppm8.54(d,J=1.7Hz,1H),8.04(s,1H),7.95(d,J=9.4Hz,1H),7.92(d,J=10.1Hz,1H),7.83(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.78(d,J=2.4Hz,1H),7.40(dd,J=9.0,2.5Hz,1H),7.36(d,J=7.9Hz,1H),7.27−7.23(m,2H),5.81(dd,J=7.9,2.4Hz,1H),3.29(s,3H),1.46(s,9H).13C NMR(101MHz,CDCl)δppm162.6(C),157.5(C),149.8(C),147.1(C),145.0(C),144.5(CH),137.2(C),135.1(C),133.0(C),132.2(C),132.2(C),130.5(CH),128.5(CH),128.1(CH),127.4(CH),127.2(CH),124.4(CH),119.9(CH),118.9(CH),102.4(CH),60.9(CH),35.8(C),30.8(CH).19F NMR(564MHz,CDCl)δppm−81.61(2F),−86.42(3F),−88.11(2F),−112.90(2F).LC−MSm/z715.0[M+H]
[実施例3−8] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルスルホフルオリデート(化合物(5g))の調製。
Figure 0006469571
5.1gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(12.2mmol、1.0当量)の、50mLのN,N−ジメチルホルムアミド中撹拌溶液に、周囲温度で、3.3gの325メッシュの炭酸カリウム(24mmol、2.0当量)を添加した。その反応フラスコにドライアイス/アセトン冷却器を装備し、フッ化スルフリルを10分かけてゆっくり反応混合物中に表面下で吹き込んだ。HPLC分析はその時、出発材料が残っていないことを示した。その混合物をそのまま追加の1時間にわたって撹拌させた。その反応器から任意の残りのフッ化スルフリルをパージするために、その溶液を窒素ガスにて表面下でスパージし、その無機固体を濾過により分離した。DMF溶液を125mLの酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を4回、50mL部分の10wt%塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、続いて50mLの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、その乾燥剤を濾去し、その有機溶液を真空中で濃縮した。得られた油を、2mLの酢酸エチルを添加すること、続いて75mLのヘプタンをゆっくり数時間かけて添加することによって結晶化した。得られたスラリーを16時間にわたって混合し、その生成物を濾過により単離した。そのウェットケーキをヘプタンで洗浄し、50℃で加熱しながら真空中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(5.7g、95%の収率)。H NMR(600MHz,DMSO−d)δppm11.40(d,J=2.0Hz,1H),8.29(d,J=2.4Hz,1H),8.26−8.22(m,2H),8.18(d,J=8.6Hz,1H),7.87(dd,J=8.6,1.7Hz,1H),7.79(d,J=7.9Hz,1H),7.75(dd,J=9.1,2.5Hz,1H),7.41(d,J=2.7Hz,1H),7.36(d,J=2.7Hz,1H),5.66(dd,J=7.9,2.3Hz,1H),3.24(s,3H),1.43(s,9H).13C NMR(101MHz,DMSO−d)δppm163.0(C),156.0(C),149.9(C),146.9(C),145.2(CH),143.0(C),136.9(C),133.7(C),133.6(C),131.9(C),131.6(C),130.9(CH),128.1(CH),128.0(CH),127.6(CH),126.8(CH),124.8(CH),119.2(CH),118.4(CH),101.1(CH),60.5(CH),35.1(C),30.5(CH).19F NMR(564MHz,DMSO−d)δppm38.9(F).LC−MSm/z499.15[M+H]
[実施例3−9] 6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルメタンスルホネート(化合物(5h))の調製。
Figure 0006469571
5.0gの1−(3−tert−ブチル−5−(6−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4−メトキシフェニル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(12.0mmol、1.0当量)の、25mLのN,N−ジメチルアセトアミド中撹拌スラリーに、4.4gのメタンスルホン酸無水物(25mmol、2.1当量)を添加した。その溶液を、8.5mLのトリエチルアミン(61mmol、5.1当量)の添加中に内部温度を30℃より下に保つために水浴中で冷却した。室温で2.5時間にわたって撹拌した後、追加の0.70gのメタンスルホン酸無水物(4mmol、0.3当量)を、その混合物に添加した。反応混合物を撹拌しながら30mLの水の添加によりクエンチした。得られた不均一混合物を150mLの酢酸エチルに溶解し、得られた溶液を5回、50mL部分の10wt%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その有機溶液を硫酸ナトリウムで脱水し、その乾燥剤を濾去し、その有機溶液を真空中で濃縮した。得られた油を冷蔵庫中に保持することによって固化し、20mLの酢酸エチル中でスラリー化することによって精製した。その生成物を濾過により単離し、そのウェットケーキを酢酸エチルで洗浄し、50℃で加熱しながら真空中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(4.5g、91%強力な、69%の収率)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm11.36(d,J=1.4Hz,1H),8.12(s,1H),8.08(d,J=9.1Hz,1H),8.05(d,J=8.7Hz,1H),7.94(d,J=2.3Hz,1H),7.79−7.72(m,2H),7.49(dd,J=8.9,2.4Hz,1H),7.34(d,J=2.6Hz,1H),7.29(d,J=2.7Hz,1H),5.61(dd,J=7.9,1.9Hz,1H),3.43(s,3H),3.20(s,3H),1.39(s,9H).13C NMR(101MHz,DMSO−d)δppm163.0(C),156.0(C),150.0(C),146.4(C),145.2(CH),143.0(C),135.9(C),134.0(C),133.6(C),131.9(C),131.3(C),130.0(CH),127.7(CH),127.6(CH),127.5(CH),126.7(CH),124.6(CH),121.3(CH),119.0(CH),101.1(CH),60.4(CH),37.6(CH),35.1(C),30.5(CH).LC−MSm/z495.1[M+H]
[実施例4] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の調製。
Figure 0006469571
3Lの3つ口丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌器、サーモカップル、クライゼン冷却器および還流冷却器を備えた。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.330g、0.360mmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.416g、0.864mmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(21.0g、99.0mmol)をその3Lのフラスコに加えた。そのフラスコをそれら固体の一定の撹拌をしながら90分以上にわたってアルゴンによりパージした。t−アミルアルコール(250ml)を別の500mLの丸底フラスコに加え、30分間以上アルゴンで浄化し、アルゴン雰囲気下でカニューレを使用して3Lのフラスコに移した。その3Lのフラスコの内容物を80℃に加熱し、この温度で30分間撹拌した。磁気撹拌棒を備えた1Lの丸底フラスコに、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(62.9g、90mmol)、メタンスルホンアミド(12.85g、135mmol)およびt−アミルアルコール(505mL)を加え、アルゴンによりパージし、60℃に加熱した。その試薬混合物を30分間以上アルゴン下で撹拌した。透明な黄色の溶液が観察された。この溶液をアルゴン雰囲気下の該3Lフラスコにカニューレを用いて移した。その3Lフラスコの温度を85℃に上昇させ、内容物を陽圧のアルゴンの下で14時間にわたって撹拌した。温度をその後95℃に上げ、内容物を陽圧のアルゴンの下でさらに4時間撹拌した。その反応混合物を室温までそのまま冷却し、テトラヒドロフラン(2200mL)および水(800mL)で希釈し、6Lの分液漏斗に移した。その有機層をL−システイン(17.3g)およびNaCl(235g)を含有する水(2000mL)により3回洗浄した。その有機層を集め、珪藻土のパッドにより濾過し、真空中で約250mLまで濃縮した。酢酸エチル(775mL)を撹拌しながら7時間かけて加え、その混合物をそのままさらに14時間にわたって撹拌した。白色固体が濾過によって単離され、その固体は、酢酸エチル(1000mL)により洗浄した。その固体を次いでテトラヒドロフラン(1500mL)中に溶解し、珪藻土のパッドにより濾過し、透明な溶液を得た。前記珪藻土をテトラヒドロフラン(300mL)で洗浄した。混ぜ合わせたテトラヒドロフラン溶液を真空中で約250mLまで濃縮し、その後、酢酸エチル(775mL)を撹拌しながら7時間かけて加えた。その生成物の溶液をそのままさらに14時間にわたって撹拌した。白色固体が濾過によって単離された。その固体を、酢酸エチル(1000mL)により洗浄し、60℃の真空オーブン中で24時間乾燥させた。その固体を308mLの度数(proof)200のエタノール中で1.5時間にわたってスラリーにし、その後濾過によって単離した。その固体を132mLの度数200のエタノールにより洗浄し、50℃の真空オーブン中で18時間にわたって乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(32.6g、100%の標準に対する力価、73%の収率)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm11.41(d,J=2.1Hz,1H),10.04(s,1H),8.02(d,J=0.9Hz,1H),7.98−7.91(m,2H),7.79(d,J=7.9Hz,1H),7.72(d,J=2.0Hz,1H),7.69(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.41(dd,J=8.8,2.2Hz,1H),7.36(d,J=2.7Hz,1H),7.31(d,J=2.7Hz,1H),5.65(dd,J=7.9,2.2Hz,1H),3.24(s,3H),3.08(s,3H),1.42(s,9H).13C NMR(101MHz,DMSO−d)δppm163.1(C),156.0(C),150.0(C),145.3(CH),142.9(C),136.0(C),134.3(C),134.2C(),133.5(C),132.2(C),129.5(C),129.0(CH),127.6(CH),127.1(CH),127.0(CH),126.5(CH),124.3(CH),120.2(CH),114.5(CH),101.1(CH),60.3(CH),39.4(CH),35.1(C),30.5(CH).
その他の配位子、例えば、2,2,7,7−テトラメチル−1−(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフェパン、7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンおよび8−(2−(2−メトキシナフタレン−1−イル)フェニル)−7,7,9,9−テトラメチル−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンなどが、上記の条件下でテストされ、スルホンアミド化生成物の50%を超える有利な収率を生じた。
Figure 0006469571
[実施例4−1] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
450mLのオーバーヘッド撹拌器を備えたステンレス製Parr(登録商標)圧力反応器に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.131g、0.143mmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.167g、0.344mmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(6.69g、31.5mmol)を加えた。このフラスコを90分以上にわたってアルゴンでパージした。テトラヒドロフラン(90mL)を、100mLの丸底フラスコにとり、30分以上アルゴンでパージし、アルゴン雰囲気下の450mLの反応器にカニューレを用いて移した。その450mLの反応器の内容物を、80℃まで加熱し、この温度で30分間撹拌した。磁気撹拌棒を備えた250mLの丸底フラスコに、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(20.0g、28.6mmol)、メタンスルホンアミド(3.27g、34.4mmol)およびテトラヒドロフラン(160mL)を加え、アルゴンにより45分間以上パージした。透明な黄色の溶液が観察された。この溶液を、室温まで冷却されている450mLの反応器にアルゴン雰囲気下でカニューレを用いて移した。この450mLの反応器の温度を90℃に上げ、その内容物を20時間撹拌した。その反応混合物をそのまま50℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(70mL)とL−システイン(0.875g)および塩化ナトリウム(7.7g)を含有する水(70ml)とで希釈した。その内容物を50℃で2時間撹拌した。その水層を廃棄し、有機層を約2インチの珪藻土のパッドにより濾過し、テトラヒドロフラン(45mL)ですすいで透明な淡黄色の溶液を得た。反応混合物の全重量は363.43gであった。その反応混合物のHPLC分析は、13.71g(97%)の標題化合物がその反応混合物中に存在することを明らかにした。反応混合物の一部(50g)を、真空下で12−14mLの最終容積まで濃縮した。酢酸エチル(45mL)をゆっくりと加え、その反応混合物を一晩室温で撹拌して白色のスラリーを得た。生成物を濾過によって集め、酢酸エチル(7mL)で洗浄し、50−60℃の真空オーブン中で一晩乾燥し、2.02gの白色固体を得た。エタノール(14mL)をその固体に加え、室温で一晩撹拌した。その生成物を濾過によって集め、エタノール(4mL)で洗浄し、50−60℃の真空オーブン中で一晩乾燥し、標題化合物を得た(1.79g、95.4%)。
[実施例4−2] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
450mLのオーバーヘッド撹拌器を備えたステンレス製Parr(登録商標)圧力反応器に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.105g、0.115mmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.133g、0.275mmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(5.35g、25.2mmol)を加えた。このフラスコを90分以上にわたってアルゴンでパージした。2−メチルテトラヒドロフラン(70mL)を、100mLの丸底フラスコにとり、30分以上アルゴンでパージし、アルゴン雰囲気下の450mLの反応器にカニューレを用いて移した。その450mLの反応器の内容物を、80℃まで加熱し、この温度で30分間撹拌した。磁気撹拌棒を備えた250mLの丸底フラスコに、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(16.0g、22.9mmol)、メタンスルホンアミド(2.61g、27.5mmol)および2−メチルテトラヒドロフラン(155mL)を加え、アルゴンにより60分間以上パージした。この溶液を、室温まで冷却されている450mLの反応器にアルゴン雰囲気下でカニューレを用いて移した。この450mLのフラスコの温度を90℃に上げ、その内容物を14時間撹拌した。その反応混合物をそのまま70℃まで冷却し、酢酸エチル(190mL)で希釈し、70℃で3時間撹拌し、室温まで冷却し、さらに4時間撹拌し、細かいフリットフィルター漏斗により濾過し、酢酸エチル(90mL)ですすぎ、29.4gの淡褐色の固体を得た。この固体の一部(13.04g)を、500mLのオーバーヘッド撹拌器およびサーモカップルを備えた3つ口丸底フラスコに移した。テトラヒドロフラン(175mL)を加え、L−システイン(0.63g)および塩化ナトリウム(5.5g)を含有する水50mLの添加を続けた。その反応混合物を、わずかな陽圧のアルゴン下の50℃で2時間にわたって撹拌した。その反応混合物を500mLの分液漏斗に移し、水層を廃棄した。その有機層を約2インチの珪藻土のパッドにより濾過し、テトラヒドロフラン(45mL)ですすいで透明な淡黄色の溶液を得た。その有機層を45.59gの全体量まで濃縮した。この有機溶液の一部(41.58g)を、オーバーヘッド撹拌器を取り付けた250mLの3つ口丸底フラスコに加えた。酢酸エチル(80mL)を室温で一定の撹拌をしながらポンプによって6時間かけて加えた。この生成物を濾過によって集め、酢酸エチル(20mL)ですすぎ、真空オーブン中で2時間乾燥して3.17gの標題化合物を得た(>99.8%の純度および94.6%の標準に対する力価)。
[実施例4−3] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
600mLのオーバーヘッド撹拌器を備えたステンレス製Parr(登録商標)圧力反応器に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.229g、0.251mmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.291g、0.601mmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(11.70g、55.1mmol)を加えた。このフラスコを90分以上にわたってアルゴンでパージした。酢酸エチル(140mL)を、250mLの丸底フラスコにとり、30分以上アルゴンでパージし、アルゴン雰囲気下の600mLの反応器にカニューレを用いて移した。その600mLの反応器の内容物を、80℃まで加熱し、この温度で30分間撹拌した。磁気撹拌棒を備えた500mLの丸底フラスコに、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(35.0g、50.1mmol)、メタンスルホンアミド(5.72g、60.1mmol)および酢酸エチル(280mL)を加え、50℃で撹拌しながらアルゴンにより60分間以上パージした。この溶液を、室温まで冷却された600mLの反応器にアルゴン雰囲気下でカニューレを用いて移した。この600mLのフラスコの温度を90℃に上げ、その内容物を18時間撹拌した。その反応混合物をそのまま40℃まで冷却し、濾過して酢酸エチル(140mL)ですすいだ。固体(41.50g)が、高真空での2時間にわたる乾燥後に得られた。この固体は標題生成物を含有していた(23.06g、93%)。
[実施例4−4] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0066g、7.16μmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.0083g、17μmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(0.334g、1.58mmol)を、不活性雰囲気グローブボックスの内部の40mLの反応バイアルに加えた。t−アミルアルコール(4mL)を添加し、そのバイアルに蓋をし、その内容物を80℃に加熱し、この温度で30分間撹拌した。その反応混合物を室温に冷却した。6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(1.0g、1.43mmol)、メタンスルホンアミド(0.163g、1.72mmol)およびt−アミルアルコール(8mL)を、その40mLの反応バイアルに添加し、そのバイアルに蓋をした。反応温度を90℃まで上昇させ、その内容物を5時間にわたって撹拌した。その反応混合物のHPLC分析は、その生成物が210nmにて94面積%で形成されていることを示した。
[実施例4−5] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
600mLのステンレス製Parr(登録商標)反応器にオーバーヘッド撹拌器、サーモカップルおよび加熱マントルを装備した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.164g、0.179mmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.208g、0.429mmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(8.36g、39.4mmol)を、600mLの反応器に加えた。その反応器を90分間以上アルゴンで浄化した。2−メチルテトラヒドロフラン(100mL)を30分間以上アルゴンで浄化し、アルゴン雰囲気下でカニューレを使用して600mLの反応器に移した。その反応器をしっかりと密封し、その内容物を80℃に加熱し、30分間この温度で撹拌した。磁気撹拌子を備えた500mLの丸底フラスコに、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(25g、35.8mmol)、メタンスルホンアミド(4.09g、42.9mmol)および酢酸エチル(200mL)を加え、撹拌しながら30分間以上アルゴンで浄化し、60℃に加熱した。透明な溶液が観察された。この溶液をアルゴン雰囲気下でカニューレを使用して600mLの反応器に移した。その反応器をしっかりと密封し、その内容物を90℃に加熱し、14時間にわたってこの温度で撹拌した。その反応混合物を35℃に冷却し、固体を濾過により集め、酢酸エチル(300mL)で洗浄し、2−4時間にわたって高真空下で乾燥した。その固体を次いで、オーバーヘッド撹拌器およびサーモカップルを備えた1Lの3つ口丸底フラスコに移した。N−アセチル−L−システイン(0.58g、3.5mmol)、ジメチルホルムアミド(DMF)(100mL)および氷酢酸(0.85g)を1Lのフラスコに加え、その内容物を60℃に加熱し、1時間にわたって混合した。その混合物を約2インチの珪藻土のパッドにより濾過し、DMF(50mL)で洗浄した。珪藻土上で集めた暗褐色/黒色の固体を廃棄し、薄黄色/透明な濾液を、オーバーヘッド撹拌器、サーモカップルおよび注射器ポンプを備えた別の1Lの3つ口丸底フラスコに加えた。DMF溶液を混合し、メタノール(300mL)を、25±5℃の内部温度を維持しながら8時間かけて添加した。その白色固体を濾過により集め、メタノール(150mL)で洗浄し、8時間以上にわたって50℃の真空オーブン中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(15.8g、89%の収率)。
[実施例4−6] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
600mLのステンレス製Parr(登録商標)反応器に、オーバーヘッド撹拌器、サーモカップルおよび加熱マントルを装備した。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.164g、0.179mmol)、7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカン(0.238g、0.429mmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(8.36g、39.4mmol)を、600mLの反応器に加えた。その反応器を90分間以上アルゴンで浄化した。2−メチルテトラヒドロフラン(100mL)を30分間以上アルゴンで浄化し、アルゴン雰囲気下でカニューレを使用して600mLの反応器に移した。その反応器をしっかりと密封し、その内容物を80℃に加熱し、30分間この温度で撹拌した。磁気撹拌子を備えた500mLの丸底フラスコに、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(25g、35.8mmol)、メタンスルホンアミ、ド(4.09g、42.9mmol)および酢酸エチル(200mL)を加え、撹拌しながら30分間以上アルゴンで浄化し、60℃に加熱した。透明な溶液が観察された。この溶液をアルゴン雰囲気下でカニューレを使用して600mLの反応器に移した。その反応器をしっかりと密封し、その内容物を90℃に加熱し、14時間にわたってこの温度で撹拌した。その反応混合物を35℃に冷却し、5%N−アセチル−L−システイン水溶液(100mL)を添加し、その内容物を35℃で1時間にわたって混合した。固体を濾過により集め、水(2×25mL)および酢酸エチル(3×80mL)で洗浄し、2−4時間にわたって高真空下で乾燥した。その固体を次いで、オーバーヘッド撹拌器およびサーモカップルを備えた1Lの3つ口丸底フラスコに移した。N−アセチル−L−システイン(0.58g、3.5mmol)、ジメチルホルムアミド(DMF)(100mL)および氷酢酸(0.85g)を、1Lのフラスコに加え、その内容物を60℃に加熱し、1時間にわたって混合した。その混合物を約2インチの珪藻土のパッドにより濾過し、DMF(50mL)で洗浄した。珪藻土上で集めた暗褐色/黒色の固体を廃棄し、薄黄色/透明な濾液を、オーバーヘッド撹拌器、サーモカップルおよび注射器ポンプを備えた別の1Lの3つ口丸底フラスコに加えた。DMF溶液を混合し、メタノール(300mL)を、25±5℃の内部温度を維持しながら8時間かけて添加した。その白色固体を濾過により集め、メタノール(150mL)で洗浄し、8時間以上にわたって50℃の真空オーブン中で乾燥した。その標題化合物は、白色固体として単離された(15.6g、88%の収率)。
[実施例4−7] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
Figure 0006469571
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0026g、2.80μmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.0033g、6.72μmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(0.131g、0.616mmol)を、不活性雰囲気グローブボックスの内部の40mLの反応バイアルに加えた。2−メチルテトラヒドロフラン(1.5mL)を添加し、そのバイアルに蓋をし、その内容物を80℃に加熱し、30分間この温度で撹拌した。その反応混合物を室温に冷却した。6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペルフルオロエトキシ)エタンスルホネート(0.4g、0.560mmol、例3−7、化合物(5f))、メタンスルホンアミド(0.064g、0.672mmol)および酢酸エチル(3mL)を、40mLの反応バイアルに添加した。その閉じたバイアルの温度を90℃に上昇させ、その内容物を16時間にわたって磁気撹拌した。その反応混合物のHPLC分析は、その生成物が210nmにて97面積%で形成されていることを示した。
[実施例4−8] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
Figure 0006469571
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0071g、7.71μmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.0089g、19.0μmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(0.360g、1.696mmol)を、不活性雰囲気グローブボックスの内部の40mLの反応バイアルに加えた。2−メチルテトラヒドロフラン(4mL)を添加し、その閉じたバイアルおよびそれの内容物を30分間磁気攪拌しながら80℃に加熱した。その反応混合物を室温に冷却した。6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン−2−スルホネート(1.0g、1.542mmol、実施例3−4、化合物(5c))、メタンスルホンアミド(0.176g、1.850mmol)および酢酸エチル(8mL)を、40mLの反応バイアルに添加した。その閉じたバイアルおよびそれの内容物の温度を90℃に上昇させ、20時間にわたって撹拌した。その反応混合物のHPLC分析は、その生成物が210nmにて95面積%で形成されていることを示した。
[実施例4−9] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
Figure 0006469571
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0055g、6.02μmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.0070g、14.0μmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(0.281g、1.324mmol)を、不活性雰囲気グローブボックスの内部の40mLの反応バイアルに加えた。2−メチルテトラヒドロフラン(3.4mL)を添加し、その閉じたバイアルおよびそれの内容物を30分間磁気攪拌しながら80℃に加熱した。その反応混合物を室温に冷却した。6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルスルホフルオリデート(0.6g、1.204mmol、実施例3−8、化合物(5g))、メタンスルホンアミド(0.137g、1.444mmol)および酢酸エチル(6.7mL)を、40mLの反応バイアルに添加した。その閉じた反応バイアルおよびそれの内容物の温度を90℃に上昇させ、その内容物を20時間にわたって撹拌した。その反応混合物のHPLC分析は、その生成物が210nmにて79面積%で形成されていることを示した。
[実施例4−10] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
Figure 0006469571
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0042g、4.56μmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.0053g、12.0μmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(0.213g、1.003mmol)を、不活性雰囲気グローブボックスの内部の40mLの反応バイアルに加えた。2−メチルテトラヒドロフラン(1.9mL)を添加し、その閉じたバイアルおよびそれの内容物を30分間磁気攪拌しながら80℃に加熱した。その反応混合物を室温に冷却した。6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルトリフルオロメタンスルホネート(0.5g、0.912mmol、実施例3−6、化合物(5e))、メタンスルホンアミド(0.104g、1.094mmol)および酢酸エチル(5.7mL)を、40mLの反応バイアルに添加した。その閉じたバイアルおよびそれの内容物の温度を90℃に上昇させ、14時間にわたって撹拌した。その反応混合物のHPLC分析は、その生成物が210nmにて91面積%で形成されていることを示した。
[実施例4−11] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
Figure 0006469571
トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.0037g、4.04μmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.0047g、9.7μmol)およびミルにかけたリン酸三カリウム(0.094g、0.445mmol)を、不活性雰囲気グローブボックスの内部の40mLの反応バイアルに加えた。tert−アミルアルコール(1.0mL)を添加し、その内容物を80℃に加熱し、30分間この温度で撹拌した。その反応混合物を室温に冷却した。6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルメタンスルホネート(0.2g、0.404mmol)、メタンスルホンアミド(0.046g、0.485mmol)およびtert−アミルアルコール(1.5mL)を、40mLの反応バイアルに添加した。反応温度を110℃に上昇させ、その内容物を14時間にわたって撹拌した。その反応混合物のHPLC分析は、標題化合物が210nmにて7面積%で形成されていることを示した。
[実施例4−12] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の代替の調製。
Figure 0006469571
酢酸パラジウム(0.0018g、8.09μmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(0.0086g、0.018mmol)および水(0.6μL、0.032mmol)を、不活性雰囲気グローブボックスの内部の40mLの反応バイアルに加えた。tert−アミルアルコール(1.0mL)を添加し、その内容物を80℃に加熱し、15分間この温度で撹拌した。その反応混合物を室温に冷却した。リン酸三カリウム(0.094g、0.445mmol)、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イルメタンスルホネート(0.2g、0.404mmol)、メタンスルホンアミド(0.046g、0.485mmol)およびtert−アミルアルコール(1.5mL)を、40mLの反応バイアルに添加した。反応温度を110℃に上昇させ、その内容物を14時間にわたって撹拌した。その反応混合物のHPLC分析は、標題化合物が210nmにて5面積%で形成されていることを示した。
[実施例4−13] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミド(化合物(A−1))の濾過性。
フィルターパッドをリーフフィルター底部に挿入した後、アセンブリをフィルター本体に結合させた。そのトップアセンブリを結合し、密封した。そのシステムを、堅固な密封を確保するために5−10psigの窒素で漏れ試験し、圧力を軽減し、窒素ライン調節器を濾過試験について所望の圧力に設定した。フィルター本体上のフィルターパッドから基準マークまでの距離を、巻尺を使用して測定した。そのプロセス溶媒の約50mLをフィルターに加え、このシステムを、漏れについてチェックするために検査した。そのフィルタートップアセンブリを次いでフィルター本体に結合し、密封した。その溶媒をフィルターに通過させてパッドを湿らせた。排出バルブを次いで閉じた。
試験するべきスラリー試料の約200−250mLをメスシリンダー中に移した。そのメスシリンダーを秤量した。風袋計量済みの濾液フラスコ(受器)を、フィルターの下に設置されている電子天秤上に置いて、濾液を集めた。電子天秤からのデータ信号の収集を開始した。その試験スラリーを、漏斗を使用してフィルター本体中に加え、トップアセンブリを再結合し、密封した。窒素圧力をチェックし、必要に応じて標的値に再調整した。窒素導入口バルブを開口して、フィルター本体に加圧し、次いで底部排出バルブを開口して、受器中に濾液の流動を開始した。
その試験中に達成した実際の窒素圧力を記録した。濾液重量をデータ収集システムにより濾過の時間の関数として記録した。そのメスシリンダーを再秤量して、加えたスラリーの重量を決定した。濾液流動が停止した時点で、濾液重量ならびに濾液体積を決定した。そのトップアセンブリを開口し、フィルター本体上の基準点から固体ウェットケーキの最上部までの距離を測定した。これは、開始値からの差異によるケーキ高さの算出を可能にした。濾液密度を、濾液の重量および体積から算出した。(代わりに、風袋計量済みの10mL体積フラスコに濾液をマークまで充填し、重量を決定して濾液密度を算出した。)。スラリー密度を、加えたスラリーの重量および体積から算出した。溶媒粘度は純溶媒値を使用して概算し、または混合物については純粋な構成成分粘度の質量分率平均化することによって概算した。濾過データを、Vと対比して(t/V)をプロットすることによって分析したが、ここでtは濾過の時間であり、Vは、時間tまでに集めた濾液の体積(mまたはft)である。これは、Geankoplis、C.J.「Transport Processes and Unit Operations」、第3版、著作権1993年。P T R Prentice−Hall、Inc、Englewood Cliffs、NJにおける方法概説からのフィルターケーキ抵抗性の概算を可能にしたが、ここで、Vプロットと対比して(t/V)上の線の傾斜は、
/2であり、ここでK=μαC/(AΔPg)であり、ここで
μ=Pa・sまたは(lb/ft・s)における粘度
α=特定のケーキ抵抗性、m/kgまたはft/lb
=固体濃度、kg/mまたはlb/ft
A=断面積、mまたはft
ΔP=圧力降下、N/mまたは(lb/ft
=32.174lbft/(lb・s)
である。
Figure 0006469571
上記表において見られる通り、実験1−4における反応溶媒混合物は、高められた濾過の速度を提供した。
[実施例5] N−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミドのナトリウム塩(化合物(A−s1))の調製。
Figure 0006469571
2−プロパノールと水の溶液を、18.5gの水と512gの2−プロパノールとを混ぜ合わせることによって調製した。以後この溶液を、「アンチソルベント溶液」と称する。
2−プロパノールと水の溶液を、23.94gの水と564gの2−プロパノールとを混ぜ合わせることによって調製した。この溶液を、使用前に冷蔵庫中で冷却した。以後この溶液を、「冷洗浄液」と称する。
ジャケット付き反応器にオーバーヘッド撹拌器を備え、32.0g(64.8mmol)のN−(6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル)メタンスルホンアミドおよび105.9gのジメチルスルホキシドを加えた。撹拌しながらその混合物を68℃の内部温度に加熱した。16gの水中の2.66gの水酸化ナトリウム(66.5mmol、1.026当量)の溶液をその反応器に数分間かけて加え、内部温度を68℃に維持しながら12.4gの2−プロパノールをその後に続けた。アンチソルベント溶液(24.5g)を、内部温度を68℃に維持しながらその反応器に加えた。22.8gのアンチソルベント溶液中の最終生成物の0.32gの種晶のスラリーをその反応器に加え、続いて2.6gのアンチソルベント溶液によるフラスコのすすぎを加えた。その反応混合物を、内部温度を68℃に維持しながら1.5時間にわたって撹拌した。アンチソルベント溶液(354g)を、内部温度を68℃に維持しながら7時間かけてその反応器に加えた。その反応器の内容物を0℃の内部温度に7時間かけて冷却し、その後0℃で7時間にわたって撹拌した。その固体を濾過によって単離し、252gの冷洗浄液により洗浄した。その単離した固体を50℃の真空オーブン中で19時間乾燥させた。その標題化合物を白色固体として単離した(30.7g、遊離酸標準に対して92%の力価、57.2mmolの遊離酸当量、88%の収率)。H NMR(400MHz,DMSO−d)δppm7.75(s,1H)、7.72(d,J=7.8Hz,1H)、7.59(dd,J=8.8,2.2Hz,2H)、7.45(dd,J=8.5,1.8Hz,1H)、7.27(d,J=2.6Hz,2H)、7.21(d,J=2.7Hz,1H)、7.06(dd,J=8.8,2.2Hz,1H)、5.62(d,J=7.8Hz,1H)、3.24(s,3H)、2.68(s,3H)、1.40(s,9H)。
上で引用された参考文献(特許および非特許)は全て、参照により本特許出願中に組み込まれている。それらの参考文献の論議の意図は、それらの著者によって成された主張を単に要約することである。どの参考文献(または参考文献の一部)も、関連する先行技術(またはとにかく先行技術)であるとは了解されない。出願人らは、引用された参考文献の正確さおよび適切性に異議申し立てをする権利を留保する。

Claims (14)

  1. 式(A)の化合物またはこの塩を調製するための方法であって、溶媒混合物の存在下で式(5)の化合物をスルホンアミド化するステップを含み、該溶媒混合物は2−メチルテトラヒドロフランおよび酢酸エチルの1:2から1:3の混合物である、方法:
    Figure 0006469571
    (式中、LGは、脱離基であり;
    は、C−C−アルキル、C−C−フルオロアルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、フェニル、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニルおよび3−フラニルからなる群から選択され;
    は、水素、フルオロ、クロロ、C−C−アルキルおよびC−C−アルキルオキシからなる群から選択され;
    は、C−C−アルキルおよびC−C−フルオロアルキルからなる群から選択される。)。
  2. LGが、クロロ、ブロモ、ヨード、および−OSO1a(ここでR1aは、アリール、アルキル、フルオロアルキル、−フルオロアルキル−O−フルオロアルキル、−N(アルキル)、−O(アルキル)、−O(アリール)、フルオロ、イミダゾリルならびにこれらの異性体および同族体からなる群から選択される。)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. がt−ブチルであり、Rがメトキシであり、Rがメチルである、請求項1に記載の方法。
  4. 1aがペルフルオロブチルまたはトリフルオロメチルである、請求項2に記載の方法。
  5. 化合物(5)が、6−(3−tert−ブチル−5−(2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−2−メトキシフェニル)ナフタレン−2−イル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートである、請求項1に記載の方法。
  6. 化合物(5)が、塩基の存在下で遷移金属触媒または遷移金属触媒前駆物質および配位子を使用してスルホンアミド化される、請求項1に記載の方法。
  7. 遷移金属触媒または遷移金属触媒前駆物質中の遷移金属がパラジウムである、請求項6に記載の方法。
  8. パラジウム触媒またはパラジウム触媒前駆物質が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、クロロ(η3−アリル)パラジウム(II)二量体、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)およびビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 配位子が、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,4,5,6−テトラメチルビフェニル−2−イル)ホスフィン、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンまたは7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンである、請求項7に記載の方法。
  10. 塩基が、リン酸三カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびリチウムジイソプロピルアミドからなる群から選択され、好ましくは水和されたリン酸三カリウムである、請求項7に記載の方法。
  11. 化合物(5)が、溶媒中でリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)およびジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィンの存在下においてメタンスルホンアミドと反応させられて、化合物(A)を生じる、請求項1に記載の方法。
  12. 化合物(5)が、溶媒中でリン酸三カリウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および7,7,9,9−テトラメチル−8−(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3,6−ジメトキシビフェニル−2−イル)−1,4−ジオキサ−8−ホスファスピロ[4.5]デカンの存在下においてメタンスルホンアミドと反応させられて、化合物(A)を生じる、請求項1に記載の方法。
  13. 溶媒が、2−メチルテトラヒドロフランおよび酢酸エチルの1:2混合物である、請求項1に記載の方法。
  14. 溶媒が、2−メチルテトラヒドロフランおよび酢酸エチルの1:3混合物である、請求項1に記載の方法。
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